JP2004191694A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイ(EPD)において、荷電粒子の電気泳動に対して閾値特性を与え、表示品位を高める。
【解決手段】荷電粒子2の分散媒4にポジ型ネマティック液晶5を含有させ、画素を表示状態とする選択電圧または非表示状態とする消去電圧が、ポジ型ネマティック液晶5の分子が電界方向に配向する閾値電圧(配向電圧)に達するように印加電圧を制御する。また、半選択状態の画素における電圧条件が配向電圧に達しないように制御する。よって、表示画素ではポジ型ネマティック液晶5の分子が電界方向に配向して荷電粒子2が電界方向に電気泳動できる状態とし、半選択状態の画素では分子が電界方向に配向せず荷電粒子2の移動を阻害する状態にできる。これにより、マイクロカプセル6に閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位にすることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】荷電粒子2の分散媒4にポジ型ネマティック液晶5を含有させ、画素を表示状態とする選択電圧または非表示状態とする消去電圧が、ポジ型ネマティック液晶5の分子が電界方向に配向する閾値電圧(配向電圧)に達するように印加電圧を制御する。また、半選択状態の画素における電圧条件が配向電圧に達しないように制御する。よって、表示画素ではポジ型ネマティック液晶5の分子が電界方向に配向して荷電粒子2が電界方向に電気泳動できる状態とし、半選択状態の画素では分子が電界方向に配向せず荷電粒子2の移動を阻害する状態にできる。これにより、マイクロカプセル6に閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位にすることができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子を含有する分散媒が封入された複数のマイクロカプセルを、表示側基板と背部側基板間で挟持し、両基板間に所定電圧を印加して荷電粒子を電気泳動させることにより表示を行う表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁性の分散媒中に分散した荷電粒子を、電界の作用によって表示面に電気泳動させて集め、分散媒と荷電粒子の光学特性(例えば、色)によって表示を行う表示装置が知られている(以下、「電気泳動ディスプレイ」と言う)。電気泳動ディスプレイ(EPD)は、液晶ディスプレイ(LCD)に比べ低消費電力・高明度が得られ、更に電力供給無しに表示状態をそのままに維持できるメモリ性を有することから、「電子ペーパ」が実現可能な技術として注目されている。
【0003】
図8は、荷電粒子を含有する分散媒を封入したマイクロカプセルを用いる、マイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイにおける基本構造の一例を示す概念図である。マイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイは、分散媒4と荷電粒子2とが封入された直径数十〜100μm程度の複数のマイクロカプセル6を、適当なバインダ8で支持して、ガラス板などの表示側基板20と背部側基板30とで挟持する構造を有する。表示側基板20と背部側基板30には、それぞれベース基板26,36上に電極22,32が設けられており、表示側基板20〜背部側基板30間に電圧を印加することができる。同図では、観察者Uは上方から表示側基板20を見ることになる。即ち、表示側基板20の上面が表示面となる。観察者Uは表示側基板20側から見るので、電極22は透明電極でなければならない。
【0004】
電極22,32は、例えば図9に示すように、一方をX列、他方をY行として直交するようにマトリクス状に配置されてXY直交座標系を形成する。即ち、各表示画素は電極22,32の交点に該当し、XY座標で定義されて表示制御される。尚、一の表示画素に対応する電極とマイクロカプセル6の数は、電極22,32の回路構造の大きさ等に応じて適宜設定される。
【0005】
画素を選択状態にする場合、即ち当該画素を表示状態にする場合は、図8(a)に示すように、表示画素の位置の電極22が、荷電粒子2と逆極性となるように電圧を印加する(図中では電極22の極性を示す「+」「−」記号を示している)。電圧が印加されてマイクロカプセル6中に電界が発生すると、荷電粒子2は電気泳動によって表示側基板20方向に移動し、荷電粒子2が観察者Uから視認可能となる。例えば、荷電粒子2を白、分散媒4を黒の色素で着色したとすると、図8(a)の場合、表示面上には当該画素が黒地に白い点として表示された状態となる。以下、選択状態の画素を「表示画素」と言う。
【0006】
画素を非選択状態にする場合、即ち当該画素の表示を消去して非表示状態に戻す場合は、図8(b)に示すように、当該画素の位置の電極22が荷電粒子2と同極性となるように電圧を印加する。荷電粒子2は電気泳動によって背部側基板30の方向に移動して、観察者Uからは視認できなくなる。即ち、当該画素の位置では分散媒4の色が観察されるようになって消去された状態となる。
【0007】
上述のようなマイクロカプセル型電気泳動ディスプレイにおける駆動方法としては、製造の容易さやコストの観点から、単純マトリクス駆動方式(パッシブマトリクス駆動方式とも言う)が有利とされるが、クロストークなどによる表示品位の問題が残る。
【0008】
即ち、単純マトリクス駆動方式によって任意のXY座標で定義される画素を表示させる方法は、先ずX列の電極32を順次アクティブにする。それと同期してY行の電極22に信号電圧を印加する。両者の電圧差が荷電粒子2を表示側基板20の方向に移動させる電圧(選択電圧)を超えると当該画素が表示状態となり、荷電粒子2を背部側基板30の方向に移動させる電圧(消去電圧)を超えると非表示状態(消去状態)となる。
【0009】
ところが、表示画素と同列の他の画素及び同行の他の画素では、一方の電極のみに電圧が印加された状態となり、選択電圧には至らない中間的な電圧が印加された、いわゆる半選択状態となる。このため、閾値特性を持たない荷電粒子2は比較的ゆっくりと表示側基板20の方向に電気泳動する。その為、表示コントラストが徐々に甘くなるといった表示品位の低下が生じてしまう。
【0010】
こうした単純マトリクス駆動方式における表示品位の問題を回避するために、マイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイにおいては、アクティブマトリクス型駆動方式を用いるものが多くなっている。また、X列またはY行の電極の何れかと直交する第3の電極を設けて第3の電圧を加える駆動方式も提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−122512号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクティブマトリクス駆動方式は、単純マトリクス駆動方式に比べてコスト高の問題がある。また、X列またはY行の何れかと直交する第3の電極を用いる駆動方式であっても、結局マイクロカプセル自体が同じであるため、荷電粒子が電気泳動する特性は変化しない。このため、半選択状態は依然として存在するという問題がある。
