JPWO2008120472A1 - 高脂血症の予防及び/又は治療剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、血中のコレステロール及びトリグリセリドを低下させる効果に優れた高脂血症治療剤を提供する。本発明は、下記の一般式(1)(式中、各記号は明細書中と同義を示す。)で表される化合物又はその塩と、スタチン類、特にピタバスタチン類とを組み合わせてなる高脂血症の予防及び/又は治療剤、肥満や糖尿病の予防及び/治療剤、並びにメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤に関する。

Description

本発明は、高脂血症の予防及び/又は治療剤、特に血漿中コレステロール濃度及び血漿中トリグリセライド濃度のいずれに対しても優れた低下作用を示す高脂血症の予防及び/又は治療剤に関する。さらに、本発明は、肥満や糖尿病の予防及び/又は治療剤、並びにメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤に関する。
高脂血症は、血漿中のリポ蛋白脂質が異常に増加している症状であり、動脈硬化、心筋梗塞等の疾患と強く関わっていることから、その治療は重要であると考えられている。
高脂血症の治療には、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)リダクターゼ阻害剤(以下、スタチン類と表記することがある。)、フィブラート系薬剤、ニコチン酸、陰イオン交換樹脂、コレステロール吸収阻害薬、プロブコール、デキストラン硫酸、イコサペント酸エチル等、種々の薬剤が用いられているが、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン等のスタチン類が最近の治療剤の中心をなしている。スタチン類の中でも、ピタバスタチン又はその塩類は強いHMG−CoAリダクターゼ阻害作用を有し、血漿中コレステロール濃度低下剤として有用であることが知られている(特許文献1)。しかし、臨床試験の成績によると、第一世代のスタチンであるプラバスタチンによる血漿中総コレステロール濃度の改善率は68.6%であり、強力なコレステロール低下作用を示すピタバスタチンによる血漿中総コレステロール濃度の改善率であっても同93.9%であり、残りの患者では十分な血漿中総コレステロール濃度の改善が見られていない(非特許文献1)。
Yuらは、スタチン類による治療に抵抗性を示す家族性高脂血症患者、同薬剤による治療が有効である家族性高脂血症患者、及び家族性でない高脂血症患者(対照群)における薬剤の作用の違いを、肝細胞と類似の性質を持つ線維芽細胞を用いて比較した。その結果、スタチン類による治療が有効である家族性高脂血症患者及び対照群では、細胞にスタチン類を作用させると、HMG−CoAリダクターゼと共に、血液中からLDL−コレステロールを肝臓に取り込む働きをする、LDL受容体の発現が増加した。一方、スタチン類による治療に抵抗性を示す患者では、HMG−CoAリダクターゼの発現が増加したが、LDL受容体の発現は増加しなかった。すなわち、スタチン類による治療に抵抗性を示す機序のひとつは、LDL受容体の発現増加の欠如であることが証明された(非特許文献2)。
スタチン類による治療に抵抗性を示す家族性高脂血症患者と同様の現象が、ラットでも生じていることが報告されている。すなわち、スタチン類はラットの血漿中総コレステロール濃度を低下させないことは、当業者においては周知の事実であるが、その機序として、(1)スタチン類を投与しても、肝臓におけるHMG−CoAリダクターゼが代償性に増加してコレステロール合成を維持すること、及び、(2)ラットでは、スタチン類を投与してもLDL受容体が増加しない、という現象が報告されている(非特許文献3、4)。従って、ラットにおいて血漿中総コレステロール濃度及びLDL−コレステロール低下作用を示す薬剤は、従来のスタチン類では治療に抵抗性を示す患者においても有効であるものと考えられる。
一方、血漿中リポ蛋白脂質の主な成分は、コレステロールやトリグリセライド等である。高脂血症患者は、血漿中コレステロール濃度が増加しているにとどまらず、血漿中トリグリセライド濃度の増加も伴う場合が多いため、血漿中コレステロール濃度と共に血漿中トリグリセライド濃度を低下させる薬剤が望まれている。一般的に、高脂血症患者にスタチン類を投与すると、血漿中コレステロール濃度は十分に低下するが、血漿中トリグリセライド濃度の低下作用は十分でないことが多い。しかし、血漿中コレステロール濃度及び血漿中トリグリセライド濃度の両方が高い高脂血症患者へ、両方を低下させる目的でスタチン類の投与量を増加して治療する方法は、安全性等の問題もあり推奨されていない。
血漿中トリグリセライド濃度を低下させる薬剤としては、フェノフィブラートに代表されるフィブラート系薬剤が知られており、スタチン類とフィブラート系薬剤との併用が報告されている(特許文献2、非特許文献5)。しかし、フィブラート系薬剤とスタチン類との併用は、腎障害患者を中心に副作用として横紋筋融解症の発症が報告されていることから、この組み合わせは慎重投与の適応となっている。
その他の血漿中トリグリセライド濃度を低下させる薬剤としては、フィブラート系薬剤の作用機序であるペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR;Peroxisome Proliferator-Activated Receptor)α活性化作用に着目し、創製されたものが知られている。例えば、後記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体は、血漿中トリグリセライド濃度低下作用を有することが報告されており、その用途として高脂血症、動脈硬化、糖尿病、糖尿病合併症、炎症、心疾患等が知られている(特許文献3、非特許文献6)。しかし、このフェノキシ酪酸誘導体とスタチン類との組み合わせが血中脂質にどのような影響を及ぼすかについては、これまで知られていない。
また、糖尿病は、糖代謝の異常によって血糖値が病的に高まることによって、「大血管合併症」すなわち、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、脳梗塞および閉塞性動脈硬化症の他、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等、様々な特徴的な合併症をきたす危険性のある疾患である。糖尿病治療薬として、インスリン、スルフォニルウレア剤(SU薬)、ビグアナイド剤(BG薬)、αグルコシダーゼ阻害剤(αGI薬)、チアゾリジン系誘導体(TZD薬)などが知られている。しかし、フェノキシ酪酸誘導体とスタチン類との組み合わせが血糖値にどのような影響を及ぼすかについては、これまで知られていない。
