JP4380123B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰り返し書き換えが可能な画像表示装置に係り、特に、外部に設けた電極を画像表示媒体上で移動させながら電圧を印加することにより画像を表示させる画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、所謂電子ペーパーと言われる繰り返し書き換えが可能なメモリー性のある画像表示技術として、着色粒子の回転(Twisting Ball Display)、電気泳動、サーマルリライタブル、メモリ性を有する液晶、エレクトロクロミー等の技術が知られている。
【0003】
このような技術の中で、着色粒子(トナー)を用いて表示する画像表示媒体として、導電性の着色粒子と白色粒子とを対向する表示基板と非表示基板との間に空気を媒体として封入し、両基板の内側に電荷輸送層と電極が形成された画像表示媒体がある(Japan Hardcopy L99 論文集p249−p251、Japan Hardcopy L99fall予稿集p10−p13)。このような画像表示媒体は、電荷輸送層を介して導電性着色粒子へ電荷が注入され、電荷注入された導電性着色粒子が電極により画像に応じて形成された基板間の電界により移動して表示基板へ付着する。これにより、表示基板側に導電性着色粒子と白色粒子とのコントラストとしての画像が表示される。
【0004】
また、特開2001−215909号公報には、セル内に粒子を封入し、移動式のマルチスタイラス電極によって表示基板に静電潜像を書き込み、粒子を移動させて表示を行う装置が開示されている。
【0005】
また、特開2002−14380号公報には、表示基板と非表示基板間に色及び帯電特性の異なる複数の粒子群を封入し、表示基板の外側から画像書き込み手段に設けられた電極で電界を印加して粒子を移動させることにより画像を表示させる装置が開示されている。
【0006】
このような基板外部に設けられた移動電極により画像表示を行わせる構成の場合、基板内に電極を設ける必要が無く、装置を単純化することができ、画像表示媒体単体のコストを安くすることできる。
【0007】
また、電極の駆動が1ライン(又は千鳥状に電極を配列した複数ライン)分で済むため、画像表示媒体の全面に駆動素子を設ける場合に比べて、駆動回路を単純にすることができコストを安くすることができる。
【0008】
さらに、画像表示媒体に透明電極(例えばITO電極)を配置しなくてよいため、表示基板の透過率を高くすることができ、画像表示媒体を明るく認識しやすくすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような着色粒子を用いた画像表示媒体は、図10に示すように、表示基板100と背面基板102との間に設けられた仕切部材104によって粒子106が移動するための空間を有しており、その空間には気体や液体が封入されている。粒子106は、予め摩擦帯電させられているか、あるいは電荷付与によって所定の極性の帯電量を保持しており、表示基板100側に設けられた移動電極108と背面基板102側に設けられた背面電極110との間に電圧印加手段112によって印加された電圧によって形成された電界によって、基板間を移動する。粒子106が電界から力を受けて移動を行うためには粒子106の充填密度は低い方が良く、通常は粒子体積に対して十分な移動空間を有している。
【0010】
また、移動電極108に電圧を印加した場合、図10に示すように、移動電極108の中央部側に発生する電界は基板面に対して直交する方向の電界成分のみとなるが、移動電極108の端部側の電界には勾配があるので、基板に平行な方向の電界成分がある。
【0011】
帯電された粒子は電界の方向に沿って力を受けるため、電界の勾配がある移動電極108の端部の外側近傍にある粒子は、移動電極108の中心方向へ力を受けて移動する場合がある。特に、電界を印加した状態で移動電極108が矢印方向に移動すると、これに引きずられて粒子106の偏りが生じ、表示画像に欠陥が発生する場合がある。
【0012】
この場合、仕切部材104によって基板間が複数のセルに仕切られていても、セル内で電界印加したまま移動電極を移動すると、セル内に粒子の偏りが生じる。
【0013】
特に、表示基板100側に移動する粒子106の量を増やすために、極性の異なる電界を交互に印加する交番電界を印加することにより電界印加の初期では基板に貼り付いて動きづらかった粒子106を粒子106同士の衝突のエネルギによって基板から引き剥がして所定の基板側へ移動させて表示に寄与させる場合、移動電極108の移動方向に粒子が移動してしまうため、表示画像にムラが生じてしまうという不具合が発生する場合があった。
【0014】
本発明は、上記事実に鑑みて成されたものであり、外部電極による画像書き込みにおいて粒子の偏在を防ぐことができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板、前記一対の基板間に印加される電圧により形成される電界に応じて移動可能に前記基板間に封入された少なくとも1種類の粒子群、及び前記基板間を複数のセルに仕切る仕切部材を備えた画像表示媒体と、前記一対の基板の一方の基板上を予め定めた所定方向に移動する電極ヘッドと、前記一対の基板の他方の基板側に設けられた背面電極と、前記電極ヘッドを前記所定方向に移動させる制御手段と、前記電極ヘッドが画像書き込み対象の前記セル上に位置したことを検出する検出手段と、前記電極ヘッドが画像書き込み対象の前記セル上に位置したことを前記検出手段が検出した時に、当該セル内の粒子を移動させるのに必要な時間の間、画像情報に応じた電圧を前記電極ヘッドと前記背面電極との間に印加する電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、画像表示装置は、画像表示媒体及び電圧印加手段を備えている。
【0017】
画像表示媒体は、一対の基板と、粒子群と、仕切部材とで構成される。一対の基板のうち少なくとも1つの基板は透光性を有する。この透光性を有する基板が表示基板となり、他方の基板が背面基板となる。
