以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
<液晶表示装置>
図1の液晶表示装置1は、携帯型端末として構成されている。当該液晶表示装置1は、操作部2と、この操作部2に回動可能(開閉可能)に連結された液晶表示部3とを有する。当該液晶表示装置1は、液晶表示装置1の構成部分を全体的に収容する筐体(ケーシング)の厚み(液晶表示部3の閉塞時の最厚部)が21mm以下であり、超薄型のラップトップコンピュータである(以下「超薄型コンピュータ1」ということがある)。
当該超薄型コンピュータ1の液晶表示部3は、液晶パネル4と、この液晶パネル4に向けて裏面側から光を照射するエッジライト型の超薄型バックライトユニット11とを有する。この液晶パネル4は、筐体の液晶表示部用ケーシング5により、裏面、側面及び表面の周囲が保持されている。ここで、液晶表示部用ケーシング5は、液晶パネル4の裏面に配設される天板6と、液晶パネル4の表面の周囲の表面側に配設される表面支持部材7とを有する。当該超薄型コンピュータ1の筐体は、液晶表示部用ケーシング5と、この液晶表示部用ケーシング5にヒンジ部8を介して回動可能に設けられ、中央演算処理装置(超低電圧CPU)等が内蔵される操作部用ケーシング9を有する。
この液晶表示部3の平均厚みとしては、筐体の厚みが所望範囲であれば特に限定されないが、液晶表示部3の平均厚みの下限としては、2mmが好ましく、3mmがより好ましく、4mmがさらに好ましい。一方、液晶表示部3の平均厚みの上限としては、7mmが好ましく、6mmがより好ましく、5mmがさらに好ましい。液晶表示部3の平均厚みが上記下限未満である場合、液晶表示部3の強度の低下や輝度低下等を招くおそれがある。逆に、液晶表示部3の平均厚みが上記上限を超える場合、超薄型コンピュータ1の薄型化の要求に沿うことができないおそれがある。
<バックライトユニット>
図2のバックライトユニット11は、超薄型コンピュータ1の液晶表示部3に備えられる。バックライトユニット11は、導光シート12と、導光シート12の端面に光を照射する光源13と、導光シート12の裏面側に配設される反射シート14と、導光シート12の表面側に配設される光学シート15とを有するエッジライト型のバックライトユニットとして構成されている。
(導光シート)
導光シート12は、端面から入射される光線を表面から出射するバックライトユニット用導光シートであって、基材層16と、この基材層16の裏面側に積層される裏面層17とを備える。導光シート12は、非楔形状かつ板状に形成されている。また、導光シート12は、平面視略方形状に形成されている。
導光シート12の平均厚み(基材層16と裏面層17との厚みの和の平均値)の下限としては、100μmが好ましく、150μmがより好ましく、200μmがさらに好ましく、300μmが特に好ましい。一方、導光シート12の平均厚みの上限としては、600μmが好ましく、580μmがより好ましく、550μmがさらに好ましい。導光シート12の平均厚みが上記下限未満である場合、導光シート12の強度が不十分となるおそれがあり、また、光源13の光を導光シート12に十分に入射させることができないおそれがある。逆に、導光シート12の平均厚みが上記上限を超える場合、超薄型の液晶表示装置において望まれる薄膜のライトガイドフィルムとして使用できず、バックライトユニット11の薄型化の要望に沿えないおそれがある。
当該導光シート12における光源13側の端面からの必須導光距離の下限としては、7cmが好ましく、9cmがより好ましく、11cmがさらに好ましい。一方、当該導光シート12における光源13側の端面からの必須導光距離の上限としては、45cmが好ましく、43cmがより好ましく、41cmがさらに好ましい。上記必須導光距離が上記下限未満の場合、小型モバイル端末以外の大型端末に使用できないおそれがある。逆に、上記必須導光距離が上記上限を超える場合、平均厚みが600μm以下の薄膜のライトガイドフィルムとして用いた場合に撓みが生じやすく、また導光性が十分に得られないおそれがある。なお、導光シート12における光源13側の端面からの必須導光距離とは、光源13から出射され導光シート12の端面に入射する光線が、この端面から対向端面方向に向けて伝搬されることを要する距離をいう。具体的には、導光シート12における光源13側の端面からの必須導光距離とは、例えば片側エッジライト型のバックライトユニットについては、導光シートの光源側の端面から対向端面までの距離をいい、両側エッジライト型のバックライトユニットについては、導光シートの光源側の端面から中央部までの距離をいう。
導光シート12の表面積の下限としては、150cm2が好ましく、180cm2がより好ましく、200cm2がさらに好ましい。一方、導光シート12の表面積の上限としては、1000cm2が好ましく、950cm2がより好ましく、900cm2がさらに好ましい。導光シート12の表面積が上記下限未満の場合、小型モバイル端末以外の大型端末に使用できないおそれがある。逆に、導光シート12の表面積が上記上限を超える場合、平均厚みが600μm以下の薄膜のライトガイドフィルムとして用いた場合に撓みが生じやすく、また導光性が十分に得られないおそれがある。
(基材層)
基材層16は、板状であり、当該導光シート12の最表面に配されている。基材層16は、光源13から照射される光線を内部に伝搬させる。
基材層16は、光線を透過させる必要があるため、透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成される。基材層16の主成分としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、セルロースアセテート、ポリアリレート、耐候性塩化ビニル、活性エネルギー線硬化型樹脂等が挙げられる。中でも、基材層16の主成分としては、ポリカーボネート及びアクリル樹脂が好ましい。ポリカーボネートは透明性に優れると共に屈折率が高いため、基材層16の主成分をポリカーボネートとすることによって、基材層16の表裏面において全反射が起こりやすく、光線を効率的に伝搬させることができる。また、ポリカーボネートは耐熱性を有するため、光源13の発熱による劣化等が生じ難い。さらに、ポリカーボネートはアクリル樹脂等に比べて吸水性が少ないため、寸法安定性が高い。従って、基材層16の主成分をポリカーボネートとすることによって経年劣化を抑止することができる。一方、アクリル樹脂は透明度が高いので基材層16における光の損耗を少なくすることができる。基材層16の上記主成分の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、98質量%がさらに好ましい。また、基材層16の上記主成分の含有量の上限としては、100質量%が好ましい。
