本発明は、光ディスク記録再生装置の改良を図ったものに関する。
近年、光ディスク記録再生装置のコストダウン要望は強いものがあり、使用されるLSIなどの電子部品に対するコストダウン要求もきわめて強くなってきている。この要求に対応するため、LSIの集積度を上げて部品点数を削減する技術開発が行われており、特に、高集積化を推進するうえでの障害となるアナログ回路の削減が求められている。
以下、従来の光ディスク記録再生装置のRF信号検波部について説明する。
図9に、従来の光ディスク記録再生装置におけるアナログ処理によるRF信号検波部のブロック図を示す。
図9において、101は光ディスクに形成されたトラックの接線方向及び半径方向に4分割された受光素子、102は増幅器であり、受光素子101の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力信号をIV(電流電圧)変換する4つのIV変換アンプを有する。103aは増幅器102の4つの出力を加算し、その合計であるRF信号を生成する加算器、104aは加算器103aから出力されたRF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、105aは増幅器104aにより増幅されたRF信号のピークレベルとボトムレベルを検波してRFピーク信号とRFボトム信号を生成するピーク・ボトム検波器、106aはピーク・ボトム検波器105aにより生成されたRFピーク信号を適切な閾値で2値化してドロップアウト信号(BDO)を生成する2値化器、106bはピーク・ボトム検波器105aにより生成されたRFボトム信号を適切な閾値で2値化してオフトラック信号(OFTR)を生成する2値化器である。
また、104bは加算器103aから出力されたRF信号の中のID領域に該当する区間のRF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、105bは増幅器104bの出力におけるID領域の前半のVFO1の区間で有効になるゲート信号1(gate1)のタイミングで増幅器104bの出力に対するピーク検波及びボトム検波を行ってVFO1ピーク信号とVFO1ボトム信号とを生成するピーク・ボトム検波器、105cは増幅器104bの出力におけるID領域の後半のVFO3の区間で有効になるゲート信号2(gate2)のタイミングで増幅器104bの出力に対するピーク検波及びボトム検波を行ってVFO3ピーク信号とVFO3ボトム信号とを生成するピーク・ボトム検波器、106cはピーク・ボトム検波器105bから出力されたVFO1ピーク信号、VFO1ボトム信号、及び、ピーク・ボトム検波器105cから出力されたVFO3ピーク信号、VFO3ボトム信号から、トラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)とを生成するTCTI信号生成器である。
さらに、103bは受光素子101のうち光ディスクの内周側の2つの受光素子AとDの出力信号を増幅した信号の和を取り内周側RF信号を生成する加算器、103cは受光素子101のうち光ディスクの外周側の2つの受光素子BとCの出力信号を増幅した信号の和を取り外周側RF信号を生成する加算器、104cは加算器103bの出力RF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、104dは加算器103cの出力RF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、105cは増幅器104cが出力する内周側RF信号のピーク検波を行って内周側ピーク信号を生成するピーク検波器、105dは増幅器104dが出力する外周側RF信号のピーク検波を行って外周側ピーク信号を生成するピーク検波器、106dはこれらピーク検波器105cと105dとにより生成された内周側ピーク信号と外周側ピーク信号との差を取りレンズ位置信号(LPOS)を生成する減算器である。
そして、107はピーク・ボトム検波器105aからのRFピーク信号とRFボトム信号、TCTI信号生成器106cからのトラックセンター信号TCとチルト信号TI、減算器106dからのレンズ位置信号LPOSを入力とし、これらのうちのいずれか一つを選択するマルチプレクサ、108はマルチプレクサ107により選択された信号をデジタル信号に変換するAD変換器である。
図10は、BDO信号及びOFTR信号を検出する動作を説明する波形図で、各信号名は上記図9における信号名と同一である。
光ディスクの表面あるいは光ディスクの基材中にあって入射光や反射光を遮る欠陥はドロップアウトと呼ばれており、RF信号のピークレベルの変化により、その検出が可能である。従って、図9の増幅器104aにより一定の振幅とオフセットとなるように調整されたRF信号のピーク検波をピーク・ボトム検波器105aで行うと、図10に示されるRFピーク信号の波形が得られ、これを適切な閾値で2値化するとBDO信号が得られる。
また、ピックアップのジャンプ動作などにより入射光がトラック間を移動する場合、トラックとトラックとの中点では最大反射光量は変化しないがRF信号振幅が低下するため、RF信号のボトムレベルの変化をとらえることでトラック中間点を検出することが出来る。従って、増幅器104aにより一定の振幅とオフセットとなるように調整されたRF信号のボトム検波をピーク・ボトム検波器105aで行えば、図10に示されるRFボトム信号の波形が得られ、これを適切な閾値で2値化することでOFTR信号が得られる。
図11はTC及びTI信号を検出する動作を説明する波形図で、ひとつのID領域を拡大して表示している。各信号名は上記の図9における信号名と同一であり、TC及びTI信号については、これらを生成する演算式(VFO1p−VFO1b)−(VFO3p−VFO3b),(VFO1b−VFO3b)をその信号名TC,TIの下側に記載している。なお、図11中に示すように、VFO1pはVFO1ピーク信号、VFO1bはVFO1ボトム信号、VFO3pはVFO3ピーク信号、VFO3bはVFO3ボトム信号である。
光ディスク、特にDVD−RAMの再生において、RF信号中のID領域は図11に示されるように記録領域に対して正のオフセットを持っているため、図9の増幅器104bによってID領域のRF信号がダイナミックレンジの中で最適なレンジになるようにオフセットとゲインが調整され、ピーク・ボトム検波器105bとピーク・ボトム検波器105cに入力される。
ID領域は前半のID1/2と後半のID3/4とに分かれており、図11に示されるように、ID1/2期間中のVFO1領域でゲート信号1が有効になり、ID3/4期間中のVFO3領域でゲート信号2が有効となる。
ゲート信号1が有効になっている間にピーク・ボトム検波器105bが動作してVFO1ピーク信号とVFO1ボトム信号を更新し、ゲート信号2が有効になっている間にピーク・ボトム検波器105cが動作してVFO3ピーク信号とVFO3ボトム信号を更新する。それぞれのゲート信号が無効である間は、VFO1ピーク信号、VFO1ボトム信号、VFO3ピーク信号、VFO3ボトム信号はホールドされる。
図9のTCTI信号生成器106cは、VFO1ピーク信号(VFO1p)、VFO1ボトム信号(VFO1b)、VFO3ピーク信号(VFO3p)、VFO3ボトム信号(VFO3b)の4つの信号から、TC=(VFO1p−VFO1b)−(VFO3p−VFO3b)、TI=VFO1b−VFO3bの演算を行うことにより、トラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)とを生成して出力する。
図12はレンズ位置信号(LPOS)の検出動作を説明する波形図で、各信号名は上記の図9における信号名と同一である。
レンズ位置信号(LPOS)は、長距離シークを行う際に半径方向のレンズ位置を固定するための検出信号で、光ディスク上のミラー部の反射光によるプッシュプル信号がレンズ位置を示すことにより検出が行われる。ミラー部の反射光の検出はRF信号のピーク検波を行うことで検出することが出来る。
図9の加算器103bおよび加算器103cによって生成された内周側RF信号および外周側RF信号は、増幅器104cおよび増幅器104dによってダイナミックレンジが調整され、ピーク検波器105cおよびピーク検波器105dによってそれぞれのピーク検波信号である内周側ピーク信号および外周側ピーク信号が生成され、それらの差を減算器106dにより取ることによってレンズ位置信号(LPOS)が生成される。
図13は図9のRF信号検波部において、アナログ回路によりピーク・ボトム検波を行うピーク・ボトム検波器105aに用いられる代表的な回路構成を示す回路図である。
図13において、121はベースにRF信号が入力されるエミッタフォロワ形のNPNトランジスタ、122はNPNトランジスタ121のエミッタ電流によって充電されるコンデンサ、123はコンデンサ122の電荷をゆっくりと放電する電流源であり、これらNPNトランジスタ121、コンデンサ122、電流源123によってピーク検波器が構成されている。
また、124はベースにNPNトランジスタ121に入力されるのと同じRF信号が入力されるエミッタフォロワ形のPNPトランジスタ、125はPNPトランジスタ124のエミッタ電流によって充電されるコンデンサ、126はコンデンサ125の電荷をゆっくりと放電する電流源であり、これらPNPトランジスタ124、コンデンサ125、電流源126によってボトム検波器が構成されている。
このピーク検波器およびボトム検波器のそれぞれの検波動作を、ピーク検波器を例にとって説明する。
NPNトランジスタ121のベース端子にRF信号が入力されると、ベース電圧が(コンデンサ122の端子電圧)+Vbe(Vbeはトランジスタ121のベース・エミッタ間電圧)以上の電圧になった時のみベース電流が流れ、トランジスタの電流増幅作用によってそのhfe倍のエミッタ電流が発生してコンデンサ122に急速に電荷を充電する。これにより、コンデンサ122の端子電圧はRF信号の最大電圧からVbeだけ低い電圧に充電され、それ以上になることはないので、ピーク検波が行われたことになる。また、RF信号のピーク電圧の変動に追従する必要があり、ピーク電圧が上昇してゆく場合は上記の動作によってコンデンサ122の電位が上昇して追従することが出来るが、ピーク電圧が下降する場合には電流源123によるコンデンサ122の電荷放電によって追従することになる。ボトム検波器はその電圧の向きが逆になるのみで、動作はピーク検波器と同様である。
この回路をLSI化する際に、コンデンサ122とコンデンサ125とは外付けされる場合が多く、LSIに内蔵される場合でも、コンデンサのみでLSI内の比較的大きな面積を占有することが多い。
また、図14は図9のRF信号検波部において、アナログ回路によりBDO信号を2値化する2値化器106aに用いられる代表的な回路構成を示す回路図である。
この図14において、131、132、133は図13の検波回路におけるNPNトランジスタ121、コンデンサ122、電流源123と同様の構成を有するNPNトランジスタ、コンデンサ、電流源であり、ピーク・ボトム検波器105aにより一旦ピーク検波された検波信号に対してさらに低速の放電速度を持ったピーク検波を行うことにより、ドロップアウトによるピークレベルの変動に追従しない、安定なピークレベル信号を生成する。また、134は加算器で、前記ピークレベルから一定レベルだけ低い位置に閾値が設定され、この閾値をピークレベル信号に加算する。135は検波信号と加算器134の出力信号とを比較することにより、閾値を用いて検波信号を2値化するコンパレータである。OFTR信号の2値化を行う回路についてはその極性が反転するのみで、検出原理はBDO信号を2値化するのと同一であるので、同様の構成の回路となる。
この回路がLSI化される際に、コンデンサ132は容量が大きいため、基本的には外付けとなる。
また、第2の従来例として、図15は従来の光ディスク記録再生装置をデジタル化したRF信号検波部を示すブロック図である。
図15において、151はトラック接線方向及び半径方向に4分割された受光素子、152は増幅器であり、受光素子151の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力信号をIV変換する4つのIV変換アンプを有する。153aは受光素子151のうち内周側の2つの受光素子AとDの出力信号を増幅した信号の和を取り内周側RF信号を生成する加算器、153bは受光素子151のうち外周側の2つの受光素子BとCの出力信号を増幅した信号の和を取り外周側RF信号を生成する加算器、154aと154bは加算器153aと153bの出力RF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、155aと155bは増幅器154aと154bの出力RF信号をAD変換するADコンバータであり、156はADコンバータ155a及び155bの変換結果の和を取って加算RF信号を得る加算器である。
また、157aと157bは加算器156から出力される加算RF信号のピーク検波とボトム検波を行ってRFピーク信号とRFボトム信号を生成するピーク検波器とボトム検波器であり、160aと160bはこれらピーク検波器157aとボトム検波器157bにより検出されたRFピーク信号とRFボトム信号をそれぞれに適切な閾値を用いて2値化してBDO信号とOFTR信号を生成する2値化器である。
また、158aと158bは加算器156から出力される加算RF信号からVFO1タイミング信号によってVFO1のピーク信号とボトム信号を生成するピーク検波器とボトム検波器、158cと158dは加算器156から出力される加算RF信号からVFO3タイミング信号によってVFO3のピーク信号とボトム信号を生成するピーク検波器とボトム検波器であり、161はピーク検波器158a、ボトム検波器158b、ピーク検波器158c、ボトム検波器158dにより生成されたVFO1ピーク信号、VFO1ボトム信号、VFO3ピーク信号、VFO3ボトム信号からトラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)とを生成するTCTI信号生成器である。
また、159a、159bはADコンバータ155a,155bによるAD変換後の内周側RF信号と外周側RF信号のピーク検波を行うピーク検波器、162はピーク検波器159a、159bの出力の差を取る減算器であり、これらは、図9に示す第1の従来例と同じくレンズ位置信号(LPOS)の生成を行っている。
上記のピーク検波器の構成について、最も一般的に用いられるのは、AD変換されたRF信号とレジスタの値とを比較し、RF信号の値が大きければその値でレジスタの内容を置き換え、RF信号の値が小さければレジスタの値から一定値を減算した値でレジスタのデータを更新するという構成であり、その比較器が図13のNPNトランジスタ121に、レジスタがコンデンサ122に、減算する一定値が電流源123の定電流に、それぞれ相当する。
この図15に示す第2の従来例の構成において、RF信号のピーク検波を行うために通常はRF信号帯域の2倍以上の変換速度を持つAD変換器が必要であるが、回路規模を削減するために、AD変換器の変換速度を低速にして、RF信号が疑似ランダム信号であることを利用し、何回かAD変換した値のうちの一部がピークレベルあるいはボトムレベルであるという、確率的な検出を行うものもある(例えば、特許文献1を参照。)この場合、高速なAD変換器を用いる必要はない。
特開2001−167440号公報
このように、図9に示す第1の従来例においては、ほとんど全ての回路がアナログ回路で構成されるために、高精細プロセスを用いてチップサイズを小さくしようとしても、アナログ回路のサイズはプロセスルールに比例して小さくならないために、チップサイズが小さくならない、という課題があった。また、検波器と2値化器に含まれるコンデンサが外付けとなって端子数が増加するという課題があった。
また、図15に示す第2の従来例においては、AD変換後のデータを用いてRF信号のピーク・ボトム検波を行う必要があるため、AD変換器の変換速度は少なくともRF信号帯域の2倍、出来れば4倍は必要であるため高速AD変換器が必要となり、しかも高速AD変換器が2個必要となるので回路規模が大きくなるという課題があり、ID領域も含めたダイナミックレンジと、トラックセンター信号やウォブル信号の検出精度を考慮すると、高速AD変換器として現実的な8ビット精度のものでは、変換精度が不足であり、AD変換器のビット精度向上、および、AD変換器の追加が必要になり、AD変換器の回路規模がさらに増大するという課題があった。
また、AD変換器の変換速度を低速にした場合には、ピークレベルを正確に取得するためのRF帯域以上に高速なサンプルホールド回路が必要であり、また確率的なピーク検出しか行えないために応答速度が低下するという課題があった。
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためになされたものであり、アナログ回路で行われる処理を削減しデジタル回路による処理に置き換えることでアナログ回路規模を縮小し、さらに、高速AD変換器を使わないことでアナログ回路規模の増大を抑えて高集積プロセスを用いた場合のチップサイズを縮小し、また、性能面では、ホールド性能の向上と、追従性能の確保を実現することが可能な光ディスク記録再生装置を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る光ディスク記録再生装置は、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値発生用のデジタルアナログ変換器(以下、閾値DACと称す)と、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1記載の光ディスク記録再生装置において、前記検波制御部は、前記サンプリング部と前記比率変換部との間に、該サンプリング部の出力のH期間、あるいは、L期間をほぼ一定時間延長するエッジ延長部をさらに有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1記載の光ディスク記録再生装置において、前記検波制御部は、前記サンプリング部の前段に、前記比較器の出力のH期間、あるいは、L期間をほぼ一定時間延長するエッジ延長部をさらに有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に係る光ディスク記録再生装置は、請求項2または請求項3記載の光ディスク記録再生装置において、前記エッジ延長部は、前記比較器の出力のH期間、あるいは、L期間が一定時間以下にならないようにすることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に係る光ディスク記録再生装置は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記延長時間は、入力信号のピークレベル、あるいは、ボトムレベルの最大出現周期、あるいは平均出現周期にほぼ等しいことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に係る光ディスク記録再生装置は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記延長期間は、入力信号のピークレベル、あるいは、ボトムレベルの最大出現周期、あるいは平均出現周期に対して一定値分の一であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項7に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1に記載の光ディスク記録再生装置において、前記サンプリングクロックは検波期間のみ有効となるように制御されており、前記サブサンプリングクロックはサンプリングクロックを分周することによって生成されることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項8に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記比率変換部は、入力論理値の”H/L”に対応して、”+1/−1”あるいは”+N/−1”、”+1/−N”を出力する(但し、Nは正の整数)ことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項9に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記比率変換部は、入力論理値の”H/L”に対応して、”+P/−Q”を出力する(但し、PおよびQは正の整数)ことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項10に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記ローパスフィルタは、サブサンプリングクロックの周波数の1/2以下のカットオフ周波数を持つことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項11に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記サブサンプリングクロックは前記サンプリングクロックの整数倍の周期を持ち、前記ローパスフィルタは、サブサンプリングクロックとサンプリングクロックの周期の比に等しい数のサンプリングデータの移動和あるいは移動平均を演算することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項12に係る光ディスク記録再生装置は、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する単独あるいは複数の受光素子と、それぞれの受光素子の出力からRF信号を生成する信号生成部と、RF信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACに閾値信号を出力すると共に検波信号を生成する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有し、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数のサンプリングクロックが供給されることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項13に係る光ディスク記録再生装置は、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する複数の受光素子と、複数の受光素子の出力から複数のRF信号を生成する複数の信号生成部と、複数のRF信号が入力されその内の一つを第1の選択信号に従って選択して出力する第1の選択部と、該第1の選択部から出力される信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、複数の検波信号を生成する複数の検波制御部と、第2の選択信号によって選択された複数の検波制御部の内の一つに比較器の比較結果を入力する分配部と、前記複数の検波制御部の閾値信号出力を第2の選択信号によって選択し閾値DACに出力する第2の選択部とを備え、前記複数の検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに供給される複数のサンプリングクロックによって動作しており、それぞれのサンプリングクロックは、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数を持ち、第2の選択信号によって対応する検波制御部が選択された時のみ有効となることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項14に係る光ディスク記録再生装置は、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する単独あるいは複数の受光素子と、それぞれの受光素子の出力からRF信号を生成する信号生成部と、前記RF信号が入力される第1の比較器と、該第1の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第1の閾値DACと、前記第1の比較器の出力を受け前記第1の閾値DACに閾値信号を出力すると共にピーク検波信号を生成するピーク検波制御部と、前記RF信号が入力される第2の比較器と、該第2の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第2の閾値DACと、該第2の比較器の出力を受けて第2の閾値DACに閾値信号を出力すると共にボトム検波信号を生成するボトム検波制御部とを備え、前記ピーク検波制御部および前記ボトム検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数のサンプリングクロックが供給されることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項15に係る光ディスク記録再生装置は、請求項14に記載の光ディスク記録再生装置において、前記ピーク検波制御部の出力と前記ボトム検波制御部の出力との差を取って振幅信号を生成する減算器を備え、前記ピーク検波制御部、及び、前記ボトム検波制御部は前記振幅信号に応じて制御パラメータを切り換えることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項16に係る光ディスク記録再生装置は、請求項15に記載の光ディスク記録再生装置において、前記制御パラメータは、前記検波制御部が前記閾値DACに出力する閾値信号を生成する際の増幅率であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項17に係る光ディスク記録再生装置は、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する複数の受光素子と、該複数の受光素子の出力から複数のRF信号を生成する複数の信号生成部と、前記複数のRF信号が入力されその内の一つを第1の選択信号に従って選択して出力する第1の選択部と、該第1の選択部から出力される信号が入力される第1及び第2の比較器と、該第1及び第2の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第1及び第2の閾値DACと、複数のピーク検波信号を生成する複数のピーク検波制御部と、複数のボトム検波信号を生成する複数のボトム検波制御部と、第2の選択信号によって選択された複数のピーク検波制御部の内の一つに前記第1の比較器の比較結果を入力する第1の分配部と、前記第2の選択信号によって選択された複数のボトム検波制御部の内の一つに第2の比較器の比較結果を入力する第2の分配部と、複数のピーク検波制御部の閾値信号出力を前記第2の選択信号によって選択し第1の閾値DACに入力する第2の選択部と、複数のボトム検波制御部の閾値信号出力を第2の選択信号によって選択し第2の閾値DACに入力する第3の選択部とを備え、前記複数のピーク検波制御部および前記複数のボトム検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに供給される複数のサンプリングクロックによって動作しており、それぞれのサンプリングクロックは、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数を持ち、前記第2の選択信号によって対応するピーク検波制御部及びボトム検波制御部が選択された時のみ有効となることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る光ディスク記録再生装置によれば、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値発生用のデジタルアナログ変換器(以下、閾値DACと称す)と、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有するように構成したので、検波対象のアナログ信号からその検波結果の信号のデジタル値を直接得ることが出来、比率変換部の設定を変えることにより検波効率を自由に可変することが出来、ローパスフィルタにより検波対象信号のノイズに影響されにくい検波結果を得ることが出来、サブサンプリング手段により以降の処理の動作クロック周波数を低下させて消費電力を低減し、可変設定可能なゲイン手段により検波動作の追従性能を自由に設定することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項2に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1記載の光ディスク記録再生装置において、前記検波制御部は、前記サンプリング部と前記比率変換部との間に、該サンプリング部の出力のH期間、あるいは、L期間をほぼ一定時間延長するエッジ延長部をさらに有するように構成したので、検波対象信号が、対称性が悪く、デューティ比が小さい信号であっても、正確なピークレベルを検波することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項3に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1記載の光ディスク記録再生装置において、前記検波制御部は、前記サンプリング部の前段に、前記比較器の出力のH期間、あるいは、L期間をほぼ一定時間延長するエッジ延長部をさらに有するように構成にしたので、検波対象信号が、対称性が悪く、H期間あるいはL期間がサンプリングクロック周期以下の、デューティ比がきわめて小さい信号であっても確実にサンプリングした上で延長することができ、正確なピークレベルを検波することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項4に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項2あるいは請求項3に記載の構成において、前記エッジ延長手段は、比較手段の出力のH期間あるいはL期間が一定時間以下にならないようにするように構成したことにより、H期間あるいはL期間が短い場合のみエッジ延長を行い、それ以外はエッジ延長が行われないので、検波動作の応答速度を上げることができるという効果が得られる。
また、本発明の請求項5に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記延長時間は、入力信号のピークレベル、あるいは、ボトムレベルの最大出現周期、あるいは平均出現周期にほぼ等しいという構成にしたので、検波対象信号のピーク発生周期のある程度の変動には影響を受けずに、追従性能を確保することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項6に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記延長期間は、入力信号のピークレベル、あるいは、ボトムレベルの最大出現周期、あるいは平均出現周期に対して一定値分の一という構成にしたことにより、エッジ延長時間を短縮して、検波動作の応答速度を上げることができるという効果が得られる。
また、本発明の請求項7に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1に記載の光ディスク記録再生装置において、前記サンプリングクロックは検波期間のみ有効となるように制御されており、前記サブサンプリングクロックはサンプリングクロックを分周することによって生成されるように構成したので、検波処理を時間的に分離することが可能となって、間欠的に発生する信号の検波が出来、コンパレータと閾値DACを時分割で共有することで同時に複数の信号の検波が出来、検波対象信号の特定の部分のみを対象として検波処理を行うことが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項8に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかにおいて、前記比率変換手段は、入力論理値の”H/L”に対応して、”+1/−1”あるいは”+N/−1”、”+1/−N”を出力する(Nは正の整数)という構成にしたので、比較器出力のデューティ比を操作して検波効率を自由に可変することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項9に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかにおいて、前記比率変換部は、入力論理値の”H/L”に対応して、”+P/−Q”を出力する(PおよびQは正の整数)という構成にしたので、比較器出力のデューティ比を操作して検波効率をさらに自由に可変することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項10に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記ローパスフィルタは、サブサンプリングクロックの周波数の1/2以下のカットオフ周波数を持つという構成にしたので、ローパスフィルタがアンチエイリアスフィルタとして働き、後段のサブサンプリング部における折り返しノイズを防止することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項11に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記ローパスフィルタは、サブサンプリングクロックとサンプリングクロックの周期の比に等しい数のサンプリングデータの移動和あるいは移動平均を演算するという構成にしたので、アンチエイリアスフィルタとしての効果が得られるローパスフィルタを簡易な回路で構成することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項12に係る光ディスク記録再生装置によれば、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する単独あるいは複数の受光素子と、それぞれの受光素子の出力からRF信号を生成する信号生成部と、RF信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACに閾値信号を出力すると共に検波信号を生成する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有し、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数のサンプリングクロックが供給されるように構成したので、アナログのRF信号から検波結果のデジタル値を直接得ることが出来、比率変換部の設定を変えることにより検波効率を自由に可変することが出来、ローパスフィルタにより検波対象信号のノイズに影響されにくい検波結果を得ることが出来、サブサンプリング部により以降の処理の動作クロック周波数を低下させて消費電力を低減し、可変設定可能なゲイン部により検波動作の追従性能を自由に設定することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項13に係る光ディスク記録再生装置によれば、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する複数の受光素子と、複数の受光素子の出力から複数のRF信号を生成する複数の信号生成部と、複数のRF信号が入力されその内の一つを第1の選択信号に従って選択して出力する第1の選択部と、該第1の選択部から出力される信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、複数の検波信号を生成する複数の検波制御部と、第2の選択信号によって選択された複数の検波制御部の内の一つに比較器の比較結果を入力する分配部と、前記複数の検波制御部の閾値信号出力を第2の選択信号によって選択し閾値DACに出力する第2の選択部とを備え、前記複数の検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに供給される複数のサンプリングクロックによって動作しており、それぞれのサンプリングクロックは、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数を持ち、第2の選択信号によって対応する検波制御部が選択された時のみ有効となるように構成したので、1組の比較器と閾値DACによって複数のRF信号の検波を可能とするという効果が得られる。
また、本発明の請求項14に係る光ディスク記録再生装置によれば、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する単独あるいは複数の受光素子と、それぞれの受光素子の出力からRF信号を生成する信号生成部と、前記RF信号が入力される第1の比較器と、該第1の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第1の閾値DACと、前記第1の比較器の出力を受け前記第1の閾値DACに閾値信号を出力すると共にピーク検波信号を生成するピーク検波制御部と、前記RF信号が入力される第2の比較器と、該第2の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第2の閾値DACと、該第2の比較器の出力を受けて第2の閾値DACに閾値信号を出力すると共にボトム検波信号を生成するボトム検波制御部とを備え、前記ピーク検波制御部および前記ボトム検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数のサンプリングクロックが供給されるように構成したので、アナログのRF信号からピーク検波結果及びボトム検波結果のデジタル値を直接得ることが出来、比率変換部の設定を変えることにより検波効率を自由に可変することが出来、ローパスフィルタにより検波対象信号のノイズに影響されにくい検波結果を得ることが出来、サブサンプリング手段により以降の処理の動作クロック周波数を低下させて消費電力を低減し、可変設定可能なゲイン部により検波動作の追従性能を自由に設定することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項15に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項14に記載の光ディスク記録再生装置において、前記ピーク検波制御部の出力と前記ボトム検波制御部の出力との差を取って振幅信号を生成する減算器を備え、前記ピーク検波制御部、及び、前記ボトム検波制御部は前記振幅信号に応じて制御パラメータを切り換えるように構成したので、RF信号の振幅によらずに検波性能が一定するという効果が得られる。
また、本発明の請求項16に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項15に記載の光ディスク記録再生装置において、前記制御パラメータは、前記検波制御手段が前記閾値DACに出力する閾値信号を生成する際の増幅率であるという構成にしたので、RF信号の振幅によらずに追従性能が一定するという効果が得られる。
また、本発明の請求項17に係る光ディスク記録再生装置によれば、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する複数の受光素子と、該複数の受光素子の出力から複数のRF信号を生成する複数の信号生成部と、前記複数のRF信号が入力されその内の一つを第1の選択信号に従って選択して出力する第1の選択部と、該第1の選択部から出力される信号が入力される第1及び第2の比較器と、該第1及び第2の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第1及び第2の閾値DACと、複数のピーク検波信号を生成する複数のピーク検波制御部と、複数のボトム検波信号を生成する複数のボトム検波制御部と、第2の選択信号によって選択された複数のピーク検波制御部の内の一つに前記第1の比較器の比較結果を入力する第1の分配部と、前記第2の選択信号によって選択された複数のボトム検波制御部の内の一つに第2の比較器の比較結果を入力する第2の分配部と、複数のピーク検波制御部の閾値信号出力を前記第2の選択信号によって選択し第1の閾値DACに入力する第2の選択部と、複数のボトム検波制御部の閾値信号出力を第2の選択信号によって選択し第2の閾値DACに入力する第3の選択部とを備え、前記複数のピーク検波制御部および前記複数のボトム検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに供給される複数のサンプリングクロックによって動作しており、それぞれのサンプリングクロックは、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数を持ち、前記第2の選択信号によって対応するピーク検波制御部及びボトム検波制御部が選択された時のみ有効となるように構成したので、2組の比較器と閾値DACによって複数のRF信号のピーク検波とボトム検波を可能とするという効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1による光ディスク記録再生装置を示す図であり、図1(a)はそのブロック図、図1(b)は比率変換部3に対する代表的な設定値の一覧を示す図である。
図2は、(+1,−1)設定における動作のタイミングチャートを示す図である。
図3は、(+15,−1)設定における動作のタイミングチャートを示す図である。
図4は、本発明の実施の形態2による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図5は、本発明の実施の形態3による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図6は、本発明の実施の形態4による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図7は、本発明の実施の形態5による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図8(a)は、本発明の実施の形態6による光ディスク記録再生装置であって、クロック信号により制御部の動作を切り替える場合の構成を示すブロック図である。
