JPWO2017109983A1 - 微弱発光試料の解析方法及び解析システム - Google Patents

微弱発光試料の解析方法及び解析システム Download PDF

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Abstract

微弱発光試料の解析方法は、微弱光を発するように調製された複数の解析対象を含んでいる3次元試料としての微弱発光試料の微弱光画像を取得する画像取得処理(S101)と、取得された微弱光画像に基づいて前記3次元試料を解析する解析処理(S102)とを含む。画像取得処理(S101)は、所定の条件に基づいて、微弱光画像を取得する光学系に挿入された光学的絞りの開口径を決定すること(S203)と、決定された開口径の前記光学的絞りを用いて3次元試料についての微弱光画像を取得すること(S205)とを繰り返し行うことを含む。

Description

本発明は、微弱発光試料の解析方法及び解析システムに関する。
胚様体、動物の組織、臓器等のように個別に解析可能であるような複数の解析対象となる細胞を3次元の方向に多数含んでいる厚みのあるサンプル(3次元試料)を、顕微鏡を用いて観察する際に、3次元画像の再構成が行われることがある。3次元画像は、光軸方向に合焦位置を動かしながら複数枚の2次元画像を撮影し、それらの画像をスタックすることで再構成される。このようにして得られた3次元画像は、3次元の情報を有しており、3次元試料の解析に有効に用いられ得る。
例えば、日本国特許第5424528号には、次のような技術が開示されている。すなわち、この技術では、解析対象は、微弱光としての生物発光を発生する生きた胚又は組織といった厚みを有するサンプルである。このサンプルには、複数の測定対象部位が設けられている。この技術では、厚みのあるサンプルを立体とみなし、測定対象部位ごとに異なる角度から微弱光シグナルが取得され、そのシグナルを用いて個々の測定部位に関する解析が行われる。異なる角度から取得される微弱光シグナルは、厚みのあるサンプルの表面から一定の深さ情報を含んでおり、測定部位ごとに別々の3次元情報を含んでいる。
また、例えば日本国特開2014−119762号公報には、次のようなシステムに係る技術が開示されている。すなわち、このシステムは、細胞等を解析するシステムである。このシステムは、フォーカス位置を変化させながら、明視野画像及び発光画像又は蛍光画像を撮影することができる。
得られる3次元画像の解像度を高めるためには、3次元再構成に用いられる2次元画像の数は多い方がよい。また、2次元画像の焦点深度は、2次元画像の数に応じて適度に浅い方がよい。
一方で、3次元画像の再構成を行うためには、焦点位置を光軸に沿って移動させるための電動システムが必要である。また、3次元再構成のための複数枚の画像撮影は、時間を要する。また、3次元画像では関心領域(ROI:Region Of Interest)を3次元的に設定することを含めてデータ解析が難しい場合がある。特に、微弱光の3次元画像を取得する場合、撮影に要する時間が長くなりやすい。このため、特に微弱光を発生する3次元試料の解析においては、1枚の2次元画像に立体試料の多くの情報を集積させたいという要望もある。このような理由から必要とされる2次元画像は、焦点深度がある程度深いことが好ましい。このように、3次元画像と2次元画像とが共に必要とされる場合がある。また、3次元画像の取得と2次元画像の取得とでは、好ましい焦点深度が異なることがある。
本発明は、微弱光を発するように調製された厚みを有する3次元試料を対象とする解析において、焦点深度が調整された画像が取得される微弱発光試料の解析方法及び解析システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、微弱発光試料の解析方法は、微弱光を発するように調製された、複数の解析対象を含んでいる3次元試料としての微弱発光試料の微弱光画像を取得する画像取得処理と、取得された前記微弱光画像に基づいて前記3次元試料を解析する解析処理とを備え、前記画像取得処理は、所定の条件に基づいて、前記微弱光画像を取得する光学系に挿入された光学的絞りの開口径を決定することと、決定された前記開口径の前記光学的絞りを用いて前記3次元試料についての微弱光画像を取得することとを繰り返し行うことを含み、繰り返し行われる前記画像取得処理のうち少なくとも1回の前記画像取得処理においては、前記開口径は、前記光学系の光軸方向に異なる位置に存在する前記解析対象を焦点深度内に含めるような値に決定される。
本発明の一態様によれば、解析システムは、対物光学系と、前記対物光学系に設けられた光学的絞りと、所定の条件に基づいて光学的絞りの開口径を決定する開口決定部と、
前記光学的絞りの開口径を決定された値にする絞り駆動部と、前記光学的絞りが決定された前記開口径である状態で微弱光を発するように調製された複数の解析対象を含んでいる3次元試料としての微弱発光試料についての微弱光画像を、前記対物光学系を介して撮像する撮像装置とを備える。
本発明によれば、微弱光を発するように調製された厚みを有する3次元試料を対象とする解析において、焦点深度が調整された画像が取得される微弱発光試料の解析方法及び解析システムを提供できる。
図1は、一実施形態に係る解析システムの構成例の概略を示す図である。 図2は、絞りの開口径と得られる画像との関係について説明するための模式図である。 図3は、一実施形態に係る解析方法の一例の概略を示すフローチャートである。 図4は、一実施形態に係る画像取得処理の一例の概略を示すフローチャートである。 図5は、第1のモードに係る撮影のタイミングの一例について説明するための図である。 図6は、第1のモードに係る開口径決定処理の一例の概略を示すフローチャートである。 図7は、第1のモードに係る画像生成処理の一例の概略を示すフローチャートである。 図8は、第2のモードに係る撮影のタイミングの一例について説明するための図である。 図9は、第3のモードに係る開口径決定処理の一例の概略を示すフローチャートである。 図10は、一実施形態に係る解析処理の一例の概略を示すフローチャートである。 図11は、一実施形態の変形例に係る解析システムの構成例の概略を示す図である。 図12は、方眼紙で作製した三角錐の観察結果の一例を示す図である。 図13は、多孔質シリカビーズの観察結果の一例を示す図である。 図14は、時計遺伝子Per2::ルシフェラーゼをノックインしたマウスの大腿骨の観察結果の一例を示す図である。
〈解析の概要〉
本発明の一実施形態について説明する。本実施形態に係る解析システムは、微弱光を発するように調製された厚みを有する3次元試料の解析に用いられ得る。このような3次元試料の例としては、マウス等といった小動物の器官及び臓器、胚様体、スフェロイド、ゲル又は担体内で培養した3次元細胞試料等が挙げられる。
本実施形態に係る解析システムは、画像を取得するための顕微鏡を含む。本解析システムは、試料の2次元画像を取得できる。すなわち、微弱光を発する3次元試料についての2次元微弱光画像を取得できる。また、本解析システムは、互いに異なる複数の合焦面についての複数の2次元画像を取得できる。本解析システムは、得られた複数の2次元画像を含む少なくとも一組の2次元画像を合成して、3次元画像を生成することができる。すなわち、微弱光を発する3次元試料の3次元微弱光画像を取得できる。本解析システムでは、このようにして生成された2次元画像又は3次元画像といった微弱光画像に基づいて、解析が行われる。解析では、例えば画像中の輝度が求められる。
