JPWO2008066150A1 - 波長ルーティングシステム - Google Patents

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Abstract

複数のノード(1,2,3,4)と、周回性を具備し且つ複数のノードに光学的に接続されたアレイ導波路格子(40)とを備える。各ノードは、アレイ導波路格子に対し相互に異なる波長の光を出力する複数の光源(TLS)と、周期性を具備し且つアレイ導波路格子から出力される光を分波して出力する波長分波器(125,225,325,425)とを有する。波長分波器は、そのチャンネル周期が、アレイ導波路格子のチャンネル周期と異なり且つ波長分波器の出力ポート数以上に設定されている。

Description

本発明は、光通信ネットワークにおける波長ルーティング技術に関し、特に、周期性/周回性の波長透過特性を持つ波長フィルタ及び波長可変光源を用いた技術に関する。
光通信ネットワークのノード間を接続する形態として、接続に要する光ファイバの本数が比較的少ないスター型接続がある。このスター型接続によりフルメッシュ接続を実現する方法として、例えば、後述の特許文献1の背景技術に記載のアレイ導波路格子を用いる方法がある。図35に、同文献に記載のアレイ導波路格子の構造を示す。また、図36に、同文献に記載のアレイ導波路格子の論理的接続の構造を示し、図37に、アレイ導波路格子の入出力ポート対の波長対応表を示す。
図37に示すとおり、アレイ導波路格子は、同一の入力ポートから入力された異なる波長を、それぞれ異なる出力ポートから出力する。また、異なる入力ポートから入力された同一波長を、それぞれ異なる出力ポートから出力する。よって、各ノードに、波長λ1〜λ5を合波及び分波する合分波器等を配置することにより、ノード間のフルメッシュ接続を実現することができる。
ところで、伝送帯域を拡大するには、例えば、複数の波長を用いた波長多重が有益である。しかしながら、上記の方法では、図37に示すとおり、ノード間の接続に使用される波長は1種類であることから、ノード間の伝送帯域を拡大し難い。また、ノード間に生じ得る通信の輻輳あるいは通信障害等にも対処し難いという問題がある。
かかる問題を解消すべく、特許文献1では、図38に示すようにアレイ導波路格子の任意の入出力ポート間を接続する構成が提案されている。また、同様な問題を解消する手法として、例えば、後述の特許文献2には、光スイッチで経路を切り替える方法が開示されている。さらにまた、後述の特許文献3には、波長可変光源とアレイ導波路格子とを組み合わせることにより、任意のノード間の接続を可能にするネットワークが開示されている。
特開2005−79659号公報(図3、図4、図6) 特許第3615464号公報 特許第2713324号公報
しかしながら、上記特許文献1にて提案されている方法にあっては、アレイ導波路格子の任意の入出力ポート間を接続すると、接続できるノード数が減少するという問題がある。また、波長多重できるポートが固定であるため、ノード間の輻輳や通信障害には対処し難い。特許文献2に記載の方法の場合は、新たな光スイッチが必要とされる。特許文献3の方法の場合は、フルメッシュ接続ができないこと、及び、ノード間の接続に1波長しか利用できないこと等の課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ノード間の接続数を減少させることなく、与えられている通信帯域を効率よく利用する波長ルーティング技術を提供することを目的とする。
本発明に係る波長ルーティングシステムは、複数のノードと、周回性を具備し且つ前記複数のノードに光学的に接続されたアレイ導波路格子とを備え、前記各ノードは、前記アレイ導波路格子に対し相互に異なる波長の光を出力する複数の光源と、周期性を具備し且つ前記アレイ導波路格子から出力される光を分波して出力する波長分波器とを有し、前記複数の光源は、波長可変の光源を含み、前記波長分波器は、そのチャンネル周期として、前記アレイ導波路格子のチャンネル周期と異なり且つ前記波長分波器の出力ポート数以上の値が設定されている。
図34を参照して、本発明にて取り扱う周回性および周期性、並びに、チャンネル周期の定義について説明する。図示の上段のグラフ98は、アレイ導波路格子または波長合波器/分波器における、ある入出力ポート間の波長透過特性91を実線で示し、それ以外の入出力ポート間の波長透過特性92を破線で示したものである。一方、下段のグラフ99は、上段の波長透過特性91に対応する入出力ポート(i)の隣の入出力ポート(i+1)の波長透過特性96を実線で示し、それ以外のポートの波長透過特性97を破線で示したものである。
図34より、隣接ポート間の透過波長の差、すなわち図示の波長93と波長94との間隔をチャンネル波長間隔と定義する。また、同一ポート内での透過波長の差、すなわち図示の波長93と波長95との間隔を波長FSR(Free Spectrum Range)と定義する。
周期性を備えるとは、波長FSRがチャンネル波長間隔の整数倍になっていることを指す。図34の場合、波長FSRがチャンネル波長間隔の4倍になっている。このような波長透過特性を示す波長合波器および波長分波器を、周期性を備えた波長合波器及び波長分波器と呼ぶ。
また、波長FSRをチャンネル波長間隔で除した値をチャンネル周期と定義する。図34の場合、チャンネル周期は「4」である。周回性を備えるとは、上記の周期性を有し、かつチャンネル周期が入力ポート数および出力ポート数に等しいことを指す。すなわち、例えば、図34に示すような波長透過特性を有し、かつ入力ポート数および出力ポート数がいずれも「4」であるアレイ導波路格子は、周回性を備えたアレイ導波路格子である。
本発明によれば、ノード間の一対多の接続に均等に波長を割り振るフルメッシュ接続、あるいは、一対一の接続に全ての波長を使用する波長多重ポイント・ツー・ポイント接続といった種々の接続形態を、接続ノード数を減少させることなく実現することができる。また、ノードの光源の波長を変更すれば、上記のような接続形態を光スイッチ等を用いることなくダイナミックに変更することができる。
