JP4839073B2 - 微弱光解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞や組織等の生体試料中における生物学的活性をその活性を極力損なわないようにして長期間ないし連続的に検出する微弱光解析方法に関する。本発明は、その方法により実行される自動化装置と、該装置と連携するソフトウェアにも適用可能である。
生物学分野や医学分野の研究において、細胞等の生体試料の生物学的活性をレポータアッセイにより検出する技術が広く利用されてきた。レポータアッセイを用いると、視覚的に調べることが不可能な様様な生物学的活性を可視化することができる。従来の臨床的な検査は、生体試料から調べたい生体関連物質(核酸、血液、ホルモン、タンパク質等)のみを種々の分離方法により単離して、その単離した生体関連物質の量や活性を試薬と反応させていた。しかし、生命体においては、多様な生体関連物質同士の相互作用こそが真の生物学的活性を示すものである。近年、医療用薬剤を研究または開発する場合、生きた生体試料中での生物学的活性に対して最も効果的に作用する薬剤が決定的条件となっている。生きた生体試料を対象としたレポータアッセイには、生体試料と調べたい生体関連物質とを画像化して、生体試料内外におぇる動的変化を経時的に観察する必要性が高まってきている。
具体的には、レポーター物質としての発光(生物発光、化学発光)や蛍光を用いる観察を利用する研究分野では、試料内のタンパク質分子の動的な機能発現を捉えるためにタイムラプスや動画撮像が求められている。現状では、蛍光試料を対象として撮像した画像による動的変化の観察(例えば、蛍光を利用したタンパク質1分子の動画観察)が行われている。蛍光試料の撮像の場合、励起光を照射し続けることで蛍光試料から発せられる光量が時間の経過とともに減少するという性質があるため、定量的な評価に利用できる安定した画像を経時的に撮ることが困難であったが、しかし、鮮明な、つまり、空間分解能の高い画像を短い露出時間で撮ることができた。一方、発光試料を対象とした画像による動的変化の経時的観察においては、発光試料からの発光が極めて小さいので、発光試料の観察には、イメージ・インテンシファイアを装着したCCDカメラを用いて行われていた。発光試料の撮像の場合、励起光を照射する必要がないため、定量的な評価に利用できる安定した画像を経時的に撮ることができた。
これまで、発光試料の観察においては、発光試料からの発光量の測定が行われていた。例えば、ルシフェラーゼ遺伝子が導入された細胞の観察では、ルシフェラーゼ遺伝子の発現の強さ(具体的には発現量)を調べるために、ルシフェラーゼ活性に因る細胞からの発光量の測定が行われていた。そして、ルシフェラーゼ活性に因る細胞からの発光量の測定は、まず細胞を溶解した細胞溶解液とルシフェリンやATPやマグネシウムなどを含む基質溶液とを反応させ、ついで基質溶液と反応させた細胞溶解液からの発光量を光電子増倍管を用いたルミノメーターで定量する、という手順で行われていた。つまり、発光量は細胞を溶解した後に測定されていた。これにより、ある時点でのルシフェラーゼ遺伝子の発現量を細胞全体の平均値として測定することができた。ここで、ルシフェラーゼ遺伝子などの発光遺伝子をレポーター遺伝子として細胞に導入する方法には例えばリン酸カルシウム法やリポフェクチン法やエレクトロポーション法などがあり、各方法は目的や細胞の種類の違いに応じて使い分けられている。また、ルシフェラーゼ遺伝子がレポーター遺伝子として導入された細胞においてルシフェラーゼ遺伝子の発現の強さをルシフェラーゼ活性に因る細胞からの発光量を指標として調べる際、細胞に導入するルシフェラーゼ遺伝子の上流や下流に目的のDNA断片を繋ぐことで当該DNA断片がルシフェラーゼ遺伝子の転写に及ぼす影響を調べることができ、また、細胞に導入するルシフェラーゼ遺伝子の転写に影響を及ぼすと思われる転写因子などの遺伝子を発現ベクターに繋いでルシフェラーゼ遺伝子と共発現させることで当該遺伝子の遺伝子産物がルシフェラーゼ遺伝子の発現に及ぼす影響を調べることができる。
また、時間経過に沿って発光遺伝子の発現量を捉えるには生きた細胞からの発光量を経時的に測定する必要がある。そして、生きた細胞からの発光量の経時的測定は、まず細胞を培養するインキュベーターにルミノメーターの機能を付け、ついで培養している全細胞集団からの発光量をルミノメーターで一定時間ごとに定量する、という手順で行われていた。これにより、一定の周期性をもった発現リズムなどを測定することができ、よって、細胞全体における発光遺伝子の発現量の経時的な変化を捉えることができた。一方、発光遺伝子の発現が一過性である場合には、個々の細胞での発現量に大きなばらつきがある。例えば、HeLa細胞などのクローン化した培養細胞であっても、細胞膜表面のレセプターを介した薬剤の応答が個々の細胞でばらつくことがある。すなわち、細胞全体としての応答は検出されなくとも数個の細胞は応答している場合がある。このことから、発光遺伝子の発現が一過性である場合には、細胞全体からではなく個々の細胞から発光量を経時的に測定することが重要である。そして、顕微鏡を用いた生きた個々の細胞からの発光量の経時的測定は、各細胞の発光が極めて弱いので、液体窒素温度レベルの冷却CCDカメラで長時間露光したり、イメージ・インテンシファイアを装着したCCDカメラとフォトンカウンティング装置とを用いたりして行われていた。これにより、生きた個々の細胞における発光遺伝子の発現量の経時的な変化を捉えることができた。
以上の説明において、例えば蛍光タンパク質をレポーター遺伝子として用いる遺伝子発現の解析方法および装置は特許文献1(特表2004−500576)に開示されている。また、ルミノメーターを用いて生物発光による遺伝子発現の解析方法およぼ装置は特許文献2(特開2005−118050)に開示されている。
特表2004−500576 特開2005−118050
