JPWO2008018455A1 - アルカリ電池 - Google Patents

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Abstract

本発明のアルカリ電池は、正極と、負極と、セパレータと、アルカリ電解液と、を備える。正極は、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルと、二酸化マンガンとを含む。負極は、負極活物質として少なくとも亜鉛を含む。負極活物質中のインジウムの含有量を、0.02重量%以下とする。

Description

本発明は、負極活物質として亜鉛と、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルおよび二酸化マンガンと、電解液としてアルカリ水溶液とを含むアルカリ電池に関する。
アルカリマンガン乾電池に代表されるアルカリ電池は、汎用性が高く安価であるため、各種機器の電源として広く普及している。近年のデジタル機器の広がりに伴い、これらの電池が使用される機器の負荷電力は次第に大きくなっている。そのため、高負荷放電性能に優れる電池が要望されてきた。この要望に対応するべく、特許文献1は、正極合剤にオキシ水酸化ニッケルを混合して、優れた高負荷放電特性を得ることを提案している。近年では、このようなオキシ水酸化ニッケルを正極合剤中に含むアルカリ電池(ニッケルマンガン電池)は実用化されて、広く普及するに到っている。
ニッケルマンガン電池に用いるオキシ水酸化ニッケルは、アルカリ蓄電池で用いられている球状の水酸化ニッケル(特許文献2)に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の酸化剤で酸化処理を行うことによって得るのが一般的である。原料である球状の水酸化ニッケルは、嵩密度(タップ密度)の大きいβ型のものを用いる。これに酸化処理を行うことでβ型の球状オキシ水酸化ニッケルが得られる。
負極には、アルカリマンガン乾電池と同様の構成材料が用いられている。例えば、特許文献3は、負極の耐食性を向上させるため、アルミニウム、ビスマスおよびインジウムを少量含む亜鉛合金粉末を負極活物質として用いることを提案している。
ニッケルマンガン電池の負極が有する問題として、(i)オキシ水酸化ニッケル由来の不純物により、負極側のガス発生(亜鉛の腐食)がアルカリマンガン系よりも加速される点、(ii)正極の出力性能が高いため、負極も高い出力性能を有する必要がある点、が挙げられる。(i)について、特許文献4は、亜鉛合金におけるビスマスの含有量を0.015〜0.05重量%とすることで、耐食性をより向上することを提案している。また(ii)について、特許文献5は、200メッシュ(75μm)以下の微粉比率が5重量%以上の亜鉛粉を用いることを提案している。
特開昭57−72266号公報 特公平4−80513号公報 特公平3−71737号公報 特開2006−40887号公報 特表2005−537624号公報
ニッケルマンガン電池は、通常のアルカリマンガン乾電池に比べて高負荷特性に優れる。しかし、その特性は十分であるとはいえない。このことは、例えば、従来のアルカリマンガン乾電池とニッケルマンガン電池に関して、デジタルスチルカメラを想定した以下のようなパルス放電試験を行った場合に明らかである。すなわち、まず、20℃雰囲気で電池(1セル)を650mWの定電力で28秒間放電させ、その後、1500mWの定電力で2秒間放電させた。この操作を1サイクルとして繰り返し行い、1500mWパルス放電の下限電圧が1.05Vに到達するまでのサイクル数を測定する。測定結果を図2および図3に示す。なお、図2および図3で示した正極電位および負極電位は、水銀/酸化水銀参照極に対する値であり、各電池の正極ケースの一部に孔を設け、正負極を、塩橋を介して電池外の水銀/酸化水銀参照極と液絡させた状態で測定することにより得られる。
アルカリマンガン乾電池(図2)と比べて、ニッケルマンガン電池(図3)では、パルス放電特性が向上している。ニッケルマンガン電池は、正極の電位が高く、電位平坦性も有するためであると考えられる。すなわち、ニッケルマンガン電池は、従来のアルカリマンガン電池と比べて、良好な高負荷パルス放電特性を有することがわかる。
ここで、アルカリマンガン電池では、放電が終止するまでのサイクル数が少ないため、負極の出力性能は殆ど変化していない。アルカリマンガン電池は、正極の二酸化マンガンの電位がサイクル初期から低い。そのため、電池全体の分極挙動は正極に依存する。一方、ニッケルマンガン電池では、負極側の分極が大きくなることがわかっている。このため、正極電位がかなり高い領域にある時点で、放電が終止している。つまり、負極側の出力向上(分極の低減)が、正極に比べて十分ではないといえる。 特許文献5が提案している、200メッシュ(75μm)以下の微粉比率が5重量%以上の亜鉛粉を用いても、負極の分極を抑制する十分な効果は得られていない。
そこで、本発明は、ニッケルマンガン電池特有の負極の分極を抑制し、優れた高負荷パルス放電特性を有するアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極と、負極と、セパレータと、アルカリ電解液とを有し、前記正極は、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルと、二酸化マンガンとを含み、前記負極は、負極活物質として少なくとも亜鉛を含み、前記負極活物質中のインジウムの含有量が、0.02重量%以下である、アルカリ電池に関する。
すなわち、本願発明における負極活物質は、少なくとも亜鉛または亜鉛とインジウムとの合金(亜鉛合金)を含む。したがって上記負極活物質は、本発明の効果を損なわない範囲において他の元素(後述するアルミニウムやビスマス、カルシウムを含む。)を含んでいてもよく、例えば負極活物質として、亜鉛と他の元素との合金、または、亜鉛とインジウムと他の元素との合金を用いてもよい。
本発明のアルカリ電池の構成によれば、パルス放電サイクル末期における、ニッケルマンガン電池特有の負極の分極を抑制することができる。これにより、アルカリ電池の高負荷時における、パルス放電特性を大幅に向上させることができる。
負極活物質は、0.001〜0.02重量%のアルミニウムおよび0.001〜0.015重量%のビスマスの少なくとも一方を含むことが好ましい。
さらに、負極活物質は、0.001〜0.02重量%のカルシウムを含むことが好ましい。
負極またはアルカリ電解液が、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種を、負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部含むことが好ましい。
上記の化合物は、水酸化物であることが好ましい。
負極またはアルカリ電解液が、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を、負極活物質100重量部あたり0.01〜0.5重量部含むことが好ましい。
上記のアニオン性界面活性剤は、炭素数5〜18のアルカンスルホン酸またはその塩であることが好ましい。
本発明によると、ニッケルマンガン電池特有の負極の分極を抑制し、優れた高負荷パルス放電特性を有するアルカリ電池を得ることができる。
本発明の一実施の形態であるアルカリ乾電池の一部を断面にした正面図である。 一般的なアルカリマンガン乾電池の、DSCパルス放電サイクル時の正、負極分極曲線を表した図である。 実験例1のニッケルマンガン電池(1)の、DSCパルス放電サイクル時の正、負極分極曲線を表した図である。 実験例1のニッケルマンガン電池(5)の、DSCパルス放電サイクル時の正、負極分極曲線を表した図である。
本発明は、正極と、負極と、セパレータと、アルカリ電解液とを有し、前記正極は、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルと、二酸化マンガンとを含み、前記負極は、負極活物質として少なくとも亜鉛を含み、前記負極活物質中のインジウムの含有量が、0.02重量%以下である、アルカリ電池を提供するものである。
上記のような従来の問題について、本発明者らが鋭意検討を進めた結果、負極活物質に含まれるインジウム元素が、パルス放電末期における、負極の分極を増大させていることが判明した。この詳細な理由は確認できていないが、後述の式(1)で表される亜鉛の酸化還元電位の値と、式(2)で表されるインジウムの酸化還元電位の値とが、近いためであると考えられる。すなわち、亜鉛の放電反応に伴って負極の電位が高くなると、合金中の粒界部(活性点)に偏在しているインジウムの酸化または不導体化が進む。よって、急激に負極の分極が増大していると考えられる。
Zn+2OH-→Zn(OH)2+2e-0=−1.36V(vs Hg/HgO) (1)
In+3OH-→In(OH)3+3e-0=−1.18V(vs Hg/HgO) (2)
