JPWO2008012934A1 - 表示装置とその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示装置は偏光板を用いることで50%の光ロスを生じていた。また従来の横電界粒子移動型表示装置では応答速度、駆動電圧、明るさ、コントラストなどで難点を有していた。【解決手段】帯電した微粒子が透明な液体またはガス媒体中に分散された分散系が基板間に挟まれてセルを構成しており、該セル中の微粒子分散状態を該基板に垂直方向のセルの光学的遮蔽状態とし、細線からなる駆動電極と共通電極間に電圧を印加して該微粒子を該基板に水平方向に移動させる横電界粒子移動型表示装置において、微粒子量は微粒子分散状態において該セルの光学的透過率が10%以下、該駆動電極と共通電極の電極間ピッチPが5〜100μm、電極の面積率が20%以下、セルギャップdをピッチpの0.2〜1.5倍とすることによって高透過率、高コントラスト、低電圧駆動のモノクロおよびカラー表示が薄型、軽量、高速が可能となり多方面への適用が可能となった【選択図】図3

Description

少なくとも1方は透明な基板間に、帯電した微粒子が媒体中に分散された分散系が挟まれてセルを構成しており、該微粒子を電界で移動させて、該セルの基板に垂直方向の光透過性あるいは光反射率を変化させる表示装置において、電界を印加するために設けられた駆動電極と共通電極の電極間ピッチPが5〜100μ、画素内の駆動電極面積率が20%以下、セルギャップdをピッチpの0.2〜1.5倍に設定したことを特徴とした表示装置であって、高精細小型パネルをライトバルブとした拡大投射表示、小型からメートルサイズの直視型表示装置、薄型フレキシブルな白黒およびフルカラー電子ペーパ表示、基本セルないし基本パネルを2次元状に多数配列した数10メートルを超える超大型表示装置まで広範囲の表示サイズに適用でき、また反射専用、透過専用あるいは反射、透過両用に適用可能な表示装置とその製造法に関するものである。
従来の薄型表示装置の代表は液晶表示装置であり、モノクロはじめ赤(R)、緑(G)、青(B)の3色カラーフィルタを設けてそれに対応した液晶層を、透過率を変化させるシャッターとして動作させ、R,G,B光の加色法によってフルカラーを実現している。背後に白色バックライトが設けられたものは透過型カラー液晶装置であり、液晶TV、パソコンモニター、携帯電話の表示装置など広く利用されている。しかるに液晶表示装置の重大なる難点の1つは偏光板を用いることによる50%を超える光ロスである。
液晶以外の表示装置として透明液体ないしガス体に分散された微粒子を表示面に対して水平方向に移動集積させることによって光線透過性ないしは光線反射性を変化させる横電界方式粒子移動表示法が提案されている(特許文献1〜13)。その構成は図1および図2に示す通り、透明カウンター電極3を設けた透明基板1と、コレクト電極4を設けた基板2との間に微粒子分散系が挟まれており、電極3と電極4間に電圧を印加して粒子をカウンター電極3上に堆積させるか、面積の小さいコレクト電極4上に集積させるかによってセルの光透過率を変えることを特徴としている。すなわち微粒子が黒色光吸収性の場合(A),(C)では暗状態、(B)、(D)では明状態になる。
他の構成は図2に示されている。ここでは透明コレクト電極4および透明カウンター電極3が同一面上に設けられており、粒子を透明カウンター電極3上に堆積させるかないしは粒子分散状態で暗状態、透明コレクト電極4上に堆積させた時明状態となる。
図1および図2の如き電極構成及び表示モードでは駆動電圧の上昇、応答速度の低下を来たすという重大な問題を抱えていた。すなわち図1(A)、図2(A)から明らかな通り、両端のコレクト電極4の中間辺り(すなわちセル中央部)にある粒子は電界が弱い上に、明暗時にこれらの粒子をコレクト電極上ないしカウンター電極中央部までもたらすには長い距離を移動させる必要があり、明、暗の切替時間(応答速度)が極端に悪化する問題があった。また不均一電界中で面積の大きいベタ透明カウンター電極上に粒子を均一に堆積させることが困難であるため、コントラストに優れた表示を実現することが難かしかった。さらに画素に大きな透明カウンター電極を設けているため反射型で使用する場合、光線は透明電極を2回通過するからたとえ透過率が90%であっても(0.9=0.81)20%以上の光線ロスを発生する。3層積層した場合には0.9より反射明度は53%以下に低下するという難点があった。従来の表示装置では高コントラスト、高透過率を実現する条件が提示されていなかった。図1(C)の如き電極構成及び表示モードでは確かに画素面内で電界強度を均一化した点で優れている。また暗状態を必ずしも粒子をカウンター電極に集積した状態ではなく、粒子がほぼ均一に分散した状態を用いていることも応答性改善に繋がる。しかしながら大面積のベタ透明画素電極を設けている点で図1(A),図2(A)と同様の光ロスは避けられないことと分散粒子量、コレクト電極幅、電極ピッチ、セル厚等について実用面からの検討がなされておらず、高コントラスト、高透過率、低電圧駆動、高速応答を実現する条件も提示されていなかったために実用性に乏しいものであった。

特開昭49−24695公報 特開平03−91722公報 USP5,745,094 特開平9−211499 特開2001−201770 特開2004−20818 特表2005−500572 特開2002−333643 特開2003−248244 特開2005−3964 特開2004−258615 特開2004−252277 特開2002−122890
表示装置では応答速度は早いことが望ましい。実用的な応答速度を実現するには電気泳動による粒子移動の場合、通常0.2〜2V/μ程度の電界強度が必要である。表示装置の画素は用途によって種々のサイズが存在する。拡大投射に用いるライトバルブでは小型、高精細が要求されるから画素サイズは10μ以下の場合もある。一方屋内外に設置される公衆ディスプレイではセンチメートルオーダの画素になる場合もある。本願では粒子ディスプレイをあらゆるサイズの画素に適用し、尚且つ実用的な駆動電圧で透過率、コントラスト、応答速度等ディスプレイとしての重要な特性を最適化することによって実用性を向上させたものである。
上記課題を解決するために、本発明では従来同様横電界を用いるものであるが、透過率、コントラスト、応答速度など表示性能を向上させると共に、駆動電圧を低減させるセル構成と表示モードを提案するものである。
本発明の基本セルの構成は図3(A)に示す通り、ガラス、プラスチックなど少なくとも一方は透明な2枚の基板1,2間に設けられた隔壁20によりセル8が構成され、該セル内には透明媒体に微粒子5が分散された分散系7が充填されており、下基板には図4に示すような細線からなる一対の電極6−1、6−2がセルの全面に設けられてセル8が構成されている。
図3(A)のようにセル8中にカーボンブラックなどの黒色光吸収性の微粒子5が均一に分散された状態では透明基板2から入射した光は、微粒子5の隠ぺい力が十分ならば黒色となる。
図3(B)のように電極6−1と6−2間にDC電圧を印加すれば、微粒子5が正に帯電している場合クーロン力により負極の電極6−1上に集積する。この場合粒子が集積した線状電極6−1以外の領域は光を遮るものがなく透明となる。ここで6−1、6−2間に逆極性の適切なDC電圧パルスないしAC電圧を印加すれば6−1上の微粒子は電極を離れてセル8中に拡散分布し、セル8は再び不透明となる。このようにセル8内の分散状態の粒子量(したがって6−1へ集積させる粒子量)を変えることによってセルの透過率を連続的に変化でき集積状態の粒子も、分散状態の粒子も電圧を切って後もその状態を維持するため表示はメモリ性を有する。分散系7はガス又は透明な液体中に正または負に帯電した微粒子が分散されたものから成り、液体の場合は粒子の移動は電気泳動と呼ばれる。電極6−1、6−2の形状は図4に示すように、櫛型、渦型、これらと類似形状など種々の形が用いられるがいずれも細線から構成されていることが共通している。全体形状は短形、円形、六角形など任意である。
本発明では粒子を集積する電極6−1を駆動電極、他方の電極6−2を共通電極と呼ぶ。細線状の駆動電極がセル全面に存在する故に共通電極6−2との間の強いエッジ電界で粒子は集積、分散を繰り返すことが出来、セルの周辺のみに電極を設けた図1の場合に較べて特に画素が大きくなった場合応答速度が顕著に向上する。また粒子を移動させる電界強度は6−1と6−2の電極間距離、駆動電圧で決まるからセルサイズに拘わらず低電圧でも十分な電界を作用させることが可能になり、低電圧駆動で高速応答を実現できることになる。
細線状の駆動電極はアルミ、クロム、金、タンタルなどの金属を蒸着やスパッタで設けてフォト処理でパタン化した薄膜や、導電性塗料を印刷、インクジェット描画などで設けた導電性厚膜などで構成できる。一対の電極は上基板1に設けられていてもかまわない。
微粒子を駆動電極に集積した時共通電極表面や両電極間隙、あるいは上下基板内面に固着して残存することはセルの明状態の光透過性を阻害するゆえに好ましくない。従ってセルのこの部分には微粒子の固着を妨げるようフッ素化合物などの低表面張力物質のコーティングあるいは粒子の帯電と同極性に帯電するような表面処理がなされていることが望ましい。また分散媒が液体の場合は微粒子と液体の比重は出来るだけ近接していることが粒子の沈降や浮上を生じさせにくいことから望ましい。
本発明で分散状態とはブラウン運動により比重差に拘わらず液体中に安定に微粒子が均一分散したコロイド状態は勿論、基板1,2内面のいずれかないし両面に一部ないし殆どの粒子がゆるく付着した状態、粒子が互いにゆるく凝集し、両電極間に3次元網目構造を形成している状態も含むものである。また微粒子は1種類である必要はなく、光学的特性を最適化するため各種のものが混在していてもよい。微粒子5は通常光吸収性のものが使用されるが、二酸化チタンのように白色等反射性のものを用いることも可能であり、この場合セル8の微粒子分散状態では入射光が微粒子で散乱反射されその程度に応じて透過光は減衰する。反射で見る場合は粒子分散状態で粒子の色、基板2ないし透明基板2の下部が粒子と異なる色(たとえば黒色)であれば粒子集積状態での反射色はほぼ黒色となる。
本願の如き受動型表示装置では表示性能を決するものは、透過率(反射率)、コントラスト、色純度、応答速度、解像度、視野角などであり、装置としては駆動電圧、消費電力も重要な要素となる。図3の如き表示装置で透過コントラストは粒子分散状態(暗)の透過率と粒子集積状態(明)の透過率で決定される。特に十分な暗状態を作り出すことがコントラスト向上には必須用件となる。コントラスト1000:1、100:1、10:1以上を実現するにはセルの粒子分散状態での透過率は各々0.1%(光学濃度3以上)、1%(光学濃度32上)、10%未満(光学濃度1以上)である必要がある。本願のセル構成では分散系の粒子濃度を増せば分散状態の透過率を上記値にすることは極めて容易である。しかし粒子濃度を増すと一般に粒子の移動速度が遅くなる、明状態の透過率が悪化しやすいなどの障害が発生するから不必要に粒子濃度を上げるのは得策ではない。
図5を用いて本表示装置での粒子集積時の明状態の透過率について述べる。十分ないんぺい性が得られる濃度に微粒子を分散させた分散系中の粒子をすべて上基板に集積したと想定しこの時の粒子層の厚みをd、画素の面積をSとする(A)。1画素の表示面から見た駆動電極の総面積をΔsとし、分散粒子をすべてΔsに集積した明状態では、駆動電極上の粒子層の厚みhはd*S/Δsとなる(B)。明状態はS−Δsを最大化すなわちΔsを最小化することで実現される。Δs/Sを駆動電極の面積率と定義する。面積率を10%、20%とすればほぼ90%、80%の透過率を実現できることになる。しかしながらこの時のΔs上の粒子層の厚みhは各々dの10倍、5倍になる。すなわち極小の面積の駆動電極に出来るだけ厚く粒子を積み上げれば高透過率と高コントラストを実現できることになり、dが小すなわち隠ぺい力の高い粒子を用いるほど薄い粒子層で上記高パフォーマンスが実現できることが期待できる。隠ぺい力は粒子そのものの特性は勿論、粒径が深く関与し、隠ぺい力が高くなる粒径を選ぶべきである。
極小の面積率は図4の如き細線状の電極を利用して実現でき、駆動電極幅は製造の容易さ、、電極の信頼性および集積粒子層の安定性を考慮して可能な限り最小幅で形成すべきである。線幅30μ以下、望ましくは10μ以下、ライトバルブ等では数μ以下で用いるのが望ましい。たとえば100μ幅の画素に5μ幅の駆動電極を4本設けても面積率20%であり、電極をより細線化することによって面積率を10%以下にすることは可能である。
粒子濃度を下げれば粒子の移動速度は速くなり、分散系を厚くすれば低粒子濃度(g/cm3)でも隠ぺい性ないし着色力を高めることができる。しかしながら電極から遠のくほど粒子に作用する電界が弱まり、かつ電極に集積するには粒子は長い距離を移動する必要があり応答が遅くなる。
経験上セルギャップは電極ピッチpの0.2〜1.5倍程度(20〜150%)に選ぶと電界の波及性が確保され従ってオン(明)、オフ(暗)時の応答性が確保できる。
電気泳動での粒子移動で実用的な応答性実現には先述の通り0.2〜2V/μ程度の電界強度が必要であり、画素サイズに係らずこの電界強度は確保したい。図4(A)に示す電極ピッチpを5〜100μ程度に選び、セルギャップdを電極ピッチpの0.2〜1.5倍(1μ〜150μ)にすれば、対向電極間電圧1V〜200Vで上記電界強度0.2〜2V/μがほぼ確保できる。直視型ディスプレイに限れば電極ピッチは20〜50μ程度、セルギャップ10〜75μ、印加電圧4〜100Vが実用的である。公衆表示の超大型ディスプレイで画素が数mm〜数cmのものでも電極ピッチを上記20〜50μ程度で構成すれば十分低電圧で駆動できることになる。
