JPWO2006090756A1 - 脂質代謝異常、肥満および糖尿病の新規な予防または治療剤およびそのための使用 - Google Patents

脂質代謝異常、肥満および糖尿病の新規な予防または治療剤およびそのための使用 Download PDF

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Abstract

【課題】 脂質代謝異常、肥満および糖尿病に対してより効果的な予防または治療剤およびその使用方法を提供する。【解決手段】 多剤併用療法に着目し、PPARα活性化剤である新規フェニルプロピオン酸誘導体(具体例:(S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸(KRP-101))と抗高脂血症薬であるスタチン系薬剤とを併用または配合させることによりなる医薬を創生し、脂質低下作用を相加的あるいは付加的に増強させることによってより効果的な脂質代謝異常、肥満および糖尿病の予防または治療剤並びにその使用方法を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体[Peroxisome proliferator- activated receptor]α活性化剤(以下、「PPARα活性化剤」と略称する)とスタチン系薬剤とを組み合わせてなる医薬ならびにその使用法に関する。
ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体(PPAR)はステロイド受容体、レチノイド受容体やサイロイド受容体等と同様に核内受容体ス−パ−ファミリーに属するリガンド依存性の転写因子であり、これまでに組織分布を異にする三つのアイソフォーム(α型、β(またはδ)型、γ型)がヒトをはじめ種々の動物種で同定されている(非特許文献1)。これらの受容体に対する各々のリガンドは医薬応用研究が盛んであり、一部は医薬として上市されている。中でもピオグリタゾンに代表されるPPARγ活性化剤は糖尿病治療薬として臨床で使用されている。
一方、PPARαは脂肪酸の異化能の高い肝臓や腎臓等に分布しており、特に肝臓において高発現が認められ(非特許文献2)、脂肪酸の代謝や細胞内輸送に関連する遺伝子(例えばアシルCoA合成酵素、脂肪酸結合タンパク質やリポ蛋白リパーゼ)およびコレステロールや中性脂質の代謝に関連するアポリポ蛋白(AI、AII、CIII)遺伝子の発現を正や負に制御
している。PPARαのノックアウトマウスは加齢に伴い高中性脂肪血症を呈し、白色脂肪細胞の増加を主とした肥満になることが報告されており(非特許文献3)、 PPARαの活性化と血中脂質(コレステロールおよび中性脂質)低下作用との関連が強く示唆されている。
本発明者らは、ヒトPPARαの脂質代謝に関する特異的な役割に着目し、優れたヒトPPARα結合活性並びに転写活性化作用を有し、生体中で脂質低下作用を示す一般式(1)
Figure 2006090756
[式中、R1は炭素数1から4の低級アルキル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、トリフ
ルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、無置換もしくは置換基を有していても良いフェニル基、無置換もしくは置換基を有していても良いフェノキシ基または無置換もしくは置換基を有していても良いベンジルオキシ基を表し、R2は炭素数1から4の低級アルキル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1から3の低級アルキルチオ基、フェニルチオ基またはベンジルチオ基を表し、R3はR2が炭素数1から4の低級アルキル基、2,2,2-トリフルオロエチル基の場合には水素原子または炭素数1から4の低級アルキル基を表し、R2が炭素数1から3の低級アルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1から3の低級アルキルチオ基、フェニルチオ基、ベンジルチオ基の場合には水素原子を表し、R4は炭素数1から3の低級アルコキシ基を表す]で表される置換フェニル
プロピオン酸誘導体を開示した(特許文献1、特許文献2)。
現在、臨床において、脂質代謝異常治療薬には、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補
酵素A(HMG-CoA)還元酵素阻害剤、フィブラート系薬剤、陰イオン交換樹脂およびニコチン系薬剤が用いられている。
HMG-CoAからメバロン酸への変換はコレステロール生合成経路の初期律速段階である。
この段階は酵素HMG-CoA還元酵素により触媒される。スタチン系薬剤はHMG-CoA還元酵素がこの変換を触媒するのを阻害する。スタチン系薬剤は強力なコレステロール低下作用を有するが、トリグリセリド低下作用は必ずしも十分ではない。スタチン系薬剤としては、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、アトルバスタチンカルシウム、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、コンパクチン、ロバスタチン、ダルバスタチン、フルインドスタチン、ジヒドロコンパクチン等の化合物が知られている。HMG-CoA還元酵素阻害剤の副作用には、横紋筋融解症、ミオパシー、CPKの上昇、肝機能障害、肝酵素の上昇がある。
フィブラート系薬剤としては、クロフィブラート、シンフィブラート、クリノフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート、シプロフィブラート、ゲムフィブロジルがあり、副作用として横紋筋融解症、ミオパシー、CPKの上昇、肝機能障害、肝酵素の上
昇がある。今日フィブラート系薬剤はPPARα活性化剤であることが認められているが、その作用は低く、選択性にも乏しい。
陰イオン交換樹脂としては、コレスチラミン、コレスチミドがあり、副作用として便秘、胃・腹部膨満感、肝機能障害があげられる。ニコチン系薬剤には、ニコチン酸、ニコモール、ニセリトール、ニコチン酸トコフェロールがあり、これらの副作用としては、発疹、熱感、紅潮、浮腫、肝機能障害、消化器障害があげられる。
