本発明は、映像信号および音声信号の入出力を行う映像音声信号入出力装置、映像信号に基づく映像表示および音声信号に基づく音声出力を行う映像音声再生装置、相互に接続された映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置を含む映像音声装置ネットワーク、ならびに信号再生方法に関する。
近年の映像信号のデジタル化の進展により、映像音声装置において複数の映像および音声フォーマットが使用されており、これら複数の映像および音声フォーマットに適合した映像音声装置も増加している。映像音声装置の例としては、テレビジョン受信機またはプロジェクタ等の映像音声再生装置(以下、再生装置と略記する)、およびデジタル放送受信用セットトップボックスまたはDVD(デジタルバーサタイルディスク)レコーダ等の映像音声信号入出力装置(以下、入出力装置と略記する)等が挙げられる。また、新たな映像および音声フォーマットの提唱も継続して行われており、映像音声装置が適合する映像および音声フォーマットは今後も増加していくものと考えられる。
以下、単にフォーマットというときは、映像フォーマットおよび音声フォーマットの両方または一方を指すものとする。
現在、使用されている映像フォーマットとしては、例えば480i、480p、576i、576p、720pおよび1080i等が挙げられる。ここで、“i”はインターレース方式を表し、“p”はプログレッシブ方式を表す。音声フォーマットとしては、AAC(Advanced Audio Coding)、PCM(Pulse Code Modulation)およびAC3(Audio Code number 3)、Mpeg(Moving Picture Experts Group)等が挙げられる。しかし、すべての映像音声装置がすべてのフォーマットに適合しているわけではない。
このため、入出力装置を再生装置に接続し、入出力装置から再生装置に映像信号および音声信号を送信する際には、各入出力装置が出力可能なフォーマットと再生装置が受信および再生可能なフォーマットとを比較し、使用するフォーマットを設定するという機器設定作業が行われる。
この機器設定作業としては、機器設定メニュー等を用いてユーザ操作によって使用可能なフォーマットを決定する場合と、入出力装置および再生装置の各々が自動的に送受信可能なフォーマットを示す情報を交替して、入出力装置と再生装置との間で使用可能なフォーマットを決定するような場合とがある。
機器設定作業を行った結果として複数のフォーマットが使用可能なフォーマットとして設定された場合には、入出力装置での選局操作または再生コンテンツの切り替え等により、入出力装置から出力されるフォーマットが切り替えられる場合がある。
これは、例えば次のような場合を指す。入出力装置および再生装置で480iおよび1080iが使用可能な映像フォーマットとして設定されている。また、テレビ放送の1つの放送チャネルの映像が480iの映像フォーマットで放送されている。このような状態で、他の異なる放送チャネルが選局されたときに、選局後の放送チャネルが1080iの映像フォーマットで放送されている。この場合、入出力装置から出力される480iの映像フォーマットが1080iの映像フォーマットに切り替えられる。
しかしながら、従来の入出力装置と再生装置との間での信号の送受信においては、このようなフォーマットの切り替えが発生した場合に、視聴者による選局操作の実施から入出力装置での選局処理およびフォーマットの切り替え後に再生装置において映像が表示されるまでの時間が一般的に長く、1秒から数秒を必要とする。
図9は従来の映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置におけるフォーマットの切替時の動作を示すフローチャートである。
例えば放送受信の場合には、視聴者がリモコン等により選局操作を行ったときに、まず入出力装置が放送チャネルの選局処理を行う(ステップS1)。入出力装置は、放送信号の入力後に、映像信号のフォーマットを検知し(ステップS2)、映像信号の出力フォーマットの切り替えを行う(ステップS3)。その後に、入出力装置は映像信号の出力を開始する(ステップS4)。
再生装置は、入出力装置からの映像信号を受信すると、映像信号のフォーマットの切り替えを検知し(ステップS5)、切り替え後のフォーマットで映像を表示するために表示解像度切り替えおよび表示位置の調整を行う(ステップS6)。その後に、再生装置は映像表示を開始する(ステップS7)。このように、複数の装置による一連の処理が発生する。そのため、選局操作の実施から映像が表示されるまでの時間が長くなる。
上記のフォーマットの切り替え処理は、選局操作時だけでなく入出力装置が再生可能なDVD等のメディアの再生開始時、またはHDD(ハードディスクドライブ)に録画されたコンテンツの再生時のように再生するコンテンツのフォーマットが切り替わるときには常に発生しうる。
このため、視聴者は選局操作および視聴メディアの切り替えごとに、入出力装置および再生装置のフォーマットの切り替え処理を待たなくてはならず、選局操作等をスムーズに行うことができない。
特許文献1に、フォーマット切り替え処理を行う画像表示装置が記載されている。特許文献1の画像表示装置では、受信されたデジタル信号に含まれている表示関連情報を抽出し、この表示関連情報に応答して表示モードを自動設定するとともに、ユーザによる表示モードの設定指示があった場合にユーザによる設定指示に従って表示モードを設定する。
特開2006-108750号公報
上記のように、入出力装置および再生装置のように複数の映像および音声フォーマットに適合した2つ以上の映像音声装置を接続して映像音声コンテンツを視聴する場合、フォーマットの切り替えが発生する選局またはコンテンツの切り替えを行ったときに、複数の映像音声装置がフォーマットを切り替える必要がある。そのため、切り替え時間が長くなり、視聴者にとって好ましいものではなかった。
本発明の目的は、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能な映像音声装置ネットワークを提供することである。
本発明の他の目的は、映像音声再生装置に接続された状態で、信号のフォーマットの切り替えが発生した場合に映像音声再生装置におけるフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能な映像音声信号入出力装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、映像音声信号入出力装置に接続された状態で、信号のフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能な映像音声再生装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能な信号再生方法を提供することである。
(1) 本発明の一局面に従う映像音声装置ネットワークは、映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置を備え、映像音声信号入出力装置は、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号を復調する復調部と、復調部により復調された信号を指示されたフォーマットに変換する変換部と、受信部により受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットを決定する決定部と、決定部により決定されたフォーマットの情報および変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信する第1の通信部と、決定部によるフォーマットの決定に応答して、決定部により決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部を制御するとともに、決定部により決定されたフォーマットを変換部に指示し、変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部を制御する制御部とを含み、映像音声再生装置は、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報を受信した後、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信する第2の通信部と、第2の通信部により受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定する設定部と、設定部により設定された再生条件で第2の通信部により受信された信号を再生する再生部とを含むものである。
その映像音声装置ネットワークの映像音声信号入出力装置においては、受信部により映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号が受信され、受信された信号が復調部により復調され、復調された信号が指示されたフォーマットに変換部により変換される。また、受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットが決定部により決定される。フォーマットの決定に応答して、決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部が制御部により制御されるとともに、決定されたフォーマットが変換部に指示され、変換された信号を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部が制御される。
映像音声再生装置においては、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報が第2の通信部により受信される。受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定部により設定される。その後、映像音声信号入出力装置から送信される信号が第2の通信部により受信される。設定された再生条件で受信された信号が再生部により再生される。
このように、映像音声信号入出力装置から送信される信号のフォーマットが決定された時点で映像音声再生装置にフォーマットの情報が送信され、映像音声再生装置でそのフォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
(2) 決定部は、受信部により受信される信号の変更後のフォーマットおよび映像音声再生装置により再生可能なフォーマットに基づいて映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットを決定してもよい。
この場合、映像音声再生装置において、映像音声信号入出力装置から送信される信号を確実に再生することができる。
(3) 映像音声信号入出力装置は、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号の供給源とフォーマットとの関係を予め記憶する記憶部をさらに含み、制御部は、ユーザによる供給源の切り替え操作時に、記憶部から切り替え後の供給源に対応するフォーマットを予測フォーマットとして取り出し、予測フォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部を制御し、映像音声再生装置の第2の通信部は、映像音声信号入出力装置から送信される予測フォーマットの情報を受信し、設定部は、第2の通信部により受信された予測フォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定した後、第2の通信部により受信されたフォーマットの情報が予測フォーマットの情報と異なる場合にフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を再設定してもよい。
この場合、映像音声信号入出力装置において、ユーザによる供給源の切り替え操作時に、制御部により記憶部から切り替え後の供給源に対応するフォーマットが予測フォーマットとして取り出される。そして、予測フォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部が制御部により制御される。
一方、映像音声再生装置において、映像音声信号入出力装置から送信される予測フォーマットの情報が第2の通信部により受信される。そして、受信された予測フォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定部により設定される。その後、受信されたフォーマットの情報が予測フォーマットの情報と異なる場合には、フォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定部により再設定される。
それにより、映像音声信号入出力装置から送信される予測フォーマットの情報が受信された時点で映像音声再生装置でその予測フォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間をさらに短縮することが可能となる。
