JP4670680B2 - 透明樹脂製の導光板、及び、面状光源装置、並びに、導光板の製造方法 - Google Patents

透明樹脂製の導光板、及び、面状光源装置、並びに、導光板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA(携帯情報端末,Personal Digital Assistant)、カー・ナビゲーション装置、ゲーム機等にて使用される液晶表示装置用の、あるいは又、その他の用途において使用される、透明な熱可塑性樹脂製の導光板、及び、係る導光板を組み込んだ面状光源装置、並びに、係る導光板の製造方法に関する。
パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA、カー・ナビゲーション装置、ゲーム機等にて使用される液晶表示装置には、液晶表示装置の薄型、軽量化、省電力、高輝度・高精細化の要求に対処するために、面状光源装置が組み込まれている。そして、この導光板は、第1面と、この第1面と対向する平坦な第2面とを有し、一般に、透明な材料から作製されている。
図1の(A)に模式的な断面図を示す導光板40は、第1面41、この第1面41と対向した第2面43、第1側面44、第2側面45、第1側面44と対向した第3側面46、及び、第2側面45と対向した第4側面47を有する。第1面41の表面部には、凹凸部42が設けられている。
そして、液晶表示装置におけるバックライト式面状光源装置にあっては、図1の(B)に模式的な断面図を示すように、導光板40の第2面43が液晶表示装置60と対向するように配置されている。そして、光源50から射出され、導光板40の第1側面44から入射した光は、第1面41で反射されて第2面43から射出される光、及び、第1面41を透過する光に分けられる。第1面41を透過した光は、第1面41と対向する位置に配置された反射部材51によって反射させられ、導光板40に再び入射し、第2面43から射出される。第2面43から射出された光は、第2面43と対向して配置された液晶表示装置60へと導かれる。液晶表示装置60と導光板40の第2面43との間には、通常、プリズムシート55及び拡散シート52が重ねて配置され、光を均一に拡散させている。
また、液晶表示装置におけるフロントライト式面状光源装置にあっては、図1の(C)に概念図を示すように、導光板40の第2面43が液晶表示装置60と対向するように配置されている。そして、光源50から射出され、導光板40の第1側面44から入射した光を第1面41にて反射させ、第2面43から射出させる。そして、第2面43と対向する位置に配置された液晶表示装置60を通過させ、反射部材54によって反射させ、再び液晶表示装置60を通過させる。この光は、更に、位相差フィルム53及び導光板40の第2面43に形成された反射防止層(図示せず)を通過して導光板40の第1面41から射出され、画像として認識される。フロントライト式面状光源装置の方がバックライト式面状光源装置よりも明るく、また、昼間ならば外光のみで明るくできる方式であるが故に、消費電力を低減できるといった利点がある。
ところで、プリズムシート55は高価であり、しかも、複数枚を使用する場合、組立工数が多くなるといった問題がある。それ故、導光板40の第1面41にプリズム形状の凹凸部42を形成することで、このような問題を解決している(例えば、特開平10−55712号公報参照)。ここで、低消費電力、高輝度を達成するためには、プリズム形状の凹凸部42の密度を出来る限り高くし、輝度効率を向上させる必要がある。また、第2面43に光拡散効果のあるブラストシボを設け、拡散シートを無くすことも検討されている。
従来、このような導光板は射出成形法に基づき製造されている。即ち、溶融樹脂射出部(ゲート部)及びキャビティを備えた金型組立体を用い、透明な溶融熱可塑性樹脂を溶融樹脂射出部を介してキャビティに射出することで、導光板を成形している。そして、透明な熱可塑性樹脂として、PMMA等の材料が用いられていた。しかしながら、携帯電話、PDA等の機器の内部で発生する熱が多くなる傾向にあり、耐熱性の高いポリカーボネート樹脂に置き換えられつつある。
また、携帯電話等において使用されている液晶表示装置の厚さは、現行、3mm程度であり、導光板の厚さは、最も薄いもので0.7mm程度である。そして、液晶表示装置の厚さを一層薄くするといった強い要望に答えるために、導光板の厚さも0.7mmを下回る厚さが要求されている。
特開平10−138275 特開平10−052839 特開平10−055712 特開平11−058406 特開2004−050819 特開2003−014938
特開平10−138275には、厚さ0.1mm乃至10mmの導光板及びその射出成形方法が開示されている。また、特開平10−052839及び特開平10−055712には薄肉部が0.1mm乃至1mmであり、厚肉部と薄肉部との差が0.5mm以上の導光板及びその射出成形方法が開示されている。更には、特開平11−058406には、厚さ0.1mm乃至7mmの薄板状成形品及びその射出成形方法が開示されている。また、特開2004−050819には、0.1mm乃至30mmの成形体及びその成形方法が開示されている。また、表面にプリズム形状の凹凸部を有する導光板を流動性の悪いポリカーボネート樹脂を使用して射出成形法に基づき成形した場合、特にゲート部に遠いところに位置する導光板の表面の部分にプリズム形状の凹凸部が形成できないといった問題を解決するための手段が、例えば、特開2003−14938に開示されている。
しかしながら、これらの特許公開公報に開示された実施例にあっては、導光板や成形品の厚さは0.7mm以上である。また、導光板や成形品は100mm以上の大きさである。このような厚さや大きさを有する導光板や成形品は、これらの特許公開公報に開示された方法で成形することが可能である。しかしながら、これらの特許公開公報に開示された技術に基づき厚さが0.7mmを下回る導光板の射出成形法に基づく製造を試みた場合、流動末端(溶融樹脂射出部(ゲート部)から最も遠い所)に相当するキャビティの部分を溶融熱可塑性樹脂で完全に充填することができず、実際には、所望の導光板を製造することができない。
従って、本発明の目的は、厚さが0.7mmを下回る、非常に薄い導光板、及び、係る導光板を組み込んだ面状光源装置、並びに、係る導光板の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の導光板は、透明な熱可塑性樹脂から成り、第1面、該第1面と対向した第2面、第1側面、第2側面、該第1側面と対向した第3側面、及び、該第2側面と対向した第4側面を有する導光板であって、
第1面の表面部には、凸部及び/又は凹部が設けられており(即ち、凸部が設けられており、あるいは又、凹部が設けられており、あるいは又、凸部と凹部が設けられており)、
第1側面と第3側面との間の長さである導光板の長手方向の長さは、40mm以上、130mm以下、好ましくは45mm以上、120mm以下であり、
導光板の最低8割を占める領域の厚さは、0.1mm以上、0.55mm以下、好ましくは0.15mm以上、0.50mm以下であり、
平面度が200μm以下であることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明の面状光源装置は、
導光板、及び、光源から成り、
該導光板は、
透明な熱可塑性樹脂から成り、
第1面、該第1面と対向した第2面、第1側面、第2側面、該第1側面と対向した第3側面、及び、該第2側面と対向した第4側面を有し、
第1面の表面部には、凸部及び/又は凹部が設けられており(即ち、凸部が設けられており、あるいは又、凹部が設けられており、あるいは又、凸部と凹部が設けられており)、
第1側面と第3側面との間の長さである導光板の長手方向の長さは、40mm以上、130mm以下、好ましくは45mm以上、120mm以下であり、
導光板の最低8割を占める領域の厚さは、0.1mm以上、0.55mm以下、好ましくは0.15mm以上、0.50mm以下であり、
平面度が200μm以下であり、
導光板の第1側面から光が入射し、第1面及び/又は第2面から光が射出することを特徴とする。
面状光源装置においては、光源が、例えば、導光板の端部である第1側面(入光面)に配置されている。そして、光源から射出され、第1側面から導光板に入射した光が、導光板の第1面に形成された凸部あるいは凹部によって散乱され、第1面及び/又は第2面から射出される。
更には、上記の目的を達成するための本発明の導光板の製造方法は、
透明な熱可塑性樹脂から成り、第1面、該第1面と対向した第2面、第1側面、第2側面、該第1側面と対向した第3側面、及び、該第2側面と対向した第4側面を有し、
第1面の表面部には、凸部及び/又は凹部が設けられており、
第1側面と第3側面との間の長さである導光板の長手方向の長さは、40mm以上、130mm以下であり、
導光板の最低8割を占める領域の厚さは、0.1mm以上、0.55mm以下であり、
平面度が200μm以下である導光板の製造方法であって、
キャビティ、及び、導光板のいずれかの側面に対応する部分(キャビティ面)から溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出するための溶融樹脂射出部を備え、第1の金型部と第2の金型部とから構成された金型組立体を用い、
(A)第1の金型部と第2の金型部とを型締め力F0にて型締めして、キャビティを形成した後、
(B)キャビティ内に溶融樹脂射出部から透明な溶融熱可塑性樹脂を射出し、
(C)キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程の完了からt秒が経過した後、若しくは、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程及びそれに続く保圧工程の完了からt秒が経過した後(但し、0秒≦t≦8.0秒)、型締め力を0.5F0以下とし、
(D)キャビティ内の熱可塑性樹脂が冷却、固化した後、第1の金型部と第2の金型部とを型開きし、導光板を取り出す、
各工程から成ることを特徴とする。
本発明の導光板の製造方法にあっては、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程の完了と同時に(即ちt=0)、あるいは、8.0秒が経過するまでに(即ち、0<t≦8.0秒)、若しくは、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程及びそれに続く保圧工程(保圧工程の時間をt’秒とする)の完了と同時に(即ちt=0)、あるいは、8.0秒が経過するまでに(即ち、0<t≦8.0秒)、型締め力F1を0.5F0以下とするが、好ましくは、0.5秒≦t≦6秒、より好ましくは、1秒≦t≦4秒とすることが望ましく、より現実的には、成形された導光板の変形状態を観察して、時間tを設定すればよい。尚、tの値が8秒を超えると、通常、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却による収縮が完了し、歪みが熱可塑性樹脂内に残留した状態となってしまうので、導光板に捩れや膨れが発生したり、平面度が低下する虞がある。また、0≦F1/F0≦0.5、より好ましくは、0≦F1/F0≦0.4、より一層好ましくは、0≦F1/F0≦0.3を満足することが望ましく、より現実的には、成形された導光板の変形状態を観察して、F0の値、F1の値を設定すればよい。尚、型締め力F1を0.5F0以下にしないと、キャビティ内の熱可塑性樹脂の内部に発生した歪みが解放され難く、導光板に捩れや膨れが発生したり、平面度が低下する虞がある。
また、型締め力F0の値は、型締め力F0が加わる方向に垂直な仮想平面で導光板を切断したときの導光板の最大断面積をSMAX(cm2)としたとき、
0≧9.8×103×SMAX(N)(=SMAX×103kgf)
を満足することが望ましい。型締め力F0の上限値は、使用する射出成形装置に依存するが、例えば、2.9×104×SMAX(N)(=SMAX×3×103kgf)を挙げることができる。型締め力F0の値が小さすぎる場合には、導光板にバリが発生する虞があるし、大きすぎると、パーティングラインからの空気や樹脂から発生したガスの排気を促すことができなくなり、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の流動性が若干劣るようになり、導光板内部に歪みが残留する虞が生じるので、型締め力F0の値は適宜調整する必要がある。
