JPWO2009014269A1 - ウンカリア属植物の種の鑑別方法 - Google Patents

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Abstract

ウンカリア属植物の種を高い精度で判別する方法を提供する。本発明は、被検試料に含まれるウンカリア属植物の種を鑑別する方法であって、被検試料に含まれる植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列を、配列番号1〜11の塩基配列から選択される少なくとも1つのITS領域の塩基配列と比較することを含む、前記方法に関する。

Description

本発明は、遺伝子学的な手法によりウンカリア属植物の種を鑑別する方法に関する。
釣藤鈎(チョウトウコウ)は、日本薬局方において第14局第1追補より収載され、鈎藤(Uncaria rhynchophylla Miquel)、華鈎藤(Uncaria sinensis Haviland)、および大葉鈎藤(Uncaria macrophylla Wallich)の3種がその基原植物として記載されている生薬である。ところが中国には11種のウンカリア属植物が分布しており(Hsue H.& Wu H.,1999.Uncaria in Lo H.ed.Flora Reipublicae Popularis Sinicae 71(1)Science Press,Beijing)、上記の3種以外の種に由来する生薬が流通している。しかし、そのような生薬と上記3種のウンカリア属植物を含む真正生薬とを鑑別することは困難であった。従って、釣藤鈎の漢方製剤としての品質の安定性には問題があった。これに対し、中国に分布するウンカリア属植物について、化学成分や解剖学的特徴によって鑑別する技術が報告されているが(榊原他(1999)植物研究雑誌74:42−52)、より高い精度でウンカリア属植物の種を鑑別する方法が求められていた。
一方近年の分子遺伝学の発展は、生物分類学における方法論に多大な影響を与えた。すなわちこれまでの形態学的な分類に加えて、ある特定の遺伝子を選択して、生物種についてその塩基配列を比較すると、遺伝子の類似性からその進化の過程を推定し、分類することが可能となった。
生物種による遺伝子の差異の度合いは、基本的な生命活動をつかさどる蛋白質をコードする遺伝子で驚くほど保存されている一方、多くの遺伝子ではそれぞれの蛋白質の機能の分散に従って変化し、もはや同一起源であるかどうかの判断さえ難しいものまで様々である。従って分類の対象となる生物種の範囲に応じて適切な遺伝子領域を選択することで、例えば鯨と他の哺乳類との関係のような、広い範囲の近縁関係から、カラスの地域差のような、ごく限定された範囲内の詳細な分類まで可能となる。このような進化上の相対距離の推定及び分類に最も一般的に利用される遺伝子としては、リボソームRNA遺伝子(Bruce Alberts et al.,Essential Cell Biology,Garland Publishing Inc.,439−440,1998)やミトコンドリア遺伝子(宝来聰、細胞工学、14巻、1031〜1035、1995)等が数多く報告されている。
真核生物リボソームRNAは、RNAポリメラーゼによって転写されたRNAがプロセッシングを受けて、いくつかの断片に分かれ、リボソームを構成する小サブユニット(SS;Small Subunit)と大サブユニット(LS;Large Subunit)に組み込まれる。小サブユニットに組み込まれるRNAは18SrRNAとよばれ、約1900(酵母)〜2000塩基(ヒト)から成り、大サブユニットに組み込まれるRNAは28SrRNAと5.8SrRNAの2種類で、28SrRNAは約4700(酵母)ないし5000塩基、5.8SrRNAは約160塩基(酵母またはヒト)からなる。
これらをコードするDNAは、rRNA遺伝子上、すなわちリボソームRNAをコードする核リボソームDNA上に、18S、5.8S、28Sの順に縦列にならび、18Sと5.8S、5.8Sと28Sの間はITS(Internal Transcribed Spacer)とよばれる非コード領域によって分断されている。上記リボソームRNAをコードするリボソームDNA内のITSは、植物に普遍的であり、多くの植物についてその存在が報告されている。しかし、ウンカリア属植物の多数の種についてその塩基配列を決定して分類し、それに基づいて種の判別を行った例はない。
本発明の課題は、ウンカリア属植物の種を高い精度で判別する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を行った結果、ウンカリア属植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列上に、種特異的な多型が存在すること、さらに、この多型を利用してウンカリア属植物の種を鑑別できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)被検試料に含まれるウンカリア属植物の種を鑑別する方法であって、被検試料に含まれる植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列を、配列番号1〜11の塩基配列から選択される少なくとも1つのITS領域の塩基配列と比較することを含む、前記方法。
(2)被検試料が生薬である、(1)記載の方法。
(3)被検試料に含まれるウンカリア属植物が、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシス、ウンカリア・マクロフィラ、ウンカリア・ワンギイ、ウンカリア・スカンデス、ウンカリア・ホモメラ、ウンカリア・ヒルスタ、ウンカリア・ランシフォリア、ウンカリア・セッシリフルクタス、ウンカリア・ラエビガタおよびウンカリア・ユナネンシスのいずれであるかを鑑別する(1)または(2)記載の方法。
(4)被検試料に含まれるウンカリア属植物が、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラのいずれかであるか、またはそれ以外であるかを鑑別する、(1)または(2)記載の方法。
