JPWO2008102812A1 - 樹脂組成物及びこれを用いた膜状光学部材、並びに樹脂組成物製造方法 - Google Patents
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Abstract
透明、高屈折率でかつ膜状の光学部材を形成することが可能な樹脂組成物、およびこれを用いた光学部材を提供する。樹脂組成物は、(A)含金属高屈折中間体と、(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または(C)反応性モノマと、を含有する樹脂組成物であって、前記(A)成分が、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水を混合し加熱する工程、加水分解による副生成物のアルコールを留去する工程により得られる。
Description
本発明は樹脂組成物に関し、特に含金属高屈折中間体と、ポリマ若しくはオリゴマ及び/又は反応性モノマとを含有する樹脂組成物、及びこれを用いた膜状光学部材、並びに樹脂組成物製造方法に関する。
近年、軽量でかつ加工性に富み、各種の光学部材として好適な樹脂材料として、1.6〜2.2程度の高い屈折率を有する透明樹脂材料(以下、適宜、高屈折性樹脂材料という)が要求されている。従来技術における高屈折率樹脂材料は、ポリチオール化合物とポリイソシアネート化合物から得られるチオウレタン(例えば、下記特許文献1参照)、エポキシ樹脂またはエピスルフィド樹脂から得られる重合体(例えば、下記特許文献2参照)などが挙げられるが、これらイオウ系の高屈折樹脂材料は、屈折率の限界が1.72程度であるのに加え、硬化前の臭気が激しく、工程上の制約を受ける。また、ベンゼン環に臭素を導入したポリマが既に市販化されているが、その屈折率は1.6程度である。
また、樹脂中に酸化チタンや酸化亜鉛などの高屈折率金属酸化物微粒子を分散させる技術が提案されているが(例えば、下記特許文献3参照)、光散乱を引き起こさないようにこれらの微粒子を分散させるのは極めて難しい。また、チタンアルコキシドのゾルゲル反応を樹脂マトリクス中で行う有機−無機ハイブリッド系も多々報告されているが(例えば、特許文献4や特許文献5参照)、光学用途としては、光散乱を引き起こしてしまうため実用化には至っていない。
また、本発明と比較的近いものとして、例えば、特許文献6や特許文献7が挙げられるが、特許文献6の発明では、粘度が低すぎて1〜1000μm程度の厚膜を形成することはできない。また、特許文献7にある有機・無機ポリマー複合体およびその製造方法では、反応性の高い金属アルコキシドを用いる場合、その反応性制御と均一分散が困難である。例えば、チタンアルコキシドのゾルゲル反応は、非常に反応性が高いため、酸化チタン粒子が光を散乱させる程度以上の粒子サイズ(>100nm)になり易い。
特公平4−58489号公報
特開平3−81320号公報
特開2002−277609号公報
特開平6−107461号公報
特開2001−89196号公報
特公平7−14834号公報
特開平6−322136号公報
本発明は、透明、高屈折率でかつ膜状の光学部材を形成することが可能な樹脂組成物、及びこれを用いた膜状光学部材を提供することを目的とする。また、前記樹脂組成物を製造する樹脂組成物製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る樹脂組成物は、前記課題を解決するために、(A)含金属高屈折中間体と、(B)ポリマ若しくはオリゴマ及び/又は(C)反応性モノマとを含有する樹脂組成物であって、前記(A)含金属高屈折中間体の成分は、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合して加熱して加水分解し、さらに加水分解による副生成物のアルコールを留去して得られる。
また、前記(A)含金属高屈折中間体は、チタンアルコキシド、ジエタノールアミン、水の混合モル比を、n:m:lとした場合、l<n≦mとして得られるのが好ましい。また、本発明の樹脂組成物は、さらに(D)溶媒を含有することが好ましい。特に、前記(D)溶媒が窒素原子を有する溶媒であることが好ましい。
また、本発明の膜状光学部材は、これらの樹脂組成物を有することが好ましい。さらに、本発明の膜状光学部材は、膜厚が1〜1000μmの範囲であることが好ましい。
本発明に係る樹脂組成物製造方法は、前記課題を解決するために、(A)含金属高屈折中間体と、(B)ポリマ若しくはオリゴマ及び/又は(C)反応性モノマとを含有する樹脂組成物を製造する樹脂組成物製造方法であって、前記(A)含金属高屈折中間体の成分を、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合し加熱し、加水分解する加熱工程と、加水分解による副生成物のアルコールを留去するアルコール留去工程とを少なくとも経て得る。
本発明の樹脂組成物製造方法にあって、前記加熱工程は、チタンアルコキシド、ジエタノールアミン、水との混合モル比を、n:m:lとした場合、l<n≦mとして前記チタンアルコキシドと前記ジエタノールアミンと前記水を混合し加熱する。
本発明の樹脂組成物製造方法は、(D)溶媒をさらに配合する溶媒配合工程を有することが好ましい。また、前記溶媒配合工程が配合する溶媒が窒素原子を有する溶媒であることが好ましい。