そこで、本発明では、負極活物質中において負極の分極を増大させると考えられるインジウムの含有量を0.02重量%以下とすることで、パルス放電サイクル末期における、負極の分極を低減させる。これにより、負極側の放電性能を向上させ、高負荷時におけるパルス放電特性を向上させることができる。インジウムの含有量が0.02重量%を超えると、放電時に負極の分極が大きくなることから、好ましくない。本発明における負極活物質としては、少なくとも亜鉛を含み、さらに後述する元素を含む亜鉛合金を使用することができる。負極活物質には、例えばガスアトマイズ法によって得られる亜鉛または亜鉛合金粉を用いることができる。
インジウムの添加による負極の耐食性向上効果が得られるため、負極活物質中のインジウム含有量は0.005重量%以上であるのが好ましい。
負極活物質は、0.001〜0.02重量%のアルミニウム、0.001〜0.015重量%のビスマス、またはこれらの両方を含むことが好ましい。負極活物質におけるアルミニウムの含有量が0.001重量%以上であることで、優れた耐食性を得ることができる。また、負極活物質におけるアルミニウムの含有量が0.02重量%以下であることで、低負荷や低温で放電させた場合の、早期寿命を抑制することができる。この早期寿命は、亜鉛負極からのデンドライト成長に起因する微小短絡により引き起こされる。亜鉛合金中に含まれるアルミニウムは、亜鉛合金粒子の表層部に偏在する傾向を示す。その含有量が多い場合には、合金表層部の反応性が変化してデンドライトの成長が加速されるため、電池が早期寿命となると考えられる。
また、負極活物質におけるビスマスの含有量が0.001重量%以上であることで、優れた耐食性を得ることができる。また、負極活物質におけるビスマスの含有量が0.015重量%以下であることで、低温のハイレート連続放電特性の低下を抑制することができる。つまり、負極活物質にアルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方を含めることで、耐食性を向上させることができる。特に、ニッケルマンガン電池においては、オキシ水酸化ニッケル由来の不純物イオン等が電解液中に多く存在するため、アルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方を含むことで優れた耐食性が得られる。
アルミニウムの酸化還元電位は亜鉛より十分低く、また、ビスマスの酸化還元電位は亜鉛より十分高い。このため、アルミニウムおよびビスマスは、インジウムと比べて放電を阻害しにくい。従って、アルカリ電池において、アルミニウムやビスマスを含む亜鉛合金を負極活物質として用いることで、優れた高負荷パルス放電特性を有し、かつ優れた耐食性を有する電池が得られる。
負極活物質は、カルシウムを0.001〜0.02重量%含むことが好ましい。この負極活物質におけるカルシウムの含有量が0.001重量%以上であることで、優れた耐食性を得ることができる。また、カルシウムも、上記のアルミニウムと同様の理由より、電池の早期寿命の原因となる。よって、負極活物質におけるカルシウムの含有量が0.02重量%以下であることで、低負荷や低温で放電させた場合の電池の早期寿命を抑制することができる。上記のアルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方を含む負極活物質において、さらにカルシウム含むことが、より耐食性を高めることができるという観点から好ましい。
カルシウムの酸化還元電位もまた、亜鉛より十分低いため、放電を阻害しにくい。従って、アルカリ電池において、アルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方を含み、さらにカルシウムを含む亜鉛合金を負極活物質として用いることで、優れた高負荷パルス放電特性を有し、かつ耐食性を向上させることができる。
本発明で用いる負極活物質では、インジウムの含有量を0.02重量%以下としている。インジウムは、優れた耐食性を有する。ここで、本発明におけるインジウムの含有量は、一般的な含有量よりも小さい。そのため、電池保存時において、亜鉛合金の腐食が進みやすいと考えられる。よって、負極またはアルカリ電解液が、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種を、負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部含むことが好ましい。これらの化合物は、分子対称性の高いカチオン性界面活性剤である。このような化合物を含むことで、亜鉛合金粒子の表面に保護皮膜層を形成することができる。保護皮膜層は、緻密に形成され、かつ放電時において、亜鉛合金粒子からの離散性に優れる。そのため、優れた防食効果を得ることができ、かつ優れた放電特性を維持することができる。
上記の化合物の含有量が、負極活物質100重量部あたり0.002重量部以上であることで、優れた防食効果が得られる。また、上記の化合物の含有量が、負極活物質100重量部あたり0.02重量部以下であることで、優れた放電性能を維持することができる。化合物には、例えば、水酸化物、塩化物、または臭化物等が挙げられる。なかでも、化合物が水酸化物であることが、より良好な防食効果を得ることができるため好ましい。また、これらの化合物は、負極またはアルカリ電解液において、1種だけではなく、複数種含まれていてもよい。
負極またはアルカリ電解液が、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を、負極活物質100重量部あたり0.01〜0.5重量部含むことが好ましい。アルキル基を有するアニオン性界面活性剤の含有量が、負極活物質100重量部あたり0.01重量部以上であることで、優れた防食効果を得ることができる。また、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤の含有量が、負極活物質100重量部あたり0.5重量部以下であることで、良好な放電性能を維持することができる。アルキル基を有するアニオン性界面活性剤には、例えば、アルコールスルホン酸エステルやその塩、アルコールリン酸エステルやその塩等が挙げられる。
上記において、アニオン性界面活性剤が、炭素数5〜18のアルカンスルホン酸またはその塩であることが好ましい。アルカンスルホン酸またはその塩は、アルカリ水溶液中で安定であり、かつ不純物イオンと不溶性塩等を形成しにくい。さらに環境負荷も少ないことから、最も好ましい。アルカンスルホン酸またはその塩において、炭素数が5以上であることで、亜鉛粒子表面に形成される、保護被膜層の撥水性が向上する。そのため、良好な防食効果を得ることができる。また、炭素数が19未満であることで、電解液中において界面活性剤が移動しやすくなる。つまり、界面活性剤分子が、放電時に亜鉛粒子表面から離散しやすい。そのため、界面活性剤分子が放電反応を阻害することがない。よって、良好な放電特性を得ることができる。アルカンスルホン酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。入手のしやすさやコストの面から、ナトリウム塩を使用するのが好ましい。
上記のアルカンスルホン酸またはその塩は、1種単独で用いることもでき、疎水基炭素数の異なるアルカンスルホン酸またはその塩を複数種混合して用いることもできる。疎水基(Cn2n+1で表される部位)の構造が直鎖状のものを用いてもよく、一部側鎖を含む構造のものを用いてもよい。
正極には、例えば、以下のようにして得られる正極合剤ペレットを用いることができる。すなわち、まず正極活物質である二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルと、導電剤である黒鉛とを配合し混合粉を得る。混合粉に電解液を混合し、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒し、正極合剤を得る。この正極合剤を中空円筒型に加圧成型して、正極合剤ペレットが得られる。上記の正極活物質において、二酸化マンガンは20〜90重量%含まれていることが好ましい。また、上記の正極活物質において、オキシ水酸化ニッケルは80〜10重量%含まれていることが好ましい。
オキシ水酸化ニッケルは、例えば、水酸化ニッケルを次亜塩素酸ナトリウム水溶液で化学酸化することにより得られる。水酸化ニッケルは、例えば、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和することにより得られる。
本発明の電池に含まれる電解液には、従来公知のアルカリ電解液を用いることができる。例えば、水酸化カリウム溶液、水酸化カリウムと水酸化リチウムとの混合溶液等を挙げることができる。水酸化カリウム溶液の場合、溶液中に水酸化カリウムが30〜40重量%含まれていることが好ましい。
上記の負極活物質に、上記の防食剤(界面活性剤)と、電解液と、ゲル化剤とを混合し、従来と同様にゲル化することによりゲル状負極を得ることができる。負極をゲル化させる際のゲル化剤には、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
さらに、セパレータにも、従来公知のものを用いることができる。例えば、ビニロンとセルロースからなる複合繊維、ポリプロピレンとセルロースからなる複合繊維等が挙げられる。