しかしながら、微弱な発光の発光試料を撮像する場合、発光試料からの発光量が極めて少ないため、どうしても肉眼では見ることが出来ず、CCDのような蓄積型の撮像手段を用いて光量を蓄積しなければ画像生成することができない、という制約が有る。しかも、単一の細胞ないし組織を構成する細胞群において、細胞1個当りから発生する微弱光は、あまりに弱過ぎるので、鮮明な画像を撮るのに必要な露出時間が長くなる、という問題点があった。即ち、撮像の時間間隔は単位時間あたりの光量に制約されるため、微弱な発光の発光試料を撮像する場合、鮮明な画像を長い時間間隔で、例えば60分間隔で、経時的に撮ることができても、10〜30分程度の短い露光時間、ひいては1〜5分の露光でリアルタイムに撮像することはできなかった、という問題点があった。特に生細胞を長時間(例えば、50分以上)露光すると、培養容器等の支持体上でさえ細胞自身が動いて鮮明な画像を形成できない場合がある。一般に、画像を用いた解析を行なうためには、正確な輪郭を認識できなければならない。従って、画像が不鮮明なときは解析結果が不正確である可能性が有る。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、肉眼で見えないような微弱光を発生する微弱光試料でも、所望の細胞解析が可能な解析方法を提供することを目的とする。また、鮮明な画像を短い露出時間で、ひいてはリアルタイムに撮ることができる発光試料撮像方法を組合わせた解析方法を提供することも目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる請求項1に記載の微弱光解析方法は、N末端側から順に、解析対象のシグナルペプチド、発光タンパク質および既知の膜貫通ドメインが繋がった融合タンパク質を発現る細胞を含む試料を、撮像手段の撮像視野内に配置する工程と、前記細胞において発現した前記発光タンパク質により生ずる発光シグナルを前記撮像手段により暗視野において光学イメージングするとともに、前記発光シグナルの量を定量的に決定する光学的処理工程とを備え、前記光学イメージングが微弱光を画像解析可能な画像の取得であり、前記撮像手段が、開口数をNAとし投影倍率をβとしたときの(NA÷β)の2乗の値が0.01以上である対物レンズを備えることを特徴とする。
ここで、前記DNA構造物が、GPIアンカー型であるのが好ましい。また、前記DNA構造物が、細胞内へ基質溶液が侵入し難い成分である場合には、細胞内と細胞外に発現したレポーター分子の識別を可能にするので好ましい。また、前記のレポーター遺伝子が発光タンパク質であることにより、一定量の基質溶液との混合状態において、遺伝子の発現量に対応する光量を長期間安定に発生するので好ましい。また、前記のレポーター遺伝子が生ずるシグナルの強度を輝度値に変換することにより、正確な解析ができるので好ましい。また、前記のレポーター遺伝子が生ずるシグナルの光学イメージング像と細胞の明視野像を重ね合わせすることにより、発光した細胞を正確に同定できる点で好ましい。
本発明において、発光試料を光学イメージングするには、開口数(NA)および投影倍率(β)で表される(NA÷β)2の値が0.01以上である対物レンズを用いることにより、発光だけの画像もイメージングできる点で好ましい。この光学条件によると、高価な極低温冷却型の撮像素子を使わずに撮像できる利点もある。
とくに、開口数(NA)および投影倍率(β)で表される(NA÷β)2の値が0.039以上である対物レンズを用いることにより、従来よりも高速にイメージングを実行できる点で好ましい。
さらに、開口数(NA)および投影倍率(β)で表される(NA÷β)2の値が0.071以上である場合に1分〜5分という短時間で対物レンズを用いることにより、リアルタイムなイメージングを実行できる点で好ましい。
また、本発明は発光イメージングを高い開口数(NA)の対物レンズを用いて、短かい時間間隔の画像解析を行なうことが可能になるので、あらゆる刺激応答性を見逃さない。これにより、創薬や診断において優れた方法を提供する。また、発光量の少ない発光試料(例えば、発光タンパク質(例えば、導入された遺伝子(例えばルシフェラーゼ遺伝子)から発現された発光タンパク質)や、発光性の細胞または発光性の細胞の集合体や、発光性の組織試料や、発光性の個体(例えば動物や臓器など)など)でも、鮮明な画像を短い露出時間で、ひいてはリアルタイムな解析が可能となる。
本発明の微弱光解析方法によれば、肉眼で見えないような微弱光を発生する微弱光試料でも、所望の細胞解析が可能な解析方法を提供できる。また、対物レンズが特定の条件を満たす場合に、鮮明な画像を短い露出時間で、ひいてはリアルタイムに解析できる解析方法を提供できる。
以下に、本発明にかかる微弱光解析方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
本発明にかかる方法を実施するための装置の構成について図1を参照して説明する。図1は、本発明にかかる発光試料撮像方法を実施するための装置の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本発明にかかる発光試料撮像方法を実施するための装置は、撮像対象であるサンプル1を短い露出時間で、ひいてはリアルタイムに撮像するためのものであり、対物レンズ2と集光レンズ3とCCDカメラ4とモニタ5とで構成されている。なお、当該装置は図示の如くズームレンズ6をさらに備えてもよい。
サンプル1は、発光試料であり、例えば、発光タンパク質(例えば導入された遺伝子(ルシフェラーゼ遺伝子など)から発現された発光タンパク質)や、発光性の細胞や、発光性の細胞の集合体や、発光性の組織試料や、発光性の臓器や、発光性の個体(動物など)などである。また、サンプル1は、具体的には、ルシフェラーゼ遺伝子を導入した発光細胞でもよい。対物レンズ2は、開口数(NA)および投影倍率(β)で表される(NA÷β)2の値が0.01以上のものである。集光レンズ3は、対物レンズ2を介して到達したサンプル1からの発光を集める。CCDカメラ4は、0℃程度の冷却CCDカメラであり、対物レンズ2や集光レンズ3を介してサンプル1を撮像する。モニタ5はCCDカメラ4で撮像した画像を出力する。
そして、対物レンズ2や対物レンズ2の包装容器(パッケージ)には、(NA/β)2の値を表記する。従来の対物レンズにはレンズ種類(例えば“PlanApo”)、倍率/NA油侵(例えば“100×/1.40oil”)および無限遠/カバーガラス厚(例えば“∞/0.17”)が表記されていた。しかし、本発明の方法にかかる撮像手段の対物レンズ(対物レンズ2)には、レンズ種類(例えば“PlanApo”)、倍率/NA油侵(例えば“100×/1.40oil”)、無限遠/カバーガラス厚(例えば“∞/0.17”)の他に、さらに射出開口角(例えば、“(NA/β)2:0.05”)が表記されている。
