JPWO2008044311A1 - 異常特定方法、分析装置および試薬 - Google Patents

異常特定方法、分析装置および試薬 Download PDF

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Abstract

本発明は、光学的測定をもとに検体を分析する分析装置の異常内容を特定する異常特定方法において、分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有する試薬に対して、検体に対する分析処理のうち、異常を検証すべき分析処理以外の所定の分析処理を削除して、異常を検証すべき分析処理とともに中間生成物に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うことによって得られた測定結果をもとに分析装置の異常を特定することを特徴とする。

Description

この発明は、光学的測定をもとに検体を分析する分析装置の異常内容の特定に関する。
分析装置は、多数の検体に対する分析処理を同時に行い、さらに、多成分を迅速に、かつ、高精度で分析できるため、免疫検査、生化学検査、輸血検査などさまざまな分野での検査に用いられている。たとえば、免疫検査を行う分析装置は、反応容器内で検体と試薬とを反応させる反応機構、反応容器内の未反応物質を除去する除去機構、各試薬と検体とが反応して生成される免疫複合体から生じる発光の発光量を測定する測光機構をそれぞれ複数のターンテーブル上に配置し、さらに検体、試薬および反応液を各機構に分注または移送する複数の分注移送機構を備え、様々な分析内容の免疫検査を行っている(たとえば特許文献1参照)。
特開2003−83988号公報
ところで、従来においては、既知の分析結果を有する標準検体に対し、実際に通常の検体と同様の一連の分析処理を行って得られた分析結果が既知の分析結果と一致するか否かをもとに、分析装置に異常があるかいなかを検証していた。言い換えると、従来においては、分析装置の操作者は、標準検体を実際に分析して得られた分析結果が既知の分析結果と一致する場合には、分析装置は異常なく正常に動作し、標準検体を実際に分析して得られた分析結果が既知の分析結果と一致しない場合には、分析装置に異常があると判断していた。
しかしながら、従来の標準検体を用いる方法においては、操作者は、分析装置に異常があることは認識できるものの、分析装置のいずれの処理およびいずれの機構において異常が発生しているかを正確に特定することは困難であった。特に、免疫検査を行う分析装置は、反応時間、使用する試薬、使用する機構、機構の使用タイミングなどがそれぞれ異なる様々な内容の分析処理を行うために複雑な装置構成を有しており、異常を正確に特定することはたいへん困難であった。
また、生化学検査を行う分析装置では、分注移送機構における分注精度に関しては、所定の吸光度特性を有する試薬を反応容器内に実際に分注し、比色法を用いた測定結果をもとに検証していた。しかしながら、免疫検査を行う分析装置は比色測定部を持たないため、分注精度を検証するには、操作者は、分析装置とは別個に分光光度計を使用して比色測定を行うという煩雑な処理を行う必要があった。
本発明は、上述した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、正確かつ簡易に分析装置の異常を特定することができる異常特定方法、分析装置および試薬を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる異常特定方法は、光学的測定をもとに検体を分析する分析装置の異常内容を特定する異常特定方法において、分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有する試薬に対して、前記検体に対する分析処理のうち、異常を検証すべき分析処理以外の所定の分析処理を削除して、前記異常を検証すべき分析処理とともに前記中間生成物に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うことによって得られた測定結果をもとに前記分析装置の異常を特定することを特徴とする。
また、この発明にかかる異常特定方法は、反応容器内への前記試薬注入後に前記検体に対する分析処理のうち前記反応容器内の未反応物質を除去する除去処理と同様の処理を行う除去ステップと、前記中間生成物が発光可能となる分析処理と同様の分析処理を行って前記試薬を発光可能とした後に発光量を測定する測定ステップと、前記測定ステップにおける測定結果が前記分析装置の正常時に予め求められた前記試薬の発光量に基づく許容範囲を満たさない場合、前記検体に対する分析処理のうち前記除去処理において異常があると特定する異常特定ステップと、を含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる異常特定方法は、前記除去処理として第1の前記除去処理および第2の前記除去処理が行われ、前記除去ステップは、前記第1の除去処理と同様の処理を行う第1の除去ステップと、前記第2の除去処理と同様の処理を行う第2の除去ステップと、前記第1の除去処理と同様の処理を行うとともに前記第2の除去処理と同様の処理を行う第3の除去ステップと、のいずれかであることを特徴とする。
また、この発明にかかる異常特定方法は、前記異常特定ステップは、前記除去ステップが前記第1の除去ステップであるとき、前記測定ステップにおいて測定された第1の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第1の除去処理において異常があると特定し、前記除去ステップが前記第2の除去ステップであるとき、前記測定ステップにおいて測定された第2の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第2の除去処理において異常があると特定し、前記除去ステップが前記第3の除去ステップであるとき、前記測定ステップにおいて測定された第3の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第1の除去処理および/または前記第2の除去処理において異常があると特定することを特徴とする。
また、この発明にかかる異常特定方法は、前記第1の発光量、前記第2の発光量および前記第3の発光量を用いて各発光量の相対値をそれぞれ演算する演算ステップを含み、前記異常特定ステップは、前記演算ステップにおいて演算された各相対値をもとに前記第1の除去処理および/または前記第2の除去処理において異常があることを特定することを特徴とする。
また、この発明にかかる異常特定方法は、前記異常特定ステップは、前記除去ステップおよび前記測定ステップを複数回繰り返すことによって得られた前記第1の発光量、前記第2の発光量および/または前記第3の発光量におけるばらつき値および平均値をもとに、前記除去処理における異常内容を特定することを特徴とする。