本発明は、以上に説明した樹脂組成物製造方法によって製造されるので、樹脂組成物中の金属アルコキシドの反応性を抑制し、その粒子成長を抑えることで、透明、高屈折率かつ所望膜厚の膜状光学部材を得ることが可能である。
また、本発明は、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基板、フィルター、液晶ディスプレイ部材、プラズマディスプレイ用部材、プリズムシート、ディフューザー、光散乱フィルム、視野角向上フィルム、輝度向上フィルム、偏光子、太陽電池用集光フィルム等に代表される膜状光学部材、およびその樹脂材料に適用できる。特に、高い屈折率を有する薄膜状光学部材、および樹脂組成物に適用できる。
本発明によれば、従来よりも透明、高屈折率でかつ所望する膜厚の光学部材を形成することが可能な樹脂組成物、およびこれを用いた膜状光学部材を提供することが可能である。また、前記樹脂組成物を製造するための樹脂組成物製造方法を適用できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、(A)含金属高屈折中間体と、(B)ポリマ若しくはオリゴマ及び/又は(C)反応性モノマとを含有する樹脂組成物であって、前記(A)含金属高屈折中間体の成分は、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合して加熱して加水分解し、さらに加水分解による副生成物のアルコールを留去して得られる。また、この樹脂組成物を用いて形成される膜状光学部材である。
<樹脂組成物>
先ず、樹脂組成物について説明する。本発明の樹脂組成物で特徴的なのは、前記(A)含金属高屈折中間体の成分が、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合して加熱して加水分解し、さらに加水分解による副生成物のアルコールを留去して得られることである。
このように、前記(A)成分は、部分的に、加水分解反応で縮合されたものであり、また、反応系を加熱することにより、加水分解により発生した副生成物のアルコールを積極的に留去する工程により得られる。なお、上記ジエタノールアミンは、前記工程中において、チタンアルコキシドに配位し、加水分解反応の進行を制御し、酸化チタン粒子の成長を抑制する役割を有する。従って、酸化チタン粒子の成長を抑制し、硬化物の光散乱を引き起こさないようにすることが可能となる。
先ず、樹脂組成物について説明する。本発明の樹脂組成物で特徴的なのは、前記(A)含金属高屈折中間体の成分が、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合して加熱して加水分解し、さらに加水分解による副生成物のアルコールを留去して得られることである。
このように、前記(A)成分は、部分的に、加水分解反応で縮合されたものであり、また、反応系を加熱することにより、加水分解により発生した副生成物のアルコールを積極的に留去する工程により得られる。なお、上記ジエタノールアミンは、前記工程中において、チタンアルコキシドに配位し、加水分解反応の進行を制御し、酸化チタン粒子の成長を抑制する役割を有する。従って、酸化チタン粒子の成長を抑制し、硬化物の光散乱を引き起こさないようにすることが可能となる。
上記(A)含金属高屈折中間体のうちのチタンアルコキシドは、目的に応じて他の金属アルコキシドを部分的に用いることもできる。その金属としては、特に限定されないが、Zn、Zr、La、Th、Taなどが挙げられる。
上記(A)含金属高屈折中間体に使用されるチタンアルコキシドの加水分解性アルコキシ基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜6のアルコシキ基、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。炭素数が3〜6であると、ゾルゲル反応が十分に進行することから、好ましくはプロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基であり、特に好ましくはイソプロポキシ基である。金属上のこれらアルコキシ基の種類はすべて同一であっても、違っていても構わない。
上記(A)含金属高屈折中間体に使われるチタンアルコキシドとしては、例えば、チタニウムテトラメトキシ、チタニウムテトラエトキシ、チタニウムテトラ−n−プロポキシ、チタニウムテトラ−iso−プロポキシ、チタニウムテトラ−n−ブトキシ、チタニウムテトラ−sec−ブトキシ、チタニウムテトラ−tert−ブトキシ、チタニウムテトラフェノキシ等のテトラアルコキシ、チタニウムトリメトキシ、チタニウムトリエトキシ、チタニウムトリプロポキシ、チタニウムフルオロトリメトキシ、チタニウムフルオロトリエトキシ、チタニウムメチルトリメトキシ、チタニウムメチルトリエトキシ、チタニウムメチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムメチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムメチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムメチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムメチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムメチルトリフェノキシ、チタニウムエチルトリメトキシ、チタニウムエチルトリエトキシ、チタニウムエチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムエチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムエチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムエチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムエチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムエチルトリフェノキシ、チタニウムn−プロピルトリメトキシ、チタニウムn−プロピルトリエトキシ、チタニウムn−プロピルトリ−n−プロポキシ、チタニウムn−プロピルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムn−プロピルトリ−n−ブトキシ、チタニウムn−プロピルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムn−プロピルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムn−プロピルトリフェノキシ、チタニウムiso−プロピルトリメトキシ、チタニウムiso−プロピルトリエトキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−n−プロポキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−n−ブトキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムiso−プロピルトリフェノキシ、チタニウムn−ブチルトリメトキシ、チタニウムn−ブチルトリエトキシ、チタニウムn−ブチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムn−ブチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムn−ブチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムn−ブチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムn−ブチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムn−ブチルトリフェノキシ、チタニウムsec−ブチルトリメトキシ、チタニウムsec−ブチルトリエトキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムsec−ブチルトリフェノキシ、チタニウムt−ブチルトリメトキシ、チタニウムtert−ブチルトリエトキシ、チタニウムtert−ブチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムtert−ブチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムtert−ブチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムtert−ブチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムtert−ブチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムtert−ブチルトリフェノキシ、チタニウムフェニルトリメトキシ、チタニウムフェニルトリエトキシ、チタニウムフェニルトリ−n−プロポキシ、チタニウムフェニルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムフェニルトリ−n−ブトキシ、チタニウムフェニルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムフェニルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムフェニルトリフェノキシ、チタニウムトリフルオロメチルトリメトキシ、チタニウムペンタフルオロエチルトリメトキシ、チタニウム3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシ、チタニウム3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシ等のトリアルコキシ、チタニウムジメチルジメトキシ、チタニウムジメチルジエトキシ、チタニウムジメチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジメチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジメチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジメチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジメチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジメチルジフェノキシ、チタニウムジエチルジメトキシ、チタニウムジエチルジエトキシ、チタニウムジエチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジエチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジエチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジエチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジエチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジエチルジフェノキシ、チタニウムジ−n−プロピルジメトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジエトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジフェノキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジメトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジエトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジフェノキシ、チタニウムジ−n−ブチルジメトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジエトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジフェノキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジメトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジエトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジフェノキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジメトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジエトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジフェノキシ、チタニウムジフェニルジメトキシ、チタニウムジフェニルジエトキシ、チタニウムジフェニルジ−n−プロポキシ、チタニウムジフェニルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジフェニルジ−n−ブトキシ、チタニウムジフェニルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジフェニルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジフェニルジフェノキシ、チタニウムビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシ、チタニウムメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシ等のジオルガノジアルコキシ等が挙げられ、中でも、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基を含むものが好ましく、特に好ましくはイソプロポキシ基である。
また、前記(A)含金属高屈折中間体は、チタンアルコキシド、ジエタノールアミン、水の混合モル比を、n:m:lとした場合、l<n≦mとすることが好ましい。水が多い場合やアミノアルコールが少ない場合には、チタン粒子の析出やゲル化が発生するため、この不等式を満足することで、透明で均質な樹脂組成物ができる。より具体的には、l=2〜6、m=5〜9、n=3〜7あることが好ましい。
上記(B)ポリマ若しくはオリゴマとしては、特に限定されないが、光透過率や屈折率が高く、可塑性があり、耐候性の良いものが好ましく、例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニル、ポリアクリル、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリケトンなどが挙げられる。上記(B)成分を配合させる場合、その配合量は、(A)含金属高屈折中間体成分100重量部に対して、1〜100重量部であることが好ましい。
上記(C)反応性モノマは、熱や光により重合、硬化する樹脂組成物において成分となる。(C)反応性モノマ成分の重合形態には、例えば、イオン重合やラジカル重合がよく知られているが、本発明は、それら重合形態を限定するものではない。(C)成分としては、具体的には、エポキシ誘導体、イソシアネート、(メタ)アクリレート、ジカルボン酸、ジオール、ジアミン、スチレン、イソプレン、ブタジエン、アクリロニトリル、プロピレン、エチレンが挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、イソシアネート、(メタ)アクリレート、ジカルボン酸、ジオール、ジアミン、スチレンが好ましい。
上記(C)成分を配合させる場合、その配合量は、(A)含金属高屈折中間体成分100重量部に対して、1〜100重量部であることが好ましい。