【0013】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイ(EPD)において、荷電粒子の電気泳動に対して閾値特性を与え、表示品位を高めることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、荷電粒子を含有する分散媒が封入された複数のマイクロカプセルを、互いに対向する表示側基板と背部側基板で挟持し、前記表示側基板と前記背部側基板間に所定電圧を印加して前記荷電粒子を電気泳動させることにより表示を行う表示装置において、前記分散媒は、前記所定電圧以下の電圧で配向するポジ型の誘電異方性を有する分子配向性材料であることを特徴とする。
【0015】
ポジ型の誘電異方性を有する分子配向性材料は、分子構造に方向性を有する材料を含み、ある閾値以上の電界がかかると分子長軸の方向が電界方向に向く性質を有している。
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、分子配向性材料の分子が電界方向に配向する電圧(以下、「配向電圧」と言う)が、表示装置において表示状態にするための所定電圧(選択電圧)以下の分子配向性材料が分散媒である。
従って、従来のように半選択状態の画素において、選択されていないにもかかわらず荷電粒子が表示面側に移動して表示品位が低下することを防ぐことができる。分子配向性材料を分散媒とすることによって、マイクロカプセルに閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位にすることができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の表示装置であって、前記分散媒をポジ型ネマティック液晶としても良い。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、ネマティック液晶を分子配向性材料として用いることで、比較的低電圧で分子の配向を制御することができる。従って、表示装置の駆動に要する電圧を低く抑えることができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の表示装置であって、前記分散媒はカイラル剤を含有することとしても良い。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、カイラル剤を添加することによって、ネマティック液晶のダイレクタにカイラル構造(ねじれ構造)をとらせることができる。
半選択状態において印加される電圧が配向電圧以下の条件では、液晶のダイレクタが螺旋を描いて荷電粒子が電界方向に沿って電気泳動するのを阻害する。反対に、選択電圧や消去電圧のように印加電圧が配向電圧を越える条件では電界方向にダイレクタが揃った状態となり、荷電粒子は電界方向に電気泳動し易くなる。よって、マイクロカプセルに与えられる閾値特性をより明確にして、単純マトリクス駆動方式による表示をより高品位にすることができる。
【0021】
請求項4に発明のように、請求項1〜3の何れか一項に記載の表示装置であって、前記電極部が単純マトリクス駆動方式によって前記基板間に所定電圧を印加することとしても良い。この場合には、表示品位を高く維持しつつ、より製造コストを抑えることが可能となる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明のように、請求項1に記載の表示装置であって、少なくとも、前記表示側基板の前記マイクロカプセルとの接触面には、前記マイクロカプセルが収まる凹部が形成されているようにしてもよい。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、少なくとも、表示側基板の前記マイクロカプセルとの接触面に前記マイクロカプセルが収まる凹部が形成されていることにより、基板間にマイクロカプセルを挟持すると、マイクロカプセルの一部が凹部に納まり、凹部に納まったマイクロカプセルは平面との接触に比べてより多くの箇所(面積)で接触する。これにより、広い視角範囲で、良好な条件で帯電粒子を視認可能となり、視角方法による表示コントラストの変化が抑制されて、表示品位を向上させることができる。
【0024】
この場合、請求項6に記載の発明のように、請求項5に記載の表示装置であって、前記凹部は平行な複数の溝によって形成されているようにしてもよい。これにより、凹部の形成を容易とすることができる。
【0025】
また、請求項7に記載の発明のように、請求項5又は6に記載の表示装置であって、前記凹部の開口面の幅方向の長さは、前記マイクロカプセルの平均粒子直径の0.5倍から1.5倍の間の長さであるようにしてもよい。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、凹部にマイクロカプセルを安定的に収め、一の凹部に複数のマイクロカプセルが収まらないようにすることができて、凹部とマイクロカプセルとの接触関係を良好にすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
次に、図1〜図4を参照して、本発明を適用した第1の実施の形態について説明する。
【0028】
[構成の説明]
図1は、本実施の形態における電気泳動ディスプレイの構成の一例を示す断面概念図である。同図では、表示側基板20の上面側が表示面となり、荷電粒子2が電気泳動によって表示側基板20側に集まることによって、観察者Uに視認されて表示状態となっている。
【0029】
同図に示すように、本実施の形態における電気泳動ディスプレイは、表示側基板20と背部側基板30とが、バインダ8と共にマイクロカプセル6を挟持する。表示側基板20と背部側基板30には、それぞれ対向する面(マイクロカプセル6を挟持する面)に電極22,32を備え、基板間に電圧を印加することができる。
【0030】
荷電粒子2は、分散媒4の中で帯電状態を保てる材料からなる粒子であり、その形状は特に問わない。荷電粒子2の色は、材料自身の色であっても良いし適宜着色剤を添加或いは粒子面に積層させても良いが、分散媒4と異なる色となるようにする。荷電粒子2としては、例えば、ポリエチレンやアクリル樹脂等に公知着色材を混合したものや、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが使用できる。
【0031】
分散媒4は、絶縁性の液体材料である。本実施の形態では、分子配向性材料としての性質を具備させるためにポジ型のネマティック液晶5を含有する。ポジ型ネマティック液晶5は、「棒状」と称される方向性を持った分子構造を有し、ある閾値以上の電圧が印加されると分子が電界方向に向く正の誘電異方性を有する。
【0032】
図2は、ポジ型ネマティック液晶5の誘電異方性を示す概念図である。同図(a)に示すように、電極22と電極32の間に電圧が印加されない場合、ポジ型ネマティック液晶5の分子は特に定まった方向を向くものではなく、全体としてランダムな方向を向く。同図(b)に示すように、電極22と電極32の間にある閾値以上の電圧が印加された場合は、分子の方向がランダムな状態から電界方向に向くように配列する。この電界Eの強度を形成する閾値電圧を以下「配向電圧VS」と言う。
【0033】
分散媒4に含有されるポジ型ネマティック液晶5の含有率は適宜設定して構わない。また、分散媒4は荷電粒子2が泳動し易いように低粘度の液体であるとともに荷電粒子2と近い比重であることが好ましい。そのため、分散媒4にはポジ型ネマティック液晶5のほかに、例えばシリコンオイルなどの油類、トルエン、パラフィン系炭化水素などが適宜ブレンドされるとしても良い。更に、荷電粒子2の分散性を良くするための界面活性剤や、帯電性を制御する帯電制御剤を適宜添加しても良い。