ここで、本発明の一実施の形態である、アルカリ乾電池について説明する。図1に示すように、このアルカリ乾電池は、セパレータ4を介して接している、正極合剤ペレット3と、防食剤を含むゲル状負極6とを有する。正極ケース1は、ニッケルメッキされた鋼板からなる。この正極ケース1の内部には、黒鉛塗装膜2が形成されている。
図1に示すアルカリ乾電池は以下のようにして作製することができる。すなわち、まず正極ケース1の内部に、正極活物質を含む中空円筒型の正極合剤ペレット3を複数個挿入し、再加圧することによって正極ケース1の内面に密着させる。そして、この正極合剤ペレット3の内側にセパレータ4および絶縁のための底紙5を挿入した後、セパレータ4と正極合剤ペレット3を湿潤させる目的で電解液を注液する。注液後、セパレータ4の内側にゲル状負極6を充填する。次に、樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9と一体化された負極集電体10を、ゲル状負極6に差し込む。そして正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着させる。最後に、正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆することで、本発明におけるアルカリ乾電池を得ることができる。
なお、本発明において電池の形状は、上記のような形状のアルカリ乾電池に限定されない。アルカリボタン型、角型等の別構造の電池においても同様に実施することができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明の内容は、これらの実施例に限定されるものではない。
《実験例1》
(1)ゲル状負極の作製
純度99.99%以上の亜鉛地金を500℃超の温度で溶解した。ここに、含有元素の割合が表1に示す値になるように各元素を添加した。これを均一に溶解させて、亜鉛合金溶湯を得た。その後、高圧ガスでこの亜鉛合金溶湯を噴霧(アトマイズ)して粉末化し、亜鉛合金粉末を得た。得られた亜鉛合金粉末を、篩を用いて、粒度範囲が35〜300メッシュとなるように分級した。得られたものを、負極活物質とした。なお、亜鉛合金粉末の粒度分布は、レーザー回折式の粒度分布計を用いて測定した。亜鉛合金粉末の平均粒子径(D50)は135μmで、200メッシュ(75μm)以下の粒径を有する亜鉛合金粉の比率が25%であった。
Figure 2008018455
36重量%の水酸化カリウム水溶液(2重量%の酸化亜鉛を含む)100重量部に2.3重量部のポリアクリル酸ナトリウムを加えて混合し、ゲル化させて、ゲル状電解液を得た。得られたゲル状電解液は、その後、24時間静置して十分に熟成させた。そして、このゲル状電解液の所定量に対して、重量比で1.8倍の負極活物質粉末を加えて十分に混合し、表1に示す負極活物質を含むゲル状負極を作製した。
(2)正極合剤の作製
オキシ水酸化ニッケルと電解二酸化マンガンと黒鉛とを、重量比40:52:8の割合で配合して混合粉を得た。この混合粉100重量部に電解液1重量部を加えて混合し、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物を中空円筒形に加圧成形し、正極合剤ペレットを得た。二酸化マンガンには、HHTF(東ソー(株)製)を使用した。黒鉛には、SP−20(日本黒鉛工業(株)製)を使用した。
また、オキシ水酸化ニッケルは以下のようにして得た。まず、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルを得た。水酸化ニッケルと次亜塩素酸ナトリウム水溶液とを混合し、水酸化ニッケルを化学酸化することによってオキシ水酸化ニッケルを得た。
(3)ニッケルマンガン電池の作製
本実験例では、図1に示す構造を有する単3形ニッケルマンガン電池を作製した。 正極ケース1の内部に、中空円筒型の正極合剤ペレット3を複数個挿入し、再加圧することによって正極ケース1の内面に密着させた。そして、この正極合剤ペレット3の内側にセパレータ4および底紙5を挿入した後、上記の電解液を注液した。注液後、セパレータ4の内側にゲル状負極6を充填した。
次に、樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9と一体化された負極集電体10を、ゲル状負極6に差し込んだ。そして正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着させた。最後に、正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆した。このようにして、ニッケルマンガン電池を作製した。
上記ニッケルマンガン電池の作製において、表1のそれぞれの負極活物質に対応する、単3形ニッケルマンガン電池(1)〜(7)を作製した。
[評価試験]
上記で作製したニッケルマンガン乾電池(1セル)について、以下のようなパルス放電を行った。
具体的には、20℃雰囲気下、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間放電させる操作を1サイクルとして、この操作を、1500mW放電時の下限電圧が1.05Vに到達するまで繰り返した。そして、この時のサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値(サイクル数)を表2に示す。なお、この放電パターンは、デジタルスチルカメラ(DSC)の用途を想定したものである。 具体的には、650mW放電がカメラの電源を入れて液晶モニター等を駆動させた状態に対応しており、1500mW放電がカメラのフラッシュ撮影を行った状態に対応している。
Figure 2008018455
負極活物質中のインジウムの含有量を0.02重量%以下とした電池(3)〜(7)では、インジウムの含有量が多い負極活物質を用いた電池(1)、(2)と比較して、パルス放電特性が向上した。
この現象をより明らかにするため、電池(1)、(5)のそれぞれ1セルに関して、正極ケースの一部に孔を設けて塩橋を介して電池外の水銀/酸化水銀参照極と液絡させた。この状態の電池について、20℃雰囲気下で上記と同じパターンのDSCパルス放電を行い、正極および負極の電位変化を測定した。電池(1)の結果を図3に、電池(5)の結果を図4に示す。
アルカリマンガン乾電池で多く使われるようなインジウム含有量の多い負極活物質をニッケルマンガン電池に適用した場合には、図3のように、パルス放電末期に負極の分極が大きくなる。このため、正極電位がまだかなり高い領域(1500mWパルス時の到達電位で約−0.1V vs Hg/HgO)で放電が終止してしまう。つまり、正極側の出力性能に対して負極側の出力性能が不足しており、負極が正極に十分に追従できていないことがわかる。
これに対して、インジウム含有量の少ない負極活物質をニッケルマンガン電池に適用した場合には、図4のように、パルス放電末期の負極の分極が小さくなる。このため、正極がより低い電位にまで放電することが可能となって、パルス放電特性が向上する。電池(3)〜(7)では、負極活物質におけるインジウム含有量が0.02重量%以下と非常に少ないため、上述のようなインジウムによる負極の放電阻害現象が発現せず、高いパルス放電性能が得られる。
《実験例2》
負極活物質に含まれる元素を、表3に示すようにした以外は実験例1と同様にして、ニッケルマンガン電池(11)〜(35)を作製した。
Figure 2008018455
[評価試験]
上記で作製したニッケルマンガン電池について、以下の(a)〜(d)の評価を行った。
(a)DSCパルス放電特性
実験例1と同様に、上記で作製した電池1セルについて、パルス放電を行った。20℃雰囲気下、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間放電させる操作を1サイクルとして、この操作を、1500mWパルス放電の下限電圧が1.05Vに到達するまで繰り返した。そして、この時のサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値を表4に示す。
(b)60℃保存試験
上記で作製した電池の5セル(未放電品)について、電池を60℃の雰囲気下で1ヶ月保管した。そして、この時、漏液した電池の数を調べた。また、5セルのうち1セルも漏液が発生しなかったものについては、5セルすべての電池を水中で開封・ガス捕集し、電池内のガス量を測定した。表4に漏液の有無と、5セルの平均ガス捕集量を示す。
(c)低温環境下でのハイレート連続放電試験
上記で作製した電池1セルを、0℃雰囲気下、1000mWの定電力で連続放電させて、電池の閉路電圧が1.0Vに到達するまでの放電時間を測定した。試験数n=3として行った平均値を表4に示す。
(d)低温環境下でのローレート連続放電試験
上記で作製した電池1セルを、0℃雰囲気下、300Ωの定抵抗で連続放電させて、電池の閉路電圧が0.9Vに到達するまでの放電時間を測定した。試験数をn=10として、放電時間が規定時間の2/3以下であった、早期寿命の電池の個数を調べた。その結果を表4に示す。
