JP6863520B2 - 医療用イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用イメージング装置に関する。
従来、蛍光物質を励起させるための励起光を照射する励起光源を備えた医療用イメージング装置が知られている。このような医療用イメージング装置は、たとえば、特開2014−196953号公報に開示されている。
特開2014−196953号公報には、蛍光物質が投与された観測対象物に対して蛍光観測のための赤外波長帯域の励起光を供給(照射)すると共に、励起光により蛍光物質が励起されることにより放出される赤外波長帯域の蛍光の観測画像を取得する蛍光観察装置(医療用イメージング装置)が開示されている。この特開2014−196953号公報の蛍光観察装置は、励起光の供給のON/OFFを切換可能な励起光供給手段を備える。そして、赤外波長帯域の室内光や太陽光などの外乱光を除いた蛍光のみの画像(蛍光画像)を取得するために、励起光の供給をONにした場合の画像(ON画像)と、励起光の供給をOFFにした場合の画像(OFF画像)との差分を取る補正が行われるように構成されている。
特開2014−196953号公報
なお、特開2014−196953号公報には開示されていないが、ON画像とOFF画像との差分は、蛍光の波長帯域を検出するように構成された撮像素子により、励起光の照射時に撮影された画像と励起光の非照射時に撮影された画像との差分であると考えられる。ここで、励起光と(励起光に起因する)蛍光とのピーク波長が近接している(ストークスシフトが小さい)場合、ON画像において励起光が映り込むため、ON画像とOFF画像との差分による蛍光画像において、励起光がそのまま映り込むという不都合がある。なお、観測対象物に投与される蛍光物質は一般的に有機物であるが、有機物は、一般的にストークスシフトが小さいことが知られている。したがって、特開2014−196953号公報の蛍光観察装置では、ON画像から励起光を除去する補正を行うことができないことによって、蛍光画像に励起光が映り込む(信号に対するノイズが大きくなる)ことに起因して蛍光画像におけるS/N比(信号/ノイズ比)が低下してしまうという問題点があると考えられる。
また、特開2014−196953号公報のような蛍光観察装置では、蛍光画像とともに、可視光画像を同時に取得する場合がある。しかしながら、特開2014−196953号公報の蛍光観察装置は、蛍光画像のみに対応しているので、ON画像とOFF画像との差分を取った蛍光画像には、可視光(白色光)が映り込むと考えられる。したがって、特開2014−196953号公報の蛍光観察装置では、蛍光画像とともに可視光画像を同時に取得する場合が考慮されていないことによって、蛍光画像に白色光が映り込む(信号に対するノイズが大きくなる)ことに起因して蛍光画像におけるS/N比(信号/ノイズ比)が低下してしまうという問題点があると考えられる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、蛍光画像に蛍光以外の光が映り込むことに起因して蛍光画像におけるS/N比が低下してしまうのを抑制することが可能な医療用イメージング装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における医療用イメージング装置は、被検体に投与された蛍光物質を励起させるための励起光を照射する励起光源と、被検体に投与された少なくとも1つの蛍光物質が励起光源により照射された励起光により励起されることにより生じる蛍光の波長域を含む第1波長域の光を検出する第1波長域検出部と、第1波長域とは異なる波長域である第2波長域の光を検出する第2波長域検出部と、第1波長域検出部により検出された第1波長域の光に基づいて蛍光画像である第1波長域画像を生成する第1波長域画像生成部と、第2波長域検出部により検出された第2波長域の光に基づいて第2波長域画像を生成する第2波長域画像生成部と、励起光が照射されている場合に生成された第1波長域画像と第2波長域画像とに基づいて、第1波長域画像を補正する画像補正部と、を備える。
この発明の一の局面による医療用イメージング装置では、上記のように、画像補正部は、励起光が照射されている場合に生成された、第1波長域の光に基づく第1波長域画像と、第1波長域とは異なる波長域である第2波長域の光に基づく第2波長域画像とに基づいて、第1波長域画像を補正する。これにより、たとえば、第1波長域検出部により検出される励起光の強度と第2波長域検出部により検出される励起光の強度とを略揃えた場合、第1波長域画像と第2波長域画像との差分を取ることにより、蛍光画像である第1波長域画像から励起光を殆ど除去する補正を行うことができる。その結果、蛍光画像に含まれる励起光を除去することができるので、蛍光画像に蛍光以外の光が映り込むことに起因して蛍光画像におけるS/N比が低下してしまうのを抑制することができる。
上記一の局面による医療用イメージング装置において、好ましくは、画像補正部は、励起光が照射されている場合に生成された第1波長域画像と、励起光が照射されていない場合に生成された第1波長域画像と、励起光が照射されている場合に生成された第2波長域画像と、励起光が照射されていない場合に生成された第2波長域画像とに基づいて、第1波長域画像を補正するように構成されている。このように構成すれば、励起光が照射されている場合と励起光が照射されていない場合とで、第1波長域検出部により検出される励起光および蛍光以外の光(白色光や外乱光等)は略同一の強度となるので、たとえば、励起光が照射されている場合に生成された蛍光画像である第1波長域画像と、励起光が照射されていない場合に生成された蛍光画像である第1波長域画像との差分を取ることにより、励起光および蛍光以外の光が殆ど除去された蛍光画像を取得することができる。また、励起光が照射されている場合と励起光が照射されていない場合とで、第2波長域検出部により検出される励起光および蛍光以外の光(白色光や可視光等)は略同一の強度となるので、たとえば、励起光が照射されている場合に生成された第2波長域画像と、励起光が照射されていない場合に生成された第2波長域画像との差分を取ることにより、励起光および蛍光以外の光が殆ど除去された画像を取得することができる。したがって、第1波長域検出部により検出される励起光の強度と第2波長域検出部により検出される励起光の強度とを略揃えた場合、励起光が照射されている場合に生成された第1波長域画像と、励起光が照射されていない場合に生成された第1波長域画像とに基づく蛍光画像と、励起光が照射されている場合に生成された第2波長域画像と、励起光が照射されていない場合に生成された第2波長域画像とに基づく画像との差分を取ることにより、第1波長域画像から励起光に加えて励起光および蛍光以外の光を殆ど除去する補正を行うことができる。その結果、蛍光画像に含まれる励起光と励起光および蛍光以外の光とを殆ど除去することができるので、蛍光画像に蛍光以外の光が映り込むことに起因して蛍光画像におけるS/N比が低下してしまうのを確実に抑制することができる。