【0034】
マイクロカプセル6は、絶縁性と可視光線の透過性を有する材料からなる。例えば、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂やゼラチンなどが用いられる。そして、例えば、界面重合法、不溶化反応、相分離法、界面沈殿法などを用いることによって、荷電粒子2及び分散媒4を封入して形成される。
【0035】
マイクロカプセル6に封入される荷電粒子2及び分散媒4の比率は、荷電粒子2が一方向に集まった時にその色が視認できる程度に決定する。またその直径は、表示画素の要求に応じて適宜設定する。本実施の形態では、マイクロカプセル6は球状とするが球以外の形状であっても構わない。
【0036】
表示側基板20と背部側基板30は、それぞれ、例えば、ガラス、石英、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂など、光透過性の材料からなるベース基板26,36と、ITO(インジウム・スズ酸化物)などによって形成された電極22,32とを備える。背面側から観察されることが無い場合には、ベース基板36及び電極32に光不透過性の材料を用いても構わないのは勿論である。
【0037】
本実施の形態における電極22,23は、図9に示したのと同様な単純マトリクス駆動方式の電極構造を成している。例えば、電極22はY行に該当するストライプ状の信号電極を形成し、電極32はX列に該当するストライプ状の走査電極を形成する。走査電極(電極32)と信号電極(電極22)との交点が一の表示画素に該当する。
電極22,32の構造や製法については公知の液晶ディスプレイにおける駆動技術を適宜利用可能である。例えば、ベース基板26,36上にフォトリソグラフィーによって電極22,32を形成し、表示側基板20と背部側基板30を作成する。
【0038】
電気泳動ディスプレイの組立方法については、公知の液晶ディスプレイにおける製造・組立技術を適宜利用可能である。例えば、マイクロカプセル6をバインダ8と共に印刷等によって、表示側基板20または背部側基板30の一方に均一に塗布して、他方の基板と張り合わせる。そして、端部を封止して駆動回路を電極22,32に圧着する。
【0039】
[表示制御の原理の説明]
次に、図3と図4を参照して、本実施の形態における表示制御の原理について説明する。
【0040】
図3は、本実施の形態における表示制御の原理について説明するための、電気泳動ディスプレイの概略断面図と電極間に印加される電圧波形の概念図である。図4は、観察者U側から見たマイクロカプセル6の拡大概念図である。尚、本実施の形態では電圧平均化法を用いるが、本原理を同様に実現するならば、単純マトリクス駆動方式に用いられる他の表示制御方法でも構わない。
【0041】
図3(a)は、電圧が印加されていない状態の一例を示しており、消去状態に有る。マイクロカプセル6には電界が形成されないので、分散媒4内のポジ型ネマティック液晶5の分子は不特定の方向を向いた状態となる。この状態では、図4(a)に示すように、不特定の方向に向いた棒状のポジ型ネマティック液晶5の分子が荷電粒子2の電気泳動による移動を阻害する状態となる。
【0042】
図3(b)は、電圧が印加された状態であって選択状態の一例を示している。選択され表示状態となる画素には、信号電極(電極22)側からは、V0/a(aはバイアス比)の信号電圧が印加され、走査電極(電極32)側からは信号電極に印加された電圧との差が選択電圧V0に達するように走査電圧が印加される。選択電圧V0は、荷電粒子2の移動速度に影響するので、電気泳動ディスプレイの表示性能上の観点から適宜設定する。
この際、選択電圧V0を、ポジ型ネマティック液晶5の分子が電界方向に配向する配向電圧VSより大きくなるように設定する。あるいは、選択電圧V0より小さな配向電圧VSを有する液晶材料をポジ型ネマティック液晶5として選択するとしても良い。
【0043】
電圧が印加されるとマイクロカプセル6内には電界が形成され、荷電粒子2が電界方向に表示側基板20に向かって電気泳動する。この際、ポジ型ネマティック液晶5は正の誘電異方性を有しているので、図4(b)に示すように、棒状の分子が電界方向に向く。(同図では電界は図面より垂直方向に向いている。)この場合、荷電粒子2はポジ型ネマティック液晶5の分子の配向に沿って移動するので移動しやすい。荷電粒子2は分子に邪魔されることなく、ポジ型ネマティック液晶5の分子の間をすり抜けて表示側基板20の表示面に集まり、当該画素は表示状態となる。
【0044】
図3(c)は、電圧が印加された状態であって半選択状態の一例を示している。バイアス比aを、半選択状態の画素には配向電圧VS(閾値電圧)より小さい電圧(1−2/a)V0が印加されるように適当に設定する。あるいは、配向電圧VSが電圧(1−2/a)V0より大きい液晶材料をポジ型ネマティック液晶5として選択するとしても良い。
この場合、印加された電圧が配向電圧VSより小さいため、選択状態のように分子長軸が電界方向に配向せず、図4(a)に示したように棒状のポジ型ネマティック液晶5の分子が不特定の方向に向いたままとなる。このため、電圧(1−2/a)V0により生ずる電界によって、荷電粒子2が電界方向に電気泳動を始めてもポジ型ネマティック液晶5の分子に移動を阻害される。従って、荷電粒子2が表示側基板20の方向に移動することに起因する表示品位の低下を防ぐことができる。
【0045】
このように分子配向性材料を分散媒とすることによって、マイクロカプセル6に閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位で実現することが可能となる。
【0046】
〔第2の実施の形態〕
次に、図5〜図7を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、前記第1の実施形態に対して、より表示品位を高めるようにしたものである。尚、第1の実施の形態と同様の構成要素については、同じ符号を付け説明は省略するものとする。
【0047】
図5は、本実施の形態における電気泳動ディスプレイの構成の一例を示す断面概念図である。(a)は電圧が印加されていない状態の一例を示しており、消去状態に有る。(b)は半選択状態の一例を示している。(c)は選択電圧が印加された状態であって選択状態の一例を示している。
【0048】
図5に示すように、本実施の形態における電気泳動ディスプレイは、表示側基板20と背部側基板30とが、マイクロカプセル6との接触面側に凹部24、34をそれぞれ有することを特徴とする。そして、マイクロカプセル6をバインダ8で支持し、凹部24、34にマイクロカプセル6を収めて密着するようにして、表示側基板20と背部側基板30とで挟持する。なお、凹部は表示側基板20のみに設けるようにしてもよい。
【0049】
凹部24、34の具体的な製法としては、例えば、元になる平板状のベース基板26を作成した後、凹部24を形成する面にフォトレジストをコーティングする。次に、凹部24を形成するピッチでストライプ状の開口部を形成するようにパターニングする。次いで、等方性エッチングを施してパターニングされたストライプ状の開口部を中心とする溝状の凹部を形成する。そして最後に、レジストを除去する。パターニング及びエッチングを適当に施して適当回数実施することによって、様々な形状の凹部24を形成することができる。
【0050】