また、本解析システムにおいて、例えば対物レンズ部分といった顕微鏡の光学系には、開口径が可変である光学的絞りが設けられている。この絞りの開口径を変更することで、焦点深度は変化する。本実施形態に係る解析システムは、2次元画像又は3次元画像を取得する際に、絞りの開口径を調整し、得られる画像の焦点深度を調整する。
〈システム構成〉
本実施形態に係る解析システムの構成例について図1を参照して説明する。解析システム1は、上述の3次元試料であるサンプル900を観察するための観察装置100と、観察装置100の動作の制御及び画像処理等を行うデータ処理装置200とを備える。さらに、解析システム1は、データ処理装置200で処理された画像を表示するための表示装置310と、ユーザがデータ処理装置200に命令を入力する際に用いられる入力装置320とを備える。観察装置100は、サンプル900を照明しながら明視野画像を取得したり、暗条件でサンプル900の発光画像を取得したりできる装置である。観察装置100とデータ処理装置200とが連携することで、サンプル900の観察を行うことができる。
観察装置100は、サンプル900が入った容器910を設置するステージ110と、サンプル900を撮影するための撮影ユニット130と、サンプル900を照明するための照明ユニット160とを備える。
容器910は、サンプル900を収納する。容器910として、シャーレ、スライドガラス、マイクロプレートのほか、ゲル支持体、微粒子担体などが用いられ得る。
本実施形態では、撮影ユニット130に正立型の発光顕微鏡が用いられている。撮影ユニット130は、対物レンズ131と、光学的な絞り132と、結像レンズ133と、撮像装置134とを有する。対物レンズ131、光学的な絞り132、結像レンズ133等は、対物光学系の一部を成す。
撮像装置134は、サンプル900の発光画像や明視野画像を撮像する。撮像装置134は、CCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子を有する。撮像装置134は、この固体撮像素子の撮像面上に結像された像を光電変換することによって画像データを生成する。撮像装置134は、生成した画像データをデータ処理装置200へと出力する。撮像装置134としては、例えば冷却CCDカメラが用いられ得る。冷却CCDとしては、例えば0℃以下の冷却CCDが利用され得る。また、冷却CCDとして、好ましくは−80℃乃至−30℃の冷却CCD、特に−60℃程度の冷却CCDが利用され得る。
対物レンズ131及び結像レンズ133は、サンプル900の像を撮像装置134の撮像素子の撮像面に結像させる。絞り132は、対物レンズ131の後方に設けられている。絞り132は、開口径が変更され得るように構成されている。なお、絞り132は、撮影ユニット130内の他の位置に挿入されてもよい。
観察装置100には、データ処理装置200の制御下で、絞り132の開口径を変化させる絞り駆動部142が設けられている。また、撮影ユニット130には、合焦面を変化させるために、対物レンズ131をその光軸(Z軸)に沿って移動させるレンズ移動機構136が設けられている。観察装置100には、データ処理装置200の制御下でレンズ移動機構136を動作させる対物レンズ駆動部144が設けられている。
ステージ110は、撮影ユニット130の光軸に対して垂直な平面内(X−Y平面内)で移動できる。観察装置100には、データ処理装置200の制御下で、ステージ110を移動させるステージ駆動部120が設けられている。ステージ駆動部120は、ステージ110を2次元的に移動させる。
照明ユニット160は、明視野観察用の光(例えば白色光)をサンプル900に照射する。照明ユニット160は、光源161と、シャッター162と、照明光学系163とを備える。光源161は、明視野観察用の光を発するハロゲンランプ等を有する。
シャッター162は、サンプル900への明視野観察用の光の照射の有無を切り替えるシャッターである。観察装置100には、データ処理装置200の制御下でシャッター162を駆動する、シャッター駆動部170が設けられている。
照明光学系163は、コレクタレンズ164及び照明用ファイバ165を有する。照明用ファイバ165の入射端は、コレクタレンズ164の集光位置に設けられる。照明用ファイバ165の射出端は、ステージ110の対物レンズ131側(図示される正立型の発光顕微鏡においてはサンプル900の上方)に、照明光の射出方向をサンプル900の方向(又は容器910の底面の中央付近)に向けて斜めの光軸を有するように、かつ対物レンズ131への入射がなるべく少なくなるように、対物レンズ131の光軸に対して90度未満、好ましくは30〜65度の鋭角の傾きで設けられている。
コレクタレンズ164により集光された光源161からの光は、照明用ファイバ165の射出端から所定の角度で光が発散されることで、対物レンズ131側からほぼ均一にサンプル900を照射することができる。このように、対物レンズ131側から照明することで、厚みのあるサンプルに関して、影が生じることなく見通しの良い明視野画像を得ることができる。
データ処理装置200は、演算回路210と記憶装置280とを備える。演算回路210は、各種演算を行う回路である。記憶装置280は、演算回路210で用いられる各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する記憶装置を含む。また、記憶装置280には、得られた画像及び解析結果等の情報が記憶される。また、記憶装置280には、演算回路210が演算を行う際に使用する情報を一時的に記憶するRAM等が含まれ得る。記憶装置280は、例えば半導体メモリ、ハードディスク、各種ROM等を含み得る。
図1には、演算回路210の機能ブロックが示されている。すなわち、演算回路210は、撮影制御部222と、開口決定部224と、撮像装置制御部232と、絞り制御部234と、位置制御部236と、シャッター制御部238と、画像処理部242と、画像合成部244と、画像解析部246と、表示制御部248としての機能を有する。
撮影制御部222は、観察装置100を用いた画像取得に係る動作、取得された画像の表示に係る動作、取得された画像に基づく解析等の全体の動作を制御する。
開口決定部224は、撮影制御部222から取得した情報に基づいて、絞り132の開口径を決定する。開口決定部224は、決定した開口径を絞り制御部234へと伝達する。
絞り制御部234は、撮影制御部222の指示の下、絞り132の開口径が開口決定部224から取得した開口径となるように、絞り132の動作を制御する。すなわち、絞り制御部234は、絞り駆動部142へと制御信号を出力する。
撮像装置制御部232は、撮影制御部222の指示の下、撮像装置134の動作を制御する。撮像装置制御部232は、例えば、撮像のタイミング、露出時間等を制御する。
位置制御部236は、撮影制御部222の指示の下、対物レンズ131の位置及びステージ110の位置を制御する。すなわち、位置制御部236は、対物レンズ駆動部144及びステージ駆動部120へと制御信号を出力する。
シャッター制御部238は、撮影制御部222の指示の下、シャッター162の動作を制御する。すなわち、シャッター制御部238は、シャッター駆動部170へと制御信号を出力する。シャッター制御部238は、例えば、明視野画像を取得するときにはシャッター162を開状態にし、発光画像を取得するときにはシャッター162を閉状態にする。
画像処理部242は、撮影制御部222の制御下で、撮像装置134から画像データを取得して、当該画像データに対して画像処理を施す。例えば、画像処理部242は、2次元画像のデータを作成する。画像処理部242は、画像処理後の画像データを画像合成部244、画像解析部246又は表示制御部248へと伝達する。また、画像処理部242は、処理後の画像を記憶装置280に記録させる。
