JP2011138642A - 扁平形アルカリ電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 未放電時および過放電時における内部でのガス発生を抑制でき、かつ重負荷放電特性が良好な扁平形アルカリ電池を提供する。
【解決手段】 正極合剤の成形体からなる正極、亜鉛合金粉末を含有する負極、セパレータおよびアルカリ水溶液からなる電解液を、外装缶、封口板および樹脂製ガスケットからなる電池容器内に収容してなる扁平形アルカリ電池であって、前記亜鉛合金が、Biを50〜125ppm、Alを100〜3000ppm、並びに、CaおよびMgの少なくとも一方を合計で1〜50ppm含有することを特徴とする扁平形アルカリ電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、未放電時および過放電時における電池内でのガス発生量が少なく、重負荷放電特性が良好な扁平形アルカリ電池に関するものである。
正極に酸化銀を使用する酸化銀電池をはじめとするボタン形やコイン形などの扁平形のアルカリ電池においては、使用機器の種類の増大や機能向上などに伴って、各種機能の向上が求められている。
ところで、例えば、扁平形アルカリ電池を含む各種形状のアルカリ電池では、その負極に使用される亜鉛合金粉末に、未放電時における内部でのガス発生を防止するために、水素過電圧を上昇させ得るBiやInなどの合金元素を含有させることが一般に行われており(例えば、特許文献1)、例えば、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金におけるBiの含有量としては、亜鉛合金全量に対して150〜300ppm程度とするのが効果的であることが知られている。また、実際に上市されているアルカリ電池においても、負極に水銀を添加しない亜鉛合金粉末を用いる場合には、Biを150ppm以上含有する亜鉛合金の粉末を使用することが一般的である。
特開2006−302774号公報
ところで、近年では、アルカリ電池の過放電時における内部でのガス発生による電解液の漏出が問題視されている。例えば、放電を終えたアルカリ電池を使用機器から比較的早期に取り出せば特に問題は生じないが、放電を終えた後も長期にわたって使用機器内に放置すると、アルカリ電池が過放電状態となり、その際に内部でガスが発生して、漏液が生じてしまうのである。
前記のような水素過電圧を上昇させ得る合金元素を含む亜鉛合金の粉末を負極に使用する技術では、アルカリ電池の未放電時における内部でのガス発生抑制に関しては一定の効果が認められる一方で、過放電時における内部でのガス発生抑制については、十分な効果が得られない。
このように、扁平形のアルカリ電池では、未放電時および過放電時における内部でのガス発生抑制が要求されることに加えて、例えば、重負荷放電特性の向上が要求されることもある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、未放電時および過放電時における内部でのガス発生を抑制でき、かつ重負荷放電特性が良好な扁平形アルカリ電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の扁平形アルカリ電池(扁平形アルカリ一次電池)は、正極合剤の成形体からなる正極、亜鉛合金粉末を含有する負極、セパレータおよびアルカリ水溶液からなる電解液を、外装缶、封口板および樹脂製ガスケットからなる電池容器内に収容してなる扁平形アルカリ電池であって、前記亜鉛合金が、Biを50〜125ppm、Alを100〜3000ppm、並びに、CaおよびMgの少なくとも一方を合計で1〜50ppm含有することを特徴とするものである。なお、本明細書でいう亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中の各元素の含有量は、質量基準である。
電池業界においては、高さより径の方が大きい扁平形電池をコイン形電池と呼んだり、ボタン形電池と呼んだりしているが、そのコイン形電池とボタン形電池との間に明確な差はなく、本発明の扁平形アルカリ電池には、コイン形電池、ボタン形電池のいずれもが含まれる。
本発明によれば、未放電時および過放電時における内部でのガス発生を抑制でき、かつ重負荷放電特性が良好な扁平形アルカリ電池を提供することができる。
本発明の扁平形アルカリ電池の一例を模式的に示す側面図である。 図1に示す扁平形アルカリ電池の要部断面図である。 本発明の扁平形アルカリ電池の他の例を模式的に示す要部断面図である。
以下、本発明の扁平形アルカリ電池を詳細に説明する。
<負極>
本発明の扁平形アルカリ電池に係る負極には、亜鉛合金粉末を使用する。亜鉛合金の粉末中のZn(亜鉛)成分が、負極活物質として作用する。
亜鉛合金粉末は、合金元素として、Biを50ppm以上125ppm以下、Alを100ppm以上3000ppm以下、CaおよびMgの少なくとも一方を1ppm以上50ppm以下で、それぞれ含有する亜鉛合金により構成されている。本発明の扁平形アルカリ電池では、前記の組成を有する亜鉛合金の粉末を負極に用いることにより、未放電時および過放電時における内部でのガス発生を抑制し、かつ重負荷放電特性を高めている。
