JP2018027953A - 膵炎を治療するためのゲムカベンおよび誘導体 - Google Patents
膵炎を治療するためのゲムカベンおよび誘導体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018027953A JP2018027953A JP2017169145A JP2017169145A JP2018027953A JP 2018027953 A JP2018027953 A JP 2018027953A JP 2017169145 A JP2017169145 A JP 2017169145A JP 2017169145 A JP2017169145 A JP 2017169145A JP 2018027953 A JP2018027953 A JP 2018027953A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- pancreatitis
- subject
- alkyl
- gemcabene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- QRMPKOFEUHIBNM-UHFFFAOYSA-N CC1CCC(C)CC1 Chemical compound CC1CCC(C)CC1 QRMPKOFEUHIBNM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/185—Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
- A61K31/19—Carboxylic acids, e.g. valproic acid
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P1/00—Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
- A61P1/18—Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for pancreatic disorders, e.g. pancreatic enzymes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P29/00—Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/06—Antihyperlipidemics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Obesity (AREA)
- Hematology (AREA)
- Pain & Pain Management (AREA)
- Rheumatology (AREA)
- Diabetes (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
【課題】膵炎の発症するリスクを減少させる方法の提供。【解決手段】式(I)で表されるカルボキシアルキルエーテルであるゲムカベンは、対象の膵炎の治療及び防止に有効である。本化合物は、遊離酸、薬学的に許容される塩、又は原位置で、ゲムカベンにその遊離酸又は塩として加水分解、乃至は別の方法で代謝されるエステル若しくはプロドラッグとして、有効用量で投与され得る。(R1〜R4は夫々独立にアルキル、アルケニル又はアルキニル或いはR1とR2と及びR3とR4とは夫々結合する炭素と共に炭素環を形成しても良い、Y1及びY2は夫々独立にCOOH、CHO、テトラゾール又はCOOR5;R5はアルキル、アルケニル又はアルキニル)【選択図】なし
Description
関連出願(複数可)の相互参照
本願は、2010年12月27日に出願された米国仮出願第61/427,236号に対する優先権を主張する。米国仮出願第61/427,236号の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本願は、2010年12月27日に出願された米国仮出願第61/427,236号に対する優先権を主張する。米国仮出願第61/427,236号の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
膵炎は、膵臓の炎症である。それには様々な原因がある。この腺は一旦炎症を起こすと、腺および周辺の血管の膨張、出血、感染、および腺への損傷へと状態が進行する。消化液が閉じ込められ、膵臓自体を「消化」し始める。この損傷が続くと、腺は正常な機能を行うことができない可能性がある。
膵炎は、急性(新規、短期)または慢性(継続的、長期)であり得る。急性膵炎は、かなりの罹患および死亡を引き起こす一般的な疾患である。いずれの場合も非常に重度であり、重大な合併症をもたらす可能性がある。慢性膵炎は、急性膵炎として発症する。急性膵炎の発作の間に膵臓が瘢痕化する場合、その正常な状態に戻ることができない。腺への損傷が続き、時間と共に悪化する。
急性膵炎は通常、膵臓への損傷が始まった直後に発症する。発作は典型的に、非常に軽度である。軽度の発作は、短時間続く場合があり、膵臓がその正常状態に戻ると、通常完全に消失する。1回の発作のみの人もいれば、2回以上の発作を経験する人もいる。しかしながら、症例の約20%は非常に重度である。米国において、年間300,000人を超える患者が膵炎のため入院し、これらの患者のうちの約20,000人が本疾患により死亡するという報告がある。膵炎は、全ての年齢の人に生じるが、小児においては非常に稀である。膵炎は男性および女性に生じるが、慢性膵炎は、女性よりも男性においてより一般的である。
アルコール乱用および胆石が膵炎の主な原因の2つであり、全症例の80〜90%を占める。アルコール摂取からの膵炎は、通常、少なくとも5〜7年間の長期アルコール飲酒者である患者に生じる。慢性膵炎の大半の症例は、アルコール乱用による。膵炎は、本人が医師の診断を最初に求める頃には(通常、重度の痛みのため)既に慢性である場合が多い。胆石は、胆嚢内に物質が蓄積することにより形成される。胆石は、膵管を遮断し、膵臓内部に消化液を閉じ込める。胆石による膵炎は、ほとんどの場合、50歳以上の女性に生じる傾向にある。
膵炎の症例の残りの10〜20%の原因は様々であり、以下を含む:薬物、ある化学物質への曝露、自動車事故で起こるような、またはひどい転倒により腹部外傷をもたらす傷害(外傷)、遺伝疾患、手術およびある医療処置、流行性耳下腺炎等の感染(一般的ではない)、膵臓もしくは腸の異常、または血中の高脂肪レベル。急性膵炎の症例の約15%および慢性膵炎の症例の40%において、原因は不明である。
高レベルのトリグリセリドは、急性膵炎ならびに大幅な罹患率および死亡率と関係する。2002年9月、国立保健研究所(National Institute of Health)は、成人における高血中コレステロールの検出、評価、および治療に対する専門委員会の第3報告書(成人治療パネルIII、またはATPIIIガイドライン)を公表した。この報告書の焦点は、LDLコレステロールおよびHDLコレステロールレベルに対してであるが、高トリグリセリドレベルを有する患者の治療に関する手引きも提供している。報告書は、以下のトリグリセリドレベルの分類を採用している:正常なトリグリセリド:150mg/dL以下、境界域〜高トリグリセリド:150〜199mg/dL、高トリグリセリド:200〜499mg/dL、および非常に高いトリグリセリド:≧500mg/dL。全ての群に関して、ガイドラインは、療法の主な目的がLDLコレステロールに関する標的目標に達することであることを示している。境界域または高トリグリセリドレベルの患者に関して、ガイドラインは、治療が体重減少、身体運動の増加、LDL低下剤を用いた治療に焦点を置くべきであると推奨しており、適切な注意を払って使用するならば、VLDLコレステロールをさらに低下させることによって非HDLコレステロール目標を達成するためのニコチン酸またはフィブラートを添加することができる。ガイドラインは、トリグリセリドが非常に高い(≧500mg/dL)これらの症例において、療法の主な目的がトリグリセリド低下を通して急性膵炎を防止することであることを明確にしている。ガイドラインは、このアプローチは非常に低い脂肪食、体重減少、身体運動の増加、および通常トリグリセリド低下剤(フィブラートまたはニコチン酸)が必要とすることを推奨している。
