JPWO2009022732A1 - ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜および半導体装置 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜および半導体装置 Download PDF

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Abstract

下記式(1)で表わされる構造単位および下記式(2)で表わされる構造単位からなるポリアミド樹脂(A)と、感光性化合物(B)とを、含むポジ型感光性樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂(A)の重量平均分子量Mwは、5,000〜80,000であり、該ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜の引っ張り弾性率が2.0〜4.0GPaであり、かつ引張り伸び率が10〜100%であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。

本発明によれば、低温硬化が可能なポジ型感光性樹脂組成物、さらには、前記ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を有する信頼性に優れた半導体装置を提供することができる。

Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、それを硬化させて得られる硬化膜、それを用いて形成される保護膜および絶縁膜、並びにそれらを有する半導体装置に関する。
従来、ポジ型感光性樹脂組成物としては、高感度、高解像度で、さらに、膜減りの少ない、アルカリ可溶性樹脂としてフェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂やビニルフェノールノボラック樹脂、光酸発生剤、架橋剤を含む樹脂組成物等が使用されてきた(特許文献1,2)。
近年、ポジ型感光性樹脂組成物が使用される半導体素子の配線が微細化し、それに伴いポジ型感光性樹脂組成物を硬化させる温度が高温であると、半導体素子配線に熱損傷を与えてしまうという問題が発生してきている。また最近では、ウエハーレベルパッケージ(WLP)の絶縁膜、保護膜としてポジ型感光性樹脂組成物が盛んに検討されてきており、WLP用途においても、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化温度が高温であると、トランジスターの劣化という問題が発生してきている。
さらに、ポジ型感光性樹脂組成物が、半導体素子の絶縁膜や保護膜として使用される場合、硬化後のガラス転移温度(Tg)や弾性率が低いと、半導体素子を封止する封止樹脂中の充填材(シリカ)により、絶縁膜や保護膜にクラック(亀裂)が発生するという問題も発生してきている。
特許文献1および2に記載されているノボラック樹脂系やノルボルネン系のポジ型感光性樹脂組成物は、低温での硬化は可能であるが、硬化後のTgや弾性率等の膜物性が悪く、半導体素子の絶縁膜や保護膜として適用できなくなってきている。
特開平7−199464号公報 特開平11−258808号公報
本発明の目的は、かかる事情に鑑みて、低温硬化が可能なポジ型感光性樹脂組成物、さらには、前記ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を有する信頼性に優れた半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)に記載の本発明により達成される。
(1)下記式(1)で表わされる構造単位および下記式(2)で表わされる構造単位からなるポリアミド樹脂(A)と、
感光性化合物(B)とを、
含むポジ型感光性樹脂組成物であって、
該ポリアミド樹脂(A)の重量平均分子量Mwは、5,000〜80,000であり、
該ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜の引っ張り弾性率が2.0〜4.0GPaであり、かつ引張り伸び率が10〜100%であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
式(1):
式(2):
(式(1)および式(2)中、XおよびYは有機基である。Rは水酸基、−O−Rまたは炭素数1〜15の有機基であり、mが2以上の場合、Rは同一でも異なっていても良い。Rは水酸基、カルボキシル基、−O−Rまたは−COO−Rであり、nが2以上の場合、Rは同一でも異なっていても良い。Rは炭素数1〜15の有機基である。Rとして水酸基がない場合、Rのうちの少なくとも1つはカルボキシル基でなければならない。Rとしてカルボキシル基がない場合、Rのうち少なくとも1つは水酸基でなければならない。mは0〜4の整数、nは0〜4の整数である。Zは−R−Si(R)(R)−O−Si(R)(R)−R−で表され、R〜Rは有機基である。aは1以上の整数であり、bは0又は1以上の整数であり、{a/(a+b)}×100=30〜100である。)
(2)前記ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜の環化率を[A]%、前記ポジ型感光性樹脂組成物を300℃で硬化させた時の硬化膜の環化率を[B]%としたとき、環化率比[A]/[B]が0.30以上であり、かつ前記ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜のガラス転移温度(Tg)が230℃〜400℃であることを特徴とする(1)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(3)前記感光性化合物(b)が、ジアゾキノン化合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(4)前記ポジ型感光性樹脂組成物が、半導体装置の絶縁膜または保護膜の形成用のポジ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする(1)及至(3)記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(5)前記ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜を、50℃のフラックス洗浄液に10分間浸漬処理したときの下記(1)式で表される膜厚変化率が、±1%以内であることを特徴とする(1)乃至(4)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
膜厚変化率(%)={(処理後膜厚/処理前膜厚)×100}−100 (1)
(6)(1)乃至(5)のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする硬化膜。
(7)(6)に記載の硬化膜であることを特徴とする保護膜。
(8)(6)に記載の硬化膜であることを特徴とする絶縁膜。
(9)(6)に記載の硬化膜を有することを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、低温硬化が可能なポジ型感光性樹脂組成物、さらには、前記ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を有する信頼性に優れた半導体装置を提供することができる。