亜鉛合金粉末を負極に用いたアルカリ電池では、未放電時において、亜鉛合金粉末に係るZnの腐食によってガスが発生する。前記の通り、従来のアルカリ電池では、例えば、負極に使用する亜鉛合金に、合金元素としてBiなどを含有させることで、未放電時における亜鉛合金粉末に係るZnの腐食を抑えて、ガス発生を抑制していた。しかしながら、このようなアルカリ電池では、放電終了後に過放電状態となった際に、亜鉛合金粉末において、放電反応に関与せず残存しているZn成分とBiの反応によって、ガス発生が促されることが判明した。
そこで、本発明では、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のBi量を制限して過放電時におけるガス発生を抑制した。また、亜鉛合金の合金成分として、Alと、Caおよび/またはMgとを特定量で含有させることによって、過放電時のガス発生を更に抑制することに加えて、Bi量を制限したことに伴って低下する虞のある未放電時のガス発生抑制作用を補い、未放電時においてもガス発生を良好に抑制できるようにした。
また、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金の合金成分としてAlを特定量で含有させることで、電池の重負荷放電特性(例えば、電流値が20mA以上の大電流での放電特性)の向上も達成した。
亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のBi含有量は、過放電時におけるガス発生を抑制する観点から、125ppm以下であり、100ppm以下であることが好ましい。ただし、亜鉛合金中のBi量が少なすぎると、未放電時におけるガス発生抑制作用が小さくなりすぎる虞があることから、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のBi含有量は、50ppm以上であり、75ppm以上であることが好ましい。
亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金の合金元素としてAlを用いることによって、未放電時および過放電時におけるガス発生抑制を達成し得るのは、以下の理由によるものと推測される。亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金がAlを含有することによって粉末表面の平滑性が向上する。そのため、未反応時における亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のZn成分の腐食反応が生じ難くなってガス発生が抑制されると考えられる。また、亜鉛合金がAlを含有することで、放電に伴って生成する酸化亜鉛の結晶中に存在するZnが、Znよりも一つ価数の高いAlで部分的に置換され、前記結晶内に多くの伝導電子が生成し得るようになる。これにより、酸化亜鉛の導電性が高まることから、亜鉛合金粉末に係るZnの利用率が向上し、過放電時におけるガス発生の要因となる未反応のZn量を低減することができるため、過放電時におけるガス発生が抑制されると考えられる。
また、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金の合金元素としてAlを用いることによって、電池の重負荷放電特性を高め得るのは、以下の理由によるものと推測される。亜鉛合金粉末を負極に使用したアルカリ電池では、放電に伴って亜鉛合金粉末の表面に酸化亜鉛が生成し、該粉末に係る亜鉛合金の放電反応を阻害する。そのため、重負荷放電の際に、負極に係る亜鉛合金の充填量に見合うだけの容量を引き出せなくなる。しかし、前記の通り、亜鉛合金がAlを含有することで、放電に伴って生成する酸化亜鉛の結晶内に多くの伝導電子が生成し、酸化亜鉛の導電性が高まるため、酸化亜鉛による亜鉛合金の放電反応阻害作用が抑えられ、重負荷放電の際にも、良好に放電反応が進行するようになるため、重負荷での放電容量が向上すると考えられる。
亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のAl含有量は、Alを含有させることによる前記の効果(未放電時および過放電時におけるガス発生抑制効果、並びに重負荷放電特性向上効果)を確保する観点から、100ppm以上であり、200ppm以上であることが好ましく、500ppm以上であることがより好ましい。重負荷放電特性をより向上させる観点からは、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のAl含有量は、600ppm以上であることが更に好ましく、1000ppm以上であることが特に好ましい。
