JP4645052B2 - 電気泳動表示装置とその製造方法、及びその駆動方法 - Google Patents

電気泳動表示装置とその製造方法、及びその駆動方法 Download PDF

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本発明は、電気泳動現象を利用した電気泳動式画像表示装置及びその製造方法、駆動方法に関する。
分散媒中に電気泳動粒子が分散された分散系に電界を印加することによる電気泳動現象を利用した電気泳動表示装置は、従来から多数報告されている。[例えば特許文献1を参照]
しかしながら、分散媒中に電気泳動粒子を分散させた分散系に単に電界印加を行うだけでは、粒子が凝集したり、電極等へ付着したりする現象によって、表示ムラが発生しやすく、良好な表示品位を得られにくかった。
このため、たとえば種々のスペーサーを配置することにより分散系を分割し不連続にすることで、表示動作の安定化を図る技術も知られている。しかし、スペーサーの配置後に、分割された空間に分散系を均一に充填することは、極めて困難であるという問題があった。
そこで、この問題を解決する一対策として、分散媒中に電気泳動粒子を分散させた分散系をマイクロカプセル中に封入する技術が知られている。[例えば特許文献2を参照]
この技術によれば、前期の粒子の凝集や電極への付着現象を解消して、安定した表示動作が可能となり、分散系の充填処理が格段に改善でき、また、それだけでなく、マイクロカプセル自体をインキ化することによれば、フレキシブル基板へのコーティングやパターニングといった従来から培われた印刷の応用技術を用いて比較的簡便に表示装置を作成することが可能となった。
ところで、電気泳動表示装置では、液晶表示装置などで用いられているTFT(Thin Film Transistor)に代表されるアクティブ素子による駆動を主に開発が進められているものも少なくない。[例えば非特許文献1を参照]
但し、アクティブ素子において薄型化・フレキシブル化・大画面化を同時に兼ね備える技術は研究レベルにおいては知られているが、製造技術の高さやコスト高の為に、市場供給を考えた量産などに対応する事業は、商業ベースでの実現がかなり困難であるという問題もある。
一方、液晶表示装置で一般によく利用される単純マトリクスなどで、ダイナミック駆動を行う場合には、(液晶のような一般に明確なしきい値を持つ場合とは異なり)電気泳動表示装置の前記分散系では対向する対の電極を選択し画素を指定したとしても、わずかな電圧の変化を受けてその指定した画素以外の画素でも電気泳動粒子が泳動してしまい画像表示が乱れる(例えば選択した一方の電極に関わる画素が全て変化してしまう)とか、中間濃度表示(階調表示)を行う場合には所望する濃度に応じた電圧による制御が不能(又は大変困難)であるといった、表示品質上の大きな問題があった。
尚、補足説明を加えると、上記の「単純マトリクス」は、一般に、対抗する基板の内側面それぞれに平行する複数本の電極が並んでおり、両基板の電極の向きは直交するように傾けてある。また上記「ダイナミック駆動」は、一般に、一つ一つのセグメントに対応する電極を設けるスタティック駆動に対し、対向する電極同士の選択により時間分割によって駆動させるセグメントや画素を選択する方式である。
尚、電気泳動表示装置において、ダイナミック駆動を試みようとする対策としては、例えば擬似的なしきい値をもたせるために、分散系にチクソトロピックな性質を持つ物質が添加された分散系が知られている。つまり、粒子同士の相互作用を基にしきい値を間接的に増大させ、ダイナミック駆動や表示の保持といった性質を向上させようとする例が報告されている。[例えば特許文献3を参照]
しかし、これでは材料系の構成が複雑になり、駆動方式(交流、直流)についての制御も複雑(凝集した粒子をまず分離させる為にはじめは高めの電圧の交流を印加し、その後に低めの直流電圧を印加する必要がある等)になってしまう他、駆動する為の消費電力も増大してしまい、問題が残っている。
また、電気泳動粒子のようなしきい値がハッキリしない応答性を有する表示系と、発光表示系のようなしきい値がハッキリした応答性を有する表示系を組み合わせて、ダイナミック駆動時のコントラストを見かけ上増大させる対策も検討されている。[例えば特許文献4を参照]
しかし、これでは表示のメモリ性や電気泳動表示の見やすさといった特徴を犠牲にしなければならない問題も残ってしまう。
特公昭50-15115号公報 特開平1-86116号公報 特開2002-40967号公報 特表2002-507765号公報 「E Ink ICカード用電気泳動ディスプレイを開発 SUS製a−SiTFT基板でパートナーを模索」、「E EXPRESS」誌、2002年10月15日号、p.8〜9