上記一の局面による医療用イメージング装置において、好ましくは、画像補正部は、第1波長域画像における励起光の強度と第2波長域画像における励起光の強度との相関関係に基づいて、第1波長域画像を補正するように構成されている。このように構成すれば、上記相関関係に基づいて、第1波長域検出部により検出される励起光の強度と第2波長域検出部により検出される励起光の強度とを容易に略揃えることができるので、蛍光画像である第1波長域画像から励起光を殆ど除去する補正を容易に行うことができる。その結果、蛍光画像に含まれる励起光を容易に殆ど除去することができるので、蛍光画像に蛍光以外の光が映り込むことに起因して蛍光画像におけるS/N比が低下してしまうのを容易に抑制することができる。
上記一の局面による医療用イメージング装置において、好ましくは、第2波長域は、可視光の波長域を含む。このように構成すれば、第1波長域検出部により検出された蛍光の波長域を含む第1波長域の光に基づいて生成された蛍光画像である第1波長域画像と、第2波長域検出部により検出された可視光の波長域を含む第2波長域の光に基づいて生成された可視光画像である第2波長域画像とに基づいて、蛍光画像である第1波長域画像を補正することができる。その結果、蛍光画像とともに可視光画像を同時に取得する場合に、蛍光画像に蛍光以外の光が映り込むことに起因して蛍光画像におけるS/N比が低下してしまうのを抑制することができる。
上記一の局面による医療用イメージング装置において、好ましくは、第1波長域検出部は、互いに波長域の異なる蛍光を発する複数の蛍光物質に対応した蛍光を検出可能に構成されている。このように構成すれば、第1波長域検出部により検出された互いに異なる波長域の複数の蛍光に基づいて、互いに波長域の異なる蛍光画像を生成する構成において、蛍光画像に蛍光以外の光が映り込むことに起因して蛍光画像におけるS/N比が低下してしまうのを抑制することができる。また、1つの第1波長域検出部において、複数の蛍光物質に対応した蛍光を検出することができるので、第1波長域検出部とは異なる波長域の蛍光物質に対応した光を検出する検出部を別個に設ける場合と比較して、医療用イメージング装置を小型化することができる。
上記一の局面による医療用イメージング装置において、好ましくは、第1波長域検出部とは異なる波長域の蛍光を発する蛍光物質に対応した蛍光を検出する第3波長域検出部をさらに備える。このように構成すれば、第1波長域検出部および第3波長域検出部により検出された互いに異なる波長域の複数の蛍光に基づいて、互いに波長域の異なる蛍光画像を生成する構成において、蛍光画像に蛍光以外の光が映り込むことに起因して蛍光画像におけるS/N比が低下してしまうのを抑制することができる。また、第1波長域検出部と第3波長域検出部とを別個に設けるので、1つの第1波長域検出部において、複数の蛍光物質に対応した蛍光を検出するように構成する場合と比較して、蛍光の検出精度を向上させることができる。
本発明によれば、上記のように、蛍光画像に蛍光以外の光が映り込むことに起因して蛍光画像におけるS/N比が低下してしまうのを抑制することが可能な医療用イメージング装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態による医療用イメージング装置の概観を示す図である。 本発明の第1実施形態による医療用イメージング装置の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による医療用イメージング装置における撮影画像を説明するための図である。 蛍光以外の光を除去する蛍光画像の補正処理のフローチャートである。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する
[第1実施形態]
図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による近赤外光カメラシステム100の構成について説明する。近赤外光カメラシステム100は、手術時の画像を被検体Pの外部から撮像し、手術支援を行うための装置である。なお、近赤外光カメラシステム100は、特許請求の範囲の「医療用イメージング装置」の一例である。
(近赤外光カメラシステムの構成)
図1に示すように、第1実施形態による近赤外光カメラシステム100は、被検体Pを撮影するための撮影部1と、制御部6(図2参照)等が内蔵された本体部2と、撮影部1と本体部2とを接続するアーム部3と、を備えている。近赤外光カメラシステム100は、被検体Pに投与された蛍光物質であるICG(indocyanine green)に励起光Exを照射するとともに、励起光ExによりICGが励起されることにより放出されるICG蛍光Lxを検出して画像化するように構成された撮影装置である。なお、励起光ExおよびICG蛍光Lxは、近赤外波長帯域に中心波長を有する光である。励起光Exにより励起されたICG蛍光Lxは、波長が長くなる(ストークスシフトする)ため、励起光Exよりも中心波長が長い。なお、ICGは、特許請求の範囲の「蛍光物質」の一例である。また、ICG蛍光Lxは、特許請求の範囲の「第1波長域の光」および「蛍光」の一例である。
図2に示すように、撮影部1は、光を照射するための照射部4と、光を検出するための検出部5と、を備えている。また、本体部2は、近赤外光カメラシステム100の各種構成を制御するための制御部6と、撮影部1で撮影した画像等を記憶する記憶部7と、撮影部1で撮影した画像等を表示する表示部8と、を備えている。
照射部4は、励起光Exを発生して被検体Pに照射するための励起光光源41と、可視光Visを発生させて被検体Pに照射するための可視光光源42と、を備えている。励起光光源41および可視光光源42は、それぞれ、光源としての発光ダイオード(LED)を含む。なお、励起光光源41は、特許請求の範囲の「励起光源」の一例である。また、可視光Visは、特許請求の範囲の「第2波長域の光」の一例である。