一方ライトバルブのような小型高精細パネルで画素サイズが10μ程度では電極をセル両端に設けた電極ピッチ約10μで用いるか、セル両端ないし隔壁の下部または隔壁側面に設けた駆動(共通)電極間に共通(駆動)電極1本を入れて、ピッチ約5μで用いればよい。
以上、電極ピッチ、セル厚は駆動電圧、応答速度に深く係り、それぞれの実用的な値を示した。
ちなみに特許文献2では400μ幅の電極が1000μの間隙で配置される実例が記載されているから面積率=Δs/S=400/1400=28.5%となり、100μのセルギャップに100〜300Vを印加して55%の透過率と110のコントラストが報告されている。セルギャップの電極ピッチに対する割合は100/1400=7.1%で極めて小さく帯状電極間中央部の電界は極度に弱くなってしまう。最大電界強度1〜3v/μであるが、これはあくまでも対向している電極間の電界であって帯状電極間中央部では粒子に作用する電界は図1(A)と同様極めて低下せざるを得ず応答速度の低下をきたし電界均一化がなされているとは言い難く実用上問題があった。
以上述べた通り、駆動電圧、応答速度の低減は電極ピッチとそれに対応したセル厚の設定により、透過率、コントラストの向上はΔsの低減、分散粒子の選定、分散粒子量の最適化によって実現できると言える。
本発明で用いる電極構成は図3、図4に示したものの他、種々の形式が利用可能である。
図6(A)には図4の一方の電極を対向基板上に設けた場合を示す。分散系が多少厚くなっても図3の場合より全体として粒子に強い電界を印加できる。
図6(A)のようにそれぞれを異なる基板上に電極を設ける場合、図7に示すように駆動、共通各線状電極はストライプ、格子、渦など閉じられた電極構成でもよい。
駆動電極と共通電極が同一パタンで互いに重なり合う位置にある図6(A)と互いに少しずらす場合(図6(B))がある。図6(B)の場合は共通電極は透明にすべきであり、各電極間の中央部にある粒子にはより強い電界を作用できる利点があるが粒子に正、負両極性のものを用いた場合透過率が低下する欠点が発生するから粒子は同極性のものを選ぶべきである。
図6(C)は両基板にそれぞれ図4の如き共通電極と駆動電極対を有するもので尚且つ駆動電極と共通電極が重なり合うように配置したもので、図6(B)と同様微粒子を再分散させる時に電界による基板間の流体の流れが微粒子分散に寄与する。
図6(D)は駆動電極どうしを重ね合わすよう配置したもので表示面から見て同一領域に粒子を多層に積層できるから、透過率向上に寄与する。
図6(E)は共通電極が駆動電極とは別基板にあり、かつ透明ベタ電極の場合を示す。駆動電極は図7のようにストライプ、格子、渦など閉じられたものかあるいは図4のような閉じられない電極構成が自由に選択できる。この場合も線状駆動電極間にある粒子に電界を作用させやすいが、粒子は単極性でなければ開口率で不利になる。透過での暗状態は粒子分散状態やベタ電極への粒子堆積状態で実現できる。共通電極が透明であるとはいえ幾分光を吸収するから先述した通りセルを積層して使用する場合光ロスが大きくなる不利益が発生する。本発明で共通電極がベタ電極の場合や駆動電極と共通電極が異なる基板に設けられている構成では、駆動電極と共通電極の電極間ピッチPとは駆動電極と共通電極の最短距離を意味する。
図6(F)は図6(E)の透明ベタ共通電極の対向側に図4の如き駆動、共通電極対を設けた構成である。粒子分散状態を高速化するのに有用な構成であるが、共通電極は透明なものを用いるべきである。
図6(G)は図4ないし図7の如き細線状共通電極6−2と絶縁層23を隔てて同じく細線状駆動電極6−1がピッチをずらせて設けられている。両電極を片側基板側のみに形成できることや両電極の形状自由度が高まる利点がある。共通電極6−2には透明なものを用いるべきであり、応答速度の低下を来たさないよう分散系厚は薄く構成すべきである。
図6(H)は図6(G)の共通電極6−2をベタ透明電極に置き換えたものである。両電極を片側基板側のみに形成できる利点がある。透過で用いる時は暗状態は粒子分散状態かないしは駆動電極部以外の絶縁層23上に粒子を均一に堆積させることによっても実現できる。
以上、図6の各電極構成で駆動電極、共通電極の各々がたとえ異なる基板にあっても互いに電気的に結合してセルは駆動電極、共通電極の2端子素子として動作させるよう構成されている。
図6ではすべて粒子は単一極性として説明したが、電極構成によっては両極性粒子の方が有利な場合がある。
先にも述べた通り、不透明な分散粒子を表示面から見て最小の断面積で集積できれば透過率を最大化できる。決められた粒子量の集積断面積を小さくするということは粒子を出来るだけ厚く積み上げることであり、以下にその対策を示す。
図8(A)は駆動電極上での粒子の集積断面積が長軸が基板に垂直なほぼ楕円形状に積み上った例であり、(1)粒子の電気抵抗が小さい場合集積粒子層により局所電界は強められるから粒子層は図のように厚く集積し易い。
(2)共通電極と駆動電極間の電界が出来るだけ狭い範囲に収束している場合も集積粒子層を厚くするのに有効であり、片方ないし両方の電極幅を狭くすること、また図6(A)のように共通電極も駆動電極パタンとほぼ同型にして互いのパタンがほぼ重なるように配置することで駆動電極上の電界を収束できる。
(3)図8(B)に示すように電極部に細い窪みを設けておき粒子を強制的に窪みに誘い込めば集積断面積を小さくできる。窪みはたとえば共通電極ないしは駆動電極面に一様にフォトレジストなどを塗布し、フォトエッチングで電極上部を穴あけして形成できる。
(4)図8(C)に示すように駆動電極に微小突起を設けて局所電界を集中させる。
(5)図8(D)に示すように分散系に正、負両極性の粒子を混在させておけば駆動電極、共通電極の両方に粒子を集積できることになり、両電極が互いに重なる位置関係にあれば実質的に集積粒子層の厚みを単一極性の場合の2倍にすることに相当し、高透過率が実現できる。
図6(A)、(C)のような電極構成の時、両極性分散系が有効である。このような電極構成の場合は両電極共不透明電極でよく電極材料の選択自由度が増す。
分散媒がガス体の場合、帯電系列が正、負になりやすい粒子を混在させておくとまさつ帯電などで常に粒子の正、負電荷量を安定して保持できることから、単粒子系よりより安定性の高い分散系が実現できることも好都合である。
両極性粒子系では再度セルを暗状態にするにはお互いの電極上の粒子が電極を離れきる程度までの適切なパルス幅の逆電圧が選ばれるべきである。適切な周波数のAC電圧を印加しても粒子を分散状態にすることができる。
上に述べた開口率向上策を活用して駆動電極の面積率を20%以下、好ましくは10%以下にすることが望ましい。特許文献2では両電極に透明なものを使用しているが、本願では細い駆動電極上に粒子をできるだけ積み上げることを目指しているから細くする限り駆動電極は不透明でよい。
図3で粒子を隔壁20によってセル内部に閉じ込めるのは微粒子が隣のセルに移動するのを妨げ各画素内の粒子濃度を一定に維持するためである。隔壁で微粒子を閉じ込める代りに、微粒子分散系をカプセル内に閉じ込めてもよい。
図9(A)では微粒子分散系を内臓したカプセル粒子10を配列した断面図を示す。各カプセルの下部にたとえば細線からなる面状の櫛型駆動電極、共通電極が設けられている場合は1個のカプセルを1画素とでき、横n個のカプセルにまたがって1対の電極が設けられている場合はたとえば正方画素ではn×n個のカプセルで1画素を形成する。図9(B)は球形カプセル粒子10を基板間に加えた圧力でほぼ直方体になるように変形させた例であり、カプセル粒子の直径より小さいスペーサでギャップを形成している。このような変形を加えることによって隔壁と同様な直方体の形で用いることができ、開口率向上と隔壁を形成する工程を除くことができる。本願ではカプセルを単粒子層で描いているが、カプセル粒子は表示原理から明らかな通り必ずしも単層である必要はない。ただしカプセル中心が基板垂直方向に一直線に並ぶ等軸構造が望ましい。
基板にフィルムを用いたフレキシブルシートディスプレイの場合は特に、両基板は隔壁の上下両面と各々接着していることが好ましい。カプセル粒子を用いた場合はバインダー樹脂が上下基板の接着に寄与する。微粒子をカプセルに閉じ込めることによる他の利点は、液状ないし流動性粉体としての微粒子分散系を固体化でき表示素子面への塗布、上下基板の貼り合わせ等における取り扱いの容易さである。カプセル粒子を用いる場合も電極パタン及び電極構成は図3、4,6,7の種々の構成が選択できる。
本発明でセルとは、隔壁ないしカプセルで粒子を閉じ込めた領域を言う。一対の電極は1つのセルに設けられる場合もあれば、多数のセルに対して1組設けられる場合もある。画素とは一対の電極を有する領域を言うから1個のセルの場合もあれば多数のセルから成る場合もある。
図10(A)は光線ロスを防止したフルカラー表示素子の断面を示し透過でも使えるよう背面に光源13からなるバックライトユニット17を設けたもので、図3の如きセルを3層積み重ねた積層セル24で構成されている。ただし3層の微粒子5は各々C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)色のものが用いられる。Y,M粒子が適度に分散状態にあり、C粒子が電極集積状態にあれば、その部分はR(赤)、C,M粒子が適度に分散状態でY粒子が電極集積状態では同じく減法混色によりB(青)、Y,C粒子が分散状態ではG(緑)となる。勿論C粒子、M粒子、Y粒子のみ分散状態では夫々C,M,Y色となる。C,M,Yパネルに加えて、より完全に光を遮断するために白-黒に変調できる第4のセルが追加され4層構成をとる場合もある。またセルの積層順序は任意に選択可能である。白色光源オフの状態では白色拡散板により反射カラーパネルとして使用できる。マルチカラー表示では色の異なる分散系の2層構成でもかまわない。
良好なコントラスト、色純度のカラー表示を実現するには、C,M,Y各パネルで十分なコントラストが実現される必要がある。C,M,Y粒子はそれぞれR,G,B光を吸収する粒子である。先述した通り本願で用いるC,M,YパネルはそれぞれR,G,B光の吸収帯において透過率が20%以下、望ましくは10%以下になるように各パネルの粒子濃度を設定することが望ましい。
本発明のカラーパネルは図10に示す通り、特許文献7と同様少なくともC,M、Yに変化する粒子層を3層積層するものであるが、透明電極を用いない構成が可能であるため、低コストで明るく、高信頼性のパネルが製造できる。すなわち特許文献7のセル構成では1色当り少なくとも1層の透明電極が用いられているから反射で見る場合、入射光は6回透明電極を通過しなければならず、透明電極の透過率が仮に90%でも0.9=0.53で47%の光エネルギーをロスしてしまうことになり明るい白色は再現できない。また画素が大きくなると駆動に高電圧を要する難点も有していたが本願では画素の大小に係わらず低電圧で駆動できる特徴が発揮できる。
図10(B)は図10(A)の如き積層セル24の背面に電極ピンを設け、各色の駆動電極および光源に信号を印加できるように構成した電極ピン25付きフルカラー素子を示す。各色にフィルム基板を用い、LEDやELのような薄型光源でバックライトユニットを構成すれば数mm厚のフルカラー素子とすることも可能である。各素子をカラー指示器として用いてもよいが、このような基本セルをX−Yマトリクス状に多数並べることによって光源非点時は反射型、点灯時は発光型となる反射、発光両用のフルカラー超大型表示システムを構成することができる。
単一画素素子は勿論多画素のパネルを用いた多画素ピン付きパネルが可能であることは言うまでもない。各素子を曲面状に配置することによって曲面表示も可能である。各画素の端子がピンを通じて外部に取り出せるから、スタチック駆動、マルチプレクス駆動、アクティブマトリクス駆動など駆動方式の自由度は高まる。
図10(A)の3層積層型表示装置では画素サイズにくらべて間に入る基板の厚さが厚い場合、反射で見た時視角が制約される。図10(A)において断面図は1画素を示すとした場合、基板垂線からの角度θを越えた方向から見ると反射光線は3層すべてを通過していないから正しい色を見ることが出来ない。画素サイズをSとすれば1色分のセル厚q(上基板、分散系、下基板、接着層の合計)はq=S/(3×tanθ)となる。一般にn層積層ではq=S/(n×tan(θ))となる。θ=60度(tan(θ)=1.73)ではq=S/5.19より、画素サイズが0.1mm、1mmの場合q≒、19.2μ、190μ、θ=80度(tan(θ)=5.65)の時q≒5.9μ、59μとなる。すなわち積層型反射表示装置は間に入る基板を極力薄くしないと視野角に優れた表示を実現することが困難になる。この点透明基板としてフィルムは薄さゆえに有利である。
図11はC,M,Yのカプセル粒子を積層したカラーパネルの断面図を示す。電極を設けた基板にカプセルを敷き詰めたものを接着剤を介して各色順次積層すればよいから基板枚数を減らし易く、視角特性の点で有利なセルが構成できる。
多数の画素から構成される表示装置の駆動法には(1)スタチック(2)単純マトリクス (3)2端子アクティブマトリクス(4)3端子アクティブマトリクス などがある。
図12は単純マトリクス構成のパネルを製造する工程を示す。ガラス、プラスチックなどの基板2にアルミ、クロム、金などの電極薄膜を蒸着やスパッタで設けて後フォトエッチプロセスで図12(A)に示すように列電極Ciおよびこれに連なった駆動電極6−1を形成する。次に少なくとも列電極の所定箇所に絶縁層23を形成して後、共通電極6−2、行電極Riを形成する(B)。こうして得られた電極付き基板と他の絶縁性基板との間に隔壁かカプセル化によって分散系を所定位置に閉じ込め表示パネルが構成される。列電極Ciに信号を、線状共通電極Riに走査信号を加えて線順次で表示が果たされる。パネル構成が単純であるから低コストで製造できるメリットがあるが、各画素には閾値特性が要求されるため通常、表示容量の大きい用途には使えない。