また、スタチン系薬剤とフィブレート系薬剤との併用は急激な横紋筋融解症があらわれやすいため原則として行われない。
血中総コレステロールや血中トリグリセリド値が増加するとともに虚血性心疾患の発症リスクは増加する。虚血性心疾患の発症リスクを低減させるためには、血中コレステロールおよび血中トリグリセリド値に対するコントロールを、従来の治療よりも厳格にする必要があることが指摘されている(非特許文献4)。現在、いずれの抗高脂血症薬でも虚血性心疾患を回避しうると判断される治療目標値まで血中脂質を低下させることは難しく、薬剤療法は未だ満足すべき状況でない。すなわち、いずれの抗高脂血症薬でも、単剤で十分な脂質低下作用を必ずしも得られるわけではなく、より効果的な予防または治療剤もしくは予防または治療法の提供が課題である。単剤で治療目標値に達しない場合は、単剤の増量か併用投与を考えるが、単剤の増量はいずれの抗高脂血症薬でも副作用発現の頻度が高まること、あるいは効果の増強がみられないことが課題である。したがって、このような場合には各種薬剤の効果的な併用または配合が考慮されるべきである。そのため、新規メカニズムを有し、かつ有用な脂質代謝異常の治療および予防に用いられる、より強力な併用または配合の提供が望まれている。
現在、臨床において最も強力な脂質低下薬の一つであるスタチン系薬剤は血中コレステロール値を低下させるが、血中トリグリセリド値に対する低下作用は必ずしも十分ではないことが知られている。ペルオキシゾーム活性化受容体(PPAR)α活性化剤は血中トリグリセリドおよびコレステロール低下作用を有し、その作用メカニズムはコレステロール生合成を阻害して血中コレステロール値を低下させるスタチン系薬剤と異なる。
PPARα活性化剤とスタチン系薬剤との併用や組合わせ療法については既に若干の報告がある。PPARα/γデュアルアゴニストとスタチン系薬剤との併用(特許文献3)、PPARα
活性化作用を有するフィブレート系薬剤を用いたスタチン系薬剤との配合剤(特許文献4)や併用療法(特許文献5)について開示されている。また、PPARαの新規合成アゴニス
トについてもスタチンとの併用効果(特許文献6)について開示がみられる。しかしながら、本発明のPPARα活性化剤とスタチン系薬剤との特定の組合せを有する医薬については知られていなかった。
WO2000/75103パンフレット 特開2001−55367号公報 WO2003/088962パンフレット WO2003/013608パンフレット DE10200138 WO2002/064549パンフレット Proc. Natl. Acad. Sci., 1992, 89, 4653. Endocrinology, 1995, 137, 354. J.Biol.Chem.,1998,273,29577. Third Report of the National Cholesterol Education Program (NCEP) ExpertPanel on Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Cholesterol inAdults (Adult Treatment Panel III) Final Report, 2002
脂質代謝異常では、血中脂質である血中総コレステロールや血中トリグリセリド値が増加するとともに虚血性心疾患の発症リスクが増加する。虚血性心疾患の発症リスクを低減させるためには、血中コレステロールおよびトリグリセリド値に対するコントロールを従来の治療よりも厳格にする必要があることが指摘されている。いずれの抗高脂血症薬でも、血中脂質は低下するが、虚血性心疾患を回避しうると判断される治療目標値まで至るわけではなく、未だ満足すべき状況でない。すなわち、いずれの抗高脂血症薬でも、単剤で十分な脂質低下作用を必ずしも得られるわけではなく、より効果的な予防または治療剤もしくは予防または治療法の提供が課題である。単剤で治療目標値に達しない場合は、単剤の増量か併用投与を考えるが、単剤の増量はいずれの抗高脂血症薬でも副作用発現の頻度が高まること、あるいは効果の増強がみられないことが課題である。このような場合には各種薬剤の効果的な併用または配合が考慮されるべきであり、新規かつ有用な脂質代謝異常の治療および予防に用いられる強力な併用または配合の提供が望まれている。すなわち、従来の薬剤とは異なる作用メカニズムにより血中コレステロールおよびトリグリセリド値を低下させ、従来の薬剤と併用することができる薬剤の開発が強く望まれている。
そこで本発明者らは新たに開発されたPPAR α活性化剤である新規フェニルプロピオン
酸誘導体の脂質低下作用に着目し、抗高脂血症薬であるスタチン系薬剤と併用または配合することによって、脂質低下作用を増強させ、脂質代謝異常、肥満および糖尿病に対してより効果的な予防または治療剤の開発を図ろうとするものである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、PPARα活性化剤である新規な置換フェニルプロピオン誘導体とスタチン系薬剤であるプラバスタチン並びにシンバスタチンを併用することで、脂質低下作用が増強することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1) ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤およびスタチン系薬剤とを組み合わせてなる医薬。
2) ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が一般式(1)
Figure 2006090756
[式中、R1は炭素数1から4の低級アルキル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、トリ
フルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、無置換もしくは置換基を有していても良いフェニル基、無置換もしくは置換基を有していても良いフェノキシ基または無置換もしくは置換基を有していても良いベンジルオキシ基を表し、R2は炭素数1から4の低級アルキル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1から3の低級アルキルチオ基、フェニルチオ基またはベンジルチオ基を表し、R3はR2が炭素数1から4の低級アルキル基、2,2,2-トリフルオロエチル基の場合には水素原子または炭素数1から4の低級アルキル基を表し、R2が炭素数1から3の低級アルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1から3の低級アルキルチオ基、フェニルチオ基、ベンジルチオ基の場合には水素原子を表し、R4は炭素数1から3の低級アルコキシ基を表す]で表される置換フェニ
ルプロピオン酸誘導体およびその薬剤上許容される塩並びにその水和物である上記1)記載の医薬。
3) ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が一般式(1a)
Figure 2006090756
[式中、R1、R2およびR4は上記と同じ]で示される置換フェニルプロピオン酸誘導体の光学活性体およびその薬剤上許容される塩並びにその水和物である請求項1記載の医薬。
4) R1がトリフルオロメチル基である上記2)または3)記載の医薬。
5) R1がベンジルオキシ基である上記2)または3)記載の医薬。
6) R1がフェノキシ基である上記2)または3)記載の医薬。
7) R2がエチル基である上記2)または3)記載の医薬。
8) R2がメトキシ基である上記2)または3)記載の医薬。
9) R2がn-プロピル基である上記2)または3)記載の医薬。
10) R1が3-メトキシフェノキシ基である上記2)または3)記載の医薬。
11) R1が4-フルオロフェノキシ基である上記2)または3)記載の医薬。
12) R1が2-メトキシフェノキシ基である請求項2または3記載の医薬。
13) ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が、
1)2-メトキシ-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
2)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
3)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(フェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
4)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
5)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
6)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
7)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
8)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸または
9)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、およびそれらの薬剤上許容される塩並びにその水和物である上記1)記載の医薬。
14)ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が、
1) (S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]カ
ルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
2)(S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[(4-フェノキシフェニル)メチル]カルバモイル]
フェニル]プロピオン酸、
3)(S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
4) (S)-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[(4-フェノキシフェニル)メチル]カルバモイ
ル]フェニル]プロピオン酸、
5)(S)-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
6)(S)-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸または
7)(S)-2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチ
ル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、およびそれらの薬剤上許容される塩並びにそ
の水和物である上記)1に記載の医薬。
15)ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が(S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、およびその薬剤上許容される塩並びにその水和物である請求項1に記載の医薬。
16)スタチン系薬剤がプラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、メバスタチン、フルインドスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、コンパクチンもしくはロバスタチン、またはプラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、メバスタチン、フルインドスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、コンパクチンおよびロバスタチンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の医薬。
17)脂質代謝異常、肥満および糖尿病の予防および治療薬である上記1)記載の医薬。18)ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤とスタチン系薬剤とを組み合わせて使用することを特徴とする脂質代謝異常、肥満および糖尿病の予防および治療のための使用。
