JPH117948A - ニッケル−水素電池用陰極およびその製造方法 - Google Patents

ニッケル−水素電池用陰極およびその製造方法

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JPH117948A
JPH117948A JP10086496A JP8649698A JPH117948A JP H117948 A JPH117948 A JP H117948A JP 10086496 A JP10086496 A JP 10086496A JP 8649698 A JP8649698 A JP 8649698A JP H117948 A JPH117948 A JP H117948A
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JP10086496A
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Su Suk Choi
水 石 崔
Eibai Son
榮 培 孫
Yugen Ko
祐 鉉 黄
Heihyun Kyo
秉 ヒュン 姜
Inkan Cho
允 漢 張
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結着効果がすぐれた結着剤を用いて2次元多
孔質基板と活物質組成物間の接着力の優秀なニッケル−
水素電池用陰極を、さらに陰極活物質の微粉化現象と陰
極活物質表面の酸化による電池熱化現象の防止効果が優
秀なニッケル−水素電池用陰極を提供する。 【解決手段】 本発明はニッケル−水素電池用陰極活物
質と、衝撃吸収剤と、撥水剤と、増粘剤と、アクリロニ
トリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタ
ジエンゴム、アクリル酸ブタジエンゴム、クロロプレ
ン、アクリルエマルションおよびこれらの混合物からな
る群から選択される結着剤とを含むニッケル−水素電池
用陰極活物質組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル−水素電池
用陰極に関する、より詳しくは、高容量のニッケル−水
素電池用陰極およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、カメラ一体型VTR、オーディ
オ、ラップトップ型パソナルコンピュータおよび携帯用
電話機などの新しいポータブル電子機器の小型化および
軽量化の趨勢と関連し、これらの機器の電源として用い
られる電池の性能を高性能化し、大容量化する技術が必
要となった。
【0003】前記ニッケル系列の電池のうち、Ni−C
d電池がよく知られており、各分野において用いられて
きたが、カドミウムによる環境汚染を誘発するという問
題があり、最近にはエネルギー密度が高く無公害性であ
る水素貯蔵合金を陰極物質で用いたニッケル−水素電池
に関する関心が高くなっている。水素貯蔵合金とは水素
をMmNi5 系合金(Mmはメッシュメタル(misc
h metal)で、希土類元素の混合物を意味す
る。)に吸蔵させた合金を言う。前記水素貯蔵合金は低
圧で水素を吸放出する特性を有する。前記水素貯蔵合金
を陰極活物質として用いて密閉型ニッケル−水素2次電
池の陰極を製造するため、次の方法が今まで用いられて
きた。
【0004】(1)陰極活物質の粉末を電気的な伝導性
のある導電剤と共に焼結して極板を製造する方法 (2)発泡ニッケルのような電気的な伝導性がある3次
元構造の多孔質基板に陰極活物質を注入または積載させ
る方法 (3)電気的な伝導性がある2次元構造の多孔質基板に
陰極活物質を高分子結着剤で取付ける方法
【0005】上記の方法のうち、(1)の焼結方法は焼
結工程中に陰極活物質の表面が酸化され、これによって
水素の吸放出が抑圧され電極の伝導性が低下して放電電
圧が低くなり、結局には電池の放電容量の低下をもたら
すことになる。(2)における3次元多孔質基板を用い
る方法は電池に有利な色々の特性を有するが、決定的に
極板が占有する嵩に比べて陰極活物質が占有する空間の
制約が激しくて電池の容量を小さく設計しなければなら
ないという問題点があり、その以外にも基本的に3次元
多孔質基板の価格が非常に高いので、価格競争力面にお
いても問題がある。(3)における2次元構造の多孔質
基板を用いる方法は極板の効率的な利用で電極のエネル
ギー密度を高めるに有利であるが、接着力が弱くて陰極
