JP5259447B2 - ポリプロピレン系樹脂材料及びポリプロピレン系樹脂材料の物性を改善する方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂材料及びポリプロピレン系樹脂材料の物性を改善する方法 Download PDF

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Description

本発明は、環状オレフィン系樹脂を無機充填剤の代わりに用いて、ポリプロピレン系樹脂材料の比重の増加を抑えつつポリプロピレン系樹脂材料の物性を改善する技術に関する。
ポリプロピレン樹脂は、剛性、硬度及び耐熱性等に優れており、射出成形、カレンダー成形、押出成形等の種々の成形方法によって容易に所望する形状にすることができる。しかも、安価であるので広範な用途、例えば家電製品のハウジング、フィルム用途、容器用途、自動車内装用途、フェンダー、バンパー、サイドモール、マッドガード、ミラーカバー等の自動車外装用途、一般雑貨用途等に広く利用されている。
また、このような種々用途に応じて、ポリプロピレン樹脂にポリエチレン樹脂あるいはゴム成分、例えばポリイソブチレン、ポリブタジエン、非晶性あるいは低結晶性エチレン・プロピレン共重合体(EPR)等を配合して耐衝撃性を改善したポリプロピレン系樹脂材料も知られている。また、ゴム成分の配合により低下する剛性を補うために、ポリプロピレン樹脂に、ゴム成分とともにタルク等の無機充填材等を添加したポリプロピレン組成物も知られている。
特に、自動車用部品に用いるポリプロピレン系樹脂材料としては、軽量化を実現させつつ、且つ十分な強度を有する成形製品であることが必要になる。したがって、軽量であり、且つ剛性−耐衝撃性バランスの優れた製品を実現可能なポリプロピレン系樹脂材料が求められている。
軽量であり、且つ剛性−耐衝撃性バランスの優れた材料として、特定のプロピレン系重合体50質量%から89質量%と、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体組成物5質量%から40質量%と、無機充填剤1質量%から25質量%と、からなることを特徴とするプロピレン系樹脂材料が開示されている(特許文献1)。
特開2004−231924号公報
特許文献1に記載のプロピレン系樹脂材料では、無機充填剤として特にタルクが好ましく用いられる。このプロピレン系樹脂材料は、タルクを含むことで剛性が高まり、その結果、剛性−耐衝撃性の面では優れる。しかしながら、タルクの比重が2.8であるのに対して、ポリプロピレン樹脂の比重は、およそ0.9であり、軽量化の観点からはタルクの使用量を削減させる方が好ましい。ところが、現在では、タルクの使用量を減らすための技術は開示されていない。
そこで、タルクを極力用いることなく、軽量でありながら剛性−耐衝撃性バランスの優れた製品を得るためのポリプロピレン系樹脂材料が強く求められている。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、タルク等の無機充填剤を極力用いることなく剛性−耐衝撃性バランスの優れ、軽量な製品を得るためのポリプロピレン系樹脂材料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、無機充填剤、特にタルクの代わりに環状オレフィン系樹脂を用い、無機充填剤の使用量を削減することで、材料の大幅な軽量化を実現し、且つ多くの自動車用部品に好ましく適用可能なポリプロピレン系樹脂材料が提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) ポリプロピレン樹脂と、環状オレフィン系樹脂と、を含むポリプロピレン系樹脂材料であって、前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が120℃から180℃であり、比重が1.0以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂材料。
(2) 前記比重が0.95以下である(1)に記載のポリプロピレン系樹脂材料。
(3) 前記環状オレフィン系樹脂は、ISO11443に準拠して280℃、剪断速度1216/秒に於いて測定した溶融粘度が50Pa・sから300Pa・sである(1)又は(2)に記載のポリプロピレン系樹脂材料。
(4) さらにエラストマー樹脂を含むことを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂材料。
(5) 前記ポリプロピレン樹脂の含有量が90質量%から50質量%であり、前記環状オレフィン系樹脂の含有量が5質量%から45質量%であり、前記エラストマー樹脂の含有量が5質量%から30質量%である(4)に記載のポリプロピレン系樹脂材料。
(6) 前記ポリプロピレン樹脂が、ブロック共重合体である(1)から(5)のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂材料。
(7) さらにタルク10質量%以下を含む(1)から(6)のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂材料。