通常、射出成形装置に備えられた射出シリンダーにおいて計量、可塑化され、溶融された熱可塑性樹脂が、射出シリンダーから射出され、固定金型部と可動金型部とから構成された金型組立体に設けられたスプルー及び溶融樹脂射出部(ゲート部)を介して、キャビティ内に導入(射出)され、保圧される。保圧工程においては、射出圧力とは別の任意に調整可能な圧力(二次射出圧力)に切り替えることによって、溶融熱可塑性樹脂の逆流防止、及び、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却、固化による成形収縮を防ぐための溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への補充がなされる。溶融樹脂射出部(ゲート部)が固化した後には、保圧は必要なくなるので、通常、溶融樹脂射出部(ゲート部)が固化するまでの時間を対象として保圧工程の時間(保圧時間)t’を決定する。本発明の導光板の製造方法にあっては、厚さが0.1mm乃至0.55mmといった極めて薄い導光板を射出成形するので、場合によっては、保圧時間t’を0秒としてもよいし、限定するものではないが、例えば、保圧圧力として1×108Pa以下の圧力を加える保圧工程の時間(保圧時間)t’を、2秒以下(t’≦2)、好ましくは、0.1秒≦t’≦1秒とすることが望ましい。保圧工程における圧力(保圧圧力)が高すぎたり、保圧時間は長すぎると、導光板が変形する原因となる。キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程の完了からt秒が経過した後、型締め力を0.5F0以下とするが、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程の完了からt秒が経過するまでの間は、型締め力をF0に保持したまま、しかも、保圧は行わない(即ち、射出シリンダーからキャビティ内の熱可塑性樹脂へ圧力を加えない)。あるいは又、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程及びそれに続く保圧工程の完了からt秒が経過した後、型締め力を0.5F0以下とするが、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の保圧工程の完了からt秒が経過するまでの間は、型締め力をF0に保持したままとする。尚、保圧工程が完了しているので、射出シリンダーからキャビティ内の熱可塑性樹脂へ圧力を加えない。
本発明の導光板の製造方法においては、必要により、型開き前にキャビティ内をエアーブローしてキャビティ面から導光板を離型させて離型抵抗を減らしたり、型開き中あるいはエジェクト前にエアーブローを併用することで、特に転写性を高めた導光板の離型時の変形を抑制することが可能となり、平面度の向上を一層効果的に達成することができる。
本発明の導光板、面状光源装置あるいは導光板の製造方法(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、導光板の平面度は、200μm以下、好ましくは150μm以下、一層好ましくは100μm以下であることが望ましい。
尚、平面度の測定は、JIS B 7513−1992に基づき行うことができる。但し、導光板の厚さが薄いので、プローブの接触圧力によって撓み、正確な値が得られない虞があるため、接触圧力の低い低圧プローブ又は非接触レーザプローブを用いて測定を行うことが望ましい。具体的には、
(1)全体として、厚さが略一定の薄板形状を有する導光板、
(2)入光面である第1側面の近傍の部分が肉厚となっており、他の部分の厚さが略一定である導光板、
(3)入光面である第1側面から入光面に対向する面である第3側面(例えば、溶融樹脂射出部の近傍に位置する側面)に向かって厚さが薄くなる楔形状の導光板、
の3種類が、一般に存在するが、定盤に置いた導光板の最低3箇所を測定して補正した面を基準面とし、試料面において最低21箇所測定を行い、平面度とする。その際、一定厚さの導光板にあっては、四隅及び中央付近は必ず測定するものとする。入光面である第1側面の近傍の部分が肉厚となっている導光板では、この肉厚部分での測定は避けることが望ましい。また、第1側面のみが厚い導光板にあっては、その部分での測定は避けることが望ましい。尚、試料面を、凸部及び/又は凹部が設けられている第1面とする。
本発明の導光板あるいは面状光源装置においては、キャビティ、及び、導光板のいずれかの側面(第1側面、第2側面、第3側面、あるいは、第4側面であり、好ましくは第1側面)に対応するキャビティ面から溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出するための溶融樹脂射出部を備えた金型組立体を用い、導光板は、透明な溶融熱可塑性樹脂を溶融樹脂射出部を介してキャビティ内に射出することで成形される構成とすることが好ましい。尚、この場合、あるいは又、本発明の導光板の製造方法にあっては、例えば、第1側面と第3側面との間の長さである導光板の長手方向の長さが52mmであり、厚さが0.3mmの導光板を、Q値が0.60である熱可塑性樹脂を使用して、樹脂温度330゜Cの射出条件下、溶融熱可塑性樹脂を溶融樹脂射出部を介してキャビティ内に射出することで成形する場合の樹脂射出速度は、1.2m・秒-1以上、好ましくは1.5m・秒-1以上、一層好ましくは2.0m・秒-1以上であることが望ましい。一般に、通常の射出成形法にあっては、溶融熱可塑性樹脂を溶融樹脂射出部を介してキャビティ内に射出するときの樹脂射出速度は、0.1m・秒-1乃至0.3m・秒-1程度である。本発明における好ましい形態にあっては、樹脂射出速度は、従来の射出成形法と比較して、20倍以上も高速である。このように、従来の技術とは比較にならない高速の樹脂射出速度にて透明な溶融熱可塑性樹脂を溶融樹脂射出部を介してキャビティ内に射出することで、厚さの薄いキャビティ内に、溶融熱可塑性樹脂を、確実に、且つ、完全に充填させることができる。樹脂温度を360゜C以上にすることで、0.1m・秒-1乃至0.3m・秒-1程度の従来の射出成形法に基づく成形が可能となるが、成形条件に依っては、熱可塑性樹脂が熱分解によって黄変し、導光板の輝度低下や品質低下を招くといった問題が生じる虞がある。
また、上述の形態を含む本発明にあっては、ジルコニアセラミックス、又は、導電性ジルコニアセラミックスから成る入れ子本体、及び、導光板の第1面に凸部及び/又は凹部を形成するために、キャビティに対向する入れ子本体の表面に配され、凹部及び/又は凸部が設けられた金属層から成る入れ子が、金型組立体の内部に配設されている構成することが好ましい。
入れ子本体をジルコニアセラミックスあるいは導電性ジルコニアセラミックスといった低熱伝導率の材料から構成することによって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の急冷を防ぐことができる結果、溶融熱可塑性樹脂の流動性が向上し、金属層と接触した溶融熱可塑性樹脂に固化層が形成されることを回避でき、キャビティの厚さが非常に薄いにも拘わらず、キャビティ内を、溶融熱可塑性樹脂で、確実に、且つ、完全に充填させることができる。加えて、金属層に設けられた凹部及び/又は凸部を、導光板に、確実に、しかも、正確に、高い精度にて転写することができる。
上記の好ましい形態を含む本発明においは、導光板の第1側面から光が入射され、限定するものではないが、導光板の第3側面に対応するキャビティ面から溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出する構成とすることが好ましい。
上記の好ましい形態を含む本発明において、熱可塑性樹脂のQ値は、0.5cm3・秒-1以上、好ましくは0.6cm3・秒-1以上であることが望ましい。ここで、熱可塑性樹脂のQ値は、高化式フローテスター(島津製作所株式会社製)を用い、280゜Cに加熱した溶融熱可塑性樹脂に荷重1.57×107Pa(160kgf/cm2)を加えた状態で、直径1mm、長さ10mmのノズルから流出させたときの溶融熱可塑性樹脂の流出量(単位:cm3・秒-1)である。Q値が高い程、溶融熱可塑性樹脂の流動性が良いと云える。尚、Q値が余りに高いと、熱可塑性樹脂の靱性が無くなり、導光板が割れ易くなる傾向にあるので、現実的なQ値の上限値として、1.5cm3・秒-1を挙げることができる。尚、例えば、従来の芳香族ポリカーボネート樹脂にあっては、Q値の最高値は、高々、0.36〜0.40cm3・秒-1に過ぎず、0.5cm3・秒-1以上である上記のQ値は、今までにない、非常に高い値である。
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明において、熱可塑性樹脂として、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ノルボルネン系の重合体樹脂である日本ゼオン株式会社製「ゼオノア」(ZEONOR)等のシクロオレフィン樹脂、透明ポリイミド樹脂、脂環式アクリル樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂といった透明性熱可塑性樹脂を例示することができ、好ましくは芳香族ポリカーボネート樹脂を挙げることができる。
本発明での使用に適したポリカーボネートは、公知の方法に基づき製造することができ、例えば、界面重合法、ピリジン法、エステル交換法、環状カーボネート化合物の開環重合法をはじめとする各種製造方法を挙げることができる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物と、一般にホスゲンとして知られている塩化カルボニル、又は、ジメチルカーボネートやジフェニルカーボネートに代表される炭酸ジエステル、一酸化炭素や二酸化炭素と言ったカルボニル系化合物とを、反応させることによって得られる、直鎖状、又は、分岐していても良い熱可塑性芳香族ポリカーボネートの重合体又は共重合体である。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物として、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテル等を挙げることができるが、好ましくは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類であり、特に好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールAと呼ばれる]である。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は、2種以上を混合して使用することができる。
分岐したポリカーボネートを得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で示されるポリヒドロキシ化合物、あるいは、3,3ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノール等を上述した芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、使用量は、0.01〜10モル%、好ましくは、0.1〜2モル%である。
界面重合法による反応にあっては、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の存在下で、通常pHを10以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物及び適宜分子量調整剤(末端停止剤)、必要に応じて芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止のための酸化防止剤を用い、ホスゲンと反応させた後、第三級アミン若しくは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加し、界面重合を行うことによってポリカーボネートを得ることができる。分子量調節剤の添加は、ホスゲン化時から重合反応開始時までの間であれば、特に限定されない。尚、反応温度は0〜35゜Cであり、反応時間は数分〜数時間である。
ここで、反応に不活性な有機溶媒として、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。分子量調節剤あるいは末端停止剤として、一価のフェノール性水酸基を有する化合物を挙げることができ、具体的には、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等を挙げることができる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して、50〜0.5モル、好ましくは、30〜1モルである。重合触媒として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等を挙げることができる。
エステル交換法による反応は、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応である。通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率を調整したり、反応時の減圧度を調整したりすることによって、所望のポリカーボネートの分子量と末端ヒドロキシル基量が決められる。より積極的な方法として、反応時に、別途、末端停止剤を添加する調整方法も周知である。この際の末端停止剤として、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類を挙げることができる。末端ヒドロキシル基量は、ポリカーボネートの熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼし、実用的な物性を持たせるためには、好ましくは1000ppm以下であり、700ppm以下が特に好ましい。また、エステル交換法で製造するポリカーボネートでは、末端ヒドロキシル基量が少なくなりすぎると、分子量が上がらず、色調も悪くなるので、100ppm以上が好ましい。従って、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して炭酸ジエステルを等モル量以上用いることが一般的であり、好ましくは1.01〜1.30モルの量で用いられる。