【0018】
一対の基板間には、粒子群が封入される。この粒子群は、印加される電圧により形成される電界に応じて移動可能に基板間に封入される。なお、請求項5に記載したように、粒子群は、請求項5に記載したように、帯電特性及び色が異なる複数の粒子群とすることができる。これにより、様々な色を表示することができる。基板間は、仕切部材によって複数のセルに仕切られる。
【0019】
電圧印加手段は、一対の基板の一方の基板上を予め定めた所定方向に移動する電極ヘッドを所定方向に移動させながら、仕切部材の通過に同期した所定タイミングで画像情報に応じた電圧を電極ヘッドと一対の基板の他方の基板側に設けられた背面電極との間に印加する。なお、背面電極は、他方の基板の外側に配置してもよいし、他方の基板内に設けても良いし、他方の基板の内側、すなわち一方の基板側の表面に設けても良い。
【0020】
電極ヘッドは、例えば電極ヘッドが移動する所定方向の幅がセルの前記所定方向の幅と略同一かそれ以上の幅の電極を備えている、この電極は、例えば所定方向と直交する方向のセルの数と同じ数だけ設けられる。この場合、背面電極は、例えば他方の基板の全面を覆う一様な電極となる。すなわち、この場合は所謂アクティブマトリクス駆動が採用され、電圧印加手段は、電極ヘッドを所定方向へ移動させながら画像書き込み位置のセル(画素)の電極に電圧を印加する。また、電極ヘッドの各電極は、所定方向と直交する方向に一列に並べても良いし、複数列に並べても良い。さらに、千鳥配列状に並べても良い。
【0021】
なお、電極ヘッドの電極を所定方向と直交する方向を長手方向とする長尺状の電極とし、背面電極を所定方向を長手方向とする長尺状の複数の電極を所定方向と直交する方向に並べた構成としてもよい。すなわち、この場合は所謂単純マトリクス駆動が採用され、電極ヘッドは、制御手段によって所定方向に移動される。
【0022】
また、検出手段は、電極ヘッドが画像書き込み対象のセル上に位置したことを検出する。電圧印加手段は、仕切部材の通過に同期して電圧を電極ヘッドと背面電極との間、すなわち一対の基板間に電圧を印加する。すなわち、電圧印加手段は、例えば電極ヘッドが移動している間に連続的に電圧を印加するのではなく、電極ヘッドが画像書き込み対象のセル上に位置したことを検出手段が検出した時に、当該セル内の粒子を移動させるのに必要な時間の間(そのセル内の粒子を移動させるのに最低限必要な時間だけ)、電圧を印加する。これにより、画像書き込み対象のセルの後のセル、すなわち、すでに画像書き込みが終了したセルの粒子が電極ヘッドの移動方向に引きずられて偏在してしまうのを防ぐことができる。従って、表示画像にむらがなく、高品質の画像を表示させることができる。
【0023】
請求項2記載の発明は、前記電圧印加手段は、前記セル及び前記仕切部材の前記所定方向における長さと前記電極ヘッドの移動速度とに基づいて、前記画像情報に応じた電圧を前記電極ヘッドと前記背面電極との間に印加する間隔を設定することを特徴とする。
【0024】
すなわち、例えば電極ヘッドの所定方向における後端が仕切部材を通過した時に、画像情報に応じた電圧が電極ヘッドと背面電極との間に印加されるように、電圧を印加する所定タイミング、すなわち電圧印加の間隔を設定する。これにより、同期マークを基板に設ける必要がなく、検出手段も不要となるので、低コストで装置を構成することができる。
【0025】
請求項3記載の発明は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板、前記一対の基板間に印加される電圧により形成される電界に応じて移動可能に前記基板間に封入された少なくとも1種類の粒子群、前記基板間を複数のセルに仕切る仕切部材、及び前記一方の基板上に予め定められた所定方向に沿って前記セルに対応して配置された同期マークを備えた画像表示媒体と、前記一対の基板の一方の基板上を前記所定方向に移動する電極ヘッドと、前記電極ヘッドに設けられ、前記同期マークを検出する検出手段と、前記一対の基板の他方の基板側に設けられた背面電極と、前記電極ヘッドを前記所定方向に移動させながら、前記検出手段が前記同期マークを検出した時に画像情報に応じた電圧を前記移動電極と前記背面電極との間に印加する電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、一方の基板には、同期マークが所定方向、すなわち電極ヘッドの移動方向に沿ってセルの各列に対応して例えば印刷等により設けられる。この同期マークは、電極ヘッドに設けられた検出手段によって検出されるが、例えば、電極ヘッドの所定方向における後端が仕切部材を通過した時に、画像情報に応じた電圧が電極ヘッドと背面電極との間に印加される位置に配置される。
【0027】
検出手段は、例えば同期マークを光学的に読み取ることができる。また、同期マークを導電性を有する部材で構成し、このマークとの導通を検出することにより同期マークの有り無しを検出するようにしてもよい。
【0028】
また、請求項4にしたように、前記電圧印加手段は、前記電極ヘッドの前記所定方向の後端が前記仕切部材を通過した時に、画像情報に応じた電圧を前記電極ヘッドと前記背面電極との間に印加するようにしてもよい。
【0029】
この発明によれば、電極ヘッドの所定方向における後端が仕切部材を通過した時に、画像情報に応じた電圧を電極ヘッドと背面電極との間に印加するので、電極ヘッドの所定方向における幅がセルの所定方向の幅より大きい場合でも、すでに画像書き込みが終了したセルの粒子が電極ヘッドの移動方向に引きずられて偏在してしまうのを防ぐことができる。
【0030】
また、請求項5に記載したように、前記粒子群は、帯電特性及び色が異なる複数の粒子群である構成としてもよい。
【0031】
その場合、異なる種類の粒子を電界により移動させて表示させることで、よりコントラストの明瞭な画像表示装置を得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0033】
図1(B)には、本発明に係る画像表示装置10の概略構成を示した。図1(B)に示すように、画像表示装置10は、画像表示媒体12を備えている。