画像合成部244は、撮影制御部222の制御下で、画像処理部242から取得した2次元画像に基づいて、3次元画像を合成する。画像合成部244は、作成した3次元画像を画像解析部246又は表示制御部248へと伝達する。また、画像合成部244は、作成した3次元画像を記憶装置280に記録させる。
画像解析部246は、撮影制御部222の制御下で、画像処理部242から取得した2次元画像又は画像合成部244から取得した3次元画像を用いて、解析を行う。画像解析部246は、例えば、画像データに基づいて、3次元試料の発光量を算出する。画像解析部246は、解析結果を必要に応じて必要な形式で表示制御部248へと伝達する。また、画像解析部246は、解析結果を記憶装置280に記録させる。
表示制御部248は、撮影制御部222の制御下で、画像処理部242、画像合成部244又は画像解析部246から取得した情報に基づいて、画像を表示装置310に表示させる。
演算回路210は、Central Processing Unit(CPU)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、又はField Programmable Gate Array(FPGA)等の集積回路等を含む。演算回路210は、1つの集積回路等で構成されてもよいし、例えば機能ブロックごとに設けられた複数の集積回路等が組み合わされて構成されてもよい。これら集積回路の動作は、例えば記憶装置280や集積回路内の記録領域に記録されたプログラムに従って行われる。
表示装置310は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった、一般的な表示装置である。表示装置310は、表示制御部248の制御下で、各種画像を表示する。なお、表示装置310とともに、例えば表示内容を紙に印刷するプリンタ等が備えられてもよい。
入力装置320は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、スイッチといった一般的な入力装置である。入力装置320は、ユーザによる入力をデータ処理装置200へと伝達する。
〈3次元試料〉
3次元試料としては、上述のとおり、例えば、マウス等といった小動物の器官若しくは臓器、生体の組織、胚様体、スフェロイド、又はゲル若しくは担体内で培養した3次元細胞試料等が挙げられる。本実施形態では微弱光を発光する3次元試料の発光画像を取得することが含まれる。このため、試料を構成する細胞には、例えば発光タンパク質の遺伝子が導入されている。発光タンパク質としては、例えばルシフェラーゼが用いられ得る。発光タンパク質としてルシフェラーゼが用いられる場合、試料には、発光基質であるルシフェリンが導入される。一般に、発光タンパク質の遺伝子が導入された細胞は、蛍光タンパク質に比べて100分の1以下の極めて微弱な輝度の生物発光を発生するに過ぎず、ビデオレートで撮像することが困難である。それにもかかわらず、発光タンパク質は、細胞内の遺伝子の発現量と極めて相関の高い生物発光を生じるので、長時間に亘り微弱な光を測定することにより、発現量の微弱な変化を正確に捉えることができる。このようにビデオレートでの撮像が困難となるような微弱光は、微弱な生物活性を定量するのに非常に適している。しかしながら、生物発光のような微弱光を高感度に取得できる顕微鏡ベースの発光イメージングシステム(発光顕微鏡)は発展途上であり、多様な生物活性に応用する手法も装置も検討されていない状況にある。
ルシフェラーゼ活性を指標として生物活性の一例である遺伝子発現の強さを調べる場合には、ルシフェラーゼがレポーター遺伝子として生きた細胞に導入される。この場合、ルシフェラーゼ遺伝子の上流や下流に目的のDNA断片がつながれることによって、そのDNA断片が転写に及ぼす影響を時系列的に調べることができる。また、転写に影響を及ぼすと思われる転写因子などの遺伝子を発現ベクターにつないでレポーター遺伝子と共発現させることにより、その遺伝子産物のレポーター遺伝子の発現に対する影響を調べることもできる。
〈絞りの開口径と得られる画像との関係〉
絞り132の開口径と撮像装置134によって得られる画像との関係について、図2に示す模式図を参照して説明する。図2において、左列は2次元画像を得る場合を示し、右列は3次元画像を得る場合を示す。図2において、上段は絞り132の開口径が大きい場合を示し、下段は絞り132の開口径が小さい場合を示す。
それぞれの欄における上の図は、光軸を含む平面を示す。すなわち、これらの図は、容器910の底面上のサンプル900を横から見た状態の模式図を示す。図中の各白抜きの矩形810は、1回の撮像で画像が得られる領域を模式的に示す。すなわち、各矩形810の高さは、焦点深度を模式的に示している。2次元画像を取得する場合には、1つの2次元画像が取得されるので、1つの矩形810が示されている。一方、3次元画像を取得する場合には、レンズ移動機構136によって対物レンズ131をその光軸に沿って移動させながら複数の2次元画像が得られるので、複数の矩形810が示されている。
2次元画像の欄における下の図は、得られる2次元画像820を模式的に示す。これらの2次元画像820は、光軸に対して垂直な平面を表す画像であり、矩形810で示される領域に係るサンプル900の断面を表す画像である。3次元画像の欄における下の図は、得られる3次元画像の光軸を含む平面についての断面画像830を模式的に示す。
図2に示すように、絞り132の開口径が大きいときは焦点深度が浅い。このため、得られる2次元画像820には、合焦面に係る狭い範囲の試料の情報が含まれ、合焦面から外れた領域に係る試料の情報は含まれない。例えば、サンプル900内の第1の構造物901については2次元画像820に表されるが、第2の構造物902については2次元画像820に表されない。一方、絞り132の開口径が小さいときは焦点深度が深い。このため、深さ方向について広い領域の光が1枚の2次元画像に集積させられる。その結果、得られる2次元画像には、合焦面から外れた領域も含む広い範囲の試料の情報が含まれる。例えば、サンプル900内の第1の構造物901及び第2の構造物902が共に2次元画像820に表される。したがって、1枚の2次元画像で多くの情報を得るためには、絞り132の開口径が小さい方が好ましい。1枚の2次元画像で高解像度の画像を得るためには、絞り132の開口径が大きい方が好ましい。
また、3次元画像については、図2に示すように、絞り132の開口径が大きい方が高い解像度が得られる。一方、絞り132開口径が小さいと、観察領域が重複して深さ方向の解像度が悪くなり、得られる3次元画像は解像度が悪いものとなってしまう。したがって、3次元画像を得る場合には、絞り132の開口径が大きい方が好ましい。
本実施形態に係る解析システムでは、深さ方向の情報を多く有する2次元画像の取得が要求されているときは、絞り132の開口径は小さくして、焦点深度が深い状態で2次元画像の取得が行われる。一方、解像度が高い3次元画像の取得が要求されているときは、絞り132の開口径を大きくして、焦点深度が浅い状態で複数の2次元画像の取得が行われる。このようにして得られた焦点深度が浅い2次元画像を合成することで1つの解像度が高い3次元画像が得られる。
なお、2次元画像と3次元画像とは種々の使い分けがあり得る。例えば、2次元画像によれば、解析や視覚的な認識が容易である。このため、試料概要の把握のために2次元画像が利用され得る。一方、詳細な解析が必要な場合には、3次元画像が利用され得る。また、2次元画像の取得を基本として、2次元画像において所定の変化が検出された場合に、3次元画像の取得が行われることで、効率よく必要な情報が取得され得る。
