JP2008309661A - 分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】BF液濃度を厳格に管理し、さらに正確な分析結果を取得できる分析装置を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる分析装置1は、BF液の注入および吸引による検体と試薬との未反応物除去後に検体と試薬との反応物の光学的特性を測定して検体を分析する分析装置であって、BF液の濃度を検出する濃度センサと、濃度センサによって検出されたBF液の濃度が適正範囲内であるか否かを判断する判断部45と、判断部45がBF液の濃度が適正範囲内でないと判断した場合、BF液の濃度が適正でないことを報知する警告を出力する出力部47と、を備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、緩衝液の注入および吸引による検体と試薬との未反応物除去後に検体と試薬との反応物の光学的特性を測定して検体を分析する分析装置に関する。
分析装置は、多数の検体に対する分析処理を同時に行ない、さらに、多成分を迅速に、かつ、高精度で分析できるため、免疫検査、生化学検査、輸血検査などさまざまな分野での検査に用いられている。このうち、腫瘍マーカーや感染症に対する免疫検査を行なう分析装置においては、緩衝液であるBF液の注入および吸引によって反応生成物と未反応物とを分離するBF(bound−free)分離を実施する不均一分析法が広く用いられている(たとえば特許文献1参照)。
特開2003−83988号公報
ところで、免疫検査を行なう分析装置においては、ほぼ全検体の分析処理において緩衝液としてBF液を使用して未反応物の除去を行なっている。このBF液濃度が適正濃度範囲外である場合には、未反応物の除去が十分に行なわれず実際には陰性である検体が擬陽性として検出されるなど、分析結果に影響を及ぼすおそれがある。このため、さらに正確な分析結果の取得を求める近年の要望に応えるため、BF液に対する厳密な管理を行なうことが望まれる。しかしながら、従来の既知の分析結果を有する精度管理用試料を用いて分析装置の異常の有無を確認する方法によっては、分析装置に異常があることは認識できるものの、複雑な装置構成における一の構成部位であるBF液濃度に異常があるか否かを直接検証することができなかった。
本発明は、上述した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、BF液濃度を厳格に管理し、さらに正確な分析結果を取得できる分析装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、緩衝液の注入および吸引による検体と試薬との未反応物除去後に前記検体と前記試薬との反応物の光学的特性を測定して前記検体を分析する分析装置において、前記緩衝液の濃度を検出する濃度検出手段と、前記濃度検出手段によって検出された前記緩衝液の濃度が適正範囲内であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記緩衝液の濃度が適正範囲内でないと判断した場合、前記緩衝液の濃度が適正でないことを報知する警告を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記緩衝液を調製する調製手段をさらに備え、前記判断手段が前記緩衝液の濃度が適正範囲内でないと判断した場合、前記調製手段に対して、前記濃度検出手段による検出結果をもとに前記緩衝液の濃度が前記適正範囲内となるように前記緩衝液を調製させる制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記反応物の光学的特性を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された測定結果をもとに前記検体を分析する分析手段と、をさらに備え、前記判断手段は、前記濃度検出手段によって検出された前記緩衝液の濃度が補正対象範囲に含まれるか否かを判断し、前記分析手段は、前記判断手段が前記緩衝液の濃度が補正実施範囲に含まれると判断した場合、予め求められた前記緩衝液濃度と前記測定手段による測定結果との関係を用いて前記測定手段が測定した測定結果を補正し、補正後の測定結果をもとに前記検体を分析することを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記出力手段は、前記判断手段による前記緩衝液濃度に対する判断結果と前記分析手段による分析結果とを対応づけて出力することを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記出力手段は、前記分析手段によって補正が行なわれた分析結果に対し、前記分析手段によって補正された旨を示す情報を対応づけて出力することを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記濃度検出手段によって検出された前記緩衝液の各濃度を各濃度検出時間にそれぞれ対応させて記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記判断手段は、前記記憶手段に記憶された前記各濃度の時間依存性をもとに所定期間以内に前記緩衝液の濃度が前記適正範囲外になるか否かを推測し、前記出力手段は、前記判断手段が前記所定期間以内に前記緩衝液の濃度が前記適正範囲外になると推測した場合、前記緩衝液に対する保守点検を推奨する旨を示す情報を出力することを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記適正範囲は、分析項目に要求される分析精度および前記緩衝液濃度が分析結果に及ぼす影響に応じて分析項目ごとに設定されることを特徴とする。
また、この発明にかかる分析装置は、前記補正実施範囲は、前記測定手段における測定結果の前記緩衝液濃度依存性をもとに設定されることを特徴とする。
本発明にかかる分析装置は、緩衝液の濃度を検出し、この検出した緩衝液の濃度が適正範囲内でない場合には緩衝液の濃度が適正でないことを報知する警告を出力することによって、分析装置の操作者による緩衝液の濃度異常把握を支援できるとともに、緩衝液濃度を厳格に管理した、さらに正確な分析結果の取得を可能にする。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について、被検血液の抗原抗体反応などの免疫検査を行なう分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。実施の形態1においては、反応容器内の未反応物質を除去するBF洗浄処理で使用するBF液に関する異常を特定する場合について説明する。
図1は、本実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる分析装置1は、検体と試薬との間の反応物の作用による発光基質の発光量を測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに測定機構2における測定結果の分析を行なう制御機構4とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の免疫学的な分析を自動的に行なう。
まず、測定機構2について説明する。測定機構2は、大別して検体移送部21、チップ格納部22、検体分注部23、免疫反応テーブル24、BFテーブル25、第1試薬庫26、第2試薬庫27、第1試薬分注部28、第2試薬分注部29、酵素反応テーブル30、測光部31、第1反応管移送部32および第2反応管移送部33を備える。測定機構2の各構成部位は、所定の動作処理を行なう単数または複数のユニットを備える。
検体移送部21は、検体を収容した複数の検体容器21aを保持し、図中の矢印方向に順次移送される複数の検体ラック21bを備える。検体容器21aに収容された検体は、検体の提供者から採取した血液または尿などである。
チップ格納部22は、複数のチップを整列したチップケースを設置しており、このケースからチップを供給される。このチップは、感染症項目測定時のキャリーオーバー防止のため、検体分注部23のノズル先端に装着され、検体分注ごとに交換されるディスポーザブルのサンプルチップである。
