JP2004198861A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単に画質を向上することができる。
【解決手段】表示基板12と背面基板18との間を、表示基板12のライン状電極28と背面基板18のライン状電極34とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように区画化し、少なくとも一区画内の複数のライン状電極に同電位の電圧印加する。このため、区画毎に均一な着色粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)の移動を制御することができ、滲みや抜けの無い画質向上された表示画像を得ることができる、という効果が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】表示基板12と背面基板18との間を、表示基板12のライン状電極28と背面基板18のライン状電極34とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように区画化し、少なくとも一区画内の複数のライン状電極に同電位の電圧印加する。このため、区画毎に均一な着色粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)の移動を制御することができ、滲みや抜けの無い画質向上された表示画像を得ることができる、という効果が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界によって着色粒子を駆動して画像表示媒体に画像を表示する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、繰返し書換え可能な画像表示装置として、電界によって移動する粒子を用いて画像表示を行う画像表示装置が知られている。このような画像表示装置において、透明な表示基板と、これと微小間隙をもって対向する背面基板の間に、導電性の黒色粒子と絶縁性の白色粒子を封入した構成の画像表示媒体を備えた技術が知られている(例えば、非特許文献1、及び特許文献1参照。)。この技術によれば、これらの基板間に電圧を印加すると、黒色粒子は正に帯電し、基板間に形成された電界に応じて白色粒子を押し分けながら基板間を移動する。ここで、黒色粒子を表示基板側に移動させると黒表示が行われ、黒色粒子を背面基板側に移動させると、白色粒子による白表示が行われる。従って、表示画像の画像情報に応じて基板間に電圧を印可し、黒色粒子を移動させることによって白黒の画像表示を行うことができる。
【0003】
これらの画像表示媒体は、透明な表示基板面に画像情報に応じて2種類の着色粒子の何れか1種類の着色粒子を付着させることで画像を表示するものであり、光隠蔽性の高い着色粒子を使用することで、色の異なる2種類の粒子による鮮明な画像表示を行うことが可能である。
【0004】
また、透明な表示基板と背面基板との間に、色及び帯電特性が異なる(互いに相反する極性に帯電した)2種類の着色粒子群を封入し、表示基板と背面基板との間に電界を作用させることで、2種類の着色粒子群をそれぞれ別々の基板側に移動させて表示を行う方法が知られている。このような画像表示媒体では、画像情報に応じて基板間に電圧を印加すれば、コントラストの高い鮮明な画像表示を行うことが可能である。このような方法において、画像表示媒体は、ある印加電圧(閾値電圧)までは画像表示が行われないという特性を有するため、粒子の駆動にあたっては、表示基板と背面基板とにライン状の電極を設けて1ライン毎に電圧を順次印加することによって画像表示を行う単純マトリクス駆動を採用することができる。
【0005】
【非特許文献1】
JapanHardcopy、1999論文集、P.249−252
【特許文献1】
特開平2000―347483号公報 (第6−7頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような画像表示装置において、単純マトリクス駆動を適用した場合には、基板間に生じる電界が該当する電極間を結ぶ直線から外れて外部を通過する場合があり、所望の電極間を移動しないときがある。
【0007】
例えば、複数のライン状の電極を有する表示基板と背面基板とを、電極が交差するように形成し、表示基板または背面基板の隣接する電極間に電位差が発生するように表示駆動電圧が印加された場合には、隣接する電極間で電界(エッジ電界)が形成され、さらに隣接する電極間の距離が基板間距離に対して小さいとき、隣接電極間に強い電界(エッジ電界)が形成される。これにより、本来の電極間を移動すべき隣接電極間付近の着色粒子は、エッジ電界によって隣接電極へ移動する場合がある。このため、電極間を移動すべき着色粒子が移動すべきではない位置へ移動することによって、像の滲みや潰れが目立ち、表示品質が劣化するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、簡単に画質を向上することができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の画像表示装置は、少なくとも透光性を有する表示基板と、前記表示基板と間隙をもって対向する背面基板と、複数の表示基板用電極と、複数の背面基板用電極と、前記表示基板と前記背面基板との基板間を、各々前記表示基板用電極と前記背面基板用電極とが交差する交点部に対応する画素領域を複数含むように複数の区画に区画化し、前記表示基板用電極と前記背面基板用電極に印加された電圧により形成された電界に応じて前記区画内を移動可能に封入された少なくとも1種類の着色粒子群と、を備えた画像表示媒体と、前記画像表示媒体に対して、前記複数区画のうち少なくとも一区画を担当する複数の前記表示基板用電極及び複数の前記背面基板用電極の各々に前記区画内において前記着色粒子群を移動させるための電界を発生させるための同電位の電圧を印加する電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の画像表示装置は、画像表示媒体を備えている。画像表示媒体は、少なくとも透光性を有する表示基板と、表示基板と間隙をもって対向する少なくとも透光性を有する背面基板との間に、着色粒子群が封入されている。また、本発明の画像表示媒体は、複数の表示基板用電極と、複数の背面基板用電極を備えている。表示基板用電極と背面基板用電極は、表示基板と背面基板との間の着色粒子群に対して電界を与えるためのものである。表示基板と背面基板との基板間は、複数の区画に区画化されている。各々の区画は、表示基板用電極と背面基板用電極とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように区画化される。電圧印加手段は、区画内において着色粒子群を移動させるための電界を発生させるための電圧を印加するためのものであり、複数区画のうち少なくとも一区画を担当する複数の表示基板用電極及び複数の背面基板用電極の各々に同電位の電圧を印加する。従って、その一区画内では、各電極による電界が略均一に生じ、形成された電界に応じて、着色粒子群は同一区画内を移動する。