ただし、亜鉛合金中のAl量が多すぎると、効果が飽和し、また、亜鉛合金粉末の製造が困難になる傾向にあることから、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のAl含有量は、3000ppm以下であり、2000ppm以下であることが好ましく、1500ppm以下であることがより好ましく、1200ppm以下であることが更に好ましい。
また、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金にCaおよびMgの少なくとも一方を含有させることによって、未放電時および過放電時におけるガス発生抑制を達成し得るのは、以下の理由によるものと推測される。前記の通り、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金がAlを含有していると、粉末表面の平滑性が向上し、未放電時におけるガス発生が抑制できると考えられるが、亜鉛合金がAlと共にCaおよび/またはMgを含有していると、粉末表面の平滑性がより向上しやすくなり、未放電時におけるガス発生が更に良好に抑制できると推測される。また、CaおよびMgは、Alと同様の機構によって放電に伴って生成する酸化亜鉛の導電性を高め得るため、亜鉛合金粉末に係るZnの利用率が向上し、過放電時におけるガス発生が抑制されると考えられる。
亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金は、CaおよびMgのいずれか一方のみを含有していてもよく、両方を含有していてもよい。亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のCaおよびMgの含有量は、これらを含有させることによる前記の効果(未放電時および過放電時におけるガス発生抑制効果)を確保する観点から、両者の合計(CaおよびMgのいずれか一方のみを含有する場合は、その一方の量。CaおよびMgの含有量について、以下同じ。)で、1ppm以上であり、4ppm以上であることが好ましい。ただし、亜鉛合金中のCaおよびMgの量が多すぎると、効果が飽和するばかりか、CaまたはMgが偏析することにより電池の放電特性が低下する虞があることから、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のCaおよびMgの含有量は、両者の合計で、50ppm以下であり、20ppm以下であることが好ましい。
なお、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金は、典型的には、前記合金元素以外の部分が、Znおよび不可避不純物であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、他の合金元素を含有していてもよい。ただし、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金は、水銀を含有しないもの(以下、「無水銀の亜鉛合金」という)であることが好ましい。
亜鉛合金に係る前記合金元素以外の合金元素としては、例えばInが挙げられる。Inを含有させることで、亜鉛合金の水素過電圧をより高め、未放電時におけるガス発生抑制作用を更に向上させることができる。亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のInの含有量は、100〜1000ppmであることが好ましい。
また、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中の亜鉛は、98質量%以上であることが好ましい。
負極に係る亜鉛合金粉末は、200メッシュの篩い目を通過し得るものの割合が、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。亜鉛合金粉末が、このように微細な形態を有する場合には、亜鉛合金粉末全体の比表面積が大きくなり、負極での反応を効率よく進めることができるため、電池の負荷特性が良好となる。また、亜鉛合金粉末の表面から中心までの距離が小さくなるため、比較的負荷の小さな放電(軽負荷放電)時においても、Znの利用率が向上する。そのため、放電終了時において、未反応のZn量(亜鉛合金粉末中のZn成分量)を低減して、過放電時におけるガス発生を更に抑制することができるようになる。
なお、亜鉛合金粉末における200メッシュの篩い目を通過し得るものの割合が増加するに従って、亜鉛合金粉末全体の比表面積が増大するが、これにより亜鉛合金粉末と電解液との反応性がより高まるため、亜鉛表面からのガス発生量が増大し、未放電時における内部でのガス発生が大きくなる。また、亜鉛合金粉末中に占める微細な粉末の割合が大きくなると、亜鉛合金粉末全体が嵩高くなって電池製造時の亜鉛合金粉末の取り扱いが困難となる。よって、本発明の電池では、前記の未放電時における内部でのガス発生を抑え、更に、電池製造時の亜鉛合金粉末の取り扱い性を高める観点から、亜鉛合金粉末における200メッシュの篩い目を通過し得るものの割合は、80質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