検体分注部23は、検体の吸引および吐出を行なうチップが先端部に取り付けられ鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアームを備える。検体分注部23は、検体移送部21によって所定位置に移動された検体容器21a内の検体をチップによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって所定位置に搬送された反応管に分注して検体を所定タイミングでBFテーブル25上の反応管内に移送する。
免疫反応テーブル24は、それぞれ配置された反応管内で検体と分析項目に対応する所定の試薬とを反応させるための反応ラインを有する。免疫反応テーブル24は、免疫反応テーブル24の中心を通る鉛直線を回転軸として反応ラインごとに回動自在であり、免疫反応テーブル24に配置された反応管を所定タイミングで所定位置に移送する。免疫反応テーブル24においては、図1に示すように、前処理、前希釈用の外周ライン24a、検体と固相担体試薬との免疫反応用の中周ライン24bおよび検体と標識試薬との免疫反応用の内周ライン24cを有する3重の反応ライン構造を形成してもよい。
BFテーブル25は、所定の洗浄液を吸引吐出して検体または試薬における未反応物質を分離するBF(bound−free)分離を実施するBF洗浄処理を行なう。BFテーブル25は、BFテーブル25の中心を通る鉛直線を回転軸として反応ラインごとに回動自在であり、BFテーブル25に配置された反応管を所定タイミングで所定位置に移送する。BFテーブル25は、BF分離に必要な磁性粒子を集磁する集磁機構と、BF液を反応管内に吐出・吸引してBF分離を実施するBF洗浄ノズルを有するBF洗浄部251と、集磁された磁性粒子を分散させる攪拌機構とを有する。このBFテーブル25におけるBF洗浄処理として、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理が行われる。なお、BF洗浄部251は、複数のBF液吐出ノズルと、各BF液吐出ノズルに対応する複数のBF液吸引ノズルとを有する。また、BF液は、特許請求の範囲における緩衝液に対応する。
第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理において緩衝液として使用されるBF液は、分析装置1内でBF原液を所定濃度に希釈したものである。図2を参照して、BF液を所定濃度に調製する調製機構について説明する。
図2に示すように、BF液を所定濃度に調製する調製機構は、BF液の原液を収容するBF原液タンク253と、BF液を所定濃度に希釈するBF液希釈タンク254と、BF原液タンク253とBF液希釈タンク254とを接続するチューブ255と、希釈液を収容する希釈液タンク256と、希釈液タンク256とBF液希釈タンク254とを接続するチューブ257と、BF液希釈タンク254とBF洗浄部251とを接続する管258aとを有する。チューブ255のBF原液タンク253側の先端には、異物を除去するフィルター255aが設けられている。チューブ255には、BF原液タンク253内のBF原液のBF液希釈タンク254内への注入および注入量を制御する原液用ポンプ255bが設けられている。チューブ257には、希釈液タンク256内の希釈液のBF液希釈タンク254内への注入および注入量を制御する希釈用ポンプ257aが設けられている。管258aには、BF液希釈タンク254内のBF洗浄部251への供給および供給量を制御するBF液供給ポンプ258bが設けられている。希釈液は、通常は、イオン交換水などの精製水が用いられる。
原液用ポンプ255bおよび希釈用ポンプ257aの注入処理によって、所定量のBF原液および所定量の希釈液がBF液希釈タンク254内に注入され、所定濃度のBF液に調製される。そして、BF洗浄処理においては、BF液希釈タンク254内のBF液は、BF液供給ポンプ258bの供給処理によって、管258aを介してBF洗浄部251に供給され、BF液吐出ノズル251aから反応管10内に吐出された後、BF液吸引ノズル251bから吸引され、排水管と接続する管258cを介して分析装置1外に廃棄される。
さらに、BF液希釈タンク257には、BF液希釈タンク257の調製されたBF液の濃度を検出する濃度センサ259を有する。濃度センサ259は、BF液濃度に応じて導電率が変化することを利用して、導電率測定を用いてBF液の濃度を検出する。また、濃度センサ259は、イオン選択性電極を用い、イオン濃度に応じて電位差が変化することを利用してBF液内の特定成分であるNaイオンなどの濃度を測定し、特定成分の濃度をもとにBF液の濃度を検出してもよい。濃度センサ259は、検出したBF液の濃度を制御部41に出力する。この濃度センサ259によって検出されたBF液の濃度は、制御部41によって判断部45に出力され、BF液濃度に対する判断処理のもととなる。
そして、図1に示すように、第1試薬庫26は、BFテーブル25に配置された反応管内に分注される第1試薬が収容された第1試薬容器26aを複数収納できる。第2試薬庫27は、BFテーブル25に配置された反応管内に分注される第2試薬が収容された第2試薬容器27aを複数収納できる。第1試薬庫26および第2試薬庫27は、図示しない駆動機構が駆動することによって、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬容器を第1試薬分注部28または第2試薬分注部29による試薬吸引位置まで移送する。第1試薬は、分析対象である検体内の抗原または抗体と特異的に結合する反応物質を固相した不溶性担体である磁性粒子を含む試薬である。第2試薬は、磁性粒子と結合した抗原または抗体と特異的に結合する標識物質(たとえば酵素)を含む試薬である。また、第2試薬庫27は、標識物質との酵素反応によって発光する基質を含む基質液が収容された基質液容器27bを収納し、時計回りまたは反時計回りに回動して所定の基質液容器27bを第1試薬分注部28による基質液吸引位置まで搬送する。
第1試薬分注部28は、第1試薬の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられ鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアームを備える。第1試薬分注部28は、第1試薬庫26によって所定位置に移動された第1試薬容器26a内の試薬をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって第1試薬吐出位置に搬送された反応管に分注する。また、第1試薬分注部28は、第2試薬庫27によって所定位置に移動された基質液容器27b内の基質液をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって基質液吐出位置に搬送された反応管に分注する。
第2試薬分注部29は、第1試薬分注部と同様の構成を有し、第2試薬庫27によって所定位置に移動された試薬容器内の試薬をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって所定位置に搬送された反応管に分注する。
酵素反応テーブル30は、反応管内に注入された基質液内の基質が発光可能となる酵素反応処理を行なうための反応ラインである。測光部31は、反応管内の反応液内の基質から発する発光を測定する。測光部31は、たとえば、化学発光で生じた微弱な発光を検出する光電子倍増管を有し、カウント法を用いて発光量を測定する。また、測光部31は、光学フィルターを保持し、発光強度に応じて光学フィルターにより減光された測定値によって真の発光強度を算出する。
第1反応管移送部32は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行ない、液体を収容した反応管を所定タイミングで、免疫反応テーブル24、BFテーブル25、酵素反応テーブル30、図示しない反応管供給部および図示しない反応管廃棄部の所定位置に移送するアームを備える。また、第2反応管移送部33は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行ない、液体を収容した反応管を所定タイミングで、酵素反応テーブル30、測光部31、図示しない反応管廃棄部の所定位置に移送するアームを備える。