また、この発明にかかる異常特定方法は、前記試薬は、標識抗体と磁性粒子との結合状態を維持し、発光量をもとに免疫学的に検体を分析する分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有することを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、光学的測定をもとに検体を分析する分析装置において、分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有する試薬に対して、前記検体に対する分析処理のうち、異常を検証すべき分析処理以外の所定の分析処理を削除して、前記異常を検証すべき分析処理とともに前記中間生成物に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うことによって得られた測定結果をもとに当該分析装置の異常を特定することを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、反応容器内への前記試薬注入後に前記検体に対する分析処理のうち前記反応容器内の未反応物質を除去する除去処理と同様の処理を行う除去手段と、前記中間生成物が発光可能となる分析処理と同様の分析処理を行って前記試薬を発光可能とした後に発光量を測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果が当該分析装置の正常時に予め求められた前記試薬の発光量に基づく許容範囲を満たさない場合、前記検体に対する分析処理のうち前記除去処理において異常があると特定する異常特定手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記除去処理として第1の除去処理および第2の除去処理が行われ、前記除去手段は、前記第1の除去処理と同様の処理、前記第2の除去処理と同様の処理、または、前記第1の除去処理と同様の処理および前記第2の除去処理と同様の処理の双方を前記試薬に対して行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記異常特定手段は、前記除去手段によって前記第1の除去処理と同様の処理が行われ、前記測定手段によって測定された第1の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第1の除去処理において異常があると特定し、前記除去手段によって前記第2の除去処理と同様の処理が行われ、前記測定手段によって測定された第2の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第2の除去処理において異常があると特定し、前記除去手段によって前記第1の除去処理と同様の処理および前記第2の除去処理と同様の処理の双方が行われ、前記測定手段によって測定された第3の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第1の除去処理および/または前記第2の除去処理において異常があると特定することを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記第1の発光量、前記第2の発光量および前記第3の発光量を用いて各発光量の相対値をそれぞれ演算する演算手段を備え、前記異常特定手段は、前記演算手段によって演算された各相対値をもとに前記第1の除去処理および/または前記第2の除去処理において異常があることを特定することを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記異常特定手段は、前記除去手段および前記測定手段による処理を複数回繰り返すことによって得られた前記第1の発光量、前記第2の発光量および前記第3における発光量のばらつき値および平均値をもとに、前記除去処理における異常内容を特定することを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記試薬は、標識抗体と磁性粒子との結合状態を維持し、発光量をもとに免疫学的に検体を分析する分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有することを特徴とする。
また、この発明にかかる試薬は、標識抗体と磁性粒子との結合状態を維持し、発光量をもとに免疫学的に検体を分析する分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有することを特徴とする。
また、この発明にかかる試薬は、前記結合状態は、共有結合、抗原抗体反応による結合、アビシン・ビオチン結合、ABC結合、疎水結合、水素結合のいずれかによって維持されることを特徴とする。
本発明によれば、分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有する試薬に対して、検体に対する分析処理のうち、異常を検証すべき分析処理以外の所定の分析処理を削除して、異常を検証すべき分析処理とともに中間生成物に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うことによって得られた測定結果をもとに分析装置の異常を特定するため、正確かつ簡易に分析装置の異常を特定することができる。
図1は、実施例1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。 図2は、図1において用いられる試薬を説明する図である。 図3は、図1において用いられる試薬を説明する図である。 図4は、図1に示す分析装置における異常特定処理の処理手順を示すフローチャートである。 図5は、図4に示す異常特定用測定処理の処理手順を示す図である。 図6は、図5に示す通常測定を説明する図である。 図7は、図5に示す異常特定用測定を説明する図である。 図8は、図4に示す異常特定処理において使用されるテーブルを例示する図である。 図9は、図4に示す異常特定用測定処理の他の例を説明する図である。 図10は、図9に示す異常特定用測定2Aを説明する図である。 図11は、図9に示す異常特定用測定2Bを説明する図である。 図12は、図4に示す異常特定処理において使用されるテーブルを例示する図である。 図13は、実施例2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。 図14は、図13に示す分析装置における異常特定処理の処理手順を示すフローチャートである。 図15は、図14に示す異常特定用測定処理を説明する図である。 図16は、図14に示す演算処理において用いられる演算式を示す図である。 図17は、図14に示す異常特定処理において使用されるテーブルを例示する図である。 図18は、図14に示す演算処理の結果の一例を示す図である。 図19は、図14に示す演算処理の結果の一例を示す図である。
符号の説明
1,201 分析装置
2 測定機構
4,204 制御機構
21 検体移送部
21a 検体容器
21b 検体ラック
22 チップ格納部
23 検体分注移送機構
24 免疫反応テーブル
24a 外周ライン
24b 中周ライン
24c 内周ライン
25 BFテーブル
26 第1試薬格納部
27 第2試薬格納部
28 第1試薬分注移送機構
29 第2試薬分注移送機構
30 酵素反応テーブル
31 測光機構
32 第1キュベット移送機構
33 第2キュベット移送機構
41,241 制御部
42,242 処理制御部
43 入力部
44 分析部
45,245 特定部
46 記憶部
47 出力部
48 送受信部
以下、図面を参照して、この発明の実施例である分析装置について、生化学検査、輸血検査などの各分野のうち、磁性粒子を固相担体として用いて被検血液の抗原抗体反応などの免疫検査を行う分析装置を例に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
まず、実施例1について説明する。実施例1においては、検体に対する分析処理のうち反応容器内の未反応物質を除去するBF洗浄処理の異常の有無を特定する場合について説明する。また、実施例1においては、検体に対する分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有する異常特定用の試薬を用いて、簡易かつ正確にBF洗浄の異常の有無を特定する。図1は、本実施例1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、実施例1にかかる分析装置1は、検体と試薬との間の反応によって生じた発光を測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構2における測定結果の分析を行う制御機構4とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の免疫的な分析を自動的に行う。