〈解析方法〉
本実施形態に係る3次元を有する微弱発光試料の解析方法について説明する。図3に示すように、本解析方法は、ステップS101の画像取得処理と、ステップS102の解析処理とを含む。ステップS101の画像取得処理では、所定の動作が繰り返し実行されることによって、解析に用いられる試料の画像が取得される。ステップS102の解析処理では、得られた画像に基づいて試料の解析が行われる。なお、画像の取得と得られた画像の解析とが交互に繰り返し行われる等してもよい。
画像取得処理について説明する。画像取得処理では、時間経過に沿って2次元画像又は3次元画像を含む複数の画像が取得される。すなわち、タイムラプス観察が行われる。この画像取得は、手動で制御されてもよいし、例えばデータ処理装置200によって制御されてもよい。図4を参照して、データ処理装置200によって制御される画像取得処理の一例を説明する。
ステップS201において、データ処理装置200の撮影制御部222は、画像取得に係る各種設定を行う。データ処理装置200は、例えばユーザが入力した値に基づいて、一連の撮影時間のタイミング、取得する画像の枚数、合焦位置等を設定する。
ステップS202において、データ処理装置200の撮影制御部222は、撮影を行うタイミングであるか否かを判定する。例えば、撮影制御部222は、撮影開始からの経過時間を計測する。撮影制御部222は、ステップS202において、撮影開始からの経過時間とステップS201で設定された撮影を行うタイミングとを比較して、撮影を行うか否かを判定する。撮影を行うタイミングでないとき、処理はステップS206に進み、ステップS203乃至ステップS205の処理をスキップする。一方撮影を行うタイミングであるとき、処理はステップS203に進む。
ステップS203において、データ処理装置200の開口決定部224は、所定の条件に基づいて絞り132の開口径を決定する開口径決定処理を行う。本実施形態では、2次元画像が取得される場合、焦点深度が深い小さな開口径が選択される。一方、3次元画像が取得される場合、焦点深度が浅い大きな開口径が選択される。小さな開口径と大きな開口径とは、それぞれ観察装置100の光学的な条件によって予め決められていてもよい。例えば、小さな開口径とは、絞り132の開口の直径が何mmであり、大きな開口径とは、絞り132の開口の直径が何mmである等のように決められ得る。あるいは、小さな開口径と大きな開口径は、ステップS201における設定において、ユーザによってそれぞれ指定されてもよい。
ステップS204において、データ処理装置200の絞り制御部234は、決定された開口径となるように、絞り132の動作を制御する。
ステップS205において、データ処理装置200は、撮像を行い、2次元画像又は3次元画像を生成する画像生成処理を行う。すなわち、ステップS203で小さな開口径が選択され、ステップS204で絞り132の開口径が小さくなるように設定されたとき、1枚の2次元画像が取得される。一方、ステップS203で大きな開口径が選択され、ステップS204で絞り132の開口径が大きくなるように設定されたとき、複数枚の2次元画像が取得され、これらの2次元画像に基づいて3次元画像が作成される。
ステップS206において、データ処理装置200の撮影制御部222は、一連の撮影が終了したか否かを判定する。一連の撮影が終了していないと判定されたとき、処理はステップS202に戻る。このようにして、ステップS201で設定された期間、設定された数の画像が取得される。一連の撮影が終了したとき、画像取得処理は終了する。
〈画像取得のモードについて〉
本実施形態に係る解析システム1には、画像取得のための3つの動作モードが用意されている。いずれのモードにおいても、繰り返し行われる画像取得のうち少なくとも1回の処理においては、開口径は、対物光学系の光軸方向に異なる位置に存在する解析対象を焦点深度内に含めるような値に決定される。これらのモードについて順に説明する。
(第1のモード)
第1のモードは、ステップS201で設定された画像取得のタイミングにおいて、それぞれ2次元画像と3次元画像とが取得されるモードである。第1のモードにおいて、画像が取得されるタイミングを図5を参照して説明する。第1のモードでは、解析システム1は、まず、絞り132の開口径を小さくして焦点深度が深い状態とし、この状態で1回の撮影を行い1つの2次元画像を取得する。続いて、解析システム1は、絞り132の開口径を大きくして焦点深度が浅い状態とし、この状態で微弱発光試料の深さ方向(2次元画像に対しほぼ垂直な方向)に沿って複数回の撮影を行い、得られた画像を合成することで1つの3次元画像を取得する。解析システム1は、このような2次元画像と3次元画像とを一組とした画像取得を、ステップS201で設定されたタイミングで繰り返し行う。なお、所定の露光量を得るためには、開口径が小さいときは、開口径が大きい場合に比較して、長時間の露出が必要である。
このように、互いに異なる光学的絞りの開口径を用いて2次元画像と3次元画像とを一組として画像取得を行うことで、3次元画像に基づいて、2次元画像の中にある画像情報を3次元的に対応付けることが容易となる。したがって、第1のモードにおけるベストモードとしては、3次元画像により3次元情報が付与された2次元画像を繰り返し取得することで、最小限の3次元画像の取得でもって微弱光の3次元解析が連続的に実行され得る。
第1のモードでは、例えば2次元画像のための撮影が行われる直前に、開口径は小さい状態に変更され、3次元画像のための最初の撮影が行われる直前に、開口径は大きい状態に変更される。あるいは、例えば2次元画像のための撮影が行われた直後に、開口径は大きい状態に変更され、3次元画像のための最後の撮影が行われた直後に、開口径は小さい状態に変更される。
第1のモードにおいて、ステップS203で行われる開口径決定処理について、図6を参照して説明する。ステップS301において、データ処理装置200の開口決定部224は、開口径を小さい状態に変更するタイミングであるか否かを判定する。例えば2次元画像のための撮影が行われる直前に開口径は小さい状態に変更され、3次元画像のための最初の撮影が行われる直前に開口径は大きい状態に変更される設定においては、2次元画像のための撮影が行われる直前であるか否かが判定される。あるいは、例えば2次元画像のための撮影が行われた直後に開口径は大きい状態に変更され、3次元画像のための最後の撮影が行われた直後に開口径は小さい状態に変更される設定においては、3次元画像のための最後の撮影が行われた直後であるか否かが判定される。開口径を小さくするタイミングであるとき、処理はステップS302に進む。ステップS302において、開口決定部224は、絞り132の開口径を小さい状態に変更すると決定する。その後、開口径決定処理は終了し、処理は図4を参照して説明した画像取得処理に戻る。
ステップS301において開口径を小さい状態に変更するタイミングでないと判定されたとき、処理はステップS303に進む。ステップS303において、開口決定部224は、開口径を大きい状態に変更するタイミングであるか否かを判定する。例えば2次元画像のための撮影が行われる直前に開口径は小さい状態に変更され、3次元画像のための最初の撮影が行われる直前に開口径は大きい状態に変更される設定においては、3次元画像のための最初の撮影が行われる直前であるか否かが判定される。あるいは、例えば2次元画像のための撮影が行われた直後に開口径は大きい状態に変更され、3次元画像のための最後の撮影が行われた直後に開口径は小さい状態に変更される設定においては、2次元画像のための撮影が行われた直後であるか否かが判定される。開口径を大きい状態に変更するタイミングであるとき、処理はステップS304に進む。ステップS304において、開口決定部224は、絞り132の開口径を大きい状態に変更すると決定する。その後、開口径決定処理は終了し、処理は図4を参照して説明した画像取得処理に戻る。
