JP2002284879A - アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂、当該樹脂組成物および石油樹脂−シリカハイブリッド体 - Google Patents

アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂、当該樹脂組成物および石油樹脂−シリカハイブリッド体

Info

Publication number
JP2002284879A
JP2002284879A JP2001087363A JP2001087363A JP2002284879A JP 2002284879 A JP2002284879 A JP 2002284879A JP 2001087363 A JP2001087363 A JP 2001087363A JP 2001087363 A JP2001087363 A JP 2001087363A JP 2002284879 A JP2002284879 A JP 2002284879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
petroleum resin
resin
modified
alkoxy group
containing silane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001087363A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Nagahara
栄治 永原
Hideki Aida
秀樹 合田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority to JP2001087363A priority Critical patent/JP2002284879A/ja
Publication of JP2002284879A publication Critical patent/JP2002284879A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細に複合化した新規な有機・無機ハイブリ
ッド材料を提供する。 【解決手段】 水酸基含有石油樹脂および/またはその
水素化物(A)と、アルコキシシラン部分縮合物(B)
との脱アルコール反応によって得られるアルコキシ基含
有シラン変性石油樹脂;該アルコキシ基含有シラン変性
石油樹脂組成物;該樹脂組成物を硬化させてなる石油樹
脂−シリカハイブリッド体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコキシ基含有
シラン変性石油樹脂および石油樹脂−シリカハイブリッ
ド体に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物と無機化合物からなるハイブ
リッド材料については、従来から多くの研究開発が続け
られて来た。近時、当該材料に対する要求性能の多様化
や高度化に伴い、サブミクロンのシリカが分散した構造
を有する有機・無機ハイブリッド材料の開発競争が激化
しており、特に、ゾル−ゲルハイブリッド法によってポ
リマーにシリカをナノ分散させ、強度、耐熱性を向上さ
せる研究が多くなされている。
【0003】ゾル−ゲルハイブリッド法とは、溶融ポリ
マー(樹脂)またはポリマー(樹脂)溶液中で金属アル
コキシドを加水分解、縮合し、シリカを微細に分散させ
る方法である。通常、ゾル−ゲルハイブリッド法によっ
て微細に複合化した硬化物を得るためには、水素結合や
共有結合によって有機材とゾル−ゲル過程で生成するシ
リカとの間に強い相互作用が必要であると言われてい
る。そのため、このような有機・無機ハイブリッド材料
に用いる有機材としては、強い水素結合性官能基を多数
含んだものや、高価なシランカップリング剤で変性され
たものに限定されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微細に複合
化した新規な有機・無機ハイブリッド材料を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、有機化合物として水
酸基を含有する石油樹脂を、無機化合物として特定のア
ルコキシシラン部分縮合物を用い、それらを脱アルコー
ル反応させることにより、微細に複合化した硬化物を与
える新規な有機・無機ハイブリッド材料を収得できるこ
とを見出した。本発明は、かかる知見に基づき完成され
たものである。
【0006】すなわち、本発明は、水酸基含有石油樹脂
および/またはその水素化物(A)と、アルコキシシラ
ン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得ら
れるアルコキシ基含有シラン変性石油樹脂;該アルコキ
シ基含有シラン変性石油樹脂組成物;該樹脂組成物を硬
化させてなる石油樹脂−シリカハイブリッド体に関す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる水酸基含有石
油樹脂(A)としては、公知の物を使用することができ
る。具体的には、一般にナフサのクラッキングにより得