測定機構2は、大別してプレート検体移送部21、チップ格納部22、検体分注移送機構23、免疫反応テーブル24、BFテーブル25、第1試薬格納部26、第2試薬格納部27、第1試薬分注移送機構28、第2試薬分注移送機構29、酵素反応テーブル30、測光機構31、第1キュベット移送機構32および第2キュベット移送機構33を備える。測定機構2の各構成部位は、所定の動作処理を行う単数または複数のユニットを備える。また、制御機構4は、制御部41、入力部43、分析部44、特定部45、記憶部46、出力部47および送受信部48を備える。測定機構2および制御機構4が備えるこれらの各部は、制御部41に電気的に接続されている。
まず、測定機構2について説明する。検体移送部21は、検体を収容した複数の検体容器21aを保持し、図中の矢印方向に順次移送される複数の検体ラック21bを備える。検体容器21aに収容された検体は、検体の提供者から採取した血液または尿などである。
チップ格納部22は、複数のチップを整列したチップケースを設置しており、このケースからチップを供給される。このチップは、感染症項目測定時のキャリーオーバー防止のため、検体分注移送機構23のノズル先端に装着され、検体分注ごとに交換されるディスポーザブルのサンプルチップである。
検体分注移送機構23は、検体の吸引および吐出を行うプローブが先端部に取り付けられ鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアームを備える。検体分注移送機構23は、検体移送部21によって所定位置に移動された検体容器21a内の検体をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって所定位置に搬送されたキュベットに分注して検体を所定タイミングでBFテーブル25上のキュベット内に移送する。
免疫反応テーブル24は、それぞれ配置されたキュベット内で検体と分析項目に対応する所定の試薬とを反応させるための反応ラインを有する。免疫反応テーブル24は、免疫反応テーブル24の中心を通る鉛直線を回転軸として反応ラインごとに回動自在であり、免疫反応テーブル24に配置されたキュベットを所定タイミングで所定位置に移送する。免疫テーブル24においては、図1に示すように、前処理、前希釈用の外周ライン24a、検体と固相担体試薬との免疫反応用の中周ライン24bおよび検体と標識試薬との免疫反応用の内周ライン24cを有する3重の反応ライン構造を形成してもよい。
BFテーブル25は、所定の洗浄液を吸引吐出して検体または試薬における未反応物質を分離するBF(bound−free)分離を実施するBF洗浄処理を行う。BFテーブル25は、BFテーブル25の中心を通る鉛直線を回転軸として反応ラインごとに回動自在であり、BFテーブル25に配置されたキュベットを所定タイミングで所定位置に移送する。BFテーブル25は、BF分離に必要な磁性粒子担体を集磁する集磁機構とBF分離を実施するBF洗浄ノズルと集磁された担体を分散させる攪拌機構を有する。BFテーブル25は、反応容器内への異常特定用の試薬注入後に、検体に対して行われる一連の分析処理のうち、反応容器内の未反応物質を除去するBF洗浄処理と同様の処理を行う。このBFテーブル25におけるBF洗浄処理として、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理が行われ、第1BF洗浄処理と第2BF洗浄処理においては、異なるBF洗浄ノズル、および集磁機構が用いられる場合がある。
第1試薬格納部26は、BFテーブル25に配置されたキュベット内に分注される第1試薬が収容された試薬容器を複数収納できる。第2試薬格納部27は、BFテーブル25に配置されたキュベット内に分注される第2試薬が収容された試薬容器を複数収納できる。第1試薬格納部26および第2試薬格納部27は、図示しない駆動機構が駆動することによって、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬容器を第1試薬分注移送機構28または第2試薬分注移送機構29による試薬吸引位置まで移送する。
第1試薬分注移送機構28は、第1試薬の吸引および吐出を行うプローブが先端部に取り付けられ鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアームを備える。第1試薬分注移送機構28は、第1試薬格納部26によって所定位置に移動された試薬容器内の試薬をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって所定位置に搬送されたキュベットに分注する。
第2試薬分注移送機構29は、第1試薬分注移送機構28と同様の構成を有し、第2試薬格納部27によって所定位置に移動された試薬容器内の試薬をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって所定位置に搬送されたキュベットに分注する。
酵素反応テーブル30は、基質液が注入されたキュベット内において光を発生させる酵素反応を行うための反応ラインである。測光機構31は、キュベット内の反応液から発する発光を測定する。測光機構31は、たとえば、化学発光で生じた微弱な発光を検出する光電子倍増管を備えて、発光量を測定する。また、測光機構31は、光学フィルターを保持し、発光強度に応じて光学フィルターにより減光された測定値によって真の発光強度を算出する。
第1キュベット移送機構32は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行い、液体を収容したキュベットを所定タイミングで、免疫反応テーブル24、BFテーブル25、酵素反応テーブル30、図示しないキュベット供給部および図示しないキュベット廃棄部の所定位置に移送するアームを備える。また、第2キュベット移送機構33は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行い、液体を収容したキュベットを所定タイミングで、酵素反応テーブル30、測光機構31、図示しないキュベット廃棄部の所定位置に移送するアームを備える。
つぎに、制御機構4について説明する。制御機構4は、一または複数のコンピュータシステムを用いて実現され、測定機構2に接続する。制御機構4は、分析装置1の各処理にかかわる各種プログラムを用いて、測定機構2の動作処理の制御を行うとともに測定機構2における測定結果の分析を行う。
制御部41は、制御機能を有するCPU等を用いて構成され、分析装置1の各構成部位の処理および動作を制御する。制御部41は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。制御部41は、記憶部46が記憶するプログラムをメモリから読み出すことにより分析装置1の制御を実行する。制御部41は、処理制御部42を有する。
ここで、分析装置1は、検体に対する分析処理の過程で生成される中間生成物である免疫複合体と同様の機能を有する試薬に対して、検体に対する分析処理のうち、異常を検証すべき分析処理以外の所定の分析処理を削除して、異常を検証すべき分析処理とともに免疫複合体に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うことによって得られた測定結果をもとに分析装置の異常を特定する。処理制御部42は、異常特定用処理を行う場合には、分析対象である検体に対して行われる一連の分析処理のうち、異常を検証すべき分析処理以外の所定の分析処理を削除して、異常を検証すべき分析処理とともに免疫複合体に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うよう各機構を制御する。本実施例1においては、BFテーブル25におけるBF洗浄の異常の有無を特定するため、処理制御部42は、分析対象である検体に対して行われる一連の分析処理のうち、試薬分注処理およびBF洗浄処理以外の所定の分析処理を削除して、BF洗浄処理とともに免疫複合体に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うよう各機構を制御する。