(5)配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、47位、78位、79位、84位、85位、86位、94位、104位、105位、169位、172位、177位、209位、210位、211位、215位、365位、395位、412位、413位、415位、433位、446位、447位、450位、451位、461位、514位、518位、526位、532位、537位、546位、554位、567位、570位、585位、588位、590位、592位、608位または609位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つの塩基を比較する、(4)記載の方法。
(6)配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、47位、79位、84位、85位、86位、94位、104位、105位、169位、172位、177位、209位、210位、211位、215位、365位、395位、412位、413位、415位、433位、446位、447位、450位、451位、461位、514位、518位、526位、532位、537位、546位、554位、567位、570位、585位、588位、590位、592位、608位または609位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つの塩基を比較する、(5)記載の方法。
(7)配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、85位、94位、104位、169位、177位、209位、211位、215位、412位、413位、415位、450位、461位、532位、537位、585位、588位または608位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つの塩基を比較する、(6)記載の方法。
本発明により、ウンカリア属植物の種を高い精度で鑑別する方法が提供される。
図1は、ウンカリア属に属する11種において、それぞれ複数のサンプルについて決定したリボソームDNAのITS領域の塩基配列のアライメントをとって調査した結果見出された、64の変異部位の詳細を示す。
図2−1は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−2は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−3は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−4は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−5は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−6は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−7は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−8は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−9は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−10は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
図2−11は、表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を示す。
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願2007−194973号の明細書、図面及び特許請求の範囲に記載された内容を包含する。
リボソームRNAは、すべての生物の生命活動に不可欠な蛋白合成に関わっており、これをコードする遺伝子であるリボソームDNA(rDNA)はほとんどの生物でゲノム内に複数コピー存在し、真核生物では数百から数万コピー存在することが知られている。rDNAは、真核生物では一般に18SrRNA、5.8SrRNA、28SrRNAをコードする領域(それぞれ、18SrDNA、5.8SrDNA、28SrDNAという)が連続して存在し、反復配列を繰り返している。そして、18Sと5.8Sの間、5.8Sと28Sの間にそれぞれITS(Intenal Transcribed Spacer)1およびITS2が存在する。本明細書においては、上記2つのITSとその間にある5.8SをまとめてITS領域と称する。
リボソームDNA(rDNA)配列は、生物の分類に広く用いられている。その理由としては、真核生物のなかで最も単純な酵母から非常に複雑な哺乳動物にいたるまで広く保存されている一方、一部ITSのようにプロセッシングの過程で捨てられる配列については、ある程度大きな変異が期待できるからである。本発明のように、交配種の差を見るには、配列間のある程度の差異が必要であるが、あまりにも差異の度合いが強い場合は配列の決定や増幅プライマーに問題が生じたりすることがある。その点リボソームDNAのITSを中心とする配列決定では、保存性の高いSS領域やLS領域を足がかりに、分散度の高いITSを探索できる。
ウンカリア属植物としては、例えば、ウンカリア・リンコフィラ(Uncaria rhynchophylla)、ウンカリア・シネンシス(Uncaria sinensis)、ウンカリア・マクロフィラ(Uncaria macrophylla)、ウンカリア・ワンギイ(Uncaria wangii)、ウンカリア・スカンデンス(Uncaria scandens)、ウンカリア・ホモメラ(Uncaria homomella)、ウンカリア・ヒルスタ(Uncaria hirsuta)、ウンカリア・ランシフォリア(Uncaria lancifolia)、ウンカリア・セッシリフルクタス(Uncaria sessilifructus)、ウンカリア・ラエビガタ(Uncaria laevigata)、ウンカリア・ユナネンシス(Uncaria yunnanensis)、ウンカリア・ガンビール(Uncaria gambir)、ウンカリア・ギアネンシス(Uncaria guianensis)およびウンカリア・トメントーサ(Uncaria tomentosa)などが挙げられる。