Figure 2008018455
(a)のDSCパルス放電特性については、すべての電池で200サイクル以上の高い結果が得られた。この理由は、実験例1と同様に、ここで用いた負極活物質は、インジウム含有量が0.01重量%と非常に少ないため、インジウムによる負極の放電阻害現象が発現しなかったためと考えられる。
(b)の60℃保存試験に関しては、まず、電池(13)〜(16)、(18)〜(21)、および(22)では、漏液が発生しなかった。これにより、負極活物質がアルミニウムまたはビスマスを0.001重量%以上含む場合、ならびに負極活物質がアルミニウムおよびビスマスをそれぞれ0.001重量%以上含む場合、耐食性の向上が得られることがわかる。
負極活物質がインジウム以外の元素としてカルシウムだけを含む電池(23)では、耐漏液性が低下した。また、負極活物質がカインジウム以外にカルシウムとアルミニウムとを含む電池(24)〜(27)では、負極活物質がインジウム以外にアルミニウムだけを含む電池(12)〜(17)よりもガス捕集量が少なかった。このことから、カルシウムは、アルミニウムの耐食性向上効果を補完する機能を有すると考えられる。
同様に、負極活物質がインジウム以外にビスマスとカルシウムとを含む電池(28)〜(31)では、電池(17)〜(21)よりもガス捕集量が少なかった。また、負極活物質が、インジウム以外に、アルミニウムと、ビスマスと、カルシウムとを含む電池(32)〜(35)では、電池(22)よりもガス捕集量が少なかった。これらのことから、カルシウムは、アルミニウムおよびビスマスの耐食性向上効果を補完する機能を有すると考えられる。特に、電池(25)〜(27)、(29)〜(31)、(33)〜(35)では、ガス捕集量の低減が顕著であった。従って、耐食性の観点から、アルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方に加えて、カルシウムを0.001重量%以上含むのが好ましいことがわかった。
(c)の0℃雰囲気下での1000mW連続放電については、負極活物質におけるビスマスの含有量が0.02重量%と多い電池(21)だけが、低い特性を示した。詳細な原因は不明だが、負極活物質中のビスマス含有量が多くなると、このような低温環境下での高負荷放電を阻害する傾向がある。この観点から、負極活物質におけるビスマスの含有量は0.015重量%以下であるのが好ましい。
(d)の0℃雰囲気下での300Ω連続放電については、負極活物質におけるアルミニウムの含有量が0.025重量%の電池(16)、ならびに負極活物質におけるカルシウムの含有量が0.025重量%の電池(27)、(31)、および(35)では、早期寿命となった。従って、負極活物質におけるアルミニウムおよびカルシウムの含有量は0.02重量%以下とするのが好ましい。
以上の結果をまとめると、負極活物質におけるインジウムの含有量が0.02重量%以下であり、アルミニウムの含有量が0.001〜0.02重量%であり、ビスマスの含有量が0.001〜0.015重量%であるのが好ましいことがわかった。この負極活物質がさらにカルシウムを0.001〜0.02重量%含むのがより好ましいことがわかった。
なお、この実験例では、負極活物質中のインジウム含有量を0.01重量%としたが、インジウム含有量が0〜0.02重量%の範囲にあれば、同様の結果が得られる。
《実験例3》
負極がカチオン性の界面活性剤(防食剤)を含む場合について検討を行った。
負極活物質には、実験例1の電池(5)と同様の組成のものを用いた。これに、表5に示す種類および量の界面活性剤を加えて十分に混合し、ゲル状負極(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、(c1)〜(c5)、(d1)〜(d5)を作製した。なお、表5中の界面活性剤の添加量は、負極活物質100重量部あたりの量(重量部)を示す。さらに、界面活性剤を含まない比較用ゲル状負極(z)も作製した。作製したゲル状負極を用いる以外は、全て実験例1と同様にして、ニッケルマンガン電池(A1)〜(A5)、(B1)〜(B5)、(C1)〜(C5)、(C1)〜(C5)、(D1)〜(D5)および(Z)を作製した。上記の界面活性剤には、東京化成工業(株)製の化学試薬、およびライオン(株)製の化成品等を使用した。
Figure 2008018455
[評価試験]
上記で作製したニッケルマンガン電池について、以下の(a)および(e)の評価を行った。
(a)DSCパルス放電特性
上記で作製した電池1セルについて、実験例1と同様のパルス放電を行った。20℃雰囲気下、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間放電させる操作を1サイクルとして、この操作を、1500mW放電時の下限電圧が1.05Vに到達するまで繰り返し、この時のサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値を表6に示す。
(e)部分放電後の耐漏液試験
上記で作製した電池の各20セルについて、3.9Ωの定抵抗で5時間の部分放電を行った。その後、60℃の環境下に1ヶ月間保存して、漏液した電池の割合(漏液の発生率(%))を求めた。その結果を表6に示す。
Figure 2008018455
負極における、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、または水酸化テトラプロピルアンモニウムの含有量が0.001重量%である電池(A1)、(B1)、および(C1)では、防食効果が不十分であった。また、負極における上記界面活性剤の含有量が0.025重量%である電池(A5)、(B5)、および(C5)では、DSCパルス放電特性が若干低下した。負極が、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムのいずれかを0.002〜0.02重量%含む電池(A2)〜(A4)、(B2)〜(B4)、および(C2)〜(C4)では、DSCパルス放電特性は200サイクル以上を維持し、かつ部分放電後の漏液が抑制され、優れた耐漏液性が得られた。
《実験例4》
負極が、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を含む場合について検討を行った。
負極活物質には、実験例1の電池(5)と同様の組成のものを用いた。これに、表7に示す種類および量の界面活性剤を加えて十分に混合し、ゲル状負極(e1)〜(e5)、(f1)〜(f5)、(g1)〜(g5)、(h1)〜(h5)、(i1)〜(i5)および(j1)〜(j5)を作製した。なお、表7中の界面活性剤の添加量は、負極活物質100重量部あたりの量(重量部)を示す。さらに、実験例3で作製した、界面活性剤を含まない比較用ゲル状負極(z)を用いた。作製したゲル状負極を用いる以外は、全て実験例1と同様にして、ニッケルマンガン電池(E1)〜(E5)、(F1)〜(F5)、(G1)〜(G5)、(H1)〜(H5)、(I1)〜(I5)、(J1)〜(J5)および(Z)を作製した。上記の界面活性剤には、関東化学(株)製の化学試薬ならびに花王(株)およびライオン(株)製の化成品を使用した。また、表7に示していないが、何れの界面活性剤についても、疎水基(Cn2n+1表される部位)の構造が直鎖状のものを選択した。
Figure 2008018455
上記で作製したニッケルマンガン電池について、実験例3と同様に、(a)DSCパルス放電特性、(e)部分放電後の耐漏液試験の評価を行った。その結果を表8に示す。
Figure 2008018455
負極が、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を含む電池は、含まない電池(Z)と比較して、いずれの場合も部分放電後の漏液発生率が低下した。負極における界面活性剤の含有量が負極活物質100重量部あたり0.01〜0.5重量部である電池(E2)〜(E4)、(F2)〜(F4)、(G2)〜(G4)、(H2)〜(H4)、(I2)〜(I4)、および(J2)〜(J4)では、良好なDSCパルス放電特性および優れた耐漏液性が得られた。
特に、負極が、疎水基炭素数5〜18であるアルカンスルホン酸ナトリウムを、負極活物質100重量部あたり0.01〜0.5重量部含む電池(F2)〜(F4)、(G2)〜(G4)、および(H2)〜(H4)では、優れた耐漏液性とともに、200サイクル以上の優れたDSCパルス放電特性が得られた。
本発明に係るアルカリ電池は、高負荷のパルス放電特性に優れるため、従来の乾電池では十分に対応できなかった、消費電力の大きいデジタル機器(デジタルスチルカメラ等)の電源として好適に用いられる。
本発明は、負極活物質として亜鉛と、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルおよび二酸化マンガンと、電解液としてアルカリ水溶液とを含むアルカリ電池に関する。
