JPWO2008053711A1 - 非晶質シリカおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

非晶質シリカの製造方法は、酸化ケイ素を含む有機系廃棄物を出発原料として準備する工程と、有機系廃棄物を、水酸基を有するカルボン酸水溶液中に浸漬する工程と、続いて有機系廃棄物を水洗処理する工程と、さらに有機系廃棄物を大気雰囲気中で加熱する工程とを備える。

Description

本発明は、籾殻、稲わら、米ぬか、木材などの有機系廃棄物(バイオマス原料)から得られる高純度な非晶質シリカおよびその製造方法に関するものである。
籾殻や稲わらなどの非食部農作物には、セルロースやヘミセルロースなどの炭水化物の他に、約20%程度の非晶質酸化ケイ素(シリカ/SiO)が含まれている。そこで、従来から、非食部農作物の再資源化として、非晶質シリカを高純度で抽出して可溶性シリカ肥料として利用することが試みられている。また、このような非晶質の酸化ケイ素は大きなポゾラン活性を有するので、セメントと水和反応して安定なケイ酸カルシウムを生成し、その結果、セメントが緻密化して強度が向上するという利点をもたらす。
籾殻からシリカを抽出する方法として、従来、爆砕処理、蒸煮処理、超臨界水処理、また濃硫酸や塩酸を用いた酸処理洗浄を行い、それらの処理を施した籾殻を加熱・燃焼させる方法が知られている。これらの方法では、燃焼灰としての高純度シリカを生成する。しかしながら、ここに記載したいずれの製法においても、製造工程が複雑であると同時に生産性が低く、また耐食性・耐環境性の点から設備容器には高価な高級材質のものが使用されるという問題を指摘できる。言い換えれば、ここに記載したいずれの製法も、籾殻や稲わらを用いて大量かつ安価に燃焼灰シリカを抽出する製法としては、経済性の点で問題がある。
籾殻からアモルファスシリカを製造する方法を記載した文献のいくつかをここに列挙する。
特公平7−57684号公報は、「モミガラから高純度シリカを製造する方法」を開示している。この公報に開示された方法では、籾殻をフッ化水素酸(HF)溶液で処理し、籾殻に含まれているケイ素化合物を抽出してシリカを製造している。具体的には、フッ化水素酸溶液処理により得られたケイ素化合物をヘキサフルオロケイ酸(HSiF)として抽出し、これにアンモニアを加えてヘキサフルオロケイ酸アンモニウム((NHSiF)を経て、フッ化アンモニウム(NHF)とシリカ(SiO)に分解し、これを濾過分離した後に水洗・乾燥工程を経て非晶質の酸化ケイ素粉末を製造している。この方法では、高価なフッ化水素酸を利用することによる経済性の低下の問題が生じるし、腐食攻撃性が強いフッ化水素酸を用いるため、使用する装置の材質が高価なものになるといった問題が生じる。
特開2006−187674号公報は、「ケイ酸含有粉末製造方法およびケイ酸含有粉末製造システム」を開示している。この公報に開示された方法では、籾殻または藁を処理容器内に投入し、この処理容器内に水蒸気を注入して内圧および温度を上昇させ、投入物を燃焼させないで粉末化させている。それにより籾殻や藁から直接、単肥を生成することができる。
特開平5−194007号公報は、「非晶質シリカ微粉末の製造方法及び非晶質シリカ微粉末混入のコンクリート製品」を開示している。この公報に開示された方法では、塩酸溶液に浸漬した籾殻を焼成した後に粉砕することで、非晶質シリカ微粉末を製造している。濃度5%の塩酸水溶液での籾殻洗浄ではSiOの純度が96%程度と不十分である。SiO純度を98%以上とするためには、濃度10%〜20%程度の塩酸水溶液が必要となる。その場合、600〜700℃程度で焼成して得られたシリカ粉末中には塩素(Cl)が残留するために、このシリカ粉末をコンクリート用原料として利用する場合には塩素による鉄筋への腐食の問題が懸念される。
特表2004−527445号公報は、「バイオジェニック材料からの高純度アモルファスシリカの製造方法」を開示している。この公報に開示された方法では、酸化溶質(過酸化物、硝酸塩、過マンガン酸塩からなる群より選択される)を有する溶液に籾殻などのバイオジェニック物質を浸漬することにより、リグニンおよびセルロース等の長鎖炭化水素化合物を、更に可燃性(揮発性)の短鎖炭化水素化合物へと減少させ、次工程の燃焼によって生成するシリカの炭素質残留物を減少させている。その際の燃焼温度は500〜950℃が好ましい。高い温度域の燃焼では、シリカの結晶化が進行する。
特開平7−196312号公報は、「籾殻を原料とする非晶質シリカの製造方法」を開示している。この公報に開示された方法では、籾殻に対して、第1燃焼工程として流動床を用いて640℃〜800℃で4秒〜10秒の短時間焼成を行ない、続いて第2燃焼工程として外熱式回転炉を用いて700℃〜950℃で8分〜15分の焼成を行なっている。この方法によれば、未燃焼炭素が少なく、かつポゾラン反応性の高い非晶質シリカを作製できる。
特開平8−48515号公報は、「籾殻を原料とする非晶質シリカの製造方法」を開示している。この公報に開示された方法では、籾殻を水に浸漬した後にこの籾殻を焼成することにより、あるいは籾殻の焼成前又は焼成時に、水又は水蒸気を供給又は噴射することにより、高純度の非晶質シリカを作製している。水中での浸漬効果あるいは水分の供給・噴射効果は、籾殻表面に付着した不純物を除去することであり、その後に籾殻を550℃〜600℃で焼成する。
