JPH09180717A - アルカリ蓄電池用ニッケル電極 - Google Patents
アルカリ蓄電池用ニッケル電極Info
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- JPH09180717A JPH09180717A JP7342627A JP34262795A JPH09180717A JP H09180717 A JPH09180717 A JP H09180717A JP 7342627 A JP7342627 A JP 7342627A JP 34262795 A JP34262795 A JP 34262795A JP H09180717 A JPH09180717 A JP H09180717A
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Abstract
電効率の低下を抑制し、広範囲の温度下における充放電
効率に優れたアルカリ蓄電池用ニッケル電極を提供する
ことを目的とする。 【構成】 水酸化ニッケルを活物質の主成分とするアル
カリ蓄電池用ニッケル電極において、前記水酸化ニッケ
ルに希土類元素を固溶状態で含有させたアルカリ蓄電池
用ニッケル電極とすることで、上記目的を達成できる。
Description
ウム蓄電池、ニッケル−水素化物蓄電池、ニッケル−亜
鉛蓄電池などに用いられるアルカリ蓄電池用ニッケル電
極に関するものである。
ル電極を正極として用いたニッケル−カドミウム蓄電
池、ニッケル−水素化物蓄電池、ニッケル−亜鉛蓄電池
などの各種アルカリ蓄電池は、高いエネルギー密度を有
し、低公害であるため注目され、近年ポータブル機器用
あるいは電気自動車用電源としての研究開発が盛んに行
われている。
ペースト式ニッケル電極は、耐アルカリ性金属の多孔体
であるニッケル繊維多孔体や発泡ニッケル多孔体などを
電極基板とし、その基板に水酸化ニッケル粉末を増粘剤
水溶液を用いてペースト状活物質として充填することに
より作製される。
ル電極を高温下で充電した場合、充電効率の低下が生じ
ることが知られている。これは、水酸化ニッケルの充電
反応電位と酸素ガス発生電位の差が元々小さいため、高
温下ではさらに水酸化ニッケルの充電反応と酸素ガス発
生反応との電位差が小さくなり、両反応が競合するため
である。そこで従来、この現象を解決する手段として、
電解液として用いられている水酸化カリウム水溶液に、
水酸化リチウム水溶液を添加する方法や、水酸化ニッケ
ルの結晶中にコバルトを固溶状態で添加する方法等が提
案されている。
中への水酸化リチウムの添加は、放電電圧や低温時の放
電容量を低下させるという欠点があり、広範囲の温度下
における良好な電池性能が保持できないという問題を生
ずる。一方、水酸化ニッケル結晶中へのコバルトのみの
固溶添加は、ニッケル電極の充電電位をより卑な電位に
するが、同時に放電電位をも卑な電位にし、電池出力低
下の原因となるという問題点がある。従って、これらの
手段を採用した場合、高温下での充電効率以外の性能向
上に対してさらなる対策が必要となっていた。
であり、放電電位を低下させることなく高温下での充電
効率の低下を抑制し、広範囲の温度下における充放電効
率に優れたアルカリ蓄電池用ニッケル電極を提供するこ
とを目的とするものである。
に本発明のアルカリ蓄電池用ニッケル電極は、水酸化ニ
ッケルに、希土類元素、若しくは希土類元素およびコバ
ルト、若しくは希土類元素および亜鉛、若しくは希土類
元素とコバルトおよび亜鉛を、固溶状態で含有させたこ
とを特徴とする。さらに、前記希土類元素がYb、E
u、Erの内少なくとも1種であることを特徴とし、前
記活物質が以下に示す組成式を有することを特徴とする
ものである。 (Ni1-a Xb Coc Znd )(OH)2 (ただし、X=Yb、Eu、Erの内1種以上、a=b
+c+d、0.02≦a≦0.20、0 ≦c<0.20、0 ≦d<0.
