JP2008115294A - 易開封性シーラント樹脂組成物およびフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な耐熱性を有する新規な易開封性のシーラント組成物の提供。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂95〜50質量%と、環状オレフィン樹脂5〜50質量%とを含む新規な易開封性のシーラント組成物であり、ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレン系共重合体からなる群より選ばれる1種以上の樹脂であり、環状オレフィン樹脂は、α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体であるものが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂95〜50質量%と、環状オレフィン樹脂5〜50質量%とを含む新規な易開封性のシーラント組成物であり、ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマーおよびプロピレン系共重合体からなる群より選ばれる1種以上の樹脂であり、環状オレフィン樹脂は、α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体であるものが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、易開封性シーラント樹脂組成物と、この組成物からなるシーラント層を備えたフィルムとに関する。
例えば食品や一般産業資材の包装用の袋、カップ容器の蓋材、医薬用輸液バッグ、電子部品材料のキャリアテープなどには、易開封性のシーラント層を備えたフィルムが多用されている。
従来、このような易開封性のシーラント層は、ヒートシール性を有する材料に異種材料を組み合わせた樹脂組成物により形成されている。このような組成物によれば、異種材料の配合によりヒートシール性が調整され、適度なシール強度を有し、密閉性と易開封性とを兼ね備えたシーラント層を形成することができる。このような組成物としては、ポリエチレンをベースとし、これにポリブテン−1を混合したポリエチレン組成物が一般的である。
従来、このような易開封性のシーラント層は、ヒートシール性を有する材料に異種材料を組み合わせた樹脂組成物により形成されている。このような組成物によれば、異種材料の配合によりヒートシール性が調整され、適度なシール強度を有し、密閉性と易開封性とを兼ね備えたシーラント層を形成することができる。このような組成物としては、ポリエチレンをベースとし、これにポリブテン−1を混合したポリエチレン組成物が一般的である。
ところが、ポリエチレン組成物からなるシーラント層を備えたフィルムは、耐熱性が要求される用途には使用できないという問題があった。すなわち、例えば食品用のレトルトパウチや医薬用輸液バッグなどには、滅菌・殺菌のためにレトルト処理、オートクレーブ滅菌などと呼ばれる120℃程度のスチームによる加熱処理が行われる場合が多いが、このような用途にポリエチレン組成物からなるシーラント層を備えたフィルムを使用すると、ポリエチレンは耐熱性が不十分であるため、加熱処理によりフィルムの変形(収縮、波打ちなど)、白化などが生じてしまう。
そこで、ポリエチレンよりも耐熱性が高いポリプロピレン系樹脂をベースとした易開封性シーラント樹脂組成物について、種々検討されている(特許文献1〜4参照。)。
特開平8−332699号公報
特開平10−201819号公報
特開2001−164062号公報
特開2002−128972号公報
そこで、ポリエチレンよりも耐熱性が高いポリプロピレン系樹脂をベースとした易開封性シーラント樹脂組成物について、種々検討されている(特許文献1〜4参照。)。
しかしながら、これら従来の易開封性シーラント樹脂組成物では、ベースであるポリプロピレン系樹脂に易開封性を与えるために配合される改質用樹脂が、例えば特許文献1ではエチレン系共重合体、特許文献2ではポリスチレン、特許文献3ではブテン系共重合体、特許文献4ではポリスチレンなどとされ、耐熱性の観点からは十分ではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、十分な耐熱性を有する新規な易開封性のシーラント組成物と、該組成物からなるシーラント層を備えたフィルムとの提供を課題とする。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、十分な耐熱性を有する新規な易開封性のシーラント組成物と、該組成物からなるシーラント層を備えたフィルムとの提供を課題とする。