(4) 設定部は、第2の通信部により受信された予測フォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定した後、第2の通信部により受信されたフォーマットの情報が予測フォーマットの情報と同じ場合に予測フォーマットの情報に基づいて設定された再生条件を維持してもよい。
この場合、受信されたフォーマットの情報が予測フォーマットの情報と同じ場合には予測フォーマットの情報に基づいて設定された再生条件が維持される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間をさらに短縮することが可能となる。
(5) 第1の通信部および第2の通信部の各々は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠し、第1の通信部は、変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信する信号送信部と、決定部により決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信する情報送信部とを含み、第2の通信部は、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信する信号受信部と、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報を受信する情報受信部とを含み、情報送信部および情報受信部は、CEC(Consumer Electronics Contro1)線により接続されてもよい。
この場合、映像音声信号入出力装置から映像音声再生装置に映像信号および音声信号の少なくとも一方を含む信号およびフォーマットの情報を容易に送信することができる。
(6) 本発明の他の局面に従う映像音声信号入出力装置は、映像音声再生装置に接続される映像音声信号入出力装置であって、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号を復調する復調部と、復調部により復調された信号を指示されたフォーマットに変換する変換部と、受信部により受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットを決定する決定部と、決定部により決定されたフォーマットの情報および変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信する通信部と、決定部によるフォーマットの決定に応答して、決定部により決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように通信部を制御するとともに、決定部により決定されたフォーマットを変換部に指示し、変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信するように通信部を制御する制御部とを備えたものである。
その映像音声信号入出力装置においては、受信部により映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号が受信され、受信された信号が復調部により復調され、復調された信号が指示されたフォーマットに変換部により変換される。また、受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットが決定部により決定される。フォーマットの決定に応答して、決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように通信部が制御部により制御されるとともに、決定されたフォーマットが変換部に指示され、変換された信号を映像音声再生装置に送信するように通信部が制御される。
このように、映像音声信号入出力装置から送信される信号のフォーマットが決定された時点で映像音声再生装置にフォーマットの情報が送信され、映像音声再生装置でそのフォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置が映像音声再生装置に接続された状態で、信号のフォーマットの切り替えが発生した場合に映像音声再生装置におけるフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
(7) 本発明のさらに他の局面に従う映像音声再生装置は、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号のフォーマットの情報を送信した後に信号を送信する映像音声信号入出力装置に接続される映像音声再生装置であって、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報を受信した後、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信する通信部と、通信部により受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定する設定部と、設定部により設定された再生条件で通信部により受信された信号を再生する再生部とを備えたものである。
その映像音声再生装置においては、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報が通信部により受信される。受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定部により設定される。その後、映像音声信号入出力装置から送信される信号が通信部により受信される。設定された再生条件で受信された信号が再生部により再生される。
このように、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報が受信された時点で映像音声再生装置でそのフォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置に接続された状態で、信号のフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
(8) 本発明のさらに他の局面に従う信号再生方法は、映像音声信号入出力装置から送信される映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号を映像音声再生装置において再生する信号再生方法であって、映像音声信号入出力装置において、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号を受信するステップと、映像音声信号入出力装置において、受信された信号を復調するステップと、映像音声信号入出力装置において、復調された信号を指示されたフォーマットに変換するステップと、映像音声信号入出力装置において、受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットを決定するステップと、映像音声信号入出力装置において、フォーマットの決定に応答して、決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するステップと、映像音声信号入出力装置において、変換された信号を映像音声再生装置に送信するステップと、映像音声再生装置において、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報を受信するステップと、映像音声再生装置において、受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定するステップと、映像音声再生装置において、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信するステップと、映像音声再生装置において、設定された再生条件で受信された信号を再生するステップとを含むものである。
その信号再生方法によれば、映像音声信号入出力装置において映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号が受信され、受信された信号が復調され、復調された信号が指示されたフォーマットに変換される。また、受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットが決定される。フォーマットの決定に応答して、決定されたフォーマットの情報が映像音声再生装置に送信され、変換された信号が映像音声再生装置に送信される。
映像音声再生装置においては、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報が受信される。受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定される。その後、映像音声信号入出力装置から送信される信号が受信される。設定された再生条件で受信された信号が再生される。
このように、映像音声信号入出力装置から送信される信号のフォーマットが決定された時点で映像音声再生装置にフォーマットの情報が送信され、映像音声再生装置でそのフォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
本発明によれば、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置の構成を示すブロック図
図2は第1の実施の形態に係る入出力装置と再生装置との具体的な接続方法を示すブロック図
図3は第1の実施の形態に係る再生装置が保有するフォーマット情報を簡略化して示す図
図4は入出力装置から再生装置に送信されるフォーマット情報の一例を示す模式図
図5は第1の実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおける入出力装置および再生装置の処理手順を示すフローチャート
図6は本発明の第2の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置の構成を示すブロック図
図7は出力フォーマット記憶部に記憶されるフォーマット情報リストの一例を示す模式図
図8は第2の実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおける入出力装置および再生装置の処理手順を示すフローチャート
図9は従来の映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置におけるフォーマットの切替時の動作を示すフローチャート
以下、本発明の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置、映像音声再生装置、
およびこれらを用いた映像音声装置ネットワークならびに信号再生方法について説明する。
(1)第1の実施の形態
図1は本発明の第1の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置の構成を示すブロック図である。以下、映像音声信号入出力装置100を入出力装置100と略記し、映像音声再生装置150を再生装置150と略記する。
なお、本実施の形態では、1台の入出力装置100と1台の再生装置150とが互いに接続される。ここでは、このように2台以上の映像音声装置が相互に接続された状態を映像音声装置ネットワークと呼ぶ。また、映像フォーマットおよび音声フォーマットの一方または両方を単にフォーマットと称する。
入出力装置100は、受信部101、復調部102、変換部103、通信部104、CPU(中央演算処理装置)105、フォーマット決定部(図1ではFMT決定部と表示する)106および出力フォーマット通信部(図1では出力FMT通信部と表示する)107を含む。
放送電波は、アンテナにより受信され、放送信号が受信部101に入力される。受信部101は、入力される放送信号からCPU110により指定された放送チャンネル(以下、チャネルと略記する)の周波数信号を取得する。
復調部102は、受信部101から出力される周波数信号から映像信号、音声信号および番組に関する情報等を取得し、それらの映像信号、音声信号および番組に関する情報等をそれぞれデジタルの映像信号、デジタルの音声信号およびデジタルの情報等に復調する。
変換部103は、復調部102により復調されたデジタルの映像信号および音声信号のフォーマットを任意のフォーマットに変換する。例えば、復調部102により復調された映像信号が1080iのフォーマットを有する場合に、変換部103は映像信号のフォーマットを480iのフォーマットに変換する。また、例えば、復調部102により復調された音声信号がAC3のフォーマットを有する場合に、変換部103は音声信号のフォーマットをPCMのフォーマットに変換する。
通信部104は、外部装置と通信を行う際に信号の変換および信号の送受信を行う。この通信部104は、外部端子を通して接続された外部装置に対して映像信号、音声信号およびデータ信号の通信を行う。
CPU105は、入出力装置100の全体のシステムを管理するマイクロコンピュータであり、各部の動作およびメッセージの送受信を制御する。
フォーマット決定部106は、復調部102により復調された番組に関する情報から映像および音声を再生するために必要なフォーマットを示すフォーマット情報を抽出する。フォーマット情報は、画面解像度およびクロック周波数等を含む。映像フォーマットは、例えば、480i/60Hz(720×480ピクセル、インターレース方式および60Hz)等である。音声フォーマットは、例えば、AC3およびPCM等である。