フィブラートは、一般に、ほとんどの人において忍容性が高いが、既知の副作用と関係する。このクラスの全薬物は、コレステロール胆石の可能性を増加させるようである。加えて、フィブラートは、血清アルブミンに強く結合するため、アルブミンと結合する他の薬物を移動させる可能性がある。例えば、フィブラートは、そのアルブミン結合部位からワルファリンを移動させ、それによって、ワルファリンの抗凝固作用を増加させる。フィブラートは、主に腎臓によって排出され、したがって、腎不全の人に生じる血清レベルの上昇および筋障害のリスクは、一般に増加する。フィブラートゲムフィブロジルはCYP3A4基質であり、そのため、アルトバスタチン、ロバスタチン、およびシンバスタチンを含む一部のスタチンの代謝を阻害する。この競合は、薬物の代謝速度を低下させ、その蓄積をもたらす。この作用は、横紋筋融解症をもたらす場合がある筋障害のリスクを増加させる。フィブラートは、CYP3A4の基質および阻害剤の両方であるプロテアーゼ阻害剤であるインジナビル、リトナビル、サキナビル、およびネルフィナビルの代謝とも干渉する。ゲムカベンはCYP3A4の阻害のレベルが低いことを示してきたが、シンバスタチン(aCYP3A4基質)を用いた薬物−薬物干渉研究においては臨床的に関係のある作用を示さなかった。
脂質異常症は、高活性抗レトロウイルス剤療法(HAART)を受けているHIV感染の人に一般的であり、典型的なパターンは、著しく上昇する場合がある総コレステロール、LDL、およびトリグリセリドの上昇を含む。高トリグリセリド血症は、プロテアーゼ阻害剤を用いた治療に関係するようである。HIV治療における治療判断は複雑であり、脂質低下薬物の選択を考慮して、複数の薬物−薬物相互作用の可能性を考慮しなければならない。スタチンは、依然としてLDLコレステロールの低下に最も有効な薬物となっているが、フィブラートおよびあるスタチンならびにプロテアーゼ阻害剤はCYP3A4基質であるため、併用療法は筋障害の発生の増加に関連するスタチンのレベルの増加をもたらす可能性がある。
ニコチン酸は副作用にも関係する。血清グルコースの上昇を伴う人において、ニコチン酸は高血糖を悪化させる場合があり、トリグリセリドは実際増加する場合がある。ニコチン酸で治療された一部の患者は、重度の肝毒性を発症する。
現在、膵炎に対する有効な治療上の処置がない。現在の治療は、感染を治療または防止するための抗生物質の投与、鎮痛剤、および食事の変更を含む。よって、膵炎を発症するリスクの患者において、例えばトリグリセリドレベルは≧500mg/dLである。膵炎が生じる前に、または再発する前に予防的にリスクのある患者を治療し、また膵炎の患者を治療することが望ましい。現在の治療の不足を考えると、高グリセリドレベルの患者を治療するための療法の改善が望まれる。
本開示は、対象の膵炎を発症するリスクを減少させる方法を提供し、対象に有効量の式(I)
のカルボキシアルキルエーテル、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、あるいは原位置でその活性カルボキシアルキルエーテル酸もしくは塩に代謝されるその前駆体(プロドラッグ)を投与することを含み、式中、Y1、Y2、R1、R2、R3、R4、n、およびmは、本明細書に定義される通りである。
本開示は、膵炎に罹患する対象において膵炎を治療するための方法も提供し、哺乳類に有効量の式(I)
のカルボキシアルキルエーテル、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、あるいは原位置でその活性カルボキシアルキルエーテル酸もしくは塩に代謝されるその前駆体(プロドラッグ)を投与することを含み、式中、Y1、Y2、R1、R2、R3、R4、n、およびmは、本明細書に定義される通りである。
本明細書で使用される、用語「カルボキシアルキルエーテル」とは、その遊離酸、薬学的に許容される塩、およびエステル、ならびにその遊離酸、または塩もしくは水和物に変換されるそのプロドラッグを含む。そのような化合物ならびにその合成および製剤は当該技術分野において公知である。
「対象」または「患者」は互換的に使用される。
用語「治療(treating)」または「治療(treatment)」もしくは「治療する」等の本用語の他の形態は、本明細書において、本発明の化合物の投与が宿主の疾患もしくは障害を緩和する、および/または疾患に関連する特別の特徴もしくは事象を減少させる、阻害する、または排除する(例えばステロイド産生の減少)ことを意味するために使用される。よって、用語「治療」は、特に宿主が障害に罹患しやすい場合、宿主において障害が生じるのを防止する、障害を阻害する、および/または障害を軽減するもしくは反転させることを含む。本発明の方法が障害を防止することを目的とする場合、用語「防止する」は、疾患状態が完全に阻止されることを必要としないことを理解する。むしろ、本明細書で使用される、用語「防止する」とは、当業者が障害にかかりやすい集団を同定する能力を指し、そのため本発明の化合物の投与は疾患の発症前に生じてもよい。本用語は、疾患状態が完全に回避されることを暗示しない。
「HDL−C」は、高密度リポタンパク質コレステロールの略語である。
「LDL−C」は、低密度リポタンパク質コレステロールの略語である。
「VLDL−C」は、非常に低密度のリポタンパク質コレステロールの略語である。
「apoA−I」は、アポリポタンパク質A−Iの略語である。
「ApoA−II」は、アポリポタンパク質A−IIの略語である。
「ApoA−V」は、アポリポタンパク質A−Vの略語である。
「ApoB」は、アポリポタンパク質Bの略語である。
「ApoC−I」は、アポリポタンパク質C−Iの略語である。
「ApoC−II」は、アポリポタンパク質C−IIの略語である。
「ApoC−III」は、アポリポタンパク質C−IIIの略語である。
「ApoE」は、アポリポタンパク質Eの略語である。
「hsCRP」は、高感度C反応性タンパク質の略語である。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」、ならびに「含む(comprising)」および「含む(comprises)」等の本用語の他の形態は、これらに限定されないが、例えば他の添加剤、構成要素、整数、またはステップを含むことを意味し、それらを除外することを意図しない。
本明細書で使用される、単数形「a」、「an」、および「the」は、特に文脈上明確に示されない限り、複数の参照を含む。
本明細書に使用される「〜の間」は包括的であり、例えば「1mg〜5000mg」は1mgおよび5000mgを含む。
数字と組み合わせて使用されるとき、「約」は、その数字自体を含み、例えば「1mg〜約5000mg」は、「1mg〜5000mg」の範囲を含む。
本明細書で使用される、「から」は包括的であり、例えば「1mg〜5000mg」は1mgおよび5000mgを含む。
本明細書で使用される、「アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素を指す。アルキルは、直鎖状または分枝状であり得る。
本明細書で使用される、「アルケニル」とは、2〜6個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を含む脂肪族炭素を指す。アルキルと同様、アルケニルは、直鎖状または分枝状であり得る。