入力部43は、種々の情報を入力するためのキーボード、出力部47を構成するディスプレイの表示画面上における任意の位置を指定するためのマウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部44は、測定機構2から取得した測定結果に基づいて検体に対する分析処理等を行う。
特定部45は、免疫複合体と同様の機能を有する試薬に対して、検体に対する分析処理のうち、異常を検証すべきBF洗浄処理以外の所定の分析処理を削除して、異常を検証すべき分析処理とともに免疫複合体に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うことによって得られた測定結果をもとに分析装置の異常を特定する。特定部45は、測光機構31による測定結果が分析装置の正常時に予め求められた試薬における発光量に基づく許容範囲を満たさない場合、検体に対する分析処理のうちBF洗浄処理において異常があると特定する。
記憶部46は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部46は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。記憶部46は、分析装置の正常時に予め求められた試薬における発光量に基づいて設定された許容範囲を記憶する。
出力部47は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、処理制御部42の制御のもと、分析に関する諸情報を出力する。送受信部48は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有する。
つぎに、分析装置1において用いられる異常特定用の試薬について説明する。図2に示すように、異常特定用の試薬50は、磁性粒子51と標識抗体52との結合状態Cを維持するものである。この試薬50においては、共有結合、抗原抗体反応による結合、アビシン・ビオチン結合、ABC結合、疎水結合、水素結合のいずれかによって磁性粒子51と標識抗体52との結合状態Cを維持している。さらに、試薬50は、分析装置1における検体に対して行われる分析処理の過程で生成される中間生成物である免疫複合体と同様の機能を有する。具体的には、試薬50は、検体に含まれる抗原を介して磁性粒子と標識抗体とが結合した免疫複合体と同様の機能を有する。試薬50は、この免疫複合体と同様に、図3に示すように、基質液注入後の酵素反応を経ることによって酵素66と結合して光Lを発する機能を有する。
つぎに、図4を参照して、分析装置1による異常特定処理の処理手順について説明する。入力部43は、操作者による操作のもと、所定のBF洗浄処理の異常特定を指示する指示情報を制御部41に入力する異常特定用測定指示処理を行う(ステップS2)。そして、測定機構2の各機構は、処理制御部42の制御のもと、BF洗浄処理以外の所定の分析処理を削除して、BF洗浄処理とともに免疫複合体に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行った後に発光を検出する異常特定用測定処理を行う(ステップS4)。特定部45は、異常特定用測定処理において測定された測定結果を所定の演算方法で演算する演算処理を行う(ステップS6)。そして、特定部45は、演算処理において得られた結果が所定の許容範囲を満たすか否かをもとにBF洗浄処理に異常があるか否かを特定する異常特定処理を行う(ステップS8)。
つぎに、図5〜図7を参照して、図4に示す異常特定用測定のうち第1BF洗浄処理、第2BF洗浄処理に異常があるか否かを特定するための異常特定用測定1について説明する。図5は、図4に示す異常特定用測定1の処理手順を示す図である。この図5においては、異常特定用測定とともに通常の検体に対して行われる通常測定についても示している。また、図6は、図5に示す通常測定を説明する図であり、図7は、図5に示す異常特定用測定1を説明する図である。
通常測定においては、図5および図6(1)に示すように、図1に図示しないキュベット供給部より、BFテーブル25の所定位置に第1キュベット移送機構32によって反応容器であるキュベット20が移送され、このキュベット20内に磁性粒子61を含む第1試薬が第1試薬分注移送機構28によって分注される第1試薬分注処理が行われる(ステップS11)。その後、図6(2)に示すように、検体移送部21によって所定位置に移送された検体容器21a内から、チップ格納部22から供給されたチップを装着した検体分注移送機構23によって、BFテーブル25上のキュベット20内に検体62が分注される検体分注処理が行われる(ステップS12)。そして、キュベット20は、BFテーブル25の攪拌機構によって攪拌された後、第1キュベット移送機構32によって、免疫反応テーブル24の中周ライン24bに移送される。この場合、検体62中の抗原と磁性粒子とが結合した磁性粒子担体が生成する。
そして、一定の反応時間が経過した後、キュベット20は第1キュベット移送機構32によってBFテーブル25に移送され、図6(3)に示すように、BFテーブル25の集磁機構25aによる磁性粒子担体集磁およびBF洗浄ノズル25cによるBF分離が実施される1回目の第1BF洗浄処理が行われる(ステップS13)。この結果、図6(3)に示すように、キュベット20内の未反応物質63が除去される。
そして、図6(4)に示すように、BF分離後のキュベット20内に第2試薬である標識抗体65を含む標識試薬が第2試薬として第2試薬分注移送機構29によって分注され、攪拌機構によって攪拌される第2試薬分注処理が行われる(ステップS14)。この結果、磁性粒子担体と標識抗体65とが結合した免疫複合体67が生成される。その後、このキュベット20は、第1キュベット移送機構32によって免疫反応テーブル24の内周ライン24cに移送され、一定の反応時間が経過した後、BFテーブル25に移送される。
そして、図6(5)に示すように、キュベット20に対して、集磁機構25bによる磁性粒子担体集磁およびBF洗浄ノズル25dによるBF分離が実施される2回目の第2BF洗浄処理が行われる(ステップS15)。この結果、図6(5)に示すように、キュベット20から磁性粒子担体と結合していない標識抗体65が除去される。
そして、キュベット20には、酵素66を含む基質液が分注され再度攪拌される基質注入処理が行われる(ステップS16)。つぎに、キュベット20は、第1キュベット移送機構32によって酵素反応テーブル30に移送され、酵素反応に必要な一定の反応時間が経過した後、第2キュベット移送機構33によって測光機構31に移送される。酵素反応を経て酵素66と免疫複合体67とが結合することによって、免疫複合体67から光Lが発せられる。このため、測光機構31によってキュベットから発せられる光Lが測定される測定処理が行われる(ステップS17)。通常測定においては、分析対象の抗原が検体中に含まれる量を検出するために、抗原と磁性粒子を結合させた後、さらに標識抗体と磁性粒子担体とを結合させて免疫複合体を生成し、この免疫複合体を酵素と反応させることによって光を発生させ、この発生した光量を測定する。そして、分析部44は、測定された光量に応じて抗原量を求めている。
このように、検体に対して行われる通常の分析処理においては、第1試薬分注処理(ステップS11)、検体分注処理(ステップS12)、第1BF洗浄処理(ステップS13)、第2試薬分注処理(ステップS14)、第2BF洗浄処理(ステップS15)、基質注入処理(ステップS16)および測定処理(ステップS17)が行われる。