本発明の易開封性シーラント樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂95〜50質量%と、環状オレフィン樹脂5〜50質量%とを含有することを特徴とする。
前記ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン系共重合体からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記環状オレフィン樹脂は、α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体であることが好ましい。
本発明のフィルムは、前記いずれかに記載の易開封性シーラント樹脂組成物からなるシーラント層を表面に有することを特徴とする。
前記ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン系共重合体からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記環状オレフィン樹脂は、α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体であることが好ましい。
本発明のフィルムは、前記いずれかに記載の易開封性シーラント樹脂組成物からなるシーラント層を表面に有することを特徴とする。
本発明によれば、十分な耐熱性を有する新規な易開封性のシーラント組成物と、該組成物からなるシーラント層を備えたフィルムとを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の易開封性シーラント樹脂組成物(以下、単に組成物という場合もある。)は、ポリプロピレン系樹脂95〜50質量%と、環状オレフィン樹脂5〜50質量%とを含むものである。
ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン系共重合体などが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。ポリプロピレンホモポリマーとしては、長鎖分岐ポリプロピレンも使用できる。また、プロピレン系共重合体としては、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体やブロック共重合体、プロピレン系熱可塑性エラストマー(PP系TPO)などを使用できる。
本発明の易開封性シーラント樹脂組成物(以下、単に組成物という場合もある。)は、ポリプロピレン系樹脂95〜50質量%と、環状オレフィン樹脂5〜50質量%とを含むものである。
ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン系共重合体などが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。ポリプロピレンホモポリマーとしては、長鎖分岐ポリプロピレンも使用できる。また、プロピレン系共重合体としては、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体やブロック共重合体、プロピレン系熱可塑性エラストマー(PP系TPO)などを使用できる。
環状オレフィン樹脂としては特に制限はなく、α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、環状オレフィンの開環重合体やその水添物が使用できる。
α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体としては、チーグラー触媒、メタロセン触媒などの存在下、環状オレフィンとしてノルボルネン系環状オレフィンを使用し、これとエチレン、プロピレンなどのα−オレフィンとを付加重合させたものが好ましく、このようなものとしては、エチレンとノルボルネン系環状オレフィンとの付加重合体である下記式(I)の三井化学社製「アペル(商品名)」や、下記式(II)のチコナ社製「TOPAS」が挙げられる。
環状オレフィンの開環重合体の水添物としては、環状オレフィンとしてノルボルネン系環状オレフィンが使用された下記式(III)の日本ゼオン社製「ゼオノア(商品名)」が挙げられる。その他には、JSR社製の「アートン(商品名)」も使用できる。
α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体としては、チーグラー触媒、メタロセン触媒などの存在下、環状オレフィンとしてノルボルネン系環状オレフィンを使用し、これとエチレン、プロピレンなどのα−オレフィンとを付加重合させたものが好ましく、このようなものとしては、エチレンとノルボルネン系環状オレフィンとの付加重合体である下記式(I)の三井化学社製「アペル(商品名)」や、下記式(II)のチコナ社製「TOPAS」が挙げられる。