【0011】
このように、各電極毎に異なる電位の電圧を順次印加するのではなく、一区画を担当する複数の表示基板用電極及び複数の背面基板用電極の各々に同電位の電圧を印加するので、着色粒子群は、一区画内で同一方向に移動する。このため、一つの区画毎に均一の画像表示を図ることができ、コントラストの高い鮮明な画像表示を行うことができる。
【0012】
例えば、本発明の画像表示装置は、各区画内の一部を光が透過するように着色粒子を移動する画像表示媒体に効果的である。例えば、赤、緑、青を含む着色層を形成した背面基板を構成し、封入された着色粒子を着色層が露出するように電界を印加して移動させ、所定の着色層を露出させることによって、多色表示を行うものがある。この画像表示媒体において着色粒子の色による表示(例えば白黒表示)を行う場合に本発明を適用することで、白黒表示が鮮明になる。
【0013】
前記画像表示媒体の前記表示基板には、前記表示基板用電極を設け、前記背面基板には、前記背面基板用電極を設けることができる。
【0014】
表示基板用電極は、表示基板に一体的に設けられ、また背面基板用電極は、背面基板に一体的に設けることができるので、電圧印加手段によって効率よく表示基板と背面基板との間に電圧を印可することができる。
【0015】
前記着色粒子群は、色及び帯電特性が異なる複数種類の着色粒子群で構成することができる。電圧印加手段は、印加する同電位の電圧として各着色粒子群の帯電特性に応じた電位を印加することによって、簡単に印加した電位の電圧に応じた着色粒子を移動させることができる。このため、簡単に表示色を変更することができる。また、前記着色粒子群を、白色及び黒色の着色粒子群で構成することによって、白黒反転色をさらに鮮明に表示することができる。
【0016】
前記画像表示媒体は、前記表示基板に設けられた電極及び前記背面基板に設けられた電極が一方向に略平行に設けられた複数のライン状電極で構成され、前記画素領域がマトリクス状に配置されるように構成することができる。
【0017】
画像表示装置は、画素領域を複数のライン状電極でマトリクス状に構成することによって、単純マトリクス駆動を適用することができる。単純マトリクス駆動を適用すると、表示基板または背面基板の隣接する電極間に電位差が発生するように表示駆動電圧が印加された場合に、隣接する電極間で電界(エッジ電界)が形成され、さらに隣接する電極間の距離が基板間距離に対して小さいとき、隣接電極間に強い電界(エッジ電界)が形成される。これにより、基板間に生じる電界が該当する電極間を結ぶ直線から外れて外部を通過する場合があり、所望の電極間を移動しないときがある。
【0018】
このため、マトリクス状に形成された表示基板のライン状電極と背面基板のライン状電極とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように、表示基板と背面基板との間を区画化した領域で均一な画像表示を行う場合、各区画毎に同電位の電圧を印加することによって、電極間を移動すべき着色粒子が移動すべきではない位置へ移動することを防ぐことができ、簡単に画質を向上することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の画像表示装置に係る第1の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0020】
図1に示すように、画像表示装置10は、画像表示媒体12及び駆動部14を備えている。画像表示媒体12は、画像を表示するためのものであり、駆動装置14に接続されている。駆動装置14は、画像表示媒体12を駆動するためのののであり、画像情報に応じて画像表示媒体12に電圧を選択的に印加するためのものである。
【0021】
画像表示媒体12は、視認側Xに設けられた透明な表示基板16、表示基板16と微少間隙をもって対向する透明な背面基板18、これらの基板間を所定間隔に保持するとともに、これらの基板間を複数の区画に区画化するための間隙部材20、及びこれらの基板間に封入された帯電特性の異なる白色粒子22及び黒色粒子24で構成されている。
【0022】
表示基板16は、ガラス基板26、ライン状電極28、及び絶縁層30が積層された構成となっている。ガラス基板26としては、本実施の形態では、厚み1.1mmの(コーニング社製♯1737)ガラス基板を使用する。このガラス基板26上には、ITO導電膜により、複数のライン状電極28が形成されている。ライン状電極28は、表示画像の縦方向の単位画素列に対応し、具体的には、幅0.1mm、ピッチ(隣接電極間隔)0.02mmで形成した。絶縁層30は、ライン状電極28にポリカーボネート樹脂を塗布することにより形成した。
【0023】
背面基板18は、ガラス基板32、ライン状電極34、着色層36、及び絶縁層38が積層された構成となっている。ガラス基板32としては、ガラス基板26と同様に、厚み1.1mmの(コーニング社製♯1737)ガラス基板を使用する。このガラス基板32上には、ITO導電膜により、複数のライン状電極34が形成されている。ライン状電極34は、表示画像の横方向の単位画素列に対応し、ライン状電極28と同様に、幅0.1mm、ピッチ(隣接電極間隔)0.02mmで形成した。なお、ライン状電極28とライン状電極34は、画像表示媒体12を形成した際に、それぞれのライン状電極が直交するように配置される。絶縁層38は、表示層36にポリカーボネート樹脂を塗布することにより形成した。
【0024】
表示層36は、ガラス基板32上に形成されたライン状電極34側に白色のインクで前面印刷して白色反射層を形成した後に、Yellow、Mgenta、Cyanのカラーインクを塗布することによりストライプ状に規則的に並べられた着色層36Y、36M、36Cを形成した。着色層36Y、36M、36Cは、背面基板18に形成されたライン状電極34に沿って形成され、各色ストライプの幅は、一例として0.12mmとした。
【0025】
なお、白色反射層は薄く形成して光透過性をもたせてもよい。また、白色反射層を形成せず、光透過性の着色層36のみとしてもよい。また、着色層36Y、36M、36Cは、表示基板16に形成されたライン状電極28と各々対向するように形成してもよい。
【0026】
間隙部材20は、表示基板16の透明性を損なわないように形成される。間隙部材20は、本実施の形態では、ドライフィルム型フォトレジストのフォトエッチングによって形成され、高さ200μmとされている。画像表示媒体12は、間隙部材20によって、表示基板と背面基板との間を、表示基板16のライン状電極28と背面基板18のライン状電極34とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように区画化されている。本実施の形態では、各区画のピッチを0.36mm、幅を100μmとした。
