JP5345826B2 - 導光板 - Google Patents
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Description
[環状オレフィン系樹脂]
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、
(a1)環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、
(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物、
(a3)環状オレフィンの開環(共)重合体又はその水素添加物、を挙げることができる。
(a4)上記(a1)〜(a3)の樹脂に、さらに極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したもの。
(b2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物、
(b3)環状オレフィンの開環(共)重合体又はその水素添加物、を挙げることができる。
(b4)上記(b1)〜(b3)の樹脂に、さらに極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したもの。
本発明に好ましく用いられる環状オレフィン成分とエチレン等の他の共重合成分との付加重合体において、共重合成分となる一般式(II)で示される環状オレフィン成分について説明する。
本発明に好ましく用いられる環状オレフィン成分とエチレン等の他の共重合成分との付加重合体の共重合成分となる炭素数2〜20のα−オレフィンは、特に限定されるものではない。例えば、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。また、これらのα−オレフィン成分は、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。
本発明の組成物に特に好ましく用いられる(b2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体は、上記の〔1〕一般式(II)で示される環状オレフィン成分と、〔2〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。
本発明に用いる環状オレフィン系樹脂組成物には、異なる環状オレフィン系樹脂を二種類以上含有するものであってもよい。特に、溶融粘度の非常に低い環状オレフィン系樹脂をブレンドすることにより、環状オレフィン系樹脂組成物のISO11443に準拠して260℃、剪断速度1216/秒に於いて測定した溶融粘度を45Pa・sから85Pa・sの好ましい範囲に調整しやすくなる。
環状オレフィン系樹脂ガラス転移点は100℃以上であることが好ましい。ガラス転移点を上記範囲にすることで、耐熱性の高い導光板を得ることができる。より好ましいガラス転移点は120℃以上である。なお、ガラス転移点(Tg)は、DSC法(JIS K7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定した値を採用する。
本発明の樹脂組成物の流動性は、一定のピストンフロー剪断速度下の条件のもとでの溶融粘度を指標として反映させることができる。Pa・s単位で得られるが、数値の低い方が溶融時の流動性に優れ、成形時の流動性に優れる。なお、一般には、流動性の指標として、メルトフローレイト(MFR)が用いられるが、MFRの測定は一定荷重下での測定となり、樹脂によりピストンの剪断速度は異なってくる。これに対し、一定のピストンフローの下での溶融粘度測定指標のほうが、実際の射出成形が一定のピストンフローで行われることを考慮すると、実際の流動特性により近い指標であると考えられるため、本発明ではこのような一定剪断速度条件における溶融粘度を流動性の指標とする。
本発明の導光板は上記環状オレフィン系樹脂組成物を成形することで得られる。成形方法は特に限定されないが射出成形であることが好ましい。導光板に微細な凹凸を付与しやすいからである。
環状オレフィン系樹脂1(樹脂1):TOPAS 5013L−10(ポリプラスチックス社製)
環状オレフィン系樹脂2(樹脂2):TOPAS 6013S−04(ポリプラスチックス社製)
環状オレフィン系樹脂3(樹脂3):ZEONOR 1060R(日本ゼオン社製)
環状オレフィン系樹脂4(樹脂4):ZEONOR 1420(日本ゼオン社製)
環状オレフィン系樹脂5(樹脂5):TOPAS TM(ポリプラスチックス社製)
樹脂6: TOPAS5013L−10の260℃押出品
樹脂7: TOPAS5013L−10の300℃押出品
画面サイズ3inch、幅38.9mm、長さ72.0mm、厚さ0.3mm(反ゲート側の厚みは金型キャビティのコマ変更で実施した。この反ゲート側の厚みを製品厚という)、導光板の光学素子の形状がVカットプリズムの金型を用い、表2に示す成形条件で実施例及び比較例の導光板の作製を行った。導光板の形状を図1に示した。
転写率はレーザー顕微鏡(キーエンス社製)を用いて、図2に示すゲート側、反ゲート側、中心の測定箇所のほぼ中心部分の凸部の高さをそれぞれ測定した。100%転写された場合は3.25μmであることから、転写率を求め、結果を表5に示した。なお、凸部の高さは5回測定の平均を用いた。
上述の成形した導光板を用いて、表3に示す構成でバックライトユニットを作成した。さらに、表4のLEDを図1に示す様に、3個サイドエッジに取り付けた。20mAの電流を流して3個のLEDを点灯して導光板の輝度を測定した。輝度測定には、トプコン社製BM−7型輝度計を用いて、図2に示す様に、9分割した導光板の表面の中心部3箇所を測定した。5回測定して平均した測定値を表5に示した。
画面サイズ12.1inch(幅270.0mm、長さ187.4mm)、厚さ0.5mm、導光板の光学素子の形状がドット形状プリズムの金型に変更し、成形条件を表6に記載の条件に変更した以外は、実施例1等と同様にして導光板を作製した。
[光線透過率測定用サンプルの成形] 材料は上述の樹脂1、樹脂6、樹脂7を用いた。金型として、50mm長さの6mm角で、長さ方向の中心に4mm角の断面を持つサイドゲートを設けてある棒状試験片を用いて、型締め力75tの電動式成形機(住友重機械工業株式会社製、SE75D)より、シリンダー温度280℃、金型温度120℃、射出速度1m/minにて成形を行った。尚、サンプル端面部の金型表面は研磨して表面粗さを5nmとしている。
日本分光(株)製分光光度計V570を用い、測定光を絞って狭くする事を目的としてφ4の穴を明けた黒色の金属片をサンプル設置部の入光側にセットし、装置の立ち上げを行った。その後、このφ4の穴がサンプル端面の中心に来るようにサンプルをセットし、光路長50mmで波長420nmと750nmの光線透過率(T420とT750)を測定した。得られた光線透過率を表8に示す。
実施例1と同様にして、導光板を作製して、バックライトユニット作製とLEDを設置した。10mAの電流を流して点灯し、導光板の出射光を目視で色ムラを観察した。色ムラの観察結果を表8に示す。
Claims (5)
- 光路長50mmで波長420nmにおける光線透過率T420が75%以上で、波長750nmにおける光線透過率T750が87%以上を満足する環状オレフィン系樹脂組成物を成形してなり、
前記環状オレフィン系樹脂組成物のISO11443に準拠して260℃、剪断速度1216/秒に於いて測定した溶融粘度が45Pa・sから85Pa・sであり、
前記環状オレフィン系樹脂組成物に含まれる環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が120℃以上である導光板。 - 光の入射方向の幅(L)と、厚み(T)と、の比(L/T)が150以上である請求項1に記載の導光板。
- 前記環状オレフィン系樹脂組成物が、ノルボルネンとエチレンとの共重合体を含有する請求項1から3のいずれかに記載の導光板。
- 輝度が4500cd/m 2 以上である請求項1から4のいずれかに記載の導光板。
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