上記ポリカーボネートとしては、特に限定されず、直鎖ポリカーボネート及び分岐ポリカーボネートを挙げることができる。また、上記ポリカーボネートは、直鎖ポリカーボネートと分岐ポリカーボネートとの双方を含むポリカーボネートであってもよい。
直鎖ポリカーボネートとしては、公知のホスゲン法又は溶融法によって製造された直鎖の芳香族ポリカーボネートがあり、カーボネート成分とジフェノール成分とからなる。カーボネート成分を導入するための前駆物質としては、例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。また、ジフェノールとしては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−チオジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組合わせて使用することができる。
分岐ポリカーボネートとしては、分岐剤を用いて製造したポリカーボネートがあり、分岐剤としては、例えばフロログルシン、トリメリット酸、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。
上記アクリル樹脂は、アクリル酸又はメタクリル酸に由来する骨格を有する樹脂である。上記アクリル樹脂としては、特に限定されないが、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体)等が挙げられる。これらのアクリル樹脂の中でも、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが好ましく、メタクリル酸メチル樹脂がより好ましい。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂、活性エネルギー線硬化型エポキシ樹脂等が挙げられる。上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば光重合性のプレポリマー、オリゴマー及びモノマーのうち少なくとも1種と光重合性開始剤等とを含んだものが用いられる。
上記活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂における上記プレポリマー及びオリゴマーとしては、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂における上記モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アクリレート等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)トリアクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等が挙げられる。
上記光重合性開始剤としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン等の硫黄化合物などが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよく、2種以上組み合せて用いてもよい。
なお、基材層16は、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、位相差低減剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび、酸化防止剤、離型剤、帯電防止剤等の任意成分を含んでもよい。
上記基材層16の平均厚みの下限としては、50μmが好ましく、150μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。一方、上記基材層16の平均厚みの上限としては、590μmが好ましく、550μmがより好ましく、500μmがさらに好ましい。上記基材層16の平均厚みが上記下限未満である場合、光源13の光を基材層16に十分に入射させることができないおそれがある。逆に、上記基材層16の平均厚みが上記上限を超える場合、超薄型の液晶表示装置において望まれる薄膜のライトガイドフィルムとして使用できず、バックライトユニット11の薄型化の要望に沿えないおそれがある。
基材層16の屈折率の下限としては、1.53が好ましく、1.55がより好ましい。一方、基材層16の屈折率の上限としては、1.68が好ましく、1.66がより好ましい。基材層16の屈折率が上記下限未満である場合、基材層16中の光の伝搬性が低下するおそれがある。逆に基材層16の屈折率が上記上限を超える場合、基材層16及び裏面層17の屈折率差が大きくなり過ぎ、裏面層17から出射される光線を基材層16中に入射し難くなるおそれがある。
基材層16のロックウェル硬度の下限としては、100が好ましく、115がより好ましい。これにより、裏面層17の裏面側に凹部18を形成する際、基材層16が基板としてより確実に裏面層17を支えることができる。なお、基材層16のロックウェル硬度の上限は特に限定されないが、例えば130である。
(裏面層)
裏面層17は、上述のように基材層16の裏面に積層され、当該導光シート12の最裏面に配される。裏面層17は、裏面に、表面側に陥没する複数の凹部18と、複数の凹部18の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部19とを有する。上記凹部18は上記隆起部19に近接して設けられ、隆起部19の内壁面は凹部18の内壁面と連続している。具体的には、裏面層17は、裏面が平坦な平面部と、この平面部から連続する上記隆起部19と、この隆起部19に連続する上記凹部18とを有する。上記平面部の裏面は、当該導光シート12の厚み方向(表裏方向)に垂直である。