励起光光源41は、被検体Pに投与されたICGを励起させるための励起光Exとして、たとえば、中心波長が760nmの近赤外光を発生させるように構成されている。
可視光光源42は、可視光Visとして、たとえば、可視領域の複数の(全ての)波長を含む白色光Wを発生させるように構成されている。なお、可視光Visは、白色光Wに限らず、可視領域の特定の波長だけを含むように構成してもよい。
検出部5は、ICG蛍光Lxを検出するための蛍光検出器51と、可視光Visを検出するための可視光検出器52と、を備えている。なお、蛍光検出器51は、特許請求の範囲の「第1波長域検出部」の一例である。また、可視光検出器52は、特許請求の範囲の「第2波長域検出部」の一例である。
蛍光検出器51および可視光検出器52は、たとえば、それぞれCMOS(complementary metal oxide semiconductor)やCCD(charge coupled device)等を用いたイメージセンサ(撮像素子)から構成される。
蛍光検出器51では、励起光Exにより励起されたICGから放出されるICG蛍光Lxを検出するために、ICG蛍光Lxの波長帯域と略等しい範囲の光を検出可能な撮像素子が用いられる。また、可視光検出器52では、可視光Visを検出するために、可視光Visの波長帯域と略等しい範囲の光を検出可能な撮像素子が用いられる。
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されたコンピュータである。制御部6は、撮影部1で撮影された画像を生成する画像生成部9を備えている。なお、画像生成部9は、「第1波長域画像生成部」、「第2波長域画像生成部」および「画像補正部」の一例である。
画像生成部9は、蛍光検出器51および可視光検出器52から送られた検出信号に基づいて、それぞれ、ICG画像11(図3参照)およびVIS画像12(図3参照)を生成することが可能に構成されている。すなわち、画像生成部9は、蛍光検出器51により検出されたICG蛍光Lxに基づいてICG画像11を生成するとともに、可視光検出器52により検出された可視光Visに基づいてVIS画像12を生成するように構成されている。また、画像生成部9は、ICG画像11およびVIS画像12を合成した合成画像13を生成することが可能に構成されている。この合成画像13は、可視光Visで撮影したVIS画像12に、ICG蛍光LxによりICGが投与された部位が強調表示されたICG画像11が合成されることによって生成されている。なお、ICG画像11は、特許請求の範囲の「第1波長域画像」の一例である。また、VIS画像12は、特許請求の範囲の「第2波長域画像」の一例である。
記憶部7は、たとえば、不揮発メモリを含む。そして、記憶部7には、制御部6の処理に用いられるプログラムが記憶されているとともに、画像生成部9で生成した画像(ICG画像11、VIS画像12および合成画像13)等を記憶できるように構成されている。
表示部8は、たとえば、液晶ディスプレイとして構成されている。そして、表示部8は、画像生成部9により生成された画像(ICG画像11、VIS画像12および合成画像13)を表示することが可能に構成されている。また、複数枚の画像を連続的に表示することで、動画として表示することも可能に構成されている。
上記の構成により、近赤外光カメラシステム100では、ICGが投与された部位を蛍光により強調表示させた合成画像13を医師等が確認することで、手術等において患部の視認性を高めることが可能である。
ここで、ICG蛍光Lxおよび励起光Exの中心波長が近い(ストークスシフトが小さい)ことに起因して、蛍光検出器51では、ICG蛍光Lxだけでなく、励起光Exも検出される。ICG蛍光Lxと励起光Exとの波長帯域は一部が重複しており、単純に分離することは容易ではない。したがって、画像生成部9が、蛍光検出器51により検出された検出信号から、そのままICG画像11を生成した場合、ICG画像11にICG蛍光Lxだけでなく励起光Exも映り込んでしまうことによって、ICG画像11のS/N比が低下してしまう。
そこで、第1実施形態では、画像生成部9は、励起光Exが照射されている場合に生成されたICG蛍光Lxに基づくICG画像11と、ICG蛍光Lxとは異なる波長域である可視光Visに基づくVIS画像12とに基づいて、ICG画像11を補正するように構成されている。この方法により、近赤外光カメラシステム100では、ICG画像11から励起光Exを除去する補正を行うことが可能に構成されている。以下に、ICG画像11の補正について詳細に説明する。
以下の説明では、励起光Exの照射および可視光Vis(W)の照射が無い場合を条件A、励起光Exの照射が無く可視光Vis(W)の照射が有る場合を条件B、可視光Vis(W)の照射が無く励起光Exの照射が有る場合を条件C、励起光Exの照射および可視光Vis(W)の照射が有る場合を条件Dとする。なお、光の照射または検出が有る場合と、光の照射が無いまたは検出が(殆ど)無い場合とを、それぞれ、1と0とする。
また、蛍光検出器51および可視光検出器52の撮像素子を、それぞれ、撮像素子ICGおよび撮像素子VISとする。なお、撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出される光は、外乱光と、可視光Vis(W)と、励起光Exと、ICG蛍光Lxとのいずれかが含まれる。ここで、可視光Vis(W)は、可視光光源42により照射された可視光Vis(W)と同一の光である。また、外乱光は、可視光Vis(W)、励起光ExおよびICG蛍光Lxの以外の光であり、たとえば、室内光や太陽光等の光である。
外乱光は、可視光Vis(W)、励起光ExおよびICG蛍光Lxの以外の光であるため、条件A、条件B、条件Cおよび条件Dのいずれの条件においても検出される。また、外乱光は、可視光Vis(W)、励起光ExおよびICG蛍光Lx以外の光を全て含むため、撮像素子ICGおよび撮像素子VISのいずれにおいても検出される。
撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出される可視光Vis(W)は、可視光光源42により照射された可視光Vis(W)と同一の光であるため、可視光光源42による可視光Vis(W)の照射の有無と対応している。具体的には、可視光Vis(W)は、可視光光源42による可視光Vis(W)の照射が有る場合(条件Bおよび条件Dの場合)には、撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出されるとともに、可視光光源42による可視光Vis(W)の照射が無い場合(条件Aおよび条件Cの場合)には、撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出されない。
撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出される励起光Exは、励起光光源41により照射された励起光Exと同一の光であるため、励起光光源41による励起光Exの照射の有無と対応している。具体的には、励起光Exは、励起光光源41による励起光Exの照射が有る場合(条件Cおよび条件Dの場合)には、撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出されるとともに、励起光光源41による励起光Exの照射が無い場合(条件Aおよび条件Bの場合)には、撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出されない。
撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出されるICG蛍光Lxは、励起光光源41による励起光Exの照射の有無と対応している。なお、撮像素子VISは、可視光Visを検出するように構成されているため、可視光VisとICG蛍光Lxとの波長帯域が殆ど重複しないことにより、ICG蛍光Lxが殆ど検出されない。具体的には、ICG蛍光Lxは、励起光光源41による励起光Exの照射が有る場合(条件Cおよび条件Dの場合)には、撮像素子ICGで検出されるとともに撮像素子VISでは殆ど検出されない。また、ICG蛍光Lxは、励起光光源41による励起光Exの照射が無い場合(条件Aおよび条件Bの場合)には、撮像素子ICGおよび撮像素子VISのいずれにもおいても検出されない。
以上のように、画像生成部9は、励起光光源41による励起光Exの照射の有無と可視光光源42による可視光Vis(W)の照射の有無との組み合わせによる4つの条件(条件A、B、CおよびD)下で、撮像素子ICGおよび撮像素子VISでそれぞれ検出された4種類のICG画像11および4種類のVIS画像12を生成することができる。
ここで、4種類のICG画像11と4種類のVIS画像12を区別するために、以下の説明では、条件A、B、CおよびDにおけるICG画像11を、それぞれ、関数ICG(0、0)、関数ICG(0、1)、関数ICG(1、0)および関数ICG(1、1)と表す。
また、条件A、B、CおよびDにおけるVIS画像12を、それぞれ、関数VIS(0、0)、関数VIS(0、1)、関数VIS(1、0)および関数VIS(1、1)と表す。
そして、第1実施形態では、画像生成部9は、励起光Exが照射されている場合に生成されたICG画像11と、励起光Exが照射されていない場合に生成されたICG画像11と、励起光Exが照射されている場合に生成されたVIS画像12と、励起光Exが照射されていない場合に生成されたVIS画像12とに基づいて、ICG画像11を補正するように構成されている。詳細には、励起光光源41により励起光Exが照射されている場合に生成されたICG画像11と、励起光光源41により励起光Exが照射されていない場合に生成されたICG画像11と、の差分により取得された第1差分画像と、励起光光源41により励起光Exが照射されている場合に生成されたVIS画像12と、励起光光源41により励起光Exが照射されていない場合に生成されたVIS画像12と、の差分により取得された第2差分画像とに基づいて、ICG画像11を補正するように構成されている。
具体的には、画像生成部9は、関数ICG(0、0)と関数ICG(1、0)との差分により、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光ExおよびICG蛍光Lxが含まれる関数ICG(Ex、Lx)を取得することが可能である。同様に、画像生成部9は、関数ICG(0、1)と関数ICG(1、1)との差分により、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光ExおよびICG蛍光Lxが含まれる関数ICG(Ex、Lx)を取得することが可能である。
また、画像生成部9は、関数VIS(0、0)と関数VIS(1、0)との差分により、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光Exが含まれるがICG蛍光Lxが殆ど含まれない関数VIS(Ex)を取得することが可能である。同様に、画像生成部9は、関数VIS(0、1)と関数VIS(1、1)との差分により、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光Exが含まれるがICG蛍光Lxが殆ど含まれない関数VIS(Ex)を取得することが可能である。
ここで、近赤外光カメラシステム100では、蛍光検出器51により検出される励起光Exの強度と、可視光検出器52により検出される励起光Exの強度とが異なる。
そこで、第1実施形態では、画像生成部9は、ICG画像11における励起光Exの強度とVIS画像12における励起光Exの強度との相関関係に基づいてICG画像11を補正するように構成されている。具体的には、画像生成部9は、関数ICG(Ex、Lx)における励起光Exの強度と、関数VIS(Ex)における励起光Exの強度との相関関係を関数VIStoICGとして予め算出することが可能に構成されている。なお、関数VIStoICGは、関数VIS(Ex)における励起光Exの強度を関数ICG(Ex、Lx)における励起光Exの強度に換算する関数である。これにより、画像生成部9は、励起光Exを殆ど除去したICG画像11を、関数ICG(Ex、Lx)−関数VIStoICG(関数VIS(Ex))から取得することが可能である。