以上、説明したように、本発明にかかる発光試料撮像方法を実施するための装置において、対物レンズ2は、開口数(NA)および投影倍率(β)で表される(NA÷β)2の値が0.01以上である。これにより、発光量の少ない発光試料(例えば、発光タンパク質(例えば、導入された遺伝子(例えばルシフェラーゼ遺伝子)から発現された発光タンパク質)や、発光性の細胞または発光性の細胞の集合体や、発光性の組織試料や、発光性の個体(例えば動物や臓器など)など)でも、鮮明な画像を短い露出時間で、ひいてはリアルタイムに撮ることができる。具体的には、ルシフェラーゼ遺伝子を導入した発光細胞を撮像対象として、鮮明な画像を短い露出時間で、ひいてはリアルタイムに撮ることができる。また、対物レンズ2は、従来の対物レンズと比較して、開口数が大きく且つ倍率が小さいので、対物レンズ2を用いれば広範囲を分解能よく撮像することができる。これにより、例えば動きのある発光試料や移動する発光試料や広い範囲に分布する発光試料を撮像対象とすることができる。また、対物レンズ2は、当該対物レンズ2および/または当該対物レンズ2を包装する包装容器(パッケージ)に、開口数(NA)および投影倍率(β)で表される(NA÷β)2の値(例えば0.01以上)を表記した。これにより、例えば発光画像観察を行う者は、表記された(NA÷β)2の値を確認すれば、発光試料を短い露出時間で、ひいてはリアルタイムに撮像するのに適した対物レンズを容易に選択することができる。
従来、ルシフェラーゼ遺伝子を用いたレポーターアッセイにおいては、細胞を溶解した後に発光量を測定するため、ある時点での発現量しか捉えることができず、しかも細胞全体の平均値としての計測になってしまう。また、培養しながらの計測においては、細胞コロニーの経時的な発現量の変化を捉えることはできるが、個々の細胞での発現量の変化を捉えることはできない。そして、個々の細胞の発光を顕微鏡で観察するためには、生きた細胞からの発光量が極めて弱いため、液体窒素温度レベルの冷却CCDカメラで長時間露光したり、イメージ・インテンシファイアを装着したCCDカメラでフォトンカウンティングをしたりしなければならない。そのため、発光検出のカメラは高価で大掛かりなものになってしまう。しかし、レポーター遺伝子産物としてのルシフェラーゼ活性を示す個々の細胞の発光を顕微鏡によって観察する際、本発明にかかる発光試料撮像方法を実施するための装置を利用すれば、イメージ・インテンシファイアを装着することなく、0℃程度の冷却CCDカメラを用いて定量的な画像を取得することができる。すなわち、本発明にかかる発光試料撮像方法を実施するための装置を利用すれば、生きた状態で個々の細胞の発光を0℃程度の冷却CCDカメラによって観察することができるので、イメージ・インテンシファイアやフォトンカウンティングのための装置が不要である。つまり、低コストで発光試料の撮像を行うことができる。また、本発明にかかる発光試料撮像方法を実施するための装置を利用すれば、個々の生きた細胞の発光を、培養しながら経時的に観察することができ、さらにリアルタイムに観察することもできる。また、本発明にかかる発光試料撮像方法を実施するための装置を利用すれば、同じ細胞について、異なった条件での薬剤や刺激の応答をモニタすることができる。
ここで、本発明にかかる発光試料撮像方法、発光細胞撮像方法および対物レンズの理解を容易にするために、従来の対物レンズおよびそれを用いた発光画像観察について簡単に説明する。
一般に、顕微鏡観察における空間分解能εは、下記数式1で表される。
ε=0.61×λ÷NA ・・・(数式1)
(数式1において、λは光の波長であり、NAは開口数である。)
また、観察範囲の直径dは、下記数式2で表される。
d=D÷M ・・・(数式2)
(数式2において、Dは視野数であり、Mは倍率である。なお、視野数は一般に22から26である。)
従来、顕微鏡用対物レンズの焦点距離は国際規格で45mmとされていた。そして、最近では、焦点距離を60mmとする対物レンズが使われはじめている。この焦点距離を前提にしてNAが大きい、つまり空間分解能が高いレンズを設計すると作動距離(WD)は一般には0.5mm程度であり、また長WD設計のものでも8mm程度であった。このような対物レンズを用いた場合、観察範囲は0.5mm径程度である。
しかし、ディッシュやガラズボトムディッシュに分散した細胞群や組織、個体の観察を行う場合、観察範囲が1から数cmに及ぶことがある。このような範囲を分解能よく観察したいときには、低倍率でありながらNAを大きい値で維持しなければならない。換言すると、NAはレンズ半径と焦点距離との比であるので、NAが大きいまま広い範囲を観察できる対物レンズは、低倍である必要がある。そして、結果的に、このような対物レンズは大口径となる。なお、大口径の対物レンズの製作では、一般的に光学材料の物性の均一性やコーティングの均一性において、また、レンズ形状においても高い精度が求められる。
また、顕微鏡観察の場合、光学系の透過率や対物レンズの開口数やCCDカメラのチップ面での投影倍率やCCDカメラの性能などが像の明るさに大きく影響してくる。そして、像の明るさは、開口数(NA)を投影倍率(β)で割った値の2乗、すなわち(NA/β)2で評価される。ここで、対物レンズには、一般に、入射開口角NAと射出開口角NA'との間に下記数式3の関係があり、NA'2が観察者の目やCCDカメラなどに届く明るさを示す値である。
NA'=NA÷β ・・・(数式3)
(数式3において、NAは入射開口角(開口数)であり、NA'は射出開口角であり、βは投影倍率である。)
一般の対物レンズにおいて、NA'は高々0.04であり、NA'2は0.0016である。また、現在市販されている一般的な顕微鏡の対物レンズにおける像の明るさ(NA/β)2の値を調査したところ、0.0005から0.002の範囲であった。