図8(b)は、本発明の実施の形態6による光ディスク記録再生装置であって、制御信号により制御部の動作を切り替える場合の構成を示すブロック図である。
図9は、本発明の第1の従来例のブロック図である。
図10は、BDO及びOFTR検出動作を説明する波形図である。
図11は、TC及びTI信号の検出動作を説明する波形図である。
図12は、レンズ位置信号(LPOS)の検出動作を説明する波形図である。
図13は、ピーク・ボトム検波をする際に用いられる代表的な回路構成を示す回路図である。
図14は、BDO信号の2値化をする際に用いられる代表的な回路構成を示す回路図である。
図15は、本発明の第2の従来例のブロック図である。
符号の説明
1 比較器
2 サンプリング部
3 比率変換部
4 ローパスフィルタ
5 サブサンプリング部
6 ゲイン部
7 積分器
8 閾値DAC
9 エッジ延長部
10 分周器
11 スイッチ
500,600,700 検波制御部
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、比較器と、その閾値を設定するための閾値DACと、比較器の出力を受けて閾値DACを制御する検波制御部とを備える、いう構成によって、簡易なアナログ回路構成で、アナログのRF信号からデジタルの検波信号を直接生成することで、回路規模の大幅な削減を可能とするものである。
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図1において、1は検波対象となる信号が入力される比較器、2は比較器1の出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部、3はサンプリング部2の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部、4は比率変換部3の一連の数値出力の高周波成分を除去するローパスフィルタ、5はローパスフィルタ4の出力をサンプリングクロックの整数倍の周期を持ったサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部、6はサブサンプリング部5の出力に、設定されたゲインをかけるゲイン部、7はゲイン部6の出力を積分する積分器、8は積分器7の出力をDA変換し前記比較器1の閾値として出力する閾値DACである。
また、500は比較器1の出力を受けて閾値DAC8の閾値を制御する検波制御部であり、前記サンプリング部2,比率変換部3,ローパスフィルタ4,サブサンプリング部5,ゲイン部6,積分器からなる。501はサンプリングクロックを発生するサンプリングクロック発生部、502はサブサンプリングクロックを発生するサブサンプリングクロック発生部である。
そして、比較器1には上述の検波対象信号とともに閾値DAC8で発生された閾値とが入力されており、サンプリング部2、比率変換部3、ローパスフィルタ4はサンプリングクロックで動作し、サブサンプリング部5、ゲイン部6、積分器7、閾値DAC8はサブサンプリングクロックで動作するものとなっている。
図1(b)は比率変換部3に対する代表的な設定値の一覧である。
まず、比率変換部3の設定値が(+1,−1)の場合の動作について説明する。
比較器1の入力信号は光ディスクから再生されたRF信号であり、サンプリングクロックはRF信号のビットレートにほぼ等しい周波数に設定される。例えば、DVD4倍速の再生を想定すると、サンプリングクロックの周波数は約100MHzが適当である。
比較器1に入力されたRF信号は、閾値DAC8によって設定された閾値を用いて比較器1で2値化され、この2値化された信号はサンプリング部2においてサンプリングクロックを用いてサンプリングされることで、以降の処理が同期処理できるようになる。
サンプリング部2によりサンプリングされた2値化信号は、比率変換部3によりデューティの目標値が設定される。即ち、比率変換部3は2値化された信号のデューティの目標値を設定するもので、例えば、設定(+1,−1)は”H/L”のデューティ比が50%となる平均レベル検出であることを示し、設定(+15,−1)はデューティ比が6.2%(=1/16)となるピーク検波、設定(+1,−15)はデューティ比が93.7%(=15/16)となるボトム検波であることを示す。デューティの目標値を(+1,−1)設定として説明を進めているので、具体的には、入力された2値化信号が”H”の時には+1、”L”の時には−1を出力する。
なお、設定値の一方が+1あるいは−1である必要はなく、必要なデューティ比を得るための任意の数値であってよい。
比率変換部3によりデューティの目標値が設定された2値化信号は、ローパスフィルタ4に出力される。ローパスフィルタ4は以降の処理をサブサンプリングして行えるようにするためのアンチエイリアスフィルタとして作用し、例えば、サブサンプリングクロックがサンプリングクロックの1/32の場合には、簡単な回路構成で済むように、32段のレジスタによる平均処理などが行われるが、場合によってはFIRフィルタなどの高度なフィルタ設計を行っても良い。
ローパスフィルタ4の出力はサブサンプリング部5に出力される。サブサンプリング部5はローパスフィルタ4の出力をサブサンプリングクロックで間引いて、サブサンプリングクロックによる以降のデータ処理が出来るようにする。
サブサンプリング部5の出力はゲイン部6に出力される。ゲイン部6は、比較器1、サンプリング部2、比率変換部3、ローパスフィルタ4、サブサンプリング部5、ゲイン部6、積分器7、閾値DAC8からなる閾値制御ループのループゲインを調整するためのものである。
ゲイン部6の出力は積分器7に出力される。積分器7はローパスフィルタ4とともに、比率変換部3の出力の積算を行っており、比率変換部3の設定が(+1,−1)の場合には、+1と−1の発生頻度が等しくなった時に出力が安定する。+1の発生頻度が多くなれば積分器の出力値は上昇し、−1の発生頻度が多くなれば積分器の出力値は下降することになる。
積分器7の出力は閾値DAC8に出力される。閾値DAC8は積分器7の出力によって駆動されているので、上述の+1と−1の発生頻度が等しくなるという状態は、そのときの閾値による2値化結果のデューティが50%であることを意味する。この閾値を境に、閾値が上昇するとデューティは減少し、閾値が下降するとデューティは増大する。これにより、積分器出力は、閾値が上昇すると下降、閾値が下降すると上昇することになり、積分器7の出力が閾値DAC8に入力されることで、フィードバックシステムは負帰還となるので、デューティ50%の位置は安定であることが判る。
ところで、DVD、CDのRF信号であるEFM(Eight to Fourteen Modulation)信号はDSV(Data Sum Value)がゼロになるように変調されているので、2値化信号の平均デューティが50%となるのは、RF信号の中央レベルを閾値として2値化処理が行われた時ということになる。
このように、比率変換部3の設定を(+1,−1)にした場合には、閾値DAC8の出力は入力されるRF信号の中央レベルで安定するので、積分器7の出力値は入力されたRF信号の平均値を示すことになる。
図2は上述の動作をタイミングチャートにしたもので、紙面の都合から、サブサンプリングクロックの周波数がサンプリングクロックの1/4の周波数になっていること以外は、上述した動作の一例を示している。
なお、サブサンプリングクロックの周波数はサンプリングクロックの周波数の1/32として説明したが、この値は特に決まったものではなく、任意に決めることが出来る。
次に、比率変換部3の設定値が(+15,−1)の場合の動作について説明する。
前記したように、閾値の安定点は積分器7の値が安定するような2値化信号のデューティとなった時である。比率変換部3は2値化信号が”H”の時には+15、”L”の時には−1を出力しているので、”H”が1回に対して”L”が15回発生すれば積分結果はゼロとなって積分器7の出力が安定する。そして、2値化信号のデューティが6.2%(1/16)になる閾値レベルとは、RF信号に対してほとんどピークに近いレベルの閾値が設定された場合である。
以上により、比率変換部3の設定値が(+15,−1)の場合には、積分器7の値はRF信号のピークレベルに近いレベルを示していることになる。また、比率変換部3の設定が(+1,−1)の場合と同じく、このデューティ6.2%の位置は安定である。
図3は図2と同じく、上述の動作をタイミングチャートにしたものである。
以上と同様に、比率変換部3の設定値を(+1,−15)にすればボトム検波を実現することが出来る。
また、比率変換部3の設定値は上記にかかわらず任意に設計することが可能であり、(+1,−7)や(+1,−31)などの設定もあり得る。
このように、本実施の形態1によれば、検波対象である入力信号を2値化し、サンプリングクロックで動作するサンプリング部、比率変換部、ローパスフィルタにより2値化信号をサンプリングし、比率変換し、低域成分を取り出した後、サブサンプリング信号により動作するサブサンプリング部、ゲイン部、積分器により低域成分抽出後の信号をサブサンプリングし、ループゲインを調整し、積分を行うことにより、ピーク検波あるいはボトム検波を行うとともに、この積分結果をDA変換して2値化の際の閾値として用いるようにしたので、集積回路化する際に外付けや集積回路中で面積を占有する部品が含まれるアナログ回路部分を小規模化できるとともに、高速かつ大規模なAD変換器を用いることなく、アナログRF信号から直接デジタル検波出力を得ることが可能となる。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2による光ディスク記録再生装置のブロック図を示す。
光ディスク再生RF信号のように正弦波に近い信号の場合には、デューティ1/16などの設定でほとんどピークレベルに近い検波結果を得ることが出来るが、RF信号自体のデューティが50%ではない場合には、ピークレベルの検波が出来ない。例えば、記録学習のテスト記録再生波形などで、RF信号のデューティが20%などになった場合には、実施の形態1のピーク検波方式ではピークレベルの測定が実行出来ないという問題がある。
本実施の形態2はこの実施の形態1の問題点を解決するために、図1に示す実施の形態1の検波制御部500のサンプリング部2と比率変換部3との間に、エッジ延長部9を追加してなるものである。
このエッジ延長部9は、ピーク検波を行う場合には”H”レベルを延長し、ボトム検波を行う場合には”L”レベルを延長する。また、比率変換部3は(+1,−1)に設定する。
また、検波制御部600は、図1の検波制御部500のサンプリング部2と比率変換部3との間に、上述のように、エッジ延長部9を追加してなるものである。また、601はサンプリングクロックを発生するサンプリングクロック発生部、602はサブサンプリングクロックを発生するサブサンプリングクロック発生部である。
エッジ延長部9の延長量は、検波対象となるRF信号がDVDの再生信号の場合には、マーク中央の間隔の平均値である約10T(1Tはチャンネルクロックの1周期で、チャンネルデータ1ビットの長さに等しい)を基準に、ほぼ2倍の20Tの延長量としても良いし、8T以上の長マークの平均間隔を基準に100T程度にしても良い。
以下に動作について説明する。
非対称度が非常に大きいRF信号が入力されており、閾値はピークレベル付近にあるとすると、2値化信号は10T以上の間隔を置いた短いパルスとなる。
エッジ延長部9は、その間隔を埋め、RF信号のピークレベルが閾値を超えている間は2値化信号が連続して”H”となるように処理が行われる。そして、ピークレベルが閾値を超えていない間は2値化信号は連続して”L”となる。
RF信号のピークレベルは比較的ゆっくりとした周波数で変動しているので、閾値がピークレベルの平均値にある場合には、エッジ延長部9の出力は”H”と”L” との頻度がほぼ等しい信号となる。よって、比率変換部3を(+1,−1)に設定しておくことで、非対称度が非常に大きいRF信号のピークレベルの平均値を測定することが可能となる。
ボトム検波を行う場合はこの逆に、エッジ延長部9は”L”レベルの延長動作を行うことで、”L”側の短いパルスを連続信号に変換してボトムレベルの検出が可能となる。
なお、エッジ延長部9がサンプリング部2の後段に配置される構成であるとして説明を行ったが、2値化信号のパルス幅がきわめて短い場合にはサンプリング部2でサンプリングされない場合が起こり得る。この場合、本来ならば連続すべきエッジ延長部9の出力が断続的になってしまうので、検波結果は本来のレベルよりも低いレベルになってしまうことが考えられる。この現象の対策としては、比較器出力を直接エッジ延長部9に入力し、延長された結果をサンプリング部2でサンプリングするようにすればよい。
なお、この説明では、比率変換部を(+1,−1)に設定し、エッジ延長部の延長量は20Tあるいは100Tに設定した状態を想定していたが、比率変換部を(+15,−1)に設定し、閾値制御が1/15デューティとなるようにした上で、エッジ延長部の延長量を8T以上の長マークの平均間隔の一定値分の一、たとえば100Tの約1/15の7Tとしてもよい。
この場合は、平均100Tの周期中に約1/15の7TのH期間が存在する状態に閾値が制御されるが、それは100Tの間に一回でもH期間が発生すれば満足される状態であり、長マークではRF信号レベルはピークレベルに達することから、閾値はピークレベルにほとんど等しい状態となる。つまり、RF信号のピークレベルがきわめて短い場合であっても、上記同様にピークレベルを検波できることになるうえ、エッジ延長時間が短いため、検波応答が高速になるという利点がある。
このように、本実施の形態2によれば、検波対象である入力信号を2値化し、サンプリングクロックで動作するサンプリング部、エッジ延長部、比率変換部、ローパスフィルタにより2値化信号をサンプリングし、“H”あるいは“L”レベルの期間を延長し、比率変換し、低域成分を取り出した後、サブサンプリング信号により動作するサブサンプリング部、ゲイン部、積分器により低域成分抽出後の信号をサブサンプリングし、ループゲインを調整し、積分を行うことにより、ピーク検波あるいはボトム検波を行うとともに、この積分結果をDA変換して2値化の際の閾値として用いるようにしたので、集積回路化する際に外付けや集積回路中で面積を占有する部品が含まれるアナログ回路部分を小規模化できるとともに、高速かつ大規模なAD変換器を用いることなく、非対称度が非常に大きいアナログRF信号から直接デジタル検波出力を得ることが可能となる。
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3による光ディスク記録再生装置のブロック図である。この実施の形態3は、図1に示す実施の形態1の構成に、クロック源701から供給される主クロックをゲート信号GATEによってオン/オフしてサンプリングクロックを生成するスイッチ11と、このゲート信号GATEを発生するゲート信号発生部702と、サンプリングクロックを分周してサブサンプリングクロックを生成する分周器10とを追加してなるものである。
また、検波制御部700は、この分周器10を図1の検波制御部500に追加したものに相当する。
以下、この実施の形態3による光ディスク記録再生装置の動作を、再生する光ディスクがDVD−RAMである時に、スイッチ11のゲート信号が、そのID領域で有効になるように設定されている場合を例にとって説明する。
この場合、ID領域でのみクロックが有効となるため、ID領域外では検波動作は停止しており、内部状態を含めて全ての変数はホールドされ、ID領域内では上述したような検波動作が行われる結果、ID領域のみを対象とした検波結果を得ることが出来る。
即ち、比較器1に入力されたRF信号は、閾値DAC8によって設定された閾値を用いて比較器1で2値化され、この2値化された信号はサンプリング部2においてサンプリングクロックを用いてサンプリングされる。サンプリング部2によりサンプリングされた2値化信号は、比率変換部3によりデューティの目標値が設定される。
比率変換部3によりデューティの目標値が設定された2値化信号は、ローパスフィルタ4に出力される。ローパスフィルタ4は以降の処理をサブサンプリングして行えるようにするためのアンチエイリアスフィルタとして作用し、その出力はサブサンプリング部5に出力される。サブサンプリング部5はローパスフィルタ4の出力をサブサンプリングクロックで間引いて、サブサンプリングクロックによる以降のデータ処理が出来るようにする。
サブサンプリング部5の出力はゲイン部6に出力される。ゲイン部6は、比較器1、サンプリング部2、比率変換部3、ローパスフィルタ4、サブサンプリング部5、ゲイン部6、積分器7、閾値DAC8からなる閾値制御ループのループゲインを調整する。
ゲイン部6の出力は積分器7に出力される。積分器7はローパスフィルタ4とともに、比率変換部3の出力の積算を行っており、比率変換部3の設定が(+1,−1)の場合には、+1と−1の発生頻度が等しくなった時に出力が安定する。+1の発生頻度が多くなれば積分器の出力値は上昇し、−1の発生頻度が多くなれば積分器の出力値は下降することになる。
積分器7の出力は閾値DAC8に出力される。閾値DAC8は積分器7の出力によって駆動されているので、上述の+1と−1の発生頻度が等しくなるという状態は、そのときの閾値による2値化結果のデューティが50%であることを意味する。この閾値を境に、閾値が上昇するとデューティは減少し、閾値が下降するとデューティは増大する。これにより、積分器出力は、閾値が上昇すると下降、閾値が下降すると上昇することになり、積分器7の出力が閾値DAC8に入力されることで、フィードバックシステムは負帰還となるので、デューティ50%の位置は安定であることが判る。
また、ゲート信号は、光ディスクへの記録中のスペース部、即ち、レーザーパワーがバイアスレベルになっているタイミング、で有効になるようにしても良い。
そして、比率変換部3を(+1,−1)に設定することで、再生時のレーザーパワーに近く、線速度によっても変化の少ないバイアスパワーでのディスク再生信号の平均値を測定することが出来、例えば、光ディスクの内周と外周とで線速度の異なるCAVモードでの記録時のサーボエラー信号検出などに有効である。
また、ゲート信号は、DVD−R、DVD+R、あるいは、CD−Rディスクへの記録中のマーク部の後半で有効になるようにしても良い。
そして、比率変換部3を(+1,−1)に設定することで、DVD−R、DVD+R、あるいは、CD−Rへの記録状態をリアルタイムにモニタする信号の平均値を得ることが出来、OPC(Optimum Power Control)、即ち、微弱レーザを照射し記録面の状態をモニタしながら、レーザーパワーを随時制御して本来のデータの記録を行うことを実現することが出来る。
このように、本実施の形態3によれば、検波対象である入力信号を2値化し、クロック源から供給される主クロックをスイッチによりオン/オフしてサンプリングクロックを生成するとともに、分周器によりサンプリングクロックを分周してサブサンプリングクロックを生成し、サンプリングクロックで動作するサンプリング部、比率変換部、ローパスフィルタにより2値化信号をサンプリングし、比率変換し、低域成分を取り出した後、サブサンプリング信号により動作するサブサンプリング部、ゲイン部、積分器により低域成分抽出後の信号をサブサンプリングし、ループゲインを調整し、積分を行うことにより、ピーク検波あるいはボトム検波を行うとともに、この積分結果をDA変換して2値化の際の閾値として用いるようにしたので、集積回路化する際に外付けや集積回路中で面積を占有する部品が含まれるアナログ回路部分を小規模化できるとともに、高速かつ大規模なAD変換器を用いることなく、アナログRF信号中のID領域のみに該当する信号から直接デジタル検波出力を得ることが可能となる。
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4による光ディスク記録再生装置のブロック図である。この実施の形態4は、内周側RF信号と外周側RF信号に対して、一組の比較器と閾値DACを時分割共用することで、検波動作を行うようにしたものである。
図6において、21は光ディスクからの反射光を受光する4分割された受光素子、22aはディスク内周側の受光素子A,Dによる受光信号の和を取って内周側RF信号を出力する加算器、22bはディスク外周側の受光素子B,Cによる受光信号の和を取って外周側RF信号を出力する加算器、26は第1の選択信号SEL1により加算器22aからの内周側RF信号と加算器22bからの外周側RF信号のいずれかを選択して出力する選択部、23は選択部26の出力と閾値DAC24の出力である閾値とを比較する比較器、24は比較器23の閾値を設定する閾値DAC、27aは第2の選択信号SEL2に応じて比較器23の出力を第1の検波制御部25aあるいは第2の検波制御部25bに分配する分配部、25a,25bは分配部27aにより分配された比較器23の出力を検波する第1,第2の検波制御部、27bは第2の選択信号SEL2に従って第1の検波制御部25aの出力あるいは第2の検波制御部25bの出力を閾値DAC24に送る選択部である。また、28は検波制御部25aの制御信号である第2の選択信号SEL2を反転し検波制御部25bの制御信号として出力するインバータである。
また、第1と第2の検波制御部25aと25bは、ともに図5におけるサンプリング部2と、比率変換部3と、ローパスフィルタ4と、サブサンプリング部5と、ゲイン部6と、積分器7と、分周器10と、スイッチ11とによって構成されており、第1の検波制御部25aのゲート信号GATEは第2の選択信号そのものが、第2の検波制御部25bのゲート信号は第2の選択信号を反転したものが入力されている。
