JPWO2008016089A1 - インダクタ素子及びその製造方法並びにインダクタ素子を搭載した半導体装置 - Google Patents

インダクタ素子及びその製造方法並びにインダクタ素子を搭載した半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008016089A1
JPWO2008016089A1 JP2008527779A JP2008527779A JPWO2008016089A1 JP WO2008016089 A1 JPWO2008016089 A1 JP WO2008016089A1 JP 2008527779 A JP2008527779 A JP 2008527779A JP 2008527779 A JP2008527779 A JP 2008527779A JP WO2008016089 A1 JPWO2008016089 A1 JP WO2008016089A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring
inductor element
wirings
layer
circular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008527779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5373397B2 (ja
Inventor
健一郎 肱岡
健一郎 肱岡
昭 田辺
昭 田辺
林 喜宏
喜宏 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2008527779A priority Critical patent/JP5373397B2/ja
Publication of JPWO2008016089A1 publication Critical patent/JPWO2008016089A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5373397B2 publication Critical patent/JP5373397B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L28/00Passive two-terminal components without a potential-jump or surface barrier for integrated circuits; Details thereof; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L28/10Inductors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F17/0013Printed inductances with stacked layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/04Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing coils
    • H01F41/041Printed circuit coils
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F17/0013Printed inductances with stacked layers
    • H01F2017/002Details of via holes for interconnecting the layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F2017/004Printed inductances with the coil helically wound around an axis without a core
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F2017/0086Printed inductances on semiconductor substrate
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/34Special means for preventing or reducing unwanted electric or magnetic effects, e.g. no-load losses, reactive currents, harmonics, oscillations, leakage fields
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/4902Electromagnet, transformer or inductor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/4902Electromagnet, transformer or inductor
    • Y10T29/49071Electromagnet, transformer or inductor by winding or coiling

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

配線と、上下の配線を絶縁する絶縁層と、この絶縁層に設けられ上下の配線を接続するビアとから構成される配線層が複数層積層された多層配線構造体に形成されたインダクタ素子において、少なくとも一部の上下に隣接する少なくとも1対の配線が周回状配線であり、これらの周回状配線はその端部に設けられたビアにより上下に隣接する周回状配線の電流方向が同一となるように直列接続されて直列インダクタンスを構成しており、上下に隣接する周回状配線の配線間容量は、同一配線層に形成された他の周回状配線との間の配線間容量よりも大きい。

