JP2006007700A - 微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型及びこれを用いた樹脂製光学部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造でき、樹脂射出成形物を離型するときの離型性を向上できる樹脂製光学部品成形用型の提供。
【解決手段】 サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成形するためのキャビティ空間35を画定する第1の母型30a及び第2の母型30bとが備えられ、第1の母型30aと第2の母型30bの少なくとも一方の内面にマスター型36が設けられ、該マスター型36は一方の母型の内面側の非磁性セラミック基体36cと、該基体36c上に形成されたSiO2膜36dからなり、SiO2膜36dの非磁性セラミック基体36cと反対側の表面に、上記樹脂製光学部品の微細凹凸形成面と逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面36aが設けられた樹脂製光学部品成形用型30。
【選択図】 図4
【解決手段】 サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成形するためのキャビティ空間35を画定する第1の母型30a及び第2の母型30bとが備えられ、第1の母型30aと第2の母型30bの少なくとも一方の内面にマスター型36が設けられ、該マスター型36は一方の母型の内面側の非磁性セラミック基体36cと、該基体36c上に形成されたSiO2膜36dからなり、SiO2膜36dの非磁性セラミック基体36cと反対側の表面に、上記樹脂製光学部品の微細凹凸形成面と逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面36aが設けられた樹脂製光学部品成形用型30。
【選択図】 図4
Description
本発明は、サブミクロンオーダーの微細凹部又は凸部が複数形成された樹脂製光学部品成形用型と該成形用型を用いて上記樹脂製光学部品を製造する方法に関するものである。
サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が多数形成された樹脂製光学部品としては、例えば、反射型の液晶パネルの前面に備えられるフロントライトと称する照明装置の導光板や反射防止層等を挙げることができる。
図6は、従来の製造方法により製造された導光板と反射防止層を備えたフロントライトが設けられた液晶表示装置の断面構成図であり、この図に示す液晶表示装置100は、液晶パネル120と、この液晶パネル120の前面側に配設されたフロントライト110とから構成されている。
フロントライト110は、平板状の導光板112と、この導光板112の側端面112aに配設された棒状の光源113とを備えて構成されており、光源113から出射された光を導光板112の側端面112aから導光板112内へ導入し、この光を導光板112の反射面112cで反射させることにより光の伝搬方向を変え、導光板112の出射面112bから液晶パネル120へ向けて照射するようになっている。反射面112cには、断面くさび型の微細な凹部(溝)115が多数形成されている。
また、上記出射面112bには、反射防止層117が形成されており、導光板112内部を伝搬する光を効率よく液晶パネル120側へ取り出すことができるようになっており、また、反射型の液晶パネル120からの反射光が導光板112表面で反射して減衰するのを防ぐことができるようになっている。反射防止層117は、表面にAR(Anti-Reflective)格子と称される多数の微細な凸部(突起)が形成されたものである。
図6は、従来の製造方法により製造された導光板と反射防止層を備えたフロントライトが設けられた液晶表示装置の断面構成図であり、この図に示す液晶表示装置100は、液晶パネル120と、この液晶パネル120の前面側に配設されたフロントライト110とから構成されている。
フロントライト110は、平板状の導光板112と、この導光板112の側端面112aに配設された棒状の光源113とを備えて構成されており、光源113から出射された光を導光板112の側端面112aから導光板112内へ導入し、この光を導光板112の反射面112cで反射させることにより光の伝搬方向を変え、導光板112の出射面112bから液晶パネル120へ向けて照射するようになっている。反射面112cには、断面くさび型の微細な凹部(溝)115が多数形成されている。
また、上記出射面112bには、反射防止層117が形成されており、導光板112内部を伝搬する光を効率よく液晶パネル120側へ取り出すことができるようになっており、また、反射型の液晶パネル120からの反射光が導光板112表面で反射して減衰するのを防ぐことができるようになっている。反射防止層117は、表面にAR(Anti-Reflective)格子と称される多数の微細な凸部(突起)が形成されたものである。
上記のような導光板112や反射防止層117などのようにサブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が多数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品の従来の製造方法としては、キャビティ空間に上記微細凹凸形成面と逆の凹凸形状が形成されたNi電鋳型を用い、キャビティ空間に光学部品材料のシリコン系樹脂等を射出する射出成形法が採用されていた(例えば、特許文献1、2、3参照)。
上記のNi電鋳型を作製するには、前記樹脂製光学部品の外形と同じ凹凸形状のマスター型を用い、このマスター型の表面にニッケル等の金属めっきを行った後、離型すると、マスター型表面の凹凸形状と凹凸が逆の凹凸形状を有する型面を備えた電鋳型が得られる。あるいは、この電鋳型に金属めっき処理後、離型する工程を1回以上行った電鋳型を成形に用いる場合もある。
また、従来のマスター型の作製方法としては、ガラス基板を原盤とし、このガラス基板上に電子ビーム描画法やレーザー干渉法により凹凸形状を形成している。
特開平6−201908号公報
特開2002−372603号公報
特開2003−154555号公報
上記のNi電鋳型を作製するには、前記樹脂製光学部品の外形と同じ凹凸形状のマスター型を用い、このマスター型の表面にニッケル等の金属めっきを行った後、離型すると、マスター型表面の凹凸形状と凹凸が逆の凹凸形状を有する型面を備えた電鋳型が得られる。あるいは、この電鋳型に金属めっき処理後、離型する工程を1回以上行った電鋳型を成形に用いる場合もある。
また、従来のマスター型の作製方法としては、ガラス基板を原盤とし、このガラス基板上に電子ビーム描画法やレーザー干渉法により凹凸形状を形成している。
しかしながらNi電鋳型を用いる従来の樹脂製光学部品の製造方法においては、上記微細凹凸形成面の微細な凸部又は凹部がサブミクロンオーダーの樹脂製光学部品を製造しようとすると、上記マスター型の凹凸形状をNi電鋳型に転写する精度が悪く、また、上記マスター型からNi電鋳型を離型するときの離型性が悪いため、従って最終的に得られる樹脂製光学部品の寸法精度が低下してしまう。
また、Ni電鋳型から樹脂射出成形物(樹脂製光学部品)を離型するときの離型性が悪いため製造効率を向上できないという問題があった。
また、Ni電鋳型は1回以上の電鋳工程を行って作製されたものであるので、型の表面にハンドリングによる異物が付着し易く、この異物付着に起因して最終的に得られる樹脂製光学部品の寸法精度が低下してしまう。
なお、表面に凹凸を形成したガラス基板やシリコン基板を直接型として使用しようとしても、これらの基板は射出成形時の樹脂圧により劣化したり、壊れてしまうために、型として用いることはできなかった。また、射出成形に一般的に用いられる金属製型の場合は、型面の精度が悪いためにサブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が精度良く形成することができず、また、金属製であると磁性を帯びるために、電子ビーム描画法で凹凸形状を精度良く形成するのが困難であった。