本発明の第1の実施形態のシステム構成図である。 第1の実施形態におけるノードの光送信部の構成図である。 第1の実施形態におけるノードの光受信部の構成図である。 第1の実施形態における合波器の透過波長に関する説明図である。 第1の実施形態における導波路の透過波長に関する説明図である。 第1の実施形態における分波器の透過波長に関する説明図である。 第1の実施形態におけるフルメッシュ接続の模式図である。 第1の実施形態におけるフルメッシュ接続に関する説明図である。 第1の実施形態におけるポイント・ツー・ポイント接続の模式図である。 第1の実施形態におけるポイント・ツー・ポイント接続に関する説明図である。 第1の実施形態におけるフルメッシュ接続の変形の模式図である。 第1の実施形態におけるフルメッシュ接続の変形に関する説明図である。 本発明の第2の実施形態のシステム構成図である。 第2の実施形態におけるノードの光送信部の構成図である。 第2の実施形態におけるノードの光受信部の構成図である。 第2の実施形態における合波器の透過波長に関する説明図である。 第2の実施形態における導波路の透過波長に関する説明図である。 第2の実施形態における分波器の透過波長に関する説明図である。 第2の実施形態における部分的なフルメッシュ接続の模式図である。 第1の実施形態における部分的なフルメッシュ接続に関する説明図である。 第2の実施形態におけるポイント・ツー・ポイント接続の模式図である。 第2の実施形態におけるポイント・ツー・ポイント接続に関する説明図である。 本発明の第3の実施形態のシステム構成図である。 第3の実施形態におけるノードの光送信部の構成図である。 第3の実施形態におけるノードの光受信部の構成図である。 第3の実施形態における合波器の透過波長に関する説明図である。 第3の実施形態における常用の導波路の透過波長に関する説明図である。 第3の実施形態における分波器の透過波長に関する説明図である。 第3の実施形態における予備の導波路の透過波長に関する説明図である。 第3の実施形態における部分的なフルメッシュ接続の模式図である。 第3の実施形態における部分的なフルメッシュ接続に関する説明図である。 第3の実施形態における部分的なフルメッシュ接続時に障害が発生した場合の模式図である。 第3の実施形態における部分的なフルメッシュ接続時に障害が発生した場合の切り替え動作に関する説明図である。 アレイ導波路格子及び波長合波器/分波器の波長透過特性に関する説明図である。 特許文献1に記載のアレイ導波路格子の平面図である。 特許文献1に記載のアレイ導波路格子の論理的接続に関する説明図である。 特許文献1に記載のアレイ導波路格子の透過波長に関する説明図である。 特許文献1に記載のアレイ導波路格子に関する説明図である。
符号の説明
101:システム
1,2,3,4:通信ノード
11,12,13,14:アレイ導波路格子の入力ポート
21,22,23,24:アレイ導波路格子の出力ポート
40:アレイ導波路格子
110,210,310,410:通信ノードの出力ポート
111-114:波長合波器の入力ポート
115,215,315,415:波長合波器
116-119:波長可変光源
120,220,320,420:通信ノードの入力ポート
121-124:波長分波器の出力ポート
125,225,325,425:波長分波器
126-129:光検出器
[第1の実施形態]
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に、本発明の第1の実施形態のシステム構成を示す。本実施形態のシステム101は、周回性を備えるアレイ導波路格子40に4つのノードが接続されているシステムである。各ノード1〜4の各出力ポート110、210、310、410は、アレイ導波路格子40の入力ポート11〜14とそれぞれ接続されている。また、各ノード1〜4の各入力ポート120、220、320、420は、アレイ導波路格子40の出力ポート21〜24とそれぞれ接続されている。なお、図1では、説明の便宜上、各ノード1〜4を光送信部(左側)と光受信部(右側)とに分割して示しているが、実際のハードウェア構成では分割する必要はない。
図2に、ノード1の光送信部の構成を示す。光送信部は、4つの波長可変光源116〜119を備える。波長可変光源116〜119は、それらの光出力が、周期性を備えた波長合波器115の入力ポート111〜114に入力されるように設置されている。波長合波器115の出力ポートは、ノード1の出力ポート110に接続されている。他のノード2〜4についても、ノード1の上記構成と同じ構成であり、各構成要素の符号は、上記ノード1内の説明の上一桁をそれぞれノード番号に応じて2〜4に置き換えたものとする。例えば、ノード2の4つの波長可変光源は、波長可変光源216〜219である。
図3に、ノード1内の光受信部の構成を示す構成図である。光受信部は、4つの光検出器126〜129を備える。光検出器126〜129は、周期性を備えた波長分波器125の出力ポート121〜124からの出力がそれぞれに入力されるように配置されている。波長分波器125の入力ポートは、ノード1の入力ポート120に接続されている。他のノード2〜4についても、ノード1の上記構成と同じ構成であり、各構成要素を識別する番号は、上記ノード1内の説明の上一桁をそれぞれノード番号に応じて2〜4に置き換えたものとする。例えば、ノード3の4つの光検出器は、光検出器326〜329である。
本実施形態のようにノード数が「4」の場合、ノード間の接続に用いるアレイ導波路格子40の入力ポート数および出力ポート数は、それぞれノード数に等しく「4」である。そのため、前記の周回性の定義から、周回性を持つアレイ導波路格子40のチャンネル周期は「4」である。
アレイ導波路格子40のチャンネル周期と、波長合波器/分波器115、215、315、415、125、225、325、425のチャンネル周期とは、異なるように設定される。また、双方のチャンネル周期は互いに素となる関係にある。以下の説明では、本システム101におけるアレイ導波路格子40のチャンネル周期が前述の「4」であるのに対し、波長合波器及び波長分波器のチャンネル周期は「5」に設定されているものとする。
図4に、チャンネル周期が「5」に設定された波長合波器115、215、315、415の入出力ポート間を透過できる波長の組み合わせを示す。図示の表において、横方向の行は各ノード1〜4に対応し、縦方向の列は各ノード内の波長合波器115、215、315、415の各入力ポート番号に対応する。入力ポート番号に関し、例えば「X11」は、ノード1の場合は入力ポート111を表し、ノード4の場合は入力ポート411を表す。