上記の構成により、画像生成部9は、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光ExおよびICG蛍光Lxが含まれる関数ICG(Ex、Lx)を取得するとともに、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光Exが含まれるがICG蛍光Lxが殆ど含まれない関数VIS(Ex)を取得する。そして、画像生成部9は、関数ICG(Ex、Lx)と関数VIS(Ex)とに基づいて、外乱光、可視光Visおよび励起光Exを殆ど除去したICG画像11を取得する。これにより、ICG画像11からICG蛍光Lx以外の光を殆ど除去するように、ICG画像11を補正することができる。
(蛍光画像の補正処理のフロー)
次に、図4を参照して、ICG蛍光Lx以外の光を殆ど除去するICG画像11の補正処理のフローについて説明する。なお、励起光光源41による励起光Exの照射の有無および可視光光源42による可視光Vis(W)の照射の有無の組み合わせを変えて、撮影部1による撮影が行われているものとする。
まず、ステップS11において、画像生成部9は、励起光光源41による励起光Exの照射の有無と可視光光源42による可視光Vis(W)の照射の有無との組み合わせに応じて、撮像素子ICGおよび撮像素子VISでそれぞれ検出された4種類のICG画像11および4種類のVIS画像12を取得する。4種類のICG画像11は、関数ICG(0、0)、関数ICG(0、1)、関数ICG(1、0)および関数ICG(1、1)である。また、4種類のVIS画像12は、関数VIS(0、0)、関数VIS(0、1)、関数VIS(1、0)および関数VIS(1、1)である。
次に、ステップS12において、画像生成部9は、関数ICG(0、0)と関数ICG(1、0)との差分、または、関数ICG(0、1)と関数ICG(1、1)との差分により、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光ExおよびICG蛍光Lxが含まれる関数ICG(Ex、Lx)を取得する。
次に、ステップS13において、画像生成部9は、関数VIS(0、0)と関数VIS(1、0)との差分、または、関数VIS(0、1)と関数VIS(1、1)との差分により、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光Exが含まれるがICG蛍光Lxが殆ど含まれない関数VIS(Ex)を取得する。なお、ステップS12とステップS13との順序は逆にしてもよい。
そして、ステップS14において、画像生成部9は、予め算出された関数ICG(Ex、Lx)における励起光Exの強度と、関数VIS(Ex)における励起光Exの強度との相関関係を表す関数VIStoICGを用いて、励起光ExおよびICG蛍光Lxが含まれる関数ICG(Ex、Lx)と励起光Exが含まれるがICG蛍光Lxが殆ど含まれない関数VIS(Ex)との差分により、外乱光、可視光Vis(W)および励起光Exを殆ど除去する。これにより、ICG蛍光Lx以外の光を殆ど除去するようにICG画像11を補正することができる。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、画像生成部9を、励起光Exが照射されている場合に生成されたICG蛍光Lxに基づくICG画像11と、ICG蛍光Lxとは異なる波長域である可視光Visに基づくVIS画像12とに基づいて、ICG画像11を補正するように構成する。これにより、蛍光検出器51により検出される励起光Exの強度と可視光検出器52により検出される励起光Exの強度とを略揃えた場合、ICG画像11とVIS画像12との差分を取ることにより、ICG画像11から励起光Exを除去する補正を行うことができる。その結果、ICG画像11に含まれる励起光Exを殆ど除去することができるので、ICG画像11にICG蛍光Lx以外の光が映り込むことに起因してICG画像11におけるS/N比が低下してしまうのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、画像生成部9を、励起光Exが照射されている場合に生成されたICG画像11と、励起光Exが照射されていない場合に生成されたICG画像11と、励起光Exが照射されている場合に生成されたVIS画像12と、励起光Exが照射されていない場合に生成されたVIS画像12とに基づいて、ICG画像11を補正するように構成する。これにより、励起光Exが照射されている場合と励起光Exが照射されていない場合とで、蛍光検出器51により検出される励起光ExおよびICG蛍光Lx以外の光(白色光や外乱光等)は略同一の強度となるので、励起光Exが照射されている場合に生成された蛍光画像であるICG画像11と、励起光Exが照射されていない場合に生成された蛍光画像であるICG画像11との差分を取ることにより、励起光ExおよびICG蛍光Lx以外の光が殆ど除去された蛍光画像を取得することができる。また、励起光Exが照射されている場合と励起光Exが照射されていない場合とで、可視光検出器52により検出される励起光Exおよび蛍光以外の光(白色光や可視光等)は略同一の強度となるので、励起光Exが照射されている場合に生成されたVIS画像12と、励起光Exが照射されていない場合に生成されたVIS画像12との差分を取ることにより、励起光ExおよびICG蛍光Lx以外の光が殆ど除去された画像を取得することができる。したがって、蛍光検出器51により検出される励起光Exの強度と可視光検出器52により検出される励起光Exの強度とを略揃えた場合、励起光Exが照射されている場合に生成されたICG画像11と、励起光Exが照射されていない場合に生成されたICG画像11とに基づく蛍光画像と、励起光Exが照射されている場合に生成されたVIS画像12と、励起光Exが照射されていない場合に生成されたVIS画像12とに基づく画像との差分を取ることにより、ICG画像11から励起光Exに加えて励起光ExおよびICG蛍光Lx以外の光を殆ど除去する補正を行うことができる。その結果、ICG画像11に含まれる励起光Exと励起光ExおよびICG蛍光Lx以外の光とを殆ど除去することができるので、ICG画像11にICG蛍光Lx以外の光が映り込むことに起因してICG画像11におけるS/N比が低下してしまうのを確実に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、画像生成部9を、ICG画像11における励起光Exの強度とVIS画像12における励起光Exの強度との相関関係に基づいて、ICG画像11を補正するように構成する。