本明細書で使用される、「アルキニル」とは、2〜6個の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を含む脂肪族炭素を指す。アルキルと同様、アルキニルは、直鎖状または分枝状であり得る。
用語「炭素環式環」は、シクロアルキル環およびシクロアルケニル環を包含する。炭素環式環は、脂肪族(例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル)等の1つ以上の置換基と任意に置換され得る。
本明細書で使用される、「有効用量」とは、膵炎を治療もしくは防止するのに有効である化合物またはその薬学的に許容される組成物の量である。
本発明の一実施形態は、対象の膵炎を発症するリスクを減少させる方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)
の化合物であって、式中、nおよびmは、独立して、2〜9の整数であり、R1、R2、R3、およびR4のそれぞれの発生は、独立して、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルであるか、またはR1およびR2が、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成するか、あるいはR3およびR4が、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成し、Y1およびY2は、独立して、−COOH、−CHO、テトラゾール、および−COOR5であり、R5は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルである化合物、あるいはそのエステルもしくは塩、または生体内で式(I)の化合物に代謝されるその前駆体、またはその遊離酸、塩、もしくは水和物を投与することを含む。
別の実施形態は、膵炎に罹患する対象の膵炎を治療する方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)
の化合物であって、式中、nおよびmは、独立して、2〜9の整数であり、R1、R2、R3、およびR4のそれぞれの発生は、独立して、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルであるか、またはR1およびR2が、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成するか、あるいはR3およびR4が、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成し、Y1およびY2は、独立して、−COOH、−CHO、テトラゾール、および−COOR5であり、R5は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルである化合物、あるいはそのエステルもしくは塩、または生体内で式(I)の化合物に代謝されるその前駆体、またはその遊離酸、塩、もしくは水和物を投与することを含む。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は遊離酸として投与される。他の実施形態では、投与される化合物は、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。また他の実施形態では、投与される化合物は、式(I)の化合物のエステルである。一部の実施形態では、投与される化合物は、生体内で式(I)の活性カルボキシアルキルエーテル酸または塩に代謝される式(I)の前駆体(プロドラッグ)である。
一部の実施形態では、nは2であるか、nは3であるか、nは4であるか、nは5であるか、nは6であるか、nは7であるか、nは8であるか、nは9である。一部の実施形態では、mは2であるか、mは3であるか、mは4であるか、mは5であるか、mは6であるか、mは7であるか、mは8であるか、mは9である。一部の実施形態では、nおよびmは、両方とも2であるか、nおよびmは、両方とも3であるか、nおよびmは、両方とも4であるか、nおよびmは、両方とも5であるか、nおよびmは、両方とも6であるか、nおよびmは、両方とも7であるか、nおよびmは、両方とも8であるか、nおよびmは、両方とも9である。
一部の実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、独立して、C1−C6アルキルである。一部の実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、全てC1−C6アルキルである。一部の実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、独立して、C2−C6アルケニルである。一部の実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、独立して、C2−C6アルキニルである。一部の実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、−CH3である。一部の実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、−CH2CH3である。一部の実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、−CH2CH2CH3である。一部の実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、全てC2−C6アルケニルである。一部の実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、全てC2−C6アルキニルである。一部の実施形態では、R1およびR2は、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成する。他の実施形態では、R3およびR4は、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成する。
一部の実施形態では、Y1およびY2は、両方とも−COOHである。一部の実施形態では、Y1およびY2は、両方とも−CHOである。一部の実施形態では、Y1およびY2は両方とも−テトラゾールである。一部の実施形態では、Y1およびY2は、両方ともCH2(OH)である。一部の実施形態では、Y1およびY2は、両方とも−COOR5であり、R5は、C1−C6アルキルである。一部の実施形態では、Y1およびY2は、両方とも−COOR5であり、R5は、C2−C6アルケニルである。一部の実施形態では、Y1およびY2は、両方とも−COOR5であり、R5は、C2−C6アルキニルである。
別の実施形態では、化合物は、式Iの化合物であり、式中、nおよびmは、同じ整数であり、R1、R2、R3、およびR4は、独立して、C1−C6アルキルである。また別の実施形態では、化合物は、式Iの化合物であり、式中、Y1およびY2は同一であり、かつ−COOHまたは−COOR5であり、R5は、C1−C6アルキルである。好ましい実施形態では、化合物は、式Iの化合物であり、式中、Y1およびY2はCOOHであり、R1、R2、R3、およびR4は、メチルであり、nおよびmは同一であり、かつ2、3、4、または5から選択される整数であり、好ましくは、nおよびmは同一であり、かつ4または5である。最も好ましくは、nおよびmは4である。さらに別の実施形態では、化合物は、式Iの化合物であり、式中、Y1およびY2は−COOHであり、R1、R2、R3、およびR4は、独立して、C1−C6アルキルであり、nおよびmは4である。別の実施形態では、化合物は、式Iの化合物であり、式中、Y1およびY2は−COOHであり、nおよびmは4であり、R1、R2、R3、およびR4は、メチルである。別の実施形態では、化合物は、式Iの化合物であり、式中、Y1およびY2は−COOHであり、nおよびmは5であり、R1、R2、R3、およびR4は、メチルである。また別の実施形態では、化合物は、式Iの化合物であり、式中、Y1およびY2は−CH2OHであり、nおよびmは4である。別の実施形態では、化合物は、式Iの化合物であり、式中、Y1およびY2は−CH2OHであり、nおよびmは4であり、R1、R2、R3、およびR4は、メチルである。