活物質を2次元構造の薄い板形態の集電体に結着し難い
という問題点がある。かかる問題を解決するために結着
剤を用いている。前記結着剤としてはポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリビニルアルコール及びメチルセルロー
スなどの高分子結着剤が使われている。しかし、前記結
着剤は決着力が期待ほど大きくないので前記陰極活物質
を2次元構造の集電体に決着させるためにはかなり多く
の高分子結着剤を添加しなければならない。ところで多
量の結着剤を使う場合、結着剤が不導体であるので、こ
れによって極板の伝導度が低くなり放電電圧が低くな
る。また、結着剤の被膜が厚くなることにより合金の内
外部への水素ガスの吸放出が難しくなって結果的に水素
平衡圧を高め、反応速度を低めることにより電池耐圧の
増加および高率充放電特性の低下をもたらすという問題
点がある。
【0006】また、ニッケル−水素電池の充放電工程中
に酸素及び水素ガスが発生した状態で続けて充放電サイ
クルを進めると前記ガスによって陰極の酸化が促進され
て電池の寿命が短縮され、容量が低下される。従って生
成されたガスを除去しなければならず、このために陰極
の容量を陽極容量より大きく構成して電池の充放電反応
に参加しない過剰量の陰極(充放電リザーブと言う)が前
記生成されたガスを吸収分解して除去する方法を利用し
ている。
【0007】しかし、陰極の主な構成物質である水素貯
蔵合金及び導電剤は親水性で電池反応中水が活物質表面
にとまるので前記発生された酸素と水素の結合反応が妨
害されて酸素と水素が水になる反応速度が著しく減少さ
れる。このため電池内部にある水素と酸素の量が増え続
けて内部圧力が上がるようになる。従って陰極での酸素
分解反応が円滑に行われるよう陰極板に疎水性を付与し
てガスが陰極板で反応できる界面を広げる方法を使って
いる。前記方法を用いて陰極板に疎水性を付与すると極
板表面に3状界面(気体−液体−固体)が形成されてガス
の接近が易しくなり、極板でガスが吸収または分解され
て電池の内圧が減少される。
【0008】このように極板の疎水性を付与するための
撥水剤としてポリテトラフルオロエチレンを使って来
た。しかし、前記ポリテトラフルオロエチレンは極板の
表面だけを疎水性化してその効果が期待ほど大きくない
ので好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は前記
問題点を解決するためのものであり、その目的は、第一
は、結着効果がすぐれた結着剤を用いて2次元多孔質基
板と活物質組成物間の接着力の優秀なニッケル−水素電
池用陰極を提供することである。第二は、陰極活物質の
微粉化現象と陰極活物質表面の酸化による電池熱化現象
の防止効果が優秀なニッケル−水素電池用陰極を提供す
ることである。
【0010】また本発明の他の目的は充放電工程で発生
される水素及び酸素ガスを効果的に除去して電池の内圧
を著しく減少できるニッケル−水素電池用陰極の製造方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は電流集電体、前記電流集電体に塗布された
活物質組成物及び前記活物質組成物上に塗布された撥水
剤を含むニッケル−水素電池用陰極に於いて、前記活物
質組成物は水素貯蔵合金、ニッケル粉末またはカーボン
ブラックを含む衝撃吸収剤、増粘剤と、アクリロニトリ
ルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエ
ンゴム、アクリル酸ブタジエンゴム、クロロプレン、ア
クリルエマルションおよびこれらの混合物からなる群か
ら選択される結着剤とを含み、前記撥水剤はフッ素樹脂
を含むニッケル−水素電池用陰極を提供する。
【0012】本発明は水素貯蔵合金、ニッケル粉末また
はカーボンブラックを含む衝撃吸収剤、増粘剤と、アク
リロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、アクリル酸ブタジエンゴム、クロ
ロプレン、アクリルエマルションおよびこれらの混合物
からなる群から選択される結着剤とを含むニッケル−水
素電池用陰極活物質組成物を集電体に塗布し、前記陰極
活物質組成物が塗布された集電体を撥水剤に沈積して撥
水剤をコーティングする工程を含むニッケル−水素電池
用陰極の製造方法をさらに提供する。
【0013】本発明のニッケル−水素電池用陰極は電流
集電体、活物質組成物及び撥水剤を含む。また前記活物
質組成物は活物質である水素貯蔵合金、結着剤、衝撃吸
