JPWO2008075776A1 - ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、靱性に優れつつ機械強度も保持し、且つ溶融成形時の流動性に優れるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供する。詳しくは、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂50〜99重量部と(B)熱可塑性エラストマー1〜50重量部の合計100重量部に対し、(C)アクリル系オリゴマー0.01〜5重量部を添加配合する。

Description

本発明は、靱性、流動性に優れるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関する。更に詳しくは、優れた靱性、流動性を有し、コネクター、スイッチ、コンデンサー、集積回路(IC)、リレー、抵抗器、発光ダイオード(LED)、コイルボビン及びその周辺機器、ハウジング等の電気・電子部品に適したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、優れた機械的特性、電気的特性、耐熱性、耐候性、耐水性、耐薬品性及び耐溶剤性を有するため、エンジニアリングプラスチックとして、自動車部品、電気・電子部品などの種々の用途に広く利用されている。しかしながら、用途の拡大、多様化に伴い、更に高度な性能や特殊性が求められることが多く、より優れた機械的性質、特に柔軟性、耐衝撃性等の靱性を有することが要望されている。かかる要求に応えるため、従来よりポリブチレンテレフタレート樹脂にオレフィン系ポリマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを配合する方法等が提案されている。更に、近年は複雑な形状を有する小型成形品に対する要望も強く、上記機械的性質に加え、成形加工性の向上のために溶融状態での更なる流動性向上を要求されることが多い。
例えば、特開平10−95907号公報においては、ポリブチレンテレフタレート樹脂に、アクリル系コアシェルポリマー及び/又はポリエステル系エラストマー、充填剤を配合してなる樹脂組成物について記載されており、靱性、剛性を確保しつつ成形品の表層剥離現象を抑制しているが、特に流動性向上については記載されていない。
特開昭61−85467号公報では、ポリエステル樹脂に芳香族多塩基酸エステルを添加することにより、また特開昭62−20737号公報では、ポリエステル樹脂にエチレン重合体またはエチレン共重合体を添加することにより、流動性を向上させる手法が記載されている。これらの手法は有効だが、更なる流動性向上が求められており、且つ一定の強度を確保することが求められることも多い。
特開平5−179114号公報では、粘度の異なるポリブチレンテレフタレートをブレンドする手法が提案されているが、樹脂の伸度についてはどうしても高粘度ポリブチレンテレフタレート単独使用のものよりは劣る。
その他、樹脂用流動性改質剤が用いられることも一般的であるが、染み出しや成形品の表層剥離の懸念がある上、機械強度の低下は避けられない。
本発明は、靱性に優れつつ機械強度も保持し、且つ溶融成形時の流動性に優れるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供する。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、ポリブチレンテレフタレート樹脂と熱可塑性エラストマーを併用し、これにアクリル系オリゴマーを配合することにより、上記目的を達成し得るポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂50〜99重量部と
(B)熱可塑性エラストマー1〜50重量部
の合計100重量部に対し、
(C)アクリル系オリゴマー0.01〜5重量部
を添加配合してなるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物である。
本発明は、シリンダー温度260℃、金型温度65℃における射出成形において0.51mm厚みでの流動長が40mm以上である上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなる薄肉成形品である。
本発明は、スイッチ、コンデンサー、コネクター、集積回路(IC)、リレー、抵抗器、発光ダイオード(LED)、コイルボビン及びそれらの周辺機器又はハウジングである上記薄肉成形品、 あるいは上記薄肉成形品のスイッチ、コンデンサー、コネクター、集積回路(IC)、リレー、抵抗器、発光ダイオード(LED)、コイルボビンあるいはそれらの周辺機器又はハウジングへの用途である。
発明の詳細な説明
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、機械強度、靱性に優れ、且つ溶融成形時の流動性に優れる。本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、その特性からコネクター、スイッチ、コンデンサー、集積回路(IC)、リレー、抵抗器、発光ダイオード(LED)、コイルボビン及びその周辺機器、ハウジング等の電気・電子部品に好適である。
以下、順次本発明の樹脂材料の構成成分について詳しく説明する。本発明の基体樹脂である(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂とは、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体と炭素数4のアルキレングリコール又はそのエステル形成性誘導体を重縮合して得られるポリブチレンテレフタレートである。また、ポリブチレンテレフタレートは、それ自身70重量%以上を有する共重合体であってもよい。
テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(低級アルコールエステル等)以外の二塩基酸成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、コハク酸等の脂肪族、芳香族多塩基酸又はそのエステル形成性誘導体等が、また、1,4−ブタンジオール以外のグリコール成分としては、通常のアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等、1,3−オクタンジオール等の低級アルキレングリコール、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族アルコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加体等のアルキレンオキサイド付加体アルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ化合物又はそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
本発明では、上記の如き化合物をモノマー成分として重縮合により生成するポリブチレンテレフタレートは何れも本発明の(A)成分として使用することができ、単独で、または2種類以上混合して使用される。また、コポリマーに属する分岐ポリマーも用いることができる。ここでいうポリブチレンテレフタレート分岐ポリマーとは、いわゆるポリブチレンテレフタレートまたはブチレンテレフタレート単量体を主体とし、多官能性化合物を添加することにより分岐形成されたポリエステルである。ここで使用できる多官能性化合物としては、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらのアルコールエステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等がある。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV)は特に制限されず、O−クロロフェノール中、35℃で測定したとき、例えば0.5〜1.4程度である。耐加水分解性や押出加工性の点では、前記固有粘度は、好ましくは0.6〜1.3程度である。固有粘度が低すぎると、所望の耐加水分解性や押出加工性が得られない場合がある。また、固有粘度が高すぎると、押出加工時の負荷が高くなり、また十分な流動性が得られないおそれがある。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体と1,4−ブタンジオールと必要により共重合可能なモノマーとを、慣用の方法、例えばエステル交換、直接エステル化法等により共重合(重縮合)することにより製造できる。
本発明にて使用される(B)熱可塑性エラストマーは特に限定されるものではなく、一般に公知のエラストマーであれば何れのものでもかまわない。その例を挙げると、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマー、アクリレート系エラストマー、スチレン系エラストマー、フッ素系エラストマー、ブタジエン系エラストマー等が挙げられる。更には、ブチルアクリレート等のゴム状架橋体からなるコア部とメチルアクリレート等のガラス状重合体のシェル部からなるコアシェルタイプのポリマーも用いられる。
これらの(B)熱可塑性エラストマーは、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基等の反応性基を導入したり、架橋、グラフト等公知の方法で変性したものであってもよい。(B)熱可塑性エラストマーで好ましく用いられるのは、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマーである。
ポリエステル系エラストマーは、ポリエーテル型とポリエステル型に分類できるが、その曲げ弾性率が1000MPa以下、好ましくは700MPa以下であれば、何れも用いることができる。曲げ弾性率が1000MPaを越えては、充分な柔軟性が得られなくなる。ポリエーテル型とは、芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、オキシアルキレングリコールの重合体とジカルボン酸からなるポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエラストマーである。ハードセグメント中の芳香族ポリエステル単位とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいはこれら三成分化合物の重縮合物である。例えばポリブチレンテレフタレート等がハードセグメントとして用いられる。ソフトセグメントとしては、ポリアルキレンエーテルとジカルボン酸の重縮合による化合物が用いられる。例えば、テトラヒドロフランから誘導されるポリオキシテトラメチレングリコールのエステル化合物が用いられる。上記したポリエーテルエラストマーは、例えば東洋紡績(株)製ペルプレンP−30B、P−70B、P−90B、P−280B、東レデュポン(株)製ハイトレル4057、4767、6347、7247、チコナ(株)製ライトフレックス655などとしても市販されている。
ポリエステル型とは、芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、非晶性ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエラストマーである。ハードセグメント中の芳香族ポリエステル単位は、上記ポリエーテル型と同様である。ソフトセグメントは、ラクトンの開環重合体、即ちポリラクトンか、又は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールより誘導される脂肪族ポリエステルである。ポリエステル型エラストマーとしては、例えば東洋紡績(株)製ペルプレンS−1002、S−2002などとしても市販されている。
オレフィン系エラストマーとして好ましいものは、エチレン及び/又はプロピレンを成分として含む共重合体であり、具体的にはエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更には、オレフィン系エラストマーの中でも、(a−1)エチレン−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体又は(a−2)α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルから成るオレフィン系共重合体に、下記一般式(1)で示される繰返し単位で構成された重合体又は共重合体の一種又は二種以上が分岐又は架橋構造的に化学結合したグラフト共重合体も利用することができる。