Description

本発明は、半導体基板上に形成されたインダクタ素子及びその製造方法並びにインダクタ素子を搭載した半導体装置に関する。
近時の半導体素子の微細化及び高集積化に伴い、動作周波数の向上及び低雑音・高安定性を目指し、半導体装置に、金属配線により形成された誘導素子、即ちインダクタ素子を搭載することが行われている。
半導体装置の構成要素であるトランジスタは、微細化及び高集積化等により性能向上が図られている。しかしながら、インダクタ素子のインダクタンスは、金属配線中に流れる電流と、この電流により励起される磁界により決定されるため、回路設計者が所望のインダクタンス値を実現しようとすると、少なくとも数十μm角、大きいものでは数百μm角のチップ面積が必要になり、これがチップ面積の増大を招き、ひいては半導体装置の製造コストの増大の原因になっている。即ち、トランジスタをはじめとする半導体装置の構成素子の微細化を行っても、インダクタ素子のスケーリング、即ち微細化は原理的に困難であるため、インダクタ素子が半導体装置のコスト増大を招いてしまうという問題点がある。
更に、半導体装置を形成する基板としてシリコン基板を使用する場合には、シリコン基板の高い導電率及び比誘電率により、インダクタ素子の下部にあるシリコン基板に起因した損失により、インダクタ素子の性能が劣化する。これは、主に、インダクタ素子を形成する金属配線とシリコン基板との間の寄生容量による自己共振周波数の低下となって現れる。
また、近時主流になっているダマシン法により形成された銅及び銅を主成分とした金属配線を使用した半導体装置においては、層間絶縁膜の平坦性を保つために平坦化プロセスを行うため、金属配線を形成しない領域においても島状の金属(以下、ダミーメタルという)を敷設する必要があるが、このダミーメタルがインダクタ配線とシリコン基板との間に存在することにより、ダミーメタルの厚さ分だけインダクタ配線とシリコン基板との実効的な距離が近くなり、結果として、寄生容量が増加してしまうという問題点がある。
これらの問題点を解決すべく、例えば特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示された技術は、積層された複数個の配線層の各層にスパイラルインダクタを形成し、各配線層のスパイラルインダクタを直列接続してインダクタ素子を形成することにより、単位面積あたりのインダクタンスを向上させる技術が開示されている。図22は、特許文献1に開示された半導体装置の要部の模式的斜視図、図23(a)は、特許文献2に開示された半導体装置の下層のスパイラルインダクタを示す模式的上面図、図23(b)は、同じく上層のスパイラルインダクタを示す模式的上面図、図24は、特許文献3に開示された半導体集積回路のスパイラルインダクタを示す模式的上面図である。
図22乃至図24に示すように、2層の配線層を使用してスパイラルインダクタを作成し、これらを直列接続してインダクタ素子を形成した場合、単一の配線層を使用して形成したインダクタ素子と比較して、同程度の面積で、およそ2倍のインダクタンス値を得ることができる。
また、特許文献4及び特許文献5には、一部に切欠部を有するリング状の配線が積層され、これらが互いに直列接続されて形成されるソレノイド状インダクタ素子が開示されている。
図25(a)は、特許文献6に開示された半導体装置の第2の配線52側から見た模式的上面図、図25(b)は同じく第1の配線51側(半導体基板側)から見た模式的下面図である。特許文献6に開示された技術は、第1の配線51及び第2の配線52の2層の金属配線によって構成されたインダクタ素子の上下の配線間の信号遅延を小さくし、負の相互インダクタンスによるインダクタンス値の減少を抑制するというものである。
実開昭60−136156号公報 特開昭61−265857号公報 特開平03−089548号公報 特開2001−351980号公報 特開平06−61058号公報 特許第2976926号公報
しかしながら、上述の従来の技術には以下に示すような問題点がある。特許文献1乃至3に記載の従来技術を、現在広く利用されている多層配線構造によって実現する場合、配線間寄生容量の点で大きな問題点がある。具体的に説明すると、近時の半導体装置の微細化に伴い、半導体基板上に形成される多層金属配線は、多くが1μm以下の膜厚を有する金属薄膜によって形成され、上下に積層される金属配線間の距離も、多くが1μm以下の間隔になっている。
図4は、近時広く利用されている半導体基板上の多層配線構造の一部を抜粋した模式的断面図である。図4に示すように、第1の配線層101内に、一定の配線幅w、配線高さtを有する第1の配線1a及び1bが形成され、第1の配線層101の下層である第2の配線層102内に、一定の配線幅w、配線高さtを有する第2の配線2a及び2bが形成されている。第1の配線層101と第2の配線層102との間には厚さhの絶縁膜が設けられ、第1の配線1a及び1bが配線間距離sで隣接して形成され、同様に、第2の配線2a及び2bが配線間距離sで隣接して形成されている。更に、第1の配線1a及び第2の配線2aが配線間距離hで隣接して形成され、同様に、第1の配線1b及び第2の配線2bが配線間距離hで隣接して形成されている。
図4に示すように、同一の配線層内で互いに隣接する第1の配線1a−第1の配線1b間の配線容量を10a、同じく第2の配線2a−第2の配線2b間の配線容量を10bとし、互いに上下に隣接する第1の配線1a−第2の配線2a間の配線容量を11a、同じく第1の配線1b−第2の配線2b間の配線容量を11bとする。
図4に示す各配線間の間隔のうち、互いに上下に隣接する配線間の間隔、即ち第1の配線1a−第2の配線2a間及び第1の配線1b−第2の配線2b間の配線間隔は、第1の配線層101と第2の配線層102との間の絶縁膜の厚さhによって決定されるものであり、この厚さhは半導体装置の製造プロセス上の制約により、ある一定値に決定される。従って、互いに上下に隣接する配線間の間隔は、半導体装置の回路設計者が任意に決定することができない。一方、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の間隔、即ち第1の配線1a−第1の配線1b間及び第2の配線2a−第2の配線2b間の配線間隔sは、回路設計者が任意に決定することができるが、製造プロセス上の制約により、許容される最小間隔が決定されている。また、インダクタ素子を構成する配線の配線幅wは、インダクタ素子の直列抵抗及びエレクトロマイグレーション耐性の観点から決定される。
特許文献1乃至3に開示された従来技術の積層型のインダクタ素子を構成する場合、上述の設計上の制約が問題になる。即ち、回路設計者が設計する回路に見合った直列抵抗値及び十分なエレクトロマイグレーション耐性を有する配線を実現するために、第1の配線1a及び1b並びに第2の配線2a及び2bの配線幅wを一定の配線幅以上に形成すると、図4に示すように、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の容量10a及び10bよりも、互いに上下に隣接する配線間の容量11a及び11bの方が大きくなってしまうという問題点がある。
即ち、特許文献1乃至3に開示された従来技術のように、上下に積層された複数個のスパイラルインダクタを直列接続してインダクタ素子を形成した構造においては、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の配線間寄生容量よりも、互いに上下に隣接する配線間の配線間寄生容量が大きい場合、上層配線を入力端子、下層配線を出力端子とすると、入出力端子間に大きな寄生容量が発生する。この結果、入出力間の見かけ上の寄生容量、即ち、インダクタ素子全体の寄生容量が大きくなり、このインダクタ素子を搭載した半導体装置の周波数帯域を狭めてしまう等、性能劣化の原因になり、特に動作周波数が高い場合には、半導体装置の性能を大きく劣化させてしまう。
また、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の容量10a及び10bよりも、互いに上下に隣接する配線間の容量11a及び11bの方が大きくなってしまうという問題点を解決すべく、例えば、上下に積層されるスパイラルインダクタ同士の距離を十分大きく形成した場合、複数個のインダクタ間の配線層には他のインダクタ配線を形成することができないため、インダクタ素子の面積効率が低下してしまうという問題点がある。
更に、配線の形成方法としてダマシン法を使用する場合、配線を形成しない領域にも島状のダミーメタルが敷設されており、ダミーメタルが複数個のインダクタ配線間に存在すると、複数個のインダクタ間に発生する配線間寄生容量が大きくなり、インダクタ素子の性能を劣化させてしまうという問題点もある。
また、特許文献3に開示された従来技術によれば、上下に互いに隣接した配線間の寄生容量を低減するため、上下の配線を平面視で重ならないように配置するとしているが、本発明者らの検討によれば、上下の配線が平面視で重ならないように配置されていても、これらの配線間には電気力線が生じ、特に大きな寄生容量の低減効果は得られない。更に、上下の配線を平面視で重ならないように配置するためには、配線同士の間隔を、配線の配線幅と同等か又はそれ以上の幅で形成しなくてはならないため、インダクタ素子の面積が増加してしまうという新たな問題点も発生する。
また、特許文献4には、高周波ノイズ抑制のために形成するLCフィルタの部品として、ソレノイド状構造物が磁性体材料等の柱状構造物を取り囲む構造が開示されているが、この構造により実現されるインダクタ素子のインダクタンス値及びインダクタ素子の性能を劣化させる寄生容量の低減については、特に注意が払われていない。
特許文献4には、インダクタ素子のインダクタンス値を増加させる方法として、ソレノイドコイルを形成する配線層を増加させるか又はソレノイドコイルの断面積を増加させることが記載されているが、一般に、半導体装置の配線層数は、製造コスト及び設計環境の制約等があり、インダクタ素子のためだけに配線層数を増加させることは極めて困難である。また、ソレノイドコイルの断面積を増加させることによってインダクタ素子のインダクタンス値を増加させる場合、半導体装置内に占めるインダクタ素子の占有面積が増加し、更に、インダクタ素子が大きいほど周囲への漏洩磁束が大きくなるため、隣接する別のインダクタ素子及び配線に対する信号干渉等の悪影響をも及ぼすことになるという問題点がある。
また、大面積を有するインダクタ素子を形成した場合、インダクタ素子と半導体基板との間に大きな寄生容量が発生し、インダクタ素子の性能劣化の要因になる。この結果、例えばアンプ及び発信器といった高速ロジック信号及びアナログ信号等を処理する半導体装置において、設計者が所望する十分なインダクタンス値を得ることができないという問題点がある。
また更に、特許文献4にはソレノイド構造の中心となる柱状構造物が半導体基板に対して水平に位置する構造も開示されているが、この構造によれば、一般の半導体装置の厚さは、上述のように、近時の半導体装置の微細化により大きくても数μmであるため、十分なインダクタンス値を得るためには多数個の配線をソレノイド状に配置する必要があり、この結果、インダクタ素子の占有面積が非常に大きくなってしまうという問題点がある。
一方、特許文献5には、一部に切欠部を有するリング状の配線を直列接続して形成したインダクタ素子が開示されている。このインダクタ素子は、特許文献4とほぼ同様の構成を有するため、特許文献4と同様の問題点を有する。即ち、特許文献5において、インダクタ素子のインダクタンス値を増加させるためには、配線層数を増加させる必要があるが、前述の如く、一般に、半導体装置の配線層数は、製造コスト及び設計環境の制約等があり、配線層数を設計者が決定することは極めて困難であるという問題点がある。
即ち、特許文献4及び5に開示された従来技術においては、インダクタンス値を増加させる場合、リング状の配線を多層に積層する必要がある。実際に半導体装置に使用される配線層は、前述の如く、その数に限りがあり、特許文献4及び5に開示された従来技術では、得られるインダクタンス値は配線層数とインダクタ素子の占有面積により限られる。仮に、大きなインダクタンス値を得るためにリング状配線の径を大きくした場合は、インダクタ素子と半導体基板との間に大きな寄生容量が発生し、インダクタ素子の性能を大きく劣化させてしまうという問題点がある。
更に、特許文献4及び5に開示された従来技術においては、インダクタ素子の性能劣化の要因になる配線間容量についての考慮がなされていない。即ち、限られた配線層数でソレノイドコイル状のインダクタ素子を形成するために、リング状配線を同一配線層内で複数回周回させる場合に生ずる寄生容量の低減方法については何らの考慮がなされておらず、小面積化と低寄生容量化とを両立させたインダクタ素子の実現は困難であるという問題点もある。
一方、図25に示す特許文献6に開示された技術においては、上下に隣接する第1の配線51−第2の配線52間の信号伝播時間を短くすることにより、配線間の相互作用を小さくし、インダクタ素子の高周波特性を改善することが可能である。しかしながら、この従来技術では、インダクタ素子を形成する配線の層数が2層しかないため、インダクタ素子は、入出力端子を素子の外部領域まで引き出す引き出し配線を設ける必要があり、インダクタ素子を構成する配線は、この引き出し配線を避けて配置される必要があり、レイアウト上の制約がある。このレイアウト上の制約によって、図25に示すように、同相電流が流れる配線同士を隣接して配置することができないため、隣接配線間の相互インダクタンスが小さくなり、この結果、面積効率が低下してしまう。このようなレイアウト上の制約によって、所望のインダクタンス値を得るためには大きなチップ面積が必要になり、面積効率が低下するという問題点がある。
また、特許文献6に開示された技術においては、インダクタ素子の性能劣化の要因になる配線間容量についての考慮がなされていない。即ち、限られた配線層数でソレノイドコイル状のインダクタ素子を形成するために、配線を同一配線層内で複数回周回させた場合に生ずる寄生容量の低減方法については何らの考慮がなされておらず、小面積化と低寄生容量化とを両立させたインダクタ素子の実現は困難であるという問題点もある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、意図しない寄生容量が低減され高性能であるインダクタ素子及びその製造方法並びにインダクタ素子を搭載した半導体装置を提供することを目的とする。
本発明に係るインダクタ素子は、配線と、上下の配線を絶縁する絶縁層と、この絶縁層に設けられ上下の配線を接続するビアとから構成される配線層が複数層積層された多層配線構造体に形成されたインダクタ素子において、少なくとも一部の上下に隣接する少なくとも1対の配線が周回状配線であり、これらの周回状配線はその端部に設けられたビアにより上下に隣接する周回状配線の電流方向が同一となるように直列接続されて直列インダクタンスを構成しており、前記上下に隣接する周回状配線の配線間容量は、同一配線層に形成された他の周回状配線との間の配線間容量よりも大きいことを特徴とする。
これにより、インダクタ素子の高周波特性を劣化させる寄生容量のうち最も支配的となる寄生容量を、入出力端子と入出力端子の直下又は直上に位置する配線との間に発生させることにより、インダクタ素子全体の見かけ上の寄生容量を低減することができる。
また、前記上下に隣接する周回状配線は、3層以上の配線層に設けられており、3層以上の前記周回状配線が前記ビアにより、電流の通流方向が同一となるように直列接続されていてもよい。
前記周回状配線の配線幅は前記周回状配線の配線高さよりも大きいことが好ましい。
また、前記同一配線層に形成された他の周回状配線との間隔は、前記上下に隣接する周回状配線との間隔と等しいか又はこれよりも大きいことが好ましい。
なお、前記上下に隣接する周回状配線の配線間を絶縁分離する絶縁膜の実効比誘電率は、前記同一配線層に形成された他の周回状配線との間を絶縁分離する絶縁膜の実効比誘電率よりも大きいことが好ましい。
本発明に係るインダクタ素子は、前記周回状配線のうち少なくとも1個は2周回する形状を有し、前記2周回する周回状配線以外の周回状配線は1周回する形状を有し、前記1周回する形状を有する周回状配線が同一配線層に少なくとも2個以上形成されていても良い。
また、本発明に係るインダクタ素子は、少なくとも2層の周回状配線により形成されていることが好ましい。
前記周回状配線のうち最上層に位置する周回状配線の少なくとも1個は同一配線層内で2周回する形状を有していても良い。
また、前記周回状配線のうち最下層に位置する周回状配線の少なくとも1個は同一配線層内で2周回する形状を有していても良い。
前記周回状配線の配線高さは全て同一であっても良い。
本発明に係るインダクタ素子は、外部素子と電気的に接続するために前記周回状配線の端部に接続される引き出し配線の少なくとも1個は前記周回状配線が形成されている配線層と異なる配線層に形成されていることが好ましい。
これにより、引き出し配線を避けて周回状配線を形成する必要が無くなるため、高い密度で配線を配置することができ、これによりインダクタ素子の占有面積を低減し、面積効率の高いインダクタ素子を実現することが可能になる。
また、外部素子と電気的に接続するために前記周回状配線の端部に接続される引き出し配線の少なくとも1個は前記周回状配線の最外周に位置する配線のいずれかが伸張されることで形成されていても良い。
前記同一配線層に形成された他の周回状配線との間の距離は同一配線層内において全て同一であることが好ましい。
これにより、インダクタ素子を形成する配線を高密度で配置することができるため、小さい占有面積でインダクタ素子を形成することができる。更に、同一配線層内において隣接する配線の配線間距離を近づけて配置すれば、相互インダクタンスが大きくなるため、インダクタ素子の面積効率を向上させることができる。これにより、効率的に磁気エネルギーを蓄積することができ、隣接素子に対する磁気的な信号干渉を抑制することが可能である。
また、前記周回状配線がスリットを有していても良い。
また、前記引き出し配線がスリットを有していても良い。
本発明に係るインダクタ素子は、前記周回状配線が形成された配線層にダミーメタルが複数個形成され、前記周回状配線に近い側の前記ダミーメタルの密度は前記周回状配線に遠い側の前記ダミーメタルの密度よりも低いことが好ましい。
また、前記周回状配線が形成されている配線層よりも上層又は下層に位置する配線層にダミーメタルが複数個形成され、前記周回状配線に近い側の前記ダミーメタルの密度は前記周回状配線に遠い側の前記ダミーメタルの密度よりも低いことが好ましい。
本発明に係るインダクタ素子の製造方法は、絶縁膜上に周回状配線及び周回状配線を接続するビアが設けられた配線層を形成する工程と、前記上下に隣接する周回状配線の配線間容量が同一配線層に形成された他の周回状配線との間の配線間容量よりも大きくなるよう配線層を積層する工程と、前記周回状配線を外部素子と電気的に接続するための引き出し配線を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、上述のインダクタ素子を搭載していることを特徴とする。