また、Ni電鋳型から樹脂射出成形物(樹脂製光学部品)を離型するときの離型性が悪いため製造効率を向上できないという問題があった。
また、Ni電鋳型は1回以上の電鋳工程を行って作製されたものであるので、型の表面にハンドリングによる異物が付着し易く、この異物付着に起因して最終的に得られる樹脂製光学部品の寸法精度が低下してしまう。
なお、表面に凹凸を形成したガラス基板やシリコン基板を直接型として使用しようとしても、これらの基板は射出成形時の樹脂圧により劣化したり、壊れてしまうために、型として用いることはできなかった。また、射出成形に一般的に用いられる金属製型の場合は、型面の精度が悪いためにサブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が精度良く形成することができず、また、金属製であると磁性を帯びるために、電子ビーム描画法で凹凸形状を精度良く形成するのが困難であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造でき、しかも樹脂射出成形物を離型するときの離型性を向上できる樹脂製光学部品成形用型を提供することをを目的の一つとする。
また、本発明は、サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造でき、しかも製造効率を向上できる樹脂製光学部品の製造方法を提供することを目的の一つとする。
また、本発明は、サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造でき、しかも製造効率を向上できる樹脂製光学部品の製造方法を提供することを目的の一つとする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明に係わる微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型は、光透過性樹脂を射出成形してサブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成型するための型であって、
サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成形するためのキャビティ空間を画定する第1の母型及び第2の母型とが備えられ、前記第1の母型と第2の母型の少なくとも一方の内面にマスター型が設けられ、該マスター型は前記一方の母型の内面側の非磁性セラミック基体と、該基体上に形成されたSiO2膜からなり、該SiO2膜の前記非磁性セラミック基体と反対側の表面に、前記樹脂製光学部品の微細凹凸形成面と逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面が設けられたことを特徴とする。
本発明に係わる微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型は、光透過性樹脂を射出成形してサブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成型するための型であって、
サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成形するためのキャビティ空間を画定する第1の母型及び第2の母型とが備えられ、前記第1の母型と第2の母型の少なくとも一方の内面にマスター型が設けられ、該マスター型は前記一方の母型の内面側の非磁性セラミック基体と、該基体上に形成されたSiO2膜からなり、該SiO2膜の前記非磁性セラミック基体と反対側の表面に、前記樹脂製光学部品の微細凹凸形成面と逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面が設けられたことを特徴とする。
本発明に用いられるマスター型は、非磁性セラミック基体上にSiO2膜を積層し、このSiO2膜の表面に電子ビーム描画法により凹凸を形成することにより微細凹凸形成面を設けることができるので、電鋳工程を行わなくても成形用型とすることができ、型表面にハンドリングによる異物の付着を防止でき、異物付着に起因する樹脂製光学部品の寸法精度の劣化を改善することができる。
また、SiO2膜の下層のセラミック基体は非磁性であるので、SiO2膜の表面に凹凸を形成する方法として電子ビーム描画法を用いても、樹脂製光学部品の微細凹凸形成面と逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面を寸法精度良く形成することができる。
また、マスター型を構成する非磁性セラミック基体は、ガラス基板やリコン基板に比べて射出成形時の樹脂圧に対する耐性が良いため、射出成形時の劣化や破壊を防止できる。
また、本発明の樹脂製光学部品成形用型では、前記第1の母型と第2の母型の少なくとも一方の内面に上記非磁性セラミック基体とSiO2膜からなるマスター型が設けられたことにより、樹脂製光学部品の製造の際にはキャビティ空間に光透過性樹脂を射出すれば、このマスター型のSiO2膜の表面に設けられた微細凹凸形成面の凹凸形状が樹脂射出成形物(樹脂製光学部品)に直接転写でき、しかも転写のときに形状が崩れることもないので、従来のようにマスター型の凹凸形状を転写したNi電鋳型に比べてサブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造できる。
また、本発明に用いられるマスター型の光透過性樹脂と接触する側はSiO2膜であるので、樹脂射出成形物から離型するときの離型性も良好とすることができる。
また、SiO2膜の下層のセラミック基体は非磁性であるので、SiO2膜の表面に凹凸を形成する方法として電子ビーム描画法を用いても、樹脂製光学部品の微細凹凸形成面と逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面を寸法精度良く形成することができる。
また、マスター型を構成する非磁性セラミック基体は、ガラス基板やリコン基板に比べて射出成形時の樹脂圧に対する耐性が良いため、射出成形時の劣化や破壊を防止できる。
また、本発明の樹脂製光学部品成形用型では、前記第1の母型と第2の母型の少なくとも一方の内面に上記非磁性セラミック基体とSiO2膜からなるマスター型が設けられたことにより、樹脂製光学部品の製造の際にはキャビティ空間に光透過性樹脂を射出すれば、このマスター型のSiO2膜の表面に設けられた微細凹凸形成面の凹凸形状が樹脂射出成形物(樹脂製光学部品)に直接転写でき、しかも転写のときに形状が崩れることもないので、従来のようにマスター型の凹凸形状を転写したNi電鋳型に比べてサブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造できる。
また、本発明に用いられるマスター型の光透過性樹脂と接触する側はSiO2膜であるので、樹脂射出成形物から離型するときの離型性も良好とすることができる。
上記マスター型は着脱自在に上記第1の母型と第2の母型の少なくとも一方の内面に設けられることが好ましい。
上記マスター型の非磁性セラミック基体は、機械的強度が6×10−3パスカル以上(600kg/cm2 以上)であることが、射出成形時の樹脂圧に対する耐性が優れるため、射出成形時の劣化や破壊を防止できる点で好ましい。
上記マスター型の非磁性セラミック基体は、少なくともSiO2膜側の表面粗さRa(中心線平均粗さ)が5nm以下であることが基板表面の平坦性を優れたものとすることができ、この非磁性セラミック基体上に形成されるSiO2膜に非磁性セラミック基体の表面形状による悪影響が及ぶのを防止でき、寸法精度が優れた微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成形できる点で好ましい。