エス・チャンドラセクハーら(S.Chandrasekhar et. al.)は、ジャーナル・オブ・マテリアルズ・サイエンス40(2005)6535−6544(JOURNAL OF MATERIALS SCIENCE)において、「籾殻から得られるシリカの特性に及ぼす有機酸処理の影響」(Effect of organic acid treatment on the properties of rice husk silica)と題する論文を発表した。この論文に開示された方法では、酢酸とシュウ酸の2種類の有機酸水溶液を用い、濃度を約0.5%〜30%としたそれぞれの水溶液を沸騰させた状態でこの水溶液中に籾殻を投入し、90分間攪拌した後に籾殻を取り出し、この籾殻を水洗処理した後に110℃で乾燥処理し、さらに700℃で2時間の焼成処理を行なっている。この方法により、純度が93%〜96.7%の非晶質シリカが得られている。
特開平11−323752号公報は、「シリカ、セルロースおよびリグニン高含有素材の製造法」を開示している。この公報に開示された方法では、籾殻、稲わら、バガスなどの木質系素材を爆砕または蒸煮処理(塩酸、硫酸、硝酸などの溶液中に木質系素材を浸漬して加温・加圧処理)した後、550〜900℃(より好ましくは600〜700℃)で燃焼させている。これによりSiO含有率が95%程度の非晶質(アモルファス)酸化ケイ素が得られる。言い換えると、例えば純度を96%以上の高純度酸化ケイ素を製造するには、更に高い温度での加熱・燃焼による不純物の熱分解・除去が必要であるが、このような高温加熱では、酸化ケイ素の結晶構造がクリストバライト化(結晶化)するといった問題が生じる。
特開平8−94056号公報は、「有機系廃棄物の焼却処理方法」を開示している。この公報に開示された方法では、籾殻、麦わらなどの有機系廃棄物を150℃〜1000℃で乾留又は加熱処理し、得られた炭化物を酸液、又はアルカリ液又は金属キレート剤を含む水洗液で洗浄して脱塩した後、脱塩炭化物を焼却している。ここで得られた脱塩炭化物はセメント用混和材として利用できる。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、又はギ酸、酢酸等の有機酸を用いる。金属キレート剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA:ethylene diamine tetraacetic acid)、ニトリロ三酢酸(NTA:nitrilo toriacetic acid)、EDTP(ethylene diamine tetrapropionic)などの金属錯体形成能力を有する塩類を用いる。このように焼却前に脱塩処理を行なうことで、焼却後の燃焼灰には塩分が含まれず、良好なセメント混和材となる。また焼却排ガス中に塩化水素がほとんど含まれないので、ダイオキシンの発生を抑えることができる。
本発明の目的は、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸を使用せずに、農作物、草食物、木材などの有機系廃棄物から高純度の非晶質シリカを得ることである。
この発明に従った非晶質シリカの製造方法は、酸化ケイ素を含む有機系廃棄物を出発原料として準備する工程と、有機系廃棄物を、水酸基を有するカルボン酸水溶液中に浸漬する工程と、続いて有機系廃棄物を水洗処理する工程と、さらに有機系廃棄物を大気雰囲気中で加熱する工程とを備える。
カルボン酸は、好ましくは、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、リンゴ酸および乳酸からなる群から選ばれたいずれかの酸である。カルボン酸水溶液の温度は、好ましくは、50℃以上80℃以下である。カルボン酸水溶液の濃度は、好ましくは、0.5%以上10%以下である。
上記の大気雰囲気での加熱温度は、好ましくは、300℃以上1100℃以下である。
好ましくは、有機系廃棄物を大気雰囲気中で加熱する工程は、300℃以上500℃以下にて加熱する第1次加熱工程と、続いて600℃以上1100℃以下にて加熱する第2次加熱工程とを含む。
出発原料としての有機系廃棄物は、好ましくは、籾殻、稲わら、米ぬか、麦わら、木材、間伐材、建設廃材、おが屑、樹皮、バガス、トウモロコシ、サトウキビ、さつまいも、大豆、落花生、キャッサバ、ユーカリ、シダ、パイナップル、竹、ゴム、古紙のいずれかである。
一つの実施形態では、出発原料としての有機系廃棄物を準備する工程は、有機系廃棄物を粉砕して微細化することを含む。
好ましくは、カルボン酸水溶液中の浸漬した有機系廃棄物の燃焼後の重量減少率は、87%以上である。
洗浄効果を高めるために、好ましくは、水洗処理で使用する水の容積は、処理する有機系廃棄物の体積の30倍以上である。一つの実施形態では、水洗処理を3回以上行い、各回の水洗処理で使用する水の容積は、処理する有機系廃棄物の体積の10倍以上である。