【0027】
なお、間隙部材20は、背面基板18に熱硬化性エポキシ樹脂をスクリーン印刷によって所望のパターン形状に塗布し、これを加熱硬化させ、さらに必要な高さになるまでこの工程を繰返すことによって形成してもよい。また、間隙部材20は、射出圧縮成形やエンボス加工、熱プレス加工等によって所望の表面形状に形成した熱可塑性フィルムを背面基板18に接着することで形成することもできる。また、エンボス加工や熱プレス加工によれば、間隙部材20を背面基板18と一体成形とすることも可能である。もちろん、透明性を損なわなければ表示基板16側に間隙部材20を形成してもよいし、表示基板16と一体成形してもよい。
【0028】
本実施の形態では、画像表示媒体12は、間隙部材20によって基板間を画像書込み方向と垂直にならんだ画素列毎に、かつ多色表示の最小画素を形成する3つの画素単位毎に区画化されている。すなわち、各区画は、着色層36Y、着色層36M、及び着色層36Yの各ストライプ一本ずつを一組として、1区画内に含まれるように形成される。ライン状電極34は、着色層36の各ストライプに沿って形成されているので、1区画内には3本のライン状電極34が形成された状態となる。
【0029】
白色粒子22は、本実施の形態では、イソプロピルトリメトキシシラン処理したチタニアの微粉末を、重量比100対0.1の割合で混合した体積平均粒径20μmの酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状白粒子(積水化成品工業(株)製テクポリマーMBX−20−ホワイト)を用いた。また、黒色粒子24としては、アミノプロピルトリメトキシシラン処理したアエロジルA130微粉末を、重量比100対0.2の割合で混合した体積平均粒径20μmのカーボン含有架橋ポリメチルメタクリレー卜の球状黒粒子(積水化成品工業(株)製テクポリマーMBX−20−ブラック)を用いた。本実施の形態では,白色粒子22と黒色粒子24とを重量比2対1の割合で混合した混合粒子を用いた。この際、白色粒子22は負に、黒色粒子24は正に帯電した。
【0030】
本実施の形態では、白色粒子22と黒色粒子24の混合粒子約20mgを、間隙部材20を形成した背面基板18の各区画内にスクリーンを通して均一に振るい落とした。次に、表示基板16の絶縁層30側を間隙部材20側にして表示基板16を背面基板18に配置し、両基板を紫外線硬化型の接着剤で接着し、画像表示媒体12を形成した。このとき、基板間の空隙体積に対する白色粒子22と黒色粒子24との総体積比は、約10%とした。
【0031】
なお、表示基板16が本発明の表示基板に相当し、背面基板18が本発明の背面基板に相当し、白色粒子22及び黒色粒子24が本発明の着色粒子群に相当する。また、画像表示媒体12が本発明の画像表示媒体に相当し、ライン状電極26及びライン状電極42が本発明の電極に相当し、駆動装置14が本発明の電圧印加手段に相当する。
【0032】
図2には、本実施の形態に係る画像表示装置10の電気的な構成をブロック図として示した。
【0033】
画像表示媒体12は、表示基板16に形成されたライン状電極28と、背面基板18に形成されたライン状電極34とが互いに交差するように配置された単純マトリクス駆動方式の構成となっている。なお、図示は省略するが、ライン状電極28及びライン状電極34は、各々画像表示に必要な縦横画素数に対応した本数の電極が各基板に形成されている。
【0034】
駆動装置14は、列電極駆動回路40、行電極駆動回路42、シーケンサ44、外部電源46、及び画像入力装置48から構成されている。ライン状電極28は、列電極駆動回路40に接続されている。ライン状電極34は、行電極駆動回路42に接続されている。列電極駆動回路40及び行電極駆動回路42はシーケンサ44と外部電源46に接続されている。シーケンサ44は、画像入力装置48に接続されており、画像入力装置48から入力される画像情報に応じて、列電極駆動回路40及び行電極駆動回路42に信号を出力する。
【0035】
このような画像表示装置10では、シーケンサ44から各ライン状電極34毎の画像書込信号(走査信号)が行電極駆動回路42に送られ、行電極駆動回路42からライン状電極34に画像書込み電圧(以下、走査電圧という)が順次印加される。同時にライン状電極34に順次印加される走査電圧の印加と同期して、走査電圧が印加されるライン状電極34に対応した画像情報信号がシーケンサ44から列電極駆動回路40へ送られる。列電極駆動回路40は、画像情報に応じた画像書込電圧(以下、画像信号電圧という)をライン状電極28に一斉に印加する。なお、ライン状電極34に印加する走査電圧の走査方向は、矢印Z方向とする。以降同様に、走査方向Zに順次電圧を印加することによって、所望の画像を画像表示媒体12に表示することができる。
【0036】
ここで、例えば、背面基板30のライン状電極42aと表示基板24のライン状電極26bとの交点70に対応する画素を表示する場合、交点70の画素には、Vcon(画像信号電圧)―Vron(走査電圧)の電圧が印加されて画像が表示される。このとき、交点70の画素以外にも、ライン状電極42aに沿った画素列にはVconの電圧が同時に印加されるため、Vconまたは−Vronの電圧では粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)が移動せず画像が表示されないことが単純マトリクス駆動を実施するための前提条件となる。
【0037】
図6に、本実施の形態で使用した画像表示媒体12における、表示基板16と背面基板18との間に印加された電界強度と画像表示濃度(反射濃度)の関係を示す。これは、正の電界で黒表示から白表示に、負の電界で白表示から黒表示に変わる画像表示媒体の例である。図6によれば、電界強度に応じて表示濃度は変化し、電界強度が強いほど高い表示コントラストが得られる。また、正の電界強度E1あるいは負の電界強度E1'までは粒子が移動せず、表示濃度が変化しない電界領域があることがわかる。
【0038】
そこで、本実施の形態では、画像表示のための電圧|Vcon−Vron|を120Vとし、粒子が移動しない電圧としてVron80V、Vcon40Vを印加するものとして説明する。
【0039】
次に、電圧印加方法詳細について説明する。
【0040】
図3には、図2に示した画像表示媒体12のB−B断面図を示した。まず、粒子の配列を整えるために、背面基板18のライン状電極34を接地し、表示基板16のライン状電極28全てに+200Vを印加する。これによって、負に帯電した白色粒子22が表示基板16側へ移動し、正に帯電した黒色粒子24が背面基板18側へ移動する。これにより、画像表示媒体12には、良好な白表示画像が提供される。
【0041】