これに対し、第1BF洗浄処理と第2BF洗浄処理の異常の有無を特定するために行われる異常特定用測定1においては、図5および図7(1)に示すように、通常測定において分注される磁性粒子61を含む第1試薬に代えて、図2に示す試薬50を第1試薬として分注する第1試薬分注処理が行われる(ステップS11)。
そして、異常特定用測定1においては、図7(2)に示すように、試薬50は、免疫複合体67と同様の機能を有するため、抗原を含む検体を分注する検体分注処理(ステップS12)を行う必要がない。そして、異常特定用測定1においては、図7(3)に示すように、異常特定対象である第1BF洗浄処理(ステップS13)が行われる。この場合、第1BF洗浄処理が正常に行なわれる場合には、キュベット20内の磁性粒子を有する試薬50は、集磁機構25aによって集磁され除去されることはない。しかしながら、集磁機構25aの集磁の劣化、BF洗浄ノズル25cにおける洗浄異常などに起因して第1BF洗浄処理が正常に行なわれない場合には、試薬50の一部が除去される場合がある。
そして、異常特定用測定1においては、図7(4)に示すように、試薬50は、免疫複合体67と同様の機能を有するため、標識抗体を含む第2試薬を分注する第2試薬分注処理(ステップS14)を行う必要がない。そして、異常特定用測定1においては、図7(5)に示すように、異常特定対象である第2BF洗浄処理が行われる(ステップS15)。この場合、第2BF洗浄処理が正常に行なわれる場合には、磁性粒子を有する試薬50は、集磁機構25bによって集磁され除去されることはない。しかしながら、集磁機構25bの集磁の劣化、BF洗浄ノズル25dにおける洗浄異常などに起因して第2BF洗浄処理が正常に行なわれていない場合には、キュベット20内の試薬50の一部が除去される場合がある。
そして、図7(6)に示すように、異常特定用測定1においては、通常測定と同様に酵素66を含む基質がキュベット20に注入される基質注入処理が行われる(ステップS16)。この場合、試薬50は、図6(6)に示す免疫複合体67と同様に、酵素反応を経ることによって酵素66と結合して光Lを発する。そして、図7(7)に示すように、異常特定用測定1においては、試薬50から発せられる光Lを測定する測定処理が行われる(ステップS17)。
このように、異常特定用測定1においては、免疫複合体67と同様の機能を有する試薬50を最初に注入している。このため、異常特定用測定1においては、免疫複合体を生成するために要する、磁性粒子と検体中の抗原とが結合する磁性粒子担体の生成処理および磁性粒子担体と標識抗体とが結合する免疫複合体生成処理を行う必要がない。したがって、異常特定用測定1においては、磁性粒子担体の生成処理および免疫複合体生成処理に関する他の処理を削除して、異常特定対象である第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理のみを行い、発光量を測定することができる。この結果、特定部45は、他の処理の異常に関する寄与を考慮する必要がなく、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理に対する異常のみを正確に検証することができる。
つぎに、図4に示す演算処理について説明する。ここで、前述した異常特定用測定1は、複数回繰り返される。すなわち、異常特定用測定1における第1試薬分注処理、第1BF洗浄処理、第2BF洗浄処理、基質注入処理、測定処理が複数回繰り返されることによって複数の発光量が得られる。特定部45は、図4に示す演算処理において、複数の異常特定用測定1を行うことによって得られた複数の発光量を演算して、発光量のばらつき値および平均値を取得する。なお、発光量のばらつき値は、複数の発光量の測定結果における標準偏差を発光量の平均値で除算したCV%である。
そして、図4に示す異常特定処理について説明する。特定部45は、演算処理において取得した発光量のばらつき値および平均値が分析装置1の正常時に予め求められた試薬50の発光量に基づいて設定された許容範囲を満たさない場合に第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理に異常があると特定する。特定部45は、予め設定された許容範囲として、記憶部46内に記憶された図8に例示するテーブルT1を参照して異常特定処理を行う。テーブルT1においては、発光量のばらつき値であるCV%および発光量の平均値における許容範囲と、各許容範囲を満たさない場合に特定できる異常内容が示されている。この許容範囲は、予め正常時の分析装置1における試薬50に対する測定を行った結果をもとに分析装置1が臨床学的に問題ない測定結果を出力できる範囲として設定されている。
ここで、CV%が大きい場合とは、すなわち発光量に大きなばらつきがある場合である。この場合、複数回行なわれた第1BF洗浄処理および/または第2BF洗浄処理の一部に、BF洗浄処理において本来除去されない試薬50が多く除去されたBF洗浄処理が含まれているものと考えられる。本来除去されることがない試薬50が多く除去されてしまう場合として、BF洗浄処理において洗浄液を吸引吐出するノズルが集磁領域にぶつかり集磁されていた試薬50が遊離しノズルに吸引されてキュベット20から除去される場合や、ノズルから吸引吐出される洗浄液の吸引吐出量が変動して試薬が除去される場合が原因として考えられる。たとえばCV%の許容範囲が2%未満と設定されている場合、特定部45は、演算処理において取得したCV%が2%未満である場合には、テーブルT1に示すように、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理において、ノズルの吸引吐出異常はないと判断する。一方、特定部45は、演算処理において取得したCV%が2%以上である場合には、テーブルT1に示すように、第1BF洗浄処理および/または第2BF洗浄処理において、ノズルの吸引吐出異常があると判断する。
また、発光量の平均値が小さい場合とは、複数回行なわれた各第1BF洗浄処理および/または各第2BF洗浄処理において、本来除去されない試薬50が多く除去されているものと考えられる。本来除去されることがない試薬50が各BF洗浄処理において多く除去されてしまう場合として、洗浄液の濃度異常によって集磁されていた試薬50が遊離してしまいキュベット20から除去される場合が原因として考えられる。たとえば平均値の許容範囲が900000cp/s以上と設定されている場合、特定部45は、テーブルT1に示すように、演算処理において取得した平均値が900000cp/s以上である場合には、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理において、洗浄液の濃度異常はないと判断する。一方、特定部45は、演算処理において取得した平均値が900000cp/s未満である場合には、テーブルT1に示すように、第1BF洗浄処理および/または第2BF洗浄処理において、洗浄液の濃度異常があると判断する。なお、洗浄液の濃度異常のほか、洗浄液の異物混入、BFテーブル25の集磁機構の磁性劣化なども、本来除去されることがない試薬50が各BF洗浄処理において多く除去されてしまう原因として考えられる。
