JPWO2008013115A1 - アルカリ一次電池 - Google Patents
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Abstract
本発明のアルカリ一次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、電解液と、を具備する。前記負極は、さらに、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含む。
Description
本発明は、負極活物質として亜鉛または亜鉛合金、電解液としてアルカリ水溶液、正極活物質として二酸化マンガンやオキシ水酸化ニッケル等を用いるアルカリ一次電池に関する。
アルカリマンガン乾電池に代表されるアルカリ一次電池は、汎用性が高く安価であるため、各種機器の電源として広く普及している。さらに近年は、機器のデジタル化に対応して、正極にオキシ水酸化ニッケルを添加して出力特性を高めたアルカリ一次電池(ニッケル系乾電池)の普及も急速に広がってきている。
アルカリ一次電池において、負極活物質には、ガスアトマイズ法等で得られる不定形の亜鉛粉を使用する。亜鉛粉はアルカリ電解液中で容易に腐食して水素ガスを発生しやすい。これが、電池内圧の上昇および漏液を引き起こす原因となる。従って、アルカリ一次電池の信頼性は、アルカリ電解液中での亜鉛の腐食を抑制することによって向上する。
古くは、負極中に水銀を添加して亜鉛粉表面をアマルガム化することによって、水素発生過電圧を高めるという防食法が行われていた。しかし、環境への配慮から、1980〜1990年頃にかけて、アルカリマンガン乾電池を中心に無水銀化が進んだ。水銀の添加に代わる亜鉛粉の防食手段として、亜鉛粉にアルミニウム、ビスマス、インジウム等を少量含有させて亜鉛合金粉とすることで、防食性を向上させる技術(特許文献1)や、界面活性剤などの有機系防食剤を、ゲル状負極に含まれる電解液中に添加する技術が提案されている。
ゲル状負極に含まれる電解液中に添加される界面活性剤の防食剤としてのメカニズムは、以下のように考えられている。すなわち、界面活性剤に含まれる分子の親水基が亜鉛粒子表面に吸着し、一方で界面活性剤に含まれる分子の疎水基が電解液側に配向することで保護被膜層を形成する。このことから、撥水作用による防食効果が得られると考えられている。この保護被膜層による撥水作用によって、水分子および水酸化物イオンの亜鉛粒子表面への接近が阻止される。その結果、以下の式(1)や式(2)の反応が抑制される。なお、亜鉛粒子表面に吸着した界面活性剤分子は、負極の放電時には、亜鉛粒子表面から離散し、電解液中に拡散する。
Zn+4OH-→Zn(OH)4 2-+2e- (1)
2H2O+2e-→2OH-+H2 (2)
2H2O+2e-→2OH-+H2 (2)
ここで、一般に亜鉛はアルカリ水溶液中でマイナスに帯電する性質を有するため、電荷の異なるカチオン性の界面活性剤を選択すれば、静電作用(引力)を利用して、より強固な保護被膜層を形成することができると考えられる。このような観点から、パーフルオロアルキルの4級アンモニウム塩等(特許文献2)や塩化n−ドデシルトリメチルアンモニウム等(特許文献3)、水酸化テトラブチルアンモニウム(特許文献4)のゲル状負極への添加が提案されている。
特公平3−71737号公報
特許第2985445号明細書
特開2003−151569号公報
特開平6−223828号公報
しかしながら、上記の特許文献2および特許文献3で効果的な防食作用を有するとして開示されているカチオン性界面活性剤は、窒素等のヘテロ原子(親水基)に、比較的長い構造を有する炭素鎖R(疎水基)とメチル基等の短い炭素鎖とが結合した、R(CH3)3N+という構造を有するため、イオン全体としての対称性が低い。対称性が低い界面活性剤の添加量が少量である場合、亜鉛粒子表面に界面活性剤を構成するイオンが密に配列・吸着した保護皮膜層を形成するのは困難なため、十分な防食効果を得ることができない。一方、十分な防食効果を得るために上記の界面活性剤の添加量を増大させると、瞬間的な大電流の放電の際、界面活性剤を構成するイオンが亜鉛粒子表面から電解液へ十分に離散および拡散することができなくなる。その結果、上記式(1)に示す電極反応が阻害されて電池の閉路電圧(CCV)が低下するという問題があった。
また、特許文献4で提案されている水酸化テトラブチルアンモニウムは、テトラブチルアンモニウムイオン((C4H9)4N+)が高い対称性を有するため、亜鉛表面に密に配列・吸着した保護皮膜層を形成させる観点から好ましい。しかしながら、イオンのサイズ(式量)が大きいため、放電時の電解液中への界面活性剤を構成するイオンの拡散が遅くなる傾向を示し、上記と同様に瞬間的な大電流の放電の際、電池の閉路電圧(CCV)が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために、亜鉛を含む負極が、防食効果を有する界面活性剤を含んでも、放電が阻害されることがなく、良好な放電特性(大電流放電特性)および耐漏液性能を有するアルカリ一次電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、電解液と、を具備したアルカリ一次電池であって、前記負極は、さらに、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含むこと、を特徴とする。
このような構成によれば、負極が対称性の高いカチオン性界面活性剤を含むこととなり、添加量が少量であっても亜鉛粒子表面に界面活性剤を構成するイオンが密に配列および吸着した保護皮膜層を得ることができる。また、上記の界面活性剤のイオンのサイズ(式量)が適度に小さいため、瞬間的な大電流の放電の際、上記イオンの亜鉛粒子表面から電解液中への離散および拡散が速く、電池の閉路電圧(CCV)の低下を引き起こしにくい。このため、アルカリ一次電池において、負極の十分な防食効果を維持しながら、良好な放電特性(特に大電流放電特性)を得ることができる。
また、上記アルカリ一次電池においては、前記化合物が水酸化物、塩化物、または臭化物であること、が好ましい。
なかでも、前記化合物が水酸化物であること、がより好ましい。
なかでも、前記化合物が水酸化物であること、がより好ましい。
前記負極が、前記化合物を前記負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部含むこと、が好ましい。
また、前記正極がオキシ水酸化ニッケルを含んでいても、本発明を好適に実施することができる。
また、前記正極がオキシ水酸化ニッケルを含んでいても、本発明を好適に実施することができる。
本発明によると、亜鉛を含む負極が、防食効果を有する界面活性剤を含んでも、放電反応が阻害されることがない、良好な放電特性(特に大電流放電特性)および耐漏液性能を有するアルカリ一次電池を提供することができる。
本発明は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、電解液と、を具備したアルカリ一次電池に関する。前記負極は、さらに、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含む点に特徴を有する。
上記化合物が対称性の高いカチオン性界面活性剤であることから、良好な放電特性および防食性を有するアルカリ一次電池を得ることができる。分子サイズ(分子量)と、放電特性および防食性のバランスの観点から、上記化合物の中でもテトラエチルアンモニウムが特に好ましい。
上記化合物は、例えば、水酸化物、塩化物、または臭化物である。これらの中でも、アルカリ一次電池がより良好な放電特性を得られることから、上記化合物は水酸化物であるのが特に好ましい。
上記化合物は、例えば、水酸化物、塩化物、または臭化物である。これらの中でも、アルカリ一次電池がより良好な放電特性を得られることから、上記化合物は水酸化物であるのが特に好ましい。
負極には、例えば、負極活物質、上記防食剤(界面活性剤)、電解液、およびゲル化剤の混合物からなるゲル状負極が用いられる。電解液をゲル化させるためのゲル化剤には、従来公知のものを用いることができ、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等を用いることができる。負極活物質としては、例えば、亜鉛、またはアルミニウム、ビスマスもしくはインジウム等を含む亜鉛合金を使用することができる。この負極活物質は、例えば、ガスアトマイズ法等により得られる亜鉛粉または亜鉛合金粉を用いることができる。
ゲル状負極中の防食剤含有量は負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部が好ましい。ゲル状負極中の防食剤含有量が、負極活物質100重量部あたり0.002重量部以上であると、より良好な防食効果が得られる。一方、ゲル状負極中の防食剤含有量が、負極活物質100重量部あたり0.02重量部以下であると、良好な放電特性が得られやすい。
正極には、例えば、正極活物質(二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルのうちの少なくとも一方)、黒鉛等の導電剤、および電解液の混合物からなる正極合剤ペレットが用いられる。