さらに、110は第1の選択信号SEL1を発生する第1の選択信号発生部、111は第2の選択信号SEL2を発生する第2の選択信号発生部、112は検波制御部25a,25bで使用するクロック信号CKを発生するクロック発生部である。
次に動作について説明する。
加算器22aは光ディスクの内周側の受光素子A,Dの出力の和である内周側RF信号を出力し、加算器22bは光ディスクの外周側の受光素子B,Cの出力の和である外周側RF信号を出力する。第1の選択信号SEL1が”H”の時には、選択部26は加算器22aの出力である内周側RF信号を選択して出力し、逆に”L”の時には加算器22bの出力である外周側RF信号を選択する。
第2の選択信号SEL2が”H”の時には、分配部27aは比較器23の2値化出力を第1の検波制御部25aに送り、第1の検波制御部25aはゲート信号GATEが有効になることで検波動作を行い、その出力は選択部27bによって閾値DAC24に送られる。第2の選択信号が”L”の時には、逆に、第2の検波制御部25bが検波動作を行い、その出力は選択部27bによって閾値DAC24に送られる。
例えば、第1の選択信号SEL1と第2の選択信号SEL2が、共に”H”の状態と共に”L”の状態を周期的に繰り返した場合、第1及び第2の選択信号が共に”H”の場合には、内周側RF信号が第1の検波制御部25aによって検波され、第1及び第2の選択信号が共に”L”の場合には、外周側RF信号が第2の検波制御部25bによって検波されることになる。このため、選択信号SEL1およびSEL2の切換周期を十分短くすることにより、比較器23と閾値DAC24との一組によって、擬似的に同時に、内周側RF信号と外周側RF信号の検波を行うことが出来る。
このように、本実施の形態4によれば、受光素子により得られる内周側RF信号と外周側RF信号とをマルチプレクスして比較器に送り、比較器後段の第1,第2の検波制御部にデマルチプレクスしてそれぞれを検波するとともにその検波結果をマルチプレクスしてDA変換し、比較器の閾値として用いるようにしたので、擬似的に同時に、内周側RF信号と外周側RF信号の検波を行うことが出来る。
(実施の形態5)
図7は本発明の実施の形態5による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図7において、31は光ディスクからの反射光を受光する4分割された受光素子、32は受光素子31の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力の和を取りRF信号を出力する加算器、33aは加算器32からのRF信号が入力される第1の比較器、34aは第1の比較器33aの閾値を設定する第1の閾値DAC、35aは第1の比較器33aの出力をピーク検波するピーク検波制御部、33bは加算器32からのRF信号が入力される第2の比較器、34bは第2の比較器33bの閾値を設定する第2の閾値DAC、35bは第2の比較器33bの出力をボトム検波するボトム検波制御部、36はピーク検波制御部35aの出力とボトム検波制御部35bの出力との差を取って振幅信号を出力する減算器であり、この振幅信号はピーク検波部35aとボトム検波部35bにも制御信号として出力されている。
ピーク検波制御部35aおよびボトム検波制御部35bは、ともに図1におけるサンプリング部2と、比率変換部3と、ローパスフィルタ4と、サブサンプリング部5と、ゲイン部6と、積分器7とによって構成されており、ピーク検波制御部35aの比率変換部の設定は(+15,−1)、ボトム検波制御部35bの比率変換部の設定は(+1,−15)に設定されており、減算器36の出力はピーク検波制御部35aとボトム検波制御部35bのそれぞれのゲイン部に接続されている。
また、120はピーク検波制御部35aおよびボトム検波制御部35bで使用するクロック信号CKを発生するクロック発生部である。
次に動作について説明する。受光素子31の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力は加算器32により加算されてRF信号となり、このRF信号が比較器33aおよび33bにより閾値DAC34aおよび34bが出力する閾値とそれぞれ比較されて2値化され、比較器33aおよび33bの2値化出力がピーク検波器35aおよびボトム検波器35bによりピーク検波およびボトム検波される。また、このピーク検波器35a出力およびボトム検波器35b出力は減算器36により減算されることにより、振幅信号が得られるとともに、この振幅信号がピーク検波器35aおよびボトム検波器35b内部のゲイン部のゲインを制御する。
ところで、比較器と閾値DACを用いて2値化信号のデューティが特定の値になるようにフィードバックをかける場合、閾値の変化から2値化信号のデューティの変化までの伝達ゲインは検波対象となる信号の振幅に依存し、信号振幅が小さいほど伝達ゲインが大きくなる。その結果、光ディスク再生において反射光量が減少するような欠陥があり、一時的に再生RF信号振幅が減少する、あるいはほとんどゼロになるような事態が発生すると、その部分でフィードバックループが発振することが起こりうる。
そこで、RF信号のピーク検波とボトム検波を同時に行っている場合、例えばドロップアウト検出とオフトラック検出を行う場合、には振幅信号を生成してピーク検波制御部とボトム検波制御部のゲイン切換を行うことによって、発振を防止することが出来る。
具体的には、正規のRF信号振幅がある時の振幅信号が1になるように振幅信号を正規化し、ピーク検波制御部35aとボトム検波制御部35bのそれぞれのゲイン部に設定された値に乗じた結果をゲインとして用いることで、振幅信号に比例したフィードバックゲインを設定することが出来る。
なお、乗算器を用いない場合には、振幅信号の値によって数段階のゲインを設定しておき、振幅信号の値によってゲインを切り換えるようにすることも可能である。
このように、本実施の形態5によれば、4分割された受光素子の全ての出力を加算してRF信号を生成し、これをピーク検波およびボトム検波するとともに、そのピーク検波出力とボトム検波出力との差に応じてピーク検波制御部およびボトム検波制御部のゲインの切換えを行うようにしたので、光ディスクに欠陥がある場合でも発振が生じるのを防止することができる。
(実施の形態6)
図8(a)は本発明の実施の形態6による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
この実施の形態6は、図9に示した第1の従来例及び図15で示した第2の従来例のように、ピーク・ボトム検波を行うことにより、TC,TI,BDO,LPOS等の信号が得られるものであるが、アナログ回路を削減しつつ高速なAD変換器を不要とし、しかも検出結果が確率的でなく得られるようにしたものである。
図8(a)において、51は光ディスクからの反射光を受光する4分割された受光素子、52は増幅器であり、受光素子51の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力信号をIV変換する4つのIV変換アンプを有する。53は受光素子51の内周側受光素子A,Dの検出信号の和を取る加算器、54は受光素子51の外周側受光素子B、Cの検出信号の和を取る加算器、55は加算器53の出力信号のダイナミックレンジを適切に調整して内周側RF信号として出力する増幅器、56は加算器54の出力信号のダイナミックレンジを適切に調整して外周側RF信号として出力する増幅器、57は内周側RF信号と外周側RF信号の和を取って加算RF信号として出力する加算器、58はDVD−RAM再生時の加算RF信号中のID領域の信号のダイナミックレンジを適切に調整してIDRF信号として出力する増幅器、59は第1の選択信号S1により内周側RF信号とIDRF信号のいずれかを選択して出力する選択部、60は第1の選択信号S1により外周側RF信号とIDRF信号のいずれかを選択して出力する選択部である。
また、61は選択部59の出力を受ける比較器、65は第2の選択信号S2によって比較器61の2値化出力をVFO1ピーク検波制御部69かVFO3ピーク検波制御部70かLPOSp検波制御部71かのいずれかに分配する分配部、69は第1のサンプリングクロックCK1によって動作し、分配部65の出力をピーク検波するVFO1ピーク検波制御部、70は第2のサンプリングクロックCK2によって動作し、分配部65の出力をピーク検波するVFO3ピーク検波制御部、71は第3のサンプリングクロックCK3によって動作し、分配部65の出力を検波するLPOSp検波制御部、66は第2の選択信号S2によってVFO1ピーク検波制御部69の出力かVFO3ピーク検波制御部70の出力かLPOSp検波制御部71の出力かのいずれかを選択して閾値DAC62に出力する選択部、62は選択部66の出力をDA変換して比較器61の閾値を設定する閾値DACである。
また、63は選択部60の出力を受ける比較器、67は第2の選択信号S2によって比較器63の2値化出力をVFO1ボトム検波制御部72かVFO3ボトム検波制御部73かLPOSn検波制御部74かのいずれかに分配する分配部、72は第1のサンプリングクロックCK1によって動作し、分配部67の出力をボトム検波するVFO1ボトム検波制御部、73は第2のサンプリングクロックCK2によって動作し、分配部67の出力をボトム検波するVFO3ボトム検波制御部、74は第3のサンプリングクロックによって動作し、分配部67の出力を検波するLPOSn検波制御部、68は第2の選択信号S2によってVFO1ボトム検波制御部72の出力かVFO3ボトム検波制御部73の出力かLPOSn検波制御部74の出力かのいずれかを選択して閾値DAC64に出力する選択部、64は選択部68の出力をDA変換して比較器63の閾値を設定する閾値DACである。
また、75はVFO1ピーク検波制御部69の出力とVFO3ピーク検波制御部70の出力とVFO1ボトム検波制御部72の出力とVFO3ボトム検波制御部73の出力とから、トラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)とを生成するTCTI生成部、76はLPOSp検波制御部71の出力とLPOSn検波制御部74の出力との差を取ってレンズ位置信号(LPOS)を生成する減算器である。
また、77は加算器57からの加算RF信号を受ける比較器、81は比較器77の2値化信号を受けてピーク検波を行うピーク検波制御部、78はピーク検波制御部81の出力をDA変換し比較器77の閾値を設定する閾値DAC、79は加算器57からの加算RF信号を受ける比較器、82は比較器79の2値化信号を受けてボトム検波を行うボトム検波制御部、80はボトム検波制御部82の出力をDA変換し比較器79の閾値を設定する閾値DAC、84はピーク検波制御部81の出力を受けてBDO信号を出力する比較器、85は比較器84の閾値を設定する閾値設定部、86はボトム検波制御部82の出力を受けてOFTR信号を出力する比較器、87は比較器86の閾値を設定する閾値設定部、83はピーク検波制御部81の出力とボトム検波制御部82の出力との差を取ってRF振幅信号を出力する減算器、である。
140は第1の選択信号S1を発生する第1の選択信号発生部であり、第1の選択信号S1は、DVD−RAM再生時のID領域でIDRF信号を選択するように動作し、それ以外の時は、選択部59と60がそれぞれ内周側RF信号と外周側RF信号を選択するように動作している。また、141は第2の選択信号S2を発生する第2の選択信号発生部である。
また、143は第1のサンプリングクロックCK1を発生する第1のサンプリングクロック発生部であり、第1のサンプリングクロックCK1はDVD−RAM再生時のVFO1の領域で有効になる。144は第2のサンプリングクロックCK2を発生する第2のサンプリングクロック発生部であり、第2のサンプリングクロックCK2は同じくDVD−RAM再生時のVFO3の領域で有効になる。また、145は第3のサンプリングクロックCK3を発生する第3のサンプリングクロック発生部であり、第3のサンプリングクロックCK3は光ディスク記録再生装置のシーク動作時に有効になる。第1ないし第3のサンプリングクロックの周波数は、再生RF信号のビットレートにほぼ等しい周波数である。
また、142は第4のサンプリングクロックCK0を発生する第4のサンプリングクロック発生部であり、このサンプリングクロックCK0は、再生RF信号のビットレートにほぼ等しい周波数の連続したクロックが供給され、ピーク検波制御部81とボトム検波制御部82で使用される。
次に動作について説明する。光ディスクからの反射光は受光素子51により光電変換され、4分割された受光素子A,B,C,Dからの受光信号が、増幅器52によりIV変換され、加算器53により内周側の受光素子A,Dの出力信号を増幅した信号の和信号が得られる。また、加算器54により外周側の受光素子B,Cの出力信号を増幅した信号の和信号が得られる。加算器53の出力信号は増幅器55によりそのダイナミックレンジが適切なものとなるように調整され内周側RF信号として出力される。また、加算器54の出力信号は増幅器56によりそのダイナミックレンジが適切なものとなるように調整され外周側RF信号として出力される。これら内周側RF信号と外周側RF信号とは加算器57により加算されて加算RF信号となり、増幅器58によりダイナミックレンジが適切に調整されてIDRF信号として出力される。選択部59および60は第1の選択信号S1に応じて選択動作が行われ、選択部59により、DVD−RAM再生時のID領域で増幅器58からのIDRF信号が、それ以外の時は増幅器55からの内周側RF信号が、それぞれ選択される。また、選択部60により、DVD−RAM再生時のID領域で増幅器58からのIDRF信号が、それ以外の時は増幅器56からの外周側RF信号が、それぞれ選択される。
選択部59,60の出力信号は比較器61,63によりその閾値となるDAC62,64の出力信号と比較され、2値化が行われる。分配部65および67は第2の選択信号S2に応じて選択動作が行われ、比較器61の出力信号は、DVD−RAM再生時のVFO1の領域ではVFO1ピーク検波制御部69に、DVD−RAM再生時のVFO3の領域ではVFO3ピーク検波制御部70に、光ディスク記録再生装置のシーク動作時にはLPOSp検波制御部71に分配され、VFO1ピーク検波制御部69,VFO3ピーク検波制御部70によりピーク検波が、LPOSp検波制御部71によりLPOSp検波が行われる。また、比較器63の出力信号は、DVD−RAM再生時のVFO1の領域ではVFO1ボトム検波制御部72に、DVD−RAM再生時のVFO3の領域ではVFO3ボトム検波制御部73に、光ディスク記録再生装置のシーク動作時にはLPOSn検波制御部74に分配され、VFO1ボトム検波制御部72,VFO3ボトム検波制御部73によりボトム検波が、LPOSn検波制御部74によりLPOSn検波が行われる。
TCTI生成部75により、これらの検波出力中の、VFO1ピーク検波制御部69からのピーク検波出力,VFO3ピーク検波制御部70からのピーク検波出力,VFO1ボトム検波制御部72からのボトム検波出力,VFO3ボトム検波制御部73からのボトム検波出力を用いて、TC信号およびTI信号が生成される。また、減算器76によりLPOSp検波制御部71の出力信号とLPOSn検波制御部74の出力信号との差が取られてLPOS信号が生成される。
また、VFO1ピーク検波制御部69の出力,VFO3ピーク検波制御部70の出力,LPOSp検波制御部71の出力は選択器66により第2の選択信号S2に応じて選択され、DAC62に出力され、DAC62により比較器61の閾値となる。
また、VFO1ボトム検波制御部72の出力,VFO3ボトム検波制御部73の出力,LPOSn検波制御部74の出力は選択器68により第2の選択信号S2に応じて選択され、DAC64に出力され、DAC64により比較器63の閾値となる。
また、加算器57の出力信号は比較器77,79によりDAC78,80から出力される閾値と比較されて2値化され、比較器77の出力信号はピーク検波制御部81によりピーク検波がなされRFピーク信号が得られる。また、比較器79の出力信号はボトム検波制御部82によりボトム検波がなされRFボトム信号が得られる。また、ピーク検波制御部81の出力信号はDAC78によりアナログ信号に変換され、比較器77の閾値として使用される。同様に、ボトム検波制御部82の出力信号はDAC80によりアナログ信号に変換され、比較器79の閾値として使用される。
ピーク検波制御部81の出力信号は閾値設定部85に設定された閾値と比較器84により比較され、その比較結果としてBDO信号が得られる。また、ボトム検波制御部82の出力信号は閾値設定部87に設定された閾値と比較器86により比較され、その比較結果としてOFTR信号が得られる。
さらに、減算器83により、ピーク検波制御部81の出力信号とボトム検波制御部82の出力信号との差が取られ、その差としてRF振幅信号が得られる。
これらの動作により、DVD−RAMの記録再生時のCAPA領域でVFO1とVFO3のピークエンベロープとボトムエンベロープの測定を行い、その結果からトラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)を検出し、また、シーク中には内周側RF信号と外周側RF信号のピークエンベロープの測定を行い、その差を取ってレンズ位置信号(LPOS)を得ることが出来る。また、加算RF信号のピークエンベロープとボトムエンベロープの測定を行い、その変化を2値化してBDO信号とOFTR信号を得ることが出来る。
なお、本実施の形態6では、光ディスク記録再生装置の動作モードとして、DVD−RAM以外の再生中、DVD−RAMのデータ領域の記録再生中など、検波動作が行われないタイミングが存在するが、それらのタイミングでさらに処理を追加しても良い。例えば、内周側RF信号と外周側RF信号の振幅とオフセットを測定し、それらを一定にするためのAGC処理なども、比較器と閾値DACの追加無しで実現することが出来る。
また、実施の形態6では、クロックのON/OFFにより、各制御部69〜73,81,82の動作を切り替えるようにしたが、この切り替えはクロックでなくてもよく、図8(b)に示すように、制御信号によりその動作を切り替えるようにしてもよい。
即ち、図8(b)に示されるように、VFO1ピーク検波制御部69およびVFO1ボトム検波制御部72は第1の制御信号CL1により動作し、VFO3ピーク検波制御部70およびVFO3ボトム検波制御部73は第2の制御信号CL2により動作し、LPOSp検波制御部71およびLPOSn検波制御部74は第3の制御信号CL3により動作する。
147は第1の制御信号CL1を発生する第1の制御信号発生部、148は第2の制御信号CL2を発生する第2の制御信号発生部、149は第3の制御信号CL3を発生する第3の制御信号発生部である。
さらに、実施の形態1ないし6では、光ディスク記録再生装置に適用するものとしたが、いずれも光ディスク再生装置に適用してもよい。
また、実施の形態1ないし6では、クロックや選択信号、制御信号、ゲート信号を信号毎に別々の回路により発生するようにしたが、これらを1つの回路により発生するようにしてもよい。
このように、本実施の形態6によれば、2組の比較器と閾値DACを用いて6種類の検波結果を得て、TCTI信号とLPOS信号の検出を行うことが出来、しかも、光ディスク記録再生装置の動作モードに応じて検出信号を切り換えることで、それぞれの信号検出を、相互干渉無しに、完全に独立して行うことが出来る。これは、それぞれの検波制御部をデジタル回路で構成し、検波回路動作を停止している間は完全に直前の状態をホールドし、検波回路を動作させれば、あたかも停止期間が存在しなかったかのように動作するという機能を実現できたことによる効果である。
以上のように、本発明の光ディスク記録再生装置は、特にアナログ回路を簡易な構成とすることができるため、微細プロセスによるチップサイズ削減等に有効であり、さらに、耐ノイズ性、追従性などのチューニングを容易に行うことが出来るため、光ディスク記録再生装置の合理化を進める技術としても有効である。
本発明は、光ディスク記録再生装置の改良を図ったものに関する。
近年、光ディスク記録再生装置のコストダウン要望は強いものがあり、使用されるLSIなどの電子部品に対するコストダウン要求もきわめて強くなってきている。この要求に対応するため、LSIの集積度を上げて部品点数を削減する技術開発が行われており、特に、高集積化を推進するうえでの障害となるアナログ回路の削減が求められている。
以下、従来の光ディスク記録再生装置のRF信号検波部について説明する。
図9に、従来の光ディスク記録再生装置におけるアナログ処理によるRF信号検波部のブロック図を示す。
図9において、101は光ディスクに形成されたトラックの接線方向及び半径方向に4分割された受光素子、102は増幅器であり、受光素子101の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力信号をIV(電流電圧)変換する4つのIV変換アンプを有する。103aは増幅器102の4つの出力を加算し、その合計であるRF信号を生成する加算器、104aは加算器103aから出力されたRF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、105aは増幅器104aにより増幅されたRF信号のピークレベルとボトムレベルを検波してRFピーク信号とRFボトム信号を生成するピーク・ボトム検波器、106aはピーク・ボトム検波器105aにより生成されたRFピーク信号を適切な閾値で2値化してドロップアウト信号(BDO)を生成する2値化器、106bはピーク・ボトム検波器105aにより生成されたRFボトム信号を適切な閾値で2値化してオフトラック信号(OFTR)を生成する2値化器である。