(8) 前記ポリプロピレン樹脂が、ポリプロピレン単独重合体である(7)に記載のポリプロピレン系樹脂材料。
(9) 少なくとも、一部のタルクの代わりに環状オレフィン系樹脂を含有させることを特徴とするポリプロピレン系樹脂材料の比重の増加を抑えつつポリプロピレン系樹脂材料の物性を改善する方法。
本発明によれば、比重2.8のタルク等の無機充填剤の代わりに比重1程度の高剛性の環状オレフィン系樹脂を用い、無機充填剤の使用量を削減することで、自動車用部品等として充分な剛性等の物性を維持しつつ、樹脂製品の大幅な軽量化が可能になる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明はポリプロピレン系樹脂材料が、環状オレフィン系樹脂を含有することが特徴である。先ず、ポリプロピレン系樹脂材料について説明する。なお、ポリプロピレン系樹脂材料とはポリプロピレン系樹脂組成物のことを指す。
<ポリプロピレン系樹脂材料>
本発明において、ポリプロピレン系樹脂材料は、ポリプロピレン樹脂と環状オレフィン系樹脂とを必須の成分とする。本発明は、タルク等の無機充填剤の代わりに高剛性の環状オレフィン系樹脂を用い、無機充填剤の使用量を削減し、材料の軽量化を実現しつつ、所望の物性を維持できることが特徴である。即ち、比重の大きいタルク等の代わりに環状オレフィン系樹脂を用いることで、充分な剛性を樹脂製品に付与しつつ樹脂製品の大幅な軽量化も可能になる。
[ポリプロピレン樹脂]
本発明において、ポリプロピレン樹脂とは、プロピレンを主成分とする重合体であれば特に限定されないが、プロピレンの成分量が100mol%から70mol%のものが好ましい。プロピレン成分が70mol%未満であると機械的強度の低下が大きく好ましくない。また、共重合成分は、エチレン、ブチレン、ペンテン、無水マレイン酸、メタアクリル酸、ビニルトリメトキシシラン等であり、エチレンが最も好適である。
具体的にポリプロピレン樹脂を例示すると、プロピレン単独重合体(ホモ重合体)、プロピレンと少量のエチレン等の他の共重合成分とのランダム共重合体、又は、第一工程でプロピレンを単独重合した後、第二工程でプロピレンとエチレン等の他のα−オレフィンとの共重合を行うことによって得られるポリプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。また、優れた剛性と耐衝撃強度とがバランスした成形体を得るには、立体規則性の高い結晶性ポリプロピレンが好ましい場合が多い。なお、ポリプロピレン樹脂は上記重合体、共重合体の混合物であってもよい。
ポリプロピレン単独重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体等は用途に応じて適宜変更して用いる。ポリプロピレン単独重合体は曲げ強度、曲げ弾性率が高い傾向にあり、ブロック共重合体はシャルピー衝撃値が高い傾向にあり、ランダム共重合体は、引張り伸びが高い傾向にある。
上記の通り、ポリプロピレン単独重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体にはそれぞれ特徴がある。このため、用途に応じて最も好ましいものを使用する。本発明は主に自動車用部品等の一定の水準以上の剛性等の物性、且つ軽量化が求められる部品に好適であり、自動車用部品に用いる場合には上記の通り用途にもよるが、無機充填剤としてタルクを全く使用しない場合には、ブロック共重合体が最も好ましい。本発明は軽量化のために後述する環状オレフィン系樹脂を含有させることを特徴とするが、一定の水準以上のシャルピー衝撃値を樹脂製品に付与するためには、もともとシャルピー衝撃値の高いブロック共重合体が好ましいからである。また、後述する通り、無機充填剤として少量のタルクを含むポリプロピレン系樹脂材料にする場合には、ポリプロピレン系樹脂として、ポリプロピレン単独共重合体の使用が好ましい。
本発明において、ポリプロピレン樹脂としては、一般的に、三塩化チタン又はTi化合物と、MgCl等に担持した固体触媒成分と、を組み合わせてなる触媒系(いわゆるチーグラー・ナッタ触媒)を使用した通常の方法によって製造されるポリプロピレン樹脂を使用することができる。
プロピレン共重合体の製造は、例えば、不活性炭化水素溶媒に可溶な3価から5価のバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせからなる溶媒系によって製造する方法が挙げられる。また、上記のチーグラー・ナッタ触媒によるプロピレンの重合工程とそれに続くプロピレン共重合工程とから成る多段の重合工程によって製造する方法が挙げられる。さらに、これらを併用することも出来る。特に優れた耐衝撃強度の成形体を得るには、プロピレンブロック共重合体にバナジウム系触媒で得られるエチレン−ポリプロピレン共重合体をさらに外添して使用するのが好ましい。