本発明者らは、日本薬局方において、生薬としてのチョウトウコウの基原植物として記載されているウンカリア・リンコフィラ(鈎藤;Uncaria rhynchophylla Miquel)、ウンカリア・シネンシス(華鈎藤;Uncaria sinensis Haviland)、およびウンカリア・マクロフィラ(大葉鈎藤;Uncaria macrophylla Wallich)の3種、ならびに中国に分布しているその他8種のウンカリア属植物、すなわち、ウンカリア・ワンギイ、ウンカリア・スカンデンス、ウンカリア・ホモメラ、ウンカリア・ヒルスタ、ウンカリア・ランシフォリア、ウンカリア・セッシリフルクタス、ウンカリア・ラエビガタ、ウンカリア・ユナネンシスの合計11種について、それぞれ複数のサンプルを用いてリボソームDNAのITS領域(ITS1およびITS2とその間にある5.8Sを含む領域)の塩基配列を決定し(それぞれ、配列番号12〜53)、アライメントをとって比較した結果、ウンカリア属植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列上に種特異的な多型が存在することを見出した。
すなわち、被検試料に含まれる植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列を、配列番号1〜11の塩基配列から選択される少なくとも1つのITS領域の塩基配列と比較することにより、ウンカリア属植物の種を識別できることを見出した。配列番号1はウンカリア・リンコフィラのITS領域の塩基配列を表し、配列番号2はウンカリア・シネンシスのITS領域の塩基配列を表し、配列番号3はウンカリア・ワンギイのITS領域の塩基配列を表し、配列番号4はウンカリア・スカンデンスのITS領域の塩基配列を表し、配列番号5はウンカリア・ホモメラのITS領域の塩基配列を表し、配列番号6はウンカリア・ヒルスタのITS領域の塩基配列を表し、配列番号7はウンカリア・ランシフォリアのITS領域の塩基配列を表し、配列番号8はウンカリア・セッシリフルクタスのITS領域の塩基配列を表し、配列番号9はウンカリア・ラエビガタのITS領域の塩基配列を表し、配列番号10はウンカリア・マクロフィラのITS領域の塩基配列を表し、配列番号11はウンカリア・ユナネンシスのITS領域の塩基配列を表す。
本発明の方法により、少なくとも上記11種ウンカリア属植物の種を鑑別することができる。本発明の方法は、特に、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラの3種を鑑別するために有用である。
本発明において、ウンカリア属植物の種を鑑別することには、特定の種であると鑑別すること、特定の種ではないと鑑別すること、特定の種の群に含まれると鑑別すること、ならびに特定の種の群に含まれないと鑑別することが包含される。
例えば、一実施形態において本発明の方法では、被検試料に含まれるウンカリア属植物が、日本薬局方において生薬としてのチョウトウコウの基原植物として記載されているウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラの3種のうちのいずれかであるか、またはそれ以外であるかを鑑別できる。換言すれば、被検試料が、日本薬局方におけるチョウトウコウとして、真正な生薬であるかどうかを鑑別することができる。
被検試料に含まれる植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列を、配列番号1〜11の塩基配列から選択される少なくとも1つのITS領域の塩基配列と比較する識別方法としては、ITS領域の塩基配列全体を比較する方法、1〜数カ所の特定部位の塩基を比較する方法、または1〜数カ所の特定部位の塩基の違いを複数組み合わせてパターン化して比較する方法を利用できる。
ITS領域の塩基配列全体を比較する方法としては、被検試料に含まれる植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列を決定し、上記配列番号1〜11の塩基配列と比較し、その相同性の割合で判定する方法がある。一般に生物種は近接する種であっても、進化の過程を反映して微妙にその相同性に違いをみせるので、被検試料から得られた塩基配列は必ずしも上記配列番号1〜11の塩基配列と100%同一ではないことが多い。このような場合にも、相同性の割合を求めることにより、相対的な類縁関係の推測を容易に行うことができる。
ITS領域の塩基配列を決定する方法としては、被検試料からDNAを抽出し、それを鋳型としてITS領域を増幅し、ダイレクトシーケンシングを行うかクローニングを行って、塩基配列を決定する方法が挙げられる。ITS領域の増幅、ダイレクトシーケンシング、クローニングおよび塩基配列決定は、いずれも定法により行うことができる。例えば、ITS領域の増幅には、PCR以外に、例えば、LAMP法(栄研化学)、ICAN法(宝酒造)などを利用することができる。
従って、一実施形態において本発明の方法は、1)被検試料からDNAを抽出する工程、2)該DNAを鋳型としてITS領域を増幅する工程、3)ITS領域の塩基配列を決定する工程、および4)得られた塩基配列を配列番号1〜11の塩基配列の少なくとも1つと比較し、最も高い相同性を有するウンカリア属種として同定する工程を含む。
ITS領域を増幅するためのプライマーとしては、公知のユニバーサルプライマーを使用することができる(White T.J.et al.,1990,Amplification and direct sequencing of fungal ribosomal RNA genes for phylogenetics,In PCR Protocols,A Guide to Methods and Applications(M.A.Innis,D.H.Gelfand,J.J.Sninsky,and T.J.White,Eds.)pp.315−322.Academic Press,San Diego)。
ITS領域を増幅するためのプライマーは、ウンカリア属植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列を基に設計してもよい。プライマーの設計条件は、特に限定されない。例えば、配列番号1〜11に示されるいずれか一つまたは複数の塩基配列もしくはこれらの塩基配列に相補的な塩基配列の一部であって、かつ、10塩基以上の連続した塩基配列からなるヌクレオチドを設計すればよい。10塩基未満であると、確率的にその塩基配列に相補的な塩基配列が鋳型DNA上に複数存在することが想定されるため、増幅に用いるプライマーとして精度が低くなるため、10塩基以上とすることが好ましい。また、プライマーとして用いる塩基配列の10%以下の数の塩基が置換、欠失、挿入または付加された塩基配列からなるヌクレオチドであっても、鋳型DNAとハイブリダイズが可能であるため、プライマーとして使用することができる。プライマーは、例えば、市販のDNA合成装置等を用いて合成することができる。