例えば、表面にAR格子(多数の微細な凸部)が形成された反射防止層は形状の均一性(凸部の高さ、ピッチ、断面形状の均一性)を有することが重要であるが、マスター型の非磁性セラミック基体の表面粗さRaが5nmより大きいと、この非磁性セラミック基体の表面の凹凸の影響でSiO2膜に凹凸が生じ、寸法精度が優れた微細凹凸形成面を形成できず、その結果としてAR格子の形状にバラツキが生じ、反射防止効果が低減し、光の散乱が生じてしまう。
上記マスター型の非磁性セラミック基体は、機械的強度が6×10−3パスカル以上(600kg/cm2 以上)であることが、射出成形時の樹脂圧に対する耐性が優れるため、射出成形時の劣化や破壊を防止できる点で好ましい。
上記マスター型の非磁性セラミック基体は、少なくともSiO2膜側の表面粗さRa(中心線平均粗さ)が5nm以下であることが基板表面の平坦性を優れたものとすることができ、この非磁性セラミック基体上に形成されるSiO2膜に非磁性セラミック基体の表面形状による悪影響が及ぶのを防止でき、寸法精度が優れた微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成形できる点で好ましい。
例えば、表面にAR格子(多数の微細な凸部)が形成された反射防止層は形状の均一性(凸部の高さ、ピッチ、断面形状の均一性)を有することが重要であるが、マスター型の非磁性セラミック基体の表面粗さRaが5nmより大きいと、この非磁性セラミック基体の表面の凹凸の影響でSiO2膜に凹凸が生じ、寸法精度が優れた微細凹凸形成面を形成できず、その結果としてAR格子の形状にバラツキが生じ、反射防止効果が低減し、光の散乱が生じてしまう。
上記マスター型の非磁性セラミック基体は、Al2O3・TiC又はAl2O3から構成することが、機械的強度を6×10−3Pa以上とすることができ、射出成形時の樹脂圧に対する耐性が優れるため、射出成形時の劣化や破壊を防止できる点で好ましい。
上記マスター型の非磁性セラミック基体とSiO2膜との間に中間層が設けられ、該中間層はAl2O3 又はTiO2からなることが、非磁性セラミック基体とSiO2膜の密着性を向上でき、本発明の樹脂製光学部品成形用型を用いて樹脂製光学部品の連続成形を行ってもSiO2膜が剥がれにくい。
上記中間層の厚さは、0.2μmを超えて5μm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上3μm以下が望ましい。上記中間層の厚みが0.2μm以下であると、非磁性セラミック基体とSiO2膜の密着力が小さいため、樹脂製光学部品の連続成形回数が多くなる(例えば、数万ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまう。上記中間層の厚みが5μm以上であると、中間層成膜時の内部歪みにより、樹脂製光学部品の連続成形回数が多くなる(例えば、数万ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまう。
上記中間層の厚さは、0.2μmを超えて5μm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上3μm以下が望ましい。上記中間層の厚みが0.2μm以下であると、非磁性セラミック基体とSiO2膜の密着力が小さいため、樹脂製光学部品の連続成形回数が多くなる(例えば、数万ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまう。上記中間層の厚みが5μm以上であると、中間層成膜時の内部歪みにより、樹脂製光学部品の連続成形回数が多くなる(例えば、数万ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまう。
また、本発明の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品の製造方法は、サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成形用型を用いた射出成形法により製造する方法であって、
前記成形用型として上記いずれかの構成の本発明の樹脂製光学部品成形用型を用い、該型のキャビティ空間に光透過性樹脂を射出成形して前記マスター型のSiO2膜の表面に設けられた微細凹凸形成面の微細凹凸形状を樹脂製光学部品に転写することを特徴とする。
かかる構成の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品の製造方法によれば、サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造できる。
また、樹脂射出成形物を離型するときの離型性も向上できるので、上記のような樹脂製光学部品を効率良く製造できる。
前記成形用型として上記いずれかの構成の本発明の樹脂製光学部品成形用型を用い、該型のキャビティ空間に光透過性樹脂を射出成形して前記マスター型のSiO2膜の表面に設けられた微細凹凸形成面の微細凹凸形状を樹脂製光学部品に転写することを特徴とする。
かかる構成の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品の製造方法によれば、サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造できる。
また、樹脂射出成形物を離型するときの離型性も向上できるので、上記のような樹脂製光学部品を効率良く製造できる。
本発明によれば、サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造でき、しかも樹脂射出成形物を離型するときの離型性を向上できる樹脂製光学部品成形用型を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品の製造方法により製造された反射防止層が備えられた液晶表示装置の一実施形態を示す断面図である。
この液晶表示装置1は、反射型の液晶パネル20と、その前面側に配設されたフロントライト(照明装置)10とを備えて構成されている。
フロントライト10は、略平板状の透明の導光板12と、この導光板12の側端面(入光面)12aに配設された光源13とを備えて構成されている。導光板12は、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂などの光透過性樹脂から構成され、この導光板12の図示下側(液晶表示ユニット20側)の面は、フロントライト10の照明光が出射される出射面12bとされており、図示上側(液晶表示ユニット20と反対側)の面には、断面視三角波状のプリズム形状が形成されている。より詳細には、出射面12bに対して傾斜して形成された緩斜面部14aと、この緩斜面部14aよりも急な傾斜角度で形成された急斜面部14bとからなる断面視三角形状の複数の凸部14が互いに平行に形成されている。そして、導光板12の出射面12bの下側に反射防止層(樹脂製光学部品)17が形成されている。
図1は、本発明の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品の製造方法により製造された反射防止層が備えられた液晶表示装置の一実施形態を示す断面図である。
この液晶表示装置1は、反射型の液晶パネル20と、その前面側に配設されたフロントライト(照明装置)10とを備えて構成されている。
フロントライト10は、略平板状の透明の導光板12と、この導光板12の側端面(入光面)12aに配設された光源13とを備えて構成されている。導光板12は、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂などの光透過性樹脂から構成され、この導光板12の図示下側(液晶表示ユニット20側)の面は、フロントライト10の照明光が出射される出射面12bとされており、図示上側(液晶表示ユニット20と反対側)の面には、断面視三角波状のプリズム形状が形成されている。より詳細には、出射面12bに対して傾斜して形成された緩斜面部14aと、この緩斜面部14aよりも急な傾斜角度で形成された急斜面部14bとからなる断面視三角形状の複数の凸部14が互いに平行に形成されている。そして、導光板12の出射面12bの下側に反射防止層(樹脂製光学部品)17が形成されている。