上記の通りポリプロピレン樹脂の製造には、高立体規則性触媒が用いられる。上記触媒の代表的な製造法には、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元し、さらに各種の電子供与体及び電子受容体で処理して得た三塩化チタン組成物と、有機アルミニウム化合物及び芳香族カルボン酸エステルとを組合せる方法(特開昭56−100806号公報、特開昭56−120712号公報、特開昭58−104907号公報)、及びハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと各種の電子供与体を接触させる担持型触媒の方法(特開昭57−63310号公報、特開昭63−43915号公報、特開昭63−83116号公報)等、公知の方法が用いられる。
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂は、JIS 7210に準拠する方法で、230℃の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分から100g/10分であることが好ましく、より好ましくは、0.5g/10分から60g/10分である。ポリプロピレン樹脂のMFRが上記範囲にあれば、成形時の流動性の観点から好ましい。
プロピレン樹脂のMFRは、重合時に調整したもの、あるいは重合後ジアシル・パーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド等の有機過酸化物で調整したものであってもよい。
ポリプロピレン系樹脂材料中のポリプロピレン樹脂の含有量は、特に限定されず用途に応じて適宜変更して実施される。ポリプロピレン樹脂の含有量、後述する環状オレフィン系樹脂やその他の成分の含有量を調整することで樹脂製品の物性を所望の物性に調整するからである。
上記の通りポリプロピレン樹脂の含有量は用途に応じて適宜変更して実施されるが、一般的な自動車用部品に求められる剛性等を満たすような部品にするためには、ポリプロピレン樹脂の含有量を50質量%から90質量%に設定することが好ましく、より好ましくは、55質量%から80質量%である。ポリプロピレン樹脂の含有量を減らすと引張伸び等が低下する傾向にある。このため、充分な引張伸びが必要な場合にはポリプロピレン樹脂の含有量を80質量%以上にするか、又はエラストマー樹脂を含有させる等して、引張伸びの低下を抑える等する必要がある。
[環状オレフィン系樹脂]
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂について説明する。本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、
(a1)環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、
(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物、
(a3)環状オレフィンの開環(共)重合体又はその水素添加物、を挙げることができる。
また、本発明に用いられる環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂としては、
(a4)上記(a1)〜(a3)の樹脂に、さらに極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したもの。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
本発明においては、上記の環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂(a1)〜(a4)は、1種単独であっても、二種以上を混合使用してもよい。
また、本発明に用いられる環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(Topas Advanced Polymers社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等を挙げることができる。
本発明の組成物に好ましく用いられる(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体としては、特に限定されるものではない。特に好ましい例としては、〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、〔2〕下記一般式(I)で示される環状オレフィン成分と、を含む共重合体を挙げることができる。
Figure 0005259447
(式中、R〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、RとR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。また、nは、0又は正の整数を示し、nが2以上の場合には、R〜Rは、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
〔〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分〕
本発明に好ましく用いられる環状オレフィン成分とエチレン等の他の共重合成分との付加重合体の共重合成分となる炭素数2〜20のα−オレフィンは、特に限定されるものではない。例えば、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。また、これらのα−オレフィン成分は、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。これらの中では、エチレンの単独使用が最も好ましい。