本発明は、前記従来の技術が抱える問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気泳動表示装置がダイナミック駆動でありながら、動作を望まない画素で電気泳動粒子が動作して画像の品質を損ねたりせず、あるいは、中間濃度の表示(階調性表現)が出来る、電気泳動表示装置とその製造方法、及びその駆動方法を提供することにある。
本発明に係る第1の発明は、電極が設けてある基板同士を該電極のある面を間隔をもって向き合わせ、対向する電極の間に電気泳動粒子が分散された分散系が存在するように配置してあり、該基板のうち少なくとも片方は透明性をもつ透明基板であり、該透明基板に設けてある電極は透明性をもつ透明電極であり、表示する画像データに基づき、前記電極を用いて選択的に電圧を印加することにより画像表示を行う電気泳動表示装置において、画素に対応した前記電極のうち、前記基板の片方に設けてある該電極には交流で電圧を印加し、他方の基板に設けてある該電極には正又は負のいずれかの直流で電圧を印加する駆動手段、を具備していることを特徴とする電気泳動表示装置である。
また、本発明に係る第2の発明は、前記交流に関しては、波長か又は周波数のいずれかと、電圧の振幅、及び、印加する印加時間を利用し、また、前記直流に関しては、電圧と、印加する印加時間を利用すること、を特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置である。
また、本発明に係る第3の発明は、前記交流が、波長か又は周波数のいずれかと、電圧の振幅、及び、印加する印加時間、を定めてあるか、又は、前記直流が、電圧と、印加する印加時間、を定めてあるか、いずれか片方か又は両方であること、を特徴とする請求項2に記載の電気泳動表示装置である。
また、本発明に係る第4の発明は、前記対向する基板の電極は、該基板のそれぞれにストライプ状に複数の電極が並んで設けてあり、該対向する基板の電極のストライプの方向が互いに直角に傾くように向き合っていること、を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気泳動表示装置である。
また、本発明に係る第5の発明は、前記電気泳動粒子は、マイクロカプセル内に分散媒とともに封入されてあり、該マイクロカプセルが、少なくとも前記画素に対応する電極の間に、バインダーとなる樹脂に分散して存在していること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気泳動表示装置である。
また、本発明に係る第6の発明は、前記電気泳動粒子は、少なくとも前記画素に対応する電極の間に、分散媒の中で移動可能に存在すること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気泳動表示装置である。
本発明に係る第7の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の電気泳動表示装置を製造する方法であって、前記電気泳動粒子と分散媒とを封入したマイクロカプセルを、バインダーとなる樹脂を含む材料と混合してインキ化したものを、コーティングするか又はパターニングするかのいずれかによって設けるマイクロカプセル配置工程を経ること、を特徴とする電気泳動表示装置の製造方法である。
また、本発明に係る第8の発明は、請求項1乃至4、又は、請求項6のうちのいずれかに記載の電気泳動表示装置を製造する方法であって、前記電気泳動粒子と分散媒とを、前記対向する基板の間に設けてある前記電極の間に充填する充填工程を経ること、を特徴とする電気泳動表示装置の製造方法である。
そして、本発明に係る第9の発明は、電極が設けてある基板同士を該電極のある面を間隔をもって向き合わせ、対向する電極の間に電気泳動粒子が分散された分散系が存在するように配置してあり、該基板のうち少なくとも片方は透明性をもつ透明基板であり、該透明基板に設けてある電極は透明性をもつ透明電極であり、表示する画像データに基づき、前記電極を用いて選択的に電圧を印加することにより画像表示を行う電気泳動表示装置を駆動する方法であって、画素に対応した前記電極のうち、前記基板の片方に設けてある該電極には交流で電圧を印加し、他方の基板に設けてある該電極には正又は負のいずれかの直流で電圧を印加することにより、画素を制御すること、を特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法である。