当該導光シート12は、裏面層17の裏面に凹部18及び隆起部19を有し、この裏面層17の表面に基材層16を有するので、凹部18及び隆起部19の成形性に優れる。つまり、裏面層17の裏面にプレス等により凹部18を形成すると共に、その凹部18を形成する際に基材層16が障壁となり、凹部18の周囲に隆起部19が形成される。
上記裏面層17は、上記基材層16よりも硬質である。すなわち、裏面層17のロックウェル硬度が基材層16のロックウェル硬度よりも高い。これにより、基材層単層の場合に比して当該導光シート12が撓みにくいので、上記隆起部19が設けられていない箇所においても他の部材へ密着し難い。ここで、裏面層17のロックウェル硬度と基材層16のロックウェル硬度との差の下限としては、5が好ましく、6がより好ましい。これにより、より確実に他の部材への密着を防止できる。なお、上記ロックウェル硬度の差の上限は特に限定されにが、例えば15である。
裏面層17のロックウェル硬度の下限としては、110が好ましく、120がより好ましい。裏面層17のロックウェル硬度が上記下限未満である場合、他の部材への密着防止効果が十分に得られないおそれがある。なお、基材層16のロックウェル硬度の上限は特に限定されないが、例えば150である。
裏面層17の鉛筆硬度としては、HB以上が好ましい。これにより、当該導光シート12の裏面側の耐擦傷性を向上させ、液晶表示面の輝度ムラを好適に抑制できる。
また、裏面層17の主成分としては硬度の観点からポリカーボネート及びアクリル樹脂が好ましい。
なお、裏面層17は、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、位相差低減剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび、酸化防止剤、離型剤、帯電防止剤等の任意成分を含んでもよい。
裏面層17の平均厚みの下限としては、2μmが好ましく、4μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。一方、裏面層17の平均厚みの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。裏面層17の平均厚みが上記下限未満である場合、裏面層17の裏面に凹部18を形成する際の凹部18の成形性が低下し、凹部18による光拡散効果が十分に得られないおそれがある。逆に、裏面層17の平均厚みが上記上限を超える場合、裏面層17が不要に厚くなり、当該導光シート12の薄型化の要請に反するおそれがある。
基材層16の平均厚みに対する裏面層17の平均厚みの比の下限としては、0.02が好ましく、0.03がより好ましく、0.05がさらに好ましい。一方、基材層16の平均厚みに対する裏面層17の平均厚みの比の上限としては、0.2が好ましく、0.15がより好ましく、0.1がさらに好ましい。上記厚み比が上記下限未満である場合、裏面層17の裏面に凹部18を形成する際の凹部18の成形性が低下し、凹部18による光拡散効果が十分に得られないおそれがある。逆に、裏面層17の平均厚みが上記上限を超える場合、裏面層17が不要に厚くなり、当該導光シート12の薄型化の要請に反するおそれがある。
裏面層17の屈折率の下限としては、1.45が好ましく、1.48がより好ましい。一方、裏面層17の屈折率の上限としては、1.65が好ましく、1.62がより好ましい。裏面層17の屈折率が上記下限未満である場合、裏面層17内に伝搬した光線を基材層16内に好適に入射できないおそれがある。逆に裏面層17の屈折率が上記上限を超える場合、光線が基材層16から裏面層17に入射し易くなるため、基材層16中の光の伝搬性が低下するおそれがある。
裏面層17の屈折率は、基材層16の屈折率よりも小さいとよい。このように裏面層17の屈折率を基材層16の屈折率よりも小さくすることで、一定の角度以上で基材層16から裏面層17に入射する光線は、基材層16と裏面層17との界面で全反射されて基材層16内を伝搬する。それゆえ、当該導光シート12は、導光シート12内を伝搬する光線のうち、裏面層17内まで達する光線の量を低減することができる。従って、当該導光フィルム12は、光線を表面側から好適に出射させることができる。また、基材層16の屈折率(n1)と裏面層17の屈折率(n2)との差(n1−n2)の上限としては、0.15が好ましく、0.13がより好ましく、0.1がさらに好ましい。上記屈折率の差(n1−n2)が上記上限を超える場合、裏面層17内に伝搬した光線を基材層16内に好適に入射できないおそれがある。
裏面層17のガラス転移温度は、基材層16のガラス転移温度より低いことが好ましい。このように裏面層17のガラス転移温度を基材層16のガラス転移温度より低くすることで、基材層16が裏面層17よりも硬い状態で凹部18を形成できるので、凹部形成時に基材層16によって裏面層17をより的確に支持できる。
裏面層17のガラス転移温度と基材層16のガラス転移温度との差の下限としては、20℃が好ましく、25℃がより好ましい。一方、上記ガラス転移温度の差の上限としては、60℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記ガラス転移温度の差が上記下限未満である場合、上述の凹部18の成形性向上効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記ガラス転移温度の差が上記上限を超える場合、後述する凹部18の最深部を基材層16と裏面層17との平均界面より表面側に位置させることが困難となるおそれがある。
上記凹部18は、入射光を表面側に散乱させる光散乱部として機能する。各凹部18は、図3及び図4に示すように平面視略円形状に形成されている。また、各凹部18は、表面側に向けて徐々に縮径するように形成されている。
上記凹部18の形状としては、特に限定されるものではなく、半球状、半楕円体状、円錐状、円錐台形状、有底円筒状等とすることが可能である。中でも、凹部18の形状としては、半球状又は半楕円体状が好ましい。上記形状が半球状又は半楕円体状であることによって、凹部18の成形性を向上することができると共に、凹部18に入射した光線を好適に散乱させることができる。また、上記凹部18の上記平均界面より表面側にある部分により、基材層16内で光を効果的に拡散させることができるので、液晶表示面の輝度ムラがさらに抑制できる。