第1図は、本発明の実施例を示す半導体装置のパッド部の断面図であり、第2図は、WLP半導体装置の製造工程を示す模式図(1)であり、第3図は、WLP半導体装置の製造工程を示す模式図(2)であり、第4図は、WLP半導体装置の製造工程を示す模式図(3)である。
以下、本発明のポジ型感光性樹脂組成物及び半導体装置について説明する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、下記式(1)で表わされる構造単位及び下記式(2)で表わされる構造単位からなるポリアミド樹脂(A)と、
感光性化合物(B)とを、
含むポジ型感光性樹脂組成物であって、
該ポリアミド樹脂(A)の重量平均分子量Mwは、5,000〜80,000であり、
該ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜の引っ張り弾性率が2.0〜4.0GPaであり、かつ引張り伸び率が10〜100%であるポジ型感光性樹脂組成物である。
式(1):
式(2):
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、250℃で硬化させた時の硬化膜の弾性率が2.0〜4.0GPaであることにより、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜を、半導体素子の絶縁膜や保護膜として用いた場合、半導体素子を封止する封止樹脂中の充填材(シリカ)により、絶縁膜や保護膜にクラック(亀裂)が発生するという問題を防止し、さらに、温度サイクル試験でクラックや剥離を防止するという利点を有する。さらに、250℃で硬化させた時の硬化膜の引っ張り伸び率が10〜100%であることにより、絶縁膜や保護膜にクラックが発生するといった問題を抑制でき、さらに半導体装置の高温プロセスでの密着性を確保することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物に係るポリアミド樹脂(A)は、前記式(1)で表わされる構造単位及び前記式(2)で表わされる構造単位からなり、前記式(1)で表わされる構造単位と前記式(2)で表わされる構造単位とが、ランダムにアミド結合により結合することで樹脂を形成しているポリアミド樹脂である。そして、ポリアミド樹脂(A)は、樹脂中に、オキサゾール構造、オキサゾール前駆体構造、イミド構造、イミド前駆体構造又はアミド酸エステル構造を有している。なお、ポリアミド樹脂(A)には、前記式(1)で表わされる構造単位及び前記式(2)で表わされる構造単位からなるポリアミド樹脂中のオキサゾール前駆体構造又はイミド前駆体構造の一部が閉環して、オキサゾール構造又はイミド構造になっているものも含む。
ポリアミド樹脂(A)は、例えば、Xを有するジアミン、ビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれるジアミン化合物と、Yを有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸、ジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる酸化合物とを反応させて得られる。あるいは、Xを有するジアミン、ビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれるジアミン化合物と、Zを有するシリコンジアミン化合物と、Yを有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸、ジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる酸化合物とを反応させて得られる。なお、酸化合物がジカルボン酸の場合には、反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
前記式(1)中、Xは有機基であり、好ましくは芳香族基である。そして、Xとしては、例えば、下記式(3)で表わされる有機基が挙げられ、これらは1種類でも2種類以上の組み合わせでも良い。
式(3):
前記式(3)中、Aは、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−C(CF−、又は単結合である。Rはアルキル基、アルキルエステル基またはハロゲン原子であり、rが2以上の場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。rは0〜2の整数である。Rは水素原子、アルキル基、アルキルエステル基またはハロゲン原子である。*は、NH基に結合することを意味する。なお、前記式(3)中のRおよびRは、前記式(1)中のRとは独立に選択される。
そして、前記式(3)で表わされる有機基のうち、下記式(4)で表わされる有機基が、ポジ型感光性樹脂組成物のパターニング性、硬化膜の膜物性が優れる点で好ましく、これらは1種類でも2種類以上の組み合わせでも良い。
式(4):
前記式(4)中、Rはアルキル基、アルキルエステル基またはハロゲン原子であり、rが2以上の場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。rは0〜2の整数である。*は、NH基に結合することを意味する。なお、前記式(3)中のRは、前記式(1)中のRとは独立に選択される。
前記式(1)及び前記式(2)中、Yは有機基であり、好ましくは芳香族基である。Yとしては、例えば、下記式(5)で表わされる有機基および下記式(6)で表わされる有機基が挙げられ、これらは1種類でも2種類以上の組み合わせでも良い。
式(5):
前記式(5)中、Aは、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−C(CF−、又は単結合である。Rはアルキル基、アルキルエステル基またはハロゲン原子であり、rが2以上の場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。rは0〜2の整数である。なお、前記式(5)中のRは、前記式(1)および前記式(2)中のRとは独立に選択される。*は、CO基に結合することを意味する。
式(6):
前記式(6)中、*は、CO基に結合することを意味する。
そして、前記式(5)で表わされる有機基および前記式(6)で表わされる有機基のうち、下記式(7)で表わされる有機基および下記式(8)で表わされる有機基が、ポジ型感光性樹脂組成物のパターニング性、硬化膜の膜物性が優れる点で好ましく、これらは1種類でも2種類以上の組み合わせでも良い。
式(7):
前記式(7)中、Rはアルキル基、アルキルエステル基またはハロゲン原子であり、rが2以上の場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。rは0〜2の整数である。*は、CO基に結合することを意味する。なお、前記式(7)中のRは、前記式(1)および前記式(2)中のRとは独立に選択される。
式(8):
前記式(8)中、*は、CO基に結合することを意味する。
前記式(2)中、Zは−R−Si(R)(R)−O−Si(R)(R)−R−、すなわち、下記式(9)で表わされる有機基である。
式(9):
前記式(9)中、R〜Rは有機基であり、好ましくは炭素数1〜15のアルキル基、アリール基である。*は、NH基に結合することを意味する。
前記式(1)中、Xの置換基であるRは、水酸基、−O−Rまたは炭素数1〜15の有機基であり、mが2以上の場合、Rは同一でも異なっていても良い。また、前記式(1)および前記式(2)中、Yの置換基であるRは、水酸基、カルボキシル基、−O−Rまたは−COO−Rであり、nが2以上の場合、Rは同一でも異なっていても良い。RおよびRに係るRは炭素数1〜15の有機基である。ここで、Rとして水酸基がない場合、Rのうちの少なくとも1つはカルボキシル基でなければならない。Rとしてカルボキシル基がない場合、Rのうち少なくとも1つは水酸基でなければならない。mは0〜4の整数、nは0〜4の整数である。