環状オレフィンの開環重合体の水添物としては、環状オレフィンとしてノルボルネン系環状オレフィンが使用された下記式(III)の日本ゼオン社製「ゼオノア(商品名)」が挙げられる。その他には、JSR社製の「アートン(商品名)」も使用できる。
組成物中におけるポリプロピレン系樹脂と環状オレフィン樹脂の含有量は、ポリプロピレン系樹脂が95〜50質量%で環状オレフィン樹脂が5〜50質量%であり、好ましくはポリプロピレン系樹脂が90〜60質量%で環状オレフィン樹脂が10〜40質量%である。このような範囲であると、例えば滅菌・殺菌のためのスチームによる加熱処理にも耐えうる十分な耐熱性と易開封性とを両立させることができる。また、ポリプロピレン系樹脂の比率が大きくなると耐熱性は向上し、易開封性は低下する傾向にあるため、要求される耐熱性や易開封性の程度に応じて、ポリプロピレン系樹脂と環状オレフィン樹脂との比率を上記範囲内で調節すればよい。
また、組成物には、ポリプロピレン系樹脂と環状オレフィン樹脂以外に、樹脂の組成物に一般に使用される各種添加物、充填剤、改質剤などの成分が、特性を損なわない範囲で含まれていてもよい。
また、組成物には、ポリプロピレン系樹脂と環状オレフィン樹脂以外に、樹脂の組成物に一般に使用される各種添加物、充填剤、改質剤などの成分が、特性を損なわない範囲で含まれていてもよい。
このような組成物は、ヒートシール性を備え、耐熱性をも有するポリプロピレン系樹脂に対して、それ自身にはヒートシール性がなく、ポリプロピレン系樹脂のヒートシール性を調整する作用を奏する環状オレフィン樹脂が配合されたものであるため、優れた耐熱性と易開封性とを備えたシーラント層を形成することができる。
本発明のフィルムは、上述の組成物からなるシーラント層を表面に有する多層構造のものであって、基材層の一方の面にシーラント層が形成された形態が挙げられる。基材層は単層、多層のどちらでもよい。また、基材層の他方の面には、フィルムに要求される性能などに応じて、他の樹脂層がさらに設けられていてもよい。シーラント層の厚みは、5〜100μmの範囲で形成されることが好ましい。
基材層としては、シーラント層よりも融点が高い樹脂製のフィルムからなるものであれば特に制限はなく、樹脂としてはポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、環状オレフィン樹脂などが使用できるが、耐熱性の点からはポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。基材層の厚みは、フィルムの用途などに応じて適宜設定できるが、5〜50μmが好ましい。また、基材層には、原料の樹脂からなる延伸、未延伸のどちらのフィルムも使用できる。
基材層とシーラント層との積層方法には特に制限はなく、公知の積層方法を採用することができる。具体的には、ドライラミネート、押出ラミネート、ヒートラミネートなどによる積層フィルム、Tダイ法による共押出多層フィルム、インフレーション法による共押出多層フィルムなどの各種フィルム形態が挙げられる。
また、積層方法に応じて必要な接着層を基材層とシーラント層との間に設けることができる。接着層には特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、ドライラミネートであればポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系などの接着剤が接着層に使用できる。押出ラミネートの場合、ダイレクトラミネートであればイソシアネート系、イミン系、エステル系などのアンカーコート剤からなる接着層、サンドラミであれば各種の押出ラミネート樹脂層あるいは前記アンカーコート剤と押出ラミネート樹脂層の二層の接着層、共押出であれば酸変性のポリエチレン、酸変性のポリプロピレン、共重合の接着性樹脂からなる接着層などが例示できる。
基材層とシーラント層との積層方法には特に制限はなく、公知の積層方法を採用することができる。具体的には、ドライラミネート、押出ラミネート、ヒートラミネートなどによる積層フィルム、Tダイ法による共押出多層フィルム、インフレーション法による共押出多層フィルムなどの各種フィルム形態が挙げられる。
また、積層方法に応じて必要な接着層を基材層とシーラント層との間に設けることができる。接着層には特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、ドライラミネートであればポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系などの接着剤が接着層に使用できる。押出ラミネートの場合、ダイレクトラミネートであればイソシアネート系、イミン系、エステル系などのアンカーコート剤からなる接着層、サンドラミであれば各種の押出ラミネート樹脂層あるいは前記アンカーコート剤と押出ラミネート樹脂層の二層の接着層、共押出であれば酸変性のポリエチレン、酸変性のポリプロピレン、共重合の接着性樹脂からなる接着層などが例示できる。