ところが、上記のような現在市販されている対物レンズを装着した顕微鏡を用いて、例えば細胞内でルシフェラーゼ遺伝子を発現させ発光している細胞を観察しても、当該細胞からの発光を目視で観察することができないし、さらに0℃程度に冷却したCCDカメラを用いて撮像した発光画像を観察しても細胞からの発光を確認することができない。なお、発光試料を観察する場合には、蛍光観察に必要な励起光の投影は不要である。例えば、落射蛍光観察では、対物レンズは、励起光投影レンズと蛍光を集光して画像を形成するレンズとの両方の機能を満たしている。そこで、光量の少ない発光を画像で観察するためには、大きなNAと小さいβの特性を有する対物レンズが必要である。そして、結果的に、当該対物レンズは大口径となる傾向がある。なお、このような対物レンズでは、励起光投影の機能を考慮することなく機能を単純化して設計、製造しやすくすることが求められる。
また、発光や蛍光観察を利用する研究分野では、試料内のタンパク質分子の動的な機能発現を捉えるためにタイムラプスや動画撮像が求められている。最近では、蛍光を利用したタンパク質1分子の動画観察が行われている。これらの撮像では単位時間の撮像フレーム数が多いほど画像1フレームあたりの露出時間は短くなる。このような観察においては、明るい光学系、特に、明るい対物レンズが必要となる。しかし、蛍光に比べて発光タンパク質の光量は少ないので、1フレームの撮像に、例えば20分の露出時間を要することが多い。このような露出時間でタイムラプス観察を行うには動的な変化が非常に遅い試料に限られる。例えば、約1時間に一度分裂する細胞では、その周期内の変化を観察することはできない。従って、シグナル・ノイズ比を高く維持しながら少ない光量を効率よく画像化するために、光学系の明るさを向上することは重要である。
以上の経緯を踏まえて製作された本発明の対物レンズは、上記の一般に市販されている対物レンズに比べて、大きなNAと小さいβの特性を有している。よって、本発明の対物レンズのNA'2は大きな値である。つまり、本発明の対物レンズは明るい対物レンズであると言うことができる。これにより、本発明の対物レンズのような明るい対物レンズを用いれば、光量の少ない発光試料からの発光を画像で観察することができる。また、より暗い像を観察するために、開口数の大きい本発明の対物レンズを実体顕微鏡に装着することで、イメージ・インテンシファイアを装着することなく、0℃程度に冷却したCCDカメラでも、細胞の発光を画像で観察することができる。また、液体窒素冷却を用いるCCDカメラで感度を上げる方法があるが、この場合CCDカメラが非常に高価に、大規模になる。しかし、本発明の対物レンズを用いれば、ペルチェ冷却によるCCDカメラでも、細胞の発光を画像で観察することができる。また、本発明の対物レンズは、数から10cm程度の大口径である。これにより、従来では撮像対象となり得なかった移動する発光試料や広い範囲に分布する発光試料などを撮像対象とすることができる。
本発明の方法を実施するための測定原理、光学系の構成その他については、図1により既に説明したが、本出願人による出願(特願2005−267531号および特願2005−44737号)を参照してもよい。前記出願にも記載されるように、本出願人は、光学的実験を通じ、対物レンズの開口数(NA)および投影倍率(β)で表される(NA÷β)の2乗の値が0.01以上の光学系で撮像することによって、単一の細胞から発生する発光だけで画像化できる証明データを取得した。さらに、本出願人は、検討を進め、同一シャーレ内で培養された複数の細胞において、遺伝子発現の変動パターンが異なることも発見した。驚くべきことに、上記の撮像条件は、本発明において実施される応用例で取り扱われる微弱な発光画像に対しても適用でき、短い時間(例えば1分〜20分)で生物発光のような微弱な発光成分による細胞画像を撮像できる。さらに、撮像装置の対物レンズを開口数(NA)/投影倍率(β)の2乗で表される光学的条件が0.071以上である場合に、1〜5分以内で画像化でき、画像解析も可能な細胞画像を提供できることも分かった。
上述した図1に示すように、本発明にかかる撮像方法を実施するための装置は、撮像対象であるサンプル1を短い露出時間で、ひいてはリアルタイムに撮像するためのものであり、従来採用されたことの無い高開口数(NA)の対物レンズ2とCCDカメラ4とモニタ5とで基本的に構成されている。これらの基本構成を備える装置を、本発明では発光顕微鏡と称することとする。発光顕微鏡は、暗視野での撮像を行うために、適宜、遮光用のフタまたはハウジングによって収容されているのが好ましい。また、適当な培養条件を維持できる培養装置を発光顕微鏡と一体に組合せることで、撮像を長期間に亘り、自動的に実行できる。なお、撮像を行う機構を有する構造であれば、顕微鏡の形態である必要はなく、マイクロプレートリーダーのような測定機器の形態であってもよい。
次に、本発明で使用する発光顕微鏡の構成、形態とその作用を説明する。 発光顕微鏡の基本的な特徴は、顕微鏡視野中の細胞に発現させた発光タンパク質から発する光を、対物レンズ(NA0.75)および光学フィルタを通してデジタルカメラで画像化することで、短時間でモニタリング出来ることである。遺伝子の発現パターンを発光画像としてリアルタイムに取得できるため、細胞を用いた遺伝子発現アッセイ系の幅広い研究対象に応用できると期待されている技術である。基本的な測定系の構成は、培養装置部に隣接した光学系を試料観察部とし、そこでの発光を対物レンズ(NA0.75、好ましくはNA0.75以上)および光学フィルタを通してデジタルカメラで捉えた後、デジタル画像取り込み用のパソコンでデータの記録と解析を行うようになっている。培養装置部はヒートプレートおよびチャンバーにより保温、保湿することができる。培養装置部内の温度は25−37℃に設定して試料を観察する。好ましくは37℃に設定して試料を観察する。湿度は0〜100%に設定して観察する。好ましくは60〜100%に設定する。 さらに、発光の光学イメージングを行なったときと同視野において明視野による画像を取得し、画像解析ソフト等で発光画像と明視野画像を重ね合わせることによって、発光している細胞を同定することができる。
本発明の方法および装置は、以下に説明するような態様への応用が有用である。
技術分野