図6は、本実施の形態における凹部24の配置の一例を説明する斜視概念図である。本実施の形態では、凹部24は所定ピッチdで繰り返される、平行な周期波面状の溝部として形成される。このように、凹部24を複数の平行な溝部とした場合、例えば上記のような形成方法により比較的容易に形成することができる。なお、凹部の形状は、上記のような複数の平行な溝部とする他、例えば、複数の略半球状の凹部をマトリクス状に配置して形成するようにしてもよい。
また、凹部24の開口面幅方向の長さ(この場合、ピッチdに相当)は、マイクロカプセル6の平均粒子直径の0.5〜1.5倍とし、一つの凹部24に複数のマイクロカプセル6が収まることがなく、一つのマイクロカプセル6が安定的に収まるようにする。
【0051】
背部側基板30は、凹部24と同様の凹部34を有するベース基板36に、電極32と対を成す電極32が形成されている。尚、背面側から観察されることが無い場合には、ベース基板36及び電極32に光不透過性の材料を用いても構わないのは勿論である。
【0052】
組立方法は、例えば以下の方法が用いられる。先ず、バインダ8にマイクロカプセル6を混合し、背部側基板30上に塗布する。好ましくは、マイクロカプセル6が重ならずに一層を成す程度に薄く均一に塗布する。次に、マイクロカプセル6とバインダ8とを塗布した背部側基板30に、表示側基板20を電極22と電極32とが対向するように貼り合わせ適宜接着剤等で固定する。この際、マイクロカプセル6の一部が変形する程度に圧力を掛けて貼り合わせると、マイクロカプセル6が凹部24、34に密着するように収まり効果的である。また、貼り合わせ時に微細な振動を加えることによって、マイクロカプセル6の配置が凹部24、36に沿うように移動し易くするとしても良い。
【0053】
図7は、表示状態を示す上面概念図と断面概念図である。上面概念図においては各マイクロカプセル6の外周を破線で示している。同図(a)は本実施の形態を示し、同図(b)は、従来の表示側基板20に凹部24が無い場合を示している。
【0054】
図7(a)に示すように、本実施の形態によれば凹部24にマイクロカプセル6が収まり表示側基板20との隙間Sが減少する。両者がより多くの範囲で接触することによって、荷電粒子2が好条件で認識できる接触部Aが表示面に占める面積比が増え、隙間Sに介在するバインダ8越しに荷電粒子2を見る部分の面積比が相対的に減る。従って、表示コントラストを向上させることができる。
【0055】
電極22、32の構成及び表示制御の方法については、第1の実施の形態と同様にして実現することができる。
【0056】
以上、本発明を適用した第1〜第2実施の形態について説明したが本発明の適用がこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜構成要素の追加・削除・設計変更などを施しても良い。
【0057】
例えば、分散媒4にカイラル剤を適宜添加しても良い。カイラル剤とは、ポジ型ネマティック液晶5にカイラル構造(ねじれ構造)を取らせる物質である。
カイラル剤が添加されると、印加電圧が配向電圧VS以下の場合は、ポジ型ネマティック液晶5のダイレクタが螺旋を描き、荷電粒子2の電気泳動を阻害する。反対に、印加電圧が配向電圧Vsを越えると、電界方向にダイレクタが揃った状態となり、荷電粒子2が電界方向に電気泳動し易くなる。従って、マイクロカプセル6に与えられる閾値特性をより明確にすることができ、上述と同様の単純マトリクス駆動方式であっても、表示品位を更に高めることができる。
【0058】
また、第1〜第2の実施の形態では、分散媒4を分子配向性材料として機能させるために、棒状の分子構造を有するポジ型ネマティック液晶5を含有させたがこれに限定されるものではなく、例えば、板型やディスク型、バナナ型など他の分子構造を有する液晶材であってもかまわない。例えば、板型やディスク型の分子構造を有する場合は、配向時に面が電界方向に向くことによって、表示画素においては荷電粒子2をスムーズに移動させ、配向電圧VS以下の半選択状態の画素においては、面が電界方向に交差して荷電粒子2の電気泳動を阻害する。
【0059】
また、凹部24、36はストライプ状に限らず、半球状の凹部24、36が断続的に配置される構成であっても良い。また、凹部24、36をベース基板26、36と一体的に形成するとしたが、これに限らず、ベース基板26、36とは別部品として別途貼設する構成としても良い。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、分子配向性材料の分子が電界方向に配向する電圧が、表示装置において表示状態にするための所定電圧(選択電圧)以下のポジ型の分子配向性材料を分散媒として使用する。従って、従来のように半選択状態の画素において、選択されていないにもかかわらず荷電粒子が表示面側に移動して表示品位が低下することを防ぐことができる。ポジ型の分子配向性材料を分散媒とすることによって、マイクロカプセルに閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位にすることができる。
【0061】
また、ポジ型ネマティック液晶を分子配向性材料として用いることで、比較的低電圧で分子の配向を制御すること可能となり、表示装置の駆動に要する電圧を低く抑えることができる。
【0062】
また、分散媒として、ポジ型ネマティック液晶を分子配向性材料を用いて、さらにカイラル剤を添加することによって、ネマティック液晶のダイレクタにカイラル構造(ねじれ構造)をとらせることができる。半選択状態において印加された電圧が配向電圧以下の状態では、液晶のダイレクタが螺旋を描いて荷電粒子が電界方向に沿って電気泳動するのを阻害する。反対に、選択電圧や消去電圧のように印加電圧が配向電圧を越える条件では電界方向にダイレクタが揃った状態となり、荷電粒子は電界方向に電気泳動し易くなる。従って、マイクロカプセルに閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位にすることができる。
【0063】
また、少なくとも、表示側基板のマイクロカプセルとの接触面にマイクロカプセルが収まる凹部が形成されていることにより、基板間にマイクロカプセルを挟持すると、マイクロカプセルの一部が凹部に納まり、凹部に納まったマイクロカプセルは平面との接触に比べてより多くの箇所(面積)で接触し、これにより、広い視角範囲で、良好な条件で帯電粒子を視認可能となり、視角方法による表示コントラストの変化が抑制されて、表示品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における電気泳動ディスプレイの構成の一例を示す断面概念図。
【図2】ポジ型ネマティック液晶の誘電異方性を示す概念図。
【図3】表示制御の原理について説明するための電気泳動ディスプレイの概略断面図と電極間に印加される電圧波形の概念図。
【図4】観察者U側から見たマイクロカプセル6の拡大概念図。
【図5】第2の実施の形態における電気泳動ディスプレイの構成の一例を示す断面概念図。
【図6】第2の実施の形態における凹部の配置の一例を説明する斜視概念図。
【図7】第2の実施の形態における表示状態を示す上面概念図と断面概念図。
【図8】荷電粒子を含有する分散媒を封入したマイクロカプセルを用いるマイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイにおける基本構造の一例を示す概念図。
【図9】単純マトリクス駆動式における電極構成の一例を示す斜視概念図と、表示面側から見た平面概念図。
【符号の説明】
2 荷電粒子
4 分散媒
5 ポジ型ネマティック液晶
6 マイクロカプセル
20 表示側基板
22 電極
24 凹部
26 ベース基板