エステル交換法によりポリカーボネートを製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒としては、特に制限はないが、主としてアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用され、補助的に塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、あるいは、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能である。このような原料を用いたエステル交換反応では、100〜320゜Cの温度で反応を行い、最終的には2.7×102Pa(2mmHg)以下の減圧下、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら溶融重縮合反応を行う方法が挙げられる。溶融重縮合は、バッチ式、又は、連続的に行うことができるが、本発明での使用に適したポリカーボネートにあっては、安定性等の観点から、連続式で行うことが好ましい。エステル交換法において、ポリカーボネート中の触媒の失活剤として、触媒を中和する化合物、例えばイオウ含有酸性化合物、又は、それより形成される誘導体を使用することが好ましく、その量は、触媒のアルカリ金属に対して0.5〜10当量、好ましくは1〜5当量の範囲であり、ポリカーボネートに対して通常1〜100ppm、好ましくは1〜20ppmの範囲で添加する。
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明において、熱可塑性樹脂は、粘度平均分子量(Mv)が1.0×104乃至1.5×104、好ましくは1.1×104乃至1.4×104の芳香族ポリカーボネート樹脂であることが望ましい。尚、芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が1.0×104未満であると、導光板の機械的強度が低下し、導光板の要求性能を満たさなくなる虞がある。一方、芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が1.5×104を超える場合、溶融した芳香族ポリカーボネート樹脂の流動性が劣り、成形性に問題が生じ、所望の導光板を得ることが困難となる。
尚、粘度平均分子量(Mv)は、塩化メチレンを溶媒として、ウベローデ粘度計によって25゜Cの温度で測定した溶液粘度より求めた極限粘度[η]を用い、次式により算出した。
η=1.23×10-4×Mv0.83
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明において、CIE(Commission Internationale de l'Eclairage)が1931年に策定した国際表示法である、CIE 1931 XYZ表色系でのxy色度図における導光板の(x,y)の値は、x≦0.375、且つ、y≦0.335、望ましくは、x≦0.370、且つ、y≦0.330を満足することが好ましい。導光板の(x,y)の値がこの範囲から逸脱すると、導光板の色が黄色くなり、外観が余り良くなくなる。尚、xy色度図における導光板の(x,y)の値は、光源として白色LEDを用い、トプコン社製の輝度計SR3、BM7あるいはBM5Aのいずれかを用いて測定され、入光面から最も遠い導光板の部分の3箇所(測定範囲:直径10mm)の測定結果の平均値である。
より具体的には、輝度測定を含むxy色度図(CIEシステムあるいはCIE色度図とも呼ばれる)における(x,y)の値の決定は、以下の方法に基づき行うことができる。即ち、例えば、暗室内で、導光板の入光面から導光板に導光可能なユニット上に導光板を置き、ランプから射出された光を導光板の入光面から導光板に導光する。そして、導光板の上方約35cmの所に配設された輝度計にて、導光板から射出された光の輝度を測定する。導光板から輝度計までの距離を変えることで、測定範囲の大きさを変更することができる。尚、導光板の輝度測定等は、測定箇所の数だけ導光板を出来るだけ均等に分割して、係る分割された領域の中央部分で行うことが望ましい。
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明において、導光板は、全体として、厚さが略一定の薄板形状を有し、導光板の第1側面(入光面)から光が入射し、第1面及び/又は第2面から光が射出する構成とすることができ、あるいは又、全体として、楔状の切頭四角錐形状を有し、切頭四角錐の2つの対向する側面が導光板の第1面及び第2面に該当し、切頭四角錐の底面が導光板の第1側面に該当し、切頭四角錐の頂面が導光板の第3側面に該当し、切頭四角錐の残りの2つの対向する側面が導光板の第2側面及び第4側面に該当し、導光板の第1側面(入光面)から光が入射し、第1面及び/又は第2面から光が射出する構成とすることができる。あるいは又、導光板は、全体の8割以上が厚さが略一定の薄板形状を有し、残りの部分は徐々に厚さが厚くなり、係る部分は第1側面(入光面)で終端している構造とすることもできる。尚、薄板形状を有する導光板にあっては、導光板の厚さが全体として「略一定である」と表現しているが、このような表現は、導光板の成形時の成形条件等のばらつきによって導光板の厚さにばらつきが生じ得るが、導光板の係る厚さばらつきを包含するためである。
本発明において、「透明な熱可塑性樹脂」とは、JIS K 7105−1981 の第5.5.2項(測定法A)に基づき測定された平行光線透過率が85%以上の熱可塑性樹脂を指す。尚、測定においては、樹脂試験片の厚さを3.0mmとする。
導光板の厚さの測定は、マイクロメーターを用いて行い、導光板の最低9箇所を測定して平均厚さを求める。併せて、肉厚差を求めることが望ましい。ここで、肉厚差を求める場合、特に、溶融樹脂射出部の近傍に位置するキャビティの部分に対応した導光板の部分(例えば、第3側面の近傍の導光板の部分)と、流動末端に相当するキャビティの部分に対応した導光板の部分(例えば、入光面である第1側面の近傍の導光板の部分)との間の肉厚差が最も大きくなる傾向にあるので、導光板のこれらの部分の厚さを測定することで肉厚差を求めることが望ましい。一定厚さの導光板にあっては、肉厚差は80μm以下であることが望ましい。80μmを超えると、導光板における光学設計に基づく輝度の値よりも実際の輝度の値が小さくなる虞があるし、例えば、薄型化した液晶表示装置ユニットに導光板を組み込むことが困難となり、無理に組み込むと、液晶表示装置本体に圧力が加わり、液晶表示装置本体が破損する危険性がある。
導光板において、第1面の周縁部には凸部や凹部が形成されていなくともよいし、あるいは又、第1面の周縁部においては、後述する凸部あるいは凹部の大きさや表面粗さの規定を満足していなくともよい。即ち、実質的に光の散乱等に寄与しない第1面の部分には、凸部や凹部が形成されていなくともよいし、あるいは又、凸部あるいは凹部の大きさや表面粗さの規定を満足していなくともよい。
本発明の導光板を液晶表示装置にて使用する場合には、エッジ式のバックライト式面状光源装置に組み込むこともできるし、エッジ式のフロントライト式面状光源装置に組み込むこともできる。即ち、これらの面状光源装置は、本発明の面状光源装置に相当する。
エッジ式のバックライト式面状光源装置にあっては、例えば蛍光ランプや発光ダイオード(LED)から成る光源が導光板の第1側面の近傍に配置されている。そして、導光板の第1面に対向して反射部材が配置されている。また、導光板の第2面に対向して液晶表示装置が配置されている。光源から射出された光は、導光板の第1側面から導光板に入射し、第1面の凸部あるいは凹部に衝突して散乱され、第1面から射出され、反射部材にて反射され、第1面に再び入射し、第2面から射出され、液晶表示装置を照射する。液晶表示装置と導光板の第2面との間には、例えば、拡散シートを配置しておいてもよい。
エッジ式のフロントライト式面状光源装置にあっても、例えば蛍光ランプや発光ダイオードから成る光源が導光板の第1側面の近傍に配置されている。そして、導光板の第2面に対向して液晶表示装置が配置されている。光源から射出された光は、導光板の第1側面から導光板に入射し、第1面の凸部あるいは凹部に衝突して散乱され、第2面から射出され、位相差フィルムや偏光フィルムを通過して、液晶表示装置を通過する。そして、液晶表示装置から射出された光は、液晶表示装置の外側に配置された反射部材によって反射され、液晶表示装置を再び通過し、位相差フィルムや偏光フィルムを通過し、更には、導光板を通過して、導光板の第1面から射出される。この光が、液晶表示装置に表示された画像等として認識される。通常、導光板の第2面表面には、反射防止層が形成されている。
本発明の面状光源装置にあっては、光源から射出された光を直接、導光板に導いてもよいし、間接的に導光板に導いてもよい。後者の場合、例えば、光ファイバーを用いればよい。光源を、面状光源装置の構成、構造、使用用途等に依存して、蛍光灯、白熱灯、発光ダイオード、蛍光管等の人工的な光源とすることもできるし、太陽光等の自然光とすることもできる。
導光板の第1面に設けられた凸部あるいは凹部の高さや深さ、ピッチ、形状を、一定としてもよいし、光源から離れるに従い変化させてもよい。後者の場合、例えば凸部あるいは凹部のピッチを光源から離れるに従い細かくしてもよい。尚、凸部のピッチ、あるいは、凹部のピッチとは、導光板への光入射方向に沿った凸部のピッチ、あるいは、凹部のピッチを意味する。
本発明において、第1面に設けられた凸部は、その高さが5×10-7m乃至6×10-5m、好ましくは1×10-6m乃至5×10-5m、一層好ましくは2×10-6m乃至4×10-5mであり、ピッチは、5×10-7m乃至4×10-4m、好ましくは5×10-6m乃至3.5×10-4m、一層好ましくは3×10-5m乃至3.0×10-4mであることが望ましい。あるいは又、第1面に設けられた凹部は、その深さが5×10-7m乃至6×10-5m、好ましくは1×10-6m乃至5×10-5m、一層好ましくは2×10-6m乃至4×10-5mであり、ピッチは、5×10-7m乃至4×10-4m、好ましくは5×10-6m乃至3.5×10-4m、一層好ましくは3×10-5m乃至3.0×10-4mであることが望ましい。あるいは又、第1面に設けられた凸部及び/又は凹部の総数の70%以上が、好ましくは80%以上が、表面粗さ0.3μm以下、好ましくは0.15μm以下、より好ましくは0.08μm以下を満足することが望ましい。尚、凸部と凸部との間に位置する導光板の第1面の平坦部の表面粗さ、あるいは又、凹部と凹部との間に位置する導光板の第1面の平坦部の表面粗さは、特に規定されない。即ち、この導光板の第1面の平坦部の表面粗さRZを0.3μm以下としてもよいし、0.3μmを越える値としてもよいし、微細な凹凸を設けてもよい。あるいは又、導光板において、凸部と凸部との間、あるいは又、凹部と凹部との間に位置する導光板の第1面の部分に平坦部が存在していなくともよい。即ち、導光板の第1面に凹凸部が設けられた構成とすることもできる。
導光板の第1面に設けられた凸部及び/又は凹部は、導光板への光入射方向と所定の角度を成す方向に沿って延びる連続した直線状の凸形状及び/又は凹形状を有する構成とすることができる。ここで、導光板への光入射方向であって第1面と垂直な仮想平面で導光板を切断したときの連続した直線状の凸形状及び/又は凹形状の断面形状として、三角形;正方形、長方形、台形を含む任意の四角形;任意の多角形;円の一部、楕円の一部、放物線の一部、双曲線の一部といった各種の滑らかな曲線を例示することができる。導光板への光入射方向と所定の角度を成す方向とは、導光板への光入射方向を0度としたとき、60度〜120度の方向を意味する。以下における「導光板への光入射方向と所定の角度を成す方向」も、同様の意味で用いる。
あるいは又、第1面に設けられた各凸部及び/又は各凹部は、導光板への光入射方向と所定の角度を成す方向に沿って仮想の直線上に配列された不連続の凸形状及び/又は凹形状を有する構成とすることもできる。ここで、不連続の凸形状及び/又は凹形状の形状として、角錐、円錐、円柱、三角柱や四角柱を含む多角柱;球の一部、回転楕円体の一部、回転放物線体の一部、回転双曲線体の一部といった各種の滑らかな曲面を例示することができる。
不連続の凸形状あるいは凹形状が曲面の場合における表面粗さは、表面粗さRtにて規定することが好ましく、不連続の凸形状あるいは凹形状がその他の場合における表面粗さ、あるいは、連続した凸形状あるいは凹形状の場合における表面粗さは、表面粗さRZにて規定することが好ましい。表面粗さRZ及び表面粗さRtは、JIS B 0601−2001の規定に基づく。