【0034】
画像表示媒体12は、画像が表示される側の透明な表示基板14と、これと微小間隙をもって対向する背面基板16との間に、基板間の距離を一定に保持すると共に基板間を複数のセル18に仕切るための仕切部材20が設けられ、各セル18内に粒子22が封入された構成となっている。
【0035】
また、画像表示装置10は、図1(A)、(B)に示すように、表示基板14上を図中矢印A方向に移動しながら画像情報に応じた電圧を表示基板14に印加するための電極ヘッド24、背面基板16側に設けられた背面電極26、電極ヘッド24を矢印A方向に移動させながら電極ヘッド24及び背面電極26に画像情報に応じた電圧を印加する電圧印加手段28を備えている。
【0036】
また、表示基板14には、図1(A)に示すように、電極ヘッド24の移動方向に沿って、各セル18に対応して同期マーク30が形成されている。電圧印加手段28は、同期マーク30を検知したタイミングで電圧を印加する。
【0037】
画像表示媒体12の表示基板14は、透明であって基板面に平行な方向に絶縁性を有しており、その抵抗値は例えば108Ω以上であり、1010Ω以上であることが好ましい。これにより、画像書き込み時の電界が基板面と平行な方向に同一になるのを防ぐことができ、画像がぼけるなどの欠陥が生じない。また、表示基板14は、セル18に対応した領域が基板面と直交する方向、すなわち基板の厚み方向に導電性を有していてもよい。この場合、セル18間で絶縁されていることが必要となる。
【0038】
背面基板16は、絶縁性でも導電性でも良く、その厚みは構造や面積に応じて十分な強度を得るように設計される。背面基板16側に設けられた背面電極26は、電極ヘッド24になるべく近い側に設けることにより、電極ヘッド24と背面電極26との間に印加する電圧に対して実際に基板間に作用する電界の強度を大きくでき、駆動電源を小電力化できるため好ましい。また、粒子22に絶縁性の粒子を用いる場合は背面基板16の表面、すなわち表示基板側の面は絶縁性である方が粒子22の電荷を逃がさないので好ましい。なお、背面基板16の外部に電極を設けるのではなく、背面基板16に金属やITO電極等の電極を設けてもよい。
【0039】
基板間は、粒子22が移動できる程度の距離の高さを有する仕切部材20によって仕切られる。基板間の距離は粒子22の粒径にもよるが、粒子22の粒径の5倍から100倍程度にするのが好ましい。後述する粒子22の充填量にもよるが、粒子径に対して基板間が狭すぎると粒子22が基板間に凝集する場合があり画像欠陥を生じるおそれがある。また、基板間を広くしすぎると、印加する電圧を大きくする必要があり、駆動電力が増大するので好ましくない。
【0040】
基板間は、気体を封入してもよし、液体を封入してもよいし、真空に近い状態となるようにしてもよい。気体の場合は粒子22の帯電性を良好に保つため、湿度が低い方が好ましく相対湿度で60%以下がよく、好ましく40%以下がよい。液体の場合は粒子22の電荷を保持するためにアイソパーなどの絶縁性の液体であることが必要となる。
【0041】
また、図1では図示は省略したが、基板の外縁部が粒子22及び封入された気体や液体などを密封するためのシール部によってシールされることにより表示基板14と背面基板16とが固定されている。シール部は接着剤、熱硬化性やUV硬化性の樹脂等が用いられる。
【0042】
仕切部材20は、基板間距離を一定に保ち、基板を接合すると共に、基板内を細分化されたセル構造に分割する。仕切部材20は表示基板14側から見た場合に目立たない程度の幅にするのが好ましく、セル18の表示基板側から見た仕切部材20の先端の幅と、一辺の幅(セルのピッチ)との比を、1/10以下にすると、表示に有効な開口率(全有効表示面積に対するセル18の面積和の比)が約8割以上となり表示コントラストを向上させることができるので好ましい。
【0043】
仕切部材20は何れかの基板にフォトリソグラフィー法やスクリーン印刷を用いて作製したり、例えば射出成形や熱プレス、エンボス加工により作製された編み目状の樹脂成型品を挟み込んでもよい。
【0044】
基板間を移動可能に封入される粒子22は、帯電電荷を保持できる粒子、例えば絶縁性の粒子が用いられ、1種類の粒子群でもよいが、複数種類の粒子群を用いてもよい。複数種類の粒子群を用いる場合は、粒子群ごとの帯電極性と色を異なる組み合わせにする。特に、例えば互いに逆極性に帯電する白色粒子及び他の色に着色された粒子を用いることにより、あたかも紙の上に画像を印刷したかのような鮮明な画像を表示することができる。
【0045】
互いに逆極性の絶縁性粒子を用いる場合には、封入直後は基板間で各粒子はクーロン力によって各粒子群は混合した状態にあり、これら粒子間のクーロン力以上の電界を印加することにより、互いに逆極性に帯電された粒子は引き離され、それぞれ逆極性の電界方向に移動して基板表面に付着する。電界が切断されても粒子は鏡像力とファン・デル・ワールス力によって各々移動した側の基板表面近傍に付着して保持される。なお、各粒子群はそれぞれの基板側に堆積しており、実際には書換え時の印加電圧は鏡像力とファン・デル・ワールス力以上の外力を与えればよい。
【0046】
なお、「基板間を移動可能」とは、一方の基板側に存在する粒子が電圧印加によって形成された電界により他方の基板側に移動できることを意味しており、ある電界によってすべての粒子群の粒子が同時に移動する場合だけでなく、ある粒子群の粒子はある電界強度によっては移動しないが、電界強度を上げれば移動可能となる場合も含む。すなわち、このような状態で粒子が封入されていれば、粒子の移動が、他種類の粒子群の存在によって実質的に阻害されることがない。
【0047】
また、各種類の粒子が基板間を移動可能とするには、基板間の粒子の充填率、粒子間の流動度、粒子形状、粒子径、粒子の材料、基板内面(粒子と電極が直接触れる場合には電極表面)等をどのように設定するかによるが、特に以下のように設定することが好ましい。
【0048】