られるC5系石油留分(例えばペンテン、メチルブテ
ン、イソプレン、シクロペンテン等)、C9系石油留分
(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、インデン類等)、ジシクロペンタジエン等の重合
可能成分を少なくとも1種以上重合して石油樹脂を製造
する際に、水酸基含有化合物により変性することで得ら
れる。
【0008】石油樹脂に水酸基を導入しうる水酸基化合
物としては、アルコール化合物やフェノール化合物が挙
げられる。アルコール化合物の具体例としては、たとえ
ば、アリルアルコール、2−ブテン−1,4ジオール等
の二重結合を有するアルコール化合物が挙げられる。フ
ェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、キ
シレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチル
フェノール、p−ノニルフェノール等のアルキルフェノ
ール類を使用できる。これら水酸基含有化合物は、単独
で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0009】また、水酸基含有石油樹脂(A)は、石油
留分とともに(メタ)アクリル酸アルキルエステル等を
熱重合して石油樹脂中にエステル基を導入した後、当該
エステル基を還元する方法、石油樹脂中に二重結合を残
存または導入した後、当該二重結合を水和する方法、石
油留分とともに酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルを熱重
合して石油樹脂中にアシルオキシ基を導入した後、当該
アシルオキシ基を加水分解する方法、等によっても製造
できる。
【0010】本発明では、水酸基含有石油樹脂(A)と
して、前記のように各種の方法により得られるものを使
用出来るが、アルコール変性石油樹脂やフェノール変性
石油樹脂等を使用するのが好ましい。特に前記アルコー
ル変性石油樹脂としては、ジシクロペンタジエンとアリ
ルアルコール等を熱重合等により共重合して得られるア
ルコール変性ジシクロペンタジエン系石油樹脂を使用す
るのが、また、フェノール変性石油樹脂としては、C9
留分をフェノール存在下でカチオン重合して得られるフ
ェノール変性C9系石油樹脂を使用するのが、変性が容
易であり、低価格であることから好ましい。
【0011】こうして得られる水酸基含有石油樹脂
(A)の軟化点は、50〜200℃程度が好ましく、7
0〜150℃とするのがより好ましい。軟化点を50℃
以上200℃以下にすることにより、樹脂製造における
作業性が向上するため好ましい。また、ガラス転移温度
(Tg)は、40〜130℃程度が好ましく、70〜1
10℃程度がより好ましい。
【0012】水酸基含有石油樹脂(A)の平均分子量は
特に限定されないが、一般的には数平均分子量が100
〜3000程度が好ましく、250〜2500程度がよ
り好ましい。
【0013】また、水酸基含有石油樹脂(A)の水酸基
価は10〜250のものが好ましく、50〜220のも
のがより好ましい。水酸基価を10以上250以下とす
ることにより、有機、無機いずれかの特性に偏らないア
ルコキシ基含有シラン変性石油樹脂が得られるため好ま
しい。
【0014】また、本発明の水酸基含有石油樹脂(A)
としては、前記アルコール変性石油樹脂やフェノール変
性石油樹脂等を水素化した水素化物を使用することもで
きる。当該水素化物は水素化率が5〜100%で、通
常、色調3ガードナー以下である。水素化することによ
り熱、光に対する安定性や、色調が向上するため、耐候
(光)性、外観が問題となるものでは、未水素化の石油
樹脂よりも好ましい。なお、当該水素化物の軟化点、水
酸基価、平均分子量等は、未水素化物と同様のものを好
ましく使用出来るが、これらの値は水素化条件によって
変わるため、水素化条件を適切に設定することにより、
水酸基価等を調整する。
【0015】水素化反応の条件は、特に制限されない
が、水素分圧が2.9〜29.4MPa程度の範囲、反
応温度は200〜350℃程度の範囲で適宜に調節して
行うのが好ましい。水素分圧は14.7MPa以上、2
4.5MPa以下とするのがより好ましく、反応温度は
250℃以上、300℃以下とするのがより好ましい。
水素分圧が2.9MPaに満たない場合または反応温度
が200℃に満たない場合には水素化反応が進み難い。
一方、水素分圧が29.4MPaを超える場合または反
応温度が320℃を超える場合には水素化分解反応が優
先的になり、得られる水素化石油樹脂の軟化点の低下や
水素化石油樹脂の収率の低下する傾向があるばかりでな
く設備の安全性の面において問題がある。
【0016】水素化反応は、溶融状態または溶剤に溶解
した状態のどちらで行なってもよい。溶剤を使用する場
合に使用できる溶剤としては、特に限定されないがシク
ロヘキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロプルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、デカリン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等があげら