表示容量を拡大するにはアクティブマトリクス(以下AMと略称する)構成を採用する必要がある。図13は陽極酸化膜が金属電極間に挟まれたいわゆるMIM(Metal Insulator Metal)素子からなる2端子AMアレーの製造工程を示す。アルミ、タンタルなどの金属薄膜で平行線状列電極Ciを形成して後、列電極Ciを陽極酸化して表面に酸化膜を形成する(A)。ついで金属膜を蒸着ないしスパッタによって設け、たとえば櫛型駆動電極6−1を形成する(B)。駆動電極と列電極が交差する領域に2端子素子21が形成される。次に列電極の、少なくとも後に行電極と交差する箇所に絶縁層23を形成して後、共通電極6−2、走査電極Riを形成(C)することによって2端子AMアレーが形成される。こうして得られた電極付き基板と他の絶縁性基板との間に隔壁かカプセル化によって所定位置に分散系を閉じ込め表示パネルが構成される。MIMの代りに、電極6−1とCiの交点部に酸化亜鉛のような半導体を樹脂に分散した非直線抵抗素子を挟み込んでも2端子AMアレーを形成できる。
図14はTFT(Thin film Transistor)3端子素子から成るAMアレーの2画素分の電極構成を正面図で示す。信号線Ciとは絶縁層で分離された駆動電極6−1はドレイン(D)電極に接続されており、ソース(S)電極は列電極Ciの1部からなり、S,D間には半導体、ゲート絶縁膜が積層されている。列電極部に層間絶縁膜を設けてのち行電極Ri(ゲート電極)を設けて3端子AMアレーが形成される。共通電極6−2は列電極、行電極と絶縁層で隔てられて、列電極ないし行電極同様パネル全体に張り巡らされており、全画素共通の1端子としてパネル外に取り出されている。こうして得られたTFTからなるAMアレー基板のCi,Ri部に隔壁を設けるか画素中央部にカプセル粒子を設置し、透明絶縁性基板との間に分散系を閉じ込めて表示パネルが構成される。図14ではTFTはスタッガー型で示したが、逆スタッガー型TFTも勿論可能である。
図14のアレー構成は現在液晶モニター、液晶TVなどで用いられているIPS(In-Plane-Switching)モードのTFTパネルのアレー構成と殆ど類似している(但し、図4(A)の櫛型電極構成)。図13や図14のアクティブマトリクスパネルでは画素のドレインに印加された電圧を保持するためドレイン(駆動電極)と共通電極間に並列容量を付加することが望ましが、共通電極とドレイン電極間の絶縁層は並列容量として利用できる。
図12〜図14のマトリクスパネルでは電極はすべて片側基板に設けたもので説明したが、図6の種々の電極構成を採用してもよいことは言うまでもない。
図15は更に視角特性に優れた3層積層パネルを示す。ここでは1画素を3×3個の単層カプセル粒子10から成るとして図示している。カプセル粒子径が20μであればスペーサは約60μの高さを必要とする。あらかじめ基板にカプセル粒子の直径に相当する凹みを設けておけばスペーサは約50μでよい。図15では1層目、2層目、3層目のカプセル粒子に電界を作用させるためのTFTなどのスイッチ素子はすべて下基板2に形成された3色用X−Yアクティブマトリクスアレー13dで構成されているとして図示してある。
図15のような構成のアクティブマトリクスパネルを製造する方法として大きくは4つの方法が可能である。すなわち(1)C,M,Yカプセル粒子駆動用AMアレーはすべて基板2に形成(開口率向上のため隔壁ないしスペーサの下に設けられていることが望ましい)されており、各色用ドレイン電極とこれに対向する共通電極は隔壁ないしスペーサの内部か表面を通して形成し、アレー基板と隔壁ないしスペーサが形成された後にカプセル粒子を1層ずつ積み上げる。(2)C,M,Yカプセル粒子駆動用TFTはすべて基板2に形成されている点で(1)と同様であるが、各色用ドレイン電極、共通電極などの形成及び下部に形成されている対応する色用ドレイン電極との配線は色カプセルを敷き詰めた後に追加してゆく。(3)1色目のアレーが形成された基板に1色目のカプセル粒子を敷き詰めて、表面を平坦化して後2色目のTFTアレーを形成するというように、アレーとカプセル粒子層を順次形成してゆく。(4)あらかじめTFTアレーと色粒子で構成された単色アクティブマトリクスが形成された転写用基板から、接着層を設けた最終基板側に順次転写して3層を積層する。以上いずれの方法に於ても導体の積み上げには導体ペーストのインクジェット描画法やアディティブ法として広く用いられている電解ないし無電解メッキ法などが利用できる。
以上述べたようなたとえば縦M画素、横N画素からなる基本パネルを縦m枚、横n枚並べることによってM×m×N×n画素からなる大型表示システムを構成することが可能である。それぞれパネル間の隙間を出来る限り狭くするよう各パネルの電極は薄いFPCなどを用いてパネル面と垂直方向にパネル背面に引き出し、背面基板ないしバックライトの背後に設けた駆動回路と接続して駆動するように構成される。このような基本パネルを用いて、数10mサイズの反射、透過両用の低電力、高精細フルカラー大型公衆表示システムを構成することが可能になる。
図16はプロジェクターなどに用いる、シリコン基板を用いたAM反射型ライトバルブを示す。シリコン基板15上に形成されたFET素子からなるAMアレー上に絶縁膜23、画素部反射膜14、絶縁膜23、電極6−1、6−2を設け、各電極は絶縁膜23に設けた孔を介して対応するAM基板上のドレイン端子、共通端子と接続されており、透明基板1との間に分散系7が挟まれてライトバルブが構成される。たとえば1インチサイズでフルHD(1920×1440画素)のライトバルブを構成する場合、画素ピッチはほぼ11μ程度になる。隔壁高さは低いほど製造が容易であるから駆動電極ピッチ及びセル厚を数ミクロンとすれば、10V以下で駆動できるライトバルブが構成可能である。隔壁を絶縁性黒色にするか反射性隔壁の場合は上基板と隔壁の間に黒色膜を形成することが望ましい。
図16の反射型ライトバルブの構成はLCOS(liquid-crystal-on-silicon)と称する液晶ライトバルブでの液晶を微粒子分散系に置き換えることによって構成される。LCOSでは画素は上側透明電極、液晶層、下側反射電極構成となるが、本願での電極構成は図4、図6、図7に示す種々の構成が可能であるが、反射率を上げるため反射板14は必須である。LCOSと同様、超高圧水銀ランプなどの白色光源をダイクロイックミラーやプリズムでR,G,B光に分離し各色光を図16のライトバルブに照射して得たR,G,B色光像をレンズを用いてスクリーン上に拡大投射、合成してフルカラー像を得ることが出来る。光源にLEDや半導体レーザを用いれば小型プロジェクターを構成できる。フロントプロジェクターは勿論、途中で光路を折り曲げてリアプロジェクターも可能である。画素ピッチはモノクロの1/3になるが前面にカラーフィルタを設けることによって単板カラーライトバルブを構成することも可能であり、図15の如き3層積層パネルを構成すれば光利用率の高い単板式カラーライトバルブが構成可能である。分散系は隔壁型、カプセル型いずれを用いてもよい。反射型は光線が分散系層を2度通過するから分散系の粒子濃度が透過型の1/2でよく高速応答が可能である。
上記シリコン基板の代りに、石英などの耐熱性ガラスにポリシリコンなどでAMアレーを構成したAM基板を用いれば、単板式あるいは3板式高精細透過型ライトバルブを構成することが可能である。
現在の液晶カラーパネルの液晶を本発明の光変調素子で置き換えることによって容易にフルカラーパネルを構成できる。
図17に本発明の透過型フルカラーパネルの断面図を示す。現在の液晶カラーパネルのライトバルブとしての液晶を、白黒に透過率を変調できる微粒子を分散した分散系7に置き替えることによって構成できる。すなわちX−Yマトリクス構成のAMアレー13cが形成された透明ガラス基板2とストライプ状あるいはドット状にR,G,Bカラーフィルタ13a、ブラックマトリクス13bが設けられた透明基板1との間に分散系7が挟まれて構成されている。各画素となる駆動電極6−1、共通電極6−2はAMアレー13cの各ドレイン電極、共通電極と接続されている。各画素の電極は図4、図6、図7のいずれの構成を用いてもよい。
図17では隣り合う画素にR,G,Bカラーフィルタを設ける構成について述べたが、カラーフィルタを用いる代りに各セルの分散媒をR,G,Bに着色してもよい。但し各色セルをストライプ状ないしドット状に色分けして設ける必要がある。
R,G,B併置カラーフィルタないしR、G,B着色液を用いているため光変調素子への白色入射光の2/3をロスする欠点があるが、現状確立しているTFTアレーの量産プロセスと設備がほぼそのまま利用できる利点があり、小型から100インチを超える大型までサイズを問わず製造可能である。液晶カラーパネルの場合と違って、視角拡大フィルム、偏光板、配向膜、配向処理プロセスなどは不要であり、プロセスの簡易化、部材の低減化に加えて、偏光板が不要であることからより明るく、広視角の表示を実現することができる。
電子値札やメッセージ表示などでは必ずしもフルカラー表示でなくてもよい用途もある。図18では1層の分散系でカラーフィルタを用いることなくマルチカラー表示を行う例について述べる。透明分散媒中に色と移動速度の異なる微粒子が混合分散された分散系を用いればよい。すなわち電極6−1,6−2間にDC電圧を印加(第一パルス)して粒子を一方の電極に堆積(同極性粒子の場合)(図18(A))させれば、セルは透明(反射で見る場合反射板が白色なら白色)に見える。ここで適切な幅ないし波高値の逆極性DCパルス(第二パルス)を印加すれば、移動速度の速い粒子(第一粒子:赤色とする)がまず電極を離れ分散状態になるからここでパルスを止めればセルは移動速度の速い粒子の分散状態である赤色に見える(図12(B))。第二パルスより幅ないし波高値の大なる逆極性パルスの場合では第一粒子は対向電極6−2に集積してしまい、分散系には速度の遅い第二粒子(黒色とする)のみ分散していることになり、セルはほぼ黒色に見える(図12(C))。電極間に適切なAC電圧を印加すれば第一、第二粒子が共に分散状態になるからこれらの混合色である赤黒色が提示される。すなわち単層パネルで4色の色が選択できることになる。色の異なる微粒子が異極性でも移動速度が異なっていれば利用可能である。
図18では粒子の移動速度の違いを利用して多色表示する例について述べたが、電極に堆積した粒子を逆極性電圧の印加で電極から脱着させるのに粒子ならびに電極の性質により閾値電圧が存在する場合がある。異なる色の微粒子のこの閾値性の違いは有効に利用可能である。第一、第二粒子の閾値を各々V1、V2(V1>V2)とし、V1>V>V2の電圧Vでは第二粒子のみ分散させることが出来、V>V1の電圧Vでは主として第一粒子のみの分散状態を生じさせることが出来るからである。またV>V1のAC電圧で混合分散色を得ることができ、泳動速度の違いと併せて閾値性の違いも粒子の選択的分散に有効に活用でき、簡単な構成のパネルでマルチカラー表示が可能となる。
薄いフィルム基板を用いて図6(A)、(B)、(C),(D)など両面に電極を有するパネルや図10、図11、図15などの積層パネルを形成する場合、温度や張力によるフィルムの伸縮や曲がりのため両基板や各パネルの位置合わせが困難化する。両フィルム基板をあらかじめガラスなどの剛体基板に単個取りあるいは多数個取りを想定したサイズで貼り付けておき、電極、スイッチ素子、隔壁などの形成プロセスを実施して後、他方の基板に設けられたフィルム基板との間に表示媒体の挟み込み、封止を行なってフィルムパネルを形成し、しかる後剛体基板からパネルをはがす方法をとれば、フィルムの薄さ、伸縮性から生じる電極の上下位置合わせなどのプロセスの困難性は軽減する。
本願のフレキシブルパネルの製造に有効に活用できる転写法をたとえば積層型カラーパネルの製造に適用する場合について述べる。ガラスなどの耐熱性剛体基板にあらかじめアモルファスシリコン等の無機皮膜、ポリイミド、シリコン樹脂などの有機皮膜からなる剥離層を設け、その上に数ミクロン厚の有機ないし無機の基板材を設け、この上に電極やAM、必要に応じてスペーサを形成し、カプセル粒子を所定位置に敷き詰め、必要ならバインダーをUVないし熱で硬化する。ついでこの上に、使用する電極構成によっては電極を設けたフィルムなどの薄い基板の電極面とカプセル粒子層を接着剤を介して貼り合わせて一旦剛体基板上に表示パネルを完成させる。ついで最終パネルとなる基板を被転写基板とし接着剤を介して剛体基板上に形成済みの表示パネルを転写する。同様の方法で2色目、3色目を転写することによって図11のような構成の積層型フルカラーパネルを形成できる。カプセル粒子を敷き詰めた段階で被転写基板に転写、積層してゆけば図15のような構成の積層パネルが可能であり、実質粒子層のみからなる積層が構成可能である。
上下にのみ保護シートを設けても電子ペーパ等柔軟性が望まれる用途に好適なフルカラー表示パネルが実現できる。
単色パネルでは被転写基板を用いることなく剥離してパネルを完成させてもよい。カプセル粒子系のみならず隔壁型パネルも当然可能であり、AMアレーのみの転写、分散系まで充填してからの転写、パネルまで形成してからの剥離等、剥離、転写法は可とう性フィルム基板を用いる本発明のパネル形成に極めて有効に活用できる。10μ厚程度のフィルムを用い、各色セル厚30μのフルカラーパネルを構成して各セル間の接着剤厚を考慮しても図10の構成のパネルでも0.2mm以下の厚みに収まり、正に紙のようなフレキシブルディスプレイが実現できる。
パネル自体がフレキシブルであっても駆動回路、バッテリなどを搭載すると表示パネルのペーパライク性が損なわれてしまいがちである。本発明の表示パネルはメモリ性があるから一旦表示を更新すればドライバを切り離しても表示は維持される。従ってパネル電極端子部あるいは信号供給回路部を露出しておき、表示を更新する時のみ信号供給源に接続する、パネル/信号源分離方式を取ることもでき、ドライバを実装していない分低コストでパネルのフレキシブル性を確保できる。
現行のアモルファスシリコン(a-Si)AMの形成には400℃程度の高温プロセスを必要としているためフィルム上に直接s-SiAMを形成することが出来ない。しかるに耐熱性剛体基板上ですべての高温プロセスを遂行しておき、耐熱性に劣り、温度変化で伸縮の激しい有機フィルム上に常温近くで剥離、転写できることは位置合わせが困難なフィルム処理には極めて有効な手法と言える。剥離転写は被転写基板側の接着力が剥離層側の接着力に勝る時に実現できる。剥離層側の接着力を弱めるためにパルスレーザ光などを照射して、剥離層と剛体基板の熱膨張性の違いを利用したり、光照射で剥離層にガスを発生させて接着力を弱める方法などが利用される。
セルを多数積層する表示装置において注意すべきは、界面反射である。屈折率が異なる界面では必ず界面反射が生じる。図10、図11の3層積層型表示セルでは、モノクロ素子1層辺り多数の層(基板、分散媒、接着層)から成るから各層は出来るだけ透明性が高いのは勿論、屈折率のできるだけ等しい材料で構成し、不要な界面反射を軽減することが重要である。
本発明で使用する光変調素子の透明基板としてプラスチックフィルムを使用するとロールツーロールで連続量産できる特徴が発揮できる。
図19はロールツーロールでパネルを製造する例を示す。あらかじめAMアレーや電極パタン、スペーサなどが形成されたロール状フィルムが上ロールから供給されカプセル粒子の形態などで分散系が塗布される。一方、電極取り出しのためのパンチング孔が空けられ印刷またはインクジェット描画などでUVシール樹脂などのシール剤が設けられた下フィルム基板との間に気泡が残らないように両基板を正確に位置合わせして貼合、固着される。パンチングなどで切断して1色用フィルムパネルを一括複数枚連続生産することが可能である。低温プロセスが可能な有機TFTなどのAM形成プロセスはロールツーロールプロセスには相性がよく、勿論本願のロールツーロールパネル形成に有効に適応可能である。電極パタンやAM形成など前工程もロールツーロールで形成できれば正に理想的なロールツーロール量産工法になり得る。
ロールツーロール工法は1枚の連続フィルムでも実施でき、片側電極構成では特に容易である。ロールから供給されたフィルムに電極やAMアレーを形成して後、カプセル粒子層を所定箇所に印刷等で設けて後、透明保護層を塗布すればよい。
特に本願では図3のように片側基板にしか電極を必要としないパネル構成では製造の自由度が高い。下側フィルムにフォトレジストなどで隔壁を形成しておいてもよいが、UV硬化樹脂を塗布して仮硬化した膜などをエンボス加工などで隔壁とセルを形成後本硬化して分散系を充填し、電極やAM付き上フィルムで封止することによって隔壁型フィルムパネルを製造することも可能となる。
フィルム材料としてはビニル系のポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリスチレン、フッ素樹脂系など、またポリエステル系のポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなど、ポリアミド系のナイロン、耐熱性エンジニアリングプラスチックとしてのポリイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドなど種々のものが利用できる。
ポリマーフィルムは一般にガラス等にくらべてガスを透過しやすい。フィルムを使用した表示装置でフィルムが外気に曝されて水分などが分散系に入り込み特性を劣化させる場合が生じる。従ってフィルムパネルの信頼性を向上するためにはフィルム表面にガスバリア層を設けるのが有効である。ガスバリア層としては酸化ケイ素、窒化ケイ素などの薄膜、およびこれらの膜とビニルアルコール含有重合体などの有機膜との積層膜が有効なことが知られている。
本発明の光変調素子では隔壁部分ないしカプセル粒子間の隙間は光線透過率は変化しないから、光線透過方向のこの部分の幅は出来るだけ狭いことが望ましい。逆にこの部分が透明性であると光り抜けを生じ光変調素子の光線遮断力を低下させ純黒が得られなくなるからこの部分を黒色光吸収性にするか光反射性にすることが望ましい。1000:1以上の透過率変調を達成するには隔壁部を含む微粒子分散状態でのセルの光透過率を0.1%未満に押さえ込む必要があるが、隔壁部やカプセルのすき間からの光り抜けを必要ならブラックマトリクス(BM)層を設けて防止した上でセルないしカプセルに含有される微粒子の濃度を選定することによって達成可能である。
本発明に使用する材料について述べる。
微粒子としては先に述べた通りできるだけ隠ぺい力ないし着色力の高いものが望ましい。白黒用にはカーボンブラック、ピグメントブラック、黒鉛などまたはこれらが樹脂に埋め込まれたいわゆるトナーが使用できる。C,M,Y微粒子としては印刷インキ、カラー複写機用トナー、インクジェット用インキなどに用いられているアゾ系、フタロシアニン系、ニトロ系、ニトロソ系など各種有機顔料や酸化鉄、カドミウムエロー、カドミウムレッドなどの無機顔料など多様なものを用いることが出来る。Y色微粒子としてはハンザイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエローなど、M色微粒子としてはピグメントレッド、ローダミンB、ローズベンガル、ジメチルキナクリドンなど、C色微粒子としてはアニリンブルー、フタロシアニンブルー、ピグメントブルーKなど、黒色微粒子としてはC,M,Y微粒子を混合して用いてもよい。
微粒子は単体ばかりではなく帯電性や色調を最適化するため染料、顔料およびいくつかの色材を樹脂や液体と共に内包したカプセル微粒子を使用してもよい。粒子の形状は球形はじめ針状、棒状、鱗片状など異方形状のものは本願のように線状電極を用いる場合適したものと言える。何故なら分散状態では粒子はあらゆる方向を向いており、光線吸収能、光散乱能が高く、電極に集積した状態では針状や棒状粒子は電極に平行に配列しやすく、鱗片状では互いに重なり易いから、共に吸収ないし散乱断面積が減じコントラストが高まり易いからである。微粒子のサイズは5nm〜5μ程度が望ましい。微粒子は原子や分子レベルでの表面コートで表面変性したり、分散剤、界面活性剤等を用いて荷電性付与および良分散性がはかられ、電界で集積させた粒子層も逆電界で速やかに再分散されるように調整されている必要がある。
隔壁型パネルでは図6(G)、(H)を除き電極6−1、6−2は共に分散系に露出しているとして説明したが、粒子堆積の均一性向上、付着力制御、閾値性制御などの目的で導電性、半導電性あるいは絶縁性の皮膜で被覆する場合もある。
本発明で使用するマイクロカプセルの製法は公知の種々の方法が適用できる。すなわち、(1)化学的方法として代表的な界面重合法やin-site 重合法(界面反応法) (2)物理化学的方法として代表的な液中乾燥法、コアセルベーション法、融解分散冷却法 (3)機械的方法として代表的な噴霧乾燥法、乾式混合、オリフィス法などである。マイクロカプセルの膜材としてはゼラチン、アラビアゴム、メラミン樹脂、尿素樹脂、ホルマリン樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、アミノ酸樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂など多様な高分子材料が使用可能である。内部がガス体のマイクロカプセルは一般にマイクロバルーンと称される。
微粒子を内蔵したマイクロバルーンの製法としては、(1)微粒子にたとえば紫外光照射で窒素ガス等を発生するジアゾ成分などを導入ないし表面に吸着させておき、微粒子群を高分子樹脂で覆って後、紫外光を照射して内部にガスを発生させて微粒子内蔵中空カプセルを形成する (2)粒子群を気泡と共にカプセル化する (3)ドライアイスなど常温近辺で気体状態の物質を低温で液体化あるいは微粉末固体化して微粒子と共に低温下でカプセル化する などの方法が利用できる。
分散系7が空気や窒素などのガス体中に流動性の高い微粒子が分散された分散系では粒子移動に抵抗が少ないから高速応答の表示パネルが可能になる。微粒子表面に微小な凹凸形状を形成すると更に流動性が高くなること、またシランカップリング剤やシリコンオイルでの粒子の表面処理が帯電性制御、流動性向上に有効なことが知られている。
屋外用では強力な光に曝されることになるから、使用する材料(透明基板、接着剤、微粒子、分散媒、カプセル材料、バインダー樹脂、隔壁材料、電極、AMなど)には特に耐光性、耐熱性に優れたものを用いる必要がある。パネル表面はアクリル板などで補強したり紫外線吸収剤を内蔵したものないしは表面にコートして用いるべきである。見易さ改善には反射防止膜も有用である。
媒体が液体の場合シリコン系、石油系やハロゲン化炭化水素など多種類の高絶縁性溶媒が利用できる。
非直線素子材料としては先述の通りTa,Alなどの薄膜を陽極酸化して他方の金属で挟み込んだMIMや、カルコゲナイト系化合物、酸化亜鉛などの半導体が利用でき、TFT材料としてはa−Si、a-InGaZnO、ポリシリコンなどの無機半導体またペンタセン、ポリフルオレン、ポリフェキシルチオフェンなどの低分子や高分子の有機半導体が用いられる。
本発明は次のような効果を奏する。
帯電した微粒子を電界で移動させて、光透過性を変化させる表示装置であって、電極構成、セル中の微粒子量、電極ピッチ、セル厚、駆動電極面積率に検討を加えたことによって低電圧で高コントラスト、高透過率を達成し、拡大投射用高精細小型ライトバルブ、小型からメートルサイズの直視型表示装置、薄型フレキシブルな白黒およびフルカラー電子ペーパ、数10メートルを超える超大型表示装置まで広範囲の表示サイズに適用可能となり、反射専用、透過専用あるいは反射、透過両用に適用可能な表示装置が実現した。
は従来の横電界粒子移動型表示装置の原理を示す横断面図 は従来の横電界粒子移動型表示装置の原理を示す他の横断面図 は本発明の横電界粒子移動型表示装置の原理を示す横断面図 は本発明の表示装置に用いる電極の正面図 は本発明の表示装置の明状態の透過性を説明する図 は本発明の表示装置の他の電極構成を示す横断面図 は本発明の表示装置に用いる他の電極の正面図 は本発明の表示装置の明状態の透過性を向上するための電極部の横断面図 は本発明の表示装置の他の構成を示す横断面図 (A)は本発明の積層型カラーパネルの断面図、(B)は本発明のピン付きカラーパネルの斜視図 本発明のC,M,Yカプセル粒子を積層したカラーパネルの断面図 本発明の単純マトリクスパネルの製造工程と電極構成の正面図 発明の2端子AMアレー製造工程と電極構成の正面図 本発明の3端子AMパネルの画素部の電極構成の正面図 本発明のC,M,Yカプセル粒子を積層した他のカラーパネルの断面図 本発明のシリコン集積回路を下基板に用いた反射型ライトバルブの断面図 本発明のカラーフィルタ付きカラーパネルの断面図 本発明の単層マルチカラーパネルの動作原理を示す断面図 本発明のパネルをロールツーロールで製造する工程図の1例
符号の説明
1 透明上基板
2 下基板
3 カウンター電極
4 コレクト電極
5 微粒子
6−1 駆動電極
6−2 共通電極
7 分散系
8 セル
9 スペーサ
10 カプセル粒子
11 接着剤
12 白色拡散板
13 光源
13a カラーフィルタ
13b
ブラックマトリクス
13c X−Yアクティブマトリクスアレー
13d 3色用X−Yアクティブマトリクスアレー
14 反射板
15 シリコン基板
16 バインダー
17 バックライトユニット
18 C1,C2,C3,……… 列電極端子
19 R1,R2,R3,……… 行電極端子
20 隔壁
21 2端子素子
22 TFT素子
23 絶縁膜
24 積層セル
25 電極ピン
少なくとも1方は透明な基板間に、帯電した微粒子が透明な液体またはガス媒体中に分散された分散系が挟まれてセルを構成しており、該セル中の微粒子分散状態を該基板に垂直方向のセルの光学的遮蔽状態とし、該基板間に設けられた、細線からなる駆動電極と共通電極間に電圧を印加して該微粒子を該基板に水平方向に移動させて該細線状駆動電極に堆積させて、分散状態の微粒子量を変調させることによって該セルの光学的遮蔽状態を変調する横電界粒子移動型表示装置において、該駆動電極と共通電極は共に櫛型、渦型ないしこれらと類似の細線からなり、該微粒子量は微粒子分散状態において該セルの光学的透過率が10%以下になるように調整されており、該駆動電極と共通電極の電極間ピッチPが5〜100μm、該駆動電極の面積率が20%以下、セルギャップdをピッチpの0.2〜1.5倍に設定したことを特徴とした表示装置であって、高精細小型パネルをライトバルブとした拡大投射表示、小型からメートルサイズの直視型表示装置、薄型フレキシブルな白黒およびフルカラー電子ペーパ表示、基本セルないし基本パネルを2次元状に多数配列した数10メートルを超える超大型表示装置まで広範囲の表示サイズに適用でき、また反射専用、透過専用あるいは反射、透過両用に適用可能な表示装置とその製造法に関するものである。
従来の薄型表示装置の代表は液晶表示装置であり、モノクロはじめ赤(R)、緑(G)、青(B)の3色カラーフィルタを設けてそれに対応した液晶層を、透過率を変化させるシャッターとして動作させ、R,G,B光の加色法によってフルカラーを実現している。背後に白色バックライトが設けられたものは透過型カラー液晶装置であり、液晶TV、パソコンモニター、携帯電話の表示装置など広く利用されている。しかるに液晶表示装置の重大なる難点の1つは偏光板を用いることによる50%を超える光ロスである。