ウンカリア属植物のリボソームDNAのITS領域を増幅するためのプライマーの具体例として、以下のものが挙げられる。
ITS領域、すなわち、ITS1、5.8SおよびITS2を一括して増幅するためのプライマーとして、例えば、次のプライマーセット:ITS5(5’−GGA AGT AAA AGT CGT AAC AAG G−3’)およびITS4(5’−TCC TCC GCT TAT TGA TAT GC−3’)を利用することができる(White et al.1990、前掲)。ここでITS5およびITS4はプライマーの名称を表す。
ITS1およびITS2を別々に増幅するためのプライマーとして、例えば、次のプライマーセット:ITS2(5’−GCT GCG TTC TTC ATC GAT GC−3’)およびITS3(5’−GCA TCG ATG AAG AAC GCA GC−3’)を利用することができる(White et al.1990、前掲)。ここでITS2およびITS3はプライマーの名称を表す。
あるいは、ウンカリア属植物内で保存されている領域に設計したプライマーとして、以下のプライマーセットを用いることにより、ITS1およびITS2をそれぞれ2分割、合計4分割して別々に増幅することができる:
ITS1の増幅…ITS5 & ITS−UncariaR2(5’−GAG TTT TCC TTG GCG CGT TCC G−3’)、ITS−UncariaF1(5’−CGC GCG GAA AAC GTA ACT CAA−3’)& ITS2
ITS2の増幅…ITS3 & ITS−UncariaR1(5’−ATT CAA CCA CCA CTC GTC GTG−3’)、ITS−UncariaF2(5’−CTA AAT GAG AGT CCT CGG CG−3’)& ITS4。
本発明者らは、さらにウンカリア属に属する上記11種において、それぞれ複数のサンプルについて決定したリボソームDNAのITS領域の塩基配列のアライメントをとって調査した結果、64の変異部位を見出した。そして、ITS領域における特定部位の塩基のみを比較することによっても、ウンカリア属植物の種を鑑別できることを見出した。各種およびサンプルについての、上記64の変異部位における塩基の詳細を図1にまとめる。本発明における塩基配列の比較では、1〜数カ所の特定部位の塩基の違いを比較する方法においてこれら64の変異部位の違いを比較することにより、ウンカリア属の種を鑑別できる。
すなわち、一実施形態において本発明は、配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、47位、78位、79位、84位、85位、86位、94位、104位、105位、169位、172位、177位、209位、210位、211位、215位、365位、395位、412位、413位、415位、433位、446位、447位、450位、451位、461位、514位、518位、526位、532位、537位、546位、554位、567位、570位、585位、588位、590位、592位、608位または609位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つ、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3の塩基を比較することによりウンカリア属植物の種を鑑別するものである。
これらのうち、好ましくは、配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、47位、79位、84位、85位、86位、94位、104位、105位、169位、172位、177位、209位、210位、211位、215位、365位、395位、412位、413位、415位、433位、446位、447位、450位、451位、461位、514位、518位、526位、532位、537位、546位、554位、567位、570位、585位、588位、590位、592位、608位または609位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つ、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3の塩基を比較する。
本明細書において、「配列番号1の塩基配列を参照配列としたときのX位に相当する位置の塩基」という表現は、配列番号1の塩基配列を参照配列として、任意のITS領域の塩基配列中の所定の塩基の位置を指定するために使用される。すなわち、被検試料由来のITS領域の塩基配列(以下、塩基配列Yと証する)を、配列番号1の塩基配列とアラインメントしたときに、配列番号1の塩基配列の1番目の塩基から数えてX番目の塩基に対してアラインされる(すなわち、アラインメントにおいて同じ縦列に整列される)、塩基配列Y中の塩基を意味する。また、「配列番号1の塩基配列を参照配列としたときのV−W位に相当する位置の塩基」という表現は、配列番号1の塩基配列を参照配列として、被検試料由来のITS領域の塩基配列(以下、塩基配列Yと証する)を、配列番号1の塩基配列とアラインメントしたときに、配列番号1の塩基配列の1番目の塩基から数えてV番目とW番目の塩基に対してアラインされる塩基配列中の2つの塩基間に挿入された塩基または挿入の有無を意味する。配列番号1を参照配列として上記のように塩基の位置を表す場合、配列番号1の517位のTの次の518位は欠失とし、517位のCの次のGを519位、その次のAを520位とする。また、前記のとおり数えて569位(配列番号1における568番目の塩基)のTの次の570位も欠失とし、569位のTの次のG(配列番号1における569番目の塩基)を571位、その次のA(配列番号1における570番目の塩基)を572位とする。なお、本発明において、上記塩基の位置は、特に、アライメントソフトとしてBioEdit(http://www.mbio.ncsu.edu/BioEdit/bioedit.html)を用いてアライメントをとったときの塩基の位置を意味する。なお、BioEditは、以下のウェブサイト(http://www.mbio.ncsu.edu/BioEdit/BioEdit.zip)からダウンロードすることができる。