アルカリマンガン乾電池に代表されるアルカリ電池は、汎用性が高く安価であるため、各種機器の電源として広く普及している。近年のデジタル機器の広がりに伴い、これらの電池が使用される機器の負荷電力は次第に大きくなっている。そのため、高負荷放電性能に優れる電池が要望されてきた。この要望に対応するべく、特許文献1は、正極合剤にオキシ水酸化ニッケルを混合して、優れた高負荷放電特性を得ることを提案している。近年では、このようなオキシ水酸化ニッケルを正極合剤中に含むアルカリ電池(ニッケルマンガン電池)は実用化されて、広く普及するに到っている。
ニッケルマンガン電池に用いるオキシ水酸化ニッケルは、アルカリ蓄電池で用いられている球状の水酸化ニッケル(特許文献2)に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の酸化剤で酸化処理を行うことによって得るのが一般的である。原料である球状の水酸化ニッケルは、嵩密度(タップ密度)の大きいβ型のものを用いる。これに酸化処理を行うことでβ型の球状オキシ水酸化ニッケルが得られる。
負極には、アルカリマンガン乾電池と同様の構成材料が用いられている。例えば、特許文献3は、負極の耐食性を向上させるため、アルミニウム、ビスマスおよびインジウムを少量含む亜鉛合金粉末を負極活物質として用いることを提案している。
ニッケルマンガン電池の負極が有する問題として、(i)オキシ水酸化ニッケル由来の不純物により、負極側のガス発生(亜鉛の腐食)がアルカリマンガン系よりも加速される点、(ii)正極の出力性能が高いため、負極も高い出力性能を有する必要がある点、が挙げられる。(i)について、特許文献4は、亜鉛合金におけるビスマスの含有量を0.015〜0.05重量%とすることで、耐食性をより向上することを提案している。また(ii)について、特許文献5は、200メッシュ(75μm)以下の微粉比率が5重量%以上の亜鉛粉を用いることを提案している。
特開昭57−72266号公報 特公平4−80513号公報 特公平3−71737号公報 特開2006−40887号公報 特表2005−537624号公報
ニッケルマンガン電池は、通常のアルカリマンガン乾電池に比べて高負荷特性に優れる。しかし、その特性は十分であるとはいえない。このことは、例えば、従来のアルカリマンガン乾電池とニッケルマンガン電池に関して、デジタルスチルカメラを想定した以下のようなパルス放電試験を行った場合に明らかである。すなわち、まず、20℃雰囲気で電池(1セル)を650mWの定電力で28秒間放電させ、その後、1500mWの定電力で2秒間放電させた。この操作を1サイクルとして繰り返し行い、1500mWパルス放電の下限電圧が1.05Vに到達するまでのサイクル数を測定する。測定結果を図2および図3に示す。なお、図2および図3で示した正極電位および負極電位は、水銀/酸化水銀参照極に対する値であり、各電池の正極ケースの一部に孔を設け、正負極を、塩橋を介して電池外の水銀/酸化水銀参照極と液絡させた状態で測定することにより得られる。
アルカリマンガン乾電池(図2)と比べて、ニッケルマンガン電池(図3)では、パルス放電特性が向上している。ニッケルマンガン電池は、正極の電位が高く、電位平坦性も有するためであると考えられる。すなわち、ニッケルマンガン電池は、従来のアルカリマンガン電池と比べて、良好な高負荷パルス放電特性を有することがわかる。
ここで、アルカリマンガン電池では、放電が終止するまでのサイクル数が少ないため、負極の出力性能は殆ど変化していない。アルカリマンガン電池は、正極の二酸化マンガンの電位がサイクル初期から低い。そのため、電池全体の分極挙動は正極に依存する。一方、ニッケルマンガン電池では、負極側の分極が大きくなることがわかっている。このため、正極電位がかなり高い領域にある時点で、放電が終止している。つまり、負極側の出力向上(分極の低減)が、正極に比べて十分ではないといえる。特許文献5が提案している、200メッシュ(75μm)以下の微粉比率が5重量%以上の亜鉛粉を用いても、負極の分極を抑制する十分な効果は得られていない。
そこで、本発明は、ニッケルマンガン電池特有の負極の分極を抑制し、優れた高負荷パルス放電特性を有するアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極と、負極と、セパレータと、アルカリ電解液とを有し、前記正極は、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルと、二酸化マンガンとを含み、前記負極は、負極活物質として少なくとも亜鉛を含み、前記負極活物質中のインジウムの含有量が、0.02重量%以下である、アルカリ電池に関する。
すなわち、本願発明における負極活物質は、少なくとも亜鉛または亜鉛とインジウムとの合金(亜鉛合金)を含む。したがって上記負極活物質は、本発明の効果を損なわない範囲において他の元素(後述するアルミニウムやビスマス、カルシウムを含む。)を含んでいてもよく、例えば負極活物質として、亜鉛と他の元素との合金、または、亜鉛とインジウムと他の元素との合金を用いてもよい。
本発明のアルカリ電池の構成によれば、パルス放電サイクル末期における、ニッケルマンガン電池特有の負極の分極を抑制することができる。これにより、アルカリ電池の高負荷時における、パルス放電特性を大幅に向上させることができる。
負極活物質は、0.001〜0.02重量%のアルミニウムおよび0.001〜0.015重量%のビスマスの少なくとも一方を含むことが好ましい。
さらに、負極活物質は、0.001〜0.02重量%のカルシウムを含むことが好ましい。
負極またはアルカリ電解液が、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種を、負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部含むことが好ましい。
上記の化合物は、水酸化物であることが好ましい。
負極またはアルカリ電解液が、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を、負極活物質100重量部あたり0.01〜0.5重量部含むことが好ましい。
上記のアニオン性界面活性剤は、炭素数5〜18のアルカンスルホン酸またはその塩であることが好ましい。
本発明によると、ニッケルマンガン電池特有の負極の分極を抑制し、優れた高負荷パルス放電特性を有するアルカリ電池を得ることができる。
本発明は、正極と、負極と、セパレータと、アルカリ電解液とを有し、前記正極は、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルと、二酸化マンガンとを含み、前記負極は、負極活物質として少なくとも亜鉛を含み、前記負極活物質中のインジウムの含有量が、0.02重量%以下である、アルカリ電池を提供するものである。
上記のような従来の問題について、本発明者らが鋭意検討を進めた結果、負極活物質に含まれるインジウム元素が、パルス放電末期における、負極の分極を増大させていることが判明した。この詳細な理由は確認できていないが、後述の式(1)で表される亜鉛の酸化還元電位の値と、式(2)で表されるインジウムの酸化還元電位の値とが、近いためであると考えられる。すなわち、亜鉛の放電反応に伴って負極の電位が高くなると、合金中の粒界部(活性点)に偏在しているインジウムの酸化または不導体化が進む。よって、急激に負極の分極が増大していると考えられる。
Zn+2OH-→Zn(OH)2+2e-0=−1.36V(vs Hg/HgO) (1)
In+3OH-→In(OH)3+3e-0=−1.18V(vs Hg/HgO) (2)
そこで、本発明では、負極活物質中において負極の分極を増大させると考えられるインジウムの含有量を0.02重量%以下とすることで、パルス放電サイクル末期における、負極の分極を低減させる。これにより、負極側の放電性能を向上させ、高負荷時におけるパルス放電特性を向上させることができる。インジウムの含有量が0.02重量%を超えると、放電時に負極の分極が大きくなることから、好ましくない。本発明における負極活物質としては、少なくとも亜鉛を含み、さらに後述する元素を含む亜鉛合金を使用することができる。負極活物質には、例えばガスアトマイズ法によって得られる亜鉛または亜鉛合金粉を用いることができる。
インジウムの添加による負極の耐食性向上効果が得られるため、負極活物質中のインジウム含有量は0.005重量%以上であるのが好ましい。
負極活物質は、0.001〜0.02重量%のアルミニウム、0.001〜0.015重量%のビスマス、またはこれらの両方を含むことが好ましい。負極活物質におけるアルミニウムの含有量が0.001重量%以上であることで、優れた耐食性を得ることができる。また、負極活物質におけるアルミニウムの含有量が0.02重量%以下であることで、低負荷や低温で放電させた場合の、早期寿命を抑制することができる。この早期寿命は、亜鉛負極からのデンドライト成長に起因する微小短絡により引き起こされる。亜鉛合金中に含まれるアルミニウムは、亜鉛合金粒子の表層部に偏在する傾向を示す。その含有量が多い場合には、合金表層部の反応性が変化してデンドライトの成長が加速されるため、電池が早期寿命となると考えられる。
また、負極活物質におけるビスマスの含有量が0.001重量%以上であることで、優れた耐食性を得ることができる。また、負極活物質におけるビスマスの含有量が0.015重量%以下であることで、低温のハイレート連続放電特性の低下を抑制することができる。つまり、負極活物質にアルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方を含めることで、耐食性を向上させることができる。特に、ニッケルマンガン電池においては、オキシ水酸化ニッケル由来の不純物イオン等が電解液中に多く存在するため、アルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方を含むことで優れた耐食性が得られる。
アルミニウムの酸化還元電位は亜鉛より十分低く、また、ビスマスの酸化還元電位は亜鉛より十分高い。このため、アルミニウムおよびビスマスは、インジウムと比べて放電を阻害しにくい。従って、アルカリ電池において、アルミニウムやビスマスを含む亜鉛合金を負極活物質として用いることで、優れた高負荷パルス放電特性を有し、かつ優れた耐食性を有する電池が得られる。
負極活物質は、カルシウムを0.001〜0.02重量%含むことが好ましい。この負極活物質におけるカルシウムの含有量が0.001重量%以上であることで、優れた耐食性を得ることができる。また、カルシウムも、上記のアルミニウムと同様の理由より、電池の早期寿命の原因となる。よって、負極活物質におけるカルシウムの含有量が0.02重量%以下であることで、低負荷や低温で放電させた場合の電池の早期寿命を抑制することができる。上記のアルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方を含む負極活物質において、さらにカルシウム含むことが、より耐食性を高めることができるという観点から好ましい。
カルシウムの酸化還元電位もまた、亜鉛より十分低いため、放電を阻害しにくい。従って、アルカリ電池において、アルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方を含み、さらにカルシウムを含む亜鉛合金を負極活物質として用いることで、優れた高負荷パルス放電特性を有し、かつ耐食性を向上させることができる。
本発明で用いる負極活物質では、インジウムの含有量を0.02重量%以下としている。インジウムは、優れた耐食性を有する。ここで、本発明におけるインジウムの含有量は、一般的な含有量よりも小さい。そのため、電池保存時において、亜鉛合金の腐食が進みやすいと考えられる。よって、負極またはアルカリ電解液が、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種を、負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部含むことが好ましい。これらの化合物は、分子対称性の高いカチオン性界面活性剤である。このような化合物を含むことで、亜鉛合金粒子の表面に保護皮膜層を形成することができる。保護皮膜層は、緻密に形成され、かつ放電時において、亜鉛合金粒子からの離散性に優れる。そのため、優れた防食効果を得ることができ、かつ優れた放電特性を維持することができる。
上記の化合物の含有量が、負極活物質100重量部あたり0.002重量部以上であることで、優れた防食効果が得られる。また、上記の化合物の含有量が、負極活物質100重量部あたり0.02重量部以下であることで、優れた放電性能を維持することができる。化合物には、例えば、水酸化物、塩化物、または臭化物等が挙げられる。なかでも、化合物が水酸化物であることが、より良好な防食効果を得ることができるため好ましい。また、これらの化合物は、負極またはアルカリ電解液において、1種だけではなく、複数種含まれていてもよい。
負極またはアルカリ電解液が、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を、負極活物質100重量部あたり0.01〜0.5重量部含むことが好ましい。アルキル基を有するアニオン性界面活性剤の含有量が、負極活物質100重量部あたり0.01重量部以上であることで、優れた防食効果を得ることができる。また、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤の含有量が、負極活物質100重量部あたり0.5重量部以下であることで、良好な放電性能を維持することができる。アルキル基を有するアニオン性界面活性剤には、例えば、アルコールスルホン酸エステルやその塩、アルコールリン酸エステルやその塩等が挙げられる。
上記において、アニオン性界面活性剤が、炭素数5〜18のアルカンスルホン酸またはその塩であることが好ましい。アルカンスルホン酸またはその塩は、アルカリ水溶液中で安定であり、かつ不純物イオンと不溶性塩等を形成しにくい。さらに環境負荷も少ないことから、最も好ましい。アルカンスルホン酸またはその塩において、炭素数が5以上であることで、亜鉛粒子表面に形成される、保護被膜層の撥水性が向上する。そのため、良好な防食効果を得ることができる。また、炭素数が19未満であることで、電解液中において界面活性剤が移動しやすくなる。つまり、界面活性剤分子が、放電時に亜鉛粒子表面から離散しやすい。そのため、界面活性剤分子が放電反応を阻害することがない。よって、良好な放電特性を得ることができる。アルカンスルホン酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。入手のしやすさやコストの面から、ナトリウム塩を使用するのが好ましい。
上記のアルカンスルホン酸またはその塩は、1種単独で用いることもでき、疎水基炭素数の異なるアルカンスルホン酸またはその塩を複数種混合して用いることもできる。疎水基(Cn2n+1で表される部位)の構造が直鎖状のものを用いてもよく、一部側鎖を含む構造のものを用いてもよい。
正極には、例えば、以下のようにして得られる正極合剤ペレットを用いることができる。すなわち、まず正極活物質である二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルと、導電剤である黒鉛とを配合し混合粉を得る。混合粉に電解液を混合し、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒し、正極合剤を得る。この正極合剤を中空円筒型に加圧成型して、正極合剤ペレットが得られる。上記の正極活物質において、二酸化マンガンは20〜90重量%含まれていることが好ましい。また、上記の正極活物質において、オキシ水酸化ニッケルは80〜10重量%含まれていることが好ましい。
オキシ水酸化ニッケルは、例えば、水酸化ニッケルを次亜塩素酸ナトリウム水溶液で化学酸化することにより得られる。水酸化ニッケルは、例えば、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和することにより得られる。
本発明の電池に含まれる電解液には、従来公知のアルカリ電解液を用いることができる。例えば、水酸化カリウム溶液、水酸化カリウムと水酸化リチウムとの混合溶液等を挙げることができる。水酸化カリウム溶液の場合、溶液中に水酸化カリウムが30〜40重量%含まれていることが好ましい。
上記の負極活物質に、上記の防食剤(界面活性剤)と、電解液と、ゲル化剤とを混合し、従来と同様にゲル化することによりゲル状負極を得ることができる。負極をゲル化させる際のゲル化剤には、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
さらに、セパレータにも、従来公知のものを用いることができる。例えば、ビニロンとセルロースからなる複合繊維、ポリプロピレンとセルロースからなる複合繊維等が挙げられる。
ここで、本発明の一実施の形態である、アルカリ乾電池について説明する。図1に示すように、このアルカリ乾電池は、セパレータ4を介して接している、正極合剤ペレット3と、防食剤を含むゲル状負極6とを有する。正極ケース1は、ニッケルメッキされた鋼板からなる。この正極ケース1の内部には、黒鉛塗装膜2が形成されている。
図1に示すアルカリ乾電池は以下のようにして作製することができる。すなわち、まず正極ケース1の内部に、正極活物質を含む中空円筒型の正極合剤ペレット3を複数個挿入し、再加圧することによって正極ケース1の内面に密着させる。そして、この正極合剤ペレット3の内側にセパレータ4および絶縁のための底紙5を挿入した後、セパレータ4と正極合剤ペレット3を湿潤させる目的で電解液を注液する。注液後、セパレータ4の内側にゲル状負極6を充填する。次に、樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9と一体化された負極集電体10を、ゲル状負極6に差し込む。そして正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着させる。最後に、正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆することで、本発明におけるアルカリ乾電池を得ることができる。