本発明の別の実施形態は、対象の膵炎を発症するリスクを減少させる方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)の化合物を投与することを含み、式中、nおよびmはそれぞれ4であり、R1、R2、R3、およびR4のそれぞれの発生は、独立して、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルであるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成するか、またはR3およびR4が、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成し、Y1およびY2は、独立して、−COOH、−CHO、テトラゾール、および−COOR5であり、R5は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルである化合物、またはそのエステルもしくは薬学的に許容される塩である。
本発明の別の実施形態は、対象の膵炎を発症するリスクを減少させる方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)の化合物を投与することを含み、式中、nおよびmは、同一、かつ3、4、または5であり、R1、R2、R3、およびR4のそれぞれの発生は、独立して、C1−C6アルキルであり、Y1およびY2は、同一であり、かつ−COOH、−CHO、もしくはテトラゾールである化合物、またははそのエステルもしくは薬学的に許容される塩である。
本発明の別の実施形態は、対象の膵炎を発症するリスクを減少させる方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)の化合物を投与することを含み、式中、nおよびmは、同一であり、かつ3、4、または5であり、R1およびR2は、同一であり、かつC1−C6アルキルであり、R3およびR4は、同一であり、かつC1−C6アルキルであり、Y1およびY2は、同一であり、かつ−COOH、−CHO、もしくはテトラゾールである化合物、またはそのエステルもしくは薬学的に許容される塩である。
本発明の別の実施形態は、対象の膵炎を発症するリスクを減少させる方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)の化合物を投与することを含み、式中、nおよびmは、それぞれ4であり、R1およびR2は、同一であり、かつC1−C6アルキルであり、R3およびR4は、同一であり、かつC1−C6アルキルであり、Y1およびY2は、同一であり、かつ−COOHである化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
本発明の別の実施形態は、膵炎に罹患する対象の膵炎を治療する方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)の化合物を投与することを含み、式中、nおよびmはそれぞれ4であり、R1、R2、R3、およびR4のそれぞれの発生は、独立して、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルであるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成するか、またはR3およびR4が、それらが結合する炭素と一緒に3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成し、Y1およびY2は、独立して、−COOH、−CHO、テトラゾール、および−COOR5であり、R5は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルである化合物、またはそのエステルもしくは薬学的に許容される塩である。
本発明の別の実施形態は、膵炎に罹患する対象の膵炎を治療する方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)の化合物を投与することを含み、式中、nおよびmは、同一、かつ3、4、または5であり、R1、R2、R3、およびR4のそれぞれの発生は、独立して、C1−C6アルキルであり、Y1およびY2は、同一であり、かつ−COOH、−CHO、もしくはテトラゾールである化合物、またはそのエステルもしくは薬学的に許容される塩である。
本発明の別の実施形態は、膵炎に罹患する対象の膵炎を治療する方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)の化合物を投与することを含み、式中、nおよびmは、同一、かつ3、4、または5であり、R1およびR2は、同一であり、かつC1−C6アルキルであり、R3およびR4は、同一であり、かつC1−C6アルキルであり、Y1およびY2は、同一であり、かつ−COOH、−CHO、もしくはテトラゾールである化合物、またはそのエステルもしくは薬学的に許容される塩である。
本発明の別の実施形態は、膵炎に罹患する対象の膵炎を治療する方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)の化合物を投与することを含み、式中、nおよびmならびには、それぞれ4であり、R1およびR2は、同一であり、かつC1−C6アルキルであり、R3およびR4は、同一であり、かつC1−C6アルキルであり、Y1およびY2は、同一であり、かつ−COOHであるか、またはその薬学的に許容される塩である。
式(I)の化合物は、一般に、カルボキシアルキルエーテルと称され得る。カルボキシアルキルエーテルは、米国特許第5,648,387号のBisgaierら、および米国特許第6,861,555号のAndoら(両特許は、参照により本明細書に組み込まれる)によって説明される化合物のクラスである。これらの化合物は、高密度リポタンパク質(HDL)のレベルの上昇を含むいくつかの生物学的活性を有するものとして説明され、心血管障害、糖尿病、および他の医学的状態を治療するのに有用であると言われているが、いずれの特許も膵炎を治療するためのゲムカベンの使用を記載していない。化合物は、例えば、米国特許公開第2002/0103252号(参照により本明細書に組み込まれる)のBisgaierらによって説明されるように、単独で、またはスタチン等の他の薬剤と併用して使用され得る。
本発明の一実施形態では、式(I)のカルボキシアルキルエーテルは、「CI−1027」、「ゲムカベン」、および「PD72953」として知られる化合物である(Bays et.al.Am.J.Cardiol.2003;92:538−543、参照により本明細書に組み込まれる)。本化合物の化学名は、6,6’−オキシビス−(2,2’−ジメチルヘキサン酸、または代替的に6−(5−カルボキシ−5−メチル−ヘキシルオキシ)−2,2−ジメチルヘキサン酸である。
別の実施形態では、ゲムカベンは、薬学的な塩として投与される。また別の実施形態では、ゲムカベンは、カルシウム塩として投与される。
別の実施形態では、ゲムカベンは、無水一カルシウム塩として投与される。ゲムカベンの無水一カルシウム塩の構造は、
である。