有機系廃棄物中の特定の成分を効率的に除去するために、カルボン酸水溶液中に浸漬する工程に加えて、有機系廃棄物を異なった種類の酸に浸漬する工程を備えるようにしても良い。異なった種類の酸として、例えばシュウ酸を用いることができる。異なった種類の酸洗浄の組み合わせとして、例えば、有機系廃棄物をクエン酸によって洗浄した後に、シュウ酸で洗浄する方法や、その逆に、有機系廃棄物をシュウ酸で洗浄した後に、クエン酸で洗浄する方法を採用し得る。また、クエン酸とシュウ酸とを混合した溶液中に有機系廃棄物を浸漬して洗浄するようにしてもよい。
本発明に従った非晶質シリカは、上記のいずれかに記載の方法によって得られたものであって、二酸化ケイ素(SiO)の純度が98%以上であることを特徴とする。
好ましくは、非晶質シリカ中の不純物である炭素の含有量が重量基準で0.2%以下であり、硫黄の含有量が重量基準で0.1%以下である。より好ましくは、非晶質シリカ中の不純物である炭素の含有量が重量基準で0.1%以下であり、硫黄の含有量が重量基準で0.05%以下である。
上記に記載の特徴事項の技術的意義または作用効果については、以下の項で詳細に説明する。
本発明に従った高純度非晶質シリカの製造方法の一例を示す図である。 酸処理後の籾殻試料についての示差熱分析結果を示す図である。 常温から1000℃までの加熱過程における種々の試料の重量変化率を示す図である。 カルボン酸洗浄処理を施さない原料籾殻の示差熱分析結果を示す図である。
(1)本発明の主要な特徴
本発明においては、籾殻、稲わら、米ぬか、麦わら、木材、おが屑、樹皮などの農作物や木材などの有機系廃棄物を処理すべき対象物とし、この有機系廃棄物に対してある特定のカルボン酸水溶液中に浸漬・攪拌するといった酸洗浄処理を施し、その廃棄物を水洗処理した後に適切な温度条件で焼成することによって、純度98%以上の非晶質シリカを創製する。
カルボン酸水溶液による酸洗浄処理過程において、有機系廃棄物中に含まれるカリウム、カルシウム、アルミニウムなどの金属不純物をキレート反応によって廃棄物から系外に排出・除去する。このような金属不純物の排出・除去により、焼成過程においてセルロースやヘミセルロースなどの炭水化物と上記の金属不純物との反応を抑制することができ、その結果、残留炭素量を低減して高純度シリカを得ることができる。
上記のようにして得た非晶質シリカは、コンクリート用混和材、タイヤゴム用強化材、可溶性肥料、化粧品用原料、塗料材料などに利用され得る。
(2)高純度非晶質シリカの製造方法の一例
図1は、本発明に従った高純度非晶質シリカの製造方法の一例を示している。本発明者らは、農作物、木材、草食物などの有機系廃棄物からなる投入原料に対して次の処理を施すことにより、高純度の非晶質シリカが得られることを見出した。
(A)投入原料である有機系廃棄物に対して、水酸基を有するカルボン酸水溶液中に浸漬して攪拌するといった酸洗浄処理を施す。
(B)続いて、有機系廃棄物に対して水洗処理を施す。
(C)上記の酸洗浄処理および複数回の水洗処理を施すことにより、原料中に含まれるカリウム、カルシウム、アルミニウムなどの金属不純物をキレート反応ならびに脱水反応によって原料から系外に排出して除去する。
(D)その後、上記の有機系廃棄物を適正な温度かつ雰囲気下で焼成することにより、高純度の非晶質シリカを得る。
高純度の非晶質シリカを得るには、酸洗浄処理、水洗処理および焼成に関する各条件を適正に管理する必要がある。
(3)投入原料に対するカルボン酸洗浄処理
投入原料(出発原料)としての有機系廃棄物は、好ましくは、籾殻、稲わら、米ぬか、麦わら、木材、間伐材、建設廃材、おが屑、樹皮、バガス、トウモロコシ、サトウキビ、さつまいも、大豆、落花生、キャッサバ、ユーカリ、シダ、パイナップル、竹、ゴム、古紙のいずれかである。
水酸基を有するカルボン酸を用いるのは、次の理由からである。
(a)カルボン酸を構成するカルボキシル基によるキレート反応を利用して、投入原料中に含まれるカリウム、カルシウム、アルミニウムなどの不純物金属イオンを包含し、次工程の水洗処理過程においてそれらを原料の系外に排出して除去すること。
(b)投入原料の焼成過程において水酸基による脱水反応を促進させることにより、上記の不純物金属成分を原料の系外に排出して除去すること。
上記の作用を効果的に奏するために、水酸基を有するカルボン酸として、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸のいずれかが望ましい。特に、籾殻や稲わらの場合、他の農作物や木材などに比べてシリカ成分が多く、しかも上記の不純物金属元素を多く含むため、シリカと金属成分との共晶反応による残留炭素量の増加を招き易い。そのため、焼成後の非晶質シリカの純度を98%以上とするには、キレート反応と脱水反応をさらに効率的に引き起こす必要がある。その観点からすれば、より望ましいカルボン酸は、水酸基を有していて、しかもカルボキシル基の数が3以上である。具体的には、クエン酸またはイソクエン酸の使用がより望ましい。
5%濃度硫酸水溶液と5%濃度クエン酸水溶液を準備し、それぞれを用いて籾殻を酸洗浄処理し、さらに水洗処理を施した。処理後の籾殻試料についての示差熱分析結果を図2に示す。
