JPWO2008117368A1 - エレベータの制御システム - Google Patents

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Abstract

共通のかごを昇降させる複数の巻上機の駆動を制御するエレベータの制御システムにおいて、複数の巻上機制御装置及び運行管理装置が互いに分離して配置されている。各巻上機制御装置は、各巻上機の駆動を個別に制御する。運行管理装置は、各巻上機制御装置に対する制御指令を出力する。運行管理装置と各巻上機制御装置との間の通信は、伝送手段のシリアル伝送により行われる。運行管理装置及び各巻上機制御装置には、伝送手段に対して独立した異常停止回路が設けられている。異常停止回路は、運行管理装置及び各巻上機制御装置の少なくともいずれかがエレベータの異常を検出することにより、各巻上機への給電を同時に停止する。

Description

この発明は、共通のかごを昇降させる複数の巻上機の駆動を制御するエレベータの制御システムに関するものである。
従来、巻上機の大形化を防止するために、共通のかごを複数の巻上機の駆動で昇降させるエレベータが提案されている。各巻上機の綱車には、かごを吊り下げる主索が巻き掛けられている。かごは、各巻上機の綱車の回転により昇降される。各巻上機は、1つの制御盤により制御される(特許文献1参照)。
また、従来、制御装置の大形化を防止するために、エレベータの制御機能を、巻上機の電動機制御を行う電動機制御系と、乗りかごの運転制御を行う運転制御系とに分割したエレベータが提案されている。電動機制御系は巻上機付近に設置され、運転制御系は乗りかごの操作盤内に設置されている。電動機制御系と運転制御系との間の通信はシリアル伝送により行われる(特許文献2参照)。
WO2004/024609 特開2005−47679号公報
しかし、特許文献1に示されているエレベータでは、各巻上機が1つの制御盤で制御されるので、制御盤が大形化してしまい、特に制御盤を昇降路内に設置する場合には設置場所が制限されてしまう。また、各巻上機のいずれかと制御盤との間の通信に異常が発生した場合には、各巻上機によって移動される主索の速度の大きさにずれが生じ、かごが傾いてしまうおそれがある。
また、特許文献2に示されているエレベータにおいて、1つの巻上機でかごを昇降させる場合には、巻上機が大形化してしまう。また、複数の巻上機でかごを昇降させる場合には、各巻上機の制御系間の通信の一部に異常が発生すると、各巻上機によって移動される主索の速度の大きさにずれが生じ、かごが傾いてしまうおそれがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、制御システム全体の小形化を図ることができるとともに、かごが傾くことの防止を図ることができるエレベータの制御システムを得ることを目的とする。
この発明によるエレベータの制御システムは、共通のかごを昇降させる複数の巻上機の駆動を制御するエレベータの制御システムであって、互いに分離され、各巻上機の駆動を個別に制御する複数の巻上機制御装置、各巻上機制御装置に対して分離され、各巻上機制御装置に対する制御指令を出力する運行管理装置、運行管理装置と各巻上機制御装置との間の通信をシリアル伝送により行う伝送手段、及び伝送手段に対して独立し、運行管理装置及び各巻上機制御装置の少なくともいずれかがエレベータの異常を検出することにより、各巻上機への給電を同時に停止する異常停止回路を備えている。
この発明によるエレベータの制御システムでは、運行管理装置及び複数の巻上機制御装置間の通信が伝送手段により行われるとともに、エレベータの異常発生時に各巻上機への給電を同時に停止する異常停止回路が伝送手段に対して独立して設けられているので、エレベータの制御機能を運行管理装置及び各巻上機制御装置に分離することができ、制御システム全体として小形化を図ることができる。また、各巻上機のそれぞれの小形化を図ることもできる。さらに、エレベータの異常発生時に各巻上機のそれぞれの駆動を異常停止回路により同時に停止することができるので、各巻上機の一方のみが駆動されることを防止することができ、かごが傾くことの防止を図ることができる。
この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す概略の構成図である。 図1のエレベータ装置を示すブロック図である。 図2の異常停止回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示すブロック図である。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す概略の構成図である。図において、昇降路1の上部には、第1巻上機2及び第2巻上機3(複数の巻上機)と、第1そらせ車4及び第2そらせ車5とが設けられている。