液晶以外の表示装置として透明液体ないしガス体に分散された微粒子を表示面に対して水平方向に移動集積させることによって光線透過性ないしは光線反射性を変化させる横電界方式粒子移動表示法が提案されている(特許文献1〜13)。その構成は図1および図2に示す通り、透明カウンター電極3を設けた透明基板1と、コレクト電極4を設けた基板2との間に微粒子分散系が挟まれており、電極3と電極4間に電圧を印加して粒子をカウンター電極3上に堆積させるか、面積の小さいコレクト電極4上に集積させるかによってセルの光透過率を変えることを特徴としている。すなわち微粒子が黒色光吸収性の場合(A),(C)では暗状態、(B)、(D)では明状態になる。
他の構成は図2に示されている。ここでは透明コレクト電極4および透明カウンター電極3が同一面上に設けられており、粒子を透明カウンター電極3上に堆積させるかないしは粒子分散状態で暗状態、透明コレクト電極4上に堆積させた時明状態となる。
図1および図2の如き電極構成及び表示モードでは駆動電圧の上昇、応答速度の低下を来たすという重大な問題を抱えていた。すなわち図1(A)、図2(A)から明らかな通り、両端のコレクト電極4の中間辺り(すなわちセル中央部)にある粒子は電界が弱い上に、明暗時にこれらの粒子をコレクト電極上ないしカウンター電極中央部までもたらすには長い距離を移動させる必要があり、明、暗の切替時間(応答速度)が極端に悪化する問題があった。また不均一電界中で面積の大きいベタ透明カウンター電極上に粒子を均一に堆積させることが困難であるため、コントラストに優れた表示を実現することが難かしかった。さらに画素に大きな透明カウンター電極を設けているため反射型で使用する場合、光線は透明電極を2回通過するからたとえ透過率が90%であっても(0.9=0.81)20%以上の光線ロスを発生する。3層積層した場合には0.9より反射明度は53%以下に低下するという難点があった。従来の表示装置では高コントラスト、高透過率を実現する条件が提示されていなかった。図1(C)の如き電極構成及び表示モードでは確かに画素面内で電界強度を均一化した点で優れている。また暗状態を必ずしも粒子をカウンター電極に集積した状態ではなく、粒子がほぼ均一に分散した状態を用いていることも応答性改善に繋がる。しかしながら大面積のベタ透明画素電極を設けている点で図1(A),図2(A)と同様の光ロスは避けられないことと分散粒子量、コレクト電極幅、電極ピッチ、セル厚等について実用面からの検討がなされておらず、高コントラスト、高透過率、低電圧駆動、高速応答を実現する条件も提示されていなかったために実用性に乏しいものであった。

特開昭49−24695公報 特開平03−91722公報 USP5,745,094 特開平9−211499 特開2001−201770 特開2004−20818 特表2005−500572 特開2002−333643 特開2003−248244 特開2005−3964 特開2004−258615 特開2004−252277 特開2002−122890
表示装置では応答速度は早いことが望ましい。実用的な応答速度を実現するには電気泳動による粒子移動の場合、通常0.2〜2V/μ程度の電界強度が必要である。表示装置の画素は用途によって種々のサイズが存在する。拡大投射に用いるライトバルブでは小型、高精細が要求されるから画素サイズは10μ以下の場合もある。一方屋内外に設置される公衆ディスプレイではセンチメートルオーダの画素になる場合もある。本願では粒子ディスプレイをあらゆるサイズの画素に適用し、尚且つ実用的な駆動電圧で透過率、コントラスト、応答速度等ディスプレイとしての重要な特性を最適化することによって実用性を向上させたものである。
上記課題を解決するために、本発明では従来同様横電界を用いるものであるが、透過率、コントラスト、応答速度など表示性能を向上させると共に、駆動電圧を低減させるセル構成と表示モードを提案するものである。
本発明の基本セルの構成は図3(A)に示す通り、ガラス、プラスチックなど少なくとも一方は透明な2枚の基板1,2間に設けられた隔壁20によりセル8が構成され、該セル内には透明媒体に微粒子5が分散された分散系7が充填されており、下基板には図4に示すような細線からなる一対の電極6−1、6−2がセルの全面に設けられてセル8が構成されている。
図3(A)のようにセル8中にカーボンブラックなどの黒色光吸収性の微粒子5が均一に分散された状態では透明基板2から入射した光は、微粒子5の隠ぺい力が十分ならば黒色となる。
図3(B)のように電極6−1と6−2間にDC電圧を印加すれば、微粒子5が正に帯電している場合クーロン力により負極の電極6−1上に集積する。この場合粒子が集積した線状電極6−1以外の領域は光を遮るものがなく透明となる。ここで6−1、6−2間に逆極性の適切なDC電圧パルスないしAC電圧を印加すれば6−1上の微粒子は電極を離れてセル8中に拡散分布し、セル8は再び不透明となる。このようにセル8内の分散状態の粒子量(したがって6−1へ集積させる粒子量)を変えることによってセルの透過率を連続的に変化でき集積状態の粒子も、分散状態の粒子も電圧を切って後もその状態を維持するため表示はメモリ性を有する。分散系7はガス又は透明な液体中に正または負に帯電した微粒子が分散されたものから成り、液体の場合は粒子の移動は電気泳動と呼ばれる。電極6−1、6−2の形状は図4に示すように、櫛型、渦型、これらと類似形状など種々の形が用いられるがいずれも細線から構成されていることが共通している。全体形状は短形、円形、六角形など任意である。
本発明では粒子を集積する電極6−1を駆動電極、他方の電極6−2を共通電極と呼ぶ。細線状の駆動電極がセル全面に存在する故に共通電極6−2との間の強いエッジ電界で粒子は集積、分散を繰り返すことが出来、セルの周辺のみに電極を設けた図1の場合に較べて特に画素が大きくなった場合応答速度が顕著に向上する。また粒子を移動させる電界強度は6−1と6−2の電極間距離、駆動電圧で決まるからセルサイズに拘わらず低電圧でも十分な電界を作用させることが可能になり、低電圧駆動で高速応答を実現できることになる。
細線状の駆動電極はアルミ、クロム、金、タンタルなどの金属を蒸着やスパッタで設けてフォト処理でパタン化した薄膜や、導電性塗料を印刷、インクジェット描画などで設けた導電性厚膜などで構成できる。一対の電極は上基板1に設けられていてもかまわない。
微粒子を駆動電極に集積した時共通電極表面や両電極間隙、あるいは上下基板内面に固着して残存することはセルの明状態の光透過性を阻害するゆえに好ましくない。従ってセルのこの部分には微粒子の固着を妨げるようフッ素化合物などの低表面張力物質のコーティングあるいは粒子の帯電と同極性に帯電するような表面処理がなされていることが望ましい。また分散媒が液体の場合は微粒子と液体の比重は出来るだけ近接していることが粒子の沈降や浮上を生じさせにくいことから望ましい。
本発明で分散状態とはブラウン運動により比重差に拘わらず液体中に安定に微粒子が均一分散したコロイド状態は勿論、基板1,2内面のいずれかないし両面に一部ないし殆どの粒子がゆるく付着した状態、粒子が互いにゆるく凝集し、両電極間に3次元網目構造を形成している状態も含むものである。また微粒子は1種類である必要はなく、光学的特性を最適化するため各種のものが混在していてもよい。微粒子5は通常光吸収性のものが使用されるが、二酸化チタンのように白色等反射性のものを用いることも可能であり、この場合セル8の微粒子分散状態では入射光が微粒子で散乱反射されその程度に応じて透過光は減衰する。反射で見る場合は粒子分散状態で粒子の色、基板2ないし透明基板2の下部が粒子と異なる色(たとえば黒色)であれば粒子集積状態での反射色はほぼ黒色となる。
本願の如き受動型表示装置では表示性能を決するものは、透過率(反射率)、コントラスト、色純度、応答速度、解像度、視野角などであり、装置としては駆動電圧、消費電力も重要な要素となる。図3の如き表示装置で透過コントラストは粒子分散状態(暗)の透過率と粒子集積状態(明)の透過率で決定される。特に十分な暗状態を作り出すことがコントラスト向上には必須用件となる。コントラスト1000:1、100:1、10:1以上を実現するにはセルの粒子分散状態での透過率は各々0.1%(光学濃度3以上)、1%(光学濃度2以上)、10%未満(光学濃度1以上)である必要がある。本願のセル構成では分散系の粒子濃度を増せば分散状態の透過率を上記値にすることは極めて容易である。しかし粒子濃度を増すと一般に粒子の移動速度が遅くなる、明状態の透過率が悪化しやすいなどの障害が発生するから不必要に粒子濃度を上げるのは得策ではない。
図5を用いて本表示装置での粒子集積時の明状態の透過率について述べる。十分ないんぺい性が得られる濃度に微粒子を分散させた分散系中の粒子をすべて上基板に集積したと想定しこの時の粒子層の厚みをd、画素の面積をSとする(A)。1画素の表示面から見た駆動電極の総面積をΔsとし、分散粒子をすべてΔsに集積した明状態では、駆動電極上の粒子層の厚みhはd*S/Δsとなる(B)。明状態はS−Δsを最大化すなわちΔsを最小化することで実現される。Δs/Sを駆動電極の面積率と定義する。面積率を10%、20%とすればほぼ90%、80%の透過率を実現できることになる。しかしながらこの時のΔs上の粒子層の厚みhは各々dの10倍、5倍になる。すなわち極小の面積の駆動電極に出来るだけ厚く粒子を積み上げれば高透過率と高コントラストを実現できることになり、dが小すなわち隠ぺい力の高い粒子を用いるほど薄い粒子層で上記高パフォーマンスが実現できることが期待できる。隠ぺい力は粒子そのものの特性は勿論、粒径が深く関与し、隠ぺい力が高くなる粒径を選ぶべきである。
極小の面積率は図4の如き細線状の電極を利用して実現でき、駆動電極幅は製造の容易さ、、電極の信頼性および集積粒子層の安定性を考慮して可能な限り最小幅で形成すべきである。線幅30μ以下、望ましくは10μ以下、ライトバルブ等では数μ以下で用いるのが望ましい。たとえば100μ幅の画素に5μ幅の駆動電極を4本設けても面積率20%であり、電極をより細線化することによって面積率を10%以下にすることは可能である。
粒子濃度を下げれば粒子の移動速度は速くなり、分散系を厚くすれば低粒子濃度(g/cm3)でも隠ぺい性ないし着色力を高めることができる。しかしながら電極から遠のくほど粒子に作用する電界が弱まり、かつ電極に集積するには粒子は長い距離を移動する必要があり応答が遅くなる。
経験上セルギャップは電極ピッチpの0.2〜1.5倍程度(20〜150%)に選ぶと電界の波及性が確保され従ってオン(明)、オフ(暗)時の応答性が確保できる。
電気泳動での粒子移動で実用的な応答性実現には先述の通り0.2〜2V/μ程度の電界強度が必要であり、画素サイズに係らずこの電界強度は確保したい。図4(A)に示す電極ピッチpを5〜100μ程度に選び、セルギャップdを電極ピッチpの0.2〜1.5倍(1μ〜150μ)にすれば、対向電極間電圧1V〜200Vで上記電界強度0.2〜2V/μがほぼ確保できる。直視型ディスプレイに限れば電極ピッチは20〜50μ程度、セルギャップ10〜75μ、印加電圧4〜100Vが実用的である。公衆表示の超大型ディスプレイで画素が数mm〜数cmのものでも電極ピッチを上記20〜50μ程度で構成すれば十分低電圧で駆動できることになる。
一方ライトバルブのような小型高精細パネルで画素サイズが10μ程度では電極をセル両端に設けた電極ピッチ約10μで用いるか、セル両端ないし隔壁の下部または隔壁側面に設けた駆動(共通)電極間に共通(駆動)電極1本を入れて、ピッチ約5μで用いればよい。
以上、電極ピッチ、セル厚は駆動電圧、応答速度に深く係り、それぞれの実用的な値を示した。
ちなみに特許文献2では400μ幅の電極が1000μの間隙で配置される実例が記載されているから面積率=Δs/S=400/1400=28.5%となり、100μセルギャップに100〜300Vを印加して55%の透過率と110のコントラストが報告されている。セルギャップの電極ピッチに対する割合は100/1400=7.1%で極めて小さく帯状電極間中央部の電界は極度に弱くなってしまう。最大電界強度1〜3v/μであるが、これはあくまでも対向している電極間の電界であって帯状電極間中央部では粒子に作用する電界は図1(A)と同様極めて低下せざるを得ず応答速度の低下をきたし電界均一化がなされているとは言い難く実用上問題があった。
以上述べた通り、駆動電圧、応答速度の低減は電極ピッチとそれに対応したセル厚の設定により、透過率、コントラストの向上はΔsの低減、分散粒子の選定、分散粒子量の最適化によって実現できると言える。
本発明で用いる電極構成は図3、図4に示したものの他、種々の形式が利用可能である。
図6(A)には図4の一方の電極を対向基板上に設けた場合を示す。分散系が多少厚くなっても図3の場合より全体として粒子に強い電界を印加できる。
図6(A)のようにそれぞれを異なる基板上に電極を設ける場合、図7に示すように駆動、共通各線状電極はストライプ、格子、渦など閉じられた電極構成でもよい。
駆動電極と共通電極が同一パタンで互いに重なり合う位置にある図6(A)と互いに少しずらす場合(図6(B))がある。図6(B)の場合は共通電極は透明にすべきであり、各電極間の中央部にある粒子にはより強い電界を作用できる利点があるが粒子に正、負両極性のものを用いた場合透過率が低下する欠点が発生するから粒子は同極性のものを選ぶべきである。
図6(C)は両基板にそれぞれ図4の如き共通電極と駆動電極対を有するもので尚且つ駆動電極と共通電極が重なり合うように配置したもので、図6(B)と同様微粒子を再分散させる時に電界による基板間の流体の流れが微粒子分散に寄与する。
図6(D)は駆動電極どうしを重ね合わすよう配置したもので表示面から見て同一領域に粒子を多層に積層できるから、透過率向上に寄与する。