各ノード1〜4の構成は同様であるので、図4の表について、ノード1を例に挙げて説明する。波長間隔がポートのチャンネル波長間隔(図34)と等しい複数の光信号に対し、波長の短いものから順番に「1」、「2」、「3」、…と番号を付ける。ノード1内に設置された波長合波器115は、入力ポート111〜114にそれぞれ波長「1」、「2」、「3」、「4」の光信号が入力されたとき、それらを合波して出力ポート110から出力するように設定されている。
また、波長合波器115のチャンネル周期は「5」であるから、例えば、入力ポート111には、波長「1」の他に、波長「6、11、16、…」といった、波長間隔が「5」の光信号が入力される。そして、波長「6、11、16、…」の光信号は、それらと同じ系統の波長「1」の光信号と同様に、他の入力ポート(X12,X13,X14)の光信号と合波されて出力ポート110から出力される。図4の表において、ノード1の行とポート「X11」の列とが交差するセルに記載されている「1、6、11、16、…」は、このことを示している。
同様に、図4より、波長「2、7、12、…」の光信号を入力ポート112から入力すれば、それらが出力ポート110から出力され、波長「3、8、13、…」の光信号を入力ポート113から入力すれば、それらが出力ポート110から出力され、波長「4、9、14、…」の光信号を入力ポート114から入力すれば、それらが出力ポート110から出力される。なお、図4の表では、図面スペースの都合上、各セルには波長番号がそれぞれ6つずつ示されているが、図示の波長番号より大きい番号の波長に関しても同様である。このことは以下の表でも同じである。
図5に、アレイ導波路格子40の入出力ポート間で透過できる波長の組み合わせを示す。図示の表において、横方向の行はアレイ導波路格子40の各入力ポート11、12、13、14に対応し、縦方向の列は各出力ポート21、22、23、24に対応する。例えば、ノード1と接続されている入力ポート11に波長「1」、「2」、「3」、「4」の合波信号が入力されると、そのうちの波長「1」の信号は出力ポート21、波長「2」は出力ポート22、波長「3」は出力ポート23、波長「4」は出力ポート24からそれぞれ出力される。出力された各信号は、対応するノード1〜4の波長分波器へ入力される。
また、アレイ導波路格子40のチャンネル周期は「4」であるから、各出力ポート21〜24が取り扱う光信号は、波長間隔が「4」の光信号である。例えば、出力ポート21は、図5に示すように、波長「1、5、9、13、…」の系統の光信号を出力する。
図6に、チャンネル周期が「5」に設定された波長分波器125、225、325、425の入出力ポート間で透過できる波長の組み合わせを示す。この表は、波長合波器に関する図4の表に準じたものであり、説明は省略する。
本実施形態の動作を説明する。図7は、図1に示すシステム101において、図4〜図6の表に基づくフルメッシュ接続を実現した場合の動作を模式的に示したものである。フルメッシュ接続とは、1つのノード内の入出力ポート間の接続を含めて、全てのノード間接続を同時に行う接続である。なお、フルメッシュ接続の場合、各ノード1〜4の動作はそれぞれ同様であり、以下では、ノード1が光信号を発信した場合の動作を例に挙げる。
ノード1の4つの波長可変光源(116〜119)の発振波長をλ1、λ2、λ3、λ4に設定すると、波長合波器115の4つの入力ポート111〜114に、λ1〜λ4の4系統の光信号が入力される。波長合波器115は、入力された光信号を合波し、それを出力ポート110から出力する。出力された合波信号は、アレイ導波路格子40の入力ポート11に入力される。
アレイ導波路格子40は、そのフィルタリング作用により、4つの出力ポート21〜24から合波信号の波長に応じた光信号を出力する。具体的には、出力ポート21がλ1の光信号を出力し、出力ポート22がλ2の光信号を出力し、出力ポート23がλ3の光信号を出力し、そして、出力ポート24がλ4の光信号を出力する。出力された各信号は、それを出力した出力ポート21〜24に接続されている各ノード1〜4の入力ポート120、220、320、420に入力される。
各ノード1〜4は、自ノードの波長分波器(125、225、325、425)に光信号が入力されると、それを、対応する光検出器(126、227、328、429)へ出力する。具体的には、ノード1の波長分波器125に入力された波長λ1の光信号は、出力ポート121から光検出器126へ入力される。ノード2の波長分波器225に入力された波長λ2の光信号は、出力ポート221から光検出器226へ入力される。ノード3の波長分波器325に入力された波長λ3の光信号は、出力ポート321から光検出器326へ入力される。ノード4の波長分波器425に入力された波長λ4の光信号は、出力ポート421から光検出器426へ入力される。
以上の動作を図4〜6の表にマッピングしたものを図8に示す。図8では、上記説明にて使用した光信号の波長番号を白抜きで示し、その経路を矢印で示した。他のノード2〜4についても同様に波長番号を白抜きで示したが、上記説明はノード1から発信された光信号に関するものであるため、他のノードに関する矢印は省略した。
図8に示すように、ノード1から発信された波長「1」、「2」、「3」、「4」の4系統の光信号は、アレイ導波路格子(40)を経て、それぞれの波長に対応した4つのノード1〜4へ入力される。従って、全てのノードの組み合わせが接続を成立させていることから、フルメッシュ接続が実現されている。また、1つの光検出器に2系統以上の光信号が入ることはないため、混信は発生しない。
図9に、図1〜図6に基づく構成のシステム101において、ノード1とノード2との間、及び、ノード3とノード4との間をポイント・ツー・ポイントで波長多重接続を実現した場合の動作を模式的に示す。なお、各組み合わせの動作は、それぞれ同様であり、以下の説明ではノード1及びノード2間の接続を例に挙げる。
ノード1の4つの波長可変光源(116〜119)の発振波長をλ6、λ2、λ18、λ14に設定すると、波長合波器115の4つの入力ポート111〜114に、λ6、λ2、λ18、λ14の4系統の光信号が入力される。波長合波器115は、入力された光信号を合波し、それを出力ポート110から出力する。出力された信号は、アレイ導波路格子40の入力ポート11に入力される。
アレイ導波路格子40は、入力された4系統の光信号を全て出力ポート22から出力する。出力された信号は、出力ポート22に接続されているノード2の入力ポート220へ入力される。