収剤及び増粘剤を含む。
【0014】前記集電体は規則的に孔が掘れている多孔
性の電気的な伝導性を有する2次元構造の基板を用いる
ことができる。2次元構造の基板を用いると極板の効率
的な利用で電極のエネルギー密度を上げることに有利で
ある。
【0015】ニッケル−水素電池の場合、陰極の容量が
陽極の容量より大きく設計されて電池全体のエネルギー
密度を増加させるためには陰極のエネルギー密度が高く
なければならず、2次元構造の集電体を用いるとかかる
条件を満たせられるので好ましい。
【0016】一般にニッケル−水素電池に於いて、陰極
の容量が陽極の容量より大きく設計される原因は充電時
陰極板に吸収されなかった水素ガスと過充電時陽極で発
生される酸素による内圧の増加を抑制するために、また
過充電、過放電時電池を保護するために陰極に別途に付
与された充放電リザーブのためである。前記充放電リザ
ーブとは陽極の容量より大きい陰極の容量部分、すなわ
ち過剰量の陰極を言い、前記過量の容量部分は予め充電
された部分と充電されていない部分に構成される。この
時予め充電されなかった部分を充電リザーブと言い、予
め充電された過量の部分を放電リザーブと言い。
【0017】しかし、前記2次元構造の基板を使うと活
物質と基板との接着力が弱くなって活物質を2次元構造
の基板に付着させるためには結着剤を使わなければなら
ない。
【0018】前記ニッケル水素電池用結着剤は次のよう
な物性を有するのが好ましい。まず電池の電解液である
アルカリ水溶液に対して安定しなければならず、ある程
度の温度についても安定して化学的及び物理的に使いや
すいのが好ましい。また結着剤を多く使う場合電池の内
圧が増加し、高率充放電特性の低下などの問題点が発生
するので少量でも決着力を持たなければならない。また
前記極板群が密閉電池の内部に挿入される時にはシリン
ダ形態で曲がるので極板にある程度の物理的な衝撃を耐
える柔軟性及び弾性を付与しなければならない。また極
板になるための混合物が練った状態で集電体に塗布され
なければならないので水性の液体に分散させ得なければ
ならない。
【0019】本発明ではかかる物性を有する結着剤でア
クリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、アクリル酸ブタジエンゴム、クロ
ロプレン、アクリルエマルションおよびこれらの混合物
からなる群から選択されるものを用いた。特に、ブタジ
エンゴム、アクリル酸ブタジエンゴム、クロロプレン、
アクリルエマルションおよびこれらの混合物からなる群
から選択されるものを用いるのが一層好ましい。
【0020】前記結着剤の使用量は前記陰極活物質であ
る水素貯蔵合金に対して0.2〜3重量%であるものが
より好ましい。前記範囲より多い量が添加されるとそれ
に比例して極板の伝導度が低くなって放電電圧が低め、
結着剤皮膜が厚くなることによって陰極活物質の内外部
への水素ガス吸放出が難しくなって結果的に水素平衡圧
が増加し、反応速度が低くなって電池内圧が増加し、高
率充放電特性が低下されて好ましくない。その反対に前
記範囲未満である場合は陰極活物質が集電体基板に対す
る決着力が落ちて極板が物理的、化学的衝撃に弱くな
る。
【0021】前記水素貯蔵合金は水素をMmNi5 系合
金に吸蔵させた合金を言う(Mmはメッシュメタルで、
希土類元素の混合物を意味する。)。前記MmNi5
合金中Niの一部をCo、Mn及びAlに置換したAB
5 型合金が一番広く使われており、その例としてはMm
Ni3.55Al0.3 Mn0.4 Co0.75がある。前記水素貯
蔵合金は高温で酸化を防げる酸化防止合金にコーティン
グされた水素貯蔵合金を陰極活物質として用いるのが好
ましい。前記酸化防止合金はCeO2 、Y2 3 、Ca
(OH)2 、Yb2 3 よりなるグループの中から選択さ
れる合金が好ましい。前記水素貯蔵合金重量対比1〜5
重量%の前記酸化防止合金で前記水素貯蔵合金をコーテ
ィングするのが好ましい。前記酸化防止合金を前記範囲
より小さく用いると酸化防止合金でコーティングして表
される効果が得られない。また、水素貯蔵合金の5重量
%の酸化防止合金を使用すると所望する効果が得られる
ので5重量%を超える過量を使うことは好ましくない。
酸化防止合金で前記水素貯蔵合金をコーティングする
と、前記水素貯蔵合金の耐久性が高められ、従って電池
反応が反復されることによって水素貯蔵合金が微粉化さ
れ、表面が酸化されて電池熱化現象を防止することがで
きる。