硫酸洗浄処理籾殻では、300℃〜500℃の範囲において炭水化物の燃焼による発熱ピークが観察される。これに対してクエン酸水溶液を用いた場合には、300℃〜380℃付近で顕著な吸熱ピークが観察される。これはクエン酸が有する水酸基による脱水反応に起因するものである。このように、水酸基を有するカルボン酸水溶液を用いて農作物等の有機系廃棄物を洗浄処理した場合には、水酸基による脱水反応が生じてカリウム、カルシウム、アルミニウムなどの不純物金属元素が有機系廃棄物の系外に排出され、その結果、焼成後のシリカ純度が向上する。
なお、塩酸や硫酸などの強鉱酸を用いた酸洗浄処理と比較して、本発明の製法によれば、燃焼灰中の塩素含有量は測定下限値未満(<0.01%)であり、また灰中の硫黄含有量については0.1%以下である。硫黄含有量に関しては、次工程の水洗処理条件の最適化によって0.01%〜0.05%以下にまで低減でき、硫酸洗浄処理を施した燃焼灰(0.2%〜0.6%)と比較して顕著に減少している。
カルボン酸水溶液の濃度は、好ましくは、0.5%以上10%以下である。濃度が0.5%未満では十分なキレート効果が得られず、他方、10%を超えてもキレート効果は向上せず、むしろ次工程である水洗処理の回数が増えるといった経済性の問題を引き起こす。上記の好ましい濃度のカルボン酸水溶液を用いて酸処理を施した籾殻に対して水洗処理を施し、さらにそれを焼成処理して得られた籾殻燃焼灰における炭素含有量は、0.2%以下である。また、複数回の水洗処理工程との組み合わせによって炭素含有量を0.1%以下にまで低減することができる。さらに、好ましくは、カルボン酸水溶液を50℃以上80℃以下の温度範囲に管理することで、燃焼灰中の酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化リンなどの不純物含有量も低減し、炭素含有量も0.01%〜0.03%以下と著しく減少する。こうして、キレート反応および脱水反応による不純物金属元素の削減によって、燃焼灰中の不純物含有量を減少させることができる。
カルボン酸水溶液の温度は常温以上が好ましく、より好ましくは50℃〜80℃とする。カルボン酸水溶液の温度を50〜80℃に高めることで、カリウム(K)、カルシウム(K)、リン(P)の含有量を低減できる。カルボン酸水溶液の温度を上記の範囲以上にしてもその効果は向上せず、100℃付近の沸騰状態では、水分が蒸発してカルボン酸水溶液の濃度変動を引き起こすといった問題が生じる。
なお、前述した特開平8−94056号公報においても、本発明と類似の方法が開示されている。この公報に開示された方法では、籾殻、麦わらなどの有機系廃棄物を150℃〜1000℃で乾留又は加熱処理した後に、その炭化物を酸液、又はアルカリ液、又は金属キレート剤を含む水洗液で洗浄して脱塩した後、この脱塩炭化物を焼却している。つまり、金属キレート剤を含む水溶液での洗浄工程を行なう前に有機系廃棄物を加熱処理しており、この手順は本発明において提案する方法とは逆の関係にある。また本発明の特徴である、水酸基を含むカルボン酸の有効性に関する記述や規定がない。特開平8−94056号公報に記載の製法によれば、不純物金属元素を含んだ状態の有機系廃棄物を加熱するため、金属元素とシリカとの反応が生じて残留炭素量が増大し、結果としてシリカ純度の低下をもたらす。
前述したエス・チャンドラセクハーらの論文(S.Chandrasekhar et. al.: Effect of organic acid treatment on the properties of rice husk silica, Journal of Materials Science 40 (2005), 6535-6544)に開示された方法においては、濃度を約0.5%〜30%とした酢酸およびシュウ酸の2種類の有機酸水溶液を用い、それぞれを沸騰させた状態で籾殻を投入し、90分間攪拌した後に籾殻を取り出し、水洗処理した後に110℃で乾燥処理、さらに700℃で2時間の焼成処理を行うことにより、籾殻から非晶質シリカを生成している。ここで用いる酢酸とシュウ酸はいずれも水酸基を有しないカルボン酸であり、本発明の特徴である、水酸基を有するカルボン酸ではない。またキレート反応および脱水反応によるカリウム、カルシウム等の不純物金属元素の除去、ならびにシリカの高純度化に関する水酸基の効果についての記述や規定はない。上記の論文に記載の製造方法によれば、有機酸洗浄処理後の籾殻中に不純物金属元素が十分に除去されずに残留する。そのため、その籾殻を焼成して得られる籾殻灰に含まれる酸化カルシウム(CaO)および酸化カリウム(KO)の含有量は、それぞれ0.4%〜1.5%、0.03%〜0.3%となり、本発明の製法によるものに比べて多い。また、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化鉄(Fe)についても同様に有機酸洗浄処理後の燃焼灰中におけるそれらの減少量は小さい。以上の結果、籾殻燃焼灰中のシリカ純度は93%〜96.7%であり、本発明の製法で得られるシリカの純度(98%以上)よりも低いものとなっている。