複数の凹部18の配設パターンとしては、図3に示すように、一端側から他端側にかけて徐々に密度が小さくなるように形成されていることが好ましい。特に、複数の凹部18の配設パターンとしては、光源13側と反対側の端縁から光源13側の端縁にかけて徐々に密度が小さくなるように形成されていることがより好ましい。このように複数の凹部18を形成することで、光源13近傍の光散乱率を抑え、光源13から離れた部分の光散乱率を上げることにより出射光の面均一性を向上することができる。複数の凹部18の光源からの距離による密度の調整は、例えば各凹部18の大きさを略均一に保ちつつ、複数の凹部18の配設個数を調整することで行うことができる。
裏面層17の裏面平均界面からの凹部18の平均深さ(L)(図4(a)参照)の下限としては、3μmが好ましく、5μmがより好ましく、7μmがさらに好ましい。一方、上記裏面層17の裏面平均界面からの凹部18の平均深さ(L)の上限としては、15μmが好ましく、13μmがより好ましく、11μmがさらに好ましい。上記裏面平均界面からの凹部18の平均深さ(L)が上記下限未満である場合、光散乱機能が十分に得られないおそれがある。逆に、上記裏面平均界面からの凹部18の平均深さ(L)が上記上限を超える場合、輝度ムラを生じるおそれがある。ここで、「平均深さ」とは、任意の20個の凹部を抽出し、このうち深さが大きいものから5つ及び深さが小さいものから5つを除いた10個の深さの平均値をいう。なお「裏面層の裏面平均界面」とは、裏面層の裏面のうち複数の凹部及び複数の隆起部が存在していない平坦面の界面をいう。
裏面層17の裏面平均界面における凹部18の平均径(D)(図4(b)参照)の下限としては、10μmが好ましく、12μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。一方、上記凹部18の平均径(D)の上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。上記凹部18の平均径(D)が上記下限未満である場合、光散乱機能が十分に得られないおそれがある。逆に、上記凹部18の平均径(D)が上記上限を超える場合、輝度ムラが生じるおそれがある。ここで、「凹部の径」とは、凹部の最大径と、その最大径方向に直交する方向の径との中間値を意味する。また、「凹部の平均径」とは、任意の20個の凹部を抽出し、このうち径が大きいものから5つ及び径が小さいものから5つを除いた10個の径の平均値をいう。
隆起部19は、裏面層17の裏面の平坦面から連続して形成されている。隆起部19は、図3及び図4に示すように、凹部18を囲むように平面視略円環状に形成されている。当該導光シート12は、隆起部19が凹部18を囲むように平面視略円環状に形成されることによって、凹部18及び凹部18近辺が当該導光シート12の裏面側に配設される反射シート14と密着するのを容易かつ確実に防止することができる。従って、当該導光シート12は、凹部18で散乱された光線が当該導光シート12と反射シート14との密着部分に入射することで輝度ムラが生じるのを抑制することができる。
隆起部19は、先端が湾曲していることが好ましい。当該導光シート12は、隆起部19の先端が湾曲していることによって、裏面側に配設される反射シート14の表面に対する傷付き防止性を高めることができる。
隆起部19の裏面層17の裏面平均界面からの平均高さ(H)(図4(a)参照)の下限としては、0.1μmが好ましく、0.3μmがより好ましく、0.5μmがさらに好ましく、1.0μmが特に好ましい。一方、隆起部19の上記平均高さ(H)の上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましく、4μmがさらに好ましく、3μmが特に好ましい。隆起部19の上記平均高さ(H)が上記下限未満である場合、当該導光シート12と当該導光シート12の裏面側に配設される反射シート14との密着を十分に防止できず、当該導光シート12と反射シート14との密着部に入射した光線に起因して輝度ムラを生じるおそれがある。逆に、隆起部19の上記平均高さ(H)が上記上限を超える場合、複数の隆起部19の先端が先鋭化され、当該導光シート12の裏面側に配設される反射シート14の表面に対する傷付き防止性が低下するおそれがある。ここで、「隆起部の平均高さ」とは、任意の10個の隆起部の高さの平均値をいう。
複数の隆起部19は、高さが均一であることが好ましい。複数の隆起部19の高さ(H)の変動係数の上限としては、0.2が好ましく、0.1がより好ましく、0.05がさらに好ましい。上記隆起部19の高さ(H)の変動係数が上記上限を超える場合、複数の隆起部19の高さが不均一となり、背の高い隆起部19に荷重が偏り、それに基づき反射シート14に傷付きが生じるおそれがある。なお、複数の隆起部19の高さ(H)の変動係数の下限としては、特に限定されるものではなく、例えば0とすることができる。また、複数の隆起部19の高さ(H)の「変動係数」とは、任意の10個の隆起部19の高さの標準偏差を平均高さで割った値をいう。
裏面層17の裏面平均界面における隆起部19の平均幅(W)(図4(b)参照)の下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。一方、上記隆起部19の平均幅(W)の上限としては、20μmが好ましく、15μmがより好ましく、12μmがさらに好ましい。上記隆起部19の平均幅(W)が上記下限未満である場合、隆起部19の先端が先鋭化され、当該導光シート12の裏面側に配設される反射シート14の表面に対する傷付き防止性が低下するおそれがある。逆に、上記隆起部19の平均幅(W)が上記上限を超える場合、隆起部19と当該導光シート12の裏面側に配設される反射シート14との当接面積が大きくなり、この当接部分に入射した光線に起因して輝度ムラが生じるおそれがある。ここで、「隆起部の幅」とは、隆起部の外半径と内半径との差をいう。この隆起部の幅は、例えば隆起部の外径が最大となる部分における外径の1/2の値から内径の1/2の値を差し引くことで求めることができる。