次に、黒表示を行う場合について説明する。図4(A)には、同一区画内に配置された背面基板18のライン状電極34(34a、34b、34c、及び34e)、及び各々のライン状電極34(34a、34b、34c、及び34e)に印加する電圧の電位を示した。図4(B)には、前記区画と同一の区画内に配置された表示基板16のライン状電極28(28a、28b、28c、28d及び28e)及び、ライン状電極28(28a、28b、28c、28d及び28e)各々に印加する電圧を示した。
【0042】
なお、ライン状電極34a、34b、34c、及び34eと、ライン状電極28a、28b、28c、28d及び28eとは、間隙部材20によって同一区画内に含まれるように区画化されているものとして説明する。
【0043】
上記区画内に黒表示を行うには、まず、図4(A)に示すように、背面基板18の黒表示を行う区画内に形成されたライン状電極34b、ライン状電極34c、及びライン状電極34dの3本のライン状電極34に、走査電圧Vronとして120Vの電圧を印加する。このとき、ライン状電極34b、34c、及び34d以外のライン状電極34には、80Vの電圧を印加する。これと同時に、図4(B)に示すように、表示基板16のライン状電極28b、28c、及び28dに、画像信号電圧Vconとして0Vの電圧を印加する。このとき、ライン状電極28b、28c、及び28d以外のライン状電極28には、40Vの電圧を印加する。これにより、図5に示すように、区画内の負に帯電した白色粒子22が背景基板18側へ移動し、正に帯電した黒色粒子24が表示基板16側へ移動する。これにより、上記区画において、良好な黒表示画像が提供される。
【0044】
同様に、画像情報に応じて、各区画内に形成された3本のライン状電極28、及び3本のライン状電極34に、それぞれ同電位の電圧印加を順次走査方向Zに繰り返し行うことによって、所望の白黒画像を提示することができる。
【0045】
このように、同一区画内に配置されたライン電極に対して同電圧を印加することによって白黒表示を行ったところ、移動すべき白色粒子22及び黒色粒子24が移動すべきではない位置へ移動することがなく、画質の低下がみられず、鮮明な白黒表示画像を得ることができた。
【0046】
従って、同一区画内に形成された表示基板16及び背面基板18のライン状電極毎に、それぞれ同一電圧を印加することによって、簡単に画質を向上することができる。
【0047】
また、本発明の画像表示装置10は、各区画内の一部を光が透過するように着色粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)を移動する画像表示媒体12に効果的である。例えば、赤、緑、青を含む着色層36(36Y、36M、36C)を形成した背面基板18を構成し、封入された着色粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)を着色層36が露出するように電界を印加して移動させ、所定の着色層36を露出させることによって、多色表示を行うものがある。この画像表示媒体12において着色粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)の色による表示を行う場合に本発明を適用することで、白黒表示が鮮明になる。
【0048】
なお、本実施の形態では、隙間部材20によって形成される各々の区画に3本の電圧印加可能な電極(ライン状電極)が含まれる場合を説明したが、各々の区画に複数の電極が設けられた構成であればよく、本実施の形態のような構成に限られるものではない。
【0049】
また、本実施の形態では、ライン状電極28は表示基板16のガラス基板26に積層されているものとして説明したが、ライン状電極28を表示基板16と別体として設けてもよい。同様に、ライン状電極34は背面基板18のガラス基板32に積層されているものとして説明したが、ライン状電極34を背面基板18と別体として設けてもよい
また、本実施の形態では、画像表示媒体12は、マトリクス駆動方式の構成として説明したが、この方式に限定されるものではなく、上記に説明したように、各々の区画に2つ以上の別々に電圧印加可能な電極が形成された構成であれば、独立して電圧を印加可能な複数の孤立電極を規則的に配置した電極ヘッドを使用し、表示画素毎に電界を印加することによって画像を表示するアクティブ駆動方式の構成を用いてもよい。なお、このときに印可する電圧は、電圧の印加により基板間に発生する電位差によって、黒色粒子38及び白色粒子36が移動できる程度の電圧であればよい。
【0050】
また、本実施の形態では、同一区画内に複数のライン状電極が配置された画像表示媒体12の一例として、背景基板18に着色層36を設けた構成を説明したが、着色層36を設けない構成も可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像表示装置によれば、表示基板と背面基板との間を、表示基板用電極と背面基板用電極とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように区画化し、少なくとも一区画内を同電位の電圧印加するので、区画毎に均一な着色粒子の移動を制御することができ、滲みや抜けの無い画質向上された表示画像を得ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像表示装置の概略構成を示したものである。
【図2】本実施の形態に係る画像表示装置の電気的な構成をブロック図として示したものである。
【図3】本実施の形態に係る画像表示媒体の図2のB−B断面図である。
【図4】本実施の形態に係る各区画毎に形成されたライン状電極の模式図であり、(A)は背面基板のライン状電極、(B)は表示基板のライン状電極を示したものである。
【図5】本実施の形態に係る画像表示媒体の電圧を印加した状態の図2のB−B断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像表示媒体の対向電極間に形成される電界強度と画像表示濃度との関係を示す線図である。
【符号の説明】
10 画像表示装置
12 画像表示媒体
16 表示基板
28、38 ライン状電極
18 背面基板
22 白色粒子
24 黒色粒子
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界によって着色粒子を駆動して画像表示媒体に画像を表示する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、繰返し書換え可能な画像表示装置として、電界によって移動する粒子を用いて画像表示を行う画像表示装置が知られている。このような画像表示装置において、透明な表示基板と、これと微小間隙をもって対向する背面基板の間に、導電性の黒色粒子と絶縁性の白色粒子を封入した構成の画像表示媒体を備えた技術が知られている(例えば、非特許文献1、及び特許文献1参照。)。この技術によれば、これらの基板間に電圧を印加すると、黒色粒子は正に帯電し、基板間に形成された電界に応じて白色粒子を押し分けながら基板間を移動する。ここで、黒色粒子を表示基板側に移動させると黒表示が行われ、黒色粒子を背面基板側に移動させると、白色粒子による白表示が行われる。従って、表示画像の画像情報に応じて基板間に電圧を印可し、黒色粒子を移動させることによって白黒の画像表示を行うことができる。