また、フォーマット決定部106は、再生装置150が再生可能なフォーマットに関する情報を通信部104を介して取得することができる。フォーマット決定部106は、取得した再生可能なフォーマットに関する情報と再生されるべき映像信号または音声信号のフォーマットとを比較し、実際に出力する映像信号または音声信号のフォーマットを出力フォーマットとして決定するとともに、変換部103の出力フォーマットを切り替える。それにより、入出力装置100から接続先の再生装置150に出力される映像信号または音声信号のフォーマットが決定される。
出力フォーマット通信部107は、再生装置150と通信部104を通して通信することが可能である。特に、出力フォーマット通信部107は、フォーマット決定部106により決定された出力フォーマットをフォーマット決定部106から受け取り、その出力フォーマットを示すフォーマット情報を再生装置150に送信する。また、出力フォーマット通信部107は、接続先の再生装置150からの後述する切替完了通知等の信号を受信することができる。
このように、入出力装置100では、選局操作により選択されたチャネルの周波数信号が受信部101により抽出され、抽出された周波数信号が復調部102によりデジタルの映像信号および音声信号に復調される。さらに、映像信号および音声信号が変換部103により所定の出力フォーマットに変換され、変換された出力フォーマットを有する映像信号および音声信号が通信部104を通して再生装置150に出力される。
再生装置150は、通信部151、表示部152、入力フォーマット通信部(図1では入力FMT通信部と表示する)153、およびフォーマット切替部(図1ではFMT切替部と表示する)154を含む。
通信部151は、外部装置と映像信号および音声信号の送受信を行う。表示部152は、通信部151により受信された映像信号および音声信号を映像および音声として再生する。
入力フォーマット通信部153は、入出力装置100に対して通信部151を通してフォーマット情報およびコマンドを通信する。
フォーマット切替部154は、入力フォーマット通信部153により取得されたフォーマット情報に基づいて表示部152の再生設定を切り替える。ここで、再生設定は、映像表示の設定および音声出力の設定を含む。
図2は第1の実施の形態に係る入出力装置と再生装置との具体的な接続方法を示すブロック図である。以下、接続方法の一例として、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠した接続方法を説明する。
HDMI規格は2002年12月に策定された規格である。このHDMI規格によれば、デジタルデータ以外に付帯情報の入出力を行うことが可能である。
図2の例では、入出力装置100の通信部104がHDMI送信部からなる。この場合、通信部104は、HDMIトランスミッタ211およびCEC(Consumer Electronics Contro1)通信制御部212により構成される。
また、再生装置150の通信部151は、HDMI受信部からなる。この場合、通信部151は、HDMIレシーバ251およびCEC通信制御部252により構成される。
通信部104は、映像信号および音声信号を出力するためのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)規格に準拠するTMDS信号線、設定情報およびステータス情報を送受信するためのDDC(Display Data Channe1)信号線、およびCEC(Consumer Electronics Contro1)信号線を外部装置との接続のために有する。本例では、入出力装置100の通信部104と再生装置150の通信部151とがTMDS信号線、DDC信号線およびCEC信号線により接続される。以下、映像信号および音声信号を映像音声信号と総称する。
まず、TMDS信号線を経由した映像音声信号の流れについて説明する。
入出力装置100の通信部104のHDMIトランスミッタ211は、変換部103から出力される映像音声信号を受信し、受信した映像音声信号をTMDS信号線に出力する。このときに出力される映像音声信号のフォーマットはCPU105により指示される。
TMDS信号線に出力された映像音声信号は、再生装置150の通信部151のHDMIレシーバ251により受信され、表示部152により映像および音声として再生される。
次に、DDC信号線は、設定情報およびステータス情報を送受信するために用いられる。DDC信号線を介して送信される情報の一つとしてEDID(Extended display identification data)情報がある。
EDID情報は、テレビジョン受信機またはディスプレイ等の映像音声再生装置が内部に保有するデータを意味し、EDID情報を保有する映像音声再生装置が再生可能なフォーマットを定義している。
EDID情報内に再生装置150が画面に表示可能または入力可能な映像フォーマットが“Detailed timing data descriptor”および“Short video descriptor”により記述されている。
図3は第1の実施の形態に係る再生装置が保有するフォーマット情報を簡略化して示す図である。本例のフォーマット情報は、映像フォーマットに関する情報である。再生装置150が音声フォーマットに関する情報を保有してもよい。
図3に示すように、EDID情報は、画面の水平方向のピクセル数、画面の垂直方向のピクセル数、走査方式(プログレッシブ方式またはインターレース方式)、水平周波数および画面のアスペクト比を含む。
図3のEDID情報は、480i、480pおよび1080iを含む。このEDID情報は、本実施の形態の再生装置150が480i、480pおよび1080iの映像フォーマットを受信および再生可能であることを示している。また、音声フォーマット情報も、同様に、EIA/CEA-861B規格で定められたフォーマットで記載されている。
次に、ユーザの選局操作に従って入出力装置100が選局処理を行うことによりフォーマットの切り替えが発生した場合における入出力装置100および再生装置150の処理手順を説明する。
図4は入出力装置から再生装置に送信されるフォーマット情報の一例を示す模式図である。
図4のフォーマット情報は、水平ピクセル数、垂直ピクセル数、走査方式(プログレッシブ方式またはインターレース方式)、水平周波数および画面のアスペクト比を含む。 本例では、720×480ピクセル、インターレース方式、60Hzおよび4:3の映像フォーマットで入出力装置100から映像信号が出力されることが再生装置150に通知される。
なお、図4の例では、フォーマット情報が映像フォーマットを含むが、フォーマット情報が同様に音声フォーマットを含んでもよい。
本実施の形態においては、フォーマット情報はHDMI接続のCEC信号線を通して入出力装置100から再生装置150に送信される。その場合、図4のフォーマット情報は、HDMI規格におけるCEC通信に関して規定されたCEC規格における“Vendor Unique”コマンドを使用して通信することが可能である。
図5は第1の実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおける入出力装置および再生装置の処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、選局操作によりフォーマットの切り替えが発生した場合に、入出力装置100の通信部104から出力されるべきフォーマットが決定され、再生装置150にフォーマット情報が送信された後、映像音声信号が出力され、再生装置150により映像表示および音声出力が行われるまでの処理手順が示される。
まず、ユーザがリモコンまたはフロントパネルを用いた選局操作により入出力装置100に選局処理を指示すると(イベントE1)、入出力装置100の受信部101は選局処理を行う(ステップS501)。
受信部101には放送信号が入力される(イベントE2)。選局処理により所望のチャネルが選局されると、受信部101により放送信号からそのチャネルの周波数信号が抽出され、抽出された周波数信号から復調部102により映像音声信号およびその他の情報の取得が開始される。この場合、復調部102は、再生しようとする映像音声信号の取得の際に、その映像音声信号に対応するフォーマット情報を取得する(ステップS502)。
フォーマット決定部106は、フォーマット情報に基づいて、取得された映像音声信号のフォーマットを識別し、識別された映像音声信号のフォーマットが現在接続されている再生装置150により再生可能であるか否かを判定し、入出力装置100から出力する映像音声信号のフォーマットを出力フォーマットとして決定する(ステップS503)。
この場合、フォーマット決定部106は、取得された映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生可能である場合には、取得された映像音声信号のフォーマットを変換せずにその映像音声信号を出力するように変換部103に指示し、取得された映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生不可能である場合には、取得された映像音声信号のフォーマットを再生装置150が再生可能なフォーマットに変換するように変換部103に指示する。
なお、フォーマット決定部106は、映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生可能であるか否かの判定の際に、再生装置150から取得したEDID情報または入出力装置100に対するユーザ設定等の出力フォーマットに関する設定情報を補足情報として使用してもよい。
次に、出力フォーマット通信部107は、フォーマット決定部106により決定された出力フォーマットを示すフォーマット情報を通信部104を通して再生装置150に送信する(ステップS504)。
その後、入出力装置100のCPU105は、変換部103の設定を切り替えることにより通信部104から出力される映像音声信号のフォーマットを図4のフォーマット情報に示される出力フォーマットに切り替える(ステップS505)。
一方、ステップS504で入出力装置100からフォーマット情報が送信されると、再生装置150の入力フォーマット通信部153は通信部151を通してフォーマット情報を受信する。フォーマット切替部154は、フォーマット情報に基づいて表示部152の表示解像度および同期周波数等の再生設定を切り替える(ステップS520)。本実施の形態では、フォーマット切替部154は、図4に示されるフォーマット情報に表示部152の状態を一致させる。
再生装置150の再生設定の切り替えが完了すると、入力フォーマット通信部153は通信部151を通して入出力装置100に再生設定切り替えが完了したことを示す再生設定切替完了通知を送信する(ステップS521)。
入出力装置100のCPU105は、ステップS505における出力フォーマットの切り替えの完了およびステップS521における再生設定切替完了通知の受信を確認する(ステップS506)。
その後、通信部104は、映像音声信号の出力を開始する(ステップS507)。本実施の形態では、図2の通信部104のHDMIトランスミッタ211からHDMI接続におけるTMDS線に映像音声信号が出力される。
再生装置150の通信部151が入出力装置100から出力される映像音声信号を受信すると、表示部152が映像および音声の再生を開始する(ステップS522)。それにより、表示部152に映像が表示されるとともに表示部152から音声が出力される。
以上のように、本実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおいて、入出力装置100は、出力フォーマットを示すフォーマット情報を再生装置150に送信した後に出力フォーマットを切り替え、その後に再生装置150に映像音声信号を送信する。一方、再生装置150は、入出力装置100からのフォーマット情報を受信したときに再生設定を切り替えた後、入出力装置100からの映像音声信号を受信したときに直ちに映像および音声を再生することができる。
したがって、入出力装置100における映像音声信号のフォーマットの切り替わりの発生から短時間で再生装置150により視聴者に映像および音声を提示することが可能となる。
特に、本実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおいては、HDMI接続におけるCEC線を用いてフォーマット情報を入出力装置100から再生装置150に容易かつ迅速に送信することができる。
このようにして、ユーザの利便性が高い映像音声装置ネットワークを構築することが可能となる。
なお、本実施の形態では、映像音声信号の映像フォーマットおよび音声フォーマットの切り替わりが発生する場合について説明したが、映像信号の映像フォーマットのみが切り替わる場合にはフォーマット情報が映像フォーマットのみを含み、フォーマット切替部154が表示部152の表示設定のみを切り替える。また、音声信号の音声フォーマットのみが切り替わる場合にはフォーマット情報が音声フォーマットのみを含み、フォーマット切替部154が表示部152の音声設定のみを切り替える。