以上の説明で示したように、本発明に係る電気泳動表示装置とその駆動方法を用いることにより、これまで困難であった電気泳動表示装置のダイナミック駆動が容易になったうえで、動作を望まない画素で電気泳動粒子が動作して画像の品質を損ねたりせず、また、中間濃度の表示(階調性表現)が出来るようになった。そして、これらのことで、表示の濃淡やコントラストの性能が向上し、表示パネルの電極などのパターニングを行なう際の自由度の向上につながり、構造や製造工程の単純化や簡素化を行うこともでき、また、電気泳動表示装置が安価で認識しやすいものとなった。また、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法により、こういった電気泳動表示装置を得やすくなった。
本発明の電気泳動表示装置は対向する基板の間(少なくとも向き合う電極の間)に、代表例として、電気泳動粒子を含む分散系をマイクロカプセルに内包したインク(いわば「電子インク」)を配しており、電気泳動表示装置の画素に対応する両基板の電極に片方は交流を他方は直流をぞれぞれ制御して印加することによって、いわゆるダイナミック駆動を行うことができる。
以下、発明の実施の形態を図1〜図4を参照しながら説明する。
本実施の形態においては、ストライプ状に配列した電極を設けた基板を、電極の向きが直交するようにして電極面が向かい合うように対向させた、マトリクス状に配された画素を持つ電気泳動表示装置とその製造方法を例示し、選択的に電極に印可する電圧波形と、透明基板側から見た光学特性の一例に関して説明し、その後にダイナミック駆動を行う駆動方法を例示する。
まず、本発明に関わる電気泳動表示装置について説明する。図1及び図2は該表示装置の表示パネルの一部分の構造を示す為の断面図である。
図1に表示パネル11の断面図を示す。
透明基板11a、11eには、透明なガラスとか透明な樹脂(例えば熱可塑性樹脂)を用いることができる。
フレキシブルな表示パネルを得る場合は、透明基板として、例えば、厚みは50〜500μmの、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、又は、ポリイミド(PI)、等のような寸法安定性に優れた、フレキシブルなプラスチック樹脂シートを透明基板に用いる。これらは、通常のフィルムLCD用の基板としても使用されるフレキシブルな基材である。
必要によって、耐バリア性の向上のため、透明基板にポリビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、SiOx、又は、SiNxをコーティングや蒸着により設けたり、また、耐光性を向上させるために、透明基板に例えば既知のUV吸収剤の含浸やコーティング処理を行ってもよい。
透明導電層11b、11dは、その材料や形成方法は特に限定しないが、もし既知の技術であれば、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等により、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化亜鉛等の透明導電物資を成膜(厚さ100〜2500Å)した後に、エッチングによりパターン化することにより形成する。
尚、画面の表示内容を視認可能とする為に、少なくとも画像表示を見る側に近い基板とその電極は透明である必要がある。ここで云う透明とは光をよく透過する意味であり、本発明の電気泳動表示装置は、人が肉眼で画像表示を見る用途が普通であるのでその場合の「透明」とは少なくとも可視光はよく透過することを意味する。
画像表示層11cにマイクロカプセル型電気泳動方式を用いた場合の構成について説明する。
マイクロカプセル110の一例を図2に示す。マイクロカプセル110は、例えばメタクリル酸樹脂、ユリア樹脂、アラビアゴム等をカプセル殻111とし、内部には酸化チタンを用いた白の粒子113とカーボンブラックを用いた黒の粒子114が、例えば脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、ハロゲン化炭化水素、各種エステル類、アルコール系溶媒、シリコーンオイル等の粘性の高い透明な分散媒112を用いて分散され、複合コアセルべベーション法などの相分離法、界面重合法、in−situ法、溶解分散冷却等高知の方法を用いて作製されるマイクロカプセルに封入されている。必要に応じてふるい分け、比重分離法などの任意の方法により作製したマイクロカプセルの系の分布を1〜300μmに制御しておくのが好ましく、さらに好ましくは5〜200μmに制御しておく。