【0003】
これらの画像表示媒体は、透明な表示基板面に画像情報に応じて2種類の着色粒子の何れか1種類の着色粒子を付着させることで画像を表示するものであり、光隠蔽性の高い着色粒子を使用することで、色の異なる2種類の粒子による鮮明な画像表示を行うことが可能である。
【0004】
また、透明な表示基板と背面基板との間に、色及び帯電特性が異なる(互いに相反する極性に帯電した)2種類の着色粒子群を封入し、表示基板と背面基板との間に電界を作用させることで、2種類の着色粒子群をそれぞれ別々の基板側に移動させて表示を行う方法が知られている。このような画像表示媒体では、画像情報に応じて基板間に電圧を印加すれば、コントラストの高い鮮明な画像表示を行うことが可能である。このような方法において、画像表示媒体は、ある印加電圧(閾値電圧)までは画像表示が行われないという特性を有するため、粒子の駆動にあたっては、表示基板と背面基板とにライン状の電極を設けて1ライン毎に電圧を順次印加することによって画像表示を行う単純マトリクス駆動を採用することができる。
【0005】
【非特許文献1】
JapanHardcopy、1999論文集、P.249−252
【特許文献1】
特開平2000―347483号公報 (第6−7頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような画像表示装置において、単純マトリクス駆動を適用した場合には、基板間に生じる電界が該当する電極間を結ぶ直線から外れて外部を通過する場合があり、所望の電極間を移動しないときがある。
【0007】
例えば、複数のライン状の電極を有する表示基板と背面基板とを、電極が交差するように形成し、表示基板または背面基板の隣接する電極間に電位差が発生するように表示駆動電圧が印加された場合には、隣接する電極間で電界(エッジ電界)が形成され、さらに隣接する電極間の距離が基板間距離に対して小さいとき、隣接電極間に強い電界(エッジ電界)が形成される。これにより、本来の電極間を移動すべき隣接電極間付近の着色粒子は、エッジ電界によって隣接電極へ移動する場合がある。このため、電極間を移動すべき着色粒子が移動すべきではない位置へ移動することによって、像の滲みや潰れが目立ち、表示品質が劣化するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、簡単に画質を向上することができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の画像表示装置は、少なくとも透光性を有する表示基板と、前記表示基板と間隙をもって対向する背面基板と、複数の表示基板用電極と、複数の背面基板用電極と、前記表示基板と前記背面基板との基板間を、各々前記表示基板用電極と前記背面基板用電極とが交差する交点部に対応する画素領域を複数含むように複数の区画に区画化し、前記表示基板用電極と前記背面基板用電極に印加された電圧により形成された電界に応じて前記区画内を移動可能に封入された少なくとも1種類の着色粒子群と、を備えた画像表示媒体と、前記画像表示媒体に対して、前記複数区画のうち少なくとも一区画を担当する複数の前記表示基板用電極及び複数の前記背面基板用電極の各々に前記区画内において前記着色粒子群を移動させるための電界を発生させるための同電位の電圧を印加する電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の画像表示装置は、画像表示媒体を備えている。画像表示媒体は、少なくとも透光性を有する表示基板と、表示基板と間隙をもって対向する少なくとも透光性を有する背面基板との間に、着色粒子群が封入されている。また、本発明の画像表示媒体は、複数の表示基板用電極と、複数の背面基板用電極を備えている。表示基板用電極と背面基板用電極は、表示基板と背面基板との間の着色粒子群に対して電界を与えるためのものである。表示基板と背面基板との基板間は、複数の区画に区画化されている。各々の区画は、表示基板用電極と背面基板用電極とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように区画化される。電圧印加手段は、区画内において着色粒子群を移動させるための電界を発生させるための電圧を印加するためのものであり、複数区画のうち少なくとも一区画を担当する複数の表示基板用電極及び複数の背面基板用電極の各々に同電位の電圧を印加する。従って、その一区画内では、各電極による電界が略均一に生じ、形成された電界に応じて、着色粒子群は同一区画内を移動する。
【0011】
このように、各電極毎に異なる電位の電圧を順次印加するのではなく、一区画を担当する複数の表示基板用電極及び複数の背面基板用電極の各々に同電位の電圧を印加するので、着色粒子群は、一区画内で同一方向に移動する。このため、一つの区画毎に均一の画像表示を図ることができ、コントラストの高い鮮明な画像表示を行うことができる。
【0012】
例えば、本発明の画像表示装置は、各区画内の一部を光が透過するように着色粒子を移動する画像表示媒体に効果的である。例えば、赤、緑、青を含む着色層を形成した背面基板を構成し、封入された着色粒子を着色層が露出するように電界を印加して移動させ、所定の着色層を露出させることによって、多色表示を行うものがある。この画像表示媒体において着色粒子の色による表示(例えば白黒表示)を行う場合に本発明を適用することで、白黒表示が鮮明になる。
【0013】
前記画像表示媒体の前記表示基板には、前記表示基板用電極を設け、前記背面基板には、前記背面基板用電極を設けることができる。
【0014】
表示基板用電極は、表示基板に一体的に設けられ、また背面基板用電極は、背面基板に一体的に設けることができるので、電圧印加手段によって効率よく表示基板と背面基板との間に電圧を印可することができる。
【0015】
前記着色粒子群は、色及び帯電特性が異なる複数種類の着色粒子群で構成することができる。電圧印加手段は、印加する同電位の電圧として各着色粒子群の帯電特性に応じた電位を印加することによって、簡単に印加した電位の電圧に応じた着色粒子を移動させることができる。このため、簡単に表示色を変更することができる。また、前記着色粒子群を、白色及び黒色の着色粒子群で構成することによって、白黒反転色をさらに鮮明に表示することができる。
【0016】
前記画像表示媒体は、前記表示基板に設けられた電極及び前記背面基板に設けられた電極が一方向に略平行に設けられた複数のライン状電極で構成され、前記画素領域がマトリクス状に配置されるように構成することができる。