Figure 2008075776
(但し、Rは水素又は低級アルキル基、Xは−COOCH、−COOC、−COOC、−COOCHCH(C)C、−C、−CNから選ばれた一種又は二種以上の基を示す)
(B)熱可塑性エラストマーは、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と合わせて100重量部の内、1〜50重量部、好ましくは5〜40重量部の範囲で用いられる。合計100重量部の内、1重量部未満では靱性向上効果が不十分であり、50重量部を超えると剛性が不足し十分な機械的強度が得られない。
(C)アクリル系オリゴマーは、本発明において流動性を付与し且つ機械強度を保持する上で重要な構成成分である。アクリル系オリゴマーとして好ましくはアクリル酸系又はメタクリル酸系アルキルエステルのオリゴマーである。このようなアクリル酸系又はメタクリル酸系アルキルエステルの重合体は、他のビニルモノマー、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1等のα−オレフィン、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルアルコール、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸またはこれらのエステル等の単量体単位を含有していてもよい。
(C)アクリル系オリゴマーは、市販品として入手することが可能であり、市販品としては、例えば、アデカ社製FC−112、FC−113、LS−3、綜研化学製UMB−1001、UMB−2005、UT−2001、東亞合成製UP−1050、UH−2032等が挙げられる。
(C)アクリル系オリゴマーの配合量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)熱可塑性エラストマーの合計100重量部に対し0.01〜5重量部であり、好ましくは0.05〜3重量部である。配合量が0.01重量部未満では流動性の向上効果が小さく、5重量部を超えると溶融混練が困難となり、混練できても染み出しや成形加工時のガス発生等が起こり易く、金型に汚れが付着するおそれが生じる。
(D)無機充填剤
本発明にて使用される(D)無機充填剤は特に限定されるものではなく、一般に公知の無機充填剤であれば何れのものでもかまわない。無機充填剤としては、例えばガラス繊維、グラファイト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、長石、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸カリウムウィスカー等の繊維状充填剤;マイカ、ガラスフレーク等の板状充填剤;並びにシリカ、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスバブル、カオリン、ワラストナイト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム等の粉粒状充填剤が挙げられる。これらは1種類を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。組成物の機械的強度、耐熱性及び寸法安定性からガラス繊維が特に好ましく用いられる。
無機充填剤は、必要により表面処理したものであってもよい。表面処理に使用される化合物の例を示せば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物である。これらの化合物は、予め無機充填剤に表面処理して用いてもよく、材料調製の際に添加してもよい。
本発明の樹脂組成物において、無機充填剤(D)の割合は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(B)の合計に対して10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部である。10重量部未満だと十分な機械的強度が得られない場合があり、また、100重量部を超えると十分な流動性が得られない場合がある。
尚、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、必要に応じ、機械的強度、柔軟性、成形加工時の流動性を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂、添加剤、有機充填剤等の一種又は二種以上を、重合中、又は重合後に補助的に配合した組成物として使用することもできる。
ここで、熱可塑性樹脂としては(A)成分以外のポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアリーレンオキシド、ポリアリーレンサルファイド、フッ素樹脂等が例示される。
また、添加剤としては、従来公知の紫外線吸収剤や抗酸化剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤(ハロゲン系難燃剤、非ハロゲン系難燃剤)、難燃助剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤、滑剤、離型剤、結晶核剤等が例示される。
本発明の組成物の調製は、従来の樹脂組成物調製法として一般に用いられる公知の設備と方法により容易に調製される。例えば、i)各成分を混合した後、押出機により練込押出してペレットを調製し、しかる後成形する方法、ii)一旦組成の異なるペレットを調製し、そのペレットを所定量混合して成形に供し成形後に目的組成の成形品を得る方法、iii)成形機に各成分の1又は2以上を直接仕込む方法等、何れも使用できる。また、樹脂成分の一部を細かい粉体としてこれ以外の成分と混合し添加することは、これらの成分の均一配合を行う上で好ましい方法である。また、上述した添加剤等は、任意の時期に添加し、所望の組成物を得ることも可能である。