つぎに、制御機構4について説明する。制御機構4は、制御部41、入力部43、分析部44、判断部45、記憶部46、出力部47および送受信部49を備える。測定機構2および制御機構4が備えるこれらの各部は、制御部41に電気的に接続されている。制御機構4は、一または複数のコンピュータシステムを用いて実現され、測定機構2に接続する。制御機構4は、分析装置1の各処理にかかわる各種プログラムを用いて、測定機構2の動作処理の制御を行なうとともに測定機構2における測定結果の分析を行なう。
制御部41は、制御機能を有するCPU等を用いて構成され、分析装置1の各構成部位の処理および動作を制御する。制御部41は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。制御部41は、記憶部46が記憶するプログラムをメモリから読み出すことにより分析装置1の制御を実行する。
入力部43は、種々の情報を入力するためのキーボード、出力部47を構成するディスプレイの表示画面上における任意の位置を指定するためのマウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部44は、測定機構2から取得した測定結果に基づいて検体に対する分析処理等を行なう。
判断部45は、濃度センサ259によって検出されたBF液の濃度が適正範囲内であるか否かを判断する。この適正範囲は、分析装置1における分析精度に応じて設定されており、BF液の濃度が適正範囲内である場合には、正常にBF洗浄処理が行なわれる。BF液濃度が適正範囲を超えて濃くなった場合には、BF液内の物質が反応管10内に残存し、残存した物質の影響を受けて、適正な分析反応が進まない場合や、測光部31による測定結果が本来の結果と異なってしまう場合がある。また、BF液濃度が適正範囲を下回り薄くなった場合には、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理において、未反応物を適切に除去することができず、未反応物の残存によって、適正な分析反応が進まない場合や、測光部31による測定結果が本来の結果と異なってしまう場合がある。判断部45は、BF液濃度に対する判断結果を制御部41に出力する。
記憶部46は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部46は、予め設定されたBF液の適正濃度範囲を記憶する。記憶部46は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。また、記憶部46は、制御部41の制御のもと、濃度センサ259によって検出されたBF液の各濃度を各濃度検出時間にそれぞれ対応させて記憶する。
出力部47は、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、制御部41の制御のもと、分析に関する諸情報を出力する。出力部47は、制御部41の制御のもと、判断部45がBF液の濃度が適正範囲内でないと判断した場合、BF液の濃度が適正でないことを報知する警告を出力する。出力部47は、ディスプレイ等を用いて構成された表示部48を備える。送受信部49は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行なうインターフェースとしての機能を有する。
この免疫検査を行なう分析装置においては、第1試薬分注処理、検体分注処理、第1BF洗浄処理、第2試薬分注処理、第2BF洗浄処理、基質液分注処理、測定処理および分析処理が行われる。
まず、図3(1)に示すように、図1に図示しない反応管供給部より、BFテーブル25の所定位置に第1反応管移送部32によって反応管10が移送され、この反応管10内に磁性粒子61を含む第1試薬が第1試薬分注部28から分注される第1試薬分注処理が行われる。その後、図3(2)に示すように、検体移送部21によって所定位置に移送された検体容器21a内から、チップ格納部22から供給されたチップを装着した検体分注部23によって、BFテーブル25上の反応管10内に検体が分注される検体分注処理が行われる。そして、反応管10は、BFテーブル25の攪拌機構によって攪拌された後、第1反応管移送部32によって、免疫反応テーブル24の中周ライン24bに移送される。この場合、一定の反応時間経過によって、検体中の抗原62と磁性粒子61とが結合した反応物64が生成する。なお、磁性粒子61は磁性粒子担体に検出対象である検体中の抗原62に対する抗体が固相されている。
そして、反応管10は第1反応管移送部32によってBFテーブル25に移送され、図3(3)に示すように、1回目の第1BF洗浄処理が行われる。第1BF洗浄処理においては、BFテーブル25の集磁機構25bを用いて構成物として磁性体を有する反応物64を集磁させた状態で、BF液吐出ノズル251aによるBF液の注入およびBF液吸引ノズル251bによるBF液の吸引が行なわれるBF分離が実施される。この結果、図3(3)に示すように、反応管10内の未反応物質63が除去される。
そして、図3(4)に示すように、BF分離後の反応管10内に標識抗体65を含む標識試薬が第2試薬として第2試薬分注部29から分注され、攪拌機構によって攪拌される第2試薬分注処理が行われる。この結果、反応物と標識抗体65とが結合した免疫複合体67が生成される。その後、この反応管10は、第1反応管移送部32によって免疫反応テーブル24の内周ライン24cに移送され、一定の反応時間が経過した後、BFテーブル25に移送される。
そして、図3(5)に示すように、反応管10に対して、2回目の第2BF洗浄処理が行われる。第2BF洗浄処理においては、BFテーブル25の集磁機構25bを用いて構成物として磁性体を有する免疫複合体67を集磁させた状態で、BF液吐出ノズル251aによるBF液の注入およびBF液吸引ノズル251bによるBF液の吸引が行なわれるBF分離が実施される。この結果、図3(5)に示すように、反応管10から反応物64と結合していない標識抗体65が除去される。
そして、図3(6)に示すように、反応管10には、基質66を含む基質液が分注され再度攪拌される基質液分注処理が行われる。つぎに、反応管10は、第1反応管移送部32によって酵素反応テーブル30に移送され、酵素反応に必要な一定の反応時間が経過した後、第2反応管移送部33によって測光部31に移送される。酵素反応を経た基質は、図3(7)に示すように、免疫複合体67の酵素作用により光Lを発する。この状態で、測光部31によって基質66から発せられる光Lが測定される測定処理が行われる。そして、分析部44は、測定された光量をもとに検出対象の抗原量を求める分析処理を行なう。
つぎに、図4を参照して、分析装置1によるBF液濃度適正判断処理の処理手順について説明する。まず、図4に示すように、分析装置1が起動した後(ステップS2)、分析装置1内においてBF液が調製される。そして、制御部41は、分析装置1内で調製されたBF液濃度を検出するタイミングであるか否かを判断する(ステップS4)。このBF液濃度は、一定時間ごとに検出してもよく、検体数に応じて検出してもよく、また、入力部43から入力された指示情報にしたがって検出してもよい。
制御部41は、BF液濃度を検出するタイミングであると判断するまでステップS4における判断処理を繰り返し、BF液濃度を検出するタイミングであると判断した場合(ステップS4:Yes)、濃度センサ259に対してBF液希釈タンク254内のBF液濃度Cを検出させるBF液濃度検出処理を行なう(ステップS6)。濃度センサ259は、制御部41の制御のもと、BF液濃度Cを検出し、制御部41に出力する。そして、判断部45は、制御部41から出力されたBF液濃度が、BF液濃度の適正範囲内であるか否かを判断する。具体的には、判断部45は、濃度センサ259が検出したBF液濃度Cと、BF液濃度の適正範囲の下限であるCL1および上限であるCH1とを比較し、CL1<C<CH1であるか否かを判断する(ステップS8)。