この態様は、本発明において、タンパク質の細胞外への分泌または、細胞表面への発現を解析する方法に関する。より具体的には、発光顕微鏡などを用いた解析法で、疎水性アミノ酸に富む配列から予測したシグナルペプチドや膜貫通ドメインをルシフェラーゼを用いた融合タンパク質コードする遺伝子をレポーターとし、細胞の表面に発現させルシフェラーゼ活性を検出する方法に関する。
背景となる技術
ヒトを含め多細胞動物では、個体の構築・維持のための細胞間コミュニケーションや細胞外環境造成が必要である。そのために、細胞は莫大な種類のタンパク質を、小胞体-ゴルジ装置という細胞内小器官を介して細胞外に分泌する。例えばホルモンなどの分泌型水溶性タンパク質は細胞膜を通り抜けて細胞外に分泌されるし、膜タンパク質は細胞膜などの適切な膜に組み込まれる。分泌タンパク質は、N末端に「分泌シグナルペプチド」と呼ばれる配列を持っている。シグナルペプチドは、細胞質のリボソームで最初に翻訳されるや否や、これを認識する分子群によって、小胞体の膜のチャンネル(穴)に挿入され、続いて合成されるタンパク質本体部分を通過させつつ、自身は切断、破棄される。シグナルペプチドは、疎水性アミノ酸に富む配列であり、これを高確率で予測できるプログラムがある。
例えば、任意のアミノ酸配列に対してシグナルペプチドの有無とその領域を判別する技術がある。その判別アルゴリズムの概要は、各アミノ酸に固有の疎水性指標・負電荷指標を用いて、入力されたアミノ酸配列のなかのある閾値を越えて平均疎水性値が高く、かつ負電荷残基を含まない領域を探索し、それらのうち最もN末端に近い領域をシグナルペプチドの候補領域とする。次に、候補領域のうち平均疎水性値が最大の位置、ここからN末端側に直近の正電荷残基の位置(ない場合はN末端)を用いて、シグナルペプチドの判別領域を設定する。この判別領域は、候補領域とは一致しない場合が多い。判別領域を構成するアミノ酸に、新規に発明したシグナルペプチド判別のための2つの指標SS-index、SP-indexを割り振る。これらの値と候補領域の位置情報とを考慮に入れた判別式から、候補領域がシグナルペプチドであるか否かを判別する。また、SOSUIsignalという予測プログラムは、3つのドメイン構造のアミノ酸配列に見られる物理化学的特徴に着目したもので、その予測システムは、疎水性の高いセグメント検出、シグナルアンカーを含むシグナル配列の予測、シグナルアンカーとシグナルペプチドの判別という3つのモジュールからなる。
これら、シグナルペプチドを検出することで、(1) プロテオーム情報解析、ゲノム計画の進展により明らかになった、新規な遺伝子・タンパク質の機能推定、(2) バイオインフォマティクス・コンピュータを用いた大量の生物情報の処理、(3) ゲノム創薬、シグナルペプチドを用いた、リゾチームやホルモン剤などのタンパク質製剤の生産技術向上 といった用途の利用がある。
また、生体防御においてサイトカインは免疫応答・炎症・造血反応などの生体防御などに重要な役割を果たしており、新たなサイトカインあるいは、サイトカイン様の生理活性タンパク質遺伝子を探索し、構造と機能の解明をすることは、疾患の原因解明や治療への応用からも非常に重要である。さらに培養上清中に目的タンパク質を分泌することができれば、精製を容易にすることができ、宿主細胞での組換え型タンパク質生産量を大幅に増大させることが可能となり、サイトカインをはじめとする種々の組換え型タンパク質製剤のコストダウンが実現するようになる。
上記背景から生じる課題
これらのシグナルペプチドの予測や機能は、最終的に細胞を用いて検証する。従来の方法として、ジーントラップ法は、プロモーターを欠いたレポーター遺伝子を目的の細胞に導入し、染色体上で活性化されているプロモーターの下流に挿入された時のレポーター活性により内在性の遺伝子発現を同定するものである。例えば、レポーターは、β-balactosidase(β-gal)と(hygromycin (Hyg.) phosphotransferaseの融合遺伝子で、この遺伝子が翻訳されレポータータンパク質が合成され細胞内にとどまればβ-gal活性が発現してX-gal存在化に細胞質に青染される領域が出現するが、ER側に入るとその活性は失われる。レポータの上流に疎水性の膜貫通領域を組み込みβ-gal活性を指標にシグナル配列をコードする遺伝子を選択する。これらシグナル配列をターゲットとしたジーントラップ法により軟骨細胞に特異的な分泌型および膜表面タンパク質の同定が可能である(Proc. Natl. Acad. Sci. USA Vol.92, pp.6592-6596)。しかしながら、シグナルペプチドが存在するとβ-balactosidase活性がなくなるため、フォールスポジティブが多くなりまた検出感度も良く無いといった問題点がある。
また、蛍光タンパク質や、ルシフェラーゼなどの生物発光を用いた方法として、遺伝子をトランスフェクション後の培養上清を集め、その培養上清中の蛍光タンパク質の蛍光や、ルシフェラーゼ活性による発光を検出することで未知の分泌タンパク質の同定を行っている。しかしながら、培養上清を集めるため、感度が低くなりまたどの細胞から分泌されたかや、発現の強弱を細胞レベルで計測することが出来ないといった問題点があった。
ここで、蛍光タンパク質を用いた従来技術では、励起光照射による細胞への光毒性について考慮されておらず、細胞を生存し続けられる状態で維持するという点について対応することが出来ない。よって、この点に着目し、励起光を照射する必要が無いため細胞に傷害が少ない、生物発光を用いた単一細胞での遺伝子発現解析方法を提供することが課題となる。また、蛍光タンパク質を用いた従来技術では、励起光自身や細胞内物質の自家蛍光によるバックグラウンドについて考慮されておらず、レポーター遺伝子が生ずるシグナルの量を高いS/N比で、定量的に決定するという点について対応することが出来ない。よって、励起光が必要なく比較的バックグランドが少ない発光タンパクを利用する、生物発光を用いた単一細胞での遺伝子発現解析方法を提供することも課題となる。
また、免疫染色法による観察では、細胞を固定出来ず生細胞の状態で染色しなければならず、接着性の細胞では、プレートから細胞がはがれたり、洗浄操作が伴うため、時間と労力がかかるといった問題がある。