本発明の樹脂組成物の流動性の指標として、一定のピストンフロー剪断速度下の条件のもとでの溶融粘度を用いることができる。一般にはASTM D−1238で235℃、荷重2160gの条件で測定するメルトインデックスが用いられるが、メルトインデックスは一定の荷重下での測定となり、樹脂によりピストンフロー剪断速度は異なってくる。それに対し、実際の射出成形が一定のピストンフローで行われることを考慮すると、ISO11443で規定された一定のピストンフロー剪断速度のもとでの溶融粘度測定指標のほうが、より実際の流動特性に近い指標であると考えられる。例えば、測定条件として、260℃、キャピラリーφ1mm×20mmL、剪断速度1000sec−1、が用いられる。測定結果は、Pa・s単位で得られるが、数値の低いほうが溶融時の流動性に優れ、成形時の流動性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、成形加工性が良好である。そのため、前記樹脂組成物を溶融混練し、押出成形や射出成形等の慣用の成形方法により容易に成形でき、効率良く成形品を得ることができる。特に射出成形が好ましい。
[成形体]
本発明の樹脂組成物は、前記のように溶融流動性に優れているため、成形加工性が良好であり、機械的強度や耐熱性の高い成形体又は成形品を製造するのに有用である。
特に、厚みの薄い部位が存在する成形品を製造するのに好適である。例えば、通常のポリブチレンテレフタレート樹脂の射出成形時の製造条件であるシリンダー温度260℃、金型温度65℃における射出成形において、成形品の一部に0.5mm以下の厚みの部位を有する射出成形品の成形が可能となる。
0.5mm厚みでの流動長が40mm以上であることが求められる場合があり、本発明の樹脂組成物であれば40mm以上の流動長も可能となる。
即ち、本発明の好ましい態様は、シリンダー温度260℃、金型温度65℃における射出成形において0.5mm厚みでの流動長が40mm以上である上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物である。
成形品の一部に0.5mm以下の厚みの部位を有する薄肉成形品としては、スイッチ、コンデンサー、コネクター、集積回路(IC)、リレー、抵抗器、発光ダイオード(LED)、コイルボビン及びそれらの周辺機器又はハウジングが例示される。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、靱性、流動性に優れるので、前述した各種電気・電子部品に好適である。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜12、比較例1〜4
各樹脂組成物を表1に示す混合比率でドライブレンドし、30mmφのスクリューを有する2軸押出機を用いて、250℃で溶融混練したのちペレット化し、試験片を作成し、各評価を行った。結果を表1に示す。尚、比較例3は、押出加工が困難だったため、評価を行っていない。
また、使用した成分の詳細、物性評価の測定法は以下の通りである。
・(A)ポリブチレンテレフタレート
(A−1)ウィンテックポリマー社製ポリブチレンテレフタレート;固有粘度0.69
(A−2)ウィンテックポリマー社製ポリブチレンテレフタレート;固有粘度0.875
・(B)熱可塑性エラストマー
(B−1)東洋紡社製ペルプレンS2002
(B−2)東洋紡社製ペルプレンGP300
(B−3)日本ユニカー社製NUC6096
・(C)アクリル系オリゴマー
(C−1)アデカ社製アデカスタブFC112
(C−2)綜研化学製アクトフローUMB2005
(C−3)東亞合成製ARUFON UH2032
・(D)ガラス繊維
日本電気ガラス社製ECS03T187
<溶融粘度>
得られたペレットを140℃で3時間乾燥後、東洋精機製作所社製キャピログラフ1Bを用いて、ISO11443に準拠して、炉体温度260℃、キャピラリーφ1mm×20mmLにて、剪断速度1000sec−1にて測定した。数値の低いほうが溶融時の流動性に優れ、成形時の流動性に優れる。
<引張強さ、伸び>
得られたペレットを140℃で3時間乾燥後、成形機シリンダー温度260℃、金型温度80℃で、射出成形によりISO3167引張試験片を作製した。得られた試験片についてISO527−1、2に定められている評価基準に従い評価した。
<薄肉流動性>
得られたペレットを140℃で3時間乾燥後、厚み0.5mm、幅5mmのバーフロー成形品を成形し、その流動長により判断した。射出条件は、シリンダー温度260℃、金型温度65℃、射出速度70mm/sで、保圧力2水準(50Mpa、100MPa)にて評価した。
Figure 2008075776

Claims (8)

  1. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂50〜99重量部と
    (B)熱可塑性エラストマー1〜50重量部
    の合計100重量部に対し、
    (C)アクリル系オリゴマー0.01〜5重量部
    を添加配合してなるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  2. (B)熱可塑性エラストマーが、ポリエステル系エラストマー又はオレフィン系エラストマーである請求項1記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. (C)アクリル系オリゴマーが、アクリル酸系又はメタクリル酸系アルキルエステルのオリゴマーである請求項1又は2記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. 更に無機充填剤(D)を10〜100重量部を添加配合してなる請求項1〜3記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  5. 温度260℃での剪断速度1000sec−1における溶融粘度の測定値が140Pa・s以下である請求項1〜4の何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  6. シリンダー温度260℃、金型温度65℃における射出成形において0.5mm厚みでの流動長が40mm以上である請求項1〜5の何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなる薄肉成形品。
  7. 成形品の一部に0.5mm以下の厚みの部位を有する請求項6記載の薄肉成形品。
  8. スイッチ、コンデンサー、コネクター、集積回路(IC)、リレー、抵抗器、発光ダイオード(LED)、コイルボビン及びそれらの周辺機器又はハウジングである請求項6又は7記載の薄肉成形品。
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