上記(C)成分を配合させる場合、その配合量は、(A)含金属高屈折中間体成分100重量部に対して、1〜100重量部であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、さらに(D)溶媒を含有することが好ましい。(D)溶媒としては、炭化水素系溶剤、エーテル・ケトン類溶剤、エステル系溶剤、ハロゲン化炭化水素類、鉱物油や合成油、動植物油、アルコール系溶剤等が挙げられ、これらは1種類もしくは2種類以上を組み合わせて使用することができる。中でも、炭化水素溶剤、エーテル・ケトン類溶剤、エステル系溶剤、ハロゲン化炭化水素類、アルコール系溶剤が好適に使用することができる。
さらに、窒素原子がチタンアルコキシドを安定化させるという観点から、窒素原子を有する溶媒を含有することがより好ましい。窒素原子を有する溶媒としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドが挙げられ、N−メチルピロリドンを好適に使用することができる。
さらに、窒素原子がチタンアルコキシドを安定化させるという観点から、窒素原子を有する溶媒を含有することがより好ましい。窒素原子を有する溶媒としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドが挙げられ、N−メチルピロリドンを好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物において、上記溶媒(D)成分を配合する場合、その配合量は、(A)含金属高屈折中間体成分100重量部に対して、1〜1000重量部であることが好ましい。上記溶媒(D)成分は、特に塗膜形成のための希釈剤として使用され、例えば、刷毛塗り、スピン塗布法、スプレー法、スリットコーター、グラビア印刷、スクリーン印刷などの方法により塗布された後、ホットプレート、電気炉などで揮発され、均一な塗布膜を得るのに有効な成分である。
また、本発明の樹脂組成物は、(E)添加剤を含有させることができる。上記(E)添加剤としては、必要な場合は、光ラジカル重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を用い、さらに必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤等の安定化剤、カップリング剤、難燃剤などを用いることができる。
これらラジカル重合開始剤の配合量は、(B)ポリマ若しくはオリゴマ成分と(C)反応性モノマ成分の総量100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.1〜5重量部の範囲であることがより好ましい。上記紫外線吸収剤や光安定化剤は、通常、(B)ポリマ若しくはオリゴマ成分と(C)反応性モノマ成分の総量100重量部に対し0.05〜20重量部の範囲で添加されうる。上記酸化防止剤は、充填材との相性や目的とする成形作業性及び樹脂保存安定性などの条件により種類、量を変えて添加する。通常、(B)ポリマ若しくはオリゴマ成分と(C)反応性モノマ成分の総量100重量部に対し10〜10,000ppmである。カップリング剤は、通常、(B)ポリマ若しくはオリゴマ成分と(C)反応性モノマ成分の総量100重量部に対し、0.001〜5重量部添加する。
上記難燃剤の添加量は(B)ポリマ若しくはオリゴマ成分と(C)反応性モノマ成分の総量100重量部に対し10〜300重量部の範囲で用いることが好ましい。本発明の樹脂組成物は、上記した(A)含金属高屈折中間体成分と、(B)ポリマ若しくはオリゴマ成分および/または(C)反応性モノマ成分とを必須成分とし、その他必要に応じて添加される成分を、通常の樹脂組成物と同様に攪拌、混合することにより得ることができる。
<樹脂組成物製造方法>
次に、本発明の樹脂組成物製造方法について説明する。本発明の樹脂組成物製造方法は、(A)含金属高屈折中間体と、(B)ポリマ若しくはオリゴマ及び/又は(C)反応性モノマとを含有する樹脂組成物を製造する樹脂組成物製造方法であって、前記(A)含金属高屈折中間体の成分を、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合し加熱し、加水分解する加熱工程と、加水分解による副生成物のアルコールを留去するアルコール留去工程とを少なくとも経て得ることを特徴とする。
次に、本発明の樹脂組成物製造方法について説明する。本発明の樹脂組成物製造方法は、(A)含金属高屈折中間体と、(B)ポリマ若しくはオリゴマ及び/又は(C)反応性モノマとを含有する樹脂組成物を製造する樹脂組成物製造方法であって、前記(A)含金属高屈折中間体の成分を、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合し加熱し、加水分解する加熱工程と、加水分解による副生成物のアルコールを留去するアルコール留去工程とを少なくとも経て得ることを特徴とする。
つまり、本発明の樹脂組成物製造方法は、本発明の樹脂組成物を製造する製造方法であって、加熱工程において、前記(A)含金属高屈折中間体の成分を、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合し加熱して加水分解し、アルコール留去工程において、加水分解による副生成物のアルコールを留去することで、(A)含金属高屈折中間体の成分を得ている。