これにより、上記相関関係に基づいて、蛍光検出器51により検出される励起光Exの強度と可視光検出器52により検出される励起光Exの強度とを容易に略揃えることができるので、ICG画像11から励起光Exを殆ど除去する補正を容易に行うことができる。その結果、ICG画像11に含まれる励起光Exを容易に殆ど除去することができるので、ICG画像11にICG蛍光Lx以外の光が映り込むことに起因してICG画像11におけるS/N比が低下してしまうのを容易に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第2波長域は、可視光Visの波長域を含む。これにより、蛍光検出器51により検出されたICG蛍光Lxの波長域に基づいて生成された蛍光画像であるICG画像11と、可視光検出器52により検出された可視光Visの波長域に基づいて生成された可視光画像であるVIS画像12とに基づいて、蛍光画像であるICG画像11を補正することができる。その結果、蛍光画像とともに可視光画像を同時に取得する場合に、ICG画像11にICG蛍光Lx以外の光が映り込むことに起因してICG画像11におけるS/N比が低下してしまうのを抑制することができる。
[第2実施形態]
図2および図3を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、励起光Exの照射の有無と可視光Vis(W)の照射の有無の組み合わせに応じてICG画像11およびVIS画像12を生成した上記第1実施形態と異なり、励起光Exの照射の有無のみに応じてICG画像11およびVIS画像12を生成する例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
第2実施形態では、図2および図3に示すように、第1実施形態と同様に、画像生成部9は、励起光Exが照射されている場合に生成されたICG蛍光Lxに基づくICG画像11と、ICG蛍光Lxとは異なる波長域である可視光Visに基づくVIS画像12とに基づいて、ICG画像11を補正するように構成されている。具体的には、第1実施形態と異なり、画像生成部9は、励起光光源41による励起光Exの照射の有無に応じて生成されるICG画像11およびVIS画像12に基づいて、ICG蛍光Lx以外の光が殆ど除去されるようにICG画像11を補正することが可能に構成されている。
なお、第2実施形態におけるICG画像11の補正は、第1実施形態の可視光光源42による可視光Vis(W)の照射を省略したものと見なすことが可能である。ここで、可視光Vis(W)の照射が無い場合は、図3のように被検体Pを鮮明に撮影することができない。したがって、第2実施形態では、ICG画像11を生成するための撮影部1による撮影時のみ、可視光Vis(W)を照射しないように構成されている。たとえば、ICG画像11を生成するための撮影と、被検体Pを鮮明に撮影するためのVIS画像12の撮影とを、数フレーム毎に切り換えるように構成することができる。
以下の説明では、励起光Exの照射が無い場合を条件E、励起光Exの照射が有る場合を条件Fとする。
なお、撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出される光は、外乱光と、励起光Exと、ICG蛍光Lxとのいずれかが含まれる。
外乱光は、励起光ExおよびICG蛍光Lxの以外の光であるため、条件Eおよび条件Fのいずれの条件においても検出される。
励起光Exは、励起光光源41による励起光Exの照射が有る場合(条件Fの場合)には、撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出されるとともに、励起光光源41による励起光Exの照射が無い場合(条件Eの場合)には、撮像素子ICGおよび撮像素子VISで検出されない。
ICG蛍光Lxは、励起光光源41による励起光Exの照射が有る場合(条件Fの場合)には、撮像素子ICGで検出されるとともに撮像素子VISでは殆ど検出されない。また、ICG蛍光Lxは、励起光光源41による励起光Exの照射が無い場合(条件Eの場合)には、撮像素子ICGおよび撮像素子VISのいずれにもおいても検出されない。
以上のように、画像生成部9は、励起光光源41による励起光Exの照射の有無による2つの条件(条件EおよびF)下で、撮像素子ICGおよび撮像素子VISでそれぞれ検出された2種類のICG画像11および2種類のVIS画像12を生成することができる。
ここで、2種類のICG画像11と2種類のVIS画像12を区別するために、以下の説明では、条件EおよびFにおけるICG画像11を、それぞれ、関数ICG(0)および関数ICG(1)と表す。また、条件EおよびFにおけるVIS画像12を、それぞれ、関数VIS(0)および関数VIS(1)と表す。
そして、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、画像生成部9は、励起光Exが照射されている場合に生成されたICG画像11と、励起光Exが照射されていない場合に生成されたICG画像11と、励起光Exが照射されている場合に生成されたVIS画像12と、励起光Exが照射されていない場合に生成されたVIS画像12とに基づいて、ICG画像11を補正するように構成されている。
具体的には、画像生成部9は、関数ICG(0)と関数ICG(1)との差分により、外乱光が殆ど除去され、励起光ExおよびICG蛍光Lxが含まれる関数ICG(Ex、Lx)を取得することが可能である。
また、画像生成部9は、関数VIS(0)と関数VIS(1)との差分により、外乱光が殆ど除去され、励起光Exが含まれるがICG蛍光Lxが殆ど含まれない関数VIS(Ex)を取得することが可能である。
そして、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、画像生成部9は、ICG画像11における励起光Exの強度とVIS画像12における励起光Exの強度との相関関係に基づいて、ICG画像11を補正するように構成されている。これにより、画像生成部9は、励起光Exを殆ど除去したICG画像11を、関数ICG(Ex、Lx)−関数VIStoICG(関数VIS(Ex))から取得することが可能である。