19)ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤とスタチン系薬剤とを同時または時間差をおいて使用することを特徴とする脂質代謝異常、肥満および糖尿病の予防および治療のための使用。
本発明は一般式(1)および(1a)で示されるPPARα活性化剤とスタチン系薬剤とを
併用または配合することにより、さらに脂質低下効果を増強させることができ、脂質代謝異常、肥満および糖尿病、それらの合併症の新たな予防・治療方法を提供することができる。さらに症状に応じて、投与量を適時選択すれば、長期間投与しても安定した脂質低下
作用が期待でき、副作用の低減も図ることができる。
本発明は、所定量の一般式(1)およびその光学活性体である一般式(1a)および医
薬的に許容可能なその酸付加塩と、所定量のスタチン系薬剤または医薬的に許容可能なその塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含む医薬組成物とを少なくとも含むことを特徴とする脂質代謝異常治療薬であり、またはその治療薬を投与することを特徴とする脂質代謝異常治療方法である。
一般式(1)および一般式(1a)において、「炭素数1から4の低級アルキル基」とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等、直鎖もしくは分岐した炭素数1から4のものが挙げられる。
「炭素数1から3の低級アルコキシ基」とは、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、プロポキシ等、直鎖もしくは分岐した炭素数1から3のものが挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「炭素数1から3の低級アルキルチオ基」とはメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等直鎖または分岐した炭素数1から3のものが挙げられる。
「無置換または置換基を有していても良いフェニル基、無置換または置換基を有していても良いフェノキシ基、無置換または置換基を有していても良いベンジルオキシ基」で許容される置換基は炭素数1から4の低級アルキル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、ハロゲン原子およびトリフルオロメチル基が挙げられる。
一般式(1)および一般式(1a)の化合物は公知であり、公知の方法(WO2000/75103
、特開2001−55367号)によって製造することができる。
一般式(1)で示される化合物の好適な例示化合物としては、
(1)2-メトキシ-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、(2)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(トリフル
オロメチル)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、(3)2-n-プロピ
ル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(フェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、(4)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]
メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、(5)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
(6)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、 (7)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(3-
メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、(8)2-
エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸または(9)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオ
ロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、およびそれらの
薬剤上許容される塩並びにその水和物が挙げられる。
また、一般式(1a)で示される化合物の好適な例示化合物としては、
(10) (S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、(11)(S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[(4-フェノキシフェニル)メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、(12)(S)-2-エ
チル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]
フェニル]プロピオン酸、(13) (S)-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[(4-フェノキシフェニル)メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、(14)(S)-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、(15)(S)-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸または(16)(S)-2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェ
ニル]プロピオン酸、およびそれらの薬剤上許容される塩並びにその水和物があげられる
。さらに最も好適な化合物としては (S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸(KRP-101)およびその薬剤上許容される塩並びにその水和物が挙げられる。