判断部45がCL1<C<CH1でないと判断した場合(ステップS8:No)、すなわち、BF液濃度Cが適正範囲内でないと判断した場合、制御部41は、出力部47に対して、BF液の濃度が適正でないことを報知する警告を出力させるエラー出力処理を行なう(ステップS10)。この場合、表示部48は、たとえば図5に示すアラームメニューM1を表示出力し、分析装置1内で使用されるBF液濃度が適正濃度よりも濃くBF液濃度の調製が必要である旨を報知する。そして、BF液濃度が適正濃度外となる場合は、たとえば、配管類からの液漏れ、タンク内の原液吸引チューブや希釈液吸引チューブが液面から離れていて液ではなく空気を吸っているなどの原因が考えられるため、メニューM1に示すように、「マニュアルにもとづいて機器の点検をしてください」などのように、表示部48は、機器点検を促す旨を報知する。そして、制御部41は、分析装置1における分析処理を停止し(ステップS12)、不適正である濃度のBF液のこれ以上の使用を停止する。
これに対し、判断部45がCL1<C<CH1であると判断した場合(ステップS8:Yes)、すなわち、BF液濃度Cが適正範囲内であると判断した場合、BF液濃度に異常がないため、制御部41は、分析装置1における各構成部位の処理動作を制御して、このまま分析処理を実行する(ステップS14)。なお、分析処理が実行されている場合には、このまま分析処理を継続する。そして、制御部41は、記憶部46に対し、濃度センサ259によって検出されたBF液の濃度を、濃度検出時間を示す時間情報と対応づけて記憶させるBF液濃度記録処理を行なう(ステップS16)。次いで、制御部41は、分析装置1における分析処理が終了したか否かを判断し(ステップS18)、分析処理が終了したと判断した場合には(ステップS18:Yes)、分析処理を終了し、分析処理が終了していないと判断した場合には(ステップS18:No)、ステップS4に戻り、BF液濃度検出タイミングであるか否かを判断する。
このように、実施の形態1にかかる分析装置1においては、BF液の濃度を検出し、この検出したBF液の濃度が適正範囲内でない場合には、BF液の濃度が適正でないことを報知する警告を出力している。分析装置1の操作者は、この警告を確認することによって、BF液濃度の異常を迅速に把握でき、濃度異常の原因検討や処置、BF液濃度の再調製処理などを迅速に行なうことができる。そして、分析装置1においては、BF液濃度を検出する濃度センサ259を有し、BF液濃度に対する直接的な検証を行なうことができるため、BF液濃度に対する厳密な管理を行なうことができる。具体的には、分析装置1は、BF液濃度が適正でない場合には、分析処理を停止するため、BF液濃度異常による分析結果への影響を最小限に抑えることができ、正確な分析結果を取得することが可能になる。
また、分析装置1においては、図6に示すように、濃度センサ259が検出したBF液濃度を毎日記録した記録表L1を作成して、正常分析を行なっていたことの記録として使用することもできる。この場合、記録表L1には、BF液濃度の適正範囲中心からのズレ率を併せて記録しておき、保守点検資料としてもよい。
また、分析結果に要求される分析精度は、分析項目ごとに異なっている。さらに、BF液濃度が分析結果に及ぼす影響も分析項目によって異なっている。このため、BF液濃度の適正範囲は、分析項目に要求される分析精度およびBF液濃度が分析結果に及ぼす影響に応じて分析項目ごとに設定する必要がある。
たとえば、肝臓の腫瘍マーカーの一つであるAFPを検出するAFP項目においては、個人の生理的変動幅がCV=6%程度であるため、試薬、装置に求められる許容幅を個人の生理的変動幅の1/2であるCV=3%内とすることが望まれる。この許容幅であるCV=3%は、測定ばらつきとしては概ね10%に相当するため、AFP項目においては測定ばらつきを10%以内に抑える必要がある。
ここで、図7に、BF液濃度比と測光部31においてカウントされる発光カウント数との関係を示す。図7に示すように、BF液濃度の適正濃度である場合、すなわちBF液濃度比が100%である場合には、20000カウントの発光量が測定される。そして、BF液濃度比が高くなるとカウント数が徐々に減少する。また、BF液濃度比が低くなると急激にカウント数が減少する。測定ばらつきを10%以内に抑える必要があるAFP項目の場合、BF液濃度のずれによる測定ばらつきとして、たとえば7%を許容範囲とした場合、BF液濃度比100%である場合のカウント数(20000)の(±7)%以内である許容範囲Ep内にカウント数を抑える必要がある。このため、20000カウントの(+7)%となるBF液濃度比85%がBF液濃度の適正範囲Cpの下限CL1となり、20000カウントの(−7)%となるBF液濃度比115%がBF液濃度の適正範囲Cpの上限CH1となる。このように、BF液濃度の適正範囲は、分析項目に要求される分析精度およびBF液濃度が分析結果に及ぼす影響に応じて分析項目ごとに設定すればよい。
また、分析装置1においては、判断部45は、記憶部46内に記憶されたBF液濃度の時間依存性をもとに、所定期間以内にBF液の濃度が適正範囲外になるか否かを推測してもよい。すなわち、分析装置1において、記憶部46は、濃度センサ259によって検出された各濃度を各濃度検出時間にそれぞれ対応させて記憶し、判断部45は、記憶部46に記憶された各濃度の時間依存性をもとに所定期間以内にBF液の濃度が適正範囲外になるか否かを推測し、出力部48は、判断部45が所定期間以内にBF液の濃度が適正範囲外になると推測した場合、BF液に対する保守点検を推奨する旨を示す情報を出力する。
この場合、分析装置1は、たとえば図8に示す処理手順を行なうことによって、所定期間以内にBF液の濃度が適正範囲外になるか否かを推測する。図8に示すように、判断部45は、分析が終了した場合に(ステップS30)、BF液濃度の検出順序を示すnに1を加算してn=n+1とし(ステップS32)、濃度センサ259が検出したBF液濃度をCnとして記憶部46に記憶させる(ステップS34)。この場合、制御部31は、濃度センサ259が検出したBF液濃度のうち最新のものを記憶させればよい。また、nの値は、たとえば定期的に初期化されてもよい。
次いで、判断部45は、BF液濃度CnがBF液濃度の所定の許容範囲の上限であるCH3よりも低いか否かを判断する(ステップS36)。この所定の許容範囲は、分析項目などに応じて設定され、適正範囲内であるものの所定期間以内にBF液の濃度が適正範囲外になるおそれがあると考えられる範囲である。たとえばBF液濃度の適正範囲が適正濃度の(±15)%である場合には、図7に示すようなカウント数の濃度依存を考慮し、適正濃度の(±10)%を所定の許容範囲として設定する。適正濃度の(±10)%を超えた場合、特に適正濃度の(−10)%を下回った場合には、カウント数の濃度依存性を示す関係曲線の勾配が急であるため、微小のBF液濃度の減少であっても、急激にカウント数が低下し、測定ばらつきに大きな影響を及ぼすものと考えられるためである。
判断部45は、BF液濃度CnがBF液濃度の所定の許容範囲の上限であるCH3よりも高いと判断した場合(ステップS36:No)、次にBF液濃度が一時的に許容範囲を超えたか、または、徐々にBF液濃度が高くなった結果、許容範囲を超えたかを判別するため、BF液濃度Cnの検出時よりも前に検出されたBF液濃度Cn−1〜Cn−4を取得する(ステップS38)。そして、判断部45は、取得したBF液濃度Cn−1〜Cn−4およびBF液濃度Cnの値を比較し、Cn−4<Cn−3<Cn−2<Cn−1<Cnであるか否かを判断する(ステップS40)。
判断部45がCn−4<Cn−3<Cn−2<Cn−1<Cnであると判断した場合(ステップS40:Yes)、BF液濃度が徐々に高くなっているものと判断できるため、このまま放置した場合、適正範囲を超えてしまうことが明らかであることから、制御部41は、出力部47にBF液調製機構に対するメンテナンスの要請を報知するメンテナンス要請警報を出力させる(ステップS40)。