本発明によれば、インダクタ素子の高周波特性を劣化させる寄生容量のうち最も支配的となる寄生容量を入出力端子と入出力端子の直下又は直上に位置する配線との間に発生させることによりインダクタ素子の意図しない寄生容量を低減し、インダクタ素子全体の見かけ上の寄生容量を低減することができる。これにより、このインダクタ素子を搭載した半導体装置の高周波特性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態にかかるインダクタ素子を示す模式的斜視図である。 (a)は、図1に示す第1の配線1aを示す模式的上面図、図2(b)は、同じく第2の配線2aを示す模式的上面図、図2(c)は、同じく第3の配線3aを示す模式的上面図、図2(d)は、同じく第4の配線4aを示す模式的上面図である。 (a)は、第1の配線層101に形成される第1の配線を示す模式的上面図、(b)は、第2の配線層102に形成される第2の配線を示す模式的上面図、(c)は、第3の配線層103に形成される第3の配線を示す模式的上面図、(d)は、第4の配線層104に形成される第4の配線を示す模式的上面図である。 半導体基板上の多層配線構造の一部を抜粋した模式的断面図である。 (a)乃至(d)は、図2(a)乃至(d)の他の形態を示す模式的上面図である。 本実施形態に係るインダクタ素子の等価回路図である。 図6において、容量C、C、C及びCの大小関係を考慮して、C及びCは、Cと比較して十分小さいため無視し、更にCもCより小さいとして無視して書き直した等価回路図である。 図7及び図27に示すインダクタ素子の等価回路の入出力間の総インピーダンスより計算した各インダクタ素子の入出力間のインダクタンスの周波数依存性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るインダクタ素子の製造方法を段階的に示す模式的断面図である。 (a)は本発明の第2実施形態にかかるインダクタ素子の第1の配線層101を示す模式的上面図、(b)は、同じく第2の配線層102を示す模式的上面図、(c)は、同じく第3の配線層103を示す模式的上面図、(d)は、同じく第4の配線層104を示す模式的上面図である。 (a)は、本発明の第4実施形態に係るインダクタ素子の第1の配線層101に形成される第1の配線を示す模式的上面図、(b)は、同じく第2の配線層102に形成される第2の配線を示す模式的上面図、(c)は、同じく第3の配線層103に形成される第3の配線を示す模式的上面図、(d)は、同じく第4の配線層104に形成される第4の配線を示す模式的上面図である。 (a)は、本発明の第5実施形態に係るインダクタ素子の第1の配線層101に形成される第1の配線を示す模式的上面図、(b)は、同じく第2の配線層102に形成される第2の配線を示す模式的上面図、(c)は、同じく第3の配線層103に形成される第3の配線を示す模式的上面図、(d)は、同じく第4の配線層104に形成される第4の配線を示す模式的上面図である。 本発明の第6実施形態に係るインダクタ素子の配線の一部を抜粋した模式的平面図である。 (a)は、本発明の第6実施形態に係るインダクタ素子の第1の配線層101に形成される第1の配線を示す模式的上面図、(b)は、同じく第2の配線層102に形成される第2の配線を示す模式的上面図、(c)は、同じく第3の配線層103に形成される第3の配線を示す模式的上面図、(d)は、同じく第4の配線層104に形成される第4の配線を示す模式的上面図である。 本発明の第8実施形態に係るインダクタ素子の第1の配線層101を示す模式的上面図である。 第1の配線層101の下層に位置する配線層のダミーメタル配置を示す模式的断面図である。 (a)は、本発明の第9実施形態に係る半導体装置の模式的上面図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 本発明の第9実施形態に係る半導体装置の回路図である。 (a)は、本発明の第10実施形態に係る半導体装置の要部を抜粋した模式的上面図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 本発明の第11実施形態に係る半導体装置の要部を抜粋した模式的上面図である。 本発明の第12実施形態に係る半導体装置の要部を抜粋した模式的上面図である。 従来技術の半導体装置の要部の模式的斜視図である。 (a)は、従来技術の半導体装置の下層のスパイラルインダクタを示す模式的上面図、(b)は、同じく上層のスパイラルインダクタを示す模式的上面図である。 従来技術の半導体集積回路のスパイラルインダクタを示す模式的上面図である。 (a)は、第2の配線52側から見た模式的上面図、図25(b)は、同じく第1の配線51側(半導体基板側)から見た模式的下面図である。 従来技術のインダクタ素子の等価回路図である。 図26において、容量C、C、C及びCの大小関係を考慮して、C及びCは、Cと比較して十分小さいため無視し、更にCもCより小さいとして無視して書き直した等価回路図である。
符号の説明
1a、1b、1c、51;第1の配線
2a、2b、2c、2d、52;第2の配線
3a、3b、3c、3d;第3の配線
4a、4b;第4の配線
5a、5b、5c;スリット
6a乃至6m、7a乃至7c;ビア
8、8a;第1の引き出し配線
8b、9;第2の引き出し配線
10;絶縁膜
11;下層絶縁膜
12;配線溝
13;金属膜
20a、20b、21a、21b;ダミーメタル群
22;直上にインダクタ配線が形成される領域
30;半導体基板
31;素子分離絶縁膜
32;層間絶縁膜
33;電源線
34;インダクタ素子
35;抵抗素子
36;トランジスタ
37;入力端子
38;出力端子
39;接地線
40;拡散層
41;金属配線
42;コンタクト
43;切欠部
44、45;配線群
次に、本発明の実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。添付の図面は全て本発明の実施形態を模式的に示すものであり、構成要素の図面上の比率により、本発明による構造の寸法を規定するものではない。先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかるインダクタ素子を示す模式的斜視図、図2(a)は、図1に示す第1の配線1aを示す模式的上面図、図2(b)は、同じく第2の配線2aを示す模式的上面図、図2(c)は、同じく第3の配線3aを示す模式的上面図、図2(d)は、同じく第4の配線4aを示す模式的上面図、図3(a)は、第1の配線層101に形成される第1の配線を示す模式的上面図、図3(b)は、第2の配線層102に形成される第2の配線を示す模式的上面図、図3(c)は、第3の配線層103に形成される第3の配線を示す模式的上面図、図3(d)は、第4の配線層104に形成される第4の配線を示す模式的上面図、図4は半導体基板上の多層配線構造の一部を抜粋した模式的断面図、図5(a)乃至(d)は、図2(a)乃至(d)の他の形態を示す模式的上面図、図6は本実施形態に係るインダクタ素子の等価回路図、図7は、図6において、容量C、C、C及びCの大小関係を考慮して、C及びCは、Cと比較して十分小さいため無視し、更にCもCより小さいとして無視して書き直した等価回路図、図8は、図7及び図27に示すインダクタ素子の等価回路の入出力間の総インピーダンスより計算した各インダクタ素子の入出力間のインダクタンスの周波数依存性を示すグラフ、図9は、本実施形態に係るインダクタ素子の製造方法を段階的に示す模式的断面図、図26は、従来技術のインダクタ素子の等価回路図、図27は図26を図7と同様に書き直した等価回路図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るインダクタ素子は、半導体基板(図示せず)上の絶縁膜(図示せず)中の同一面上に、第4の配線4aが、隣接する部分が接触しないように間隔を設けられてコイル状に略2周巻回されている。そして、第4の配線4aの内側の長手方向端部上面にビア6c、外側の長手方向端部上面にビア6dが形成されている。これにより第4の配線層104が構成されている。
ビア6cは、第4の配線層104よりも上に位置する第3の配線層103に形成され一部に切欠部を有する周回状の第3の配線3aの一方の長手方向端部下面に接続され、第3の配線3aの他方の長手方向端部上面にはビア6bが形成されている。
ビア6bは、第3の配線層103よりも上に位置する第2の配線層102に形成され一部に切欠部を有する周回状の第2の配線2aの一方の長手方向端部下面に接続され、第2の配線2aの他方の長手方向端部上面にはビア6aが形成されている。
ビア6aは、第2の配線層102よりも上に位置する第1の配線層101に形成され一部に切欠部を有する周回状の第1の配線1aの一方の長手方向端部下面に接続され、第1の配線1aの他方の長手方向端部上面にはビア7aが形成されている。ビア7aは、第1の配線層101よりも上に位置する配線層に形成された第1の引き出し配線8に接続され、この第1の引き出し配線8にビア7bが接続され、ビア7bが第1の引き出し配線8よりも上に位置する配線層に形成された第2の引き出し配線9に接続されている。
また、第4の配線4aの外側の長手方向端部上面に形成されたビア6dは、第3の配線層103内で第3の配線3aの周囲を取り囲むように形成された第3の配線3bの一方の長手方向端部下面に接続されている。同様に、第3の配線3bの他方の長手方向端部上面にもビア(図示せず)によって配線(図示せず)が接続され、これにより、本実施形態に係るインダクタ素子が形成されている。このとき、各層に形成された配線の切欠部の位置は、図2(a)乃至(d)に示すように各層毎に異なっており、また、上下に積層される周回状の配線に流れる電流方向は同一である。図1において、第3の配線3bは矢印で示されているが、第3の配線3bは、第1の配線1a乃至第3の配線3aと同様に、一部に切欠部を有する周回状の配線である。また、この第3配線3bに接続されている配線は図面が煩雑になり参照者の理解を阻害する虞があるため、図1においては図示を省略されている。
本実施形態に係るインダクタ素子は配線層数4、巻数3であるとすると、図3(d)に示すように、第4の配線層104内に第4の配線4aの周囲を取り囲むように第4の配線4bが形成され、第4の配線4bの一方の長手方向端部上面にはビア6iが形成され、他方の長手方向端部は外側方向に伸張された位置にある。
また、図3(c)に示すように、第3の配線層103内に第3の配線3aの周囲を取り囲むように第3の配線3bが形成され、第3の配線3bのビア6bと接続されていない方の長手方向端部上面にはビア6eが形成されている。更に、この第3の配線3bの周囲を取り囲むように第3の配線3cが形成され、第3の配線3cのビア6iと接続されていない方の長手方向端部上面にはビア6hが形成されている。そして、第4の配線4bに形成されたビア6iは、第3の配線3cのビア6hが設けられていない方の長手方向端部下面に、第4の配線4aに形成されたビア6dは、第3の配線3bのビア6eが設けられていない方の長手方向端部下面に接続されている。
また、図3(b)に示すように、第2の配線層102内に第2の配線2aの周囲を取り囲むように第2の配線2bが形成され、第2の配線2bの一方の長手方向端部上面にはビア6fが形成されている。更に、この第2の配線2bの周囲を取り囲むように第2の配線2cが形成され、第2の配線2cの一方の長手方向端部上面にはビア6gが形成されている。第3の配線3bに形成されたビア6eは、第2の配線2bのビア6fが設けられていない方の長手方向端部下面に、第3の配線3cの端部上面に形成されたビア6hは、第2の配線2cのビア6gが設けられていない方の長手方向端部下面に接続されている。
更に、図3(a)に示すように、第1の配線層101内に第1の配線1aの周囲を取り囲むように略2周巻回されて第1の配線1bが形成されている。第2の配線2bに形成されたビア6fは、第1の配線1bの一方の長手方向端部下面に、第2の配線2cの端部上面に形成されたビア6gは、第1の配線1bの他方の長手方向端部下面に接続されている。これにより、互いに上下に隣接する配線間に流れる電流の向きが同一になるように直列接続され、配線層数4、巻数3のインダクタ素子が形成されている。
本実施形態に係るインダクタ素子は、インダクタ素子を構成する配線間のうち、互いに上下に隣接する配線間の配線間容量が、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の配線間容量よりも大きくなるように形成されている。即ち、本実施形態に係るインダクタ素子は、例えば図4に示す模式的断面図のように、第1の配線1a及び1b並びに第2の配線2a及び2bの配線幅wと配線間隔sとによって決まる配線間の寄生容量のうち、互いに上下に隣接する配線間の寄生容量11a及び11bが、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の寄生容量10a及び10bよりも大きくなるように構成されている。
本実施形態に係るインダクタ素子は、第1の配線1a及び1b並びに第2の配線2a及び2bに限らず、他にも存在する互いに隣接する配線間の寄生容量についても同様に、互いに上下に隣接する配線間の寄生容量が、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の寄生容量よりも大きくなるように構成されている。互いに隣接する配線間の容量は、インダクタ素子を構成する配線の高さ、配線幅、隣接する配線間の距離及び互いに隣接する配線間に存在する絶縁物質の実効比誘電率により規定される。よって、図4において、互いに上下に隣接する配線間の寄生容量11a及び11bが、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の寄生容量10a及び10bよりも大きくなる条件は、下記数式1に示すことができる。
Figure 2008016089
ここで、εは第1の配線層101と第2の配線層102との間に形成される絶縁膜の比誘電率、hは同じく絶縁膜の厚さ、wは第1の配線1a、第1の配線1b、第2の配線2a及び第2の配線2bの配線幅、tは同じく配線高さ、εは第1の配線1aと第1の配線1bとの間及び第2の配線2aと第2の配線2bとの間に存在する絶縁膜の比誘電率、sは第1の配線1a−第1の配線1b間及び第2の配線2a−第2の配線2b間の配線間隔である。
図4に示すインダクタ素子は、上記数式1を満たすように構成されることにより、インダクタ素子の寄生容量の低減効果を得ることができる。
なお、上記数式1に示すように、周回状配線の配線幅(w)は周回状配線の配線高さ(t)よりも大きいことが好ましい。また、同一配線層に形成された他の周回状配線との間隔(s)は、上下に隣接する周回状配線との間隔(h)と等しいか又はこれよりも大きいことが好ましい。更に、互いに上下に隣接する周回状配線の配線間を絶縁分離する絶縁膜の実効比誘電率(ε)は、同一配線層に形成された他の周回状配線との間を絶縁分離する絶縁膜の実効比誘電率(ε)よりも大きいことが好ましい。
また、本実施形態に係るインダクタ素子は、互いに上下に隣接する配線間の寄生容量が、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の寄生容量よりも大きいという条件を満たした上で、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の間隔を近接させて配置することがより好ましい。これにより、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の相互インダクタンスを大きくすることが可能になり、インダクタ素子の面積効率を向上させることができる。更に、インダクタ素子の占有面積を低減させることもできる。
更に、本実施形態に係るインダクタ素子は、インダクタ素子を構成する各配線が同一の膜厚を有することがより好ましい。これにより、インダクタ素子の素子としての対称性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、全てのビアは単一のビアとして図示されているが、ビア抵抗の低減及びエレクトロマイグレーションの抑制の観点から、これらのビアは、例として図5(a)乃至(d)に示すように、複数個のビアにより形成される構成(マルチビア)であることが、より好ましい。本明細書においては、以後、表記を簡単にするべく、複数個のビアを単一のビアとして表記するものとする。
以下、本実施形態に係るインダクタ素子の寄生容量低減の原理について図面を参照して詳細に説明する。
図26は、特許文献1乃至3に開示された従来技術によるインダクタ素子の等価回路図を示している。図26は、従来技術によるインダクタ素子として最も簡単な構造である2層配線を使用した巻数2のインダクタ素子を想定している。図26に示すインダクタ素子を構成する配線は、図26に示す等価回路上で、上層配線の外周に相当する抵抗R及びインダクタンスL、上層配線の内周に相当する抵抗R及びインダクタンスL、下層配線の内周に相当する抵抗R及びインダクタンスL並びに下層配線の外周に相当する抵抗R及びインダクタンスLが接続された構造として表されている。更に、図26において、これらの夫々分割された配線間に存在する寄生容量は、外周の上下配線間容量に相当する寄生容量をC、内周の上下配線間容量に相当する寄生容量をC、上層の同一の配線層内で互いに隣接する配線間容量に相当する寄生容量をC、下層の同一の配線層内で互いに隣接する配線間容量に相当する寄生容量をCとする。
現在主流の微細化された半導体装置を構成する多層配線構造によれば、先に図4に示したように、配線が一定以上の配線幅を有する場合、互いに上下に隣接する配線間の寄生容量が、同一の配線層内で互いに隣接する寄生容量よりも大きくなる。従って、従来技術によるインダクタ素子を想定して書き下した図26に示す等価回路上の寄生容量C、C、C及びCの大小関係は、配線が一定以上の配線幅を有する場合、下記数式2のように示すことができる。
Figure 2008016089
即ち、図26に示す等価回路図において、Cが最も大きい容量となる。図26においては、これらの容量の大小関係を回路記号の大小に対応させて示している。
一方、図6に示す本実施形態に係るインダクタ素子の等価回路図では、図26と同様、複数回の巻数を有するソレノイドインダクタ構造として、最も簡単な構造である2層配線を使用した巻数2のインダクタ素子を想定している。図6に示すインダクタ素子を構成する配線は、図6に示す等価回路上で、上層配線の外周に相当する抵抗R及びインダクタンスL、下層配線の外周に相当する抵抗R及びインダクタンスL、下層配線の内周に相当する抵抗R及びインダクタンスL並びに上層配線の内周に相当する抵抗R及びインダクタンスLが接続された構造として表されている。更に、図6においては、これらの夫々分割された配線間に存在する寄生容量は、外周の上下配線間容量に相当する寄生容量をC、内周の上下配線間容量に相当する寄生容量をC、上層の同一の配線層内で互いに隣接する配線間容量に相当する寄生容量をC、下層の同一の配線層内で互いに隣接する配線間容量に相当する寄生容量をCとする。
現在主流の微細化された半導体装置を構成する多層配線構造によれば、先に図4に示したように、配線が一定以上の配線幅を有する場合、互いに上下に隣接する配線間の寄生容量が、同一の配線層内で互いに隣接する寄生容量よりも大きくなる。従って、本実施形態にかかる半導体装置のインダクタ素子を想定して書き下した図6に示す等価回路上の寄生容量C、C、C及びCの大小関係は、配線が一定以上の配線幅を有する場合、下記数式3のように示すことができる。
Figure 2008016089
即ち、図6に示す等価回路図において、Cが最も大きい容量となる。図6においては、これらの容量の大小関係を回路記号の大小に対応させて示している。