本発明における一般式(1)および一般式(1a)で表される化合物の塩類は慣用のものであって、金属塩例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩など)、アルミニウム塩等その薬剤上許容される塩があげられる。
本発明に用いられるスタチン系薬剤は、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG−CoA)リダクターゼを阻害することにより、血中コレステロールを低下させる薬剤である。スタチン系薬剤としては、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、メバスタチン、フルインドスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、コンパクチンもしくはロバスタチン、またはプラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、メバスタチン、フルインドスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、コンパクチンおよびロバスタチンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、医薬的に許容可能なその塩でもよい。
本明細書に開示するスタチン系薬剤は当業者に周知の方法により製造あるいは市販されていて、容易に入手できる。
本発明の、ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤とスタチン系薬剤の少なくとも一種とを組み合わせてなる医薬、並びにペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が一般式(1)および一般式(1a)で表されるフェニルプロピオン酸誘導体お
よびその薬剤上許容される塩並びにその水和物とスタチン系薬剤とを組み合わせてなる医薬は、これらの有効成分を合剤あるいは単剤として同時にあるいは別々に、生理学的に許容しえる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤等と混合し、顆粒剤、粉剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、座薬、懸濁剤、溶液剤などとして、経口または非経口的に投与することができる。有効成分を別々に製剤化した場合には、それぞれを服用時に混合して投与するか、または同時に、あるいは時間差をおいて継続的に同一の患者に投与することもできる。このような組合せてなる医薬に用いる製剤は、通常一般に用いられている公知の方法によって製造することができる。
本発明の医薬の有効成分の投与量は、個々の薬剤の投与量に準じて設定することができるが、投与対象、その年齢や体重、症状、投与時間、使用剤形、投与方法、薬剤の組合せ等により適宜変化し得る。通常、一般式(1)または一般式(1a)の化合物とスタチン
系薬剤を組合わせて用いる場合は、成人1日あたり0.01mg〜10mg/kg体重を
1回または数回に分けて投与すればよい。
本発明の医薬における薬剤の配合比は、個々の薬剤の投与量に準じて設定することができるが、投与対象、その年齢や体重、症状、投与時間、使用剤形、投与方法、薬剤の組合せ等により適宜変化し得る。通常、一般式(1)または一般式(1a)の化合物またはそ
の薬剤上許容される塩並びにその水和物1重量に対し、スタチン系薬剤は1〜50重量部程度を用いればよい。
次に本発明を具体例によって説明するが、この例によって本発明が限定されるわけではない。
(ビーグル犬におけるKRP-101とプラバスタチンとの併用による脂質低下作用)
ビーグル犬を用い、プラバスタチンと被検物質の併用による脂質低下作用の増強効果を実験的に確認することができることが知られている(Metabolism 2001
Oct;50(10)
:1234-41)。この実験方法に準じて、作用メカニズムが異なるプラバスタチンとPPARα活性化剤であるKRP-101を併用し、血清脂質低下作用の増強効果を検討した。
方法:ビーグル犬(8-10 kg)を1群3頭として、3群に組み分けた。それぞれの群にKRP-101(0.1 mg/kg)またはプラバスタチン(3 mg/kg)を単剤投与で、または両薬剤を併用
して1日1回7日間ゼラチンカプセルにて経口投与した。投与後、前肢静脈から採血して血
清総コレステロールおよびトリグリセリド値を酵素法で定量した。血清総コレステロールおよびトリグリセリド値の変化を投与前と比較して評価した。血清総コレステロールおよびトリグリセリド値の低下率は以下の計算式で算出した。

低下率(%)=(投与前値 − 投与後値)/投与前値 × 100

結果:KRP-101とプラバスタチンの単剤投与および併用投与による血清総コレステロー
ルおよび血清トリグリセリド値の変化を表1に示した。血清総コレステロール値はKRP-101およびプラバスタチンの単剤投与でそれぞれ25%および11%低下し、併用投与で3
5%低下した。血清総コレステロール低下作用が併用投与により相加的に増強されることを確認した。一方、血清トリグリセリド値はKRP-101で71%低下したが、プラバスタチ
ンでは低下しなかった。KRP-101とプラバスタチンとの併用投与により血清トリグリセリ
ド値は73%低下した。プラバスタチンでは認められなかった血清トリグリセリド低下作用がKRP-101との併用投与により付加されることを確認した。すなわち、KRP-101とスタチン系薬剤の併用により血清総コレステロール低下作用の相加的および血清トリグリセリド低下作用の付加的増強が期待され、両剤の併用はより効果的な脂質代謝異常の治療法となることが示唆された。
以上のことから、KRP-101とプラバスタチンとの併用は単剤使用と比較して脂質低下作
用を著しく増強させることが明らかとなった。
Figure 2006090756
(ビーグル犬におけるKRP-101とシンバスタチンとの併用による脂質低下作用)
ビーグル犬を用い、シンバスタチンと被検物質の併用による脂質低下作用の増強効果を実験的に確認することができることが知られている(Biochem.