ノード2は、入力された光信号を波長分波器225によって分波する。分波により得られたλ6の光信号は、波長分波器225の出力ポート221から光検出器226へ入力される。また、λ2の光信号は、出力ポート222から光検出器227へ入力される。λ18の光信号は、出力ポート223から光検出器228へ入力され、λ14の光信号は、出力ポート224から出力され光検出器229へ入力される。
以上の動作を図4〜6の表にマッピングしたものを図10に示す。図10における白抜き表示及び矢印については、図8での要領と同様である。図10に示すように、ノード1から発信された波長「6」、「2」、「18」、「14」の4系統の光信号は、アレイ導波路格子(40)を経て、ノード2へ入力される。従って、ポイント・ツー・ポイント接続による4波長の多重接続が実現されている。また、1つの光検出器に2系統以上の光信号が入ることはないため、混信は発生しない。
なお、図9に示す例は、ノード1及びノード2、並びに、ノード3及びノード4の組み合わせによる接続であるが、波長可変光源の波長設定を適宜変更することにより、例えば、ノード1及びノード4の組み合わせなど、任意の組み合わせによる波長多重接続を実現することができる。
図11は、図7に示すフルメッシュ接続のうち、同一ノード内の接続を擬似的にリング状の接続に変更した接続形態を模式的に示したものである。図7に示す完全なフルメッシュ接続の場合、接続の組み合わせには、例えば、ノード1→ノード1のような同一ノードの組み合わせが含まれる。これに対し、図11に示す形態では、同一ノードによる4つの組み合わせに替えて、ノード1→ノード2、ノード2→ノード3、ノード3→ノード4、ノード4→ノード1という、擬似的なリング接続を実現する4つの組み合わせを設定する。具体的には、例えば、図7のノード1→ノード1の組み合わせが、図11ではノード1→ノード2に変更される。なお、図11の形態において、同一ノードの組み合わせ以外の組み合わせは、図7に示すフルメッシュ接続のものと同様である。
図11に示す接続形態を実現するには、図7において波長λ1を発振する各ノード1〜4の波長可変光源116、216、316、416に対し、波長設定をλ1からλ6又はλ16に変更する。より詳細には、ノード1の波長可変光源116及びノード3の波長可変光源316に対し、それぞれλ6を設定する。また、ノード2の波長可変光源216及びノード4の波長可変光源416に対し、それぞれλ16を設定する。
図12に、上記の波長設定により実現されるルーティング動作を示す。図12の矢印にて示されるように、ノード1→ノード2(λ6)、ノード2→ノード3(λ16)、ノード3→ノード4(λ6)、ノード4→ノード1(λ16)という擬似的なリング接続が実現される。
また、上記の例では、波長可変光源116、216、316、416にλ6及びλ16を設定したが、別の波長の組み合わせを設定してもよい。それにより、同一ノードの組み合わせ以外の組み合わせはフルメッシュ接続を維持しつつ、様々な接続を追加することができる。通常、同一ノード内の接続は不要な場合が多いため、図11に示すような形態を適用することにより、通信トラフィックの変化に応じて様々な接続をダイナミックに追加・変更することができる。
なお、波長可変光源の発振波長を変化させることにより様々な接続が可能な理由は、前述の通り、周回性を持つアレイ導波路格子40のチャンネル周期(N)と、周期性を持つ波長合波器のチャンネル周期(L)及び波長分波器のチャンネル周期(K)とが異なるよう設定されているからである。
具体的に検証すると、例えば、図4の表のノード番号「1」とポート番号「X11」とが交差するセルより、ノード1の波長合波器115の入力ポート111に入力された波長「1、6、11、16」の系列の光信号が、ノード1の出力ポート110から出力されることがわかる。この出力ポート110は、アレイ導波路格子40の入力ポート11と接続されている。
次に、図5の表の入力ポート11の行を見ると、ノード1からアレイ導波路格子40の入力ポート11に、上記の波長「1、6、11、16」の系列の信号が入力された場合、その光信号は、波長に応じてアレイ導波路格子40の異なる出力ポート(21、22、23、24)から出力される。各出力ポート21〜24は、ノード1、2、3、4のいずれかの入力ポートと接続されているので、結果的に、ノード1から、このノード1を含めた全てのノードへ光信号が供給される。
このように、異なる波長の光信号が、同一のノードからアレイ導波路格子40の同一ポートに入力されたときに、それらの信号がアレイ導波路格子40の異なる出力ポートから1ずつずれて出力されるのは、アレイ導波路格子40のチャンネル周期(N)と波長合波器のチャンネル周期(L)との差が「1」であることに起因する。よって、通信帯域を効率よく使うためには、NとLとの差を「1」に設定することが望ましい。この設定に関し、本実施形態は「L=N+1」である。
逆に、例えば、図6の表のノード番号「1」とポート番号「X21」とが交差するセル、すなわちノード1の波長分波器125の出力ポート121に出力される波長「1、6、11、16」の光信号について、その経路を逆に辿ることを考える。この波長分波器125の入力ポート120は、アレイ導波路格子40の出力ポート21と接続されている。図5の表において、この出力ポート21の列を見ると、上記の波長「1、6、11、16」の光信号がそれぞれ1ずつずれて入力ポート11、12、13、14から入力されている。これらの入力ポート11、12、13、14は、ノード1、2、3、4の出力ポートと接続されているので、結果的に、全てのノード1〜4からの光信号をノード1で受信することが可能となる。
上記作用は、アレイ導波路格子40のチャンネル周期(N)と波長分波器のチャンネル周期(K)との差が「1」であることに起因する。よって、通信帯域を効率よく使うためには、NとKとの差を「1」に設定することが望ましい。この設定に関し、本実施形態は「K=N+1」である。
本実施形態では、各ノード内の波長可変光源の数(M)および光検出器の数(M)をいずれもノード数(N)と同じ「4」としているが、本発明を実施するにあたっては、必ずしも「N=M」である必要はない。図7に示すような完全なフルメッシュ接続を実現するには「M≧N」であればよく、また、図11のように、他ノードとのフルメッシュ接続を実現するには「M≧N−1」であればよい。また、フルメッシュ接続を実現する必要がなければ「M≦N−1」でもよい。