第1巻上機2は、第1巻上機本体6と、第1巻上機本体6により回転される第1駆動シーブ7とを有している。第2巻上機3は、第2巻上機本体8と、第2巻上機本体8により回転される第2駆動シーブ9とを有している。
第1そらせ車4及び第1駆動シーブ7には第1主索12が巻き掛けられ、第2そらせ車5及び第2駆動シーブ9には第2主索13が巻き掛けられている。第1主索12及び第2主索13には、共通のかご10及び共通の釣合おもり11が吊り下げられている。かご10及び釣合おもり11は、第1駆動シーブ7及び第2駆動シーブ9のそれぞれの回転により、昇降路1内を昇降される。
かご10内には、かご操作盤14が設けられている。かご操作盤14には、かご10の行き先階を選択可能な複数の行き先階釦が設けられている。かご操作盤14からは、行き先階釦の操作により行き先階の情報が出力される。
各階床の乗場15には、乗場操作盤16が設けられている。各乗場操作盤16には、上下のそれぞれの方向を示す一対の乗場釦が設けられている。乗場操作盤16からは、乗場釦の操作により乗場階の情報が出力される。
昇降路1内の所定位置には、例えばかご10の通過の有無を検出する位置検出装置等を含む昇降路内機器17が設けられている。昇降路内機器17からは、かご10の位置情報等を含むエレベータの運転状況情報が出力される。
昇降路1内には、エレベータの運転を管理する運行管理装置18と、第1巻上機2の駆動を制御する第1巻上機制御装置19と、第2巻上機3の駆動を制御する第2巻上機制御装置20とが互いに分離して配置されている。
かご操作盤14、各乗場操作盤16及び昇降路内機器17のそれぞれからの情報は、運行管理装置18へ送られる。運行管理装置18は、かご操作盤14、各乗場操作盤16及び昇降路内機器17のそれぞれからの情報に基づいて、エレベータの運転の制御に関する制御指令を出力する。
第1巻上機制御装置19は第1巻上機2の近傍に配置され、第2巻上機制御装置20は第2巻上機3の近傍に配置されている。第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20は、運行管理装置18からの制御指令に基づいて、第1巻上機2及び第2巻上機3のそれぞれを個別に制御する。
図2は、図1のエレベータ装置を示すブロック図である。図において、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれと運行管理装置18との間には、伝送手段22が接続されている。伝送手段22は、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれと運行管理装置18との間の通信をシリアル伝送により行う。
伝送手段22は、運行管理装置18に設けられた管理側伝送装置23と、第1巻上機制御装置19に設けられた第1巻上機側伝送装置24と、第2巻上機制御装置20に設けられた第2巻上機側伝送装置25と、第1巻上機側伝送装置24及び第2巻上機側伝送装置25のそれぞれと管理側伝送装置23とを接続するシリアル伝送線26とを有している。
第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれからの情報はシリアル伝送線26を介して運行管理装置18へ送られ、運行管理装置18からの情報はシリアル伝送線26を介して第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれへ送られる。即ち、運行管理装置18は、伝送手段22により第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20に対して個別に通信可能になっている。
運行管理装置18は、かご操作盤14、各乗場操作盤16及び昇降路内機器17のそれぞれからの情報を処理する管理側処理部27を有している。管理側処理部27には、かご10の速度を制御するための設定速度パターンがあらかじめ設定されている。管理側処理部27は、かご操作盤14、各乗場操作盤16及び昇降路内機器17のそれぞれからの情報に基づいてかご10の目的階を求め、目的階へ移動するかご10の速度が設定速度パターンに従うように電圧値及び電流値を算出する。管理側処理部27により算出された電圧値及び電流値を含む情報は、運行管理装置18から制御指令として出力される。運行管理装置18からの制御指令は、伝送手段22により第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれへ送られる。