また、本実施の形態では、ステップS504で選局処理が行われるごとに出カフォーマット通信部107が再生装置150に毎回フォーマット情報を通信するが、選局処理の前に取得されていた映像音声信号のフォーマットと選局処理後に取得された映像音声信号のフォーマットとが異なる場合にのみ出力フォーマット通信部107が再生装置150にフォーマット情報を送信してもよい。
(2)第2の実施の形態
図6は本発明の第2の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置の構成を示すブロック図である。
なお、本実施の形態においても、映像音声信号入出力装置700を入出力装置700と略記し、映像音声再生装置150を再生装置150と略記する。
図6の入出力装置700が図1の入出力装置700と異なるのは、出力フォーマット記憶部(図6では出力FMT記憶部と表示する)701をさらに含む点である。出力フォーマット記憶部701は、CPU105に接続され、チャネルごとの出力フォーマットをフォーマット情報リストとして記憶する。より詳細には、出力フォーマット記憶部701は、入出力装置700が選局可能なチャネルおよびメディアの各々について、以前にそのチャネルおよびメディアにおいて実際に出力された映像信号の映像フォーマットまたは音声信号の音声フォーマットをフォーマット情報リストとして記憶する。この出力フォーマット記憶部701を利用することにより高速な出力フォーマットの切り替えが実現される。
なお、入出力装置700の他の部分の構成および動作は、図1の入出力装置100の対応する部分の構成および動作と同じであるので、図6において図1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
図7は出力フォーマット記憶部701に記憶されるフォーマット情報リストの一例を示す模式図である。
図7の例では、フォーマット情報リストは、選局可能なチャネルの一覧を含み、チャネルごとに映像フォーマットおよび音声フォーマットを示すフォーマット情報を含む。映像フォーマットは、水平ピクセル数、垂直ピクセル数、走査方式(プログレッシブ方式またはインターレース方式)、水平周波数および画面のアスペクト比からなる。
このフォーマット情報リストは、チャネルごとに前回の選局処理時に入出力装置700から出力された映像音声信号のフォーマット情報を記憶することにより得られる。
図8は第2の実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおける入出力装置および再生装置の処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、選局操作によりフォーマットの切り替えが発生した場合に、選局処理により得られる映像音声信号のフォーマットが予測され、入出力装置700の通信部104から出力されるべきフォーマットが決定され、再生装置150にフォーマット情報が送信された後、映像音声信号が出力され、再生装置150により映像表示および音声出力が行われるまでの処理手順が示される。
まず、ユーザがリモコンまたはフロントパネルを用いた選局操作により入出力装置100に選局処理を指示すると(イベントE1)、CPU105は出カフォーマット記憶部701に記憶されるフォーマット情報リストから選局操作により選択されたチャネルに対応するフォーマット情報をフォーマット予測データとして取り出す(ステップS801)。
次に、出力フォーマット通信部107は、フォーマット予測データを通信部104を通して再生装置150に送信する(ステップS802)。この場合、出力フォーマット通信部107により送信されるフォーマット予測データは、第1の実施の形態における図5のフォーマット情報と同様の項目を有する。
例えば、図7において、チャネル“004”が選択される場合には、1920×1080ピクセル、インターレース方式、60Hzおよび16:9の映像フォーマットを示すフォーマット予測データが入出力装置100から再生装置150に送信される。
この場合、該当するチャネルのフォーマット情報とともに、そのフォーマット情報がフォーマット予測データであることを示すパラメータが同時に送信される。例えば、フォーマット情報にフォーマット予測データであることを示すパラーメータが追記される。
本実施の形態では、フォーマット予測データはHDMI接続のCEC信号線を通して送信される。その場合、フォーマット予測データはHDMI規格においてCEC通信に関して規定されたCEC規格における“Vendor Unique”コマンドを使用して送信することが可能である。
なお、ステップS801において出力フォーマット記憶部701に記憶されたフォーマット情報リストに選択されたチャネル(例えば“004”)に対応するフォーマット情報が存在しない場合、または入出力装置700においてそのチャネル(例えば“004”)が初めて選択された場合には、ステップS802の処理は行われない。
一方、ステップS802で入出力装置700からフォーマット予測データが送信されると、再生装置150の入力フォーマット通信部153は通信部151を通してフォーマット予測データを受信する。フォーマット切替部154は、フォーマット予測データに基づいて表示部152の再生設定事前切り替えを行う(ステップS820)。再生設定事前切り替えとは、フォーマット予測データに基づいて表示部152の再生設定を事前に切り替えることをいう。具体的には、表示部152の画面を一時的にミュートし、表示解像度の切り替えおよび同期周波数の変更等を行う。
再生設定事前切り替えが完了すると、入力フォーマット通信部153は、通信部151を通して入出力装置700に再生設定事前切り替えが完了したことを示す再生設定事前切替完了通知を送信する(ステップS821)。
一方、入出力装置700の受信部101は、ステップS802の処理の後、選局処理を行う(ステップS803)。
受信部101には放送信号が入力される(イベントE2)。選局処理により所望のチャネルが選局されると、受信部101により放送信号からそのチャネルの周波数信号が抽出され、抽出された周波数信号から復調部102により映像音声信号およびその他の情報の取得が開始される。この場合、復調部102は、再生しようとする映像音声信号の取得の際に、その映像音声信号に対応するフォーマット情報を取得する(ステップS804)。
フォーマット決定部106は、フォーマット情報に基づいて、取得された映像音声信号のフォーマットを識別し、識別された映像音声信号のフォーマットが現在接続されている再生装置150により再生可能であるか否かを判定し、入出力装置100から出力する映像音声信号のフォーマットを出力フォーマットとして決定する(ステップS805)。
この場合、フォーマット決定部106は、取得された映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生可能である場合には、取得された映像音声信号のフォーマットを変換せずにその映像音声信号を出力するように変換部103に指示し、取得された映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生不可能である場合には、取得された映像音声信号のフォーマットを再生装置150が再生可能なフォーマットに変換するように変換部103に指示する。
なお、このフォーマット決定部106によるフォーマットの決定の方法は、第1の実施の形態と同様である。
次に、出力フォーマット通信部107は、フォーマット決定部106により決定された出力フォーマットを示すフォーマット情報を再生装置150に送信する(ステップS806)。
入出力装置700からフォーマット情報が送信されると、再生装置150の入力フォーマット通信部153は、通信部151を通してフォーマット情報を受信する。フォーマット切替部154は、ステップS802で入出力装置700から送信されたフォーマット予測データとステップS806で入出力装置700から送信されたフォーマット情報とが一致しているか否かを確認する(ステップS822)。
フォーマット予測データとフォーマット情報とが一致しない場合またはフォーマット予測データがない場合には、フォーマット切替部154は、フォーマット情報に基づいて表示部152の再生設定切り替えを行う(ステップS823)。
フォーマット予測データとフォーマット情報とが一致した場合には、フォーマット切替部154は、ステップS823の処理を行わない。
ステップS822の確認およびステップS823の再生設定切り替えが完了すると、入力フォーマット通信部153は、通信部151を通して入出力装置700にフォーマット確認完了通知を送信する(ステップS824)。
一方、ステップS806で出力フォーマット通信部107がフォーマット情報を再生装置150に送信した後、入出力装置700のCPU105は、変換部103の設定を切り替えることにより通信部104から出力される映像音声信号のフォーマットを決定された出力フォーマットに切り替える(ステップS807)。
次に、CPU105は、ステップS806で再生装置150に送信したフォーマット情報を出力フォーマット記憶部701に記憶されるフォーマット情報リストの該当するチャネルの記憶領域に保存する(ステップS808)。
次に、CPU105は、ステップS821における再生設定事前切替完了通知およびステップS824におけるフォーマット確認完了通知の受信を確認する(ステップS809)。
その後、通信部104は、映像音声信号の出力を開始する(ステップS810)。本実施の形態では、図2の通信部151のHDMIトランスミッタ211からHDMI接続におけるTMDS線に映像音声信号が出力される。
再生装置150の通信部151が入出力装置100から出力される映像音声信号を受信すると、表示部152が映像および音声の再生を開始する(ステップS825)。それにより、表示部152に映像が表示されるとともに表示部152から音声が出力される。
以上のように、本実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおいて、入出力装置700は、選局処理の前に予め記憶されたチャネルごとのフォーマット情報をフォーマット予測データとして再生装置150に送信し、再生装置150は、フォーマット予測データに基づいて再生設定を事前に切り替える。その後、入出力装置700は、出力フォーマットを示すフォーマット情報を再生装置150に送信した後に出力フォーマットを切り替え、その後に再生装置150に映像音声信号を送信する。一方、再生装置150は、受信したフォーマット情報がフォーマット予測データと一致する場合には、入出力装置100からの映像音声信号を受信したときに直ちに映像および音声を再生することができる。また、再生装置150は、受信したフォーマット情報がフォーマット予測データと一致しない場合には、フォーマット情報に基づいて再生設定を切り替えた後、入出力装置100からの映像音声信号を受信したときに直ちに映像および音声を再生することができる。このようにして、再生装置150は再生設定の切り替えをより迅速に行うことができる。
したがって、入出力装置700における映像音声信号のフォーマットの切り替わりの発生から短時間で再生装置150により視聴者に映像および音声を提示することが可能となる。
(3)他の実施の形態
第1および第2の実施の形態では、入出力装置が映像音声信号を取得するために放送電波が用いられるが、これに限定されず、入出力装置は、DVD等のメディアに記録された映像音声信号を取得してもよく、あるいは、インターネット回線または無線通信等を用いて映像音声信号を取得してもよい。
また、第1および第2の実施の形態では、一例としてHDMI接続を用いた映像音声装置ネットワークおよびCEC線を用いた出力フォーマットの決定方法が説明されているが、本発明における入出力装置と再生装置との接続はHDMI接続に限定されず、入出力装置と再生装置とが有線通信または無線通信により接続されてもよい。
さらに、第1および第2の実施の形態では、視聴者が選局操作を行う例が説明されているが、これに限定されず、入出力装置が自動的に選局操作を行ってもよく、あるいは入出力装置に接続された外部機器からの通信等により選局操作が行われてもよい。
また、本発明は、1つのチャネルの番組を視聴中にそのチャネルの映像音声信号のフォーマットが時間軸で切り替わった場合にも適用可能である。
(4)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、受信部101が受信部の例であり、復調部102が復調部の例であり、変換部103が変換部の例であり、フォーマット決定部106が決定部の例であり、通信部104および出力フォーマット通信部107が第1の通信部の例であり、CPU105が制御部の例である。また、通信部151および入力フォーマット通信部153が第2の通信部の例であり、フォーマット切替部154が設定部の例であり、表示部152が再生部の例である。
さらに、出力フォーマット記憶部701が記憶部の例であり、HDMIトランスミッタ211が信号送信部の例であり、CEC通信制御部212が情報送信部の例であり、HDMIレシーバ251が信号受信部の例であり、CEC通信制御部252が情報受信部の例である。