〔〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分〕
本発明に好ましく用いられる環状オレフィン成分とエチレン等の他の共重合成分との付加重合体において、共重合成分となる一般式(I)で示される環状オレフィン成分について説明する。
一般式(I)におけるR〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。
〜Rの具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
また、R〜R12の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ステアリル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等の置換又は無置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
とR10、又はR11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成する場合の具体例としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基等を挙げることができる。
又はR10と、R11又はR12とが、互いに環を形成する場合には、形成される環は単環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基等の置換基を有していてもよい。
一般式(I)で示される環状オレフィン成分の具体例としては、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。
これらの環状オレフィン成分は、1種単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記公報に記載の具体例の中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)を単独使用することが好ましい。
〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と〔2〕一般式(I)で表される環状オレフィン成分との重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行うことができる。ランダム共重合であっても、ブロック共重合であってもよい。
また、用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラー・ナッタ系、メタセシス系、メタロセン系触媒等の従来周知の触媒を用いて周知の方法により得ることができる。本発明に好ましく用いられる環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物は、メタロセン系触媒やチーグラー・ナッタ系触媒を用いて製造されることが好ましい。
メタセシス触媒としては、シクロオレフィンの開環重合用触媒として公知のモリブデン又はタングステン系メタセシス触媒(例えば、特開昭58−127728号公報、同58−129013号公報等に記載)が挙げられる。また、メタセシス触媒で得られる重合体は無機担体担持遷移金属触媒等を用い、主鎖の二重結合を90%以上、側鎖の芳香環中の炭素−炭素二重結合の98%以上を水素添加することが好ましい。
上記のような方法で得られた環状オレフィン系樹脂のガラス転移点は特に限定されないが、50℃から200℃、好ましくは70℃から190℃、さらに好ましくは120℃から185℃である。なお、ガラス転移点(Tg)は、DSC法(JIS K7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定した値を採用する。
上記ガラス転移点は、環状オレフィンに由来する繰り返し単位の含有量を変更することによって調整することができる。また、ガラス転移点の低い環状オレフィン系樹脂は、ガラス転移点の高い環状オレフィン系樹脂と比較して、引張特性、曲げ特性が高く、さらに、ガラス転移点の低い環状オレフィン系樹脂の方が、シャルピー衝撃値も高い傾向にある。したがって、ガラス転移点の低い環状オレフィン系樹脂を用いることで、ガラス転移点の高いものを用いた場合と比較して、軽量であり、且つ引張特性、曲げ特性、シャルピー衝撃値に優れたポリプロピレン系樹脂材料になる。しかしながら、環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が低すぎると、環状オレフィン系樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂材料の耐熱性に問題が生じる。以上のようなことを考慮すると、上記ガラス転移点が好ましい範囲になる。ただし、用途によっては、上記のガラス転移点の好ましい範囲を外れるものであっても好適な場合がある。