上記の構成により、第1実施形態と同様に、画像生成部9は、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光ExおよびICG蛍光Lxが含まれる関数ICG(Ex、Lx)を取得するとともに、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光Exが含まれるがICG蛍光Lxが殆ど含まれない関数VIS(Ex)とを取得する。そして、画像生成部9は、関数ICG(Ex、Lx)と関数VIS(Ex)とに基づいて、ICG画像11からICG蛍光Lx以外の光を殆ど除去するように、ICG画像11を補正することができる。
なお、第2実施形態による近のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記のように、第1実施形態と同様に、画像生成部9を、励起光Exが照射されている場合に生成されたICG蛍光Lxに基づくICG画像11と、ICG蛍光Lxとは異なる波長域である可視光Visに基づくVIS画像12とに基づいて、ICG画像11を補正する。これにより、第1実施形態と同様に、ICG画像11に含まれる励起光Exを殆ど除去することができるので、ICG画像11にICG蛍光Lx以外の光が映り込むことに起因してICG画像11におけるS/N比が低下してしまうのを抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、励起光Exの照射の有無と可視光Vis(W)の照射の有無の組み合わせに応じてICG画像11およびVIS画像12を生成した第1実施形態と異なり、励起光Exの照射の有無に応じてICG画像11およびVIS画像12を生成する。これにより、第1実施形態と異なり、可視光Vis(W)の照射の有無を考慮することなく、励起光Exを殆ど除去するようにICG画像11を補正することができるので、ICG画像11を補正する処理を簡略化することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および上記第2実施形態では、特許請求の範囲の「医療用イメージング装置」を、手術時の画像を被検体Pの外部から撮像し手術支援を行うための近赤外光カメラシステム100とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、特許請求の範囲の「医療用イメージング装置」を、手術時以外の画像を撮像する装置に適用してもよいし、たとえば、内視鏡システム等のように、被検体Pの内部から撮像する装置に適用してもよい。
また、上記第1および上記第2実施形態では、光源としての発光ダイオード(LED)を含む励起光光源41および可視光光源42を備えた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、励起光光源41および可視光光源42は、それぞれ、励起光Exおよび可視光Visを照射することが可能であれば、光源として発光ダイオード以外の発光素子を含むようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、ICG画像11を補正するための撮影部1による撮影時のみ、可視光Vis(W)を照射するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、可視光光源42を設けずに、医療用イメージング装置の使用者が被検体Pの患部を認識できる程度の鮮明度で撮影することが可能であれば、可視光Vis(W)以外の方法で撮影するようにしてもよい。
また、上記第1および上記第2実施形態では、ICGを励起させるための励起光Exとして、中心波長が760nmの近赤外光を発生させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、励起光Exの中心波長は、760nmに限定されず、ICGを励起できる波長であればどのような波長でもよい。
また、上記第1および上記第2実施形態では、励起光Exにより励起させることによりICG蛍光Lxを放出させるための蛍光物質としてICGを用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、励起光により励起させることにより蛍光を放出することが可能であれば、特許請求の範囲の「蛍光物質」として、ICG以外の蛍光物質を用いてもよい。
また、上記第1および上記第2実施形態では、励起光光源41(1つの励起光源)により照射された励起光Exにより励起させることによりICG蛍光Lxを放出させるための蛍光物質としてICG(1つの蛍光物質)を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、特許請求の範囲の「蛍光物質」として、互いに対応する蛍光の波長域が異なる複数の蛍光物質を用いてもよい。この場合、たとえば、特許請求の範囲の「第1波長域検出部」を、一台の検出部で各々の蛍光物質に対応する波長域を検出するように構成してもよいし、特許請求の範囲の「第1波長域検出部」とは別個に「第3波長域検出部」を備えるように、医療用イメージング装置を構成してもよい。また、特許請求の範囲の「励起光源」を、互いに対応する蛍光の波長域が異なる複数の蛍光物質を励起させるための励起光毎に別個に設けてもよい。
なお、上記のように、「第1波長域検出部」を、一台で各々の蛍光物質に対応する波長域を検出するように構成した場合、1つの「第1波長域検出部」において、複数の「蛍光物質」に対応した蛍光を検出することができるので、「第1波長域検出部」とは異なる波長域の「蛍光物質」に対応した光を検出する検出部を別個に設ける場合と比較して、医療用イメージング装置を小型化することができる。また、上記のように、「第1波長域検出部」とは別個に「第3波長域検出部」を備えるように医療用イメージング装置を構成した場合、「第1波長域検出部」と「第3波長域検出部」とを別個に設けるので、1つの「第1波長域検出部」において、複数の「蛍光物質」に対応した蛍光を検出するように構成する場合と比較して、蛍光の検出精度を向上させることができる。