更に、200メッシュの篩い目を通過し得るものの割合が、前記好適値を満足する亜鉛合金粉末を用いることで、未放電時の電解液との反応による腐食に伴うガス発生量をより少なくすることができ、また、均質で流動性が良好な負極合剤を調製することもできる。
なお、電池製造時の取り扱い性を考慮すると、負極が有する亜鉛合金粉末は、その最小粒径が7μm程度であることが望ましい。また、亜鉛合金粉末は、例えば、その全体が80メッシュの篩い目を通過し得るものであることが好ましい。
本発明の扁平形アルカリ電池にかかる負極には、前記の亜鉛合金粉末のみや亜鉛合金粉末にインジウム化合物を加えたものを使用してもよいが、亜鉛合金粉末やインジウム化合物に、更に電解液(詳しくは後述する)とゲル化剤とを加えたゲル状負極を用いてもよい。
負極にゲル化剤を使用する場合、そのゲル化剤については特に制限はなく、従来から知られているアルカリ電池に使用されているゲル化剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸などの各種高分子ゲル化剤が使用できる。ゲル状負極中のゲル化剤の含有量は、例えば、1.5〜3質量%であることが好ましい。
ゲル状負極の場合、例えば、亜鉛合金粉末と、予め前記のゲル化剤を用いてゲル状にしておいた電解液とを混合する方法などにより調製できる。前記のインジウム化合物を使用する場合には、例えば、予め亜鉛合金粉末と混合しておき、その後、ゲル状の電解液と混合してもよく、また、亜鉛合金粉末とゲル状の電解液との混合の際に添加しても構わない。更に、これら以外の方法で、ゲル状負極を調製しても構わない。
なお、本発明の電池に係る負極は、前記の通り、亜鉛合金粉末のみや、亜鉛合金粉末にインジウム化合物を加えたものなどで構成し、ゲル化剤を実質的に含有しない非ゲル状の負極とすることもできる(非ゲル状負極の場合、亜鉛合金粉末近傍に存在する電解液が増粘しなければ構わないので、「ゲル化剤を実質的に含有しない」とは、電解液粘度への影響がない程度に含有していてもよい、という意味である。)。ゲル状負極の場合には、亜鉛合金粉末の近傍に、ゲル化剤と共に電解液が存在しているが、ゲル化剤の作用によってこの電解液が増粘しており、電解液の移動、ひいては電解液中のイオンの移動が抑制されている。このため、負極での反応速度が抑えられ、これにより電池の負荷特性(特に重負荷特性)の向上効果が小さくなるものと考えられる。これに対し、負極を非ゲル状として、亜鉛合金粉末近傍に存在する電解液の粘度を増大させずに電解液中のイオンの移動速度を高く保つことで、負極での反応速度を高めて、負荷特性(特に重負荷特性)をより高めることができる。
負極における前記亜鉛合金粉末の含有量は、例えば、60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、また、75質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。また、負極にインジウム化合物を含有させる場合には、その含有量は、0.003〜0.05質量%であることが好ましい。
本発明の扁平形アルカリ電池は、前述の負極を有していればよく、その他の構成・構造については特に制限は無く、従来から知られている扁平形アルカリ電池(扁平形アルカリ一次電池)で採用されている各構成・構造を適用することができる。
<正極>
本発明の扁平形アルカリ電池に係る正極には、例えば、活物質である酸化銀(酸化第一銀、酸化第二銀など)、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、銀とコバルト、ニッケルまたはビスマスとの複合酸化物などと、導電助剤、更には成形のための電解液およびバインダを混合して正極合剤とし、この正極合剤をリング状などに加圧成形することにより形成される。
正極活物質として酸化銀を使用する場合、その酸化銀は顆粒状であることが好ましい。通常、酸化銀は、径が0.1〜5μmの微粉末状で供されるが、この酸化銀を造粒して顆粒状にして用いると、微粉末の状態で用いた場合よりも抵抗が低くなるため、酸化銀電池の負荷特性をより向上させることができる。
酸化銀を微粉末の状態で用いた場合には、抵抗を低減するには、より多量の導電助剤を添加する必要があるが、導電助剤として使用する炭素質材料はかさ密度が小さいため、これをあまりに多量に添加すると活物質である酸化銀の充填量を高めることが困難になる。これに対し、顆粒状の酸化銀を用いると、秤量性が向上してバラツキが低減したり、また、加圧成形した場合に充填性が高まり成形性が向上するので、抵抗が低減すると共に、複数の正極(ひいては扁平形アルカリ電池)を製造した場合に、個々の特性が安定化する。更に、導電助剤として添加する炭素質材料の使用量も低減でき、酸化銀の充填量を増やすこともできる。
更に、例えば、酸化第一銀では、炭素質材料と次式のような反応を起こして還元されるため、放電性能が低下する。
2AgO+C→4Ag+CO