前記式(1)中、Xの置換基であるRが炭素数1〜15の有機基の場合、Rに係る有機基としては、特に限定されるものではなく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシル基等が挙げられ、膜物性が良好であるメチル基が好ましい。
ポリアミド樹脂(A)において、Xの置換基であるRが−O−Rの場合、Yの置換基であるRが−O−Rまたは−COO−Rの場合、これらの基は、水酸基またはカルボキシル基のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的で、水酸基またはカルボキシル基が炭素数1〜15の有機基であるRで保護された基である。このような水酸基またはカルボキシル基の保護は、必要に応じて行うことができる。RおよびRに係るRの例としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
前記式(1)および前記式(2)中、aは1以上の整数であり、bは0又は1以上の整数である。なお、前記式(1)および前記式(2)中、aおよびbは樹脂中の各構造単位の数を示しているのであって、各構造単位が連続していること示すものではない。そして、ポリアミド樹脂(A)中、前記式(1)で表わされる構造単位のモルパーセント、すなわち、{a/(a+b)}×100(%)は30〜100(%)であり、前記式(2)で表わされる構造単位のモルパーセント、すなわち、{b/(a+b)}×100(%)は0〜70(%)である。
ポリアミド樹脂(A)の重量平均分子量Mwは、5,000〜80,000好ましくは8,000〜60,000、特に好ましくは10,000〜40,000である。ポリアミド樹脂(A)の重量平均分子量Mwが、上記範囲にあることにより、パターニング性と膜物性を両立することが可能となる。
ポリアミド樹脂(A)は、加熱により脱水閉環し、ポリイミド樹脂、又はポリベンゾオキサゾール樹脂、或いは両者の共重合という形の耐熱性樹脂になる。
また、本発明においては、ポジ型感光性樹脂組成物の保存性の向上という観点から、ポリアミド樹脂(A)は、その末端が封止されていても良い。末端の封止であるが、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む誘導体を、ポリアミド樹脂(A)の末端に、酸誘導体やアミン誘導体として導入することができる。
具体的には、例えば、Xを有するジアミン、ビス(アミノフェノール)および2,4−ジアミノフェノール等から選ばれるジアミン化合物と、Yを有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸、ジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸およびヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる酸化合物とを反応させて、ポリアミド樹脂(A)を合成した後、このポリアミド樹脂(A)の末端のアミノ基を、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物または酸誘導体を用いてアミドとしてキャップすることができる。またこれら末端は反応時の熱で一部環化していてもかまわない。
このポリアミド樹脂(A)の末端封止官能基としては、例えば、下記式(10−1)および下記式(10−2)で表される官能基が挙げられ、これらは1種類でも2種類以上の組み合わせでも良い。
式(10−1):
式(10−2):
前記式(10−1)および前記(10−2)で表わされる官能基の中で、好ましいものとしては、下記式(11)で表される官能基であり、これらは1種類でも2種類以上の組み合わせでも良い。
式(11):
またポリアミド樹脂(A)の末端を封止する方法は、上記方法に限定される事はなく、例えば、ポリアミド樹脂(A)の末端の酸を、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いてアミドとしてキャップすることもできる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物に係る感光性化合物(B)は、1,2−ベンゾキノンジアジドまたは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書第2772975号、第2797213号、第3669658号により公知の物質である。
例えば、下記式(12)〜(16)で表される化合物が挙げられる。
式(12):
式(13):
式(14):
式(15):
式(16):
前記式(12)〜(16)中、Qは、水素原子、下記式(17)および下記式(18)のいずれかから選ばれるものであり、これらは1種類でも2種類以上の組み合わせでも良い。ただし、前記式(12)〜(16)で表わされる各化合物のQのうち、少なくとも1つは下記式(17)または下記式(18)である。
式(17):
式(18):
本発明のポジ型感光性樹脂組成物中、感光性化合物(B)の好ましい添加量は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して1〜50重量部であり、特に好ましくは10〜40重量部である。添加量を上記範囲とすることで、パターン形成性と感度を両立することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、高感度でさらにスカム無くパターニングできるように、フェノール性水酸基を有する化合物(C)を含むことができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物に係るフェノール性水酸基を有する化合物(C)としては、下記式(20)で表される化合物が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の組み合わせでも良い。
式(20):
本発明のポジ型感光性樹脂組成物中、フェノール性水酸基を有する化合物(C)の含有量は、特に限定されないが、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、1〜30重量部が好ましく、特に好ましくは1〜20重量部である。添加量を上記範囲とすることで、露光時に露光部の溶解性がさらに促進されることにより感度が向上し、現像時においてスカムの発生がさらに抑制される。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、シリコンウエハーや各種基材との密着性を向上させる目的で、シランカップリング剤やケイ素系の化合物を含むことができる。そのようなシランカップリング剤としては、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、スルフィドシラン等が挙げられる。この中でアミノシランが好ましい。