図6(E)は共通電極が駆動電極とは別基板にあり、かつ透明ベタ電極の場合を示す。駆動電極は図7のようにストライプ、格子、渦など閉じられたものかあるいは図4のような閉じられない電極構成が自由に選択できる。この場合も線状駆動電極間にある粒子に電界を作用させやすいが、粒子は単極性でなければ開口率で不利になる。透過での暗状態は粒子分散状態やベタ電極への粒子堆積状態で実現できる。共通電極が透明であるとはいえ幾分光を吸収するから先述した通りセルを積層して使用する場合光ロスが大きくなる不利益が発生する。本発明で共通電極がベタ電極の場合や駆動電極と共通電極が異なる基板に設けられている構成では、駆動電極と共通電極の電極間ピッチPとは駆動電極と共通電極の最短距離を意味する。
図6(F)は図6(E)の透明ベタ共通電極の対向側に図4の如き駆動、共通電極対を設けた構成である。粒子分散状態を高速化するのに有用な構成であるが、共通電極は透明なものを用いるべきである。
図6(G)は図4ないし図7の如き細線状共通電極6−2と絶縁層23を隔てて同じく細線状駆動電極6−1がピッチをずらせて設けられている。両電極を片側基板側のみに形成できることや両電極の形状自由度が高まる利点がある。共通電極6−2には透明なものを用いるべきであり、応答速度の低下を来たさないよう分散系厚は薄く構成すべきである。
図6(H)は図6(G)の共通電極6−2をベタ透明電極に置き換えたものである。両電極を片側基板側のみに形成できる利点がある。透過で用いる時は暗状態は粒子分散状態かないしは駆動電極部以外の絶縁層23上に粒子を均一に堆積させることによっても実現できる。
以上、図6の各電極構成で駆動電極、共通電極の各々がたとえ異なる基板にあっても互いに電気的に結合してセルは駆動電極、共通電極の2端子素子として動作させるよう構成されている。
図6ではすべて粒子は単一極性として説明したが、電極構成によっては両極性粒子の方が有利な場合がある。
先にも述べた通り、不透明な分散粒子を表示面から見て最小の断面積で集積できれば透過率を最大化できる。決められた粒子量の集積断面積を小さくするということは粒子を出来るだけ厚く積み上げることであり、以下にその対策を示す。
図8(A)は駆動電極上での粒子の集積断面積が長軸が基板に垂直なほぼ楕円形状に積み上った例であり、(1)粒子の電気抵抗が小さい場合集積粒子層により局所電界は強められるから粒子層は図のように厚く集積し易い。
(2)共通電極と駆動電極間の電界が出来るだけ狭い範囲に収束している場合も集積粒子層を厚くするのに有効であり、片方ないし両方の電極幅を狭くすること、また図6(A)のように共通電極も駆動電極パタンとほぼ同型にして互いのパタンがほぼ重なるように配置することで駆動電極上の電界を収束できる。
(3)図8(B)に示すように電極部に細い窪みを設けておき粒子を強制的に窪みに誘い込めば集積断面積を小さくできる。窪みはたとえば共通電極ないしは駆動電極面に一様にフォトレジストなどを塗布し、フォトエッチングで電極上部を穴あけして形成できる。
(4)図8(C)に示すように駆動電極に微小突起を設けて局所電界を集中させる。
(5)図8(D)に示すように分散系に正、負両極性の粒子を混在させておけば駆動電極、共通電極の両方に粒子を集積できることになり、両電極が互いに重なる位置関係にあれば実質的に集積粒子層の厚みを単一極性の場合の2倍にすることに相当し、高透過率が実現できる。
図6(A)、(C)のような電極構成の時、両極性分散系が有効である。このような電極構成の場合は両電極共不透明電極でよく電極材料の選択自由度が増す。
分散媒がガス体の場合、帯電系列が正、負になりやすい粒子を混在させておくとまさつ帯電などで常に粒子の正、負電荷量を安定して保持できることから、単粒子系よりより安定性の高い分散系が実現できることも好都合である。
両極性粒子系では再度セルを暗状態にするにはお互いの電極上の粒子が電極を離れきる程度までの適切なパルス幅の逆電圧が選ばれるべきである。適切な周波数のAC電圧を印加しても粒子を分散状態にすることができる。
上に述べた開口率向上策を活用して駆動電極の面積率を20%以下、好ましくは10%以下にすることが望ましい。特許文献2では両電極に透明なものを使用しているが、本願では細い駆動電極上に粒子をできるだけ積み上げることを目指しているから細くする限り駆動電極は不透明でよい。
図3で粒子を隔壁20によってセル内部に閉じ込めるのは微粒子が隣のセルに移動するのを妨げ各画素内の粒子濃度を一定に維持するためである。隔壁で微粒子を閉じ込める代りに、微粒子分散系をカプセル内に閉じ込めてもよい。
図9(A)では微粒子分散系を内臓したカプセル粒子10を配列した断面図を示す。各カプセルの下部にたとえば細線からなる面状の櫛型駆動電極、共通電極が設けられている場合は1個のカプセルを1画素とでき、横n個のカプセルにまたがって1対の電極が設けられている場合はたとえば正方画素ではn×n個のカプセルで1画素を形成する。図9(B)は球形カプセル粒子10を基板間に加えた圧力でほぼ直方体になるように変形させた例であり、カプセル粒子の直径より小さいスペーサでギャップを形成している。このような変形を加えることによって隔壁と同様な直方体の形で用いることができ、開口率向上と隔壁を形成する工程を除くことができる。本願ではカプセルを単粒子層で描いているが、カプセル粒子は表示原理から明らかな通り必ずしも単層である必要はない。ただしカプセル中心が基板垂直方向に一直線に並ぶ等軸構造が望ましい。
基板にフィルムを用いたフレキシブルシートディスプレイの場合は特に、両基板は隔壁の上下両面と各々接着していることが好ましい。カプセル粒子を用いた場合はバインダー樹脂が上下基板の接着に寄与する。微粒子をカプセルに閉じ込めることによる他の利点は、液状ないし流動性粉体としての微粒子分散系を固体化でき表示素子面への塗布、上下基板の貼り合わせ等における取り扱いの容易さである。カプセル粒子を用いる場合も電極パタン及び電極構成は図3、4,6,7の種々の構成が選択できる。
本発明でセルとは、隔壁ないしカプセルで粒子を閉じ込めた領域を言う。一対の電極は1つのセルに設けられる場合もあれば、多数のセルに対して1組設けられる場合もある。画素とは一対の電極を有する領域を言うから1個のセルの場合もあれば多数のセルから成る場合もある。
図10(A)は光線ロスを防止したフルカラー表示素子の断面を示し透過でも使えるよう背面に光源13からなるバックライトユニット17を設けたもので、図3の如きセルを3層積み重ねた積層セル24で構成されている。ただし3層の微粒子5は各々C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)色のものが用いられる。Y,M粒子が適度に分散状態にあり、C粒子が電極集積状態にあれば、その部分はR(赤)、C,M粒子が適度に分散状態でY粒子が電極集積状態では同じく減法混色によりB(青)、Y,C粒子が分散状態ではG(緑)となる。勿論C粒子、M粒子、Y粒子のみ分散状態では夫々C,M,Y色となる。C,M,Yパネルに加えて、より完全に光を遮断するために白-黒に変調できる第4のセルが追加され4層構成をとる場合もある。またセルの積層順序は任意に選択可能である。白色光源オフの状態では白色拡散板により反射カラーパネルとして使用できる。マルチカラー表示では色の異なる分散系の2層構成でもかまわない。
良好なコントラスト、色純度のカラー表示を実現するには、C,M,Y各パネルで十分なコントラストが実現される必要がある。C,M,Y粒子はそれぞれR,G,B光を吸収する粒子である。先述した通り本願で用いるC,M,YパネルはそれぞれR,G,B光の吸収帯において透過率が20%以下、望ましくは10%以下になるように各パネルの粒子濃度を設定することが望ましい。
本発明のカラーパネルは図10に示す通り、特許文献7と同様少なくともC,M、Yに変化する粒子層を3層積層するものであるが、透明電極を用いない構成が可能であるため、低コストで明るく、高信頼性のパネルが製造できる。すなわち特許文献7のセル構成では1色当り少なくとも1層の透明電極が用いられているから反射で見る場合、入射光は6回透明電極を通過しなければならず、透明電極の透過率が仮に90%でも0.9=0.53で47%の光エネルギーをロスしてしまうことになり明るい白色は再現できない。また画素が大きくなると駆動に高電圧を要する難点も有していたが本願では画素の大小に係わらず低電圧で駆動できる特徴が発揮できる。
図10(B)は図10(A)の如き積層セル24の背面に電極ピンを設け、各色の駆動電極および光源に信号を印加できるように構成した電極ピン25付きフルカラー素子を示す。各色にフィルム基板を用い、LEDやELのような薄型光源でバックライトユニットを構成すれば数mm厚のフルカラー素子とすることも可能である。各素子をカラー指示器として用いてもよいが、このような基本セルをX−Yマトリクス状に多数並べることによって光源非点時は反射型、点灯時は発光型となる反射、発光両用のフルカラー超大型表示システムを構成することができる。
単一画素素子は勿論多画素のパネルを用いた多画素ピン付きパネルが可能であることは言うまでもない。各素子を曲面状に配置することによって曲面表示も可能である。各画素の端子がピンを通じて外部に取り出せるから、スタチック駆動、マルチプレクス駆動、アクティブマトリクス駆動など駆動方式の自由度は高まる。
図10(A)の3層積層型表示装置では画素サイズにくらべて間に入る基板の厚さが厚い場合、反射で見た時視角が制約される。図10(A)において断面図は1画素を示すとした場合、基板垂線からの角度θを越えた方向から見ると反射光線は3層すべてを通過していないから正しい色を見ることが出来ない。画素サイズをSとすれば1色分のセル厚q(上基板、分散系、下基板、接着層の合計)はq=S/(3×tanθ)となる。一般にn層積層ではq=S/(n×tan(θ))となる。θ=60度(tan(θ)=1.73)ではq=S/5.19より、画素サイズが0.1mm、1mmの場合q≒、19.2μ、190μ、θ=80度(tan(θ)=5.65)の時q≒5.9μ、59μとなる。すなわち積層型反射表示装置は間に入る基板を極力薄くしないと視野角に優れた表示を実現することが困難になる。この点透明基板としてフィルムは薄さゆえに有利である。
図11はC,M,Yのカプセル粒子を積層したカラーパネルの断面図を示す。電極を設けた基板にカプセルを敷き詰めたものを接着剤を介して各色順次積層すればよいから基板枚数を減らし易く、視角特性の点で有利なセルが構成できる。
多数の画素から構成される表示装置の駆動法には(1)スタチック(2)単純マトリクス (3)2端子アクティブマトリクス(4)3端子アクティブマトリクス などがある。
図12は単純マトリクス構成のパネルを製造する工程を示す。ガラス、プラスチックなどの基板2にアルミ、クロム、金などの電極薄膜を蒸着やスパッタで設けて後フォトエッチプロセスで図12(A)に示すように列電極Ciおよびこれに連なった駆動電極6−1を形成する。次に少なくとも列電極の所定箇所に絶縁層23を形成して後、共通電極6−2、行電極Riを形成する(B)。こうして得られた電極付き基板と他の絶縁性基板との間に隔壁かカプセル化によって分散系を所定位置に閉じ込め表示パネルが構成される。列電極Ciに信号を、線状共通電極Riに走査信号を加えて線順次で表示が果たされる。パネル構成が単純であるから低コストで製造できるメリットがあるが、各画素には閾値特性が要求されるため通常、表示容量の大きい用途には使えない。
表示容量を拡大するにはアクティブマトリクス(以下AMと略称する)構成を採用する必要がある。図13は陽極酸化膜が金属電極間に挟まれたいわゆるMIM(Metal Insulator Metal)素子からなる2端子AMアレーの製造工程を示す。アルミ、タンタルなどの金属薄膜で平行線状列電極Ciを形成して後、列電極Ciを陽極酸化して表面に酸化膜を形成する(A)。ついで金属膜を蒸着ないしスパッタによって設け、たとえば櫛型駆動電極6−1を形成する(B)。駆動電極と列電極が交差する領域に2端子素子21が形成される。次に列電極の、少なくとも後に行電極と交差する箇所に絶縁層23を形成して後、共通電極6−2、走査電極Riを形成(C)することによって2端子AMアレーが形成される。こうして得られた電極付き基板と他の絶縁性基板との間に隔壁かカプセル化によって所定位置に分散系を閉じ込め表示パネルが構成される。MIMの代りに、電極6−1とCiの交点部に酸化亜鉛のような半導体を樹脂に分散した非直線抵抗素子を挟み込んでも2端子AMアレーを形成できる。
図14はTFT(Thin film Transistor)3端子素子から成るAMアレーの2画素分の電極構成を正面図で示す。信号線Ciとは絶縁層で分離された駆動電極6−1はドレイン(D)電極に接続されており、ソース(S)電極は列電極Ciの1部からなり、S,D間には半導体、ゲート絶縁膜が積層されている。列電極部に層間絶縁膜を設けてのち行電極Ri(ゲート電極)を設けて3端子AMアレーが形成される。共通電極6−2は列電極、行電極と絶縁層で隔てられて、列電極ないし行電極同様パネル全体に張り巡らされており、全画素共通の1端子としてパネル外に取り出されている。こうして得られたTFTからなるAMアレー基板のCi,Ri部に隔壁を設けるか画素中央部にカプセル粒子を設置し、透明絶縁性基板との間に分散系を閉じ込めて表示パネルが構成される。図14ではTFTはスタッガー型で示したが、逆スタッガー型TFTも勿論可能である。
図14のアレー構成は現在液晶モニター、液晶TVなどで用いられているIPS(In-Plane-Switching)モードのTFTパネルのアレー構成と殆ど類似している(但し、図4(A)の櫛型電極構成)。図13や図14のアクティブマトリクスパネルでは画素のドレインに印加された電圧を保持するためドレイン(駆動電極)と共通電極間に並列容量を付加することが望ましが、共通電極とドレイン電極間の絶縁層は並列容量として利用できる。