さらに、細胞表面への発現を観察するうえで、従来GFPなどに膜貫通ドメインを融合したタンパク質で観察する方法が試みられてきたが、細胞外へ発現したかの判断が困難である。また、フォールスポジティブが多いという問題がある。具体的にGFPのC末端にCD40の187アミノ酸からC末端までの膜貫通ドメインを含む融合タンパク質をトランスフェクションした。この融合タンパク質を発現したHela細胞を4℃の環境で抗GFP抗体(sigma)と2次抗体として抗mouse-IgG-Cy3 (sigma)で免疫染色し、観察した。免疫染色でシグナルペプチドが無いのに細胞表面に発現している細胞が観察される(図2参照)。
さらに、発光タンパク質を用いた従来技術では、レポーター遺伝子が生ずるシグナルを単一細胞において観察することについて考慮されておらず、レポーター遺伝子が生ずる検出可能なシグナルを光学イメージングするという点について対応することが出来ない。よって、この点に着目し、レポーター遺伝子が生ずるシグナルを発している細胞が同定出来るように発光顕微鏡で撮像する、生物発光を用いた単一細胞での遺伝子発現解析方法を提供することも課題となる。
上記課題を解決する手段と作用効果について
1.従来技術では上記のように、シグナルペプチド検出に関連した従来の分析方法は何れも、 β-balactosidase活性を用いる方法では細胞1つずつのシグナルペプチドの有無を観察することが出来るが、小胞体内にターゲティングされているのは解るが細胞外へ放出されるかどうかは直接解らないし β-balactosidase活性を指標にしているため感度が低いといった問題点がある。また、細胞からGFPやルシフェリンの分泌された培養上清を測定する方法では、直接細胞を観察出来ず測定する培養液全体の情報しか解らず感度を上げるためには、培養上清を濃縮しなければならないといった問題点がある。
本発明は、細胞外への分泌などの測定にレポーターを細胞外の膜に留めることで高感度に検出することが可能である。すなわち生物発光を観察する遺伝子例えばルシフェラーゼで基質が細胞内にほとんど入らない物を用い、解析したいシグナルペプチドのC末へつなげ、さらにそのC末に細胞表面にとどまる既知のタンパク質をつなげたレポーター遺伝子を構築し、発光顕微鏡で観察することでシグナルペプチドの作用を高感度に個々の情報を得ることが可能である。
GPIアンカーの生合成については、次のように要約される。第一段階はUDP-/ N/-アセチルグルコサミンからホスファチジルイノシトールへの、/ N/-アセチルグルコサミンの転移である。生成物である/N/-アセチルグルコサミン-ホスファチジルイノシトールは次に脱アセチル化され、グルコサミ ン-ホスファチジルイノシトールが生成する。この反応によって、GPIに非常に特異的なアセチル化されていないグルコサミンが生成される。 哺乳動物細胞のGPIアンカー生合成変異株の研究により、グルコサミン-ホスファチジルイノシトールの生合成には、少なくとも三つの遺伝子が含まれることが示された。 コア構造として保存される三つのマンノースの鎖を形成するマンノースの付加は、GDP-マンノースから活 性化されたマンノースのドリコールマンノースリン酸への転移による、疎水性のドナーの形成によって起こる。 次に、エタノールアミンリン酸が3番目(コアグリカンの還元末端から数えて)のマンノースに、疎水 的ドナーであるホスファチジルエタノールアミンによって付加され 、このようにして保存的なコアグリカンの生合成が完結する。
小胞体の内腔側で起こるトランスアミダーゼ反応は、タンパク質が小胞体膜の適切な位置に挿入されるとすぐに開始される。前駆体タンパク鎖が小胞体膜を貫通することが、続いて起こるGPIアンカー化に必要で ある。この反応それ自身はタンパク質のC末端が切断され、エタノールアミンリン酸のアミノ基を介して、GPIア ンカーによって置換されるアミノ基転移タイプの反応である。GPIアンカー化されるタンパク質は、小胞体の内腔側にあるGPI-トランスアミダーゼと相互作用する。この酵素は、C末端側に伸びている疎水的なアミノ酸 鎖を認識する。このアミノ酸鎖は一時的に膜貫通領域として働くと仮定され、このアミノ酸鎖のトランスアミダーゼによる切断で 生じた新たなC末端アミノ酸に、あらかじめ生成されていたGPIアンカーが付着する。
タンパク質が結合したGPIの最も明らかとなっている機能は、通常細胞外環境に向かう形で細胞膜の外側に、膜に対して安定 した構造で特定のタンパク質を局在化させることである。このことは、なぜこのタンパク質が、膜貫通領域を介してつなぎ止めら れるタンパク質とは異なり、GPIアンカー化されているのかという一般的な理由であろう。GPIアンカー化されることによる主な 利点の一つは、細胞外部への機能を有する表面タンパク質の、細胞質からの物理的隔離であり、これによって細胞内部を保護する ことである。GPIは、膜貫通型タンパク 質では考えられないような極端に高い密度で表面分子を集合することを可能とし、このことによって敵対する環境からの完全な隔離を可能にしている。このような細胞表面にとどまる既知のタンパク質をGPIアンカー型を用いることで特異性を上げることが可能となる。
また、既知のシグナルペプチドのC末へつなげ、さらにそのC末に解析したい細胞表面にとどまるタンパク質をつなげたレポーター遺伝子を構築し、発光顕微鏡で観察することで膜貫通ドメインやGPIアンカー型の作用を高感度に個々の情報を得ることが可能である。
細胞個々の情報を高感度に観察することが可能なため、同一容器内で異なるシグナルペプチドや膜貫通ドメインかどうかを同時に解析出来、試料の必要量の低減、反応容器数の低減が可能で検査の簡便化出来る。
実施の態様
ウミシイタケのLuciferase遺伝子のN末にラットのneurotrophin-3 (NT-3)のシグナルペプチド部分- MSILFYVIFLAYLRGI- をつなげたもの(sig pep-Luci-GPI)とつなげないもの(Luci-GPI)にそれぞれC末端にヒトThy-1 のN末端から117(Ser)-161番(Leu)の部分をつなげた融合タンパク質を発現する遺伝子を構築した。