ある実施形態では、ゲムカベンは、水和物として投与される。別の実施形態では、ゲムカベンは、米国特許第6,861,555号に記載されるように、一カルシウム塩の水和物として投与される。ゲムカベンの一カルシウム塩の水和物の構造は、
である。
別の実施形態では、ゲムカベンは、結晶形態で投与される。
本開示のカルボキシアルキルエーテルの前駆体またはプロドラッグであるいくつかの化合物、即ち対象に投与されると、その遊離酸、塩、もしくは水和物として生体内でカルボキシアルキルエーテルに代謝される、ないしは別の方法で変換される化合物が公知である。Goelの米国特許第7,345,190号の「Carnitine conjugates as dual prodrugs and uses thereof」(参照として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。原位置で代謝される他の化合物は、米国特許第6,410,802号、第6,459,003号、第6,645,170号、第6,713,507号、第6,790,953号、および第7,192,940号に記載されるものを含み、その全ては参照により本明細書に組み込まれる。
よって、別の実施形態は、対象の膵炎を発症するリスクを減少させる方法であり、それを必要とする対象に有効用量の式(I)の化合物のプロドラッグを投与することを含む。特定の実施形態では、対象の膵炎を発症するリスクを減少させる方法は、それを必要とする対象に有効用量のゲムカベンのプロドラッグを投与することを含む。
有効日用量は、典型的に、約0.1mg/kg〜約100mg/kgである。ヒト対象に投与するために典型的に利用される日用量は、約25〜約1200mg、または約50〜約1000mg、または約50〜約900mg、または約100〜約900mg、または約100〜約600mg、または約150〜約600mg、または約150mg、または約300mg、または約600mg、または約900mg、または10〜1500mg、または25〜1200mg、または50〜1000mg、または50〜900mg、または100〜900、または100〜600mg、または150〜600mg、または150mg、または300mg、または600mg、または900mgである。日用量は、非限定的な実施例として、25mg、または30mg、または35mg、または40mg、または45mg、または50mg、または55mg、または60mg、または65mg、または70mg、または75mg、または80mg、または85mg、または90mg、または95mg、または100mg、または125mg、または150mg、または175mg、または200mg、または225mg、または250mg、または275mg、または300mg、または325mg、または350mg、または375mg、または400mg、または425mg、または450mg、または475mg、または500mg、または525mg、または550mg、または575mg、または600mg、または625mg、または650mg、または675mg、または700mg、または725mg、または750mg、または775mg、または800mg、または825mg、または850mg、または875mg、または900mg、または925mg、または975mg、または1000mg、または1025mg、または1050mg、または1075mg、または1100mg、または1125mg、または1150mg、またはまたは1175mg、または1200mgであり得る。
ゲムカベンに関して、好ましい日用量は、150mg、または300mg、または600mgである。最も好ましくは、ゲムカベンの日用量は、150mgまたは300mgである。
本開示の化合物は、1日1回、2回、3回、4回、または5回投与され得る。好ましくは、化合物は、1日1回または2回投与される。最も好ましくは、化合物は、1日1回投与される。
任意の特定の患者に関する特定の投与量および治療レジメンは、利用されるある化合物の活性、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与の時間、排出速度、薬物の組み合わせ、および治療する医師の判断、ならびに治療される特定の疾患の重篤度を含む、様々な要因に依存することも理解するべきである。投与される化合物の量は、組成物中の特定の化合物にも依存する。
膵炎の原因には、食事および過剰なアルコール摂取が含まれるが、普通の食事を取り、アルコール依存者ではない、膵炎に罹患する、または膵炎を発症するリスクにある多くの対象が、それでもなお、重度の上昇した血中トリグリセリドのレベル、例えば1000mg/dl以上のレベルを有する。循環トリグリセリドの高上昇の原因は、本来遺伝的でもある。酵素リポタンパク質リパーゼ中の遺伝的変異を有する対象は、循環トリグリセリド豊富リポタンパク質を分解する能力が正常未満である場合があり、循環トリグリセリドの上昇をもたらすことはよく知られている。血漿apoC−I、apoC−II、およびapoC−IIIレベルの上昇はトリグリセリド豊富リポタンパク質のクリアランスを阻害し、一方、apoEのレベルの上昇はトリグリセリド豊富リポタンパク質のクリアランスを促進することができることも知られている。apoC−IIはリポタンパク質リパーゼおよびその欠乏の活性化因子であり、稀な遺伝子状態がトリグリセリドの高上昇をもたらすことも知られている。ApoA−Vは、リポタンパク質リパーゼの活性化因子でもあり、apoA−Vの変異形態であるapoA−V S19W多型は、著しいトリグリセリドの上昇に関係する。よって、循環トリグリセリドの上昇は、遺伝的要因、環境的要因、または遺伝的および環境的要因の組み合わせにより起こる場合がある。本発明の別の態様は、1000mg/dl以上の血中トリグリセリドレベルを有する対象の膵炎を治療または防止するための方法であり、そのような対象に有効用量のゲムカベンを投与することを含む。
本発明に有用な化合物は、医薬組成物として製剤化され、選択された投与経路に適合される様々な形態で、即ち、経口的、経皮、および非経口的、静脈内、筋肉内、または皮下経路により、ヒト対象等の対象に投与され得る。そのような組成物およびそれらの調製方法は周知であり、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences,19th Edition(Mack Publishing Company,1995)に見出すことができる。例えば、ゲムカベンの典型的な製剤は、米国特許第5,648,387号に記載されている。一実施形態では、ゲムカベンは、デンプン、結合剤、希釈剤等の一般的な賦形剤および担体と共に製剤化され、錠剤に成形されるか、またはゼラチンカプセルにカプセル封入され、全て経口投与に簡便である。ゲムカベンは、シロップ、エリキシル剤、徐放ロゼンジ剤、および他の一般的な経口製剤形態としての製剤を可能にする優れた物理的特性を有する。ゲムカベンは、静脈内経路、腹腔内、および類似する非経口経路による投与用の生理食塩水および他の一般的な賦形剤と共にさらに製剤化することができる。経皮パッチは、結合剤および一般的なアジュバントで作製することができ、薬学的に許容されるワックスを用いた直腸製剤は、医薬製剤の当業者に周知である一般的な製剤技法を利用して作製することができる。
本発明の化合物は、単独で、またはさらなる薬剤と併用して投与され得る。そのような療法は、本発明の化合物およびさらなる薬剤の同時または遂次投与を含むが、これらに限定されない。例えば、本発明の化合物は、コレステロール低下剤(アルトバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ピタスタチン(pitastatin)等のスタチンを含むが、これに限定されない)、プロテアーゼ阻害剤(アンプレナビル、チプラナビル、インジナビル、サキナビル、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビル、リトナビル、ダルナビル、ネルフィナビル、ブレカナビル、アタザナビル硫酸塩等)、コレステロール吸収阻害剤(ゼチーア等)、胆汁酸捕捉剤(コレスチラミン(cholestryamine)等)、およびapoB合成阻害剤(ISIS 301012(apoBアンチセンス)等)を含むが、これらに限定されない薬物と共に投与され得る。本発明の方法は、式(I)の化合物がLDLを減少させるための処置、例えばapoB血漿交換と併用して投与される実施形態も含む。