まず、充填量については、基板間に含まれる全粒子の充填率が0.1%以上で且つ50vol%以下であれば画像表示が可能となるが、40%以下、特に25%以下であれば画像のコントラストがよくとれるため好ましい。50%を越えると急激に粒子が密となってその移動が阻害され始め、一方の基板側に止まってしまう粒子の割合が増加し、コントラスト低下の原因となってしまう。50%以下とすれば、各粒子は基板間を移動可能となる。
【0049】
流動度については高い方が好ましく、粒子の外形は曲面形状がよい。更に好ましくは楕円球などの球状であり、更に好ましくは真球がよい。流動度を高めるには、粒子に摩擦力を低下させる外添剤を添加してもよい。
【0050】
粒子径は、印加する電界で移動可能であればよいが、基板間に気体を封入する場合や真空に近い状態で用いる場合は平均粒径を1μm以上とすることが好ましい。1μm以下の場合、粒子間あるいは粒子・基板間の結合力はクーロン力よりもファン・デル・ワールス力の方が優勢となってしまい、電界によって逆極性の粒子を引き離すことがそのままでは困難となってしまう。ただし、超音波振動など電界以外の力を組み合わせることによって粒子を分離できるようにすれば、1μmより小さくしても使用できる場合がある。特に画像のメモリ性を高くすることが要求される場合には、1μmより小さくするのが好ましく、画像書き換え装置を簡易にしたり、書き換えを高速に行わせることが要求される場合には、1μm以上とするのが好ましい。
【0051】
液中で粒子を移動させる場合は1μm以下でも移動しやすくなるため、気体中よりメモリー性が劣るという特性を有する一方、電界の強度や印加時間により表示濃度を段階的に制御できるという特徴を有する。
【0052】
粒子と、基板材料又は電極などの粒子と接触する部分との組合わせとしては、互いの付着力が小さくなるものを選択した方が粒子の基板間の移動は容易になるので、高速書き換えには好ましい。基板表面は平坦としてもよいし、散乱面(特に背面基板16の表示基板14側)としてもよい。
【0053】
各粒子の帯電方法としては、粒子の封入後に電界によって帯電させる方式の他、予め複数種類の粒子群を混合・攪拌することで摩擦帯電させ、その後に基板間に封入させることもできる。また、絶縁性の粒子であれば、粒子の封入後に画像表示媒体自体を振動させて、粒子を攪拌・摩擦帯電させることでそれぞれ逆極性に帯電させることもできる。
【0054】
また、粒子の平均帯電量(fC/個)はおおよそ粒子の平均粒子径2rの二乗に比例し、平均粒子径が小さいほど平均帯電量(fC/個)は小さくなるため、粒子径に応じて平均帯電量の好ましい範囲も異なる。即ち、各粒子の平均帯電量は±5×(r2/102)(fC/個)以上、±150×(r2/102)(fC/個)以下が好ましい。平均帯電量が5×(r2/102)(fC/個)より小さいと、粒子は分離して異方向へ基板間を移動するものの、十分な表示濃度を示さない。また、150×(r2/102)fC/個よりも大きいと粒子は分離せず、凝集体となって同じ方向へ移動し、表示濃度コントラストも小さくなってしまう。なお、粒子の帯電特性は、粒子を構成する材料、粒子に添加する外添剤・内添剤、粒子の層構造、粒子の形状等によって制御することが可能である。
【0055】
例えば表面にTiO(OH)2 とシラン化合物との反応で得られるチタン化合物を含有した添加剤を添加した粒子を用いてもよい。ことにより、適度な帯電量になると共に帯電維持性が安定し、且つ流動性が良好になるので、基板間に与えられた電界により粒子が基板内側表面に強固に付着することなく基板間を円滑且つ安定に移動することができ、高いコントラストで画像表示することができる。
【0056】
このような画像表示媒体12は、画像情報に応じた電圧を印加することにより画像に応じて粒子が基板間を移動し、画像を表示させることができる。また、基板間に形成された電界が消失しても基板上へ移動した粒子群は鏡像力と付着力によりその場に留まり、画像を保持できる。その後再び電界を加えると粒子群は再び移動することができる。このように画像情報に応じて外部から電界が加えられることにより繰り返し画像を表示させることができる
なお、粒子群のうち少なくとも1種類が磁性を帯びた粒子としてもよい。この場合、磁気力で粒子を移動させることができる。
【0057】
また、基板間に粒子よりも径が大きいスペーサ粒子を封入してもよい。これにより、基板と基板の間の距離を略一定に保つことができる。
【0058】
さらに、セルごとに色の異なる粒子、又は色の異なる組み合わせの粒子群を封入して多色表示を行うこともできる。例えば、セル毎に、レッド、グリーン、ブルーの3種類の粒子を同じ配列で配置すれば、カラー表示を行うことができる。又は、2種類の粒子を各セルに封入する場合にはイエローの粒子と白色の粒子、マゼンダの粒子と白色の粒子、シアンの粒子と白色の粒子を封入してもよい。そして、各色毎に電界を発生させることによりカラー画像を形成することができる。
【0059】
電極ヘッド24は、表示基板14と接する側の面に、例えばセル18と形状及びサイズが略同一の電極25が、矢印A方向と直交する方向に一列に並んで形成されている。表示基板14との接触面は、不慮の接触による感電や導電性のゴミなどによる短絡を防ぐために絶縁層を設けることが好ましい。
【0060】
なお、図1(A)では、電極25の形状及びサイズは、セル18と略同一としているが、これに限らず、セル18が複数の電極25を含むような形状及びサイズとなっていてもよく、逆に、電極25が複数のセル18を含むような形状及びサイズとなっていてもよい。
【0061】
また、電極25の数は、図1(A)では説明の簡単のため3個としているが、画像表示媒体12の大きさ、画像表示媒体の面積や画像の内容、書き込み画像の解像度などにもよるが、1インチ(25.4mm)あたり10〜600程度の数とする。また、電極ヘッド24の移動方向と直角な方向に電極25が重ならないように素子を配列すると画像書込みの効率が良くなる。
【0062】
背面電極26は、背面基板16側に設けられ、背面基板16と略同一の面積を有する一様なベタ電極である。なお、背面電極26を背面基板16の内部に配置してもよい。また、ベタ電極ではなく、電極ヘッド24に設けられた電極と同様に、セル18と形状及びサイズが略同一の電極としてもよい。また、電極ヘッド24と同様の電極ヘッドを背面基板16側に設け、両方の電極ヘッド24を同期して移動させるようにしてもよい。これにより、基板間に印加される電界のもれを少なくすることができ、表示画像をシャープにすることができる。