正極合剤ペレットは、以下のようにして得られる。正極活物質および導電剤の混合粉に電解液を加えた後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒し、粒状物を得る。この粒状物を中空円筒型に加圧成型する。
正極合剤ペレットは、以下のようにして得られる。正極活物質および導電剤の混合粉に電解液を加えた後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒し、粒状物を得る。この粒状物を中空円筒型に加圧成型する。
ここで、正極がオキシ水酸化ニッケルを含む電池は、従来のアルカリマンガン系電池と比較して、正極が有する不純物の含有量が多く、また、負極が有する放電性能の差が電池の性能に与える影響が大きいという特徴を有している。
アルカリマンガン系の電池の正極に用いられる二酸化マンガンが、電析によって得られるのに対して、オキシ水酸化ニッケルは、晶析によって得られた水酸化ニッケルを化学酸化するというプロセスを経て製造される。このため、オキシ水酸化ニッケルは、二酸化マンガンに比べて各種不純物の含有量が多い。このためオキシ水酸化ニッケルを用いた電池の方が、より多くの不純物を含み、負極亜鉛の腐食およびガス発生が加速されやすい。
その一方で、正極がオキシ水酸化ニッケルを含むと、高い正極電位を保ち、大電流放電時の正極利用率が高まる。その結果、電池全体の大電流放電特性は負極によって制御される傾向が強まり、負極が有するわずかな放電性能の差が、電池が有する放電特性の差として顕在化される。
正極がオキシ水酸化ニッケルを含む電池は、上記のような特徴を有することから、本発明における防食剤を用いることは極めて有効である。正極がオキシ水酸化ニッケルを含む電池に上記の防食剤を用いれば、負極の十分な防食効果を維持しつつ、高い負極放電性能を得ることができる。
そして、オキシ水酸化ニッケルを含む電池における信頼性および大電流放電特性を向上させることができる。
そして、オキシ水酸化ニッケルを含む電池における信頼性および大電流放電特性を向上させることができる。
なお、正極に用いるオキシ水酸化ニッケルは、例えば、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルとし、これを次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の酸化剤で化学酸化することによって得ることができる。またオキシ水酸化ニッケルは、例えば、正極合剤において、10〜80重量%含まれるのが好ましい。なかでも、特に、30〜60重量%含まれることが好ましい。
本発明の電池に含まれる電解液としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、少量の酸化亜鉛を溶解させた水酸化カリウム水溶液を用いることができる。セパレータにも、従来公知のものを用いることができ、例えば、ビニロンとセルロースからなる複合繊維、ポリプロピレンとセルロースからなる複合繊維等を用いることができる。
ここで、本発明の一実施の形態である、アルカリ乾電池について説明する。図1に示すように、このアルカリ乾電池は、二酸化マンガンを含む正極合剤ペレット3、亜鉛または亜鉛合金および防食剤を含むゲル状負極6、および正極合剤ペレット3とゲル状負極6との間に配されるセパレータ4を含む。正極ケース1は、ニッケルメッキされた鋼板からなる。この正極ケース1の内部には、黒鉛塗装膜2が形成されている。
図1に示すアルカリ乾電池は以下のようにして作製することができる。まず、正極ケース1の内部に、短筒状の正極合剤ペレット3を複数個挿入し、再加圧することによって正極ケース1の内面に密着させる。そして、この正極合剤ペレット3の内側にセパレ−タ4および絶縁のための底紙5を挿入した後、セパレータ4と正極合剤ペレット3を湿潤させる目的で電解液を注液する。注液後、セパレータ4の内側にゲル状負極6を充填する。次に、樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9と一体化された負極集電体10を、ゲル状負極6に差し込む。そして、正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着させる。最後に、正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆する。このようにして、本発明におけるアルカリ乾電池を得ることができる。
上記の実施の形態の単3形アルカリマンガン乾電池では、例えば、20℃において1Ωの抵抗に100ミリ秒接続した際の閉路電圧の最低値を1.45V以上とすることが可能であり、優れた大電流放電特性が得られる。
また、上記の実施の形態における正極ペレットにさらにオキシ水酸化ニッケルを含ませた単3形ニッケル系アルカリ乾電池(ニッケルマンガン乾電池)では、例えば、20℃において1Ωの抵抗に100ミリ秒接続した際の閉路電圧の最低値を1.55V以上とすることが可能であり、優れた大電流放電特性が得られる。
また、上記の実施の形態における正極ペレットにさらにオキシ水酸化ニッケルを含ませた単3形ニッケル系アルカリ乾電池(ニッケルマンガン乾電池)では、例えば、20℃において1Ωの抵抗に100ミリ秒接続した際の閉路電圧の最低値を1.55V以上とすることが可能であり、優れた大電流放電特性が得られる。
上記の実施の形態では単3サイズの乾電池について示したが、本発明の効果そのものは、単3サイズ以外のアルカリマンガン乾電池や、アルカリボタン型、角型等の別構造の電池においても得ることができると考えられる。また、正極活物質として二酸化マンガンやオキシ水酸化ニッケル以外に、酸化銀や空気等を用いたアルカリ一次電池でも、同様の効果を期待することができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明の内容は、これらの実施例に限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明の内容は、これらの実施例に限定されるものではない。
《実験例1》
Al:0.003重量%、Bi:0.01重量%、およびIn:0.025重量%を含有する亜鉛合金粉末をガスアトマイズ法によって得た。得られた亜鉛合金粉末を、篩を用いて分級し、35〜300メッシュの粒度範囲を有し、かつ粒径が200メッシュ(75μm)以下の粒子を20重量%含む評価用亜鉛合金粉末を得た。得られた評価用合金粉末を負極活物質とした。
なお、評価用亜鉛合金粉末についてレーザー回折式の粒度分布計を用いて測定した結果、亜鉛合金粉末の平均粒子径(D50)は150μmであり、亜鉛合金粉末中における粒径が200メッシュ(75μm)以下の粒子の含有率は20%であることがわかった。
Al:0.003重量%、Bi:0.01重量%、およびIn:0.025重量%を含有する亜鉛合金粉末をガスアトマイズ法によって得た。得られた亜鉛合金粉末を、篩を用いて分級し、35〜300メッシュの粒度範囲を有し、かつ粒径が200メッシュ(75μm)以下の粒子を20重量%含む評価用亜鉛合金粉末を得た。得られた評価用合金粉末を負極活物質とした。
なお、評価用亜鉛合金粉末についてレーザー回折式の粒度分布計を用いて測定した結果、亜鉛合金粉末の平均粒子径(D50)は150μmであり、亜鉛合金粉末中における粒径が200メッシュ(75μm)以下の粒子の含有率は20%であることがわかった。
次に、36重量%の水酸化カリウム水溶液(ZnO:2重量%含む)100重量部にポリアクリル酸ナトリウム2.3重量部を加えて混合し、ゲル状電解液を得た。得られたゲル状電解液は、その後、24時間静置して十分に熟成させた。
上記で得たゲル状電解液の所定量に対して、重量比で1.8倍の上記評価用亜鉛合金粉末と、表1中に示した(1)〜(20)の界面活性剤とを加えて十分に混合し、それぞれの界面活性剤に対応するゲル状負極(1)〜(20)を作製した。なお、界面活性剤の添加量は、負極活物質(亜鉛合金粉末)100重量部あたり0.01重量部となるように調整した。
また、ゲル状負極に界面活性剤を添加しないこと以外は全て上記と同様にして、比較用ゲル状負極(21)を作製した。
ここで、防食剤として用いた界面活性剤の一覧を表1に示す。これらは主に、東京化成工業(株)製の化学試薬、ないしは花王(株)やライオン(株)製の化成品を入手して、検討に使用した。
ここで、防食剤として用いた界面活性剤の一覧を表1に示す。これらは主に、東京化成工業(株)製の化学試薬、ないしは花王(株)やライオン(株)製の化成品を入手して、検討に使用した。
また、電解二酸化マンガンおよび黒鉛を重量比94:6の割合で配合し、混合粉100重量部に対して電解液1重量部を混合した後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物を中空円筒型に加圧成型したものを、正極合剤ペレットとして用いた。