従って、既述の本発明の樹脂組成物において説明した通り、ジエタノールアミンがチタンアルコキシドに配位することで、加水分解反応の進行を制御し、酸化チタン粒子の成長を抑制することができる。そして、酸化チタン粒子が必要以上に大きい粒子となることなく、光散乱を引き起こさないようにすることができる。
従って、既述の本発明の樹脂組成物において説明した通り、ジエタノールアミンがチタンアルコキシドに配位することで、加水分解反応の進行を制御し、酸化チタン粒子の成長を抑制することができる。そして、酸化チタン粒子が必要以上に大きい粒子となることなく、光散乱を引き起こさないようにすることができる。
前記加熱工程における加熱温度は、副生成物のアルコールの沸点付近が好ましく、40〜150℃とすることが好ましく、例えば、副生成物がイソプロピルアルコールの場合には60〜100℃とすることがより好ましい。また、加熱時間としては、チタンアルコキシド量から計算されるアルコールの留去量から決定することが好ましい。
前記加熱工程においては、チタンアルコキシド、ジエタノールアミン、水の混合モル比を、n:m:lとした場合、l<n≦mとして前記チタンアルコキシドと前記ジエタノールアミンと前記水とを混合し加熱することが好ましい。
前記加熱工程においては、チタンアルコキシド、ジエタノールアミン、水の混合モル比を、n:m:lとした場合、l<n≦mとして前記チタンアルコキシドと前記ジエタノールアミンと前記水とを混合し加熱することが好ましい。
本発明の製造方法は、さらに溶媒を配合する溶媒配合工程を有することが好ましい。また、配合する溶媒は窒素原子を有する溶媒であることが好ましい。配合する溶媒及び窒素原子を有する溶媒の例示及び好ましい配合量等については、既述の本発明の樹脂組成物において説明した内容と同様である。
本発明の製造方法において、その他の成分として、既述の本発明の樹脂組成物において説明した重合開始剤や紫外線吸収剤などの添加剤を添加することができる。好適な添加剤及びその好ましい添加量や配合量は本発明の樹脂組成物において説明した内容と同様である。
本発明の樹脂組成物製造方法において、上記した(A)含金属高屈折中間体成分と、(B)ポリマ若しくはオリゴマ成分および/または(C)反応性モノマ成分とを必須成分とし、その他必要に応じて添加される成分を、通常の樹脂組成物と同様に攪拌、混合することにより得ることができる。
<膜状光学部材>
本発明の膜状光学部材は、例えば、本発明の樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥し、必要に応じて硬化させることにより得ることができる。樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、刷毛塗り、スピン塗布法、スプレー法、スリットコーター、グラビア印刷、スクリーン印刷などを挙げることができる。また、上記基材としては、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルム、太陽電池セルなどを挙げることができる。
本発明の膜状光学部材は、例えば、本発明の樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥し、必要に応じて硬化させることにより得ることができる。樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、刷毛塗り、スピン塗布法、スプレー法、スリットコーター、グラビア印刷、スクリーン印刷などを挙げることができる。また、上記基材としては、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルム、太陽電池セルなどを挙げることができる。
また、樹脂組成物の塗布後に行う乾燥は、膜中の溶剤が十分に揮発すればよく、その方法や条件は特に限定されないが、例えば、ホットプレート、電気炉等を用い、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜120℃の範囲で行うことができる。乾燥温度50℃未満では、(D)成分などの乾燥が不十分になる恐れがあり、150℃を超えると(C)成分などが揮発してしまう恐れがあり、良好な硬化膜をえることが困難になる傾向がある。
また、乾燥後の硬化は、熱硬化性配合の場合には、その成分や配合量により硬化温度と時間を適宜決定すればよいが、好ましくは100〜200℃の温度で2〜60分間、より好ましくは130〜200℃の温度で2〜30分間加熱して行うことができる。この加熱が100℃未満であると、十分な硬化が行えない恐れがある。また、樹脂組成物が光硬化性配合の場合にも特に制限されないが、高圧水銀灯などを用い、100〜2000mJ/cm2で露光し、最終硬化させることが好ましい。
本発明の膜状光学部材の膜厚は、本発明の樹脂組成物の粘度を調整したり、膜形成手段やその条件を適宜選択することにより、容易に所望厚さに形成することが可能である。例えば、上記(D)溶媒成分である溶剤の配合量を少なくすると、樹脂組成物の粘度が上昇し、比較的厚膜の光学部材を形成しやすくなり、上記(D)溶媒成分の配合量を多くすると、樹脂組成物の粘度が低下し、比較的薄膜の光学部材を形成しやすくなる。また、樹脂組成物の塗布手段として、スピン塗布法を適用する場合には、その回転数を下げたり、塗布回数を増やしたりすることで、比較的厚膜の光学部材を形成することができ、その回転数を上げたり、塗布回数を減らしたりすることで、比較的薄膜の光学部材を形成することが可能である。具体的に好ましい厚さは、用途にもよるが1〜1000μmの範囲である。
[実施例1]