このように、本実施例1にかかる分析装置1は、異常特定用測定において、検体に対する分析処理の過程で生成される免疫複合体67と同様の機能を有する試薬50を用いることによって、検体に対する分析処理のうち免疫複合体を生成するために要する分析処理を削除することができる。具体的には、分析装置1は、異常特定用測定において、異常特定対象である第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理の他に免疫複合体67に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うだけで試薬からの発光量を得ることができ、異常の内容を特定している。言い換えると、分析装置1は、試薬50を用いることによって、免疫複合体67を生成するために要する分析処理を削除できるため、削除した処理異常に関する寄与を考慮する必要がなく、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理に対する異常のみを正確に検証することができる。また、分析装置1においては、測光機構31によって測定された測定結果を用いてBF洗浄処理の異常の有無を特定できるため、従来において必要であった分析装置本体とは別個の分光光度計に用いる比色測定を行う必要がない。したがって、本実施例1によれば、正確かつ簡易に分析装置の異常を特定することができる。
なお、実施例1においては、図4に示す異常特定用測定として、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理の双方を行ってBF洗浄処理の異常を特定する異常特定用測定1について説明したが、第1BF洗浄処理または第2BF洗浄処理のいずれかのみを行ってさらに異常内容を詳細に特定してもよい。図9〜図11を参照して、第1BF洗浄処理の異常を特定するために行う異常特定用測定2Aと、第2BF洗浄処理の異常を特定するために行う異常特定用測定2Bとを説明する。図9においては、異常特定用測定2A,2Bとともに通常の検体に対して行われる通常測定についても示している。また、図10は、異常特定用測定2Aの処理手順を説明する図であり、図11は、異常特定用測定2Bの処理手順を説明する図である。
まず、異常特定用測定2Aについて説明する。図9および図10(1)に示すように、異常特定用測定2Aにおいては、異常特定用測定1と同様に、通常測定の第1試薬分注処理(ステップS21)において分注される磁性粒子61を含む第1試薬に代えて、図2に示す試薬50を第1試薬として分注する第1試薬分注処理が行われる(ステップS21)。そして、異常特定用測定2Aにおいては、図9および図10(2)に示すように、異常特定用測定1と同様に通常測定における検体分注処理(ステップS22)が削除される。そして、異常特定用測定2Aにおいては、図10(3)に示すように、異常特定対象である第1BF洗浄処理(ステップS23)が行われる。そして、異常特定用測定2Aにおいては、図10の矢印Y1に示すように、通常測定における第2試薬分注処理(ステップS24)が削除され、その後、異常特定対象ではない第2BF洗浄処理(ステップS25)も削除される。そして、図10(6)に示すように、異常特定用測定2Aにおいては、通常測定と同様に、酵素66を含む基質が注入される基質注入処理が行われ(ステップS26)、酵素66と結合した試薬50が発する光Lを測定する測定処理が行われる(ステップS27)。異常特定用測定2Aでは、BF洗浄処理として、第2BF洗浄処理を削除し、異常特定対象である第1BF洗浄処理のみを行っている。
一方、異常特定用測定2Bについて説明する。異常特定用測定2Bにおいては、図9および図11(1)に示すように、異常特定用測定1,2Aと同様に、図2に示す試薬50を第1試薬として分注する第1試薬分注処理が行われる(ステップS21)。そして、異常特定用測定2Bにおいては、図9および図11(2)および図11の矢印Y2に示すように、検体分注処理(ステップS22)と異常特定対象でない第1BF洗浄処理(ステップS23)と第2試薬分注処理(ステップS24)とが削除される。そして、図11(5)に示すように、異常特定用測定2Bにおいては、異常特定対象である第2BF洗浄処理(ステップS25)が行われた後、図11(6)に示すように、基質注入処理が行われ(ステップS26)、酵素66と結合した試薬50が発する光Lを測定する測定処理が行われる(ステップS27)。異常特定用測定2Bでは、BF洗浄処理として、第1BF洗浄処理を削除し、異常特定対象である第2BF洗浄処理のみを行っている。
そして、特定部45は、図4に示す演算処理において、異常特定用測定2A,2Bを複数回繰り返すことによって得られた複数の測定結果を演算して、発光量のばらつき値および平均値を取得する。つぎに、特定部45は、図4に示す異常特定処理において、予め設定された許容範囲として、記憶部46に記憶された図12に例示するテーブルT2を参照して異常特定処理を行う。
まず、異常特定用測定2Aを行った場合における異常特定処理について説明する。異常特定用測定2Aにおいては、第1試薬分注処理、基質注入処理、測定処理以外には第1BF洗浄処理のみを行っているため、測定結果が許容範囲を満たしていない場合には、第1BF洗浄処理に原因があると特定することが可能である。
このため、たとえばCV%の許容範囲が2%未満と設定されている場合、特定部45は、テーブルT2に示すように、演算処理において取得したCV%が2%以上である場合には第1BF洗浄処理においてノズルの吸引吐出異常があると判断する。そして、特定部45は、たとえば平均値の許容範囲が1100000cp/s以上と設定されている場合、テーブルT2に示すように、演算処理において取得した平均値が1100000cp/s未満である場合には第1BF洗浄処理において洗浄液の濃度異常があると判断する。
また、異常特定用測定2Bを行った場合においても、第1試薬注入処理、基質注入処理、測定処理以外には第2BF洗浄処理のみを行っているため、測定結果が許容範囲を満たしていない場合には、第2BF洗浄処理に原因があると特定することが可能である。このため、異常特定用測定2Bを行った場合、テーブルT2に示すように、特定部45は、演算処理において取得したCV%が2%以上である場合には第2BF洗浄処理においてノズルの吸引吐出異常があると判断し、演算処理において取得した平均値が950000cp/s未満である場合には第2BF洗浄処理において、洗浄液の濃度異常があると判断する。
このように、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理のいずれに異常があるか否かを特定する場合には、免疫複合体67と同様の機能を有する試薬50を用いて、特定対象であるBF洗浄のみを行い他のBF洗浄を省略した異常特定用測定を行えばよい。分析装置1においては、異常特定用測定1,2A,2Bのいずれかを行うことによって、BF洗浄処理の異常の有無を判断する。
つぎに、実施例2について説明する。実施例1においては、測定結果である発光量の絶対値を用いて異常内容を特定した場合について説明したが、実施例2においては、測定結果である発光量の相対値を求め、さらに正確な異常特定を行っている。
図13は、本実施例2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図13に示すように、実施例2にかかる分析装置201は、図1に示す分析装置1と比して、制御部41に代えて、処理制御部242を有する制御部241を有し、特定部45に代えて特定部245を有する制御機構204を備える。処理制御部242は、測定機構2の各機構に対して異常特定用測定として、BF洗浄処理の組み合わせがそれぞれ異なる3種の異常特定用処理を行わせる。特定部245は、異なる3種の異常特定用処理によって得られた各測定結果における発光量の相対値をそれぞれ演算し、各相対値をもとにBF洗浄処理の異常を特定する。
つぎに、図14を参照して、分析装置201による異常特定処理の処理手順について説明する。入力部43は、操作者による操作のもと、BF洗浄処理の異常特定を指示する指示情報を制御部41に入力する異常特定用測定指示処理を行う(ステップS32)。そして、測定機構2の各機構は、処理制御部242の制御のもと、BF洗浄処理以外の所定の分析処理を削除して、BF洗浄処理とともに免疫複合体に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行った後に発光を検出する3種の異常特定用測定処理を行う(ステップS34)。特定部245は、異常特定用測定処理において測定された各測定結果をもとに各発光量の相対値を演算する演算処理を行う(ステップS36)。そして、特定部245は、演算処理において得られた各相対値が所定の許容範囲を満たすか否かをもとにBF洗浄処理に異常があるか否かを特定する異常特定処理を行う(ステップS38)。