ステップS303において開口径を大きい状態に変更するタイミングでないと判定されたとき、処理はステップS305に進む。ステップS305において、開口決定部224は、開口径を維持すると決定する。その後、開口径決定処理は終了し、処理は図4を参照して説明した画像取得処理に戻る。
開口径決定処理の後、ステップS204において、データ処理装置200の絞り制御部234は、決定された開口径となるように、絞り132の動作を制御する。例えば、ステップS203の開口径決定処理において、開口径を小さい状態に変更すると決定されたとき、絞り132は、開口径が小さい状態に変更される。一方、開口径を大きい状態に変更すると決定されたとき、絞り132は、開口径が大きい状態に変更される。また、開口径を維持すると決定されたとき、絞り132は変更されない。
次に、ステップS205で行われる画像生成処理について、図7を参照して説明する。
ステップS401において、データ処理装置200の撮影制御部222は、ステップS203で決定されてステップS204で設定された絞り132の開口径が小さい状態であるか否かを判定する。開口径が小さいとき、処理はステップS402に進む。ステップS402において、撮影制御部222は、撮像装置制御部232を介して撮像装置134に所定の焦点面における撮像を1回行わせ、1枚の2次元画像に係る画像データを取得する。ここで設定される焦点面は、例えば、ステップS201において、ユーザによって予め指定された焦点面でもよい。また、例えば、前回取得された3次元画像において、輝度が最も高い領域を含むような焦点面であってもよい。
ステップS403において、撮影制御部222は、画像処理部242にステップS402で取得された画像データに基づいて、1つの2次元画像を作成させる。その後、画像生成処理は終了し、処理は図4を参照して説明した画像取得処理に戻る。
ステップS401において、絞り132の開口径が小さくない、すなわち、絞り132の開口径が大きいと判定されたとき、処理はステップS404に進む。ステップS404において、撮影制御部222は、位置制御部236を介して例えばステージ110を光軸方向に移動させることで合焦面を変化させながら、撮像装置134に繰り返し撮像を行わせ、複数の2次元画像に係る画像データを取得する。ステップS405において、撮影制御部222は、画像合成部244にステップS404で取得された複数の2次元画像の画像データに基づいて、1つの3次元画像を作成する再構成処理を行わせる。その後、画像生成処理は終了し、処理は図4を参照して説明した画像取得処理に戻る。
ステップS202で調整されたタイミングにおいて、ステップS203乃至ステップS205の処理によって2次元画像と3次元画像とが繰り返し取得されることで、2次元画像と3次元画像とが一組として、繰り返し取得されることになる。なお、ここでは、2次元画像の後に3次元画像が取得される例を示したが、先に3次元画像が取得され、その後に2次元画像が取得されてもよい。
(第2のモード)
第2のモードの概略について、図8を参照して説明する。第2のモードでは、図8に示すように、焦点深度が深い開口径が小さい状態において2次元画像取得のための撮影が繰り返し行われ、所定の頻度で焦点深度が浅い開口径が大きい撮影が複数回行わることで1つの3次元画像取得が行われる。例えば、2次元画像の取得に必要な露出時間が例えば10分程度であり、3次元画像の取得のために、例えば1枚の2次元画像の取得に必要な時間が例えば3分程度であって、このような2次元画像の取得が10回繰り返される等のように設定される。
第2のモードは、例えば細胞が生体組織内で移動する場合のように、主に2次元画像に含まれる情報に基づいて解析を行うことができ、部分的に3次元画像に含まれる情報に基づいて解析を行うことが必要な場合に効果を奏する。すなわち、3次元画像に基づく情報を正確に反映させながら2次元画像による3次元解析が連続的に実行され得る。
第2のモードにおいても、例えば3次元画像のための最初の撮影が行われる直前に、開口径は大きい状態に変更され、2次元画像のための撮影が行われる直前に、開口径は小さい状態に変更される。
第2のモードにおいても、ステップS203で行われる開口径決定処理は、図6のフローチャートを参照して説明した手順で行われる。すなわち、ステップS301において、開口決定部224は、開口径を小さい状態に変更するタイミングであるか否かを判定する。例えば、2次元画像のための撮影が行われる直前であるか否かが判定される。2次元画像のための撮影が行われる直前であるとき、ステップS302において、開口決定部224は、絞り132の開口径を小さい状態にすると決定する。ステップS303において、開口決定部224は、開口径を大きい状態に変更するタイミングであるか否かを判定する。例えば、3次元画像のための最初の撮影が行われる直前であるか否かが判定される。3次元画像のための最初の撮影が行われる直前であるとき、ステップS304において、開口決定部224は、絞り132の開口径を大きい状態にすると決定する。
また、第2のモードにおいても、ステップS205で行われる画像生成処理は、図7のフローチャートを参照して説明した手順で行われる。すなわち、絞り132の開口径が小さいとき、ステップS402で1つの画像データが取得され、ステップS403で1つの2次元画像が作成される。一方、絞り132の開口径が大きいとき、ステップS404で複数の画像データが取得され、ステップS405で1つの3次元画像が作成される。
第2のモードにおいては、ステップS203乃至ステップS205の処理によって、ステップS202で調整されたタイミングで2次元画像又は3次元画像が繰り返し取得される。
このように、第1の開口径を小さい開口径とし、第2の開口径を大きい開口径としたときに、繰り返される第1のタイミングで絞り132の開口径は第1の開口径に設定され、繰り返される第2のタイミングで絞り132の開口径は第2の開口径に設定される。そして、絞り132の開口径を第2の開口径とする場合には、互いに異なる複数の合焦面についての一組の2次元微弱光画像が取得され、この一組の2次元微弱光画像を合成して3次元微弱光画像が生成される。
(第3のモード)
第3のモードについて説明する。第3のモードでは、まず、2次元画像が繰り返し取得される。得られた2次元画像は逐次に解析される。そして、2次元画像において所定の変化よりも大きな変化が検出されたとき、3次元画像の取得が行われる。例えば、微弱光としての発光(ルシフェラーゼ遺伝子による細胞から発生する光)の画像については、生物学的な活性(例えば遺伝子発現量)が有意に変化したと解釈できるような発光強度の変化があった場合に、大きな変化が検出されたとして3次元画像の取得が行われるように解析システム1は構成され得る。あるいは、生物学的な活性があると認められる発光強度を閾値として、発光強度が当該閾値よりも上回った場合に変化が検出されたと判断されるように解析システム1は構成され得る。また、得られた3次元画像は逐次に解析される。そして、3次元画像において所定の変化よりも変化が小さくなったことが検出されたとき、2次元画像の取得が行われる。
第3のモードでは、ステップS201で行われる設定において、絞り132の開口径の初期値として開口径が小さい、つまり焦点深度が深い状態での撮像条件が設定される。