図26に示す従来技術のインダクタ素子の等価回路図と図6に示す本実施形態に係るインダクタ素子の等価回路図とでは、各配線間に発生する寄生容量の大きさは同等であるが、等価回路上の接続位置が異なっている。図26に示すように、従来技術のインダクタ素子の等価回路においては、最も支配的な寄生容量Cがインダクタ素子の入出力間に付加されているのに対し、図6に示すように、本実施形態に係るインダクタ素子の等価回路図においては、最も支配的な寄生容量Cが、入力端子とインダクタ素子を構成する配線の中間点との間に付加されている。
ここで、容量C、C、C及びCの大小関係は、上記数式2及び3に示される関係を有していることにより、C及びCは、Cと比較して十分に小さいため無視し、更に、CもCよりも小さいとして無視すると、図26に示す従来技術のインダクタ素子の等価回路は図27に示すようになる。同様に、図6に示す本実施形態に係るインダクタ素子の等価回路図は図7に示すようになる。
図27に示すように、従来技術のインダクタ素子は、インダクタ素子の入出力端子間に最も支配的な寄生容量Cが付与されている。一方、図7に示すように、本実施形態に係るインダクタ素子は、最も支配的な寄生容量Cが、インダクタ素子の入出力端子間ではなく、インダクタ素子の入力端子とインダクタ素子を構成する配線の中間点との間に付与されている。これにより、本実施形態に係るインダクタ素子は、配線間に発生する支配的な寄生容量を入出力端子から遠ざけることにより、見かけ上、即ち、インダクタ素子全体の入出力間の容量の低減を図っている。
図8において、破線は従来技術のインダクタ素子の入出力間のインダクタンスの周波数依存性、実線は本実施形態に係るインダクタ素子の入出力間のインダクタンスの周波数依存性を示している。図8は、図27の回路定数を抵抗R+R+R+R=70Ω、インダクタンスL+L+L+L=3nH、容量C=10fFと仮定し、また、図7の回路定数を抵抗R+R=35Ω、R+R=35Ω、インダクタンスL+L=1.5nH、L+L=1.5nH、容量C=10fFと仮定して得られたものである。図8に示すように、図27に示す回路と図7に示す回路とでは、インダクタンス値が急激に増加する周波数が異なっている。周波数が高くなると、見かけ上のインダクタンス値が急激に大きくなる現象は、寄生容量成分による共振現象に起因しており、見かけ上のインダクタンス値が大きくなる周波数が高いほど、入出力間の見かけ上の寄生容量が小さいことを示す。図8に示すように、図7に示す等価回路の方が、図27に示す等価回路よりも共振が起こる周波数が高くなっており、これにより、本実施形態に係るインダクタ素子の構成により、見かけ上の寄生容量の寄与を低減できていることがわかる。本実施形態に係るインダクタ素子は、以上の原理により、見かけ上の寄生容量を低減し、高周波特性を向上させている。
本実施形態のインダクタ素子は、図1に示すように、インダクタ素子を外部素子と接続するための第2の引き出し配線9がインダクタ素子を構成する第1の配線が形成された第1の配線層101、第2の配線が形成された第2の配線層102、第3の配線が形成された第3の配線層103及び第4の配線が形成された第4の配線層104とは異なる配線層に形成されているため、インダクタ素子を構成する各配線は、夫々第2の引き出し配線9を避けて形成する必要が無く、配線のレイアウトの自由度が高い。これにより、インダクタ素子を構成する配線同士を近接して配置することが可能になり、隣接する配線同士の相互インダクタンスを大きくすることができるため、インダクタンス値を大きくすることが可能である。
第2の引き出し配線9と第1の配線乃至第4の配線との間に寄生容量が形成されるのを抑制するため、第2の引き出し配線9と第1の配線乃至第4の配線とを離間させて配置することが好ましいが、これらの配置は上述の如く構成されたインダクタ素子と接続される外部素子との位置及び外部素子の接続端子が存在する配線層の位置、設計上の制約及び使用できる配線層の制約等の要素を踏まえた上で決定することができる。
本実施形態に示す構成によれば、インダクタ素子の引き出し配線を形成する位置の自由度が向上する。例えば、インダクタ素子の巻数が偶数である場合は、インダクタ素子に接続される引き出し配線の双方をインダクタ素子の上層又は下層の配線に接続する位置に形成することができる。一方、インダクタ素子の巻数が奇数である場合は、インダクタ素子の引き出し配線の一方を上層から、他方を下層から接続する位置に形成することができる。
本実施形態は、図1に示すように、ソレノイド状のインダクタ素子の巻数が3である例を示しているため、引き出し配線の一方はインダクタ素子を構成する配線の最上層配線に相当する第1の配線1aに接続される位置に形成され(第2の引き出し配線9)、他方の引き出し配線は、図4(d)に示すように、インダクタ素子を構成する配線の最下層配線に相当する第4の配線の最外周配線(第4の配線4b)が外側に伸張されることによって形成されている。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係るインダクタ素子の動作について説明する。本実施形態に係るインダクタ素子は、互いに上下に隣接する配線間の寄生容量が、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の寄生容量よりも大きいため、インダクタ素子の寄生容量の低減効果を得ることができる。また、このとき、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の間隔を近接させて配置することで、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の相互インダクタンスを大きくすることが可能になり、インダクタ素子の面積効率を向上させることができ、インダクタ素子の占有面積を低減させることもできる。また、インダクタ素子を構成する各配線が同一の膜厚を有するように形成すれば、素子としての対称性を向上させることもできる。
本実施形態においては、配線を構成する元素に特に制限は無く、代表的な配線材料である銅又は銅を主成分とする合金を使用することができ、また、アルミニウム、金、又は銀等の元素、若しくはそれらを主成分とする合金を使用して形成することもできる。本実施形態によって得られる効果は、配線材料によって特に限定されるものではない。
また、インダクタ素子を構成する配線材料は、電気伝導性を有する材料であれば良く、例えば、一般にカーボンナノチューブと呼ばれる直径数nm乃至数十nmの筒状の炭素導体、及びそれらのバンドル(束)等の非金属材料で構成されても良い。即ち、本実施形態は、配線の周辺の電磁気学的現象を利用しているため、配線材料、配線の周辺の物質の有無及び材料定数等に特に制限されるものではなく、本実施形態により開示される配線構造により、その効果を得ることができるものである。また、本実施形態は、インダクタ素子を構成する材料が電気導電性を有する材料である必要があること以外は半導体装置を構成する材料に特に制限されることなく利用することができる。
次に、本実施形態に係るインダクタ素子の製造方法について説明する。本実施形態に係るインダクタ素子は、配線により形成されたインダクタ素子の構造にその特徴を有しているため、配線の形成方法による特徴によってこれを制限されるものではない。即ち、本発明は、本発明の実施形態で示す構造により、本発明による効果を得ることができるものであって、配線の形成方法は、いかなる方法を使用しても良い。
以下、本実施形態に係るインダクタ素子の製造方法の一例として、現在広く実用化されているダマシン法による製造方法を説明する。本実施形態に係るインダクタ素子の製造方法を示す図9においては、半導体基板上に堆積された絶縁膜に溝を形成し、この溝部分に銅等の金属膜を充填し、続く平坦化により配線を形成するいわゆるダマシン法による配線形成方法を示しているが、ダマシン法による加工技術に使用されるハードマスク膜及びエッチングストッパ膜等は特に図示しない。
また、ダマシン法により製造される配線が、銅又は銅を主成分とした合金で形成される場合は、多くの場合、絶縁膜に金属が埋め込まれた配線構造を有し、配線材料の絶縁膜中への拡散を防止するため、配線の底及び側壁に、例えばチタン又はタンタル等の高融点金属若しくはその窒化物、更には、それらの積層構造体等により形成され一般にバリアメタルと呼ばれる層が形成されるが、これらは本実施形態に係るインダクタ素子の構造に大きな影響を及ぼすものではないため、特に図示しない。また、配線材料となる金属の埋め込み工程前に形成されるバリアメタルについても、特に図示しない。また、絶縁膜の更に下に位置する半導体基板及び半導体基板に形成されるトランジスタ等の半導体素子についても、これを図示しない。
また、ダマシン法による配線形成方法は、配線と、夫々異なる層に形成された配線同士を相互接続するためのビアとを別々の工程で形成するシングルダマシン法と呼ばれる方法、及び、配線と、この配線の下層に位置するビアとを同時に形成するデュアルダマシン法と呼ばれる方法があるが、本実施形態に係るインダクタ素子の製造方法は、いずれのダマシン法を使用することもできる。以下に説明する本実施形態に係るインダクタ素子の製造方法においてはデュアルダマシン法による配線形成方法を示している。
先ず、図9(a)に示すように、半導体基板(図示せず)上に堆積された下層絶縁膜10上に、配線4a及び4bを形成する層に相当する絶縁膜11を化学気相成長法又は塗布法等、公知の絶縁膜形成方法によって堆積する(ステップ1)。絶縁膜11は、例えば、シリコン、酸素、水素、弗素、炭素又は窒素等の元素を含有する絶縁膜であり、本実施形態において、絶縁膜11の材料は特に限定されないが、配線間の寄生容量及び配線−半導体基板間の意図しない寄生容量を抑制するために、絶縁膜11の比誘電率は、シリコン酸化膜の比誘電率である4.2以下であることが好ましい。更に、絶縁膜11は、配線間の意図しない寄生容量を抑制するために、絶縁膜11の内部に直径3nm以下の微細な空孔を有することが、より好ましい。絶縁膜11の加工方法によっては、絶縁膜11は、互いに組成の異なる2種以上の絶縁膜の積層構造であっても良い。
この後、配線層を積層する工程において、絶縁膜11の直下に形成された配線が銅又は銅を主成分とする合金である場合には、絶縁膜11は、少なくともシリコン及び炭素を含有する銅拡散耐性を有する絶縁膜及び微細な空孔を有する絶縁膜の積層構造であることが、より好ましい。これにより、絶縁膜11内部への銅の拡散を防止し、半導体装置の信頼性を高め、且つ、意図しない寄生容量の増加を抑制することができる。
次に、図9(b)に示すように、絶縁膜11に、例えばフォトリソグラフィーに代表されるパターニング方法と、反応性エッチング法に代表される加工方法とによって、配線4a及び4bを形成するための配線溝パタン12を形成する(ステップ2)。配線溝パタン12のパタン形状は、本実施形態では矩形形状としているが、例えば、八角形状のもの、略円形の多角形状等に形成してもよい。インダクタ素子の占有面積を小さくするためには、図3に示すような矩形形状であることが好ましい。配線溝パタン12の形状は、最終的に得られるインダクタ素子に要求される性能によって、その線幅、内径、配線間スペース及び巻数等を決定すれば良く、これらの寸法は、半導体装置の回路設計者により決定される。ただし、上述のように、同一の配線層内で互いに隣接する配線間の容量よりも、互いに上下に隣接する配線間の容量が大きくなるように形成する必要がある。
次に、図9(c)に示すように、配線溝パタン12の上から、スパッタ法、化学気相成長法又はメッキ法等の方法により金属膜13を堆積する(ステップ3)。
次に、図9(d)に示すように、堆積した金属膜13の余剰部分を、例えば化学機械研磨法に代表されるような平坦化方法により除去し、第4の配線4a及び4bを得る(ステップ4)。図9(d)に示す模式的断面図は、図3(d)のA−A線断面図である。
次に、図9(e)に示すように、第4の配線4a及び4bの形成方法と同様に、ダマシン法によりビア6c、6d及び6i並びに第3の配線3a、3b及び3cを形成する(ステップ5)。図9(e)に示す模式的断面図は、図3(c)のA−A線断面図である。ビア6cにより第3の配線3aと第4の配線4aとが電気的に直列に接続され、ビア6dにより第4の配線4aと第3の配線3bとが電気的に直列に接続され、ビア6iにより第4の配線4bと第3の配線3cとが、電気的に直列に接続される。
次に、図9(f)に示すように、第3の配線3a、3b及び3c並びにビア6c、6d及び6iの形成方法と同様に、ダマシン法によりビア6b、6e及び6h並びに第2の配線2a、2b及び2cを形成する(ステップ6)。図9(f)に示す模式的断面図は、図3(b)のA−A線断面図である。ビア6bにより第3の配線3aと第2の配線2aとが電気的に直列に接続され、ビア6eにより第3の配線3bと第2の配線2bとが電気的に直列に接続され、ビア6hにより第3の配線3cと第2の配線2cとが電気的に直列に接続される。
次に、図9(g)に示すように、第2の配線2a、2b及び2c並びにビア6b、6e及び6hの形成方法と同様に、ダマシン法によりビア6a、6f及び6g並びに第1の配線1a及び1bを形成する(ステップ7)。図9(g)に示す模式的断面図は、図3(a)のA−A線断面図である。ビア6aにより第2の配線2aと第1の配線1aとが電気的に直列に接続され、ビア6fにより第2の配線2bと第1の配線1bとが電気的に直列に接続され、ビア6gにより第1の配線1bと第2の配線2cとが電気的に直列に接続される。
次に、図9(h)に示すように、ダマシン法により、第1の引き出し配線8及び第1の引き出し配線8と第1の配線1aとを接続するビア7aを形成し、同様に、ダマシン法により、第2の引き出し配線9及び第2の引き出し配線9と第1の引き出し配線8とを接続するビア7bを形成する(ステップ8)。
以上の製造方法により、本実施形態に係るインダクタ素子が得られる。このようにして得られたインダクタ素子により、チップ面積を縮小し、且つ、意図しない寄生容量の増加を抑制することができる。
本実施形態においては、ソレノイド状のインダクタ素子が合計4層の配線からなる構造を例に説明したが、これに限定されず、インダクタ素子を形成する配線の層数は、半導体装置の設計上の制約に許容される配線の層数を超過しない限り、半導体装置の設計者が任意に決定することが可能である。インダクタ素子を形成する配線層数を増加させることにより、より小さい面積で、大きなインダクタンス値を実現するソレノイド状インダクタ素子を形成することができる。
本実施形態によれば、半導体基板上にソレノイドコイル状のインダクタ素子を形成することにより、単位面積あたりのインダクタンス値を増加させることでチップ面積が縮小でき、半導体基板から得られる半導体装置の個数を増加させることができるため、半導体装置の製造コストを削減することができる。更に、半導体装置を搭載する各種信号処理装置の小型化も可能になる。
また、本実施形態によれば、インダクタ素子の寄生容量を低減させることが可能であるため、インダクタ素子と能動素子とにより構成される半導体装置の高周波特性を向上させることができる。
更に、本実施形態によれば、インダクタ素子と隣接素子との間隔を縮小することができ、この点からもチップ面積が縮小でき及び半導体装置の製造コストを削減することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図10(a)は本実施形態にかかるインダクタ素子の第1の配線層101を示す模式的上面図、図10(b)は、同じく第2の配線層102を示す模式的上面図、図10(c)は、同じく第3の配線層103を示す模式的上面図、図10(d)は、同じく第4の配線層104を示す模式的上面図である。図10において、図1乃至図9と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
上述の第1実施形態ではインダクタ素子は配線層数4、巻数3であり、インダクタ素子と外部素子とを接続する引き出し配線の一方がインダクタ素子を構成する配線の最上層配線(第1の配線1a)に接続される位置に形成され(第2の引き出し配線9)、他方の引き出し配線がインダクタ素子を構成する配線の最下層配線(第4の配線)の最外周配線(第4の配線4b)が外側に伸張されることによって形成されているのに対し、本実施形態においては、インダクタ素子は配線層数4、巻数2であり、インダクタ素子と外部素子とを接続する2本の引き出し配線が共にインダクタ素子の最上層配線に接続される位置に形成されている点が異なり、それ以外は第1実施形態と同様の構造を有している。
図10(d)に示すように、本実施形態に係るインダクタ素子は、半導体基板(図示せず)上の絶縁膜(図示せず)中の同一面上に、第4の配線4aが、隣接する部分が接触しないように間隔を設けられてコイル状に略2周巻回されている。そして、第4の配線4aの内側の長手方向端部上面にビア6c、外側の長手方向端部上面にビア6dが形成されている。これにより第4の配線層104が構成されている。
図10(c)に示すように、ビア6cは、第4の配線層104よりも上に位置する第3の配線層103に形成され一部に切欠部を有する周回状の第3の配線3aの一方の長手方向端部下面に接続され、第3の配線3aの他方の長手方向端部上面にはビア6bが形成されている。また、第3の配線層103内で第3の配線3aの外周を取り囲むように第3の配線3bが形成され、第3の配線3bの一方の長手方向端部下面にはビア6dが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6eが形成されている。
図10(b)に示すように、ビア6bは、第3の配線層103よりも上に位置する第2の配線層102に形成され一部に切欠部を有する周回状の第2の配線2aの一方の長手方向端部下面に接続され、第2の配線2aの他方の長手方向端部上面にはビア6aが形成されている。また、第2の配線層102内で第2の配線2aの外周を取り囲むように第2の配線2bが形成され、第2の配線2bの一方の長手方向端部下面にはビア6eが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6fが形成されている。
図10(a)に示すように、ビア6aは、第2の配線層102よりも上に位置する第1の配線層101に形成され一部に切欠部を有する周回状の第1の配線1aの一方の長手方向端部下面に接続され、第1の配線1aの他方の長手方向端部上面にはビア7aが形成されている。また、第1の配線層101内で第1の配線1aの外周を取り囲むように第1の配線1bが形成され、第1の配線1bの一方の長手方向端部下面にはビア6fが接続され、他方の長手方向端部は第1の配線1aの外側方向に伸張された位置にあり、この端部上面にはビア7cが形成されている。そして、ビア7aは、第1の配線層101よりも上に位置する配線層に形成された第1の引き出し配線8aに接続され、ビア7cは、第1の引き出し配線8aと同一の配線層に形成された第2の引き出し配線8bに接続されている。これにより、本実施形態に係るインダクタ素子が構成されている。即ち、本実施形態に係るインダクタ素子は、上述の第1実施形態で説明した上下に隣接する配線間の寄生容量が同一の配線層内で互いに隣接する配線間寄生容量よりも大きい配線構造において、第1実施形態と同様にして構成されたソレノイド状のインダクタ素子が偶数回(2回)の巻数を有し、ソレノイド状のインダクタ素子と外部の素子とを接続する引き出し配線(第1の引き出し線8a及び第2の引き出し線8b)が、ソレノイド状インダクタ素子の最上層に位置する第1の配線1a及び1bと接続される位置に形成されている。