第1巻上機本体6は、第1駆動シーブ7を回転させる第1モータ28と、第1駆動シーブ7の回転を制動する第1ブレーキ29とを有している。また、第1巻上機本体6には、第1駆動シーブ7の回転に応じた信号を発生する第1エンコーダ(第1回転検出器)30が設けられている。
第1モータ28及び第1ブレーキ29のそれぞれには、第1巻上機制御装置19からの動力線が電気的に接続されている。各動力線は、駆動用電源に電気的に接続されている。各動力線には、第1モータ28及び第1ブレーキ29のそれぞれと駆動用電源との電気的接続を一括して開閉可能な第1動力用スイッチ(第1動力用接点)31が設けられている。
駆動用電源から第1モータ28及び第1ブレーキ29のそれぞれへの給電は、第1動力用スイッチ31を閉じることにより可能になり、第1動力用スイッチ31を開くことにより停止される。第1モータ28の動力線には、第1モータ28への電流値を検出する第1電流センサ(第1電流検出器)33が設けられている。
第1巻上機制御装置19は、運行管理装置18からの制御指令に基づいて第1巻上機2への給電を調整する第1制御側処理部34を有している。第1制御側処理部34は、第1エンコーダ30及び第1電流センサ33のそれぞれからの情報と運行管理装置18からの制御指令とを比較しながら、第1巻上機2への給電を調整する。第1巻上機2の駆動は、第1制御側処理部34による給電の調整により制御される。
第1エンコーダ30及び第1電流センサ33のそれぞれからの情報は、第1巻上機制御装置19からそのまま運行管理装置18へ出力される。第1巻上機制御装置19からの情報は、伝送手段22により運行管理装置18へ送られる。
第2巻上機本体8は、第2駆動シーブ9を回転させる第2モータ35と、第2駆動シーブ9の回転を制動する第2ブレーキ36とを有している。また、第2巻上機本体8には、第2駆動シーブ9の回転に応じた信号を発生する第2エンコーダ(第2回転検出器)37が設けられている。
第2モータ35及び第2ブレーキ36のそれぞれには、第2巻上機制御装置20からの動力線が電気的に接続されている。各動力線は、駆動用電源に電気的に接続されている。各動力線には、第2モータ35及び第2ブレーキ36のそれぞれと駆動用電源との電気的接続を一括して開閉可能な第2動力用スイッチ(第2動力用接点)38が設けられている。
駆動用電源から第2モータ35及び第2ブレーキ36のそれぞれへの給電は、第2動力用スイッチ38を閉じることにより可能になり、第2動力用スイッチ38を開くことにより停止される。第2モータ35の動力線には、第2モータ35への電流値を検出する第2電流センサ(第2電流検出器)40が設けられている。
第2巻上機制御装置20は、運行管理装置18からの制御指令に基づいて第2巻上機3への給電を調整する第2制御側処理部41を有している。第2制御側処理部41は、第2エンコーダ37及び第2電流センサ40のそれぞれからの情報と運行管理装置18からの制御指令とを比較しながら、第2巻上機3への給電を調整する。第2巻上機3の駆動は、第2制御側処理部41による給電の調整により制御される。
第2エンコーダ37及び第2電流センサ40のそれぞれからの情報は、第2巻上機制御装置20からそのまま運行管理装置18へ出力される。第2巻上機制御装置20からの情報は、伝送手段22により運行管理装置18へ送られる。
運行管理装置18は、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれからの情報に基づいて、第1巻上機2及び第2巻上機3のそれぞれが同期して動作しているか否かを検出する。第1巻上機制御装置19は、第1エンコーダ30及び第1電流センサ33のそれぞれからの情報に基づいて、第1巻上機2が制御指令に従って動作しているか否かを検出する。第2巻上機制御装置20は、第2エンコーダ37及び第2電流センサ40のそれぞれからの情報に基づいて、第2巻上機3が制御指令に従って動作しているか否かを検出する。即ち、運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれは、エレベータの運転時にエレベータの異常の有無を検出する。
運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20には、エレベータの異常時に第1巻上機2及び第2巻上機3のそれぞれへの給電を停止する異常停止回路42が取り付けられている。異常停止回路42は、伝送手段22に対して独立して設けられている。
図3は、図2の異常停止回路42を示す構成図である。図において、異常停止回路42は、運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれに通された1つの回路である。異常停止回路42は、運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20の少なくともいずれかがエレベータの異常を検出することにより、駆動用電源43から第1巻上機2及び第2巻上機3のそれぞれへの給電を同時に停止する。
