JP2007248050A - 生細胞の微弱光による解析を行なうための細胞の処理方法および解析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生きた細胞を発光用成分で処理するとともに、発光用成分に対し発光を誘起するための基質溶液を適宜の培養環境下で存在させることにより細胞を発光させて、細胞の発光画像に基づく解析を行うにあたり、解析すべき培養期間に応じて細胞の生物学的活性を損なわない基質濃度に設定したことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
また、請求項5は、請求項1から4のいずれかに記載の方法において、基質がホタルルシフェリンまたはセレンテラジンであることを特徴とする処理方法である。本発明の処理方法は、上記のような基質濃度範囲で培養し続けることにより、生物学的活性が低下しない状態を維持しながら、培養期間中、常に画像化可能な発光量を保つものである。
一般に、顕微鏡観察における空間分解能εは、下記数式1で表される。
ε=0.61×λ÷NA ・・・(数式1)
(数式1において、λは光の波長であり、NAは開口数である。)
また、観察範囲の直径dは、下記数式2で表される。
d=D÷M ・・・(数式2)
(数式2において、Dは視野数であり、Mは倍率である。なお、視野数は一般に22から26である。)
従来、顕微鏡用対物レンズの焦点距離は国際規格で45mmとされていた。そして、最近では、焦点距離を60mmとする対物レンズが使われはじめている。この焦点距離を前提にしてNAが大きい、つまり空間分解能が高いレンズを設計すると作動距離(WD)は一般には0.5mm程度であり、また長WD設計のものでも8mm程度であった。このような対物レンズを用いた場合、観察範囲は0.5mm径程度である。
NA'=NA÷β ・・・(数式3)
(数式3において、NAは入射開口角(開口数)であり、NA'は射出開口角であり、βは投影倍率である。)
一般の対物レンズにおいて、NA'は高々0.04であり、NA'2は0.0016である。また、現在市販されている一般的な顕微鏡の対物レンズにおける像の明るさ(NA/β)2の値を調査したところ、0.0005から0.002の範囲であった。
そこで、光量の少ない発光を画像で観察するためには、大きなNAと小さいβの特性を有する対物レンズが必要である。そして、結果的に、当該対物レンズは大口径となる傾向がある。なお、このような対物レンズでは、励起光投影の機能を考慮することなく機能を単純化して設計、製造しやすくすることが求められる。
<刺激により発現が誘導される遺伝子のプロモーター領域>
本発明における刺激により発現が誘導される遺伝子プロモーター領域としては、最初期遺伝子のプロモーターが挙げられる。本発明で用いられる最初期遺伝子のプロモーターとしては、例えば、c-fosプロモーター領域が挙げられる。また、本発明で用いられるプロモーターとしては、前記プロモーターの任意の動物種の対応物も含まれる。ここでプロモーター領域とは、プロモーター活性を有するために必要な最小の塩基配列を含む任意の領域を意味する。例えば、該遺伝子の転写部位に対して上流500から2000塩基の領域の一部または全部を用いることができる。
本発明におけるレポーター遺伝子は、検出可能な蛍光を発するレポータータンパク質をコードする遺伝子を意味する。例えば、蛍もしくはウミシイタケなどに由来するルシフェラーゼを挙げることができる。さらには、例えば、βガラクトシダーゼをコードする遺伝子、アルカリホスファターゼをコードする遺伝子を挙げることができる。かかるレポーター遺伝子を発光させるための基質としては、任意のものに適用できるが、とくにホタルルシフェリン、セレンテラジンに好適に適用できる。
本発明における光学イメージングとは、細胞や組織等の生体試料から発せられる検出可能なシグナルの存在、不在または強度をモニタリング、記録および分析するイメージング方法を意味する。例えば、レポーター遺伝子を導入した細胞においてレポーター遺伝子により光学イメージングを達成するためには、レポーター遺伝子により発せられるシグナルの強度が、シグナルを細胞の外部から分析することができるように、十分に高い感度でなければならない。光学イメージングは自動化に容易に適用可能であることから、多数の遺伝子発現を同時にモニタリングするのに用いることができる。なお、イメージングした試料画像の任意の位置について、時系列に2次元または3次元に画像情報を処理する技術は、本出願人による特願2004−172156、特願2004−178254、特願2004−342940、特願2005−267531等を参照してもよい。蛍光観察と発光観察における時系列な画像取得の違いは、発光観察が励起光による光学的走査(レーザスキャン)を必要としない点で余計な光による影響が無い点にある。本発明で行うイメージング技術によれば、リアルタイムに発光画像を撮像できる。
<遺伝子発現ベクターの作製>