また、メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積によりインスリン抵抗性(インスリンの働きの低下)が生じ、糖代謝異常(耐糖能異常、糖尿病)、脂質代謝異常(高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症)、高血圧などの動脈硬化の危険因子が、一個人に集積している状態である。たとえ一つひとつの危険因子の程度が軽くても、重複して存在すると動脈硬化性疾患の発症が相乗的に増加する為、高コレステロールに匹敵する強力な危険因子として、近年、世界的に注目されている。各危険因子を治療する薬剤は各種製造されているが、メタボリックシンドロームの治療薬として認可された薬剤は未だない。
特開平1−279866号公報 米国特許第6511985号 国際公開第WO2005/023777号パンフレット J. Clin. Therap. Med., 17, 857-883(2001) Atherosclerosis, 124, 103-117(1996) J. Lipid. Res., 39, 75-84(1998) Biochim. Biophys. Acta, 1254, 7-12(1995) Diabetes Care, 25, 1198-1202(2002) J. Pharmacol. Sci., 103 suppl.I, 244P(2007)
本発明は、血漿中のコレステロール濃度及びトリグリセライド濃度を低下させる効果の優れた高脂血症の予防及び/又は治療剤を提供することを目的とする。さらに、本発明は、肥満や糖尿病の予防及び/又は治療剤、並びにメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、鋭意研究した結果、スタチン類、特にピタバスタチン類と後記する一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩とを併用すると、血漿中のコレステロール濃度及びトリグリセライド濃度の両方を下げる効果に優れ、高脂血症の治療に有用であることを見出し、本発明を完成した。さらに、上記薬剤は、肥満や糖尿病の予防及び/又は治療剤、並びにメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤として有用であることをも見出した。
すなわち、本発明は、次の一般式(1)
Figure 2008120472
(式中、R及びRは同一又は異なって水素原子、メチル基又はエチル基を示し;Ra、Rb、Ra及びRbは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、C1−4アルキル基、トリフルオロメチル基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、C1−4アルキルスルフォニルオキシ基、C1−4アルキルスルフォニル基、C1−4アルキルスルフィニル基、又はC1−4アルキルチオ基を示すか、
aとRbあるいはRaとRbが結合してアルキレンジオキシ基を示し;Xは酸素原子、硫黄原子又はN−R(Rは水素原子、C1−4アルキル基、C1−4アルキルスルフォニル基、C1−4アルキルオキシカルボニル基を示す)を示し;Yは酸素原子、S(O)基(lは0〜2の数を示す)、カルボニル基、カルボニルアミノ基、アミノカルボニル基、スルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、又はNH基を示し;ZはCH又はNを示し;nは1〜6の数を示し;mは2〜6の数を示す。)
で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなる高脂血症の予防及び/又は治療剤、肥満や糖尿病の予防及び/又は治療剤、並びにメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤を提供するものである。
本発明をより詳細に説明すれば次のとおりとなる。
(1)前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなる高脂血症の予防・治療剤。
(2)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(1)に記載の高脂血症の予防・治療剤。
(3)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(1)又は(2)に記載の高脂血症の予防・治療剤。
(4)高脂血症が、家族性高脂血症である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の高脂血症の予防・治療剤。
(5)前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなる糖尿病の予防・治療剤。
(6)一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(5)に記載の糖尿病の予防・治療剤。
(7)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(5)又は(6)に記載の糖尿病の予防・治療剤。
(8)前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなるメタボリックシンドロームの予防・治療剤。
(9)一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(8)に記載のメタボリックシンドロームの予防・治療剤。
(10)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(8)又は(9)に記載のメタボリックシンドロームの予防・治療剤。
(11)前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類、並びに製薬上許容される担体を含有してなる高脂血症を予防・治療するための医薬組成物。
(12)前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及び製薬上許容される担体を含有してなる医薬組成物、並びに、スタチン類及び製薬上許容される担体を含有してなる医薬組成物、を組み合わせてなる高脂血症を予防・治療をするための医薬組成物。
(13)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(11)又は(12)に記載の高脂血症を予防・治療するための医薬組成物。
(14)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(11)〜(13)のいずれかに記載の高脂血症を予防・治療するための医薬組成物。
(15)高脂血症が、家族性高脂血症である前記(11)〜(14)のいずれかに記載の高脂血症を予防・治療するための医薬組成物。
(16)高脂血症の患者に、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなる高脂血症の予防・治療剤の有効量を投与することからなる、患者の高脂血症を予防・治療する方法。
(17)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(16)に記載の患者の高脂血症を予防・治療する方法。
(18)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(16)又は(17)に記載の患者の高脂血症を予防・治療する方法。