第3のモードにおけるステップS203で行われる開口径決定処理について、図9を参照して説明する。なお、ステップS205で行われる画像生成処理では、図7を参照して説明した処理と同様の処理が行われる。ステップS501において、データ処理装置200の開口決定部224は、開口径は小さい状態であるか否かを判定する。開口径が小さい状態であるとき、処理はステップS502に進む。ステップS502において、画像解析部246は、過去に得られた2次元画像を解析し、開口決定部224は、2次元画像において所定の変化が検出されたか否かを判定する。
ステップS502で変化が検出される場合とは、例えば連続する2回の取得で得られた2次元画像における輝度の変化が所定の値よりも大きくなった場合、得られた2次元画像における輝度値が所定の閾値を超えた場合、得られた2次元画像における輝度値が所定の上限値に相当する閾値を超えた場合及び/又は所定の下限値に相当する閾値を下回った場合が該当し得る。ここで、上限値と下限値の両方の閾値からなる変化量の範囲を適用することにより、多様な微弱光の変化に応じた3次元解析を行い得る。下限値に相当する閾値を下回った場合、光学的絞りの開口径を逆に大きくすることで、輝度値が極端に弱くなったとしても集光量を多くし解析の限界を拡げ得る。なお、この例では、絞り132の開口径の初期値は小さい状態に設定されているので、最初の画像取得では、必ず2次元画像が取得されることになる。
ステップS502において、変化が検出されたと判定されたとき、処理はステップS503に進む。ステップS503において、開口決定部224は、絞り132の開口径を大きい状態に変更すると決定する。その後、開口径決定処理は終了し、処理は図4を参照して説明した画像取得処理に戻る。その結果、次に行われる画像生成処理において、1つの3次元画像が作成される。
ステップS502において、2次元画像において変化が検出されていないと判定されたとき、処理はステップS504に進む。ステップS504において、開口決定部224は、絞り132の開口径を小さい状態で維持すると決定する。その後、開口径決定処理は終了し、処理は図4を参照して説明した画像取得処理に戻る。その結果、次に行われる画像生成処理において、1つの2次元画像が作成される。
ステップS501において、開口径が小さい状態でないと判定されたとき、処理はステップS505に進む。ステップS505において、画像解析部246は、過去に得られた3次元画像を解析し、開口決定部224は、3次元画像において所定の変化が検出されたか否かを判定する。
ステップS505で変化が検出される場合とは、例えば連続する2回の取得で得られた3次元画像において、輝度が低下する変化が検出された場合であって、当該輝度の変化量が所定の値よりも大きくなった場合や、得られた3次元画像における輝度値が所定の閾値を下回ったとき等が該当し得る。
ステップS505において、変化が検出されなかったと判定されたとき、処理はステップS506に進む。ステップS506において、開口決定部224は、絞り132の開口径を小さい状態に変更すると決定する。その後、開口径決定処理は終了し、処理は図4を参照して説明した画像取得処理に戻る。その結果、次に行われる画像生成処理において1つの2次元画像が作成される。
ステップS505において、3次元画像において変化が検出されたと判定されたとき、処理はステップS507に進む。ステップS507において、開口決定部224は、絞り132の開口径を大きい状態で維持すると決定する。その後、開口径決定処理は終了し、処理は図4を参照して説明した画像取得処理に戻る。その結果、次に行われる画像生成処理において1つの3次元画像が作成される。
以上のようにして、例えば取得される画像における微弱光の輝度が高いとき、3次元画像が作成される。一方、例えば取得される画像における微弱光の輝度が低いとき、2次元画像が作成される。
一般に、上述のように生物学的な活性が有意に変化したと解釈できるような発光強度の変化が生じた場合等、変化が生じている状態について3次元画像を用いて詳細に解析したいことがある。第3のモードによれば、変化が生じたときのみ必要な3次元画像が取得され、変化が生じていないときは2次元画像のみが取得される。その結果、データ量が抑制され得る。また、2次元画像によれば、データの一覧性が向上する。例えば発光観察は、長時間にわたって行われることが多くあり、1つのデータが大きい3次元画像が多く記録されるとデータ量が膨大になり、解析に支障が生じることがある。また、3次元画像は一目で画像の内容を把握するのに不向きな画像である。
このように、第1の開口径を小さい開口径とし、第2の開口径を大きい開口径としたときに、絞り132の開口径の初期値は第1の開口径に設定される。そして、第1の開口径で繰り返し取得された微弱光画像を比較して、微弱光画像の輝度値の変化が所定値よりも大きくなったときに、絞り132の開口径は第2の開口径に設定される。さらに、絞り132の開口径を第2の開口径とする場合には、互いに異なる複数の合焦面についての一組の2次元微弱光画像が取得され、この一組の2次元微弱光画像を合成して3次元微弱光画像を生成される。
また、ここでは、データ処理装置200が2次元画像の輝度が変化したか否かを判定する例を示した。しかしながらこれに限らない。例えば、2次元画像が取得される度に表示装置310に表示され、ユーザがこの表示を確認しながら、3次元画像を取得するタイミングをデータ処理装置200に入力してもよい。この場合、3次元画像を取得する旨が入力されたとき、データ処理装置200は、3次元画像を取得するための動作を行う。
以上のように、ステップS101の画像取得処理で繰り返し実行される動作には、例えば、開口径決定処理、絞り132の開口径の設定、画像生成処理等といった所定の動作が含まれる。これらの動作が繰り返し実行されることによって、解析に用いられる試料の画像が取得される。なお、上述の各モードの動作として、絞り132の開口径が大きい状態と小さい状態との2つの状態のみを取る例を示した。しかしながらこれに限らない。開口径が3つ以上の状態を取ってもよい。例えば2次元画像が取得される際に、2次元画像の用途に応じて、開口径が異なる複数の状態で得られた複数種類の2次元画像が取得されてもよいし、開口径が適宜に選択されてもよい。また、3次元画像が取得される際に、撮影に必要な時間と得られる3次元画像の解像度との関係によって、絞り132の開口径が適宜に選択されてもよい。
〈解析処理について〉
ステップS102で行われる解析処理では、ステップS101の画像取得処理で取得された2次元画像又は3次元画像に基づいて、種々の解析が行われる。解析処理では、例えば画像における輝度分布が解析される。また、解析処理では、例えば画像における輝度分布の経過時間に対する変化が解析される。
また、解析処理では、一連の画像取得において得られた複数の2次元画像及び3次元画像の中から必要な画像が選択されて解析が行われることがある。一例として図5に示す第1のモードのように2次元画像と3次元画像とが一組の情報として取得された場合において、選択された画像について解析される場合の例を図10を参照して説明する。
ステップS601において、データ処理装置200の表示制御部248は、取得された2次元画像を表示装置310に一覧表示させる。
ステップS602において、データ処理装置200の撮影制御部222は、表示させた複数の2次元画像の中から1つの2次元画像が選択されたか否かを判定する。2次元画像が選択されていないとき、処理はステップS604に進む。一方、2次元画像が選択されているとき、処理はステップS603に進む。ステップS603において、データ処理装置200の画像解析部246は、選択された2次元画像に対応する3次元画像を用いた解析を行う。選択された2次元画像に対応する3次元画像は、例えば選択された2次元画像と最も近いタイミングで取得された一組の2次元微弱光画像に基づいて合成された3次元微弱光画像であり得る。その後、処理はステップS604に進む。