本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は上述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態に係るインダクタ素子は、上述の第2実施形態に係るインダクタ素子の構造の上下を反転させた構造を有している。即ち、図10(a)に示す第1の配線層101が上下を反転させた状態でインダクタ素子を構成する配線の最下層に形成され、この上に順に図10(b)に示す第2の配線層102、図10(c)に示す第3の配線層103及び図10(d)に示す第4の配線層104が上下を反転させた状態で積層されることにより、ソレノイド状のインダクタ素子と外部素子とを接続する2本の引き出し配線(第1の引き出し線8a及び第2の引き出し線8b)が、ソレノイド状インダクタ素子の最下層に位置する第1の配線1a及び1bと接続される位置に形成されている。これにより、本実施形態に係るインダクタ素子が構成されている。
本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は上述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図11(a)は、本実施形態に係るインダクタ素子の第1の配線層101に形成される第1の配線を示す模式的上面図、図11(b)は、同じく第2の配線層102に形成される第2の配線を示す模式的上面図、図11(c)は、同じく第3の配線層103に形成される第3の配線を示す模式的上面図、図11(d)は、同じく第4の配線層104に形成される第4の配線を示す模式的上面図である。図11において、図1乃至図10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図11(d)に示すように、本実施形態に係るインダクタ素子は、半導体基板(図示せず)上の絶縁膜(図示せず)中の同一面上に、第4の配線4aが、隣接する部分が接触しないように間隔を設けられてコイル状に略2周巻回されている。そして、第4の配線4aの内側の長手方向端部上面にビア6c、外側の長手方向端部上面にビア6dが形成されている。また、第4の配線層104内で第4の配線4aの外周を取り囲むように第4の配線4bが、隣接する部分が接触しないように間隔を設けられてコイル状に略2周巻回されて形成され、第4の配線4bの内側の長手方向端部上面にはビア6iが形成され、外側の長手方向端部上面にはビア6jが形成されている。これにより第4の配線層104が構成されている。
図11(c)に示すように、ビア6cは、第4の配線層104よりも上に位置する第3の配線層103に形成され一部に切欠部を有する周回状の第3の配線3aの一方の長手方向端部下面に接続され、第3の配線3aの他方の長手方向端部上面にはビア6bが形成されている。また、第3の配線層103内で第3の配線3aの外周を取り囲むように第3の配線3bが形成され、第3の配線3bの一方の長手方向端部下面にはビア6dが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6eが形成されている。また、第3の配線層103内で第3の配線3bの外周を取り囲むように第3の配線3cが形成され、第3の配線3cの一方の長手方向端部下面にはビア6iが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6hが形成されている。更に、第3の配線層103内で第3の配線3cの外周を取り囲むように第3の配線3dが形成され、第3の配線3dの一方の長手方向端部下面にはビア6jが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6kが形成されている。
図11(b)に示すように、ビア6bは、第3の配線層103よりも上に位置する第2の配線層102に形成され一部に切欠部を有する周回状の第2の配線2aの一方の長手方向端部下面に接続され、第2の配線2aの他方の長手方向端部上面にはビア6aが形成されている。また、第2の配線層102内で第2の配線2aの外周を取り囲むように第2の配線2bが形成され、第2の配線2bの一方の長手方向端部下面にはビア6eが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6fが形成されている。また、第2の配線層102内で第2の配線2bの外周を取り囲むように第2の配線2cが形成され、第2の配線2cの一方の長手方向端部下面にはビア6hが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6gが形成されている。更に、第2の配線層102内で第2の配線2cの外周を取り囲むように第2の配線2dが形成され、第2の配線2dの一方の長手方向端部下面にはビア6kが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6mが形成されている。
図11(a)に示すように、ビア6aは、第2の配線層102よりも上に位置する第1の配線層101に形成され一部に切欠部を有する周回状の第1の配線1aの一方の長手方向端部下面に接続され、第1の配線1aの他方の長手方向端部上面にはビア7aが形成されている。また、第1の配線層101内で第2の配線1aの外周を取り囲むように第1の配線1bが、隣接する部分が接触しないように間隔を設けられてコイル状に略2周巻回されて形成され、第1の配線1bの内側の長手方向端部下面にはビア6fが接続され、外側の長手方向端部下面にはビア6gが接続されている。更に、第1の配線層101内で第1の配線1bの外周を取り囲むように第1の配線1cが形成され、第1の配線1cの一方の長手方向端部下面にはビア6mが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア7cが形成されている。
ビア7aは、第1の配線層101よりも上に位置する配線層に形成された第1の引き出し配線8aに接続され、ビア7cは、第1の引き出し配線8aと同一の配線層に形成された第2の引き出し配線8bに接続されている。これにより、本実施形態に係るインダクタ素子が構成されている。即ち、本実施形態に係るインダクタ素子は、上述の第1実施形態で説明した上下に隣接する配線間の寄生容量が同一の配線層内で互いに隣接する配線間寄生容量よりも大きい配線構造において、第1実施形態と同様にして構成されたソレノイド状のインダクタ素子が偶数回(4回)の巻数を有し、ソレノイド状のインダクタ素子と外部の素子とを接続する引き出し配線(第1の引き出し線8a及び第2の引き出し線8b)が、ソレノイド状インダクタ素子の最上層に位置する第1の配線1a及び1bと接続される位置に形成されている。
本実施形態に係るインダクタ素子は、インダクタ素子を構成する配線の最下層(第4の配線層104)において、略2周周回する配線を2個(第4の配線4a及び4b)有している。これにより、上述の第1乃至第3実施形態に係るインダクタ素子の巻数よりも本実施形態に係るインダクタ素子の巻数が多いため、インダクタンス値を向上させることができる。
更に、本実施形態に係るインダクタ素子において、図11(a)に示す第1の配線1cを略2周周回させ、以後、上述の本発明の他の実施形態と同様に、第1の配線1cの下層に位置する各配線層にも略1周する配線を設け、各々を直列接続する構成とすることにより、更にインダクタンス値を向上させることが可能である。
本実施形態において説明したように、本発明に係るインダクタ素子を形成する場合、略2周する配線を更に複数個設けることにより、更にインダクタンス値を増加させることが容易に可能である。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図12(a)は、本実施形態に係るインダクタ素子の第1の配線層101に形成される第1の配線を示す模式的上面図、図12(b)は、同じく第2の配線層102に形成される第2の配線を示す模式的上面図、図12(c)は、同じく第3の配線層103に形成される第3の配線を示す模式的上面図、図12(d)は、同じく第4の配線層104に形成される第4の配線を示す模式的上面図である。図12において、図1乃至図11と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態に係るインダクタ素子は、インダクタ素子と外部素子とを接続する引き出し配線のうち少なくとも一方の引き出し配線が、インダクタ素子を構成する配線のうち任意の配線層の最外周に位置する配線を伸張することにより形成されている。この任意の配線は、回路設計者によって選択されることができる。本実施形態においては、第3の配線層103の最外周に位置する配線が選択された例について説明する。
図12(d)に示すように、本実施形態に係るインダクタ素子は、半導体基板(図示せず)上の絶縁膜(図示せず)中の同一面上に、第4の配線4aが、隣接する部分が接触しないように間隔を設けられてコイル状に略2周巻回されている。そして、第4の配線4aの内側の長手方向端部上面にビア6c、外側の長手方向端部上面にビア6dが形成されている。また、第4の配線層104内で第4の配線4aの外周を取り囲むように第4の配線4bが、隣接する部分が接触しないように間隔を設けられてコイル状に略2周巻回されて形成され、第4の配線4bの内側の長手方向端部上面にはビア6iが形成され、外側の長手方向端部上面にはビア6jが形成されている。これにより第4の配線層104が構成されている。
図12(c)に示すように、ビア6cは、第4の配線層104よりも上に位置する第3の配線層103に形成され一部に切欠部を有する周回状の第3の配線3aの一方の長手方向端部下面に接続され、第3の配線3aの他方の長手方向端部上面にはビア6bが形成されている。また、第3の配線層103内で第3の配線3aの外周を取り囲むように第3の配線3bが形成され、第3の配線3bの一方の長手方向端部下面にはビア6dが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6eが形成されている。また、第3の配線層103内で第3の配線3bの外周を取り囲むように第3の配線3cが形成され、第3の配線3cの一方の長手方向端部下面にはビア6iが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6hが形成されている。更に、第3の配線層103内で第3の配線3cの外周において、任意の中間部に設けられた屈曲部で屈曲した第3の配線3dが形成され、第3の配線3dの一方の長手方向端部下面にはビア6jが接続され、他方の長手方向端部はインダクタ素子と外部素子とを接続する引き出し配線として屈曲部から外側方向に伸張された位置にある。
図12(b)に示すように、ビア6bは、第3の配線層103よりも上に位置する第2の配線層102に形成され一部に切欠部を有する周回状の第2の配線2aの一方の長手方向端部下面に接続され、第2の配線2aの他方の長手方向端部上面にはビア6aが形成されている。また、第2の配線層102内で第2の配線2aの外周を取り囲むように第2の配線2bが形成され、第2の配線2bの一方の長手方向端部下面にはビア6eが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6fが形成されている。また、第2の配線層102内で第2の配線2bの外周を取り囲むように第2の配線2cが形成され、第2の配線2cの一方の長手方向端部下面にはビア6hが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6gが形成されている。
図12(a)に示すように、ビア6aは、第2の配線層102よりも上に位置する第1の配線層101に形成され一部に切欠部を有する周回状の第1の配線1aの一方の長手方向端部下面に接続され、第1の配線1aの他方の長手方向端部上面にはビア7aが形成されている。また、第1の配線層101内で第2の配線1aの外周を取り囲むように第1の配線1bが、隣接する部分が接触しないように間隔を設けられてコイル状に略2周巻回されて形成され、第1の配線1bの内側の長手方向端部下面にはビア6fが接続され、外側の長手方向端部下面にはビア6gが接続されている。更に、ビア7aは、第1の配線層101よりも上に位置する配線層に形成された第1の引き出し配線8aに接続されている。これにより、本実施形態に係るインダクタ素子が構成されている。
本実施形態によれば、上述の第1乃至第4実施形態で得られる作用に加え、設計上の自由度が向上する。
また、図12(c)に示すように、最外周配線である第3の配線3dが、第3の配線3cの外周において、任意の中間部に設けられた屈曲部で屈曲させているため、例えば、本発明の第2実施形態に係るインダクタ素子と比較して、インダクタ素子を構成する配線の全長が短い。従って、インダクタンス値は低下することになり、換言すれば、本発明の第2実施形態に係るインダクタ素子のインダクタンス値を標準値とした場合に、本実施形態に係るインダクタ素子のインダクタンス値は、標準値に対して微調整されたインダクタンス値を有すると言うことができる。従って、本実施形態によれば、インダクタ素子の内径、配線幅及び配線間隔等の設計パラメータを変更することなく、最外周配線の使用層数により、インダクタ素子のインダクタンス値を微調整することが可能である。
よって、本実施形態によれば、引き出し配線を形成する配線層を回路設計者が自由に選択することができるため、半導体装置の設計の自由度が向上し、更に、インダクタンス値を微調整することが可能である。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図13は、本実施形態に係るインダクタ素子の配線の一部を抜粋した模式的平面図、図14(a)は、本実施形態に係るインダクタ素子の第1の配線層101に形成される第1の配線を示す模式的上面図、図14(b)は、同じく第2の配線層102に形成される第2の配線を示す模式的上面図、図14(c)は、同じく第3の配線層103に形成される第3の配線を示す模式的上面図、図14(d)は、同じく第4の配線層104に形成される第4の配線を示す模式的上面図である。図13及び図14において、図1乃至図12と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態に係るインダクタ素子は、近時の微細化された半導体装置を構成する配線構造の製造プロセス上の制約に本発明のインダクタ素子を適応させるものである。即ち、近時の微細化された半導体装置においては、製造プロセス上の制約から、半導体装置を構成する配線の最小線幅及び最大線幅が規定されていることが多い。しかしながら、インダクタ素子の配線幅は、インダクタ素子に流れる電流の大きさによってはプロセス上の制約で規定された最大線幅よりも大きな配線幅を必要とすることがある。この場合、本発明に係るインダクタ素子は、スリットを有する配線によって構成することができる。本発明は、インダクタ素子を構成する配線の寄生容量を低減するべく考案されたものであり、インダクタ素子を構成する配線がスリットを有する配線であっても、十分にその効果が得られるものである。
本実施形態に係るインダクタ素子は、インダクタ素子を構成する配線及びインダクタ素子と外部素子とを接続する引き出し配線のうち少なくとも1個がスリットを有するものである。本実施形態に係るインダクタ素子は、図13に示すように、第1の配線1aの長手方向端部において、線幅方向に2列にスリット5aが形成され、また、第1の配線1aの内部においても線幅方向に2列にスリット5bが形成されている。スリット5aは、第1の配線1aの長手方向端部において開放されたコの字状であり、スリット5bは、第1の配線1aの直線部においては開口部を有するロの字状であり、スリット5c(図示せず)は、第1の配線1aの屈曲部においては開口部を有するロの字が屈曲した形状を有している。
図13に示すように、第1の配線1aの線幅をwとし、線幅方向の一方の端部から2列のスリットのうちこの端部に近い方のスリットまでの配線の幅をw、このスリットの幅をs、このスリットから他方のスリットまでの配線の幅をw、この他方のスリットの幅をs、この他方のスリットから第1の配線1aの線幅方向の他方の端部までの配線の幅をwとすると、回路設計者は、スリットによって隔てられた各々の配線幅w、w及びwの合計が所望のインダクタ素子のエレクトロマイグレーション耐性又は直列抵抗を実現するために必要な配線幅よりも大きくなるように第1の配線1aの線幅wを決定することができる。そして、この第1の配線1aによりインダクタ素子が形成される。このとき、スリット幅s及びsの大きさは、プロセス上の制約により規定される最小配線間隔であることが好ましい。更に、図13に示すように、スリットを有する第1の配線1aと第1の配線層101のよりも上に位置する配線層(図示せず)とを接続するビア7aは、図5に示すマルチビアであり、スリットを避けて形成されるが、本実施形態においては、以後、表記を簡単にするべく、複数個のビアを単一のビアとして表記するものとする。
本実施形態に係るインダクタ素子は、インダクタ素子を構成する配線及びインダクタ素子と外部素子とを接続する引き出し配線のうち少なくとも1個がスリットを有するものであり、上述の本発明の第1実施形態乃至第5実施形態に係るインダクタ素子のいずれについても適用することができる。以下、本実施形態として、本発明の第2実施形態に係るインダクタ素子の各配線にスリットが形成されたものを例として説明する。
図14(d)に示すように、本実施形態に係るインダクタ素子は、半導体基板(図示せず)上の絶縁膜(図示せず)中の同一面上に、上述の第1の配線1aと同様のスリット5a、5b及び5cが形成された第4の配線4aが、隣接する部分が接触しないように間隔を設けられてコイル状に略2周巻回されている。そして、第4の配線4aの内側の長手方向端部上面にビア6c、外側の長手方向端部上面にビア6dが形成されている。これにより第4の配線層104が構成されている。
図14(c)に示すように、ビア6cは、第4の配線層104よりも上に位置する第3の配線層103に形成されスリット5a、5b及び5cを有し一部に切欠部を有する周回状の第3の配線3aの一方の長手方向端部下面に接続され、第3の配線3aの他方の長手方向端部上面にはビア6bが形成されている。また、第3の配線層103内で第3の配線3aの外周を取り囲むように第3の配線3bが形成され、第3の配線3bの一方の長手方向端部下面にはビア6dが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6eが形成されている。
図14(b)に示すように、ビア6bは、第3の配線層103よりも上に位置する第2の配線層102に形成されスリット5a、5b及び5cを有し一部に切欠部を有する周回状の第2の配線2aの一方の長手方向端部下面に接続され、第2の配線2aの他方の長手方向端部上面にはビア6aが形成されている。また、第2の配線層102内で第2の配線2aの外周を取り囲むように第2の配線2bが形成され、第2の配線2bの一方の長手方向端部下面にはビア6eが接続され、他方の長手方向端部上面にはビア6fが形成されている。
図14(a)に示すように、ビア6aは、第2の配線層102よりも上に位置する第1の配線層101に形成されスリット5a、5b及び5cを有し一部に切欠部を有する周回状の第1の配線1aの一方の長手方向端部下面に接続され、第1の配線1aの他方の長手方向端部上面にはビア7aが形成されている。また、第1の配線層101内で第1の配線1aの外周を取り囲むように第1の配線1bが形成され、第1の配線1bの一方の長手方向端部下面にはビア6fが接続され、他方の長手方向端部は第1の配線1aの外側方向に伸張された位置にあり、この端部上面にはビア7cが形成されている。そして、ビア7aは、第1の配線層101よりも上に位置する配線層に形成された第1の引き出し配線8aに接続され、ビア7cは、第1の引き出し配線8aと同一の配線層に形成された第2の引き出し配線8bに接続されている。これにより、本実施形態に係るインダクタ素子が構成されている。