続いて、評価用のアルカリマンガン乾電池の作製を行った。正極ケース1の内部に、上記で得られた正極合剤ペレット3を複数個挿入し、正極ケース1内で再加圧することによって正極ケース1の内面に密着させた。そして、この正極合剤ペレット3の内側にセパレータ4および絶縁のための底紙5を挿入した後、上記で調製した電解液を注液した。注液後、セパレータ4の内側にゲル状負極6を充填した。樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9と一体化された負極集電体10を、ゲル状負極6に差し込み、正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着させた。正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆し、アルカリ乾電池を作製した。
具体的には、上記で得た正極合剤ペレットをケース内で再加圧して内面に密着させた後、ビニロンとセルロースからなる複合繊維製のセパレータと底紙を挿入してから、上記電解液の注液と、ゲル状負極(1)の充填を行って、図1に示す単3サイズの評価用アルカリマンガン乾電池(1)を作製した。
具体的には、上記で得た正極合剤ペレットをケース内で再加圧して内面に密着させた後、ビニロンとセルロースからなる複合繊維製のセパレータと底紙を挿入してから、上記電解液の注液と、ゲル状負極(1)の充填を行って、図1に示す単3サイズの評価用アルカリマンガン乾電池(1)を作製した。
また、ゲル状負極(1)の代わりにゲル状負極(2)〜(21)を用いること以外はすべて上記と同様に、それぞれのゲル状負極に対応する単3サイズの評価用アルカリマンガン乾電池(2)〜(21)を作製した。
[評価試験]
上記で作製した21種のアルカリマンガン乾電池に対して、以下の(a)〜(c)の評価を行った。
(a)1Ω接続時のCCV測定
上記で作製した電池1セルを、20℃雰囲気下で、1Ωの抵抗に対して100ミリ秒だけ接続し、この間の閉路電圧(CCV)をオシロスコープで測定した。それぞれの電池が1Ω接続(100ミリ秒)の間に到達した最低の電圧(試験数n=3で行った平均値)を読み取った。
(b)DSCパルス特性
上記で作製した電池1セルを、20℃雰囲気下において、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間パルス放電させる操作を1サイクルとし、1500mWパルス放電の下限電圧が1.05Vに到達するまで上記サイクルを繰り返し、そのサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値(サイクル数)を得た。なお、この放電パターンは、デジタルスチルカメラ(DSC)の用途を想定したもので、650mW放電がカメラの電源を入れて液晶モニター等を駆動させた状態、1500mW放電がカメラのフラッシュ撮影を行った状態を模擬している。
(c)耐漏液試験
上記で作製した電池の各50セルについて、3.9Ωの定抵抗に対して5時間の部分放電をさせた後に、60℃の環境下に1ヶ月間保存して、漏液した電池数により漏液の発生率(%)を求めた。
以上3種類の評価試験の結果を表2に示す。
上記で作製した21種のアルカリマンガン乾電池に対して、以下の(a)〜(c)の評価を行った。
(a)1Ω接続時のCCV測定
上記で作製した電池1セルを、20℃雰囲気下で、1Ωの抵抗に対して100ミリ秒だけ接続し、この間の閉路電圧(CCV)をオシロスコープで測定した。それぞれの電池が1Ω接続(100ミリ秒)の間に到達した最低の電圧(試験数n=3で行った平均値)を読み取った。
(b)DSCパルス特性
上記で作製した電池1セルを、20℃雰囲気下において、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間パルス放電させる操作を1サイクルとし、1500mWパルス放電の下限電圧が1.05Vに到達するまで上記サイクルを繰り返し、そのサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値(サイクル数)を得た。なお、この放電パターンは、デジタルスチルカメラ(DSC)の用途を想定したもので、650mW放電がカメラの電源を入れて液晶モニター等を駆動させた状態、1500mW放電がカメラのフラッシュ撮影を行った状態を模擬している。
(c)耐漏液試験
上記で作製した電池の各50セルについて、3.9Ωの定抵抗に対して5時間の部分放電をさせた後に、60℃の環境下に1ヶ月間保存して、漏液した電池数により漏液の発生率(%)を求めた。
以上3種類の評価試験の結果を表2に示す。
CCV測定の結果の一部として、電池(2)、(14)、(21)の測定結果を図2に示す。 界面活性剤を添加していない電池(21)と比較して、電池(2)はほぼ同じCCV挙動を示している。一方、電池(14)では、初期に急激なCCV低下が認められる。このようなCCV挙動の差は、界面活性剤を構成するイオンが放電時に負極に含まれる亜鉛粒子表面から円滑に離散・拡散できるか否かによって決まると推察される。負極にテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、またはテトラプロピルアンモニウム塩を添加した電池(1)〜(5)は、界面活性剤を添加していない電池(21)と比較して、1Ω接続時のCCV低下が殆ど無く、高レベルのDSCパルス特性を維持し、なおかつ、耐漏液性能については格段に向上している。これに対し、他のカチオン性界面活性剤(6)〜(20)を添加した電池は、以下の(I)、(II)何れかの傾向となっている。
(I)耐漏液性能の改善効果が認められない。
電池(6)、(7)、(11)、(12)、(16)
(II)耐漏液性能は改善するが、1Ω接続時のCCV低下およびDSCパルス特性の低下が顕著となる。
電池(8)、(9)、(10)、(13)、(14)、(15)、(17)、(18)、(19)、(20)
電池(6)、(7)、(11)、(12)、(16)
(II)耐漏液性能は改善するが、1Ω接続時のCCV低下およびDSCパルス特性の低下が顕著となる。
電池(8)、(9)、(10)、(13)、(14)、(15)、(17)、(18)、(19)、(20)
耐漏液性能、CCVおよびDSCパルス特性の差が生じた原因として、まず、電池(6)〜(19)が含む、カチオン性界面活性剤の対称性が低い点が挙げられる。これら電池が含む界面活性剤は、第4級アンモニウム基(親水基)に、比較的長い炭素鎖R(疎水基)とメチル基等の短い炭素鎖とが結合した、R(CH3)3N+なる構造を有し、イオン全体としての対称性が低い。このため、ゲル状負極における界面活性剤の添加量が小さい場合、ゲル状負極中の亜鉛粒子表面に界面活性剤を構成するイオンが密に配列・吸着した保護皮膜層を形成させるのは困難であり、(I)のように殆ど防食効果が得られなかったと考えられる。また、カチオン性界面活性剤の添加量が十分であり、対称性が低くても満足な防食効果が得られている場合もあった。この場合、界面活性剤の添加量が多い電池では、耐漏液性能は改善したが、瞬間的な大電流の放電の際、界面活性剤を構成するイオンの亜鉛粒子表面からゲル状電解液への離散および拡散が円滑に進まないため、(II)のように、CCVおよびDSCパルス特性の低下を引き起こしたと考えられる。
また、(20)の水酸化テトラブチルアンモニウムでは、テトラブチルアンモニウムイオン((C4H9)4N+)の対称性が高く、ゲル状負極内で亜鉛粒子表面に密に配列・吸着した保護皮膜層を形成させることができるという観点では好ましい。しかしながら、イオンのサイズ(式量)が大きいため、放電時の電解液中への拡散が遅くなる傾向を有し、その結果、上記と同様にCCVおよびDSCパルス特性の低下が起こったと推察される。
これに対して、本発明の、(1)〜(5)のカチオン性界面活性剤を用いた電池では、ゲル状負極中で形成されるテトラメチルアンモニウムイオン((CH3)4N+)、テトラエチルアンモニウムイオン((C2H5)4N+)、テトラプロピルアンモニウムイオン((C3H7)4N+)の対称性が高いため、界面活性剤の添加量が小さくても、亜鉛粒子表面に界面活性剤を構成するイオンが密に配列・吸着した保護皮膜層を形成することができたと考えられる。さらに、本発明の界面活性剤においては、イオンのサイズ(式量)も適度に小さいため、瞬間的な大電流の放電の際、界面活性剤を構成するイオンの亜鉛粒子表面からゲル状電解液中への離散および拡散が円滑に進み、CCVおよびDSCパルス特性の低下を引き起こすことがない。従って、負極の十分な防食効果を維持しながら、優れた大電流放電特性も同時に得ることができたと考えられる。
なお、電池(4)、(5)に比べて電池(2)の有するCCVおよびDSCパルス特性がさらに良好なことからわかるように、本発明の防食剤(テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、テトラプロピルアンモニウム化合物)は水酸化物であることが特に好ましい。界面活性剤を塩化物や臭化物として添加した電池(4)、(5)では、電解液中に溶存したCl-イオンやBr-イオンが正極活物質(二酸化マンガン)と反応し、正極の容量や電圧を水酸化物の場合に比べて低下させたと考えられる。