導光板12の側端面12aに配設された光源13は、導光板12の側端面12aに沿って設けられた棒状の光源であり、具体的には棒状の導光体13bの両端部にそれぞれ白色LED(Light Emitting Diode)などからなる発光素子13aが配設されている。そして、発光素子13aから出射された光を導光体13bを介して導光板12に導入するようになっている。このように発光素子13aと導光板12との間に棒状の導光体13bを設けることで、点光源である発光素子13aの光を、導光板12の側端面12aに均一に照射することができる。
尚、光源13は、導光板12の側端面12aに光を導入し得るものであれば問題なく用いることができ、例えば導光板12の側端面12aに沿って発光素子を並べた構成であっても良い。また、発光素子13aが1つのみ備えられた構成であっても良い。
尚、光源13は、導光板12の側端面12aに光を導入し得るものであれば問題なく用いることができ、例えば導光板12の側端面12aに沿って発光素子を並べた構成であっても良い。また、発光素子13aが1つのみ備えられた構成であっても良い。
上記構成のフロントライト10は、光源13から出射された光を、導光板12の側端面12aから導光板12内部へ導入し、内部を伝搬するこの光を、反射面12cに設けられた凸部14の急斜面部14bで反射させることで光の伝搬方向を変化させ、出射面12bから照明光として出射させるようになっている。
本実施形態に係るフロントライト10の導光板12は、その出射面12b側に、反射防止層17が形成されており、この反射防止層17の表面には、サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が格子状に配列形成されている。
この反射防止層17について、図2と図3を参照して以下に説明する。図2は、反射防止層17の表面形状を模式的に示す部分斜視図である。図3は図2の反射防止層17の部分断面図である。
この反射防止層17について、図2と図3を参照して以下に説明する。図2は、反射防止層17の表面形状を模式的に示す部分斜視図である。図3は図2の反射防止層17の部分断面図である。
反射防止層17の一方の面(導光板側の面)には、直径0.15〜0.4μm程度(あるいは凸部7のピッチが0.15〜0.4μm程度)の多数の微細な凸部7が格子状に配列されて形成されており、幅広い波長域の光を高い透過率で透過させることができるようになっている。上記のような微細な凹凸形状を設けることにより光の反射を防止できるのは、それぞれの凸部が可視領域の波長以下の高さ及び繰り返しピッチで配列形成されているために、入射した光の反射が生じないことによる。反射防止層17の面のうち上記ような微細な凸部7が多数設けられた面を微細凹凸面17aと呼ぶ。反射防止層17は上記微細凹凸面17aが導光板12の出射面12b側となるように配置されている。
そして、このような反射防止層17が設けられていることで、導光板12内部を伝搬する光が出射面12bに入射した際に反射光がほとんど生じず、効率よく液晶パネル20を照明できるようになっている。また、出射面12bの内面側での反射がほとんど生じないことで、出射面12bで反射された光が使用者に到達することにより生じる白化現象を抑え、コントラストを向上させて表示品質を向上させることができる。
また、反射型の液晶パネル20により反射された光が、導光板12の出射面12bに入射する際にも、この反射防止層17が有効に作用し、高い透過率で液晶パネル20の反射光を透過させ、結果として高輝度の表示が得られるようになっている。これは、液晶パネル20の反射光が、導光板12の出射面12bで反射されると表示光の一部が損失されて輝度が低下することとなり、また出射面12bでの反射により導光板12の白化がおこるために表示のコントラストが低下することとなるが、上記導光板12に、反射防止層17が設けられていることで、上記の現象を防止することができるためである。
また、反射型の液晶パネル20により反射された光が、導光板12の出射面12bに入射する際にも、この反射防止層17が有効に作用し、高い透過率で液晶パネル20の反射光を透過させ、結果として高輝度の表示が得られるようになっている。これは、液晶パネル20の反射光が、導光板12の出射面12bで反射されると表示光の一部が損失されて輝度が低下することとなり、また出射面12bでの反射により導光板12の白化がおこるために表示のコントラストが低下することとなるが、上記導光板12に、反射防止層17が設けられていることで、上記の現象を防止することができるためである。
また、凸部7の直径あるいはピッチは0.3μm以下とすることが好ましく、また凸部7の高さHは0.2μm程度以上とすることが好ましい。これは、ピッチPが0.3μmを越えると、導光板に光を入射させた際に色づきが発生するからである。また、凸部7の高さHが0.2μm未満であると、防反射効果が不十分であり、反射率が高くなるからである。
上記凸部7のピッチは、小さくするほど反射防止層17の透過率を高めることができるが、0.13μm以下の極微細な凸部7を、均一な寸法で配列形成するのは困難であり、製造コストの増加の原因となるため、実用的には凸部7のピッチの下限値は、0.20μm程度である。
また、凸部7のアスペクト比(高さHと凸部7のピッチPの比)は、1以上の範囲とされ、好ましくは1以上2以下の範囲である。これは凸部7のアスペクト比が1未満であると、充分な防反射効果が得られないからである。
反射防止層17の材質としては、シリコン系樹脂、アクリル樹脂、ノルボルネン樹脂などの光透過性樹脂が用いられている。
上記凸部7のピッチは、小さくするほど反射防止層17の透過率を高めることができるが、0.13μm以下の極微細な凸部7を、均一な寸法で配列形成するのは困難であり、製造コストの増加の原因となるため、実用的には凸部7のピッチの下限値は、0.20μm程度である。
また、凸部7のアスペクト比(高さHと凸部7のピッチPの比)は、1以上の範囲とされ、好ましくは1以上2以下の範囲である。これは凸部7のアスペクト比が1未満であると、充分な防反射効果が得られないからである。
反射防止層17の材質としては、シリコン系樹脂、アクリル樹脂、ノルボルネン樹脂などの光透過性樹脂が用いられている。
尚、本発明に係る導光板12において、反射防止層17は、出射面12bのみに設けられるものではなく、光源13が配置される側端面12aにも反射防止層を形成しても良い。このような構成とすることで、光源13(導光体13b)から導光板12に光が導入される際の導光板12の側端面12aでの反射も抑えることができるので、光源の利用効率を更に高めて、フロントライト10の輝度を向上させることができる。また、反射防止層17として導光板側の面に微細な凸部7が多数けられた場合について説明したが、導光板側の面にサブミクロンオーダーの微細な凹部が多数設けられたものであってもよい。また、反射防止層17として導光板側の面に微細凹凸面を設けた場合について説明したが、反射防止層17の両面(導光板側の面と液晶パネル側の面)に微細凹凸形成面が設けられていてもよい。
液晶パネル20は、対向して配置された上基板21と下基板22との間に液晶層23が挟持され、この液晶層23が基板21,22の内面側周縁部に沿って額縁状に設けられたシール材24により封止された構成とされている。
上基板21の内面側(下基板22側)には、液晶制御層26が形成されており、下基板22の内面側(上基板21側)には、フロントライト10の照明光や外光を反射させるための金属薄膜を有する反射層27が形成され、この反射層27上に液晶制御層28が形成されている。