(19)高脂血症が、家族性高脂血症である前記(16)〜(18)のいずれかに記載の患者の高脂血症を予防・治療する方法。
(20)高脂血症を予防・治療するための医薬組成物を製造するための、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類の使用。
(21)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(20)に記載の使用。
(22)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(20)又は(21)に記載の使用。
(23)高脂血症が、家族性高脂血症である前記(20)〜(22)のいずれかに記載の使用。
(24)スタチン類と組み合わせて使用される高脂血症の予防・治療のための前記一般式(1)で表される化合物又はその塩。
(25)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(24)に記載の予防・治療のための化合物又はその塩。
(26)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(24)又は(25)に記載の予防・治療のための化合物又はその塩。
(27)高脂血症が、家族性高脂血症である前記(24)〜(26)のいずれかに記載の予防・治療のための化合物又はその塩。
(28)前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類、並びに製薬上許容される担体を含有してなる糖尿病を予防・治療するための医薬組成物。
(29)前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及び製薬上許容される担体を含有してなる医薬組成物、並びに、スタチン類及び製薬上許容される担体を含有してなる医薬組成物、を組み合わせてなる糖尿病を予防・治療をするための医薬組成物。
(30)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(28)又は(29)に記載の糖尿病を予防・治療するための医薬組成物。
(31)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(28)〜(30)のいずれかに記載の糖尿病を予防・治療するための医薬組成物。
(32)糖尿病の患者に、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなる糖尿病の予防・治療剤の有効量を投与することからなる、患者の糖尿病を予防・治療する方法。
(33)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(32)に記載の患者の糖尿病を予防・治療する方法。
(34)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(32)又は(33)に記載の患者の糖尿病を予防・治療する方法。
(35)糖尿病を予防・治療するための医薬組成物を製造するための、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類の使用。
(36)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(35)に記載の使用。
(37)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(35)又は(36)に記載の使用。
(38)スタチン類と組み合わせて使用される糖尿病の予防・治療のための前記一般式(1)で表される化合物又はその塩。
(39)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(38)に記載の予防・治療のための化合物又はその塩。
(40)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(38)又は(39)に記載の予防・治療のための化合物又はその塩。
(41)前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類、並びに製薬上許容される担体を含有してなるメタボリックシンドロームを予防・治療するための医薬組成物。
(42)前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及び製薬上許容される担体を含有してなる医薬組成物、並びに、スタチン類及び製薬上許容される担体を含有してなる医薬組成物、を組み合わせてなるメタボリックシンドロームを予防・治療をするための医薬組成物。
(43)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(41)又は(42)に記載のメタボリックシンドロームを予防・治療するための医薬組成物。
(44)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(41)〜(43)のいずれかに記載のメタボリックシンドロームを予防・治療するための医薬組成物。
(45)メタボリックシンドロームの患者に、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなるメタボリックシンドロームの予防・治療剤の有効量を投与することからなる、患者のメタボリックシンドロームを予防・治療する方法。
(46)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(45)に記載の患者のメタボリックシンドロームを予防・治療する方法。
(47)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(45)又は(46)に記載の患者のメタボリックシンドロームを予防・治療する方法。
(48)メタボリックシンドロームを予防・治療するための医薬組成物を製造するための、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩、及びスタチン類の使用。
(49)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(48)に記載の使用。
(50)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(48)又は(49)に記載の使用。
(51)スタチン類と組み合わせて使用されるメタボリックシンドロームの予防・治療のための前記一般式(1)で表される化合物又はその塩。
(52)前記一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である前記(51)に記載の予防・治療のための化合物又はその塩。
(53)スタチン類が、ピタバスタチン類である前記(51)又は(52)に記載の予防・治療のための化合物又はその塩。