本実施形態においては、インダクタ素子を構成する全ての配線がスリットを有する場合について説明したが、これに限定されず、半導体装置の製造プロセス上の制約により、回路設計者の所望の配線幅を実現することが困難である場合に適用されるものであり、回路設計者が、インダクタ素子を構成する任意の配線又は引き出し配線にスリットを形成するか形成しないかを決定することができる。
本実施形態に係るインダクタ素子は、インダクタ素子を構成する配線及びインダクタ素子と外部素子とを接続する引き出し配線のうち少なくとも1個がスリットを有するため、インダクタ素子の実効的な直列抵抗を低減することができ、且つ、インダクタ素子のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。即ち、本実施形態に係るインダクタ素子は、製造プロセス上の制約から、回路設計者が所望する配線幅を単一の配線によって実現することができない場合に、スリットを有する配線によって、擬似的に線幅が大きい配線を実現する場合に適用することができる。
本実施形態によれば、近時の微細化された半導体装置の製造プロセス上の制約によって、インダクタ素子を構成する配線がスリットを有するものであっても、本発明の効果を得ることができる。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態に係るインダクタ素子は、上述の第6実施形態に係るインダクタ素子の構造の上下を反転させた構造を有している。即ち、図14(a)に示す第1の配線層101が上下を反転させた状態でインダクタ素子を構成する配線の最下層に形成され、この上に順に図14(b)に示す第2の配線層102、図14(c)に示す第3の配線層103及び図14(d)に示す第4の配線層104が上下を反転させた状態で積層されることにより、ソレノイド状のインダクタ素子と外部素子とを接続する2本の引き出し配線(第1の引き出し線8a及び第2の引き出し線8b)が、ソレノイド状インダクタ素子の最下層に位置する第1の配線1a及び1bと接続される位置に形成されている。これにより、本実施形態に係るインダクタ素子が構成されている。
本実施形態においては、インダクタ素子と外部素子とを接続する引き出し配線8a及び8bが下層配線層を使用して形成されることになるが、現在広く使用されている微細化された半導体装置の配線構造においては、下層に形成される配線ほど製造プロセス上許容される配線幅が細くなっていることが一般的である。従って、本実施形態にかかるインダクタ素子は、インダクタ素子を構成する配線はスリットを有さず、下層に位置する引き出し配線のみがスリットを有することもできる。
本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は上述の第6実施形態と同様である。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。図15は、本実施形態に係るインダクタ素子の第1の配線層101を示す模式的上面図、図16は、第1の配線層101の下層に位置する配線層のダミーメタル配置を示す模式的断面図である。図15及び図16において、図1乃至図14と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態は、本発明に係るインダクタ素子の周囲に形成されるダミーメタルの密度を操作することにより、ダミーメタルにより引き起こされるインダクタ素子の性能劣化を防止するものであり、上述の本発明の第1乃至第7実施形態のいずれのインダクタ素子にも適用することができる。以下、本実施形態として、本発明の第3実施形態に係るインダクタ素子の周囲に形成されるダミーメタルの密度を操作する例を説明する。
本実施形態に係るインダクタ素子は、近時の微細化された半導体装置を構成する配線構造の製造プロセス上の制約に本発明を適応させるものである。近時の微細化された半導体装置においては、本発明の第1実施形態の製造方法で説明したダマシン法と呼ばれる配線製造方法によって配線が形成されることが多い。この製造方法においては、本発明の第1実施形態の製造方法に示したように、絶縁膜に配線形状の溝(配線溝パタン)を形成し、配線溝パタンに金属膜を堆積した後、例えば化学機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)等の平坦化方法により、余剰金属膜を除去することにより金属配線を形成する。この平坦化プロセスによって金属膜を平坦化する際、金属膜と絶縁膜との研磨レートが異なるために、配線層間膜の膜厚が不均一になる。この問題点を解決するために、近時の配線形成工程においては、半導体装置の回路に使用する配線以外の領域に、ダミーの配線を形成することにより平坦性を向上させている。このようなダミーの配線は、一般にダミーメタルと呼ばれる。
ダミーメタルは、インダクタ素子をはじめ、半導体装置を構成する回路には接続されないが、インダクタ素子の周囲にダミーメタルが存在することにより、インダクタ素子を構成する配線と半導体基板との間の容量若しくはインダクタ素子を構成する配線とインダクタ素子の周辺に存在する信号線又は接地線との間の容量等が実効的に大きくなるという問題点がある。更に、インダクタ素子が発生する磁界によりダミーメタルに励起される渦電流によりインダクタ素子の損失が大きくなってしまうという問題点もある。
本実施形態は、本発明に係るインダクタ素子の周囲に形成されるダミーメタルの密度を操作することにより、ダミーメタルにより引き起こされるインダクタ素子の性能劣化を防止するものである。
本実施形態に係るインダクタ素子は、図15に示すように、本発明の第3実施形態に係るインダクタ素子の第1の配線層101において、インダクタ素子を構成する配線の周囲に互いに密度の異なるダミーメタル群20a及び21aが形成されている。インダクタ素子を構成する配線の近傍に形成されているダミーメタル群20aは低密度であり、インダクタ素子を構成する配線の近傍以外に形成されているダミーメタル群21aは高密度である。同様に、第2の配線層102、第3の配線層103及び第4の配線層104においても、インダクタ素子を構成する配線の周囲にダミーメタル群20a及び21aが形成されている。
また、図16に示すように、インダクタ素子が形成される直下の配線層において、直上にインダクタ素子が形成される領域22及びその近傍に低密度のダミーメタル群20bが形成され、インダクタ素子が形成される領域22及びその近傍以外に高密度のダミーメタル群21bが形成されている。同様に、インダクタ素子の直上の配線層において、直下にインダクタ素子が形成される領域22及びその近傍に低密度のダミーメタル群20bが形成され、インダクタ素子が形成される領域22及びその近傍以外に高密度のダミーメタル群21bが形成されている。
近時のダマシン法による配線製造方法を使用する半導体装置の設計上の制約として、一定の領域に存在する金属の最低密度が決められていることが多い。本実施形態においては、金属の最低密度基準を満たした上で、ダミーメタル群20a及び20bの密度を低く形成するものとする。即ち、本実施形態によれば、インダクタ素子を構成する各配線の近傍において、インダクタ素子の性能劣化の要因になるダミーメタルの密度を低くすることにより性能劣化を抑制することができる。ここで、低密度のダミーメタル群20a及び20bの領域は、可能な限り広く形成した方が好ましいが、製造プロセスにより規定された設計のルール上許容される程度に抑えるものとする。
また、低密度のダミーメタル群20a及び20bは、これに属する各ダミーメタルの大きさを、高密度のダミーメタル群21a及び21bに形成される各ダミーメタルよりも小さくすることにより低密度化を行っても良く、また、低密度のダミーメタル群20a及び20bに属する各ダミーメタル間の間隔を、高密度のダミーメタル群21a及び21bの各ダミーメタル間の間隔よりも大きくすることにより低密度化を行っても良い。また、各ダミーメタルの大きさを小さくし、且つ、各ダミーメタル間の間隔を離すことによって、低密度のダミーメタル群20a及び20bを形成しても良い。
図15及び図16の図示例では、低密度のダミーメタル群20a及び20bと高密度のダミーメタル群21a及び21bの2段階でダミーメタルの密度を変化させた例を示しているが、これに限定されず、互いに密度の異なるダミーメタル群を3群以上形成しても良い。即ち、密度を変化させる段階を3段階以上にしても良く、更には、ダミーメタルの密度変化を連続的にし、インダクタ素子から遠ざかると共に徐々にダミーメタルの密度を高密度化していく構造によって形成しても良い。
また、本実施形態では、インダクタ素子の近傍として、インダクタ素子を構成する各金属配線の水平方向の周囲領域についての説明を記載したが、本発明によるインダクタ素子は三次元的な拡がりを有しているため、インダクタ素子の近傍という定義は、インダクタ素子の上部及び下部の領域を含むものである。
本実施形態によれば、インダクタ素子に対するダミーメタルの影響を軽減し、近時の微細化された半導体装置の配線構造の製造プロセスに使用されるダミーメタルにより引き起こされるインダクタ素子の性能劣化を抑制することができる。
次に、本発明の第9実施形態について説明する。図17(a)は、本実施形態に係る半導体装置の模式的上面図、図17(b)は、図17(a)のA−A線断面図、図18は、本実施形態に係る半導体装置の回路図である。図17及び図18において、図1乃至図16と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図17及び図18に示すように、本実施形態に係る半導体装置は、半導体基板30の上にトランジスタ36及び素子分離絶縁膜31が設けられ、素子分離絶縁膜31上に例えば多結晶シリコン層(ポリシリコン層)により形成された抵抗素子35が設けられ、素子分離絶縁膜31及び抵抗素子35を覆うように層間絶縁膜32が設けられている。この層間絶縁膜32の内部には、電源線33、互いに絶縁された多層配線及びこれらを電気的に接続するビアが形成されており、この多層配線の形成工程によって同時に本発明によるインダクタ素子34が形成されている。インダクタ素子34は一方の端子が電源線33に接続され、他方の端子が抵抗素子35の一方の端子に接続されている。抵抗素子35の他方の端子はトランジスタ36のドレイン端子に接続され、抵抗素子35−トランジスタ36のドレイン端子間の金属配線には出力端子38が設けられている。トランジスタ36のソース端子は接地線39に接続され、トランジスタ36のゲート端子は、入力端子37に接続され、一般にシャントピークアンプと呼ばれる増幅器が構成されている。これにより本実施形態に係る半導体装置が構成されている。
なお、層間絶縁膜32は、本発明の第1実施形態の製造方法で説明したように、一般に多層の絶縁膜の積層構造を有するものであっても良いが、図17(b)では、層間絶縁膜32を単一の絶縁膜として図示している。
また、本実施形態においては、抵抗素子35としてポリシリコン抵抗を使用しているが、抵抗素子35としては他に、ポリシリコン表面に例えばNiSi等のシリサイドが形成されたシリサイド抵抗又は完全にシリサイド化されたFUSIゲート電極であって良く、これらは回路設計者によって任意に選択される。更に、抵抗素子35として、MOSトランジスタを使用しても良い。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る半導体装置の動作について説明する。図17及び図18に示す半導体装置は、負荷としてインダクタ素子34を付加することにより、高周波帯域での負荷のインピーダンスを増加させ、寄生容量による高周波帯域での利得の低下を補償することにより増幅可能な周波数帯域を広帯域化するか又は特定の周波数で高い利得を得るものである。入力端子37に交流信号を印加すると、この交流信号は出力端子38において増幅される。
本実施形態によれば、インダクタ素子34の寄生容量が小さいため、更に増幅利得の広帯域化を実現する半導体装置又は特定の周波数で高い利得を得ることができる(ピーキング動作を実現する)半導体装置を得ることができる。本実施形態に係る半導体装置によれば、周波数帯域を数十GHz帯程度の非常に高い周波数まで向上させることができる。
現在主流となっている半導体装置においては、一般に差動信号を増幅する差動回路が使用されることが多いが、本実施形態に係る半導体装置はシングルエンド方式である。これは説明図が複雑になることを防ぐためであって、本発明の権利請求範囲は、本発明によるインダクタ素子を適用する回路方式によって何ら制限を受けるものではない。
なお、上記に説明した、本発明によるインダクタ素子の半導体装置への実装の形態は、本発明いずれの実施形態に係るインダクタ素子についても同様に適用できるものである。
次に、本発明の第10実施形態について説明する。図19(a)は、本実施形態に係る半導体装置の要部を抜粋した模式的上面図、図19(b)は、図19(a)のA−A線断面図である。図19において、図1乃至図18と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図19に示すように、本実施形態に係る半導体装置は、半導体基板30上の素子分離絶縁膜31にインダクタ34を囲うように拡散層40、金属配線41及びコンタクト42からなり接地電位を有する他の金属配線(図示せず)に接続された接地線が形成されている。金属配線41は、コンタクト42を介して拡散層40に接続されている。
インダクタ素子34と接地線との距離は、可能な限り離間させることが好ましいが、インダクタ素子34と接地線との距離は、インダクタ素子34の発生する磁界により接地線に励起される渦電流の影響、インダクタ素子34と接地線との間の寄生容量及び半導体装置の面積等を勘案し、半導体装置の回路設計者によって決定されるものである。なお、本実施形態においては、接地線は半導体基板に形成された拡散層40、金属配線41及びコンタクト42により構成される例を示しているが、これに限定されず、接地線は、拡散層40のみによって形成されていても良く、この場合は、拡散層40に接地電位を与えるために、拡散層40の一部にコンタクト42及び金属配線41を接続し、金属配線41を、接地電位を有する他の金属配線に接続すればよい。更に、接地線は、金属配線41と同一形状を有する複数個の配線を、図19(b)に示す金属配線41の更に上層に複数層にわたって形成し、各々をビアにより接続し、更に図19に示す金属配線41に接続して形成した積層構造を有していても良い。
本実施形態によれば、上述の第9実施形態の動作及び効果に加え、インダクタ素子34により半導体基板30内に励起されたノイズが、半導体基板30上に形成された他の回路素子(図示せず)に及ぼす影響を低減させることができる。
次に、本発明の第11実施形態について説明する。図20は、本実施形態に係る半導体装置の要部を抜粋した模式的上面図である。図20において、図1乃至図19と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
上述の第10実施形態では、接地電位を有する接地線がインダクタ素子34を囲うように形成されているのに対し、本実施形態においては接地線がインダクタ素子34の周りを完全に周回せず、一部に切欠部43を有している点が異なり、それ以外は第10実施形態と同様の構造を有している。
本実施形態によれば、上述の第10実施形態の動作及び効果に加え、インダクタ素子34が発する磁界による渦電流が接地線に流れることを防止し、接地線により本発明によるインダクタ素子34の性能が劣化することを抑制することができる。
次に、本発明の第12実施形態について説明する。図21は、本実施形態に係る半導体装置の要部を抜粋した模式的上面図である。図21において、図1乃至図20と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る半導体装置は、図21に示すように、インダクタ素子34の周囲に、半導体装置の最上層配線層に形成され電源電位と接地電位を有する配線が交互に配置された配線群44と、半導体装置の最上層配線の下層に形成され配線群44と同じく交互に電源電位と接地電位がそれぞれ与えられ配線群44と直交するように配置された配線群45が夫々形成されている。
最上層配線層及び最上層配線の下層配線に電源電位及び接地電位を交互に与えた配線を網目状に配置した構造は、近時の半導体装置に広く使用されている。図21に示すように、この電源電位及び接地電位を有する配線群44及び45は、インダクタ素子34の周囲の一定の領域において形成されていない。これにより、インダクタ素子34が発生する磁界により、配線群44及び45に渦電流が発生することによるインダクタ素子の性能劣化を防ぎ、また、インダクタ素子34と、電源電位並びに接地電位を有する配線群44及び45との間に意図しない寄生容量が発生することを抑制することができる。
インダクタ素子34と配線群44及び45との距離は、可能な限り離間させることが好ましいが、インダクタ素子34と配線群44及び45との距離は、インダクタ素子34の発生する磁界の影響、インダクタ素子34と配線群44及び45との間の寄生容量並びに半導体装置の面積等を勘案し、回路設計者によって決定されるものであり、例えば、インダクタ素子34を構成する配線の最上層配線と配線群44及び45とが多層配線の層間絶縁膜によって十分に隔てられている場合において、インダクタ素子34が発生する磁界により配線群44及び45に励起される渦電流及びインダクタ素子34と配線群44及び45との間の寄生容量が回路動作上無視できる程度の影響しか与えない場合には、回路設計者の判断によって、配線群44及び45がインダクタ素子34を覆う形で形成することも可能である。
本実施形態によれば、電源電位及び接地電位を有する配線群がインダクタ素子34の周囲の一定の領域において形成されていないことにより、インダクタ素子が発生する磁界によって配線群に渦電流が発生することによるインダクタ素子の性能劣化を防ぎ、また、インダクタ素子と電源電位又は接地電位を有する配線群との間に意図しない寄生容量が発生することを抑制することができる。
本発明によれば、半導体基板上にソレノイドコイル状のインダクタ素子を形成することにより、単位面積あたりのインダクタンス値を増加させることでチップ面積が縮小でき、半導体基板から得られる半導体装置の個数を増加させることができるため、半導体装置の製造コストを削減することができる。更に、半導体装置を搭載する各種信号処理装置の小型化も可能になる。
また、インダクタ素子の寄生容量を低減させることが可能であるため、インダクタ素子と能動素子とにより構成される半導体装置の高周波特性を向上させることができる。
更に、インダクタ素子と隣接素子との間隔を縮小することができ、この点からもチップ面積が縮小でき及び半導体装置の製造コストを削減することができる。
本発明は、トランジスタ及び多層配線を有する半導体装置に利用することができる。半導体素子の性能向上に伴い、今後その動作周波数は高くなることが予想される。また、無線通信に使用される高周波帯における用途は、より拡大していくと考えられる。本発明によれば、高周波で動作させる必要がある半導体装置において必要であるインダクタのチップ内における占有面積を縮小することが可能である。更に、意図しない寄生容量の増加を抑制することが可能である。これにより、高性能且つ高信頼性を実現する半導体装置を供することができる。
この出願は、2006年8月1日に出願された日本出願特願2006−209915を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、高周波回路等に使用されるインダクタ素子及びインダクタ素子を搭載した半導体素子として有用である。