((A)含金属高屈折中間体の調製)
4つ口のセパラブルフラスコの1つに攪拌羽、1つに窒素供給、1つに揮発成分を留去できるように連結管、リービッヒ冷却器を接続しておいた。ジエタノールアミン11.04g(0.105mol)、水0.54g(0.03mol)、(D)溶媒としてN−メチルピロリドン33.44gを、100mlセパラブルフラスコに入れ、窒素流下、攪拌した。数分後、攪拌が十分に行われたのを確認し、チタニウムテトライソプロポキシド21.32g(0.075mol)をなるべく空気に触れないように注意しながら加えた。チタニウムテトライソプロポキシドを加えると、フラスコの温度は上昇するが、室温(25℃)程度にまで冷えた後、80℃オイルバスを用いて、揮発成分の留去を行った。この際の留去物(揮発成分)は、チタニウムテトライソプロポキシドの加水分解反応による副生成物のイソプロピルアルコールである。別なサンプル管を用い、水0.54g、ジエタノールアミン3.15gをよく混ぜておき、上記留去を6時間行った後に、フラスコを室温(25℃)まで冷却し、この混合物を添加した。この液体をA液((A)含金属高屈折中間体)という。なお、以上の(A)含金属高屈折中間体の調製において、チタンアルコキシド、ジエタノールアミン、水の混合モル比を、n:m:lとした場合、l<n≦mを満足していた。
((A)含金属高屈折中間体の調製)
4つ口のセパラブルフラスコの1つに攪拌羽、1つに窒素供給、1つに揮発成分を留去できるように連結管、リービッヒ冷却器を接続しておいた。ジエタノールアミン11.04g(0.105mol)、水0.54g(0.03mol)、(D)溶媒としてN−メチルピロリドン33.44gを、100mlセパラブルフラスコに入れ、窒素流下、攪拌した。数分後、攪拌が十分に行われたのを確認し、チタニウムテトライソプロポキシド21.32g(0.075mol)をなるべく空気に触れないように注意しながら加えた。チタニウムテトライソプロポキシドを加えると、フラスコの温度は上昇するが、室温(25℃)程度にまで冷えた後、80℃オイルバスを用いて、揮発成分の留去を行った。この際の留去物(揮発成分)は、チタニウムテトライソプロポキシドの加水分解反応による副生成物のイソプロピルアルコールである。別なサンプル管を用い、水0.54g、ジエタノールアミン3.15gをよく混ぜておき、上記留去を6時間行った後に、フラスコを室温(25℃)まで冷却し、この混合物を添加した。この液体をA液((A)含金属高屈折中間体)という。なお、以上の(A)含金属高屈折中間体の調製において、チタンアルコキシド、ジエタノールアミン、水の混合モル比を、n:m:lとした場合、l<n≦mを満足していた。
(樹脂組成物の調製〜薄膜の作製)
セパラブルフラスコに、(D)溶媒としてN−メチルピロリドン1494gを加え、これにクラレ社製クラレポリオールP1010、4965gを滴下して十分に攪拌した。これに住化バイエルウレタン社製ディスモジュール−W1009gを約2時間かけて滴下し、B1液((B)ポリマもしくはオリゴマ)を得た。A液100重量部に対し、B1液10重量部を加え十分に攪拌して得た樹脂組成物を、半導体用シリコンウエハとスライドガラスにスピンコートし、100℃のホットプレートで5分間加熱、溶剤を除去し、薄膜(膜状光学部材)を得た。この薄膜の単位膜厚あたりの吸光度(O.D./μm)と、屈折率を表1にまとめる。屈折率は1.645であり、吸光度は0.000730であった。
セパラブルフラスコに、(D)溶媒としてN−メチルピロリドン1494gを加え、これにクラレ社製クラレポリオールP1010、4965gを滴下して十分に攪拌した。これに住化バイエルウレタン社製ディスモジュール−W1009gを約2時間かけて滴下し、B1液((B)ポリマもしくはオリゴマ)を得た。A液100重量部に対し、B1液10重量部を加え十分に攪拌して得た樹脂組成物を、半導体用シリコンウエハとスライドガラスにスピンコートし、100℃のホットプレートで5分間加熱、溶剤を除去し、薄膜(膜状光学部材)を得た。この薄膜の単位膜厚あたりの吸光度(O.D./μm)と、屈折率を表1にまとめる。屈折率は1.645であり、吸光度は0.000730であった。
[実施例2]
実施例1で得たA液100重量部に対し、B2液((B)ポリマもしくはオリゴマ)として日立化成工業社製ヒタロイド7981、10重量部を加え十分に攪拌した樹脂組成液を、半導体用シリコンウエハとスライドガラスにスピンコートし、100℃のホットプレートで5分間加熱、溶剤を除去し、薄膜(膜状光学部材)を得、紫外線を照射して硬化させた。この薄膜の単位膜厚あたりの吸光度(O.D./μm)と、屈折率を実施例1と同様にして測定したところ、屈折率は1.671であり、吸光度は0.000944であった。
実施例1で得たA液100重量部に対し、B2液((B)ポリマもしくはオリゴマ)として日立化成工業社製ヒタロイド7981、10重量部を加え十分に攪拌した樹脂組成液を、半導体用シリコンウエハとスライドガラスにスピンコートし、100℃のホットプレートで5分間加熱、溶剤を除去し、薄膜(膜状光学部材)を得、紫外線を照射して硬化させた。この薄膜の単位膜厚あたりの吸光度(O.D./μm)と、屈折率を実施例1と同様にして測定したところ、屈折率は1.671であり、吸光度は0.000944であった。
[実施例3]