アミノシランとしては、例えば、ビス(2―ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N―フェニルーγ―アミノープロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、エポキシシランとしては、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β―(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられ、アクリルシランとしては、γ―(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ―(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ―(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン等が挙げられ、メルカプトシランとしては、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、ビニルシランとしては、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ウレイドシランとしては、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、スルフィドシランとしては、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。また、ケイ素系の化合物としては、下記式(21)および(22)で表されるケイ素化合物などが挙げられる。
式(21):
式(22):
これらの中でビス(2―ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、前記式(21)および(22)で表されるケイ素化合物が好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、必要により、硬化を促進させる触媒や、レベリング剤等の添加剤を含んでも良い。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、溶剤に溶解され、ワニス状で使用される。該溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、これらは1種類でも2種類以上の組合せた混合溶剤でも良い。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の使用方法について説明する。まず、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。塗布量は、半導体装置の場合、硬化後の最終膜厚が0.1〜30μmになるよう塗布する。膜厚が下限値を下回ると、半導体素子の保護表面膜としての機能を十分に発揮することが困難となり、上限値を越えると、微細な加工パターンを得ることが困難となるばかりでなく、加工に時間がかかりスループットが低下する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。次いで、支持体に塗布されたポジ型感光性樹脂組成物の塗膜を、60〜130℃でプリベークして乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等を使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
次いで、照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、およびこれにメタノール、エタノールなどのアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液が挙げられる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
次いで、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、蒸留水を使用する。次いで、加熱処理を行い、オキサゾール環またはイミド環を形成し、耐熱性に富む最終パターンを得る。
このポジ型感光性樹脂組成物の現像メカニズムは、未露光部ではジアゾキノン化合物のポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂などの樹脂へ溶解抑止効果によってアルカリ水溶液に難溶となる。一方、露光部ではジアゾキノン化合物が化学変化を起こし、アルカリ水溶液に可溶となる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより未露光部のみの塗膜パターンの作成が可能となるものである。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜の引っ張り弾性率は、2.0〜4.0GPaであり、好ましくは、2.1〜3.7GPaである。上記範囲とすることで、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜が保護膜や絶縁膜として形成されている半導体素子を、封止材料で封止する際に、封止樹脂に含まれる充填材(シリカ)により、絶縁膜や保護膜にクラック(亀裂)が発生するという問題を防止し、さらに、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜が保護膜や絶縁膜として形成されている半導体素子を有する半導体装置を、温度サイクル試験した場合、絶縁膜や保護膜のクラックや剥離を防止するという効果が得られる。
ここで、硬化膜の引っ張り弾性率は、以下の方法により測定される。ポジ型感光性樹脂組成物を硬化後約10μmになるように8インチのシリコンウエハーに塗布し、光洋サーモシステム(株)製クリーンオーブン(CLH−21CDL)で窒素雰囲気下、250℃で90分間加熱し硬化を行う。次いで、得られる硬化膜を2%のフッ化水素水に漬浸し、硬化膜をシリコンウエハーから剥離する。次いで、得られた硬化膜を純水で充分に洗浄した後、60℃で5時間かけてオーブンで乾燥する。次いで、硬化膜を幅10mm×長さ120mmの短冊状に切断して、引っ張り試験用のサンプルを得、引っ張り試験機にて、5mm/分の引っ張り速度で試験を行い、引っ張り弾性率を算出する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜の引っ張り伸び率は、10〜100%であり、好ましくは、15〜100%である。上記範囲とすることで、絶縁膜や保護膜にクラックが発生するといった問題を抑制でき、さらに半導体装置の高温プロセスでの密着性を確保することができる。
ここで、硬化膜の引っ張り伸び率は、以下の方法により測定される。ポジ型感光性樹脂組成物を硬化後約10μmになるように8インチのシリコンウエハーに塗布し、光洋サーモシステム(株)製クリーンオーブン(CLH−21CDL)で窒素雰囲気下、250℃で90分間加熱し硬化を行う。得られる硬化膜を2%のフッ化水素水に漬浸し、硬化膜をシリコンウエハーから剥離する。次いで、得られる硬化膜を純水で充分に洗浄した後、60℃で5時間かけてオーブンで乾燥する。次いで、硬化膜を幅10mmの短冊状に切断して、引張試験用のサンプルを得る。次いで、硬化膜を幅10mm×長さ120mmの短冊状に切断して、引っ張り試験用のサンプルを得、引っ張り試験機にて、5mm/分の引っ張り速度で試験を行い、引っ張り伸び率を算出する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を硬化した時の硬化膜の引っ張り弾性率や引っ張り伸び率を、上記範囲にする方法としては、ポリアミド樹脂(A)の分子量を調整する方法、ポリアミド樹脂(A)の原料であるアミン化合物やカルボン酸の構造を適宜選択する方法等が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜の環化率を[A]%、300℃で硬化させた時の環化率を[B]%とした時、[A]/[B]が0.3以上であることが好ましく、0.3〜1.0が特に好ましい。環化率比[A]/[B]を上記範囲とすることで、250℃という低温で硬化した場合でも、ポリアミド樹脂(A)の環化反応が進行するので、アルカリ現像液に対して溶解機能を有するフェノール性水酸基やカルボキシル基が残存し、硬化膜の吸水率が高くなることを抑制することができ、耐湿性、耐薬品性及び誘電率に優れる半導体装置を得ることができる。さらに、250〜300℃という低温の幅広い温度領域で硬化しても、硬化膜の性能のばらつきが小さいため、半導体装置の歩留まりを向上することが可能となる。