Biophys. Res. Commun., 2004 May;318(2): 323-8)。この実験方法に準じて、KRP-101とシンバスタチンを併用し、血清脂質低下作用の増強効果を検討した。
また、スタチン系薬剤は物理化学的性質により水溶性および脂溶性スタチンの二種に大別され、それらの性質に基付き血清脂質低下作用など薬理作用が異なることが示唆されている(Trends.
Pharmacol. Sci. 1998 Jan;19(1):26-37)。実施例1は代表的な水溶性スタチン系薬剤であるプラバスタチンを用いたが、本実施例では代表的な脂溶性スタチン系薬剤であるシンバスタチンを用いた(J.
Pharm. Sci. 1991 Sep;80(9):830-4)。
方法:ビーグル犬(9-13 kg)を1群4頭として、3群に組み分けた。それぞれの群にKRP-101(0.03 mg/kg)またはシンバスタチン(1
mg/kg)を単剤投与で、または両薬剤を併用して1日1回4週間ゼラチンカプセルにて経口投与した。投与後、前肢静脈から採血して血
清総コレステロールおよびトリグリセリド値を酵素法で定量した。血清総コレステロールおよびトリグリセリド値の変化を投与前と比較して評価した。血清総コレステロールおよびトリグリセリド値の低下率は以下の計算式で算出した。

低下率(%)=(投与前値 − 投与後値)/投与前値 × 100

結果:KRP-101とシンバスタチンの単剤投与および併用投与による血清総コレステロー
ルおよび血清トリグリセリド値の変化を表2に示した。血清総コレステロール値はKRP-101およびシンバスタチンの単剤投与でそれぞれ22%および14%低下し、併用投与で35%低下した。この結果から、血清総コレステロール低下作用が併用投与により相加的に増強されることが確認された。また血清トリグリセリド値はKRP-101およびシンバスタチン
の単独投与でそれぞれ50%および30%低下し、併用投与で77%低下した。この結果から、血清トリグリセリド低下作用が併用投与により相加的に増強されること確認された。すなわち、KRP-101とシンバスタチンとの併用は単剤使用と比較して、血清総コレステ
ロールおよび血清トリグリセリド低下作用のいずれも相加的に増強することが明らかとなった。
以上、実施例2例においてKRP-101とスタチン系薬剤の併用により脂質低下作用の著し
い増強を認め、両者の併用または配合はより効果的な脂質代謝異常の治療法となる可能性が示唆された。
Figure 2006090756
本発明によれば、PPARα活性化剤である新規な置換フェニルプロピオン酸誘導体とスタチン系薬剤の少なくとも一種とを組み合わせてなる医薬は、各々単剤の使用に比べて相加的あるいは付加的な脂質低下作用の増強を示し、従来法と比べてより厳格な脂質代謝異常の治療法として有効である。
単剤で治療目標値に達しない場合は、単剤の増量か併用投与を考えるが、単剤の増量は、いずれの抗高脂血症薬でも副作用発現の頻度が高まり、場合によっては効果の増強がみられないことがある。このような場合には本発明の医薬は優れた脂質低下作用を発揮し、長期的な脂質代謝異常の治療および予防に用いることができ、かつ副作用の低減も期待される。

Claims (19)

  1. ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤およびスタチン系薬剤とを組み合わせてなる医薬。
  2. ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が一般式(1)
    Figure 2006090756
    [式中、R1は炭素数1から4の低級アルキル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、トリ
    フルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、無置換もしくは置換基を有していても良いフェニル基、無置換もしくは置換基を有していても良いフェノキシ基または無置換もしくは置換基を有していても良いベンジルオキシ基を表し、R2は炭素数1から4の低級アルキル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、炭素数1から3の低級アルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1から3の低級アルキルチオ基、フェニルチオ基またはベンジルチオ基を表し、R3はR2が炭素数1から4の低級アルキル基、2,2,2-トリフルオロエチル基の場合には水素原子または炭素数1から4の低級アルキル基を表し、R2が炭素数1から3の低級アルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1から3の低級アルキルチオ基、フェニルチオ基、ベンジルチオ基の場合には水素原子を表し、R4は炭素数1から3の低級アルコキシ基を表す]で表される置換フェニ
    ルプロピオン酸誘導体およびその薬剤上許容される塩並びにその水和物である請求項1記載の医薬。
  3. ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が一般式(1a)
    Figure 2006090756
    [式中、R1、R2およびR4は上記と同じ]で示される置換フェニルプロピオン酸誘導体の光学活性体およびその薬剤上許容される塩並びにその水和物である請求項1記載の医薬。
  4. R1がトリフルオロメチル基である請求項2または3記載の医薬。
  5. R1がベンジルオキシ基である請求項2または3記載の医薬。
  6. R1がフェノキシ基である請求項2または3記載の医薬。
  7. R2がエチル基である請求項2または3記載の医薬。
  8. R2がメトキシ基である請求項2または3記載の医薬。