ポリプロピレン系樹脂材料中の環状オレフィン系樹脂の含有量は特に限定されず、用途に応じて適宜変更して実施できる。環状オレフィン系樹脂の割合が多いと耐油性が低下する場合があるが、その場合は環状オレフィン系樹脂の含有量を30質量%以下とすることが望ましい。
一方、環状オレフィン系樹脂の含有量が多い場合には、荷重たわみ温度が高まるという効果がある。したがって、優れた荷重たわみ温度が必要な場合には、環状オレフィン系樹脂の含有量を多めに設定する必要がある。軽量化、シャルピー衝撃値等の物性を一定水準以上に保ちつつ、荷重たわみ温度に優れたポリプロピレン形樹脂材料は、環状オレフィン系樹脂の含有量を5質量%から45質量%にすることで得られやすい。
使用する環状オレフィン系樹脂の溶融粘度は特に限定されず、用途に応じて好ましいものを使用することができる。一般的に、環状オレフィン系樹脂を含有させるとポリプロピレン系樹脂材料の引張伸び、シャルピー衝撃値は低下するが、溶融粘度の高い材料を用いることで、シャルピー衝撃値、引張伸びの低下を抑えやすい傾向にある。ISO11443に準拠して280℃、剪断速度1216/秒に於いて測定した溶融粘度が50Pa・s以上の環状オレフィン系樹脂を用いることで、シャルピー衝撃値、引張伸びの低下を抑えた優れたポリプロピレン形樹脂材料を得ることができる。
〔その他共重合成分〕
本発明の組成物に特に好ましく用いられる(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体は、上記の〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。
任意に共重合されていてもよい不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体等を挙げることができる。炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体の具体例としては、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。
[エラストマー樹脂]
エラストマー樹脂を含有させることで、ポリプロピレン系樹脂材料のシャルピー衝撃値、引張伸びの低下を大幅に抑えることができる。特に環状オレフィン系樹脂を含有させることで、シャルピー衝撃値、引張伸びが低下する傾向にあるので、エラストマー樹脂を含有させれば環状オレフィン系樹脂の欠点を補うことができる。また、エラストマー樹脂は、ポリプロピレン樹脂としてブロック共重合体を用いる場合に、ポリプロピレン系樹脂材料中に配合することが好ましい。上記ブロック共重合体の特徴を活かしつつ、得られる成形品に極めて優れた物性を付与できるからである。
使用可能なエラストマー樹脂としては特に限定されず従来公知のものを用途に応じて使用することができる。従来公知のエラストマー樹脂としては、例えば、オレフィン系エラストマー樹脂、スチレン系エラストマー樹脂、ポリアミド系エラストマー樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリウレタン系エラストマー樹脂等が挙げられる。より具体的には、特開2006−291100、特開2004−156048、特開2008−006829、特開平09−48902、特開平10−158487等に記載されたエラストマー樹脂を使用することができる。
シャルピー衝撃値、引張り伸びの低下を抑えるという観点からは、エラストマー樹脂の種類は特に限定されない。したがって、使用するポリプロピレン樹脂、環状オレフィン系樹脂の種類に応じて適宜好ましいものを使用することができる。
特に好ましいのはオレフィン系エラストマー樹脂、スチレン系エラストマー樹脂である。オレフィン系エラストマーとして好ましいものは、エチレン及び/又はプロピレンを主体とするエラストマーであり、具体的にはエチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマー、エチレン−プロピレン−1−ブテンターポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、エチレン−エチルアクリレートコポリマー、エチレン−グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニルターポリマー等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
オレフィン系エラストマーの具体例として、三井化学社製Nタフマー MP0610、 デュポンダウエラストマー社製エンゲージ ENR7380、エンゲージ 8003、エンゲージ8440等が挙げられる。
スチレン系エラストマーとしてはポリスチレンブロックとポリオレフィン構造のエラストマーブロックで構成されたブロック共重合体が望ましい。これらブロック共重合体としては、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)−ポリスチレンブロック共重合体(SEPS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)−ポリスチレンブロック共重合体(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−ポリスチレンブロック共重合体(SEEPS)等が挙げられる。これらスチレン系熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル化合物と、オレフィン系化合物あるいは共役ジエン化合物とからなるブロック共重合体である。
ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、o−、m−又はp−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、芳香族ビニル化合物の1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ブロック共重合体を構成するオレフィン系化合物としては、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。共役ジエン化合物のブロック部は、これらの化合物の1種から構成されていてもよいし、また2種以上から構成されていてもよいが、ブタジエン、イソプレン又はこれらの混合物から構成されているのが望ましい。共役ジエン化合物のブロック部は、脂肪族炭素−炭素二重結合を側鎖に含有していてもよい。例えば、共役ジエン化合物として、ブタジエンとイソプレンの混合物又はイソプレンを使用する場合、共役ジエン化合物のブロック部は、1,2−結合及び3,4−結合に由来して側鎖に脂肪族炭素−炭素二重結合を含有することがある。この場合、共役ジエン化合物中の1,2−結合と3,4−結合の割合は特に限定されないが、1,2−結合と3,4−結合の合計が、ブロック共重合体を構成する構造単位の全量に対し30モル%以上の割合で含まれていることが好ましく、40モル%以上の割合で含まれていることがより好ましい。共役ジエン化合物のブロック部は、耐熱性を向上させるために共役ジエン化合物に由来する脂肪族炭素−炭素二重結合が水素添加されていてもよい。
スチレン系エラストマーの具体例として、クレイトン社製G1651H、ダイセル化学工業社製エポフレンドAT501、AT504、クラレ社製ハイブラー7311、セプトン2005、セプトン4055、セプトン8006、セプトン8104等が上げられる。
ポリプロピレン系樹脂材料中のエラストマー樹脂の含有量は特に限定されないが、ポリプロピレン樹脂の利点を活かし、環状オレフィン系樹脂の利点を活かし、エラストマー樹脂の利点を活かすためには、エラストマー樹脂の含有量は、5質量%から35質量%であることが好ましい。
[その他の成分]
ポリプロピレン系樹脂材料には、上記ポリプロピレン樹脂、環状オレフィン系樹脂、エラストマー樹脂以外の成分を本発明の効果を害さない範囲で含有させることができる。特に、本発明は軽量化のために比重の大きいタルク等の代わりに環状オレフィン系樹脂を用いて剛性を付与することが特徴である。しかしながら、環状オレフィン系樹脂を用いると、シャルピー衝撃値、引張り伸びの低下が大きく、用途によってはシャルピー衝撃値の低下をさらに抑えることや、また、他の物性改善に無機充填剤が必要な場合がある。このような場合でも、本発明のように環状オレフィン系樹脂を用いることで剛性等の物性が改善でき、無機充填剤の使用量を削減することができるため、樹脂製品を軽量化することができる。なお、用途にもよるが無機充填剤としては、タルクが好ましい。
上記の通り、環状オレフィン系樹脂の使用では不十分な点のみタルク等の無機充填剤を用いて改善することで、様々な物性の樹脂製品の軽量化を実現することができる。従来から自動車用部品等の成形に使用しているポリプロピレン系樹脂材料は、タルク等の無機充填剤を10質量%から25質量%程度含有していたが、環状オレフィン系樹脂を併せて用いることで、10質量%以下の無機充填剤の含有量であっても、充分な物性を得ることができる。このため、自動車部品等の樹脂製品の軽量化を図ることができる。特に、ポリプロピレン単独重合体とタルクとの組み合わせが、上述の通り好ましい。ポリプロピレン単独重合体とタルクとの組み合わせによれば、この材料を用いて得た成形品に対して非常に優れた物性を付与できるとともに、タルクにより成形品に高剛性を付与できるため、エラストマー樹脂を用いなくても充分に優れたポリプロピレン系樹脂材料になる。
本発明のポリプロピレン系樹脂材料には、本発明の効果を害さない範囲でその他の樹脂を含有させてもよい。また、発明の効果を害さない範囲で、核剤、カーボンブラック、無機焼成顔料等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤及び難燃剤等の添加剤を添加して、所望の特性を付与した組成物も含まれる。
<ポリプロピレン系樹脂材料>
本発明のポリプロピレン系樹脂材料は、優れたシャルピー衝撃値、引張特性、曲げ特性、荷重たわみ温度等の物性に加えて軽量化が求められる用途に好適である。
優れた耐衝撃性とは、実施例に記載の方法で測定したシャルピー衝撃値が、1.0kJ/m以上である。シャルピー衝撃値が上記範囲にあれば、後述する自動車部品等の材料として好ましい。
優れた引張特性とは、実施例に記載する方法で測定した引張り強度が20MPa以上であり、引張り伸びが4.0%以上である。引張り強度及び引張り伸びが上記範囲にあれば、後述する自動車用部品等の材料として好ましい。