20)
含有させることにより、水酸化ニッケルの酸素過電圧を
適切に高くすることができる。すなわち、放電電位を低
下させることなく高温下での充電効率の低下を抑制でき
る。加えて、希土類元素およびコバルトを固溶状態で含
有させることにより、水酸化ニッケルの酸素過電圧を高
くするだけでなく、ニッケル電極の放電電位が卑になら
ない範囲で高温下の充電反応電位を卑にすることができ
る上、水酸化ニッケル粒子内の導電性を向上させ、活物
質の利用率を向上させることができる。また、希土類元
素および亜鉛を固溶状態で含有させることにより、水酸
化ニッケルの結晶内部に歪みを生じさせることができ、
活物質の利用率を向上させるだけでなく、γ−NiOO
Hの生成による電極膨潤も抑制することができる。さら
に、希土類元素とコバルトおよび亜鉛を固溶状態で含有
させることにより、これらの効果を複合して得ることが
できる。
極を作製することにより、放電電位を低下させることな
く高温下での充電効率の低下を抑制し、広範囲の温度下
における充放電効率に優れたアルカリ蓄電池用ニッケル
電極を提供することができるものである。
に説明する。
ルビウムを加えた水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を
滴化しながら撹拌し、且つpHを11〜14の範囲に保
つことによりYbの固溶した水酸化ニッケル粒子を析出
させ、水洗・乾燥して目的組成の水酸化ニッケル粉末を
得た。
量の硝酸イッテルビウムおよび硝酸コバルトあるいは硝
酸亜鉛のいずれか、もしくは両方を加えた水溶液に、水
酸化ナトリウム水溶液を滴化しながら撹拌し、その他の
条件は同一とした水酸化ニッケル粉末も得た。
し、硝酸イッテルビウムを加えずに同様の手法で作製し
た水酸化ニッケル粉末も得た。
末に導電補助剤として一酸化コバルトを混合し、さらに
増粘剤を溶解した水溶液を加えてペースト状にしたもの
をニッケル繊維基板に充填、乾燥後所定の厚みにプレス
してニッケル電極を作製し、本発明電極A〜E、比較電
極F〜Hとした。これらを正極とし、負極に公知のシン
ター式カドミウム電極を用い、正極容量規制の電極群を
構成した。次いで、電解液として比重1.28の水酸化
カリウム水溶液を過剰に注液し、24時間放置後、ニッ
ケル電極の理論容量の0.1C相当の電流で15時間充
電、0.2C相当の電流で両極間電位が1Vに至るまで
放電することを1サイクルとする充放電を5サイクル繰
り返し、充分に活性化を行った。その後これらの電池を
用いて各種充放電試験を行った。
に示す。
極Fについて、高温充電効率とYb含有量との関係を図
1に示す。なお、試験条件は、45℃の温度下で、ニッ
ケル電極の理論容量の0.1C相当の電流で15時間充
電した後、0. 2C相当の電流で両極間電位が1Vに至
るまで放電したものである。また、45℃の充電効率
は、20℃での充電効率を100とした百分率で表した
(以下、同じ)。図1より、充電効率はYbの含有量が
多いほど増加することが分かる。これは、Ybを固溶状
態で含有させることにより、水酸化ニッケルの酸素過電
圧が高くなるが、Ybの含有量が多いほど酸素過電圧が
より高くなるため、充電反応と酸素ガス発生反応の電位
差を大きくすることができ、充電効率を向上させること
が可能となったと考えられる。
較電極Gについて、Yb若しくはCo含有時の高温充電
効率とCo含有量との関係を図2に示す。なお、試験条
件は、図1での評価と同じく45℃の温度下で、ニッケ
ル電極の理論容量の0.1C相当の電流で15時間充電
した後、0.2C相当の電流で両極間電位が1Vに至る
まで放電したものである。
場合はYbを添加していない比較電極Gであっても比較
的高温下での充電効率は良好であるが、Ybを添加した
本発明電池AおよびCの方が充電効率は良好である。ま
た、CoをYbと同時に含有する本発明電池Cは、Yb
のみを添加した本発明電池Aよりも充電効率は更に向上
する。これは、Coが高温下の充電反応電位をより卑に
する効果を持つために、Ybとの相乗効果によって高温
下の充電反応と酸素ガス発生反応の電位差を大きくする
ことができるためと考えられる。さらに、Coが高次酸
化物の形態を取ることにより、水酸化ニッケル粒子内の
導電性を向上させ、活物質の利用率の向上も期待するこ
とができる。ただし、Coを多量に添加した場合には放
電反応電位も卑にすることから、添加量を適切な範囲に
制限する必要がある。
較電極Hについて、Yb若しくはZn含有時の高温充電
効率とZn含有量との関係を図3に示す。なお、試験条
件は、図1、2での評価と同じく45℃の温度下で、ニ
ッケル電極の理論容量の0.1C相当の電流で15時間