以上のように、負極に防食剤としてテトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、またはテトラプロピルアンモニウム化合物を含むアルカリ一次電池において、上記防食剤が放電反応を阻害することなく、かつ優れた防食効果を有することから、優れた放電特性と耐漏液性能とを有する電池を得ることができる。
《実験例2》
ここでは、防食剤の添加量に関する検討を行った。
上記のゲル状負極において、表3中に示す界面活性剤の種類および量を加えて十分に混合し、ゲル状負極(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、および(c1)〜(c5)とした以外は、実験例1と全て同様にして、(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、および(c1)〜(c5)のゲル状負極に対応するアルカリマンガン乾電池(A1)〜(A5)、(B1)〜(B5)および(C1)〜(C5)を作製した。
ここでは、防食剤の添加量に関する検討を行った。
上記のゲル状負極において、表3中に示す界面活性剤の種類および量を加えて十分に混合し、ゲル状負極(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、および(c1)〜(c5)とした以外は、実験例1と全て同様にして、(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、および(c1)〜(c5)のゲル状負極に対応するアルカリマンガン乾電池(A1)〜(A5)、(B1)〜(B5)および(C1)〜(C5)を作製した。
上記で作製した電池について、実験例1の場合と同様に、(a)1Ω接続時のCCV(到達最低電圧)測定、(b)DSCパルス放電特性、および(c)耐漏液試験の評価を行った。結果を表4に示す。
以上の結果から、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムの何れを用いた場合についても、良好なCCV、DSCパルス特性および耐漏液性能を有することがわかった。特に、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、または水酸化テトラプロピルアンモニウムの添加量を、亜鉛合金粉末100重量部あたり0.002〜0.02重量部の範囲にすれば、より高い放電特性と耐漏液性能とを得ることが可能であることがわかる。
《実験例3》
次に、正極がオキシ水酸化ニッケルを含むアルカリ一次電池について、負極防食剤の種類や量を変化させる検討を行った。
電解二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルと黒鉛を重量比47:47:6の割合で配合し、混合粉末を得た。この混合粉末100重量部に電解液1重量部を加え混合した後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物を中空円筒型に加圧成型して正極合剤ペレットとし、実験例2で用いたゲル状負極(a1)を用いた以外は、全て実験例1および実験例2と同様に図1に示す単3サイズのニッケル系アルカリ乾電池(X1)を作製した。ここで、上記で使用したオキシ水酸化ニッケルは、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルとし、これを次亜塩素酸ナトリウム水溶液で化学酸化することにより得た。
次に、正極がオキシ水酸化ニッケルを含むアルカリ一次電池について、負極防食剤の種類や量を変化させる検討を行った。
電解二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルと黒鉛を重量比47:47:6の割合で配合し、混合粉末を得た。この混合粉末100重量部に電解液1重量部を加え混合した後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物を中空円筒型に加圧成型して正極合剤ペレットとし、実験例2で用いたゲル状負極(a1)を用いた以外は、全て実験例1および実験例2と同様に図1に示す単3サイズのニッケル系アルカリ乾電池(X1)を作製した。ここで、上記で使用したオキシ水酸化ニッケルは、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルとし、これを次亜塩素酸ナトリウム水溶液で化学酸化することにより得た。
また、ゲル状負極(a1)の代わりに、実施例2のゲル状負極(a2)〜(a5)、(b1)〜(b5)、(c1)〜(c5)を用いた以外は全て同様にそれぞれのゲル状負極に対応する単3サイズのニッケル系アルカリ乾電池(X2)〜(X5)、(Y1)〜(Y5)、(Z1)〜(Z5)を作製した。さらに、実施例1で用いた、界面活性剤を添加しない比較用ゲル状負極(21)を上記と同様に用いて、単3サイズの比較用ニッケル系アルカリ乾電池(W)とした。
上記で作製した電池について、実験例1および実験例2の場合と同様に、(a)1Ω接続時のCCV(到達最低電圧)測定、(b)DSCパルス放電特性、および(c)耐漏液試験の評価を行った。結果を表5に示す。
上記で作製した電池について、実験例1および実験例2の場合と同様に、(a)1Ω接続時のCCV(到達最低電圧)測定、(b)DSCパルス放電特性、および(c)耐漏液試験の評価を行った。結果を表5に示す。
正極がオキシ水酸化ニッケルを含む電池においても、アルカリマンガン電池(実施例2)の場合と同様に良好なCCV、DSCパルス特性および耐漏液性能を有することがわかった。防食剤に水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムの何れを用いても、同じ傾向であった。
また、正極にオキシ水酸化ニッケルを含んだ系であっても、負極への水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムの添加量を、亜鉛合金粉末100重量部あたり0.002〜0.02重量部の範囲にすれば、より高い放電特性と耐漏液性能とを両立させることが可能な点がわかる。
なお、正極にオキシ水酸化ニッケルを含有させると正極電位が高く保たれ、電池全体としての高負荷放電特性は負極に支配(規制)される傾向が強まる。表5中のDSCパルス特性について、防食剤添加量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005重量部の場合、サイクル数が極大で、防食剤添加量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.025重量部の場合、サイクル数が極大値の約60%となった。このような現象は、アルカリマンガン系(表4)では見られない。これは、ニッケル系電池では、負極の僅かな放電性能の差が特性差に敏感に反映(顕在化)されたためと考えられる。
なお、正極にオキシ水酸化ニッケルを含有させると正極電位が高く保たれ、電池全体としての高負荷放電特性は負極に支配(規制)される傾向が強まる。表5中のDSCパルス特性について、防食剤添加量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005重量部の場合、サイクル数が極大で、防食剤添加量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.025重量部の場合、サイクル数が極大値の約60%となった。このような現象は、アルカリマンガン系(表4)では見られない。これは、ニッケル系電池では、負極の僅かな放電性能の差が特性差に敏感に反映(顕在化)されたためと考えられる。
ここで、上述の実験例1〜3の各電池では、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物およびテトラプロピルアンモニウム化合物のうちの1種のみを用いたが、これらを複数種用いても、同様の効果が得られると考えられる。また、実験例2および3では上記アンモニウム化合物の水酸化物を用いたが、塩化物または臭化物を用いた場合においても、同様の効果が得られると考えられる。
本発明に係るアルカリ一次電池は、優れた放電特性および耐漏液性能を有しているため、各種電子機器から玩具・ライト等の汎用機器に到るまでの幅広い用途に対して好適に用いることができる。
本発明は、負極活物質として亜鉛または亜鉛合金、電解液としてアルカリ水溶液、正極活物質として二酸化マンガンやオキシ水酸化ニッケル等を用いるアルカリ一次電池に関する。
アルカリマンガン乾電池に代表されるアルカリ一次電池は、汎用性が高く安価であるため、各種機器の電源として広く普及している。さらに近年は、機器のデジタル化に対応して、正極にオキシ水酸化ニッケルを添加して出力特性を高めたアルカリ一次電池(ニッケル系乾電池)の普及も急速に広がってきている。
アルカリ一次電池において、負極活物質には、ガスアトマイズ法等で得られる不定形の亜鉛粉を使用する。亜鉛粉はアルカリ電解液中で容易に腐食して水素ガスを発生しやすい。これが、電池内圧の上昇および漏液を引き起こす原因となる。従って、アルカリ一次電池の信頼性は、アルカリ電解液中での亜鉛の腐食を抑制することによって向上する。