導光板の第2面は略平面であることが好ましいが、第2面は、係る形状に限定されるものではなく、鏡面であってもよいし、例えば、微細な凹凸面とすることもできる。
尚、導光板の第2面を成形するために、金型組立体の内部に配設された第2の入れ子を更に備えた構成とすることができる。そして、この場合、導光板をバックライト式面状光源装置に使用する場合、キャビティに対向する第2の入れ子の表面は鏡面であってもよいし、ブラスト面とすることもできる。一方、導光板をフロントライト式面状光源装置に使用する場合、キャビティに対向する第2の入れ子の表面は鏡面とする必要がある。ここで、キャビティに対向する第2の入れ子の表面を鏡面とする場合、キャビティに対向する第2の入れ子の表面の表面粗さRZは、0.01μm乃至0.1μm、好ましくは0.01μm乃至0.08μm、一層好ましくは0.01μm乃至0.05μmとすることが望ましい。尚、第2の入れ子は、ジルコニアセラミックスから構成することもできるし、あるいは又、ジルコニアセラミックス又は導電性ジルコニアセラミックスと、金属層から構成することもできる。前者の場合、ジルコニアセラミックスの表面粗さRZが上記の値を満足していればよく、後者の場合、金属層表面の表面粗さRZが上記の値を満足していればよい。尚、これらの構成の第2の入れ子を、便宜上、セラミックス製の第2の入れ子と呼ぶ場合がある。場合によっては、第2の入れ子を金属から構成してもよい。更には、入れ子とセラミックス製の第2の入れ子とを総称して、「入れ子等」と呼ぶ場合がある。
以下、入れ子等についての説明を行う。
入れ子等の入れ子本体を構成するジルコニアセラミックスあるいは導電性ジルコニアセラミックスは、部分安定化ジルコニアセラミックスから構成されていることが好ましい。入れ子等の入れ子本体を部分安定化ジルコニアセラミックスから構成する場合、部分安定化ジルコニアセラミックスにおける部分安定化剤は、カルシア(酸化カルシウム,CaO)、イットリア(酸化イットリウム,Y23)、マグネシア(酸化マグネシウム,MgO)、シリカ(酸化珪素,SiO2)及びセリア(酸化セリウム,CeO2)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から成ることが好ましい。ジルコニアセラミックスあるいは導電性ジルコニアセラミックス中に含有される部分安定化剤の割合は、部分安定化剤がカルシアの場合、3モル%乃至15モル%、好ましくは6モル%乃至10モル%、イットリアの場合、1モル%乃至8モル%、好ましくは2モル%乃至5モル%、マグネシアの場合、4モル%乃至15モル%、好ましくは8モル%乃至10モル%、セリアの場合、3モル%乃至18モル%、好ましくは6モル%乃至12モル%であることが望ましい。
入れ子等において、入れ子本体の厚さは、0.1mm乃至10mm、好ましくは0.5mm乃至10mm、より好ましくは1mm乃至7mm、一層好ましくは2mm乃至5mmであることが望ましい。入れ子本体の厚さが0.1mm未満の場合、入れ子等による断熱効果が少なくなり、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の急冷を招き、導光板に凸部あるいは凹部が形成され難くなる虞がある。また、金属若しくは合金製の金型組立体に入れ子等を固定する際には、例えば熱硬化性接着剤を用いて入れ子等を金型組立体の内部に接着すればよいが、入れ子本体の厚さが0.1mm未満の場合、接着剤の膜厚が不均一になると入れ子等に不均一な応力が残るために、導光板表面がうねる現象が生じたり、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の圧力によって入れ子等が破損することがある。一方、入れ子本体の厚さが10mmを越える場合、入れ子等による断熱効果が大きくなり過ぎ、キャビティ内の樹脂の冷却時間を延長しないと、導光板の取り出し後に導光板が変形することがある。それ故、成形サイクルの延長といった問題が発生することがある。
キャビティに対向する入れ子本体の表面の表面粗さRZは、0.1μm乃至10μm、好ましくは0.1μm乃至8μm、一層好ましくは0.1μm乃至5μmであることが望ましい。キャビティに対向する入れ子本体の表面の表面粗さRZを0.1μm以上とすることによって、係る表面に無電解メッキ法にて金属層を形成するときアンカー効果を得ることができる結果、係る表面に無電解メッキ法にて金属層を形成することが可能となる。一方、キャビティに対向する入れ子本体の表面の表面粗さRZが10μmを越えると、金属層の表面の粗さが粗くなり、金属層の表面研磨に要する時間が増大したり、金属層のピンホールが発生し易くなる。キャビティに対向する入れ子本体の表面を、ブラスト処理によって、あるいは、エッチング処理によって荒らすことができる。
入れ子本体を構成するジルコニアセラミックス、導電性ジルコニアセラミックスあるいは部分安定化ジルコニアセラミックスの熱伝導率は、8.5J/(m・s・K)以下[8.5W/(m・K)以下、あるいは、2×10-2cal/(cm・s・K)以下]、具体的には、約3.5〜6J/(m・s・K)である。8.5J/(m・s・K)を越える熱伝導率を有する無機材料を用いて入れ子本体を作製した場合、成形条件にも依るが、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂が入れ子等によって急冷されるために、入れ子等を備えていない通常の炭素鋼等から作製された金型組立体を用いて成形された導光板と同程度の外観しか得られない場合がある。
入れ子等によって金型組立体に設けられたキャビティの一部が構成されるが、ここで、キャビティの一部を構成するとは、導光板の外形を規定するキャビティ面の一部を構成することを意味する。より具体的には、キャビティは、例えば、金型組立体を構成する第1の金型部あるいは第2の金型部に形成されたキャビティを構成する面(金型部のキャビティ面)と、場合によっては、入れ子に形成されたキャビティの一部を構成する表面(入れ子のキャビティ面)とから構成されている。以下の説明においても同様である。尚、凹部及び/又は凸部が設けられた金属層もキャビティ面を構成する。入れ子等のキャビティ面の全て、あるいは、所望の部位には、凹部あるいは凸部を有する金属層が配されている。後者の場合、所望の部位以外の入れ子のキャビティ面は平坦な金属層から構成されている場合もある。
入れ子等において、金属層は、例えば、少なくとも入れ子のキャビティ面に配されていればよく、入れ子本体の全表面に設けられていてもよい。
金属層に設けられた凹部及び/又は凸部の表面の必要とされる表面粗さは、鏡面加工したプリズム状の形状である場合と、エッチング加工や機械加工によって得られるドット状の形状である場合とでは異なるが、0.5μm以下であることが望ましい。尚、金属層に設けられた凹部の総数の80%以上が、好ましくは90%以上が、ドット形状である場合、表面粗さ0.5μm以下、鏡面加工の場合、表面粗さ0.1μm以下、好ましくは0.05μm、より好ましくは0.01μm以下を満足することが望ましい。不連続の凸形状が曲面の場合における表面粗さは、表面粗さRtにて規定することが好ましく、不連続の凸形状がその他の場合における表面粗さ、あるいは、連続した凸形状の場合における表面粗さは、表面粗さRZにて規定することが好ましい。
ここで、入れ子等において、金属層は、Cr、Cr化合物、Cu、Cu化合物、Ni及びNi化合物から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から成り、金属層に設けられた凹部の深さをdとしたとき、金属層の厚さt(単位:m)は、(d+5)×10-6m≦t≦5×10-4m、好ましくは、(d+10)×10-6m≦t≦1×10-4mを満足することが望ましい。あるいは又、金属層に設けられた凸部の高さをhとしたとき、金属層の厚さt(単位:m)は、(h+5)×10-6m≦t≦5×10-4m、好ましくは、(h+10)×10-6m≦t≦1×10-4mを満足することが望ましい。これによって、金属層に各種の方法で凹部あるいは凸部を形成することができるし、金属層を一般的な切削加工機で容易に加工することができる。しかも、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂が金属層と接触した場合でも、溶融熱可塑性樹脂が急冷されることを防止し得る。更には、金型部(場合によっては入れ子装着部や入れ子装着用中子)に対する入れ子の微調整を容易に行うことができる。しかも、高い耐擦傷性や表面硬度を得ることができる。ここで、金属層の厚さtとは、金属層に設けられた凹部あるいは凸部の凹部底部あるいは凸部先端部から、入れ子本体の表面(後述する活性金属膜が形成されている場合には、活性金属膜と金属層との界面)までの距離を意味する。
入れ子等において、金属層は、1層から構成してもよいし、複数層から構成してもよい。Cr化合物として、具体的には、ニッケル−クロム合金を挙げることができる。また、Cu化合物として、具体的には、銅−亜鉛合金、銅−カドミウム合金、銅−錫合金を挙げることができる。更には、Ni化合物として、具体的には、ニッケル−リン合金(Ni−P系合金)、ニッケル−鉄合金、ニッケル−コバルト合金、ニッケル−錫合金、ニッケル−鉄−リン合金(Ni−Fe−P系合金)、ニッケル−コバルト−リン合金(Ni−Co−P系合金)を挙げることができる。金属層に高い耐擦傷性が要求される場合には、例えば、金属層をクロム(Cr)から構成することが好適である。一方、金属層に耐擦傷性は左程要求されないが、厚さが必要とされる場合には、例えば、金属層を銅(Cu)から構成することが好適である。更には、金属層に耐擦傷性も或る程度要求され、しかも、厚さも必要な場合には、例えば、金属層をニッケル(Ni)から構成することが好適である。更に、金属層に厚さが必要とされ、しかも、表面硬度が必要とされる場合には、金属層を2層構成とし、例えば、下層を銅(Cu)あるいはニッケル(Ni)から構成して所望の厚さとし、厚さの調整を行い、一方、上層を薄いクロム(Cr)から構成することが好ましい。
入れ子等の金属層における凹部あるいは凸部の形成は、物理的方法あるいは化学的方法によって行うことができる。ダイヤモンドバイトを用いた機械加工によって、金属層に凹部あるいは凸部を形成することができる。また、凹部あるいは凸部を化学的な方法にて形成する場合、レジスト層を金属層の表面に塗布し、例えば、所望のマスクを介して紫外線をレジスト層に照射することによってレジスト層にパターンを形成し、あるいは又、印刷法にてレジスト層を形成し、次いで、係るレジスト層をエッチング用マスクとして金属層をエッチングすることで、金属層に凹部あるいは凸部を形成することができる。尚、所望に応じて、複数回のレジスト層の形成とエッチングとを行って、凹部あるいは凸部を形成してもよい。
入れ子等において、入れ子本体の表面に金属層を配する方法、具体的には、例えば入れ子本体の表面に金属層を形成する方法として、電気メッキ法、無電解メッキ法、無電解メッキ法と電気メッキ法の組合せを挙げることができる。尚、電気メッキ法を適用する場合、後述する活性金属膜を形成することは必須ではないが、キャビティに対向する入れ子本体の表面を粗面化した後、無電解メッキを行い、次いで、電気メッキを行う必要がある。
入れ子等において、入れ子本体を構成するジルコニアセラミックスは、導電性を有していないもの、即ち、体積固有抵抗値が1×109Ω・cmを越えるものを指す。そして、このような入れ子等において、入れ子本体はジルコニアセラミックスから成り、入れ子本体と金属層との間に活性金属膜が形成されている構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、入れ子等の第1の構成と呼ぶ。
入れ子等の第1の構成において、活性金属膜は、Ti、Zr及びBeから成る群から選択された金属(活性金属)と、Ni、Cu、Ag及びFeから成る群から選択された金属との共晶組成物から成り、活性金属膜の厚さは1×10-6m乃至5×10-5m、望ましくは、3×10-6m乃至4×10-5mであることが好ましい。共晶組成物として、より具体的には、例えば、Ti−Ni、Ti−Cu、Ti−Cu−Ag、Ti−Ni−Ag、Zr−Ni、Zr−Fe、Be−Cu、Be−Niを挙げることができる。活性金属膜の厚さを1×10-6m乃至5×10-5mとすることによって、高い導電性を有する活性金属膜を得ることができ、即ち、非導電性のジルコニアセラミックスに対して導電性を付与することができ、金属層を例えば電気メッキ法にて形成することが可能となる。
活性金属膜を形成する方法として、活性金属ソルダー法を挙げることができる。活性金属ソルダー法を採用することによって、活性金属膜は、入れ子本体の表面に対して高い密着性を得ることができる。また、入れ子本体に対して金属層が高い密着力を得られるようになる。ここで、活性金属ソルダー法とは、活性金属膜を構成する金属材料から成るペーストを、例えばスクリーン印刷法によって入れ子本体の表面に塗布し、真空中あるいは不活性ガス中で約800゜C〜1000゜Cの高温で焼き付ける方法を指す。