液晶制御層26,28は、液晶層23を駆動制御するための電極や、配向膜等を含んで構成されており、上記電極をスイッチングするための半導体素子等も含むものである。また、場合によってはカラー表示のためのカラーフィルタを備えていてもよい。そして、図1に示すように、下基板22側の液晶制御層28が、シール材24を越えて外側まで延長されて形成され、その先端部28aにおいて、フレキシブル基板29aと接続されている。尚、上基板21側の液晶制御層26は、フレキシブル基板(図示略)と接続されている。
反射層27は、液晶表示パネル20に入射した外光やフロントライト10の照明光を反射させるためのアルミニウムや銀などの高反射率の金属薄膜からなる反射膜を備えるものであり、特定の方向で反射光が強くなり液晶表示装置の視認性が低下するのを防止するための光散乱手段を備えることが好ましい。この光散乱手段としては、金属反射膜に微細凹凸形状を付与したものや、樹脂膜中に樹脂膜を構成する材料と異なる屈折率の樹脂ビーズを分散させた散乱膜等を用いることができる。
上基板21の内面側(下基板22側)には、液晶制御層26が形成されており、下基板22の内面側(上基板21側)には、フロントライト10の照明光や外光を反射させるための金属薄膜を有する反射層27が形成され、この反射層27上に液晶制御層28が形成されている。
液晶制御層26,28は、液晶層23を駆動制御するための電極や、配向膜等を含んで構成されており、上記電極をスイッチングするための半導体素子等も含むものである。また、場合によってはカラー表示のためのカラーフィルタを備えていてもよい。そして、図1に示すように、下基板22側の液晶制御層28が、シール材24を越えて外側まで延長されて形成され、その先端部28aにおいて、フレキシブル基板29aと接続されている。尚、上基板21側の液晶制御層26は、フレキシブル基板(図示略)と接続されている。
反射層27は、液晶表示パネル20に入射した外光やフロントライト10の照明光を反射させるためのアルミニウムや銀などの高反射率の金属薄膜からなる反射膜を備えるものであり、特定の方向で反射光が強くなり液晶表示装置の視認性が低下するのを防止するための光散乱手段を備えることが好ましい。この光散乱手段としては、金属反射膜に微細凹凸形状を付与したものや、樹脂膜中に樹脂膜を構成する材料と異なる屈折率の樹脂ビーズを分散させた散乱膜等を用いることができる。
以上の構成の本実施形態の液晶表示装置1は、外光が十分に得られる環境では、外光を利用した反射表示を行うことができ、外光が得られない環境においては、フロントライト10を点灯させ、導光板12の出射面12bから出射される光を照明光として表示を行うことができるようになっている。
そして、フロントライト10の導光板12に反射防止層17が設けられていることで、光源13から導光板12内部に導入された光を効率よく出射面12bから取り出すことができるので、液晶パネル20に入射する照明光量を高めて高輝度の表示を行うことができる。
さらには、上記液晶パネル20に入射した光は、下基板22の反射層27により反射されて再び導光板12に入射し、この導光板12を透過して使用者に到達するようになっているが、本実施形態の液晶表示装置1では、上記導光板12に反射防止層17が設けられていることで、液晶パネル20からの反射光が導光板の出射面12bでほとんど反射されずに使用者に到達する。従って、導光板12の出射面12bで反射されて表示光の輝度が低下するのを防止し、又、出射面12bで反射が生じることによる導光板12の白化も防止できるので、高輝度で高コントラストの表示を得ることができる。
そして、フロントライト10の導光板12に反射防止層17が設けられていることで、光源13から導光板12内部に導入された光を効率よく出射面12bから取り出すことができるので、液晶パネル20に入射する照明光量を高めて高輝度の表示を行うことができる。
さらには、上記液晶パネル20に入射した光は、下基板22の反射層27により反射されて再び導光板12に入射し、この導光板12を透過して使用者に到達するようになっているが、本実施形態の液晶表示装置1では、上記導光板12に反射防止層17が設けられていることで、液晶パネル20からの反射光が導光板の出射面12bでほとんど反射されずに使用者に到達する。従って、導光板12の出射面12bで反射されて表示光の輝度が低下するのを防止し、又、出射面12bで反射が生じることによる導光板12の白化も防止できるので、高輝度で高コントラストの表示を得ることができる。
(反射防止層の製造方法)
次に、上記本実施形態に係る反射防止層の製造方法について、以下に説明する。
図1に示す反射防止層17は、図4〜図5に示す反射防止層成形用型(樹脂製光学部品成形用型)を用いる射出成形により製造することができる。図4は、反射防止層成形用型30の概略構成を示す断面図であり、図5は、図4のマスター型を示す部分拡大図である。
この反射防止層成形用型30は、反射防止層17を成形するためのキャビティ空間35を画定する第1の母型30a及び第2の母型30bとが備えられ、第1の母型30aの内面31aにマスター型36が配置され、第2の母型30bの内面31bは反射防止層17の微細凹凸形成面17aと反対側の面を成形する面とされている。また、第1の母型30aと第2の母型30bの側端には型内に反射防止層17の構成材料のシリコン系樹脂を注入する射出口32が形成されている。
マスター型36は、母型30aの内面側のセラミック基体36cと、該基体36c上に形成されたSiO2膜36dからなり、該SiO2膜36dの非磁性セラミック基体36cと反対側(キャビティ空間35側)の表面に、反射防止層17の微細凹凸形成面17aと逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面36aが形成されている。
第1の母型30aと第2の母型30bの材質としては、シリコンウエハ等のセラミックスが用いられる。
次に、上記本実施形態に係る反射防止層の製造方法について、以下に説明する。
図1に示す反射防止層17は、図4〜図5に示す反射防止層成形用型(樹脂製光学部品成形用型)を用いる射出成形により製造することができる。図4は、反射防止層成形用型30の概略構成を示す断面図であり、図5は、図4のマスター型を示す部分拡大図である。
この反射防止層成形用型30は、反射防止層17を成形するためのキャビティ空間35を画定する第1の母型30a及び第2の母型30bとが備えられ、第1の母型30aの内面31aにマスター型36が配置され、第2の母型30bの内面31bは反射防止層17の微細凹凸形成面17aと反対側の面を成形する面とされている。また、第1の母型30aと第2の母型30bの側端には型内に反射防止層17の構成材料のシリコン系樹脂を注入する射出口32が形成されている。
マスター型36は、母型30aの内面側のセラミック基体36cと、該基体36c上に形成されたSiO2膜36dからなり、該SiO2膜36dの非磁性セラミック基体36cと反対側(キャビティ空間35側)の表面に、反射防止層17の微細凹凸形成面17aと逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面36aが形成されている。
第1の母型30aと第2の母型30bの材質としては、シリコンウエハ等のセラミックスが用いられる。
セラミック基体36としては非磁性のものが用いられる。セラミック基体36が磁性を帯びたものであると、SiO2膜の表面に凹凸を形成する方法として電子ビーム描画法を用いたときに、樹脂製光学部品の微細凹凸形成面と逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面を精度良く形成することができない。
非磁性セラミック基体36cは、機械的強度が6×10−3Pa以上(600kg/cm2 以上)であることが好ましく、より好ましくは機械的強度が7×10−3Pa以上(700kg/cm2 以上)とされる。