【0022】前記衝撃吸収剤は前記陰極活物質である水
素貯蔵合金周囲で衝撃を吸収する緩衝剤として作用する
物質を言う。前記衝撃吸収剤を使うと、電池反応が続け
られることによって陰極活物質の内外部へ水素の吸放出
が持続的に行われて活物質が収縮、膨張されることによ
って活物質が微粉化し、その同時に活物質の極板から脱
落する現象が防止できて好ましい。前記衝撃吸収剤で電
池の導電性を害しない物質であるニッケル粉末、黒鉛粉
末及びケチェンブラック(Ketjen Black)などのカーボン
ブラックなどが使えられる。特にその中で活物質組成物
スラリーの粘度が過渡に高くなることが防止できる密度
の低い物質であるニッケル粉末とカーボンブラックが好
ましい。従って本発明では衝撃吸収剤として1.3g/
cm3以下のタップ密度を有するニッケル粉末を前記水
素貯蔵合金重量対比3〜5重量%の量で使ったり、また
はカーボンブラックを前記水素貯蔵合金重量対比0.0
5〜0.4重量%の量で使うのが好ましい。衝撃吸収剤
を前記範囲より小さく使うと衝撃吸収剤を使って得られ
る効果が現れなくて好ましくない。またニッケル粉末ま
たはカーボンブラックを水素貯蔵合金重量対比5重量%
または0.4重量%以内の量で使うと目的とする効果が
充分に出るのでそれ以上の過量を使うのは好ましくな
い。
【0023】また本発明に於いて、前記増粘剤はメチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースよりなるグループから選択さ
れる化合物が使えられる。
【0024】前記撥水剤は極板に疎水性を付与するため
に使う疎水性を有する物質である。極板に撥水剤を塗布
すると極板表面に3状界面(気体−液体−固体)に形成さ
れてガスの接近が易しくなり、極板でガスが吸収または
分解されて電池の内圧を減少することができる。
【0025】前記撥水剤としては表面張力の低いフッ素
樹脂は全て使えられる。しかし、表面エネルギーが10
〜20dyne/cmであるフッ素樹脂であったり、無定型の
フッ素樹脂であったり、またはC3 8 、C4 10、C
5 12、C5 11NO、C614、C7 16、C
8 18、CCl3 F、CCl2 2 、C2 3 Cl3
2Cl3 3 、C2 ClF5 からなる群から選択され
るフッ化カーボン溶液に分散されたフッ素樹脂が好まし
い。さらに好ましくは3M社製品である商品名FC72
2のように無定形形態のフッ素樹脂をC6 14(商品名
PF5060)などのように表面張力の低いフッ化カー
ボン溶媒に分散させたフッ素樹脂を使うことである。前
記フッ化カーボン溶媒に分散させたフッ素樹脂に極板沈
積コーティングするのがコーティングの厚さを薄くしな
がら極板全体に均一な膜を形成するに一番有利なので電
池の内圧減少効果も一番大きく、不導体である膜が陰極
表面にもう一層生ずることによる副作用は最小化される
ものと表される。
【0026】ニッケル系列電池用陰極組成物に一般的に
導電剤が含められるが水素貯蔵合金を使う陰極活物質組
成物は伝導性が非常に良いので別途の導電剤は要らな
い。
【0027】前記本発明のニッケル水素電池用陰極を製
造する代表的な方法は次の通りである。
【0028】陰極活物質である水素貯蔵合金に結着剤を
添加する。続いて増粘剤、衝撃吸収剤を添加してニッケ
ル−水素電池用陰極活物質組成物を製造する。該組成物
を集電体に塗布し、続いて撥水剤に沈積してニッケル−
水素電池用陰極を製造する。
【0029】前記陰極活物質組成物スラリー(前記混合
物の練り)を集電体に塗布するためには粘度が低くて流
動性が優秀なものが好ましい。しかし、陰極活物質の比
重が大きくて全体的にスラリーの比重が大きくなること
によって集電体基板に塗布時流れることになる。かかる
流れを防止するためにはスラリーの粘度を上げる必要が
ある。スラリーの粘度を高めるためには増粘剤の量を増
加し、水の量を減少させた。しかし、スラリの粘度が高
すぎると混合物の分散がよく行われず、工程中にスラリ
ーを扱うのに細かい注意と多くの設備が必要となる。例
えば粘度が高すぎると気泡発生が多いのでそれを除去し
なければならない。従ってスラリーの粘度があまり高く
なることを防止しなければならず、本発明ではこれのた
めに追加で他の物質を添加せず、衝撃吸収剤をカーボン
ブラックのような密度の低い物質を使って粘度があまり
高くなることを防止した。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例お
よび比較例について詳細に説明する。この実施例は本発