このようにして作製したマイクロカプセルを、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、又は、ポリエステル系などのバインダー樹脂と共に分散し、ロールコーター、ナイフコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、コンマコーター、グラビアコーター、アプリケーター、バーコーター、スピンコーター、又は、スクリーン印刷法などの印刷法とかコーティング法を使用して、厚さ5〜100μm程度の画像表示層11cを設けることができる。
マイクロカプセル内の白の粒子である酸化チタンは正電極を帯びている一方、黒の粒子であるカーボンブラックは負電荷を帯びているため、図3(a)に示すように、一対の電極(ここではそれぞれ“COMMON”、“SEGMENT”と記載)に、COMMON側が負極、SEGMENT側が正極として電圧を印加した場合、正に帯電した白の粒子113がCOMMON側に引かれ、一方、黒の粒子114がSEGMENT側に引かれる。その結果、例えばCOMMON側の基板側(この場合は基板も電極も透明)から観察した場合、電圧を印加した部分が白く見える。
逆に、COMMON側が正極、SEGMENT側が負極として電圧を印加した場合、正に帯電した白の粒子113がSEGMENT側に引かれ、一方、黒の粒子114がCOMMON側に引かれ、COMMON側から観察した場合電圧を印加した部分が黒く見える。
図3(b)は、COMMON側電極を0.0Vに保ち、SEGMENT電極の電圧を0.5V、1.0V、8.0V、10.0Vの各電圧に設定した場合の画素の反射濃度と反応時間との関係を示した特性曲線である。
なお、計測は、電圧を印加する前にあらかじめ画素を白(Optical Density=約0.59)に設定しておいた後にを行った。
この特性曲線によると、電気泳動粒子の移動が速やかに行われるためには比較的高い電圧(10V)を加えることが必要である事を示している。しかし、8Vの電圧を加えた場合も応答時間は遅くなるものの、液晶の様にある電圧からの急激な応答といった、明確なしきい値を示すものでは無い。
一定の時間が経過しても応答が見られない電圧領域は見られるが、十分に駆動を行うことができる電圧に比較してかなりの低電圧領域となるため、これまで単純マトリクスやセグメントなどのダイナミック駆動に適していなかった。
図3(c)は、COMMON側電極に10Hz、±10Vの交流電圧を印加し、SEGMENT側電極を0.0V、−0.5V−1.0Vの各電圧を印加した場合の画素の反射濃度と反応時間との関係を示した特性曲線である。
SEGMENT側電極に負の電圧を印加する事で、COMMON側電極より印加される交流波形にオフセットを与えることにより不均一交流とし、粒子の動く方向を制御したものである。図3(b)と比較すると、SEGMENT側電圧だけでなく、交流電圧の印加により電気泳動粒子の移動がより容易になったことが示される。
これにより、交流電界の有無により従来見られなかったより明確な応答の変化をえることができ、単純マトリクスやセグメントなどのダイナミック駆動に適用することができるだけでなく、印加する交流パルスの数(印加時間)による粒子の移動距離の制御を行うことが可能となり、高品質な画像の入手が可能となる。
具体的には、電気泳動粒子を移動させたい画素に関係するCOMMON側電極に泳動粒子が動作可能な範囲の周波数の交流電圧波形を印加し、該画素のSEGMENT側電極に正または負の電圧を印加することでそれら電極が投影面上で云うと交差する部分の画素の電気泳動粒子を駆動させることができる。
一方、交流電圧波形をかけない、もしくは、泳動粒子追従できないほどの高周波を印加したCOMMON側電極に関係する画素は、泳動粒子が移動することは困難である。したがって、これらの画素によるコントラストを用いて表示を行っていくことが可能となる。
尚、COMMON側電極に泳動粒子が動作可能な範囲の周波数を順次走査していく場合、SEGMENT側電極は配列された電極の一部分に順次電圧を印加していってもよいし、同時に印加を行ってもよく、同時に印加を行った場合は、画像の表示書き換えに要する時間を飛躍的に短縮することができる。
COMMON側の電圧は4.0〜40.0VP−Pの範囲で動作を行うことができるが、好ましくは8.0〜20.0VP−Pの範囲である。
また、電気泳動粒子は周波数がおよそ1〜60Hzでの動作が可能であるが、好ましくは8〜40Hzである。これら電圧波形の条件は使用する分散系や電気泳動層の厚さによって異なり、それぞれの具体的な特性に応じて条件を設定するのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、「部」の表記は、断りのない限りいずれも重量部を意味する。