  9. R2がn-プロピル基である請求項2または3記載の医薬。
  10. R1が3-メトキシフェノキシ基である請求項2または3記載の医薬。
  11. R1が4-フルオロフェノキシ基である請求項2または3記載の医薬。
  12. R1が2-メトキシフェノキシ基である請求項2または3記載の医薬。
  13. ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が、
    1)2-メトキシ-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    2)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    3)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(フェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    4)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    5)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    6)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    7)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    8)2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸または
    9)2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、およびそれらの薬剤上許容される塩並びにその水和物である請求項1記載の医薬。
  14. ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が、
    1) (S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]カ
    ルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    2)(S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[(4-フェノキシフェニル)メチル]カルバモイル]
    フェニル]プロピオン酸、
    3)(S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    4) (S)-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[(4-フェノキシフェニル)メチル]カルバモイ
    ル]フェニル]プロピオン酸、
    5)(S)-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、
    6)(S)-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(3-メトキシフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸または
    7)(S)-2-n-プロピル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチ
    ル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、およびそれらの薬剤上許容される塩並びにそ
    の水和物である請求項1に記載の医薬。
  15. ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤が(S)-2-エチル-3-[4-メトキシ-3-[N-[[4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]メチル]カルバモイル]フェニル]プロピオン酸、およびその薬剤上許容される塩並びにその水和物である請求項1に記載の医薬。
  16. スタチン系薬剤がプラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、メバスタチン、フルインドスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、コンパクチンもしくはロバスタチン、またはプラバスタチン、シ
    ンバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、メバスタチン、フルインドスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、コンパクチンおよびロバスタチンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の医薬。
  17. 脂質代謝異常、肥満および糖尿病の予防および治療薬である請求項1記載の医薬。
  18. ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤とスタチン系薬剤とを組み合わせて使用することを特徴とする脂質代謝異常、肥満および糖尿病の予防および治療のための使用。
  19. ペルオキシゾーム増殖薬活性化受容体αの活性化剤とスタチン系薬剤とを同時または時間差をおいて使用することを特徴とする脂質代謝異常、肥満および糖尿病の予防および治療のための使用。
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