本発明の高脂血症の予防及び/又は治療剤は、両薬剤を組み合わせることにより血漿中のコレステロール濃度及びトリグリセライド濃度を下げる効果に優れ、既存の薬剤による治療に抵抗性を示す家族性高脂血症等の脂質代謝異常症の治療や予防にも有効である。さらに、肥満や糖尿病の予防及び/又は治療、並びにメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療にも有効である。
図1は、血漿中総コレステロール濃度に対する薬剤の効果を示すグラフである。 図2は、血漿中トリグリセライド濃度に対する薬剤の効果を示すグラフである。 図3は、経口ブドウ糖負荷試験における血糖値の増加に対する薬剤の効果を示すグラフである。
本発明におけるスタチン類としては、コレステロール生合成の律速酵素であるHMG−CoA(HMG−CoA:3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA)還元酵素を阻害する作用を有する薬剤(スタチン)が挙げられ、例えば、シンバスタチン(Simvastatin:米国特許第4,444,784号)、プラバスタチン(Pravastatin:米国特許第4,346,227号)、セリバスタチン(Cerivastatin:米国特許第5,177,080号)、ピタバスタチン(米国特許第5856336号、特開平1−279866号公報)などが挙げられる。好ましいスタチン類としてはピタバスタチン類が挙げられる。
本発明で使用するピタバスタチン類としては、ピタバスタチン若しくはその塩、又はそれらのラクトン体を包含し、さらに、これらの水和物、医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も包含される。ピタバスタチン類は、HMG−CoA還元酵素阻害に基づくコレステロール合成阻害活性を有し、高脂血症治療薬として知られている。ピタバスタチンの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;フェネチルアミン塩等の有機アミン塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、ピタバスタチン類としては、ピタバスタチンの塩が好ましく、特にカルシウム塩、ナトリウム塩が好ましい。
ピタバスタチン類は、米国特許第5856336号、特開平1−279866号公報に記載の方法により製造することができる。
本発明で使用する前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩は、国際公開第WO2005/023777号パンフレットに記載の方法により製造することができる。一般式(1)におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、アルキル基としては、メチル基やエチル基などの炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基やエトキシ基などの炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。また、炭素数1〜4のアルキルカルボニルオキシ基、ジ−(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、炭素数1〜4のアルキルスルフォニルオキシ基、炭素数1〜4アルキルスルフォニル基、炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、及び炭素数1〜4のアルキルオキシカルボニル基における炭素数1〜4のアルキル基としては、前記したアルキル基が挙げられる。RaとRb、又はRaとRbとが結合して一緒になってアルキレンジオキシ基を示す場合としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキレン基の両末端に酸素原子が結合したアルキレンジオキシ基が挙げられる。また、n及びmはメチレン基の長さを示す数であり整数である。
一般式(1)における好ましいR基としては炭素数1〜4、好ましくは2〜4のアルキル基が挙げられ、好ましいR基としては水素原子が挙げられ、好ましいRa基とRb基としては水素原子が挙げられ、好ましいRaとしては炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルコキシ基が挙げられ、好ましいRb基としては水素原子が挙げられる。好ましいX基としては酸素原子が挙げられ、好ましいY基としては酸素原子が挙げられ、好ましいZ基としてはCH、即ちベンゼン環である場合が挙げられる。このうち、2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩が好ましく、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸が特に好ましい。
本発明は、スタチン類と前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩とを組み合わせて投与するものであって、後記実施例に示すように、ラットにおいて、それぞれ単独で投与した場合に比べ、スタチン類としてピタバスタチン類を使用し、これと前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩との併用は、血漿中の総コレステロール濃度、LDL−コレステロール濃度及びトリグリセライド濃度を強力に下げる作用を有する。特に、血漿中総コレステロール濃度及びLDL−コレステロール濃度を強力に低下させるという、特筆すべき効果を奏する。また、スタチン類の単独投与では著効を示さない患者における、両薬の併用による効果が優れている。従って、本発明の高脂血症の予防及び/又は治療剤は、高脂血症の治療、とりわけ血漿中コレステロール濃度及びトリグリセライド濃度のいずれもが高値を示すIIb型及びIV型高脂血症、並びに既存の薬剤による治療に抵抗性を示す家族性高脂血症等の脂質代謝異常症の治療にも有効である。さらに、血漿中トリグリセライド濃度が著しく高く、高コレステロール血症、高血糖、高インスリン血症及び肥満を呈する動物であるZucker fattyラットに対して、ピタバスタチン類と前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩との併用投与は、それぞれの単独投与に比べて著明な血漿中トリグリセライド濃度低下作用を示すことからも、本発明の高脂血症の予防及び/又は治療剤の有用性が支持される。また、Zucker fattyラットに対して、ピタバスタチン類と前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩との併用投与は、血糖値の増加抑制作用を示すことから、本発明の糖尿病の予防及び/又は治療剤は、糖尿病の治療にも有効である。
さらに、ピタバスタチン類と前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩との併用投与は、メタボリックシンドロームの危険因子とされている内臓脂肪過多、糖代謝異常、及び脂質代謝異常に関して有効であることがわかった。すなわち、本発明により提供される薬剤が、Zucker fattyラットのような内臓肥満が過多に蓄積したモデル動物において、糖代謝異常すなわち耐糖能異常、脂質代謝異常すなわち高トリグリセライド血症を改善したのであるから、メタボリックシンドロームに対しても優れた効果が奏されることになる。