まず、トランスフェクション前日、35mmのカルチャーディシュに5x105 cells/mlの濃度で2ml(10% FBSを含むD-MEM培地)まき、5% CO2環境下37℃で培養した。翌日pDNA3.1発現ベクターにsig pep-Luci-GPIまたはLuci-GPI遺伝子を挿入したプラスミドをHela細胞にLipofectamine2000(Invitrogen)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション後24-48時間10% FBSを含むD-MEM培地で5% CO2環境下37℃で培養した。
計測は、細胞をHANKSで洗浄し、0.5mlのD-MEM培地にRenilla Luciferase Assay Substrate (100x) (Promega)を5μl加え、発光顕微鏡を用いて観察した(図3、図4参照)。測定条件は、明視野画像を撮像した後に、発光画像を露光時間5分、対物倍率20倍で撮像した。図3−1に示すように、明視野観察による画像(図の左側)に対応する発光観察した画像(図の右側)において、sig pep-Luci-GPIは有意な発光が認められた。これに対して、図4−1に示すように、明視野観察による画像(図の左側)に対応する発光観察した画像(図の右側)において、シグナルペプチドの無いLuci-GPIは、ほとんど発光が認められなかった。
遺伝子の発現は、Renilla Luciferase Assay System (Promega)のプロとコールに従い、細胞を溶解してLuminescencer-JNRII (ATTO)ルミノメーターで測定した(図4参照)。測定時間は10秒間で、sig pep-Luci-GPI、Luci-GPIともに、発光が測定されルシフェラーゼの発現に問題が無いことを確認した。
A.語句の定義
<レポーター遺伝子>
本発明におけるレポーター遺伝子は、検出可能な蛍光を発するレポータータンパク質をコードする遺伝子を意味する。例えば、蛍もしくはウミシイタケなどに由来するルシフェラーゼを挙げることができる。さらには、例えば、βガラクトシダーゼをコードする遺伝子、アルカリホスファターゼをコードする遺伝子を挙げることができる。
<刺激により発現が誘導される遺伝子のプロモーター領域>
本発明におけるプロモーター領域としては、最初期遺伝子のプロモーターが挙げられる。
本発明で用いられる最初期遺伝子のプロモーターとしては、例えば、c-fosプロモーター領域が挙げられる。また、本発明で用いられるプロモーターとしては、前記プロモーターの任意の動物種の対応物も含まれる。ここでプロモーター領域とは、プロモーター活性を有するために必要な最小の塩基配列を含む任意の領域を意味する。例えば、該遺伝子の転写部位に対して上流500から2000塩基の領域の一部または全部を用いることができる。
<物質>
下記に説明する発明において使用される「物質」とは、自然界に存在する天然の物質あるいは人工的に調製される任意の物質を意味する。具体的には、例えば、化学的に合成された任意の化合物を挙げることができる。該化合物の種類および分子量などについては特に限定されない。該物質がタンパク質、またはペプチドである場合には、生体組織や細胞から単離されるもの、および遺伝子組換えや化学的合成により調製されるものも含まれる。さらにまた、それらの化学修飾体も含まれる。
<遺伝子発現ベクターの作製>
動物細胞を用いる場合、発現ベクターは少なくともプロモーター、開始コドン、目的のタンパク質をコードするDNA、終止コドンを含んでいることが好ましい。また、シグナルペプチドをコードするDNA、エンハンサー配列、該タンパク質をコードする遺伝子の5'側および3'側の非翻訳領域、スプライシング接合部、ポリA付加シグナル、選択マーカー領域または複製可能単位などを含んでいてもよい。
<細胞への遺伝子導入方法>
遺伝子を細胞へ導入する方法としては、塩化カルシウム法または塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法などが挙げられる。本発明で使用される遺伝子導入した細胞には一過性発現細胞あるいは安定発現細胞のいずれもが含まれる。
<刺激による遺伝子発現の光学イメージング>
本発明は例えば、下記のように実施することが出来る。
細胞の定数(例えば、該物質を細胞に接触させる刺激により発現が誘導される遺伝子のプロモーター領域(好ましくは、c-fos遺伝子のプロモーター領域)に発現可能に連結されたレポーター遺伝子(好ましくは蛍もしくはウミシイタケなどに由来するルシフェラーゼ)を前記の遺伝子導入方法を用いて細胞に導入する。得られた前記の遺伝子導入された細胞の定数(例えば、1〜1x109個、好ましくは1x103〜1x106個)を所望の細胞培養が可能な器具(例えば、シャーレ、多数のウェルを有するマルチプレートなど)を用いて所望の栄養培地(例えば、D-MEM培地など)中で培養する。この定数の細胞からなる試料を、あらかじめ細胞にとって最適な温度(例えば、25〜37℃、好ましくは35〜37℃)に保温し、試料の乾燥を防ぐため水を注入して保湿した発光顕微鏡の培養装置部に設置し、該発光顕微鏡の試料観察部にある対物レンズを通してデジタルカメラで発光イメージを記録する。前記の試料に、細胞に接触させて刺激を行なうための物質(例えば、化合物)を所望の濃度(例えば、1pM〜1M、好ましくは100nM〜1mM)で加えて、所望の時間間隔(例えば5分間〜5時間、好ましくは10分間〜1時間)で発光イメージを記録する。記録した画像を市販の画像解析ソフト(例えば、MetaMorph;ユニバーサルイメージング社製など)を用いて画像内の所望の領域における輝度値を取得する。さらに、発光イメージと同視野において明視野イメージを記録し、前記の画像解析ソフトを用いて発光イメージと明視野イメージを重ね合わせて、発光している細胞を同定する。
<光学イメージング>