まず、ポリエチレン樹脂で表面処理した粒径約3μmの酸化チタンと粒径約1〜3μmのカーボンブラック粒子を、テトラクロロエチレン中に分散した分散液を、複合コアセルベーション法を用いてゼラチンとアラビアゴムから成る膜中に封入し、ふるい分けによって、系を40μmに揃えたマイクロカプセルを作製した。
トルエン溶液100部、ポリウレタン系の樹脂80部に対し、マイクロカプセル80部として画像表示層インクを得た。
インジウム錫酸化物(ITO)電極が3列のストライプ状に形成された透明ガラス基板を2つ用意し、一方のガラス基板の電極面にアプリケータを用いて該画像表示層インクをコーティングし、70℃で30分間乾燥させ、膜厚60μmの画像表示層を得た。
一方のガラス基板を電極が90℃に対向するように電極面を重ね合わせることでマトリクス状に画素を設けた電気泳動表示パネルを得た。
図4に3×3のマトリクス状に画素を設けた電気泳動表示パネル(d)〜(f)の正面図とその駆動時に印加する電圧波形(d)’〜(f)’を示した。
表示パネルの正面図はCOMMON電極側から見た状態としている。それぞれの画素は白い状態から黒い状態へと移行することで描画を行うこととして説明するが、すべての画素を黒くしておいてから部分的に白に変化させることもできる。
(d)及び(d)’はそれぞれ描画の初期段階を示す状態とそのときに印加する電圧波形を示している。
はじめにCOMMON電極側に白の粒子113を集める動作であるが、表示の品質を高めるための処理であり特に必要としない場合も考えられる。COMMON側電極のCOM0〜COM2に交流電圧を印加し、SEGMENT側電極のSEG0〜SEG2に若干の正電圧(直流)を印加することで、画素内の印加電圧を負側が大きくなった不均一交流電圧とし、9つすべての画素を白い状態にする。
次に(e)及び(e)’に示すように、COM0に交流電圧を印加し、SEG0とSEG2には正電圧(直流)を、SEG1には負電圧(直流)を印加することによって、COM0と、SEG0,SEG2の交差するそれぞれの画素は(d)及び(d)’の場合と同様に白い状態になる。
一方COM0とSEG1の交差する画素は、(d)及び(d)’の場合とは逆に、画素内の印加電圧が正側が大きくなった不均一交流電圧となるため、黒い状態を呈する。
さらに、COM1及びCOM2と、SEG0〜SEG2の交差すそれぞれの画素では、±0.5Vの直流電圧しか印加されないので、図3(b)に示されるとおり電気泳動粒子の移動はみられない。
同様に、(f)及び(f)’ではCOM1に交流電圧を印加し、SEG0に負電圧(直流)を、SEG1には正電圧(直流)を印加することにより、COM1とSEG0の交差する画素は黒い状態になり、COM1とSEG1の交差する画素は白い状態になる。
一方、SEG2には、SEG0と比べて負電圧(直流)を印加する時間を短くした直流電圧の波形を与えることによって、COM1とSEG2の交差する画素は、COM1とSEG0が交差した画素よりも黒発色の濃度が低い(つまり中間濃度)状態となる[図では便宜上ハッチングで描いた]。(要するに、電気泳動粒子の移動が少ない為に中間濃度となる)
本発明の一実施形態における電気泳動表示装置の表示パネルの一部分の構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態における電気泳動表示装置の表示パネルの一部分の構造を示す断面図である。 (a)本発明の一実施形態における電気泳動表示装置の電圧に対する特性を求める際の電極の名称設定と観察面を示す為の断面図である。(b)本発明の一実施形態における電気泳動泳動表示装置の電圧に対する特性を示した特性曲線の一例である。(c)本発明の一実施形態における電気泳動泳動表示装置の交流電圧の印加方法に対する特性を示した特性曲線の一例である。 (d)本発明の一実施形態における電気泳動表示装置の表示パネル[3×3マトリックス]をCOMMON側電極の基板面から見た正面図であり、表示動作の準備段階を示す。(d)’本発明の一実施形態における電気泳動表示装置の表示パネルの、準備段階でのそれぞれの電極に印加する電圧波形を示す。(e)本発明の一実施形態における電気泳動表示装置の表示パネル[3×3マトリックス]をCOMMON側電極の基板面から見た正面図である。(e)’本発明の一実施形態における電気泳動表示装置の表示パネルの、描画時のそれぞれの電極に印加する電圧波形の一例を示す。(f)本発明の一実施形態における電気泳動表示装置の表示パネル[3×3マトリックス]をCOMMON側電極の基板面から見た正面図である。(f)’本発明の一実施形態における電気泳動表示装置の表示パネルの、描画時のそれぞれの電極に印加する電圧波形の一例を示す。