配列番号1の塩基配列は、ITS1、5.8SおよびITS2からなるITS領域であり、ITS1の開始部位を1位とするものである。なお、ウンカリア属植物のITS1の開始部位の配列は、5’−TCGAATCCTGとする。
配列番号1の塩基配列と他の塩基配列とのアラインメントは、手作業で行うこともできるが、例えばマルチプルアラインメントプログラム(Thompson,J.D.et al,(1994)Nucleic Acids Res.22,p.4673−4680)をデフォルト設定で用いることにより作成することができる。当該プログラムは、例えば、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute:EBI、http://www.ebi.ac.uk/index.html)や、国立遺伝学研究所が運営する日本DNAデータバンク(DDBJ、http://www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome−j.html)のウェブサイトから利用することができる。当業者であれば、得られたアラインメントを、必要に応じて最適なアラインメントとなるように更に調整することできる。そのような最適アラインメントは、塩基配列の類似性や挿入されるギャップの頻度等を考慮して決定するのが好ましい。
より具体的には次のとおり識別することができる。85位がT(チミン)であるか、および/または215位がTもしくはK(TとG(グリシン)の混合塩基配列)である場合は、ウンカリア・リンコフィラと鑑別できる。215位がA(アデニン)であるか、415位がTであるか、および/または461位がTである場合は、ウンカリア・シネンシスと鑑別できる。43位がC(シトシン)であるか、177位がCであるか、および/または532位がCである場合は、ウンカリア・マクロフィラと鑑別できる。これらの塩基は、1塩基でも上記に該当すれば、特定の種であると鑑別できる。例えば、配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの85位がTであることさえわかれば、他の塩基を見ることなく、被検試料にウンカリア・リンコフィラが含まれると鑑別できる。その他の塩基についても同様である。
537位がTであるか、および/または585位がTである場合は、ウンカリア・リンコフィラまたはウンカリア・シネンシスのいずれかであると鑑別できる。これらの塩基は、1塩基でも上記に該当すれば、ウンカリア・リンコフィラまたはウンカリア・シネンシスのいずれかであると鑑別できる。
412位がTであり、かつ37位がAであるか、94位がAであるか、413位がAであるか、450位がAであるか、および/または608位がCである場合は、ウンカリア・リンコフィラまたはウンカリア・シネンシスのいずれかであると鑑別できる。これらの塩基は、2塩基が上記に該当すれば、すなわち、412位がTであり、かつ、37位、94位、413位、450位および608位のいずれかが上記に該当することさえ確認できれば、ウンカリア・リンコフィラまたはウンカリア・シネンシスのいずれかであると鑑別できる。
169位がTであるか、209位がCであるか、および/または211位がCであり、かつ12位がGであるか、104位がTであるか、588位がTであるか、および/または590位がTである場合は、ウンカリア・マクロフィラであると鑑別できる。これらの塩基も、2塩基が上記に該当すれば、すなわち、169位、209位または211位のいずれか上記に該当すること、かつ12位、104位、588位または590位のいずれかが上記に該当すること、さえ確認できれば、ウンカリア・マクロフィラであると鑑別できる。
従って、被検試料に含まれるウンカリア属植物が、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラのいずれかであるか、またはそれ以外であるかの識別は、配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、85位、94位、104位、169位、177位、209位、211位、215位、412位、413位、415位、450位、461位、532位、537位、585位、588位または608位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つ、例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3、例えば、1つまたは2つの塩基を比較することにより実施できる。
また、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラ以外の種については、以下の部位を比較することにより識別できる。
12位がAであるか、104位がCであるか、570位にTの挿入があるか、588位がCであるか、および/または590位がAである場合は、ウンカリア・ユナネンシスであると鑑別できる。すなわち、これらの塩基は、1塩基でも上記に該当すれば、ウンカリア・ユナネンシスであると鑑別できる。
47位がTであるか、210位がAであるか、365位がAであるか、および/または433位がCである場合は、ウンカリア・ヒルスタであると鑑別できる。すなわち、これらの塩基は、1塩基でも上記に該当すれば、ウンカリア・ヒルスタであると鑑別できる。
86位がTであるか、105位がTであるか、および/または450位がCであれば、ウンカリア・ランシフォリアであると鑑別できる。すなわち、これらの塩基は、1塩基でも上記に該当すれば、ウンカリア・ランシフォリアであると鑑別できる。
84位がCであるか、395位がTであるか、451位がCもしくはM(AとCの混合塩基配列)であるか、518位に塩基の挿入があるか、526位がTもしくはW(AとTの混合塩基配列)であるか、554位がAであるか、および/または609位がAであれば、ウンカリア・セッシリフルクタスであると鑑別できる。すなわち、これらの塩基は、1塩基でも上記に該当すれば、ウンカリア・セッシリフルクタスであると鑑別できる。