本発明における光学イメージングとは、レポーター遺伝子を導入した細胞において、レポーター遺伝子により発せられる検出可能なシグナルの存在、不在または強度をモニタリング、記録および分析するイメージング方法を意味する。光学イメージングを達成するためには、レポーター遺伝子により発せられるシグナルの強度が、シグナルを細胞の外部から分析することができるように、十分に高くなくてはならない。光学イメージングは自動化に容易に適用可能であることから、多数の遺伝子発現を同時にモニタリングするのに用いることができる。なお、イメージングした試料画像の任意の位置について、時系列に2次元または3次元に画像情報を処理する技術は、本出願人による特願2004−172156、特願2004−178254等を参照してもよい。蛍光観察と発光観察における時系列な画像取得の違いは、発光観察が励起光による光学的走査(レーザスキャン)を必要としない点で余計な光による影響が無い点にある。本発明で行うイメージング技術によれば、リアルタイムに発光画像を撮像できる。本発明の方法では特に、上述したような発光顕微鏡を使用することにより、発光画像による解析を実現することが可能となった。
付記項1
疎水性アミノ酸に富む配列から予測したシグナルペプチドを検出する方法であって、N末から開始コドン、解析対象のシグナルペプチド、発光関連遺伝子、既知の膜貫通ドメイン、終止コドンの順でタンパク質をコードしているDNA構築物であって、DNA構築物を検査用細胞に遺伝子導入し、コードする遺伝子が転写・翻訳されタンパク分子が細胞外の表面にとどまる行程と、
細胞表面に発現したタンパク分子の発光活性を発光顕微鏡で検出する行程と、測定結果を解析する行程と、上記の反応を生じせしめる反応溶液及び反応容器と、これらの細胞を観察し解析し細胞の情報からシグナルペプチドを決定することの出来る方法を具備した方法。
付記項2
疎水性アミノ酸に富む配列から予測した膜貫通ドメインを検出する方法であって、N末から開始コドン、既知のシグナルペプチド、発光関連遺伝子、解析対象の膜貫通ドメイン、終止コドンの順でタンパク質をコードしているDNA構築物であって、DNA構築物を検査用細胞に遺伝子導入し、コードする遺伝子が転写・翻訳されタンパク分子が細胞外の表面にとどまる行程と、
細胞表面に発現したタンパク分子の発光活性を発光顕微鏡で検出する行程と、測定結果を解析する行程と、上記の反応を生じせしめる反応溶液及び反応容器と、これらの細胞を観察し解析し細胞の情報から膜貫通ドメインを決定することの出来る方法を具備した方法。
付記項3
上記1の方法において、少なくとも一つのシグナルペプチドの塩基配列が異なるDNA構築物が含まれたDNA構築物を同時に導入した細胞を同一容器に培養し、同一容器内で他種類の発光活性を同時に解析する方法。
付記項4
上記1の方法において、細胞表面への発現にGPIアンカー型を用いることで膜貫通ドメインによる擬陽性を開眼することをを可能にした検出法。
付記項5
上記1または2の方法において基質が細胞内へ入りづらい物を用いることで、細胞内と細胞外に発現したレポーター分子を識別することを可能とした検出法。
付記項6
上記方法におけるシグナルシーケンスまたは、膜貫通ドメインのスクリーニング法。
付記項7
上記方法における分泌量を検出する方法。
本発明の解析方法を実施するための装置の概要を示す図である。 本発明の態様において膜貫通ドメインを含む融合タンパク質を発現したHela細胞をGFP染色(図の左側)および免疫染色(図の右側)した図である。 sig pep-Luci-GPIによる反応後に得た明視野画像(図の左側)および発光画像(図の右側)を示す図である。 Luci-GPIによる反応後に得た明視野画像(図の左側)および発光画像(図の右側)を示す図である。 細胞を溶解した細胞溶解液をルミノメーターで測定した結果を示す図である。
符号の説明
1:サンプル
2:対物レンズ
3:集光レンズ
4:CCDカメラ
5:モニタ
6:ズームレンズ


Claims (12)

  1. N末端側から順に、解析対象のシグナルペプチド、発光タンパク質および既知の膜貫通ドメインが繋がった融合タンパク質を発現る細胞を含む試料を、撮像手段の撮像視野内に配置する工程と、
    前記細胞において発現した前記発光タンパク質により生ずる発光シグナルを前記撮像手段により暗視野において光学イメージングするとともに、前記発光シグナルの量を定量的に決定する光学的処理工程とを備え、
    前記光学イメージングが微弱光を画像解析可能な画像の取得であり、前記撮像手段が、開口数をNAとし投影倍率をβとしたときの(NA÷β)の2乗の値が0.01以上である対物レンズを備えることを特徴とする微弱光解析方法。
  2. 前記融合タンパク質が、GPIアンカー型であることを特徴とする請求項1に記載の微弱光解析方法。
  3. 前記発光シグナルは、前記発光タンパク質と細胞内へ侵入し難い基質との相互作用により生じ、これにより細胞内と細胞外に発現した前記発光タンパク質の識別を可能にすることを特徴とする請求項1または2に記載の微弱光解析方法。
  4. 前記試料に刺激用物質を接触させて刺激を行う工程をさらに含み、前記刺激に応答した細胞を前記光学的処理工程により光学的に処理することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の微弱光解析方法
  5. 前記発光シグナルの強度を輝度値に変換することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の微弱光解析方法。
  6. 前記光学イメージングにより取得される前記発光シグナルの画像と前記細胞の明視野像とを重ね合わせることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の微弱光解析方法。
  7. 記(NA÷β)の2乗の値が0.039以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の微弱光解析方法。
  8. 記(NA÷β)の2乗の値が0.071以上であることを特徴とする請求項に記載の微弱光解析方法。
  9. 記光学イメージングを、高い開口数(NA)の対物レンズを用いて、短い時間間隔で実行することを特徴とする請求項7または8に記載の微弱光解析方法。
  10. 請求項1からのいずれか1項に記載の方法を含むシグナルシーケンス方法。
  11. 請求項1からのいずれか1項に記載の方法を含む膜貫通ドメインのスクリーニング方法。
  12. 請求項1からのいずれか1項に記載の方法を含む分泌量を検出する方法。
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