明の好ましい一実施例であり、本発明はこれに限定され
ない。 (実施例1)組成式MmNi3.55Al0.3 Mn0.4 Co
0.75(Mmはメッシュメタルを意味する。)の水素貯蔵
合金100gに結着剤として48%固形分濃度を有する
スチレンブタジエンゴム懸濁液を固形分の量が1gにな
るように調節して添加した。次いで、増粘剤としてカル
ボキシメチルセルロースナトリウム塩を0.2g、スラ
リーの比重を低め、極板の物理的電気化学的な衝撃を吸
収させる目的で衝撃吸収剤であるケチェンブラック0.
6gを添加してニッケル−水素電池用陰極活物質組成物
を製造した。この組成物を集電体に塗布し、撥水剤であ
る3M社の0.2重量%のFC722(溶媒C6 14
商品名PF5060)に沈積させてニッケル−水素電池
用陰極を製造した。前記陰極、ニッケル陽極とセパレー
タと電解液とともに電池カンに挿入して4/5Aサイズ
1800mAhの電池を製造した。この時の陰極と陽極
の容量比率は1.6であった。
【0031】(実施例2)結着剤としてアクリルエマル
ションを固形分の量が1gになるように添加したことを
除いては前記実施例1と同様の方法で製造した。
【0032】(実施例3)水素貯蔵合金に3重量%のC
eO2を添加してボールミルで24時間攪拌したことを
水素貯蔵合金に用いたことを除いては前記実施例1と同
様の方法で製造した。
【0033】(実施例4)撥水剤としてポリテトラフル
オロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)
を用いたのを除いては前記実施例1と同様の方法で製造
した。
【0034】(比較例1)結着剤としてポリテトラフル
オロエチレン2gを添加したことを除いては前記実施例
1と同様の方法で製造した。
【0035】(比較例2)ケチェンブラックを添加しな
いことを除いては前記実施例1と同様の方法で電池を製
造した。ただし、合金以外の添加剤はケチェンブラック
が除外された比率ほど増加させた。
【0036】前記実施例および比較例の方法に従って製
造した電池の利用率、寿命および耐圧を測定し、その結
果を下記の表1に示す。
【表1】 (利用率は半分電池で陰極合金の単位重量当たり容量を
測定して270mAh/gを基準に百分率で示し、寿命
は1C充放電で初期容量の90%程度まで低下されるま
でのサイクル数である。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明のニッケル−水素
電池用陰極活物質組成物を2次元伝導性基板に塗布する
と、陰極活物質が伝導性基板によく付着されるので高密
度の陰極を製造することができる。従って、合金の安定
的な取付状態を保持して極板の寿命が増加し結着剤量の
最小化で放電電圧が高く。また、本発明の撥水剤を用い
て極板を沈積コーティングすると極板の表面の3相界面
の十分な確保により電池の耐圧が減少して密閉化を可能
にする効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黄 祐 鉉 大韓民国京畿道水原市勧善区勧善洞三星ア パート7棟1002号 (72)発明者 姜 秉 ヒュン 大韓民国京畿道水原市八達区梅灘洞1172− 7番地 (72)発明者 張 允 漢 大韓民国京畿道華城郡東灘面山尺1里山尺 保健診療所(番地なし)

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流集電体、 前記電流集電体に塗布された活物質組成物及び、 前記活物質組成物上に塗布された撥水剤を含む陰極に於
    いて、 前記陰極活物質組成物は水素貯蔵合金、 ニッケル粉末またはカーボンブラックを含む衝撃吸収剤
    と、 増粘剤と、 アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエン
    ゴム、ブタジエンゴム、アクリル酸ブタジエンゴム、ク
    ロロプレン、アクリルエマルションおよびこれらの混合
    物からなる群から選択される結着剤とを含み、前記撥水
    剤はフッ素樹脂を含むニッケル−水素電池用陰極。
  2. 【請求項2】 前記結着剤の使用量は前記水素貯蔵合金
    に対して0.2〜3重量%である請求項1に記載の陰
    極。
  3. 【請求項3】 前記結着剤はブタジエンゴム、アクリル
    酸ブタジエンゴム、クロロプレン、アクリルエマルショ
    ンおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求