本発明の薬剤におけるスタチン類及び前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩の投与形態は、患者の状態等に応じて適宜選択でき、例えば散剤、顆粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤等のいずれでもよく、これらの投与形態は、スタチン類及び前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩に薬学的に許容される担体を配合し、当業者に公知慣用の製造方法により製造できる。また、スタチン類、特にピタバスタチン類を含有する製剤と、前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩を含有してなる製剤をそれぞれ投与することもできる。
このような製剤として経口用固形製剤を調製する場合は、賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えば、賦形剤としては乳糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、微結晶セルロース、珪酸等を;結合剤としては水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ゼラチン液、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等を;崩壊剤としてはカンテン末、炭酸水素ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等を;滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を;着色剤としてはβ−カロチン、黄色三二酸化鉄、カルメラ等を;矯味剤としては白糖、橙皮等を例示できる。
経口用液体製剤を調製する場合は、矯味剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えば矯味剤としては白糖等を;緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム等を;安定化剤としてはトラガント等を;保存剤としてはパラオキシ安息香酸エステル等を例示できる。
注射剤を調製する場合は、pH調製剤、安定化剤、等張化剤を添加し、常法により皮下、筋肉及び静脈内注射剤を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されているものでよく、例えばpH調節剤としてはリン酸ナトリウム等を;安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム等を;等張化剤としては塩化ナトリウム等を例示できる。
本発明の薬剤の使用形態は、スタチン類、特にピタバスタチン類と前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩とを組み合わせて用い、両薬の投与による相乗的な高脂血症、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの予防及び/又は治療効果が得られる形態であれば特に限定されない。スタチン類、特にピタバスタチン類と前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩は、同時に投与しても良いし、間隔を置いて別々に投与しても良い。すなわち、スタチン類、特にピタバスタチン類及び前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩は、両薬を単一製剤化するか又は両薬を別々に製剤化してセット(キット)として使用してもよい。
本発明において、両薬を単一製剤として投与する場合、スタチン類、特にピタバスタチン類と前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩の配合比は、例えば、スタチン類がピタバスタチン類の場合には、質量比で1:3〜2000:1の範囲、さらに1:2〜100:1の範囲であることが、特に優れた相乗効果が得られる点から好ましい。
また、本発明において、両薬を別々に製剤化する場合、スタチン類、特にピタバスタチン類を含有する製剤は、前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩と併用投与される高脂血症、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤として提供され、一方、前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩を含有する製剤は、スタチン類、特にピタバスタチン類と併用投与される高脂血症、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤として提供される。両薬の剤型は同一でもよく、異なっていてもよい。また、各成分の投与回数は異なっても良い。
さらに、本発明において、両薬の投与量は、有効量であればよく、症状により適宜選択されるが、例えば、スタチン類としてピタバスタチン類を使用する場合には、ピタバスタチン類は1日当り0.01〜50mg、好ましくは0.1〜20mg、さらに好ましくは1〜10mg投与するのがよく、前記一般式(1)で表されるフェノキシ酪酸誘導体又はその塩は1日当り0.0001〜1000mg、好ましくは0.001〜100mg投与するのがよい。また、投与は1日1回でもよいが、2回以上に分けて投与してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸(以下、化合物Aと表記する)とピタバスタチンカルシウム水和物(10.5質量%の水分を含有。以下ピタバスタチンと表記する)とを投与したときの血漿中総コレステロール濃度等に対する効果を、次法に従って測定した。
1.供試動物及び飼育環境
Sprague Dawley系雄性ラット(Crl:CD(SD)、日本チャールス・リバー(株)、6週齢)を供試した。
実験期間を通じて、明暗サイクル(室内光による明るい期間:午前7時〜午後7時)、温度23±3℃、湿度55±15%に維持された飼育室で飼育し、固形飼料(CE−2;オリエンタル酵母工業(株))及び水道水を自由摂取させた。
2.薬物調製
化合物A及びピタバスタチンのそれぞれを、メチルセルロース(メトローズ(登録商標)、SM-400、信越化学工業(株))の0.5質量%水溶液に懸濁し、該水溶液の投与量が2mL/kgになるように調製した。懸濁液は遮光ビンにて冷蔵(4℃)保存し、調製は7日ごとに行った。なお、本実施例のようにピタバスタチンが水和物である場合には、当業者に周知慣用な方法で標品の含水量を測定し、本実施例に用いた「ピタバスタチンカルシウム水和物」の含水量を基に薬物調製に必要な量を算出できる。
3.試験方法