ただし、各ノードの波長分波器のチャンネル周期(K)は、その波長分波器の出力ポート数(M)と同じか、それより大きい、すなわち「K≧M」である必要がある。その理由は、仮に「K≦M−1」とした場合、透過波長が同一となる出力ポートが複数存在することになる。そうすると、その波長の光信号が、2つ以上の出力ポートに分割される、または2種類以上の波長の光信号がそれぞれ1つの出力ポートから出力され、結果、混信が起こる等の不都合が生じる。よって、「K≦M−1」とならないように設定すべきである。
なお、各ノードの波長合波器115、215、315、415および波長分波器125、225、325、425は、周期性をもつアレイ導波路格子または多段の非対称マッハツェンダ干渉計等によって実現することができる。
本発明の第1の実施形態によれば、光スイッチ等を付加することなく、波長可変光源の波長を切り替えるだけで、図7に示すような完全なフルメッシュ接続、図9に示すようなポイント・ツー・ポイント波長多重接続、図11に示すような擬似的なリング接続を伴ったフルメッシュ接続といった様々な接続形態を実現することができる。
[第2の実施形態]
図13に、本発明の第2の実施形態のシステム構成を示す。各ノードに設けられている波長可変光源(TLS)及び光検出器(PD)の数量に関し、図1に示す前述のシステム101では「4」であったのに対し、本実施形態のシステム102では「3」である。
システム102において、4つのノード5〜8の各出力ポート510、610、710、810は、アレイ導波路格子40の入力ポート11〜14とそれぞれ接続されている。一方、ノード5〜8の各入力ポート520、620、720、820は、アレイ導波路格子40の出力ポート24、23、22、21とそれぞれ接続されている。すなわち、図13における左右の対比から分かるように、ノード5〜8の光送信部及び光受信部が相互に逆順に接続されている。
図14に、ノード5の光送信部(図13の左側)の構成を示す。光送信部において、3つの波長可変光源516〜518は、それぞれの光出力が波長合波器515の入力ポート511〜513に入力されるように設置されている。波長合波器515の出力ポートは、ノード5の出力ポート510に接続されている。他のノード6〜8についても同じ構成であり、各構成要素の符号は、上記ノード5の説明の上一桁をそれぞれノード番号に応じて6〜8に置き換えたものに対応する。すなわち、例えばノード6の3つの波長可変光源は、波長可変光源616〜618である。
図15に、ノード5の光受信部(図13の右側)の構成を示す。光受信部には、3つの光検出器526〜528が、波長分波器525の出力ポート521〜523からの出力を受けるように設置されている。波長分波器525は、ノード5の入力ポート520に接続されている。他のノード6〜8についても同じ構成であり、各構成要素の符号は、上記ノード5の説明の上一桁をそれぞれノード番号に応じて6〜8に置き換えたものに対応する。すなわち、例えばノード7の3つの光検出部は、光検出器726〜728である。
本実施形態におけるアレイ導波路格子40のチャンネル周期(N)は、前述のシステム101と同じく「4」に設定されている。その一方で、波長合波器515、615、715、815のチャンネル周期(L)および波長分波器525、625、725、825のチャンネル周期(K)は、「3」に設定されている。
図16に、波長合波器515、615、715、815の入出力ポート間を透過できる波長の組み合わせを示す。この表において、横方向の行は各ノード5〜8に対応し、縦方向の列は、各ノードの波長合波器515、615、715、815がそれぞれ具備する3つの入力ポートに対応する。例えば、「X11」の場合、ノード5の場合は入力ポート511を表し、ノード8の場合は入力ポート811を表す。各ノード5〜8は同じ構成であるから、ノード5を例に挙げて説明する。
ノード5の波長合波器515は、3つの入力ポート511〜513に波長「1」、「2」、「3」の光信号が入力されたときに、それらを合波して出力ポート510から出力するように設定されている。この波長合波器515のチャンネル周期は「3」である。よって、例えば入力ポート511に波長「4、7、10、…」のような、波長間隔が「3」の光信号が入力されたとき、同じ系統の波長「1」の光信号と同様に、他の入力ポートの光信号と合波されて出力ポート510から出力される。入力ポート512から入力された波長「2、5、8、…」の光信号、及び、入力ポート513から入力された「波長3、6、9、…」の光信号も同様に、他の入力ポートの信号と合波されて出力ポート510から出力される。
図17に、アレイ導波路格子40の入出力ポート間を透過できる波長の組み合わせを示す。この表は、図5とほぼ同じであるので詳細な説明は省略するが、出力側の接続関係が異なる。図17に示すように、アレイ導波路格子40の出力ポート21、22、23、24は、各ノードに対し、ノード8、7、6、5の順で接続される。これは、図13に沿って前述した接続関係に基づく。
図18に、波長分波器525、625、725、825の入出力ポート間を透過できる波長の組み合わせを示す。この表は、図16に準じたものであり、説明は省略する。
本実施形態の動作について説明する。図19は、図13に示すシステム102において、図16〜図18の表に基づいて部分的なフルメッシュ接続を実現する場合の動作を模式的に示すものである。図示の接続形態は、ノード5→ノード5のような同一ノードの接続は行わず、ノード5→ノード8のような異なるノード間の接続をフルメッシュ接続により行うものである。以下、一例として、ノード5に関する動作を説明する。
ノード5の3つの波長可変光源(516〜518)の発振波長をλ1、λ2、λ3に設定すると、波長合波器515の入力ポート511〜513にλ1〜λ3の光信号が入力される。波長合波器515は、それらの光信号を合波し、出力ポート510から出力する。出力された合波信号は、アレイ導波路格子40の入力ポート11に入力される。
アレイ導波路格子40は、入力ポート11へ入力された光信号の波長に応じて、3つの出力ポート21〜23からλ1〜λ3の光信号を出力する。出力された信号は、対応するノードの波長分波器へ入力される。このとき、λ1の光信号は、アレイ導波路格子40の出力ポート21からノード8の波長分波器825へ入力される。また、λ2の光信号は、出力ポート22からノード7の波長分波器725へ入力され、λ3の光信号は、出力ポート23からノード6の波長分波器625へ入力される。