あるいは又、入れ子等において、入れ子本体は、体積固有抵抗値が1×109Ω・cm以下、好ましくは1×104Ω・cm以下の導電性ジルコニアセラミックスから成る構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、入れ子等の第2の構成と呼ぶ。導電性ジルコニアセラミックスの体積固有抵抗値が1×109Ω・cmを越えると、ジルコニアセラミックスが絶縁体となるため、入れ子本体の表面に金属層を直接形成することが困難となる。導電性ジルコニアセラミックスの体積固有抵抗値の下限値は、1×10-4Ω・cmであることが望ましい。
入れ子等の第2の構成において、ジルコニアセラミックスを導電性とするためには、ジルコニアセラミックスに導電性付与剤を添加すればよい。導電性付与剤として、Fe23、NiO、Co34、Cr23、TiO2、TiNの内の少なくとも1種類を挙げることができ、あるいは又、導電性付与剤として、TiC、WC、TaC等の炭化物の内の少なくとも1種類を挙げることもできる。導電性ジルコニアセラミックスにおける導電性付与剤の含有量は、10重量%以上であることが望ましい。10重量%未満では、体積固有抵抗値を1×109Ω・cm以下とすることが困難な場合がある。一方、導電性付与剤を多量に添加すれば、ジルコニアセラミックスの体積固有抵抗値は下がるが、得られた焼結体である入れ子本体の強度が損なわれてしまう。それ故、40重量%以下とすることが望ましい。
入れ子等の第2の構成において、焼結温度抑制剤を3重量%以下の範囲で導電性ジルコニアセラミックスに含有させてもよい。導電性付与剤としてFe23、NiO、Co34、Cr23、TiO2、TiNを用いる場合、焼結温度抑制剤としてCa、K、Na、Mg、Zn、Sc等の酸化物を挙げることができ、導電性付与剤としてTiC、WC、TaC等の炭化物を用いる場合、焼結温度抑制剤としてAl23、TiO2を挙げることができる。これらの焼結温度抑制剤を3重量%以下の範囲で含有させれば、焼成温度を下げて、ジルコニア及び導電性付与剤の粒成長を抑えることができるため、入れ子本体の曲げ強度や硬度といった機械的特性を高めることができる。
入れ子等の第1の構成において、活性金属膜の形成に活性金属ソルダー法を採用すれば、活性金属膜が入れ子本体の表面に対して高い密着性を得ることができるし、入れ子本体に対して金属層が高い密着力を得られるようになる。更には、入れ子等の第1の構成において、活性金属膜を設ければ、入れ子本体の表面は導電性を有することになり、金属層を例えば電気メッキ法にて形成することが可能となる。あるいは又、キャビティに対向する入れ子本体の表面の表面粗さを規定することによっても、入れ子本体に対して無電解メッキ法に基づき金属層を形成することができ、しかも、入れ子本体に対して金属層が高い密着力を得られるようになる。一方、入れ子等の第2の構成においては、入れ子本体を導電性ジルコニアセラミックスから構成することによって、入れ子本体の表面に金属層を直接形成することが可能となる。しかも、入れ子等の最表面に金属層が設けられているので、キャビティに対向する入れ子本体の表面における金属層に凸部あるいは凹部を各種の加工方法で容易に形成することが可能となるし、高い耐擦傷性や表面硬度を得ることができる。また、入れ子本体の加工時に入れ子本体の外周部に発生した微細なクラックを金属層で被覆すれば、係るクラックが溶融熱可塑性樹脂が接触しなくなるために入れ子等が破損し難い。
入れ子本体のエッジ部に発生した微細なクラックが溶融熱可塑性樹脂と接触して入れ子等が破損することを防止するために、場合によっては、入れ子本体のエッジ部をダイヤモンド砥石で研磨して応力が集中しないようにすることが好ましい。あるいは又、場合によっては、半径0.3mm以下の曲率面やC面カットを設け、入れ子本体のエッジ部への応力集中を避けることが好ましい。
入れ子等において、入れ子本体の表面に金属層を配する方法として、代替的に、ジルコニアセラミックスから成る入れ子本体に、着脱自在に取り付け可能な金属層(金属膜)を載置する方法を挙げることができる。着脱自在な金属層(金属膜)の作製方法として、ガラス面にフォトレジストを用いて凹凸部を設けたマザー型を使用し、電鋳法により作製する方法を挙げることができる。尚、金属層(金属膜)を入れ子本体に着脱自在に載置する場合、成形時、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の流動によって金属層(金属膜)が動かないように、金属層(金属膜)を、入れ子本体の周辺部における真空吸着によって入れ子本体に固定する構成とするか、あるいは又、入れ子本体の外周部と共に別の金属ブロックで押さえ込むことが好ましいが、これらに限定するものではなく、単に、金属層(金属膜)を入れ子本体に載置してもよい。
場合によっては、入れ子本体を金属製とし、金属製の入れ子本体にジルコニアセラミックス層を形成してもよい。ジルコニアセラミックス層の形成方法として、溶射法を挙げることもできる。即ち、溶射ガンを用いて上述したジルコニア組成物から成る粉体を金属製の入れ子本体に対して高温で吹き付ける方法であり、アーク溶射、プラズマ溶射等があるが、ジルコニア組成物を溶射する場合、融点が高いので、高温を発生させることができるプラズマ溶射法が有効である。ジルコニアセラミックス層の厚さは、0.5mm乃至2mmとすることが好ましく、あまり厚くすると、ジルコニアセラミックス層が歪によって割れる虞がある。金属製の入れ子本体とジルコニアセラミックス層との間の密着性を高めるために、Ni−Cr等の金属を溶射した後、ジルコニア組成物を溶射することが好ましい。得られたジルコニアセラミックス層の表面に金属層を配する場合、上述した方法を挙げることができる。
本発明の導光板あるいは本発明の面状光源装置を構成する導光板は、導光板の製造方法によって製造(成形)することが望ましいが、導光板の仕様等に依っては、熱可塑性樹脂を成形するために一般的に用いられる射出成形法を採用することもできる。即ち、金型組立体を構成する第1の金型部と第2の金型部とを型締めし、キャビティ内に溶融樹脂射出部から溶融熱可塑性樹脂を射出した後、キャビティ内の透明樹脂を冷却、固化させ、次いで、第1の金型部と第2の金型部とを型開きし、金型組立体から導光板を取り出す方法とすることができる。あるいは又、金型組立体をキャビティの容積を可変とし得る構造とし、成形すべき導光板の容積(VM)よりもキャビティの容積(VC)が大きくなるように、第1の金型部と第2の金型部とを型締めし、該キャビティ(容積:VC)内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、溶融熱可塑性樹脂の射出開始前、開始と同時に、射出中に、あるいは射出完了後、キャビティの容積を成形すべき導光板の容積(容積:VM)まで減少させる方法(射出圧縮成形法)とすることもできる。尚、キャビティの容積が成形すべき導光板の容積(VM)となる時点を、溶融熱可塑性樹脂の射出中、あるいは射出完了後(射出完了と同時を含む)とすることができる。係る金型組立体の構造として、第1の金型部と第2の金型部とによって印籠構造が形成される構造や、キャビティの容積を可変とし得る、キャビティ内で可動の中子を金型組立体が更に備えている構造を挙げることができる。尚、中子の移動の制御は、例えば油圧シリンダーで行うことができる。
溶融樹脂射出部としては、例えば、サイドゲート構造やタブゲート構造、フィルムゲート構造を挙げることができる。溶融樹脂射出部は、導光板のいずれかの側面に対応するキャビティ面においてキャビティに開口していればよく、入光面である第1側面、あるいは、入光面である第1側面に対向する第3側面に対応するキャビティ面においてキャビティに開口していてもよいし、場合によっては第2側面あるいは第4側面に対応するキャビティ面においてキャビティに開口していてもよい。
本発明の導光板あるいは面状光源装置にあっては、導光板の第1面の表面部に凸部及び/又は凹部が設けられており、第1側面と第3側面との間の長さである導光板の長手方向の長さは、40mm以上、130mm以下であり、導光板の最低8割を占める領域の厚さは、0.1mm以上、0.55mm以下であるが故に、例えば、液晶表示装置の厚さを一層薄くした場合であっても、導光板を確実に液晶表示装置に組み込むことが可能となる。しかも、導光板の平面度を200μm以下と規定することによって、見た目に導光板が大きくうねったり、導光板の平均輝度の値、輝度均整度の値が低下するといった問題の発生を確実に回避することができる。
また、本発明の導光板の製造方法においては、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程の完了からt秒が経過した後、若しくは、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程及びそれに続く保圧工程の完了からt秒が経過した後(但し、0秒≦t≦8.0秒)、型締め力を0.5F0以下とすることによって、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却時に発生する歪み、あるいは、収縮によって発生する歪みを低減することができるため、導光板内部の歪みが減少され、導光板に捩れや膨れが発生せず、高い平面度を有する導光板を成形することができる。尚、本発明の導光板の製造方法は、射出成形装置の作動を制御するソフトウエアの改造を行うことで達成することができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の導光板及び面状光源装置に関する。実施例1の導光板40及び面状光源装置の模式的な断面図を図1の(A)に示す。また、実施例1の導光板40の模式的な斜視図を図3の(B)に示す。
公称2.3インチの実施例1の導光板40は、透明な熱可塑性樹脂から成り、第1面41、この第1面41と対向した第2面43、第1側面44、第2側面45、第1側面44と対向した第3側面46、及び、第2側面45と対向した第4側面47を有する。そして、第1面41の表面部には、凹凸部42が設けられている。この導光板40は、全体として、厚さが略一定の薄板形状を有し、導光板40の第1側面44から光が入射し、第1面41及び第2面43から光が射出する。
実施例1にあっては、第1面41の表面部には、高さ10μm、ピッチ50μmの凹凸部42が設けられている。第1面41の表面部に設けられた凹凸部42は、導光板40への光入射方向(図面においては白抜きの矢印で示す場合がある)と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って延びる連続した直線状の凹凸形状を有する。即ち、導光板40への光入射方向であって第1面41と垂直な仮想平面で導光板40を切断したときの凹凸部42の断面形状は鋸歯形状(断面形状:三角形)である。云い換えれば、実施例1の導光板40にあっては、凹凸部42と凹凸部42との間に位置する導光板40の第1面41の部分に平坦部が存在しない。
そして、液晶表示装置におけるバックライト式面状光源装置にあっては、図1の(B)に模式的な断面図を示したと同様に、導光板40の第2面43が液晶表示装置60と対向するように配置されている。そして、光源50から射出され、導光板40の第1側面44から入射した光は、第1面41で反射されて第2面43から射出される光、及び、第1面41を透過する光に分けられる。第1面41を透過した光は、第1面41と対向する位置に配置された反射部材51によって反射させられ、導光板40に再び入射し、第2面43から射出される。第2面43から射出された光は、第2面43と対向して配置された液晶表示装置60へと導かれる。液晶表示装置60と導光板40の第2面43との間には、拡散シート52及びプリズムシート55が1枚、配置され、光を均一に拡散させている。尚、プリズムシート55の表面に設けられた連続した凸形状を有する凸部(図示せず)は、導光板40への光入射方向と略平行の方向に沿って延びている。
また、液晶表示装置におけるフロントライト式面状光源装置にあっては、図1の(C)に概念図を示したと同様に、導光板40の第2面43が液晶表示装置60と対向するように配置されている。そして、光源50から射出され、導光板40の第1側面44から入射した光を第1面41にて反射させ、第2面43から射出させる。そして、第2面43と対向する位置に配置された液晶表示装置60を通過させ、反射部材54によって反射させ、再び液晶表示装置60を通過させる。この光は、更に、位相差フィルム53及び導光板40の第2面43に形成された反射防止層(図示せず)を通過して導光板40の第1面41から射出され、画像として認識される。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例5にあっては、図2の(A)及び(B)に模式図を示すように、キャビティ18、及び、導光板40の第3側面46に対応するキャビティ面から溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出するための溶融樹脂射出部19(サイドゲート構造を有する)を備えた金型組立体を用いて、導光板を製造する。この金型組立体は、より具体的には、第1の金型部10(可動金型部)と第2の金型部(固定金型部)13とを備え、第1の金型部10と第2の金型部13とを型締めすることでキャビティ18が形成される。尚、図2の(B)は、キャビティ18内に射出された溶融熱可塑性樹脂の流動方向に沿った模式的な端面図であり、図2の(B)において、キャビティ18の左手側が導光板40の第3側面46を形成する部分に相当し、キャビティ18の右手側が導光板40の第1側面44を形成する部分に相当する。一方、図2の(A)は、キャビティ18内に射出された溶融熱可塑性樹脂の流動方向と直角の方向に沿った模式的な端面図であり、図2の(A)において、キャビティ18の左手側が導光板40の第4側面47を形成する部分に相当し、キャビティ18の右手側が導光板40の第2側面45を形成する部分に相当する。