Claims (19)

  1. 配線と、上下の配線を絶縁する絶縁層と、この絶縁層に設けられ上下の配線を接続するビアとから構成される配線層が複数層積層された多層配線構造体に形成されたインダクタ素子において、少なくとも一部の上下に隣接する少なくとも1対の配線が周回状配線であり、これらの周回状配線はその端部に設けられたビアにより上下に隣接する周回状配線の電流方向が同一となるように直列接続されて直列インダクタンスを構成しており、前記上下に隣接する周回状配線の配線間容量は、同一配線層に形成された他の周回状配線との間の配線間容量よりも大きいことを特徴とするインダクタ素子。
  2. 前記上下に隣接する周回状配線は、3層以上の配線層に設けられており、3層以上の前記周回状配線が前記ビアにより、電流の通流方向が同一となるように直列接続されていることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  3. 前記周回状配線の配線幅は前記周回状配線の配線高さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  4. 前記同一配線層に形成された他の周回状配線との間隔は、前記上下に隣接する周回状配線との間隔と等しいか又はこれよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  5. 前記上下に隣接する周回状配線の配線間を絶縁分離する絶縁膜の実効比誘電率は、前記同一配線層に形成された他の周回状配線との間を絶縁分離する絶縁膜の実効比誘電率よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のインダクタ素子。
  6. 前記周回状配線のうち少なくとも1個は2周回する形状を有し、前記2周回する周回状配線以外の周回状配線は1周回する形状を有し、前記1周回する形状を有する周回状配線が同一配線層に少なくとも2個以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  7. 少なくとも2層の周回状配線により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  8. 前記周回状配線のうち最上層に位置する周回状配線の少なくとも1個は同一配線層内で2周回する形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  9. 前記周回状配線のうち最下層に位置する周回状配線の少なくとも1個は同一配線層内で2周回する形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  10. 前記周回状配線の配線高さは全て同一であることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  11. 外部素子と電気的に接続するために前記周回状配線の端部に接続される引き出し配線の少なくとも1個は前記周回状配線が形成されている配線層と異なる配線層に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  12. 外部素子と電気的に接続するために前記周回状配線の端部に接続される引き出し配線の少なくとも1個は前記周回状配線の最外周に位置する配線のいずれかが伸張されることで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  13. 前記同一配線層に形成された他の周回状配線との間の距離は同一配線層内において全て同一であることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  14. 前記周回状配線がスリットを有することを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  15. 前記引き出し配線がスリットを有することを特徴とする請求項11に記載のインダクタ素子。
  16. 前記周回状配線が形成された配線層にダミーメタルが複数個形成され、前記周回状配線に近い側の前記ダミーメタルの密度は前記周回状配線に遠い側の前記ダミーメタルの密度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  17. 前記周回状配線が形成されている配線層よりも上層又は下層に位置する配線層にダミーメタルが複数個形成され、前記周回状配線に近い側の前記ダミーメタルの密度は前記周回状配線に遠い側の前記ダミーメタルの密度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のインダクタ素子。
  18. 絶縁膜上に周回状配線及び周回状配線を接続するビアが設けられた配線層を形成する工程と、前記上下に隣接する周回状配線の配線間容量が同一配線層に形成された他の周回状配線との間の配線間容量よりも大きくなるよう配線層を積層する工程と、前記周回状配線を外部素子と電気的に接続するための引き出し配線を形成する工程と、を有することを特徴とするインダクタ素子の製造方法。
  19. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載のインダクタ素子を搭載していることを特徴とする半導体装置。
JP2008527779A 2006-08-01 2007-08-01 インダクタ素子及びその製造方法並びにインダクタ素子を搭載した半導体装置 Expired - Fee Related JP5373397B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008527779A JP5373397B2 (ja) 2006-08-01 2007-08-01 インダクタ素子及びその製造方法並びにインダクタ素子を搭載した半導体装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006209915 2006-08-01
JP2006209915 2006-08-01
JP2008527779A JP5373397B2 (ja) 2006-08-01 2007-08-01 インダクタ素子及びその製造方法並びにインダクタ素子を搭載した半導体装置
PCT/JP2007/065102 WO2008016089A1 (fr) 2006-08-01 2007-08-01 Élément inducteur, procédé de fabrication d'élément inducteur et dispositif à semi-conducteur sur lequel est monté l'élément inducteur