そして、ノード8の波長分波器825は、その出力ポート821からλ1の信号を光検出器826へ入力する。また、ノード7の波長分波器725は、その出力ポート722からλ2の信号を光検出器727へ入力し、ノード6の波長分波器625は、その出力ポート623からλ3の信号を光検出器628へ入力する。
以上の動作を図16〜図18の表にマッピングしたものを図20に示す。この図では、上記説明に使用した波長番号を白抜きで示し、各波長の光信号の経路を矢印で示した。他のノード6〜8についても、同様に波長番号を白抜きで示したが、矢印は省略した。図20から分かるように、ノード5から出力された波長「1」、「2」、「3」の光信号は、それぞれの波長に対応した別個のノードに入力される。すなわち、異なるノードの全ての組み合わせによる接続が実現されている。また、同一の光検出器に2系統以上の光が入ることがないため、混信は発生しない。
図21は、図13の構成において、図16〜図18の設定に基づきポイント・ツー・ポイント接続の波長多重を実現した場合の動作を模式的に示したものである。図示の例は、ノード5及びノード8間、並びに、ノード6及びノード7間のポイント・ツー・ポイント接続である。
図21に示す動作についてノード5を例に挙げて説明する。ノード5の3つの波長可変光源(516〜518)の発振波長をλ1、λ5、λ9に設定すると、波長合波器515の入力ポート511〜513にλ1、λ5、λ9の光信号が入力される。波長合波器515は、入力された光信号を合波し、出力ポート510から出力する。出力された光信号は、アレイ導波路格子40の入力ポート11に入力される。
アレイ導波路格子40は、入力された光信号を全て出力ポート21から出力する。出力された光信号は、この出力ポート21と接続されているノード8の波長分波器825の入力ポート820へ入力される。波長分波器825は、入力された光信号を分波し、それらを出力ポート821、822、823から出力する。そして、分波により得られたλ1の光信号は、出力ポート821から光検出器826へ入力される。また、λ5の光信号は出力ポート822から光検出器827へ入力され、λ9の光信号は出力ポート823から光検出器828へ入力される。
以上の動作を図16〜図18で示した表にマッピングしたものを図22に示す。図22における白抜き表示及び矢印については、図8での要領と同様である。ノード5から出力された光信号は、アレイ導波路格子40を経て全てノード8に入力される。また、同一の光検出器に2系統以上の光信号が入ることがないため、混信は発生しない。よって、特定のノード間のポイント・ツー・ポイント接続において3波長の波長多重通信が実現されている。なお、上記の例は、ノード5及びノード8間、並びに、ノード6及びノード7間の接続であるが、波長可変光源の波長を適宜変更することによって、任意のノード間でポイント・ツー・ポイントによる波長多重接続を実現することが可能である。
各ノードに設置される波長合波器515、615、715、815および波長分波器525、625、725、825は、周期性をもつアレイ導波路格子または多段の非対称マッハツェンダ干渉計等によって実現できる。
以上説明した第2の実施形態によれば、波長合波器及び波長分波器のチャンネル周期(L、K)とアレイ導波路格子(40)のチャンネル周期(N)との関係を「L=N−1」及び「K=N−1」としたことにより、波長の利用効率がより高められる。具体的には、本実施形態の設定によれば、前述の第1の実施形態では取り扱われない波長「5、10、15、20…」の光信号も取り扱うことが可能となる。
[第3の実施形態]
図23に、本発明の第3の実施形態のシステム構成を示す。本実施形態のシステム103は、4つのノード50〜80間の接続経路を2重化し、通常の接続経路が利用不可となった場合に、予備の接続経路に切り替えるというものである。本システム103は、図23に示すように、常用のアレイ導波路格子40に加え、この常用のものと同様に周回性を持つ予備のアレイ導波路格子90を備える。
各ノード50〜80の出力ポート5010、6010、7010、8010は、常用のアレイ導波路格子40の入力ポート11〜14とそれぞれ接続され、各ノード50〜80の入力ポート5020、6020、7020、8020は、アレイ導波路格子40の出力ポート21〜24とそれぞれ接続されている。また、各ノード50〜80の別の出力ポート5030、6030、7030、8030は、予備のアレイ導波路格子90の入力ポート61〜64とそれぞれ接続され、各ノード50〜80の別の各入力ポート5040、6040、7040、8040は、予備のアレイ導波路格子90の出力ポート71〜74とそれぞれ接続されている。
図24に、ノード50の光送信部の構成を示す。光送信部には、3つの波長可変光源5016〜5018が、それらの光出力を波長合波器5015の入力ポート5011〜5013に入力するように設置されている。波長合波器5015の2つの出力ポートのうち、出力ポート5010は、常用のアレイ導波路格子40の入力ポート11に接続され、他方の出力ポート5030は、予備のアレイ導波路格子90の入力ポート61に接続されている。他のノード60、70、80の構成もノード50の上記構成と同様であり、各構成要素を識別する符号は、上記説明の上二桁をそれぞれノード番号に応じて60、70、80に置き換えたものに対応する。
また、上記の光送信部は、常用の周回性アレイ導波路格子40との接続障害の有無を監視し、障害が発生したとき、波長可変光源の波長設定を変更する手段5100を備える。
図25に、ノード50の光受信部の構成を示す。光受信部には、3つの光検出器5026〜5028が、波長分波器5025の出力ポート5021〜5023からの出力が入力されるように設置されている。波長分波器5025の2つの入力ポートのうち、入力ポート5020は、アレイ導波路格子40の出力ポート24に接続され、他方の入力ポート5040は、予備のアレイ導波路格子90の出力ポート71に接続されている。他のノード60、70、80の構成もノード50の上記構成と同様であり、各構成要素を識別する符号は、上記説明の上二桁をそれぞれノード番号に応じて60、70、80に置き換えたものに対応する。
本実施形態のシステム103において、2つのアレイ導波路格子40及び90のチャンネル周期はいずれも「4」であり、各ノードの波長合波器5015、6015、7015、8015および波長分波器5025、6025、7025、8025のチャンネル周期は、いずれも「3」である。