符号の説明
110・・・表示パネル
11a・・・透明基板
11b・・・透明導電層
11c・・・画像表示層
11d・・・透明導電層
11e・・・透明基板
110・・・マイクロカプセル
111・・・カプセル殻
112・・・分散媒
113・・・白の粒子
114・・・黒の粒子

Claims (8)

  1. 電極が設けてある基板同士を該電極のある面を間隔をもって向き合わせ、対向する電極の間に、マイクロカプセルが、バインダーとなる樹脂中に分散して存在しており、
    前記マイクロカプセル中には、電気泳動粒子が、分散媒と共に封入されており、
    該基板のうち少なくとも片方は透明性をもつ透明基板であり、該透明基板に設けてある電極は透明性をもつ透明電極であり、
    表示する画像データに基づき、前記電極を用いて選択的に電圧を印加することによって、画像表示を行う電気泳動表示装置において、
    画素に対応した前記電極のうち、前記基板の片方に設けてある該電極には交流で電圧を印加し、他方の基板に設けてある該電極には正又は負のいずれかの直流で電圧を印加する駆動手段、
    を具備していることを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 前記交流に関しては、波長か又は周波数のいずれかと、電圧の振幅、及び、印加する印加時間を利用し、
    また、前記直流に関しては、電圧と、印加する印加時間を利用すること、
    を特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  3. 前記交流が、波長か又は周波数のいずれかと、電圧の振幅、及び、印加する印加時間、を定めてあるか、
    又は、前記直流が、電圧と、印加する印加時間、を定めてあるか、
    いずれか片方か又は両方であること、
    を特徴とする請求項2に記載の電気泳動表示装置。
  4. 前記対向する基板の電極は、該基板のそれぞれにストライプ状に複数の電極が並んで設けてあり、該対向する基板の電極のストライプの方向が互いに直角に傾くように向き合っていること、を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  5. 前記電気泳動粒子は、少なくとも前記画素に対応する電極の間に、分散媒の中で移動可能に存在すること、
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気泳動表示装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の電気泳動表示装置を製造する方法であって、
    前記電気泳動粒子と分散媒とを封入したマイクロカプセルを、バインダーとなる樹脂を含む材料と混合してインキ化したものを、コーティングするか又はパターニングするかのいずれかによって設けるマイクロカプセル配置工程を経ること、
    を特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
  7. 請求項1乃至4、又は、請求項6のうちのいずれかに記載の電気泳動表示装置を製造する方法であって、
    前記電気泳動粒子と分散媒とを、前記対向する基板の間に設けてある前記電極の間に充填する充填工程を経ること、
    を特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
  8. 電極が設けてある基板同士を該電極のある面を間隔をもって向き合わせ、対向する電極の間に
    マイクロカプセルが、バインダーとなる樹脂中に分散して存在しており、
    前記マイクロカプセル中には、電気泳動粒子が、分散媒と共に封入されており、
    該基板のうち少なくとも片方は透明性をもつ透明基板であり、該透明基板に設けてある電極は透明性をもつ透明電極であり、
    表示する画像データに基づき、前記電極を用いて選択的に電圧を印加することにより画像表示を行う電気泳動表示装置を駆動する方法であって、
    画素に対応した前記電極のうち、前記基板の片方に設けてある該電極には交流で電圧を印加し、他方の基板に設けてある該電極には正又は負のいずれかの直流で電圧を印加することにより、画素を制御すること、
    を特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
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