異常停止回路42は、回路用電源44と、複数(この例では2つ)の回路用コイル45,46と、複数(この例では3つ)の検出スイッチ47,48,49とを有している。回路用電源44、各回路用コイル45,46及び各検出スイッチ47,48,49は、直列に接続されている。
回路用コイル45は、第1動力用スイッチ31の開閉動作を行う。回路用電源44から回路用コイル45への通電が行われると第1動力用スイッチ31の閉動作が行われ、回路用電源44から回路用コイル45への通電が停止されると第1動力用スイッチ31の開動作が行われる。即ち、回路用コイル45は、回路用電源44からの通電により第1巻上機2への給電を可能とし、通電の停止により第1巻上機2への給電を停止させる。
回路用コイル46は、第2動力用スイッチ38の開閉動作を行う。回路用電源44から回路用コイル46への通電が行われると第2動力用スイッチ38の閉動作が行われ、回路用電源44から回路用コイル46への通電が停止されると第2動力用スイッチ38の開動作が行われる。即ち、回路用コイル46は、回路用電源44からの通電により第2巻上機3への給電を可能とし、通電の停止により第2巻上機3への給電を停止させる。
検出スイッチ47は運行管理装置18に設けられている。検出スイッチ47は、運行管理装置18が検出するエレベータの異常の有無に応じて開閉動作を行う。即ち、検出スイッチ47は、通常時には閉じており、運行管理装置18がエレベータの異常を検出したときに開動作を行う。
検出スイッチ48は第1巻上機制御装置19に設けられている。検出スイッチ48は、第1巻上機制御装置19が検出するエレベータの異常の有無に応じて開閉動作を行う。即ち、検出スイッチ48は、通常時には閉じており、第1巻上機制御装置19がエレベータの異常を検出したときに開動作を行う。
検出スイッチ49は第2巻上機制御装置20に設けられている。検出スイッチ49は、第2巻上機制御装置20が検出するエレベータの異常の有無に応じて開閉動作を行う。即ち、検出スイッチ49は、通常時には閉じており、第2巻上機制御装置20がエレベータの異常を検出したときに開動作を行う。
即ち、各検出スイッチ47,48,49は、通常時にはすべて閉じており、運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれがエレベータの異常を検出したときに個別に開動作を行う。
回路用コイル45,46のそれぞれへの通電は、運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のすべてがエレベータの異常を検出していない(正常であることを検出している)ときにのみ、すべての検出スイッチ47〜49が閉じることにより行われる。また、運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20の少なくともいずれかがエレベータの異常を検出しているときには、各検出スイッチ47,48,49のいずれかの開動作によって回路用コイル45,46のそれぞれへの通電が停止される。
次に、動作について説明する。通常運転時には、エレベータの異常が運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20によって検出されていないので、各検出スイッチ47,48,49が閉状態となっている。これにより、第1動力用スイッチ31及び第2動力用スイッチ38のそれぞれが閉状態となり、第1巻上機2及び第2巻上機3のそれぞれへの給電が可能になっている。
このときには、第1巻上機2及び第2巻上機3は、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20の制御により、運行管理装置18からの制御指令に従って同期して駆動される。これにより、かご10及び釣合おもり11が昇降路1内を昇降される。
例えば第1巻上機制御装置19に設けられたインバータが故障して第1巻上機制御装置19がエレベータの異常を検出した場合には、検出スイッチ48が開動作を行う。これにより、各回路用コイル45,46への通電が停止され、第1動力用スイッチ31及び第2動力用スイッチ38のそれぞれが開動作を行う。これにより、第1巻上機2及び第2巻上機3のそれぞれへの給電が同時に停止される。
第1巻上機2及び第2巻上機3のそれぞれへの給電が同時に停止されると、第1モータ28及び第2モータ35の駆動が同時に停止するとともに、第1ブレーキ29及び第2ブレーキ36の制動動作が同時に開始される。これにより、第1主索12及び第2主索13の移動も同時に停止される。かご10及び釣合おもり11の移動は、第1主索12及び第2主索13の移動の停止により停止される。