以下の実施例は、単に例示的であり、本発明を制限するものと決して解釈されない。
実施例1
実施例1
HDLコレステロールレベルが<35mg/dLの患者におけるゲムカベンの有効性および忍容性を評価するために、無作為二重盲検プラセボ対照研究を行った。平均血清トリグリセリド(TG)レベルが<200mg/dLまたは≧200mg/dLであったか否かに基づき、患者を層化した。それぞれのTG層内で、1日1回、12週間、150、300、600、もしくは900mgのゲムカベン、またはプラセボのいずれかを受けるように、患者を無作為に割り付けた。
血清HDLコレステロール、血清LDLコレステロール、TG、アポリポタンパク質A−I、A−II、B、C−III、およびE、hsCRP、ならびに非HDLコレステロールレベルのベースラインレベルからのパーセント変化に関して患者を評価した。スクリーニング無作為化時、および−8、−4、−2週ベースライン、ならびに研究薬の開始2、4、および12週間後に血液サンプルを測定した。加えて、研究薬の開始2および4週間前に、HDL−C、LDL−C、およびTGレベルを測定した。Bays H.E.et al.Am J Cardiol(2003)vol.92,pp538−543は、この研究の一所見を説明しているが、データを開示せず、またTGレベルが500mg/dLを超える特定のサブセットの患者に対するゲムカベンの作用を論じなかった。
TGレベルが500mg/dLを超える、研究に参加したサブセットの患者に関してデータを検討したとき、トリグリセリドレベルが≧200mg/dLの境界域の患者群と比較して、意外にも、ゲムカベンで治療されたこれらの患者に関するTGレベルの大幅な減少が見られた。TGレベルが>500mg/dLの27人の患者が本研究において評価された。
図1は、治療の約8、4、および2週間前ベースライン、ならびに150mg/日のゲムカベンでの治療2、4、8、および,12週間後の時点でのこれらの患者のうちの1人についての血清TGおよびHDL−Cの変化を示すグラフである。治療開始時、患者のTGレベルは550mg/dLであった。データは、患者のトリグリセリドレベルがこの期間の間に210mg/dL(62%)に劇的低下し、HDL−Cレベルが27%増加したことを示す。
図2a〜e、3a〜e、4a〜e、5a〜e、6a〜e、7a〜e、および8a〜eは、ベースラインならびに150、300、600、および900mg/日の用量のゲムカベンまたはプラセボで治療した12週間後の個々の患者に関するTG、HDL−C、ApoA−I、ApoC−III、VLDL−C、hsCRP、およびApoBの血清レベルを図示するグラフである。
表1〜7は、試験をした用量のそれぞれでのこれらのパラメータのそれぞれに関して、平均パーセントおよび必要に応じて平均パーセント減少または増加として示されるデータを提供する。
データにより示されるように、TGレベルが>500mg/dLのこれらの患者において、ゲムカベンは、トリグリセリドレベルの減少において、150および300mg用量で最も有効であり、TGにおいて、それぞれ、52%および61%の平均減少を示す。150および300mg用量は、HDL−Cの増加、ApoC−III、およびVLDL−Cの減少にも最も有効である。これらの用量でのトリグリセリドレベルの変化の規模は、150および300mg用量について、それぞれ、26.6%および38.9%のトリグリセリドレベルの減少を示したBaysらにおいて報告されたデータに基づく予測より大きい。
実施例2
経口製剤
経口製剤
上記の成分は、均質に混合され、膵炎を治療または防止するために対照に投与される錠剤に成形される。
実施例3
実施例3
API、ラクトース、および150gのコーンスターチを水中のゼラチンの溶液と混合した。湿った顆粒をスクリーニングし、乾燥させ、再スクリーニングする。乾燥させた顆粒をステアリン酸マグネシウムおよび残りのコーンスターチと混合し、混合物を500mgの錠剤に圧縮した。それぞれの錠剤は、300mgのAPIを含んだ。
実施例4
実施例4
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンは、ポリソルベート60またはTween60等の製品であり得る。複合体ケイ酸マグネシウム−アルミニウムは、ゲル形成剤である。ビーガムH.V.等の製品が使用され得る。この物質は、10ccの蒸留水中で一晩水和される。混合物は、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、擬チェリー香料、30ccの蒸留水、およびジアルキルエーテルから調製され、破砕機に通される。激しく攪拌しながら、砂糖、グリセリン、クエン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム、次いで水和した複合体ケイ酸マグネシウム−アルミニウム、および2ccの水中の赤色色素の溶液を添加する。得られた懸濁液を均質化し、クエン酸でpH5.0に調節し、蒸留水で100ccの最終容量に希釈する。この懸濁液の55−ccの経口投与量単位は、150mgのジアルキルエーテルを含む。所望する場合、赤色色素および擬チェリー香料は省かれるか、または他の着色剤および風味剤に置き換えることができる。
実施例5
実施例5
66歳の男性患者は、年1回の定期検診として、血液試験を受け、これは、患者が200mg/dlのLDL−Cレベルおよび1030mg/dlのトリグリセリドレベルを有することを明らかにする。この高トリグリセリドレベルは、患者を、膵炎を発症するリスクにさらす。ATPIIIガイドラインによると、患者の治療は、初めに高トリグリセリドレベルに対処することを標的とする。患者は、1日1回300mgの用量でゲムカベンを投与され、低脂肪食が課される。12週目の経過観察の面会時に、患者のトリグリセリドレベルは、363mg/dlと測定され、患者が膵炎を発症するリスクが著しく減少することを示す。
Claims (15)
- 対象の膵炎を発症するリスクを減少させる方法であって、それを必要とする対象に有効用量の式(I)
あるいはそのエステルもしくは塩、または生体内で式(I)の化合物に代謝されるその前駆体、またはその遊離酸、塩、もしくは水和物を投与することを含む、方法。 - 膵炎に罹患する対象の膵炎を治療するための方法であって、前記対象に有効量の式(I)
あるいはそのエステルもしくは塩、または生体内で式(I)の化合物に代謝されるその前駆体、またはその遊離酸、塩、もしくは水和物を投与することを含む、方法。 - nおよびmは4であり、R1、R2、R3、およびR4のそれぞれの発生は、独立して、C1−C6アルキルであり、Y1およびY2は、両方とも−COOHであるか、またはY1およびY2は、両方とも−COOR5である、請求項1または請求項2に記載の方法。
- 前記対象は、血中トリグリセリドレベルが500mg/dl以上である、請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象は、血中トリグリセリドレベルが1000mg/dl以上である、請求項4に記載の方法。
- 前記対象は、LDLコレステロールレベルが100mg/dLを超える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象は、LDLコレステロールレベルが250mg/dLを超える、請求項6に記載の方法。