優れた曲げ特性とは、実施例に記載する方法で測定した曲げ強度が35MPa以上であり、曲げ弾性率が1000MPa以上である。曲げ強度及び曲げ弾性率が上記範囲にあれば、後述する自動車用部品等の材料として好ましい。特に本発明のポリプロピレン系樹脂材料は、タルクを少量添加することで、自動車用部品として十分な物性を満たしつつ、曲げ弾性率を大きく向上させることができる。
優れた荷重たわみ温度とは、実施例に記載の方法で測定した荷重たわみ温度が55℃以上である。荷重たわみ温度が上記範囲を超えるものであれば、後述する自動車用部品の材料として好ましい。
ポリプロピレン系樹脂材料の比重は、1.0以下であり、好ましくは、0.95以下である。従来のタルク等を含有したポリプロピレン系樹脂材料の比重は、1を超えるため大幅な軽量化が可能になる。本発明は、比重の大きいタルク等の無機充填剤の代わりに環状オレフィン系樹脂を用いて剛性を付与することで、上記のような一定水準以上の物性を保ちながら軽量化を実現することができる。特に本発明のポリプロピレン系樹脂材料は、ポリプロピレン樹脂としてホモ重合体を用い、タルクを少量添加することで、自動車用部品として十分な物性を満たしつつ、上記1.0以下の比重に調整することが可能であり、さらに、0.95以下の比重に調整することも可能である。
上記ポリプロピレン系樹脂材料は、従来公知の成形方法により樹脂製品とすることができ、例えば射出成形、射出圧縮成形、ガスアシスト法射出成形、押出成形、多層押出成形、回転成形、熱プレス成形、ブロー成形、発泡成形等の方法により、射出成形体、チューブ、シート、フィルム、パイプ、ボトル等に成形することができる。下記の通り本発明は自動車部品用の材料として好ましく、自動車部品の成形には射出成形法が適する。また、成形は予めコンパウンドした材料を用いることが好ましい。
本発明は、自動車部品用に特に好ましい。自動車用部品としては例えば、バンパー(フロントバンパー、リアバンパー)、モール、フェンダー(オーバーフェンダ等)、インストルメントパネル(インストロアパネル等)、トリム(ドアトリム等)、ガーニッシュ(リヤラッゲージガーニッシュ、サイドシルガーニッシュ、カウルトップガーニッシュ、ピラーガーニッシュ、グリルガーニッシュ等)、各種ボックス(コンソールボックス、グローブボックス、ルーフボックス等)、トレイ(リアトレイ等)、HVAC(ヒーティング&ベンチレーティングエアコンディショナー)、ケース(エアクリーナーケース、メーターケース、ヒーターケース等)、ファン・シュラウド、リザーバータンク、スピーカーグリル、ジャンクションブロック、リアマットガード、フロントマットガード、ホースコネクター、エレメントホルダー、ダクト、吸気チャンバー、サージタンク、レゾネーター、ベルトカバー、アキュームレーターピストン、サイドプロテクター、インパネファンデーション、ドアサイドモール、サイドモール、クラスターリッド、シリンダーヘッドカバー、キャニスター、シフトレバープレート、ホイールキャップ、インテークマニホールド、エンジンフード、ドアパネル、リヤラッゲージドア、ヒーターケース、ヒータードア、エアークリーナー、レジスター(バレル、ブレード、ロッド、ブッシュ)等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<材料>
ポリプロピレン樹脂1:ランダム共重合体、MFR=30g/10分、「J227T」(プライムポリマー社製)
ポリプロピレン樹脂2:ホモ重合体、MFR=9g/10分、「J105G」(プライムポリマー社製)
ポリプロピレン樹脂3:ブロック共重合体、MFR=1.6g/10分、「BJS−MU」(プライムポリマー社製)
ポリプロピレン樹脂4:ブロック共重合体、MFR=30g/10分、「J707G」(プライムポリマー社製)
ポリプロピレン樹脂5:ブロック共重合体、MFR=9g/10分、「J715M」(プライムポリマー社製)
ポリプロピレン樹脂6:ホモ重合体、MFR=45g/10分、「J108M」(プライムポリマー社製)
環状オレフィン系樹脂1:ガラス転移点134℃、溶融粘度56Pa・s、「TOPAS 5013S−04」(ポリプラスチックス社製)
環状オレフィン系樹脂2:ガラス転移点138℃、溶融粘度115Pa ・s、「TOPAS 6013S−04」(ポリプラスチックス社製)
環状オレフィン系樹脂3:ガラス転移点158℃、溶融粘度185Pa・s、「TOPAS 6015S−04」(ポリプラスチックス社製)
環状オレフィン系樹脂4:ガラス転移点178℃、溶融粘度260Pa・s、「TOPAS 6017S−04」(ポリプラスチックス社製)
エラストマー樹脂1:無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、「Nタフマー MP0610」(三井化学社製)
エラストマー樹脂2:エチレン・ブテンコポリマー、「エンゲージ ENR7380」(デュポンダウエラストマー社製)
エラストマー樹脂3:スチレン・エチレン・ブテン ブロック共重合体、「G1651H」(クレイトン社製)
タルク1:「クラウンタルクPP」(松村産業社製)
溶融粘度は、280℃、剪断速度1216/秒における溶融粘度であり、その測定は、直径(D)1mm、長さ(L)10mmのキャピラリーダイを用いて、ISO11443に準拠する方法で行った。