このようなエレベータの制御システムでは、運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20間の通信が伝送手段22により行われるとともに、エレベータの異常発生時に第1巻上機2及び第2巻上機3への給電を同時に停止する異常停止回路42が伝送手段22に対して独立して設けられているので、エレベータの制御機能を運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20に分離することができ、制御システム全体として小形化を図ることができる。また、第1巻上機2及び第2巻上機3のそれぞれの小形化を図ることもできる。さらに、エレベータの異常発生時に第1巻上機2及び第1巻上機3のそれぞれの駆動を異常停止回路42により同時に停止することができるので、第1巻上機2及び第2巻上機3の一方のみが駆動されることを防止することができ、かご10が傾くことの防止を図ることができる。また、これにより、かご10を吊り下げる第1主索12及び第2主索13の各張力の変動を抑制することができ、第1主索12及び第2主索13の長寿命化も図ることができる。
また、運行管理装置18は、伝送手段22により第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20に対して個別に通信可能になっているので、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のそれぞれと運行管理装置18との間の通信をより確実に行うことができる。
また、異常停止回路42は、直列に接続された回路用電源44、各回路用コイル45,46及び各検出スイッチ47,48,49を有し、エレベータの異常発生時に各検出スイッチ47,48,49の少なくともいずれかが開動作を行うことにより、各回路用コイル45,46への通電が停止されて第1巻上機2及び第2巻上機3への給電が同時に停止されるので、第1巻上機2及び第2巻上機3のそれぞれの駆動をより確実に同時に停止させることができる。これにより、かご10が傾くことの防止をより確実に図ることができる。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示すブロック図である。図において、伝送手段22は、運行管理装置18に設けられた管理側伝送装置23と、第1巻上機制御装置19に設けられた第1巻上機側伝送装置24と、第2巻上機制御装置20に設けられた第2巻上機側伝送装置25と、管理側伝送装置23、第1巻上機側伝送装置24及び第2巻上機側伝送装置25を直列に接続するシリアル伝送線26とを有している。
運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20は、運行管理装置18からの情報が第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20を順次伝送されるように伝送手段22により直列に接続されている。運行管理装置18と第1巻上機制御装置19との間の通信、及び第1巻上機制御装置19と第2巻上機制御装置20との間の通信は、伝送手段22により行われる。
運行管理装置18の管理側処理部27は、かご操作盤14、各乗場操作盤16及び昇降路内機器17のそれぞれからの情報に基づいて、かご10の目的階を求め、目的階の情報を制御指令として出力する。運行管理装置18からの制御指令は、伝送手段22により第1巻上機制御装置19へ送られる。
第1巻上機制御装置19には、かご10の速度を制御するための設定速度パターンがあらかじめ設定されている。第1制御側処理部34は、目的階へ移動するかご10の速度が設定速度パターンに従うように電圧値及び電流値を制御情報として算出する。また、第1制御側処理部34は、第1エンコーダ30及び第1電流センサ33のそれぞれからの情報と、算出した制御情報とを比較しながら、第1巻上機2への給電を調整する。第1巻上機2の駆動は、第1制御側処理部34による給電の調整により制御される。
第1エンコーダ30及び第1電流センサ33からの情報、及び第2エンコーダ37及び第2電流センサ40からの情報は、第1巻上機制御装置19と第2巻上機制御装置20との間を伝送手段22により送られる。
第2巻上機制御装置20の第2制御側処理部41は、第1エンコーダ30、第1電流センサ33、第2エンコーダ37及び第2電流センサ40のそれぞれからの情報に基づいて、第2巻上機3の駆動が第1巻上機2の駆動に同期するように、第2巻上機3への給電を調整する。第2巻上機3の駆動は、第2制御側処理部41による給電の調整により、第1巻上機2の駆動と同期して制御される。他の構成は実施の形態1と同様である。