しかしながら、酸化銀を顆粒にすることによって、前記反応が抑制される上に、前述したように炭素質材料の添加量も低減できるので、更に酸化銀の還元反応が抑制されることになり、放電特性(特に低温重負荷特性)がより良好となる。
本発明に係る正極において、顆粒状酸化銀を使用する場合には、その粒径が、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上であって、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下であり、また、そのかさ密度が、好ましくは1.5g/cm以上、より好ましくは1.8g/cm以上であって、好ましくは3.5g/cm以下、より好ましくは2.6g/cm以下である。このような形態の酸化銀であれば、粉末状のものに比較して流動性がよく、前記の通り、秤量性・成形性が向上し、抵抗が低下して反応性が向上するため、負荷特性がより優れたものとなり、また、製造される正極(延いては酸化銀電池)個々の特性が安定化する。なお、ここでいう顆粒状酸化銀の粒径は、Honeywell社製のマイクロトラック粒度分布計「9320−X100」を用いて、レーザー光の散乱により、粒子個数nおよび各粒子の直径dを測定し、算出した数平均粒子径である。また、ここでいう顆粒状酸化銀のかさ密度は、JIS R 1628に規定のかさ密度測定方法に準じて、所定量の顆粒状酸化銀を容器に入れ、かさ密度測定装置を用いて求めた値である。
正極に係る導電助剤としては、例えば、黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどを用いることができる。正極合剤中の導電助剤量は、例えば、正極活物質100質量部に対して、3〜8.5質量部とすることが好ましい。
正極に係るバインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴムなどを用いることができる。正極合剤中のバインダ量は、例えば、0.1〜1質量%とすることが好ましい。
<電解液>
正極および負極に使用する電解液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物の水溶液からなるアルカリ水溶液や、それに酸化亜鉛を添加したものなどを用いることができる。電解液中のアルカリ金属の水酸化物の濃度としては、例えば水酸化カリウムの場合、28〜38質量%であることが好ましく、また、酸化亜鉛を使用する場合、その濃度は、1.0〜4.0質量%であることが好ましい。
なお、電池の放電特性を高める観点からは、電解液に水酸化カリウム水溶液を使用し、電池系内の電解液中における水酸化カリウム濃度が、平均して、好ましくは38質量%以下、より好ましくは35質量%以下となるように、前記の各電解液の濃度を調整することが望ましい。
電池系内の電解液中における水酸化カリウム濃度が高い場合には電解液のイオン伝導性が低く、このような電解液を、例えば前記のように微細な形態の亜鉛合金粉末を有する負極と併用すると、亜鉛合金粉末表面に形成される放電生成物の電気抵抗が高くなると推測される。そのため、電池の短絡時における温度が非常に高くなり、安全性を損なう虞があると共に、亜鉛合金粉末中のZn成分の利用率も低下し、放電終了時において未反応のZn成分量が増大し、過放電時におけるガス発生抑制効果が小さくなる虞がある。
そこで、電池系内の電解液中における水酸化カリウム濃度の平均値を前記のように低く設定すれば、電解液の電気抵抗を低くして、抵抗の低い放電生成物を亜鉛合金粉末表面に生成させることが可能となり、電池の短絡時における温度上昇を低減して安全性を高めることができ、また、亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中のZn成分の利用率を更に向上させて、放電終了時における未反応のZn成分量を更に低減することも可能となる。
ただし、電解液中における水酸化カリウム濃度を低くしすぎると、却って電解液のイオン伝導性が低下する傾向にあるため、電池系内の電解液中における水酸化カリウム濃度は、平均して、好ましくは28質量%以上、より好ましくは30質量%以上となるように、正極用の電解液、負極用の電解液、正極および負極に使用する以外に電池内に注入するための電解液の各水酸化カリウム濃度を調整することが望ましい。
また、本発明の電池で使用する電解液(負極に使用する電解液、正極に使用する電解液および電池内に直接注入するための電解液)には、インジウム、ビスマスおよびスズのうち少なくとも1種の元素を含有させておくことが好ましい。
本発明の電池では、負極端子を兼ねる封口板と負極とが直接接するが、これにより封口板と負極に係る亜鉛合金との間に局部電池が形成され、亜鉛合金粉末中の亜鉛が腐食されて電解液中に溶解し、封口板内面に亜鉛メッキ層を形成する。そして、封口板内面に形成された亜鉛メッキ層に係る亜鉛が、前記の局部電池によって再び腐食され、これにより水素ガスが発生する虞がある。例えば、水銀を含有する亜鉛合金からなる亜鉛合金粉末を負極に使用している場合には、封口板に形成されるメッキ層が、耐腐食性に富む亜鉛−水銀合金を含むため、かかるメッキ層の再腐食が比較的良好に抑制されるが、例えば無水銀亜鉛合金からなる亜鉛合金粉末を負極に使用した場合には、封口板内面に形成される亜鉛メッキ層の再腐食による水素ガス発生が問題となる場合もある。