- 投与される前記化合物の量は、約150〜約600mg/日である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 投与される前記化合物の量は、150、300、または600mg/日である、請求項8に記載の方法。
- 前記化合物は、1日1回投与される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記化合物は、コレステロール低下剤、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸隔離剤、またはApoB合成阻害剤から選択される薬剤と併用して投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記薬剤は、スタチンである、請求項11に記載の方法。
- 前記化合物は、プロテアーゼ阻害剤と併用して投与される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記化合物は、ゲムカベンである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 投与されるゲムカベンの量は、150または300mg/日である、請求項14に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201061427236P | 2010-12-27 | 2010-12-27 | |
US61/427,236 | 2010-12-27 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015178843A Division JP6207560B2 (ja) | 2010-12-27 | 2015-09-10 | 膵炎を治療するためのゲムカベンおよび誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018027953A true JP2018027953A (ja) | 2018-02-22 |
Family
ID=45498140
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013546406A Withdrawn JP2014509305A (ja) | 2010-12-27 | 2011-12-22 | 膵炎を治療するためのゲムカベンおよび誘導体 |
JP2015178843A Active JP6207560B2 (ja) | 2010-12-27 | 2015-09-10 | 膵炎を治療するためのゲムカベンおよび誘導体 |
JP2017169145A Pending JP2018027953A (ja) | 2010-12-27 | 2017-09-04 | 膵炎を治療するためのゲムカベンおよび誘導体 |
Family Applications Before (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013546406A Withdrawn JP2014509305A (ja) | 2010-12-27 | 2011-12-22 | 膵炎を治療するためのゲムカベンおよび誘導体 |
JP2015178843A Active JP6207560B2 (ja) | 2010-12-27 | 2015-09-10 | 膵炎を治療するためのゲムカベンおよび誘導体 |
Country Status (14)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8846761B2 (ja) |
EP (2) | EP2658536B1 (ja) |
JP (3) | JP2014509305A (ja) |
CN (2) | CN103442707A (ja) |
AU (1) | AU2011352449B2 (ja) |
CA (1) | CA2822921C (ja) |
DK (1) | DK2658536T3 (ja) |
ES (1) | ES2608177T3 (ja) |
HK (1) | HK1250484A1 (ja) |
HU (1) | HUE031004T2 (ja) |
MX (1) | MX337593B (ja) |
PL (1) | PL2658536T3 (ja) |
PT (1) | PT2658536T (ja) |
WO (1) | WO2012092103A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170083535A (ko) | 2014-11-14 | 2017-07-18 | 젬파이어 세러퓨틱스 인코포레이티드 | α,ω-다이카복실산-말단 다이알케인 에터를 제조하기 위한 방법 및 중간체 |
BR112018007857A2 (pt) * | 2015-11-06 | 2018-10-30 | Gemphire Therapeutics Inc | combinações de gemcabene para o tratamento de doença cardiovascular |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1989011852A1 (en) * | 1988-06-06 | 1989-12-14 | Showa Denko Kabushiki Kaisha | Agent for treating pancreatitis or the like |
US5648387A (en) | 1995-03-24 | 1997-07-15 | Warner-Lambert Company | Carboxyalkylethers, formulations, and treatment of vascular diseases |
US6861555B2 (en) | 2000-01-25 | 2005-03-01 | Warner-Lambert Company | Calcium dicarboxylate ethers, methods of making same, and treatment of vascular disease and diabetes therewith |
US20020103252A1 (en) | 1997-12-12 | 2002-08-01 | Bisgaier Charles Larry | Statin-carboxyalkylether combinations |
US20030105154A1 (en) * | 2001-10-24 | 2003-06-05 | Bisgaier Charles Larry | Statin-carboxyalkylether combinations |
MXPA01009893A (es) * | 1999-04-01 | 2003-07-28 | Esperion Therapeutics Inc | Compuestos con eter, composiciones y usos de estos. |
IL155215A0 (en) | 2000-10-11 | 2003-11-23 | Esperion Therapeutics Inc | Ether compounds and compositions for cholesterol management and related uses |
US6645170B2 (en) | 2001-03-05 | 2003-11-11 | Bioject Medical Technologies, Inc. | Simplified disposable needle-free injection apparatus and method |