    項1に記載の陰極。
  4. 【請求項4】 前記ニッケル粉末は1.3g/cm3 以下
    のタップ密度を有し、前記水素貯蔵合金重量対比3〜5
    重量%で用いる請求項1に記載の陰極。
  5. 【請求項5】 前記カーボンブラックは前記水素貯蔵合
    金重量対比0.05〜0.4重量%を用いる請求項1に
    記載の陰極。
  6. 【請求項6】 前記水素貯蔵合金はCeO2 、Y
    2 3 、Ca(OH)2 、Yb2 3 からなる群から選
    択される酸化防止合金を前記水素貯蔵合金重量対比1〜
    5重量%の量でコーティングされた請求項1に記載の陰
    極。
  7. 【請求項7】 前記増粘剤はメチルセルロース、カルボ
    キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
    ロースからなる群から選択される請求項1に記載の陰
    極。
  8. 【請求項8】 前記撥水剤は表面エネルギーが10〜2
    0dyne/cmであるフッ素樹脂である請求項1に記載の陰
    極。
  9. 【請求項9】 前記撥水剤は無定形形態のフッ素樹脂で
    ある請求項1に記載の陰極。
  10. 【請求項10】 前記撥水剤はフッ化カーボン溶液に分
    散されているフッ素樹脂である請求項1に記載の陰極。
  11. 【請求項11】 前記フッ化カーボンはC3 8 、C4
    10、C5 12、C5 11NO、C6 14、C7 16
    8 18、CCl3 F、CCl2 2 、C23Cl3
    2 Cl3 3 、C2 ClF5 からなる群から選択され
    る請求項10に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記集電体は規則的に孔が掘れている
    電気的な伝導性を有する2次元構造の金属板である請求
    項1に記載の陰極。
  13. 【請求項13】 水素貯蔵合金、ニッケル粉末またはカ
    ーボンブラックを含む衝撃吸収剤、増粘剤とアクリロニ
    トリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタ
    ジエンゴム、アクリル酸ブタジエンゴム、クロロプレ
    ン、アクリルエマルションおよびこれらの混合物からな
    る群から選択される結着剤とを含むニッケル−水素電池
    用陰極活物質組成物を集電体に塗布し、前記陰極活物質
    組成物が塗布された集電体をフッ素樹脂を含む撥水剤に
    沈積する工程を含むニッケル−水素電池用陰極の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記撥水剤は表面エネルギーが10〜
    20dyne/cmであるフッ素樹脂である請求項13に記載
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記撥水剤は無定形形態のフッ素樹脂
    である請求項13に記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記撥水剤はフッ化カーボン溶液に分
    散されているフッ素樹脂である請求項13に記載の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 前記フッ化カーボンはC3 8 、C4
    10、C5 12、C5 11NO、C6 14、C7 16
    8 18、CCl3 F、CCl2 2 、C23
    3 、C2 Cl3 3 、C2 ClF5 からなる群から選
    択される請求項16に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記集電体は規則的に孔が掘れている
    電気的な伝導性を有する2次元構造の金属板である請求
    項13に記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記水素貯蔵合金はCeO2 、Y2
    3 、Ca(OH)2 、Yb2 3 からなる群から選択さ
    れる酸化防止合金を前記水素貯蔵合金重量対比1〜5重
    量%の量でコーティングされたものである請求項13に
    記載の製造方法。
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