一方、電池に使用する電解液に、インジウム、ビスマスおよびスズのうちの少なくとも1種の元素を含有させておくと、封口板内面に、亜鉛層と、インジウム、ビスマスおよびスズのうちの少なくとも1種の元素が分散している偏析相とを含む金属層が形成される。この偏析相は、亜鉛層の再腐食を抑制する作用を有しているため、前記金属層が封口板内面に形成されることにより、封口板内面に存在する亜鉛の再腐食による水素ガス発生を良好に抑制できるようになる。
電解液にインジウムを含有させるには、例えば、水酸化インジウム、酸化インジウム、硫酸インジウム、硫化インジウム、硝酸インジウム、臭化インジウム、塩化インジウムなどのインジウム化合物を溶解させるのがよく、その種類は特に限定されるものではないが、水酸化インジウムが特に好適である。
また、ビスマス化合物やスズ化合物も、特に限定されることはなく、例えば、それらの水酸化物、酸化物、硫酸化合物など、インジウム化合物の場合と同様に種々の化合物を用いることができる。また、このビスマス化合物やスズ化合物を効果的に溶解させるためには、電解液が水酸化ナトリウムを含むものであることが好ましい。
なお、電解液中のインジウム、ビスマスまたはスズの濃度は、偏析相を十分に形成させるために、100ppm以上とすることが好ましく、400ppm以上とすることがより好ましく、700ppm以上とすることが更に好ましい。
ただし、インジウム化合物やビスマス化合物はアルカリ水溶液に溶解しにくく、前記濃度の電解液とインジウム化合物やビスマス化合物を単に混合した場合は、せいぜい20ppm以下の濃度でしか溶解させることができない。そこで、インジウムまたはビスマスが高濃度に溶解した電解液を調製するには、一旦高アルカリ濃度の水溶液を調製し、これにインジウム化合物やビスマス化合物を高濃度で溶解させた後に、アルカリ濃度が電解液に必要とされる濃度になるように水で希釈する方法を採用することが好ましい。電解液に必要とされる程度のアルカリ濃度のアルカリ水溶液には溶解し難いインジウム化合物やビスマス化合物であっても、高アルカリ濃度の水溶液には溶解しやすいため、こうした調製方法を採用することで、インジウムやビスマスが高濃度で溶解した電解液を容易に調製することができる。
亜鉛層と、インジウム、ビスマスおよびスズのうちの少なくとも1種の元素が分散している偏析相とを含む前記金属層は、封口板に負極を配置する工程を経て電池を製造し、必要に応じてエージングを行う過程で、封口板の内面に形成される。
封口板内面に形成される前記金属層(亜鉛層と、インジウム、ビスマスおよびスズのうちの少なくとも1種の元素が分散している偏析相とを含む金属層)においては、前記金属層の表面に存在する偏析相の大きさが、通常100μm以下で、平均すると0.1〜10μm程度と微小なものとなる。このような偏析相が多数分散して存在することにより、金属層中のインジウム、ビスマスまたはスズの存在量がわずかであっても、前記亜鉛層の腐食を抑制する効果が高く、水素ガスの発生を効果的に防止することができる。
前記金属層の厚さは、偏析相の存在割合によっても異なるが、およそ10μm以下の薄いものであり、通常は0.5〜8μm程度のものである。また、亜鉛層には、インジウム、ビスマスまたはスズを含有する亜鉛合金を含んでいてもよく、亜鉛層の上に亜鉛合金層が形成され、さらに、その上に偏析相が形成されたものであってもよい。インジウムイオン、ビスマスイオンおよびスズイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含む前記電解液を用いることにより、前記亜鉛合金層が形成されやすくなると考えられ、母材中にこの亜鉛合金層を含むことにより、水素ガスの発生がより一層抑制されるものと推測される。
偏析相の割合は、電解液に含まれるインジウム、ビスマスまたはスズの濃度により変化し、それらの濃度を高めることにより、偏析相の割合を増加させることができる。封口板の内面に存在するインジウム、ビスマスおよびスズより選ばれる元素は、前記偏析相の効果を高めるために、そのいずれかの量が単位面積あたり0.001mg/cm以上であることが好ましく、0.005mg/cm以上であることがより好ましく、0.01mg/cm以上であることが更に好ましい。一方、高率放電特性の点からは、電池内に存在する前記元素の量は少ない方がよいので、0.125mg/cm以下であることが好ましく、0.08mg/cm以下であることがより好ましく、0.05mg/cm以下であることが更に好ましい。
また、封口板の内面に存在するインジウム、ビスマスおよびスズより選ばれる元素は、前記偏析相の効果を高めるために、そのいずれかの量が、金属層の亜鉛との総量中0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。一方、高率放電特性の点からは、30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