隆起部19の平均高さ(H)の平均幅(W)に対する高さ比(H/W)の下限としては、0.05が好ましく、0.06がより好ましく、0.08がさらに好ましい。一方、隆起部19の平均高さ(H)の平均幅(W)に対する高さ比(H/W)の上限としては、0.5が好ましく、0.45がより好ましく、0.4がさらに好ましい。上記比(H/W)が上記下限未満である場合、隆起部19と当該導光シート12の裏面側に配設される反射シート14との当接面積が大きくなり、この当接部分に入射した光線に起因して輝度ムラが生じるおそれがある。逆に、上記比(H/W)が上記上限を超える場合、隆起部19の先端が先鋭化され、当該導光シート12の裏面側に配設される反射シート14の表面に対する傷付き防止性が低下するおそれがある。
隆起部19の平均幅(W)の凹部18の平均径(D)に対する比(W/D)の下限としては、0.1が好ましく、0.2がより好ましく、0.3がさらに好ましい。一方、隆起部19の平均幅(W)の凹部18の平均径(D)に対する比(W/D)の上限としては、1が好ましく、0.8がより好ましく、0.6がさらに好ましい。上記比(W/D)が上記下限未満である場合、密着防止効果が十分に得られないおそれがある。逆に、上記比(W/D)が上記上限を超える場合、隆起部19と当該導光体12の裏面側に配設される反射シート14との当接面積が大きくなり、この当接部分に入射した光線に起因して輝度ムラが生じるおそれがある。
(光源)
光源13は、照射面が当該導光シート12の端面に対向(又は当接)するよう配設されている。特に、光源13は照射面が基材層16の端面に対向(又は当接)するよう配設されるとよい。光源13としては、種々のものを用いることが可能であり、例えば発光ダイオード(LED)を用いることができる。具体的には、この光源13として、複数の発光ダイオードが当該導光シート12の端面に沿って配設されたものを用いることができる。
(反射シート)
反射シート14は、当該導光シート12の裏面に形成される複数の隆起部19と当接するように当該導光シート12の裏面側に配設される。反射シート14は、当該導光シート12の裏面側から出射された光線を表面側に反射させる。反射シート14としては、ポリエステル等の基材層樹脂にフィラーを分散含有させた白色シートや、ポリエステルから形成されるフィルムの表面に、アルミニウム、銀等の金属を蒸着させることで正反射性が高められた鏡面シート等が挙げられる。
(光学シート)
光学シート15は、裏面側から入射した光線に対する拡散、屈折等の光学的機能を有する。光学シート15としては、例えば光拡散機能を有する光拡散シートや、法線方向側への屈折機能を有するプリズムシート等が挙げられる。
<導光シートの製造方法>
当該導光シート12の製造方法は、基材層に裏面層(他の層)を積層した積層体を得る工程、及び上記裏面層の基材層の反対側の面に、基材層側に陥没する複数の凹部と、この複数の凹部の周囲に存在し、基材層の反対側に突出する複数の隆起部とを形成する工程を備える。
(積層体形成工程)
上記積層体形成工程では、基材層に裏面層を積層した積層体を得る。基材層に裏面層を積層する方法としては、公知の塗工法や押出成形法を用いることができる。中でも基材層に積層する裏面層を薄型化し易い塗工法が好ましい。塗工法は、特に限定されず、例えば、スピンコート法、スプレー法、スライドコート法、ディップ法、バーコート法、ロールコーター法、スクリーン印刷法等、種々の方法を用いることができる。
(凹部及び隆起部の形成工程)
上記凹部及び隆起部の形成工程は、例えば以下の方法によって行うことができる。
(a)上記積層体を再加熱して、複数の凹部及びこの凹部の周囲に存在する複数の隆起部の反転形状を有する成形型と金属板又はロールとの間に挟んでプレスして形状を転写する方法、
(b)溶融状態の基材層及び裏面層の形成材料をTダイに供給してこの形成材料を押出機及びTダイから押し出すことで積層体を成形したうえ、このシート体を上記反転形状を有する成形型と金属板又はロールとの間に挟んでプレスして形状を転写する押出成形法を用いる方法、
(c)複数の凹部の反転形状のみを有する成形型を用い、上記(a)又は(b)と同様の方法によってこの複数の凹部を上記裏面層の基材層の反対側の面に形成したうえ、この面の複数の凹部の周囲にフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて複数の隆起部を形成する方法、
(d)積層体の一方の面への超硬バイト、ダイヤモンドバイト、エンドミル等を用いた切削によって複数の凹部及びこの凹部の周囲に存在する複数の隆起部を形成する方法
(成形型)
上記凹部及び隆起部の形成工程で用いる成形型としては、上述のように
(i)所定パターンで配設される複数の凹部、これらの凹部の周囲に存在する複数の隆起部の反転形状を表面に有する成形型、又は
(ii)所定パターンで配設される複数の凹部の反転形状のみを表面に有する成形型
が用いられる。
(原型を用いた成形型の製造方法)
上記(i)の成形型は、所定パターンで配設される複数の凹部及び複数の凹部の周囲に存在する複数の隆起部を表面に有する原型を用いて製造することができる。
上記原型の製造方法としては、例えば
(A)原型を形成する基材層の表面にレーザー照射を行うことで上記複数の凹部及び複数の隆起部を同時に形成する方法、
(B)原型を形成する基材層の表面を超硬バイト、ダイヤモンドバイト、エンドミル等を用いて切削することで上記複数の凹部及び複数の隆起部を同時に形成する方法
が挙げられる。
上記(A)の方法によって製造される原型の形成材料としては、例えばSUS等の金属が挙げられる。一方、上記(B)の方法によって製造される原型の形成材料としては、SUS等の金属の他、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の比較的硬質な合成樹脂が挙げられる。
なお、上記レーザー照射が行われると、レーザー照射部分が溶融する。その結果、凹部が形成される際に、溶融した材料が凹部の周囲に堆積して隆起部が形成される。一方、上記切削が行われると、切削された部分の基材層がこの切削によって形成される凹部の周囲に堆積して隆起部が形成される。凹部の深さや径、隆起部の高さ、幅、形状等は、レーザーの照射や切削強度、角度、径等によって調整される。なお、このように溶融した材料が凹部の周囲に堆積することで、隆起部を凹部を囲うように円環状に形成しやすい。
また、原型表面に複数の凹部及び複数の隆起部を形成するために照射されるレーザーとしては、特に限定されるものではなく、例えば炭酸ガスレーザー、一酸化炭素レーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー等が挙げられる。なかでも波長が9.3μmから10.6μmである炭酸ガスレーザーが精細な形状を形成するのに好適である。上記炭酸ガスレーザーとしては、横方向大気圧励起(TEA)型、連続発振型、パルス発振型等が挙げられる。