また、104bは加算器103aから出力されたRF信号の中のID領域に該当する区間のRF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、105bは増幅器104bの出力におけるID領域の前半のVFO1の区間で有効になるゲート信号1(gate1)のタイミングで増幅器104bの出力に対するピーク検波及びボトム検波を行ってVFO1ピーク信号とVFO1ボトム信号とを生成するピーク・ボトム検波器、105cは増幅器104bの出力におけるID領域の後半のVFO3の区間で有効になるゲート信号2(gate2)のタイミングで増幅器104bの出力に対するピーク検波及びボトム検波を行ってVFO3ピーク信号とVFO3ボトム信号とを生成するピーク・ボトム検波器、106cはピーク・ボトム検波器105bから出力されたVFO1ピーク信号、VFO1ボトム信号、及び、ピーク・ボトム検波器105cから出力されたVFO3ピーク信号、VFO3ボトム信号から、トラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)とを生成するTCTI信号生成器である。
さらに、103bは受光素子101のうち光ディスクの内周側の2つの受光素子AとDの出力信号を増幅した信号の和を取り内周側RF信号を生成する加算器、103cは受光素子101のうち光ディスクの外周側の2つの受光素子BとCの出力信号を増幅した信号の和を取り外周側RF信号を生成する加算器、104cは加算器103bの出力RF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、104dは加算器103cの出力RF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、105cは増幅器104cが出力する内周側RF信号のピーク検波を行って内周側ピーク信号を生成するピーク検波器、105dは増幅器104dが出力する外周側RF信号のピーク検波を行って外周側ピーク信号を生成するピーク検波器、106dはこれらピーク検波器105cと105dとにより生成された内周側ピーク信号と外周側ピーク信号との差を取りレンズ位置信号(LPOS)を生成する減算器である。
そして、107はピーク・ボトム検波器105aからのRFピーク信号とRFボトム信号、TCTI信号生成器106cからのトラックセンター信号TCとチルト信号TI、減算器106dからのレンズ位置信号LPOSを入力とし、これらのうちのいずれか一つを選択するマルチプレクサ、108はマルチプレクサ107により選択された信号をデジタル信号に変換するAD変換器である。
図10は、BDO信号及びOFTR信号を検出する動作を説明する波形図で、各信号名は上記図9における信号名と同一である。
光ディスクの表面あるいは光ディスクの基材中にあって入射光や反射光を遮る欠陥はドロップアウトと呼ばれており、RF信号のピークレベルの変化により、その検出が可能である。従って、図9の増幅器104aにより一定の振幅とオフセットとなるように調整されたRF信号のピーク検波をピーク・ボトム検波器105aで行うと、図10に示されるRFピーク信号の波形が得られ、これを適切な閾値で2値化するとBDO信号が得られる。
また、ピックアップのジャンプ動作などにより入射光がトラック間を移動する場合、トラックとトラックとの中点では最大反射光量は変化しないがRF信号振幅が低下するため、RF信号のボトムレベルの変化をとらえることでトラック中間点を検出することが出来る。従って、増幅器104aにより一定の振幅とオフセットとなるように調整されたRF信号のボトム検波をピーク・ボトム検波器105aで行えば、図10に示されるRFボトム信号の波形が得られ、これを適切な閾値で2値化することでOFTR信号が得られる。
図11はTC及びTI信号を検出する動作を説明する波形図で、ひとつのID領域を拡大して表示している。各信号名は上記の図9における信号名と同一であり、TC及びTI信号については、これらを生成する演算式(VFO1p−VFO1b)−(VFO3p−VFO3b),(VFO1b−VFO3b)をその信号名TC,TIの下側に記載している。なお、図11中に示すように、VFO1pはVFO1ピーク信号、VFO1bはVFO1ボトム信号、VFO3pはVFO3ピーク信号、VFO3bはVFO3ボトム信号である。
光ディスク、特にDVD−RAMの再生において、RF信号中のID領域は図11に示されるように記録領域に対して正のオフセットを持っているため、図9の増幅器104bによってID領域のRF信号がダイナミックレンジの中で最適なレンジになるようにオフセットとゲインが調整され、ピーク・ボトム検波器105bとピーク・ボトム検波器105cに入力される。
ID領域は前半のID1/2と後半のID3/4とに分かれており、図11に示されるように、ID1/2期間中のVFO1領域でゲート信号1が有効になり、ID3/4期間中のVFO3領域でゲート信号2が有効となる。
ゲート信号1が有効になっている間にピーク・ボトム検波器105bが動作してVFO1ピーク信号とVFO1ボトム信号を更新し、ゲート信号2が有効になっている間にピーク・ボトム検波器105cが動作してVFO3ピーク信号とVFO3ボトム信号を更新する。それぞれのゲート信号が無効である間は、VFO1ピーク信号、VFO1ボトム信号、VFO3ピーク信号、VFO3ボトム信号はホールドされる。
図9のTCTI信号生成器106cは、VFO1ピーク信号(VFO1p)、VFO1ボトム信号(VFO1b)、VFO3ピーク信号(VFO3p)、VFO3ボトム信号(VFO3b)の4つの信号から、TC=(VFO1p−VFO1b)−(VFO3p−VFO3b)、TI=VFO1b−VFO3bの演算を行うことにより、トラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)とを生成して出力する。
図12はレンズ位置信号(LPOS)の検出動作を説明する波形図で、各信号名は上記の図9における信号名と同一である。
レンズ位置信号(LPOS)は、長距離シークを行う際に半径方向のレンズ位置を固定するための検出信号で、光ディスク上のミラー部の反射光によるプッシュプル信号がレンズ位置を示すことにより検出が行われる。ミラー部の反射光の検出はRF信号のピーク検波を行うことで検出することが出来る。
図9の加算器103bおよび加算器103cによって生成された内周側RF信号および外周側RF信号は、増幅器104cおよび増幅器104dによってダイナミックレンジが調整され、ピーク検波器105cおよびピーク検波器105dによってそれぞれのピーク検波信号である内周側ピーク信号および外周側ピーク信号が生成され、それらの差を減算器106dにより取ることによってレンズ位置信号(LPOS)が生成される。
図13は図9のRF信号検波部において、アナログ回路によりピーク・ボトム検波を行うピーク・ボトム検波器105aに用いられる代表的な回路構成を示す回路図である。
図13において、121はベースにRF信号が入力されるエミッタフォロワ形のNPNトランジスタ、122はNPNトランジスタ121のエミッタ電流によって充電されるコンデンサ、123はコンデンサ122の電荷をゆっくりと放電する電流源であり、これらNPNトランジスタ121、コンデンサ122、電流源123によってピーク検波器が構成されている。
また、124はベースにNPNトランジスタ121に入力されるのと同じRF信号が入力されるエミッタフォロワ形のPNPトランジスタ、125はPNPトランジスタ124のエミッタ電流によって充電されるコンデンサ、126はコンデンサ125の電荷をゆっくりと放電する電流源であり、これらPNPトランジスタ124、コンデンサ125、電流源126によってボトム検波器が構成されている。
このピーク検波器およびボトム検波器のそれぞれの検波動作を、ピーク検波器を例にとって説明する。
NPNトランジスタ121のベース端子にRF信号が入力されると、ベース電圧が(コンデンサ122の端子電圧)+Vbe(Vbeはトランジスタ121のベース・エミッタ間電圧)以上の電圧になった時のみベース電流が流れ、トランジスタの電流増幅作用によってそのhfe倍のエミッタ電流が発生してコンデンサ122に急速に電荷を充電する。これにより、コンデンサ122の端子電圧はRF信号の最大電圧からVbeだけ低い電圧に充電され、それ以上になることはないので、ピーク検波が行われたことになる。また、RF信号のピーク電圧の変動に追従する必要があり、ピーク電圧が上昇してゆく場合は上記の動作によってコンデンサ122の電位が上昇して追従することが出来るが、ピーク電圧が下降する場合には電流源123によるコンデンサ122の電荷放電によって追従することになる。ボトム検波器はその電圧の向きが逆になるのみで、動作はピーク検波器と同様である。
この回路をLSI化する際に、コンデンサ122とコンデンサ125とは外付けされる場合が多く、LSIに内蔵される場合でも、コンデンサのみでLSI内の比較的大きな面積を占有することが多い。
また、図14は図9のRF信号検波部において、アナログ回路によりBDO信号を2値化する2値化器106aに用いられる代表的な回路構成を示す回路図である。
この図14において、131、132、133は図13の検波回路におけるNPNトランジスタ121、コンデンサ122、電流源123と同様の構成を有するNPNトランジスタ、コンデンサ、電流源であり、ピーク・ボトム検波器105aにより一旦ピーク検波された検波信号に対してさらに低速の放電速度を持ったピーク検波を行うことにより、ドロップアウトによるピークレベルの変動に追従しない、安定なピークレベル信号を生成する。また、134は加算器で、前記ピークレベルから一定レベルだけ低い位置に閾値が設定され、この閾値をピークレベル信号に加算する。135は検波信号と加算器134の出力信号とを比較することにより、閾値を用いて検波信号を2値化するコンパレータである。OFTR信号の2値化を行う回路についてはその極性が反転するのみで、検出原理はBDO信号を2値化するのと同一であるので、同様の構成の回路となる。
この回路がLSI化される際に、コンデンサ132は容量が大きいため、基本的には外付けとなる。
また、第2の従来例として、図15は従来の光ディスク記録再生装置をデジタル化したRF信号検波部を示すブロック図である。
図15において、151はトラック接線方向及び半径方向に4分割された受光素子、152は増幅器であり、受光素子151の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力信号をIV変換する4つのIV変換アンプを有する。153aは受光素子151のうち内周側の2つの受光素子AとDの出力信号を増幅した信号の和を取り内周側RF信号を生成する加算器、153bは受光素子151のうち外周側の2つの受光素子BとCの出力信号を増幅した信号の和を取り外周側RF信号を生成する加算器、154aと154bは加算器153aと153bの出力RF信号のダイナミックレンジを調整する増幅器、155aと155bは増幅器154aと154bの出力RF信号をAD変換するADコンバータであり、156はADコンバータ155a及び155bの変換結果の和を取って加算RF信号を得る加算器である。
また、157aと157bは加算器156から出力される加算RF信号のピーク検波とボトム検波を行ってRFピーク信号とRFボトム信号を生成するピーク検波器とボトム検波器であり、160aと160bはこれらピーク検波器157aとボトム検波器157bにより検出されたRFピーク信号とRFボトム信号をそれぞれに適切な閾値を用いて2値化してBDO信号とOFTR信号を生成する2値化器である。
また、158aと158bは加算器156から出力される加算RF信号からVFO1タイミング信号によってVFO1のピーク信号とボトム信号を生成するピーク検波器とボトム検波器、158cと158dは加算器156から出力される加算RF信号からVFO3タイミング信号によってVFO3のピーク信号とボトム信号を生成するピーク検波器とボトム検波器であり、161はピーク検波器158a、ボトム検波器158b、ピーク検波器158c、ボトム検波器158dにより生成されたVFO1ピーク信号、VFO1ボトム信号、VFO3ピーク信号、VFO3ボトム信号からトラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)とを生成するTCTI信号生成器である。
また、159a、159bはADコンバータ155a,155bによるAD変換後の内周側RF信号と外周側RF信号のピーク検波を行うピーク検波器、162はピーク検波器159a、159bの出力の差を取る減算器であり、これらは、図9に示す第1の従来例と同じくレンズ位置信号(LPOS)の生成を行っている。
上記のピーク検波器の構成について、最も一般的に用いられるのは、AD変換されたRF信号とレジスタの値とを比較し、RF信号の値が大きければその値でレジスタの内容を置き換え、RF信号の値が小さければレジスタの値から一定値を減算した値でレジスタのデータを更新するという構成であり、その比較器が図13のNPNトランジスタ121に、レジスタがコンデンサ122に、減算する一定値が電流源123の定電流に、それぞれ相当する。
この図15に示す第2の従来例の構成において、RF信号のピーク検波を行うために通常はRF信号帯域の2倍以上の変換速度を持つAD変換器が必要であるが、回路規模を削減するために、AD変換器の変換速度を低速にして、RF信号が疑似ランダム信号であることを利用し、何回かAD変換した値のうちの一部がピークレベルあるいはボトムレベルであるという、確率的な検出を行うものもある(例えば、特許文献1を参照。)この場合、高速なAD変換器を用いる必要はない。
特開2001−167440号公報
このように、図9に示す第1の従来例においては、ほとんど全ての回路がアナログ回路で構成されるために、高精細プロセスを用いてチップサイズを小さくしようとしても、アナログ回路のサイズはプロセスルールに比例して小さくならないために、チップサイズが小さくならない、という課題があった。また、検波器と2値化器に含まれるコンデンサが外付けとなって端子数が増加するという課題があった。
また、図15に示す第2の従来例においては、AD変換後のデータを用いてRF信号のピーク・ボトム検波を行う必要があるため、AD変換器の変換速度は少なくともRF信号帯域の2倍、出来れば4倍は必要であるため高速AD変換器が必要となり、しかも高速AD変換器が2個必要となるので回路規模が大きくなるという課題があり、ID領域も含めたダイナミックレンジと、トラックセンター信号やウォブル信号の検出精度を考慮すると、高速AD変換器として現実的な8ビット精度のものでは、変換精度が不足であり、AD変換器のビット精度向上、および、AD変換器の追加が必要になり、AD変換器の回路規模がさらに増大するという課題があった。
また、AD変換器の変換速度を低速にした場合には、ピークレベルを正確に取得するためのRF帯域以上に高速なサンプルホールド回路が必要であり、また確率的なピーク検出しか行えないために応答速度が低下するという課題があった。
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためになされたものであり、アナログ回路で行われる処理を削減しデジタル回路による処理に置き換えることでアナログ回路規模を縮小し、さらに、高速AD変換器を使わないことでアナログ回路規模の増大を抑えて高集積プロセスを用いた場合のチップサイズを縮小し、また、性能面では、ホールド性能の向上と、追従性能の確保を実現することが可能な光ディスク記録再生装置を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る光ディスク記録再生装置は、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値発生用のデジタルアナログ変換器(以下、閾値DACと称す)と、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1記載の光ディスク記録再生装置において、前記検波制御部は、前記サンプリング部と前記比率変換部との間に、該サンプリング部の出力のH期間、あるいは、L期間をほぼ一定時間延長するエッジ延長部をさらに有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1記載の光ディスク記録再生装置において、前記検波制御部は、前記サンプリング部の前段に、前記比較器の出力のH期間、あるいは、L期間をほぼ一定時間延長するエッジ延長部をさらに有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に係る光ディスク記録再生装置は、請求項2または請求項3記載の光ディスク記録再生装置において、前記エッジ延長部は、前記比較器の出力のH期間、あるいは、L期間が一定時間以下にならないようにすることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に係る光ディスク記録再生装置は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記延長時間は、入力信号のピークレベル、あるいは、ボトムレベルの最大出現周期、あるいは平均出現周期にほぼ等しいことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に係る光ディスク記録再生装置は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記延長期間は、入力信号のピークレベル、あるいは、ボトムレベルの最大出現周期、あるいは平均出現周期に対して一定値分の一であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項7に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1に記載の光ディスク記録再生装置において、前記サンプリングクロックは検波期間のみ有効となるように制御されており、前記サブサンプリングクロックはサンプリングクロックを分周することによって生成されることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項8に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記比率変換部は、入力論理値の”H/L”に対応して、”+1/−1”あるいは”+N/−1”、”+1/−N”を出力する(但し、Nは正の整数)ことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項9に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記比率変換部は、入力論理値の”H/L”に対応して、”+P/−Q”を出力する(但し、PおよびQは正の整数)ことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項10に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記ローパスフィルタは、サブサンプリングクロックの周波数の1/2以下のカットオフ周波数を持つことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項11に係る光ディスク記録再生装置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記サブサンプリングクロックは前記サンプリングクロックの整数倍の周期を持ち、前記ローパスフィルタは、サブサンプリングクロックとサンプリングクロックの周期の比に等しい数のサンプリングデータの移動和あるいは移動平均を演算することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項12に係る光ディスク記録再生装置は、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する単独あるいは複数の受光素子と、それぞれの受光素子の出力からRF信号を生成する信号生成部と、RF信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACに閾値信号を出力すると共に検波信号を生成する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有し、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数のサンプリングクロックが供給されることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項13に係る光ディスク記録再生装置は、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する複数の受光素子と、複数の受光素子の出力から複数のRF信号を生成する複数の信号