<セパレータ>
本発明の電池におけるセパレータについては特に制限は無く、例えば、ビニロンとレーヨンを主体とする不織布、ビニロン・レーヨン不織布(ビニロン・レーヨン混抄紙)、ポリアミド不織布、ポリオレフィン・レーヨン不織布、ビニロン紙、ビニロン・リンターパルプ紙、ビニロン・マーセル化パルプ紙などを用いることができる。また、親水処理された微孔性ポリオレフィンフィルム(微孔性ポリエチレンフィルムや微孔性ポリプロピレンフィルムなど)とセロファンフィルムとビニロン・レーヨン混抄紙のような吸液層(電解液保持層)とを積み重ねたものをセパレータとしてもよい。
<扁平形酸化銀電池の構造、およびその他の構成要素>
本発明の扁平形アルカリ電池の構造、およびその他の構成要素を、図面を用いて説明する。図1は、本発明のアルカリ電池の一例を模式的に示す側面図であり、図2は、図1の要部断面図である。
図1および図2に示す電池は、正極3およびセパレータ5を内填した外装缶1の開口部に、負極4を内填した封口板2が、断面L字状で環状の樹脂製ガスケット6を介して嵌合しており、外装缶1の開口端部が内方に締め付けられ、これにより樹脂製ガスケット6が封口板2に当接することで、外装缶1の開口部が封口されて電池内部が密閉構造となっている。すなわち、図1および図2に示す電池では、外装缶1、封口板2および樹脂製ガスケット6からなる電池容器内の空間(密閉空間)に、正極3、負極4およびセパレータ5を含む発電要素が装填されており、更に電解液(図示しない)が注入されている。そして、外装缶1は正極端子を兼ね、封口板2は負極端子を兼ねている。なお、正極3は、前記の通り、正極活物質と導電助剤やバインダとを有する正極合剤の成形体である。また、負極4は、前記の通り、亜鉛合金粉末を含むゲル状負極でもよく、また、亜鉛合金粉末がそのままで存在するものでもよい。
外装缶1には、例えば、鉄にニッケルメッキを施したものや、ステンレス鋼などが使用できる。
封口板2としては、例えば、負極4と接する面は銅または黄銅などの銅合金で構成され、その本体部分はステンレス鋼で構成され、外面側、すなわち、負極4と接する面と反対側の面はニッケルで構成されたものが好適である。この封口板2において、負極4と接する面を銅または銅合金で構成するのは、亜鉛との局部電池の形成を抑制するためであるが、本体部分をステンレス鋼で構成することや外面側をニッケルで構成することは必ずしも必要でなく、他の材料で構成してもよいし、負極4と接する面も亜鉛と局部電池の形成を抑制できるものであれば、銅または銅合金でなくてもよい。また、樹脂製ガスケット6としては、例えば、ナイロン66などを素材とするものが推奨される。
なお、本発明の扁平形アルカリ電池の平面視での形状は、円形でもよく、四角形(正方形・長方形)などの多角形であってもよい。また、多角形の場合には、その角を曲線状としていてもよい。
図3に、本発明の扁平形アルカリ電池の他の例を模式的に表した要部断面図を示す。図3の電池では、外装缶1の内側底面と樹脂製ガスケット6との間に正極(正極合剤成形体)3の外周部が配置された所謂底敷構造を採用している。
図2に示す電池では、樹脂製ガスケット6が外装缶1の底にまで到達している所謂中入れ構造を採用しているため、電池内容積のうち、発電に関与しないガスケット6の占有容積分が大きい。これに対し、図3に示す電池では、底敷構造を採用することで、電池内における正極の充填量(正極活物質の充填量)をより高めており、これにより更なる高容量化を図ることができる。
本発明の扁平形アルカリ電池は、従来から知られている扁平形アルカリ電池が用いられている各種用途と同じ用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
平均粒径が150μmの顆粒状にした酸化第一銀(正極活物質)95質量%と、黒鉛(導電助剤)5質量%とを含有する混合物1.0gを金型に充填し、直径10.9mm、高さ1.9mmの円板状に加圧成形して正極合剤成形体を作製し、これに下記の電解液の一部を含浸させた。
また、負極には、Alを1000ppm、Biを100ppm、Inを500ppmおよびMgを5ppm含有する亜鉛合金(無水銀亜鉛合金)の粉末を用いた。なお、この亜鉛合金粉末は、前記の方法により求めた粒径が75μm以下の粒子の割合が25質量%で、平均粒径が120μmであった。
更に、電解液には、酸化亜鉛を4質量%、および水酸化インジウムを1000ppm溶解させた水酸化カリウム濃度が36質量%の水溶液を用いた。
また、外装缶は、SUS430を用いて作製した。更に封口板は、銅−ステンレス鋼(SUS304)−ニッケルクラッド板を用いて作製した。また、セパレータには、株式会社ユアサメンブレンシステムの「YG2152」を用いた。このセパレータは、厚みが20μmのセロハンフィルムと、厚みが30μmのグラフトフィルムとを積層してなるものであり、該グラフトフィルムは、ポリエチレン主鎖にアクリル酸をグラフト共重合させた構造を有するグラフト共重合体で構成されている。また、電解液保持層として、厚みが400μmのビニロン−レーヨン混抄紙を用いた。セパレータおよび電解液保持層は、直径11.3mmの円形に打ち抜いて用いた。