本発明は、映像音声信号入出力装置における映像信号または音声信号のフォーマットの切り替わりの発生に応答して再生装置における再生設定を切り替える場合等に有効に利用することができる。
本発明は、映像信号および音声信号の入出力を行う映像音声信号入出力装置、映像信号に基づく映像表示および音声信号に基づく音声出力を行う映像音声再生装置、相互に接続された映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置を含む映像音声装置ネットワーク、ならびに信号再生方法に関する。
近年の映像信号のデジタル化の進展により、映像音声装置において複数の映像および音声フォーマットが使用されており、これら複数の映像および音声フォーマットに適合した映像音声装置も増加している。映像音声装置の例としては、テレビジョン受信機またはプロジェクタ等の映像音声再生装置(以下、再生装置と略記する)、およびデジタル放送受信用セットトップボックスまたはDVD(デジタルバーサタイルディスク)レコーダ等の映像音声信号入出力装置(以下、入出力装置と略記する)等が挙げられる。また、新たな映像および音声フォーマットの提唱も継続して行われており、映像音声装置が適合する映像および音声フォーマットは今後も増加していくものと考えられる。
以下、単にフォーマットというときは、映像フォーマットおよび音声フォーマットの両方または一方を指すものとする。
現在、使用されている映像フォーマットとしては、例えば480i、480p、576i、576p、720pおよび1080i等が挙げられる。ここで、“i”はインターレース方式を表し、“p”はプログレッシブ方式を表す。音声フォーマットとしては、AAC(Advanced Audio Coding)、PCM(Pulse Code Modulation)およびAC3(Audio Code number 3)、Mpeg(Moving Picture Experts Group)等が挙げられる。しかし、すべての映像音声装置がすべてのフォーマットに適合しているわけではない。
このため、入出力装置を再生装置に接続し、入出力装置から再生装置に映像信号および音声信号を送信する際には、各入出力装置が出力可能なフォーマットと再生装置が受信および再生可能なフォーマットとを比較し、使用するフォーマットを設定するという機器設定作業が行われる。
この機器設定作業としては、機器設定メニュー等を用いてユーザ操作によって使用可能なフォーマットを決定する場合と、入出力装置および再生装置の各々が自動的に送受信可能なフォーマットを示す情報を交替して、入出力装置と再生装置との間で使用可能なフォーマットを決定するような場合とがある。
機器設定作業を行った結果として複数のフォーマットが使用可能なフォーマットとして設定された場合には、入出力装置での選局操作または再生コンテンツの切り替え等により、入出力装置から出力されるフォーマットが切り替えられる場合がある。
これは、例えば次のような場合を指す。入出力装置および再生装置で480iおよび1080iが使用可能な映像フォーマットとして設定されている。また、テレビ放送の1つの放送チャネルの映像が480iの映像フォーマットで放送されている。このような状態で、他の異なる放送チャネルが選局されたときに、選局後の放送チャネルが1080iの映像フォーマットで放送されている。この場合、入出力装置から出力される480iの映像フォーマットが1080iの映像フォーマットに切り替えられる。
しかしながら、従来の入出力装置と再生装置との間での信号の送受信においては、このようなフォーマットの切り替えが発生した場合に、視聴者による選局操作の実施から入出力装置での選局処理およびフォーマットの切り替え後に再生装置において映像が表示されるまでの時間が一般的に長く、1秒から数秒を必要とする。
図9は従来の映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置におけるフォーマットの切替時の動作を示すフローチャートである。
例えば放送受信の場合には、視聴者がリモコン等により選局操作を行ったときに、まず入出力装置が放送チャネルの選局処理を行う(ステップS1)。入出力装置は、放送信号の入力後に、映像信号のフォーマットを検知し(ステップS2)、映像信号の出力フォーマットの切り替えを行う(ステップS3)。その後に、入出力装置は映像信号の出力を開始する(ステップS4)。
再生装置は、入出力装置からの映像信号を受信すると、映像信号のフォーマットの切り替えを検知し(ステップS5)、切り替え後のフォーマットで映像を表示するために表示解像度切り替えおよび表示位置の調整を行う(ステップS6)。その後に、再生装置は映像表示を開始する(ステップS7)。このように、複数の装置による一連の処理が発生する。そのため、選局操作の実施から映像が表示されるまでの時間が長くなる。
上記のフォーマットの切り替え処理は、選局操作時だけでなく入出力装置が再生可能なDVD等のメディアの再生開始時、またはHDD(ハードディスクドライブ)に録画されたコンテンツの再生時のように再生するコンテンツのフォーマットが切り替わるときには常に発生しうる。
このため、視聴者は選局操作および視聴メディアの切り替えごとに、入出力装置および再生装置のフォーマットの切り替え処理を待たなくてはならず、選局操作等をスムーズに行うことができない。
特許文献1に、フォーマット切り替え処理を行う画像表示装置が記載されている。特許文献1の画像表示装置では、受信されたデジタル信号に含まれている表示関連情報を抽出し、この表示関連情報に応答して表示モードを自動設定するとともに、ユーザによる表示モードの設定指示があった場合にユーザによる設定指示に従って表示モードを設定する。
特開2006-108750号公報
上記のように、入出力装置および再生装置のように複数の映像および音声フォーマットに適合した2つ以上の映像音声装置を接続して映像音声コンテンツを視聴する場合、フォーマットの切り替えが発生する選局またはコンテンツの切り替えを行ったときに、複数の映像音声装置がフォーマットを切り替える必要がある。そのため、切り替え時間が長くなり、視聴者にとって好ましいものではなかった。
本発明の目的は、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能な映像音声装置ネットワークを提供することである。
本発明の他の目的は、映像音声再生装置に接続された状態で、信号のフォーマットの切り替えが発生した場合に映像音声再生装置におけるフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能な映像音声信号入出力装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、映像音声信号入出力装置に接続された状態で、信号のフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能な映像音声再生装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能な信号再生方法を提供することである。
(1) 本発明の一局面に従う映像音声装置ネットワークは、映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置を備え、映像音声信号入出力装置は、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号を復調する復調部と、復調部により復調された信号を指示されたフォーマットに変換する変換部と、受信部により受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットを決定する決定部と、決定部により決定されたフォーマットの情報および変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信する第1の通信部と、決定部によるフォーマットの決定に応答して、決定部により決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部を制御した後、決定部により決定されたフォーマットを変換部に指示し、変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部を制御する制御部とを含み、映像音声再生装置は、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報を受信した後、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信する第2の通信部と、第2の通信部により受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定する設定部と、設定部により設定された再生条件で第2の通信部により受信された信号を再生する再生部とを含むものである。
その映像音声装置ネットワークの映像音声信号入出力装置においては、受信部により映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号が受信され、受信された信号が復調部により復調され、復調された信号が指示されたフォーマットに変換部により変換される。また、受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットが決定部により決定される。フォーマットの決定に応答して、決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部が制御部により制御された後、決定されたフォーマットが変換部に指示され、変換された信号を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部が制御される。
映像音声再生装置においては、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報が第2の通信部により受信される。受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定部により設定される。その後、映像音声信号入出力装置から送信される信号が第2の通信部により受信される。設定された再生条件で受信された信号が再生部により再生される。
このように、映像音声信号入出力装置から送信される信号のフォーマットが決定された時点で映像音声再生装置にフォーマットの情報が送信され、映像音声再生装置でそのフォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
(2) 決定部は、受信部により受信される信号の変更後のフォーマットおよび映像音声再生装置により再生可能なフォーマットに基づいて映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットを決定してもよい。
この場合、映像音声再生装置において、映像音声信号入出力装置から送信される信号を確実に再生することができる。
(3) 映像音声信号入出力装置は、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号の供給源とフォーマットとの関係を予め記憶する記憶部をさらに含み、制御部は、ユーザによる供給源の切り替え操作時に、記憶部から切り替え後の供給源に対応するフォーマットを予測フォーマットとして取り出し、予測フォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部を制御し、映像音声再生装置の第2の通信部は、映像音声信号入出力装置から送信される予測フォーマットの情報を受信し、設定部は、第2の通信部により受信された予測フォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定した後、第2の通信部により受信されたフォーマットの情報が予測フォーマットの情報と異なる場合にフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を再設定してもよい。
この場合、映像音声信号入出力装置において、ユーザによる供給源の切り替え操作時に、制御部により記憶部から切り替え後の供給源に対応するフォーマットが予測フォーマットとして取り出される。そして、予測フォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように第1の通信部が制御部により制御される。
一方、映像音声再生装置において、映像音声信号入出力装置から送信される予測フォーマットの情報が第2の通信部により受信される。そして、受信された予測フォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定部により設定される。その後、受信されたフォーマットの情報が予測フォーマットの情報と異なる場合には、フォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定部により再設定される。
それにより、映像音声信号入出力装置から送信される予測フォーマットの情報が受信された時点で映像音声再生装置でその予測フォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間をさらに短縮することが可能となる。
