本発明は、リーダ/ライタ(R/W)と常時接続困難な非接触通信を行う非接触ICモジュールを搭載した携帯端末、非接触ICモジュール、リーダ/ライタおよび情報配信方法に関する。
従来、ユーザが働きかけなくてもサーバからユーザの携帯電話などの携帯端末に情報を直接送り届けるプッシュ型情報配信の技術を利用した情報配信方法がある。
この種の情報配信方法を用いて通信を行うシステムや携帯端末等として、特許文献1記載の「情報配信仲介システム」、特許文献2記載の「携帯型情報機器」、特許文献3記載の「ICモジュールを搭載した携帯端末」などが知られている。
特許文献1記載の「情報配信仲介システム」は、オンライン回線を通じて登録された配信日時とコンピュータが保持する現在日時情報を発見した場合、配信日時とセットで登録された情報配信内容を、電子メールデータに変換し、予めオンライン回線を通じて登録された携帯電話または携帯端末の電子メールアドレス先に送信するようにしている。
この「情報配信仲介システム」によれば、特定の顧客に対し、特定の顧客の携帯電話や携帯端末に対して、電子メールサービスを利用して指定した日時に情報配信することが可能になる。
また、特許文献2記載の「携帯型情報機器」は、アトラクションシステムにより設定された所定の基準時刻からの経過時間あるいは所定の基準時刻に至るまでの残り時間に基づいて腕時計型情報機器の表示画面に表示する情報を所定の情報である宣伝情報、広告情報あるいはユーザの行動(アミューズメント施設への来訪など)を促す情報に変更するようにしている。
この「携帯型情報機器」によれば、非接触ICモジュールの情報処理機能を有効に利用し、テーマパークなどのアミューズメント施設において、宣伝情報や広告情報を腕時計型情報機器の表示画面に表示することができる。
また、特許文献3記載の「ICモジュールを搭載した携帯端末」は、ICカード機能を有するセキュアエレメント(ICモジュール)が、サービスに関する状態のデータを保持するメモリと、所定の場所に設置されたサービス端末との非接触通信によりサービスに関する処理が行われるように制御する制御部を備えている。また、ユーザに確認を要求することなく行われた変更が、ユーザの注意を喚起すべきとして設定された条件を満たすか否かを判断し、満たすとの判断に応じて、携帯端末の表示部がユーザへの通知を行うように指示する処理判断部を備えている。
この携帯端末は、パスワードフリーに設定した場合でも、サービス端末とICモジュールとの通信によりユーザの注意が喚起されるべき処理が行われた場合には、これを携帯端末のユーザインターフェース機能を活用してユーザに通知することができ、意図しない処理や誤りが生じていないかどうかをユーザが簡単にチェックできるようになる。
特開2001−282684号公報
特開2002−288068号公報
特開2005−50262号公報
ところで、特許文献1記載の「情報配信仲介システム」は、仲介サーバにおいて指定した時間を条件として、ユーザの携帯端末に電子メールで情報をプッシュ配信することは可能である。
しかしながら、この「情報配信仲介システム」では、非接触ICモジュール特有の条件をもった情報、例えば電子マネーの残高や、経由した改札の駅名などの情報を、ユーザ操作に依らずに携帯端末にプッシュ配信して表示するように対応させることは困難である。
また、特許文献2記載の「携帯型情報機器」は、所定の基準時刻からの経過時間あるいは所定の基準時刻に至るまでの残り時間に応じて、リーダ/ライタ(R/W)から受けたイベント情報等を促す情報に変更して表示する非接触アンテナ一体型の携帯端末を想定している。
このため、この「携帯型情報機器」では、非接触ICモジュールを搭載した携帯電話のように、非接触通信を制御する非接触ICモジュールと、メッセージの解析および表示を制御する携帯端末とが分離している場合には、非接触ICモジュールにて携帯端末に対するメッセージのアクセス制御を行うことはできない。
さらに、特許文献3記載の「ICモジュールを搭載した携帯端末」は、非接触通信特有の条件により非接触通信処理の結果であるデータの変更をユーザに通知することは可能であるが、リーダ/ライタから受信した要求メッセージを、メッセージ毎の条件に従って非接触ICモジュールから取得して携帯端末に処理を実行させることはできない。
本発明の目的は、リーダ/ライタからの要求により常時接続困難な被接触通信により非接触ICモジュールから取得したメッセージに記載されている処理を、擬似的にプッシュ配信して実行させることができる携帯端末、非接触ICモジュール、リーダ/ライタおよび情報配信方法を提供することである。
本発明の携帯端末は、リーダ/ライタから非接触通信により送信されるメッセージを受信する非接触ICモジュールを搭載した携帯端末であって、前記リーダ/ライタから送信されるメッセージは、前記携帯端末に実行させる処理を指定するための設定条件を記載したイベントヘッダを備え、前記メッセージを受信した前記非接触ICモジュールから前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成しているメッセージのみを取得するメッセージ取得手段と、前記メッセージ取得手段により取得したメッセージに記載された処理を実行する処理手段と、を具備する構成を採る。
本発明の非接触ICモジュールは、リーダ/ライタから非接触通信により送信されるメッセージを受信する、携帯端末に搭載された非接触ICモジュールであって、前記リーダ/ライタから送信されるメッセージは、前記携帯端末に実行させる処理を指定するための設定条件を記載したイベントヘッダを備え、前記リーダ/ライタから受信したメッセージに設けられたイベントヘッダを解析するイベントヘッダ解析手段と、前記イベントヘッダ解析手段により解析して得た前記イベントヘッダに記載されている設定条件を反映させたフラグを設定するフラグ設定手段と、を具備し、前記携帯端末からのメッセージ取得依頼により指定されたメッセージのフラグが、前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成している状態である場合に、前記携帯端末のメッセージ取得を許可する、構成を採る。
本発明のリーダ/ライタは、携帯端末に搭載された非接触ICモジュールと非接触通信により交信するリーダ/ライタであって、前記携帯端末に実行させる処理を指定するための設定条件を記載したイベントヘッダを設けたメッセージを非接触通信により送信する、構成を採る。
本発明の情報配信方法は、リーダ/ライタから送信されるメッセージを、携帯端末に搭載した非接触ICモジュールに非接触通信により送信する情報配信方法であって、前記リーダ/ライタから送信されるメッセージは、前記携帯端末に実行させる処理を指定するための設定条件を記載したイベントヘッダを備え、前記非接触ICモジュールは、前記リーダ/ライタから受信したメッセージに設けられたイベントヘッダを解析するイベントヘッダ解析ステップと、前記イベントヘッダ解析ステップで解析して得た前記イベントヘッダに記載されている設定条件を反映させたフラグを設定するフラグ設定ステップと、前記携帯端末からのメッセージ取得依頼により指定されたメッセージのフラグが前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成している状態である場合に前記携帯端末のメッセージ取得を許可するメッセージ取得許可ステップと、を備え、前記携帯端末は、前記非接触ICモジュールに取得可能なメッセージが存在しているか否かを検索して前記フラグ設定ステップで設定されたフラグの状態から前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成したフラグの有無を解析するフラグ解析ステップと、前記フラグ解析ステップで前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成していると判断されて前記メッセージ取得許可ステップで許可されたメッセージのみを前記非接触ICモジュールから取得するメッセージ取得ステップと、前記メッセージ取得手段により取得したメッセージに記載された処理を実行する処理ステップと、を具備するようにした。
本発明によれば、リーダ/ライタからの要求により常時接続困難な被接触通信により非接触ICモジュールから取得したメッセージに記載されている処理を、擬似的にプッシュ配信して実行させることができる。
本発明の一実施の形態に係る携帯端末の主要部の構成を示すブロック図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載される非接触ICカードの主要部の構成を示すブロック図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードとリーダ/ライタとの非接触通信による情報配信方法について説明するための概略図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードと非接触通信するリーダ/ライタの非接触通信メッセージに設けられるイベントヘッダの一例を示す図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードの動作を説明するためのフローチャート
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードと非接触通信するリーダ/ライタの非接触通信メッセージに設けられるイベントヘッダを解析して設定されるフラグの一例を示す図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末の動作を説明するためのフローチャート
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明の一実施の形態に係る携帯端末の主要部の構成について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末の主要部の構成を示すブロック図である。なお、ここでは、非接触ICモジュールとして、非接触ICカードを例にとって説明することとする。
図1に示すように、本例の携帯端末100は、ユーザ設定部101、フラグ解析部102、メッセージ取得部103、通信部104、操作部105、表示部106、制御部107、を具備している。
図1において、ユーザ設定部101は、操作部105のユーザ操作により表示部106に表示させるメッセージの表示条件などの設定処理を行う。
フラグ解析部102は、後述するリーダ/ライタ(R/W)300から非接触通信により非接触ICカード200に送信されたメッセージのイベントヘッダに記載されている設定条件を達成したフラグの有無を解析するためのフラグチェックを行う。
メッセージ取得部103は、リーダ/ライタ300から非接触通信により非接触ICカード200に送信されて非接触ICカード200の第1記憶部202に格納されたメッセージを取得するためのメッセージ取得処理を行う。
通信部104は、その接触IF(インターフェース)が非接触ICカード200の通信部204の接触IF(インターフェース)と接続されており、非接触ICカード200の通信部204と接触通信を行う。
操作部105は、テンキーやファンクションキーなどを備えており、ユーザ操作によるデータ入力処理などを行う。
表示部106は、液晶パネルなどを備え、操作部105のユーザ操作により入力された文字や画像、およびメッセージ取得部103が非接触ICカード200の第1記憶部202から取得したメッセージなどを表示する。
制御部107は、ユーザ設定部101、フラグ解析部102、メッセージ取得部103、通信部104、操作部105、表示部106に対する信号の入出力処理やデータの演算処理を行う。
次に、本例の携帯端末100に搭載される非接触ICカードの主要部の構成について説明する。図2は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載される非接触ICカードの主要部の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本例の携帯端末100に搭載される非接触ICカード200は、イベントヘッダ解析部201、第1記憶部202、フラグ設定部203、通信部204、第2記憶部205、制御部206、を具備している。
図2において、イベントヘッダ解析部201は、非接触通信によりリーダ/ライタ300から送信される非接触通信メッセージに設けられているイベントヘッダを解析するためのイベントヘッダ解析処理を行う。
第1記憶部202は、ユーザ操作、およびリーダ/ライタ300から非接触通信により受信したメッセージを記憶する。
フラグ設定部203は、イベントヘッダ解析部201により解析して得たイベントヘッダに記載されている設定条件を反映させたフラグを「ON」の状態に設定する(立てる)フラグ設定処理を行う。
通信部204は、その接触IF(インターフェース)が携帯端末100の通信部104の接触IF(インターフェース)と接続されており、携帯端末100の通信部104と接触通信を行う。
第2記憶部205は、非接触ICカード200の種類や各カード製造会社に共通の記憶領域(共通記憶領域)を備えており、この共通記憶領域に、フラグ設定部203において設定されたフラグの状態を記憶する。
制御部206は、イベントヘッダ解析部201、第1記憶部202、フラグ設定部203、通信部204、第2記憶部205に対する信号の入出力処理やデータの演算処理を行う。
次に、本例の携帯端末100に搭載された非接触ICカード200とリーダ/ライタ300との非接触通信による情報配信方法について説明する。図3は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードとリーダ/ライタとの非接触通信による情報配信方法について説明するための概略図である。
図3において、非接触ICカード200とリーダ/ライタ300とは、アンテナ210,310を介して非接触通信により情報の送受信を行う。
ここで、例えば、駅の改札機やコンビニのPOSなどのリーダ/ライタ300側からの要求により、非接触ICカード200が持っている情報(メッセージ)を携帯端末100に表示させる場合、何時どのような条件の時にメッセージを表示させるかを指定する必要がある。
しかしながら、非接触ICカード200は、能動的ではなく受動的なディバイスであるため、携帯端末100に対して情報をプッシュしたくても自ら勝手に動作することができない。ただし、非接触処理が終了したと言った単純なイベントであれば割り込みを発生させる程度のことは可能な場合がある。例えば、おサイフケータイ(登録商標)は、駅やコンビニなどで、POSなどのリーダ/ライタ300側から情報をもらっており、トルカ(登録商標)は、クーポンをPOS側からもらっている。スイカ(登録商標)は、定期券としての機能を重視しており、表示手段を備えていない。
また、ユーザとしては、携帯端末100の非接触ICカード200が持っている情報(メッセージ)のうち、予め設定した必要な情報だけをプッシュして欲しいという要望がある。
しかし、従来の特許文献1記載の情報配信方法では、電子メールを携帯端末100にプッシュ配信することはできるが、非接触ICカード200に特有の条件をもった情報を、ユーザ操作に依らずに非接触通信により携帯端末100にプッシュ配信して表示するように対応させることは困難である。
また、従来の特許文献2記載の情報配信方法では、テーマパークやゲームセンタ等のイベント開催日などの情報を、リーダ/ライタ300から携帯端末100に送信することはできるが、非接触ICカード200において携帯端末100に対するメッセージのアクセス制御を行うことはできない。
また、従来の特許文献3記載の情報配信方法では、例えば、おサイフケータイ(登録商標)の非接触ICカード200が保持している課金後の残高をPOSで処理して残高表示することはできるが、リーダ/ライタ300から受信した要求メッセージを、メッセージ毎の条件に従って非接触ICカード200から取得し、必要な情報だけを携帯端末100にプッシュして表示することはできない。
そこで、本例の携帯端末100を用いた情報配信方法においては、リーダ/ライタ300から非接触ICカード200に対して送信するメッセージに、携帯端末100に表示したい情報(データ)を特定するための条件を記載可能なイベントヘッダを設けるようにしている。このような構成とすることで、リーダ/ライタ300でメッセージを非接触ICカード200に対して送信した際に前記条件が達成されていない場合でも、達成後に携帯端末100に非同期でメッセージを表示することが可能となる。例えばリーダ/ライタ300でメッセージを送信したタイミングでは表示せずに、ある期間経過して前記条件を達成した直後にメッセージを表示できる。
一方、非接触ICカード200側では、リーダ/ライタ300から送信されるメッセージのイベントヘッダを解析してフラグを立て(フラグを「ON」にする)、携帯端末100へのメッセージの表示条件を設定するようにしている。
非接触ICカード200側で立てるフラグは、リーダ/ライタ300から送信されるメッセージのメッセージIDを振って、条件が満たされたか否か、つまりイベントヘッダに記載された設定条件が達成されたか否かを判断するフラグである。
携帯端末100は、非接触ICカード200側に立てられたフラグが「ON」または「OFF」の何れであるかフラグチェックして、設定条件が満たされているか否か、つまりリーダ/ライタ300からの要求により表示するメッセージがあるか否かをチェックするようにしている。
そして、携帯端末100は、フラグチェックにより、フラグが「ON」の状態になっている設定条件を満たしているメッセージのみを非接触ICカード200から取得して表示するようにしている。言い換えれば、本例の携帯端末100は、フラグが「OFF」の状態の、設定条件を満たしていないメッセージは取得することができず表示することができないようになっている。
このように、本例の携帯端末100においては、非接触ICカード200のメッセージを取得するための条件を達成しているか否か、非接触ICカード200側でフラグを立てている。
また、本例の携帯端末100は、リーダ/ライタ300から送信する非接触通信メッセージにイベントヘッダを設けることで、リーダ/ライタ300側からの要求により表示したい情報を詳細に特定するようにしている。
従って、本例の携帯端末100においては、非接触ICカード200に格納されているメッセージのうちの表示させたいメッセージだけを、リーダ/ライタ300側から擬似的にプッシュして表示させることができるようになる。
このように、従来の情報配信方法では携帯端末100側の要求によるプッシュ配信しかできなかったが、本例の携帯端末100においては、リーダ/ライタ300側の要求により、より詳細に設定した情報(データ)をプッシュ配信ができるようになる。
すなわち、本例の携帯端末100は、非接触ICカード200がリーダ/ライタ300から非接触通信によるメッセージを受け取ることで、非接触ICカード200が持っている情報を表示部106に表示するように構成されている。
リーダ/ライタ300から携帯端末100の補接触ICカード200に送信される非接触通信によるメッセージには、非接触通信特有の条件を記載可能なイベントヘッダが設けられている。
リーダ/ライタ300から送信される非接触通信メッセージに設けられたイベントヘッダには、ICカードの持っている情報の表示条件として、図4に示すような{種別、値、式、必須、表示}の各項目が記載されている。
例えば、電子マネーの残高が1000円以下になっていることを条件に、コンビニのPOS(リーダ/ライタ300)から携帯端末100にチャージ等を促すメッセージをプッシュして表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Money、値=1000、式=Under、必須=M、表示=None}の条件が記載される。
また、交通券で横浜駅に着いたことを条件に、品川駅のリーダ/ライタ300から携帯端末100にプッシュして横浜駅で利用可能なクーポンなどを表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Train、値=Yokohama、式=Equal、必須=M、表示=Popup}の条件が記載される。
また、現在日が誕生日やイベント開催日などの特定日であることを条件に、リーダ/ライタ300から携帯端末100にプッシュしてバースデーカードなどを表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Time、値=05/09/14、式=Equal、必須=O、表示=Popup}の条件が記載される。
また、テーマパークの入場回数のカウント値が5になって特定回数以上になったことを条件に、テーマパークのリーダ/ライタ300から携帯端末100にプッシュしてイベント情報などを表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Count、値=5、式=Over、必須=O、表示=Telop}の条件が記載される。
また、テーマパークのチケットを使用したか、あるいは映画館のキップ(チケット)を切ったかなどのプロセスを、テーマパークあるいは映画館のリーダ/ライタ300から携帯端末100にプッシュしてチケット処理後即表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Ticket、値=Process、式=ASAP、必須=M、表示=None}の条件が記載される。
なお、上述したイベントヘッダは、複数のヘッダを組み合わせて、複合条件に設定することも可能である。
このように、イベントヘッダの「種別」の項目には、「Money」、「Train」、「Time」、「Count」、「Ticket」など、携帯端末100に表示させる情報のカテゴリーが記載される。
また、イベントヘッダの「値」の項目には、「100」、「Yokohama」、「05/09/14」、「5」、「Process」など、「種別」の具体的な内容が記載される。
また、イベントヘッダの「式」の項目には、「Under」、「Equal」、「Over」、「ASAP」など、「値」の内容の状態が記載される。ただし、「式」の項目が「式=ASAP:AS SOON AS POSSIBLE」と記載されている場合には、メッセージ取得後、即表示することが要求される。
また、イベントヘッダの「必須」の項目には、ユーザまたはR/Wの何れの要求を優先させるかが記載される。
ここで、「必須」の項目が「必須=M:Mandatory」と記載されている場合には、ユーザ設定を無視し、コンビニや駅などのリーダ/ライタ300側の設定に従って、非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100に表示するように指示が出される。
一方、「必須」の項目が「必須=O:Option」と記載されている場合には、ユーザ設定を優先して、非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100に表示するように指示が出される。つまり、携帯端末100のユーザ設定が表示禁止になっている場合には表示は行われない。
また、イベントヘッダの「表示」の項目には、「None」、「Popup」、「Telop」など、非接触ICカード200の持っている情報の携帯端末100への表示方法が記載される。
ここで、「表示」の項目が「表示=None」と記載されている場合には、自由な表示方法により非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100に表示するように指示が出される。
また、「表示」の項目が「表示=Popup」と記載されている場合には、非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100にポップアップ表示するように指示が出される。
さらに、「表示」の項目が「表示=Telop」と記載されている場合には、非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100にテロップ表示するように指示が出される。
次に、上述のようなイベントヘッダが設けられた非接触通信メッセージがリーダ/ライタ300から送信されたときの非接触ICカード200の動作について説明する。図5は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードの動作を説明するためのフローチャートである。
図5において、リーダ/ライタ300との非接触通信が開始された非接触ICカード200は、リーダ/ライタ300からイベントヘッダが設定されたメッセージを受信する(ステップST501)。
メッセージを受信した非接触ICカード200は、イベントヘッダ解析部201でメッセージのイベントヘッダを解析し、フラグ設定部203においてイベントヘッダの解析結果を反映したフラグを立てるためのフラグ設定処理を実施する(ステップST502)。
次いで、非接触ICカード200は、携帯端末100からメッセージの取得依頼を受信(ステップST503)すると、指定されたメッセージのフラグの達成有無が有るか否か(フラグが「ON」か「OFF」か)を判断する(ステップST504)。
ここで、指定されたメッセージのフラグの達成有無が有る(フラグが「ON」)と判断された場合には、携帯端末100のメッセージの取得を許可する(ステップST505)。
上述のフラグ処理では、図6に示すような{メッセージID、達成有無、要求情報、必須、表示}の各項目のフラグが設定される。
図6において、「メッセージID」の項目のフラグは、携帯端末に表示するように要求されたメッセージのメッセージID(識別番号)の有無の状態を保持する。
「達成有無」の項目のフラグは、イベントヘッダに記載されている条件を達成済みか否かの状態を保持する。
「要求情報」の項目のフラグは、イベントヘッダの条件判定に必要な情報の有無の状態を保持する。例えば、ICカードは、時計を備えていない場合が多いので、イベントヘッダの条件判定に必要な情報として日時情報を要求するようにする。要求を受けた携帯端末100は、SNTP(Simple Network Time Protocol)サーバや携帯端末100が備える時計から時刻情報を取得してICカードに送る。
「必須」と「表示」の項目のフラグは、イベントヘッダの「必須」と「表示」の項目と同じ内容の状態を保持する。
ところで、非接触ICカード200は、カードの種類やカード製造会社によって、格納されているカードアプリケーションの数や記憶領域が異なっている。
そこで、上述のフラグ設定処理では、非接触ICカード200のカードアプリケーションごと、もしくは各カード製造会社のそれぞれの非接触ICカード200で共通の記憶領域である第2記憶部205にフラグを配置する。
このように、各非接触ICカード200で共通の記憶領域である第2記憶部205にフラグを配置することにより、カードの種類やカード製造会社が異なっていても、各非接触ICカード200で共通したフラグ設定処理およびフラグチェックを行うことができるようになる。ただし、各非接触ICカード200で共通の記憶領域にフラグを配置する場合には、上述したフラグの設定項目として、非接触ICカード200のカードアプリケーション名の項目が追加することが好ましい。
次に、本例の携帯端末100の動作について説明する。図7は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末の動作を説明するためのフローチャートである。
図7において、非接触ICカード200からメッセージ取得を許可された携帯端末100は、非接触ICカード200に定期的にポーリング(ステップST701)して、非接触ICカード200のフラグ設定処理で設定したフラグをチェックする。
このフラグチェックでは、指定されたメッセージのフラグの達成有無が有(フラグが「ON」)のメッセージが非接触ICカード200の第2記憶部205に存在しているか否か判断する(ステップST702)。
ここで、指定したメッセージのフラグの達成有無が有(フラグが「ON」)のメッセージが非接触ICカード200の第2記憶部205に存在していると判断された場合には、メッセージID(識別番号「1100」)を指定して、メッセージ取得部103が非接触ICカード200へメッセージ取得要求を送信する(ステップST703)。
そして、携帯端末100は、非接触ICカード200の第1記憶部202および第2記憶部205からメッセージとフラグを取得し、ユーザ設定部101で設定されたユーザ設定により、取得したフラグをフラグ解析部102で解析する(ステップST704)。
これにより、携帯端末100は、フラグ解析部102でのフラグ解析結果により、予めイベントヘッダに記載されている指定されたメッセージだけを表示部106に表示する(ステップST705)。
上述のように、本例の携帯端末100においては、ステップST701でのフラグチェックで、メッセージIDの識別番号「1100」が有り、イベントヘッダに記載されている条件を達成している場合には、非接触ICカード200に対してメッセージIDを送信する。
非接触ICカード200は、受信したメッセージIDの識別番号「1100」を認証し、許可した場合に携帯端末100にメッセージを渡す。このようにして、携帯端末100は、非接触ICカード200からメッセージを取得する。
ここで、イベントヘッダに記載されている条件が未達成の場合には、非接触ICカード200は、携帯端末100のメッセージの取得を許可しない。
また、非接触ICカード200は、フラグチェックで、メッセージIDが有り、イベントヘッダに記載されている条件を達成しておらず、携帯端末100からの要求データが無い場合には、携帯端末100の要求を無視する。
また、携帯端末100は、上述のフラグチェックで、メッセージIDが有り、イベントヘッダに記載されている条件を達成しておらず、要求情報がある場合には、要求情報を非接触ICカード200に送信する。
また、携帯端末100は、上述のフラグチェックで、メッセージIDが有り、イベントヘッダに記載されている条件を達成しており、要求情報がある場合には、要求情報およびメッセージIDを非接触ICカード200に送信し、非接触ICカード200からメッセージを取得する。
また、非接触ICカード200は、上述のフラグチェックで、メッセージIDが有り、イベントヘッダに記載されている条件が未達成で、携帯端末100からの要求データが無い場合には、携帯端末100の要求を無視する。
ところで、携帯端末100が非接触ICカード200に要求しているメッセージの重要度が高い場合、例えば、メッセージがお買い物券など換金性の高い情報である場合には、要求情報の信頼性が問題となる。
そこで、本例の携帯端末100においては、要求情報にディジタル署名やMAC(Message Authentication Code)などの認証情報を付加し、非接触ICカード200にてディジタル署名やMACなどの認証情報を検証し、正しい場合に条件達成とする。ただし、MACの場合は、事前に秘密情報の共有が必須となる。
SNTPサーバや携帯端末100の時計から取得した時刻情報にディジタル署名やMACが添付されていてもよい。
なお、上述のフラグチェックで、「必須=O」の場合には、携帯端末100に設定された条件に従って、非接触ICカード200からメッセージを取得する。
また、携帯端末100は、非接触ICカード200から取得したメッセージをフラグ表示する。
また、携帯端末100のメッセージの表示方法は、フラグの表示に従う。
また、上述のフラグチェックで、「必須=O」の場合には、非接触ICカード200から取得したメッセージをユーザ設定に従って表示する。
また、上述のフラグチェックで、「表示=Popup」の場合も、「ユーザ設定=Telop」ならばテロップ(Telop)表示とする。これにより、ユーザの意図しない動作を極力抑えることができる。
ただし、本例の携帯端末100は、リーダ/ライタ300側の要求によりサービス上どうしてもメッセージを目立つように表示したい場合などには、ユーザ設定により目立たなくなることを避けるために、「必須=M」としてユーザ設定を無効化することが可能となっている。
上述のように、本例の携帯端末100および情報配信方法においては、リーダ/ライタ300から送信されるメッセージ毎に非接触ICカード200に特化した条件を付加できるので、非接触ICカード200に特有の条件をもった情報、例えば電子マネーの残高が一定金額を超えた場合でのクーポン券の表示や、特定の駅に到着した場合に周辺のショップ情報などの情報を、ユーザ操作に依らずに携帯端末100の表示部106にプッシュ配信して表示することができる。
また、本例の携帯端末100および情報配信方法においては、リーダ/ライタ300から受信した要求メッセージを、メッセージ毎の条件に従って非接触ICカード200から取得して携帯端末100の表示部106に表示することができる。
また、本例の携帯端末100および情報配信方法においては、非接触ICカード200にてリーダ/ライタ300から要求されたメッセージの携帯端末100に対するアクセス制御を行うことができる。
本発明に係る携帯端末および情報配信方法は、リーダ/ライタからの要求により常時接続困難な被接触通信により非接触ICモジュールから取得したメッセージに記載されている処理を、擬似的にプッシュ配信して実行させることができるので、リーダ/ライタと常時接続困難な非接触通信を行う非接触ICモジュールを搭載した携帯端末および情報配信方法として有用である。
本発明は、リーダ/ライタ(R/W)と常時接続困難な非接触通信を行う非接触ICモジュールを搭載した携帯端末、非接触ICモジュール、リーダ/ライタおよび情報配信方法に関する。
従来、ユーザが働きかけなくてもサーバからユーザの携帯電話などの携帯端末に情報を直接送り届けるプッシュ型情報配信の技術を利用した情報配信方法がある。
この種の情報配信方法を用いて通信を行うシステムや携帯端末等として、特許文献1記載の「情報配信仲介システム」、特許文献2記載の「携帯型情報機器」、特許文献3記載の「ICモジュールを搭載した携帯端末」などが知られている。
特許文献1記載の「情報配信仲介システム」は、オンライン回線を通じて登録された配信日時とコンピュータが保持する現在日時情報を発見した場合、配信日時とセットで登録された情報配信内容を、電子メールデータに変換し、予めオンライン回線を通じて登録された携帯電話または携帯端末の電子メールアドレス先に送信するようにしている。
この「情報配信仲介システム」によれば、特定の顧客に対し、特定の顧客の携帯電話や携帯端末に対して、電子メールサービスを利用して指定した日時に情報配信することが可能になる。
また、特許文献2記載の「携帯型情報機器」は、アトラクションシステムにより設定された所定の基準時刻からの経過時間あるいは所定の基準時刻に至るまでの残り時間に基づいて腕時計型情報機器の表示画面に表示する情報を所定の情報である宣伝情報、広告情報あるいはユーザの行動(アミューズメント施設への来訪など)を促す情報に変更するようにしている。
この「携帯型情報機器」によれば、非接触ICモジュールの情報処理機能を有効に利用し、テーマパークなどのアミューズメント施設において、宣伝情報や広告情報を腕時計型情報機器の表示画面に表示することができる。
また、特許文献3記載の「ICモジュールを搭載した携帯端末」は、ICカード機能を有するセキュアエレメント(ICモジュール)が、サービスに関する状態のデータを保持するメモリと、所定の場所に設置されたサービス端末との非接触通信によりサービスに関する処理が行われるように制御する制御部を備えている。また、ユーザに確認を要求することなく行われた変更が、ユーザの注意を喚起すべきとして設定された条件を満たすか否かを判断し、満たすとの判断に応じて、携帯端末の表示部がユーザへの通知を行うように指示する処理判断部を備えている。
この携帯端末は、パスワードフリーに設定した場合でも、サービス端末とICモジュールとの通信によりユーザの注意が喚起されるべき処理が行われた場合には、これを携帯端末のユーザインターフェース機能を活用してユーザに通知することができ、意図しない処理や誤りが生じていないかどうかをユーザが簡単にチェックできるようになる。
特開2001−282684号公報
特開2002−288068号公報
特開2005−50262号公報
ところで、特許文献1記載の「情報配信仲介システム」は、仲介サーバにおいて指定した時間を条件として、ユーザの携帯端末に電子メールで情報をプッシュ配信することは可能である。
しかしながら、この「情報配信仲介システム」では、非接触ICモジュール特有の条件をもった情報、例えば電子マネーの残高や、経由した改札の駅名などの情報を、ユーザ操作に依らずに携帯端末にプッシュ配信して表示するように対応させることは困難である。
また、特許文献2記載の「携帯型情報機器」は、所定の基準時刻からの経過時間あるいは所定の基準時刻に至るまでの残り時間に応じて、リーダ/ライタ(R/W)から受けたイベント情報等を促す情報に変更して表示する非接触アンテナ一体型の携帯端末を想定している。
このため、この「携帯型情報機器」では、非接触ICモジュールを搭載した携帯電話のように、非接触通信を制御する非接触ICモジュールと、メッセージの解析および表示を制御する携帯端末とが分離している場合には、非接触ICモジュールにて携帯端末に対するメッセージのアクセス制御を行うことはできない。
さらに、特許文献3記載の「ICモジュールを搭載した携帯端末」は、非接触通信特有の条件により非接触通信処理の結果であるデータの変更をユーザに通知することは可能であるが、リーダ/ライタから受信した要求メッセージを、メッセージ毎の条件に従って非接触ICモジュールから取得して携帯端末に処理を実行させることはできない。
本発明の目的は、リーダ/ライタからの要求により常時接続困難な被接触通信により非接触ICモジュールから取得したメッセージに記載されている処理を、擬似的にプッシュ配信して実行させることができる携帯端末、非接触ICモジュール、リーダ/ライタおよび情報配信方法を提供することである。
本発明の携帯端末は、リーダ/ライタから非接触通信により送信されるメッセージを受信する非接触ICモジュールを搭載した携帯端末であって、前記リーダ/ライタから送信されるメッセージは、前記携帯端末に実行させる処理を指定するための設定条件を記載したイベントヘッダを備え、前記非接触ICモジュールは、前記リーダ/ライタから受信したメッセージに設けられたイベントヘッダを解析するイベントヘッダ解析手段と、前記イベントヘッダ解析手段により解析して得た前記イベントヘッダに記載されている設定条件を反映させたフラグを設定するフラグ設定手段と、を備え、前記メッセージを受信した前記非接触ICモジュールから前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成しているメッセージのみを取得するメッセージ取得手段と、前記非接触ICモジュールに取得可能なメッセージが存在しているか否かを検索して、前記フラグ設定手段により設定されたフラグの状態から前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成したフラグの有無を解析するフラグ解析手段と、前記メッセージ取得手段により取得したメッセージに記載された処理を実行する処理手段と、を具備する構成を採る。
本発明の非接触ICモジュールは、リーダ/ライタから非接触通信により送信されるメッセージを受信する、携帯端末に搭載された非接触ICモジュールであって、前記リーダ/ライタから送信されるメッセージは、前記携帯端末に実行させる処理を指定するための設定条件を記載したイベントヘッダを備え、前記リーダ/ライタから受信したメッセージに設けられたイベントヘッダを解析するイベントヘッダ解析手段と、前記イベントヘッダ解析手段により解析して得た前記イベントヘッダに記載されている設定条件を反映させたフラグを設定するフラグ設定手段と、を具備し、前記携帯端末からのメッセージ取得依頼により指定されたメッセージのフラグが、前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成している状態である場合に、前記携帯端末のメッセージ取得を許可する、構成を採る。
本発明の情報配信方法は、リーダ/ライタから送信されるメッセージを、携帯端末に搭載した非接触ICモジュールに非接触通信により送信する情報配信方法であって、前記リーダ/ライタから送信されるメッセージは、前記携帯端末に実行させる処理を指定するための設定条件を記載したイベントヘッダを備え、前記非接触ICモジュールは、前記リーダ/ライタから受信したメッセージに設けられたイベントヘッダを解析するイベントヘッダ解析ステップと、前記イベントヘッダ解析ステップで解析して得た前記イベントヘッダに記載されている設定条件を反映させたフラグを設定するフラグ設定ステップと、前記携帯端末からのメッセージ取得依頼により指定されたメッセージのフラグが前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成している状態である場合に前記携帯端末のメッセージ取得を許可するメッセージ取得許可ステップと、を備え、前記携帯端末は、前記非接触ICモジュールに取得可能なメッセージが存在しているか否かを検索して前記フラグ設定ステップで設定されたフラグの状態から前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成したフラグの有無を解析するフラグ解析ステップと、前記フラグ解析ステップで前記イベントヘッダに記載されている設定条件を達成していると判断されて前記メッセージ取得許可ステップで許可されたメッセージのみを前記非接触ICモジュールから取得するメッセージ取得ステップと、前記メッセージ取得手段により取得したメッセージに記載された処理を実行する処理ステップと、を具備する、ようにした。
本発明によれば、リーダ/ライタからの要求により常時接続困難な被接触通信により非接触ICモジュールから取得したメッセージに記載されている処理を、擬似的にプッシュ配信して実行させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明の一実施の形態に係る携帯端末の主要部の構成について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末の主要部の構成を示すブロック図である。なお、ここでは、非接触ICモジュールとして、非接触ICカードを例にとって説明することとする。
図1に示すように、本例の携帯端末100は、ユーザ設定部101、フラグ解析部102、メッセージ取得部103、通信部104、操作部105、表示部106、制御部107、を具備している。
図1において、ユーザ設定部101は、操作部105のユーザ操作により表示部106に表示させるメッセージの表示条件などの設定処理を行う。
フラグ解析部102は、後述するリーダ/ライタ(R/W)300から非接触通信により非接触ICカード200に送信されたメッセージのイベントヘッダに記載されている設定条件を達成したフラグの有無を解析するためのフラグチェックを行う。
メッセージ取得部103は、リーダ/ライタ300から非接触通信により非接触ICカード200に送信されて非接触ICカード200の第1記憶部202に格納されたメッセージを取得するためのメッセージ取得処理を行う。
通信部104は、その接触IF(インターフェース)が非接触ICカード200の通信部204の接触IF(インターフェース)と接続されており、非接触ICカード200の通信部204と接触通信を行う。
操作部105は、テンキーやファンクションキーなどを備えており、ユーザ操作によるデータ入力処理などを行う。
表示部106は、液晶パネルなどを備え、操作部105のユーザ操作により入力された文字や画像、およびメッセージ取得部103が非接触ICカード200の第1記憶部202から取得したメッセージなどを表示する。
制御部107は、ユーザ設定部101、フラグ解析部102、メッセージ取得部103、通信部104、操作部105、表示部106に対する信号の入出力処理やデータの演算処理を行う。
次に、本例の携帯端末100に搭載される非接触ICカードの主要部の構成について説明する。図2は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載される非接触ICカードの主要部の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本例の携帯端末100に搭載される非接触ICカード200は、イベントヘッダ解析部201、第1記憶部202、フラグ設定部203、通信部204、第2記憶部205、制御部206、を具備している。
図2において、イベントヘッダ解析部201は、非接触通信によりリーダ/ライタ300から送信される非接触通信メッセージに設けられているイベントヘッダを解析するためのイベントヘッダ解析処理を行う。
第1記憶部202は、ユーザ操作、およびリーダ/ライタ300から非接触通信により受信したメッセージを記憶する。
フラグ設定部203は、イベントヘッダ解析部201により解析して得たイベントヘッダに記載されている設定条件を反映させたフラグを「ON」の状態に設定する(立てる)フラグ設定処理を行う。
通信部204は、その接触IF(インターフェース)が携帯端末100の通信部104の接触IF(インターフェース)と接続されており、携帯端末100の通信部104と接触通信を行う。
第2記憶部205は、非接触ICカード200の種類や各カード製造会社に共通の記憶領域(共通記憶領域)を備えており、この共通記憶領域に、フラグ設定部203において設定されたフラグの状態を記憶する。
制御部206は、イベントヘッダ解析部201、第1記憶部202、フラグ設定部203、通信部204、第2記憶部205に対する信号の入出力処理やデータの演算処理を行う。
次に、本例の携帯端末100に搭載された非接触ICカード200とリーダ/ライタ300との非接触通信による情報配信方法について説明する。図3は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードとリーダ/ライタとの非接触通信による情報配信方法について説明するための概略図である。
図3において、非接触ICカード200とリーダ/ライタ300とは、アンテナ210,310を介して非接触通信により情報の送受信を行う。
ここで、例えば、駅の改札機やコンビニのPOSなどのリーダ/ライタ300側からの要求により、非接触ICカード200が持っている情報(メッセージ)を携帯端末100に表示させる場合、何時どのような条件の時にメッセージを表示させるかを指定する必要がある。
しかしながら、非接触ICカード200は、能動的ではなく受動的なディバイスであるため、携帯端末100に対して情報をプッシュしたくても自ら勝手に動作することができない。ただし、非接触処理が終了したと言った単純なイベントであれば割り込みを発生させる程度のことは可能な場合がある。例えば、おサイフケータイ(登録商標)は、駅やコンビニなどで、POSなどのリーダ/ライタ300側から情報をもらっており、トルカ(登録商標)は、クーポンをPOS側からもらっている。スイカ(登録商標)は、定期券としての機能を重視しており、表示手段を備えていない。
また、ユーザとしては、携帯端末100の非接触ICカード200が持っている情報(メッセージ)のうち、予め設定した必要な情報だけをプッシュして欲しいという要望がある。
しかし、従来の特許文献1記載の情報配信方法では、電子メールを携帯端末100にプッシュ配信することはできるが、非接触ICカード200に特有の条件をもった情報を、ユーザ操作に依らずに非接触通信により携帯端末100にプッシュ配信して表示するように対応させることは困難である。
また、従来の特許文献2記載の情報配信方法では、テーマパークやゲームセンタ等のイベント開催日などの情報を、リーダ/ライタ300から携帯端末100に送信することはできるが、非接触ICカード200において携帯端末100に対するメッセージのアクセス制御を行うことはできない。
また、従来の特許文献3記載の情報配信方法では、例えば、おサイフケータイ(登録商標)の非接触ICカード200が保持している課金後の残高をPOSで処理して残高表示することはできるが、リーダ/ライタ300から受信した要求メッセージを、メッセージ毎の条件に従って非接触ICカード200から取得し、必要な情報だけを携帯端末100にプッシュして表示することはできない。
そこで、本例の携帯端末100を用いた情報配信方法においては、リーダ/ライタ300から非接触ICカード200に対して送信するメッセージに、携帯端末100に表示したい情報(データ)を特定するための条件を記載可能なイベントヘッダを設けるようにしている。このような構成とすることで、リーダ/ライタ300でメッセージを非接触ICカード200に対して送信した際に前記条件が達成されていない場合でも、達成後に携帯端末100に非同期でメッセージを表示することが可能となる。例えばリーダ/ライタ300でメッセージを送信したタイミングでは表示せずに、ある期間経過して前記条件を達成した直後にメッセージを表示できる。
一方、非接触ICカード200側では、リーダ/ライタ300から送信されるメッセージのイベントヘッダを解析してフラグを立て(フラグを「ON」にする)、携帯端末100へのメッセージの表示条件を設定するようにしている。
非接触ICカード200側で立てるフラグは、リーダ/ライタ300から送信されるメッセージのメッセージIDを振って、条件が満たされたか否か、つまりイベントヘッダに記載された設定条件が達成されたか否かを判断するフラグである。
携帯端末100は、非接触ICカード200側に立てられたフラグが「ON」または「OFF」の何れであるかフラグチェックして、設定条件が満たされているか否か、つまりリーダ/ライタ300からの要求により表示するメッセージがあるか否かをチェックするようにしている。
そして、携帯端末100は、フラグチェックにより、フラグが「ON」の状態になっている設定条件を満たしているメッセージのみを非接触ICカード200から取得して表示するようにしている。言い換えれば、本例の携帯端末100は、フラグが「OFF」の状態の、設定条件を満たしていないメッセージは取得することができず表示することができないようになっている。
このように、本例の携帯端末100においては、非接触ICカード200のメッセージを取得するための条件を達成しているか否か、非接触ICカード200側でフラグを立てている。
また、本例の携帯端末100は、リーダ/ライタ300から送信する非接触通信メッセージにイベントヘッダを設けることで、リーダ/ライタ300側からの要求により表示したい情報を詳細に特定するようにしている。
従って、本例の携帯端末100においては、非接触ICカード200に格納されているメッセージのうちの表示させたいメッセージだけを、リーダ/ライタ300側から擬似的にプッシュして表示させることができるようになる。
このように、従来の情報配信方法では携帯端末100側の要求によるプッシュ配信しかできなかったが、本例の携帯端末100においては、リーダ/ライタ300側の要求により、より詳細に設定した情報(データ)をプッシュ配信ができるようになる。
すなわち、本例の携帯端末100は、非接触ICカード200がリーダ/ライタ300から非接触通信によるメッセージを受け取ることで、非接触ICカード200が持っている情報を表示部106に表示するように構成されている。
リーダ/ライタ300から携帯端末100の補接触ICカード200に送信される非接触通信によるメッセージには、非接触通信特有の条件を記載可能なイベントヘッダが設けられている。
リーダ/ライタ300から送信される非接触通信メッセージに設けられたイベントヘッダには、ICカードの持っている情報の表示条件として、図4に示すような{種別、値、式、必須、表示}の各項目が記載されている。
例えば、電子マネーの残高が1000円以下になっていることを条件に、コンビニのPOS(リーダ/ライタ300)から携帯端末100にチャージ等を促すメッセージをプッシュして表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Money、値=1000、式=Under、必須=M、表示=None}の条件が記載される。
また、交通券で横浜駅に着いたことを条件に、品川駅のリーダ/ライタ300から携帯端末100にプッシュして横浜駅で利用可能なクーポンなどを表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Train、値=Yokohama、式=Equal、必須=M、表示=Popup}の条件が記載される。
また、現在日が誕生日やイベント開催日などの特定日であることを条件に、リーダ/ライタ300から携帯端末100にプッシュしてバースデーカードなどを表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Time、値=05/09/14、式=Equal、必須=O、表示=Popup}の条件が記載される。
また、テーマパークの入場回数のカウント値が5になって特定回数以上になったことを条件に、テーマパークのリーダ/ライタ300から携帯端末100にプッシュしてイベント情報などを表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Count、値=5、式=Over、必須=O、表示=Telop}の条件が記載される。
また、テーマパークのチケットを使用したか、あるいは映画館のキップ(チケット)を切ったかなどのプロセスを、テーマパークあるいは映画館のリーダ/ライタ300から携帯端末100にプッシュしてチケット処理後即表示する場合のイベントヘッダには、{種別=Ticket、値=Process、式=ASAP、必須=M、表示=None}の条件が記載される。
なお、上述したイベントヘッダは、複数のヘッダを組み合わせて、複合条件に設定することも可能である。
このように、イベントヘッダの「種別」の項目には、「Money」、「Train」、「Time」、「Count」、「Ticket」など、携帯端末100に表示させる情報のカテゴリーが記載される。
また、イベントヘッダの「値」の項目には、「100」、「Yokohama」、「05/09/14」、「5」、「Process」など、「種別」の具体的な内容が記載される。
また、イベントヘッダの「式」の項目には、「Under」、「Equal」、「Over」、「ASAP」など、「値」の内容の状態が記載される。ただし、「式」の項目が「式=ASAP:AS SOON AS POSSIBLE」と記載されている場合には、メッセージ取得後、即表示することが要求される。
また、イベントヘッダの「必須」の項目には、ユーザまたはR/Wの何れの要求を優先させるかが記載される。
ここで、「必須」の項目が「必須=M:Mandatory」と記載されている場合には、ユーザ設定を無視し、コンビニや駅などのリーダ/ライタ300側の設定に従って、非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100に表示するように指示が出される。
一方、「必須」の項目が「必須=O:Option」と記載されている場合には、ユーザ設定を優先して、非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100に表示するように指示が出される。つまり、携帯端末100のユーザ設定が表示禁止になっている場合には表示は行われない。
また、イベントヘッダの「表示」の項目には、「None」、「Popup」、「Telop」など、非接触ICカード200の持っている情報の携帯端末100への表示方法が記載される。
ここで、「表示」の項目が「表示=None」と記載されている場合には、自由な表示方法により非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100に表示するように指示が出される。
また、「表示」の項目が「表示=Popup」と記載されている場合には、非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100にポップアップ表示するように指示が出される。
さらに、「表示」の項目が「表示=Telop」と記載されている場合には、非接触ICカード200の持っている情報を携帯端末100にテロップ表示するように指示が出される。
次に、上述のようなイベントヘッダが設けられた非接触通信メッセージがリーダ/ライタ300から送信されたときの非接触ICカード200の動作について説明する。図5は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードの動作を説明するためのフローチャートである。
図5において、リーダ/ライタ300との非接触通信が開始された非接触ICカード200は、リーダ/ライタ300からイベントヘッダが設定されたメッセージを受信する(ステップST501)。
メッセージを受信した非接触ICカード200は、イベントヘッダ解析部201でメッセージのイベントヘッダを解析し、フラグ設定部203においてイベントヘッダの解析結果を反映したフラグを立てるためのフラグ設定処理を実施する(ステップST502)。
次いで、非接触ICカード200は、携帯端末100からメッセージの取得依頼を受信(ステップST503)すると、指定されたメッセージのフラグの達成有無が有るか否か(フラグが「ON」か「OFF」か)を判断する(ステップST504)。
ここで、指定されたメッセージのフラグの達成有無が有る(フラグが「ON」)と判断された場合には、携帯端末100のメッセージの取得を許可する(ステップST505)。
上述のフラグ処理では、図6に示すような{メッセージID、達成有無、要求情報、必須、表示}の各項目のフラグが設定される。
図6において、「メッセージID」の項目のフラグは、携帯端末に表示するように要求されたメッセージのメッセージID(識別番号)の有無の状態を保持する。
「達成有無」の項目のフラグは、イベントヘッダに記載されている条件を達成済みか否かの状態を保持する。
「要求情報」の項目のフラグは、イベントヘッダの条件判定に必要な情報の有無の状態を保持する。例えば、ICカードは、時計を備えていない場合が多いので、イベントヘッダの条件判定に必要な情報として日時情報を要求するようにする。要求を受けた携帯端末100は、SNTP(Simple Network Time Protocol)サーバや携帯端末100が備える時計から時刻情報を取得してICカードに送る。
「必須」と「表示」の項目のフラグは、イベントヘッダの「必須」と「表示」の項目と同じ内容の状態を保持する。
ところで、非接触ICカード200は、カードの種類やカード製造会社によって、格納されているカードアプリケーションの数や記憶領域が異なっている。
そこで、上述のフラグ設定処理では、非接触ICカード200のカードアプリケーションごと、もしくは各カード製造会社のそれぞれの非接触ICカード200で共通の記憶領域である第2記憶部205にフラグを配置する。
このように、各非接触ICカード200で共通の記憶領域である第2記憶部205にフラグを配置することにより、カードの種類やカード製造会社が異なっていても、各非接触ICカード200で共通したフラグ設定処理およびフラグチェックを行うことができるようになる。ただし、各非接触ICカード200で共通の記憶領域にフラグを配置する場合には、上述したフラグの設定項目として、非接触ICカード200のカードアプリケーション名の項目が追加することが好ましい。
次に、本例の携帯端末100の動作について説明する。図7は、本発明の一実施の形態に係る携帯端末の動作を説明するためのフローチャートである。
図7において、非接触ICカード200からメッセージ取得を許可された携帯端末100は、非接触ICカード200に定期的にポーリング(ステップST701)して、非接触ICカード200のフラグ設定処理で設定したフラグをチェックする。
このフラグチェックでは、指定されたメッセージのフラグの達成有無が有(フラグが「ON」)のメッセージが非接触ICカード200の第2記憶部205に存在しているか否か判断する(ステップST702)。
ここで、指定したメッセージのフラグの達成有無が有(フラグが「ON」)のメッセージが非接触ICカード200の第2記憶部205に存在していると判断された場合には、メッセージID(識別番号「1100」)を指定して、メッセージ取得部103が非接触ICカード200へメッセージ取得要求を送信する(ステップST703)。
そして、携帯端末100は、非接触ICカード200の第1記憶部202および第2記憶部205からメッセージとフラグを取得し、ユーザ設定部101で設定されたユーザ設定により、取得したフラグをフラグ解析部102で解析する(ステップST704)。
これにより、携帯端末100は、フラグ解析部102でのフラグ解析結果により、予めイベントヘッダに記載されている指定されたメッセージだけを表示部106に表示する(ステップST705)。
上述のように、本例の携帯端末100においては、ステップST701でのフラグチェックで、メッセージIDの識別番号「1100」が有り、イベントヘッダに記載されている条件を達成している場合には、非接触ICカード200に対してメッセージIDを送信する。
非接触ICカード200は、受信したメッセージIDの識別番号「1100」を認証し、許可した場合に携帯端末100にメッセージを渡す。このようにして、携帯端末100は、非接触ICカード200からメッセージを取得する。
ここで、イベントヘッダに記載されている条件が未達成の場合には、非接触ICカード200は、携帯端末100のメッセージの取得を許可しない。
また、非接触ICカード200は、フラグチェックで、メッセージIDが有り、イベントヘッダに記載されている条件を達成しておらず、携帯端末100からの要求データが無い場合には、携帯端末100の要求を無視する。
また、携帯端末100は、上述のフラグチェックで、メッセージIDが有り、イベントヘッダに記載されている条件を達成しておらず、要求情報がある場合には、要求情報を非接触ICカード200に送信する。
また、携帯端末100は、上述のフラグチェックで、メッセージIDが有り、イベントヘッダに記載されている条件を達成しており、要求情報がある場合には、要求情報およびメッセージIDを非接触ICカード200に送信し、非接触ICカード200からメッセージを取得する。
また、非接触ICカード200は、上述のフラグチェックで、メッセージIDが有り、イベントヘッダに記載されている条件が未達成で、携帯端末100からの要求データが無い場合には、携帯端末100の要求を無視する。
ところで、携帯端末100が非接触ICカード200に要求しているメッセージの重要度が高い場合、例えば、メッセージがお買い物券など換金性の高い情報である場合には、要求情報の信頼性が問題となる。
そこで、本例の携帯端末100においては、要求情報にディジタル署名やMAC(Message Authentication Code)などの認証情報を付加し、非接触ICカード200にてディジタル署名やMACなどの認証情報を検証し、正しい場合に条件達成とする。ただし、MACの場合は、事前に秘密情報の共有が必須となる。
SNTPサーバや携帯端末100の時計から取得した時刻情報にディジタル署名やMACが添付されていてもよい。
なお、上述のフラグチェックで、「必須=O」の場合には、携帯端末100に設定された条件に従って、非接触ICカード200からメッセージを取得する。
また、携帯端末100は、非接触ICカード200から取得したメッセージをフラグ表示する。
また、携帯端末100のメッセージの表示方法は、フラグの表示に従う。
また、上述のフラグチェックで、「必須=O」の場合には、非接触ICカード200から取得したメッセージをユーザ設定に従って表示する。
また、上述のフラグチェックで、「表示=Popup」の場合も、「ユーザ設定=Telop」ならばテロップ(Telop)表示とする。これにより、ユーザの意図しない動作を極力抑えることができる。
ただし、本例の携帯端末100は、リーダ/ライタ300側の要求によりサービス上どうしてもメッセージを目立つように表示したい場合などには、ユーザ設定により目立たなくなることを避けるために、「必須=M」としてユーザ設定を無効化することが可能となっている。
上述のように、本例の携帯端末100および情報配信方法においては、リーダ/ライタ300から送信されるメッセージ毎に非接触ICカード200に特化した条件を付加できるので、非接触ICカード200に特有の条件をもった情報、例えば電子マネーの残高が一定金額を超えた場合でのクーポン券の表示や、特定の駅に到着した場合に周辺のショップ情報などの情報を、ユーザ操作に依らずに携帯端末100の表示部106にプッシュ配信して表示することができる。
また、本例の携帯端末100および情報配信方法においては、リーダ/ライタ300から受信した要求メッセージを、メッセージ毎の条件に従って非接触ICカード200から取得して携帯端末100の表示部106に表示することができる。
また、本例の携帯端末100および情報配信方法においては、非接触ICカード200にてリーダ/ライタ300から要求されたメッセージの携帯端末100に対するアクセス制御を行うことができる。
本発明に係る携帯端末および情報配信方法は、リーダ/ライタからの要求により常時接続困難な被接触通信により非接触ICモジュールから取得したメッセージに記載されている処理を、擬似的にプッシュ配信して実行させることができるので、リーダ/ライタと常時接続困難な非接触通信を行う非接触ICモジュールを搭載した携帯端末および情報配信方法として有用である。
本発明の一実施の形態に係る携帯端末の主要部の構成を示すブロック図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載される非接触ICカードの主要部の構成を示すブロック図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードとリーダ/ライタとの非接触通信による情報配信方法について説明するための概略図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードと非接触通信するリーダ/ライタの非接触通信メッセージに設けられるイベントヘッダの一例を示す図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードの動作を説明するためのフローチャート
本発明の一実施の形態に係る携帯端末に搭載された非接触ICカードと非接触通信するリーダ/ライタの非接触通信メッセージに設けられるイベントヘッダを解析して設定されるフラグの一例を示す図
本発明の一実施の形態に係る携帯端末の動作を説明するためのフローチャート