ここで、ポジ型感光性樹脂組成物の環化率は、以下の方法により測定される。ポジ型感光性樹脂組成物を硬化後約10μmになるように8インチのシリコンウエハーに塗布し、光洋サーモシステム(株)製クリーンオーブン(CLH−21CDL)で窒素雰囲気下、250℃で90分間加熱し硬化を行う。次いで、2%のフッ化水素水に浸漬して硬化膜をシリコンウエハーから剥離させ250℃で硬化させた硬化膜Xを得る。これとは別に150℃で30分間加熱後300℃で60分間で加熱して硬化を行い、同様の処理を行って300℃で硬化させた硬化膜Yを得る。得られる硬化膜Xおよび硬化膜Yを、赤外分光光度計(FT−IR、Parkin Elmer Paragon 1000)を用いて測定し、以下の式により環化率比[A]/[B]を算出した。
250℃における環化率[A]%:(b/a)×100
300℃における環化率[B]%:(d/c)×100
a:硬化膜Xの1490cm−1の全芳香族環に起因するピーク長
b:硬化膜Xの1051cm−1の環化に起因するピーク長
c:硬化膜Yの1490cm−1の全芳香族環に起因するピーク長
d:硬化膜Yの1051cm−1の環化に起因するピーク長
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を硬化した時の環化率比[A]/[B]を、上記範囲にする方法としては、例えば、環化を促進する触媒を使用することや、その種類を適宜選択すること、ポリアミド樹脂(A)の原料であるアミン化合物やカルボン酸の構造を適宜選択すること等が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜のガラス転移温度(Tg)が、230〜400℃であることが好ましく、特に好ましくは、250〜400℃である。ガラス転移温度(Tg)を上記範囲とすることで、優れたリフロー耐性と基材に対する高い密着性を両立することができる。
ここで、硬化膜のガラス転移温度(Tg)は、以下の熱膨張法により測定される。ポジ型感光性樹脂組成物を硬化後約10μmになるように8インチのシリコンウエハーに塗布し、光洋サーモシステム(株)製クリーンオーブン(CLH−21CDL)で窒素雰囲気下、250℃で90分間加熱し硬化を行う。次いで、2%のフッ化水素水に浸漬して硬化膜をシリコンウエハーから剥離させ250℃で硬化させた硬化膜を得る。次いで、熱機械分析放置(セイコーインスツルメンツ(株)製TMA/SS6100)を用いて、引っ張り荷重0.048N、昇温速度10℃/分、空気中で測定した。
さらに、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜を、50℃のフラックス洗浄液(荒川化学製パインアルファーST−100SX)に10分間浸漬処理したときの下記(1)式で表される膜厚変化率が、±1%以内であることが好ましい。
膜厚変化率(%)={(処理後膜厚/処理前膜厚)×100}−100 (1)
膜厚変化率を上記範囲とすることで、ウエハレベルパッケージを作製する工程で、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜からなる保護膜上に半田バンプ搭載する際に使用される、フラックス洗浄用のアルコール系溶剤、炭化水素系溶剤または水系のフラックス洗浄液に対する耐薬品性に優れた硬化膜を得ることが可能となる。
ここで、硬化膜の膜厚変化率は、下記の方法により測定される。ポジ型感光性樹脂組成物を硬化後約10μmになるように8インチのシリコンウエハーに塗布し、光洋サーモシステム(株)製クリーンオーブン(CLH−21CDL)で窒素雰囲気下、250℃で90分加熱し硬化を行う。次いで、水系溶剤としてST−100SX(荒川化学(株)製)に50℃で10分浸漬して、処理前後の膜厚を測定して、前記(1)式から変化率を求める。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、半導体用途のみならず、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜、表示装置における素子の層間絶縁膜等としても有用である。
半導体装置用途の例としては、半導体素子上に本発明のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を形成することによるパッシベーション膜、また半導体素子上に形成されたパッシベーション膜上に本発明のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を形成することによるバッファコート膜、半導体素子上に形成された回路上に上述のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を形成することによる層間絶縁膜、ウエハレベルパッケージ(以下、WLPとも記載する。)用の保護膜や絶縁膜などを挙げることができる。
表示装置用途としての例は、TFT用層間絶縁膜、TFT素子平坦化膜、カラーフィルター平坦化膜、MVA型液晶表示装置用突起、有機EL素子用陰極隔壁がある。その使用方法は、半導体用途に順じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化されたポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を、上記の方法で形成することによる。表示体装置用途、特に層間絶縁膜や平坦化膜には、高い透明性が要求されるが、このポジ型感光性樹脂組成物の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層を得ることもでき、実用上さらに好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、上記用途の中でも、WLP用の保護膜や絶縁膜として好適に使用される。
以下、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を適用したWLP半導体装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。本一実施形態は例示であり、特に限定されるものではない。
図1はWLPの断面図であるが、シリコンウエハ1上には信号入出力用のアルミパッド2上にパッシベーション膜3が形成され、そのパッシベーション膜3にビアホールが形成されている。さらにパッシベーション膜3上に本発明のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜からなる保護膜4が形成され、さらに金属(Cr、Ti)膜がアルミパッド2を接続されるように形成され、その金属膜5は半田バンプ12の周辺をエッチングして取り除かれ、各パッド間を絶縁する。絶縁されたパッドには、バリアメタル8と半田バンプ12が形成されている。
次に、図2〜4を用いて、WLP半導体装置の製造方法について説明する。