(4) 設定部は、第2の通信部により受信された予測フォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定した後、第2の通信部により受信されたフォーマットの情報が予測フォーマットの情報と同じ場合に予測フォーマットの情報に基づいて設定された再生条件を維持してもよい。
この場合、受信されたフォーマットの情報が予測フォーマットの情報と同じ場合には予測フォーマットの情報に基づいて設定された再生条件が維持される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間をさらに短縮することが可能となる。
(5) 第1の通信部および第2の通信部の各々は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠し、第1の通信部は、変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信する信号送信部と、決定部により決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信する情報送信部とを含み、第2の通信部は、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信する信号受信部と、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報を受信する情報受信部とを含み、情報送信部および情報受信部は、CEC(Consumer Electronics Contro1)線により接続されてもよい。
この場合、映像音声信号入出力装置から映像音声再生装置に映像信号および音声信号の少なくとも一方を含む信号およびフォーマットの情報を容易に送信することができる。
(6) 本発明の他の局面に従う映像音声信号入出力装置は、映像音声再生装置に接続される映像音声信号入出力装置であって、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号を復調する復調部と、復調部により復調された信号を指示されたフォーマットに変換する変換部と、受信部により受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットを決定する決定部と、決定部により決定されたフォーマットの情報および変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信する通信部と、決定部によるフォーマットの決定に応答して、決定部により決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように通信部を制御した後、決定部により決定されたフォーマットを変換部に指示し、変換部により変換された信号を映像音声再生装置に送信するように通信部を制御する制御部とを備えたものである。
その映像音声信号入出力装置においては、受信部により映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号が受信され、受信された信号が復調部により復調され、復調された信号が指示されたフォーマットに変換部により変換される。また、受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットが決定部により決定される。フォーマットの決定に応答して、決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するように通信部が制御部により制御された後、決定されたフォーマットが変換部に指示され、変換された信号を映像音声再生装置に送信するように通信部が制御される。
このように、映像音声信号入出力装置から送信される信号のフォーマットが決定された時点で映像音声再生装置にフォーマットの情報が送信され、映像音声再生装置でそのフォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置が映像音声再生装置に接続された状態で、信号のフォーマットの切り替えが発生した場合に映像音声再生装置におけるフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
(7) 本発明のさらに他の局面に従う映像音声再生装置は、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号のフォーマットの情報を送信した後に信号を送信する映像音声信号入出力装置に接続される映像音声再生装置であって、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報を受信した後、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信する通信部と、通信部により受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定する設定部と、設定部により設定された再生条件で通信部により受信された信号を再生する再生部とを備えたものである。
その映像音声再生装置においては、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報が通信部により受信される。受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定部により設定される。その後、映像音声信号入出力装置から送信される信号が通信部により受信される。設定された再生条件で受信された信号が再生部により再生される。
このように、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報が受信された時点で映像音声再生装置でそのフォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置に接続された状態で、信号のフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
(8) 本発明のさらに他の局面に従う信号再生方法は、映像音声信号入出力装置から送信される映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号を映像音声再生装置において再生する信号再生方法であって、映像音声信号入出力装置において、映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号を受信するステップと、映像音声信号入出力装置において、受信された信号を復調するステップと、映像音声信号入出力装置において、復調された信号を指示されたフォーマットに変換するステップと、映像音声信号入出力装置において、受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットを決定するステップと、映像音声信号入出力装置において、フォーマットの決定に応答して、決定されたフォーマットの情報を映像音声再生装置に送信するステップと、映像音声信号入出力装置において、変換された信号を映像音声再生装置に送信するステップと、映像音声再生装置において、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報を受信するステップと、映像音声再生装置において、受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件を設定するステップと、映像音声再生装置において、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信するステップと、映像音声再生装置において、設定された再生条件で受信された信号を再生するステップとを含むものである。
その信号再生方法によれば、映像音声信号入出力装置において映像信号および音声信号のうち少なくとも一方を含む信号が受信され、受信された信号が復調され、復調された信号が指示されたフォーマットに変換される。また、受信される信号のフォーマットが変更された場合に映像音声再生装置に送信すべき信号のフォーマットが決定される。フォーマットの決定に応答して、決定されたフォーマットの情報が映像音声再生装置に送信され、変換された信号が映像音声再生装置に送信される。
映像音声再生装置においては、映像音声信号入出力装置から送信されるフォーマットの情報が受信される。受信されたフォーマットの情報に基づいて信号の再生条件が設定される。その後、映像音声信号入出力装置から送信される信号が受信される。設定された再生条件で受信された信号が再生される。
このように、映像音声信号入出力装置から送信される信号のフォーマットが決定された時点で映像音声再生装置にフォーマットの情報が送信され、映像音声再生装置でそのフォーマットの情報に基づいて再生条件の設定が開始される。それにより、映像音声再生装置では、映像音声信号入出力装置から送信される信号を受信した時点でその信号を直ちに再生することができる。
したがって、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
本発明によれば、映像音声信号入出力装置と映像音声再生装置との間でのフォーマットの切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置、映像音声再生装置、およびこれらを用いた映像音声装置ネットワークならびに信号再生方法について説明する。
(1)第1の実施の形態
図1は本発明の第1の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置の構成を示すブロック図である。以下、映像音声信号入出力装置100を入出力装置100と略記し、映像音声再生装置150を再生装置150と略記する。
なお、本実施の形態では、1台の入出力装置100と1台の再生装置150とが互いに接続される。ここでは、このように2台以上の映像音声装置が相互に接続された状態を映像音声装置ネットワークと呼ぶ。また、映像フォーマットおよび音声フォーマットの一方または両方を単にフォーマットと称する。
入出力装置100は、受信部101、復調部102、変換部103、通信部104、CPU(中央演算処理装置)105、フォーマット決定部(図1ではFMT決定部と表示する)106および出力フォーマット通信部(図1では出力FMT通信部と表示する)107を含む。
放送電波は、アンテナにより受信され、放送信号が受信部101に入力される。受信部101は、入力される放送信号からCPU105により指定された放送チャンネル(以下、チャネルと略記する)の周波数信号を取得する。
復調部102は、受信部101から出力される周波数信号から映像信号、音声信号および番組に関する情報等を取得し、それらの映像信号、音声信号および番組に関する情報等をそれぞれデジタルの映像信号、デジタルの音声信号およびデジタルの情報等に復調する。
変換部103は、復調部102により復調されたデジタルの映像信号および音声信号のフォーマットを任意のフォーマットに変換する。例えば、復調部102により復調された映像信号が1080iのフォーマットを有する場合に、変換部103は映像信号のフォーマットを480iのフォーマットに変換する。また、例えば、復調部102により復調された音声信号がAC3のフォーマットを有する場合に、変換部103は音声信号のフォーマットをPCMのフォーマットに変換する。
通信部104は、外部装置と通信を行う際に信号の変換および信号の送受信を行う。この通信部104は、外部端子を通して接続された外部装置に対して映像信号、音声信号およびデータ信号の通信を行う。
CPU105は、入出力装置100の全体のシステムを管理するマイクロコンピュータであり、各部の動作およびメッセージの送受信を制御する。
フォーマット決定部106は、復調部102により復調された番組に関する情報から映像および音声を再生するために必要なフォーマットを示すフォーマット情報を抽出する。フォーマット情報は、画面解像度およびクロック周波数等を含む。映像フォーマットは、例えば、480i/60Hz(720×480ピクセル、インターレース方式および60Hz)等である。音声フォーマットは、例えば、AC3およびPCM等である。
また、フォーマット決定部106は、再生装置150が再生可能なフォーマットに関する情報を通信部104を介して取得することができる。フォーマット決定部106は、取得した再生可能なフォーマットに関する情報と再生されるべき映像信号または音声信号のフォーマットとを比較し、実際に出力する映像信号または音声信号のフォーマットを出力フォーマットとして決定するとともに、変換部103の出力フォーマットを切り替える。それにより、入出力装置100から接続先の再生装置150に出力される映像信号または音声信号のフォーマットが決定される。
出力フォーマット通信部107は、再生装置150と通信部104を通して通信することが可能である。特に、出力フォーマット通信部107は、フォーマット決定部106により決定された出力フォーマットをフォーマット決定部106から受け取り、その出力フォーマットを示すフォーマット情報を再生装置150に送信する。また、出力フォーマット通信部107は、接続先の再生装置150からの後述する切替完了通知等の信号を受信することができる。