このようなエレベータの制御システムでは、運行管理装置18からの情報が第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20を順次伝送されるように、運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20が伝送手段22により直列に接続されているので、管理側伝送装置23において、送受信用のシリアル伝送ドライバを第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20ごとに設ける必要がなくなり、シリアル伝送ドライバの数を少なくすることができる。従って、巻上機制御装置の数が増加した場合であっても、管理側伝送装置23においてシリアル伝送ドライバの数を増加させなくてよいので、コストの低減化を図ることができる。
なお、各上記実施の形態において、かご操作盤14、各乗場操作盤16及び昇降路内機器17のそれぞれと運行管理装置18との間の通信も伝送手段22のシリアル伝送により行うようにしてもよい。このようにすれば、かご操作盤14、各乗場操作盤16及び昇降路内機器17のそれぞれと運行管理装置18との間の配線数を少なくすることができる。
また、各上記実施の形態において、運行管理装置18は、運行管理装置18、第1巻上機制御装置19及び第2巻上機制御装置20のうち、エレベータの異常を検出した装置を特定する情報(異常検出情報)を記録可能になっていてもよい。このようにすれば、エレベータの運転が停止された後、運行管理装置18の記録を確認するだけで、異常箇所を容易に特定することができる。
また、各上記実施の形態では、2つの巻上機2,3の駆動によってかご10及び釣合おもり11を昇降させるエレベータにこの発明が適用されているが、3つ以上の巻上機の駆動によってかご10及び釣合おもり11を昇降させるエレベータにこの発明を適用してもよい。

Claims (6)

  1. 共通のかごを昇降させる複数の巻上機の駆動を制御するエレベータの制御システムであって、
    互いに分離され、各上記巻上機の駆動を個別に制御する複数の巻上機制御装置、
    各上記巻上機制御装置に対して分離され、各上記巻上機制御装置に対する制御指令を出力する運行管理装置、
    上記運行管理装置と各上記巻上機制御装置との間の通信をシリアル伝送により行う伝送手段、及び
    上記伝送手段に対して独立し、上記運行管理装置及び各上記巻上機制御装置の少なくともいずれかがエレベータの異常を検出することにより、各上記巻上機への給電を同時に停止する異常停止回路
    を備えていることを特徴とするエレベータの制御システム。
  2. 上記運行管理装置は、上記伝送手段により各上記巻上機制御装置に対して個別に通信可能になっていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御システム。
  3. 上記運行管理装置及び各上記巻上機制御装置は、上記運行管理装置からの情報が各上記巻上機制御装置を順次伝送されるように上記伝送手段により直列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御システム。
  4. 上記異常停止回路は、回路用電源と、上記回路用電源からの通電により各上記巻上機への給電を可能とし、上記通電の停止により各上記巻上機への給電を停止させる回路用コイルと、上記運行管理装置及び各上記巻上機制御装置のそれぞれがエレベータの異常を検出したときに個別に開動作を行う複数の検出スイッチとを有し、
    上記回路用電源、上記回路用コイル及び各上記検出スイッチは、直列に接続されており、
    上記回路用コイルへの通電は、各上記検出スイッチの少なくともいずれかの開動作により停止されることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御装置。
  5. 上記伝送手段は、上記かご内に設けられたかご内操作盤、エレベータの乗場に設けられた乗場操作盤、上記かごが昇降する昇降路内に設けられた昇降路内機器のそれぞれと、上記運行管理装置との間の通信をシリアル伝送により行うことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御システム。
  6. 上記運行管理装置は、上記運行管理装置及び各上記巻上機制御装置のうち、エレベータの異常を検出した装置を特定する情報を記録可能になっていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御システム。
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