図2−aは、信号入力用のアルミパッド2上にパッシベーション膜3が形成されたシリコンウエハ1にバッファーコート膜(保護膜)4を形成する工程である。まず、信号入力用のアルミパッド2上にパッシベーション膜が形成されたシリコンウエハ1上に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物をスピンコートにより所定の厚さに塗布する。次いで、プリベークすることにより、ポジ型感光性樹脂組成物中の溶剤を揮散させ、次いで、アルミパッド2上にのみ選択的に化学線が照射できるように開孔したマスクを載置し、i線により露光、さらに、アルカリ現像液(TMAH2.38%)により現像し、i線により露光した部分のみ感光性樹脂組成物を除去する。次いで、250〜350℃程度の温度で所定時間硬化を実施し、バッファーコート膜を作製する。
図2−bは、バッファーコート膜上にCr、Ti等の金属膜5を形成する工程である。前記金属膜は、金属膜5上にさらにAl、Cu等の配線層6を形成しやすいようにする層である。前記金属膜は、スパッタリング(蒸着)によりシリコンウエハ1全面に形成し、さらに、アルミパッド2の部分のみRIEにより除去できるように開孔されたマスクを載置しRIEによりアルミパッド2部分の金属膜5を除去する。
図2−cは、金属膜5上にAl、Cu等の配線層6を形成する工程である。前記配線層は、スパッタリングにより薄膜を形成後、さらに、めっきにより所定の厚さに形成する。
図2−dは、配線層6上に絶縁膜7を形成する工程である。前記絶縁膜7の形成工程は、図2−aのバッファーコート膜4の形成工程と同様である。
図3−aは、配線層6上にバリヤメタル8およびレジスト9を形成する工程である。バリヤメタル8は前述の金属膜5と同様の機能を有しており、半田10を形成しやすいようにする層である。バリヤメタル8はスパッタリングにより、配線層6上にのみ選択的に形成する。レジスト9は配線層6上にバンプを形成するため、バンプを形成する部分を除く形で塗布し、パターニングを行う。
図3−bは、バリヤメタル8上に半田を形成する工程である、半田としては、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Bi、共晶等の半田が用いられ、めっきにより形成される。
図3−cは、レジスト9を除去する工程である。
図4−aは、半田10周辺部にフラックス11を形成する工程である。フラックス11は加熱することにより、半田10表面の酸化膜を除去する機能を有している。フラックス11としては、ロジン系等の市販されているものが使用される。
図4−bは、加熱することにより半田バンプ12形成する工程である。加熱する温度は、半田10の融点以上が好ましく、例えば、半田10として共晶(融点:183℃)を使用した場合は、190℃以上が好ましい。加熱により、半田10の表面の酸化膜が除去され、半田の表面張力により、図4−bに示されるような半田バンプ12が形成される。また、フラックスが残存すると、バッファーコート膜や絶縁膜の耐薬品性が低下する場合があるため、必要に応じて、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、水系溶剤でフラックスを洗浄する。
[実施例1]
≪ポリアミド樹脂の合成≫
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸8.26g(32mmol)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール8.65g(64mmol)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(32mmol)とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2、5−ジメチルフェニル)メタン11.5g(40mmol)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン57.0gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン7gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物2.63g(16mmol)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−1)を得た。ポリアミド樹脂(A−1)では、{a/(a+b)}×100=80であり、重量平均分子量Mwは11,800であった。なお、重量平均分子量Mwは、GPCにより測定されるスチレン換算の分子量である。
≪ポジ型感光性樹脂組成物の作製≫
合成したポリアミド樹脂(A−1)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2gをγ―ブチロラクトン20gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
(B−1):
なお、式(B−1)中、Q1、Q2およびQ3の75%は下記式(23)であり、25%は水素原子である。
式(23):
≪ポジ型感光性樹脂組成物の評価≫
得られたポジ型感光性樹脂組成物を用い、引っ張り弾性率、引っ張り伸び率、環化率比[A]/[B]、ガラス転移温度(Tg)、膜厚変化率、現像性の評価を実施した。引っ張り弾性率、引っ張り伸び率、環化率比[A]/[B]、ガラス転移温度(Tg)、膜厚変化率の評価方法は、前述の通りである。
次に得られたポジ型感光性樹脂組成物を用い半導体装置に適応した例を以下に示す。
実施例1で得られたポジ型感光性樹脂組成物を、くし型にアルミ配線が施された素子に塗布、120℃で4分間プリベークを行い、8.2μmの膜を得た。マスクアライナー(SUSS製MA8)で600mJ/cmで露光を行った後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)2.38%水溶液を用いて、膜減りが約1.5μmになるように現像し、配線の電極部分を開口させた。クリーンオーブンを用いて、窒素雰囲気下250℃で90分硬化させ、硬化後約5μmの樹脂層を、アルミ配線上に形成した素子を作成した。次にTi/Al/Tiからなる再配線層を約2μmの厚さでデポジットした。次にレジストを塗布、パターニングし、1層目と異なる部位に開口部を形成した。次に1%のフッ化水素水溶液に浸漬し、Tiをエッチングし、次にリン酸/硝酸/水=20/2/5からなる溶液で40℃に浸漬し、エッチングし、更に1%のフッ化水素水溶液に浸漬し、Tiをエッチングした。続いてレジストをアセトンで除去した。次に2層目のポジ型感光性樹脂組成物を1層目と同様の加工条件で、2層目の配線の電極部分が開口した厚さ約5μmの樹脂層を形成した。次にリフトオフ用のレジストを塗布し、パターニングを行った後、UBM膜としてTiW/NiV/Cu(0.4μm/0.3μm/0.5μm)をデポジットした。次に高圧水でレジストを剥がし、開口部にアンダー・バリア・メタル(UBM)が形成されたウエハーを作成した。得られたウエハーを酢酸に浸漬し、銅表面の酸化膜の除去を行った後、純水で充分に洗浄を行った。渋谷工業製の半田ボールマウンタ装置SBM361を用いてフラックスをUBM上のみに塗布した後、半田ボールを搭載し、窒素雰囲気下220℃30秒でリフローを行った。次にST−100SX(荒川化学(株)製)に50℃で10分浸漬して、フラックスの除去を行い、バンプを搭載した再配線した二層構造のWLPを作成した。
本プロセスにおいても、硬化膜にクラックやしわといった不具合や各層間において剥がれなどは見られなかった。
[実施例2]
≪ポリアミド樹脂の合成≫