非磁性セラミック基体36cの機械的強度が6×10−3Pa未満であると、射出成形時の樹脂圧に対する耐性が不十分で、射出成形時に劣化や破損が生じてしまう。
非磁性セラミック基体36cは、機械的強度が6×10−3Pa以上(600kg/cm2 以上)であることが好ましく、より好ましくは機械的強度が7×10−3Pa以上(700kg/cm2 以上)とされる。
非磁性セラミック基体36cの機械的強度が6×10−3Pa未満であると、射出成形時の樹脂圧に対する耐性が不十分で、射出成形時に劣化や破損が生じてしまう。
非磁性セラミック基体36cは、少なくともSiO2膜側の表面粗さRa(中心線平均粗さ)が5nm以下であることが好ましく、より好ましくは表面粗さRaが2nm以上4nm以下とされる。
非磁磁性セラミック基体36cのSiO2膜側の表面粗さRaが5nmを超えると、非磁性セラミック基体の表面の凹凸の影響でこの上に形成したSiO2膜にも凹凸が生じ、寸法精度が優れた微細凹凸形成面を形成できず、その結果として反射防止層成形用型を用いて形成した反射防止層の微細凹凸形成面の形状にバラツキが生じ、反射防止効果が低減し、光の散乱が生じてしまう。
非磁性セラミック基体36cは、Al2O3・TiC(アルチック)又はAl2O3から構成することが、機械的強度を6×10−3Pa以上とすることができ、射出成形時の樹脂圧に対する耐性が優れるため、射出成形時の劣化や破壊を防止できる点で好ましい。
非磁磁性セラミック基体36cのSiO2膜側の表面粗さRaが5nmを超えると、非磁性セラミック基体の表面の凹凸の影響でこの上に形成したSiO2膜にも凹凸が生じ、寸法精度が優れた微細凹凸形成面を形成できず、その結果として反射防止層成形用型を用いて形成した反射防止層の微細凹凸形成面の形状にバラツキが生じ、反射防止効果が低減し、光の散乱が生じてしまう。
非磁性セラミック基体36cは、Al2O3・TiC(アルチック)又はAl2O3から構成することが、機械的強度を6×10−3Pa以上とすることができ、射出成形時の樹脂圧に対する耐性が優れるため、射出成形時の劣化や破壊を防止できる点で好ましい。
SiO2膜36dの微細凹凸形成面36aは、サブミクロンオーダーの微細な凹部37を複数有し、しかもこれら凹部37が格子状に配列されたものである。凹部37の径あるいはピッチP2は、反射防止層17の凸部7の径あるいはピッチPと略同じ大きさの0.15〜0.4μm、好ましくは0.3μm以下とされる。 また、凹部37の高さH2は、凸部7の高さHと略同じ大きさの0.2μm以上とされる。また、凹部37のアスペクト比(深さと凹部7のピッチの比)は、凸部7のアスペクト比と略同じ大きさの1以上の範囲とされ、さらに好ましくは1以上2以下の範囲とされる。
SiO2膜36dの膜厚は、0.3μm〜0.6μm程度とすることが好ましい。
微細凹凸形成面36aを有するSiO2膜36dの形成方法は、非磁性セラミック基体36c上にスパッタ等の成膜法によりSiO2膜を形成した後、このSiO2膜の非磁性セラミック基体36c側と反対側の表面に電子ビーム描画法やレーザーによる干渉法により微細凹凸形状を形成することにより形成できる。
SiO2膜36dの膜厚は、0.3μm〜0.6μm程度とすることが好ましい。
微細凹凸形成面36aを有するSiO2膜36dの形成方法は、非磁性セラミック基体36c上にスパッタ等の成膜法によりSiO2膜を形成した後、このSiO2膜の非磁性セラミック基体36c側と反対側の表面に電子ビーム描画法やレーザーによる干渉法により微細凹凸形状を形成することにより形成できる。
このような反射防止層成形用型30を用いて反射防止層17を作製するには、反射防止層成形用型30を射出成型機にセットして、射出口32から溶融した反射防止層17の材料のシリコン系樹脂等の光透過性樹脂を射出成形圧力400kg/cm2〜500kg/cm2で射出して樹脂射出成形物を成型すると、マスター型36に備えられたSiO2膜36dに形成された微細凹凸形成面36aの微細凹凸形状が転写された樹脂射出成形物を成形でき、この後、離型すると目的とする反射防止層17が得られる。
本実施形態の反射防止層の製造方法によれば、上記のような構成の反射防止層成形用型30を用いて射出成形するので、マスター型36に備えられたSiO2膜36dの微細凹凸形成面36aの凹凸形状が樹脂射出成形物に直接転写でき、しかも転写のときに形状が崩れることもないので、従来のようにマスター型の凹凸形状を転写したNi電鋳型に比べてサブミクロンオーダーの微細な凸部7が複数形成された微細凹凸形成面17aを有する反射防止層17を寸法精度良く製造できる。
また、マスター型36を無機酸化物から構成したので、樹脂射出成形物を離型するときの離型性も良好となり、反射防止層17を効率良く製造できる。特に、保護膜38で被覆されたマスター型36を用いることにより、反射防止層成形用型30のメンテナンスの際に用いる洗浄剤によってマスター型36の微細凹凸形成面36aの形状が劣化するのを防止でき、型としての寿命が長くなる。
また、マスター型36を無機酸化物から構成したので、樹脂射出成形物を離型するときの離型性も良好となり、反射防止層17を効率良く製造できる。特に、保護膜38で被覆されたマスター型36を用いることにより、反射防止層成形用型30のメンテナンスの際に用いる洗浄剤によってマスター型36の微細凹凸形成面36aの形状が劣化するのを防止でき、型としての寿命が長くなる。
また、反射防止層成形用型30において、第2の母型30bの内面31bにも上記のようなマスター型36と同様のマスター型を配置し、このような反射防止層形成型を用いて射出成形すれば、両面(導光板側の面と液晶パネル側の面)に微細凹凸形成面が形成された反射防止層を作製できる。
なお、上記実施形態においては、マスター型36が非磁性セラミック基体36cと該基体36c上に形成されたSiO2膜36dから構成された場合について説明したが、図5に示すように非磁性セラミック基体36cとSiO2膜36dとの間にAl2O3 又はTiO2からなる中間層36eが設けられたマスター型46であってもよい。
中間層36eの厚さは、0.2μmを超えて5μm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上3μm以下が望ましい。
中間層36eの厚みが0.2μm以下であると、非磁性セラミック基体とSiO2膜の密着力が小さいため、樹脂製光学部品の連続成形回数が多くなる(例えば、数万ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまう。中間層36eの厚みが5μm以上であると、中間層成膜時の内部歪みにより、反射防止層の連続成形回数が多くなる(例えば、数万ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまう。
マスター型46は、非磁性セラミック基体36cとSiO2膜36cとの間にAl2O3 又はTiO2からなる中間層36eが介在されたことにより、非磁性セラミック基体36cとSiO2膜の密着性を向上できるので、このようなマスター型46が備えられた反射防止層成形用型を用いて反射防止層の連続成形を行ってもSiO2膜が剥がれにくいという利点がある。
中間層36eの厚さは、0.2μmを超えて5μm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上3μm以下が望ましい。
中間層36eの厚みが0.2μm以下であると、非磁性セラミック基体とSiO2膜の密着力が小さいため、樹脂製光学部品の連続成形回数が多くなる(例えば、数万ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまう。中間層36eの厚みが5μm以上であると、中間層成膜時の内部歪みにより、反射防止層の連続成形回数が多くなる(例えば、数万ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまう。