30 背部側基板
32 電極
34 凹部
36 ベース基板
d ピッチ
E 電界
S 隙間
U 観察者
V0 選択電圧
VS 配向電圧
Vth 閾値電圧
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子を含有する分散媒が封入された複数のマイクロカプセルを、表示側基板と背部側基板間で挟持し、両基板間に所定電圧を印加して荷電粒子を電気泳動させることにより表示を行う表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁性の分散媒中に分散した荷電粒子を、電界の作用によって表示面に電気泳動させて集め、分散媒と荷電粒子の光学特性(例えば、色)によって表示を行う表示装置が知られている(以下、「電気泳動ディスプレイ」と言う)。電気泳動ディスプレイ(EPD)は、液晶ディスプレイ(LCD)に比べ低消費電力・高明度が得られ、更に電力供給無しに表示状態をそのままに維持できるメモリ性を有することから、「電子ペーパ」が実現可能な技術として注目されている。
【0003】
図8は、荷電粒子を含有する分散媒を封入したマイクロカプセルを用いる、マイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイにおける基本構造の一例を示す概念図である。マイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイは、分散媒4と荷電粒子2とが封入された直径数十〜100μm程度の複数のマイクロカプセル6を、適当なバインダ8で支持して、ガラス板などの表示側基板20と背部側基板30とで挟持する構造を有する。表示側基板20と背部側基板30には、それぞれベース基板26,36上に電極22,32が設けられており、表示側基板20〜背部側基板30間に電圧を印加することができる。同図では、観察者Uは上方から表示側基板20を見ることになる。即ち、表示側基板20の上面が表示面となる。観察者Uは表示側基板20側から見るので、電極22は透明電極でなければならない。
【0004】
電極22,32は、例えば図9に示すように、一方をX列、他方をY行として直交するようにマトリクス状に配置されてXY直交座標系を形成する。即ち、各表示画素は電極22,32の交点に該当し、XY座標で定義されて表示制御される。尚、一の表示画素に対応する電極とマイクロカプセル6の数は、電極22,32の回路構造の大きさ等に応じて適宜設定される。
【0005】
画素を選択状態にする場合、即ち当該画素を表示状態にする場合は、図8(a)に示すように、表示画素の位置の電極22が、荷電粒子2と逆極性となるように電圧を印加する(図中では電極22の極性を示す「+」「−」記号を示している)。電圧が印加されてマイクロカプセル6中に電界が発生すると、荷電粒子2は電気泳動によって表示側基板20方向に移動し、荷電粒子2が観察者Uから視認可能となる。例えば、荷電粒子2を白、分散媒4を黒の色素で着色したとすると、図8(a)の場合、表示面上には当該画素が黒地に白い点として表示された状態となる。以下、選択状態の画素を「表示画素」と言う。
【0006】
画素を非選択状態にする場合、即ち当該画素の表示を消去して非表示状態に戻す場合は、図8(b)に示すように、当該画素の位置の電極22が荷電粒子2と同極性となるように電圧を印加する。荷電粒子2は電気泳動によって背部側基板30の方向に移動して、観察者Uからは視認できなくなる。即ち、当該画素の位置では分散媒4の色が観察されるようになって消去された状態となる。
【0007】
上述のようなマイクロカプセル型電気泳動ディスプレイにおける駆動方法としては、製造の容易さやコストの観点から、単純マトリクス駆動方式(パッシブマトリクス駆動方式とも言う)が有利とされるが、クロストークなどによる表示品位の問題が残る。
【0008】
即ち、単純マトリクス駆動方式によって任意のXY座標で定義される画素を表示させる方法は、先ずX列の電極32を順次アクティブにする。それと同期してY行の電極22に信号電圧を印加する。両者の電圧差が荷電粒子2を表示側基板20の方向に移動させる電圧(選択電圧)を超えると当該画素が表示状態となり、荷電粒子2を背部側基板30の方向に移動させる電圧(消去電圧)を超えると非表示状態(消去状態)となる。
【0009】
ところが、表示画素と同列の他の画素及び同行の他の画素では、一方の電極のみに電圧が印加された状態となり、選択電圧には至らない中間的な電圧が印加された、いわゆる半選択状態となる。このため、閾値特性を持たない荷電粒子2は比較的ゆっくりと表示側基板20の方向に電気泳動する。その為、表示コントラストが徐々に甘くなるといった表示品位の低下が生じてしまう。
【0010】
こうした単純マトリクス駆動方式における表示品位の問題を回避するために、マイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイにおいては、アクティブマトリクス型駆動方式を用いるものが多くなっている。また、X列またはY行の電極の何れかと直交する第3の電極を設けて第3の電圧を加える駆動方式も提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−122512号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクティブマトリクス駆動方式は、単純マトリクス駆動方式に比べてコスト高の問題がある。また、X列またはY行の何れかと直交する第3の電極を用いる駆動方式であっても、結局マイクロカプセル自体が同じであるため、荷電粒子が電気泳動する特性は変化しない。このため、半選択状態は依然として存在するという問題がある。
【0013】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイ(EPD)において、荷電粒子の電気泳動に対して閾値特性を与え、表示品位を高めることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、荷電粒子を含有する分散媒が封入された複数のマイクロカプセルを、互いに対向する表示側基板と背部側基板で挟持し、前記表示側基板と前記背部側基板間に所定電圧を印加して前記荷電粒子を電気泳動させることにより表示を行う表示装置において、前記分散媒は、前記所定電圧以下の電圧で配向するポジ型の誘電異方性を有する分子配向性材料であることを特徴とする。
【0015】
ポジ型の誘電異方性を有する分子配向性材料は、分子構造に方向性を有する材料を含み、ある閾値以上の電界がかかると分子長軸の方向が電界方向に向く性質を有している。
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、分子配向性材料の分子が電界方向に配向する電圧(以下、「配向電圧」と言う)が、表示装置において表示状態にするための所定電圧(選択電圧)以下の分子配向性材料が分散媒である。