【0017】
画像表示装置は、画素領域を複数のライン状電極でマトリクス状に構成することによって、単純マトリクス駆動を適用することができる。単純マトリクス駆動を適用すると、表示基板または背面基板の隣接する電極間に電位差が発生するように表示駆動電圧が印加された場合に、隣接する電極間で電界(エッジ電界)が形成され、さらに隣接する電極間の距離が基板間距離に対して小さいとき、隣接電極間に強い電界(エッジ電界)が形成される。これにより、基板間に生じる電界が該当する電極間を結ぶ直線から外れて外部を通過する場合があり、所望の電極間を移動しないときがある。
【0018】
このため、マトリクス状に形成された表示基板のライン状電極と背面基板のライン状電極とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように、表示基板と背面基板との間を区画化した領域で均一な画像表示を行う場合、各区画毎に同電位の電圧を印加することによって、電極間を移動すべき着色粒子が移動すべきではない位置へ移動することを防ぐことができ、簡単に画質を向上することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の画像表示装置に係る第1の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0020】
図1に示すように、画像表示装置10は、画像表示媒体12及び駆動部14を備えている。画像表示媒体12は、画像を表示するためのものであり、駆動装置14に接続されている。駆動装置14は、画像表示媒体12を駆動するためのののであり、画像情報に応じて画像表示媒体12に電圧を選択的に印加するためのものである。
【0021】
画像表示媒体12は、視認側Xに設けられた透明な表示基板16、表示基板16と微少間隙をもって対向する透明な背面基板18、これらの基板間を所定間隔に保持するとともに、これらの基板間を複数の区画に区画化するための間隙部材20、及びこれらの基板間に封入された帯電特性の異なる白色粒子22及び黒色粒子24で構成されている。
【0022】
表示基板16は、ガラス基板26、ライン状電極28、及び絶縁層30が積層された構成となっている。ガラス基板26としては、本実施の形態では、厚み1.1mmの(コーニング社製♯1737)ガラス基板を使用する。このガラス基板26上には、ITO導電膜により、複数のライン状電極28が形成されている。ライン状電極28は、表示画像の縦方向の単位画素列に対応し、具体的には、幅0.1mm、ピッチ(隣接電極間隔)0.02mmで形成した。絶縁層30は、ライン状電極28にポリカーボネート樹脂を塗布することにより形成した。
【0023】
背面基板18は、ガラス基板32、ライン状電極34、着色層36、及び絶縁層38が積層された構成となっている。ガラス基板32としては、ガラス基板26と同様に、厚み1.1mmの(コーニング社製♯1737)ガラス基板を使用する。このガラス基板32上には、ITO導電膜により、複数のライン状電極34が形成されている。ライン状電極34は、表示画像の横方向の単位画素列に対応し、ライン状電極28と同様に、幅0.1mm、ピッチ(隣接電極間隔)0.02mmで形成した。なお、ライン状電極28とライン状電極34は、画像表示媒体12を形成した際に、それぞれのライン状電極が直交するように配置される。絶縁層38は、表示層36にポリカーボネート樹脂を塗布することにより形成した。
【0024】
表示層36は、ガラス基板32上に形成されたライン状電極34側に白色のインクで前面印刷して白色反射層を形成した後に、Yellow、Mgenta、Cyanのカラーインクを塗布することによりストライプ状に規則的に並べられた着色層36Y、36M、36Cを形成した。着色層36Y、36M、36Cは、背面基板18に形成されたライン状電極34に沿って形成され、各色ストライプの幅は、一例として0.12mmとした。
【0025】
なお、白色反射層は薄く形成して光透過性をもたせてもよい。また、白色反射層を形成せず、光透過性の着色層36のみとしてもよい。また、着色層36Y、36M、36Cは、表示基板16に形成されたライン状電極28と各々対向するように形成してもよい。
【0026】
間隙部材20は、表示基板16の透明性を損なわないように形成される。間隙部材20は、本実施の形態では、ドライフィルム型フォトレジストのフォトエッチングによって形成され、高さ200μmとされている。画像表示媒体12は、間隙部材20によって、表示基板と背面基板との間を、表示基板16のライン状電極28と背面基板18のライン状電極34とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように区画化されている。本実施の形態では、各区画のピッチを0.36mm、幅を100μmとした。
【0027】
なお、間隙部材20は、背面基板18に熱硬化性エポキシ樹脂をスクリーン印刷によって所望のパターン形状に塗布し、これを加熱硬化させ、さらに必要な高さになるまでこの工程を繰返すことによって形成してもよい。また、間隙部材20は、射出圧縮成形やエンボス加工、熱プレス加工等によって所望の表面形状に形成した熱可塑性フィルムを背面基板18に接着することで形成することもできる。また、エンボス加工や熱プレス加工によれば、間隙部材20を背面基板18と一体成形とすることも可能である。もちろん、透明性を損なわなければ表示基板16側に間隙部材20を形成してもよいし、表示基板16と一体成形してもよい。
【0028】
本実施の形態では、画像表示媒体12は、間隙部材20によって基板間を画像書込み方向と垂直にならんだ画素列毎に、かつ多色表示の最小画素を形成する3つの画素単位毎に区画化されている。すなわち、各区画は、着色層36Y、着色層36M、及び着色層36Yの各ストライプ一本ずつを一組として、1区画内に含まれるように形成される。ライン状電極34は、着色層36の各ストライプに沿って形成されているので、1区画内には3本のライン状電極34が形成された状態となる。
【0029】
白色粒子22は、本実施の形態では、イソプロピルトリメトキシシラン処理したチタニアの微粉末を、重量比100対0.1の割合で混合した体積平均粒径20μmの酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状白粒子(積水化成品工業(株)製テクポリマーMBX−20−ホワイト)を用いた。また、黒色粒子24としては、アミノプロピルトリメトキシシラン処理したアエロジルA130微粉末を、重量比100対0.2の割合で混合した体積平均粒径20μmのカーボン含有架橋ポリメチルメタクリレー卜の球状黒粒子(積水化成品工業(株)製テクポリマーMBX−20−ブラック)を用いた。本実施の形態では,白色粒子22と黒色粒子24とを重量比2対1の割合で混合した混合粒子を用いた。この際、白色粒子22は負に、黒色粒子24は正に帯電した。