【0063】
なお、電極ヘッド24を背面基板16側に設け、背面電極16を表示基板14側に設けてもよいが、表示基板14側に設けた方が、粒子22を移動させる電界を絞り込めるため、表示画像をシャープにできるので好ましい。電極ヘッド24を背面基板16側に設けると、表示画像は電極ヘッド24を表示基板14側に設けた場合と比較してやや劣るものの、電極ヘッド24自体が観察者側に位置しないので、見栄えをよくすることができる。
【0064】
電極ヘッド24は、図示しない移動手段によって図1において矢印A方向に駆動される。この移動手段は、例えば画像表示媒体12の片側又は両側に矢印A方向に沿って設けられたガイドレールと電極ヘッド24をガイドレールに沿って移動させるための駆動モータとにより構成される。電極ヘッド24の矢印A方向と直交する方向における一端又は両端は、矢印A方向に移動可能にガイドレールに連結され、駆動モータによって矢印A方向に駆動される。
【0065】
なお、画像表示媒体12の表示基板14との接触性を良好にして電圧印加を確実に行うようにするために、電極ヘッド24を上方から表示基板14に押し付けるためのスプリングなどの弾性部材を設けてもよい。
【0066】
また、電極ヘッド24は、図1(A)に示すように、表示基板14上に形成された同期マーク30を例えば光学的に読み取るための検知センサ27を備えている。同期マーク30は、電極ヘッド24が仕切部材20を通過する時、すなわち電極ヘッド24がセル18のほぼ真上に位置する時に検知センサ27が同期マーク30を検知するように表示基板14上に形成される。
【0067】
電圧印加手段28は、画像情報に応じた電圧を電極25に印加する。印加する電圧は、粒子22の帯電量や電極25と背面電極26との間の距離にもよるが、例えば数十V〜数百Vである。印加された電圧により形成される電界は、粒子22の帯電量や基板表面との付着力により適宜設定されるが、通常は0.1×106V/m〜10×106V/mの範囲である。電圧印加時間tは、粒子22の応答速度(基板間の移動速度)により設定されるが、気体中の粒子移動の場合は数ミリ秒から100ミリ秒程度であり、液体中の場合は数10ミリ秒から数秒である。
【0068】
電極ヘッド24の移動速度vは、電圧印加時間t及びセル18の矢印A方向の幅Lとの関係で定まり、v<(L/t)となるように設定することにより、電圧印加中にセル18内で粒子22が引きずられ、粒子22が偏在してしまうのを軽減することができる。また、vを(L/t)の1/10程度にすることによりセル18内部で粒子22が引きずられるのをさらに防ぐことができるので好ましい。
【0069】
また、電圧印加時間tの間に、極性の異なる電界を交互に印加する交番電界を印加してもよい。この場合、電界印加の初期に移動した粒子を電界の方向に従って基板間を往復運動させ、初期では基板に貼り付いて動きづらかった粒子を、粒子同士の衝突のエネルギーによって基板から引き剥がして所定の基板側へ移動させることができる。電圧印加時間t終了時の電界方向を、粒子を移動させる方向にして電圧印加を終了させれば、表示に寄与させる粒子の量を増やすことができ、表示画像のコントラストを向上させる効果が得られる。
【0070】
次に、電圧印加手段28による電圧印加のタイミングについて説明する。
【0071】
電圧印加手段28は、図2に示すように、電極ヘッド24を図中矢印A方向へ移動させる。そして、検知センサ27により同期マーク30を検知すると、すなわち、電極ヘッド24が仕切部材20を通過して電極ヘッド24がセル18の真上に位置すると、電圧印加時間tだけ電圧を印加する。これにより、セル18内の粒子22が移動し、画像が表示される。
【0072】
このように、電圧印加手段28は、連続的に電圧を印加せず、電極ヘッド24が電極ヘッド24の仕切部材20の通過に同期して、電圧印加時間tだけパルス的に電圧を印加する。これにより、画像書込み対象のセル18又は既に画像書込みが終了した上流のセル18内の粒子22が電極ヘッド24の移動方向に引きずられて偏在してしまうことがない。これにより、表示画像の画質が劣化するのを防ぐことができる。
【0073】
なお、仕切部材20の矢印A方向と直交する方向のラインと電極ヘッド24の後端部のラインが略平行となるようにするのが好ましく、電極25の矢印A方向と直交する方向の配置間隔は、セル18の前記直交する方向の配置間隔と同じか、又は整数倍となるようにすることにより、セル18間での粒子22のクロストーク、すなわち電極25間での粒子22の移動干渉を防ぐことができるので好ましい。
【0074】
また、電極ヘッド24の移動方向の後端側から生じる電界勾配が、前述したように画像劣化の原因となるので、図3、4に示すように、電極ヘッド24の移動方向における後端部が仕切部材20を通過した直後に検知センサ27が同期マーク30を検知して電圧が印加されるように、同期マーク30を配置するのが好ましい。これにより、電極ヘッド24が仕切部材20を確実に通過した時に電圧を印加することができ、既に画像書込みが終了した上流のセル18内の粒子22が電極ヘッド24の移動方向に引きずられてしまうのを防ぐことができる。
【0075】
また、図3、4に示すように、電極25の図中矢印A方向の幅がセル18の同方向の幅よりも大きい場合でも、仕切部材20を確実に通過した後に電圧が印加されるので、既に画像書込みが終了した直前のセル18a(図3において電極ヘッド24の左側のセル)内の粒子22が電極ヘッド24の移動方向に引きずられてしまうのを防ぐことができる。なお、この場合、画像書込み対象のセル18の下流のセル18b(図3において電極ヘッド24の右側のセル)内の粒子22も移動してしまう場合があるが、その後に電極ヘッド24によって再度電圧が印加されて画像書込みが行われるため、再度粒子が所定の位置へ移動して偏りが解消されるので特に問題はない。
【0076】