ステップS604において、撮影制御部222は、解析処理を終了するか否かを判定する。解析処理を終了しないとき、処理はステップS601に戻る。一方、解析処理を終了するとき、解析処理を終了する。
このように、2次元画像をサムネイル画像として利用することができる。本実施形態に係る2次元画像は、絞り132の開口径を小さくすることで焦点深度を深くして得られた画像である。このため、2次元画像には多くの情報が含まれている。このため、本実施形態に係る2次元画像は、サムネイル画像として適している。その結果、ユーザは注目すべき画像を素早く選択することができる。このことは、解析全体の効率化に効を奏する。
〈本解析システムの利点〉
本実施形態によれば、絞り132の開口径を変化させることで、3次元試料について、情報量の多い2次元画像と解像度の高い3次元画像とを適切に取得することができる。2次元画像は、3次元画像と比較して、撮影に必要な時間が短い。このため、本実施形態によれば、限られた時間内で効率よく情報を収集することができる。また、2次元画像は3次元画像と比較してデータサイズが小さい。このため、本実施形態によれば、不必要なデータが発生することを抑制して、データの管理が行いやすくなる。また、2次元画像は3次元画像と比較して、ROIの設定など、データの取り扱いが容易である。また、2次元画像は3次元画像に対して一覧性がよい。一方で、3次元画像は情報量が多い。したがって、必要に応じて3次元画像が取得されることは、より詳細な試料の解析や試料の状態の3次元的な把握に効を奏する。
〈変形例〉
上述の実施形態の観察装置100の構成は、適宜に変更され得る。例えば、図1に示す例では、対物レンズ131側から照明光がサンプル900に照射される例を示した。しかしながらこれに限らない。サンプル900を挟んで対物レンズ131と反対側から照明光が照射されてもよい。この場合、例えば図11に示すような構成が採用され得る。すなわち、照明ユニット160は、サンプル900に対して撮影ユニット130と反対側に配置されている。図1に示す例における照明用ファイバ165に代えて、コンデンサーレンズ167が観察装置100に設けられる。すなわち、照明光学系163は、コレクタレンズ164及びコンデンサーレンズ167を有する。照明光学系163のコレクタレンズ164及びコンデンサーレンズ167は、光源161からの白色光をサンプル900上に集光させる。また、上述の実施形態では、正立型の顕微鏡が用いられる例を示したがこれに限らない。例えば倒立型の顕微鏡(たとえばオリンパス(株)製の倒立型発光イメージングシステムであるLUMINOVIEW200)が用いられてもよい。
また、上述の実施形態では、合焦面を変化させるために対物レンズ131を移動させて撮影ユニット130の光学系を変化させる例を示した。しかしながらこれに限らず、ステージ110を光軸に沿って移動させてもよい。
また、上述の実施形態では、2次元画像及び3次元画像が明視野画像であるか発光画像であるかを限定しなかった。発光画像のみが取得されてもよいし、発光画像と併せて明視野画像が取得されてもよい。また、発光画像と明視野画像とが、それぞれ所定のタイミングで取得されてもよい。また、発光画像の取得と明視野画像の取得とが、所定の条件に応じて行われてもよい。
また、上述の実施形態では3次元試料が発光するように調製されており、発光画像が取得される例を示した。しかしながらこれに限らない。3次元試料が蛍光を発するように調製され、観察装置100が蛍光画像を取得できるように構成されていれば、ビデオレートでの3次元画像の取得が難しいような蛍光画像が取得されてもよい。このように、微弱光には発光以外にも、ビデオレートでの3次元解析が難しいような微弱光を発したり、3次元画像の取得中に輝度値の変化量が所定の上限値よりも上回ってしまうような事象を示すサンプルについては、相対的にサンプルの厚みが大きいと見なすことができるので、本発明における微弱光の3次元解析に該当する。同様の事象を示す場合には、蛍光(たとえば蛍光タンパク質)の使用も含まれ得る。
[第1の実施例]
〈観察方法〉
正立型発光イメージングシステムを用いて、明視野画像の撮影を行った。ここでは、図1に示す観察装置100のように、対物レンズ131側から照明光が照射される構成を有する正立型発光イメージングシステムを用いた。使用した対物レンズは、倍率が4倍である対物レンズ(XLFLUOR4X/340;オリンパス(株))である。このレンズにおいて、絞りを取り付けていない状態(NA:0.28)、及び開口径が異なる絞りを対物レンズの後方に取り付けた場合のそれぞれにおいてサンプルの撮影を行い、2次元画像を取得した。取り付けた絞りの開口径は、φ16.8mm、φ12.6mm、及びφ8.4mmの3種類である。開口径がφ8.4mmの場合のNAは0.0933に相当する。露出時間はそれぞれ50ミリ秒とした。サンプルは下記の2種類とした。
(第1のサンプル)
方眼紙を用いて作成した三角錐をサンプルとした。方眼紙のメモリは1mm間隔である。三角錐の頂点に合焦させた状態で撮影を行った。
(第2のサンプル)
乾燥剤として用いられる多孔質シリカビーズをサンプルとした。ビーズ径は3mm乃至7mmである。サンプルには、サイズの違うビーズが混ざっている。
〈結果及び考察〉
第1のサンプル(方眼紙で作製した三角錐)の観察結果を図12に示す。図12に示すように、絞りによって調整された開口径が大きいほど焦点深度が浅く、開口径が小さいほど焦点深度が深くなる様子が明確に確認された。
第2のサンプル(多孔質シリカビーズ)の観察結果を図13に示す。図13中に正方形で示した位置に合焦させて画像取得を行った。図12の場合と同様に、図13の場合においても、絞りによって調整された開口径が大きいほど焦点深度が浅く、開口径が小さいほど焦点深度が深くなる様子が明確に確認された。
このように、絞りの効果が示され、絞りの開口径が小さいほど、深さ情報が反映された画像が得られることが明らかになった。
[第2の実施例]
〈観察方法〉
第1の実施例と同様のXLFLUOR4X/340を有する光学系を用いて、マウスの大腿骨のサンプルを観察した。本実施例では、絞りを取り付けない状態と、開口径φ8.4mmの絞りを取り付けた状態とで撮影を行い2次元画像を取得した。
マウス大腿骨のサンプルとしては、Okubo et al., PLoS ONE 8(11)2013, DOI: 10.1371/journal.pone.0078306で使用されているサンプルを用いた。すなわち、時計遺伝子Per2::ルシフェラーゼノックインマウスの大腿骨を用いた。この大腿骨について35mmディッシュ内で器官培養を行った。このディッシュにルシフェリンを添加して観察を行った。
本実施例では、明視野画像と発光画像とを取得した。明視野画像の取得に際しては、露出時間を50ミリ秒とした。発光画像の取得に際しては、露出時間を3分又は10分とした。
〈結果及び考察〉
本実施例の観察結果を図14に示す。絞りなしの発光画像に示すように、絞りなしでは、矢印で示した発光量が高いマウス大腿骨の先端部分である大腿骨頭部分の発光が飽和してしまい、大腿骨体の観察ができなかった。一方、開口径をφ8.4mmとしたとき、露出時間10分の画像に四角形で示した部分を含めて、大腿骨頭及び大腿骨体サンプル全体の発光が取得できた。発光画像においても絞りによって調整された開口径が大きいほど焦点深度が浅く、開口径が小さいほど焦点深度が深くなる様子が明確に確認された。