【0030】
本実施の形態では、白色粒子22と黒色粒子24の混合粒子約20mgを、間隙部材20を形成した背面基板18の各区画内にスクリーンを通して均一に振るい落とした。次に、表示基板16の絶縁層30側を間隙部材20側にして表示基板16を背面基板18に配置し、両基板を紫外線硬化型の接着剤で接着し、画像表示媒体12を形成した。このとき、基板間の空隙体積に対する白色粒子22と黒色粒子24との総体積比は、約10%とした。
【0031】
なお、表示基板16が本発明の表示基板に相当し、背面基板18が本発明の背面基板に相当し、白色粒子22及び黒色粒子24が本発明の着色粒子群に相当する。また、画像表示媒体12が本発明の画像表示媒体に相当し、ライン状電極26及びライン状電極42が本発明の電極に相当し、駆動装置14が本発明の電圧印加手段に相当する。
【0032】
図2には、本実施の形態に係る画像表示装置10の電気的な構成をブロック図として示した。
【0033】
画像表示媒体12は、表示基板16に形成されたライン状電極28と、背面基板18に形成されたライン状電極34とが互いに交差するように配置された単純マトリクス駆動方式の構成となっている。なお、図示は省略するが、ライン状電極28及びライン状電極34は、各々画像表示に必要な縦横画素数に対応した本数の電極が各基板に形成されている。
【0034】
駆動装置14は、列電極駆動回路40、行電極駆動回路42、シーケンサ44、外部電源46、及び画像入力装置48から構成されている。ライン状電極28は、列電極駆動回路40に接続されている。ライン状電極34は、行電極駆動回路42に接続されている。列電極駆動回路40及び行電極駆動回路42はシーケンサ44と外部電源46に接続されている。シーケンサ44は、画像入力装置48に接続されており、画像入力装置48から入力される画像情報に応じて、列電極駆動回路40及び行電極駆動回路42に信号を出力する。
【0035】
このような画像表示装置10では、シーケンサ44から各ライン状電極34毎の画像書込信号(走査信号)が行電極駆動回路42に送られ、行電極駆動回路42からライン状電極34に画像書込み電圧(以下、走査電圧という)が順次印加される。同時にライン状電極34に順次印加される走査電圧の印加と同期して、走査電圧が印加されるライン状電極34に対応した画像情報信号がシーケンサ44から列電極駆動回路40へ送られる。列電極駆動回路40は、画像情報に応じた画像書込電圧(以下、画像信号電圧という)をライン状電極28に一斉に印加する。なお、ライン状電極34に印加する走査電圧の走査方向は、矢印Z方向とする。以降同様に、走査方向Zに順次電圧を印加することによって、所望の画像を画像表示媒体12に表示することができる。
【0036】
ここで、例えば、背面基板30のライン状電極42aと表示基板24のライン状電極26bとの交点70に対応する画素を表示する場合、交点70の画素には、Vcon(画像信号電圧)―Vron(走査電圧)の電圧が印加されて画像が表示される。このとき、交点70の画素以外にも、ライン状電極42aに沿った画素列にはVconの電圧が同時に印加されるため、Vconまたは−Vronの電圧では粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)が移動せず画像が表示されないことが単純マトリクス駆動を実施するための前提条件となる。
【0037】
図6に、本実施の形態で使用した画像表示媒体12における、表示基板16と背面基板18との間に印加された電界強度と画像表示濃度(反射濃度)の関係を示す。これは、正の電界で黒表示から白表示に、負の電界で白表示から黒表示に変わる画像表示媒体の例である。図6によれば、電界強度に応じて表示濃度は変化し、電界強度が強いほど高い表示コントラストが得られる。また、正の電界強度E1あるいは負の電界強度E1'までは粒子が移動せず、表示濃度が変化しない電界領域があることがわかる。
【0038】
そこで、本実施の形態では、画像表示のための電圧|Vcon−Vron|を120Vとし、粒子が移動しない電圧としてVron80V、Vcon40Vを印加するものとして説明する。
【0039】
次に、電圧印加方法詳細について説明する。
【0040】
図3には、図2に示した画像表示媒体12のB−B断面図を示した。まず、粒子の配列を整えるために、背面基板18のライン状電極34を接地し、表示基板16のライン状電極28全てに+200Vを印加する。これによって、負に帯電した白色粒子22が表示基板16側へ移動し、正に帯電した黒色粒子24が背面基板18側へ移動する。これにより、画像表示媒体12には、良好な白表示画像が提供される。
【0041】
次に、黒表示を行う場合について説明する。図4(A)には、同一区画内に配置された背面基板18のライン状電極34(34a、34b、34c、及び34e)、及び各々のライン状電極34(34a、34b、34c、及び34e)に印加する電圧の電位を示した。図4(B)には、前記区画と同一の区画内に配置された表示基板16のライン状電極28(28a、28b、28c、28d及び28e)及び、ライン状電極28(28a、28b、28c、28d及び28e)各々に印加する電圧を示した。
【0042】
なお、ライン状電極34a、34b、34c、及び34eと、ライン状電極28a、28b、28c、28d及び28eとは、間隙部材20によって同一区画内に含まれるように区画化されているものとして説明する。
【0043】
上記区画内に黒表示を行うには、まず、図4(A)に示すように、背面基板18の黒表示を行う区画内に形成されたライン状電極34b、ライン状電極34c、及びライン状電極34dの3本のライン状電極34に、走査電圧Vronとして120Vの電圧を印加する。このとき、ライン状電極34b、34c、及び34d以外のライン状電極34には、80Vの電圧を印加する。これと同時に、図4(B)に示すように、表示基板16のライン状電極28b、28c、及び28dに、画像信号電圧Vconとして0Vの電圧を印加する。このとき、ライン状電極28b、28c、及び28d以外のライン状電極28には、40Vの電圧を印加する。これにより、図5に示すように、区画内の負に帯電した白色粒子22が背景基板18側へ移動し、正に帯電した黒色粒子24が表示基板16側へ移動する。これにより、上記区画において、良好な黒表示画像が提供される。
【0044】
同様に、画像情報に応じて、各区画内に形成された3本のライン状電極28、及び3本のライン状電極34に、それぞれ同電位の電圧印加を順次走査方向Zに繰り返し行うことによって、所望の白黒画像を提示することができる。
【0045】
このように、同一区画内に配置されたライン電極に対して同電圧を印加することによって白黒表示を行ったところ、移動すべき白色粒子22及び黒色粒子24が移動すべきではない位置へ移動することがなく、画質の低下がみられず、鮮明な白黒表示画像を得ることができた。
【0046】