つぎに、図15を参照して、図14に示す3種の異常特定用測定について説明する。図15に示すように、分析装置201は、異常特定用測定として、異常特定用測定3A,3B,3Cを行う。異常特定用測定3Aにおいては、実施例1における異常特定用測定2Aと同様に、図2に示す試薬50を分注する第1試薬分注処理(ステップS41)を行ったのち、第1BF洗浄処理のみを行い(ステップS43)、基質注入処理(ステップS46)、測定処理(ステップS47)を行う。また、異常特定用測定3Bにおいては、実施例1における異常特定用測定2Bと同様に、図2に示す試薬50を分注する第1試薬分注処理(ステップS41)を行ったのち、第2BF洗浄処理のみを行い(ステップS45)、基質注入処理(ステップS46)、測定処理(ステップS47)を行う。また、異常特定用測定3Cにおいては、図2に示す試薬50を分注する第1試薬分注処理(ステップS41)を行ったのち、第1BF洗浄処理(ステップS43)および第2BF洗浄処理(ステップS45)の双方を行い、基質注入処理(ステップS46)、測定処理(ステップS47)を行う。このように、処理制御部242は、測定機構2に対して、異常特定用測定として、第1BF洗浄処理、第2BF洗浄処理、または、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理を行う3種の異常特定用測定3A,3B,3Cを行わせている。
つぎに、図14に示す演算処理について説明する。特定部245は、異常特定用測定3Aにおいて得られた発光量M1、異常特定用測定3Bにおいて得られた発光量M2、異常特定用測定3Cにおいて得られた発光量M12をもとに、各異常特定用測定における発光量の相対値を演算する。
具体的には、第1BF洗浄処理のみを行う異常特定用測定3Aにおける発光量の相対値であるS1[%]は、図16の(1)式に示すように、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理を行った異常特定用測定3Cにおける発光量M12を、第2BF洗浄処理のみを行った異常特定用測定3Bにおける発光量M2で除算することによって得られる。すなわち、S1は、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理を行った結果から第2BF洗浄処理を行った結果を除外することによって求められる。
また、第2BF洗浄処理のみを行う異常特定用測定3Aにおける発光量の相対値であるS2[%]は、図16の(2)式に示すように、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理を行った異常特定用測定3Cにおける発光量M12を、第1BF洗浄処理のみを行った異常特定用測定3Aにおける発光量M1で除算することによって得られる。すなわち、S2は、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理を行った結果から第1BF洗浄処理を行った結果を除外することによって求められる。
また、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理を行った異常特定用測定3Cにおける発光量M12の相対値であるS12[%]は、図16の(3)式に示すように、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理を行った異常特定用測定3Cにおける発光量M12の2乗を、第1BF洗浄処理のみを行った異常特定用測定3Aにおける発光量M1および第2BF洗浄処理のみを行った異常特定用測定3Bにおける発光量M2で除算することによって得られる。すなわち、相対値S12は、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理を行った結果から第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理を行った結果を除外することによって求められる。そして、演算処理において、特定部245は、複数回繰り返すことによって得られた各相対値を演算して、各相対値S1,S2,S12のばらつき値であるCV%と平均値を取得する。特定部245は、この(1)〜(3)式を用いることによって、試薬50の劣化等により各異常特定用測定における発光量が変動していた場合であっても、試薬50の劣化等による変動原因を取り除いた相対値を取得することができる。
つぎに、図14における異常特定処理について説明する。ここで、特定部245は、予め設定された許容範囲として、分析装置201の正常時に予め取得された図17に例示するテーブルT3を参照して異常特定処理を行う。テーブルT3に示すように、特定部245は、S1のCV%が2%以上である場合には第1BF洗浄処理においてノズルの吸引吐出異常があると判断し、S1の平均値が85%以下である場合には第1BF洗浄処理において洗浄液の濃度異常があると判断する。また、特定部245は、S2のCV%が2%以上である場合には第2BF洗浄処理においてノズルの吸引吐出異常があると判断し、S2の平均値が85%以下である場合には第2BF洗浄処理において洗浄液の濃度異常があると判断する。また、特定部245は、S12のCV%が2%以上である場合には第1BF洗浄処理、第2BF洗浄処理においてノズルの吸引吐出異常があると判断し、S12の平均値が85%以下である場合には第1BF洗浄処理、第2BF洗浄処理において洗浄液の濃度異常があると判断する。
たとえば、特定部245は、図18に示すように、各S1〜S12が85%を超えている場合には、第1BF洗浄処理、第2BF洗浄処理において洗浄液の濃度異常はないと判断する。これに対し、特定部245は、図19に示すように、S2が85%を超えている場合には、矢印Y3に示すように第2BF洗浄処理において洗浄液の濃度異常があると特定し、また、S12が85%を超えている場合には、矢印Y4に示すように第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理において洗浄液の濃度異常があると特定する。
このように、実施例2によれば、異常特定用測定において使用する試薬50の劣化等による発光量の変動原因を取り除いた相対値をもとに異常を特定するため、実施例1と比してさらに正確に異常を特定することができる。
なお、実施例1および実施例2においては、試薬50を用いた場合について説明したが、通常の検体に対する分析処理の過程で生成する中間生成物である免疫複合体67そのものを用いて異常特定用測定、特定処理を行ってもよい。この場合には、分析装置1,201の正常時に予め免疫複合体67を用いて測定した測定結果をもとに許容範囲を設定すればよい。
また、上記実施例で説明した分析装置は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワークを介して接続した他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
以上のように、本発明にかかる分析装置は、比色測定部を有しない医療用分析装置に有用であり、特に、分析装置の異常を簡易かつ迅速に取得したい場合に適している。

Claims (16)

  1. 光学的測定をもとに検体を分析する分析装置の異常内容を特定する異常特定方法において、