動物細胞を用いる場合、発現ベクターは少なくともプロモーター、開始コドン、目的のタンパク質をコードするDNA、終止コドンを含んでいることが好ましい。また、シグナルペプチドをコードするDNA、エンハンサー配列、該タンパク質をコードする遺伝子の5'側および3'側の非翻訳領域、スプライシング接合部、ポリA付加シグナル、選択マーカー領域または複製可能単位などを含んでいてもよい。
遺伝子を細胞へ導入する方法としては、塩化カルシウム法または塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法などが挙げられる。本発明で使用される遺伝子導入した細胞には一過性発現細胞あるいは安定発現細胞のいずれもが含まれる。
本発明は、任意の発光反応を誘起し得る物質を細胞に接触させる刺激により、発光量を時系列的に解析することが可能である。刺激および解析の対象となる細胞は、単一細胞でも細胞群でもよい。発光イメージングを行うことにより、任意の特定細胞をいつまでの追跡することが可能となり、細胞の違いによる発光強度ないし発光挙動を正確に評価できる。
撮像条件:動作温度が5℃であるCCDカメラ DP−30(オリンパス株式会社製)、投影倍率が20倍で開口数がNA0.8であるような対物レンズ(油浸)、結像倍率5倍に設定された発光顕微鏡(図1参照)を用いて、室温で1分間露出させることにより、発光画像を得た。
ルシフェリン濃度:上記撮像条件において、上記の発光遺伝子導入細胞を収容した培地内に対して、1mM、 0.5mM、0.1mMの最終濃度となるようにルシフェリン濃度を含有させることにより、各発光反応を実施した。
2:対物レンズ
3:集光レンズ
4:CCDカメラ
5:モニタ
6:ズームレンズ
Claims (17)
- 生きた細胞を発光用成分で処理するとともに、発光用成分に対し発光を誘起するための基質溶液を適宜の培養環境下で存在させることにより細胞を発光させて、細胞の発光画像に基づく解析を行うにあたり、解析すべき培養期間に応じて細胞の生物学的活性を損なわない基質濃度に設定したことを特徴とする画像解析のための生細胞の処理方法。
- 前記培養期間が数日以上の場合には、前記基質を700μM以下の濃度とすることを特徴とする処理方法。
- 前記培養期間が数日未満の場合には、前記基質を800μm以上、1mM以下の濃度とすることを特徴とする処理方法。
- 請求項1または2に記載の方法において、前記基質濃度を200μM以上としたことを特徴とする処理方法。
- 請求項1から4のいずれかに記載の方法において、基質がホタルルシフェリンまたはセレンテラジンであることを特徴とする処理方法。
- 生きた細胞を発光用成分で処理するとともに、発光用成分に対し発光を誘起するための基質溶液を適宜の培養環境下で存在させることにより細胞を発光させて、細胞の発光画像に基づく解析を行うにあたり、開口数(NA)および投影倍率(β)で表される(NA÷β)の2乗の値が0.01以上である光学的条件で細胞からの発光を収集するとともに、基質濃度を600μM以下に設定することを特徴とする生細胞の画像解析方法。
- 請求項6に記載の方法において、前記光学条件としての(NA÷β)の2乗の値が0.039以上であることを特徴とする解析方法。
- 請求項6に記載の方法が、さらに蛍光成分を含んでいる細胞に適用することとされ、発光画像と蛍光画像による総合的な画像解析を行うことを特徴とする解析方法。
- 請求項8に記載の方法が、発光画像の取得に必要な時間に応じて励起光量を決定することを特徴とする解析方法。
- 請求項6から9のいずれかに記載の方法において、前記基質濃度を200μM以上で存在させるとともに、30分以内の撮像時間で発光画像を得ることを特徴とする解析方法。
- 微弱光により単一細胞レベルの解析を行なって生体組織の検査等を行なう際に適用され、細胞内で微弱光を発生させるための発光用試薬との反応性若しくは細胞内における発光用試薬による発光反応に変化をもたらす可能性のある薬剤との反応性を損なわずに、発光反応による微弱光シグナルを外部から検出し得る程度に肉薄の厚みでもって2次元的にほぼ一定の状態に配置した細胞群を用いることを特徴とする生細胞の解析方法。
- 請求項11において、前記細胞群を、微弱光による個々の細胞から発する光シグナルを適宜の明るさの集光レンズで画像形成できる程度に薄い厚みとしたことを特徴とする解析方法。
- 請求項11において、前記細胞群を、細胞同士が検出用光路上でオーバーラップしない密度としたことを特徴とする解析方法。
- 請求項11において、前記細胞群を、スライス切片ないしシート状細胞に調製したことを特徴とする解析方法。
- 請求項11〜15のいずれかに記載の方法において、150μm以下、好ましくは100μm以下、特に85μm未満の厚みとしたことを特徴とする解析方法。
- 請求項15において、40μm以上、好ましくは50μm以上の厚みとしたことを特徴とする解析方法。
- 請求項11〜16のいずれかに記載の方法において、被検試料が肉厚の生体組織(例えば、視交差上核等の脳、胚、ゼブラフィッシュ等の微小な魚類、マウスやカエル(特にアフリカツメガエル)等の小動物ないし植物(例えばシロイヌナズナ)の一部の器官(例えば、手、足、毛根、葉、花茎、根毛)である
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