ラットを血漿中総コレステロール濃度及びトリグリセライド濃度が平均化されるように、以下の4群(各群8匹)、すなわち、第1群として対照群、第2群としてピタバスタチン単独投与(10mg/kg)群、第3群として化合物A単独投与(0.3mg/kg)群、第4群としてピタバスタチン(10mg/kg)及び化合物A(0.3mg/kg)の併用投与群に群分けした。
両薬剤は、1日1回(午前中)に14日間反復経口投与した。第1群の対照群には、メチルセルロース0.5質量%水溶液2mL/kgを経口投与した。
投与開始から7日目及び14日目に、投与より4時間絶食した後、採血を行い、血漿中の総コレステロール濃度、トリグリセライド濃度を酵素法により測定した。さらに、Usuiらの方法(Lipid Res. 43:805-814, 2002)に従い、高速液体クロマトグラフィーを用いて血漿中LDL−コレステロール濃度を測定した。
4.統計解析及びデータ処理法
結果は、平均値±標準誤差で表した。対照群と薬物投与群間の多群比較は、Dunnettの多重比較検定を用いて行い、危険率5%未満を有意差ありと判定した。
5.試験結果
図1及び表1に投与から1週間後の血漿中の総コレステロール濃度を示す。図1の縦軸は総コレステロール濃度(mg/dL)を示し、横軸は左側から第1群の対照群、第2群のピタバスタチン単独投与(10mg/kg)群、第3群の化合物A単独投与(0.3mg/kg)群、及び第4群のピタバスタチン(10mg/kg)及び化合物A(0.3mg/kg)の併用投与群である。図1中の**印はp<0.01で有意差があることを示している。
Figure 2008120472
この結果、血漿中の総コレステロール濃度は、化合物A単独投与群及びピタバスタチン単独投与群では低下傾向(対照群への相対指数はそれぞれ、0.903及び0.792)を示すに過ぎなかった。これに対して、両薬物の併用投与群ではピタバスタチン単独投与群に比べ、大幅に血漿中総コレステロール濃度が低下し、対照群と比較し、危険率p<0.01(表1中の**印参照)で明らかな血漿中総コレステロール濃度低下作用を示した。さらに、この結果をバルジの方法にて検討したところ、併用投与群の相対指数(0.713)は、各単独投与群の相対指数の積(0.715=0.903×0.792)よりも小さく、併用投与による相乗効果が認められた。
つぎに、投与から1週間後の血漿中LDL−コレステロール濃度における薬剤併用投与の効果について検討した。この結果を次の表2に示す。
Figure 2008120472
この結果、ピタバスタチン単独投与群は対照群と差がなく(0.974)、スタチン類の単独投与では低下作用は見られなかった。しかし、化合物A単独投与群及び両薬物の併用投与群で有意な低下作用が認められた(p<0.01(表2中の**印参照))。さらに、両薬物の併用投与群では化合物A単独投与群に比べ、大幅に血漿中LDL−コレステロール濃度が低下し、対照群と比較し、危険率p<0.001(表2中の***印参照)で明らかな血漿中LDL−コレステロール濃度低下作用を示した。この作用を上述のバルジの方法にて検討したところ、併用投与群の相対指数(0.621)は、各単独投与群の相対指数の積(0.680=0.974×0.698)よりも小さく、併用投与による相乗効果が認められた。この作用機序は明らかではないが、HMG−CoAリダクターゼに抵抗性を示す病態動物で、本発明による薬剤が、血漿中総コレステロール濃度並びにLDL−コレステロール濃度を強力に低下させたことは、特筆すべき効果である。
さらに、投与開始から2週間後における血漿中の総コレステロール濃度及びトリグリセライド濃度についても検討した。結果を次の表3に示す。
Figure 2008120472
この結果、ピタバスタチン単独投与群は対照群と差がなく(0.997)、スタチン類の単独投与では血漿中総コレステロール濃度に対して効果は見られなかった。しかし、化合物A単独投与群及び両薬物の併用投与群で有意な低下作用が認められた(p<0.05(表3中の*印参照))。さらに、両薬物の併用投与群ではピタバスタチン単独投与群に比べ、大幅に血漿中総コレステロール濃度が低下し、対照群と比較し、危険率p<0.01(表3中の**印参照)で明らかな血漿中総コレステロール濃度低下作用を示した。この作用を上述のバルジの方法にて検討したところ、併用投与群の相対指数(0.681)は、各単独投与群の相対指数の積(0.750=0.997×0.752)よりも小さく、併用投与による相乗効果が認められた。
血漿中トリグリセライド濃度についても、同様に検討した。結果を次の表4に示す。
Figure 2008120472
この結果、化合物A単独投与群及びピタバスタチン単独投与群では低下傾向(対照群に相対指数はそれぞれ、0.942及び0.806)を示すに過ぎなかった。これに対して、両薬物の併用投与群ではピタバスタチン単独投与群に比べ、大幅に血漿中トリグリセライド濃度が低下し、対照群と比較し、危険率p<0.05(表4中の*印参照)で明らかな血漿中トリグリセライド濃度低下作用を示した。この作用を上述のバルジの方法にて検討したところ、併用投与群の相対指数(0.736)は、各単独投与群の相対指数の積(0.759=0.942×0.806)よりも小さく、併用投与による相乗効果が認められた。
以上のデータが示すように、両薬剤の併用投与により、相乗的な血漿中の総コレステロール濃度、LDL−コレステロール濃度及びトリグリセライド濃度の低下作用が確認され、本発明の薬剤が既存のHMG−CoAリダクターゼによる治療に抵抗性を示す病態においても極めて有効な予防・治療作用が確認された。
Zucker fattyラットは、血漿中トリグリセライド濃度が著しく高く、その他、高コレステロール血症、高血糖、高インスリン血症及び肥満を呈する動物であり、高脂血症治療薬、肥満治療薬の薬理評価モデルとして使用されている。Zucker fattyラットの血漿中トリグリセライド濃度に対し、スタチンは20%〜26%の低下作用を示す一方、クロフィブラートおよびフェノフィブラートは低下作用を示さないことが報告されている(Atherosclerosis, 74, 15-21(1988)、Atherosclerosis, 29, 269-275(1978))。フェノフィブラートは、実施例1で使用したモデル動物ではトリグリセライド濃度低下作用を示すことが知られていることから、Zucker fattyラットは高脂血症治療薬に対して高度に抵抗性を示すモデル動物であるといえる。本モデル動物に化合物Aとピタバスタチンとを投与したときの血漿中トリグリセライド濃度に対する効果を、次法に従って測定した。
1.供試動物及び飼育環境
雄性Zucker fattyラット(Crlj:ZUC-Leprfa、日本チャールス・リバー(株)、10週齢)を供試した。
実験期間を通じて、明暗サイクル(室内光による明るい期間:午前7時〜午後7時)、温度23±3℃、湿度55±15%に維持された飼育室で飼育し、固形飼料(CE−2;オリエンタル酵母工業(株))及び水道水を自由摂取させた。
2.薬物調製
化合物A、ピタバスタチン及びフェノフィブラート(SIGMA(株))のそれぞれを、メチルセルロース(メトローズ(登録商標)、SM-400、信越化学工業(株))の0.5質量%水溶液に懸濁し、該水溶液の投与量が2mL/kgになるように調製した。懸濁液は遮光ビンにて冷蔵(4℃)保存し、調製は7日ごとに行った。なお、本実施例のようにピタバスタチンが水和物である場合には、当業者に周知慣用な方法で標品の含水量を測定し、本実施例に用いた「ピタバスタチンカルシウム水和物」の含水量を基に薬物調製に必要な量を算出した。