図26に、波長合波器5015、6015、7015、8015の入出力ポート間を透過できる波長の組み合わせを示している。この表において、横方向の行は各ノード50、60、70、80の出力ポート5010、5030、6010、6030、7010、7030、8010、8030に対応し、縦方向の列は各ノード内の波長合波器5015、6015、7015、8015の各入力ポート番号に対応する。例えば、入力ポート番号「X11」の場合、ノード50の場合は入力ポート5011を表し、ノード80の場合は入力ポート8011を表す。
図26の表について、ノード50を例に挙げて説明する。ノード50に設置された波長合波器5015は、入力ポート5011に波長「1」の信号、入力ポート5012に波長「2」の信号、入力ポート5013に波長「3」の信号がそれぞれ入力されたとき、それらを、アレイ導波路格子40とつながる出力ポート5010から出力する。また、波長合波器5015は、入力ポート5011に波長「2」の信号、入力ポート5012に波長「3」の信号、入力ポート5013に波長「1」の信号がそれぞれ入力されたとき、それらを、予備のアレイ導波路格子90へつながる他方の出力ポート5030から出力する。
図27に、アレイ導波路格子40の入出力ポート間を透過できる波長の組み合わせを示す。この表は、各ノードの符号以外は、基本的に図17の表と同様であり、説明は省略する。
図28に、波長分波器5025、6025、7025、8025の入出力ポート間を透過できる波長の組み合わせを示す。この表は、図26の表に準じたものであり、説明は省略する。
図29に、予備のアレイ導波路格子90の入出力ポート間を透過できる波長の組み合わせを示す。この表は、図27に示すアレイ導波路格子40の表と波長の組み合わせに関しては同じである。異なる点は、図29の表では、アレイ導波路格子90の出力ポート71〜74と出力ノード50、80、70、60とがそれぞれ接続されており、出力ノードの番号が図27のものから1つずつずれている点である。
本実施形態の動作を説明する。図30は、図23に示すシステム103において図26〜図29の設定に基づき部分的なフルメッシュ接続を実現した場合の動作を模式的に示したものである。図示の接続形態は、同一ノード間の接続を行わず、異なるノード間をフルメッシュ接続するという形態である。
また、図30に示す動作を図26〜図29の表にマッピングしたものを図31に示す。これまで同様、ノード50からの光信号の経路のみ矢印で示している。図31に示す経路の場合、常用のアレイ導波路格子40を介した接続のみ行われており、予備のアレイ導波路格子90は使用されていない。よって、システム103の動作は、図19及び図20に沿って前述した第2の実施形態の動作と同様であり、詳細な説明は省略する。
図32は、図30に示す接続形態にて動作中、ノード50の出力ポート5010とアレイ導波路格子40の入力ポート11との間の接続経路に障害999が発生した場合の動作を模式的に示したものである。
障害999が発生すると、ノード50は、λ1〜λ3の光信号を出力していた波長可変光源5016〜5018の発振波長をλ2、λ3、λ4に変更する。より詳細には、波長可変光源5016の発振波長をλ1からλ2へ変更し、波長可変光源5017の発振波長をλ2からλ3へ変更し、波長可変光源5018の発振波長をλ3からλ4へ変更する。
障害999の発生前、波長合波器5015は、λ1〜λ3の合波信号を出力ポート5010から出力していたが、障害999の発生により発振波長をλ2〜λ4に変更すると、合波した光信号を、出力ポート5010に替えて他方の出力ポート5030から出力する。出力されたλ2〜λ4の合波信号は、予備のアレイ導波路格子90の入力ポート61へ入力される。これにより、波長合波器5015の出力経路が常用から予備のものに切り替えられる。
アレイ導波路格子90は、ノード50からλ2〜λ4の合波信号が入力されると、λ2の光信号を出力ポート72からノード80へ出力し、λ3の光信号を出力ポート73からノード70へ出力し、λ4の光信号を出力ポート72からノード60へ出力する。
ノード80の波長分波器8025は、予備の入力ポート8040から入力されたλ2の光信号を光検出器8026へ出力する。ノード70の波長分波器7025は、予備の入力ポート7040から入力されたλ3の光信号を光検出器7027へ出力する。ノード60の波長分波器6025は、予備の入力ポート6040から入力されたλ4の光信号を光検出器6028へ出力する。
図32に示される障害発生時の動作を図26〜図29の表にマッピングしたものを図33に示す。この図33の表と図31の表とを比較して分かるように、本システム103において障害回避のために接続経路を切り替えても、ノード間のエンド・ツー・エンドの接続関係は変化しない。また、いずれの場合も、1つの光検出器に複数系統の光信号が入力することはないので、混信は発生しない。
なお、図32及び図33に沿った上記説明は、説明を簡単にするために、障害(999)が1つだけ発生したケースの説明であったが、アレイ導波路格子40に対する複数の接続に同時に障害が発生しても同様の方法で障害を回避することができる。また、図32に示すような異なるノード間のフルメッシュ接続でない、他の接続形態であっても、波長可変光源の波長を変更することで障害回避が可能である。
各ノード内に設置される波長合波器5015、6015、7015、8015および波長分波器5025、6025、7025、8025は、周期性をもつアレイ導波路格子等によって実現することができる。
本実施形態のシステム構成は、アレイ導波路格子の数、波長合波器の出力ポートの数、波長分波器の入力ポートの数をそれぞれ「2」とすることで、接続経路が2重化されている構成であったが、上記数量は「2」以上であってもよい。その場合も、上記システム構成の接続形態に準じて予備のアレイ導波路格子を増設することにより、接続経路を更に多重化することができる。
以上説明した第3の実施形態によれば、ノードとアレイ導波路格子との接続障害が発生しても、予備のアレイ導波路格子への切り換えにより、そのノード間の接続を継続することができる。
上記各実施形態のシステムは、ノード数が「4」であったが、他の数量であってもよい。その場合、ノード数「N」に対し、アレイ導波路格子のチャンネル周期を「N」に設定し、波長分波器のチャンネル周期「K」を「N」と異なる数値に設定することで、上記実施形態と同様の動作および効果が得られる。また、「N」と「K」との差を「1」に設定することが、通信帯域の利用効率上より望ましい点も、上記説明と同様である。