古くは、負極中に水銀を添加して亜鉛粉表面をアマルガム化することによって、水素発生過電圧を高めるという防食法が行われていた。しかし、環境への配慮から、1980〜1990年頃にかけて、アルカリマンガン乾電池を中心に無水銀化が進んだ。水銀の添加に代わる亜鉛粉の防食手段として、亜鉛粉にアルミニウム、ビスマス、インジウム等を少量含有させて亜鉛合金粉とすることで、防食性を向上させる技術(特許文献1)や、界面活性剤などの有機系防食剤を、ゲル状負極に含まれる電解液中に添加する技術が提案されている。
ゲル状負極に含まれる電解液中に添加される界面活性剤の防食剤としてのメカニズムは、以下のように考えられている。すなわち、界面活性剤に含まれる分子の親水基が亜鉛粒子表面に吸着し、一方で界面活性剤に含まれる分子の疎水基が電解液側に配向することで保護被膜層を形成する。このことから、撥水作用による防食効果が得られると考えられている。この保護被膜層による撥水作用によって、水分子および水酸化物イオンの亜鉛粒子表面への接近が阻止される。その結果、以下の式(1)や式(2)の反応が抑制される。なお、亜鉛粒子表面に吸着した界面活性剤分子は、負極の放電時には、亜鉛粒子表面から離散し、電解液中に拡散する。
Zn+4OH-→Zn(OH)4 2-+2e- (1)
2H2O+2e-→2OH-+H2 (2)
2H2O+2e-→2OH-+H2 (2)
ここで、一般に亜鉛はアルカリ水溶液中でマイナスに帯電する性質を有するため、電荷の異なるカチオン性の界面活性剤を選択すれば、静電作用(引力)を利用して、より強固な保護被膜層を形成することができると考えられる。このような観点から、パーフルオロアルキルの4級アンモニウム塩等(特許文献2)や塩化n−ドデシルトリメチルアンモニウム等(特許文献3)、水酸化テトラブチルアンモニウム(特許文献4)のゲル状負極への添加が提案されている。
特公平3−71737号公報
特許第2985445号明細書
特開2003−151569号公報
特開平6−223828号公報
しかしながら、上記の特許文献2および特許文献3で効果的な防食作用を有するとして開示されているカチオン性界面活性剤は、窒素等のヘテロ原子(親水基)に、比較的長い構造を有する炭素鎖R(疎水基)とメチル基等の短い炭素鎖とが結合した、R(CH3)3N+という構造を有するため、イオン全体としての対称性が低い。対称性が低い界面活性剤の添加量が少量である場合、亜鉛粒子表面に界面活性剤を構成するイオンが密に配列・吸着した保護皮膜層を形成するのは困難なため、十分な防食効果を得ることができない。一方、十分な防食効果を得るために上記の界面活性剤の添加量を増大させると、瞬間的な大電流の放電の際、界面活性剤を構成するイオンが亜鉛粒子表面から電解液へ十分に離散および拡散することができなくなる。その結果、上記式(1)に示す電極反応が阻害されて電池の閉路電圧(CCV)が低下するという問題があった。
また、特許文献4で提案されている水酸化テトラブチルアンモニウムは、テトラブチルアンモニウムイオン((C4H9)4N+)が高い対称性を有するため、亜鉛表面に密に配列・吸着した保護皮膜層を形成させる観点から好ましい。しかしながら、イオンのサイズ(式量)が大きいため、放電時の電解液中への界面活性剤を構成するイオンの拡散が遅くなる傾向を示し、上記と同様に瞬間的な大電流の放電の際、電池の閉路電圧(CCV)が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために、亜鉛を含む負極が、防食効果を有する界面活性剤を含んでも、放電が阻害されることがなく、良好な放電特性(大電流放電特性)および耐漏液性能を有するアルカリ一次電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、電解液と、を具備したアルカリ一次電池であって、前記負極は、さらに、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含むこと、を特徴とする。
このような構成によれば、負極が対称性の高いカチオン性界面活性剤を含むこととなり、添加量が少量であっても亜鉛粒子表面に界面活性剤を構成するイオンが密に配列および吸着した保護皮膜層を得ることができる。また、上記の界面活性剤のイオンのサイズ(式量)が適度に小さいため、瞬間的な大電流の放電の際、上記イオンの亜鉛粒子表面から電解液中への離散および拡散が速く、電池の閉路電圧(CCV)の低下を引き起こしにくい。このため、アルカリ一次電池において、負極の十分な防食効果を維持しながら、良好な放電特性(特に大電流放電特性)を得ることができる。
また、上記アルカリ一次電池においては、前記化合物が水酸化物、塩化物、または臭化物であること、が好ましい。
なかでも、前記化合物が水酸化物であること、がより好ましい。
なかでも、前記化合物が水酸化物であること、がより好ましい。
前記負極が、前記化合物を前記負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部含むこと、が好ましい。
また、前記正極がオキシ水酸化ニッケルを含んでいても、本発明を好適に実施することができる。
また、前記正極がオキシ水酸化ニッケルを含んでいても、本発明を好適に実施することができる。
本発明によると、亜鉛を含む負極が、防食効果を有する界面活性剤を含んでも、放電反応が阻害されることがない、良好な放電特性(特に大電流放電特性)および耐漏液性能を有するアルカリ一次電池を提供することができる。
本発明は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、電解液と、を具備したアルカリ一次電池に関する。前記負極は、さらに、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含む点に特徴を有する。
上記化合物が対称性の高いカチオン性界面活性剤であることから、良好な放電特性および防食性を有するアルカリ一次電池を得ることができる。分子サイズ(分子量)と、放電特性および防食性のバランスの観点から、上記化合物の中でもテトラエチルアンモニウムが特に好ましい。
上記化合物は、例えば、水酸化物、塩化物、または臭化物である。これらの中でも、アルカリ一次電池がより良好な放電特性を得られることから、上記化合物は水酸化物であるのが特に好ましい。
上記化合物は、例えば、水酸化物、塩化物、または臭化物である。これらの中でも、アルカリ一次電池がより良好な放電特性を得られることから、上記化合物は水酸化物であるのが特に好ましい。
負極には、例えば、負極活物質、上記防食剤(界面活性剤)、電解液、およびゲル化剤の混合物からなるゲル状負極が用いられる。電解液をゲル化させるためのゲル化剤には、従来公知のものを用いることができ、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等を用いることができる。負極活物質としては、例えば、亜鉛、またはアルミニウム、ビスマスもしくはインジウム等を含む亜鉛合金を使用することができる。この負極活物質は、例えば、ガスアトマイズ法等により得られる亜鉛粉または亜鉛合金粉を用いることができる。
ゲル状負極中の防食剤含有量は負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部が好ましい。ゲル状負極中の防食剤含有量が、負極活物質100重量部あたり0.002重量部以上であると、より良好な防食効果が得られる。一方、ゲル状負極中の防食剤含有量が、負極活物質100重量部あたり0.02重量部以下であると、良好な放電特性が得られやすい。
正極には、例えば、正極活物質(二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルのうちの少なくとも一方)、黒鉛等の導電剤、および電解液の混合物からなる正極合剤ペレットが用いられる。
正極合剤ペレットは、以下のようにして得られる。正極活物質および導電剤の混合粉に電解液を加えた後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒し、粒状物を得る。この粒状物を中空円筒型に加圧成型する。
正極合剤ペレットは、以下のようにして得られる。正極活物質および導電剤の混合粉に電解液を加えた後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒し、粒状物を得る。この粒状物を中空円筒型に加圧成型する。
ここで、正極がオキシ水酸化ニッケルを含む電池は、従来のアルカリマンガン系電池と比較して、正極が有する不純物の含有量が多く、また、負極が有する放電性能の差が電池の性能に与える影響が大きいという特徴を有している。
アルカリマンガン系の電池の正極に用いられる二酸化マンガンが、電析によって得られるのに対して、オキシ水酸化ニッケルは、晶析によって得られた水酸化ニッケルを化学酸化するというプロセスを経て製造される。このため、オキシ水酸化ニッケルは、二酸化マンガンに比べて各種不純物の含有量が多い。このためオキシ水酸化ニッケルを用いた電池の方が、より多くの不純物を含み、負極亜鉛の腐食およびガス発生が加速されやすい。