充電した後、0.2C相当の電流で両極間電位が1Vに
至るまで放電したものである。図3から明らかなよう
に、ZnとYbを同時に含有した本発明電極D、及びZ
n、CoとYbを同時に含有した本発明電極Eの充電効
率は向上している。また、Znを含有する場合でも、Y
bを添加していない比較電極Hでは、むしろ充電効率の
低下がみられる。さらに、ZnとYbを同時に含有する
本発明電極Dは、Ybのみを添加した本発明電極Aより
も充電効率は向上する。これは、Znが酸素発生電位を
貴にする効果を持つために、水酸化ニッケルの充電反応
と酸素ガス発生反応の電位差を大きくすることができる
ためと考えられる。また、ZnはNiとイオン半径が異
なるため水酸化ニッケルの結晶内部に歪みを生じさせる
ことができ、活物質の利用率を向上させるだけでなく、
γ−NiOOHの生成による電極膨潤も抑制する効果が
期待できる。これらのZnの効果は、Znのみを添加し
た場合には、Ybのみを添加した場合に比較して高温充
電効率の低下が認められるが、Ybとの同時添加、若し
くはCo、Ybとの同時添加によっては損なわれること
はなく、むしろ前述したYbやCoの添加効果との相乗
効果を良好に得ることができる。
較電池F〜Hに比較して、放電電位を低下させることな
く高温下での充電効率の低下を抑制し、広範囲の温度下
における充放電効率に優れたアルカリ蓄電池用ニッケル
電極であることがわかる。
粉末中に固溶状態で含有させたが、希土類元素であるE
u又はErを含有させても同等の効果が得られる。ま
た、Eu又はErとCo、Eu又はErとZn、若しく
はEu又はErとZn、Coを同時に含有させた場合
や、Yb、Eu又はErを同時に添加した場合、さらに
はYb、Eu又はErとCo、若しくはYb、Eu又は
ErとZn、若しくはYb、Eu又はErとZn、Co
を同時に含有させた場合にも同等の効果が得られる。更
に、他の希土類元素を含有させても効果がある。
における充放電効率に優れ、安定した容量特性を持つア
ルカリ蓄電池用ニッケル電極を提供することができ、そ
の工業的価値は大である。
b含有量との関係を示す図である。
含有時の高温充電効率とCo含有量との関係を示す図で
ある。
含有時の高温充電効率とZn含有量との関係を示す図で
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 水酸化ニッケルを活物質の主成分とする
アルカリ蓄電池用ニッケル電極において、前記水酸化ニ
ッケルに希土類元素を固溶状態で含有させたことを特徴
とするアルカリ蓄電池用ニッケル電極。 - 【請求項2】 水酸化ニッケルを活物質の主成分とする
アルカリ蓄電池用ニッケル電極において、前記水酸化ニ
ッケルに希土類元素およびコバルトを固溶状態で含有さ
せたことを特徴とするアルカリ蓄電池用ニッケル電極。 - 【請求項3】 水酸化ニッケルを活物質の主成分とする
アルカリ蓄電池用ニッケル電極において、前記水酸化ニ
ッケルに希土類元素および亜鉛を固溶状態で含有させた
ことを特徴とするアルカリ蓄電池用ニッケル電極。 - 【請求項4】 水酸化ニッケルを活物質の主成分とする
アルカリ蓄電池用ニッケル電極において、前記水酸化ニ
ッケルに希土類元素とコバルトおよび亜鉛を固溶状態で
含有させたことを特徴とするアルカリ蓄電池用ニッケル
電極。 - 【請求項5】 前記希土類元素が、Yb、Eu、Erの
内少なくとも1種である請求項1から4記載のアルカリ
蓄電池用ニッケル電極。 - 【請求項6】 前記活物質が、以下に示す組成式からな
る請求項1から4記載のアルカリ蓄電池用ニッケル電
極。 (Ni1-a Xb Coc Znd )(OH)2 (ただし、X=Yb、Eu、Erの内1種以上、a=b
+c+d、0.02≦a≦0.20、0 ≦c<0.20、0 ≦d<0.
20)
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EP96931980A EP0794584A4 (en) | 1995-09-28 | 1996-09-25 | HYDROGEN STORAGE ELECTRODE, NICKEL ELECTRODE AND ALKALIS MEMORY BATTERY |
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1995
- 1995-12-28 JP JP34262795A patent/JP3788484B2/ja not_active Expired - Fee Related
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