これに対し、判断部45は、BF液濃度CnがBF液濃度の所定の許容範囲の上限であるCH3よりも低いと判断した場合(ステップS36:Yes)、または、Cn−4<Cn−3<Cn−2<Cn−1<Cnでないと判断した場合(ステップS40:No)、BF液濃度は、許容範囲の上限よりも低い、または、一時的に許容範囲上限を超えただけであると判断できるため、次に、BF液濃度CnがBF液濃度の所定の許容範囲の下限であるCL3よりも高いか否かを判断する(ステップS44)。
判断部45は、BF液濃度CnがBF液濃度の所定の許容範囲の下限であるCL3よりも低いと判断した場合(ステップS44:No)、次にBF液濃度が一時的に許容範囲を超えたか、または、徐々にBF液濃度が低くなった結果、許容範囲を超えたかを判別するため、BF液濃度Cnの検出時よりも前に検出されたBF液濃度Cn−1〜Cn−4を取得する(ステップ46)。そして、判断部45は、取得したBF液濃度Cn−1〜Cn−4およびBF液濃度Cnの値を比較し、Cn<Cn−1<Cn−2<Cn−3<Cn−4であるか否かを判断する(ステップS48)。
判断部45がCn<Cn−1<Cn−2<Cn−3<Cn−4であると判断した場合(ステップS48:Yes)、BF液濃度が徐々に低くなっているものと判断できるため、このまま放置した場合、適正範囲を超えてしまうことが明らかであることから、制御部41は、出力部47にBF液調製機構に対するメンテナンスの要請を報知するメンテナンス要請警報を出力させる(ステップS40)。
これに対し、判断部45は、BF液濃度CnがBF液濃度の所定の許容範囲の下限であるCL3よりも高いと判断した場合(ステップS44:Yes)、または、Cn<Cn−1<Cn−2<Cn−3<Cn−4でないと判断した場合(ステップS48:No)、BF液濃度は、許容範囲の下限よりも高い、または、一時的に許容範囲下限を下回っただけであると判断できるため、BF液濃度に異常は発生しないものと判断し、BF液濃度の適正範囲外推測処理を終了する。
判断部45は、BF液濃度の適正範囲外推測処理として、図8に示す処理手順を行なうほか、図9に示すように、領域P1に示すようにBF液濃度が最適濃度よりも(+10)%高くなった場合であって、さらに、領域P1に達する6月25日以前の所定期間のBF液濃度の上昇率がBF液濃度変動率の平均を超えて高くなった場合、6月25日以前の所定期間のBF液濃度の上昇率をもとに、6月25日から2日以内にBF液の濃度が適正範囲よりも濃くなると推測してもよい。この場合、出力部47は、制御部41の制御のもと、判断部45が6月25日から2日以内にBF液の濃度が適正範囲よりも濃くなると判断した推測内容とともに、BF液に対する事前保守点検を推奨する旨を示す情報を出力してもよい。分析装置1の操作者は、出力部47から出力された情報を確認して、BF液に対する事前保守点検を行なうことができ、BF液濃度異常の発生を未然に防ぐことができる。もちろん、分析装置1は、判断部45による推測処理を行なわず、記憶部46に記憶された情報をもとに、図9に示すようなBF液濃度の時間依存性を出力して、分析装置1の操作者の事前保守判断の支援を行なってもよい。分析装置1の操作者は、図9に示すBF液濃度の時間依存性を確認することによって、6月20日ごろからBF液濃度が高まっていることを認識し、BF液調製機構に対する事前保守を行なうことができる。
また、図2においては、BF液希釈タンク254内のBF液濃度を検出できるように濃度センサ259を設けた場合について説明したが、もちろんこれに限らず、BF液が流れる経路上に濃度センサ259を設ければ足りる。たとえば、分析装置1は、図10に示すように、BF液希釈タンク254とBF洗浄部251とを接続する管258a内を流れるBF液の濃度を測定できるように濃度センサ259を設けてもよい。また、分析装置1は、図11に示すように、BF洗浄処理が終了したBF液が流れる廃液流路内、すなわち、管258c内を流れるBF液の濃度を測定できるように濃度センサ259を設けてもよい。BF洗浄処理において、BF液吸引ノズル251bによって最初に吸引された廃液には試薬と検体との反応液が多く含まれる。このため、制御部41は、濃度センサ259に対して、BF液吸引ノズル251bによって吸引された廃液のうち、反応液が含まれる割合が少ない2回目以降に吸引された廃液に対して濃度検出を行なわせるように制御する。
さらに、図12に示すように、BF液吐出ノズル251aによって反応管10に注入されたBF液に対し直接濃度を検出できるように濃度センサ259を設けてもよい。図2、図10および図11に示すようにBF液流路上に濃度センサ259を設けた場合には、濃度センサ259検出時間とBF液注入時間との間にずれがあるため、濃度センサ259によって濃度を検出されたBF液が、いずれの反応管10に注入されているかを厳密に対応づけることは難しい。これに対し、図12に示す場合、BF液吐出ノズル251aによって反応管10に注入されたBF液の濃度を直接検出できるため、判断部45は、どの反応管10に濃度異常であるBF液が注入されたかを判別することが可能である。このため、図12に示す場合、分析装置1は、分析結果とBF液濃度の異常の有無とをさらに正確に対応づけることができ、分析結果の信頼性を高めることができる。さらに、図12に示す場合、分析装置1は、分析動作中に応じた短時間のBF液濃度の変動に関しても、正確に検出することができる。
さらに、分析装置1は、BF液の吸光度を測定して、この吸光度測定結果をもとにBF液濃度を検出してもよい。BF液濃度は所定の光吸収特性を有しており、さらに吸光度は濃度に比例することを利用して、分析装置1は、BF液の吸収波長に対応する吸光度を測定してBF液濃度を取得することができる。分析装置1は、BFテーブル24に吸光度を測定可能である測光機構を新たに設け、BF液が注入された反応管10の移送時に吸光度を測定するほか、たとえば図13に示すように、通常の検体分析処理の一部に吸光度測定を適用し、BF洗浄処理と並行して吸光度測定を行なってもよい。
具体的には、図13に示すように、BF液が注入された後、反応管10の集磁機構25bによって免疫複合体67が反応管10下方に集磁されている間、免疫複合体67の集磁領域以外の上澄み領域に光源252aが吸収波長を含む光を照射する。そして、受光機構252bは、上澄み領域を透過した光を受光して、吸収波長の透過光量を測定し、測定結果を制御部41に出力する。判断部45は、受光機構252bから出力された測定結果をもとにBF液濃度を求める。この場合も、判断部45は、BF液吐出ノズル251aによって反応管10に注入されたBF液の濃度を直接検出するため、どの反応管10に濃度異常であるBF液が注入されたかを判別することができ、分析結果とBF液濃度の異常の有無とを正確に対応させた信頼性の高い分析結果を出力することができる。なお、BF液は、紫外域の波長を吸収するため、光源252aは、紫外光を発すれば足りる。さらに、BF液に分析処理に関与しない色素を入れて着色して、この色素が吸収する可視光の吸光度をもとに、BF液濃度を検出してもよい。
また、実施の形態1においては、分析装置1内においてBF液を調製する場合を例に説明したが、もちろんこれに限らず、調製不要であるBF液または操作者自身が調製したBF液を使用する分析装置においても同様に適用して、BF液の蒸発や調製不良によるBF液濃度異常を検出してもよい。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、BF液濃度が異常である場合に、BF液の濃度が適正範囲内となるよう自動調製する場合について説明する。
図14は、実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図14に示すように、実施の形態2にかかる分析装置201において、制御機構204は、図1に示す制御機構4と比して、処理制御部242を備えた制御部241を有する。制御部241は、図1に示す制御部41と同様の機能を有する。