従って、従来のように半選択状態の画素において、選択されていないにもかかわらず荷電粒子が表示面側に移動して表示品位が低下することを防ぐことができる。分子配向性材料を分散媒とすることによって、マイクロカプセルに閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位にすることができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の表示装置であって、前記分散媒をポジ型ネマティック液晶としても良い。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、ネマティック液晶を分子配向性材料として用いることで、比較的低電圧で分子の配向を制御することができる。従って、表示装置の駆動に要する電圧を低く抑えることができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の表示装置であって、前記分散媒はカイラル剤を含有することとしても良い。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、カイラル剤を添加することによって、ネマティック液晶のダイレクタにカイラル構造(ねじれ構造)をとらせることができる。
半選択状態において印加される電圧が配向電圧以下の条件では、液晶のダイレクタが螺旋を描いて荷電粒子が電界方向に沿って電気泳動するのを阻害する。反対に、選択電圧や消去電圧のように印加電圧が配向電圧を越える条件では電界方向にダイレクタが揃った状態となり、荷電粒子は電界方向に電気泳動し易くなる。よって、マイクロカプセルに与えられる閾値特性をより明確にして、単純マトリクス駆動方式による表示をより高品位にすることができる。
【0021】
請求項4に発明のように、請求項1〜3の何れか一項に記載の表示装置であって、前記電極部が単純マトリクス駆動方式によって前記基板間に所定電圧を印加することとしても良い。この場合には、表示品位を高く維持しつつ、より製造コストを抑えることが可能となる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明のように、請求項1に記載の表示装置であって、少なくとも、前記表示側基板の前記マイクロカプセルとの接触面には、前記マイクロカプセルが収まる凹部が形成されているようにしてもよい。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、少なくとも、表示側基板の前記マイクロカプセルとの接触面に前記マイクロカプセルが収まる凹部が形成されていることにより、基板間にマイクロカプセルを挟持すると、マイクロカプセルの一部が凹部に納まり、凹部に納まったマイクロカプセルは平面との接触に比べてより多くの箇所(面積)で接触する。これにより、広い視角範囲で、良好な条件で帯電粒子を視認可能となり、視角方法による表示コントラストの変化が抑制されて、表示品位を向上させることができる。
【0024】
この場合、請求項6に記載の発明のように、請求項5に記載の表示装置であって、前記凹部は平行な複数の溝によって形成されているようにしてもよい。これにより、凹部の形成を容易とすることができる。
【0025】
また、請求項7に記載の発明のように、請求項5又は6に記載の表示装置であって、前記凹部の開口面の幅方向の長さは、前記マイクロカプセルの平均粒子直径の0.5倍から1.5倍の間の長さであるようにしてもよい。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、凹部にマイクロカプセルを安定的に収め、一の凹部に複数のマイクロカプセルが収まらないようにすることができて、凹部とマイクロカプセルとの接触関係を良好にすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
次に、図1〜図4を参照して、本発明を適用した第1の実施の形態について説明する。
【0028】
[構成の説明]
図1は、本実施の形態における電気泳動ディスプレイの構成の一例を示す断面概念図である。同図では、表示側基板20の上面側が表示面となり、荷電粒子2が電気泳動によって表示側基板20側に集まることによって、観察者Uに視認されて表示状態となっている。
【0029】
同図に示すように、本実施の形態における電気泳動ディスプレイは、表示側基板20と背部側基板30とが、バインダ8と共にマイクロカプセル6を挟持する。表示側基板20と背部側基板30には、それぞれ対向する面(マイクロカプセル6を挟持する面)に電極22,32を備え、基板間に電圧を印加することができる。
【0030】
荷電粒子2は、分散媒4の中で帯電状態を保てる材料からなる粒子であり、その形状は特に問わない。荷電粒子2の色は、材料自身の色であっても良いし適宜着色剤を添加或いは粒子面に積層させても良いが、分散媒4と異なる色となるようにする。荷電粒子2としては、例えば、ポリエチレンやアクリル樹脂等に公知着色材を混合したものや、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが使用できる。
【0031】
分散媒4は、絶縁性の液体材料である。本実施の形態では、分子配向性材料としての性質を具備させるためにポジ型のネマティック液晶5を含有する。ポジ型ネマティック液晶5は、「棒状」と称される方向性を持った分子構造を有し、ある閾値以上の電圧が印加されると分子が電界方向に向く正の誘電異方性を有する。
【0032】
図2は、ポジ型ネマティック液晶5の誘電異方性を示す概念図である。同図(a)に示すように、電極22と電極32の間に電圧が印加されない場合、ポジ型ネマティック液晶5の分子は特に定まった方向を向くものではなく、全体としてランダムな方向を向く。同図(b)に示すように、電極22と電極32の間にある閾値以上の電圧が印加された場合は、分子の方向がランダムな状態から電界方向に向くように配列する。この電界Eの強度を形成する閾値電圧を以下「配向電圧VS」と言う。
【0033】
分散媒4に含有されるポジ型ネマティック液晶5の含有率は適宜設定して構わない。また、分散媒4は荷電粒子2が泳動し易いように低粘度の液体であるとともに荷電粒子2と近い比重であることが好ましい。そのため、分散媒4にはポジ型ネマティック液晶5のほかに、例えばシリコンオイルなどの油類、トルエン、パラフィン系炭化水素などが適宜ブレンドされるとしても良い。更に、荷電粒子2の分散性を良くするための界面活性剤や、帯電性を制御する帯電制御剤を適宜添加しても良い。
【0034】
マイクロカプセル6は、絶縁性と可視光線の透過性を有する材料からなる。例えば、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂やゼラチンなどが用いられる。そして、例えば、界面重合法、不溶化反応、相分離法、界面沈殿法などを用いることによって、荷電粒子2及び分散媒4を封入して形成される。
【0035】
マイクロカプセル6に封入される荷電粒子2及び分散媒4の比率は、荷電粒子2が一方向に集まった時にその色が視認できる程度に決定する。またその直径は、表示画素の要求に応じて適宜設定する。本実施の形態では、マイクロカプセル6は球状とするが球以外の形状であっても構わない。
【0036】
表示側基板20と背部側基板30は、それぞれ、例えば、ガラス、石英、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂など、光透過性の材料からなるベース基板26,36と、ITO(インジウム・スズ酸化物)などによって形成された電極22,32とを備える。背面側から観察されることが無い場合には、ベース基板36及び電極32に光不透過性の材料を用いても構わないのは勿論である。
【0037】
本実施の形態における電極22,23は、図9に示したのと同様な単純マトリクス駆動方式の電極構造を成している。例えば、電極22はY行に該当するストライプ状の信号電極を形成し、電極32はX列に該当するストライプ状の走査電極を形成する。走査電極(電極32)と信号電極(電極22)との交点が一の表示画素に該当する。