なお、本実施の形態では、検知センサ27は同期マーク30を光学的に検知するとしたが、これに限らず、同期マーク30を導電性部材で構成し、この同期マーク30との導通を検知することにより、同期マーク30を検知してもよい。
【0077】
また、同期マーク30や検知センサ27を設けずに、セル18及び仕切部材20の電極ヘッド24の移動方向における長さと電極ヘッドの移動速度vとに基づいて電圧印加のタイミングを設定してもよい。
【0078】
すなわち、例えば図4(A)に示すように、セル18及び仕切部材20の電極ヘッド24の移動方向における長さで定まるセル18の配置間隔をpとし、この配置間隔pと、電極ヘッド24の移動速度vとから、電圧印加間隔sを、s=p/vとして設定する。これにより、電極ヘッド24の後端が仕切部材20を通過するタイミングでs時間毎に電圧が印加される。このように、セル18の配置間隔pと電極ヘッド24の移動速度vとから電圧印加間隔sを設定して電圧を印加するため、予め同期マーク30を表示基板14に設ける必要がなく、また、検知センサ27も設ける必要がないため、装置を低コストで構成することができる。これは、画像表示の解像度が1インチあたり50画素以下で、比較的誤差が出にくい構成の場合に特に有効である。
【0079】
また、本実施の形態では、1種類の粒子22を用いた場合について説明したが、図5(B)に示すように、粒子22と帯電特性及び色が異なる粒子23を用いた構成としてもよい。例えば帯電極性が異なる白と黒の粒子群を用いた場合、画像の白地となる部分は反射率の高い明るい白で表現でき、文字や図形などを黒粒子によって表示させれば、よりコントラストの明瞭な画像表示装置を得ることができる。また、画像表示媒体ごとに異なる色の粒子を封入したり、画像表示媒体の平面内で異なる色の組み合わせを用いることにより(例えば画像表示媒体の中に白と黒の粒子が封入された領域や白と赤の粒子が封入された領域を仕切部材等によって区分けして配置しておき、画像の色に対応して粒子を移動させる)、観察者の注意を引きつけたり、情報の認識を確実なものにしたりするなど、様々な表現が可能になると共に、利便性を向上させることができる。このように、複数種類の粒子を用いることにより、様々な色や画像を表示することができる。
【0080】
また、本実施の形態では、電極ヘッド24に電極25が一列に配置された場合について説明したが、各電極25を等間隔で1列に配置するのが困難な場合には、図6に示すように、電極25を千鳥状に配置してもよい。
【0081】
図6の例では、電極ヘッド24の移動方向に直交する方向に3画素分の間隔をあけて配置された3個の電極25から成る電極列が、電極ヘッド24の移動方向に4列並んで配置されている。各電極列は、電極ヘッド24の移動方向に直交する方向に1画素分ずつずれて配置されている。
【0082】
このように電極25が千鳥状に配列されている場合、図6(A)の状態から図6(B)に示すように、1列目の電極25が1列目のセル18上に来ると、検知センサ27が1列目のセル18に対応した同期マーク30を検知し、電圧印加手段28によって電圧が1列目の電極25(斜線で示す電極)に印加される。次に、1列目の電極25が2列目のセル18上に来ると、検知センサ27が2列目のセル18に対応した同期マーク30を検知し、電圧印加手段28によって1列目の電極25に画像情報に応じた電圧が印加されると共に、図6(C)に示すように2列目の電極(斜線で示す電極)に画像情報に応じた電圧が印加される。これにより、2列目のセル18に画像が書き込まれると共に、1列目のセル18に画像が書き込まれる。
【0083】
以下同様に、図6(D)〜(F)に示すように、3列目、4列目の電極25に電圧印加手段28により電圧が印加されて1列目のセル18に対する画像の書込みが終了する。すなわち、この場合は、1列分のセル18に対して4回に分割して画像が書き込まれる。なお、図6(F)の状態では、1列目のセル18に対する画像書込みが終了しているが、2列目のセル18に対しても4列目の画像書込みが行われている、すなわち2列目のセル18に対しても既に全体の3/4の画像書込みが行われているので、1列分のセル18に対して4回に分割して画像書込みを行った場合でも、全体としての画像書込み時間はそれ程増えることはなく、特に問題はない。
【0084】
また、本実施の形態では、電極ヘッド24にセル18に対応した複数の個別の電極25を備え、アクティブマトリクス駆動により画像表示を行う場合について説明したが、これに限らず、単純マトリクス駆動により画像表示を行うようにしてもよい。すなわち、図7に示すように、電極25を電極ヘッド24の移動方向である矢印A方向と直交する方向を長手方向とする長尺状の電極とし、背面電極26を、矢印A方向を長手方向とする複数の分割電極で構成する。この場合、電圧印加手段28は、画像情報に応じて、画像を書き込むべき位置に対応した分割電極に選択的に電圧を印加する。これにより、電圧が印加された分割電極と電極ヘッド24の電極25とが交差する位置の粒子22のみが基板間を移動する。
【0085】
また、電極ヘッド24は、1つの電極のみを備えたペン型の電極としてもよく、この場合は、画像情報に応じて二次元的に電極ヘッドを移動させて画像書込みを行えばよい。
【0086】
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。
【0087】
まず、画像表示媒体12について説明する。表示基板14は、100×100×0.5mmのガラス基板を使用した。ガラス基板の粒子と接する側の表面はポリカーボネート樹脂(PC−Z)で厚さ5μmでコートされている。背面基板16は100×100×0.6mmの片面銅張りガラスエポキシ基板に1mmピッチで格子状の仕切をフォトリソグラフィーで作製した。仕切部材20の高さは150μmで仕切の幅は100μmとした。背面基板16側の背面電極26は表面をポリカーボネート樹脂(PC−Z)で厚さ5μmでコートして絶縁した。背面電極26は電圧印加手段28の一端に接合した。
【0088】