処理制御部242は、判断部45が濃度センサ259によって検出されたBF液の濃度が適正範囲内でないと判断した場合、図15におけるBF液を調整する調製機構の各構成部位に対して、濃度センサ259による検出結果をもとにBF液の濃度が適正範囲内となるように調製させる。図15に示すように、処理制御部242は、判断部45が濃度センサ259によって検出されたBF液の濃度が適正範囲内でないと判断した場合、BF液濃度が適正範囲内になるように原液用ポンプ255b、希釈用ポンプ257aにおけるBF原液および希釈液の注入量、図示しないBF液希釈タンク254内の攪拌機構の攪拌処理を制御する。処理制御部242は、濃度センサ259に対して、BF液濃度をモニターできるように連続的に濃度検出を行なわせ、濃度センサ259が検出したBF液濃度が最適濃度とほぼ一致した場合に、原液用ポンプ255b、希釈用ポンプ257aおよび攪拌機構におけるBF液濃度修正処理を終了する。具体的には、処理制御部242は、濃度センサ259によって検出された濃度が、適正範囲を越えて濃くなっていた場合には、希釈用ポンプ257aを稼動させて、BF液希釈タンク254内に希釈液を注入させ、BF液希釈タンク254内のBF液濃度を最適濃度まで薄める。これに対し、濃度センサ259によって検出された濃度が、適正範囲を下回り薄くなっていた場合、原液用ポンプ255bを稼動させて、BF液希釈タンク254内にBF原液を注入させ、BF液希釈タンク254内のBF液濃度を最適濃度まで高める。
つぎに、図16を参照して、分析装置201によるBF液濃度適正判断処理の処理手順について説明する。まず、分析装置201は、図4に示すステップS2と同様に、分析装置を起動し(ステップS202)、図15に示すBF液調製機構におけるBF液調製処理が行なわれる(ステップS204)。そして、図4に示すステップS6およびステップS8と同様に、濃度センサ259は、分析装置201内で調製されたBF液の濃度Cを検出し(ステップS206)、判断部45は、BF液が適正範囲内である否かを判断するため、CL1<C<CH1であるか否かを判断する(ステップS208)。
判断部45がCL1<C<CH1でないと判断した場合(ステップS208:No)、図4に示すステップS10と同様の処理手順を行なって、出力部47は、エラー出力処理を行なう(ステップS210)。そして、処理制御部242は、図15に示すBF液調製機構に対して、濃度センサ259による検出結果をもとにBF液の濃度が適正範囲内となるように修正調製させるBF液濃度修正処理を行なう(ステップS212)。分析装置201においては、BF液濃度修正処理が終了した後、ステップS206に戻り、濃度センサ259がBF液濃度Cの検出処理を行なう。
これに対し、分析装置201においては、判断部45がCL1<C<CH1であると判断した場合(ステップS208:Yes)、図4に示すステップS14およびステップS16と同様の処理手順を行なって、分析実行処理(ステップS214)、BF液濃度記録処理(ステップS216)を行なう。
そして、図4に示すステップS4と同様の処理手順を行なって、制御部41は、分析装置1内で調製されたBF液濃度を検出するタイミングであるか否かを判断する(ステップS218)。制御部41は、BF液濃度を検出するタイミングであると判断した場合(ステップS218:Yes)、ステップS206に戻り、濃度センサ259にBF液の濃度Cを検出させる。これに対し、制御部41は、BF液濃度を検出するタイミングでないと判断した場合(ステップS218:No)、図4に示すステップS18と同様の処理手順を行なって、分析処理終了判断処理を行ない(ステップS220)、分析処理が終了したと判断した場合には(ステップS220:Yes)、分析処理を終了し、分析処理が終了していないと判断した場合には(ステップS220:No)、ステップS218に戻り、BF液濃度検出タイミングであるか否かを判断する。
このように、実施の形態2にかかる分析装置においては、BF液濃度が異常である場合にBF液の濃度が適正範囲内となるように装置内で自動調製するため、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、分析装置201の操作者の負担を軽減することができる。また、分析装置201においては、BF液濃度を自動的に調製するため、原液用ポンプ255bおよび希釈用ポンプ257aの劣化による送液機能低下に起因してBF液濃度不良が発生した場合であっても、ポンプ自体の交換やポンプ内部の部品の交換を行なわずとも分析の開始または分析の続行が可能となる。この結果、実施の形態2によれば、BF液調製機構の部品交換のために分析装置201を停止させる停止時間の減少を図ることができ、分析装置の処理能力低下を抑制することができる。
なお、分析装置201においては、出力部47は、制御部41の制御のもと、判断部45によるBF液濃度に対する判断結果と分析部44による分析結果とを対応づけて出力してもよい。出力部47は、たとえば、図17に示すように、サンプルごとにBF異常の有無を記載できる欄C5〜C11を設けたデータシートD1を出力してもよい。データシートD1においては、判断部45によって濃度は適正であると判断されたBF液を使用したサンプル0005〜サンプル0008に対する欄C5〜C8は空白とされる。これに対し、データシートD1においては、判断部45によって濃度は適正でないと判断されたBF液を使用したサンプル0009に対する欄C9には、「BF」と記載され、BF液濃度に異常があった旨が示されている。さらに、分析装置201においては、サンプル0009以降のサンプル0010,0011において、BF液濃度の自動調整処理が行なわれ、適正範囲内のBF液濃度が使用されるため、これらのサンプル0010,0011に対する欄C10,C11は空白となる。
分析装置201の操作者は、このデータシートD1を確認することによって、いずれの検体にBF液濃度異常があったかを認識することができ、BF液濃度異常があった検体に対する再検査などを行ない、正確な分析結果を新たに得ることができる。また、分析装置201内において、濃度異常であるBF液を使用した検体を自動的に再検リストに加え、そのまま再検査し、再検査による分析結果を出力してもよい。分析装置201によれば、BF液濃度が異常である場合にBF液の濃度が適正範囲内となるように装置内で自動調製するため、BF液濃度異常に起因する再検査検体数を減らすことができ、試薬などの無駄な消費を抑制することが可能になる。
なお、BF液濃度の適正範囲は、上述したように分析項目ごとに異なるため、分析装置201は、分析対象の検体に応じた適正範囲をもとにBF液濃度の自動調整を行なえばよい。また、BF液濃度の適正範囲は、分析項目ごとに異なるため、同じ濃度のBF液に対し、一の分析項目においてはBF液濃度が適正範囲外と判断され再検査となった場合であっても、他の分析項目においてはBF液濃度が適正範囲内と判断される場合もある。したがって、分析装置201においては、分析結果に要求される分析精度やBF液濃度が分析結果に及ぼす影響に応じて分析項目ごとに適したBF液濃度の適正範囲を設定することによって、全ての分析項目において一律にBF液濃度の適正範囲を定めた場合と比して、再検査対象となる検体数を減らすことができる。
また、実施の形態2における分析装置201においては、図16を用いて説明したように、分析装置起動後即時にBF濃度調製処理、BF液濃度修正処理が行なわれる。分析装置201は、たとえば、分析装置起動後において操作者が検体や試薬などの装置内への設置などの準備処理を行なっている間にBF液濃度調製処理やBF液濃度修正処理を行なって、BF液濃度を自動的に適正濃度にしている。したがって、分析装置201によれば、分析装置起動後にBF液濃度調整および修正のための処理時間を新たに設けずともよい。また、分析装置201によれば、操作者が特にBF液修正に関する指示を行なわなくとも、自動的に適正濃度とされたBF液を用いた分析データを得ることが可能になる。
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について説明する。実施の形態3においては、BF液濃度が適正範囲であっても測光部による測定結果に誤差が生じる濃度範囲にある場合には、検出したBF液濃度をもとに測光部による測定結果を補正して、さらに正確な分析結果を出力できるようにしている。
図18は、実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図18に示すように、実施の形態3にかかる分析装置301において、制御機構304は、図14に示す制御機構204と比して、制御部241に代えて制御部341を有し、分析部44に代えて補正部344aを備えた分析部344を有し、判断部45に代えて判断部345を有する。なお、BF液調製機構として、図15に示すBF液調製機構と同様の各構成部位を有する。