3.試験方法
ラットを血漿中総コレステロール濃度及びトリグリセライド濃度が平均化されるように、以下の6群(各群8匹)、すなわち、第1群として対照群、第2群として化合物A単独投与(0.1mg/kg)群、第3群としてピタバスタチン単独投与(10mg/kg)群、第4群としてフェノフィブラート単独投与(100mg/kg)群、第5群としてピタバスタチン(10mg/kg)及び化合物A(0.1mg/kg)の併用投与群、第6群としてピタバスタチン(10mg/kg)及びフェノフィブラート(100mg/kg)の併用投与群に群分けした。
両薬剤は、1日1回(午前中)に14日間反復経口投与した。第1群の対照群には、メチルセルロース0.5質量%水溶液2mL/kgを経口投与した。
投与開始から14日目に、投与より4時間絶食した後、採血を行い、血漿中のトリグリセライド濃度を酵素法により測定した。
4.統計解析及びデータ処理法
結果は、平均値±標準誤差で表した。対照群と薬物投与群間の多群比較は、Dunnettの多重比較検定を用いて行い、危険率5%未満を有意差ありと判定した。
5.試験結果
表5及び図2に投与から2週間後の血漿中のトリグリセライド濃度を示す。図2の縦軸はトリグリセライド濃度(mg/dL)を示し、横軸は左側から第1群の対照群、第2群の化合物A単独投与(0.1mg/kg)群、第3群のピタバスタチン単独投与(10mg/kg)群、第4群のフェノフィブラート単独投与(100mg/kg)群、第5群のピタバスタチン(10mg/kg)及び化合物A(0.1mg/kg)の併用投与群、第6群のピタバスタチン(10mg/kg)及びフェノフィブラート(100mg/kg)の併用投与群に群分けした。図2中の*印はp<0.05で有意差があることを示している。
Figure 2008120472
血漿中トリグリセライド濃度に対して、化合物Aとフェノフィブラートの単独投与群では、ほぼ同等の低下率(それぞれ20%と16%)が認められた。ピタバスタチン単独投与群では、6%の低下率であった。これに対して、化合物Aとピタバスタチンの併用投与群では、著明なトリグリセライド低下作用が認められ、その低下率は43%であり、統計学的にも有意であった。バルジの式により、相乗効果の有無を調べると、両薬物の併用投与群におけるcontrol群に対する相対値(0.566)は、それぞれの単独投与群における相対値の積(0.798×0.943=0.753)と比較して、大幅に低いことから、今回認められた併用投与群における効果が相乗的であることが示された。一方、フェノフィブラートとピタバスタチンの併用投与群では、このような効果は認められなかった。
したがって、本発明の薬剤は、既存の発明ではほとんど効果を示さない症例においても極めて優れた脂質低下作用を発揮することが確認された。
実施例2でも述べたように、Zucker fattyラットは高血糖を呈するため、糖尿病に対する薬剤の効果を検討するための動物モデルとして使用されている。糖尿病の検査方法として、経口ブドウ糖負荷試験、すなわち、一晩絶食した被験者にブドウ糖液を経口的に接取させ、その前後に採血して血糖値の増加の程度を検査することが広く行われている。そこで、この動物を用いて、薬剤を投与した後に経口ブドウ糖負荷試験を実施し、本発明薬剤の血糖値に及ぼす影響を調べた。
1.供試動物及び飼育環境
雄性Zucker fattyラット(Crlj:ZUC-Leprfa、日本チャールス・リバー(株)、9週齢)を供試した。
実験期間を通じて、明暗サイクル(室内光による明るい期間:午前7時〜午後7時)、温度23±3℃、湿度55±15%に維持された飼育室で飼育し、固形飼料(CE−2;オリエンタル酵母工業(株))及び水道水を自由摂取させた。
2.薬物調製
化合物A、ピタバスタチン及びフェノフィブラート(SIGMA(株))のそれぞれを、メチルセルロース(メトローズ(登録商標)、SM-400、信越化学工業(株))の0.5質量%水溶液に懸濁し、該水溶液の投与量が2mL/kgになるように調製した。懸濁液は遮光ビンにて冷蔵(4℃)保存し、調製は7日ごとに行った。なお、本実施例のようにピタバスタチンが水和物である場合には、当業者に周知慣用な方法で標品の含水量を測定し、本実施例に用いた「ピタバスタチンカルシウム水和物」の含水量を基に薬物調製に必要な量を算出した。
3.試験方法
ラットを血漿中総コレステロール濃度及びトリグリセライド濃度が平均化されるように、以下の6群(各群8匹)、すなわち、第1群として対照群、第2群として化合物A単独投与(0.3mg/kg)群、第3群としてピタバスタチン単独投与(3mg/kg)群、第4群としてフェノフィブラート単独投与(100mg/kg)群、第5群としてピタバスタチン(3mg/kg)及び化合物A(0.1mg/kg)の併用投与群、第6群としてピタバスタチン(3mg/kg)及びフェノフィブラート(100mg/kg)の併用投与群に群分けした。
両薬剤は、1日1回(午前中)に28日間反復経口投与した。第1群の対照群には、メチルセルロース0.5質量%水溶液2mL/kgを経口投与した。
投与開始から28日目に、一晩絶食した動物に薬物を投与し、1時間後に経口ブドウ糖負荷試験を行い、血糖値を酵素法により測定した。
4.統計解析及びデータ処理法
結果は、平均値±標準誤差で表した。対照群と薬物投与群間の多群比較は、Dunnettの多重比較検定を用いて行い、危険率5%未満を有意差ありと判定した。
5.試験結果
図3Aに経口ブドウ糖負荷試験における血糖値増加率の経時変化を、また、図3Bに対照群の血糖値が最大値を示すブドウ糖負荷30分後における血糖値の増加量を示す。図3Aの縦軸は血糖値の増加率(%)を示し、横軸はブドウ糖負荷からの時間(分)を示す。図3Bの縦軸は血糖値の増加率(%)を示し、横軸は左側から第1群の対照群、第2群の化合物A単独投与(0.3mg/kg)群、第3群のピタバスタチン単独投与(3mg/kg)群、第4群のフェノフィブラート単独投与(100mg/kg)群、第5群のピタバスタチン(3mg/kg)及び化合物A(0.3mg/kg)の併用投与群、第6群のピタバスタチン(3mg/kg)及びフェノフィブラート(100mg/kg)の併用投与群である。図3Aおよび図3B中の*印はp<0.05で有意差があることを示している。
経口ブドウ糖負荷試験を実施した日における対照群の空腹時血糖値は153.0±4.6mg/dLであった。なお、各投与群の間に差はなかった。図3Aに示すように、ブドウ糖を負荷することにより、対照群、化合物A単独投与群、ピタバスタチン単独投与群、フェノフィブラート単独投与群、ピタバスタチン及びフェノフィブラートの併用投与群については、血糖値が速やかに増加した。これに対して、ピタバスタチン及び化合物Aの併用投与群では、血糖値の上昇が著明に抑制されていた。図3Bに示すように、対照群の血糖値が最大となるブドウ糖負荷30分後の血糖値の増加率に注目する時、薬剤単独投与群ではいずれの群においても対照群と全く差が認められなかったが、ピタバスタチン及び化合物Aの併用投与群では、血糖値の上昇が著明に抑制されていた。なお、この時点において、ピタバスタチン及びフェノフィブラートの併用投与群で僅かに血糖値の増加が抑制されていた。