なお、本発明者らは、事前に粉砕・微細化した農作物原料を使用することにより、カルボン酸水溶液と接する原料の面積が増大し、その結果、キレート反応が生じる領域が増え、不純物金属元素の削減効果がさらに向上し、燃焼灰中の残留炭素量も減少してシリカの高純度化が図れることを確認した。例えば、事前に粉砕処理を施さない原料籾殻に対してクエン酸洗浄処理、水洗処理、燃焼を施して得られた燃焼灰のシリカ純度は99.1%であったが、籾殻をフードミキサーによって乾式条件下で粉砕し、原料に対して平均粒径を約1/3に微細化した場合、同一条件下でのクエン酸洗浄処理、水洗処理、燃焼処理を経由して得られた焼成灰のシリカ純度は99.6%であった。このように出発原料としての有機系廃棄物を準備するに際し、有機系廃棄物を粉砕して微細化すれば、シリカの高純度化を図ることができる。
籾殻や稲わらがバイオマス燃料であることを考えると、上述したいずれのカルボン酸水溶液による酸洗浄処理を施しても籾殻や稲わらに含まれるセルロースやヘミセルロースなどの炭水化物量が顕著に減少しないのは望ましいことである。
図3は、常温から1000℃までの加熱過程における種々の試料の重量変化率を示している。試料として、硫酸洗浄を1回行なった試料、硫酸洗浄を2回行なった試料、クエン酸洗浄を行なった試料、酸洗浄を行なわなかった試料を準備した。
図3に示すように、酸処理を行わない原料籾殻の場合には、約87%の重量減少を伴う。これは1000℃までの加熱過程におけるセルロースやヘミセルロースなどの炭水化物の熱分解が主要因である。一方、5%濃度の硫酸水溶液を用いて籾殻を洗浄処理した場合(図では1回洗浄と2回洗浄の結果を示す)、それぞれ80%および68%の重量減少が見られた。これらの結果は、分析前の試料に含まれる炭水化物量が原料籾殻を用いた場合に比べて10〜20%程度少ないこと、すなわち、硫酸水溶液中で籾殻を洗浄した際に炭水化物が硫酸によって溶融分解したことを意味する。したがって、バイオマス発電燃料として硫酸洗浄処理した籾殻を利用する場合、発熱量が減少して回収するエネルギー効率が低下するといった問題を伴う。
5%濃度のクエン酸水溶液を用いた場合の重量減少率は約88%であり、原料籾殻と同等である。つまり、硫酸洗浄処理で見られた炭水化物の溶融分解が生じることなく、バイオマス燃料として用いた場合でも高いエネルギー効率を実現できる。このことから、本発明による有機酸洗浄処理を施した籾殻や稲わらなどをバイオマスエネルギー用燃焼燃料とした場合、高い効率下で熱・電気エネルギーを採取すると同時に、燃焼後に排出される籾殻・稲わら灰は98%以上の高純度を有する非晶質シリカとなり、資源としての再利用が可能となる。エネルギーとしての有効活用を考慮すると、カルボン酸水溶液中に浸漬した有機系廃棄物の燃焼後の重量減少率を87%以上にするのが望ましい。
(4)カルボン酸洗浄処理した投入原料の水洗処理
上記のカルボン酸によるキレート効果によって農作物等の原料中の不純物金属元素イオンを包含した状態で原料から系外に排出・除去するには、続いて水洗処理が必要である。常温での水洗処理によっても除去効果はあるが、50℃以上での水洗処理によって、さらに除去効果は向上する。
また水洗処理条件に関して、原料の体積に対して30倍以上、より好ましくは50倍以上の水を用いることで十分な除去効果が得られる。例えば、籾殻50ccを用いる場合、所定の条件下でカルボン酸洗浄処理した籾殻を蒸留水500ccの浴槽に投入し、15分間の攪拌処理を行った後に蒸留水を廃棄する。そして、再度500ccの蒸留水を、籾殻が残る浴槽に投入する。これを3回繰り返すことで、原料籾殻の体積に対して30倍の蒸留水での水洗処理を行なうこととなる。
水洗処理の回数を1回にして、1回の水洗処理に使用する水の量を原料体積の30倍以上にしてもよいが、上記のように、3回以上の水洗処理を行い、各回の水洗処理で使用する水の容積を原料体積の10倍以上とすれば、より十分な除去効果が得られる。
硫酸、塩酸、硝酸などには、硫黄、塩素など、環境に害を及ぼす成分が含まれているが、本発明において酸洗浄工程で使用するのはカルボン酸であるので、酸処理後の農作物等を水洗処理した際の使用済みの排水には、環境に害を及ぼす成分が含まれない。従って、排水処理も容易となるといった利点が得られる。
(5)カルボン酸処理および水洗処理した原料の燃焼工程
前述の通りシリカ純度を高めるためには、不純物金属元素の含有量を事前に低減して燃焼後の残留炭素量を減少することが必要である。さらに、燃焼過程において水酸基による脱水反応および十分な空気(酸素)供給による炭水化物の完全燃焼を実現することにより、残留炭素量を削減することも重要である。本発明者らは、カルボン酸洗浄および水洗処理を施した原料を燃焼する条件として、大気雰囲気で300℃以上1100℃以下の加熱温度とすることが望ましいことを見出した。300℃未満では、炭水化物が十分に燃焼しないために残留炭素成分が増加してシリカ純度が低下する。一方、燃焼温度が1100℃を超えると、シリカの結晶構造がクリストバライト化(結晶化)するといった問題が生じる。
カルボン酸洗浄処理を施さない原料籾殻の示差熱分析結果を図4に示す。図4では、300℃〜400℃および400℃〜480℃にかけて2段階の発熱ピークが確認される。これは籾殻に含まれる炭水化物(五炭糖成分および六炭糖成分の2種類の炭水化物)が燃焼する際に発生する熱量に相当するものである。
本発明者らは、上記の2つの発熱過程において完全に炭水化物を熱分解すれば、残留炭素量を減少させてシリカ純度を向上できると考え、以下の好ましい方法を見出した。すなわち、籾殻等の有機系廃棄物を大気雰囲気中で加熱する工程は、2つの発熱ピークが発現する300℃〜500℃において酸素を十分に供給した状態で原料を燃焼する第1次加熱工程と、続いて大気雰囲気で600℃〜1100℃にて加熱する第2次加熱工程とを備える。このような2段階加熱により、炭水化物の完全燃焼が可能となる。