その一方で、正極がオキシ水酸化ニッケルを含むと、高い正極電位を保ち、大電流放電時の正極利用率が高まる。その結果、電池全体の大電流放電特性は負極によって制御される傾向が強まり、負極が有するわずかな放電性能の差が、電池が有する放電特性の差として顕在化される。
正極がオキシ水酸化ニッケルを含む電池は、上記のような特徴を有することから、本発明における防食剤を用いることは極めて有効である。正極がオキシ水酸化ニッケルを含む電池に上記の防食剤を用いれば、負極の十分な防食効果を維持しつつ、高い負極放電性能を得ることができる。そして、オキシ水酸化ニッケルを含む電池における信頼性および大電流放電特性を向上させることができる。
なお、正極に用いるオキシ水酸化ニッケルは、例えば、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルとし、これを次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の酸化剤で化学酸化することによって得ることができる。またオキシ水酸化ニッケルは、例えば、正極合剤において、10〜80重量%含まれるのが好ましい。なかでも、特に、30〜60重量%含まれることが好ましい。
本発明の電池に含まれる電解液としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、少量の酸化亜鉛を溶解させた水酸化カリウム水溶液を用いることができる。セパレータにも、従来公知のものを用いることができ、例えば、ビニロンとセルロースからなる複合繊維、ポリプロピレンとセルロースからなる複合繊維等を用いることができる。
ここで、本発明の一実施の形態である、アルカリ乾電池について説明する。図1に示すように、このアルカリ乾電池は、二酸化マンガンを含む正極合剤ペレット3、亜鉛または亜鉛合金および防食剤を含むゲル状負極6、および正極合剤ペレット3とゲル状負極6との間に配されるセパレータ4を含む。正極ケース1は、ニッケルメッキされた鋼板からなる。この正極ケース1の内部には、黒鉛塗装膜2が形成されている。
図1に示すアルカリ乾電池は以下のようにして作製することができる。まず、正極ケース1の内部に、短筒状の正極合剤ペレット3を複数個挿入し、再加圧することによって正極ケース1の内面に密着させる。そして、この正極合剤ペレット3の内側にセパレ−タ4および絶縁のための底紙5を挿入した後、セパレータ4と正極合剤ペレット3を湿潤させる目的で電解液を注液する。注液後、セパレータ4の内側にゲル状負極6を充填する。次に、樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9と一体化された負極集電体10を、ゲル状負極6に差し込む。そして、正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着させる。最後に、正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆する。このようにして、本発明におけるアルカリ乾電池を得ることができる。
上記の実施の形態の単3形アルカリマンガン乾電池では、例えば、20℃において1Ωの抵抗に100ミリ秒接続した際の閉路電圧の最低値を1.45V以上とすることが可能であり、優れた大電流放電特性が得られる。
また、上記の実施の形態における正極ペレットにさらにオキシ水酸化ニッケルを含ませた単3形ニッケル系アルカリ乾電池(ニッケルマンガン乾電池)では、例えば、20℃において1Ωの抵抗に100ミリ秒接続した際の閉路電圧の最低値を1.55V以上とすることが可能であり、優れた大電流放電特性が得られる。
また、上記の実施の形態における正極ペレットにさらにオキシ水酸化ニッケルを含ませた単3形ニッケル系アルカリ乾電池(ニッケルマンガン乾電池)では、例えば、20℃において1Ωの抵抗に100ミリ秒接続した際の閉路電圧の最低値を1.55V以上とすることが可能であり、優れた大電流放電特性が得られる。
上記の実施の形態では単3サイズの乾電池について示したが、本発明の効果そのものは、単3サイズ以外のアルカリマンガン乾電池や、アルカリボタン型、角型等の別構造の電池においても得ることができると考えられる。また、正極活物質として二酸化マンガンやオキシ水酸化ニッケル以外に、酸化銀や空気等を用いたアルカリ一次電池でも、同様の効果を期待することができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明の内容は、これらの実施例に限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明の内容は、これらの実施例に限定されるものではない。
《実験例1》
Al:0.003重量%、Bi:0.01重量%、In:0.025重量%を含有する亜鉛合金粉末をガスアトマイズ法によって得た。得られた亜鉛合金粉末を、篩を用いて分級し、35〜300メッシュの粒度範囲を有し、かつ粒径が200メッシュ(75μm)以下の粒子を20重量%含む評価用亜鉛合金粉末を得た。得られた評価用合金粉末を負極活物質とした。
なお、評価用亜鉛合金粉末についてレーザー回折式の粒度分布計を用いて測定した結果、亜鉛合金粉末の平均粒子径(D50)は150μmであり、亜鉛合金粉末中における粒径が200メッシュ(75μm)以下の粒子の含有率は20%であることがわかった。
Al:0.003重量%、Bi:0.01重量%、In:0.025重量%を含有する亜鉛合金粉末をガスアトマイズ法によって得た。得られた亜鉛合金粉末を、篩を用いて分級し、35〜300メッシュの粒度範囲を有し、かつ粒径が200メッシュ(75μm)以下の粒子を20重量%含む評価用亜鉛合金粉末を得た。得られた評価用合金粉末を負極活物質とした。
なお、評価用亜鉛合金粉末についてレーザー回折式の粒度分布計を用いて測定した結果、亜鉛合金粉末の平均粒子径(D50)は150μmであり、亜鉛合金粉末中における粒径が200メッシュ(75μm)以下の粒子の含有率は20%であることがわかった。
次に、36重量%の水酸化カリウム水溶液(ZnO:2重量%含む)100重量部にポリアクリル酸ナトリウム2.3重量部を加えて混合し、ゲル状電解液を得た。得られたゲル状電解液は、その後、24時間静置して十分に熟成させた。
上記で得たゲル状電解液の所定量に対して、重量比で1.8倍の上記評価用亜鉛合金粉末と、表1中に示した(1)〜(20)の界面活性剤とを加えて十分に混合し、それぞれの界面活性剤に対応するゲル状負極(1)〜(20)を作製した。なお、界面活性剤の添加量は、負極活物質(亜鉛合金粉末)100重量部あたり0.01重量部となるように調整した。
また、ゲル状負極に界面活性剤を添加しないこと以外は全て上記と同様にして、比較用ゲル状負極(21)を作製した。
ここで、防食剤として用いた界面活性剤の一覧を表1に示す。これらは主に、東京化成工業(株)製の化学試薬、ないしは花王(株)やライオン(株)製の化成品を入手して、検討に使用した。
ここで、防食剤として用いた界面活性剤の一覧を表1に示す。これらは主に、東京化成工業(株)製の化学試薬、ないしは花王(株)やライオン(株)製の化成品を入手して、検討に使用した。
また、電解二酸化マンガンおよび黒鉛を重量比94:6の割合で配合し、混合粉100重量部に対して電解液1重量部を混合した後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物を中空円筒型に加圧成型したものを、正極合剤ペレットとして用いた。
続いて、評価用のアルカリマンガン乾電池の作製を行った。正極ケース1の内部に、上記で得られた正極合剤ペレット3を複数個挿入し、正極ケース1内で再加圧することによって正極ケース1の内面に密着させた。そして、この正極合剤ペレット3の内側にセパレータ4および絶縁のための底紙5を挿入した後、上記で調製した電解液を注液した。注液後、セパレータ4の内側にゲル状負極6を充填した。樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9と一体化された負極集電体10を、ゲル状負極6に差し込み、正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着させた。正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆し、アルカリ乾電池を作製した。
具体的には、上記で得た正極合剤ペレットをケース内で再加圧して内面に密着させた後、ビニロンとセルロースからなる複合繊維製のセパレータと底紙を挿入してから、上記電解液の注液と、ゲル状負極(1)の充填を行って、図1に示す単3サイズの評価用アルカリマンガン乾電池(1)を作製した。
具体的には、上記で得た正極合剤ペレットをケース内で再加圧して内面に密着させた後、ビニロンとセルロースからなる複合繊維製のセパレータと底紙を挿入してから、上記電解液の注液と、ゲル状負極(1)の充填を行って、図1に示す単3サイズの評価用アルカリマンガン乾電池(1)を作製した。
また、ゲル状負極(1)の代わりにゲル状負極(2)〜(21)を用いること以外はすべて上記と同様に、それぞれのゲル状負極に対応する単3サイズの評価用アルカリマンガン乾電池(2)〜(21)を作製した。