判断部345は、図14に示す判断部45と同様の機能を有するとともに、濃度センサ259によって検出されたBF液の濃度が補正対象範囲に含まれるか否かを判断する。この補正対象範囲は、BF液濃度の適正範囲に含まれる範囲であるものの測光部31による測定結果に誤差が生じることが判明している範囲に対応する。
制御部341は、図14に示す制御部241と同様の機能を有するとともに、判断部345がBF液の濃度が補正対象範囲に含まれると判断した場合、分析部344における補正部344aに対して、このBF液を使用して分析処理が行なわれた検体に対する測光部31の測光結果を補正させる。
補正部344aは、制御部341の制御のもと、予め求められたBF液濃度と測光部31における測定結果との関係を用いて、判断部345によって濃度が補正対象範囲に含まれると判断されたBF液を使用して分析処理が行なわれた検体に対する測光部31の測定結果を補正する。分析部344は、補正部344aが補正した補正後の測定結果をもとに検体を分析する。
つぎに、図19を参照して、分析装置301によるBF液濃度適正判断処理の処理手順について説明する。まず、分析装置301においては、図16に示すステップS202〜ステップ208と同様の処理手順を行なって、分析装置を起動し(ステップS302)、BF液調製機構によるBF液調製処理(ステップS304)、濃度センサ259によるBF液濃度検出処理(ステップS306)、判断部345によるCL1<C<CH1判断処理(ステップS308)が行なわれる。
判断部345がCL1<C<CH1でないと判断した場合(ステップS308:No)、図16に示すステップS210およびステップS212と同様の処理手順を行なって、出力部47によるエラー出力処理(ステップS310)および処理制御部242とBF液調製機構とによるBF液濃度修正処理(ステップS312)が行なわれる。
これに対し、分析装置301においては、判断部345がCL1<C<CH1であると判断した場合(ステップS308:Yes)、図16に示すステップS214およびステップS216と同様の処理手順を行なって、分析実行処理(ステップS314)、BF液濃度記録処理(ステップS316)を行なう。
さらに、判断部345は、濃度センサ259によって検出されたBF液の濃度Cが補正対象範囲に含まれるか否かを判断する。この補正対象範囲は、適正範囲のうち適正濃度の(±A)%を超えた範囲である。たとえば、補正対象範囲は、図20に示すように、適正範囲Cpのうち、マイナス勾配の直線内のCL1である(−85)%からCL2である(−90)%の範囲Cpl、および、CH2である(+110)%からCH1である(+115)%の範囲Cphである。すなわち、補正対象範囲は、図20に示すように、適正濃度100%の±10%を超えた範囲となる。この範囲内おいては、BF液濃度とカウント数との関係がほぼ直線関係を有するため、この直線を示す関係式を用いて、濃度センサが検出したBF液濃度に対応するカウント数をBF液濃度100%である場合のカウント数に演算することができる。これに対し、図20に示すように、プラス勾配の直線内であるBF液濃度比が0%から80%の範囲、および、BF液濃度比が120%から150%近くになった場合には、BF液濃度が大きく変動するため、BF洗浄処理中において反応担体である磁性粒子そのものが反応管から流出してしまったり、反応物質の活性低下が発生したりするなどBF洗浄処理自体が正常に行われないことから、補正対象範囲からは除外する。このように、補正対象範囲は、適正範囲および測光部31における測定結果であるカウント数のBF液濃度依存性をもとに設定される。
したがって、判断部345は、濃度センサ259が検出したBF液濃度Cと、BF液濃度の補正対象範囲以外の最適範囲の下限であるCL2(>CL1)および最適範囲の上限であるCH2(<CH1)を比較し、CL2<C<CH2であるか否かを判断する(ステップS320)。
判断部45がCL2<C<CH2であると判断した場合(ステップS320:Yes)、BF液濃度Cは、補正が必要ではない最適範囲に含まれており、測光部31における測定処理へのBF液濃度による影響がほとんど生じないため補正を行なう必要がない。このため、分析部344は、このまま分析処理を行ない(ステップS323)、その後、制御部341は、図16に示すステップS218と同様の処理手順を行なって、分析装置1内で調製されたBF液濃度を検出するタイミングであるか否かを判断する(ステップS324)。
これに対し、判断部345がCL2<C<CH2でないと判断した場合(ステップS320:No)、すなわち、判断部345がBF液濃度Cは補正が必要である補正対象範囲に含まれていると判断した場合、制御部341は、補正部344aに対して、補正処理を行なわせる(ステップS322)。補正部344aは、予め求められたBF液濃度と、試薬と検体との反応物における光学的特性との関係を用いて、判断部345によって濃度が補正対象範囲に含まれると判断されたBF液を使用して分析処理が行なわれた検体に対する測光部31の測定結果を補正する。具体的には、分析装置301において、既知の発光量を示す試料に対し、各濃度のBF液を用いて実際に分析処理を行ない、測光部31による測定結果を分析項目ごとに取得する。このBF液の濃度と測光部31による測定結果との関係を示す関係式などを記憶部46に記憶させておき、この関係式を用いて、補正部344aは補正処理を行なう。
たとえば、図21に示すように、適正濃度であるBF液濃度を100%の比率とし、この場合におけるカウント数の測定値を100%の比率として、各BF液濃度と各測定結果とを対応づけた関係を予め取得する。図21に示すBF液濃度と測定結果との関係を用いた場合、たとえばBF液濃度が適正濃度に対して120%の比率を有する場合には、この120%に対応する測定値相対比92%分、実際の測定値が本来の測定値よりも下回っていることが分かる。このため、補正部344aは、実際の測定値を100/92倍して補正を行なう。
次いで、分析部344は、補正部344aが補正した補正後の測定結果をもとに検体を分析する分析処理を行なう(ステップS323)。その後、制御部341は、図16に示すステップS218と同様の処理手順を行なって、分析装置1内で調製されたBF液濃度を検出するタイミングであるか否かを判断する(ステップS324)。
次いで、制御部341は、BF液濃度を検出するタイミングであると判断した場合(ステップS324:Yes)、ステップS306に戻り、濃度センサ259にBF液の濃度Cを検出させる。これに対し、制御部341は、BF液濃度を検出するタイミングでないと判断した場合(ステップS324:No)、図4に示すステップS18と同様の処理手順を行なって、分析処理終了判断処理を行ない(ステップS330)、分析処理が終了したと判断した場合には(ステップS330:Yes)、分析処理を終了し、分析処理が終了していないと判断した場合には(ステップS330:No)、ステップS324に戻り、BF液濃度検出タイミングであるか否かを判断する。
このように、実施の形態3によれば、BF液濃度が測定結果に影響を及ぼす場合には、測定結果を自動的に補正して分析処理を行なうため、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、さらに正確な分析結果を出力することが可能になる。さらに、実施の形態3によれば、BF液濃度に対応させて測定結果を補正できるため、実際に使用できるBF液濃度の範囲を補正可能な範囲にまで広げることが可能になる。
また、分析装置301においては、補正可能範囲内の濃度であるBF液を使用した場合には、再検査ではなく補正処理によって正確な分析結果を出力できるようにしているため、従来と比較し、再検査対象となる検体数を低減することができ、再検査処理用の時間の短縮を可能にする。BF液濃度が適正濃度を厳密に満たしていない場合であっても、補正処理によって正確な分析結果を確実に出力できるため、特に30分以内で分析結果を出すことが要求される緊急検体の再検査を従来よりも格段に回避することが可能になる。
また、分析装置301においては、図22に示すように、BF異常の有無とともに、BF液濃度に対応させた補正処理の有無を記載できる欄C35〜C41をサンプルごとに設けたデータシートD3を出力してもよい。データシートD3においては、判断部345によって濃度は適正であると判断されたBF液を使用したサンプル0005〜0008に対する欄C35〜C38は空白とされる。そして、データシートD3においては、判断部345によって補正処理が行なうことができない程度に濃度が適正範囲から外れていると判断されたBF液を使用したサンプル0009に対する欄C39には、「BF」と記載され、BF液濃度に異常があった旨が示される。そして、処理制御部242およびBF液調製機構によるBF液濃度修正処理によって、BF液濃度が補正可能範囲にまで回復し補正処理が行なわれたサンプル0010およびサンプル0011に対する欄C40,C41には、「BC」と記載され、BF液濃度に対応させた補正処理が行なわれた旨を示す。分析装置301の操作者は、このデータシートD3を確認することによって、いずれの検体にBF液濃度異常があったか否かを確認できるとともに、いずれの検体に補正処理が行なわれたかを認識することができる。
また、上記実施の形態で説明した分析装置1,201,301は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワーク回線を介して接続した管理サーバや他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。 図1に示す分析装置におけるBF液調製機構の構成を説明する図である。 図1に示す分析装置における検体に対する分析処理を説明する図である。 図1に示す分析装置におけるBF液濃度適正判断処理の処理手順を示すフローチャートである。 図1に示す表示部の表示画面を例示する図である。 図1に示す出力部が出力した分析結果の一例を示す図である。 BF液濃度と測光部におけるカウント数との関係を例示する図である。 図1に示す分析装置におけるBF液濃度適正範囲外推測処理の処理手順を示すフローチャートである。 図1に示す出力部が出力したBF液濃度の時間依存の一例を示す図である。 図1に示す分析装置におけるBF液調製機構の他の構成を説明する図である。 図1に示す分析装置におけるBF液調製機構の他の構成を説明する図である。 図1に示す分析装置におけるBF液調製機構の他の構成を説明する図である。 図1に示す分析装置におけるBF液調製機構の他の構成を説明する図である。 実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。 図14に示す分析装置におけるBF液調製機構の構成を説明する図である。 図14に示す分析装置におけるBF液濃度適正判断処理の処理手順を示すフローチャートである。 図14に示す出力部が出力した分析結果の一例を示す図である。 実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。 図18に示す分析装置におけるBF液濃度適正判断処理の処理手順を示すフローチャートである。 BF液濃度と測光部におけるカウント数との関係を例示する図である。 図18に示す判断部が参照するBF液濃度と測定結果との関係を例示する図である。 図18に示す出力部が出力した分析結果の一例を示す図である。
符号の説明
1,201,301 分析装置
2 測定機構
4,204,304 制御機構
10 反応管
21 検体移送部
21a 検体容器
21b 検体ラック
22 チップ格納部
23 検体分注部
24 免疫反応テーブル
24a 外周ライン
24b 中周ライン
24c 内周ライン
25 BFテーブル
25b 集磁機構
251 BF洗浄部
251a BF液吐出ノズル
251b BF液吸引ノズル
252a 光源
252b 受光機構
253 BF原液タンク
254 BF液希釈タンク
255,257 チューブ
255a フィルター
255b 原液用ポンプ
256 希釈液タンク
257a 希釈用ポンプ
258a,258c 管
258b BF液供給ポンプ
259 濃度センサ
26 第1試薬庫
26a 第1試薬容器
27 第2試薬庫
27a 第2試薬容器
27b 基質液容器
28 第1試薬分注部
29 第2試薬分注部
30 酵素反応テーブル
31 測光部
32 第1反応管移送部
33 第2反応管移送部
41,241,341 制御部
242 処理制御部
43 入力部
44,344 分析部
45,345 判断部
46 記憶部
47 出力部
48 表示部
49 送受信部
344a 補正部

Claims (9)

  1. 緩衝液の注入および吸引による検体と試薬との未反応物除去後に前記検体と前記試薬との反応物の光学的特性を測定して前記検体を分析する分析装置において、
    前記緩衝液の濃度を検出する濃度検出手段と、
    前記濃度検出手段によって検出された前記緩衝液の濃度が適正範囲内であるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段が前記緩衝液の濃度が適正範囲内でないと判断した場合、前記緩衝液の濃度が適正でないことを報知する警告を出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする分析装置。
  2. 前記緩衝液を調製する調製手段をさらに備え、
    前記判断手段が前記緩衝液の濃度が適正範囲内でないと判断した場合、前記調製手段に対して、前記濃度検出手段による検出結果をもとに前記緩衝液の濃度が前記適正範囲内となるように前記緩衝液を調製させる制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記反応物の光学的特性を測定する測定手段と、
    前記測定手段によって測定された測定結果をもとに前記検体を分析する分析手段と、
    をさらに備え、
    前記判断手段は、前記濃度検出手段によって検出された前記緩衝液の濃度が補正対象範囲に含まれるか否かを判断し、
    前記分析手段は、前記判断手段が前記緩衝液の濃度が補正実施範囲に含まれると判断した場合、予め求められた前記緩衝液濃度と前記測定手段による測定結果との関係を用いて前記測定手段が測定した測定結果を補正し、補正後の測定結果をもとに前記検体を分析することを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
  4. 前記出力手段は、前記判断手段による前記緩衝液濃度に対する判断結果と前記分析手段による分析結果とを対応づけて出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分析装置。
  5. 前記出力手段は、前記分析手段によって補正が行なわれた分析結果に対し、前記分析手段によって補正された旨を示す情報を対応づけて出力することを特徴とする請求項3または4に記載の分析装置。
  6. 前記濃度検出手段によって検出された前記緩衝液の各濃度を各濃度検出時間にそれぞれ対応させて記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の分析装置。
  7. 前記判断手段は、前記記憶手段に記憶された前記各濃度の時間依存性をもとに所定期間以内に前記緩衝液の濃度が前記適正範囲外になるか否かを推測し、
    前記出力手段は、前記判断手段が前記所定期間以内に前記緩衝液の濃度が前記適正範囲外になると推測した場合、前記緩衝液に対する保守点検を推奨する旨を示す情報を出力することを特徴とする請求項6に記載の分析装置。
  8. 前記適正範囲は、分析項目に要求される分析精度および前記緩衝液濃度が分析結果に及ぼす影響に応じて分析項目ごとに設定されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の分析装置。
  9. 前記補正実施範囲は、前記測定手段における測定結果の前記緩衝液濃度依存性をもとに設定されることを特徴とする請求項3〜8のいずれか一つに記載の分析装置。
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