上記の効果を確認するために、酸洗浄処理を行わない原料稲わらを準備し、空気を強制的に供給した状態で400℃に管理された炉内に原料稲わらを投入して30分間加熱し、続いて大気中で800℃にて15分間加熱保持して燃焼灰を得た。この燃焼灰中のシリカ純度は98.4%と高く、炭素含有量は0.08%と低かった。また5%濃度クエン酸水溶液中での洗浄処理および水洗処理を施した稲わらを上記と同様に400℃にて30分間加熱し、続いて800℃で15分間加熱保持した場合に得られた燃焼灰中のシリカ純度は99.5%、炭素含有量は0.04%であった。このように、本発明による酸処理および水洗処理を施すことで、不純物を減少させて、更にシリカの高純度化が達成できる。
なお、特開平7−196312号公報においても、本発明と類似の方法が提案されている。この公報には、第1燃焼工程として流動床を用いて640℃〜800℃で4秒〜10秒の短時間焼成を行ない、続いて第2燃焼工程として外熱式回転炉を用いて700℃〜950℃で8分〜15分の焼成を行なうことにより、未燃焼炭素が少なく、かつポゾラン反応性の高い非晶質シリカを作製する製法が記載されている。しかしながら、第1燃焼工程の加熱温度が640℃〜800℃であり、本発明において規定する300℃〜500℃とは大きく異なる温度範囲である。図4に示したように、籾殻を燃焼した場合、600℃以上の温度では発熱現象は生じず、既に炭水化物の燃焼は完了している。言い換えると、600℃以上での酸素の供給は炭水化物の熱分解に対して効果的ではなく、その結果、残留炭素量は低減せずにシリカの高純度化は困難となる。
(6)本発明の製法によって得た非晶質シリカ
上述した本発明の製造条件によって農作物等の有機系廃棄物から作製される非晶質シリカは、二酸化ケイ素(SiO)の純度が98%以上である。また、好ましくは、非晶質シリカ中の炭素含有量が0.2重量%以下である。炭素含有量が0.2重量%を超えると、高純度非晶質シリカ粉末を用いた素形材料の一つである坩堝材料として使用した際に、作製した坩堝の耐熱性が低下し、使用寿命が低減する。また、アモルファス酸化ケイ素粉末をファンデーションなどの化粧品用原料として用いた場合、皮膚への影響が懸念される。さらに、アモルファス酸化ケイ素を高強度コンクリート用補強材として用いた場合、炭素含有量が0.2重量%を超えると、減水剤や空気連行剤(Air Entraining Agent)などの化学混和剤を吸収し、また二酸化ケイ素の含有量が98重量%未満であれば十分な強度改善が得られない。
非晶質シリカ中の好ましい炭素含有量は0.2重量%以下で、硫黄の含有量が0.1重量%以下であり、より好ましくは、炭素含有量が0.1重量%以下、硫黄の含有量が0.05重量%以下である。
なお、純度98%未満の非晶質シリカを用いた場合でも、結晶性シリカに比べると、ポゾラン活性によるコンクリートの強度向上効果は認められる。本発明による純度98%以上の非晶質シリカを用いると、コンクリート材の更なる高強度化が実現できる。さらに、本発明の高純度非晶質シリカ粉末を塗料材料として用いることもできる。
(7)異なった種類の酸を用いた洗浄処理
有機系廃棄物中の特定の成分を効率的に除去するために、カルボン酸水溶液中に浸漬する工程に加えて、有機系廃棄物を異なった種類の酸に浸漬する工程を備えるようにしても良い。異なった種類の酸として、例えばシュウ酸を用いることができる。有機系廃棄物をカルボン酸水溶液中に浸漬して洗浄する工程に加えて、シュウ酸水溶液中に浸漬して洗浄すると、有機系廃棄物中のリン成分やカリウム成分をより効率的に除去できる。異なった種類の酸洗浄の組み合わせとして、例えば、有機系廃棄物をクエン酸によって洗浄した後に、シュウ酸で洗浄する方法や、その逆に、有機系廃棄物をシュウ酸で洗浄した後に、クエン酸で洗浄する方法を採用し得る。また、クエン酸とシュウ酸とを混合した溶液中に有機系廃棄物を浸漬して洗浄するようにしてもよい。
原料として籾殻10gをクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、リン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、酢酸、シュウ酸のそれぞれの水溶液中に投入し、15分間浸漬した後、水洗処理(体積比で30倍の常温水で洗浄)を行ない、電気炉内において大気雰囲気下で800℃にて30分間焼成した。
得られた籾殻燃焼灰に含まれる元素の定量分析に関しては、蛍光X線分析(XRF:X-ray fluorescence spectroscopy)装置を用いて行なった。その結果を表1に示す。
Figure 2008053711
本発明例である試料No.2〜5では、カルボシキル基によるキレート反応および水酸基による脱水反応によって酸化カリウム、酸化カルシウムが減少しており、その結果、残留炭素量も0.1%を下回る低い値となり、目的とするシリカ純度は98%以上となった。