マスター型46は、非磁性セラミック基体36cとSiO2膜36cとの間にAl2O3 又はTiO2からなる中間層36eが介在されたことにより、非磁性セラミック基体36cとSiO2膜の密着性を向上できるので、このようなマスター型46が備えられた反射防止層成形用型を用いて反射防止層の連続成形を行ってもSiO2膜が剥がれにくいという利点がある。
また、マスター型36又はマスター型46に備えられたSiO2膜36dの微細凹凸形成面36aには、耐液性材料からなる保護膜が被覆されていてもよい。その場合、この保護膜の表面には、SiO2膜36dの微細凹凸形成面36aと同様の凹凸形状が形成されている。
上記保護膜に用いる耐液性材料としては、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、TiO2 等の酸化物が用いられる。
また、上記保護膜の材質としてはニッケル等の金属膜であってもよく、その場合には、マスター型36又は46の表面改質が可能となり、離型性をさらに向上できる。
上記保護膜は、スパッタ法などの成膜法により形成される。
上記保護膜の厚さとしては50nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは30nm以下とされる。
上記のような保護膜の成膜方法としては、DLC等の酸化物膜の場合、スパッタ法を採用することができる。
上記保護膜に用いる耐液性材料としては、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、TiO2 等の酸化物が用いられる。
また、上記保護膜の材質としてはニッケル等の金属膜であってもよく、その場合には、マスター型36又は46の表面改質が可能となり、離型性をさらに向上できる。
上記保護膜は、スパッタ法などの成膜法により形成される。
上記保護膜の厚さとしては50nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは30nm以下とされる。
上記のような保護膜の成膜方法としては、DLC等の酸化物膜の場合、スパッタ法を採用することができる。
なお、上記実施形態においては樹脂製光学部品成形用型を用いて反射防止層を製造する場合について説明したが、本発明の樹脂製光学部品の製造方法は、導光板12を製造する場合にも適用でき、その場合に用いる導光板成形用型としては、導光板12の微細凹凸形成面(複数の凸部14が形成されている面であり、図1では反射面12c)と逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面を有するマスター型が第1の母型又は第2の母型の一方の内面に備えられ、他方の母型の内面に導光板12の出射面12bを成形する面が形成されたものを用いて射出成形すれば、導光板12を製造することができる。
本出願人は本発明のマスター型の機械的強度を確認するため検証を行った。検証にあたっては、反射防止層成形用型の第1の母型の内面に配置される型として5種類の型を用意した。ここで用意した型は基体の材質が異なる4種類のマスター型(基体と、該基体上に微細凹凸形成面を有するSiO2膜を形成したもの)と、Ni電鋳型(従来タイプ)を用意した。即ち、基体の材質が異なる4種類のマスター型としては、基体がAl2O3・TiCからなるマスター型、基体がステンレス鋼からなるマスター型、基体がSiからなるマスター型、基体がSiO2からなるマスター型を用意した。
第1の母型の内面に上記用意した型を配置した反射防止層成形用型を射出成型機にセットして、射出口から溶融した反射防止層の材料のシリコン系樹脂を射出して樹脂射出成形物を成型し、上記型の表面に形成された微細凹凸形成面の微細凹凸形状が転写された樹脂射出成形物を成形下後、離型し反射防止層を形成した。この際、第1の母型の内面に配置した型の機械的強度を調べた。その結果を下記表1に示す。
また、本出願人は本発明のマスター型の基体の磁性と、この基体上に設けられたSiO2膜の電子ビーム描画法により形成された微細凹凸形成面への影響を確認するため検証を行った。検証にあたっては、反射防止層成形用型の第1の母型の内面に配置されるマスター型として上記と同様の4種類のマスター型を用意した。各マスター型のSiO2膜表面の微細凹凸形成面の寸法精度について調べた。その結果を下記表2に示す。
また、本出願人は本発明のマスター型の基体の表面平坦性を確認するため検証を行った。検証にあたっては、反射防止層成形用型の第1の母型の内面に配置されるマスター型として上記と同様の4種類のマスター型を用意した。各マスター型の基体の表面平坦性について調べた。その結果を下記表3に示す。Al2O3・TiCからなる基体の表面粗さRaは3nm、Siからなる基体の表面粗さRaは2nm、ステンレス鋼からなる基体の表面粗さRaは5nmであった。
表1に示す結果から基体の材質としてSiやSiO2を用いたマスター型は、射出成型圧力が100kg/cm2より小さくても、基体に破損が生じたことがわかる。
これに対して基体の材質としてAl2O3・TiCを用いたマスター型は射出成型圧力が900kg/cm2でも、基体に破損が生じておらず、機械的強度が優れることがわかる。
また、表2に示す結果から基体の材質としてAl2O3・TiCを用いたマスター型は、基体上に設けられたSiO2膜表面に電子ビーム描画法により形成された微細凹凸形状の寸法精度が良好であることがわかる。
また、表3に示す結果から基体の材質としてAl2O3・TiCを用いたマスター型は、基体表面が平坦であることから、この基体上にスパッタ法により形成されるSiO2膜表面も平坦とすることができ、このSiO2膜の表面に電子ビーム描画法により精度良く凹凸形状を形成できることがわかる。
は、
これに対して基体の材質としてAl2O3・TiCを用いたマスター型は射出成型圧力が900kg/cm2でも、基体に破損が生じておらず、機械的強度が優れることがわかる。
また、表2に示す結果から基体の材質としてAl2O3・TiCを用いたマスター型は、基体上に設けられたSiO2膜表面に電子ビーム描画法により形成された微細凹凸形状の寸法精度が良好であることがわかる。
また、表3に示す結果から基体の材質としてAl2O3・TiCを用いたマスター型は、基体表面が平坦であることから、この基体上にスパッタ法により形成されるSiO2膜表面も平坦とすることができ、このSiO2膜の表面に電子ビーム描画法により精度良く凹凸形状を形成できることがわかる。
は、
なお、Ni電鋳型や、基体の材質としてステンレス鋼を用いたマスター型は、射出成型圧力が1000kg/cm2 より大きくなっても破損が生じておらず、機械的強度が優れるが、ステンレス鋼を用いたマスター型は表2に示すように基体上に設けられたSiO2膜表面に形成された微細凹凸形状の寸法精度が悪く、また、表3に示すように基体の表面平坦性に問題があり、表面に凹凸が生じることがわかる。また、従来のNi電鋳型は、表面の微細凹凸形状の寸法精度が悪く、また、異物付着の問題がある。
表1〜表3の結果から600kg/cm2以上の圧力に対する耐性があり、非磁性体で、基体表面粗さRaが5nm以下である基体の材質は、Al2O3・TiC
であることがわかる。
表1〜表3の結果から600kg/cm2以上の圧力に対する耐性があり、非磁性体で、基体表面粗さRaが5nm以下である基体の材質は、Al2O3・TiC
であることがわかる。
また、本出願人は本発明のマスター型として非磁性セラミック基体とSiO2膜との間に中間層を介在させたものを用いる場合の中間層厚さと、非磁性セラミック基体とSiO2膜の密着性を確認するため検証を行った。検証にあたっては、反射防止層成形用型の第1の母型の内面に配置されるマスター型として非磁性セラミック基体とSiO2膜との間に中間層を介在させたものを用い、中間層の材質としてAl2O3 、TiO2の2種を用い、これら2種の中間層について厚さを0μmから5μmの範囲で7段階(0μm、0.2μm、0.5μm、1.1μm、1.5μm、3μm、5μm)に変えた。