[評価試験]
上記で作製した21種のアルカリマンガン乾電池に対して、以下の(a)〜(c)の評価を行った。
(a)1Ω接続時のCCV測定
上記で作製した電池1セルを、20℃雰囲気下で、1Ωの抵抗に対して100ミリ秒だけ接続し、この間の閉路電圧(CCV)をオシロスコープで測定した。それぞれの電池が1Ω接続(100ミリ秒)の間に到達した最低の電圧(試験数n=3で行った平均値)を読み取った。
(b)DSCパルス特性
上記で作製した電池1セルを、20℃雰囲気下において、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間パルス放電させる操作を1サイクルとし、1500mWパルス放電の下限電圧が1.05Vに到達するまで上記サイクルを繰り返し、そのサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値(サイクル数)を得た。なお、この放電パターンは、デジタルスチルカメラ(DSC)の用途を想定したもので、650mW放電がカメラの電源を入れて液晶モニター等を駆動させた状態、1500mW放電がカメラのフラッシュ撮影を行った状態を模擬している。
(c)耐漏液試験
上記で作製した電池の各50セルについて、3.9Ωの定抵抗に対して5時間の部分放電をさせた後に、60℃の環境下に1ヶ月間保存して、漏液した電池数により漏液の発生率(%)を求めた。
以上3種類の評価試験の結果を表2に示す。
上記で作製した21種のアルカリマンガン乾電池に対して、以下の(a)〜(c)の評価を行った。
(a)1Ω接続時のCCV測定
上記で作製した電池1セルを、20℃雰囲気下で、1Ωの抵抗に対して100ミリ秒だけ接続し、この間の閉路電圧(CCV)をオシロスコープで測定した。それぞれの電池が1Ω接続(100ミリ秒)の間に到達した最低の電圧(試験数n=3で行った平均値)を読み取った。
(b)DSCパルス特性
上記で作製した電池1セルを、20℃雰囲気下において、650mWの定電力で28秒間放電させた後、1500mWの定電力で2秒間パルス放電させる操作を1サイクルとし、1500mWパルス放電の下限電圧が1.05Vに到達するまで上記サイクルを繰り返し、そのサイクル数を測定した。この評価を試験数n=3として行った平均値(サイクル数)を得た。なお、この放電パターンは、デジタルスチルカメラ(DSC)の用途を想定したもので、650mW放電がカメラの電源を入れて液晶モニター等を駆動させた状態、1500mW放電がカメラのフラッシュ撮影を行った状態を模擬している。
(c)耐漏液試験
上記で作製した電池の各50セルについて、3.9Ωの定抵抗に対して5時間の部分放電をさせた後に、60℃の環境下に1ヶ月間保存して、漏液した電池数により漏液の発生率(%)を求めた。
以上3種類の評価試験の結果を表2に示す。
CCV測定の結果の一部として、電池(2)、(14)、(21)の測定結果を図2に示す。界面活性剤を添加していない電池(21)と比較して、電池(2)はほぼ同じCCV挙動を示している。一方、電池(14)では、初期に急激なCCV低下が認められる。このようなCCV挙動の差は、界面活性剤を構成するイオンが放電時に負極に含まれる亜鉛粒子表面から円滑に離散・拡散できるか否かによって決まると推察される。負極にテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩を添加した電池(1)〜(5)は、界面活性剤を添加していない電池(21)と比較して、1Ω接続時のCCV低下が殆ど無く、高レベルのDSCパルス特性を維持し、なおかつ、耐漏液性能については格段に向上している。これに対し、他のカチオン性界面活性剤(6)〜(20)を添加した系は、以下の(I)、(II)何れかの傾向となっている。
(I)耐漏液性能の改善効果が認められない。
電池(6)、(7)、(11)、(12)、(16)
(II)耐漏液性能は改善するが、1Ω接続時のCCV低下およびDSCパルス特性の低下が顕著となる。
電池(8)、(9)、(10)、(13)、(14)、(15)、(17)、(18)、(19)、(20)
電池(6)、(7)、(11)、(12)、(16)
(II)耐漏液性能は改善するが、1Ω接続時のCCV低下およびDSCパルス特性の低下が顕著となる。
電池(8)、(9)、(10)、(13)、(14)、(15)、(17)、(18)、(19)、(20)
耐漏液性能、CCVおよびDSCパルス特性の差が生じた原因として、まず、電池(6)〜(19)が含む、カチオン性界面活性剤の対称性が低い点が挙げられる。これら電池が含む界面活性剤は、第4級アンモニウム基(親水基)に、比較的長い炭素鎖R(疎水基)とメチル基等の短い炭素鎖とが結合した、R(CH3)3N+なる構造を有し、イオン全体としての対称性が低い。このため、ゲル状負極における界面活性剤の添加量が小さい場合、ゲル状負極中の亜鉛粒子表面に界面活性剤を構成するイオンが密に配列・吸着した保護皮膜層を形成させるのは困難であり、(I)のように殆ど防食効果が得られなかったと考えられる。また、カチオン性界面活性剤の添加量が十分であり、対称性が低くても満足な防食効果が得られている場合もあった。この場合、界面活性剤の添加量が多い電池では、耐漏液性能は改善したが、瞬間的な大電流の放電の際、界面活性剤を構成するイオンの亜鉛粒子表面からゲル状電解液への離散および拡散が円滑に進まないため、(II)のように、CCVおよびDSCパルス特性の低下を引き起こしたと考えられる。
また、(20)の水酸化テトラブチルアンモニウムでは、テトラブチルアンモニウムイオン((C4H9)4N+)の対称性が高く、ゲル状負極内で亜鉛粒子表面に密に配列・吸着した保護皮膜層を形成させることができるという観点では好ましい。しかしながら、イオンのサイズ(式量)が大きいため、放電時の電解液中への拡散が遅くなる傾向を有し、その結果、上記と同様にCCVおよびDSCパルス特性の低下が起こったと推察される。
これに対して、本発明の、(1)〜(5)のカチオン性界面活性剤を用いた電池では、ゲル状負極中で形成されるテトラメチルアンモニウムイオン((CH3)4N+)、テトラエチルアンモニウムイオン((C2H5)4N+)、テトラプロピルアンモニウムイオン((C3H7)4N+)の対称性が高いため、界面活性剤の添加量が小さくても、亜鉛粒子表面に界面活性剤を構成するイオンが密に配列・吸着した保護皮膜層を形成することができたと考えられる。さらに、本発明の界面活性剤においては、イオンのサイズ(式量)も適度に小さいため、瞬間的な大電流の放電の際、の界面活性剤を構成するイオンの亜鉛粒子表面からゲル状電解液中への離散および拡散が円滑に進み、CCVおよびDSCパルス特性の低下を引き起こすことがない。従って、負極の十分な防食効果を維持しながら、優れた大電流放電特性も同時に得ることができたと考えられる。
なお、電池(4)、(5)に比べて電池(2)の有するCCVおよびDSCパルス特性がさらに良好なことからわかるように、本発明の防食剤(テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、テトラプロピルアンモニウム化合物)は水酸化物であることが特に好ましい。界面活性剤を塩化物や臭化物として添加した電池(4)、(5)では、電解液中に溶存したCl-イオンやBr-イオンが正極活物質(二酸化マンガン)と反応し、正極の容量や電圧を水酸化物の場合に比べて低下させたと考えられる。
以上のように、負極に防食剤としてテトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、テトラプロピルアンモニウム化合物を含むアルカリ一次電池において、上記防食剤が放電反応を阻害することなく、かつ優れた防食効果を有することから、優れた放電特性と耐漏液性能とを有する電池を得ることができる。
《実験例2》
ここでは、防食剤の添加量に関する検討を行った。
上記のゲル状負極において、表3中に示す界面活性剤の種類および量を加えて十分に混合し、ゲル状負極(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、(c1)〜(c5)とした以外は、実験例1と全て同様にして、(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、(c1)〜(c5)のゲル状負極に対応するアルカリマンガン乾電池(A1)〜(A5)、(B1)〜(B5)および(C1)〜(C5)を作製した。
ここでは、防食剤の添加量に関する検討を行った。
上記のゲル状負極において、表3中に示す界面活性剤の種類および量を加えて十分に混合し、ゲル状負極(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、(c1)〜(c5)とした以外は、実験例1と全て同様にして、(a1)〜(a5)、(b1)〜(b5)、(c1)〜(c5)のゲル状負極に対応するアルカリマンガン乾電池(A1)〜(A5)、(B1)〜(B5)および(C1)〜(C5)を作製した。
上記で作製した電池について、実験例1の場合と同様に、(a)1Ω接続時のCCV(到達最低電圧)測定、(b)DSCパルス放電特性、(c)耐漏液試験の評価を行った。結果を表4に示す。