なお、本発明において電池の形状は、上記のような形状のアルカリ乾電池に限定されない。アルカリボタン型、角型等の別構造の電池においても同様に実施することができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明の内容は、これらの実施例に限定されるものではない。
《実験例1》
(1)ゲル状負極の作製
純度99.99%以上の亜鉛地金を500℃超の温度で溶解した。ここに、含有元素の割合が表1に示す値になるように各元素を添加した。これを均一に溶解させて、亜鉛合金溶湯を得た。その後、高圧ガスでこの亜鉛合金溶湯を噴霧(アトマイズ)して粉末化し、亜鉛合金粉末を得た。得られた亜鉛合金粉末を、篩を用いて、粒度範囲が35〜300メッシュとなるように分級した。得られたものを、負極活物質とした。なお、亜鉛合金粉末の粒度分布は、レーザー回折式の粒度分布計を用いて測定した。亜鉛合金粉末の平均粒子径(D50)は135μmで、200メッシュ(75μm)以下の粒径を有する亜鉛合金粉の比率が25%であった。
Figure 2008018455
36重量%の水酸化カリウム水溶液(2重量%の酸化亜鉛を含む)100重量部に2.3重量部のポリアクリル酸ナトリウムを加えて混合し、ゲル化させて、ゲル状電解液を得た。得られたゲル状電解液は、その後、24時間静置して十分に熟成させた。そして、このゲル状電解液の所定量に対して、重量比で1.8倍の負極活物質粉末を加えて十分に混合し、表1に示す負極活物質を含むゲル状負極を作製した。
(2)正極合剤の作製
オキシ水酸化ニッケルと電解二酸化マンガンと黒鉛とを、重量比40:52:8の割合で配合して混合粉を得た。この混合粉100重量部に電解液1重量部を加えて混合し、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物を中空円筒形に加圧成形し、正極合剤ペレットを得た。二酸化マンガンには、HHTF(東ソー(株)製)を使用した。黒鉛には、SP−20(日本黒鉛工業(株)製)を使用した。
また、オキシ水酸化ニッケルは以下のようにして得た。まず、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルを得た。水酸化ニッケルと次亜塩素酸ナトリウム水溶液とを混合し、水酸化ニッケルを化学酸化することによってオキシ水酸化ニッケルを得た。
(3)ニッケルマンガン電池の作製
本実験例では、図1に示す構造を有する単3形ニッケルマンガン電池を作製した。
正極ケース1の内部に、中空円筒型の正極合剤ペレット3を複数個挿入し、再加圧することによって正極ケース1の内面に密着させた。そして、この正極合剤ペレット3の内側にセパレータ4および底紙5を挿入した後、上記の電解液を注液した。注液後、セパレータ4の内側にゲル状負極6を充填した。
次に、樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9と一体化された負極集電体10を、ゲル状負極6に差し込んだ。そして正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着させた。最後に、正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆した。このようにして、ニッケルマンガン電池を作製した。
上記ニッケルマンガン電池の作製において、表1のそれぞれの負極活物質に対応する、単3形ニッケルマンガン電池(1)〜(7)を作製した。
[評価試験]
上記で作製したニッケルマンガン乾電池(1セル)について、以下のようなパルス放電を行った。
具体的には、20℃雰囲気下、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間放電させる操作を1サイクルとして、この操作を、1500mW放電時の下限電圧が1.05Vに到達するまで繰り返した。そして、この時のサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値(サイクル数)を表2に示す。なお、この放電パターンは、デジタルスチルカメラ(DSC)の用途を想定したものである。
具体的には、650mW放電がカメラの電源を入れて液晶モニター等を駆動させた状態に対応しており、1500mW放電がカメラのフラッシュ撮影を行った状態に対応している。
Figure 2008018455
負極活物質中のインジウムの含有量を0.02重量%以下とした電池(3)〜(7)では、インジウムの含有量が多い負極活物質を用いた電池(1)、(2)と比較して、パルス放電特性が向上した。
この現象をより明らかにするため、電池(1)、(5)のそれぞれ1セルに関して、正極ケースの一部に孔を設けて塩橋を介して電池外の水銀/酸化水銀参照極と液絡させた。この状態の電池について、20℃雰囲気下で上記と同じパターンのDSCパルス放電を行い、正極および負極の電位変化を測定した。電池(1)の結果を図3に、電池(5)の結果を図4に示す。
アルカリマンガン乾電池で多く使われるようなインジウム含有量の多い負極活物質をニッケルマンガン電池に適用した場合には、図3のように、パルス放電末期に負極の分極が大きくなる。このため、正極電位がまだかなり高い領域(1500mWパルス時の到達電位で約−0.1V vs Hg/HgO)で放電が終止してしまう。つまり、正極側の出力性能に対して負極側の出力性能が不足しており、負極が正極に十分に追従できていないことがわかる。
これに対して、インジウム含有量の少ない負極活物質をニッケルマンガン電池に適用した場合には、図4のように、パルス放電末期の負極の分極が小さくなる。このため、正極がより低い電位にまで放電することが可能となって、パルス放電特性が向上する。電池(3)〜(7)では、負極活物質におけるインジウム含有量が0.02重量%以下と非常に少ないため、上述のようなインジウムによる負極の放電阻害現象が発現せず、高いパルス放電性能が得られる。
《実験例2》
負極活物質に含まれる元素を、表3に示すようにした以外は実験例1と同様にして、ニッケルマンガン電池(11)〜(35)を作製した。
Figure 2008018455
[評価試験]
上記で作製したニッケルマンガン電池について、以下の(a)〜(d)の評価を行った。
(a)DSCパルス放電特性
実験例1と同様に、上記で作製した電池1セルについて、パルス放電を行った。20℃雰囲気下、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間放電させる操作を1サイクルとして、この操作を、1500mWパルス放電の下限電圧が1.05Vに到達するまで繰り返した。そして、この時のサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値を表4に示す。
(b)60℃保存試験
上記で作製した電池の5セル(未放電品)について、電池を60℃の雰囲気下で1ヶ月保管した。そして、この時、漏液した電池の数を調べた。また、5セルのうち1セルも漏液が発生しなかったものについては、5セルすべての電池を水中で開封・ガス捕集し、電池内のガス量を測定した。表4に漏液の有無と、5セルの平均ガス捕集量を示す。
(c)低温環境下でのハイレート連続放電試験
上記で作製した電池1セルを、0℃雰囲気下、1000mWの定電力で連続放電させて、電池の閉路電圧が1.0Vに到達するまでの放電時間を測定した。試験数n=3として行った平均値を表4に示す。
(d)低温環境下でのローレート連続放電試験
上記で作製した電池1セルを、0℃雰囲気下、300Ωの定抵抗で連続放電させて、電池の閉路電圧が0.9Vに到達するまでの放電時間を測定した。試験数をn=10として、放電時間が規定時間の2/3以下であった、早期寿命の電池の個数を調べた。その結果を表4に示す。
Figure 2008018455
(a)のDSCパルス放電特性については、すべての電池で200サイクル以上の高い結果が得られた。この理由は、実験例1と同様に、ここで用いた負極活物質は、インジウム含有量が0.01重量%と非常に少ないため、インジウムによる負極の放電阻害現象が発現しなかったためと考えられる。
(b)の60℃保存試験に関しては、まず、電池(13)〜(16)、(18)〜(21)、および(22)では、漏液が発生しなかった。これにより、負極活物質がアルミニウムまたはビスマスを0.001重量%以上含む場合、ならびに負極活物質がアルミニウムおよびビスマスをそれぞれ0.001重量%以上含む場合、耐食性の向上が得られることがわかる。
負極活物質がインジウム以外の元素としてカルシウムだけを含む電池(23)では、耐漏液性が低下した。また、負極活物質がカインジウム以外にカルシウムとアルミニウムとを含む電池(24)〜(27)では、負極活物質がインジウム以外にアルミニウムだけを含む電池(12)〜(17)よりもガス捕集量が少なかった。このことから、カルシウムは、アルミニウムの耐食性向上効果を補完する機能を有すると考えられる。