図12〜図14のマトリクスパネルでは電極はすべて片側基板に設けたもので説明したが、図6の種々の電極構成を採用してもよいことは言うまでもない。
図15は更に視角特性に優れた3層積層パネルを示す。ここでは1画素を3×3個の単層カプセル粒子10から成るとして図示している。カプセル粒子径が20μであればスペーサは約60μの高さを必要とする。あらかじめ基板にカプセル粒子の直径に相当する凹みを設けておけばスペーサは約50μでよい。図15では1層目、2層目、3層目のカプセル粒子に電界を作用させるためのTFTなどのスイッチ素子はすべて下基板2に形成された3色用X−Yアクティブマトリクスアレー13dで構成されているとして図示してある。
図15のような構成のアクティブマトリクスパネルを製造する方法として大きくは4つの方法が可能である。すなわち(1)C,M,Yカプセル粒子駆動用AMアレーはすべて基板2に形成(開口率向上のため隔壁ないしスペーサの下に設けられていることが望ましい)されており、各色用ドレイン電極とこれに対向する共通電極は隔壁ないしスペーサの内部か表面を通して形成し、アレー基板と隔壁ないしスペーサが形成された後にカプセル粒子を1層ずつ積み上げる。(2)C,M,Yカプセル粒子駆動用TFTはすべて基板2に形成されている点で(1)と同様であるが、各色用ドレイン電極、共通電極などの形成及び下部に形成されている対応する色用ドレイン電極との配線は色カプセルを敷き詰めた後に追加してゆく。(3)1色目のアレーが形成された基板に1色目のカプセル粒子を敷き詰めて、表面を平坦化して後2色目のTFTアレーを形成するというように、アレーとカプセル粒子層を順次形成してゆく。(4)あらかじめTFTアレーと色粒子で構成された単色アクティブマトリクスが形成された転写用基板から、接着層を設けた最終基板側に順次転写して3層を積層する。以上いずれの方法に於ても導体の積み上げには導体ペーストのインクジェット描画法やアディティブ法として広く用いられている電解ないし無電解メッキ法などが利用できる。
以上述べたようなたとえば縦M画素、横N画素からなる基本パネルを縦m枚、横n枚並べることによってM×m×N×n画素からなる大型表示システムを構成することが可能である。それぞれパネル間の隙間を出来る限り狭くするよう各パネルの電極は薄いFPCなどを用いてパネル面と垂直方向にパネル背面に引き出し、背面基板ないしバックライトの背後に設けた駆動回路と接続して駆動するように構成される。このような基本パネルを用いて、数10mサイズの反射、透過両用の低電力、高精細フルカラー大型公衆表示システムを構成することが可能になる。
図16はプロジェクターなどに用いる、シリコン基板を用いたAM反射型ライトバルブを示す。シリコン基板15上に形成されたFET素子からなるAMアレー上に絶縁膜23、画素部反射膜14、絶縁膜23、電極6−1、6−2を設け、各電極は絶縁膜23に設けた孔を介して対応するAM基板上のドレイン端子、共通端子と接続されており、透明基板1との間に分散系7が挟まれてライトバルブが構成される。たとえば1インチサイズでフルHD(1920×1440画素)のライトバルブを構成する場合、画素ピッチはほぼ11μ程度になる。隔壁高さは低いほど製造が容易であるから駆動電極ピッチ及びセル厚を数ミクロンとすれば、10V以下で駆動できるライトバルブが構成可能である。隔壁を絶縁性黒色にするか反射性隔壁の場合は上基板と隔壁の間に黒色膜を形成することが望ましい。
図16の反射型ライトバルブの構成はLCOS(liquid-crystal-on-silicon)と称する液晶ライトバルブでの液晶を微粒子分散系に置き換えることによって構成される。LCOSでは画素は上側透明電極、液晶層、下側反射電極構成となるが、本願での電極構成は図4、図6、図7に示す種々の構成が可能であるが、反射率を上げるため反射板14は必須である。LCOSと同様、超高圧水銀ランプなどの白色光源をダイクロイックミラーやプリズムでR,G,B光に分離し各色光を図16のライトバルブに照射して得たR,G,B色光像をレンズを用いてスクリーン上に拡大投射、合成してフルカラー像を得ることが出来る。光源にLEDや半導体レーザを用いれば小型プロジェクターを構成できる。フロントプロジェクターは勿論、途中で光路を折り曲げてリアプロジェクターも可能である。画素ピッチはモノクロの1/3になるが前面にカラーフィルタを設けることによって単板カラーライトバルブを構成することも可能であり、図15の如き3層積層パネルを構成すれば光利用率の高い単板式カラーライトバルブが構成可能である。分散系は隔壁型、カプセル型いずれを用いてもよい。反射型は光線が分散系層を2度通過するから分散系の粒子濃度が透過型の1/2でよく高速応答が可能である。
上記シリコン基板の代りに、石英などの耐熱性ガラスにポリシリコンなどでAMアレーを構成したAM基板を用いれば、単板式あるいは3板式高精細透過型ライトバルブを構成することが可能である。
現在の液晶カラーパネルの液晶を本発明の光変調素子で置き換えることによって容易にフルカラーパネルを構成できる。
図17に本発明の透過型フルカラーパネルの断面図を示す。現在の液晶カラーパネルのライトバルブとしての液晶を、白黒に透過率を変調できる微粒子を分散した分散系7に置き替えることによって構成できる。すなわちX−Yマトリクス構成のAMアレー13cが形成された透明ガラス基板2とストライプ状あるいはドット状にR,G,Bカラーフィルタ13a、ブラックマトリクス13bが設けられた透明基板1との間に分散系7が挟まれて構成されている。各画素となる駆動電極6−1、共通電極6−2はAMアレー13cの各ドレイン電極、共通電極と接続されている。各画素の電極は図4、図6、図7のいずれの構成を用いてもよい。
図17では隣り合う画素にR,G,Bカラーフィルタを設ける構成について述べたが、カラーフィルタを用いる代りに各セルの分散媒をR,G,Bに着色してもよい。但し各色セルをストライプ状ないしドット状に色分けして設ける必要がある。
R,G,B併置カラーフィルタないしR、G,B着色液を用いているため光変調素子への白色入射光の2/3をロスする欠点があるが、現状確立しているTFTアレーの量産プロセスと設備がほぼそのまま利用できる利点があり、小型から100インチを超える大型までサイズを問わず製造可能である。液晶カラーパネルの場合と違って、視角拡大フィルム、偏光板、配向膜、配向処理プロセスなどは不要であり、プロセスの簡易化、部材の低減化に加えて、偏光板が不要であることからより明るく、広視角の表示を実現することができる。
電子値札やメッセージ表示などでは必ずしもフルカラー表示でなくてもよい用途もある。図18では1層の分散系でカラーフィルタを用いることなくマルチカラー表示を行う例について述べる。透明分散媒中に色と移動速度の異なる微粒子が混合分散された分散系を用いればよい。すなわち電極6−1,6−2間にDC電圧を印加(第一パルス)して粒子を一方の電極に堆積(同極性粒子の場合)(図18(A))させれば、セルは透明(反射で見る場合反射板が白色なら白色)に見える。ここで適切な幅ないし波高値の逆極性DCパルス(第二パルス)を印加すれば、移動速度の速い粒子(第一粒子:赤色とする)がまず電極を離れ分散状態になるからここでパルスを止めればセルは移動速度の速い粒子の分散状態である赤色に見える(図12(B))。第二パルスより幅ないし波高値の大なる逆極性パルスの場合では第一粒子は対向電極6−2に集積してしまい、分散系には速度の遅い第二粒子(黒色とする)のみ分散していることになり、セルはほぼ黒色に見える(図12(C))。電極間に適切なAC電圧を印加すれば第一、第二粒子が共に分散状態になるからこれらの混合色である赤黒色が提示される。すなわち単層パネルで4色の色が選択できることになる。色の異なる微粒子が異極性でも移動速度が異なっていれば利用可能である。
図18では粒子の移動速度の違いを利用して多色表示する例について述べたが、電極に堆積した粒子を逆極性電圧の印加で電極から脱着させるのに粒子ならびに電極の性質により閾値電圧が存在する場合がある。異なる色の微粒子のこの閾値性の違いは有効に利用可能である。第一、第二粒子の閾値を各々V1、V2(V1>V2)とし、V1>V>V2の電圧Vでは第二粒子のみ分散させることが出来、V>V1の電圧Vでは主として第一粒子のみの分散状態を生じさせることが出来るからである。またV>V1のAC電圧で混合分散色を得ることができ、泳動速度の違いと併せて閾値性の違いも粒子の選択的分散に有効に活用でき、簡単な構成のパネルでマルチカラー表示が可能となる。
薄いフィルム基板を用いて図6(A)、(B)、(C),(D)など両面に電極を有するパネルや図10、図11、図15などの積層パネルを形成する場合、温度や張力によるフィルムの伸縮や曲がりのため両基板や各パネルの位置合わせが困難化する。両フィルム基板をあらかじめガラスなどの剛体基板に単個取りあるいは多数個取りを想定したサイズで貼り付けておき、電極、スイッチ素子、隔壁などの形成プロセスを実施して後、他方の基板に設けられたフィルム基板との間に表示媒体の挟み込み、封止を行なってフィルムパネルを形成し、しかる後剛体基板からパネルをはがす方法をとれば、フィルムの薄さ、伸縮性から生じる電極の上下位置合わせなどのプロセスの困難性は軽減する。
本願のフレキシブルパネルの製造に有効に活用できる転写法をたとえば積層型カラーパネルの製造に適用する場合について述べる。ガラスなどの耐熱性剛体基板にあらかじめアモルファスシリコン等の無機皮膜、ポリイミド、シリコン樹脂などの有機皮膜からなる剥離層を設け、その上に数ミクロン厚の有機ないし無機の基板材を設け、この上に電極やAM、必要に応じてスペーサを形成し、カプセル粒子を所定位置に敷き詰め、必要ならバインダーをUVないし熱で硬化する。ついでこの上に、使用する電極構成によっては電極を設けたフィルムなどの薄い基板の電極面とカプセル粒子層を接着剤を介して貼り合わせて一旦剛体基板上に表示パネルを完成させる。ついで最終パネルとなる基板を被転写基板とし接着剤を介して剛体基板上に形成済みの表示パネルを転写する。同様の方法で2色目、3色目を転写することによって図11のような構成の積層型フルカラーパネルを形成できる。カプセル粒子を敷き詰めた段階で被転写基板に転写、積層してゆけば図15のような構成の積層パネルが可能であり、実質粒子層のみからなる積層が構成可能である。
上下にのみ保護シートを設けても電子ペーパ等柔軟性が望まれる用途に好適なフルカラー表示パネルが実現できる。
単色パネルでは被転写基板を用いることなく剥離してパネルを完成させてもよい。カプセル粒子系のみならず隔壁型パネルも当然可能であり、AMアレーのみの転写、分散系まで充填してからの転写、パネルまで形成してからの剥離等、剥離、転写法は可とう性フィルム基板を用いる本発明のパネル形成に極めて有効に活用できる。10μ厚程度のフィルムを用い、各色セル厚30μのフルカラーパネルを構成して各セル間の接着剤厚を考慮しても図10の構成のパネルでも0.2mm以下の厚みに収まり、正に紙のようなフレキシブルディスプレイが実現できる。
パネル自体がフレキシブルであっても駆動回路、バッテリなどを搭載すると表示パネルのペーパライク性が損なわれてしまいがちである。本発明の表示パネルはメモリ性があるから一旦表示を更新すればドライバを切り離しても表示は維持される。従ってパネル電極端子部あるいは信号供給回路部を露出しておき、表示を更新する時のみ信号供給源に接続する、パネル/信号源分離方式を取ることもでき、ドライバを実装していない分低コストでパネルのフレキシブル性を確保できる。
現行のアモルファスシリコン(a-Si)AMの形成には400℃程度の高温プロセスを必要としているためフィルム上に直接s-SiAMを形成することが出来ない。しかるに耐熱性剛体基板上ですべての高温プロセスを遂行しておき、耐熱性に劣り、温度変化で伸縮の激しい有機フィルム上に常温近くで剥離、転写できることは位置合わせが困難なフィルム処理には極めて有効な手法と言える。剥離転写は被転写基板側の接着力が剥離層側の接着力に勝る時に実現できる。剥離層側の接着力を弱めるためにパルスレーザ光などを照射して、剥離層と剛体基板の熱膨張性の違いを利用したり、光照射で剥離層にガスを発生させて接着力を弱める方法などが利用される。
セルを多数積層する表示装置において注意すべきは、界面反射である。屈折率が異なる界面では必ず界面反射が生じる。図10、図11の3層積層型表示セルでは、モノクロ素子1層辺り多数の層(基板、分散媒、接着層)から成るから各層は出来るだけ透明性が高いのは勿論、屈折率のできるだけ等しい材料で構成し、不要な界面反射を軽減することが重要である。
本発明で使用する光変調素子の透明基板としてプラスチックフィルムを使用するとロールツーロールで連続量産できる特徴が発揮できる。
図19はロールツーロールでパネルを製造する例を示す。あらかじめAMアレーや電極パタン、スペーサなどが形成されたロール状フィルムが上ロールから供給されカプセル粒子の形態などで分散系が塗布される。一方、電極取り出しのためのパンチング孔が空けられ印刷またはインクジェット描画などでUVシール樹脂などのシール剤が設けられた下フィルム基板との間に気泡が残らないように両基板を正確に位置合わせして貼合、固着される。パンチングなどで切断して1色用フィルムパネルを一括複数枚連続生産することが可能である。低温プロセスが可能な有機TFTなどのAM形成プロセスはロールツーロールプロセスには相性がよく、勿論本願のロールツーロールパネル形成に有効に適応可能である。電極パタンやAM形成など前工程もロールツーロールで形成できれば正に理想的なロールツーロール量産工法になり得る。
ロールツーロール工法は1枚の連続フィルムでも実施でき、片側電極構成では特に容易である。ロールから供給されたフィルムに電極やAMアレーを形成して後、カプセル粒子層を所定箇所に印刷等で設けて後、透明保護層を塗布すればよい。