ガラス転移点(Tg)は、DSC法(JIS K7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定した。
メルトフローレート(MFR)は、JIS 7210に準拠する方法で、230℃の条件で測定した。
<実施例、参考例
表1、2、3に示す材料を表1、2、3に示す割合で混合しポリプロピレン樹脂組成物を調製した。
Figure 0005259447
Figure 0005259447
Figure 0005259447
表1、2に示す材料を予めコンパウンドし、樹脂ペレットを作製し下記成形条件にて、物性評価に必要な試験片を射出成形した。
<成形条件>
成形機; FANUC S2000i 100B
シリンダー温度:240℃から260℃
金型温度:70℃
<比較例>
表4に示す材料を表4に示す割合で混合し、比較例のポリプロピレン樹脂組成物を調製した。その後、実施例と同様の条件で射出成形を行い評価に必要な試験片を作製した。
Figure 0005259447
<評価>
[引張り試験]
ISO527−2/1aに準拠し引張り強度、引張り伸びを測定した。測定結果を表5から8に示した。比較例2、5においては引張り伸びが200%を超える結果となり、200%に達した時点で測定を終了した。
[曲げ試験]
ISO178に準拠してこれらの試験片の曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。測定結果を表5から8に示した。
[シャルピー衝撃値]
ISO179/1eAに準拠して、東洋精機製作所社製、シャルピー衝撃値測定装置を用いて測定を行った。測定結果を表5から8に示した。
[荷重たわみ温度]
ISO75−1,2に準拠して、これらの射出成形試験片の荷重たわみ温度を測定した。測定は1.8MPa荷重にて行った。測定結果を表5から8に示した。
[比重]
比重の測定は、ISO1183に準拠して測定した。測定結果を表5から8に示した。
Figure 0005259447
Figure 0005259447
Figure 0005259447
Figure 0005259447
参考例1から18の結果から明らかなように、比重が1を大きく下回り、樹脂製品の軽量化が確認された。また、環状オレフィン系樹脂を含有することにより、低下する物性があるものの、一般的な自動車用部品に用いる場合には、ほとんど問題が無い程度である。そして、荷重たわみ温度、曲げ弾性率、引張り強度、曲げ強度等の物性は向上することが確認された。
環状オレフィン系樹脂を含有することで、シャルピー衝撃値が低下する傾向にあるが、参考例1、参考例2から7、参考例8から15の結果から明らかなように、ポリプロピレン樹脂がブロック共重合体であれば、他のポリプロピレン樹脂を用いた場合と比較してシャルピー衝撃値の値が大きくなることが確認された。
参考例5と参考例6、及び参考例10と参考例11の結果から明らかなように、溶融粘度の高い環状オレフィン系樹脂を用いた方が、溶融粘度の低い環状オレフィン系樹脂を用いる場合と比較して、引張り伸びやシャルピー衝撃値が優れることが確認された。環状オレフィン系樹脂を含有することで引張り伸び、シャルピー衝撃値は低下する傾向にあるが、溶融粘度の高い環状オレフィン系樹脂を用いることで、これらの物性の低下を抑えることができる。
参考例3、6、7、及び参考例11、12、14の結果から、耐熱性に問題が無ければ、ガラス転移点の低い環状オレフィン系樹脂を用いた方が、シャルピー衝撃値、引張り伸びの低下が少ないことが確認された。
参考例14、参考例15と参考例16から17の結果から、エラストマー樹脂を含有させることで、シャルピー衝撃値、引張り伸びの低下をさらに抑えることができることが確認された。したがって、溶融粘度の高い環状オレフィン系樹脂を用い、可能な限りガラス転移点の低い環状オレフィン系樹脂を用い、エラストマー樹脂を含有させることで、引張り伸び及びシャルピー衝撃値の低下を大幅に抑えることができる。
参考例2から4、及び参考例13から15の結果から、ポリプロピレン樹脂の含有量を減らし、環状オレフィン系樹脂の含有量を増加させるほど、引張り伸び、シャルピー衝撃値の値が低下することが確認された。しかし、これらの物性低下は上記の通りある程度抑えることが可能である。したがって、これらの物性の低下、及び上記の改善を調整することで所望の軽量材料を得ることができる。
参考例19と実施例との比較、及び参考例20と実施例との比較から、ポリプロピレン樹脂としてホモ重合体を用い、タルクを少量添加することで、曲げ弾性率が大きく向上することが確認された。また、参考例20、実施例から及び比較例6の結果から、ポリプロピレン樹脂単独で使用する場合と比較して、曲げ弾性率、曲げ強度、荷重たわみ温度、引張強度等の物性を改善できることが確認された。また、実施例22から25及び比較例7から、タルクの含有量が10質量%以下であればポリプロピレン系樹脂材料の比重は1以下になることが確認された。

Claims (1)

  1. 部のタルクの代わりに少なくとも環状オレフィン系樹脂を含有させることを特徴とするポリプロピレン系樹脂材料の比重の増加を抑えつつポリプロピレン系樹脂材料の物性を改善する方法。
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