(成形型の製造方法)
上記原型を用いた成形型の製造方法としては、所定パターンで配設される複数の凹部及びこの複数の凹部の周囲に存在する複数の隆起部を有する上記原型の表面にこの原型の反転形状を表面に有するめっき層を電鋳によって形成する工程(S1)と、上記原型からめっき層を剥離する工程(S2)とを備える。また、上記原型を用いる場合の成形型の形成材料としては、例えばニッケル、金、銀、銅、アルミニウム等の金属が挙げられる。
めっき層形成工程(S1)は、例えば、めっき浴中で、陽極として金属ニッケル、陰極として上記原型に通電し、上記原型の表面にめっき層を析出させることで行われる。
めっき層剥離工程(S2)は、めっき層形成工程(S1)で上記原型の表面に析出されためっき層を上記原型から剥離することで行われる。なお、めっき層剥離工程(S2)としては、上記原型から剥離されためっき層の強度を高めるため、このめっき層を補強部材によって補強する工程をさらに有していてもよい。
(原型を用いない成形型の製造方法)
上記(ii)の成形型は、原型を用いずに製造することが可能である。上記(ii)の成形型の製造方法としては、例えばフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて成形型を構成する基材層の表面に複数の凹部の反転形状を形成する方法が挙げられる。また、この場合、この成形型の形成材料としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の比較的硬質な合成樹脂を用いることが可能である。
<利点>
当該導光シート12は、裏面層17が、裏面に、表面側に陥没する複数の凹部18を有しているので、複数の凹部18に入射した光線を表面側に散乱させることができる。また、当該導光シート12は、裏面側に突出する複数の隆起部19を有するので、当該導光シート12と当該導光シート12の裏面側に配設される他の部材とが複数の隆起部19によって散点的に当接され、当該導光シート12の裏面と他の部材とが密着するのを防止することができる。加えて、当該導光シート12は、上記複数の隆起部19が上記複数の凹部18の周囲に存在するので、複数の凹部18によって散乱された光線が当該導光シート12と当該導光シート12の裏面に配設される他の部材との密着部分に入射するのを的確に防止できる。これにより、当該導光シート12は輝度ムラの発生を防止でき、出射光線の面均一化を図ることができる。さらに、当該導光シート12は、裏面層17の裏面側に凹部18を形成する際、基材層16が基板として裏面層17を支えるので、当該導光シート12は、凹部18及び複数の隆起部19の成形性に優れる。このため、当該導光シート12は、薄型化が容易である。
当該バックライトユニット11は、当該導光シート12を備えるので、既述のように輝度ムラを抑制しつつ薄型化を図ることができる。
当該液晶表示装置は、当該バックライトユニット11を備えるので、既述のように輝度ムラを抑制しつつ薄型化を図ることができる。
当該バックライトユニット用導光シートの製造方法によると、基材層と、この基材層の裏面側に積層される裏面層とを備え、上記裏面層が、裏面に、表面側に陥没する複数の凹部と、この複数の凹部の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部とを有する当該導光シートを製造することができる。従って、当該バックライトユニット用導光シートの製造方法は、輝度ムラを抑制しつつ薄型化を図ることができるバックライトユニット用導光シートを製造することができる。
[第二実施形態]
図5の導光シート20は、図2のバックライトユニット11の導光シート12に代えて用いられる。導光シート20は、端面から入射される光線を表面から略均一に出射する。導光シート20は、非楔形状かつ板状に形成されている。また、導光シート12は、平面視略方形状に形成されている。当該導光シート20は、裏面層21の構成以外は図2の導光シート12と同様に構成されている。そのため、以下では裏面層21についてのみ説明する。
裏面層21は、裏面に、表面側に陥没する複数の凹部22と、複数の凹部22の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部19とを有する。なお、複数の凹部22以外については、図2の導光シート12と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
上記凹部22は、裏面層21の平均厚みより深く形成されている。つまり、複数の凹部22の最深部は上記基材層16と上記裏面層21との平均界面より表面側に位置する。
また、上記凹部22の上記基材層16と上記裏面層21との平均界面より表面側に位置する部分は、裏面層21に被覆されている。
基材層16と裏面層21との平均界面からの凹部22の平均深さ(L1)(図6)参照)の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましく、4μmがさらに好ましい。一方、上記基材層16と裏面層21との平均界面からの凹部22の平均深さ(L1)の上限としては、7μmが好ましく、6μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。上記平均界面からの凹部22の平均深さ(L1)が上記下限未満である場合、基材層16内での光散乱機能が不十分となるおそれがある。逆に、上記平均界面からの凹部22の平均深さ(L1)が上記上限を超える場合、輝度ムラを生じるおそれがある。
<利点>
当該導光シート20は、上記凹部22の最深部を上記基材層16と上記裏面層21との平均界面より表面側に位置させることにより、基材層16内で光を効果的に拡散させることができるので、液晶表示面の輝度ムラがさらに抑制される。
[第三実施形態]
図7の導光シート23は、図2のバックライトユニット11の導光シート12に代えて用いられる。導光シート23は、端面から入射される光線を表面から略均一に出射する。導光シート23は、非楔形状かつ板状に形成されている。また、導光シート12は、平面視略方形状に形成されている。当該導光シート23は、裏面層24の構成以外は図2の導光シート12と同様に構成されている。そのため、以下では裏面層24についてのみ説明する。