同様に、負極活物質がインジウム以外にビスマスとカルシウムとを含む電池(28)〜(31)では、電池(17)〜(21)よりもガス捕集量が少なかった。また、負極活物質が、インジウム以外に、アルミニウムと、ビスマスと、カルシウムとを含む電池(32)〜(35)では、電池(22)よりもガス捕集量が少なかった。これらのことから、カルシウムは、アルミニウムおよびビスマスの耐食性向上効果を補完する機能を有すると考えられる。特に、電池(25)〜(27)、(29)〜(31)、(33)〜(35)では、ガス捕集量の低減が顕著であった。従って、耐食性の観点から、アルミニウムおよびビスマスの少なくとも一方に加えて、カルシウムを0.001重量%以上含むのが好ましいことがわかった。
(c)の0℃雰囲気下での1000mW連続放電については、負極活物質におけるビスマスの含有量が0.02重量%と多い電池(21)だけが、低い特性を示した。詳細な原因は不明だが、負極活物質中のビスマス含有量が多くなると、このような低温環境下での高負荷放電を阻害する傾向がある。この観点から、負極活物質におけるビスマスの含有量は0.015重量%以下であるのが好ましい。
(d)の0℃雰囲気下での300Ω連続放電については、負極活物質におけるアルミニウムの含有量が0.025重量%の電池(16)、ならびに負極活物質におけるカルシウムの含有量が0.025重量%の電池(27)、(31)、および(35)では、早期寿命となった。従って、負極活物質におけるアルミニウムおよびカルシウムの含有量は0.02重量%以下とするのが好ましい。
以上の結果をまとめると、負極活物質におけるインジウムの含有量が0.02重量%以下であり、アルミニウムの含有量が0.001〜0.02重量%であり、ビスマスの含有量が0.001〜0.015重量%であるのが好ましいことがわかった。この負極活物質がさらにカルシウムを0.001〜0.02重量%含むのがより好ましいことがわかった。
なお、この実験例では、負極活物質中のインジウム含有量を0.01重量%としたが、インジウム含有量が0〜0.02重量%の範囲にあれば、同様の結果が得られる。
《実験例3》
負極がカチオン性の界面活性剤(防食剤)を含む場合について検討を行った。
負極活物質には、実験例1の電池(5)と同様の組成のものを用いた。これに、表5に示す種類および量の界面活性剤を加えて十分に混合し、ゲル状負極(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、(c1)〜(c5)、(d1)〜(d5)を作製した。なお、表5中の界面活性剤の添加量は、負極活物質100重量部あたりの量(重量部)を示す。さらに、界面活性剤を含まない比較用ゲル状負極(z)も作製した。作製したゲル状負極を用いる以外は、全て実験例1と同様にして、ニッケルマンガン電池(A1)〜(A5)、(B1)〜(B5)、(C1)〜(C5)、(C1)〜(C5)、(D1)〜(D5)および(Z)を作製した。上記の界面活性剤には、東京化成工業(株)製の化学試薬、およびライオン(株)製の化成品等を使用した。
Figure 2008018455
[評価試験]
上記で作製したニッケルマンガン電池について、以下の(a)および(e)の評価を行った。
(a)DSCパルス放電特性
上記で作製した電池1セルについて、実験例1と同様のパルス放電を行った。20℃雰囲気下、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間放電させる操作を1サイクルとして、この操作を、1500mW放電時の下限電圧が1.05Vに到達するまで繰り返し、この時のサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値を表6に示す。
(e)部分放電後の耐漏液試験
上記で作製した電池の各20セルについて、3.9Ωの定抵抗で5時間の部分放電を行った。その後、60℃の環境下に1ヶ月間保存して、漏液した電池の割合(漏液の発生率(%))を求めた。その結果を表6に示す。
Figure 2008018455
負極における、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、または水酸化テトラプロピルアンモニウムの含有量が0.001重量%である電池(A1)、(B1)、および(C1)では、防食効果が不十分であった。また、負極における上記界面活性剤の含有量が0.025重量%である電池(A5)、(B5)、および(C5)では、DSCパルス放電特性が若干低下した。負極が、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムのいずれかを0.002〜0.02重量%含む電池(A2)〜(A4)、(B2)〜(B4)、および(C2)〜(C4)では、DSCパルス放電特性は200サイクル以上を維持し、かつ部分放電後の漏液が抑制され、優れた耐漏液性が得られた。
《実験例4》
負極が、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を含む場合について検討を行った。
負極活物質には、実験例1の電池(5)と同様の組成のものを用いた。これに、表7に示す種類および量の界面活性剤を加えて十分に混合し、ゲル状負極(e1)〜(e5)、(f1)〜(f5)、(g1)〜(g5)、(h1)〜(h5)、(i1)〜(i5)および(j1)〜(j5)を作製した。なお、表7中の界面活性剤の添加量は、負極活物質100重量部あたりの量(重量部)を示す。さらに、実験例3で作製した、界面活性剤を含まない比較用ゲル状負極(z)を用いた。作製したゲル状負極を用いる以外は、全て実験例1と同様にして、ニッケルマンガン電池(E1)〜(E5)、(F1)〜(F5)、(G1)〜(G5)、(H1)〜(H5)、(I1)〜(I5)、(J1)〜(J5)および(Z)を作製した。上記の界面活性剤には、関東化学(株)製の化学試薬ならびに花王(株)およびライオン(株)製の化成品を使用した。また、表7に示していないが、何れの界面活性剤についても、疎水基(Cn2n+1表される部位)の構造が直鎖状のものを選択した。
Figure 2008018455
上記で作製したニッケルマンガン電池について、実験例3と同様に、(a)DSCパルス放電特性、(e)部分放電後の耐漏液試験の評価を行った。その結果を表8に示す。
Figure 2008018455
負極が、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を含む電池は、含まない電池(Z)と比較して、いずれの場合も部分放電後の漏液発生率が低下した。負極における界面活性剤の含有量が負極活物質100重量部あたり0.01〜0.5重量部である電池(E2)〜(E4)、(F2)〜(F4)、(G2)〜(G4)、(H2)〜(H4)、(I2)〜(I4)、および(J2)〜(J4)では、良好なDSCパルス放電特性および優れた耐漏液性が得られた。
特に、負極が、疎水基炭素数5〜18であるアルカンスルホン酸ナトリウムを、負極活物質100重量部あたり0.01〜0.5重量部含む電池(F2)〜(F4)、(G2)〜(G4)、および(H2)〜(H4)では、優れた耐漏液性とともに、200サイクル以上の優れたDSCパルス放電特性が得られた。
本発明に係るアルカリ電池は、高負荷のパルス放電特性に優れるため、従来の乾電池では十分に対応できなかった、消費電力の大きいデジタル機器(デジタルスチルカメラ等)の電源として好適に用いられる。
本発明の一実施の形態であるアルカリ乾電池の一部を断面にした正面図である。 一般的なアルカリマンガン乾電池の、DSCパルス放電サイクル時の正、負極分極曲線を表した図である。 実験例1のニッケルマンガン電池(1)の、DSCパルス放電サイクル時の正、負極分極曲線を表した図である。 実験例1のニッケルマンガン電池(5)の、DSCパルス放電サイクル時の正、負極分極曲線を表した図である。

Claims (7)

  1. 正極と、負極と、セパレータと、アルカリ電解液と、を備え、
    前記正極は、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルと、二酸化マンガンとを含み、
    前記負極は、負極活物質として少なくとも亜鉛を含み、
    前記負極活物質中のインジウムの含有量が、0.02重量%以下であること、を特徴とするアルカリ電池。
  2. 前記負極活物質が、0.001〜0.02重量%のアルミニウムおよび0.001〜0.015重量%のビスマスの少なくとも一方を含む請求項1記載のアルカリ電池。
  3. 前記負極活物質が、0.001〜0.02重量%のカルシウムを含む請求項2記載のアルカリ電池。
  4. 前記負極または前記アルカリ電解液が、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種を、負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部含む請求項1記載のアルカリ電池。
  5. 前記化合物が水酸化物である請求項4記載のアルカリ電池。
  6. 前記負極または前記アルカリ電解液が、アルキル基を有するアニオン性界面活性剤を、負極活物質100重量部あたり0.01〜0.5重量部含む請求項1記載のアルカリ電池。
  7. 前記アニオン性界面活性剤が、炭素数5〜18のアルカンスルホン酸またはその塩である請求項6記載のアルカリ電池。
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