れる。
【0017】水素化触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、レニウム
等の金属またはこれらの酸化物、硫化物等の金属化合物
等の各種のものを使用出来る。かかる水素化触媒は多孔
質で表面積の大きいアルミナ、シリカ、珪藻土、カーボ
ン、チタニア等の担体に担持して使用してもよい。水素
化触媒使用量は、原料の水酸基含有石油樹脂に対して、
通常0.1〜4重量%程度、好ましくは0.2〜3重量
%以下となるような量である。触媒使用量が0.1%に
満たない場合は水素化反応が進行し難く、4重量%を超
える場合はコスト面で不利となる。また、反応時間は1
〜10時間程度、好ましくは2時間以上、8時間以下で
ある。反応時間が1時間に満たない場合は水素化反応の
制御が困難となり、10時間を超える場合はコスト面で
不利となる。
【0018】アルコキシシラン部分縮合物(B)として
は、一般式(a): R1 Si(OR24−p (式中、pは0または1を示す。R1は、炭素数1から
6の低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残
基を示す。R2はメチル基またはエチル基を示し、R2
士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で表され
る加水分解性アルコキシシランモノマーを酸又はアルカ
リ水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られ
るものが用いられる。
【0019】このような加水分解性アルコキシシランモ
ノマーの具体例としては、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエ
トキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソ
プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキ
シシラン、アリルトリエトキシシラン等のトリアルコキ
シシラン類、があげられる。これらの中では、入手の容
易性、水酸基含有石油樹脂(A)との脱アルコール反応
が進行しやすいため、テトラメトキシシランが好まし
い。なお、これらアルコキシシラン部分縮合物(B)と
しては、前記例示のものを特に制限なく使用できるが、
これら例示物のうちの2種以上を混合使用する場合に
は、テトラメトキシシランを、アルコキシシラン部分縮
合物(B)を構成する全てのアルコキシシランモノマー
中70モル%以上用いて合成することにより、脱アルコ
ール反応が進行しやすいため好ましい。
【0020】アルコキシシラン部分縮合物(B)は、例
えば次の一般式(b)または(c)で示される。一般式
(b):
【0021】
【化1】
【0022】(式中、R1は、炭素原子に直結した官能
基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基又は
不飽和脂肪族残基を示す。R2はメチル基またはエチル
基を示し、R2同士はそれぞれ同一でも異なっていても
よい。)
【0023】一般式(c):
【0024】
【化2】
【0025】(一般式(c)中、R2は一般式(b)中
のR2と同じ。)
【0026】当該アルコキシシラン部分縮合物(B)の
数平均分子量は230〜2000程度、一般式(b)お
よび(c)において、平均繰り返し単位数nは2〜11
程度が好ましい。nを2以上とすることにより、水酸基
含有石油樹脂(A)との脱アルコール反応中にアルコキ
シシラン部分縮合物が反応系外にアルコールと一緒に留
去されにくくなるため好ましく、nの値を11以下とす
ることにより、アルコキシシラン部分縮合物の脱アルコ
ール反応溶媒への溶解性が良くなり、そのため反応系が
均一となり、反応性が向上するので好ましい。
【0027】水酸基含有石油樹脂(A)とアルコキシシ
ラン部分縮合物(B)との使用割合は、アルコキシ基が
実質的に残存するような割合であれば特に制限されない
が、通常、アルコキシシラン縮合物(B)のアルコキシ
ル基の当量/水酸基含有石油樹脂(A)の水酸基の当量
=100/1〜1.5/1となる仕込み比率で、アルコ
キシシラン部分縮合物(B)と水酸基含有石油樹脂
(A)を脱アルコール反応させることが好ましい。
【0028】アルコキシシラン部分縮合物(B)と水酸
基含有石油樹脂(A)の反応は、たとえば、前記各成分
を仕込み、加熱して生成するアルコールを留去しながら
脱アルコール反応を行なう。反応温度は50〜150℃
程度、好ましくは70〜110℃であり、全反応時間は
1〜15時間程度である。なお、脱アルコール反応を1
10℃を超える温度で行うと、反応系中でアルコキシシ
ランの縮合に伴って、反応生成物の分子量が上がりす
ぎ、高粘度化やゲル化する傾向がある。このような場合
には、脱アルコール反応を反応途中で、停止させるなど
の方法により高粘度化、ゲル化を防止できる。
【0029】また、上記のアルコキシシラン部分縮合物
(B)と水酸基含有石油樹脂(A)の脱アルコール反応
に際しては、反応促進のために従来公知の触媒を使用す