したがって、本発明により創造された薬剤は、糖尿病に対しても極めて優れた効果を発揮することが証明された。
さらに、メタボリックシンドロームの危険因子、内臓脂肪過多、糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧に関して、実施例2および実施例3の結果を総合して考察すると、前3者について有効であることが示唆される。すなわち、本発明により提供される薬剤が、Zucker fattyラットのような内臓肥満が過多に蓄積したモデル動物において、糖代謝異常すなわち耐糖能異常、脂質代謝異常すなわち高トリグリセライド血症を改善したのであるから、メタボリックシンドロームに対して優れた効果が期待できる。
本発明は、血漿中の総コレステロール濃度、LDL−コレステロール濃度、トリグリセライド濃度及び血糖値を強力に下げる、特にLDL−コレステロール濃度を強力に低下させる作用を有する薬剤を提供するものであり、特に本発明の薬剤はスタチン類の単独投与では著効を奏さない病態に対して極めて有効な薬剤を提供するものであり、製薬産業において有用であり、産業上の利用可能性を有している。

Claims (10)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 2008120472
    (式中、R及びRは同一又は異なって水素原子、メチル基又はエチル基を示し;Ra、Rb、Ra及びRbは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、C1−4アルキル基、トリフルオロメチル基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、C1−4アルキルスルフォニルオキシ基、C1−4アルキルスルフォニル基、C1−4アルキルスルフィニル基、又はC1−4アルキルチオ基を示すか、
    aとRbあるいはRaとRbが結合してアルキレンジオキシ基を示し;Xは酸素原子、硫黄原子又はN−R(Rは水素原子、C1−4アルキル基、C1−4アルキルスルフォニル基、C1−4アルキルオキシカルボニル基を示す)を示し;Yは酸素原子、S(O)基(lは0〜2の数を示す)、カルボニル基、カルボニルアミノ基、アミノカルボニル基、スルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、又はNH基を示し;ZはCH又はNを示し;nは1〜6の数を示し;mは2〜6の数を示す。)
    で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなる高脂血症の予防及び/又は治療剤。
  2. 一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である請求項1記載の高脂血症の予防及び/又は治療剤。
  3. スタチン類が、ピタバスタチン類である請求項1又は2記載の高脂血症の予防及び/又は治療剤。
  4. 高脂血症が家族性高脂血症である、請求項1〜3のいずれか1項記載の高脂血症の予防及び/又は治療剤。
  5. 次の一般式(1)
    Figure 2008120472
    (式中、R及びRは同一又は異なって水素原子、メチル基又はエチル基を示し;Ra、Rb、Ra及びRbは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、C1−4アルキル基、トリフルオロメチル基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、C1−4アルキルスルフォニルオキシ基、C1−4アルキルスルフォニル基、C1−4アルキルスルフィニル基、又はC1−4アルキルチオ基を示すか、
    aとRbあるいはRaとRbが結合してアルキレンジオキシ基を示し;Xは酸素原子、硫黄原子又はN−R(Rは水素原子、C1−4アルキル基、C1−4アルキルスルフォニル基、C1−4アルキルオキシカルボニル基を示す)を示し;Yは酸素原子、S(O)基(lは0〜2の数を示す)、カルボニル基、カルボニルアミノ基、アミノカルボニル基、スルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、又はNH基を示し;ZはCH又はNを示し;nは1〜6の数を示し;mは2〜6の数を示す。)
    で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなる糖尿病の予防及び/又は治療剤。
  6. 一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である請求項5記載の糖尿病の予防及び/又は治療剤。
  7. スタチン類が、ピタバスタチン類である請求項5又は6記載の糖尿病の予防及び/又は治療剤。
  8. 次の一般式(1)
    Figure 2008120472
    (式中、R及びRは同一又は異なって水素原子、メチル基又はエチル基を示し;Ra、Rb、Ra及びRbは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、C1−4アルキル基、トリフルオロメチル基、C1−4アルコキシ基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、C1−4アルキルスルフォニルオキシ基、C1−4アルキルスルフォニル基、C1−4アルキルスルフィニル基、又はC1−4アルキルチオ基を示すか、
    aとRbあるいはRaとRbが結合してアルキレンジオキシ基を示し;Xは酸素原子、硫黄原子又はN−R(Rは水素原子、C1−4アルキル基、C1−4アルキルスルフォニル基、C1−4アルキルオキシカルボニル基を示す)を示し;Yは酸素原子、S(O)基(lは0〜2の数を示す)、カルボニル基、カルボニルアミノ基、アミノカルボニル基、スルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、又はNH基を示し;ZはCH又はNを示し;nは1〜6の数を示し;mは2〜6の数を示す。)
    で表される化合物又はその塩、及びスタチン類とを組み合わせてなるメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤。
  9. 一般式(1)で表される化合物が、(R)−2−[3−[[N−(ベンズオキサゾール−2−イル)−N−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸、又はその塩である請求項8記載のメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤。
  10. スタチン類が、ピタバスタチン類である請求項8又は9記載のメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療剤。
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