前記の正極(正極合剤成形体)、負極、電解液、外装缶、封口板、セパレータおよび電解液保持層を用い、更にナイロン66製の環状ガスケットを用いて、図3に示す底敷構造で、直径11.5mm、厚さ5.4mmの扁平形アルカリ電池(扁平形酸化銀電池)を作製した。なお、図3では電解液保持層は図示していないが、実施例1の電池では、電解液保持層はセパレータ5の上面側(負極4側)に配置した。
実施例2、3および比較例1、2
負極に用いた亜鉛合金粉末(無水銀亜鉛合金粉末)を、表1に示す組成で合金元素を含有する亜鉛合金からなるものに変更した以外は、実施例1と同様にして扁平形アルカリ電池(扁平形酸化銀電池)を作製した。なお、実施例2、3および比較例1、2の電池で使用した亜鉛合金粉末の粒度は、実施例1の電池で用いたものと同じである。
実施例1〜3および比較例1、2の電池各10個について、20℃で、放電電流を20mAとし、終止電圧を1.0Vとして、連続放電を行い、放電容量(重負荷放電での容量)を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、各実施例および比較例の電池の放電容量は、それぞれ10個の平均値を求め、表1では、比較例1の電池の放電容量の平均値を100とした場合の相対値で示している。
また、実施例1〜3および比較例1、2の電池各10個について、60℃で40日間貯蔵後の容量保持率を求めた。容量保持率は、貯蔵前の各電池10個ずつを20℃、4.7kΩで終止電圧1.2Vまで放電させて放電容量Aを測定し、また前記とは別の電池10個ずつを60℃で40日間貯蔵した後、20℃、4.7kΩで終止電圧1.2Vまで放電させて放電容量Bを測定し、貯蔵前の放電容量Aに対する貯蔵後の放電容量Bの割合を次式により求めたものである。この容量保持率は、未放電状態での電池における内部でガス発生量に依存しており、容量保持率が小さいほど、未放電状態での電池内において、ガスが多く発生していることを意味している。
容量保持率(%) = 100×(放電容量B/放電容量A)
更に、過充電試験として、実施例1〜3および比較例1、2の電池について、20℃、150Ωで72時間放電させて過放電状態とした。その後20℃で120時間保持し、ガス発生による電池の変形の有無を確認した。
前記の各評価結果を、負極の亜鉛合金粉末に係る亜鉛合金中の合金元素の組成とともに表1に示す。
Figure 2011138642
表1から明らかなように、実施例1〜3の電池は、重負荷放電容量が大きく、重負荷放電特性が優れており、また、貯蔵前後での容量保持率が高く、かつ過放電状態での変形が生じておらず、未放電時および過放電時のガス発生が良好に抑制されている。
これに対し、Bi量が多く、Al量が少ない亜鉛合金の粉末を用いた負極を有する比較例1の電池では、重負荷放電容量が小さく、また、過放電時に電池内で発生したガスにより変形が生じている。更に、CaおよびMgを含有していない亜鉛合金の粉末を用いた負極を有する比較例2の電池では、貯蔵前後での容量保持率が小さく、未放電時のガス発生が十分に抑制できていない。
1 外装缶
2 封口板
3 正極(正極合剤成形体)
4 負極
5 セパレータ

Claims (7)

  1. 正極合剤の成形体からなる正極、亜鉛合金粉末を含有する負極、セパレータおよびアルカリ水溶液からなる電解液を、外装缶、封口板および樹脂製ガスケットからなる電池容器内に収容してなる扁平形アルカリ電池であって、
    前記亜鉛合金が、Biを50〜125ppm、Alを100〜3000ppm、並びに、CaおよびMgの少なくとも一方を合計で1〜50ppm含有することを特徴とする扁平形アルカリ電池。
  2. 亜鉛合金中のAl量が、600ppm以上である請求項1に記載の扁平形アルカリ電池。
  3. 亜鉛合金中のAl量が、2000ppm以下である請求項1または2に記載の扁平形アルカリ電池。
  4. 亜鉛合金は、Inを100〜1000ppm含有している請求項1〜3のいずれかに記載の扁平形アルカリ電池。
  5. 亜鉛合金粉末は、200メッシュの篩い目を通過し得るものの割合が、10〜80質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の扁平形アルカリ電池。
  6. 亜鉛合金粉末は、200メッシュの篩い目を通過し得るものの割合が、40質量%以下である請求項5に記載の扁平形アルカリ電池。
  7. 電解液が水酸化カリウム水溶液であり、電池系内における電解液の水酸化カリウム濃度が、平均して30〜35質量%である請求項1〜6のいずれかに記載の扁平形アルカリ電池。
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