このことから、対象とするサンプルに応じて、発光が飽和せずサンプルの深さ情報をできるだけ多く取得できるよう光学的絞り値を選択的に決定できることが分かった。このように、厚みのある大腿骨頭および大腿骨体サンプル全体に関する2次元の発光画像を繰り返し取得することで、従来困難であった連続的な3次元解析を容易に実現できる。発光の輝度値の変化の速さに依らず、許容し得る上限と下限値の範囲内で輝度値が変化するようなサンプルであれば、選定された同一の光学的絞りを用いて繰り返し微弱光による画像を取得することで、3次元的な時系列解析を実施できると考えられる。この場合は、選定された光学的絞りよりも相対的に大きい開口径を用いて複数の2次元画像からなる3次元画像を形成し、この3次元画像から深さ情報を取得することで3次元解析を連続的かつ高精度に実行できる解析方法および解析システムを提供できる。

Claims (11)

  1. 微弱光を発するように調製された、複数の解析対象を含んでいる3次元試料としての微弱発光試料の微弱光画像を取得する画像取得処理と、
    取得された前記微弱光画像に基づいて前記3次元試料を解析する解析処理と
    を備え、
    前記画像取得処理は、
    所定の条件に基づいて、前記微弱光画像を取得する光学系に挿入された光学的絞りの開口径を決定することと、
    決定された前記開口径の前記光学的絞りを用いて前記3次元試料についての微弱光画像を取得することと
    を繰り返し行うことを含み、
    繰り返し行われる前記画像取得処理のうち少なくとも1回の前記画像取得処理においては、前記開口径は、前記光学系の光軸方向に異なる位置に存在する前記解析対象を焦点深度内に含めるような値に決定される、
    微弱発光試料の解析方法。
  2. 前記開口径の初期値は第1の開口径であり、
    前記条件は、前記微弱光画像の輝度値の変化が所定値よりも大きくなったか否かであり、
    前記開口径を決定することは、前記第1の開口径で繰り返し取得された前記微弱光画像を比較して、前記微弱光画像の前記輝度値の変化が前記所定値よりも大きくなったときに、前記第1の開口径より大きい第2の開口径にする決定を含み、
    前記微弱光画像を取得することは、前記開口径を前記第2の開口径とする場合には、互いに異なる複数の合焦面についての一組の2次元微弱光画像を取得することを含み、
    前記画像取得処理は、前記一組の2次元微弱光画像を合成して3次元微弱光画像を生成することをさらに含む、
    請求項1に記載の微弱発光試料の解析方法。
  3. 前記条件は、経過時間が予め設定されたタイミングとなったか否かであり、
    前記開口径を決定することは、
    繰り返される第1のタイミングで前記開口径を第1の開口径に決定することと、
    繰り返される第2のタイミングで前記開口径を前記第1の開口径よりも大きい第2の開口径に決定することと、
    を含み、
    前記微弱光画像を取得することは、前記開口径を前記第2の開口径とする場合には、互いに異なる複数の合焦面についての一組の2次元微弱光画像を取得することを含み、
    前記画像取得処理は、前記一組の2次元微弱光画像を合成して3次元微弱光画像を生成することをさらに含む、
    請求項1に記載の微弱発光試料の解析方法。
  4. 前記解析処理は、
    前記第1の開口径で得られた複数の前記微弱光画像をディスプレイに表示させることと、
    表示させた複数の前記微弱光画像の中から選択された前記微弱光画像と最も近いタイミングで取得された一組の2次元微弱光画像に基づいて合成された前記3次元微弱光画像を用いて所定の解析を行うことと
    を含む、請求項3に記載の微弱発光試料の解析方法。
  5. 前記開口径の初期値は第1の開口径であり、
    前記画像取得処理は、前記第1の開口径で取得された前記微弱光画像に基づく画像をディスプレイに表示させることをさらに含み、
    前記開口径を決定することは、前記第1の開口径より大きい第2の開口径にする旨の指示が入力されたときに、前記開口径を前記第2の開口径にする決定を含む、
    請求項1に記載の微弱発光試料の解析方法。
  6. 前記微弱光画像を取得することは、前記開口径を前記第2の開口径とする場合には、互いに異なる複数の合焦面についての一組の2次元微弱光画像を取得することを含み、
    前記画像取得処理は、前記一組の2次元微弱光画像を合成して3次元微弱光画像を生成することをさらに含む、
    請求項5に記載の微弱発光試料の解析方法。
  7. 前記3次元試料は、複数の細胞を含む、請求項1に記載の微弱発光試料の解析方法。
  8. 対物光学系と、
    前記対物光学系に設けられた光学的絞りと、
    所定の条件に基づいて光学的絞りの開口径を決定する開口決定部と、
    前記光学的絞りの開口径を決定された値にする絞り駆動部と、
    前記光学的絞りが決定された前記開口径である状態で微弱光を発するように調製された複数の解析対象を含んでいる3次元試料としての微弱発光試料についての微弱光画像を、前記対物光学系を介して撮像する撮像装置と
    を備える解析システム。
  9. 前記対物光学系の合焦位置を光軸に沿って移動させる駆動部と、
    前記駆動部の動作を制御しながら、前記撮像装置の動作を制御する撮影制御部と、
    画像合成部と
    をさらに備え、
    前記条件は、前記微弱光画像の輝度値の変化が所定値よりも大きくなったか否かであり、
    前記開口決定部は、前記開口径の初期値を第1の開口径とし、前記第1の開口径で繰り返し取得された前記微弱光画像の比較結果に基づいて、前記微弱光画像の前記輝度値の変化が前記所定値よりも大きくなったときに、前記第1の開口径より大きい第2の開口径にする決定を行い、
    前記撮影制御部は、前記開口径を前記第2の開口径とする場合には、互いに異なる複数の合焦面についての一組の2次元微弱光画像を前記撮像装置に取得させ、
    前記画像合成部は、前記一組の2次元微弱光画像を合成して3次元微弱光画像を生成する、
    請求項8に記載の解析システム。
  10. 前記対物光学系の合焦位置を光軸に沿って移動させる駆動部と、
    前記駆動部の動作を制御しながら、前記撮像装置の動作を制御する撮影制御部と、
    画像合成部と
    をさらに備え、
    前記条件は、経過時間が予め設定されたタイミングとなったか否かであり、
    前記開口決定部は、
    繰り返される第1のタイミングで前記開口径を第1の開口径に決定し、
    繰り返される第2のタイミングで前記開口径を前記第1の開口径よりも大きい第2の開口径に決定し、
    前記撮影制御部は、前記開口径を前記第2の開口径とする場合には、互いに異なる複数の合焦面についての一組の2次元微弱光画像を前記撮像装置に取得させ、
    前記画像合成部は、前記一組の2次元微弱光画像を合成して3次元微弱光画像を生成する、
    請求項8に記載の解析システム。
  11. 画像を表示する表示装置と、
    前記表示装置への表示を制御する表示制御部と、
    画像に基づいて解析を行う画像解析部と
    をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記第1の開口径で得られた複数の前記微弱光画像を前記表示装置に表示させ、
    前記画像解析部は、表示させた複数の前記微弱光画像の中から選択された前記微弱光画像と最も近いタイミングで取得された一組の2次元微弱光画像に基づいて合成された前記3次元微弱光画像を用いて所定の解析を行う、
    請求項10に記載の解析システム。
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