イソプロピルトリメトキシシラン処理したチタニアの微粉末を重量比100対0.4の割合で混合した体積平均粒径20μmの酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製テクポリマーMBX−20−ホワイトを分級)と、体積平均粒径20μmのカーボン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製テクポリマーMBX−20−ブラックを分級)とを重量比2対1の割合で混合しスクリーンを通して振るい落とし、両基板にUV硬化型接着剤を塗布した後、相対湿度20%の乾燥空気の環境内で接合し、加圧保持して硬化させた。
【0089】
表示基板14上に、カーボンペーストを一辺が0.5mmの正方形となるようにセル18の配置間隔と同じ間隔でスクリーン印刷により転写した後、乾燥硬化させることにより同期マーク30を形成した。電極25はエポキシ樹脂中に断面形状0.9×0.9mmの銅電極を1mmピッチで配列して、端部を研磨した後、厚さ50μmのPTFE樹脂フィルムで保護し短絡と摩耗に対して保護した。電極25の同期マーク30に対向する部分には先端をニッケルメッキした端部直径200μmの銅電極を100μmの間隔で配置し、同期マーク30に両電極が同時に接触するとトリガ信号が発生するように回路を構成して検知センサ27とした。
【0090】
電圧印加手段28は、トリガ信号発生から10msの時間、背面電極26と電極25との間に直流電圧−800Vを印加した。電極ヘッド24は移動速度10mm/sで移動させた。初期状態で、表示基板14側に白色粒子を一面に表示させておき、上記条件で画像書き込みを行ったところ、背面基板16側にあったプラスに帯電された黒色粒子の一部が電界の作用により表示基板14側へ移動し、書き込んだセル18の表示濃度がほぼ飽和した。このとき、粒子が電極ヘッド24の移動に伴って引きずられることはなかった。
【0091】
次に、本発明の他の実施例について説明する。
【0092】
まず、画像表示媒体12について説明する。表示基板14は、サイズが210×300×0.12mm、抵抗値が1012Ωの樹脂製(PET)フィルムを使用した。背面基板16は210×300×1.0mmのガラスエポキシ基板を使用した。背面電極26としては図8に示すように、背面基板16内に設けた銅電極を用いた。
【0093】
そして、背面基板16上に厚み50μmのドライフィルムレジスト膜を4枚積層して接着した後、フォトリソグラフィにより、幅100μm、高さ200μmで各セル18間の間隔が1mmとなる開口率81%の仕切部材20を作成した。なお、セル18の数は180×270個である。
【0094】
仕切部材20を形成した後、背面基板16を、ポリカーボネートPC−Z)を溶剤に溶解した溶液を用いてディップコートした。この後、70°Cで1時間乾燥し、5μmの被膜を形成した。これにより、背面電極26と絶縁された。
【0095】
黒色の粒子22は、アミノプロピルトリメトキシシランでシリカ(目本アエロジル社製A−130)を処理して得られた微粉末を重量比100対0.8の割合で攪拌混合した体積平均粒径10μmのカーボン含有架橋ポリメチルメタクリレートの黒色球状粒子を用いた。
【0096】
白色粒子23は、イソブチルトリメトキシシランで処理したチタニアの微粉末を重量比100対0.4の割合で攪拌混合した体積平均粒径10μmの酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの白色球状粒子を用いた。上記の黒色球状粒子と自色球状粒子とを重量比3対4の割合で混合し、これにより、白色粒子は負に帯電し、黒色粒子は正に帯電した。
【0097】
背面基板26を平板の上に固定し、仕切部材20上をセル18に対応した開口を持つ厚さ50μmのメタルマスクで覆い、混合した粒子をステンレスメッシュスクリーンを通して背面基板16上にふるい落とした後、メタルマスクを除去してセル18内にのみ均一に粒子を充填した。封入した粒子量は、面積当たり平均で5.2mg/cm2であり、基板間の体積充填率は約17%だった。基板周囲と仕切部材20上に熱硬化性のエポキシ樹脂を塗布し、表面基板(フィルム)14を接着して画像表示媒体12を作製した。
【0098】
電極ヘッド24は、図9に示すような構造であり、画像表示媒体12と接する側の幅が1.5mm、電極ヘッド24の移動方向に直角な方向の長さが250mmとした。そして、ポリイミドフイルム上に電極幅が0.9mmの銅製の平板電極を1mmピッチで180本並べたフレキシブル電極を、厚さ1mmのABS樹脂上に固定して、電極ヘッド24の画像表示媒体12と接触する部位に銅電極を長さ1mmほど露出させた。各電極は電圧印加手段28に接続され、背面電極26との間に画像書き込みのための電圧を印加する。
【0099】
電極ヘッド24の移動は以下のようにして行った。ボールネジにて一軸上を移動するステージ上に画像表示媒体12を固定し、電極ヘッド24を荷重50gで画像表示媒体12の表示基板14の表面に押し当てた状態で、ボールネジをモータにより駆動し、5mm/秒の速度で画像表示媒体12と電極ヘッド24を、表示基板14の表面に沿って相対的に移動させた。電極ヘッド24は画像表示媒体12の幅方向(矢印A方向と直交する方向)に調整可能に取り付けられ、画像表示媒体12をステージ上に固定した後、セル18の中心と電極25の中心とが対応するように調整する。
【0100】
電極ヘッド24に接続された電圧印加手段28によって電極ヘッド24の先端の各電極25には、背面電極26との間に250Vの電圧を印加した。印加した電圧により形成される電界は約0.8×106V/mになった。表示基板14側が正極性になるように電圧を印加すると負帯電の白色粒子が表示基板14側へ移動して白を表示した。逆に表示基板14側が負極性になるように電圧を印加すると、黒色粒子が表示基板14側へ移動して黒が表示された。電圧の印加時間tは15ミリ秒とした。電極ヘッド24の移動速度vは5mm/秒、セル18の幅Lは0.9mmであるので、L/t=60mm/秒であり、移動速度vはL/tの1/10以下に設定された。電圧の印加周期は、電極ヘッド24の移動速度とセル18のピッチから0.2秒とすることで仕切部材20の通過のサイクルと同期させることができる。また、最初に書き込むべきセル18上に電極ヘッド24が達した時刻に書き込み電圧になるように、電極ヘッド24の移動開始点を調整して画像書き込みと仕切部材20の通過とを同期させた。