裏面層24は、裏面に、表面側に陥没する複数の凹部18と、複数の凹部18の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部19とを有する。さらに、裏面層24は、複数の隆起部19の存在しない領域に散点的に配設される複数の凸部25を有する。裏面層24は、当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材とのスティッキングを防止するスティッキング防止層として構成されている。具体的には、裏面層24が有する複数の隆起部19及び凸部25がスティッキング防止手段として機能する。なお、複数の凹部18及び複数の隆起部19については、図2の導光シート12と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
裏面層24の主成分としては、図2の導光シート12の裏面層17の主成分と同様とすることができる。また、裏面層24は、図2の導光シート12の裏面層17と同様の添加剤を含んでもよい。裏面層24の平均厚み及び屈折率としては、図2の導光シート12の裏面層17と同様とすることができる。
複数の凸部25は、当該導光シート23と当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材との密着を防止する。凸部25は、裏面層24の裏面の平坦面から連続して形成されている。凸部25は、図6に示すように、平面視略円形状に形成されている。また、凸部25は、先端が湾曲している。凸部25の形状としては、半球状又は半楕円体状が好ましい。凸部25の形状が半球状又は半楕円体状であることにより、凸部25の成形性を向上することができると共に、当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材の表面に対する傷付き防止性を高めることができる。複数の凸部25の配設パターンとしては、図6に示すように、一端側から他端側にかけて徐々に密度が大きくなるように形成されているとよい。特に、複数の凸部25の配設パターンとしては、光源側と反対側の端縁から光源側の端縁にかけて徐々に密度が大きくなるように形成されていることが好ましい。
複数の凸部25は、裏面層24の裏面全面における複数の隆起部19及び複数の凸部25の合計存在密度が略均一となるように配設されている。
当該導光シート23の裏面における隆起部19及び凸部25の合計存在密度の下限としては、40個/mm2が好ましく、60個/mm2がより好ましく、80個/mm2がさらに好ましい。一方、当該導光シート23の裏面における隆起部19及び凸部25の合計存在密度の上限としては、500個/mm2が好ましく、400個/mm2がより好ましく、300個/mm2がさらに好ましい。隆起部19及び凸部25の合計存在密度が上記下限未満である場合、当該導光シート23と当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材との密着を当該導光シート23の裏面全面において的確に防止できないおそれがある。逆に、隆起部19及び凸部25の合計存在密度が上記上限を超える場合、当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材の表面に傷付きが生じるおそれが高くなる。なお、隆起部19及び凸部25の合計存在密度は、レーザー顕微鏡において1000倍に拡大して観察した視野内の隆起部19及び凸部25の個数を計測し、その視野面積を用いて算出した値をいう。また、一つの凹部18の周囲に複数の隆起部19が存在している場合、これらの隆起部19は合わせて1個として計算する。
凸部25の裏面層24の裏面平均界面からの平均高さの下限としては、2μmが好ましく、3μmがより好ましく、4μmがさらに好ましい。一方、上記凸部25の平均高さの上限としては、7μmが好ましく、6μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。上記凸部25の平均高さが上記下限未満である場合、当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材との密着を十分に防止できないおそれがある。逆に、上記凸部25の平均高さが上記上限を超える場合、凸部25との当接に起因して当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材の表面に傷付きが生じるおそれがある。
複数の凸部25は、高さが均一であることが好ましい。複数の凸部25の高さの変動係数の上限としては、0.2が好ましく、0.1がより好ましく、0.05がさらに好ましい。複数の凸部25の高さの変動係数が上記上限を超える場合、複数の凸部25の高さが不均一となり、背の高い凸部25に荷重が偏り、それに基づき当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材の表面に傷付きが生じるおそれがある。なお、複数の凸部25の高さの変動係数の下限としては、特に限定されるものではなく、例えば0とすることができる。
凸部25の裏面層24の裏面平均界面からの平均高さの裏面層24の裏面平均界面における平均径に対する高さ比の下限としては、0.05が好ましく、0.07がより好ましく、0.1がさらに好ましい。一方、上記凸部25の平均高さの平均径に対する高さ比の上限としては、0.5が好ましく、0.3がより好ましく、0.2がさらに好ましい。上記高さ比が上記下限未満である場合、当該導光シート23と当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材との当接面積が大きくなり、この当接部分に入射した光線に起因して輝度ムラが生じるおそれがある。逆に、上記高さ比が上記上限を超える場合、凸部25の先端が先鋭化され、当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材の表面に対する傷付き防止性が低下するおそれがある。