図12に概念図を示すように、射出成形装置は、溶融熱可塑性樹脂を供給するためのスクリュー201を内部に有する射出シリンダー200、固定プラテン210、可動プラテン211、タイバー212、型締め用油圧シリンダー213、及び、油圧ピストン214を具備している。可動プラテン211は、型締め用油圧シリンダー213内の油圧ピストン214の作動によってタイバー212上を平行移動できる。第2の金型部(固定金型部)13は固定プラテン210に取り付けられており、第1の金型部(可動金型部)10は可動プラテン211に取り付けられている。図12の矢印「A」方向への可動プラテン211の移動によって第1の金型部(可動金型部)10が第2の金型部(固定金型部)13と係合し、第2の金型部(固定金型部)13と第1の金型部(可動金型部)10とが型締め力F0にて型締めされ、キャビティ18が形成される。型締め力F0は、型締め用油圧シリンダー213によって制御される。また、例えば、本発明の導光板の製造方法においては型締め用油圧シリンダー213の制御に基づき型締め力がF0からF1へと低下させられ、更には、図12の矢印「B」方向への第1の金型部(可動金型部)10の移動によって、第1の金型部(可動金型部)10が第2の金型部(固定金型部)13との係合を解かれ、第1の金型部(可動金型部)10と第2の金型部(固定金型部)13とは型開きされる。
実施例1の金型組立体においては、ジルコニアセラミックスから成る入れ子本体21、及び、導光板40の第1面41に凹凸部42を形成するために、キャビティ18に対向する入れ子本体21の表面に配され、凸凹部が設けられた金属層22から成る入れ子20が金型組立体の内部に配設されている。尚、入れ子20の模式的な斜視図を、図3の(A)に示す。更には、入れ子20と同じ構造を有する第2の入れ子30が、金型組立体の内部に配設されている。この第2の入れ子30は、具体的には、導光板40の第2面43を成形するために、ジルコニアセラミックスから成る入れ子本体31、及び、導光板40の第2面43を形成するために、キャビティ18に対向する入れ子本体31の表面に形成された金属層32(但し、凸凹部は設けられていない)から成る。入れ子20及び第2の入れ子30は、金型組立体に設けられたキャビティ18の一部を構成する。入れ子20は、入れ子取付け部材11に取り付けられ、入れ子取付け部材11は、ボルト16によって第1の金型部10に固定されている。一方、第2の入れ子30は、第2の入れ子取付け部材14に取り付けられ、第2の入れ子取付け部材14は、ボルト17によって第2の金型部13に固定されている。
入れ子20の入れ子取付け部材11への具体的な取付け方法として、入れ子20の対向する2つの側面に溝部23を形成し、この溝部23と対向する入れ子取付け部材11の部分にも溝部を形成し、これらの溝部内に、銅、真鍮、ゴム等の柔らかな素材から成る係止部材12を配する方法を挙げることができる。第2の入れ子30の第2の入れ子取付け部材14への具体的な取付け方法も、第2の入れ子30の対向する2つの側面に溝部を形成し、この溝部と対向する第2の入れ子取付け部材14の部分にも溝部を形成し、これらの溝部内に、銅、真鍮、ゴム等の柔らかな素材から成る係止部材15を配する方法とすることができる。このような取付け方法を採用することで、入れ子20や第2の入れ子30の縁部分に損傷が発生することを確実に防止することができる。
入れ子20は、導光板40の第1面41を成形するために用いられ、部分安定化剤としてイットリア(Y23)を含有した部分安定化ジルコニアセラミックス(部分安定化された酸化ジルコニウム,ZrO2)から成る厚さ5.0mmの入れ子本体21と、導光板40の凹凸部42を形成するために、キャビティ18に対向する入れ子本体21の表面に形成された金属層22から成る。ZrO2−Y23という組成を有する部分安定化ジルコニアセラミックス中に含有される部分安定化剤の割合を3モル%とした。部分安定化ジルコニアセラミックスの熱伝導率は約3.8J/(m・s・K)である。金属層22に設けられた鋸歯(プリズム)形状の凹凸部の深さdは10μmであり、ピッチPは50μmであり、鋸歯形状(断面形状:三角形)を有する。金属層22に設けられた凹凸部は、導光板への光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って延びる連続した直線状の凹凸形状を有し、更には、導光板40の第1面41に形成された凹凸部42と相補的な形状を有する。この凹凸部が形成された部分が、入れ子20のキャビティ面20Aに相当する。金属層22に設けられた凹凸部の表面(より具体的には、凹凸部全体の表面)の表面粗さRZを0.2μm以下(具体的には、平均値でRZ=0.01μm)とした。
金属層22は、電気メッキ法によって形成された厚さ5μmのNi層と、その上に形成された厚さ100μmのNi化合物層(無電解メッキによって形成されたNi−P層)の2層から成る。即ち、金属層22の厚さtは105μmである。尚、図面においては、金属層22を1層で表した。キャビティ18に対向する入れ子本体21の表面の表面粗さRZは0.5μmである。また、入れ子本体21と金属層22との間には、厚さ10μmのTi−Cu−Ag共晶組成物から成る活性金属膜(図示せず)が形成されている。この活性金属膜は、活性金属ソルダー法によって形成されている。
具体的には、入れ子本体21を、ジルコニア(ZrO2)粉末及びY23粉末の混合品をプレス成形した後、焼成して作製した。その後、キャビティ18に対向する入れ子本体21の表面に対してダイヤモンド砥石を用いた研磨及び仕上げを行ない、係る表面の表面粗さRZを0.5μmとした。次に、入れ子本体21の全面に、活性金属ソルダー法に基づき活性金属膜を形成した。具体的には、Ti−Cu−Ag共晶組成物から成るペーストを入れ子本体21の全面に塗布し、真空中で約800゜Cの高温で焼き付けることによって、活性金属膜を形成した。その後、電気メッキ法にて、活性金属膜上にニッケル層を形成し、更にその上に無電解メッキ法にてNi−P層を形成した。その後、Ni−P層に、鋸歯(プリズム)形状の凹凸部が形成されたダイヤモンドバイトを用いた機械加工を施し、金属層22に凹凸部を形成した。
第2の入れ子30も、金属層32に凹凸部を形成しない点を除き、入れ子20と同様の方法で作製することができる。尚、金属層32の表面粗さRZは0.01μmである。
一方、第1の金型部(可動金型部)10及び第2の金型部(固定金型部)13を炭素鋼S55Cから作製し、切削加工を行い、入れ子装着部を設けた。そして、入れ子装着部に入れ子20及び第2の入れ子30を、先に説明した方法に基づき、装着した。
このように作製した第1の金型部(可動金型部)10と第2の金型部(固定金型部)13とを組み付けて実施例1の金型組立体を得た。完成した金型組立体を成形装置に取り付けた後、金型組立体を金型温調機を用いて130゜Cまで加熱後、40゜Cまで急冷しても、入れ子20や第2の入れ子30に割れ等の損傷は発生しなかった。また、金属層22,32にも損傷は生じなかった。
成形装置として株式会社ゾディックプラスチック製、TR100EH2射出成形機を用いた。また、透明樹脂として表1に粘度平均分子量及びQ値を示す芳香族ポリカーボネート樹脂を使用して、射出成形を行なった。樹脂温度、金型温度、樹脂射出速度といった成形条件を表1のとおりとした。そして、第1の金型部10と第2の金型部13とを型締めして、図2の(A)及び(B)に示す状態とした後、射出シリンダー200内で計量、溶融された透明な溶融熱可塑性樹脂を、溶融樹脂射出部19(サイドゲート構造を有する)を介してキャビティ18へ射出した。所定量(キャビティ18を完全に充填する量)の溶融ポリカーボネート樹脂を溶融樹脂射出部19を介してキャビティ18内に射出した後、キャビティ18内のポリカーボネート樹脂を冷却、固化させ、30秒後に金型組立体の型開きを行い、導光板40を金型組立体から取り出した。尚、実施例1〜実施例4あるいは比較例1〜比較例3にあっては、導光板を従来の射出成形方法に基づき製造した。即ち、第1の金型部10と第2の金型部13の型締め時から型開きまでの間、型締め力を値F0に保持し続けた。ここで、
0=4.9×105(N)
(=50トン・f)
とした。また、保圧圧力、保圧時間を以下のとおりとした。
保圧圧力=70×106Pa
保圧時間=1.5秒
得られた導光板40の第1側面44と第3側面46との間の長さである導光板40の長手方向の長さLL、長手方向と直角の方向の長さLS、平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均値を、表1に示す。
尚、輝度測定は、トプコン社製BM5Aを用いて、直径10mmの測定範囲で9箇所での輝度測定を行った。直径10mmの測定範囲を、溶融樹脂射出部近傍に対応する導光板40の部分で3箇所、導光板中央部分で3箇所、導光板端部近傍で3箇所の合計9箇所とした。
更には、表面粗さ・形状測定器 フォームタリサーフ を使用して、第1面41の表面部に設けられた凹凸部42の表面(より具体的には、凹凸部全体の表面)の表面粗さRZを測定したところ、凹凸部42(より具体的には、凹凸部全体の表面)の全てがRZ0.3μm以下であった。具体的には、第1側面44の近傍に位置する第1面41の表面部に設けられた凹凸部42におけるRZが約0.01μm、第3側面46の近傍に位置する第1面41の表面部に設けられた凹凸部42におけるRZが約0.02μmであった。
キャビティの厚さが0.27mmと非常に薄く、導光板40の長手方向の長さLLが52mmと長いにも拘わらず、所定の物性(粘度平均分子量及びQ値)を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を使用し、所定の成形条件(樹脂温度、金型温度、樹脂射出速度)にて成形したが故に、キャビティ18は熱可塑性樹脂で完全に充填され、所望の形状を有する導光板40を成形することができた。また、導光板の平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均も、所望の範囲内であった。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2においては、実施例1と同じ金型組立体、入れ子等(寸法は異なる)、成形装置を使用した。実施例2が実施例1と相違する点は、
(1)実施例1の芳香族ポリカーボネート樹脂よりも粘度平均分子量が低く、Q値の高い芳香族ポリカーボネート樹脂を使用した点
(2)樹脂温度を10゜C高くして、340゜Cとした点
(3)樹脂射出速度を300mm・秒-1遅くして、1200mm・秒-1とした点、及び、射出率が相違する点
(4)導光板40の公称寸法を2.6インチとした点
の4点にある。
得られた導光板40の長手方向の長さLL、長手方向と直角の方向の長さLS、平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均値を、表1に示す。
実施例2にあっては、キャビティの厚さが0.27mmと非常に薄く、導光板40の長手方向の長さLLが58mmと一層長いにも拘わらず、所定の物性(粘度平均分子量及びQ値)を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を使用し、所定の成形条件(樹脂温度、金型温度、樹脂射出速度)にて成形したが故に、キャビティ18は熱可塑性樹脂で完全に充填され、所望の形状を有する導光板40を成形することができた。また、導光板の平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均も、所望の範囲内であった。
実施例3も、実施例1の変形である。実施例3においては、実施例1と同じ構造を有する金型組立体、入れ子等(寸法は異なる)、成形装置を使用した。実施例3が実施例1と相違する点は、
(1)実施例1の芳香族ポリカーボネート樹脂よりも粘度平均分子量が低く、Q値の高い芳香族ポリカーボネート樹脂を使用した点
(2)樹脂温度を10゜C高くして、340゜Cとした点
(3)樹脂射出速度を1200mm・秒-1遅くして、300mm・秒-1とした点、及び、射出率が相違する点
(4)導光板40の公称寸法を3.0インチとした点
(5)キャビティ18の厚さを0.37mmとした点
の5点にある。
得られた導光板40の長手方向の長さLL、長手方向と直角の方向の長さLS、平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均値を、表1に示す。