電極22,32の構造や製法については公知の液晶ディスプレイにおける駆動技術を適宜利用可能である。例えば、ベース基板26,36上にフォトリソグラフィーによって電極22,32を形成し、表示側基板20と背部側基板30を作成する。
【0038】
電気泳動ディスプレイの組立方法については、公知の液晶ディスプレイにおける製造・組立技術を適宜利用可能である。例えば、マイクロカプセル6をバインダ8と共に印刷等によって、表示側基板20または背部側基板30の一方に均一に塗布して、他方の基板と張り合わせる。そして、端部を封止して駆動回路を電極22,32に圧着する。
【0039】
[表示制御の原理の説明]
次に、図3と図4を参照して、本実施の形態における表示制御の原理について説明する。
【0040】
図3は、本実施の形態における表示制御の原理について説明するための、電気泳動ディスプレイの概略断面図と電極間に印加される電圧波形の概念図である。図4は、観察者U側から見たマイクロカプセル6の拡大概念図である。尚、本実施の形態では電圧平均化法を用いるが、本原理を同様に実現するならば、単純マトリクス駆動方式に用いられる他の表示制御方法でも構わない。
【0041】
図3(a)は、電圧が印加されていない状態の一例を示しており、消去状態に有る。マイクロカプセル6には電界が形成されないので、分散媒4内のポジ型ネマティック液晶5の分子は不特定の方向を向いた状態となる。この状態では、図4(a)に示すように、不特定の方向に向いた棒状のポジ型ネマティック液晶5の分子が荷電粒子2の電気泳動による移動を阻害する状態となる。
【0042】
図3(b)は、電圧が印加された状態であって選択状態の一例を示している。選択され表示状態となる画素には、信号電極(電極22)側からは、V0/a(aはバイアス比)の信号電圧が印加され、走査電極(電極32)側からは信号電極に印加された電圧との差が選択電圧V0に達するように走査電圧が印加される。選択電圧V0は、荷電粒子2の移動速度に影響するので、電気泳動ディスプレイの表示性能上の観点から適宜設定する。
この際、選択電圧V0を、ポジ型ネマティック液晶5の分子が電界方向に配向する配向電圧VSより大きくなるように設定する。あるいは、選択電圧V0より小さな配向電圧VSを有する液晶材料をポジ型ネマティック液晶5として選択するとしても良い。
【0043】
電圧が印加されるとマイクロカプセル6内には電界が形成され、荷電粒子2が電界方向に表示側基板20に向かって電気泳動する。この際、ポジ型ネマティック液晶5は正の誘電異方性を有しているので、図4(b)に示すように、棒状の分子が電界方向に向く。(同図では電界は図面より垂直方向に向いている。)この場合、荷電粒子2はポジ型ネマティック液晶5の分子の配向に沿って移動するので移動しやすい。荷電粒子2は分子に邪魔されることなく、ポジ型ネマティック液晶5の分子の間をすり抜けて表示側基板20の表示面に集まり、当該画素は表示状態となる。
【0044】
図3(c)は、電圧が印加された状態であって半選択状態の一例を示している。バイアス比aを、半選択状態の画素には配向電圧VS(閾値電圧)より小さい電圧(1−2/a)V0が印加されるように適当に設定する。あるいは、配向電圧VSが電圧(1−2/a)V0より大きい液晶材料をポジ型ネマティック液晶5として選択するとしても良い。
この場合、印加された電圧が配向電圧VSより小さいため、選択状態のように分子長軸が電界方向に配向せず、図4(a)に示したように棒状のポジ型ネマティック液晶5の分子が不特定の方向に向いたままとなる。このため、電圧(1−2/a)V0により生ずる電界によって、荷電粒子2が電界方向に電気泳動を始めてもポジ型ネマティック液晶5の分子に移動を阻害される。従って、荷電粒子2が表示側基板20の方向に移動することに起因する表示品位の低下を防ぐことができる。
【0045】
このように分子配向性材料を分散媒とすることによって、マイクロカプセル6に閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位で実現することが可能となる。
【0046】
〔第2の実施の形態〕
次に、図5〜図7を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、前記第1の実施形態に対して、より表示品位を高めるようにしたものである。尚、第1の実施の形態と同様の構成要素については、同じ符号を付け説明は省略するものとする。
【0047】
図5は、本実施の形態における電気泳動ディスプレイの構成の一例を示す断面概念図である。(a)は電圧が印加されていない状態の一例を示しており、消去状態に有る。(b)は半選択状態の一例を示している。(c)は選択電圧が印加された状態であって選択状態の一例を示している。
【0048】
図5に示すように、本実施の形態における電気泳動ディスプレイは、表示側基板20と背部側基板30とが、マイクロカプセル6との接触面側に凹部24、34をそれぞれ有することを特徴とする。そして、マイクロカプセル6をバインダ8で支持し、凹部24、34にマイクロカプセル6を収めて密着するようにして、表示側基板20と背部側基板30とで挟持する。なお、凹部は表示側基板20のみに設けるようにしてもよい。
【0049】
凹部24、34の具体的な製法としては、例えば、元になる平板状のベース基板26を作成した後、凹部24を形成する面にフォトレジストをコーティングする。次に、凹部24を形成するピッチでストライプ状の開口部を形成するようにパターニングする。次いで、等方性エッチングを施してパターニングされたストライプ状の開口部を中心とする溝状の凹部を形成する。そして最後に、レジストを除去する。パターニング及びエッチングを適当に施して適当回数実施することによって、様々な形状の凹部24を形成することができる。
【0050】
図6は、本実施の形態における凹部24の配置の一例を説明する斜視概念図である。本実施の形態では、凹部24は所定ピッチdで繰り返される、平行な周期波面状の溝部として形成される。このように、凹部24を複数の平行な溝部とした場合、例えば上記のような形成方法により比較的容易に形成することができる。なお、凹部の形状は、上記のような複数の平行な溝部とする他、例えば、複数の略半球状の凹部をマトリクス状に配置して形成するようにしてもよい。
また、凹部24の開口面幅方向の長さ(この場合、ピッチdに相当)は、マイクロカプセル6の平均粒子直径の0.5〜1.5倍とし、一つの凹部24に複数のマイクロカプセル6が収まることがなく、一つのマイクロカプセル6が安定的に収まるようにする。
【0051】
背部側基板30は、凹部24と同様の凹部34を有するベース基板36に、電極32と対を成す電極32が形成されている。尚、背面側から観察されることが無い場合には、ベース基板36及び電極32に光不透過性の材料を用いても構わないのは勿論である。
【0052】
組立方法は、例えば以下の方法が用いられる。先ず、バインダ8にマイクロカプセル6を混合し、背部側基板30上に塗布する。好ましくは、マイクロカプセル6が重ならずに一層を成す程度に薄く均一に塗布する。次に、マイクロカプセル6とバインダ8とを塗布した背部側基板30に、表示側基板20を電極22と電極32とが対向するように貼り合わせ適宜接着剤等で固定する。この際、マイクロカプセル6の一部が変形する程度に圧力を掛けて貼り合わせると、マイクロカプセル6が凹部24、34に密着するように収まり効果的である。また、貼り合わせ時に微細な振動を加えることによって、マイクロカプセル6の配置が凹部24、36に沿うように移動し易くするとしても良い。
【0053】