ることができる。触媒としては、例えば、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、
アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、
鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、カドミウム、
マンガンのような金属や、これら酸化物、有機酸塩、ハ
ロゲン化物、アルコキシド等があげられる。これらのな
かでも、特に有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的に
は、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫などが有効
である。
【0030】なお、上記反応は溶剤中で行われる。溶剤
としては、アルコキシシラン縮合物(B)と水酸基含有
石油樹脂(A)を溶解し、かつ脱アルコール反応を阻害
しないものであれば、特に限定されず、例えば、トルエ
ン、キシレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ンなどが挙げられる。
【0031】こうして得られた本発明のアルコキシ基含
有シラン変性石油樹脂は、その分子中にアルコキシシラ
ン部分縮合物(B)に由来するアルコキシ基を有してい
る。当該アルコキシ基の含有量は、特に限定はされない
が、このアルコキシ基は溶剤の蒸発や加熱処理により、
又は水分(湿気)との反応によりゾル−ゲル反応や脱ア
ルコール縮合して、相互に結合した硬化物を形成するた
めに必要となるため、アルコキシ基含有シラン変性石油
樹脂は通常、アルコキシシラン部分縮合物(B)のアル
コキシ基の50〜95モル%程度、好ましくは60〜9
0モル%を未反応のままで保持しておくのが良い。
【0032】また本発明のアルコキシ基含有シラン変性
石油樹脂は、水酸基含有石油樹脂(A)中の水酸基の一
部および/またはすべてがシラン変性された石油樹脂を
主成分とするが、本発明のアルコキシ基含有シラン変性
石油樹脂中には未反応のアルコキシシラン部分縮合物
(B)や反応に使用した溶剤や触媒が含有されていても
よい。
【0033】本発明のアルコキシ基含有シラン変性石油
樹脂組成物は、当該アルコキシ基含有シラン変性石油樹
脂を含有しておればよく、その他の成分は特に限定され
ず、用途によって従来公知のポリマー材料を適宜に併用
できる。また、硬化物の力学的強度や耐熱性等の物性を
調整する目的で、固形残分中のSi含有量を調整する必
要がある場合、前記アルコキシ基シラン変樹脂組成物
に、アルコキシシラン部分縮合物(B)や水酸基含有石
油樹脂(A)を配合しても良い。
【0034】更に、前記シラン変性樹脂組成物には、シ
リカ硬化反応を低温で速やかに行なうため、従来公知の
酸又は塩基性触媒、金属系触媒などのゾル−ゲル硬化触
媒や水を含有させても良い。また、その他、前記シラン
変性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲
で、必要に応じて、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃
剤、粘度調節剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング
剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等を配合
してもよい。
【0035】かかるアルコキシ基含有シラン変性石油樹
脂組成物を硬化させることにより、石油樹脂−シリカハ
イブリッド体が得られる。石油樹脂−シリカハイブリッ
ド体は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合
の高次網目構造)を有するものである。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、新規な有機・無機ハイ
ブリッドである、アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂
を収得し得る。当該アルコキシ基含有シラン変性石油樹
脂は、均一透明の性状を有しており、これを硬化させて
なる硬化物は微細なシリカ粒子を含有した均質な組成物
であり、当該硬化皮膜は各種基材への密着性や、顔料等
の分散性に優れるものと期待される。
【0037】
【実施例】以下に製造例、実施例および比較例をあげて
本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。なお、各例中、%は特記
しない限り重量基準である。
【0038】製造例1(水酸基含有水素化石油樹脂の製
造) 1リットルのオートクレーブに、アルコール変性ジシク
ロペンタジエン樹脂(「クイントン1700」、軟化点
102℃、水酸基価210、数平均分子量400、日本
ゼオン(株)製(以下、「樹脂A」と表す))500
部、ニッケル/ケイソウ土触媒(ニッケル担持量50
%)10部を仕込み、260℃に保温し、水素圧20M
Paで5時間、水素化を行った。次いで、得られたアル
コール変性ジシクロペンタジエン樹脂の水素化物を取出