実施例3にあっては、キャビティの厚さが0.37mmと非常に薄く、導光板40の長手方向の長さLLが64mmと更に一層長いにも拘わらず、所定の物性(粘度平均分子量及びQ値)を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を使用し、所定の成形条件(樹脂温度、金型温度、樹脂射出速度)にて成形したが故に、キャビティ18は熱可塑性樹脂で完全に充填され、所望の形状を有する導光板40を成形することができた。また、導光板の平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均も、所望の範囲内であった。
実施例4も、実施例1の変形である。実施例4においては、実施例1と同じ構造を有する金型組立体、成形装置を使用した。実施例4が実施例1と相違する点は、
(1)入れ子及び第2の入れ子を鋼材製とした点
(2)樹脂温度を20゜C高くして、350゜Cとした点
(3)樹脂射出速度を800mm・秒-1遅くして、700mm・秒-1とした点、及び、射出率が相違する点
(4)導光板40の公称寸法を2.0インチとした点
の4点にある。
得られた導光板40の長手方向の長さLL、長手方向と直角の方向の長さLS、平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均値を、表1に示す。
実施例4にあっては、キャビティの厚さが0.27mmと非常に薄いにも拘わらず、また、入れ子及び第2の入れ子を鋼材製としたにも拘わらず、所定の物性(粘度平均分子量及びQ値)を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を使用し、所定の成形条件(樹脂温度、金型温度、樹脂射出速度)にて成形したが故に、キャビティ18は熱可塑性樹脂で完全に充填され、所望の形状を有する導光板40を成形することができた。また、導光板の平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均も、所望の範囲内であった。
比較のために、表2に示す比較例1〜比較例3を実行した。
ここで、比較例1においては、実施例1と同じ構造を有する金型組立体、成形装置を使用した。比較例1が実施例1と相違する点は、
(1)入れ子及び第2の入れ子を鋼材製とした点
(2)実施例1の芳香族ポリカーボネート樹脂よりも粘度平均分子量が高く、Q値の低い芳香族ポリカーボネート樹脂を使用した点
(3)樹脂温度を20゜C高くして、350゜Cとした点
の3点にある。
また、比較例2においても、実施例1と同じ構造を有する金型組立体、成形装置を使用した。比較例2が実施例1と相違する点は、
(1)入れ子及び第2の入れ子を鋼材製とした点
(2)実施例1の芳香族ポリカーボネート樹脂よりも粘度平均分子量が高く、Q値の低い芳香族ポリカーボネート樹脂を使用した点
(3)樹脂温度を40゜C高くして、370゜Cとした点
(4)樹脂射出速度を300mm・秒-1遅くして、1200mm・秒-1とした点、及び、射出率が相違する点
の4点にある。
更には、比較例3においても、実施例1と同じ構造を有する金型組立体、成形装置を使用した。比較例3が実施例1と相違する点は、
(1)実施例1の芳香族ポリカーボネート樹脂よりも粘度平均分子量が高く、Q値の低い芳香族ポリカーボネート樹脂を使用した点
(2)樹脂温度を20゜C高くして、350゜Cとした点
(3)樹脂射出速度を800mm・秒-1遅くして、700mm・秒-1とした点、及び、射出率が相違する点
の3点にある。
比較例1〜比較例3によって得られた導光板の長手方向の長さLL、長手方向と直角の方向の長さLS、平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均値を、表2に示す。
比較例1にあっては、熱可塑性樹脂のQ値が低く(即ち、溶融熱可塑性樹脂の粘度が高く)、鋼材製の入れ子及び第2の入れ子の組合せでは、キャビティ内を溶融熱可塑性樹脂で充填することができなかった。
一方、比較例2にあっては、熱可塑性樹脂のQ値が低いものの(即ち、溶融熱可塑性樹脂の粘度が高いものの)、樹脂温度を370゜Cとしたので、キャビティ内を溶融熱可塑性樹脂で充填することはできた。しかしながら、得られた導光板における平面度の値が悪く、しかも、輝度平均値の値も低いものであった。
また、比較例3にあっては、熱可塑性樹脂のQ値が低いものの(即ち、溶融熱可塑性樹脂の粘度が高いものの)、入れ子及び第2の入れ子を実施例1と同様に部分安定化ジルコニアセラミックスから作製したので、樹脂温度を350゜Cとしてもキャビティ内を溶融熱可塑性樹脂で充填することはできた。しかしながら、得られた導光板における平面度の値が悪かった。
Figure 0004670680
Figure 0004670680
実施例5は、本発明の導光板の製造方法に関する。実施例5においても、実施例1と同じ射出成形機を用いた。また、透明樹脂として表3に粘度平均分子量及びQ値を示す芳香族ポリカーボネート樹脂を使用して、射出成形を行なった。また、実施例5における樹脂温度、金型温度、樹脂射出速度、型締め力F0、型締め力F1、時間tの値といった成形条件を表3のとおりとした。更には、得られた導光板40の第1側面44と第3側面46との間の長さである導光板40の長手方向の長さLL、長手方向と直角の方向の長さLS、平均厚さ、肉厚差、平面度、(x,y)値、輝度平均値を、表3に示す。
実施例5にあっては、第2の金型部(固定金型部)13と第1の金型部(可動金型部)10とを型締め力F0にて型締めして、図2の(A)及び(B)に示す状態とした後、射出シリンダー200内で計量、可塑化され、溶融された溶融熱可塑性樹脂を、スプルー215及び溶融樹脂射出部19(サイドゲート構造を有する)を介してキャビティ18へ射出した。所定量(キャビティ18を完全に充填する量)の溶融熱可塑性樹脂を溶融樹脂射出部19を介してキャビティ18内に射出し、キャビティ18内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程の完了からt秒が経過した後、若しくは、キャビティ18内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程及びそれに続く保圧工程の完了からt秒が経過した後、型締め力を0.5F0以下とし、キャビティ18内の熱可塑性樹脂が冷却、固化した後、第2の金型部(固定金型部)13と第1の金型部(可動金型部)10とを型開きし、導光板を取り出した。
Figure 0004670680
表3から、実施例5の導光板の製造方法を採用することで、導光板の平面度の値として、一層優れた値を得ることができることが判る。
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例における金型組立体の構造、使用した透明な熱可塑性樹脂、射出成形条件、入れ子や第2の入れ子の構成、構造、導光板の構成、構造は例示であり、適宜変更することができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂を使用して、各種の試験を行った結果を、図11に示す。図11において、横軸における「肉厚」の値(単位:mm)は、導光板の厚さを意味し、縦軸における「流動長」の値(単位:mm)は、第1側面と第3側面との間の長さである導光板の長手方向の長さを意味する。また、「高速成形機(断熱)」、「高速成形機(鋼材)」、「一般成形機(断熱)」、「一般成形機(鋼材)」、「高温度成形」、「一般温度成形」、「材料」、「一般材料」の意味は、以下に説明するとおりである。
「高速成形機(断熱)」
・・・実施例1において説明したと同様の入れ子を使用し、樹脂射出速度を2000mm・秒-1として成形。
「高速成形機(鋼材)」
・・・鋼材から作製された入れ子を使用し、樹脂射出速度を2000mm・秒-1として成形。
「一般成形機(断熱)」
・・・実施例1において説明したと同様の入れ子を使用し、樹脂射出速度を100mm・秒-1として成形。
「一般成形機(鋼材)」
・・・鋼材から作製された入れ子を使用し、樹脂射出速度を100mm・秒-1として成形。
「高温度成形」
・・・樹脂温度350゜C、金型温度120゜Cにて成形。
「一般温度成形」
・・・樹脂温度290゜C、金型温度80゜Cにて成形。
「材料」
・・・粘度平均分子量が1.2×104であり、Q値が1.20の芳香族ポリカーボネート樹脂。
「一般材料」
・・・粘度平均分子量が1.6×104であり、Q値が0.36の芳香族ポリカーボネート樹脂。
図11から、ジルコニアセラミックスから作製された入れ子を用いることで、長手方向の長さが一層長い導光板を成形することができ、高いQ値を有する熱可塑性樹脂を用いることで、長手方向の長さが一層長い導光板を成形することができ、高温度成形を行うことでも、長手方向の長さが一層長い導光板を成形することができることが判る。
代替的に、入れ子20は、以下に説明する方法で作製することもできる。尚、第2の入れ子30も同様の方法で作製することができる。
先ず、部分安定化ジルコニアをプレス成形した後、焼成することで、入れ子本体21を得る。その後、キャビティ18に対向する入れ子本体21の表面に対してアルミナ粒子を用いたブラスト処理を行ない、係る表面の表面粗さRZを2μmとする。次に、無電解メッキ法にて、入れ子本体21の係る表面に厚さ2μmのNi−P層を形成した後、電気メッキ法にて、その上に厚さ5μmのNi層を形成し、更に、その上に無電解メッキ法にて厚さ100μmのNi−P層を形成する。その後、Ni−P層に鋸歯(プリズム)形状の凹凸部が形成されたダイヤモンドバイトを用いた機械加工を施し、金属層22に凹凸部を形成する。
あるいは又、入れ子本体21を、部分安定化された導電性ジルコニアセラミックスから構成することもできる。尚、キャビティに対向する入れ子本体21の表面に金属層22を形成する。即ち、入れ子本体21は、具体的には、部分安定化ジルコニア(ZrO2−Y23)セラミックスから成り、導電性付与剤として、Fe23が8重量%含有されている。また、部分安定化ジルコニアセラミックス中に含有される部分安定化剤であるY23の割合を、3mol%とする。係る導電性ジルコニアセラミックスの熱伝導率は約3.8J/(m・s・K)であり、体積固有抵抗値は1×108Ω・cmである。金属層22はクロム(Cr)から成る。尚、入れ子本体21の全面に電気メッキ法にて金属層22を形成する。
図4の(A)〜(E)、図5の(A)〜(B)、図6の(A)〜(B)、図7の(A)〜(D)、図8の(A)〜(B)に、導光板の各種変形例を示す。
図4の(A)〜(E)及び図7の(A)〜(D)に模式的な断面図を示す導光板40A〜導光板40E、導光板140A〜導光板140Dは、全体として楔状の切頭四角錐形状を有し、切頭四角錐の2つの対向する側面が、導光板の第1面41,141及び第2面43,143に該当し、切頭四角錐の底面が、導光板の第1側面44,144(厚肉端部)に該当し、切頭四角錐の頂面が、導光板の第3側面46,146に該当し、切頭四角錐の残りの2つの対向する側面が、導光板の第2側面45,145及び第4側面47,147に該当する。そして、導光板の第1側面44,144から光が入射し、第1面41,141及び/又は第2面43,143から光が射出する。切頭四角錐の底面に相当する第1側面(入光面)44,144の厚さを、例えば0.5mm、切頭四角錐の頂面に相当する第3側面46,146の厚さを、例えば0.2mmとする。また、導光板の幅を、例えば42mm、長さを、例えば58mmとする。ここで、導光板の幅とは、図4及び図7の紙面垂直方向における導光板の長さを意味し、導光板の長さは、図4及び図7の紙面と平行な左右方向における導光板の長さを意味する。
図4の(A)に模式的な断面図を示す導光板40Aにおいては、第1面41の表面部に設けられた凹凸部42Aは、導光板40Aへの光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って延びる連続した直線状の凹凸形状を有し、導光板40Aへの光入射方向であって第1面41と垂直な仮想平面で導光板40Aを切断したときの連続した凹凸形状の断面形状は、鋸歯形状(断面形状:三角形)である。尚、図における参照番号で、図1の(A)に示したと同じ参照番号は、同じ構成要素を意味する。
図4の(B)に模式的な断面図を示し、模式的な斜視図を図5の(A)に示す導光板40Bにおいては、第1面41の表面部に設けられた凸部42Bは、導光板40Bへの光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って延びる連続した直線状の凸形状を有し、導光板40Bへの光入射方向であって第1面41と垂直な仮想平面で導光板40Bを切断したときの連続した凸形状の断面形状は台形である。
また、図4の(C)に模式的な断面図を示し、模式的な斜視図を図5の(B)に示す導光板40Cにおいては、第1面41の表面部に設けられた凸部42Cは、導光板40Cへの光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って仮想の直線上に配列された不連続の凸形状を有し、不連続の凸形状の形状は角錐あるいはピラミッド状である。
更には、図4の(D)に模式的な断面図を示し、模式的な斜視図を図6の(A)に示す導光板40Dにおいては、第1面の表面部に設けられた凸部42Dは、導光板への光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って仮想の直線上に配列された不連続の凸形状を有し、不連続の凸形状の形状は略半球である。