    分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有する試薬に対して、前記検体に対する分析処理のうち、異常を検証すべき分析処理以外の所定の分析処理を削除して、前記異常を検証すべき分析処理とともに前記中間生成物に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うことによって得られた測定結果をもとに前記分析装置の異常を特定することを特徴とする異常特定方法。
  2. 反応容器内への前記試薬注入後に前記検体に対する分析処理のうち前記反応容器内の未反応物質を除去する除去処理と同様の処理を行う除去ステップと、
    前記中間生成物が発光可能となる分析処理と同様の分析処理を行って前記試薬を発光可能とした後に発光量を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップにおける測定結果が前記分析装置の正常時に予め求められた前記試薬の発光量に基づく許容範囲を満たさない場合、前記検体に対する分析処理のうち前記除去処理において異常があると特定する異常特定ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の異常特定方法。
  3. 前記除去処理として第1の前記除去処理および第2の前記除去処理が行われ、
    前記除去ステップは、
    前記第1の除去処理と同様の処理を行う第1の除去ステップと、
    前記第2の除去処理と同様の処理を行う第2の除去ステップと、
    前記第1の除去処理と同様の処理を行うとともに前記第2の除去処理と同様の処理を行う第3の除去ステップと、
    のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の異常特定方法。
  4. 前記異常特定ステップは、
    前記除去ステップが前記第1の除去ステップであるとき、前記測定ステップにおいて測定された第1の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第1の除去処理において異常があると特定し、
    前記除去ステップが前記第2の除去ステップであるとき、前記測定ステップにおいて測定された第2の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第2の除去処理において異常があると特定し、
    前記除去ステップが前記第3の除去ステップであるとき、前記測定ステップにおいて測定された第3の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第1の除去処理および/または前記第2の除去処理において異常があると特定することを特徴とする請求項3に記載の異常特定方法。
  5. 前記第1の発光量、前記第2の発光量および前記第3の発光量を用いて各発光量の相対値をそれぞれ演算する演算ステップを含み、
    前記異常特定ステップは、前記演算ステップにおいて演算された各相対値をもとに前記第1の除去処理および/または前記第2の除去処理において異常があることを特定することを特徴とする請求項4に記載の異常特定方法。
  6. 前記異常特定ステップは、前記除去ステップおよび前記測定ステップを複数回繰り返すことによって得られた前記第1の発光量、前記第2の発光量および/または前記第3の発光量におけるばらつき値および平均値をもとに、前記除去処理における異常内容を特定することを特徴とする請求項4に記載の異常特定方法。
  7. 前記試薬は、標識抗体と磁性粒子との結合状態を維持し、発光量をもとに検体を分析する分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有することを特徴とする請求項1に記載の異常特定方法。
  8. 光学的測定をもとに検体を分析する分析装置において、
    分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有する試薬に対して、前記検体に対する分析処理のうち、異常を検証すべき分析処理以外の所定の分析処理を削除して、前記異常を検証すべき分析処理とともに前記中間生成物に対して行われる分析処理と同様の分析処理を行うことによって得られた測定結果をもとに当該分析装置の異常を特定することを特徴とする分析装置。
  9. 反応容器内への前記試薬注入後に前記検体に対する分析処理のうち前記反応容器内の未反応物質を除去する除去処理と同様の処理を行う除去手段と、
    前記中間生成物が発光可能となる分析処理と同様の分析処理を行って前記試薬を発光可能とした後に発光量を測定する測定手段と、
    前記測定手段による測定結果が当該分析装置の正常時に予め求められた前記試薬の発光量に基づく許容範囲を満たさない場合、前記検体に対する分析処理のうち前記除去処理において異常があると特定する異常特定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項8に記載の分析装置。
  10. 前記除去処理として第1の除去処理および第2の除去処理が行われ、
    前記除去手段は、
    前記第1の除去処理と同様の処理、前記第2の除去処理と同様の処理、または、前記第1の除去処理と同様の処理および前記第2の除去処理と同様の処理の双方を前記試薬に対して行うことを特徴とする請求項9に記載の分析装置。
  11. 前記異常特定手段は、
    前記除去手段によって前記第1の除去処理と同様の処理が行われ、前記測定手段によって測定された第1の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第1の除去処理において異常があると特定し、
    前記除去手段によって前記第2の除去処理と同様の処理が行われ、前記測定手段によって測定された第2の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第2の除去処理において異常があると特定し、
    前記除去手段によって前記第1の除去処理と同様の処理および前記第2の除去処理と同様の処理の双方が行われ、前記測定手段によって測定された第3の発光量が前記許容範囲を満たさない場合に前記検体に対する分析処理のうち前記第1の除去処理および/または前記第2の除去処理において異常があると特定することを特徴とする請求項10に記載の分析装置。
  12. 前記第1の発光量、前記第2の発光量および前記第3の発光量を用いて各発光量の相対値をそれぞれ演算する演算手段を備え、
    前記異常特定手段は、前記演算手段によって演算された各相対値をもとに前記第1の除去処理および/または前記第2の除去処理において異常があることを特定することを特徴とする請求項11に記載の分析装置。
  13. 前記異常特定手段は、前記除去手段および前記測定手段による処理を複数回繰り返すことによって得られた前記第1の発光量、前記第2の発光量および前記第3における発光量のばらつき値および平均値をもとに、前記除去処理における異常内容を特定することを特徴とする請求項11に記載の分析装置。
  14. 前記試薬は、標識抗体と磁性粒子との結合状態を維持し、発光量をもとに免疫学的に検体を分析する分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有することを特徴とする請求項8に記載の分析装置。
  15. 標識抗体と磁性粒子との結合状態を維持し、発光量をもとに免疫学的に検体を分析する分析処理の過程で生成される中間生成物と同様の機能を有することを特徴とする試薬。
  16. 前記結合状態は、共有結合、抗原抗体反応による結合、アビシン・ビオチン結合、ABC結合、疎水結合、水素結合のいずれかによって維持されることを特徴とする請求項15に記載の試薬。
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