ここで、上記のように、「第1波長域検出部」を、一台で各々の蛍光物質に対応する波長域を検出するように構成した場合、または、「第1波長域検出部」とは別個に「第3波長域検出部」を備えるように医療用イメージング装置を構成した場合、互いに対応する蛍光の波長域が異なる各々の蛍光物質毎に、励起光の照射の有無に応じた画像(第1波長域画像または第3波長域画像)を生成することができる。したがって、たとえば、互いに対応する蛍光の波長域が異なる複数の蛍光物質を、蛍光物質Aおよび蛍光物質Bとした場合、励起光の照射の有無に応じて生成される差分画像を、蛍光物質Aに対応した蛍光を検出する検出器によって検出された光に基づく第1差分画像と、蛍光物質Bに対応した蛍光を検出する検出器によって検出された光に基づく第3差分画像と、可視光を検出する検出器によって検出された光に基づく第2差分画像との互いに波長域の異なる3種類の画像を取得することができる。これにより、上記第1および上記第2実施形態と同様に、第1差分画像と第2差分画像とに基づいて、蛍光物質Aに対応した画像を補正してもよいし、第3差分画像と第2差分画像とに基づいて、蛍光物質Bに対応した画像を補正してもよい。また、第1差分画像と第3差分画像とに基づいて、蛍光物質Aに対応した画像、または、蛍光物質Bに対応した画像を補正してもよい。
上記のように、第1差分画像と第3差分画像とに基づいて、蛍光物質Aに対応した画像、または、蛍光物質Bに対応した画像を補正する場合、たとえば、蛍光物質Aから生じる蛍光と蛍光物質Bから生じる蛍光とを切り換えて計測することが考えられる。以下に、蛍光物質Aおよび蛍光物質Bを、それぞれ、ICG(励起光Ex1、蛍光Lx1)およびIR700(励起光Ex2、蛍光Lx2)とした場合に、蛍光物質A(ICG)から生じる蛍光Lx1と蛍光物質B(IR700)から生じる蛍光Lx2とを切り換えて計測して、蛍光物質A(ICG)に対応した画像を補正する例について説明する。
なお、以下の説明では、励起光Ex1の照射が有り、励起光Ex2の照射が無く、かつ、可視光Visの照射が有る場合を条件G、励起光Ex1の照射が無く、励起光Ex2の照射が無く、かつ、可視光Visの照射が有る場合を条件Iとする。また、条件Gおよび条件IにおけるICG画像11を、それぞれ、関数ICG(1、0、1)および関数(0、0、1)とする。また、条件Gおよび条件Iにおける画像(IR画像)を、それぞれ、関数IR(1、0、1)および関数IR(0、0、1)とする。また、ICGおよびIR700を検出するための撮像素子を、それぞれ、撮像素子ICGおよび撮像素子IRとする。
関数ICG(1、0、1)には、外乱光、可視光Vis(W)、励起光Ex1および蛍光Lx1が含まれる。また、関数(1、0、1)には、外乱光および可視光Vis(W)が含まれる。したがって、関数ICG(1、0、1)と関数(1、0、1)との差分により、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光Ex1および蛍光Lx1が含まれる関数ICG(E1x、Lx1)を取得することが可能である。
また、関数IR(1、0、1)には、外乱光、可視光Vis(W)および蛍光Lx1が含まれる。また、関数IR(0、0、1)には、外乱光および可視光Vis(W)が含まれる。したがって、関数IR(1、0、1)と関数IR(0、0、1)との差分により、外乱光および可視光Vis(W)が殆ど除去され、励起光Ex1が含まれる関数IR(E1x)を取得することが可能である。なお、撮像素子IRは、蛍光Lx2を検出するように構成されているが、ICGの励起光Ex1の波長帯域と重複する部分があるため、励起光Ex1が検出される。
そして、予め算出された関数ICG(Ex1、Lx1)における励起光Ex1の強度と、関数IR(Ex1)における励起光Ex1の強度との相関関係を表す関数IRtoICGを用いて、励起光Ex1および蛍光Lx1が含まれる関数ICG(Ex1、Lx1)と励起光Ex1が含まれるが蛍光Lx1が殆ど含まれない関数IR(Ex1)との差分により、励起光Ex1を殆ど除去する。これにより、蛍光Lx1以外の光を殆ど除去するようにICG画像11を補正することができる。
9 画像生成部(第1波長域画像生成部、第2波長域画像生成部、画像補正部)
11 ICG画像(第1波長域画像)
12 VIS画像(第2波長域画像)
41 励起光光源(励起光源)
51 蛍光検出器(第1波長域検出部)
52 可視光検出器(第2波長域検出部)
100 近赤外光カメラシステム(医療用イメージング装置)
P 被検体

Claims (6)

  1. 被検体に投与された蛍光物質を励起させるための励起光を照射する励起光源と、
    前記被検体に投与された少なくとも1つの前記蛍光物質が前記励起光源により照射された前記励起光により励起されることにより生じる蛍光の波長域を含む第1波長域の光を検出する第1波長域検出部と、
    前記第1波長域とは異なる波長域である第2波長域の光を検出する第2波長域検出部と、
    前記第1波長域検出部により検出された前記第1波長域の光に基づいて蛍光画像である第1波長域画像を生成する第1波長域画像生成部と、
    前記第2波長域検出部により検出された前記第2波長域の光に基づいて第2波長域画像を生成する第2波長域画像生成部と、
    前記励起光が照射されている場合に生成された前記第1波長域画像と前記第2波長域画像とに基づいて、前記第1波長域画像を補正する画像補正部と、を備える、医療用イメージング装置。
  2. 前記画像補正部は、前記励起光が照射されている場合に生成された前記第1波長域画像と、前記励起光が照射されていない場合に生成された前記第1波長域画像と、前記励起光が照射されている場合に生成された前記第2波長域画像と、前記励起光が照射されていない場合に生成された前記第2波長域画像とに基づいて、前記第1波長域画像を補正するように構成されている、請求項1に記載の医療用イメージング装置。
  3. 前記画像補正部は、前記第1波長域画像における前記励起光の強度と前記第2波長域画像における前記励起光の強度との相関関係に基づいて、前記第1波長域画像を補正するように構成されている、請求項1または2に記載の医療用イメージング装置。
  4. 前記第2波長域は、可視光の波長域を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用イメージング装置。
  5. 前記第1波長域検出部は、互いに波長域の異なる前記蛍光を発する複数の前記蛍光物質に対応した前記蛍光を検出可能に構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用イメージング装置。
  6. 前記第1波長域検出部とは異なる波長域の前記蛍光を発する前記蛍光物質に対応した蛍光を検出する第3波長域検出部をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用イメージング装置。
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