図7は、表示状態を示す上面概念図と断面概念図である。上面概念図においては各マイクロカプセル6の外周を破線で示している。同図(a)は本実施の形態を示し、同図(b)は、従来の表示側基板20に凹部24が無い場合を示している。
【0054】
図7(a)に示すように、本実施の形態によれば凹部24にマイクロカプセル6が収まり表示側基板20との隙間Sが減少する。両者がより多くの範囲で接触することによって、荷電粒子2が好条件で認識できる接触部Aが表示面に占める面積比が増え、隙間Sに介在するバインダ8越しに荷電粒子2を見る部分の面積比が相対的に減る。従って、表示コントラストを向上させることができる。
【0055】
電極22、32の構成及び表示制御の方法については、第1の実施の形態と同様にして実現することができる。
【0056】
以上、本発明を適用した第1〜第2実施の形態について説明したが本発明の適用がこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜構成要素の追加・削除・設計変更などを施しても良い。
【0057】
例えば、分散媒4にカイラル剤を適宜添加しても良い。カイラル剤とは、ポジ型ネマティック液晶5にカイラル構造(ねじれ構造)を取らせる物質である。
カイラル剤が添加されると、印加電圧が配向電圧VS以下の場合は、ポジ型ネマティック液晶5のダイレクタが螺旋を描き、荷電粒子2の電気泳動を阻害する。反対に、印加電圧が配向電圧Vsを越えると、電界方向にダイレクタが揃った状態となり、荷電粒子2が電界方向に電気泳動し易くなる。従って、マイクロカプセル6に与えられる閾値特性をより明確にすることができ、上述と同様の単純マトリクス駆動方式であっても、表示品位を更に高めることができる。
【0058】
また、第1〜第2の実施の形態では、分散媒4を分子配向性材料として機能させるために、棒状の分子構造を有するポジ型ネマティック液晶5を含有させたがこれに限定されるものではなく、例えば、板型やディスク型、バナナ型など他の分子構造を有する液晶材であってもかまわない。例えば、板型やディスク型の分子構造を有する場合は、配向時に面が電界方向に向くことによって、表示画素においては荷電粒子2をスムーズに移動させ、配向電圧VS以下の半選択状態の画素においては、面が電界方向に交差して荷電粒子2の電気泳動を阻害する。
【0059】
また、凹部24、36はストライプ状に限らず、半球状の凹部24、36が断続的に配置される構成であっても良い。また、凹部24、36をベース基板26、36と一体的に形成するとしたが、これに限らず、ベース基板26、36とは別部品として別途貼設する構成としても良い。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、分子配向性材料の分子が電界方向に配向する電圧が、表示装置において表示状態にするための所定電圧(選択電圧)以下のポジ型の分子配向性材料を分散媒として使用する。従って、従来のように半選択状態の画素において、選択されていないにもかかわらず荷電粒子が表示面側に移動して表示品位が低下することを防ぐことができる。ポジ型の分子配向性材料を分散媒とすることによって、マイクロカプセルに閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位にすることができる。
【0061】
また、ポジ型ネマティック液晶を分子配向性材料として用いることで、比較的低電圧で分子の配向を制御すること可能となり、表示装置の駆動に要する電圧を低く抑えることができる。
【0062】
また、分散媒として、ポジ型ネマティック液晶を分子配向性材料を用いて、さらにカイラル剤を添加することによって、ネマティック液晶のダイレクタにカイラル構造(ねじれ構造)をとらせることができる。半選択状態において印加された電圧が配向電圧以下の状態では、液晶のダイレクタが螺旋を描いて荷電粒子が電界方向に沿って電気泳動するのを阻害する。反対に、選択電圧や消去電圧のように印加電圧が配向電圧を越える条件では電界方向にダイレクタが揃った状態となり、荷電粒子は電界方向に電気泳動し易くなる。従って、マイクロカプセルに閾値特性を与え、単純マトリクス駆動方式による表示を高品位にすることができる。
【0063】
また、少なくとも、表示側基板のマイクロカプセルとの接触面にマイクロカプセルが収まる凹部が形成されていることにより、基板間にマイクロカプセルを挟持すると、マイクロカプセルの一部が凹部に納まり、凹部に納まったマイクロカプセルは平面との接触に比べてより多くの箇所(面積)で接触し、これにより、広い視角範囲で、良好な条件で帯電粒子を視認可能となり、視角方法による表示コントラストの変化が抑制されて、表示品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における電気泳動ディスプレイの構成の一例を示す断面概念図。
【図2】ポジ型ネマティック液晶の誘電異方性を示す概念図。
【図3】表示制御の原理について説明するための電気泳動ディスプレイの概略断面図と電極間に印加される電圧波形の概念図。
【図4】観察者U側から見たマイクロカプセル6の拡大概念図。
【図5】第2の実施の形態における電気泳動ディスプレイの構成の一例を示す断面概念図。
【図6】第2の実施の形態における凹部の配置の一例を説明する斜視概念図。
【図7】第2の実施の形態における表示状態を示す上面概念図と断面概念図。
【図8】荷電粒子を含有する分散媒を封入したマイクロカプセルを用いるマイクロカプセル型の電気泳動ディスプレイにおける基本構造の一例を示す概念図。
【図9】単純マトリクス駆動式における電極構成の一例を示す斜視概念図と、表示面側から見た平面概念図。
【符号の説明】
2 荷電粒子
4 分散媒
5 ポジ型ネマティック液晶
6 マイクロカプセル
20 表示側基板
22 電極
24 凹部
26 ベース基板
30 背部側基板
32 電極
34 凹部
36 ベース基板
d ピッチ
E 電界
S 隙間
U 観察者
V0 選択電圧
VS 配向電圧
Vth 閾値電圧
Claims (7)
- 荷電粒子を含有する分散媒が封入された複数のマイクロカプセルを、互いに対向する表示側基板と背部側基板で挟持し、前記表示側基板と前記背部側基板間に所定電圧を印加して前記荷電粒子を電気泳動させることにより表示を行う表示装置において、
前記分散媒は、前記所定電圧以下の電圧で配向するポジ型の誘電異方性を有する分子配向性材料である、ことを特徴とする表示装置。 - 前記分散媒はポジ型ネマティック液晶である、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記分散媒はカイラル剤を含有する、ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
- 前記電極部は、単純マトリクス駆動方式によって前記基板間に所定電圧を印加する、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の表示装置。
- 少なくとも、前記表示側基板の前記マイクロカプセルとの接触面には、前記マイクロカプセルが収まる凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記凹部は平行な複数の溝によって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
- 前記凹部の開口面の幅方向の長さは、前記マイクロカプセルの平均粒子直径の0.5倍から1.5倍の間の長さであることを特徴とする請求項5又は6に記載の表示装置。
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