84位がGであるか、451位がGであるか、および/または514位がAであれば、ウンカリア・ラエビガタであると鑑別できる。すなわち、これらの塩基は、1塩基でも上記に該当すれば、ウンカリア・ラエビガタであると鑑別できる。
446位がTであるか、および/または567位がTであれば、ウンカリア・ホモメラであると鑑別できる。すなわち、これらの塩基は、1塩基でも上記に該当すれば、ウンカリア・ホモメラであると鑑別できる。
換言すれば、配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、47位、84位、86位、104位、105位、210位、365位、395位、433位、446位、450位、451位、514位、518位、526位、554位、567位、570位、588位、590位または609位の塩基のいずれかが上記に該当すれば、被検試料に含まれるウンカリア属植物が、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラ以外の種であると鑑別できる。
さらに、79位がCであるか、172位がAであるか、395位がTであるか、447位がTであるか、546位がGであるか、および/または592位がCである場合は、いずれの種であるかは鑑別できないが、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラ以外の種であると鑑別できる。すなわち、これらの塩基は、1塩基でも上記に該当すれば、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラ以外の種であると鑑別できる。
従って、被検試料に含まれるウンカリア属植物が、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラのいずれかであるか、またはそれ以外であるかの識別は、配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、47位、79位、84位、85位、86位、94位、104位、105位、169位、172位、177位、209位、210位、211位、215位、365位、395位、412位、413位、415位、433位、446位、447位、450位、451位、461位、514位、518位、526位、532位、537位、546位、554位、567位、570位、585位、588位、590位、592位、608位または609位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つ、例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3、例えば、1つまたは2つの塩基を比較することにより実施できる。
ウンカリア属植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列において、種の識別に有用な部位について、配列番号1を参照配列として、以下の表1(薬用種)および表2(薬用種以外)にまとめる。
Figure 2009014269
Figure 2009014269
また、78位がAであれば、ウンカリア・マクロフィラ、ウンカリア・ユナネンシスおよびウンカリア・セッシリフルクタスのいずれかであると鑑別できる。
上記の特定部位の塩基の比較は、被検試料に含まれる植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列を決定し、得られたITS領域の塩基配列における上記特定部位の塩基を比較することにより実施できる。ITS領域の塩基配列を決定する方法については既に述べたとおりである。すなわち、被検試料からDNAを抽出し、それを鋳型としてITS領域を増幅し、ダイレクトシーケンシングを行うかクローニングを行って、塩基配列を決定することができる。プライマーについても、上記と同様である。
従って、一実施形態において本発明の方法は、1)被検試料からDNAを抽出する工程、2)該DNAを鋳型としてITS領域を増幅する工程、3)ITS領域の塩基配列を決定する工程、および4)配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの上記位置に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つの塩基を配列番号1〜11の塩基配列の少なくとも1つと比較する工程、を含む。
1〜数カ所の特定部位の塩基を比較する方法として、PCRプライマーを用いる方法を利用してもよい。塩基配列を比較し、相違のある領域にPCRプライマーを設定し、どのプライマーによって増幅されるかによって判別する方法である。この場合非相同的な領域だけでなく、相同的な領域にもプライマーを設定し、インターナルコントロールとするのが望ましい。増幅が見られないのは、反応の失敗ではなくリボソームDNAのITS領域の配列によるものであることを確認するためである。
上記の特定のプライマーによってリボソームDNAのITS領域が増幅するかどうかで判別する方法は、PCR以外の増幅法であってもよい。例えば、LAMP法(栄研化学)、ICAN法(宝酒造)などを利用することも可能である。
分類は必ずしも核酸の増幅によるものでなくてもよい。例えば1本鎖の核酸同士をハイブリダイズさせて、それを電気的に検出する方法は、非常に感度が良いので、核酸の増幅なしで検出が可能である。1本鎖のプローブを上記増幅法と同様に非相同的な領域に設定することにより、ハイブリダイズしたかどうかで配列を確認できる。
また、1ないし数カ所の特定部位の塩基を比較する方法による識別は、RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)法でも可能である。識別の対象となる何種類かの塩基配列を比較し、制限酵素による切断に違いのある部分を見つけ、増幅されたDNA断片にその部分が含まれるように、プライマーを設定する。増幅したDNA断片がその制限酵素によって切断されるか否かによって配列の違いが判断できる。切断の有無は通常の電気泳動法等によって容易に判定可能である。
さらに、上記の特定部位における塩基の違いを複数組み合わせ、パターン化して比較する方法がある。例えば、上記プライマー法で、いくつかのプライマー対を用いる方法や、あるいは上記RFLP法で、比較的広い領域を増幅し、複数の制限酵素で切断し、それぞれの切断パターンによって判別することも可能である。