一方、比較例である試料No.1および6〜9は、次の通りであった。無処理の籾殻(試料No.1)では、金属成分が除去されず、その結果、残留炭素量も0.6%と多くなり、結果としてシリカ純度は95%を下回る値となった。試料No.6のリン酸では、酸化リンの含有量が増大し、結果としてシリカ純度が低下した。試料No.7〜9では、カルボン酸ではあるものの、水酸基を有さないためにカリウム、カルシウム等の不純物金属元素の除去が不十分となり、結果として、燃焼灰中の残留炭素量が増大し、シリカ純度が95〜97%と低い値を示した。
実施例1と同様に、籾殻を投入原料として準備し、クエン酸および硫酸を酸洗浄水溶液として用いた。表2に示す濃度条件下で酸洗浄処理を行ない、本発明の適正条件下での水洗処理を施した後に、電気炉を用いて大気雰囲気下で800℃にて30分間焼成した。蛍光X線分析(XRF)装置によって、得られた籾殻燃焼灰の定量分析を行なった。その結果を表2に示す。
Figure 2008053711
試料No.11〜13に示すように、クエン酸水溶液の濃度が増大するにつれてシリカ成分の高純度化が進行している。ただし、濃度30%(試料No.14)の場合には、シリカ純度は98.9%と高いものの、キレート効果によって包含された金属元素イオンが再度、籾殻内に浸透したために酸化カリウムや酸化カルシウムの含有量が増大して純度低下を招いた。
一方、比較例である試料No.15〜18においては、硫酸水溶液を用いることで不純物金属元素の除去が可能となり、残留炭素量の減少および99%以上のシリカの高純度化が可能となるが、燃焼灰中の硫黄含有量が増大するといった問題が見られた。
稲わらおよび籾殻を投入原料として準備し、クエン酸水溶液の温度の影響を検討した。濃度は全て5%で、クエン酸水溶液の温度を常温、50℃、80℃とした。それぞれの水溶液において各原料農作物を15分間浸漬した後、水洗処理(体積比で30倍の常温水で洗浄)を行ない、電気炉内において大気雰囲気下で800℃にて30分間焼成した。蛍光X線分析(XRF)装置を用いて、得られた燃焼灰の定量分析を行なった。稲わらの結果を表3に示し、籾殻を用いた場合の結果を表4に示す。いずれの場合においても、50〜80℃の温水条件下で酸洗浄処理を行うことでシリカの更なる高純度化が実現できる。
Figure 2008053711
Figure 2008053711
実施例1と同様に、籾殻を投入原料として準備し、酒石酸を酸洗浄水溶液(濃度5%)として用いて室温にて酸処理洗浄を行なった。その後、水洗処理条件を籾殻と水との体積比を5倍、30倍、50倍とした。
水洗処理後の籾殻を電気炉内にて大気雰囲気下で800℃にて30分間焼成した。蛍光X線分析(XRF)装置によって各籾殻燃焼灰の定量分析を行なった。その結果を表5に示す。体積比5倍の水洗条件に比べて、30倍、50倍の体積比に増加すると、つまり水洗回数を増やすことで酸化カリウムや酸化カルシウムなどが減少し、キレート反応による不純物金属元素の系外への排出効果が促進され、その結果、シリカ純度は更に増加した。
Figure 2008053711
表6に示す酸水溶液(全て5%濃度)500mlに籾殻10gを浸漬し、水温を60℃として30分間、攪拌した後、水洗処理(籾殻との体積比で30倍の蒸留水で洗浄)を行ない、ろ過後に105℃で60分間の乾燥処理によって籾殻中の水分を完全に除去した。このような一連の処理工程の前・後での籾殻重量の変化を表6に示す。
Figure 2008053711
硫酸(試料No.32)、塩酸(試料No.33)、リン酸(試料No.35)は籾殻中の炭水化物を溶融・分解するため、他の酸を用いた場合に比べて重量減少量が大きい。言い換えると、本発明の酸であるクエン酸(試料No.31)を用いて籾殻を酸処理した場合、セルロースやヘミセルロースなどの炭水化物を溶融・分解することなく、酸洗浄・水洗処理後の籾殻内に炭水化物が十分に残存しており、バイオマス燃料として効率的に利用できる。
実施例5と同様に、表7に示す酸水溶液(全て5%濃度)500mlに籾殻10gを浸漬し、水温を60℃として30分間、攪拌した後、水洗処理(籾殻との体積比で30倍の蒸留水で洗浄)を行ない、ろ過後に105℃で60分間の乾燥処理によって籾殻中の水分を完全に除去した。酸処理前・後の酸水溶液中のカルシウム(Ca)およびカリウム(K)の含有量をICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析装置によって定量測定した。酸洗浄前後での重量変化量から、それぞれの不純物金属元素の除去効果を評価した。酸水溶液中のCa含有量およびK含有量の分析結果を表7および表8にそれぞれ示す。
Figure 2008053711
Figure 2008053711
Ca含有量に関して、本発明例である試料No.37〜41における重量変化量(7.2ppm〜9.8ppm)は、比較例であるシュウ酸洗浄した試料No.42〜43の重量変化量(5.5ppm〜6.2ppm)に比べて大きく、水酸基を含むカルボン酸を用いることでカルシウムの除去効果が高いことが認められた。
K含有量に関しても、本発明例である試料No.48〜52における重量変化量(35.3ppm〜36.1ppm)は、比較例であるシュウ酸洗浄した試料No.53〜54の重量変化量(28.4ppm〜29.1ppm)に比べても大きく、水酸基を含むカルボン酸を用いることでカリウムの除去効果が高いことが認められた。