なお、本発明のフィルムには、厚さが0.25mm未満のフィルムだけでなく、厚さが0.25mm以上であって、JISの包装用語規格では「シート」と呼ばれるものも含まれることとする。
このようなフィルムは、例えば、食品や一般産業資材の包装用の袋、カップ容器の蓋材、医薬用輸液バッグ、電子部品材料のキャリアテープなど易開封性が要求される幅広い用途に使用できるが、特に耐熱性の高いシーラント層を備えたものであるため、滅菌・殺菌のために高温で加熱処理が施される食品用のレトルトパウチ、医薬用輸液バッグなどへの使用に最適である。
[実施例1〜3、比較例1および2]
多層インフレーション法により、接着層(厚み5μm)を介してポリアミド樹脂からなる基材層(厚み20μm)とシーラント層(厚み75μm)とが積層した3層構造のフィルムを製造し、易開封性と耐熱性とを評価した。
なお、基材層のポリアミド樹脂には、6−ナイロンと66−ナイロンのコポリマーである宇部興産社製の「5034B(商品名)」(密度1.14g/cm3、融点190℃)を使用した。また、接着層には、実施例1〜3および比較例1では、酸変性ポリプロピレンである三井化学社製の「QF551(商品名)」(メルトフローレート5.7g/10分、密度0.89g/cm3、融点135℃)を使用し、比較例2では、酸変性ポリエチレンである三井化学社製の「NF518(商品名)」(メルトフローレート2.4g/10分、密度0.911g/cm3、融点120℃)を使用した。
各例におけるシーラント層の構成樹脂は表1に示すとおりである。また、フィルム製造条件、易開封性と耐熱性の評価方法は以下のとおりである。
多層インフレーション法により、接着層(厚み5μm)を介してポリアミド樹脂からなる基材層(厚み20μm)とシーラント層(厚み75μm)とが積層した3層構造のフィルムを製造し、易開封性と耐熱性とを評価した。
なお、基材層のポリアミド樹脂には、6−ナイロンと66−ナイロンのコポリマーである宇部興産社製の「5034B(商品名)」(密度1.14g/cm3、融点190℃)を使用した。また、接着層には、実施例1〜3および比較例1では、酸変性ポリプロピレンである三井化学社製の「QF551(商品名)」(メルトフローレート5.7g/10分、密度0.89g/cm3、融点135℃)を使用し、比較例2では、酸変性ポリエチレンである三井化学社製の「NF518(商品名)」(メルトフローレート2.4g/10分、密度0.911g/cm3、融点120℃)を使用した。
各例におけるシーラント層の構成樹脂は表1に示すとおりである。また、フィルム製造条件、易開封性と耐熱性の評価方法は以下のとおりである。
(フィルム製造条件)
・3種3層インフレ成形機(φ50mm押出機×3、ダイスφ200mm)使用
・基材層押出温度:225℃、接着層押出温度:210℃、シーラント層押出温度:210℃、ダイス温度:230℃
・折径400mm、引取速度9m/min
・各例のシーラント層を構成する2種の樹脂は、それぞれペレットとして押出機に投入した。
・3種3層インフレ成形機(φ50mm押出機×3、ダイスφ200mm)使用
・基材層押出温度:225℃、接着層押出温度:210℃、シーラント層押出温度:210℃、ダイス温度:230℃
・折径400mm、引取速度9m/min
・各例のシーラント層を構成する2種の樹脂は、それぞれペレットとして押出機に投入した。
(易開封性の評価方法)
各例で製造されたフィルムをシーラント層同士が接触するように2枚重ね合わせて、片方の基材層側からシールバー(巾10mm)を当ててヒートシールし、フィルム積層物を得た。ヒートシール条件は、温度180℃、圧力2kg/cm2、時間2秒とした。
そして、このフィルム積層物に対して、試験巾15mm、引張速度300mm/minの条件において180度剥離試験を行って、シール強度を求め、易開封性を評価した。なお、シール強度は易開封性の観点からは50〜1500g/15mm巾が好ましく、より好ましくは100〜700g/15mm巾である。結果を表1に示す。
各例で製造されたフィルムをシーラント層同士が接触するように2枚重ね合わせて、片方の基材層側からシールバー(巾10mm)を当ててヒートシールし、フィルム積層物を得た。ヒートシール条件は、温度180℃、圧力2kg/cm2、時間2秒とした。
そして、このフィルム積層物に対して、試験巾15mm、引張速度300mm/minの条件において180度剥離試験を行って、シール強度を求め、易開封性を評価した。なお、シール強度は易開封性の観点からは50〜1500g/15mm巾が好ましく、より好ましくは100〜700g/15mm巾である。結果を表1に示す。
(耐熱性の評価方法)