被検試料としては、ウンカリア属植物を含む可能性のある試料であれば特に制限されない。例えば、ウンカリア属植物の破砕物、粉砕物、乾燥物および抽出物、これらを含む生薬や漢方薬、ならびに該生薬や漢方薬を含む医薬品、食品、飲料および化粧品などが挙げられる。
なお本発明において用いる、ITS領域の増幅、PCR、クローニング、塩基配列の決定、核酸化学合成等の実験は、通常の実験書に記載の方法によって行うことができる。そのような実験書としては、例えば、SambrookらのMolecular Cloning,A laboratory manual,(2001)3rd Ed.,Sambrook,J.& Russell,DW.Cold Spring Harbor Laboratory Pressを挙げることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されない。
(実施例1)
材料
形態により鑑別可能な押葉標本を用いて、鑑別に有効な変異サイトを調査した。調査に用いたサンプルを表3に示す。ウンカリア・ホモメラを除き、1種につき複数のサンプルについて、ITS領域の塩基配列を決定し、種特異的部位を調査した。
Figure 2009014269
方法
サンプルから約200mgの葉もしくは果皮を採り、DNeasy(登録商標)Plant Mini Kit(Qiagen)を用いて全DNAを抽出した。ITS領域のPCR増幅は、サンプルの状態により増幅可能な長さが異なっていたため、以下のステップで実施した。また、増幅が困難なサンプルに関しては、Plasmid Mini Kit(Qiagen)を用いた全DNAの精製を試みた。
(1)プライマーセット(ITS5 & ITS4)を用いて、ITS1、5.8S、ITS2を一括して増幅した(White T.J.et al.,1990,Amplification and direct sequencing of fungal ribosomal RNA genes for phylogenetics.In PCR Rrotocols,A Guide to Methods and Applications,pp.315−322.Academic Press,San Diego)。
Figure 2009014269
(2)プライマーセット(ITS5 & ITS2、ITS3 & ITS4)(White et al.1990、前掲)を用いて、ITS1およびITS2を別々に増幅した。
Figure 2009014269
(3)上記(1)、(2)で増幅、配列決定した塩基配列をもとにウンカリア属植物内で保存されている領域にプライマーを設計し、ITS1およびITS2をそれぞれ2分割、合計4分割して別々に増幅した。用いたプライマーセットは以下の通りである。
Figure 2009014269
反応液はいずれも以下のとおりである:10 x GeneTaq−Buffer(Nippon Gene)5μl、dNTP mix(Nippon Gene)4μl、ファワードプライマー(ITS5:10pmol/μl)1μl、リバースプライマー(ITS4:10pmol/μl)1μl、テンプレートDNA 1.25μl、Gene−Taq(Nippon Gene)0.25μl、DMSO 5μl、D.D.W.32.5μl(TaKaRa)。
反応サイクルはステップ(1)が(94℃,1分;48℃,2分;72℃,3分)x30サイクル、(72℃,7分)x1サイクル、ステップ(2)および(3)が(94℃,1分;45℃,1分;72℃,2分)x45サイクル、(72℃,7分)x1サイクルとした。
PCR反応液は2.0%アガロースゲルを用いて電気泳動してDNAをサイズごとに分離し、目標サイズのDNAバンドだけを切り出してGFXTM PCR DNA and Gel Band Purification Kit(Amersham biotech)を用いて精製した。
精製産物についてBigDye Terminator Cycle Sequencing Kit ver.1.1とModel 3100 automated sequencer(Applied Bio Systems)を用いてシーケングを行った。シーケングの際には増幅に用いたプライマーを用い、5’末端および3’末端の双方から配列決定し、両者を比較して塩基配列を確定した。
結果
増幅困難なサンプルに関して用いたステップ(3)において使用した4プライマーセットのうち、ITS−UncariaF1 & ITS2の増幅成功率が最も高く、ITS5 & ITS−UncariaR2の増幅成功率が最も低かった。
調査したウンカリア属植物はITS1が227−228bp、5.8Sが162−163bp、ITS2が219−220bpであった。ITS1では、ウンカリア・セッシリフルクタスの2サンプルで1塩基の欠失の有無に基づくゲノム内多型が見られ、ダイレクトシーケンスにおいて波形の乱れが見られ、5.8Sではウンカリア・マクロフィラ、ウンカリア、ユナネンシスに共通して1塩基の欠失が見られ、ITS2では、ウンカリア・セッシリフルクタスで1塩基の挿入、ないし同一サイトにおける挿入の有無に基づくゲノム内多型が見られ、ウンカリア・ユナネンシスで1塩基の挿入が見られた。ウンカリア・セッシリフルクタスにおいては、ITS5 & ITS4のプライマーセットで全領域の増幅に成功しても、全塩基配列の解読にはITS2 & ITS3のプライマーセットを用いて配列決定する必要があった。
調査領域には、64の変異サイトが見いだされた(図1)。表3に示す42種のサンプルから得られたITS領域の塩基配列をアライメントした結果を図2−1〜11に示す(上から順に、それぞれ、配列番号12〜53を表す)。そのうち45サイトが完全な塩基の違いがサンプル間で見られるサイトであった(12位、37位、43位、47位、78位、79位、84位、85位、86位、94位、104位、105位、169位、172位、177位、209位、210位、211位、215位、365位、395位、412位、413位、415位、433位、446位、447位、450位、451位、461位、514位、518位、526位、532位、537位、546位、554位、567位、570位、585位、588位、590位、592位、608位、609位)。残りの19サイトは不完全な塩基置換のみが見られるサイトで、このような置換が見られるサンプルはそれぞれのサイトにつき、1ないしごく少数だった。