従って、同一区画内に形成された表示基板16及び背面基板18のライン状電極毎に、それぞれ同一電圧を印加することによって、簡単に画質を向上することができる。
【0047】
また、本発明の画像表示装置10は、各区画内の一部を光が透過するように着色粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)を移動する画像表示媒体12に効果的である。例えば、赤、緑、青を含む着色層36(36Y、36M、36C)を形成した背面基板18を構成し、封入された着色粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)を着色層36が露出するように電界を印加して移動させ、所定の着色層36を露出させることによって、多色表示を行うものがある。この画像表示媒体12において着色粒子(白色粒子22及び黒色粒子24)の色による表示を行う場合に本発明を適用することで、白黒表示が鮮明になる。
【0048】
なお、本実施の形態では、隙間部材20によって形成される各々の区画に3本の電圧印加可能な電極(ライン状電極)が含まれる場合を説明したが、各々の区画に複数の電極が設けられた構成であればよく、本実施の形態のような構成に限られるものではない。
【0049】
また、本実施の形態では、ライン状電極28は表示基板16のガラス基板26に積層されているものとして説明したが、ライン状電極28を表示基板16と別体として設けてもよい。同様に、ライン状電極34は背面基板18のガラス基板32に積層されているものとして説明したが、ライン状電極34を背面基板18と別体として設けてもよい
また、本実施の形態では、画像表示媒体12は、マトリクス駆動方式の構成として説明したが、この方式に限定されるものではなく、上記に説明したように、各々の区画に2つ以上の別々に電圧印加可能な電極が形成された構成であれば、独立して電圧を印加可能な複数の孤立電極を規則的に配置した電極ヘッドを使用し、表示画素毎に電界を印加することによって画像を表示するアクティブ駆動方式の構成を用いてもよい。なお、このときに印可する電圧は、電圧の印加により基板間に発生する電位差によって、黒色粒子38及び白色粒子36が移動できる程度の電圧であればよい。
【0050】
また、本実施の形態では、同一区画内に複数のライン状電極が配置された画像表示媒体12の一例として、背景基板18に着色層36を設けた構成を説明したが、着色層36を設けない構成も可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像表示装置によれば、表示基板と背面基板との間を、表示基板用電極と背面基板用電極とが交差する交点部に対応する画素領域が複数含まれるように区画化し、少なくとも一区画内を同電位の電圧印加するので、区画毎に均一な着色粒子の移動を制御することができ、滲みや抜けの無い画質向上された表示画像を得ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像表示装置の概略構成を示したものである。
【図2】本実施の形態に係る画像表示装置の電気的な構成をブロック図として示したものである。
【図3】本実施の形態に係る画像表示媒体の図2のB−B断面図である。
【図4】本実施の形態に係る各区画毎に形成されたライン状電極の模式図であり、(A)は背面基板のライン状電極、(B)は表示基板のライン状電極を示したものである。
【図5】本実施の形態に係る画像表示媒体の電圧を印加した状態の図2のB−B断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像表示媒体の対向電極間に形成される電界強度と画像表示濃度との関係を示す線図である。
【符号の説明】
10 画像表示装置
12 画像表示媒体
16 表示基板
28、38 ライン状電極
18 背面基板
22 白色粒子
24 黒色粒子
Claims (5)
- 少なくとも透光性を有する表示基板と、前記表示基板と間隙をもって対向する背面基板と、複数の表示基板用電極と、複数の背面基板用電極と、前記表示基板と前記背面基板との基板間を、各々前記表示基板用電極と前記背面基板用電極とが交差する交点部に対応する画素領域を複数含むように複数の区画に区画化し、前記表示基板用電極と前記背面基板用電極に印加された電圧により形成された電界に応じて前記区画内を移動可能に封入された少なくとも1種類の着色粒子群と、を備えた画像表示媒体と、
前記画像表示媒体に対して、前記複数区画のうち少なくとも一区画を担当する複数の前記表示基板用電極及び複数の前記背面基板用電極の各々に前記区画内において前記着色粒子群を移動させるための電界を発生させるための同電位の電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。 - 前記画像表示媒体の前記表示基板には、前記表示基板用電極が設けられ、前記背面基板には、前記背面基板用電極が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記着色粒子群は、色及び帯電特性が異なる複数種類の着色粒子群であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記着色粒子群は、白色及び黒色の着色粒子群であることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
- 前記画像表示媒体は、前記表示基板に設けられた電極及び前記背面基板に設けられた電極が一方向に略平行に設けられた複数のライン状電極で構成され、前記画素領域がマトリクス状に配置されたことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示装置。
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JP2007156477A (ja) * | 2005-12-02 | 2007-06-21 | Lg Electronics Inc | 分割された電極を持つ反射型表示装置 |
JP2007164150A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-28 | Bridgestone Corp | 情報表示用パネル |
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JP2011013254A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Toppan Forms Co Ltd | 情報表示媒体 |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369195A patent/JP2004198861A/ja active Pending
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