特に本願では図3のように片側基板にしか電極を必要としないパネル構成では製造の自由度が高い。下側フィルムにフォトレジストなどで隔壁を形成しておいてもよいが、UV硬化樹脂を塗布して仮硬化した膜などをエンボス加工などで隔壁とセルを形成後本硬化して分散系を充填し、電極やAM付き上フィルムで封止することによって隔壁型フィルムパネルを製造することも可能となる。
フィルム材料としてはビニル系のポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリスチレン、フッ素樹脂系など、またポリエステル系のポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなど、ポリアミド系のナイロン、耐熱性エンジニアリングプラスチックとしてのポリイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドなど種々のものが利用できる。
ポリマーフィルムは一般にガラス等にくらべてガスを透過しやすい。フィルムを使用した表示装置でフィルムが外気に曝されて水分などが分散系に入り込み特性を劣化させる場合が生じる。従ってフィルムパネルの信頼性を向上するためにはフィルム表面にガスバリア層を設けるのが有効である。ガスバリア層としては酸化ケイ素、窒化ケイ素などの薄膜、およびこれらの膜とビニルアルコール含有重合体などの有機膜との積層膜が有効なことが知られている。
本発明の光変調素子では隔壁部分ないしカプセル粒子間の隙間は光線透過率は変化しないから、光線透過方向のこの部分の幅は出来るだけ狭いことが望ましい。逆にこの部分が透明性であると光り抜けを生じ光変調素子の光線遮断力を低下させ純黒が得られなくなるからこの部分を黒色光吸収性にするか光反射性にすることが望ましい。1000:1以上の透過率変調を達成するには隔壁部を含む微粒子分散状態でのセルの光透過率を0.1%未満に押さえ込む必要があるが、隔壁部やカプセルのすき間からの光り抜けを必要ならブラックマトリクス(BM)層を設けて防止した上でセルないしカプセルに含有される微粒子の濃度を選定することによって達成可能である。
本発明に使用する材料について述べる。
微粒子としては先に述べた通りできるだけ隠ぺい力ないし着色力の高いものが望ましい。白黒用にはカーボンブラック、ピグメントブラック、黒鉛などまたはこれらが樹脂に埋め込まれたいわゆるトナーが使用できる。C,M,Y微粒子としては印刷インキ、カラー複写機用トナー、インクジェット用インキなどに用いられているアゾ系、フタロシアニン系、ニトロ系、ニトロソ系など各種有機顔料や酸化鉄、カドミウムエロー、カドミウムレッドなどの無機顔料など多様なものを用いることが出来る。Y色微粒子としてはハンザイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエローなど、M色微粒子としてはピグメントレッド、ローダミンB、ローズベンガル、ジメチルキナクリドンなど、C色微粒子としてはアニリンブルー、フタロシアニンブルー、ピグメントブルーKなど、黒色微粒子としてはC,M,Y微粒子を混合して用いてもよい。
微粒子は単体ばかりではなく帯電性や色調を最適化するため染料、顔料およびいくつかの色材を樹脂や液体と共に内包したカプセル微粒子を使用してもよい。粒子の形状は球形はじめ針状、棒状、鱗片状など異方形状のものは本願のように線状電極を用いる場合適したものと言える。何故なら分散状態では粒子はあらゆる方向を向いており、光線吸収能、光散乱能が高く、電極に集積した状態では針状や棒状粒子は電極に平行に配列しやすく、鱗片状では互いに重なり易いから、共に吸収ないし散乱断面積が減じコントラストが高まり易いからである。微粒子のサイズは5nm〜5μ程度が望ましい。微粒子は原子や分子レベルでの表面コートで表面変性したり、分散剤、界面活性剤等を用いて荷電性付与および良分散性がはかられ、電界で集積させた粒子層も逆電界で速やかに再分散されるように調整されている必要がある。
隔壁型パネルでは図6(G)、(H)を除き電極6−1、6−2は共に分散系に露出しているとして説明したが、粒子堆積の均一性向上、付着力制御、閾値性制御などの目的で導電性、半導電性あるいは絶縁性の皮膜で被覆する場合もある。
本発明で使用するマイクロカプセルの製法は公知の種々の方法が適用できる。すなわち、(1)化学的方法として代表的な界面重合法やin-site 重合法(界面反応法) (2)物理化学的方法として代表的な液中乾燥法、コアセルベーション法、融解分散冷却法 (3)機械的方法として代表的な噴霧乾燥法、乾式混合、オリフィス法などである。マイクロカプセルの膜材としてはゼラチン、アラビアゴム、メラミン樹脂、尿素樹脂、ホルマリン樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、アミノ酸樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂など多様な高分子材料が使用可能である。内部がガス体のマイクロカプセルは一般にマイクロバルーンと称される。
微粒子を内蔵したマイクロバルーンの製法としては、(1)微粒子にたとえば紫外光照射で窒素ガス等を発生するジアゾ成分などを導入ないし表面に吸着させておき、微粒子群を高分子樹脂で覆って後、紫外光を照射して内部にガスを発生させて微粒子内蔵中空カプセルを形成する (2)粒子群を気泡と共にカプセル化する (3)ドライアイスなど常温近辺で気体状態の物質を低温で液体化あるいは微粉末固体化して微粒子と共に低温下でカプセル化する などの方法が利用できる。
分散系7が空気や窒素などのガス体中に流動性の高い微粒子が分散された分散系では粒子移動に抵抗が少ないから高速応答の表示パネルが可能になる。微粒子表面に微小な凹凸形状を形成すると更に流動性が高くなること、またシランカップリング剤やシリコンオイルでの粒子の表面処理が帯電性制御、流動性向上に有効なことが知られている。
屋外用では強力な光に曝されることになるから、使用する材料(透明基板、接着剤、微粒子、分散媒、カプセル材料、バインダー樹脂、隔壁材料、電極、AMなど)には特に耐光性、耐熱性に優れたものを用いる必要がある。パネル表面はアクリル板などで補強したり紫外線吸収剤を内蔵したものないしは表面にコートして用いるべきである。見易さ改善には反射防止膜も有用である。
媒体が液体の場合シリコン系、石油系やハロゲン化炭化水素など多種類の高絶縁性溶媒が利用できる。
非直線素子材料としては先述の通りTa,Alなどの薄膜を陽極酸化して他方の金属で挟み込んだMIMや、カルコゲナイト系化合物、酸化亜鉛などの半導体が利用でき、TFT材料としてはa−Si、a-InGaZnO、ポリシリコンなどの無機半導体またペンタセン、ポリフルオレン、ポリフェキシルチオフェンなどの低分子や高分子の有機半導体が用いられる。
本発明は次のような効果を奏する。
帯電した微粒子を電界で移動させて、光透過性を変化させる表示装置であって、電極構成、セル中の微粒子量、電極ピッチ、セル厚、駆動電極面積率に検討を加えたことによって低電圧で高コントラスト、高透過率を達成し、拡大投射用高精細小型ライトバルブ、小型からメートルサイズの直視型表示装置、薄型フレキシブルな白黒およびフルカラー電子ペーパ、数10メートルを超える超大型表示装置まで広範囲の表示サイズに適用可能となり、反射専用、透過専用あるいは反射、透過両用に適用可能な表示装置が実現した。

は従来の横電界粒子移動型表示装置の原理を示す横断面図 は従来の横電界粒子移動型表示装置の原理を示す他の横断面図 は本発明の横電界粒子移動型表示装置の原理を示す横断面図 は本発明の表示装置に用いる電極の正面図 は本発明の表示装置の明状態の透過性を説明する図 は本発明の表示装置の他の電極構成を示す横断面図 は本発明の表示装置に用いる他の電極の正面図 は本発明の表示装置の明状態の透過性を向上するための電極部の横断面図 は本発明の表示装置の他の構成を示す横断面図 (A)は本発明の積層型カラーパネルの断面図、(B)は本発明のピン付きカラーパネルの斜視図 本発明のC,M,Yカプセル粒子を積層したカラーパネルの断面図 本発明の単純マトリクスパネルの製造工程と電極構成の正面図 発明の2端子AMアレー製造工程と電極構成の正面図 本発明の3端子AMパネルの画素部の電極構成の正面図 本発明のC,M,Yカプセル粒子を積層した他のカラーパネルの断面図 本発明のシリコン集積回路を下基板に用いた反射型ライトバルブの断面図 本発明のカラーフィルタ付きカラーパネルの断面図 本発明の単層マルチカラーパネルの動作原理を示す断面図 本発明のパネルをロールツーロールで製造する工程図の1例
符号の説明
1 透明上基板
2 下基板
3 カウンター電極
4 コレクト電極
5 微粒子
6−1 駆動電極
6−2 共通電極
7 分散系
8 セル
9 スペーサ
10 カプセル粒子
11 接着剤
12 白色拡散板
13 光源
13a カラーフィルタ
13b ブラックマトリクス
13c X−Yアクティブマトリクスアレー
13d 3色用X−Yアクティブマトリクスアレー
14 反射板
15 シリコン基板
16 バインダー
17 バックライトユニット
18 C1,C2,C3,……… 列電極端子
19 R1,R2,R3,……… 行電極端子
20 隔壁
21 2端子素子
22 TFT素子
23 絶縁膜
24 積層セル
25 電極ピン
電気泳動での粒子移動で実用的な応答性実現には先述の通り0.2〜2V/μm程度の電界強度が必要であり、画素サイズに係らずこの電界強度は確保したい。直視型ディスプレイに限れば電極ピッチは20〜50μm程度、セルギャップ10〜75μm、印加電圧4〜100Vが実用的である。公衆表示の超大型ディスプレイで画素が数mm〜数cmのものでも電極ピッチを上記20〜50μm程度で構成すれば十分低電圧で駆動できることになる。
図6(E)は共通電極が駆動電極とは別基板にあり、かつ透明ベタ電極の場合を示す。駆動電極は図7のようにストライプ、格子、渦など閉じられたものかあるいは図4のような閉じられない電極構成が自由に選択できる。この場合も線状駆動電極間にある粒子に電界を作用させやすいが、粒子は単極性でなければ開口率で不利になる。透過での暗状態は粒子分散状態やベタ電極への粒子堆積状態で実現できる。共通電極が透明であるとはいえ幾分光を吸収するから先述した通りセルを積層して使用する場合光ロスが大きくなる不利益が発生する

Claims (18)

  1. 少なくとも1方は透明な基板間に、帯電した微粒子が液体またはガス媒体中に分散された分散系が挟まれてセルを構成しており、該微粒子を電界で移動させて、該セルの基板に垂直方向の光透過性あるいは光反射性を変化させる表示装置において、電界を印加するために設けられた駆動電極と共通電極の電極間ピッチPが5〜100μ、画素内の駆動電極面積率が20%以下、セルギャップdをピッチpの0.2〜1.5倍に設定したことを特徴とした表示装置
  2. 請求項1において該セル中の微粒子量は微粒子分散状態において該セルの光学的透過率が10%以下になるように調整されていることを特徴とした表示装置
  3. 請求項1〜請求項2において駆動電極面積率が10%以下であることを特徴とした表示装置
  4. 請求項1〜請求項3のセルは基板間に設けられた隔壁によって形成されているかまたは分散系を内蔵したカプセル粒子によって形成されていることを特徴とした表示装置
  5. 請求項1〜請求項4において該微粒子は単一極性に荷電したものであることを特徴とした表示装置
  6. 請求項1〜請求項4において該微粒子は正、負に荷電したものが混在していることを特徴とした表示装置
  7. 請求項1〜請求項6において該微粒子は反射性であり、下基板側の色は粒子の色と異なっていることを特徴とした表示装置
  8. 請求項1〜請求項7の表示装置において該分散系は(1)色と移動速度が異なる混合粒子系ないしは(2)色が異なりかつ電極からの脱着閾値特性も異なる粒子が混在した混合粒子系からなることを特徴とした表示装置
  9. 請求項1〜請求項7の表示装置において異なる色の微粒子が分散された分散系が積層されていることを特徴とした表示装置
  10. 請求項9において、微粒子がそれぞれ赤色を吸収するシアン色透過性、緑色を吸収するマゼンタ色透過性、青色を吸収するイエロー色透過性であり少なくともこれら3層が積層されていることを特徴としたフルカラー表示装置
  11. 請求項9〜請求項10の表示装置において、異なる色の分散系がn層積層されている時、基板垂線からの角度をθ、画素サイズをSとした時、必要な視野角θを得るために、基板および分散系からなる1色当りのセルの厚みqが、q≦S/tan(θ)/nを満たすように構成されていることを特徴としたカラー表示装置
  12. 請求項1〜請求項6の表示装置は隣り合う画素にそれぞれR,G,Bのカラーフィルタが設けられていることを特徴としたカラー表示装置
  13. 請求項1〜請求項12において、該電極が単純マトリクス駆動、スタチック駆動ないしアクティブマトリクス駆動されるように構成されたことを特徴とした表示装置
  14. 請求項1〜請求項13の表示装置は背面に光源を設けていることを特徴とした表示装置
  15. 請求項1〜請求項14の表示装置は単一セルないし多数のセルからなるパネルをX,Y方向に多数集合させて構成されていることを特徴とした表示装置
  16. 請求項1〜請求項15の表示装置は曲面形状になるように構成されていることを特徴とした表示装置。
  17. 請求項1〜請求項16の表示装置は剛体基板に設けられた剥離層上に分散系層形成までのプロセスまたはパネル形成までのプロセスを実施してのち剥離することを特徴とした表示装置とその製造法
  18. 請求項1〜請求項16の表示装置はロールフィルムを用いたロールツーロールで製造されることを特徴とした表示装置とその製造法
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