各例で製造されたフィルムを2枚切り出し(170mm×170mm)、シーラント層同士が接触するように重ね合わせて、片方の基材層側からシールバー(巾10mm)を当ててヒートシールし、三方シール袋を得た。ヒートシール条件は、温度180℃、圧力2kg/cm2、時間2秒とした。
そして、この三方シール袋に水を入れた後、開口していた一辺を上記ヒートシール条件によりヒートシールして密封し、オートクレーブ滅菌処理を実施した。処理条件は、121℃×20分間とした。
処理後の三方シール袋に破袋や収縮、波打ちなどが認められたものを「×」、認められないものを「○」とし、表1に示す。
各例で製造されたフィルムを2枚切り出し(170mm×170mm)、シーラント層同士が接触するように重ね合わせて、片方の基材層側からシールバー(巾10mm)を当ててヒートシールし、三方シール袋を得た。ヒートシール条件は、温度180℃、圧力2kg/cm2、時間2秒とした。
そして、この三方シール袋に水を入れた後、開口していた一辺を上記ヒートシール条件によりヒートシールして密封し、オートクレーブ滅菌処理を実施した。処理条件は、121℃×20分間とした。
処理後の三方シール袋に破袋や収縮、波打ちなどが認められたものを「×」、認められないものを「○」とし、表1に示す。
表中の各樹脂の詳細は以下のとおりである。
PP1:プロピレンとエチレンとのランダム共重合体であるサンアロマー社製「PF433M(商品名)」、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.89g/cm3、融点142℃
PP2:プロピレンとエチレンとのブロック共重合体であるサンアロマー社製「PF380A(商品名)」、メルトフローレート1.0g/10分、密度0.89g/cm3、融点163℃
LLDPE:日本ポリエチレン社製「NF444A(商品名)」、メルトフローレート2.0g/10分、密度0.912g/cm3、融点124℃
環状オレフィン樹脂:三井化学社製「アペル(APL6015T)(商品名)」、メルトフローレート10.0g/10分、密度1.04g/cm3、ガラス転移点145℃
ポリブテン−1:サンアロマー社製「PB0110M(商品名)」、メルトフローレート0.4g/10分、密度0.914g/cm3、融点127℃
PP1:プロピレンとエチレンとのランダム共重合体であるサンアロマー社製「PF433M(商品名)」、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.89g/cm3、融点142℃
PP2:プロピレンとエチレンとのブロック共重合体であるサンアロマー社製「PF380A(商品名)」、メルトフローレート1.0g/10分、密度0.89g/cm3、融点163℃
LLDPE:日本ポリエチレン社製「NF444A(商品名)」、メルトフローレート2.0g/10分、密度0.912g/cm3、融点124℃
環状オレフィン樹脂:三井化学社製「アペル(APL6015T)(商品名)」、メルトフローレート10.0g/10分、密度1.04g/cm3、ガラス転移点145℃
ポリブテン−1:サンアロマー社製「PB0110M(商品名)」、メルトフローレート0.4g/10分、密度0.914g/cm3、融点127℃
表1から明らかなように、各実施例のフィルムによれば、シール強度が適当な範囲であり、手で容易に開封できる易開封性を備えていた。また、耐熱性も優れ、オートクレーブ滅菌処理による外観やシール強度の変化は認められなかった。
これに対して、比較例1のフィルムはシール強度が強すぎて易開封性が無く、比較例2のフィルムはオートクレーブ滅菌処理により袋に波打ちがみられ、耐熱性が不足していた。
これに対して、比較例1のフィルムはシール強度が強すぎて易開封性が無く、比較例2のフィルムはオートクレーブ滅菌処理により袋に波打ちがみられ、耐熱性が不足していた。
Claims (4)
- ポリプロピレン系樹脂95〜50質量%と、環状オレフィン樹脂5〜50質量%とを含有することを特徴とする易開封性シーラント樹脂組成物。
- 前記ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン系共重合体からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の易開封性シーラント樹脂組成物。
- 前記環状オレフィン樹脂は、α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の易開封性シーラント樹脂組成物。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の易開封性シーラント樹脂組成物からなるシーラント層を表面に有することを特徴とするフィルム。
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