し、トルエン500部に溶解し、該溶液をろ紙でろ過
し、触媒を除去した後、200℃、2.5kPaで30
分間減圧下脱溶剤して、軟化点100℃、水酸基価17
5、色調200ハーゼン、不飽和結合の水素化率100
%、数平均分子量380のアルコール変性ジシクロペン
タジエン樹脂の水素化物(以下「樹脂B」と表す)49
0部を得た。
【0039】なお、軟化点、色調、水酸基価、水素化率
は以下の方法で測定した。 軟化点:環球法(JIS K2207)による。 色調:ハーゼンスタンダードカラー(H)による。 水酸基価:電位差滴定法による(JIS K007
0)。 水素化率:プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NM
R)を測定することにより算出。原料樹脂および得られ
た水素化物の同濃度の重水素置換クロロホルム(CDC
溶液を作成して、H−NMRを測定し、5〜6p
pm付近に現れる不飽和二重結合のH−スペクトル面積
より以下の式に基づき算出した。水素化率={1−(得
られた水素化物のスペクトル面積/原料樹脂のスペクト
ル面積)}×100(%)。
【0040】製造例2(水酸基含有水素化石油樹脂の製
造2) 1リットルのオートクレーブに、フェノール変性C9石
油樹脂(「ネオポリマーE−100」、軟化点95.0
℃、水酸基価72、数平均分子量610、日本石油化学
(株)製(以下、「樹脂C」と表す))を用い、反応温
度を270℃にした以外は製造例1と同様の操作を行
い、軟化点96.0℃、水酸基価70、色調200ハー
ゼン、不飽和結合の水素化率100%、芳香環の水素化
率15%、数平均分子量540のフェノール変性C9石
油樹脂の水素化物(以下「樹脂D」と表す)495部を
得た。
【0041】
【0042】実施例1 攪拌機、冷却管、温度計及び窒素ガス導入管を備えた1
リットルの4ツ口フラスコに、「樹脂A」200gおよ
びトルエン182.5gを加え、105℃で溶解した。
更にテトラメトキシシラン縮合物(多摩化学製,商品名
MS−51)212.9g、ジブチル錫ジラウレート
0.5gを加え、110℃で4時間、メタノールを留去
しながら反応させた。ついで、50℃まで冷却し、アル
コキシ基含有シラン変性石油樹脂の溶液S1を得た。な
お、メタノール留去量は15gであった。アルコキシシ
ラン部分縮合物と水酸基含有石油樹脂との反応は、脱ア
ルコール反応により生成するメチルアルコールの量にて
確認した。なお、仕込み時の当量比(アルコキシシラン
部分縮合物のアルコキシ基の当量/石油樹脂中の水酸基
の当量)=6である。
【0043】実施例2 実施例1において、「樹脂A」の代わりに「樹脂B」を
用い、テトラメトキシシラン縮合物(多摩化学製,商品
名MS−51)236.5g用いた他は同様の操作を行
い、アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂の溶液S2を
得た。なお、メタノール留去量は12gであった。な
お、仕込み時の当量比(アルコキシシラン部分縮合物の
アルコキシ基の当量/石油樹脂中の水酸基の当量)=8
である。
【0044】実施例3、4 実施例1において、「樹脂A」の代わりに「樹脂C」、
「樹脂D」を用い、それぞれテトラメトキシシラン縮合
物(多摩化学製,商品名MS−51)243.3g、2
36.5g用いた他は同様の操作を行い、アルコキシ基
含有シラン変性石油樹脂の溶液S3、S4を得た。な
お、いずれも仕込み時の当量比(アルコキシシラン部分
縮合物のアルコキシ基の当量/石油樹脂中の水酸基の当
量)=20である。メタノール留去量は、それぞれ10
gであった。
【0045】比較例1 「樹脂A」200gをトルエンに溶解し、不揮発分50
%の溶液S5を得た。
【0046】比較例2 テトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学製,商品名
MS−51)200gをトルエンに溶解し、不揮発分5
0%の樹脂溶液S6を得た。
【0047】比較例3 「樹脂A」200gと、テトラメトキシシラン部分縮合
物(多摩化学製,商品名MS−51)212.9gをト
ルエンに溶解し、不揮発分50%の樹脂溶液S7を得
た。
【0048】評価例 実施例1〜4および比較例1〜3で得た各樹脂溶液に、
硬化触媒としてジブチルスズジラウレートを0.2%
(実施例1〜4についてはS1またはS2の硬化残分に
対してであり、比較例1〜3については固形分に対して
である。)加え、素早く攪拌混合した。これら混合液
を、それぞれガラス板およびポリプロピレン板に塗工
(乾燥膜厚が10μm)し、常温で1時間乾燥させた
後、100℃の循風乾燥機にて1時間放置し、固化させ
た。なお、硬化残分とは、アルコキシ基含有シラン変性
樹脂溶液を硬化させた時の、硬化物の溶液に対する重量
%を意味し、アルコキシ基含有シラン変性樹脂溶液を2
00℃で1時間硬化して求める。
【0049】これらの固化皮膜の外観は目視観察により
評価した。また皮膜密着性はJISK−5400(一般
試験法によるゴバン目セロハンテープ剥離試験)により
評価した。これらの評価結果は表1および表2に示す。
【0050】皮膜密着性の評価基準は以下の通りであ
る。 ○:(100〜90)/100 △:(89〜70)/100 ×:(69〜0)/100