さらに、いずれにおいても、クエン酸水溶液の濃度が増加すると、CaおよびKの重量変化が増加しており、除去効果が向上することが認められた。
有機系廃棄物をカルボン酸水溶液中に浸漬する工程に加えて、この有機系廃棄物を異なった種類の酸に浸漬した場合に、有機系廃棄物中の成分濃度がどのように変化するかを調べた。その結果を表9に示す。
Figure 2008053711
表9の結果から明らかなように、有機系廃棄物をクエン酸水溶液中に浸漬する1段階の酸洗浄方法に比べて、クエン酸水溶液中の浸漬に加えてシュウ酸水溶液中の浸漬を行なう2段階の酸洗浄方法によれば、リン成分やカリウム成分をより効率的に除去することができる。実験を行なった2段階の酸洗浄の具体的手順は、以下のとおりであった。
(a)クエン酸溶液中への浸漬→水洗→シュウ酸溶液中への浸漬→水洗
(b)シュウ酸溶液中への浸漬→水洗→クエン酸溶液中への浸漬→水洗
(c)クエン酸とシュウ酸とを混ぜた溶液中への浸漬→水洗
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明の方法によって得られた高純度非晶質シリカは、セメント用混和材、タイヤゴム用強化材、可溶性肥料、化粧品用原料、塗料材料などに有利に利用され得る。

Claims (17)

  1. 酸化ケイ素を含む有機系廃棄物を出発原料として準備する工程と、
    前記有機系廃棄物を、水酸基を有するカルボン酸水溶液中に浸漬する工程と、
    続いて前記有機系廃棄物を水洗処理する工程と、
    さらに前記有機系廃棄物を大気雰囲気中で加熱する工程とを備えた、非晶質シリカの製造方法。
  2. 前記カルボン酸は、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、リンゴ酸および乳酸からなる群から選ばれたいずれかの酸である、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  3. 前記カルボン酸水溶液の温度は、50℃以上80℃以下である、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  4. 前記カルボン酸水溶液の濃度は、0.5%以上10%以下である、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  5. 前記大気雰囲気での加熱温度は、300℃以上1100℃以下である、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  6. 前記有機系廃棄物を大気雰囲気中で加熱する工程は、300℃以上500℃以下にて加熱する第1次加熱工程と、続いて600℃以上1100℃以下にて加熱する第2次加熱工程とを含む、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  7. 前記有機系廃棄物は、籾殻、稲わら、米ぬか、麦わら、木材、間伐材、建設廃材、おが屑、樹皮、バガス、トウモロコシ、サトウキビ、さつまいも、大豆、落花生、キャッサバ、ユーカリ、シダ、パイナップル、竹、ゴム、古紙のいずれかである、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  8. 出発原料としての有機系廃棄物を準備する工程は、有機系廃棄物を粉砕して微細化することを含む、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  9. 前記カルボン酸水溶液中に浸漬した有機系廃棄物の燃焼後の重量減少率は、87%以上である、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  10. 前記水洗処理で使用する水の容積は、処理する有機系廃棄物の体積の30倍以上である、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  11. 前記水洗処理を3回以上行い、各回の水洗処理で使用する水の容積は、処理する有機系廃棄物の体積の10倍以上である、請求項10に記載の非晶質シリカの製造方法。
  12. 前記カルボン酸水溶液中に浸漬する工程に加えて、前記有機廃棄物を異なった種類の酸に浸漬する工程を備える、請求項1に記載の非晶質シリカの製造方法。
  13. 前記異なった種類の酸は、シュウ酸である、請求項12に記載の非晶質シリカの製造方法。
  14. 前記カルボン酸はクエン酸であり、前記異なった種類の酸はシュウ酸である、請求項12に記載の非晶質シリカの製造方法。
  15. 請求項1に記載の方法によって得られた非晶質シリカであって、
    二酸化ケイ素の純度が98%以上である、非晶質シリカ。
  16. 不純物である炭素の含有量が重量基準で0.2%以下であり、硫黄の含有量が重量基準で0.1%以下である、請求項15に記載の非晶質シリカ。
  17. 不純物である炭素の含有量が重量基準で0.1%以下であり、硫黄の含有量が重量基準で0.05%以下である、請求項15に記載の非晶質シリカ。
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