このように、入出力装置100では、選局操作により選択されたチャネルの周波数信号が受信部101により抽出され、抽出された周波数信号が復調部102によりデジタルの映像信号および音声信号に復調される。さらに、映像信号および音声信号が変換部103により所定の出力フォーマットに変換され、変換された出力フォーマットを有する映像信号および音声信号が通信部104を通して再生装置150に出力される。
再生装置150は、通信部151、表示部152、入力フォーマット通信部(図1では入力FMT通信部と表示する)153、およびフォーマット切替部(図1ではFMT切替部と表示する)154を含む。
通信部151は、外部装置と映像信号および音声信号の送受信を行う。表示部152は、通信部151により受信された映像信号および音声信号を映像および音声として再生する。
入力フォーマット通信部153は、入出力装置100に対して通信部151を通してフォーマット情報およびコマンドを通信する。
フォーマット切替部154は、入力フォーマット通信部153により取得されたフォーマット情報に基づいて表示部152の再生設定を切り替える。ここで、再生設定は、映像表示の設定および音声出力の設定を含む。
図2は第1の実施の形態に係る入出力装置と再生装置との具体的な接続方法を示すブロック図である。以下、接続方法の一例として、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠した接続方法を説明する。
HDMI規格は2002年12月に策定された規格である。このHDMI規格によれば、デジタルデータ以外に付帯情報の入出力を行うことが可能である。
図2の例では、入出力装置100の通信部104がHDMI送信部からなる。この場合、通信部104は、HDMIトランスミッタ211およびCEC(Consumer Electronics Contro1)通信制御部212により構成される。
また、再生装置150の通信部151は、HDMI受信部からなる。この場合、通信部151は、HDMIレシーバ251およびCEC通信制御部252により構成される。
通信部104は、映像信号および音声信号を出力するためのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)規格に準拠するTMDS信号線、設定情報およびステータス情報を送受信するためのDDC(Display Data Channe1)信号線、およびCEC(Consumer Electronics Contro1)信号線を外部装置との接続のために有する。本例では、入出力装置100の通信部104と再生装置150の通信部151とがTMDS信号線、DDC信号線およびCEC信号線により接続される。以下、映像信号および音声信号を映像音声信号と総称する。
まず、TMDS信号線を経由した映像音声信号の流れについて説明する。
入出力装置100の通信部104のHDMIトランスミッタ211は、変換部103から出力される映像音声信号を受信し、受信した映像音声信号をTMDS信号線に出力する。このときに出力される映像音声信号のフォーマットはCPU105により指示される。
TMDS信号線に出力された映像音声信号は、再生装置150の通信部151のHDMIレシーバ251により受信され、表示部152により映像および音声として再生される。
次に、DDC信号線は、設定情報およびステータス情報を送受信するために用いられる。DDC信号線を介して送信される情報の一つとしてEDID(Extended display identification data)情報がある。
EDID情報は、テレビジョン受信機またはディスプレイ等の映像音声再生装置が内部に保有するデータを意味し、EDID情報を保有する映像音声再生装置が再生可能なフォーマットを定義している。
EDID情報内に再生装置150が画面に表示可能または入力可能な映像フォーマットが“Detailed timing data descriptor”および“Short video descriptor”により記述されている。
図3は第1の実施の形態に係る再生装置が保有するフォーマット情報を簡略化して示す図である。本例のフォーマット情報は、映像フォーマットに関する情報である。再生装置150が音声フォーマットに関する情報を保有してもよい。
図3に示すように、EDID情報は、画面の水平方向のピクセル数、画面の垂直方向のピクセル数、走査方式(プログレッシブ方式またはインターレース方式)、水平周波数および画面のアスペクト比を含む。
図3のEDID情報は、480i、480pおよび1080iを含む。このEDID情報は、本実施の形態の再生装置150が480i、480pおよび1080iの映像フォーマットを受信および再生可能であることを示している。また、音声フォーマット情報も、同様に、EIA/CEA-861B規格で定められたフォーマットで記載されている。
次に、ユーザの選局操作に従って入出力装置100が選局処理を行うことによりフォーマットの切り替えが発生した場合における入出力装置100および再生装置150の処理手順を説明する。
図4は入出力装置から再生装置に送信されるフォーマット情報の一例を示す模式図である。
図4のフォーマット情報は、水平ピクセル数、垂直ピクセル数、走査方式(プログレッシブ方式またはインターレース方式)、水平周波数および画面のアスペクト比を含む。本例では、720×480ピクセル、インターレース方式、60Hzおよび4:3の映像フォーマットで入出力装置100から映像信号が出力されることが再生装置150に通知される。
なお、図4の例では、フォーマット情報が映像フォーマットを含むが、フォーマット情報が同様に音声フォーマットを含んでもよい。
本実施の形態においては、フォーマット情報はHDMI接続のCEC信号線を通して入出力装置100から再生装置150に送信される。その場合、図4のフォーマット情報は、HDMI規格におけるCEC通信に関して規定されたCEC規格における“Vendor Unique”コマンドを使用して通信することが可能である。
図5は第1の実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおける入出力装置および再生装置の処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、選局操作によりフォーマットの切り替えが発生した場合に、入出力装置100の通信部104から出力されるべきフォーマットが決定され、再生装置150にフォーマット情報が送信された後、映像音声信号が出力され、再生装置150により映像表示および音声出力が行われるまでの処理手順が示される。
まず、ユーザがリモコンまたはフロントパネルを用いた選局操作により入出力装置100に選局処理を指示すると(イベントE1)、入出力装置100の受信部101は選局処理を行う(ステップS501)。
受信部101には放送信号が入力される(イベントE2)。選局処理により所望のチャネルが選局されると、受信部101により放送信号からそのチャネルの周波数信号が抽出され、抽出された周波数信号から復調部102により映像音声信号およびその他の情報の取得が開始される。この場合、復調部102は、再生しようとする映像音声信号の取得の際に、その映像音声信号に対応するフォーマット情報を取得する(ステップS502)。
フォーマット決定部106は、フォーマット情報に基づいて、取得された映像音声信号のフォーマットを識別し、識別された映像音声信号のフォーマットが現在接続されている再生装置150により再生可能であるか否かを判定し、入出力装置100から出力する映像音声信号のフォーマットを出力フォーマットとして決定する(ステップS503)。
この場合、フォーマット決定部106は、取得された映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生可能である場合には、取得された映像音声信号のフォーマットを変換せずにその映像音声信号を出力するように変換部103に指示し、取得された映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生不可能である場合には、取得された映像音声信号のフォーマットを再生装置150が再生可能なフォーマットに変換するように変換部103に指示する。
なお、フォーマット決定部106は、映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生可能であるか否かの判定の際に、再生装置150から取得したEDID情報または入出力装置100に対するユーザ設定等の出力フォーマットに関する設定情報を補足情報として使用してもよい。
次に、出力フォーマット通信部107は、フォーマット決定部106により決定された出力フォーマットを示すフォーマット情報を通信部104を通して再生装置150に送信する(ステップS504)。
その後、入出力装置100のCPU105は、変換部103の設定を切り替えることにより通信部104から出力される映像音声信号のフォーマットを図4のフォーマット情報に示される出力フォーマットに切り替える(ステップS505)。
一方、ステップS504で入出力装置100からフォーマット情報が送信されると、再生装置150の入力フォーマット通信部153は通信部151を通してフォーマット情報を受信する。フォーマット切替部154は、フォーマット情報に基づいて表示部152の表示解像度および同期周波数等の再生設定を切り替える(ステップS520)。本実施の形態では、フォーマット切替部154は、図4に示されるフォーマット情報に表示部152の状態を一致させる。
再生装置150の再生設定の切り替えが完了すると、入力フォーマット通信部153は通信部151を通して入出力装置100に再生設定切り替えが完了したことを示す再生設定切替完了通知を送信する(ステップS521)。
入出力装置100のCPU105は、ステップS505における出力フォーマットの切り替えの完了およびステップS521における再生設定切替完了通知の受信を確認する(ステップS506)。
その後、通信部104は、映像音声信号の出力を開始する(ステップS507)。本実施の形態では、図2の通信部104のHDMIトランスミッタ211からHDMI接続におけるTMDS線に映像音声信号が出力される。
再生装置150の通信部151が入出力装置100から出力される映像音声信号を受信すると、表示部152が映像および音声の再生を開始する(ステップS522)。それにより、表示部152に映像が表示されるとともに表示部152から音声が出力される。
以上のように、本実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおいて、入出力装置100は、出力フォーマットを示すフォーマット情報を再生装置150に送信した後に出力フォーマットを切り替え、その後に再生装置150に映像音声信号を送信する。一方、再生装置150は、入出力装置100からのフォーマット情報を受信したときに再生設定を切り替えた後、入出力装置100からの映像音声信号を受信したときに直ちに映像および音声を再生することができる。
したがって、入出力装置100における映像音声信号のフォーマットの切り替わりの発生から短時間で再生装置150により視聴者に映像および音声を提示することが可能となる。
特に、本実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおいては、HDMI接続におけるCEC線を用いてフォーマット情報を入出力装置100から再生装置150に容易かつ迅速に送信することができる。
このようにして、ユーザの利便性が高い映像音声装置ネットワークを構築することが可能となる。
なお、本実施の形態では、映像音声信号の映像フォーマットおよび音声フォーマットの切り替わりが発生する場合について説明したが、映像信号の映像フォーマットのみが切り替わる場合にはフォーマット情報が映像フォーマットのみを含み、フォーマット切替部154が表示部152の表示設定のみを切り替える。また、音声信号の音声フォーマットのみが切り替わる場合にはフォーマット情報が音声フォーマットのみを含み、フォーマット切替部154が表示部152の音声設定のみを切り替える。
また、本実施の形態では、ステップS504で選局処理が行われるごとに出カフォーマット通信部107が再生装置150に毎回フォーマット情報を通信するが、選局処理の前に取得されていた映像音声信号のフォーマットと選局処理後に取得された映像音声信号のフォーマットとが異なる場合にのみ出力フォーマット通信部107が再生装置150にフォーマット情報を送信してもよい。
(2)第2の実施の形態
図6は本発明の第2の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置の構成を示すブロック図である。
なお、本実施の形態においても、映像音声信号入出力装置700を入出力装置700と略記し、映像音声再生装置150を再生装置150と略記する。
図6の入出力装置700が図1の入出力装置100と異なるのは、出力フォーマット記憶部(図6では出力FMT記憶部と表示する)701をさらに含む点である。出力フォーマット記憶部701は、CPU105に接続され、チャネルごとの出力フォーマットをフォーマット情報リストとして記憶する。より詳細には、出力フォーマット記憶部701は、入出力装置700が選局可能なチャネルおよびメディアの各々について、以前にそのチャネルおよびメディアにおいて実際に出力された映像信号の映像フォーマットまたは音声信号の音声フォーマットをフォーマット情報リストとして記憶する。この出力フォーマット記憶部701を利用することにより高速な出力フォーマットの切り替えが実現される。