生成部と、複数のRF信号が入力されその内の一つを第1の選択信号に従って選択して出力する第1の選択部と、該第1の選択部から出力される信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、複数の検波信号を生成する複数の検波制御部と、第2の選択信号によって選択された複数の検波制御部の内の一つに比較器の比較結果を入力する分配部と、前記複数の検波制御部の閾値信号出力を第2の選択信号によって選択し閾値DACに出力する第2の選択部とを備え、前記複数の検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに供給される複数のサンプリングクロックによって動作しており、それぞれのサンプリングクロックは、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数を持ち、第2の選択信号によって対応する検波制御部が選択された時のみ有効となることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項14に係る光ディスク記録再生装置は、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する単独あるいは複数の受光素子と、それぞれの受光素子の出力からRF信号を生成する信号生成部と、前記RF信号が入力される第1の比較器と、該第1の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第1の閾値DACと、前記第1の比較器の出力を受け前記第1の閾値DACに閾値信号を出力すると共にピーク検波信号を生成するピーク検波制御部と、前記RF信号が入力される第2の比較器と、該第2の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第2の閾値DACと、該第2の比較器の出力を受けて第2の閾値DACに閾値信号を出力すると共にボトム検波信号を生成するボトム検波制御部とを備え、前記ピーク検波制御部および前記ボトム検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数のサンプリングクロックが供給されることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項15に係る光ディスク記録再生装置は、請求項14に記載の光ディスク記録再生装置において、前記ピーク検波制御部の出力と前記ボトム検波制御部の出力との差を取って振幅信号を生成する減算器を備え、前記ピーク検波制御部、及び、前記ボトム検波制御部は前記振幅信号に応じて制御パラメータを切り換えることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項16に係る光ディスク記録再生装置は、請求項15に記載の光ディスク記録再生装置において、前記制御パラメータは、前記検波制御部が前記閾値DACに出力する閾値信号を生成する際の増幅率であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項17に係る光ディスク記録再生装置は、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する複数の受光素子と、該複数の受光素子の出力から複数のRF信号を生成する複数の信号生成部と、前記複数のRF信号が入力されその内の一つを第1の選択信号に従って選択して出力する第1の選択部と、該第1の選択部から出力される信号が入力される第1及び第2の比較器と、該第1及び第2の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第1及び第2の閾値DACと、複数のピーク検波信号を生成する複数のピーク検波制御部と、複数のボトム検波信号を生成する複数のボトム検波制御部と、第2の選択信号によって選択された複数のピーク検波制御部の内の一つに前記第1の比較器の比較結果を入力する第1の分配部と、前記第2の選択信号によって選択された複数のボトム検波制御部の内の一つに第2の比較器の比較結果を入力する第2の分配部と、複数のピーク検波制御部の閾値信号出力を前記第2の選択信号によって選択し第1の閾値DACに入力する第2の選択部と、複数のボトム検波制御部の閾値信号出力を第2の選択信号によって選択し第2の閾値DACに入力する第3の選択部とを備え、前記複数のピーク検波制御部および前記複数のボトム検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに供給される複数のサンプリングクロックによって動作しており、それぞれのサンプリングクロックは、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数を持ち、前記第2の選択信号によって対応するピーク検波制御部及びボトム検波制御部が選択された時のみ有効となることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項18に係る光ディスク記録再生装置は、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項19に係る光ディスク記録再生装置は、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項20に係る光ディスク記録再生装置は、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有することを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る光ディスク記録再生装置によれば、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値発生用のデジタルアナログ変換器(以下、閾値DACと称す)と、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有するように構成したので、検波対象のアナログ信号からその検波結果の信号のデジタル値を直接得ることが出来、比率変換部の設定を変えることにより検波効率を自由に可変することが出来、ローパスフィルタにより検波対象信号のノイズに影響されにくい検波結果を得ることが出来、サブサンプリング手段により以降の処理の動作クロック周波数を低下させて消費電力を低減し、可変設定可能なゲイン手段により検波動作の追従性能を自由に設定することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項2に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1記載の光ディスク記録再生装置において、前記検波制御部は、前記サンプリング部と前記比率変換部との間に、該サンプリング部の出力のH期間、あるいは、L期間をほぼ一定時間延長するエッジ延長部をさらに有するように構成したので、検波対象信号が、対称性が悪く、デューティ比が小さい信号であっても、正確なピークレベルを検波することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項3に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1記載の光ディスク記録再生装置において、前記検波制御部は、前記サンプリング部の前段に、前記比較器の出力のH期間、あるいは、L期間をほぼ一定時間延長するエッジ延長部をさらに有するように構成にしたので、検波対象信号が、対称性が悪く、H期間あるいはL期間がサンプリングクロック周期以下の、デューティ比がきわめて小さい信号であっても確実にサンプリングした上で延長することができ、正確なピークレベルを検波することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項4に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項2あるいは請求項3に記載の構成において、前記エッジ延長手段は、比較手段の出力のH期間あるいはL期間が一定時間以下にならないようにするように構成したことにより、H期間あるいはL期間が短い場合のみエッジ延長を行い、それ以外はエッジ延長が行われないので、検波動作の応答速度を上げることができるという効果が得られる。
また、本発明の請求項5に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記延長時間は、入力信号のピークレベル、あるいは、ボトムレベルの最大出現周期、あるいは平均出現周期にほぼ等しいという構成にしたので、検波対象信号のピーク発生周期のある程度の変動には影響を受けずに、追従性能を確保することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項6に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記延長期間は、入力信号のピークレベル、あるいは、ボトムレベルの最大出現周期、あるいは平均出現周期に対して一定値分の一という構成にしたことにより、エッジ延長時間を短縮して、検波動作の応答速度を上げることができるという効果が得られる。
また、本発明の請求項7に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1に記載の光ディスク記録再生装置において、前記サンプリングクロックは検波期間のみ有効となるように制御されており、前記サブサンプリングクロックはサンプリングクロックを分周することによって生成されるように構成したので、検波処理を時間的に分離することが可能となって、間欠的に発生する信号の検波が出来、コンパレータと閾値DACを時分割で共有することで同時に複数の信号の検波が出来、検波対象信号の特定の部分のみを対象として検波処理を行うことが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項8に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかにおいて、前記比率変換手段は、入力論理値の”H/L”に対応して、”+1/−1”あるいは”+N/−1”、”+1/−N”を出力する(Nは正の整数)という構成にしたので、比較器出力のデューティ比を操作して検波効率を自由に可変することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項9に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかにおいて、前記比率変換部は、入力論理値の”H/L”に対応して、”+P/−Q”を出力する(PおよびQは正の整数)という構成にしたので、比較器出力のデューティ比を操作して検波効率をさらに自由に可変することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項10に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記ローパスフィルタは、サブサンプリングクロックの周波数の1/2以下のカットオフ周波数を持つという構成にしたので、ローパスフィルタがアンチエイリアスフィルタとして働き、後段のサブサンプリング部における折り返しノイズを防止することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項11に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項1、請求項2、請求項3、請求項7のいずれかに記載の光ディスク記録再生装置において、前記ローパスフィルタは、サブサンプリングクロックとサンプリングクロックの周期の比に等しい数のサンプリングデータの移動和あるいは移動平均を演算するという構成にしたので、アンチエイリアスフィルタとしての効果が得られるローパスフィルタを簡易な回路で構成することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項12に係る光ディスク記録再生装置によれば、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する単独あるいは複数の受光素子と、それぞれの受光素子の出力からRF信号を生成する信号生成部と、RF信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACに閾値信号を出力すると共に検波信号を生成する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有し、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数のサンプリングクロックが供給されるように構成したので、アナログのRF信号から検波結果のデジタル値を直接得ることが出来、比率変換部の設定を変えることにより検波効率を自由に可変することが出来、ローパスフィルタにより検波対象信号のノイズに影響されにくい検波結果を得ることが出来、サブサンプリング部により以降の処理の動作クロック周波数を低下させて消費電力を低減し、可変設定可能なゲイン部により検波動作の追従性能を自由に設定することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項13に係る光ディスク記録再生装置によれば、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する複数の受光素子と、複数の受光素子の出力から複数のRF信号を生成する複数の信号生成部と、複数のRF信号が入力されその内の一つを第1の選択信号に従って選択して出力する第1の選択部と、該第1の選択部から出力される信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、複数の検波信号を生成する複数の検波制御部と、第2の選択信号によって選択された複数の検波制御部の内の一つに比較器の比較結果を入力する分配部と、前記複数の検波制御部の閾値信号出力を第2の選択信号によって選択し閾値DACに出力する第2の選択部とを備え、前記複数の検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに供給される複数のサンプリングクロックによって動作しており、それぞれのサンプリングクロックは、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数を持ち、第2の選択信号によって対応する検波制御部が選択された時のみ有効となるように構成したので、1組の比較器と閾値DACによって複数のRF信号の検波を可能とするという効果が得られる。
また、本発明の請求項14に係る光ディスク記録再生装置によれば、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する単独あるいは複数の受光素子と、それぞれの受光素子の出力からRF信号を生成する信号生成部と、前記RF信号が入力される第1の比較器と、該第1の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第1の閾値DACと、前記第1の比較器の出力を受け前記第1の閾値DACに閾値信号を出力すると共にピーク検波信号を生成するピーク検波制御部と、前記RF信号が入力される第2の比較器と、該第2の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第2の閾値DACと、該第2の比較器の出力を受けて第2の閾値DACに閾値信号を出力すると共にボトム検波信号を生成するボトム検波制御部とを備え、前記ピーク検波制御部および前記ボトム検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数のサンプリングクロックが供給されるように構成したので、アナログのRF信号からピーク検波結果及びボトム検波結果のデジタル値を直接得ることが出来、比率変換部の設定を変えることにより検波効率を自由に可変することが出来、ローパスフィルタにより検波対象信号のノイズに影響されにくい検波結果を得ることが出来、サブサンプリング手段により以降の処理の動作クロック周波数を低下させて消費電力を低減し、可変設定可能なゲイン部により検波動作の追従性能を自由に設定することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項15に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項14に記載の光ディスク記録再生装置において、前記ピーク検波制御部の出力と前記ボトム検波制御部の出力との差を取って振幅信号を生成する減算器を備え、前記ピーク検波制御部、及び、前記ボトム検波制御部は前記振幅信号に応じて制御パラメータを切り換えるように構成したので、RF信号の振幅によらずに検波性能が一定するという効果が得られる。
また、本発明の請求項16に係る光ディスク記録再生装置によれば、請求項15に記載の光ディスク記録再生装置において、前記制御パラメータは、前記検波制御手段が前記閾値DACに出力する閾値信号を生成する際の増幅率であるという構成にしたので、RF信号の振幅によらずに追従性能が一定するという効果が得られる。
また、本発明の請求項17に係る光ディスク記録再生装置によれば、光ディスクに入射した光ビームの反射光を受光する複数の受光素子と、該複数の受光素子の出力から複数のRF信号を生成する複数の信号生成部と、前記複数のRF信号が入力されその内の一つを第1の選択信号に従って選択して出力する第1の選択部と、該第1の選択部から出力される信号が入力される第1及び第2の比較器と、該第1及び第2の比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する第1及び第2の閾値DACと、複数のピーク検波信号を生成する複数のピーク検波制御部と、複数のボトム検波信号を生成する複数のボトム検波制御部と、第2の選択信号によって選択された複数のピーク検波制御部の内の一つに前記第1の比較器の比較結果を入力する第1の分配部と、前記第2の選択信号によって選択された複数のボトム検波制御部の内の一つに第2の比較器の比較結果を入力する第2の分配部と、複数のピーク検波制御部の閾値信号出力を前記第2の選択信号によって選択し第1の閾値DACに入力する第2の選択部と、複数のボトム検波制御部の閾値信号出力を第2の選択信号によって選択し第2の閾値DACに入力する第3の選択部とを備え、前記複数のピーク検波制御部および前記複数のボトム検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をサンプリングクロック以下の周波数のサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部と、該サブサンプリング部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とをそれぞれが有し、それぞれに供給される複数のサンプリングクロックによって動作しており、それぞれのサンプリングクロックは、前記RF信号の周波数に対応して設定された周波数を持ち、前記第2の選択信号によって対応するピーク検波制御部及びボトム検波制御部が選択された時のみ有効となるように構成したので、2組の比較器と閾値DACによって複数のRF信号のピーク検波とボトム検波を可能とするという効果が得られる。
また、本発明の請求項18に係る光ディスク記録再生装置によれば、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有するように構成したので、検波対象のアナログ信号からその検波結果の信号のデジタル値を直接得ることが出来、比率変換部の設定を変えることにより検波効率を自由に可変することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項19に係る光ディスク記録再生装置によれば、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有するように構成したので、検波対象のアナログ信号からその検波結果の信号のデジタル値を直接得ることが出来、比率変換部の設定を変えることにより検波効率を自由に可変することが出来、可変設定可能なゲイン手段により検波動作の追従性能を自由に設定することが出来るという効果が得られる。
また、本発明の請求項20に係る光ディスク記録再生装置によれば、検波対象となる信号が入力される比較器と、該比較器が比較動作時に閾値として使用する信号を発生する閾値DACと、前記比較器の出力を受けて前記閾値DACの閾値を制御する検波制御部とを備え、該検波制御部は、前記比較器出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部と、該サンプリング部の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部と、該比率変換部の出力の高周波成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力に設定されたゲインをかけるゲイン部と、該ゲイン部の出力を積分し結果を前記閾値DACに出力する積分器とを有するように構成したので、検波対象のアナログ信号からその検波結果の信号のデジタル値を直接得ることが出来、比率変換部の設定を変えることにより検波効率を自由に可変することが出来、ローパスフィルタにより検波対象信号のノイズに影響されにくい検波結果を得ることが出来、可変設定可能なゲイン手段により検波動作の追従性能を自由に設定することが出来るという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、比較器と、その閾値を設定するための閾値DACと、比較器の出力を受けて閾値DACを制御する検波制御部とを備える、いう構成によって、簡易なアナログ回路構成で、アナログのRF信号からデジタルの検波信号を直接生成することで、回路規模の大幅な削減を可能とするものである。
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図1において、1は検波対象となる信号が入力される比較器、2は比較器1の出力をサンプリングクロックでサンプリングするサンプリング部、3はサンプリング部2の2値出力を正と負の2つの一定値に変換する比率変換部、4は比率変換部3の一連の数値出力の高周波成分を除去するローパスフィルタ、5はローパスフィルタ4の出力をサンプリングクロックの整数倍の周期を持ったサブサンプリングクロックでサンプリングするサブサンプリング部、6はサブサンプリング部5の出力に、設定されたゲインをかけるゲイン部、7はゲイン部6の出力を積分する積分器、8は積分器7の出力をDA変換し前記比較器1の閾値として出力する閾値DACである。
また、500は比較器1の出力を受けて閾値DAC8の閾値を制御する検波制御部であり、前記サンプリング部2,比率変換部3,ローパスフィルタ4,サブサンプリング部5,ゲイン部6,積分器からなる。501はサンプリングクロックを発生するサンプリングクロック発生部、502はサブサンプリングクロックを発生するサブサンプリングクロック発生部である。
そして、比較器1には上述の検波対象信号とともに閾値DAC8で発生された閾値とが入力されており、サンプリング部2、比率変換部3、ローパスフィルタ4はサンプリングクロックで動作し、サブサンプリング部5、ゲイン部6、積分器7、閾値DAC8はサブサンプリングクロックで動作するものとなっている。
図1(b)は比率変換部3に対する代表的な設定値の一覧である。
まず、比率変換部3の設定値が(+1,−1)の場合の動作について説明する。
比較器1の入力信号は光ディスクから再生されたRF信号であり、サンプリングクロックはRF信号のビットレートにほぼ等しい周波数に設定される。例えば、DVD4倍速の再生を想定すると、サンプリングクロックの周波数は約100MHzが適当である。
比較器1に入力されたRF信号は、閾値DAC8によって設定された閾値を用いて比較器1で2値化され、この2値化された信号はサンプリング部2においてサンプリングクロックを用いてサンプリングされることで、以降の処理が同期処理できるようになる。
サンプリング部2によりサンプリングされた2値化信号は、比率変換部3によりデューティの目標値が設定される。即ち、比率変換部3は2値化された信号のデューティの目標値を設定するもので、例えば、設定(+1,−1)は”H/L”のデューティ比が50%となる平均レベル検出であることを示し、設定(+15,−1)はデューティ比が6.2%(=1/16)となるピーク検波、設定(+1,−15)はデューティ比が93.7%(=15/16)となるボトム検波であることを示す。デューティの目標値を(+1,−1)設定として説明を進めているので、具体的には、入力された2値化信号が”H”の時には+1、”L”の時には−1を出力する。
なお、設定値の一方が+1あるいは−1である必要はなく、必要なデューティ比を得るための任意の数値であってよい。
比率変換部3によりデューティの目標値が設定された2値化信号は、ローパスフィルタ4に出力される。ローパスフィルタ4は以降の処理をサブサンプリングして行えるようにするためのアンチエイリアスフィルタとして作用し、例えば、サブサンプリングクロックがサンプリングクロックの1/32の場合には、簡単な回路構成で済むように、32段のレジスタによる平均処理などが行われるが、場合によってはFIRフィルタなどの高度なフィルタ設計を行っても良い。
ローパスフィルタ4の出力はサブサンプリング部5に出力される。サブサンプリング部5はローパスフィルタ4の出力をサブサンプリングクロックで間引いて、サブサンプリングクロックによる以降のデータ処理が出来るようにする。
サブサンプリング部5の出力はゲイン部6に出力される。ゲイン部6は、比較器1、サンプリング部2、比率変換部3、ローパスフィルタ4、サブサンプリング部5、ゲイン部6、積分器7、閾値DAC8からなる閾値制御ループのループゲインを調整するためのものである。
ゲイン部6の出力は積分器7に出力される。積分器7はローパスフィルタ4とともに、比率変換部3の出力の積算を行っており、比率変換部3の設定が(+1,−1)の場合には、+1と−1の発生頻度が等しくなった時に出力が安定する。+1の発生頻度が多くなれば積分器の出力値は上昇し、−1の発生頻度が多くなれば積分器の出力値は下降することになる。
積分器7の出力は閾値DAC8に出力される。閾値DAC8は積分器7の出力によって駆動されているので、上述の+1と−1の発生頻度が等しくなるという状態は、そのときの閾値による2値化結果のデューティが50%であることを意味する。この閾値を境に、閾値が上昇するとデューティは減少し、閾値が下降するとデューティは増大する。これにより、積分器出力は、閾値が上昇すると下降、閾値が下降すると上昇することになり、積分器7の出力が閾値DAC8に入力されることで、フィードバックシステムは負帰還となるので、デューティ50%の位置は安定であることが判る。
ところで、DVD、CDのRF信号であるEFM(Eight to Fourteen Modulation)信号はDSV(Data Sum Value)がゼロになるように変調されているので、2値化信号の平均デューティが50%となるのは、RF信号の中央レベルを閾値として2値化処理が行われた時ということになる。
このように、比率変換部3の設定を(+1,−1)にした場合には、閾値DAC8の出力は入力されるRF信号の中央レベルで安定するので、積分器7の出力値は入力されたRF信号の平均値を示すことになる。
図2は上述の動作をタイミングチャートにしたもので、紙面の都合から、サブサンプリングクロックの周波数がサンプリングクロックの1/4の周波数になっていること以外は、上述した動作の一例を示している。
なお、サブサンプリングクロックの周波数はサンプリングクロックの周波数の1/32として説明したが、この値は特に決まったものではなく、任意に決めることが出来る。
次に、比率変換部3の設定値が(+15,−1)の場合の動作について説明する。
前記したように、閾値の安定点は積分器7の値が安定するような2値化信号のデューティとなった時である。比率変換部3は2値化信号が”H”の時には+15、”L”の時には−1を出力しているので、”H”が1回に対して”L”が15回発生すれば積分結果はゼロとなって積分器7の出力が安定する。そして、2値化信号のデューティが6.2%(1/16)になる閾値レベルとは、RF信号に対してほとんどピークに近いレベルの閾値が設定された場合である。
以上により、比率変換部3の設定値が(+15,−1)の場合には、積分器7の値はRF信号のピークレベルに近いレベルを示していることになる。また、比率変換部3の設定が(+1,−1)の場合と同じく、このデューティ6.2%の位置は安定である。
図3は図2と同じく、上述の動作をタイミングチャートにしたものである。
以上と同様に、比率変換部3の設定値を(+1,−15)にすればボトム検波を実現することが出来る。
また、比率変換部3の設定値は上記にかかわらず任意に設計することが可能であり、(+1,−7)や(+1,−31)などの設定もあり得る。
このように、本実施の形態1によれば、検波対象である入力信号を2値化し、サンプリングクロックで動作するサンプリング部、比率変換部、ローパスフィルタにより2値化信号をサンプリングし、比率変換し、低域成分を取り出した後、サブサンプリング信号により動作するサブサンプリング部、ゲイン部、積分器により低域成分抽出後の信号をサブサンプリングし、ループゲインを調整し、積分を行うことにより、ピーク検波あるいはボトム検波を行うとともに、この積分結果をDA変換して2値化の際の閾値として用いるようにしたので、集積回路化する際に外付けや集積回路中で面積を占有する部品が含まれるアナログ回路部分を小規模化できるとともに、高速かつ大規模なAD変換器を用いることなく、アナログRF信号から直接デジタル検波出力を得ることが可能となる。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2による光ディスク記録再生装置のブロック図を示す。
光ディスク再生RF信号のように正弦波に近い信号の場合には、デューティ1/16などの設定でほとんどピークレベルに近い検波結果を得ることが出来るが、RF信号自体のデューティが50%ではない場合には、ピークレベルの検波が出来ない。例えば、記録学習のテスト記録再生波形などで、RF信号のデューティが20%などになった場合には、実施の形態1のピーク検波方式ではピークレベルの測定が実行出来ないという問題がある。
本実施の形態2はこの実施の形態1の問題点を解決するために、図1に示す実施の形態1の検波制御部500のサンプリング部2と比率変換部3との間に、エッジ延長部9を追加してなるものである。
このエッジ延長部9は、ピーク検波を行う場合には”H”レベルを延長し、ボトム検波を行う場合には”L”レベルを延長する。また、比率変換部3は(+1,−1)に設定する。
また、検波制御部600は、図1の検波制御部500のサンプリング部2と比率変換部3との間に、上述のように、エッジ延長部9を追加してなるものである。また、601はサンプリングクロックを発生するサンプリングクロック発生部、602はサブサンプリングクロックを発生するサブサンプリングクロック発生部である。
エッジ延長部9の延長量は、検波対象となるRF信号がDVDの再生信号の場合には、マーク中央の間隔の平均値である約10T(1Tはチャンネルクロックの1周期で、チャンネルデータ1ビットの長さに等しい)を基準に、ほぼ2倍の20Tの延長量としても良いし、8T以上の長マークの平均間隔を基準に100T程度にしても良い。
以下に動作について説明する。
非対称度が非常に大きいRF信号が入力されており、閾値はピークレベル付近にあるとすると、2値化信号は10T以上の間隔を置いた短いパルスとなる。
エッジ延長部9は、その間隔を埋め、RF信号のピークレベルが閾値を超えている間は2値化信号が連続して”H”となるように処理が行われる。そして、ピークレベルが閾値を超えていない間は2値化信号は連続して”L”となる。
RF信号のピークレベルは比較的ゆっくりとした周波数で変動しているので、閾値がピークレベルの平均値にある場合には、エッジ延長部9の出力は”H”と”L” との頻度がほぼ等しい信号となる。よって、比率変換部3を(+1,−1)に設定しておくことで、非対称度が非常に大きいRF信号のピークレベルの平均値を測定することが可能となる。
ボトム検波を行う場合はこの逆に、エッジ延長部9は”L”レベルの延長動作を行うことで、”L”側の短いパルスを連続信号に変換してボトムレベルの検出が可能となる。
なお、エッジ延長部9がサンプリング部2の後段に配置される構成であるとして説明を行ったが、2値化信号のパルス幅がきわめて短い場合にはサンプリング部2でサンプリングされない場合が起こり得る。この場合、本来ならば連続すべきエッジ延長部9の出力が断続的になってしまうので、検波結果は本来のレベルよりも低いレベルになってしまうことが考えられる。この現象の対策としては、比較器出力を直接エッジ延長部9に入力し、延長された結果をサンプリング部2でサンプリングするようにすればよい。
なお、この説明では、比率変換部を(+1,−1)に設定し、エッジ延長部の延長量は20Tあるいは100Tに設定した状態を想定していたが、比率変換部を(+15,−1)に設定し、閾値制御が1/15デューティとなるようにした上で、エッジ延長部の延長量を8T以上の長マークの平均間隔の一定値分の一、たとえば100Tの約1/15の7Tとしてもよい。
この場合は、平均100Tの周期中に約1/15の7TのH期間が存在する状態に閾値が制御されるが、それは100Tの間に一回でもH期間が発生すれば満足される状態であり、長マークではRF信号レベルはピークレベルに達することから、閾値はピークレベルにほとんど等しい状態となる。つまり、RF信号のピークレベルがきわめて短い場合であっても、上記同様にピークレベルを検波できることになるうえ、エッジ延長時間が短いため、検波応答が高速になるという利点がある。
このように、本実施の形態2によれば、検波対象である入力信号を2値化し、サンプリングクロックで動作するサンプリング部、エッジ延長部、比率変換部、ローパスフィルタにより2値化信号をサンプリングし、“H”あるいは“L”レベルの期間を延長し、比率変換し、低域成分を取り出した後、サブサンプリング信号により動作するサブサンプリング部、ゲイン部、積分器により低域成分抽出後の信号をサブサンプリングし、ループゲインを調整し、積分を行うことにより、ピーク検波あるいはボトム検波を行うとともに、この積分結果をDA変換して2値化の際の閾値として用いるようにしたので、集積回路化する際に外付けや集積回路中で面積を占有する部品が含まれるアナログ回路部分を小規模化できるとともに、高速かつ大規模なAD変換器を用いることなく、非対称度が非常に大きいアナログRF信号から直接デジタル検波出力を得ることが可能となる。
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3による光ディスク記録再生装置のブロック図である。この実施の形態3は、図1に示す実施の形態1の構成に、クロック源701から供給される主クロックをゲート信号GATEによってオン/オフしてサンプリングクロックを生成するスイッチ11と、このゲート信号GATEを発生するゲート信号発生部702と、サンプリングクロックを分周してサブサンプリングクロックを生成する分周器10とを追加してなるものである。
また、検波制御部700は、この分周器10を図1の検波制御部500に追加したものに相当する。
以下、この実施の形態3による光ディスク記録再生装置の動作を、再生する光ディスクがDVD−RAMである時に、スイッチ11のゲート信号が、そのID領域で有効になるように設定されている場合を例にとって説明する。
この場合、ID領域でのみクロックが有効となるため、ID領域外では検波動作は停止しており、内部状態を含めて全ての変数はホールドされ、ID領域内では上述したような検波動作が行われる結果、ID領域のみを対象とした検波結果を得ることが出来る。
即ち、比較器1に入力されたRF信号は、閾値DAC8によって設定された閾値を用いて比較器1で2値化され、この2値化された信号はサンプリング部2においてサンプリングクロックを用いてサンプリングされる。サンプリング部2によりサンプリングされた2値化信号は、比率変換部3によりデューティの目標値が設定される。
比率変換部3によりデューティの目標値が設定された2値化信号は、ローパスフィルタ4に出力される。ローパスフィルタ4は以降の処理をサブサンプリングして行えるようにするためのアンチエイリアスフィルタとして作用し、その出力はサブサンプリング部5に出力される。サブサンプリング部5はローパスフィルタ4の出力をサブサンプリングクロックで間引いて、サブサンプリングクロックによる以降のデータ処理が出来るようにする。
サブサンプリング部5の出力はゲイン部6に出力される。ゲイン部6は、比較器1、サンプリング部2、比率変換部3、ローパスフィルタ4、サブサンプリング部5、ゲイン部6、積分器7、閾値DAC8からなる閾値制御ループのループゲインを調整する。
ゲイン部6の出力は積分器7に出力される。積分器7はローパスフィルタ4とともに、比率変換部3の出力の積算を行っており、比率変換部3の設定が(+1,−1)の場合には、+1と−1の発生頻度が等しくなった時に出力が安定する。+1の発生頻度が多くなれば積分器の出力値は上昇し、−1の発生頻度が多くなれば積分器の出力値は下降することになる。
積分器7の出力は閾値DAC8に出力される。閾値DAC8は積分器7の出力によって駆動されているので、上述の+1と−1の発生頻度が等しくなるという状態は、そのときの閾値による2値化結果のデューティが50%であることを意味する。この閾値を境に、閾値が上昇するとデューティは減少し、閾値が下降するとデューティは増大する。これにより、積分器出力は、閾値が上昇すると下降、閾値が下降すると上昇することになり、積分器7の出力が閾値DAC8に入力されることで、フィードバックシステムは負帰還となるので、デューティ50%の位置は安定であることが判る。
また、ゲート信号は、光ディスクへの記録中のスペース部、即ち、レーザーパワーがバイアスレベルになっているタイミング、で有効になるようにしても良い。
そして、比率変換部3を(+1,−1)に設定することで、再生時のレーザーパワーに近く、線速度によっても変化の少ないバイアスパワーでのディスク再生信号の平均値を測定することが出来、例えば、光ディスクの内周と外周とで線速度の異なるCAVモードでの記録時のサーボエラー信号検出などに有効である。
また、ゲート信号は、DVD−R、DVD+R、あるいは、CD−Rディスクへの記録中のマーク部の後半で有効になるようにしても良い。
そして、比率変換部3を(+1,−1)に設定することで、DVD−R、DVD+R、あるいは、CD−Rへの記録状態をリアルタイムにモニタする信号の平均値を得ることが出来、OPC(Optimum Power Control)、即ち、微弱レーザを照射し記録面の状態をモニタしながら、レーザーパワーを随時制御して本来のデータの記録を行うことを実現することが出来る。
このように、本実施の形態3によれば、検波対象である入力信号を2値化し、クロック源から供給される主クロックをスイッチによりオン/オフしてサンプリングクロックを生成するとともに、分周器によりサンプリングクロックを分周してサブサンプリングクロックを生成し、サンプリングクロックで動作するサンプリング部、比率変換部、ローパスフィルタにより2値化信号をサンプリングし、比率変換し、低域成分を取り出した後、サブサンプリング信号により動作するサブサンプリング部、ゲイン部、積分器により低域成分抽出後の信号をサブサンプリングし、ループゲインを調整し、積分を行うことにより、ピーク検波あるいはボトム検波を行うとともに、この積分結果をDA変換して2値化の際の閾値として用いるようにしたので、集積回路化する際に外付けや集積回路中で面積を占有する部品が含まれるアナログ回路部分を小規模化できるとともに、高速かつ大規模なAD変換器を用いることなく、アナログRF信号中のID領域のみに該当する信号から直接デジタル検波出力を得ることが可能となる。
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4による光ディスク記録再生装置のブロック図である。この実施の形態4は、内周側RF信号と外周側RF信号に対して、一組の比較器と閾値DACを時分割共用することで、検波動作を行うようにしたものである。
図6において、21は光ディスクからの反射光を受光する4分割された受光素子、22aはディスク内周側の受光素子A,Dによる受光信号の和を取って内周側RF信号を出力する加算器、22bはディスク外周側の受光素子B,Cによる受光信号の和を取って外周側RF信号を出力する加算器、26は第1の選択信号SEL1により加算器22aからの内周側RF信号と加算器22bからの外周側RF信号のいずれかを選択して出力する選択部、23は選択部26の出力と閾値DAC24の出力である閾値とを比較する比較器、24は比較器23の閾値を設定する閾値DAC、27aは第2の選択信号SEL2に応じて比較器23の出力を第1の検波制御部25aあるいは第2の検波制御部25bに分配する分配部、25a,25bは分配部27aにより分配された比較器23の出力を検波する第1,第2の検波制御部、27bは第2の選択信号SEL2に従って第1の検波制御部25aの出力あるいは第2の検波制御部25bの出力を閾値DAC24に送る選択部である。また、28は検波制御部25aの制御信号である第2の選択信号SEL2を反転し検波制御部25bの制御信号として出力するインバータである。
また、第1と第2の検波制御部25aと25bは、ともに図5におけるサンプリング部2と、比率変換部3と、ローパスフィルタ4と、サブサンプリング部5と、ゲイン部6と、積分器7と、分周器10と、スイッチ11とによって構成されており、第1の検波制御部25aのゲート信号GATEは第2の選択信号そのものが、第2の検波制御部25bのゲート信号は第2の選択信号を反転したものが入力されている。
さらに、110は第1の選択信号SEL1を発生する第1の選択信号発生部、111は第2の選択信号SEL2を発生する第2の選択信号発生部、112は検波制御部25a,25bで使用するクロック信号CKを発生するクロック発生部である。
次に動作について説明する。
加算器22aは光ディスクの内周側の受光素子A,Dの出力の和である内周側RF信号を出力し、加算器22bは光ディスクの外周側の受光素子B,Cの出力の和である外周側RF信号を出力する。第1の選択信号SEL1が”H”の時には、選択部26は加算器22aの出力である内周側RF信号を選択して出力し、逆に”L”の時には加算器22bの出力である外周側RF信号を選択する。
第2の選択信号SEL2が”H”の時には、分配部27aは比較器23の2値化出力を第1の検波制御部25aに送り、第1の検波制御部25aはゲート信号GATEが有効になることで検波動作を行い、その出力は選択部27bによって閾値DAC24に送られる。第2の選択信号が”L”の時には、逆に、第2の検波制御部25bが検波動作を行い、その出力は選択部27bによって閾値DAC24に送られる。
例えば、第1の選択信号SEL1と第2の選択信号SEL2が、共に”H”の状態と共に”L”の状態を周期的に繰り返した場合、第1及び第2の選択信号が共に”H”の場合には、内周側RF信号が第1の検波制御部25aによって検波され、第1及び第2の選択信号が共に”L”の場合には、外周側RF信号が第2の検波制御部25bによって検波されることになる。このため、選択信号SEL1およびSEL2の切換周期を十分短くすることにより、比較器23と閾値DAC24との一組によって、擬似的に同時に、内周側RF信号と外周側RF信号の検波を行うことが出来る。
このように、本実施の形態4によれば、受光素子により得られる内周側RF信号と外周側RF信号とをマルチプレクスして比較器に送り、比較器後段の第1,第2の検波制御部にデマルチプレクスしてそれぞれを検波するとともにその検波結果をマルチプレクスしてDA変換し、比較器の閾値として用いるようにしたので、擬似的に同時に、内周側RF信号と外周側RF信号の検波を行うことが出来る。
(実施の形態5)
図7は本発明の実施の形態5による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図7において、31は光ディスクからの反射光を受光する4分割された受光素子、32は受光素子31の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力の和を取りRF信号を出力する加算器、33aは加算器32からのRF信号が入力される第1の比較器、34aは第1の比較器33aの閾値を設定する第1の閾値DAC、35aは第1の比較器33aの出力をピーク検波するピーク検波制御部、33bは加算器32からのRF信号が入力される第2の比較器、34bは第2の比較器33bの閾値を設定する第2の閾値DAC、35bは第2の比較器33bの出力をボトム検波するボトム検波制御部、36はピーク検波制御部35aの出力とボトム検波制御部35bの出力との差を取って振幅信号を出力する減算器であり、この振幅信号はピーク検波部35aとボトム検波部35bにも制御信号として出力されている。
ピーク検波制御部35aおよびボトム検波制御部35bは、ともに図1におけるサンプリング部2と、比率変換部3と、ローパスフィルタ4と、サブサンプリング部5と、ゲイン部6と、積分器7とによって構成されており、ピーク検波制御部35aの比率変換部の設定は(+15,−1)、ボトム検波制御部35bの比率変換部の設定は(+1,−15)に設定されており、減算器36の出力はピーク検波制御部35aとボトム検波制御部35bのそれぞれのゲイン部に接続されている。
また、120はピーク検波制御部35aおよびボトム検波制御部35bで使用するクロック信号CKを発生するクロック発生部である。
次に動作について説明する。受光素子31の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力は加算器32により加算されてRF信号となり、このRF信号が比較器33aおよび33bにより閾値DAC34aおよび34bが出力する閾値とそれぞれ比較されて2値化され、比較器33aおよび33bの2値化出力がピーク検波器35aおよびボトム検波器35bによりピーク検波およびボトム検波される。また、このピーク検波器35a出力およびボトム検波器35b出力は減算器36により減算されることにより、振幅信号が得られるとともに、この振幅信号がピーク検波器35aおよびボトム検波器35b内部のゲイン部のゲインを制御する。
ところで、比較器と閾値DACを用いて2値化信号のデューティが特定の値になるようにフィードバックをかける場合、閾値の変化から2値化信号のデューティの変化までの伝達ゲインは検波対象となる信号の振幅に依存し、信号振幅が小さいほど伝達ゲインが大きくなる。その結果、光ディスク再生において反射光量が減少するような欠陥があり、一時的に再生RF信号振幅が減少する、あるいはほとんどゼロになるような事態が発生すると、その部分でフィードバックループが発振することが起こりうる。
そこで、RF信号のピーク検波とボトム検波を同時に行っている場合、例えばドロップアウト検出とオフトラック検出を行う場合、には振幅信号を生成してピーク検波制御部とボトム検波制御部のゲイン切換を行うことによって、発振を防止することが出来る。
具体的には、正規のRF信号振幅がある時の振幅信号が1になるように振幅信号を正規化し、ピーク検波制御部35aとボトム検波制御部35bのそれぞれのゲイン部に設定された値に乗じた結果をゲインとして用いることで、振幅信号に比例したフィードバックゲインを設定することが出来る。
なお、乗算器を用いない場合には、振幅信号の値によって数段階のゲインを設定しておき、振幅信号の値によってゲインを切り換えるようにすることも可能である。
このように、本実施の形態5によれば、4分割された受光素子の全ての出力を加算してRF信号を生成し、これをピーク検波およびボトム検波するとともに、そのピーク検波出力とボトム検波出力との差に応じてピーク検波制御部およびボトム検波制御部のゲインの切換えを行うようにしたので、光ディスクに欠陥がある場合でも発振が生じるのを防止することができる。
(実施の形態6)
図8(a)は本発明の実施の形態6による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
この実施の形態6は、図9に示した第1の従来例及び図15で示した第2の従来例のように、ピーク・ボトム検波を行うことにより、TC,TI,BDO,LPOS等の信号が得られるものであるが、アナログ回路を削減しつつ高速なAD変換器を不要とし、しかも検出結果が確率的でなく得られるようにしたものである。
図8(a)において、51は光ディスクからの反射光を受光する4分割された受光素子、52は増幅器であり、受光素子51の4分割された受光素子A,B,C,Dの出力信号をIV変換する4つのIV変換アンプを有する。53は受光素子51の内周側受光素子A,Dの検出信号の和を取る加算器、54は受光素子51の外周側受光素子B、Cの検出信号の和を取る加算器、55は加算器53の出力信号のダイナミックレンジを適切に調整して内周側RF信号として出力する増幅器、56は加算器54の出力信号のダイナミックレンジを適切に調整して外周側RF信号として出力する増幅器、57は内周側RF信号と外周側RF信号の和を取って加算RF信号として出力する加算器、58はDVD−RAM再生時の加算RF信号中のID領域の信号のダイナミックレンジを適切に調整してIDRF信号として出力する増幅器、59は第1の選択信号S1により内周側RF信号とIDRF信号のいずれかを選択して出力する選択部、60は第1の選択信号S1により外周側RF信号とIDRF信号のいずれかを選択して出力する選択部である。
また、61は選択部59の出力を受ける比較器、65は第2の選択信号S2によって比較器61の2値化出力をVFO1ピーク検波制御部69かVFO3ピーク検波制御部70かLPOSp検波制御部71かのいずれかに分配する分配部、69は第1のサンプリングクロックCK1によって動作し、分配部65の出力をピーク検波するVFO1ピーク検波制御部、70は第2のサンプリングクロックCK2によって動作し、分配部65の出力をピーク検波するVFO3ピーク検波制御部、71は第3のサンプリングクロックCK3によって動作し、分配部65の出力を検波するLPOSp検波制御部、66は第2の選択信号S2によってVFO1ピーク検波制御部69の出力かVFO3ピーク検波制御部70の出力かLPOSp検波制御部71の出力かのいずれかを選択して閾値DAC62に出力する選択部、62は選択部66の出力をDA変換して比較器61の閾値を設定する閾値DACである。
また、63は選択部60の出力を受ける比較器、67は第2の選択信号S2によって比較器63の2値化出力をVFO1ボトム検波制御部72かVFO3ボトム検波制御部73かLPOSn検波制御部74かのいずれかに分配する分配部、72は第1のサンプリングクロックCK1によって動作し、分配部67の出力をボトム検波するVFO1ボトム検波制御部、73は第2のサンプリングクロックCK2によって動作し、分配部67の出力をボトム検波するVFO3ボトム検波制御部、74は第3のサンプリングクロックによって動作し、分配部67の出力を検波するLPOSn検波制御部、68は第2の選択信号S2によってVFO1ボトム検波制御部72の出力かVFO3ボトム検波制御部73の出力かLPOSn検波制御部74の出力かのいずれかを選択して閾値DAC64に出力する選択部、64は選択部68の出力をDA変換して比較器63の閾値を設定する閾値DACである。
また、75はVFO1ピーク検波制御部69の出力とVFO3ピーク検波制御部70の出力とVFO1ボトム検波制御部72の出力とVFO3ボトム検波制御部73の出力とから、トラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)とを生成するTCTI生成部、76はLPOSp検波制御部71の出力とLPOSn検波制御部74の出力との差を取ってレンズ位置信号(LPOS)を生成する減算器である。
また、77は加算器57からの加算RF信号を受ける比較器、81は比較器77の2値化信号を受けてピーク検波を行うピーク検波制御部、78はピーク検波制御部81の出力をDA変換し比較器77の閾値を設定する閾値DAC、79は加算器57からの加算RF信号を受ける比較器、82は比較器79の2値化信号を受けてボトム検波を行うボトム検波制御部、80はボトム検波制御部82の出力をDA変換し比較器79の閾値を設定する閾値DAC、84はピーク検波制御部81の出力を受けてBDO信号を出力する比較器、85は比較器84の閾値を設定する閾値設定部、86はボトム検波制御部82の出力を受けてOFTR信号を出力する比較器、87は比較器86の閾値を設定する閾値設定部、83はピーク検波制御部81の出力とボトム検波制御部82の出力との差を取ってRF振幅信号を出力する減算器、である。
140は第1の選択信号S1を発生する第1の選択信号発生部であり、第1の選択信号S1は、DVD−RAM再生時のID領域でIDRF信号を選択するように動作し、それ以外の時は、選択部59と60がそれぞれ内周側RF信号と外周側RF信号を選択するように動作している。また、141は第2の選択信号S2を発生する第2の選択信号発生部である。
また、143は第1のサンプリングクロックCK1を発生する第1のサンプリングクロック発生部であり、第1のサンプリングクロックCK1はDVD−RAM再生時のVFO1の領域で有効になる。144は第2のサンプリングクロックCK2を発生する第2のサンプリングクロック発生部であり、第2のサンプリングクロックCK2は同じくDVD−RAM再生時のVFO3の領域で有効になる。また、145は第3のサンプリングクロックCK3を発生する第3のサンプリングクロック発生部であり、第3のサンプリングクロックCK3は光ディスク記録再生装置のシーク動作時に有効になる。第1ないし第3のサンプリングクロックの周波数は、再生RF信号のビットレートにほぼ等しい周波数である。
また、142は第4のサンプリングクロックCK0を発生する第4のサンプリングクロック発生部であり、このサンプリングクロックCK0は、再生RF信号のビットレートにほぼ等しい周波数の連続したクロックが供給され、ピーク検波制御部81とボトム検波制御部82で使用される。
次に動作について説明する。光ディスクからの反射光は受光素子51により光電変換され、4分割された受光素子A,B,C,Dからの受光信号が、増幅器52によりIV変換され、加算器53により内周側の受光素子A,Dの出力信号を増幅した信号の和信号が得られる。また、加算器54により外周側の受光素子B,Cの出力信号を増幅した信号の和信号が得られる。加算器53の出力信号は増幅器55によりそのダイナミックレンジが適切なものとなるように調整され内周側RF信号として出力される。また、加算器54の出力信号は増幅器56によりそのダイナミックレンジが適切なものとなるように調整され外周側RF信号として出力される。これら内周側RF信号と外周側RF信号とは加算器57により加算されて加算RF信号となり、増幅器58によりダイナミックレンジが適切に調整されてIDRF信号として出力される。選択部59および60は第1の選択信号S1に応じて選択動作が行われ、選択部59により、DVD−RAM再生時のID領域で増幅器58からのIDRF信号が、それ以外の時は増幅器55からの内周側RF信号が、それぞれ選択される。また、選択部60により、DVD−RAM再生時のID領域で増幅器58からのIDRF信号が、それ以外の時は増幅器56からの外周側RF信号が、それぞれ選択される。
選択部59,60の出力信号は比較器61,63によりその閾値となるDAC62,64の出力信号と比較され、2値化が行われる。分配部65および67は第2の選択信号S2に応じて選択動作が行われ、比較器61の出力信号は、DVD−RAM再生時のVFO1の領域ではVFO1ピーク検波制御部69に、DVD−RAM再生時のVFO3の領域ではVFO3ピーク検波制御部70に、光ディスク記録再生装置のシーク動作時にはLPOSp検波制御部71に分配され、VFO1ピーク検波制御部69,VFO3ピーク検波制御部70によりピーク検波が、LPOSp検波制御部71によりLPOSp検波が行われる。また、比較器63の出力信号は、DVD−RAM再生時のVFO1の領域ではVFO1ボトム検波制御部72に、DVD−RAM再生時のVFO3の領域ではVFO3ボトム検波制御部73に、光ディスク記録再生装置のシーク動作時にはLPOSn検波制御部74に分配され、VFO1ボトム検波制御部72,VFO3ボトム検波制御部73によりボトム検波が、LPOSn検波制御部74によりLPOSn検波が行われる。
TCTI生成部75により、これらの検波出力中の、VFO1ピーク検波制御部69からのピーク検波出力,VFO3ピーク検波制御部70からのピーク検波出力,VFO1ボトム検波制御部72からのボトム検波出力,VFO3ボトム検波制御部73からのボトム検波出力を用いて、TC信号およびTI信号が生成される。また、減算器76によりLPOSp検波制御部71の出力信号とLPOSn検波制御部74の出力信号との差が取られてLPOS信号が生成される。
また、VFO1ピーク検波制御部69の出力,VFO3ピーク検波制御部70の出力,LPOSp検波制御部71の出力は選択器66により第2の選択信号S2に応じて選択され、DAC62に出力され、DAC62により比較器61の閾値となる。
また、VFO1ボトム検波制御部72の出力,VFO3ボトム検波制御部73の出力,LPOSn検波制御部74の出力は選択器68により第2の選択信号S2に応じて選択され、DAC64に出力され、DAC64により比較器63の閾値となる。
また、加算器57の出力信号は比較器77,79によりDAC78,80から出力される閾値と比較されて2値化され、比較器77の出力信号はピーク検波制御部81によりピーク検波がなされRFピーク信号が得られる。また、比較器79の出力信号はボトム検波制御部82によりボトム検波がなされRFボトム信号が得られる。また、ピーク検波制御部81の出力信号はDAC78によりアナログ信号に変換され、比較器77の閾値として使用される。同様に、ボトム検波制御部82の出力信号はDAC80によりアナログ信号に変換され、比較器79の閾値として使用される。
ピーク検波制御部81の出力信号は閾値設定部85に設定された閾値と比較器84により比較され、その比較結果としてBDO信号が得られる。また、ボトム検波制御部82の出力信号は閾値設定部87に設定された閾値と比較器86により比較され、その比較結果としてOFTR信号が得られる。
さらに、減算器83により、ピーク検波制御部81の出力信号とボトム検波制御部82の出力信号との差が取られ、その差としてRF振幅信号が得られる。
これらの動作により、DVD−RAMの記録再生時のCAPA領域でVFO1とVFO3のピークエンベロープとボトムエンベロープの測定を行い、その結果からトラックセンター信号(TC)とチルト信号(TI)を検出し、また、シーク中には内周側RF信号と外周側RF信号のピークエンベロープの測定を行い、その差を取ってレンズ位置信号(LPOS)を得ることが出来る。また、加算RF信号のピークエンベロープとボトムエンベロープの測定を行い、その変化を2値化してBDO信号とOFTR信号を得ることが出来る。
なお、本実施の形態6では、光ディスク記録再生装置の動作モードとして、DVD−RAM以外の再生中、DVD−RAMのデータ領域の記録再生中など、検波動作が行われないタイミングが存在するが、それらのタイミングでさらに処理を追加しても良い。例えば、内周側RF信号と外周側RF信号の振幅とオフセットを測定し、それらを一定にするためのAGC処理なども、比較器と閾値DACの追加無しで実現することが出来る。
また、実施の形態6では、クロックのON/OFFにより、各制御部69〜73,81,82の動作を切り替えるようにしたが、この切り替えはクロックでなくてもよく、図8(b)に示すように、制御信号によりその動作を切り替えるようにしてもよい。
即ち、図8(b)に示されるように、VFO1ピーク検波制御部69およびVFO1ボトム検波制御部72は第1の制御信号CL1により動作し、VFO3ピーク検波制御部70およびVFO3ボトム検波制御部73は第2の制御信号CL2により動作し、LPOSp検波制御部71およびLPOSn検波制御部74は第3の制御信号CL3により動作する。
147は第1の制御信号CL1を発生する第1の制御信号発生部、148は第2の制御信号CL2を発生する第2の制御信号発生部、149は第3の制御信号CL3を発生する第3の制御信号発生部である。
さらに、実施の形態1ないし6では、光ディスク記録再生装置に適用するものとしたが、いずれも光ディスク再生装置に適用してもよい。
また、実施の形態1ないし6では、クロックや選択信号、制御信号、ゲート信号を信号毎に別々の回路により発生するようにしたが、これらを1つの回路により発生するようにしてもよい。
このように、本実施の形態6によれば、2組の比較器と閾値DACを用いて6種類の検波結果を得て、TCTI信号とLPOS信号の検出を行うことが出来、しかも、光ディスク記録再生装置の動作モードに応じて検出信号を切り換えることで、それぞれの信号検出を、相互干渉無しに、完全に独立して行うことが出来る。これは、それぞれの検波制御部をデジタル回路で構成し、検波回路動作を停止している間は完全に直前の状態をホールドし、検波回路を動作させれば、あたかも停止期間が存在しなかったかのように動作するという機能を実現できたことによる効果である。
以上のように、本発明の光ディスク記録再生装置は、特にアナログ回路を簡易な構成とすることができるため、微細プロセスによるチップサイズ削減等に有効であり、さらに、耐ノイズ性、追従性などのチューニングを容易に行うことが出来るため、光ディスク記録再生装置の合理化を進める技術としても有効である。
図1は、本発明の実施の形態1による光ディスク記録再生装置を示す図であり、図1(a)はそのブロック図、図1(b)は比率変換部3に対する代表的な設定値の一覧を示す図である。
図2は、(+1,−1)設定における動作のタイミングチャートを示す図である。
図3は、(+15,−1)設定における動作のタイミングチャートを示す図である。
図4は、本発明の実施の形態2による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図5は、本発明の実施の形態3による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図6は、本発明の実施の形態4による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図7は、本発明の実施の形態5による光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図8(a)は、本発明の実施の形態6による光ディスク記録再生装置であって、クロック信号により制御部の動作を切り替える場合の構成を示すブロック図である。
図8(b)は、本発明の実施の形態6による光ディスク記録再生装置であって、制御信号により制御部の動作を切り替える場合の構成を示すブロック図である。
図9は、本発明の第1の従来例のブロック図である。
図10は、BDO及びOFTR検出動作を説明する波形図である。
図11は、TC及びTI信号の検出動作を説明する波形図である。
図12は、レンズ位置信号(LPOS)の検出動作を説明する波形図である。
図13は、ピーク・ボトム検波をする際に用いられる代表的な回路構成を示す回路図である。
図14は、BDO信号の2値化をする際に用いられる代表的な回路構成を示す回路図である。
図15は、本発明の第2の従来例のブロック図である。
1 比較器
2 サンプリング部
3 比率変換部
4 ローパスフィルタ
5 サブサンプリング部
6 ゲイン部
7 積分器
8 閾値DAC
9 エッジ延長部
10 分周器
11 スイッチ
500,600,700 検波制御部