また、上記各実施形態のシステムは、各ノードの光送信部に波長合波器を設置しているが、これらの波長合波器の代わりに光カプラを用いてもよい。ここで、光カプラとは、波長に依らず入力光を分割または結合するデバイスを指す。ただし、光カプラを用いた場合、原理的な分岐損失が生じるという欠点がある。一般に、入力ポート数が「2n」、出力ポート数が「1」の光カプラの場合、約3n(dB)の原理的な損失が生じる。よって、入力ポート数が多くなるほど、光カプラを用いるより、波長合波器を用いる方が損失の点では有利となる。
また、上記各実施形態のシステムは、各ノードの光源を全て波長可変光源としているが、必要とされる接続変更の程度によっては、一部を波長可変波長光源、残りを固定波長光源としても、同様の動作および効果を得ることができる。この場合、全ての光源を波長可変光源にする場合に比べて、光送信部のコストを低減できるという効果がある。
また、上記各実施形態では、光源と波長合波器とが直接接続されているが、必要に応じて、両者間に光変調器及び光増幅器等が配置されてもよい。また、上記各実施形態では、波長分波器の出力ポートが光検出器と接続されているが、光増幅器及び光分散補償器等の他のデバイスと接続されていてもよい。
また、上記各実施形態では、光信号のチャンネルが等波長間隔で並んでいるが、チャンネルが等周波数間隔で並んでいてもよい。

Claims (16)

  1. 複数のノードと、周回性を具備し且つ前記複数のノードに光学的に接続されたアレイ導波路格子とを備え、
    前記各ノードは、前記アレイ導波路格子に対し相互に異なる波長の光を出力する複数の光源と、周期性を具備し且つ前記アレイ導波路格子から出力される光を分波して出力する波長分波器とを有し、
    前記複数の光源は、波長可変の光源を含み、
    前記波長分波器は、そのチャンネル周期として、前記アレイ導波路格子のチャンネル周期と異なり且つ前記波長分波器の出力ポート数以上の値が設定されていることを特徴とする波長ルーティングシステム。
  2. 前記波長分波器のチャンネル周期と前記アレイ導波路格子のチャンネル周期とが互いに素の関係に設定されていることを特徴とする請求項1記載の波長ルーティングシステム。
  3. 前記波長分波器のチャンネル周期と前記アレイ導波路格子のチャンネル周期との差が1に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の波長ルーティングシステム。
  4. 前記各ノードは、周期性を具備し且つ前記複数の光源からの光を合波して前記アレイ導波路格子へ出力する波長合波器を有し、
    前記波長合波器は、そのチャンネル周期として、前記アレイ導波路格子のチャンネル周期と異なり且つ前記波長合波器の入力ポート数以上の値が設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の波長ルーティングシステム。
  5. 前記波長合波器のチャンネル周期と前記アレイ導波路格子のチャンネル周期とが互いに素の関係に設定されていることを特徴とする請求項4記載の波長ルーティングシステム。
  6. 前記波長合波器のチャンネル周期と前記アレイ導波路格子のチャンネル周期との差が1に設定されていることを特徴とする請求項4又は5記載の波長ルーティングシステム。
  7. 前記波長分波器のチャンネル周期と前記波長合波器のチャンネル周期とが等しく設定されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の波長ルーティングシステム。
  8. 前記複数の光源の数が前記複数のノードの数から1を引いた数以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の波長ルーティングシステム。
  9. 周回性を具備し且つ前記複数のノードに光学的に接続された第2のアレイ導波路格子を備え、
    前記各ノードは、前記複数の光源と前記アレイ導波路格子との間の通信障害を監視し、障害を検知したとき、前記複数の光源から出力すべき光の波長を変更し且つ波長が変更された光を前記第2のアレイ導波路格子へ出力する手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の波長ルーティングシステム。
  10. 周回性を具備するアレイ導波路格子と光学的に接続されたノードであって、
    前記アレイ導波路格子に対し相互に異なる波長の光を出力する複数の光源と、周期性を具備し且つ前記アレイ導波路格子から出力される光を分波して出力する波長分波器とを備え、
    前記複数の光源は、波長可変の光源を含み、
    前記波長分波器は、そのチャンネル周期として、前記アレイ導波路格子のチャンネル周期と異なり且つ前記波長分波器の出力ポート数以上の値が設定されていることを特徴とするノード。
  11. 前記波長分波器のチャンネル周期が、前記アレイ導波路格子のチャンネル周期と互いに素の関係に設定されていることを特徴とする請求項10記載のノード。
  12. 前記波長分波器のチャンネル周期が、前記アレイ導波路格子のチャンネル周期と差が1に設定されていることを特徴とする請求項10又は11記載のノード。
  13. 周期性を具備し且つ前記複数の光源からの光を合波して前記アレイ導波路格子へ出力する波長合波器を備え、
    前記波長合波器は、そのチャンネル周期として、前記アレイ導波路格子のチャンネル周期と異なり且つ前記波長合波器の入力ポート数以上の値が設定されていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のノード。
  14. 前記波長合波器のチャンネル周期が、前記アレイ導波路格子のチャンネル周期と互いに素の関係に設定されていることを特徴とする請求項13記載のノード。
  15. 前記波長合波器のチャンネル周期が、前記アレイ導波路格子のチャンネル周期と差が1に設定されていることを特徴とする請求項13又は14記載のノード。
  16. 前記波長分波器のチャンネル周期が、前記波長合波器のチャンネル周期と等しく設定されていることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載のノード。


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