【0101】
以上の条件で画像表示装置10を動作させて表示を行った。まず一様に白表示をさせるため、電極ヘッド24を相対移動させ、仕切部材20の通過に同期させながら電極ヘッド24の全ての電極25に正の電圧を印加したところ、画像表示媒体12の全面が白表示となった(反射濃度計の光学濃度で0.30)。
【0102】
逆に、全ての電極25に負の電圧を印加したところ、画像表示媒体12の全面が黒表示となった(反射濃度計の光学濃度で1.40)。このとき、黒色粒子は背面基板16側へ移動し、表示基板14側からは目視で認めることはでできなかった。次に、画像データに従って、黒表示で画像を表示させたい部分に対応する電極25にのみ負の電圧を印加し、その他の電極25は背面基板16と同電位にして画像書き込みを行ったところ、電極ヘッド24の相対移動に従って画像が表示された。表示されたセル18を観察したところ、黒色粒子が表示基板14側へ移動すると同時に、白色粒子は背面基板16側へ移動し、表示基板14側の黒色粒子に隠蔽されて目視では観察することができなかった。また、仕切部材20の付近を拡大観察して調べたところ、白色表示と黒色表示が隣接するセル18の仕切部材20の付近に粒子の偏りや抜けによる背面基板16側の粒子の隠蔽不良(すなわち白色表示のセルの場合は黒線や黒ノイズとして観察される)は発生しておらず、全体的に鮮明な表示が得られた。
【0103】
これに対して、電極ヘッド24の移動速度を5.5mm/秒に設定し、それ以外は上記実施例と同様の条件で画像表示装置を駆動したところ、書き込みが電極ヘッド24の仕切部材20の通過に同期しておらす、部分的にセル内に黒すじとして観察されるノイズが目立った。拡大観察したところ、一部のセルでは粒子が電極ヘッド24の移動方向に約50μm偏っており、部分的に粒子の引きずりが発生していた。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、粒子の偏在を防ぐことができ、表示画像にムラが生じるのを防ぐことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は画像表示装置の平面図、(B)は画像表示装置の側面図である。
【図2】 画像表示装置の側面図と電圧印加タイミングを示す図である。
【図3】 画像表示装置の側面図と電圧印加タイミングを示す図である。
【図4】 (A)は画像表示装置の平面図、(B)は画像表示装置の側面図である。
【図5】 (A)は画像表示装置の平面図、(B)は画像表示装置の側面図である。
【図6】 (A)〜(F)は電極ヘッド24による電圧印加のタイミングを説明するための図である。
【図7】 画像表示装置の駆動方式の他の形態を示す図である。
【図8】 画像表示媒体の断面図である。
【図9】 画像表示装置の斜視図である。
【図10】 従来における画像表示装置の側面図である。
【符号の説明】
10 画像表示装置
12 画像表示媒体
14 表示基板
16 背面基板
18 セル
20 仕切部材
22、23 粒子
24 電極ヘッド
25 電極
26 背面電極
27 検知センサ(検出手段)
28 電圧印加手段
30 同期マーク

Claims (5)

  1. 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板、前記一対の基板間に印加される電圧により形成される電界に応じて移動可能に前記基板間に封入された少なくとも1種類の粒子群、及び前記基板間を複数のセルに仕切る仕切部材を備えた画像表示媒体と、
    前記一対の基板の一方の基板上を予め定めた所定方向に移動する電極ヘッドと、
    前記一対の基板の他方の基板側に設けられた背面電極と、
    前記電極ヘッドを前記所定方向に移動させる制御手段と、
    前記電極ヘッドが画像書き込み対象の前記セル上に位置したことを検出する検出手段と、
    前記電極ヘッドが画像書き込み対象の前記セル上に位置したことを前記検出手段が検出した時に、当該セル内の粒子を移動させるのに必要な時間の間、画像情報に応じた電圧を前記電極ヘッドと前記背面電極との間に印加する電圧印加手段と、
    を備えた画像表示装置。
  2. 前記電圧印加手段は、前記セル及び前記仕切部材の前記所定方向における長さと前記電極ヘッドの移動速度とに基づいて、前記画像情報に応じた電圧を前記電極ヘッドと前記背面電極との間に印加する間隔を設定することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板、前記一対の基板間に印加される電圧により形成される電界に応じて移動可能に前記基板間に封入された少なくとも1種類の粒子群、前記基板間を複数のセルに仕切る仕切部材、及び前記一方の基板上に予め定められた所定方向に沿って前記セルに対応して配置された同期マークを備えた画像表示媒体と、
    前記一対の基板の一方の基板上を前記所定方向に移動する電極ヘッドと、
    前記電極ヘッドに設けられ、前記同期マークを検出する検出手段と、
    前記一対の基板の他方の基板側に設けられた背面電極と、
    前記電極ヘッドを前記所定方向に移動させながら、前記検出手段が前記同期マークを検出した時に画像情報に応じた電圧を前記移動電極と前記背面電極との間に印加する電圧印加手段と、
    を備えた画像表示装置。
  4. 前記電圧印加手段は、前記電極ヘッドの前記所定方向の後端が前記仕切部材を通過した時に、画像情報に応じた電圧を前記電極ヘッドと前記背面電極との間に印加することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像表示装置。
  5. 前記粒子群は、帯電特性及び色が異なる複数の粒子群であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示装置。
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