なお、入出力装置700の他の部分の構成および動作は、図1の入出力装置100の対応する部分の構成および動作と同じであるので、図6において図1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
図7は出力フォーマット記憶部701に記憶されるフォーマット情報リストの一例を示す模式図である。
図7の例では、フォーマット情報リストは、選局可能なチャネルの一覧を含み、チャネルごとに映像フォーマットおよび音声フォーマットを示すフォーマット情報を含む。映像フォーマットは、水平ピクセル数、垂直ピクセル数、走査方式(プログレッシブ方式またはインターレース方式)、水平周波数および画面のアスペクト比からなる。
このフォーマット情報リストは、チャネルごとに前回の選局処理時に入出力装置700から出力された映像音声信号のフォーマット情報を記憶することにより得られる。
図8は第2の実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおける入出力装置および再生装置の処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、選局操作によりフォーマットの切り替えが発生した場合に、選局処理により得られる映像音声信号のフォーマットが予測され、入出力装置700の通信部104から出力されるべきフォーマットが決定され、再生装置150にフォーマット情報が送信された後、映像音声信号が出力され、再生装置150により映像表示および音声出力が行われるまでの処理手順が示される。
まず、ユーザがリモコンまたはフロントパネルを用いた選局操作により入出力装置700に選局処理を指示すると(イベントE1)、CPU105は出カフォーマット記憶部701に記憶されるフォーマット情報リストから選局操作により選択されたチャネルに対応するフォーマット情報をフォーマット予測データとして取り出す(ステップS801)。
次に、出力フォーマット通信部107は、フォーマット予測データを通信部104を通して再生装置150に送信する(ステップS802)。この場合、出力フォーマット通信部107により送信されるフォーマット予測データは、第1の実施の形態における図4のフォーマット情報と同様の項目を有する。
例えば、図7において、チャネル“004”が選択される場合には、1920×1080ピクセル、インターレース方式、60Hzおよび16:9の映像フォーマットを示すフォーマット予測データが入出力装置700から再生装置150に送信される。
この場合、該当するチャネルのフォーマット情報とともに、そのフォーマット情報がフォーマット予測データであることを示すパラメータが同時に送信される。例えば、フォーマット情報にフォーマット予測データであることを示すパラーメータが追記される。
本実施の形態では、フォーマット予測データはHDMI接続のCEC信号線を通して送信される。その場合、フォーマット予測データはHDMI規格においてCEC通信に関して規定されたCEC規格における“Vendor Unique”コマンドを使用して送信することが可能である。
なお、ステップS801において出力フォーマット記憶部701に記憶されたフォーマット情報リストに選択されたチャネル(例えば“004”)に対応するフォーマット情報が存在しない場合、または入出力装置700においてそのチャネル(例えば“004”)が初めて選択された場合には、ステップS802の処理は行われない。
一方、ステップS802で入出力装置700からフォーマット予測データが送信されると、再生装置150の入力フォーマット通信部153は通信部151を通してフォーマット予測データを受信する。フォーマット切替部154は、フォーマット予測データに基づいて表示部152の再生設定事前切り替えを行う(ステップS820)。再生設定事前切り替えとは、フォーマット予測データに基づいて表示部152の再生設定を事前に切り替えることをいう。具体的には、表示部152の画面を一時的にミュートし、表示解像度の切り替えおよび同期周波数の変更等を行う。
再生設定事前切り替えが完了すると、入力フォーマット通信部153は、通信部151を通して入出力装置700に再生設定事前切り替えが完了したことを示す再生設定事前切替完了通知を送信する(ステップS821)。
一方、入出力装置700の受信部101は、ステップS802の処理の後、選局処理を行う(ステップS803)。
受信部101には放送信号が入力される(イベントE2)。選局処理により所望のチャネルが選局されると、受信部101により放送信号からそのチャネルの周波数信号が抽出され、抽出された周波数信号から復調部102により映像音声信号およびその他の情報の取得が開始される。この場合、復調部102は、再生しようとする映像音声信号の取得の際に、その映像音声信号に対応するフォーマット情報を取得する(ステップS804)。
フォーマット決定部106は、フォーマット情報に基づいて、取得された映像音声信号のフォーマットを識別し、識別された映像音声信号のフォーマットが現在接続されている再生装置150により再生可能であるか否かを判定し、入出力装置700から出力する映像音声信号のフォーマットを出力フォーマットとして決定する(ステップS805)。
この場合、フォーマット決定部106は、取得された映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生可能である場合には、取得された映像音声信号のフォーマットを変換せずにその映像音声信号を出力するように変換部103に指示し、取得された映像音声信号のフォーマットが再生装置150により再生不可能である場合には、取得された映像音声信号のフォーマットを再生装置150が再生可能なフォーマットに変換するように変換部103に指示する。
なお、このフォーマット決定部106によるフォーマットの決定の方法は、第1の実施の形態と同様である。
次に、出力フォーマット通信部107は、フォーマット決定部106により決定された出力フォーマットを示すフォーマット情報を再生装置150に送信する(ステップS806)。
入出力装置700からフォーマット情報が送信されると、再生装置150の入力フォーマット通信部153は、通信部151を通してフォーマット情報を受信する。フォーマット切替部154は、ステップS802で入出力装置700から送信されたフォーマット予測データとステップS806で入出力装置700から送信されたフォーマット情報とが一致しているか否かを確認する(ステップS822)。
フォーマット予測データとフォーマット情報とが一致しない場合またはフォーマット予測データがない場合には、フォーマット切替部154は、フォーマット情報に基づいて表示部152の再生設定切り替えを行う(ステップS823)。
フォーマット予測データとフォーマット情報とが一致した場合には、フォーマット切替部154は、ステップS823の処理を行わない。
ステップS822の確認およびステップS823の再生設定切り替えが完了すると、入力フォーマット通信部153は、通信部151を通して入出力装置700にフォーマット確認完了通知を送信する(ステップS824)。
一方、ステップS806で出力フォーマット通信部107がフォーマット情報を再生装置150に送信した後、入出力装置700のCPU105は、変換部103の設定を切り替えることにより通信部104から出力される映像音声信号のフォーマットを決定された出力フォーマットに切り替える(ステップS807)。
次に、CPU105は、ステップS806で再生装置150に送信したフォーマット情報を出力フォーマット記憶部701に記憶されるフォーマット情報リストの該当するチャネルの記憶領域に保存する(ステップS808)。
次に、CPU105は、ステップS821における再生設定事前切替完了通知およびステップS824におけるフォーマット確認完了通知の受信を確認する(ステップS809)。
その後、通信部104は、映像音声信号の出力を開始する(ステップS810)。本実施の形態では、図2の通信部151のHDMIトランスミッタ211からHDMI接続におけるTMDS線に映像音声信号が出力される。
再生装置150の通信部151が入出力装置700から出力される映像音声信号を受信すると、表示部152が映像および音声の再生を開始する(ステップS825)。それにより、表示部152に映像が表示されるとともに表示部152から音声が出力される。
以上のように、本実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおいて、入出力装置700は、選局処理の前に予め記憶されたチャネルごとのフォーマット情報をフォーマット予測データとして再生装置150に送信し、再生装置150は、フォーマット予測データに基づいて再生設定を事前に切り替える。その後、入出力装置700は、出力フォーマットを示すフォーマット情報を再生装置150に送信した後に出力フォーマットを切り替え、その後に再生装置150に映像音声信号を送信する。一方、再生装置150は、受信したフォーマット情報がフォーマット予測データと一致する場合には、入出力装置700からの映像音声信号を受信したときに直ちに映像および音声を再生することができる。また、再生装置150は、受信したフォーマット情報がフォーマット予測データと一致しない場合には、フォーマット情報に基づいて再生設定を切り替えた後、入出力装置700からの映像音声信号を受信したときに直ちに映像および音声を再生することができる。このようにして、再生装置150は再生設定の切り替えをより迅速に行うことができる。
したがって、入出力装置700における映像音声信号のフォーマットの切り替わりの発生から短時間で再生装置150により視聴者に映像および音声を提示することが可能となる。
(3)他の実施の形態
第1および第2の実施の形態では、入出力装置が映像音声信号を取得するために放送電波が用いられるが、これに限定されず、入出力装置は、DVD等のメディアに記録された映像音声信号を取得してもよく、あるいは、インターネット回線または無線通信等を用いて映像音声信号を取得してもよい。
また、第1および第2の実施の形態では、一例としてHDMI接続を用いた映像音声装置ネットワークおよびCEC線を用いた出力フォーマットの決定方法が説明されているが、本発明における入出力装置と再生装置との接続はHDMI接続に限定されず、入出力装置と再生装置とが有線通信または無線通信により接続されてもよい。
さらに、第1および第2の実施の形態では、視聴者が選局操作を行う例が説明されているが、これに限定されず、入出力装置が自動的に選局操作を行ってもよく、あるいは入出力装置に接続された外部機器からの通信等により選局操作が行われてもよい。
また、本発明は、1つのチャネルの番組を視聴中にそのチャネルの映像音声信号のフォーマットが時間軸で切り替わった場合にも適用可能である。
(4)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、受信部101が受信部の例であり、復調部102が復調部の例であり、変換部103が変換部の例であり、フォーマット決定部106が決定部の例であり、通信部104および出力フォーマット通信部107が第1の通信部の例であり、CPU105が制御部の例である。また、通信部151および入力フォーマット通信部153が第2の通信部の例であり、フォーマット切替部154が設定部の例であり、表示部152が再生部の例である。
さらに、出力フォーマット記憶部701が記憶部の例であり、HDMIトランスミッタ211が信号送信部の例であり、CEC通信制御部212が情報送信部の例であり、HDMIレシーバ251が信号受信部の例であり、CEC通信制御部252が情報受信部の例である。
本発明は、映像音声信号入出力装置における映像信号または音声信号のフォーマットの切り替わりの発生に応答して再生装置における再生設定を切り替える場合等に有効に利用することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置の構成を示すブロック図
図2は第1の実施の形態に係る入出力装置と再生装置との具体的な接続方法を示すブロック図
図3は第1の実施の形態に係る再生装置が保有するフォーマット情報を簡略化して示す図
図4は入出力装置から再生装置に送信されるフォーマット情報の一例を示す模式図
図5は第1の実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおける入出力装置および再生装置の処理手順を示すフローチャート
図6は本発明の第2の実施の形態に係る映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置の構成を示すブロック図
図7は出力フォーマット記憶部に記憶されるフォーマット情報リストの一例を示す模式図
図8は第2の実施の形態に係る映像音声装置ネットワークにおける入出力装置および再生装置の処理手順を示すフローチャート
図9は従来の映像音声信号入出力装置および映像音声再生装置におけるフォーマットの切替時の動作を示すフローチャート