US20040229954A1 (en) * | 2003-05-16 | 2004-11-18 | Macdougall Diane Elaine | Selective manipulation of triglyceride, HDL and LDL parameters with 6-(5-carboxy-5-methyl-hexyloxy)-2,2-dimethylhexanoic acid monocalcium salt |
US7345190B2 (en) | 2003-11-12 | 2008-03-18 | Ssv Therapeutics, Inc. | Carnitine conjugates as dual prodrugs and uses thereof |
-
2011
- 2011-12-22 EP EP11810759.8A patent/EP2658536B1/en active Active
- 2011-12-22 MX MX2013007310A patent/MX337593B/es active IP Right Grant
- 2011-12-22 DK DK11810759.8T patent/DK2658536T3/en active
- 2011-12-22 PT PT118107598T patent/PT2658536T/pt unknown
- 2011-12-22 CN CN2011800630388A patent/CN103442707A/zh active Pending
- 2011-12-22 WO PCT/US2011/066736 patent/WO2012092103A1/en active Application Filing
- 2011-12-22 EP EP16192597.9A patent/EP3170495B1/en active Active
- 2011-12-22 ES ES11810759.8T patent/ES2608177T3/es active Active
- 2011-12-22 CA CA2822921A patent/CA2822921C/en active Active
- 2011-12-22 CN CN201710858297.9A patent/CN107648210A/zh active Pending
- 2011-12-22 US US13/334,384 patent/US8846761B2/en active Active
- 2011-12-22 AU AU2011352449A patent/AU2011352449B2/en active Active
- 2011-12-22 JP JP2013546406A patent/JP2014509305A/ja not_active Withdrawn
- 2011-12-22 HU HUE11810759A patent/HUE031004T2/en unknown
- 2011-12-22 PL PL11810759T patent/PL2658536T3/pl unknown
-
2015
- 2015-09-10 JP JP2015178843A patent/JP6207560B2/ja active Active
-
2017
- 2017-09-04 JP JP2017169145A patent/JP2018027953A/ja active Pending
-
2018
- 2018-08-01 HK HK18109899.3A patent/HK1250484A1/zh unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2658536A1 (en) | 2013-11-06 |
AU2011352449A1 (en) | 2013-07-11 |
CA2822921A1 (en) | 2012-07-05 |
DK2658536T3 (en) | 2017-01-09 |
US20120165411A1 (en) | 2012-06-28 |
CN103442707A (zh) | 2013-12-11 |
MX2013007310A (es) | 2013-10-25 |
HK1250484A1 (zh) | 2018-12-21 |
JP2016028075A (ja) | 2016-02-25 |
HUE031004T2 (en) | 2017-06-28 |
PT2658536T (pt) | 2016-12-22 |
PL2658536T3 (pl) | 2017-04-28 |
AU2011352449B2 (en) | 2015-06-18 |
MX337593B (es) | 2016-03-11 |
JP6207560B2 (ja) | 2017-10-04 |
WO2012092103A1 (en) | 2012-07-05 |
JP2014509305A (ja) | 2014-04-17 |
CA2822921C (en) | 2018-07-17 |
CN107648210A (zh) | 2018-02-02 |
EP3170495B1 (en) | 2023-04-26 |
US8846761B2 (en) | 2014-09-30 |
EP2658536B1 (en) | 2016-10-19 |
EP3170495A1 (en) | 2017-05-24 |
ES2608177T3 (es) | 2017-04-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6295205B2 (ja) | 心血管疾患のリスクを低減する方法 | |
Farnier et al. | Efficacy and safety of adding fenofibrate 160 mg in high-risk patients with mixed hyperlipidemia not controlled by pravastatin 40 mg monotherapy | |
KR20180073597A (ko) | 혼합 이상지질혈증의 치료 | |
WO2007091338A1 (ja) | 脳卒中再発予防用組成物 | |
JP2008050367A (ja) | 心血管イベント発症予防用組成物 | |
CN114159564A (zh) | 包含etc1002及他汀类药物的固定剂量组合 | |
JP4005104B2 (ja) | 脳卒中再発予防用組成物 | |
JP6207560B2 (ja) | 膵炎を治療するためのゲムカベンおよび誘導体 | |
JP4751257B2 (ja) | 心血管イベント発症予防用組成物 | |
Santos | What are we able to achieve today for our patients with homozygous familial hypercholesterolaemia, and what are the unmet needs? | |
AU2015202580B2 (en) | Gemcabene and derivatives for treating pancreatitis | |
US20230041138A1 (en) | Treatment of his hyporesponders | |
Blom et al. | New therapeutic developments in lipidology | |
Patel et al. | Lipid-Modifying Therapy | |
Genest | 75 Secondary prevention strategies post myocardial infarction | |
KR20070102953A (ko) | 고지혈증의 예방 및/또는 치료를 위한 의약 |