第1の母型の内面に上記用意したマスター型を配置した反射防止層成形用型を射出成型機にセットして、射出口から溶融した反射防止層の材料のシリコン系樹脂を射出して樹脂射出成形物を成型し、上記型の表面に形成された微細凹凸形成面の微細凹凸形状が転写された樹脂射出成形物を成形下後、離型し反射防止層を形成した。このような成形を連続的に行ったときのSiO2膜の剥離の有無を調べた。
その結果を下記表4に示す。
第1の母型の内面に上記用意したマスター型を配置した反射防止層成形用型を射出成型機にセットして、射出口から溶融した反射防止層の材料のシリコン系樹脂を射出して樹脂射出成形物を成型し、上記型の表面に形成された微細凹凸形成面の微細凹凸形状が転写された樹脂射出成形物を成形下後、離型し反射防止層を形成した。このような成形を連続的に行ったときのSiO2膜の剥離の有無を調べた。
その結果を下記表4に示す。
表4に示した結果から中間層の厚さが0.2μm以下であると、非磁性セラミック基体とSiO2膜の密着力が小さいため、反射防止層の連続成形回数が多くなる(中間層の材質がAl2O3の場合は42000ショット以上、TiO2の場合は35000ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまうことがわかる。
また、中間層の厚さが5μm以上であると、中間層成膜時の内部歪みにより、反射防止層の連続成形回数が多くなる(中間層の材質がAl2O3の場合は56000ショット以上、TiO2の場合は48000ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまうことがわかる。
中間層の厚さが0.5μm以上3μm以下であると、反射防止層の連続成形回数が100000ショットになってもSiO2膜の剥離がなく、非磁性セラミック基体とSiO2膜の密着力が優れていることがわかる。
上記結果から、中間層の厚さは0.2μmを超えて5μm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上3μm以下とした。
また、中間層の厚さが5μm以上であると、中間層成膜時の内部歪みにより、反射防止層の連続成形回数が多くなる(中間層の材質がAl2O3の場合は56000ショット以上、TiO2の場合は48000ショット以上になる)と、SiO2膜の剥離が生じてしまうことがわかる。
中間層の厚さが0.5μm以上3μm以下であると、反射防止層の連続成形回数が100000ショットになってもSiO2膜の剥離がなく、非磁性セラミック基体とSiO2膜の密着力が優れていることがわかる。
上記結果から、中間層の厚さは0.2μmを超えて5μm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上3μm以下とした。
1・・・液晶表示装置、7・・・凸部、10・・・フロントライト(照明装置)、12・・・導光板(樹脂製光学部品)、12a・・・側端面(入光面)、12b・・・出射面、12c・・・反射面(微細凹凸形成面)、13・・・光源、14・・・凸部、17・・・反射防止層、17a・・・微細凹凸形成面、30・・・反射防止層成形用型(樹脂製光学部品成形用型)、30a・・・第1の母型、30b・・・第2の母型、31a,31b・・・内面、32・・・射出口、35・・・キャビティ空間、36,46・・・マスター型、36a・・・微細凹凸形成面、36c・・・非磁性セラミック基体、36d・・・SiO2膜、36e・・・中間層、37・・・凹部、P・・・ピッチ、H・・・高さ。
Claims (7)
- 光透過性樹脂を射出成形してサブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成型するための型であって、
サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成形するためのキャビティ空間を画定する第1の母型及び第2の母型とが備えられ、前記第1の母型と第2の母型の少なくとも一方の内面にマスター型が設けられ、該マスター型は前記一方の母型の内面側の非磁性セラミック基体と、該基体上に形成されたSiO2膜からなり、該SiO2膜の前記非磁性セラミック基体と反対側の表面に、前記樹脂製光学部品の微細凹凸形成面と逆の凹凸形状が形成された微細凹凸形成面が設けられたことを特徴とする微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型。 - 前記マスター型の非磁性セラミック基体は、機械的強度が6×10−3Pa以上であることを特徴とする請求項1記載の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型。
- 前記マスター型の非磁性セラミック基体は、少なくともSiO2膜側の表面粗さRaが5nm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型。
- 前記マスター型の非磁性セラミック基体は、Al2O3・TiC又はAl2O3からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型。
- 前記マスター型の非磁性セラミック基体とSiO2膜との間に中間層が設けられ、該中間層はAl2O3 又はTiO2からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型。
- 前記中間層の厚さが0.2μm〜5μmであることを特徴とする請求項5に記載の微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型。
- サブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が複数形成された微細凹凸形成面を有する樹脂製光学部品を成形用型を用いた射出成形法により製造する方法であって、
前記成形用型として請求項1乃至6のいずれか一項に記載の樹脂製光学部品成形用型を用い、該型のキャビティ空間に光透過性樹脂を射出成形して前記マスター型のSiO2膜の表面に設けられた微細凹凸形成面の微細凹凸形状を樹脂製光学部品に転写することを特徴とする微細凹凸面を有する樹脂製光学部品の製造方法。
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JP2004191166A JP2006007700A (ja) | 2004-06-29 | 2004-06-29 | 微細凹凸面を有する樹脂製光学部品成形用型及びこれを用いた樹脂製光学部品の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008069324A1 (ja) * | 2006-12-08 | 2008-06-12 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd., | 光拡散性光学フィルム及びその製造方法、プリズムシート、並びに面光源装置 |
JP2009066913A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-02 | Ricoh Co Ltd | 断熱構造を有するスタンパとその製造方法 |
KR100942850B1 (ko) * | 2007-02-01 | 2010-02-17 | 엡슨 이미징 디바이스 가부시키가이샤 | 표시 장치 |
US7806542B2 (en) | 2007-02-01 | 2010-10-05 | Epson Imaging Devices Corporation | Display device |
-
2004
- 2004-06-29 JP JP2004191166A patent/JP2006007700A/ja not_active Withdrawn
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