下記式(24)で表わされるジアミン6.89g(8mmol)と、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン27.12g(74mmol)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、次にN−メチル−2−ピロリドン198gに投入した。次にジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸18.03g(70mmol)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール18.88.g(140mmol)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(70mmol)を投入し、オイルバスを用いて、75℃に昇温し12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン27gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物5.40g(33mmol)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−2)を得た。ポリアミド樹脂(A−2)では、{a/(a+b)}×100=97であり、重量平均分子量Mwは13,600であった。
式(24):
≪ポジ型感光性樹脂組成物の作製および評価≫
ポリアミド樹脂(A−1)に代えて、上記で合成したポリアミド樹脂(A−2)とする以外は、実施例1と同様に行った。
[実施例3]
≪ポリアミド樹脂の合成≫
3、3’−ジアミノ−ビフェニル4、4’−ジオール14.7g(68mmol)とN−メチル−2−ピロリドン202.7gを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、55℃まで昇温した。次にジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸7.47g(29mmol)と、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール7.81g(58mmol)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物29mmolとテレフタル酸4.81g(29mmol)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール7.82g(58mmol)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物29mmolを投入し、55℃で12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン22.35gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物4.47g(27mmol)を加え、更に55℃で12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−3)を得た。ポリアミド樹脂(A−3)では、{a/(a+b)}×100=32であり、重量平均分子量Mwは25,200であった。
≪ポジ型感光性樹脂組成物の作製および評価≫
ポリアミド樹脂(A−1)に代えて、上記で合成したポリアミド樹脂(A−3)とすること、及びγ−ブチロラクトン20gに溶解することに代えて、N−メチル−2−ピロリドン20gに溶解すること以外は、実施例1と同様に行った。
[実施例4]
≪ポリアミド樹脂の合成≫
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸14.08g(54.52mmol)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール14.74g(109.04mmol)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物54.52mmolとイソフタル酸3.85g(9.62mmol)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2.60g(19.24mmol)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物9.62mmolをN−メチル−2−ピロリドン141.7gとともに温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、次に3、3’−ジアミノ−4、4’−ジヒドロキシビフェニルエーテル16.45g(70.82mmol)とN−メチル−2−ピロリドン10.0gを投入し、75℃で12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン5.8gに溶解させた4−エチニル無水フタル酸2.9g(16.84mmol)を加え、更に75℃で12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−4)を得た。ポリアミド樹脂(A−4)では、{a/(a+b)}×100=47であり、重量平均分子量Mwは31,100であった。
≪ポジ型感光性樹脂組成物の作製および評価≫
ポリアミド樹脂(A−1)に代えて、上記で合成したポリアミド樹脂(A−4)とする以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例1]
≪ノボラック樹脂の作製≫
m−クレゾール86.5g(800ミリモル)と37wt%ホルムアルデヒド水溶液55.1g(ホルムアルデヒド換算:850ミリモル)とシュウ酸2水和物5.0g(40ミリモル)と純水52.6gおよびジオキサン182gを温度計、攪拌機、冷却管、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、オイルバスを用いて100℃にて12時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、内容物を分液ロートに取り出した。分液ロート内で2層に分離した内の下層だけを取り分けた。この液を濃縮、脱水、乾燥してアルカリ現像可能なノボラック樹脂(R−1)を得た。
≪ポジ型感光性樹脂組成物の作製および評価≫
ポリアミド樹脂(A−1)に代えて、上記で合成したノボラック樹脂(R−1)とする以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例2]
≪ノルボルネン樹脂の作製≫
すべてのガラス機器を60℃、減圧下で一晩乾燥した。その後ガラス機器を内部の酸素濃度と湿度がそれぞれ1%以内に抑えられたグローブボックス内に移動した。500mlバイアル瓶にトルエン(140ml)、ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルノルボルネン(39.82g、0.145mol)、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル(3.28g、0.0156mol)、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(0.47g、0.593mmol)、トリエチルシラン(0.6g、5.2mmol)、デカン(10g)と攪拌子を入れ、密栓し、反応溶液を作成した。別の30mlバイアル瓶に5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル(6.9g、0.033mol)、無水トルエン(10.8g)を入れて調製し、シリンジに移してモノマー供給溶液を作成した。別の10mlバイアル瓶にビス(ジシクロヘキシル−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(アセトニトリル)アセテート]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(0.27g、0.94mmol)、ジクロロメタン(4ml)を入れ、密栓し、触媒溶液を作成した。