いくつかの例外を除いて各種は固有、かつ安定した変異パターンを有しており、ITS領域が釣藤鈎基原植物とその近縁種の鑑別に有効であることが明らかとなった。
以上の結果から、釣藤鈎基原植物および近縁なウンカリア属植物は、ITS領域塩基配列により判別可能であることが明らかになった。
(実施例2)
四川省古藺県黄荊郷で入手した釣藤鈎(生薬)および四川省の産地公司より入手した釣藤鈎(生薬)のITS領域塩基配列を解析することにより、いずれの種のウンカリア属植物を含むか鑑別した。
材料
サンプルとして、四川省古藺県黄荊郷で入手した釣藤鈎2サンプルおよび成都龍泉天然薬品開発有限公司より入手した釣藤鈎2ロット8サンプルを用いた。
方法
約200μgのサンプルからDNeasy(登録商標)Plant Mini Kit(Qiagen)を用いて全DNAを抽出した。ITS領域のPCR増幅には、プライマーセット(ITS5 & ITS3)を用いた。反応液の組成は以下のとおりである:10 x Buffer 5μl、dNTP mix(2.5mM)4μl、プライマー(10pmol/μl)2.5μl×2、10% DMSO 30.75μl、テンプレートDNA 5μl、Gene−Taq 0.25μl。反応サイクルは、(94℃,4分)x1サイクル、(95℃,30秒;70℃,15秒;72℃,15秒)x3サイクル、(95℃,30秒;66℃,15秒;72℃、15秒)x3サイクル、(95℃,30秒;62℃,15秒;72℃,15秒)x3サイクル、(95℃,30秒;58℃,15秒;72℃,15秒)x3サイクル、(95℃,30秒;54℃,15秒;72℃,15秒)x3サイクル、(95℃,30秒;48℃,1分および30秒;72℃,2分および30秒)x20サイクル、および(72℃,7分)x1サイクルとした。
PCR反応液は2.0%アガロースゲルを用いて電気泳動してDNAをサイズごとに分離し、目標サイズのDNAバンドだけを切り出してGFXTM PCR DNA and Gel Band Purification Kit(Amersham biotech)を用いて精製した。
精製産物についてBigDye Terminator Cycle Sequencing Kit ver.3.1とModel 3130xL Genetic Analyzer(Applied Biosystems)を用いてシーケングを行った。シーケングの際には増幅に用いたプライマーを用い、5’末端および3’末端の双方から配列決定し、両者を比較して塩基配列を確定した。
結果
各生薬サンプルについて得られたITS領域塩基配列を解析した結果、四川省で得られた釣藤鈎の基原植物はウンカリア・リンコフィラとウンカリア・シネンシスと同定され、四川省古藺県にもウンカリア・シネンシスが生育することが確認された。以上から、生薬をサンプルとして用いた場合でも、ITS領域塩基配列によりウンカリア属植物の種を判別可能であることが明らかになった。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
[配列表]
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Claims (7)

  1. 被検試料に含まれるウンカリア属植物の種を鑑別する方法であって、被検試料に含まれる植物のリボソームDNAのITS領域の塩基配列を、配列番号1〜11の塩基配列から選択される少なくとも1つのITS領域の塩基配列と比較することを含む、前記方法。
  2. 被検試料が生薬である、請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 被検試料に含まれるウンカリア属植物が、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシス、ウンカリア・マクロフィラ、ウンカリア・ワンギイ、ウンカリア・スカンデス、ウンカリア・ホモメラ、ウンカリア・ヒルスタ、ウンカリア・ランシフォリア、ウンカリア・セッシリフルクタス、ウンカリア・ラエビガタおよびウンカリア・ユナネンシスのいずれであるかを鑑別する請求の範囲第1項または第2項記載の方法。
  4. 被検試料に含まれるウンカリア属植物が、ウンカリア・リンコフィラ、ウンカリア・シネンシスおよびウンカリア・マクロフィラのいずれかであるか、またはそれ以外であるかを鑑別する、請求の範囲第1項または第2項記載の方法。
  5. 配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、47位、78位、79位、84位、85位、86位、94位、104位、105位、169位、172位、177位、209位、210位、211位、215位、365位、395位、412位、413位、415位、433位、446位、447位、450位、451位、461位、514位、518位、526位、532位、537位、546位、554位、567位、570位、585位、588位、590位、592位、608位または609位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つの塩基を比較する、請求の範囲第4項記載の方法。
  6. 配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、47位、79位、84位、85位、86位、94位、104位、105位、169位、172位、177位、209位、210位、211位、215位、365位、395位、412位、413位、415位、433位、446位、447位、450位、451位、461位、514位、518位、526位、532位、537位、546位、554位、567位、570位、585位、588位、590位、592位、608位または609位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つの塩基を比較する、請求の範囲第5項記載の方法。
  7. 配列番号1の塩基配列を参照配列としたときの、12位、37位、43位、85位、94位、104位、169位、177位、209位、211位、215位、412位、413位、415位、450位、461位、532位、537位、585位、588位または608位に相当する位置の塩基から選択される少なくとも1つの塩基を比較する、請求の範囲第6項記載の方法。
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