また、図4の(E)に模式的な断面図を示し、模式的な斜視図を図6の(B)に示す導光板40Eにおいては、第1面の表面部に設けられた凸部42Eは、導光板への光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って仮想の直線上に配列された不連続の凸形状を有し、不連続の凸形状の形状は円柱である。
図7の(A)に模式的な断面図を示し、模式的な斜視図を図8の(A)に示す導光板140Aにおいては、第1面141の表面部に設けられた凹部142Aは、導光板140Aへの光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って配列された連続した直線状の凹形状を有し、導光板140Aへの光入射方向であって第1面141と垂直な仮想平面で導光板140Aを切断したときの連続した凹形状は台形である。
また、図7の(B)に模式的な断面図を示し、模式的な斜視図を図8の(B)に示す導光板140Bにおいては、第1面141の表面部に設けられた凹部142Bは、導光板140Bへの光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って配列された連続した直線状の凹形状を有し、導光板140Bへの光入射方向であって第1面141と垂直な仮想平面で導光板140Aを切断したときの連続した凹形状は三角形である。

更には、図7の(C)に模式的な断面図を示す導光板140Cにおいては、第1面141の表面部に設けられた凹部142Cは、導光板140Cへの光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って仮想の直線上に配列された不連続の凹形状を有し、不連続の凹形状の形状は略半球である。
また、図7の(D)に模式的な断面図を示す導光板140Dにおいては、第1面141の表面部に設けられた凹部142Dは、導光板140Dへの光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って仮想の直線上に配列された不連続の凹形状を有し、不連続の凹形状の形状は円柱である。
入れ子20や第2の入れ子30の第1の金型部10(可動金型部)及び第2の金型部(固定金型部)13への固定方法として、実施例1に説明した固定方法以外にも、例えば、以下に説明する方法を挙げることができる。即ち、図9の(A)には金型組立体を型締めした状態を示し、図10の(A)には金型組立体を型開きした状態を示すが、これらの図9の(A)及び図10の(A)に模式的な断面図を示す金型組立体は、
(A)第1の金型部(可動金型部)110及び第2の金型部(固定金型部)113から成り、型締め時、キャビティ118が形成される、透明樹脂製の導光板を成形するための金型組立体と、
(B)キャビティ118内に溶融透明樹脂を導入するためのサイドゲート方式の溶融樹脂射出部(図示せず)と、
(C)第1の金型部110に配設され、キャビティ118の一部を構成する入れ子120と、
(D)第2の金型部113に配設され、キャビティ118の一部を構成する第2の入れ子130、
を備えている。
金型組立体には、ボルト116によって第1の金型部110に取り付けられ、キャビティ118の一部を構成し、入れ子120の端面を被覆する被覆プレート111が更に備えられている。尚、被覆プレート111は入れ子120の全周の端面を被覆している。更には、ボルト117によって第2の金型部113に取り付けられ、キャビティ118の一部を構成し、第2の入れ子130の端面を被覆する第2の被覆プレート114が更に備えられている。尚、第2の被覆プレート114は第2の入れ子130の全周の端面を被覆している。被覆プレート111及び第2の被覆プレート114には溶融樹脂射出部(図示せず)が設けられている。
図10の(B)に模式的な拡大した断面図を示し、図9の(B)に模式的な拡大された一部断面図を示す入れ子120(厚さ3.0mm)は、導光板の第1面を成形するために用いられ、部分安定化剤としてイットリア(Y23)を含有した部分安定化ジルコニアセラミックス(部分安定化された酸化ジルコニウム,ZrO2)から成る入れ子本体121と、導光板の第1面を形成するために、キャビティ118に対向する入れ子本体121の表面に配され、鋸歯(プリズム)形状を有する凹凸部123が設けられた金属層122から成る。尚、入れ子本体121の模式的な断面図を図9の(C)に示す。金属層122に設けられた凹凸部123は、導光板への光入射方向と所定の角度を成す方向(具体的には、略直角の方向)に沿って延びる連続した凹形状を有し、更には、導光板40の第1面41に形成された凹凸部と相補的な形状を有する。この凹凸部123が形成された部分が、入れ子120のキャビティ面120Aに相当する。
金属層122は、電気メッキによって形成された厚さ5μmのNi層と、その上に形成された厚さ100μmのNi化合物層(無電解メッキによって形成されたNi−P層)の2層から成る。即ち、金属層122の厚さtは105μmである。尚、図面においては、金属層122を1層で表した。尚、キャビティ118に対向する入れ子本体121の表面の表面粗さRZは0.5μmである。また、入れ子本体121と金属層122との間には、厚さ10μmのTi−Cu−Ag共晶組成物から成る活性金属膜124が形成されている。この活性金属膜124は、活性金属ソルダー法によって形成されている。
第1の金型部110と第2の金型部113とを型締めした状態において被覆プレート111と対向する入れ子本体121の部分の表面には、表面が平坦な金属層122B(図10の(B)参照)が形成されている。尚、この金属層122Bは、金属層122と同時に形成され、金属層122Bの下には活性金属膜124が形成されている。
具体的には、入れ子本体121を、ジルコニア(ZrO2)粉末及びY23粉末の混合品をプレス成形した後、焼成して作製した(図9の(C)の模式的な断面図参照)。その後、キャビティ118に対向する入れ子本体121の表面(表面121Aと呼ぶ)及び被覆プレート111と対向する入れ子本体121の表面(表面121Bと呼ぶ)に対してダイヤモンド砥石を用いた研磨及び仕上げを行ない、かかる表面121A,121Bの表面粗さRZを0.5μmとした。次に、入れ子本体121のかかる表面121A,121Bに、活性金属ソルダー法に基づき活性金属膜124を形成した。具体的には、Ti−Cu−Ag共晶組成物から成るペーストを入れ子本体121のかかる表面121A,121Bに塗布し、真空中で約800゜Cの高温で焼き付けることによって、活性金属膜124を形成した。その後、活性金属膜124が形成された部分以外の入れ子本体121の部分をマスキングして、電気メッキ法にて、ニッケル層を形成し、更にその上に無電解メッキ法にてNi−P層を形成した。その後、Ni−P層に、鋸歯(プリズム)形状の凹凸部が形成されたダイヤモンドバイトを用いた機械加工を施し、金属層122に凹凸部123を形成した。
表面(キャビティ面)が平らな点を除き、第2の入れ子130は、実質的に、入れ子120と同様の構成、構造を有する。尚、金属層132の表面粗さRZは0.01μmである。
第1の金型部(可動金型部)110を炭素鋼S55Cから作製し、切削加工を行い、入れ子装着部を設けた。表面121B上に形成された金属層122Bを金属加工用の平面切削機を用いて切削した。そして、入れ子装着部に入れ子120を装着し、入れ子120の端面を被覆プレート111で被覆し、被覆プレート111をボルト116で第1の金型部110に固定した。
また、第2の金型部(固定金型部)113を炭素鋼S55Cから作製し、切削加工を行い、入れ子装着部を設けた。そして、入れ子装着部に第2の入れ子130を装着し、第2の入れ子130の端面を第2の被覆プレート114で被覆し、第2の被覆プレート114をボルト117で第2の金型部113に固定した。
こうして得られた金型組立体を用いて、実施例1〜実施例5にて説明したと同様の方法で導光板を射出成形することができる。
図1の(A)は、導光板及び面状光源装置の模式的な断面図であり、図1の(B)及び(C)のそれぞれは、従来のバックライト式面状光源装置の概念図、及び、フロントライト式面状光源装置の概念図である。 図2の(A)は、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の流動方向と直角の方向に沿った金型組立体の模式的な端面図であり、図2の(B)は、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の流動方向に沿った金型組立体の模式的な端面図である。 図3の(A)は、入れ子の模式的な斜視図であり、図3の(B)は、実施例1における導光板の模式的な斜視図である。 図4の(A)〜(E)は、導光板の変形例の模式的な断面図である。 図5の(A)及び(B)は、それぞれ、図4の(B)及び(C)に示す導光板の変形例の模式的な斜視図である。 図6の(A)及び(B)は、それぞれ、図4の(D)及び(E)に示す導光板の変形例の模式的な斜視図である。 図7の(A)〜(D)は、導光板の別の変形例の模式的な断面図である。 図8の(A)及び(B)は、それぞれ、図7の(A)及び(B)に示す導光板の変形例の模式的な斜視図である。 図9の(A)、(B)及び(C)のそれぞれは、金型組立体の変形例の型締めした状態を示す模式的な断面図、入れ子の変形例の模式的な一部断面図、及び、入れ子本体の変形例の模式的な断面図である。 図10の(A)及び(B)のそれぞれは、図9に示した金型組立体の変形例の型開きした状態を示す模式的な断面図、及び、入れ子の変形例の模式的な拡大された断面図である。 図11は、実施例3と同じ芳香族ポリカーボネート樹脂を使用して、各種の試験を行い、得られた導光板の厚さと導光板の長手方向の長さの関係を示すグラフである。 図12は、実施例1〜実施例5の実施に適した射出成形装置の概念図である。
符号の説明
10,110・・・第1の金型部(可動金型部)、11・・・入れ子取付け部材、12,15・・・係止部材、13,113・・・第2の金型部(固定金型部)、14・・・第2の入れ子取付け部材、16,17,116,117・・・ボルト、18,118・・・キャビティ、19・・・溶融樹脂射出部、111・・・被覆プレート、114・・・第2の被覆プレート、20,120・・・入れ子、20A,120A・・・入れ子のキャビティ面、21,121・・・入れ子本体、22,122・・・金属層、23,123・・・溝部、30,130・・・第2の入れ子、40,40A,40B,40C,40D,40E,140A,140B,140C,140D・・・導光板、41,141・・・第1面、42,42A,42B,42C,42D,42E,142A,142B,142C,142D・・・凹凸部、凸部あるいは凹部、43,143・・・第2面、44,144・・・第1側面、45,145・・・第2側面、46,146・・・第3側面、47,147・・・第4側面、50・・・光源、51・・・反射部材、52・・・拡散シート、53・・・位相差フィルム、54・・・反射部材、55・・・プリズムシート、60・・・液晶表示装置、200・・・射出シリンダー、201・・・スクリュー、210・・固定プラテン、211・・・可動プラテン、212・・・タイバー、213・・・型締め用油圧シリンダー、214・・・油圧ピストン

Claims (1)

  1. 透明な熱可塑性樹脂から成り、第1面、該第1面と対向した第2面、第1側面、第2側面、該第1側面と対向した第3側面、及び、該第2側面と対向した第4側面を有し、
    第1面の表面部には、凸部及び/又は凹部が設けられており、
    第1側面と第3側面との間の長さである導光板の長手方向の長さは、40mm以上、130mm以下であり、
    導光板の最低8割を占める領域の厚さは、0.1mm以上、0.55mm以下であり、
    平面度が200μm以下である導光板の製造方法であって、
    キャビティ、及び、導光板のいずれかの側面に対応する部分から溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出するための溶融樹脂射出部を備え、第1の金型部と第2の金型部とから構成された金型組立体を用い、
    (A)第1の金型部と第2の金型部とを型締め力F0にて型締めして、キャビティを形成した後、
    (B)キャビティ内に溶融樹脂射出部から透明な溶融熱可塑性樹脂を射出し、
    (C)キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程の完了からt秒が経過した後、若しくは、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出工程及びそれに続く保圧工程の完了からt秒が経過した後(但し、0秒≦t≦8.0秒)、型締め力を0.5F0以下とし、
    (D)キャビティ内の熱可塑性樹脂が冷却、固化した後、第1の金型部と第2の金型部とを型開きし、導光板を取り出す、
    各工程から成ることを特徴とする導光板の製造方法。
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