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基含有石油樹脂(A)と、アルコキ
    シシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によっ
    て得られるアルコキシ基含有シラン変性石油樹脂。
  2. 【請求項2】 水酸基含有石油樹脂(A)の水酸基価が
    10〜250である請求項1記載のアルコキシ基含有シ
    ラン変性石油樹脂。
  3. 【請求項3】 水酸基含有石油樹脂(A)がフェノール
    変性C9系石油樹脂および/またはアルコール変性ジシ
    クロペンタジエン樹脂である請求項1または2に記載の
    アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂。
  4. 【請求項4】 アルコキシシラン部分縮合物(B)がテ
    トラメトキシシラン部分縮合物である請求項1〜3のい
    ずれかに記載のアルコキシ基含有シラン変性石油樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のアルコ
    キシ基含有シラン変性石油樹脂含有してなる樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のアルコ
    キシ基含有シラン変性石油樹脂組成物を硬化してなる石
    油樹脂−シリカハイブリッド体。
JP2001087363A 2001-03-26 2001-03-26 アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂、当該樹脂組成物および石油樹脂−シリカハイブリッド体 Pending JP2002284879A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001087363A JP2002284879A (ja) 2001-03-26 2001-03-26 アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂、当該樹脂組成物および石油樹脂−シリカハイブリッド体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001087363A JP2002284879A (ja) 2001-03-26 2001-03-26 アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂、当該樹脂組成物および石油樹脂−シリカハイブリッド体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002284879A true JP2002284879A (ja) 2002-10-03

Family

ID=18942617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001087363A Pending JP2002284879A (ja) 2001-03-26 2001-03-26 アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂、当該樹脂組成物および石油樹脂−シリカハイブリッド体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002284879A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9376566B2 (en) 2008-01-18 2016-06-28 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Silane-functionalized hydrocarbon polymer modifiers for elastomeric compositions
JP2017149808A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 東ソー株式会社 表面処理剤及び表面処理金属酸化物微粒子
JP2019031693A (ja) * 2014-08-01 2019-02-28 コーロン インダストリーズ インク 硬化可能な石油樹脂の製造方法
WO2021047087A1 (zh) * 2019-09-10 2021-03-18 江苏麒祥高新材料有限公司 用于提高橡胶抗湿滑性的树脂的制备方法及其应用
US10988563B2 (en) 2010-10-13 2021-04-27 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Silane-functionalized hydrocarbon polymer modifiers for elastomeric compositions

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9376566B2 (en) 2008-01-18 2016-06-28 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Silane-functionalized hydrocarbon polymer modifiers for elastomeric compositions
US9868807B2 (en) 2008-01-18 2018-01-16 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Silane-functionalized hydrocarbon polymer modifiers for elastomeric compositions
US10988563B2 (en) 2010-10-13 2021-04-27 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Silane-functionalized hydrocarbon polymer modifiers for elastomeric compositions
JP2019031693A (ja) * 2014-08-01 2019-02-28 コーロン インダストリーズ インク 硬化可能な石油樹脂の製造方法
JP2017149808A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 東ソー株式会社 表面処理剤及び表面処理金属酸化物微粒子
WO2021047087A1 (zh) * 2019-09-10 2021-03-18 江苏麒祥高新材料有限公司 用于提高橡胶抗湿滑性的树脂的制备方法及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI502004B (zh) 群集官能性聚有機矽氧烷之製法及其使用方法
CN101848914B (zh) 环状聚有机硅氧烷的制备方法、固化剂、固化性组合物及其固化物
JP5137295B2 (ja) ケイ素含有硬化性組成物及びその硬化物
EP1780242B1 (en) Resin composition for sealing optical device and method of sealing semiconductor element
TWI424005B (zh) A compound containing silicon, a hardened composition and a hardened product
TWI425028B (zh) A compound containing silicon, a hardened composition and a hardened product
JP5369629B2 (ja) 架橋性ケイ素化合物、その製造方法、架橋性組成物、シロキサンポリマー、シリコーン膜、該架橋性ケイ素化合物の原料となるケイ素化合物、及びその製造方法
IE901940A1 (en) Novel highly reactive silicon-containing epoxides
WO2000078838A1 (fr) Composition de resine epoxy et procede de production d'une resine epoxy modifie au silane
CN102498161B (zh) 固化成型体的制造方法和固化成型体
JPH09202828A (ja) 液状オルガノポリシロキサン樹脂、それらの製造方法、液状オルガノポリシロキサン樹脂を含む低粘度ポリジオルガノシロキサン組成物、及びそれらの使用
TW201213396A (en) Polysiloxane composition, hardened material and optical device
JP2001059013A (ja) エポキシ樹脂組成物
EP0802236B1 (en) Curable polymethylsilsesquioxane composition
JP2002284879A (ja) アルコキシ基含有シラン変性石油樹脂、当該樹脂組成物および石油樹脂−シリカハイブリッド体
JPH04178461A (ja) 硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JP3263331B2 (ja) 無溶剤の2液常温硬化型液状重合体組成物とその用途
JPH0848879A (ja) 加水分解性のシランから生成した官能性で非架橋性のポリジオルガノシロキサン組成物
CN107406468B (zh) 有机硅改性的光引发剂以及其光致固化粘合剂组合物
JP4872151B2 (ja) 環状オレフィン系重合体組成物およびその製造方法
JP4081672B2 (ja) アクリル系樹脂組成物及びそれを含有するコーティング組成物
JP4399764B2 (ja) シラン変性された不飽和結合を有さないエポキシ樹脂、ならびに当該樹脂含有組成物から得られる半硬化物および硬化物
JP4028672B2 (ja) 反応生成物の製造方法
JPWO2008102812A1 (ja) 樹脂組成物及びこれを用いた膜状光学部材、並びに樹脂組成物製造方法
EP4118142A1 (en) Functionalized silica particles and their use