凸部25の裏面層24の裏面平均界面からの平均高さの隆起部19の裏面層24の裏面平均界面からの平均高さに対する高さ比の下限としては、0.5が好ましく、0.65がより好ましく、1がさらに好ましい。一方、上記凸部25の平均高さの隆起部19の平均高さに対する高さ比の上限としては、7が好ましく、5がより好ましく、3がさらに好ましい。上記高さ比が上記範囲外であると、凸部25の平均高さと隆起部19の平均高さとの差が大きくなり、複数の凸部25又は複数の隆起部19のいずれかに荷重が偏り、それに基づき当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材の表面に傷付きが生じるおそれがある。
複数の凸部25の形成方法としては、特に限定されるものではなく、複数の凹部18及び複数の隆起部19と同時に形成してもよく、複数の凹部18及び複数の隆起部19の形成後に別途形成してもよい。複数の凹部18及び複数の隆起部19の形成後に複数の凸部25を形成する方法としては、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷方法や、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いる方法等が挙げられる。なお、複数の凸部25は、裏面層24と異なる材料によって形成されてもよいが、裏面層24と同一材料によって形成されることが好ましい。
<利点>
当該導光シート23は、裏面層24の裏面に、表面側に陥没する複数の凹部18、及び複数の凹部18の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部19に加え、複数の隆起部19の存在しない領域に散点的に配設される複数の凸部25を有するので、当該導光シート23と当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材との密着をさらに的確に防止することができる。また、当該導光シート23は、複数の凸部25を有するので、当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材の表面の傷付きをさらに的確に防止することができる。そのため、当該導光シート23は、当該導光シート23と当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材との密着部分や、当該導光シート23の裏面側に配設される他の部材の表面の傷に光が入射して輝度ムラを生じることをより確実に防止することができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明に係る導光シート、バックライトユニット、液晶表示装置、及びバックライトユニット用導光シートの製造方法は、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、基材層に裏面層が直接積層される場合を説明したが、当該導光シートは、裏面層が最裏面に積層される限り、この基材層及び裏面層以外の他の層を備えていてもよい。このような他の層としては、例えばハードコート層等が挙げられる。
上記実施形態では、裏面層のロックウェル硬度が基材層のロックウェル硬度よりも高く、裏面層が基材層より硬質である場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば裏面層のロックウェル硬度と基材層のロックウェル硬度とを共に100以上150以下とすることもできる。これにより、当該導光シートを湾曲して使用する場合においても、裏面層が当該導光シートの湾曲に追随して湾曲し易くなる。
当該導光シートは、出射光を制御できるよう表面にレンチキュラー形状等を有してもよい。また、当該導光シートは、光源近傍の輝度ムラを抑制するため、光源側の端面に連続して又は所定の間隔をおいて形成されるV字状、台形状等の複数の切欠きを有してもよい。複数の隆起部の配設パターンとしては、特に限定されるものではない。複数の隆起部の配設パターンとしては、例えば当該導光シートが対向する両側端に光源が配設される両側エッジライト型のバックライトユニットに用いられる場合、この両側端から中央に向けて徐々に密度が高くなるように配設されてもよい。さらに、複数の凸部は、複数の隆起部の存在しない領域に散点的に配設される限り、その配設パターンは特に限定されるものではない。
複数の凹部の平面視形状は、略円形状に限られるものではなく、多角形状等であってもよい。また、複数の隆起部の平面視形状は、略円環状に限られるものではなく、多角環状等であってもよい。さらに、複数の隆起部は、必ずしも凹部の外周を完全に囲うように配設される必要はない。複数の凹部及び複数の隆起部の上記実施形態以外の形状を図7に例示する。図7(a)では、平面視円形状の凹部31の周囲に部分円環状の複数の隆起部32が配設されている。図7(b)では、平面視円形状の凹部41の周囲に四角環状の隆起部42が配設されている。図7(c)では、平面視円環状の1個の隆起部52が複数の凹部51を囲うように配設されている。図7(d)では、平面視四角形状の凹部61の周囲に平面視円環状の隆起部62が配設されている。当該導光シートは、凹部及び隆起部がこのように配設されている場合でも、輝度ムラを抑制することができる。
上記(ii)の成形型は、複数の凹部を表面に有する原型を用いた電鋳によって製造されてもよい。このような複数の凹部を表面に有する原型の製造方法としては、例えばフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて原型を構成する基材層の表面に複数の凹部を形成する方法が挙げられる。
当該バックライトユニットは、必ずしも当該導光シートの裏面側に反射シートが配設されている必要はなく、例えば、当該導光シートの裏面側に配設される天板の表面が研磨された反射面として形成され、この反射面が反射シートに代えて用いられてもよい。当該バックライトユニットは、このように天板表面をバックライトユニットの最裏面として形成することで、反射シートを除いて薄型化を促進することができる。
当該液晶表示装置としては、上述のようなラップトップコンピュータの他、スマートフォン等の携帯電話端末や、タブレット端末等の携帯型情報端末等の携帯型端末や、デスクトップコンピュータ、薄型テレビ等、種々の構成を採用することができる。また、当該液晶表示装置がラップトップコンピュータとして構成される場合であっても、このラップトップコンピュータの筐体の厚みは必ずしも21mm以下である必要はない。