以上の結果から、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムの何れを用いた場合についても、良好なCCV、DSCパルス特性および耐漏液性能を有することがわかった。特に、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムの添加量を、亜鉛合金粉末100重量部あたり0.002〜0.02重量部の範囲にすれば、より高い放電特性と耐漏液性能と得ることが可能である点がわかる。
《実験例3》
次に、正極がオキシ水酸化ニッケルを含むアルカリ一次電池について、負極防食剤の種類や量を変化させる検討を行った。
電解二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルと黒鉛を重量比47:47:6の割合で配合し、混合粉末を得た。この混合粉末100重量部に電解液1重量部を加え混合した後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物を中空円筒型に加圧成型して正極合剤ペレットとし、実験例2で用いたゲル状負極(a1)を用いた以外は、全て実験例1および実験例2と同様に図1に示す単3サイズのニッケル系アルカリ乾電池(X1)を作製した。ここで、上記で使用したオキシ水酸化ニッケルは、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルとし、これを次亜塩素酸ナトリウム水溶液で化学酸化することにより得た。
次に、正極がオキシ水酸化ニッケルを含むアルカリ一次電池について、負極防食剤の種類や量を変化させる検討を行った。
電解二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルと黒鉛を重量比47:47:6の割合で配合し、混合粉末を得た。この混合粉末100重量部に電解液1重量部を加え混合した後、ミキサーで均一に撹拌・混合して一定粒度に整粒した。得られた粒状物を中空円筒型に加圧成型して正極合剤ペレットとし、実験例2で用いたゲル状負極(a1)を用いた以外は、全て実験例1および実験例2と同様に図1に示す単3サイズのニッケル系アルカリ乾電池(X1)を作製した。ここで、上記で使用したオキシ水酸化ニッケルは、硫酸ニッケル水溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルとし、これを次亜塩素酸ナトリウム水溶液で化学酸化することにより得た。
また、ゲル状負極(a1)の代わりに、実施例2のゲル状負極(a2)〜(a5)、(b1)〜(b5)、(c1)〜(c5)を用いた以外は全て同様にそれぞれのゲル状負極に対応する単3サイズのニッケル系アルカリ乾電池(X2)〜(X5)、(Y1)〜(Y5)、(Z1)〜(Z5)を作製した。さらに、実施例1で用いた、界面活性剤を添加しない比較用ゲル状負極(21)を上記と同様に用いて、単3サイズの比較用ニッケル系アルカリ乾電池(W)とした。
上記で作製した電池について、実験例1および実験例2の場合と同様に、(a)1Ω接続時のCCV(到達最低電圧)測定、(b)DSCパルス放電特性、(c)耐漏液試験の評価を行った。結果を表5に示す。
上記で作製した電池について、実験例1および実験例2の場合と同様に、(a)1Ω接続時のCCV(到達最低電圧)測定、(b)DSCパルス放電特性、(c)耐漏液試験の評価を行った。結果を表5に示す。
正極がオキシ水酸化ニッケルを含む電池においても、アルカリマンガン電池(実施例2)の場合と同様に良好なCCV、DSCパルス特性および耐漏液性能を有することがわかった。防食剤に水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムの何れを用いても、同じ傾向であった。
また、正極にオキシ水酸化ニッケルを含んだ系であっても、負極への水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムの添加量を、亜鉛合金粉末100重量部あたり0.002〜0.02重量部の範囲にすれば、より高い放電特性と耐漏液性能とを両立させることが可能な点がわかる。
なお、正極にオキシ水酸化ニッケルを含有させると正極電位が高く保たれ、電池全体としての高負荷放電特性は負極に支配(規制)される傾向が強まる。表5中のDSCパルス特性について、防食剤添加量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005重量部の場合、サイクル数が極大で、防食剤添加量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.025重量部の場合、サイクル数が極大値の約60%となった。このような現象は、アルカリマンガン系(表4)では見られない。これは、ニッケル系電池では、負極の僅かな放電性能の差が特性差に敏感に反映(顕在化)されたためと考えられる。
なお、正極にオキシ水酸化ニッケルを含有させると正極電位が高く保たれ、電池全体としての高負荷放電特性は負極に支配(規制)される傾向が強まる。表5中のDSCパルス特性について、防食剤添加量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005重量部の場合、サイクル数が極大で、防食剤添加量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.025重量部の場合、サイクル数が極大値の約60%となった。このような現象は、アルカリマンガン系(表4)では見られない。これは、ニッケル系電池では、負極の僅かな放電性能の差が特性差に敏感に反映(顕在化)されたためと考えられる。
ここで、上述の実験例1〜3の各電池では、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物およびテトラプロピルアンモニウム化合物のうちの1種のみを用いたが、これらを複数種用いても、同様の効果が得られると考えられる。また、実験例2、3では上記アンモニウム化合物の水酸化物を用いたが、塩化物、臭化物を用いた場合においても、同様の効果が得られると考えられる。
本発明に係るアルカリ一次電池は、優れた放電特性および耐漏液性能を有しているため、各種電子機器から玩具・ライト等の汎用機器に到るまでの幅広い用途に対して好適に用いることができる。
Claims (7)
- 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、電解液と、を具備したアルカリ一次電池であって、
前記負極は、さらに、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含むこと、を特徴とするアルカリ一次電池。 - 前記化合物が水酸化物、塩化物、または臭化物である請求項1記載のアルカリ一次電池。
- 前記化合物が水酸化物である請求項1記載のアルカリ一次電池。
- 前記負極が、前記化合物を前記負極活物質100重量部あたり0.002〜0.02重量部含む請求項1記載のアルカリ一次電池。
- 前記正極活物質がオキシ水酸化ニッケルである請求項1記載のアルカリ一次電池。
- 正極活物質として電解二酸化マンガンおよび導電材として黒鉛を含む正極と、
負極活物質として亜鉛または亜鉛合金を含む負極と、
前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、
電解液と、を具備したアルカリ一次電池であって、
前記負極は、さらに、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含み、
前記アルカリ一次電池は単3形アルカリマンガン乾電池であり、
前記単3形アルカリマンガン乾電池を20℃において1Ωの抵抗に100ミリ秒接続した際の閉路電圧の最低値が1.45V以上であること、を特徴とするアルカリ一次電池。 - 正極活物質として電解二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケル、ならびに導電材として黒鉛を含む正極と、
負極活物質として亜鉛または亜鉛合金を含む負極と、
前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、
電解液と、を具備したアルカリ一次電池であって、
前記負極は、さらに、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、およびテトラプロピルアンモニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含み、
前記アルカリ一次電池が単3形ニッケル系アルカリ乾電池であり、
前記単3形ニッケル含有アルカリ乾電池を20℃において1Ωの抵抗に100ミリ秒接続した際の閉路電圧の最低値が1.55V以上であること、を特徴とするアルカリ一次電池。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100715 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20110808 |