実施例1で得たA液100重量部に対し、B3液((B)ポリマもしくはオリゴマ)として大日本インキ社製EXA−4850−100、10重量部を加え十分に攪拌した樹脂組成液を、半導体用シリコンウエハとスライドガラスにスピンコートし、80℃のホットプレートで5分間加熱、溶剤を除去し、さらに150℃のホットプレートで15分間加熱硬化し、薄膜(膜状光学部材)を得た。この薄膜の単位膜厚あたりの吸光度(O.D./μm)と、屈折率を実施例1と同様に測定したところ、屈折率は1.681であり、吸光度は0.000264であった。
実施例1で得たA液100重量部に対し、B3液((B)ポリマもしくはオリゴマ)として大日本インキ社製EXA−4850−100、10重量部を加え十分に攪拌した樹脂組成液を、半導体用シリコンウエハとスライドガラスにスピンコートし、80℃のホットプレートで5分間加熱、溶剤を除去し、さらに150℃のホットプレートで15分間加熱硬化し、薄膜(膜状光学部材)を得た。この薄膜の単位膜厚あたりの吸光度(O.D./μm)と、屈折率を実施例1と同様に測定したところ、屈折率は1.681であり、吸光度は0.000264であった。
[比較例1]
水0.54g、N−メチルピロリドン33.44gを、100mlセパラブルフラスコに入れ、窒素流下、攪拌した。数分後、攪拌が十分に行われたのを確認し、チタニウムテトライソプロポキシド21.32gを加えた。チタニウムテトライソプロポキシドを加えると、液は瞬時に白濁した塊となり、光学的な評価は不可能であった。
水0.54g、N−メチルピロリドン33.44gを、100mlセパラブルフラスコに入れ、窒素流下、攪拌した。数分後、攪拌が十分に行われたのを確認し、チタニウムテトライソプロポキシド21.32gを加えた。チタニウムテトライソプロポキシドを加えると、液は瞬時に白濁した塊となり、光学的な評価は不可能であった。
[比較例2]
実施例1で得たB1液100重量部に、チタニウムテトライソプロポキシド100重量部を加え攪拌し、透明の液体を得たが、スピンコート、ホットプレートによる溶剤乾燥により、膜は白濁して、光学的な評価は不可能であった。
実施例1で得たB1液100重量部に、チタニウムテトライソプロポキシド100重量部を加え攪拌し、透明の液体を得たが、スピンコート、ホットプレートによる溶剤乾燥により、膜は白濁して、光学的な評価は不可能であった。
[比較例3]
チタニウムテトライソプロポキシド200重量部、ジエタノールアミン80重量部、水4重量部、大日本インキ社製EXA−4850−100、100重量部、トルエン140重量部を加えて攪拌した。透明の液体を得ることができ、スピンコート、ホットプレートによる溶剤乾燥により、透明な膜を得たが、膜厚均一性が悪く、正当な評価ができなかった。
チタニウムテトライソプロポキシド200重量部、ジエタノールアミン80重量部、水4重量部、大日本インキ社製EXA−4850−100、100重量部、トルエン140重量部を加えて攪拌した。透明の液体を得ることができ、スピンコート、ホットプレートによる溶剤乾燥により、透明な膜を得たが、膜厚均一性が悪く、正当な評価ができなかった。
本発明により、従来よりも透明、高屈折率でかつ所望する膜厚の光学部材を形成することが可能な樹脂組成物、およびこれを用いた光学部材を提供することができた。また、樹脂組成物を製造する樹脂組成物生成方法を提供することができた。
Claims (10)
- (A)含金属高屈折中間体と、(B)ポリマ若しくはオリゴマ及び/又は(C)反応性モノマとを含有する樹脂組成物であって、
前記(A)含金属高屈折中間体の成分は、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合して加熱して加水分解し、さらに加水分解による副生成物のアルコールを留去して得られることを特徴とする樹脂組成物。 - 前記(A)含金属高屈折中間体は、チタンアルコキシド、ジエタノールアミン、水の混合モル比を、n:m:lとした場合、l<n≦mとして得られることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- (D)溶媒をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記(D)溶媒が窒素原子を有する溶媒であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成される膜状光学部材。
- 膜厚が1〜1000μmの範囲である請求項5に記載の膜状光学部材。
- (A)含金属高屈折中間体と、(B)ポリマ若しくはオリゴマ及び/又は(C)反応性モノマとを含有する樹脂組成物を製造する樹脂組成物製造方法であって、
前記(A)含金属高屈折中間体の成分を、チタンアルコキシドとジエタノールアミンと水とを混合し加熱し、加水分解する加熱工程と、加水分解による副生成物のアルコールを留去するアルコール留去工程とを少なくとも経て得ることを特徴とする樹脂組成物製造方法。 - 前記加熱工程は、チタンアルコキシド、ジエタノールアミン、水の混合モル比を、n:m:lとした場合、l<n≦mとして前記チタンアルコキシドと前記ジエタノールアミンと前記水とを混合し加熱することを特徴とする請求項7に記載の樹脂組成物製造方法。
- (D)溶媒をさらに配合する溶媒配合工程を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の樹脂組成物製造方法。
- 前記溶媒配合工程において配合する溶媒が窒素原子を有する溶媒であることを特徴とする請求項9に記載の樹脂組成物製造方法。
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