80℃のオイルバスで反応溶液を攪拌しながら昇温後、触媒溶液を反応溶液に注入した。その後12.5時間かけて所定のプログラムに従いモノマー供給溶液を添加し、添加終了後更に8時間反応させた。反応後、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン(0.44g)をTHF10mlに溶解させた溶液を添加して反応を終了させた。500mlバイアル瓶をオイルバスから取り出し、室温まで冷却した。冷却後、500mlバイアル瓶を開封し、反応溶液にTHF(100ml)、氷酢酸(28ml)、過酸化水素(56ml、30重量%水溶液)、脱イオン水(84ml)を加えた後、18hr激しく攪拌した。水層と有機層に分離した反応溶液から水層を取り除き、有機層を脱イオン水(100ml)で2回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮液をヘキサン(800ml)に滴下してポリマーを析出させた後、ろ過して回収した。真空乾燥後、24.7g(収率53.7%)の白色粉状の1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール/5−ノルボルネン−2−カルボン酸=70/30コポリマーの付加共重合体(R−2)が得られた。付加重合体(R−2)の分子量はGPCによりMw=13460、Mn=8280であった。ポリマー組成はH−NMRから1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコールが71モル%、5−ノルボルネン−2−カルボン酸が29モル%であった。
≪ポジ型感光性樹脂組成物の作製≫
得られた付加重合体(R−2)10g、プロピレングリコールモノエチルエーテル15g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(LX−01、ダイソー株式会社製)2.5g、オキセタン基を持つ化合物(OXT−121、東亞合成工業株式会社製)0.5g及び4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)の1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル1.5gを混合し、均一なポジ型感光性樹脂組成物を得た。
≪ポジ型感光性樹脂組成物の評価≫
上記のようにして得たポジ型感光性樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。
各実施例および比較例から得られた評価結果を第1表に示す。
(注1)アセトンでレジストを剥がす際に硬化膜にクラックが発生
(注2)Ti/Al/Tiの最配線層をデポジッド後に硬化膜にしわが発生
実施例1〜4は、硬化膜の引っ張り弾性率および引っ張り伸び率は、本発明の範囲であり、半導体装置の試作において、不具合が発生しなかった。一方、比較例1および2は、引っ張り弾性率と引っ張り伸び率の両方あるいは片方が本発明の範囲をはずれており、半導体装置の試作において不具合が発生した。
符号の説明
1 シリコンウエハ
2 アルミパッド
3 パッシベーション膜
4 保護膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 レジスト
10 半田
11 フラックス
12 半田バンプ
本発明は、低温で熱処理しても良好な物性を得ることができ、信頼性の高いポジ型感光性樹脂組成物が得られ、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜又は表示装置の絶縁膜等に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表わされる構造単位および下記式(2)で表わされる構造単位からなるポリアミド樹脂(A)と、
    感光性化合物(B)とを、
    含むポジ型感光性樹脂組成物であって、
    該ポリアミド樹脂(A)の重量平均分子量Mwは、5,000〜80,000であり、
    該ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜の引っ張り弾性率が2.0〜4.0GPaであり、かつ引張り伸び率が10〜100%であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
    式(1):
    式(2):
    (式(1)および式(2)中、XおよびYは有機基である。Rは水酸基、−O−Rまたは炭素数1〜15の有機基であり、mが2以上の場合、Rは同一でも異なっていても良い。Rは水酸基、カルボキシル基、−O−Rまたは−COO−Rであり、nが2以上の場合、Rは同一でも異なっていても良い。Rは炭素数1〜15の有機基である。Rとして水酸基がない場合、Rのうちの少なくとも1つはカルボキシル基でなければならない。Rとしてカルボキシル基がない場合、Rのうち少なくとも1つは水酸基でなければならない。mは0〜4の整数、nは0〜4の整数である。Zは−R−Si(R)(R)−O−Si(R)(R)−R−で表され、R〜Rは有機基である。aは1以上の整数であり、bは0又は1以上の整数であり、{a/(a+b)}×100=30〜100である。)
  2. 前記ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜の環化率を[A]%、前記ポジ型感光性樹脂組成物を300℃で硬化させた時の硬化膜の環化率を[B]%としたとき、環化率比[A]/[B]が0.30以上であり、かつ前記ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜のガラス転移温度(Tg)が230℃〜400℃であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記感光性化合物(b)が、ジアゾキノン化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記ポジ型感光性樹脂組成物が、半導体装置の絶縁膜または保護膜の形成用のポジ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする請求項1及至3記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 前記ポジ型感光性樹脂組成物を250℃で硬化させた時の硬化膜を、50℃のフラックス洗浄液に10分間浸漬処理したときの下記(1)式で表される膜厚変化率が、±1%以内であることを特徴とする請求項1乃至4に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    膜厚変化率(%)={(処理後膜厚/処理前膜厚)×100}−100 (1)
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする硬化膜。
  7. 請求項6に記載の硬化膜であることを特徴とする保護膜。
  8. 請求項6に記載の硬化膜であることを特徴とする絶縁膜。
  9. 請求項6に記載の硬化膜を有することを特徴とする半導体装置。
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