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008016089A1 true JPWO2008016089A1 (ja) 2009-12-24
JP5373397B2 JP5373397B2 (ja) 2013-12-18

Family

ID=38997264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008527779A Expired - Fee Related JP5373397B2 (ja) 2006-08-01 2007-08-01 インダクタ素子及びその製造方法並びにインダクタ素子を搭載した半導体装置

Country Status (5)

Country Link
US (3) US8339230B2 (ja)
EP (1) EP2051264A1 (ja)
JP (1) JP5373397B2 (ja)
CN (1) CN101523526B (ja)
WO (1) WO2008016089A1 (ja)

Families Citing this family (50)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7504705B2 (en) * 2006-09-29 2009-03-17 International Business Machines Corporation Striped on-chip inductor
US7928539B2 (en) * 2007-01-29 2011-04-19 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device
US7902953B1 (en) * 2008-08-18 2011-03-08 Altera Corporation Method and apparatus for improving inductor performance using multiple strands with transposition
JP2010147639A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Toshiba Corp 電力増幅器
JP2011040509A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Imec 2層式トランス
JP5484843B2 (ja) * 2009-09-24 2014-05-07 パナソニック株式会社 非接触充電システム
US8068003B2 (en) * 2010-03-10 2011-11-29 Altera Corporation Integrated circuits with series-connected inductors
JP5551480B2 (ja) * 2010-03-24 2014-07-16 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法
US9287344B2 (en) * 2010-08-23 2016-03-15 The Hong Kong University Of Science And Technology Monolithic magnetic induction device
JP2012084586A (ja) * 2010-10-07 2012-04-26 Renesas Electronics Corp インダクタ
US8754736B2 (en) * 2011-01-24 2014-06-17 International Business Machines Corporation Inductor structure having increased inductance density and quality factor
JP2012186440A (ja) * 2011-02-18 2012-09-27 Ibiden Co Ltd インダクタ部品とその部品を内蔵しているプリント配線板及びインダクタ部品の製造方法
US9793039B1 (en) * 2011-05-04 2017-10-17 The Board Of Trustees Of The University Of Alabama Carbon nanotube-based integrated power inductor for on-chip switching power converters
KR101218985B1 (ko) * 2011-05-31 2013-01-04 삼성전기주식회사 칩형 코일 부품
US20130192879A1 (en) * 2011-09-22 2013-08-01 Ibiden Co., Ltd. Multilayer printed wiring board
JP2013070035A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板
CN103165580A (zh) * 2011-12-14 2013-06-19 上海华虹Nec电子有限公司 一种金属线圈及电流检测结构
US8717136B2 (en) 2012-01-10 2014-05-06 International Business Machines Corporation Inductor with laminated yoke
TWI442422B (zh) * 2012-01-19 2014-06-21 Ind Tech Res Inst 電感結構
US9064628B2 (en) 2012-05-22 2015-06-23 International Business Machines Corporation Inductor with stacked conductors
US9520222B2 (en) * 2012-09-28 2016-12-13 Ibiden Co., Ltd. Wiring board and method for manufacturing wiring board
KR101422950B1 (ko) * 2012-12-13 2014-07-23 삼성전기주식회사 하나의 권선으로 구현되는 직렬 인덕터 어레이 및 이를 포함하는 필터
US9590514B1 (en) 2013-03-15 2017-03-07 The Board Of Trustees Of The University Of Alabama, For And On Behalf Of The University Of Alabama Carbon nanotube-based integrated power converters
CN104134532B (zh) * 2013-05-03 2017-09-08 胜美达电机(香港)有限公司 一种可变内径的线圈及利用其制成的电子模块
JP6596813B2 (ja) * 2013-11-28 2019-10-30 Tdk株式会社 非接触給電装置に用いられる送電用又は受電用コイル
JP6201718B2 (ja) 2013-12-17 2017-09-27 三菱電機株式会社 インダクタ、mmic
JP6284797B2 (ja) * 2014-03-20 2018-02-28 新光電気工業株式会社 インダクタ、コイル基板及びコイル基板の製造方法
CN104166770B (zh) * 2014-08-22 2017-02-08 西安电子科技大学 一种面向传输性能的微波器件拼缝宽度的快速确定方法
KR101640909B1 (ko) * 2014-09-16 2016-07-20 주식회사 모다이노칩 회로 보호 소자 및 그 제조 방법
TWI572007B (zh) * 2014-10-06 2017-02-21 瑞昱半導體股份有限公司 積體電感結構
TWI587329B (zh) * 2014-10-31 2017-06-11 台灣東電化股份有限公司 無線充電印刷電路板線圈結構
CN105814653B (zh) * 2014-11-17 2018-06-22 日本梅克特隆株式会社 多件同时加工印刷布线板和线圈图案的检查方法
KR101642643B1 (ko) * 2015-01-27 2016-07-29 삼성전기주식회사 코일 부품 및 이의 제조 방법
JP6575198B2 (ja) * 2015-07-24 2019-09-18 Tdk株式会社 積層コイル部品
US10665378B1 (en) * 2016-03-08 2020-05-26 Marvell International Ltd. Systems and methods for an inductor structure with enhanced area usage of a circuit
US10546914B1 (en) * 2016-03-24 2020-01-28 Marvell International Ltd. Systems and methods for an inductor structure having an unconventional turn-ratio in integrated circuits
US20170287623A1 (en) * 2016-04-01 2017-10-05 Xytech Electronic Technology (Shanghai) Co., Ltd. Inductor winding and method for preparing a layout of a Multi-Layer Spiral Inductor winding
JP6583560B2 (ja) * 2016-08-05 2019-10-02 株式会社村田製作所 電子機器
TWI645428B (zh) * 2016-11-25 2018-12-21 瑞昱半導體股份有限公司 積體電感
CN108231747A (zh) * 2016-12-21 2018-06-29 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 半导体器件及其制作方法、电子装置
JP6808565B2 (ja) * 2017-04-07 2021-01-06 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置、それを備えた電子回路、及び、半導体装置の形成方法
JP6962100B2 (ja) * 2017-09-25 2021-11-05 Tdk株式会社 積層コイル部品
US10892079B2 (en) * 2017-12-07 2021-01-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer coil component
CN109599489A (zh) * 2018-10-12 2019-04-09 复旦大学 基于mems工艺的高q值三维螺旋结构电感及其制作方法
US11309121B2 (en) * 2018-12-21 2022-04-19 Realtek Semiconductor Corp. Magnetic field efficient inductor and method thereof
KR20200086411A (ko) 2019-01-08 2020-07-17 삼성전자주식회사 반도체 소자
TWI752470B (zh) * 2020-04-20 2022-01-11 陳德政 電感製法及其結構
CN113363069B (zh) * 2021-04-23 2023-01-17 深圳市信维通信股份有限公司 一种电感制备方法
CN113363048B (zh) * 2021-06-02 2023-07-25 横店集团东磁股份有限公司 一种叠层电感的内电极、其制备方法及叠层电感
US11948724B2 (en) * 2021-06-18 2024-04-02 Vishay Dale Electronics, Llc Method for making a multi-thickness electro-magnetic device

Family Cites Families (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL7900244A (nl) * 1979-01-12 1980-07-15 Philips Nv Vlakke tweelaags electrische spoel.
JPS60136156A (ja) 1983-12-26 1985-07-19 Toshiba Corp レ−ザ−トリガ−ドキセノンフラツシユランプ
JPS60136156U (ja) 1984-02-21 1985-09-10 関西日本電気株式会社 半導体装置
JPS61265857A (ja) 1985-05-20 1986-11-25 Matsushita Electronics Corp 半導体装置
JPS62157106U (ja) * 1986-03-26 1987-10-06
JPS62157106A (ja) 1986-11-06 1987-07-13 Sumitomo Rubber Ind Ltd 棚下ろし装置
JPH0389548A (ja) 1989-08-31 1991-04-15 Fujitsu Ltd 半導体集積回路
JPH0562010U (ja) * 1991-08-01 1993-08-13 沖電気工業株式会社 スパイラルインダクター
JPH05275247A (ja) * 1992-02-24 1993-10-22 Nippon Steel Corp 薄形インダクタ/トランス
JPH0661058A (ja) 1992-08-11 1994-03-04 Rohm Co Ltd 半導体集積回路装置
JPH0661071A (ja) * 1992-08-11 1994-03-04 Mitsubishi Electric Corp 静止電磁誘導機器
JPH06163270A (ja) * 1992-11-19 1994-06-10 Murata Mfg Co Ltd 多層基板
JPH07268610A (ja) * 1994-03-28 1995-10-17 Alps Electric Co Ltd 軟磁性合金薄膜
US5610433A (en) * 1995-03-13 1997-03-11 National Semiconductor Corporation Multi-turn, multi-level IC inductor with crossovers
JPH08330137A (ja) * 1995-05-30 1996-12-13 Tokin Corp 積層インダクタ
JPH09312232A (ja) * 1996-05-22 1997-12-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層チップインダクタの製造方法
JP2976926B2 (ja) 1997-05-09 1999-11-10 日本電気株式会社 半導体装置
JPH1154944A (ja) * 1997-08-07 1999-02-26 Toshiba Corp 回路基板
US6885275B1 (en) * 1998-11-12 2005-04-26 Broadcom Corporation Multi-track integrated spiral inductor
US6566731B2 (en) * 1999-02-26 2003-05-20 Micron Technology, Inc. Open pattern inductor
JP2000269418A (ja) * 1999-03-17 2000-09-29 Sony Corp 配線構造、インダクタ及びそれらの形成方法
JP2001044035A (ja) * 1999-07-30 2001-02-16 Murata Mfg Co Ltd 積層インダクタ
AU2750401A (en) * 1999-11-03 2001-05-30 R. Jennifer Hwu Vertical transformer
JP3954285B2 (ja) 2000-06-05 2007-08-08 松下電器産業株式会社 半導体集積回路
JP2002043130A (ja) 2000-07-28 2002-02-08 Murata Mfg Co Ltd 積層インダクタ
TW578170B (en) * 2001-01-31 2004-03-01 Endpoints Technology Corp Inductor apparatus
US6847282B2 (en) * 2001-10-19 2005-01-25 Broadcom Corporation Multiple layer inductor and method of making the same
JP3792635B2 (ja) * 2001-12-14 2006-07-05 富士通株式会社 電子装置
US6750750B2 (en) * 2001-12-28 2004-06-15 Chartered Semiconductor Manufacturing Ltd. Via/line inductor on semiconductor material
US20030231093A1 (en) * 2002-06-13 2003-12-18 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Microelectronic inductor structure with annular magnetic shielding layer
JP4217438B2 (ja) * 2002-07-26 2009-02-04 Fdk株式会社 マイクロコンバータ
TWI287239B (en) * 2002-12-10 2007-09-21 Univ Nat Central Symmetric three-dimension type inductor
US6940386B2 (en) * 2003-11-19 2005-09-06 Scintera Networks, Inc Multi-layer symmetric inductor
JP2006165040A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Renesas Technology Corp 半導体装置及び半導体装置のパターン設計方法
JP2006173145A (ja) * 2004-12-10 2006-06-29 Sharp Corp インダクタ、共振回路、半導体集積回路、発振器、通信装置
US7262481B1 (en) * 2004-12-16 2007-08-28 Nxp B.V. Fill structures for use with a semiconductor integrated circuit inductor
JP2006209915A (ja) 2005-01-31 2006-08-10 Pioneer Electronic Corp 記録装置及び記録方法、並びにコンピュータプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US10192951B2 (en) 2019-01-29
CN101523526B (zh) 2013-10-16
US9923045B2 (en) 2018-03-20
US8339230B2 (en) 2012-12-25
JP5373397B2 (ja) 2013-12-18
US20090315662A1 (en) 2009-12-24
EP2051264A1 (en) 2009-04-22
CN101523526A (zh) 2009-09-02
US20130234285A1 (en) 2013-09-12
WO2008016089A1 (fr) 2008-02-07
US20180175136A1 (en) 2018-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5373397B2 (ja) インダクタ素子及びその製造方法並びにインダクタ素子を搭載した半導体装置
US7969274B2 (en) Method to improve inductance with a high-permeability slotted plate core in an integrated circuit
JP4505201B2 (ja) 3−dスパイラル積層インダクタおよび3−dスパイラル積層インダクタを形成する方法
JP5503028B2 (ja) 積層二重インダクタ構造
US8143986B2 (en) Inductor
US9570233B2 (en) High-Q multipath parallel stacked inductor
JP5551480B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP4647484B2 (ja) 半導体装置
US9865392B2 (en) Solenoidal series stacked multipath inductor
US7064411B2 (en) Spiral inductor and transformer
EP3758030B1 (en) High current integrated circuit-based transformer
US7633368B2 (en) On-chip inductor
US6940386B2 (en) Multi-layer symmetric inductor
EP1357599B1 (en) Parallel spiral stacked inductor on semiconductor material
JP2009260141A (ja) インダクタ素子を備えた半導体装置
US7312683B1 (en) Symmetrical inductor
JP5090688B2 (ja) 半導体装置
JP2006066769A (ja) インダクタ及びその製造方法
US7477125B1 (en) Symmetrical inductor device
JP2010034248A (ja) スパイラルインダクタ
JP2005236033A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100618

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100728

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5373397

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees