JP2010044114A - 電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器 - Google Patents

電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた色表示性を発揮することのできる電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電気機器を提供すること。
【解決手段】電気泳動表示装置1は、それぞれ正に帯電する第1粒子Aおよび第2粒子Bを含んでおり、第1粒子Aは、第2粒子Bより帯電量の絶対値が大きく、かつ、第2粒子Bより比誘電率が高くなっており、透明電極7と対向電極8との間に直流電圧を印加することにより、第1粒子Aと第2粒子Bとの帯電量の絶対値の差を利用して、第1粒子Aを第2粒子Bよりも透明電極7側に位置するように偏在させた第1状態と、透明電極7と対向電極8との間に交番電圧を印加することにより、第1粒子Aと第2粒子Bとの比誘電率の差を利用して、第2粒子Bを第1粒子Aよりも透明電極側に位置するように偏在させた第2状態とを取り得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器に関するものである。
例えば、電子ペーパーの画像表示部を構成するものとして、粒子の電気泳動を利用した電気泳動ディスプレイが知られている(例えば、特許文献1参照)。電気泳動ディスプレイは、優れた可搬性および省電力性を有していて、電子ペーパーの画像表示部として、特に適している。
特許文献1には、電気泳動ディスプレイの画素を構成する電気泳動表示装置が開示されている。この電気泳動表示装置は、セルを備え、このセル内には、透明絶縁性液体と、正に帯電した白色の電気泳動粒子(以下、単に「白色粒子」という)と、負に帯電した黒色の電気泳動粒子(以下、単に「黒色粒子」という)とが封入されている。また、セルの一方の面側には透明電極が設置され、他方の面側には着色板が設置されている。さらに、この着色板上の互いに異なる領域には、それぞれ、第1電極および第2電極が設けられている(特許文献1の図3参照)。
このような電気泳動表示装置は、透明電極と、第1および第2電極との間に電圧を印加したり、第1電極と第2電極との間に電圧を印加したりすることにより、白色粒子と黒色粒子とをそれぞれ透明絶縁性液体中で泳動させ、これにより、白色粒子と黒色粒子とを所望の部位に偏在させることによって、所望の色を表示する。
ここで、特許文献1の電気泳動表示装置では、第1電極と第2電極とに電圧を印加した場合には、例えば、第1電極付近に黒色粒子が偏在し、第2電極付近に白色粒子が偏在する。
このとき、透明電極を介してセル内を視認すると、白色粒子の集合体および黒色粒子の集合体の総面積よりも着色板の面積の方が大きいため、着色板の色が支配的に見えることなる。しかし、透明電極と着色板との間には、白色粒子と黒色粒子とが偏在しているため、白色粒子と黒色粒子とが影響して、着色板の色純度が低下し、着色板本来の色を表示することが困難となる。
特開2005−31345号公報
本発明の目的は、優れた色表示性を発揮することのできる電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の電気泳動表示シートは、互いに色の異なる少なくとも2種の粒子を分散させた液相分散媒が充填された充填部と、
前記充填部の一方側に設けられ、前記充填部内を視認可能な第1電極と、
前記充填部の他方側に設けられた第2電極とを有し、
前記少なくとも2種の粒子は、それぞれ同極に帯電する第1粒子および第2粒子を含んでおり、
前記第1粒子は、前記第2粒子より帯電量の絶対値が大きく、かつ、前記第2粒子より比誘電率が高くなっており、
前記第1電極が、前記第1粒子および第2粒子の極性に対して逆電圧となるように、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加することにより、前記第1粒子および前記第2粒子を、前記第1電極側に偏在させるに際し、
前記第1電極と前記第2電極との間に直流電圧を印加することにより、前記第1粒子と第2粒子との帯電量の絶対値の差を利用して、前記第1粒子を前記第2粒子よりも前記第1電極側に位置する第1状態と、
前記第1電極と前記第2電極との間に交番電圧を印加することにより、前記第1粒子と前記第2粒子との比誘電率の差を利用して、前記第2粒子を前記第1粒子よりも前記第1電極側に位置する第2状態とを取り得ることができ、
前記第1状態または前記第2状態のいずれかの状態を選択することにより、前記第1電極を介して視認される前記充填部内の色を変更させるよう構成されていることを特徴とする。
これにより、優れた色表示性を発揮することのできる電気泳動表示シートを提供することができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記第1粒子の質量をaとし、前記第2粒子の質量をbとしたとき、b/aは0.5〜2.0であることが好ましい。
これにより、第1粒子と第2粒子との質量の違いに起因する、第1粒子と第2粒子との泳動速度の差が極めて小さくなるため、第1粒子と第2粒子との帯電量の絶対値および比誘電率の差を利用した、色の変更を確実に行うことができるようになる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記第1粒子の帯電量の絶対値をcとし、前記第2粒子の帯電量の絶対値をdとしたとき、c/dは2〜20であることが好ましい。
かかる関係を満足することにより、第1粒子と第2粒子との帯電量の絶対値の差を利用して、第1粒子を第2粒子よりも第1電極側に位置する第1状態に、より確実にすることができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記第1粒子の比誘電率をfとし、前記第2粒子の比誘電率をgとしたとき、f/gは5〜100であることが好ましい。
かかる関係を満足することにより、第1粒子と第2粒子との比誘電率の絶対値の差を利用して、第2粒子を第1粒子よりも第1電極側に位置する第2状態に、より確実にすることができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加し、前記第1粒子の移動距離と前記第2粒子の移動距離とが等しくなるまでの時間をtsとしたとき、
前記第1状態とするための前記直流電圧を前記第1電極と前記第2電極との間に印加する通電時間tは、前記時間tsよりも長く設定されることが好ましい。
これにより、第1粒子を第2粒子よりも第1電極側に位置させることができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記時間tsと前記通電時間tとは、1.5ts<t≦10tsなる関係を満足することが好ましい。
通電時間tをかかる範囲内に設定することにより、直流電圧の印加時における、第1粒子の泳動距離が第2粒子の泳動距離よりも確実に大きくなり、その結果、第1粒子が第2粒子に対して第1電極側に確実に位置することとなる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加し、前記第1粒子の移動距離と前記第2粒子の移動距離とが等しくなるまでの時間をtsとしたとき、
前記第2状態とするための前記交番電圧を前記第1電極と前記第2電極との間に印加する通電時間tは、前記時間tsよりも短く設定されることが好ましい。
これにより、第2粒子を第1粒子よりも第1電極側に位置させることができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記時間tsと前記通電時間tとは、0.05ts≦t<0.5tsなる関係を満足することが好ましい。
通電時間tをかかる範囲内に設定することにより、交番電圧の印加時における、第2粒子の泳動距離が第1粒子の泳動距離よりも確実に大きくなり、その結果、第2粒子が第1粒子に対して第1電極側に確実に位置することとなる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加し、前記第1粒子の移動距離と前記第2粒子の移動距離とが等しくなるまでの時間をtsとしたとき、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する通電時間tを、前記時間tsと等しく、またはその近辺に設定することにより、前記第1状態および前記第2状態で視認される前記色の中間色が視認される第3状態を取り得るよう構成されていることが好ましい。
このような第3状態を電気泳動表示シートが取り得るようにすれば、第1状態で視認される色と第2状態で視認される色との中間色を、前記第1電極を介して視認することができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記時間tsと前記通電時間tとは、0.5ts≦t≦1.5tsなる関係を満足することが好ましい。
通電時間tをかかる範囲内に設定することにより、電圧の印加時における、第2粒子の泳動距離と第1粒子の泳動距離との泳動距離がほぼ等しくなり、その結果、第1粒子と第2粒子とを確実に混ざりあった状態とすることができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記液相分散媒は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加した際に、形成される電界の方向に配向する液晶分子を含有することが好ましい。
これにより、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されていないときには、液晶分子により、第1粒子および第2粒子が自重によって沈降するのを防止することができる。さらに、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されているときには、第1粒子および第2粒子を、電界の方向に配向している液晶分子に沿って容易に泳動させることができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記液晶分子は、ポジ型ネマチック液晶分子であることが好ましい。
これにより、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されていないときには、液晶分子により、第1粒子および第2粒子が自重によって沈降するのを防止することができる。さらに、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されているときには、第1粒子および第2粒子を、電界の方向に配向している液晶分子に沿って容易に泳動させることができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記液相分散媒は、カイラル剤を含有することが好ましい。
これにより、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されていないときに、液晶分子がカイラル構造になる。カイラル構造を有する液晶分子は、第1粒子および第2粒子が自重によって沈降するのをより効果的に防止することができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記充填部は、前記第1電極と前記第2電極との間に、前記液相分散媒と接触するように設けられた配向膜を有し、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加していないときに、該配向膜により、前記液晶分子を、前記配向膜の面方向に配向するよう構成されていることが好ましい。
これにより、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されていないときに、液晶分子が、第1電極および第2電極の面方向に配向する。このように電極の面方向に配向した液晶分子は、第1粒子および第2粒子が自重によって沈降するのを効果的に防止することができる。
本発明の電気泳動表示シートでは、前記第1粒子は、無彩色の粒子であり、前記第2粒子は、有彩色の粒子であることが好ましい。
これにより、視認性、特にコントラストが向上する。
本発明の電気泳動表示装置は、本発明の電気泳動表示シートと、
前記充填部の他方の側に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加するためのスイッチング素子を有する基板とを備えることを特徴とする。
これにより、優れた表示特性を発揮することのできる電気泳動表示装置を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた表示特性を発揮することのできる電子機器を提供することができる。
以下、本発明の電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<電気泳動表示装置>
<<第1実施形態>>
まず、本発明の電気泳動表示シートを適用した電気泳動表示装置(本発明の電気泳動表示装置)の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態を示す模式的縦断面図、図2は、電圧を印加する通電時間と電気泳動粒子の泳動速度との関係を示すグラフ、図3および図4は、電気泳動表示装置の駆動波形の一例を示す図、図5〜図12は、それぞれ、電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1、図5〜図12中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す電気泳動表示装置1は、回路基板(バックプレーン)9と、回路基板9の上面に接合された電気泳動表示シート2とで構成されている。以下、各部の構成について順次説明する。
回路基板9は、平板状の基部91と、基部91に設けられた、例えばTFT等のスイッチング素子を含む回路(図示せず)とを有している。
一方、電気泳動表示シート2は、上面に複数の凹部31が規則的に形成された基体3と、基体3の上面に設けられ、凹部31の上部開口を塞ぐように設けられた蓋部4と、4種の粒子A〜Dを含有する液相分散媒5(以下、単に「分散媒5」と言う)とを有している。
基体3と蓋部4とは、液密的に接合されており、この凹部31の内壁と蓋部4とで形成された液密空間(以下、「充填部6」という。)内に分散媒5が充填されている。
また、蓋部4の上面には、各凹部31に対応するように、複数の透明電極(第1電極)7が設けられている。また、基体3の下面には、各凹部31に対応するように、複数の対向電極(第2電極)8が設けられている。すなわち、充填部6の一方の面側に透明電極7が設けられ、他方の面側に対向電極8が設けられている。
本実施形態の電気泳動表示装置1では、各充填部6が、それぞれ1画素を構成しており、複数の画素は、互いに同様の構成である。そのため、以下の説明では、1つの画素(以下「画素P」と言う)について代表に説明する。
基体3は、複数の凹部31を備え、この凹部31内に分散媒5を保持する機能を有している。この基体3は、絶縁性と、分散媒5の不透過性とを有している。
このような基体3の構成材料としては、特に限定されず、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
蓋部4は、基体3に対して液密的に接合されており、分散媒5を凹部31内に封止する機能を有している。
また、蓋部4は、光透過性を示し、充填部6の外部から充填部6内を視認するための視認部としての機能をも有している(以下、蓋部4を「視認部4」と言うこともある。)。なお、蓋部4は、充填部6の外部から充填部6内を視認することができればよく、無色透明のものの他、着色された半透明なものであってもよい。
このような蓋部4は、絶縁性と、分散媒5の不透過性とを有している。
蓋部4の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ナイロン6、ナイロン66のようなポリアミド、スチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられる。
なお、蓋部4の上面と基体3の下面の離間距離、すなわち、透明電極7と対向電極8の離間距離は、特に限定されないが、10〜500μm程度であるのが好ましく、40〜100μm程度であるのがより好ましい。
透明電極(第1電極)7および対向電極(第2電極)8は、これら同士の間に電圧を印加することにより、これらの間に位置する充填部6すなわち分散媒5に電界を発生させるためのものである。
透明電極7は、本実施形態では、電気泳動表示装置1を図1中の上側から見たとき、凹部31の上部開口の全域を覆うように設けられている。このような構成とすれば、後述するように、視認部4の全域を電気泳動粒子で覆うことができるため、色表示特性が向上する。
また、透明電極7は、光透過性を示す。これにより、透明電極7および視認部4を介して、電気泳動表示装置1の外部から充填部6内を視認可能になっている。なお、透明電極7としては、電気泳動表示装置1の外部から充填部6内を視認することができれば、無色透明のものの他、着色された半透明なものであってもよい。
このような透明電極7の構成材料としては、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリピロール、またはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド等のマトリックス樹脂中に、NaCl、LiClO、KCl、LiBr、LiNO、LiSCN等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープした錫酸化物(FTO)、錫酸化物(SnO)、インジウム酸化物(IO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
対向電極8は、本実施形態では、凹部31の底面311の全域にわたるように設けられている。
この対向電極8は、回路基板9上に形成された前記回路に電気的に接続されている。そして、電気泳動表示装置1は、当該回路に含まれるTFT(スイッチング素子)により、対向電極8への電圧印加のON/OFFを制御するよう構成されている。
電気泳動表示装置1は、図示しない電圧印加手段により、透明電極7、対向電極8に対して、それぞれ独立して電圧を印加し得るよう構成されている。また、電気泳動表示装置1は、前記電圧印加手段により、各電極(透明電極7および対向電極8)に印加する電圧の強さを適宜変更することもできる。
このような対向電極8は、導電性を有する材料で構成されていればよく、不透明であってもよく、透明であってもよい。
対向電極8を、透明性を有するものとする場合、対向電極8の構成材料としては、前述した透明電極7の構成材料と同様の材料を用いることができる。
なお、対向電極8は、本実施形態のように、凹部31の底面311の全域にわたるように設けられる場合の他、例えば、底面311の中央部にのみ設けられていてもよいし、底面311の中央部を除くようにして設けられていてもよい。
分散媒5は、分散媒中に4種の粒子A〜Dを分散させたものであり、充填部6に充填される。
この粒子A〜Dを分散させる分散媒は、粒子A〜Dを透明電極7側から視認し得るように、光透過性を有しており、好ましくは無色透明のものが用いられる。また、透明電極7と対向電極8との間に電圧を印加した際に、これら同士間の間で短絡するのを防止することを目的に、比較的高い絶縁性を有するものが好適に用いられる。
このような分散媒としては、例えば、各種水(蒸留水、純水、イオン交換水等)、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、シクロへキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピラジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、流動パラフィン等の鉱物油類、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸等の植物油類、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系液体またはその他の各種油類等が挙げられ、またはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
また、分散媒5中には、必要に応じて、例えば、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
なお、分散媒中への4種の粒子A〜Dの分散は、例えば、ペイントシェーカー法、ボールミル法、メディアミル法、超音波分散法、攪拌分散法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
このような分散媒中には、互いに色の異なる4種の粒子A〜Dがそれぞれ分散している。
4種の粒子A〜Dは、それぞれ、正または負に帯電した第1粒子A、第1粒子Aの極性と同極に帯電した第2粒子B、第1粒子Aの極性と反対の極に帯電した第3粒子Cおよび第4粒子Dであり、第1粒子Aと第2粒子Bとが同極に帯電しており、本実施形態では、第1粒子Aおよび第2粒子Bがそれぞれ正に帯電し、第3粒子Cおよび第4粒子Dが負に帯電している。なお、以下では、4種の粒子A〜Dを合わせて、単に「電気泳動粒子」と言うこともある。
上記のとおり、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、それぞれ、正電荷を有する粒子である。このため、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、それぞれ、透明電極7と対向電極8とのうち、負電圧が印加されている方の電極に吸着するように、その電極に向かって分散媒5中を泳動する。
本実施形態では、これら2つの粒子のうち、第1粒子Aは、第2粒子Bより正の帯電量の絶対値が大きく、かつ、第2粒子Bより比誘電率が高い。本発明では、このような第1粒子Aと第2粒子Bとの正の帯電量の絶対値の差に起因する挙動の違いを利用して、後述する黒色表示状態(第1状態)を取り得るとともに、第1粒子Aと第2粒子Bとの比誘電率の差に起因する挙動の違いを利用して、後述するイエロー表示状態(第2状態)を取り得るようになっている。
一方、第3粒子Cおよび第4粒子Dは、それぞれ、負電荷を有する粒子である。このため、第3粒子Cおよび第4粒子Dは、それぞれ、透明電極7と対向電極8とのうち、正電圧が印加されている方の電極に吸着するように、その電極に向かって分散媒5中を泳動する。
本実施形態では、これら2つの粒子のうち、第3粒子Cは、第4粒子Dより負の帯電量の絶対値が大きく、かつ、第4粒子Dより比誘電率が高い。本発明では、このような第3粒子Cと第4粒子Dとの負の帯電量の絶対値の差に起因する挙動の違いを利用して、後述する白色表示状態(第3状態)を取り得るとともに、第3粒子Cと第4粒子Dとの比誘電率の差に起因する挙動の違いを利用して、後述するシアン表示状態(第4状態)を取り得るようになっている。
以下、透明電極7が粒子A、Bの極性に対して逆電圧となるように、透明電極7と対向電極8との間に電圧を印加したとき、すなわち、透明電極7が負電圧、対向電極8が正電圧になるように電極7、8間に電圧を印加したときの各粒子A〜Dの挙動について、図2を参照しながら説明する。
なお、この場合、第1粒子Aおよび第2粒子Bと、第3粒子Cおよび第4粒子Dとは、それぞれ、透明電極7および対向電極8間に正負逆の電圧を印加した際に同様の挙動を示すため、以下では第1粒子Aおよび第2粒子Bの挙動について代表して説明し、第3粒子Cおよび第4粒子Dの挙動についてはその説明を省略する。また、図2において、横軸は、透明電極7に負電圧、対向電極8に正電圧を印加する通電時間t、縦軸は各粒子A、Bの泳動速度vをそれぞれ示す。
ここで、透明電極7に負、対向電極8に正の電圧を印加すると、これら電極7、8間に形成された電場によって、分散媒5中の第1粒子Aおよび第2粒子Bに、それぞれ分極が生じ、その電荷の分布が変化する。このとき、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、それぞれ、正に帯電しているので、透明電極7に吸着するように、透明電極7に向かって泳動し始める。
そして、第1粒子Aおよび第2粒子Bの泳動速度vが、通電時間tを長くするにしたがって上昇し、ある一定時間(通電時間ta)印加した際に、最高速度に到達する。
これら第1粒子Aおよび第2粒子Bの最高速度は、第1粒子Aおよび第2粒子Bの帯電量の絶対値の大きさと相関関係を示すことが知られており、通電時間taにおいて、第1粒子Aの最高速度μは、第2粒子Bの最高速度μよりも大きくなる。
また、上述のように第1粒子Aおよび第2粒子Bの泳動速度vは、通電時間tを長くするにしたがって上昇するが、第1粒子Aおよび第2粒子Bの初期速度は、比誘電率の高さと逆の相関関数を示す。
すなわち、一般に、比誘電率が高い誘電体(強誘電体)では、電場変動に対して追従性の低い配向分極によって分極が生じるため、電場が印加された後、分極するまでに時間がかかる。これに対して、比誘電率の低い誘電体では、電場変動に対して比較的追従性のよい電子分極やイオン分極によって分極が生じるため、電場が印加された後、瞬時に分極する。そのため、第1粒子Aの初期速度は、第2粒子Bの初期速度よりも小さくなる。
以上のように、第1粒子Aおよび第2粒子Bでは、初期速度は第2粒子Bの方が大きく、最高速度は第1粒子Aの方が大きくなる(図2参照)。そのため、第1粒子Aおよび第2粒子Bの泳動速度vがともに等しくなるtbと、第1粒子Aおよび第2粒子Bの泳動距離がともに等しくなるtsとが存在することとなる。
したがって、通電時間tをtbより短くすると泳動速度は比誘電率に依存しており、通電時間tをtbより長くすると、泳動速度は帯電量の絶対値に依存しているということができる。また、通電時間tをtsより短くすると泳動距離は比誘電率に依存しており、通電時間tをtsより長くすると、泳動距離は帯電量の絶対値に依存しているということができる。
本発明では、このような第1粒子Aと第2粒子Bにおける帯電量の絶対値および比誘電率の差に起因する挙動の違いを利用して、黒色表示状態(第1状態)およびイエロー表示状態(第2状態)等とし得るようになっている。
さらに、第3粒子Cと第4粒子Dにおける帯電量の絶対値および比誘電率の差に起因する挙動の違いを利用して、白色表示状態(第3状態)およびシアン表示状態(第4状態)等とし得るようになっている。
ところで、上記のような各種粒子A〜Dの帯電量の絶対値および比誘電率の差を用いた各色の表示は、各粒子A〜Dの泳動速度に影響をおよぼす、帯電量および比誘電率以外の他のパラメータがほぼ等しくなっているときに、より精度が向上するため、各種粒子A〜Dとしては、これら以外の他のパラメータがほぼ等しくなっているものが好適に用いられる。
帯電量および比誘電率以外の他のパラメータとしては、例えば、粒子A〜Dの比重(質量)、粒径、形状および分散性・凝集性等が挙げられ、例えば、第1粒子Aの質量をaとし、第2粒子Bの質量をbとした場合、b/aは、0.5〜2.0程度であるのが好ましく、0.8〜1.5程度であるのがより好ましい。これにより、第1粒子Aと第2粒子Bとの質量の違いに起因する、第1粒子Aと第2粒子Bとの泳動速度の差が極めて小さくなるため、第1粒子Aと第2粒子Bとの帯電量の絶対値および比誘電率の差を利用した、黒色およびイエローの表示(変更)を確実に行うことができるようになる。
なお、これら各種粒子A〜Dの帯電量の絶対値および比誘電率の差を用いた、各種色の表示状態については、後に詳述する。
以上のような帯電する極性、帯電量の絶対値および比誘電率がそれぞれ異なっている第1粒子A、第2粒子B、第3粒子Cおよび第4粒子Dは、電気泳動表示装置1を透明電極7側から視認した時、各種色を表示し得るように、互いに色が異なっている。
具体的には、第1粒子A、第2粒子B、第3粒子C、第4粒子Dの色としては、それぞれ、特に限定されず、白色、黒色またはこれらの中間色(灰色)等の無彩色や、レッド、ブルー、グリーン、イエロー、シアン、マゼンダ等の有彩色のうちから、任意の4色が選択される。
さらに、上述したような、粒子の種類(第1粒子A、第2粒子B、第3粒子C、第4粒子D)と、各種粒子の色(白色、黒色、レッド、ブルー、グリーン、イエロー、シアン、マゼンダ等)との組み合わせは、任意の組み合わせが考えられるが、第1粒子Aおよび第3粒子Cが無彩色であり、第2粒子Bおよび第4粒子Dが有彩色であるのが好ましい。これにより、各色を表示させる際の視認性、特にコントラストが向上する。
このような組み合わせとしては、例えば、第1粒子Aが黒色の粒子、第2粒子Bがイエローの粒子、第3粒子Cが白色の粒子、第4粒子Dがシアンの粒子の組み合わせや、第1粒子Aが白色の粒子、第2粒子Bがイエローの粒子、第3粒子Cが黒色の粒子、第4粒子Dがシアンの粒子の組み合わせ等が挙げられる。なお、後に詳述する、各種粒子A〜Dの帯電量の絶対値および比誘電率の差を用いた各種色の表示状態の説明では、第1粒子Aが黒色の粒子、第2粒子Bがイエローの粒子、第3粒子Cが白色の粒子、第4粒子Dがシアンの粒子の組み合わせになっているものとする。
電気泳動粒子(第1粒子A、第2粒子B、第3粒子C、第4粒子D)は、それぞれ、前述したような、帯電する極性、帯電量の絶対値および比誘電率の関係、ならびに、色の関係を満足するように、その種類が選択され、顔料粒子、樹脂粒子、セラミックス粒子、金属粒子、金属酸化物粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、正または負の帯電の選択、その帯電量の制御および比誘電率の制御、さらには、その色の選択を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン、三酸化アンチモン、硫化亜鉛、亜鉛華等の白色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー等の黄色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、スチレンとアクリロニトリルを共重合したAS樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、樹脂材料にアルミナ処理、ジルコニア処理およびシリカ処理等を施したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
ここで、無機系の酸化物材料は、一般的に、有機系の材料(顔料)に対して、比誘電率が高いことから、各種粒子の構成材料の組み合わせを適宜選択することにより、比誘電率を制御し得る。
また、このような電気泳動粒子の分散媒5中での分散性の制御、正または負の帯電の選択、その帯電量の制御および比誘電率の制御をすることを目的に、各粒子A〜Dの表面に、高分子を物理的に吸着させたり、化学的に結合させたりすることができる。これらの中でも、電気泳動粒子の表面からの離脱着の問題から、前記高分子が化学的に結合しているものが特に好ましい。
この場合、前記高分子の結合数は、1つの帯電粒子において、300〜2500(個/μm)程度であるのが好ましく、500〜1600(個/μm)程度であるのがより好ましい。高分子の結合数を前記範囲内とすることにより、電気泳動粒子の分散媒5中での分散性の制御、正または負の帯電の選択、その帯電量の制御および比誘電率の制御を容易に行うことができる。
具体的には、電気泳動粒子(第1粒子A、第2粒子B、第3粒子C、第4粒子D)の分散媒5中での分散性を向上させる場合には、例えば、電気泳動粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル鎖、長鎖エチレンオキシド鎖、長鎖フッ化アルキル鎖、長鎖ジメチルシリコーン鎖等とを有する高分子を電気泳動粒子に導入する方法が挙げられる。なお、このような高分子において、電気泳動粒子と反応性を有する基としては、例えば、エポキシ基、チオエポキシ基、アルコキシシラン基、シラノール基、アルキルアミド基、アジリジン基、オキサゾン基、およびイソシアネート基等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を選択して用いることができる。
また、電気泳動粒子(第1粒子A、第2粒子B、第3粒子C、第4粒子D)の帯電量を制御する場合には、例えば、電気泳動粒子の表面に、シランカップリング処理によって重合基または重合開始基を導入し、この導入した基に、グラフト重合、共重合、ブロック重合、リビング重合等を用いて、側鎖に帯電量を制御し得る帯電量制御基を備える高分子を反応させる方法が挙げられる。なお、帯電量制御基としては、例えば、アンモニウムイオン部位、カルボニル基、スルフォン基、リン酸基等が挙げられる。
さらに、電気泳動粒子(第1粒子A、第2粒子B、第3粒子C、第4粒子D)の比誘電率を制御する場合には、例えば、電気泳動粒子の表面に、シランカップリング処理によって重合基または重合開始基を導入し、この導入した基に、グラフト重合、共重合、ブロック重合、リビング重合等を用いて、側鎖に比誘電率を制御し得る比誘電率制御基を備える高分子を反応させる方法が挙げられる。なお、比誘電率制御基としては、例えば、シアノ基やフッ素基等を有する比較的比誘電率の高い官能基等が挙げられる。
以上のようにして、分散媒5中での分散性の制御、正または負の帯電の選択、その帯電量の制御および比誘電率の制御が行われた電気泳動粒子は、例えば、第1粒子Aの帯電量と第2粒子Bの帯電量との関係や、第1粒子Aの比誘電率と第2粒子Bの比誘電率との関係が、以下のような関係を満足しているのが好ましい。
すなわち、第1粒子Aの帯電量の絶対値をcとし、第2粒子Bの帯電量の絶対値をdとしたとき、c/dは2〜20程度であるのが好ましく、5〜10程度であるのがより好ましい。かかる関係を満足することにより、第1粒子Aと第2粒子Bとの帯電量の絶対値の差を利用して、より確実に黒色表示状態とすることができる。
また、第1粒子Aの比誘電率をfとし、第2粒子Bの比誘電率をgとしたとき、f/gは5〜100程度であるのが好ましく、20〜50程度であるのがより好ましい。かかる関係を満足することにより、第1粒子Aと第2粒子Bとの比誘電率の絶対値の差を利用して、より確実にイエロー表示状態とすることができる。
また、電気泳動粒子の平均粒径は、特に限定されないが、0.1〜10μm程度であるのが好ましく、0.1〜7.5μm程度であるのがより好ましい。電気泳動粒子の平均粒径が小さ過ぎると、主に可視光域において十分な隠蔽率を得ることができず、その結果、電気泳動表示装置1の表示コントラストが低下するおそれがあり、一方、電気泳動粒子の平均粒径が大き過ぎると、その種類等によっては、分散媒5中において沈降し易くなり、電気泳動表示装置1の表示品質が劣化すること等の問題が生じるおそれがある。
次に、上述したような構成となっている電気泳動表示装置1の作動、すなわち、電気泳動表示装置1による各色の表示を、図1〜図12に基づいて説明する。
なお、図1、図5〜図12は、説明の便宜上模式的に図示したもので、各粒子A〜Dの数、大きさ等は実際とは大きく異なるものであることは言うまでもない。また、図6および図10は、電圧の印加を停止した各時点での各粒子A、Bの停止位置を同一の図中に示したものである。
また、以下では、透明電極7側から視認したときの充填部6内の色を「表示色」と言う。さらに、本実施形態では、第1粒子Aを黒色(無彩色)の粒子、第2粒子Bをイエロー(有彩色)の粒子、第3粒子Cを白色(無彩色)の粒子、第4粒子Dをシアン(有彩色)の粒子とし、黒色表示、イエロー表示、白色表示、シアン表示、黒色とイエローの中間色表示、および、白色とシアンの中間色表示について順次説明する。
<1>黒色表示
まず、黒色表示状態(第1状態)について説明する。
ここで、より確実に黒色表示状態とするには、まず、第1リフレッシュ状態(白色表示状態)とした後に、黒色表示状態とするが、第1リフレッシュ状態は、例えば、次のようにすることにより取り得る。
まず、例えば、図4(a)に示すような、透明電極7が正、対向電極8が負に帯電するように直流電圧をこれら電極7、8間に印加する。これにより、図8に示すように、透明電極7側では、透明電極7側から順に、多数の第3粒子Cが集合することで形成された第3粒子層と、多数の第4粒子Dが集合することで形成された第4粒子層とが積層したような状態となる。一方、対向電極8側では、対向電極8側から順に、多数の第1粒子Aが集合することで形成された第1粒子層と、多数の第2粒子Bが集合することで形成された第2粒子層とが積層したような状態となる。
この状態では、視認部4が第3粒子Cで覆われている、すなわち第3粒子Cが第4粒子Dよりも視認部4側に位置するため、表示色として白色が視認される。
この状態は、後述する白色表示状態(第3状態)と同様であり、この状態に至る過程については、後に詳述する。
なお、この黒色表示状態の説明、および、後述するイエロー表示状態および黒とイエローの中間色表示状態の説明において、第1リフレッシュ状態とは、前記のような状態となることにより表示色として白色が視認される状態のことを言う。
さらに、本明細書中において、「直流電圧を印加する」とは、図2に示した通電時間をtsより長くする場合のことを言い、後述する「交番(交流)電圧を印加する」とは、図2に示した通電時間をtsより短くする場合のことを言う。
次に、この第1レフレッシュ状態で、例えば、図3(a)に示すような、透明電極7が負、対向電極8が正に帯電するように直流電圧をこれら電極7、8間に印加する。これにより、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、それぞれ、負に帯電した透明電極7に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を透明電極7へ向かって泳動することとなる。
この時、第2粒子Bは、第1粒子Aよりも比誘電率が低く、電場の印加に対する分極の応答性が高いため、その泳動速度が瞬時に上昇する。これに対して、第1粒子Aの泳動速度は、通電時間tに依存してスロープ状に上昇する。
このため、前述したように、時間tbまでは、第2粒子Bの方が、第1粒子Aより泳動速度が速く、さらに移動距離も大きい。しかしながら、時間tbを過ぎると、今度は、第1粒子Aの方が、第2粒子Bよりも帯電量の絶対値が大きいため、第1粒子Aの泳動速度が急峻なカーブで上昇し、第1粒子Aの方が、第2粒子Bより泳動速度が速くなる。
そして、時間tsの時点で、第1粒子Aと第2粒子Bとで泳動距離が同じになり、さらに続けて時間tsより長く電圧が印加されると、すなわち電極7、8間に直流電圧が印加されると、第1粒子Aの方が、第2粒子Bより移動距離が大きくなり、その結果、第1粒子Aが、第2粒子B同士の間を通り抜けることとなる。そのため、電極7、8間に直流電圧を印加することにより、第2粒子Bに先行して第1粒子Aを、透明電極7(すなわち、視認部4)付近に到達させることができる。
以上のような第1粒子Aと第2粒子Bとの帯電量の絶対値の差を利用した過程を経て、図5に示すように、第1粒子Aが第2粒子Bよりも透明電極7側に位置するように、第1粒子Aと第2粒子Bとがそれぞれ、透明電極7(すなわち、視認部4)側に偏在する。換言すれば、透明電極7側から順に、多数の第1粒子Aが集合することで形成された第1粒子層と、多数の第2粒子Bが集合することで形成された第2粒子層とが積層したような状態(第1状態)となる。その結果、視認部4が第1粒子Aで覆われているため、表示色として黒色が視認される。
また、直流電圧を印加する通電時間tは、時間tsより長く設定されるが、上記のように、第1粒子Aを第2粒子Bに対して透明電極7側により確実に位置させるには、1.5ts<t≦10tsなる関係を満足するのが好ましく、2.0ts≦t<7.0なる関係を満足するのがより好ましい。通電時間tをかかる範囲内に設定することにより、直流電圧の印加時における、第1粒子Aの泳動距離が第2粒子Bの泳動距離よりも確実に大きくなり、その結果、第1粒子Aが第2粒子Bに対して透明電極7側に確実に位置することとなる。
なお、第3粒子Cおよび第4粒子Dは、第1粒子Aおよび第2粒子Bが泳動するのと同様に、正に帯電した対向電極8に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を対向電極8へ向かって泳動する。このとき、負の帯電量の絶対値が第3粒子Cの方が第4粒子Dよりも大きいため、図5に示すように、第3粒子Cが第4粒子Dに対して対向電極8側に位置するように、第3粒子Cおよび第4粒子Dがそれぞれ、対向電極8に対応する部位(すなわち、底面311)に偏在する。なお、第3粒子Cおよび第4粒子Dが対向電極8へ向かって泳動するに際し、その泳動速度および泳動距離の経時変化は、それぞれ、この場合の第1粒子Aおよび第2粒子Bのそれと同様である。
また、このような電気泳動表示装置1では、透明電極7および対向電極8への電圧印加を停止しても、第1粒子A、第2粒子Bおよび第3粒子C、第4粒子Dは、それぞれ、電圧印加が停止される直前の状態を維持する特性を有している。つまり、黒色表示状態となった後、電圧印加を停止しても黒色表示状態を維持することができる。このことは、後に述べるイエロー表示状態、黒色とイエローの中間色表示状態、白色表示状態、シアン表示状態、白色とシアンの中間色表示状態についても同様である。
なお、上記のような過程を経て、黒色表示状態とした後に、後述するシアン表示<4>における、交番電圧Sを電極7、8間に印加するようにしてもよい。これにより、第2粒子Bが優先的に対向電極8側に泳動して、透明電極7付近に第1粒子Aをより確実に偏在させることができるため、視認部4(透明電極7)から視認される黒色表示は、第2粒子Bすなわちイエローが混在しないものとなる。
<2>イエロー表示
次に、イエロー表示状態(第2状態)について説明する。
まず、前記黒色表示<1>で説明した第1リフレッシュ状態とする。
次いで、この第1リフレッシュ状態で、図3(b)に示すように、透明電極7が負、対向電極8が正に帯電するように、これら電極7、8間に交番(交流)電圧を印加する。
なお、以下の説明では、電極7、8間に印加する交番電圧を、図3(b)に示すように、通電時間が早い側から順に交番電圧S、交番電圧S、交番電圧S、交番電圧Sと表す。また、交番電圧S〜Sを印加する際の通電時間tは、時間tsよりも短く設定される。これにより、後述するように、第2粒子Bが第1粒子Aよりも透明電極7側に位置するように透明電極7付近に偏在した状態とすることができる。
ここで、交番電圧Sが電極7、8間に印加されると、第2粒子Bは、第1粒子Aよりも比誘電率が低く、電場の印加に対する分極の応答性が高いため、瞬時に泳動速度が上昇する。このため、図6に示すように、第2粒子Bは、交番電圧Sが印加されている間、負に帯電した透明電極7に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を透明電極7(視認部4)へ向かって泳動し、位置P1Bにまで到達する。そして、交番電圧Sの印加が停止されると、第2粒子Bは、泳動を停止し、位置P1Bに留まる。
これに対して、第1粒子Aは、第2粒子Bと比較して比誘電率が高く、電場の印加に対する分極の応答性が低いため、交番電圧Sが電極7、8間に印加されても、泳動速度がほとんど上がらない。このため、交番電圧S印加の間に泳動する第1粒子Aの泳動距離は、第2粒子Bの泳動距離よりも小さく、位置P1Bより対向電極8側(底面311側)の位置P1にまでしか到達しない。そして、電圧印加が停止されると、第1粒子Aは、泳動を停止し位置P1に留まる。
次いで、交番電圧Sが電極7、8間に印加されると、第2粒子Bは、交番電圧Sの印加時と同様に、その泳動速度が瞬時に上昇し、交番電圧Sが印加されている間、分散媒5中を透明電極7へ向かって泳動し、位置P2Bに到達する。そして、交番電圧Sの電圧印加が停止されると、第2粒子Bは、泳動を停止し、位置P2Bに留まる。
これに対して、第1粒子Aは、交番電圧Sの印加時と同様に、交番電圧Sが印加されても、泳動速度がほとんど上がらない。このため、交番電圧S印加の間に泳動する第1粒子Aの距離は、第2粒子Bの泳動距離よりも小さく、位置P2Bより対向電極8側の位置P2Aにまでしか到達しない。そして、電圧印加が停止されると、第1粒子Aは、泳動を停止し位置P2Aに留まる。
さらに、交番電圧S、交番電圧Sが電極7、8間に順次印加されると、第2粒子Bは、交番電圧Sの印加時と同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P3B、位置P4B(視認部4付近)に順次移動し、交番電圧S印加の後、位置P4Bに留まる。
これに対して、第1粒子Aは、交番電圧S、交番電圧Sが電極7,8間に順次印加されると、交番電圧Sの印加時と同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P3A、位置P4Aに順次移動する。そして、交番電圧S印加の後、位置P4Bより対向電極8側の位置P4Aに留まる。
以上のような第1粒子Aと第2粒子Bとの比誘電率の差を利用した過程を経ることにより、図7に示すように、第2粒子Bが第1粒子Aよりも透明電極7側に位置するように、第1粒子Aおよび第2粒子Bがそれぞれ、透明電極7側(すなわち、視認部4)に偏在する。換言すれば、透明電極7側から順に、多数の第2粒子Bが集合することで形成された第2粒子層と、多数の第1粒子Aが集合することで形成された第1粒子層とが積層したような状態(第2状態)となる。その結果、視認部4が第2粒子Bで覆われているため、表示色としてイエローが視認される。
また、交番電圧S〜Sを印加する際の通電時間tは、時間tsより短く設定されるが、上記のように、第2粒子Bを第1粒子Aに対して透明電極7側により確実に位置させるには、0.05ts≦t<0.5tsなる関係を満足するのが好ましく、0.2ts≦t<0.4なる関係を満足するのがより好ましい。通電時間tをかかる範囲内に設定することにより、交番電圧S〜Sの印加時における、第2粒子Bの泳動距離が第1粒子Aの泳動距離よりも確実に大きくなり、その結果、第2粒子Bが第1粒子Aに対して透明電極7側に確実に位置することとなる。
なお、第3粒子Cおよび第4粒子Dは、第1粒子Aおよび第2粒子Bが前述のように泳動および停止するのと並行して、電極7、8に対して電圧が印加されているときには、正に帯電した対向電極8に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を対向電極8へ向かって泳動する。そして、電極7、8に対して電圧が印加されていないときには、電圧印加が停止される直前の位置に留まる。これにより、図7に示すように、第4粒子が第3粒子に対して対向電極8側に位置するように、第3粒子Cおよび第4粒子Dがそれぞれ、対向電極8に対応する部位(すなわち、底面311)に偏在する。
ここで、第3粒子Cおよび第4粒子Dが対向電極8へ向かって泳動するに際し、その泳動速度および泳動距離の経時変化は、それぞれ、この場合の第1粒子Aおよび第2粒子Bのそれと同様である。
<3>白色表示
次に、白色表示状態(第3状態)について説明する。
まず、前述した黒色表示状態とする。なお、この白色表示状態の説明、および、後述するシアン表示状態および白色とシアンの中間色表示状態では、この黒色表示状態を第2リフレッシュ状態と言う。
次に、この第2リフレッシュ状態で、例えば、図4(a)に示すような、透明電極7が正、対向電極8が負に帯電するように直流電圧をこれら電極7、8間に印加する。これにより、第3粒子Cおよび第4粒子Dは、それぞれ、第1粒子Aおよび第2粒子Bと帯電量の絶対値および比誘電率の大小関係が同じであるため、前述の黒色表示状態における第1粒子Aおよび第2粒子Bと同様に、泳動速度が経時的に変化しつつ、正に帯電した透明電極7に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を透明電極7へ向かって泳動する。そして、透明電極7付近に到達する際には、第3粒子Cの移動距離が第4粒子の移動距離よりも大きくなっているので、第3粒子Cが、第4粒子Dに先行して、透明電極7(すなわち、視認部4)付近に到達する。
以上のような過程を経て、図8に示すように、第3粒子Cが第4粒子Dに対して透明電極7側に位置するように、第3粒子Cと第4粒子Dとがそれぞれ、透明電極7(すなわち、視認部4)付近に偏在する。換言すれば、透明電極7側から順に、多数の第3粒子Cが集合することで形成された第3粒子層と、多数の第4粒子Dが集合することで形成された第4粒子層とが積層したような状態となる。その結果、視認部4が第3粒子Cで覆われているため、表示色として白色が視認される。
なお、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、第3粒子Cおよび第4粒子Dが泳動するのと同様に、負に帯電した対向電極8に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を対向電極8へ向かって泳動する。このとき、正の帯電量の絶対値が第1粒子Aの方が第2粒子Bよりも大きいため、図8に示すように、第1粒子Aが第2粒子Bに対して対向電極8側に位置するように、第1粒子Aおよび第2粒子Bがそれぞれ、対向電極8に対応する部位(すなわち、底面311)に偏在する。なお、第1粒子Aおよび第2粒子Bが対向電極8へ向かって泳動するに際し、その泳動速度および泳動距離の経時変化は、それぞれ、黒色表示状態におけるそれと同様である。
<4>シアン表示
次に、シアン表示状態(第4状態)について説明する。
まず、前記白色表示<3>で説明した第2リフレッシュ状態とする。
次に、この第2リフレッシュ状態で、図4(b)に示すように、透明電極7が正、対向電極8が負に帯電するように、これら電極7、8間に交番(交流)電圧を印加する。
なお、以下の説明では、電極7、8間に印加する交番電圧を、図4(b)に示すように、通電時間が早い側から順に交番電圧S、交番電圧S、交番電圧S、交番電圧Sと表す。また、交番電圧S〜Sを印加する際の通電時間tは、時間tsより短く設定され、その好ましい範囲は、前記イエロー表示<2>の場合と同様である。
ここで、交番電圧S〜交番電圧Sが順次印加されると、第3粒子Cおよび第4粒子Dは、それぞれ、第1粒子Aおよび第2粒子Bと帯電量の絶対値および比誘電率の関係が同じであるため、前記イエロー表示<2>における第1粒子Aおよび第2粒子Bと同様に、泳動速度を経時的に変化させつつ、正に帯電した透明電極7に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を透明電極7へ向かって泳動する。
すなわち、交番電圧S〜交番電圧Sが電極7、8間に順次印加されると、第4粒子Dは、交番電圧Sの印加時における第2粒子Bと同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P1B〜位置P4B(視認部4付近)に順次移動し、交番電圧S印加の後、位置P4Bに留まる(図6参照)。
これに対して、第3粒子Cは、交番電圧S〜交番電圧Sが電極7、8間に順次印加されると、交番電圧Sの印加時における第1粒子Aと同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P1A〜位置P4Aに順次移動し、交番電圧S印加の後、位置P4Bより対向電極8側の位置P4Aに留まる(図6参照)。
そのため、図9に示すように、第4粒子Dが第3粒子Cに対して透明電極7側に位置するように、第3粒子Cおよび第4粒子Dがそれぞれ、透明電極7側(すなわち、視認部4)に偏在する。換言すれば、透明電極7側から順に、多数の第4粒子Dが集合することで形成された第4粒子層と、多数の第3粒子Cが集合することで形成された第3粒子層とが積層したような状態となる。その結果、視認部4が第4粒子Dで覆われているため、表示色としてシアンが視認される。
なお、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、第3粒子Cおよび第4粒子Dが前述のように泳動および停止するのと並行して、電極7、8に対して電圧が印加されているときには、負に帯電した対向電極8に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を対向電極8へ向かって泳動する。そして、電極7、8に対して電圧が印加されていないときには、電圧印加が停止される直前の位置に留まる。これにより、図9に示すように、第2粒子Bが第1粒子Aに対して対向電極8側に位置するように、第1粒子Aおよび第2粒子Bがそれぞれ、対向電極8に対応する部位(すなわち、底面311)に偏在する。ここで、第1粒子Aおよび第2粒子Bが対向電極へ向かって泳動するに際し、その泳動速度および泳動距離の経時変化は、前記イエロー表示<2>におけるそれと同様である。
以上、黒色表示状態、イエロー表示状態、白色表示状態およびシアン表示状態について、それぞれ詳細に説明したが、電気泳動表示装置1では、電極7、8間に電圧を印加する通電時間が時間tsである場合には、第1粒子Aと第2粒子Bとの移動距離および第3粒子Cと第4粒子Dとの移動距離がそれぞれ等しくなる。そのため、通電時間を時間tsと等しく、またはその近辺に設定した場合には、黒色とイエローとの中間色、および、白色とシアンとの中間色が表示されていると捉えることができる。すなわち、電気泳動表示装置1では、イエローおよびシアンの階調表現が可能である。
以下、黒色とイエローの中間色および白色とシアンの中間色が表示される場合について説明する。
<5>黒色とイエローの中間色表示
次に、黒色とイエローの中間色表示状態について説明する。
まず、前記黒色表示<1>で説明した第1リフレッシュ状態とする。
次いで、この第1リフレッシュ状態で、図3(c)に示すように、透明電極7が負、対向電極8が正に帯電するように、交番電圧または直流電圧を印加する。
なお、以下の中間色表示の説明では、説明の便宜上、時間tsの長さに応じて定義した「交番電圧」および「直流電圧」を一括して「交番電圧」と言うこととする。また、電極7、8間に印加する際の通電時間tは、図3(c)に示すように、通電時間が早い側から順に交番電圧S’、交番電圧S’、交番電圧S’と表す。さらに、交番電圧S’〜S’を印加する際の通電時間tは、時間tsと等しいか、またはその近辺の時間に設定される。すなわち、中間色表示の通電時間tは、イエロー表示状態における通電時間tよりも長い値に設定される。これにより、後述するように、第1粒子Aと第2粒子Bとを透明電極7側のほぼ同等の位置で、透明電極7付近に偏在させることができる。
ここで、交番電圧S’が電極7,8間に印加されると、第2粒子Bは、第1粒子Aよりも比誘電率が低く、電場に対する分極の応答性が高いため、瞬時に泳動速度が上昇する。このため、図10に示すように、第2粒子Bは、交番電圧S’が印加されている間、負に帯電した透明電極7に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を透明電極7(視認部4)へ向かって泳動し、位置P1B’にまで到達する。そして、交番電圧S’の印加が停止されると、第2粒子Bは、泳動を停止し、位置P1B’に留まる。
これに対して、第1粒子Aは、第2粒子Bと比較して比誘電率が高く、電場の印加に対する分極の応答性が低いため、交番電圧S’が電極7、8間に印加されても、電圧印加直後には泳動速度が上がらない。しかしながら、第1粒子Aは、第2粒子Bよりも帯電量の絶対値が大きいため、図2に示すように、時間tb付近で、第1粒子Aの泳動速度が急峻なカーブで上昇し、時間tbを超えると、第1粒子Aの方が、第2粒子Bより泳動速度が速くなる。そして、電圧印加が停止されると、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、それぞれ、泳動を停止し、混じり合った状態で、透明電極8からの距離がほぼ等しい位置P1A’および位置P1B’に留まる。
換言すれば、第1粒子Aは、交番電圧S’の途中(時間tbを超えた時)から、分散媒5中を透明電極7へ向かって、第2粒子Bよりも速い速度で泳動する。そして、時間tm付近で、第1粒子Aと第2粒子Bとで移動距離が同じになり、第2粒子B同士の間に第1粒子Aが入り込んだ状態、すなわち、第1粒子Aと第2粒子Bとが混じり合った状態になっていると捉えることができる。
さらに、交番電圧S’、交番電圧S’が電極7、8間に順次印加されると、第2粒子Bは、交番電圧S’の印加時と同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P2B’、位置P3B’(視認部4付近)に順次移動する。
これに対して、第1粒子Aは、交番電圧S’、交番電圧S’が電極7、8間に順次印加されると、交番電圧S’の印加時と同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P2A’、位置P3A’(視認部4付近)に順次移動する。
このとき、位置P1A’〜位置P3A’と位置P1B’〜位置P3B’とは、それぞれ、対向電極8からの距離がほぼ等しいため、各位置において、第1粒子Aと第2粒子Bとは混じり合って存在している。したがって、交番電圧S’印加の後、第1粒子Aと第2粒子Bとは、混じり合った状態で、対向電極8からの距離がほぼ等しい位置P3A’および位置P3B’(視認部4付近)に留まるため、図11に示すように、多数の第1粒子Aと多数の第2粒子Bとが、混じり合った状態で、透明電極7(すなわち、視認部4)付近に偏在した状態となる。その結果、視認部4が、第1粒子Aと第2粒子Bとの混合物で覆われているため、第1状態で視認される黒色と、第2状態で視認されるイエローとの中間色が表示色として視認される(第3状態)。
また、交番電圧S’〜S’を印加する際の通電時間tは、時間tsまたはその近辺の時間に設定されるが、上記のように、第1粒子Aと第2粒子Bとが混ざりあった状態で、これらを透明電極7近傍に偏在させるためには、0.5ts≦t<1.5tsなる関係を満足するのが好ましく、0.7ts≦t<1.2なる関係を満足するのがより好ましい。通電時間tをかかる範囲内に設定することにより、交番電圧S’〜S’の印加時における、第1粒子Aと第2粒子Bとの泳動距離がほぼ等しくなり、その結果、第1粒子Aと第2粒子Bとを確実に混ざりあった状態とすることができる。
なお、上記範囲内で通電時間tを変化させることにより、表示される中間色の黒色とイエローの混ざり具合、すなわちイエローの階調度を容易に制御することができる。具体的には、通電時間tを比較的短く設定することにより、表示される中間色のイエローの割合を多くすることができ、通電時間tを比較的長く設定することにより、表示される中間色の黒色の割合を多くすることができる。
<6>白色とシアンの中間色表示
次に、白色とシアンの中間色表示状態について説明する。
まず、前記白色表示<3>で説明した第2リフレッシュ状態とする。
次いで、この第2リフレッシュ状態で、図4(c)に示すように、透明電極7が正、対向電極8が負に帯電するように、交番電圧または直流電圧を印加する。
なお、以下の中間色表示の説明では、説明の便宜上、時間tsの長さに応じて定義した「交番電圧および直流電圧」を一括して「交番電圧」と言うこととする。また、電極7、8間に印加する際の通電時間tは、図4(c)に示すように、通電時間が早い側から順に交番電圧S’、交番電圧S’、交番電圧S’と表す。さらに、交番電圧S’〜S ’を印加する際の通電時間tは、時間tsまたはその近辺の時間に設定される。すなわち、通電時間tは、シアン表示状態における通電時間tよりも長い値に設定される。これにより、後述するように、第3粒子Cと第4粒子Dとを透明電極7側のほぼ同等の位置で、偏在させることができる。
ここで、交番電圧S’〜交番電圧S’が電極7、8間に順次印加されると、第3粒子Cおよび第4粒子Dは、それぞれ、第1粒子Aおよび第2粒子Bと帯電量の絶対値および比誘電率の関係が同様であるため、前述の黒色とイエローの中間色表示状態における第1粒子Aおよび第2粒子Bと同様に、泳動速度を経時的に変化させつつ、正に帯電した透明電極7に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を透明電極7へ向かって泳動する。
すなわち、交番電圧S’〜交番電圧S’が順次印加されると、第4粒子Dは、交番電圧S’の印加時における第2粒子Bと同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P1B’〜位置P3B’(視認部4付近)に順次移動する(図10参照)。
これに対して、第3粒子Cは、交番電圧S’〜交番電圧S’が順次印加されると、交番電圧S’の印加時における第1粒子Aと同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P1A’〜位置P3A’(視認部4付近)に順次移動する(図10参照)。
このとき、位置P1A’〜位置P3A’と位置P1B’〜位置P3B’とは、それぞれ、対向電極8からの距離がほぼ等しいため、各位置において、第3粒子Cと第4粒子Dとは混ざり合って存在している。したがって、交番電圧S’印加の後、第3粒子Cと第4粒子Dとは、混じり合った状態で、対向電極8からの距離がほぼ等しい位置P3A’および位置P3B’(視認部4付近)に留まるため、図12に示すように、多数の第3粒子Cと多数の第4粒子Dとが、混じり合った状態で、透明電極7(すなわち、視認部4)付近に偏在したような状態となる。その結果、視認部4が、第3粒子Cと第4粒子Dとの混合物で覆われているため、表示色として白色とシアンの中間色が視認される。
また、交番電圧S’〜S’を印加する際の通電時間tは、時間tsまたはその近辺の時間に設定されるが、上記のように、第3粒子Cと第4粒子Dとが混ざりあった状態で、これらを透明電極7近傍に偏在させるためには、0.5ts≦t<1.5tsなる関係を満足するのが好ましく、0.7ts≦t<1.2なる関係を満足するのがより好ましい。通電時間tをかかる範囲内に設定することにより、交番電圧S’〜S’の印加時における、第3粒子Cと第4粒子Dとの泳動距離がほぼ等しくなり、その結果、第3粒子Cと第4粒子Dとを確実に混ざりあった状態とすることができる。
また、この場合も、通電時間tを変化させることにより、表示される中間色の白色とシアンの混ざり具合、すなわちシアンの階調度を容易に制御することができる。具体的には、通電時間tを比較的短く設定することにより、表示される中間色のシアンの割合を多くすることができ、通電時間tを比較的長く設定することにより、表示される中間色の白色の割合を多くすることができる。
以上のようにして、前記<1>〜<6>の状態を選択することにより、電気泳動表示装置1において、透明電極7を介して視認される充填部6内の色を変更させることができ、かかる構成の電気泳動表示装置1は、優れた色表示性を発揮するものとなる。
なお、本実施形態の電気泳動表示装置1では、黒色粒子の第1粒子Aおよび白色粒子の第3粒子Cの他に、前記のように第2粒子Bおよび第4粒子Dを有彩色の粒子としたことで、白黒表示に加え、カラー表示が可能となる。これにより、電気泳動表示装置1の汎用性が高まる。
さらに、これらの粒子に加え、帯電量の絶対値および比誘電率が第3粒子Cと第4粒子Dとの中間である負に帯電する、色がマゼンダの第5粒子を分散媒5が含有する場合には、フルカラー表示が可能となる。
また、本実施形態では、第1リフレッシュ状態(白色表示状態)を経由して、黒色表示状態、イエロー表示状態および黒色とイエローの中間色表示状態とし、第2リフレッシュ状態(黒色表示状態)を経由して、白色表示状態、シアン表示状態および白色とシアンの中間色表示状態とする場合について説明した。かかる構成とすれば、各表示状態とする前に、表示したい色の粒子と、それと同じ極性の粒子とが、対向電極8に対応する部位(すなわち、底面311)に偏在した状態になるので、これら粒子と、透明電極7(すなわち、視認部4)との距離を稼ぐことができる。これにより、これら粒子が、視認部4付近に到達するまでの間に、各粒子の帯電量の絶対値の差および比誘電率の差を反映させて、互いに目的とする位置関係となるように、各粒子を確実に配置させることができる。その結果、表示したい色の粒子の層において、不要な粒子が混在するのが防止され、鮮明な色相を視認することができる。だだし、この第1リフレッシュ状態および第2リフレッシュ状態は、必要に応じて行われるものであり、特に必要がない場合には、省略することができる。
また、本実施形態では、第1粒子(黒色粒子)Aおよび第2粒子(イエロー粒子)Bが正に帯電し、これらの帯電量の絶対値および比誘電率がともに、第1粒子Aの方が第2粒子Bよりも大きく、第3粒子(白色粒子)Cおよび第4粒子(シアン粒子)Dが負に帯電し、これらの帯電量の絶対値および比誘電率がともに、第3粒子Cの方が第4粒子Dよりも大きい場合について説明したが、このような粒子の組み合わせの他、第1粒子(黒色粒子)Aおよび第2粒子(イエロー粒子)Bが負に帯電し、これらの帯電量の絶対値および比誘電率がともに、第1粒子Aの方が第2粒子Bよりも大きく、第3粒子(白色粒子)Cおよび第4粒子(シアン粒子)Dが正に帯電し、これらの帯電量の絶対値および比誘電率がともに、第3粒子Cの方が第4粒子Dよりも大きい場合であっても、上述したような、各色の表示を行うことができる。
<<第2実施形態>>
次に、本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態について説明する。
図13は、本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態を示す模式的縦断面図、図14は、図13に示す電気泳動表示装置が備える配向膜を拡大して示す縦断面図、図15〜図18は、それぞれ、電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図、図19〜図21は、それぞれ、図13に示す電気泳動表示装置の製造工程を説明するための模式的縦断面図、図22は、図13に示す電気泳動表示装置が備える配向膜を形成するための成膜装置を示す模式図である。なお、以下では、説明の便宜上、図13〜図21中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第2実施形態の電気泳動表示装置について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる電気泳動表示装置1’は、図13に示すように、分散媒5が液晶分子Lを含有しており、さらに、第4粒子Dを含有しないこと以外は、前記第1実施形態の電気泳動表示装置1とほぼ同様の構成となっている。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
分散媒5が液晶分子Lを含有していると、透明電極7および対向電極8に電圧を印加したときに、電極7、8間に生じる電界によって液晶分子Lの配向状態が変化し、その液晶分子Lの配向状態に応じて、各粒子A〜Cの挙動(泳動)が変化する。このため、液晶分子Lの配向状態と各粒子A〜Cの挙動との関係を利用することにより、各表示状態における各粒子A〜Cの分布を精密且つ多様に制御することができる。
液晶分子Lとしては、特に限定されないが、ポジ型ネマチック液晶が好適である。
ポジ型ネマチック液晶は、「棒状」と称される方向性を持った分子構造を有し、ある閾値以上の電圧が印加されると分子が電界方向に向く正の誘電異方性を有する。
分散媒5がポジ型ネマチック液晶を含有していると、電極7、8間に対する電圧の印加が停止されているときには、分散媒5中に含まれる液晶分子Lがランダムな方向を向いている。この状態とき、液晶分子Lは、各粒子A〜Cが、自重によって沈降するのを阻害または抑制するように機能する。これにより、各粒子A〜Cは、電圧印加が停止される直前の状態を確実に維持することができる。すなわち、本実施形態では、電極7、8間に対する電圧の印加が停止されているときに、液晶分子Lを、各粒子A〜Cの位置関係を保持する保持部としての機能を発揮させることができる。
これに対して、電極7、8間に電圧を印加すると、液晶分子Lは、電極7、8間に生じた電界の方向に応じて配向する。これにより、分散媒5における液晶分子Lの配向方向と一致する方向での粘度が低くなるため、各粒子A〜Cは、液晶分子Lの配向方向に沿うように、その極性と逆極性の電極に向かって泳動する際の泳動性が向上することとなる。
これらのことから、本実施形態の電気泳動表示装置1’では、電極7、8間に電圧を印加した際には、各粒子A〜Cは優れた応答性を示し、電極7、8間への電圧の印加を停止している際には、各粒子A〜Cによる表示画像の保持性が向上することとなる。
また、液晶分子Lとしては、板型液晶、ディスク型液晶、バナナ型液晶等、棒状以外の形態を有するものであっても構わない。このうち、板型液晶やディスク型液晶は、電極7、8間への電圧の印加を停止している際には、液晶分子Lがランダムな方向を向いている。このような液晶分子Lは、その面に相当する構造によって、各粒子A〜Cが、自重によって沈降するのをより確実に阻害または抑制するように機能する。これにより、各粒子A〜Cは、電圧印加が停止される直前の状態をより確実に維持することができる。これに対して、電極7、8に電圧が印加されているときには、板型液晶やディスク型液晶の面に相当する構造が、電極7、8間に生じた電界の方向に沿うように配向する。すなわち、図15に示すように、電極7、8に対してほぼ垂直をなす方向に向かって配向する。その結果、各粒子A〜Cは、液晶分子Lの配向方向に沿うように、その極性と逆極性の電極に向かって容易に泳動するようになる。これらのことから、電気泳動表示装置1’は、優れた応答性および表示画像の保持性が得られるものとなる。
本実施形態で用いる液晶分子Lは、電圧印加に対する応答時間、すなわち、電極7、8に電圧を印加してから配向するまでの時間が、電極7、8間に電圧を印加する通電時間tよりも短いものが用いられ、好ましくは0.7t未満であるもの、より好ましくは0.01t〜0.3t程度であるものが用いられ、具体的には、5〜50ms程度のものが好適に用いられる。
このような液晶分子Lは、電極7、8への電圧印加の切り替えに対して、その配向状態が追従性よく変化する。すなわち、電極7、8への電圧印加がOFF状態からON状態に切り替わったときには、液晶分子Lが瞬時に配向する。このため、配向が遅れた液晶分子Lによって、各粒子A〜Cの泳動が阻害または抑制されるのを確実に抑えることができる。また、電極7、8への電圧印加がON状態からOFF状態に切り替わったときには、液晶分子が瞬時にランダム状態になり、各粒子A〜Cの沈降を効果的に阻害することができる。その結果、電気泳動表示装置1’は、より優れた応答性および表示画像の保持性を示すものとなる。
また、液晶分子Lとしては、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体、ビフェニル誘導体、ビフェニルシクロヘキサン誘導体、ターフェニル誘導体、フェニルエーテル誘導体、フェニルエステル誘導体、ビシクロヘキサン誘導体、アゾメチン誘導体、アゾキシ誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、キュバン誘導体、さらに、これらの誘導体に、フルオロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基等のフッ素系置換基を導入したもの等が挙げられる。
特に、垂直配向に適する液晶分子Lとしては、例えば、下記化1〜化3で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2010044114
Figure 2010044114
Figure 2010044114
[式中、環A〜Iは、それぞれ独立して、シクロヘキサン環またはベンゼン環を示し、R〜Rは、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基またはフッ素原子のいずれかを示し、X〜X18は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子を示す。]
具体的には、正の誘電異方性を有する液晶材料として、ZLI−1840(商品名、メルク社製)、T0697、T0698、T0699(いずれも商品名、東京化成社製)等が挙げられ、負の誘電異方性を有する液晶材料としてZLI−2806(商品名、メルク社製)等が挙げられる。
以上の液晶分子Lは、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
また、液晶分子Lとしてポジ型ネマチック液晶を用いる場合、分散媒5にカイラル剤を添加するのが好ましい。カイラル剤は、電界が印加されていない状態で、ポジ型ネマチック液晶にカイラル構造(ねじれ構造)を取らせる物質である。分散媒5にポジ型ネマチック液晶とカイラル剤が含有されていると、電極7、8に電圧が印加されていないときに、カイラル剤の作用によって、ポジ型ネマチック液晶のダイレクタが螺旋を描く。このような状態のポジ型ネマチック液晶は、各粒子A〜Cが、自重によって沈降するのを効果的に阻害するため、各粒子A〜Cは、電圧印加が停止される直前の状態を確実に維持することとなる。
カイラル剤としては、ポジ型ネマチック液晶にカイラル構造(ねじれ構造)を取らせるものであれば特に限定されないが、特に、重合性カイラル化剤が好適に用いられる。また、重合性カイラル剤としては、例えば、特開2003−287623号公報に記載のものが挙げられる。
また、液晶分子Lを用いる場合、本実施形態では、図13に示すように、液晶分子Lを電極7、8の面方向に配向させる配向膜10、11が、分散媒5と接触するように設けられている。かかる構成によれば、液晶分子Lは、電極7、8に電圧が印加されているときには、電極7、8間に生じた電界の方向に応じて配向するが、電極7、8に電圧が印加されていないときには、配向膜10、11の作用により電極7、8の面方向に配向する。これにより、電極7、8に電圧が印加されていないときにおける、液晶分子Lによる沈降阻害効果をより大きく得ることができる。その結果、電気泳動表示装置1’は、その表示画像をより確実に保持し得るものとなる。
なお、本実施形態では、基体3が、凹部31に対応するように貫通孔が複数設けられた第1基体32と、第1基体32を挟んで蓋部4と対向するように設けられ、板状をなす第2基体33によって構成されており、第2基体33の上面331および視認部4の下面41の双方に配向膜10、11が設けられている。また、配向膜は、上面331および下面41のいずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。
ここで、電極7、8の面方向と、配向膜10、11の配向方向とがなす角度は、45〜85°程度であるのが好ましく、55〜75°程度であるのがより好ましい。これにより、電極7、8間に電圧が印加されていないときに、液晶分子Lによる沈降阻害効果を確実に得ることができる。
配向膜10、11の構成材料としては、有機材料、無機材料のいずれでもよいが、無機材料であるのが好ましい。一般に、無機材料は、有機材料に比べて、優れた化学的安定性(光安定性)を有している。このため、無機材料で構成された配向膜10、11は、有機材料で構成された配向膜10、11に比べ、特に優れた耐光性を有するものとなる。
無機材料で構成された配向膜10、11としては、例えば、斜方蒸着法により形成された無機酸化物膜が挙げられる。また、有機材料で構成された配向膜10、11としては、例えば、ラビング処理が施されたポリイミド膜等が挙げられる。
以下、配向膜10、11として、斜方蒸着法により形成された無機酸化物膜を一例に説明する。
図14に示す無機酸化物膜10a、11aは、斜方蒸着法により形成されたものであり、複数の細孔100、110を有する構造をなし、各細孔100、110の軸は、その成膜面(第2基体33の底面311または視認部4の下面41)に対して、傾斜した状態で一軸配向している。
ここで、各細孔100、110の軸が一軸配向しているとは、大多数の細孔100、110の軸がほぼ等しい方向を向いていること(細孔100、110の軸の平均的な方向が制御されていること)をいい、複数の細孔100、110の中には、軸の方向が大多数のものと異なる方向を向いた細孔100、110が含まれていてもよい。
このように、各細孔100、110が規則的に配列していることにより、無機酸化物膜10a、11aは、高い構造規則性を有している。
このような構成により、分散媒5が含有する液晶分子Lは、一定方向に配向し易くなる。
また、無機酸化物膜10a、11aが高い構造規則性を有することから、液晶分子Lの配向方向もより正確に一定方向に揃うようになる。その結果、電気泳動表示装置1’の性能(特性)の向上を図ることができる。
無機酸化物膜10a、11aは、無機酸化物を主材料として構成された膜である。一般に、無機材料は、有機材料に比べて、優れた化学的安定性(光安定性)を有している。このため、無機酸化物膜10a、11aは、有機材料で構成された配向膜10、11に比べ、特に優れた耐光性を有するものとなる。
また、無機酸化物膜10a、11aを構成する無機酸化物は、その比誘電率が比較的低いものが好ましい。これにより、電気泳動表示装置において焼き付き等をより効果的に防止することができる。
このような無機酸化物としては、例えば、SiO、SiOのようなシリコン酸化物、Al、MgO、TiOTiO、In,Sb,Ta、Y、CeO、WO、CrO、GaO、HfO、Ti、NiO、ZnO、Nb、ZrO、Ta等の金属酸化物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に、SiOまたはAlを主成分とするものが好ましい。SiOやAlは、比誘電率が特に低く、かつ、高い光安定性を有する。
なお、無機酸化物膜10a、11aの表面積は、例えば、後述するような斜方蒸着に際する蒸着装置内の真空度、蒸着レート等の各種条件を適宜設定することにより調整することができる。
無機酸化物膜10a、11aの平均厚さの具体的な値は、20〜300nm程度であるのが好ましく、20〜150nm程度であるのがより好ましく、40〜80nm程度であるのがさらに好ましい。無機酸化物膜10a、11aの厚さが薄過ぎると、液晶分子Lを配向させる効果が十分に得られない可能性がある。一方、無機酸化物膜10a、11aの厚さが厚過ぎると、電気泳動表示装置1’の駆動電圧が高くなり、消費電力が大きくなる可能性がある。
次に、上述したような構成となっている電気泳動表示装置1’の作動、すなわち、電気泳動表示装置1’による各色の表示を、図13〜図18に基づいて説明する。
なお、図13、図15〜図18は、説明の便宜上模式的に図示したもので、各粒子A〜Cの数、大きさ等は実際とは大きく異なるものであることは言うまでもない。
また、本実施形態では、第1粒子Aを黒色の粒子、第2粒子Bをイエロー(有彩色)の粒子、第3粒子Cを白色の粒子とした場合について説明する。
<1>黒色表示
まず、黒色表示状態(第1状態)について説明する。
図13に示すように、電極7、8間に電圧を印加していない初期状態では、液晶分子Lは、配向膜10、11の配向方向、すなわち、電極7、8の面方向に配向している。
この状態で、例えば、図3(a)に示したように、透明電極7が負、対向電極8が正に帯電するように直流電圧をこれら電極7、8間に印加する。これにより、図15に示すように、液晶分子Lは、電極7、8間に生じた電界の方向に応じて配向する。
また、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、それぞれ、負電圧が印加された透明電極7に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を透明電極7へ向かって泳動する。そして、前記第1実施形態における黒色表示状態と同様の過程を経て、第1粒子Aが、第2粒子Bに先行して透明電極7(すなわち、視認部4)付近に到達する。
したがって、図15に示すように、第1粒子Aが第2粒子Bに対して透明電極7側に位置するように、第1粒子Aおよび第2粒子Bがそれぞれ、透明電極7(すなわち、視認部4)付近に偏在する。換言すれば、透明電極7側から順に、多数の第1粒子Aが集合することで形成された第1粒子層と、多数の第2粒子Bが集合することで形成された第2粒子層とが積層したような状態となる。
なお、第3粒子Cは、正電圧が印加された対向電極8に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を対向電極8へ向かって泳動し、対向電極8に対応する部位(すなわち、底面311)付近に偏在する。
この直流電圧の印加の間、液晶分子Lは電極7、8間に生じた電界の方向に応じて配向している。このため、各粒子A〜Cは、液晶分子Lの間をすり抜けるようにして、電界の方向に沿って容易に泳動する。
そして、電極7、8間の電圧の印加を停止すると、図16に示すように、液晶分子Lは、配向膜10、11の作用によって、電極7、8の面方向に配向方向が変化する。
また、各粒子A〜Cは、泳動を停止し、その位置に留まる。この時、電極7、8の面方向に沿って配向している液晶分子Lにより、各粒子A〜Cがその自重により沈降するのが阻害または抑制されるため、電極7、8間への電圧の印加が停止される直前の状態をより確実に維持されることとなる。
この状態では、視認部4が第1粒子Aで覆われているため、表示色として黒色が視認される。そして、本実施形態では、各粒子A〜Cが、電圧印加が停止される直前の状態をより確実により維持することができることから、この黒色表示状態がより確実に保持されることとなる。
<2>イエロー表示
次に、イエロー表示状態(第2状態)について説明する。
図13に示すように、電極7、8間に電圧を印加していない初期状態では、液晶分子Lは、配向膜10、11の配向方向、すなわち、電極7、8の面方向に配向している。
この状態で、例えば、図3(b)に示したように、透明電極7が負、対向電極8が正に帯電するように交番電圧をこれら電極7、8間に印加する。なお、交番電圧の通電時間tは、第1実施形態におけるイエロー表示状態の場合と同様である。
ここで、交番電圧Sが電極7、8間に印加されると、図17に示すように、液晶分子Lは、電極7、8間に生じた電界の方向に応じて配向する。
また、第2粒子Bは、前記第1実施形態におけるイエロー表示状態の場合と同様に、その泳動速度が瞬時に上昇する。このため、図6に示すように、第2粒子Bは、交番電圧Sが印加されている間、分散媒5中を透明電極7へ向かって泳動し、位置P1Bに到達する。
これに対して、第1粒子Aは、前記第1実施形態におけるイエロー表示状態の場合と同様に、交番電圧Sが印加されても、泳動速度がほとんど上がらない。このため、交番電圧S印加の間に泳動する第1粒子Aの泳動距離は、第2粒子Bの泳動距離よりも小さい。
このとき、液晶分子Lが、電極7、8間に生じた電界の方向に応じて配向しているため、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、液晶分子Lの間をすり抜けるようにして、その帯電量の絶対値および分極の程度に応じた泳動速度で、電界の方向に沿って容易に泳動する。
そして、電極7、8間における電圧の印加が停止されると、液晶分子Lは、電極7、8の面方向に配向方向が変化する。さらに、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、それぞれ、泳動を停止し、位置P1A(位置P1Bより対向電極8側)および位置P1Bに留まる。このとき、電極7、8の面方向に配向している液晶分子Lによって、各粒子A、Bは、その自重によって沈降するのが阻害または抑制され、電極7、8間における電圧の印加が停止される直前の状態を確実に維持することができる。
さらに、交番電圧S〜交番電圧Sが電極7、8間に順次印加されると、第2粒子Bは、交番電圧Sの印加時と同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P2B、位置P3B、位置P4B(視認部4付近)に順次移動する。
これに対して、交番電圧S〜交番電圧Sが電極7、8間に順次印加されると、第1粒子Aは、交番電圧Sの印加時と同様の泳動と停止を繰り返しながら、位置P2A、位置P3A、位置P4Aに順次移動する。
なお、第3粒子Cは、第1粒子Aおよび第2粒子Bが泳動および停止するのと並行して、電極7、8に電圧が印加されているときには、正に帯電する対向電極8に電気的に吸着されるようにして、分散媒5中を対向電極8へ向かって泳動し、電極7、8に電圧が印加されていないときには、電極7、8間への電圧の印加が停止される直前の位置に留まる。この繰り返しにより、第3粒子Cは、底面311付近に到達する。ここで、第3粒子Cが対向電極8へ向かって泳動するに際し、その泳動速度および泳動距離の経時変化は、それぞれ、この場合の第1粒子Aのそれと同様である。
そして、交番電圧Sの後、電圧印加が停止されると、図18に示すように、液晶分子Lは、配向膜10、11の作用によって、電極7、8の面方向に配向方向を変化させる。
また、各粒子A〜Cは、それぞれ、泳動を停止する。そして、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、位置P4A(位置P4Bより対向電極8側)および位置P4Bに留まる。
したがって、図18に示すように、第2粒子Bが第1粒子Aに対して透明電極7側に位置するように、第1粒子Aおよび第2粒子Bがそれぞれ、透明電極7(すなわち、視認部4)付近に偏在する。換言すれば、透明電極7側から順に、多数の第2粒子Bが集合することで形成された第2粒子層と、多数の第1粒子Aが集合することで形成された第1粒子層とが積層したような状態となる。
また、第3粒子Cは、対向電極8に対応する部位(すなわち、配向膜10)に偏在する。
この時、電極7、8の面方向に配向している液晶分子Lによって、第1粒子Aおよび第2粒子Bは、自重によって沈降するのが阻害または抑制されるため、電圧印加が停止される直前の状態を確実に維持することができる。
この状態では、視認部4が第1粒子Aで覆われているため、表示色としてイエローが視認される。そして、本実施形態では、各粒子A〜Cが、電圧印加が停止される直前の状態を確実に維持することができることにより、このイエロー表示状態を確実に保持することができる。
さらに、本実施形態の電気泳動表示装置においても、前記第1実施形態と同様に、白色表示状態、黒色とイエローの中間色表示状態とすることができる。また、分散媒5に、さらに第4粒子Dを含有させることにより、シアン表示状態、白色とシアンの中間色表示状態とすることができる。これら各表示状態においても、前記黒色表示状態およびイエロー表示状態の場合と同様に、分散媒5に液晶分子Lが含まれていることにより、電極7、8に対する電圧印加がOFF状態のときには、液晶分子Lが、各粒子A〜Cが自重によって沈降するのを阻害するように機能する。これにより、各粒子A〜Dは、電圧印加が停止される直前の状態を確実に維持することができる。一方、電極7、8に対する電圧印加がON状態のときには、液晶分子Lが電極7、8間に生じた電界の方向に沿うように配向すし、各粒子A〜Dは、液晶分子Lの配向方向に沿うように容易に泳動する。これらのことにより、電気泳動表示装置1’は、優れた応答性および表示画像の保持性を得ることができる。
次に、本実施形態にかかる電気泳動表示装置1’の製造工程について説明する。
[1] まず、図19(a)に示すように、第1基体用フィルム32aを用意する。
第1基体用フィルム32aは、前述したような基体3の構成材料によって構成されたフィルムであり、形成すべき凹部31の深さと略等しい厚さを有するものを用意する。
そして、図19(b)に示すように、この第1基体用フィルム32aに、例えば、フォトリソグラフィー技術とエッチング技術を用いて、凹部31に対応する貫通孔を複数形成することにより、第1基体32を得る。
なお、第1基体32は、ナノインプリント技術を用いて形成することもできる。
[2] 次に、図19(c)に示すように、第2基体33を用意する。第2基体33は、前述したような基体3の構成材料によって構成されたフィルムである。
次いで、図19(d)に示すように、この第2基体33の一方の面に、対向電極8を形成する。
この対向電極8は、スパッタリング法や、真空蒸着法等の気相成膜法を用いて、第2基体33の一方の面のほぼ全面を覆うように金属薄膜を形成し、その後、この金属薄膜をフォトリソグラフィー法等を用いてパターニングすることにより得ることができる。
[3] また、図19(e)に示すように、蓋部4を用意する。
次いで、図19(f)に示すように、この蓋部4の一方の面に、透明電極7を形成する。この透明電極7は、前記対向電極8を形成する際に説明したのと同様にして形成される。
[4] 次に、図20(a)に示すように、第2基体33の対向電極8と反対側の面に配向膜10を、また、蓋部4の透明電極7と反対側の面に配向膜11を、それぞれ、形成する。
なお、以下では、配向膜10、11として、斜方蒸着法によって形成される無機酸化物膜10a、11aを設ける場合を一例に説明する。なお、配向膜10、11の形成方法(形成工程)は、同様であるので、以下、配向膜10の形成方法を代表に説明する。
具体的には、斜方蒸着法では、図22に示すように、チャンバ(図示せず)内に、無機酸化物(原料)900を収納した蒸着源910と、第2基体33とを設置し、これらの間にスリット921が形成されたスリット板920を配置する。
なお、第2基体33は、駆動装置930に固定され、後述する蒸着角度(図22中、蒸着角度θ)を維持した状態で、平行移動可能になっている。また、第2基体33は、図示しない加熱手段により加熱可能となっている。
この状態で、蒸着源910に設けられた加熱手段(図示せず)により無機酸化物900を加熱して蒸発(気化)させる。そして、無機酸化物900の蒸発粒子を、スリット板920のスリット921を介して第2基体33の上面(配向膜10を形成する面)に到達させる。
なお、このとき、第2基体33を、前述の加熱手段により所定の温度に加熱するとともに、駆動装置930により所定の速度で平行移動させる。
これにより、第2基体33上に、複数の細孔100を有する無機酸化物膜10a(配向膜10)が得られる。
ここで、蒸発源から気化した無機酸化物(蒸発粒子)900が、第2基体33の上面331に到達する蒸着角度(図22中、角度θ)を適宜設定することにより、細孔100の第2基体33の上面331に対する角度を調整することができる。
また、無機酸化物膜10aの表面積Sは、気化した無機酸化物900が基板に到着した際に形成される構造(カラム構造)の状態に大きく依存しており、蒸着時のチャンバ内の真空度、蒸着レート、第2基体33の温度(基板温度)、蒸着角度θ等の各種条件を適宜設定することにより調整することができる。
チャンバ(蒸着装置)内の真空度は、1×10−5〜1×10−2Pa程度であるのが好ましく、5×10−5〜5×10−3Pa程度であるのがより好ましい。
また、蒸着時の基板温度は、20〜150℃程度であるのが好ましく、50〜120℃程度であるのがより好ましい。
また、蒸着レートは、2.5〜25Å/秒程度であるのが好ましく、4〜20Å/秒程度であるのがより好ましい。
また、蒸着角度θは、45〜85°程度であるのが好ましく、55〜75°程度であるのがより好ましい。
各種条件を、それぞれ前記範囲に設定することにより、無機酸化物膜10a(配向膜10)を精度よく形成することができる。
[5] 次に、蓋部4に設けられた配向膜11の表面に接着剤を供給し、その後、図20(b)に示すように、配向膜11と、第1基体32とを接着剤を介して接合する。
[6] 次に、図20(c)に示すように、第1基体32の各貫通孔と蓋部4とによって画成された凹部内に、それぞれ、各粒子A〜Cおよび液晶分子Lを含有する分散媒5を供給する。
分散媒5を凹部内に供給する方法としては、例えば、ディスペンサを用いた滴下法、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等の各種塗布法が挙げられるが、これらの中でも、滴下法、またはインクジェット法を用いるのが好ましい。滴下法、またはインクジェット法によれば、分散媒5を、目的とする領域に対して選択的に供給することができることから、凹部内に無駄なく、かつ確実に供給することができる。
なお、分散媒5の凹部内への注入量は、各凹部の容量の7〜8割程度とする。
[7] 次に、各凹部の残りの空容量に、接着剤5aを注入した後、第1基体32と蓋部4との積層体を、図21(a)に示すように、蓋部4が上方となるように速やかに裏返す。
これにより、各凹部内では、接着剤5aの層の上に、分散媒5の層が積層された状態となる。ここで、接着剤5aの方が、一般的に、分散媒5より密度が高いので、接着剤5aと分散媒5とをこのような位置関係とすることにより、分散媒5と接着剤5aとが混ざり合うのを確実に防止することができる。
また、接着剤5aとしては、例えば、オレフィン系樹脂(接着性ポリオレフィン)のような熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂の前駆体(重合性化合物)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[8] 次に、第2基体33に設けられた配向膜10の表面に接着剤を供給する。そして、図21(b)に示すように、配向膜10と、第1基体32の蓋部4が接合された側と反対側の面を接合し、電気泳動表示シート2を得る。
[9] 次に、図21(c)に示すように、電気泳動表示シート2の対向電極8側の面と、公知の方法により別途用意された回路基板9とを接合する。
以上の工程により、配向膜を有する電気泳動表示装置1’が得られる。
なお、本実施形態では、第2基体33および蓋部4の双方に配向膜を形成することとしたが、かかる構成に限定されず、第2基体33および蓋部4のいずれか一方に配向膜を形成するようにしてもよいし、配向膜の形成を省略するようにしてもよい。ただし、本実施形態のように、第2基体33および蓋部4の双方に配向膜を形成する構成とすることにより、電極7、8の面方向に液晶分子Lをより確実に配向させることができる。
以上説明したような電気泳動表示装置1、1’は、それぞれ、各種電子機器に組み込むことができる。電気泳動表示装置を備える本発明の電子機器としては、例えば、電子ペーパー、電子ブック、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができる。
これらの電子機器のうちから、電子ペーパーを例に挙げ、具体的に説明する。
図23は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図23に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置1で構成されている。
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図24は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図24中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図24に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図23に示す構成と同様のものである。
本体部801は、その側部(図25中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(図25(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図25中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
以上、図示の各実施形態に基づいて、本発明の電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器を説明したが、本発明は、これらに限定されるものでない。例えば、本発明の電気泳動表示シート、電気泳動表示装置および電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、電気泳動表示装置が複数の画素を有するものについて説明したが、画素の数は、特に限定されず、例えば1つであってもよい。
また、前述した実施形態では、分散媒中に4種または3種の粒子、すなわち、第1粒子A〜第4粒子D、または、第1粒子A〜第3粒子Cが含有されているものについて説明したが、少なくとも同じ極性に帯電する2つの粒子を含有されていればよく、例えば、第1粒子および第2粒子、または、第3粒子および第4粒子の組み合わせのいずれか一方が含まれていればよい。
また、分散媒中に、第1粒子A〜第4粒子Dの他に、第1粒子Aと同じ極性に帯電しており、帯電量の絶対値および比誘電率が、第1粒子Aよりも小さく、且つ、第2粒子Bよりも大きい第5粒子や、第3粒子Cと同じ極性に帯電しており、帯電量の絶対値および比誘電率が、第3粒子Cよりも小さく、且つ、第4粒子Dよりも大きい第6粒子が含有されていてもよい。
本発明の電気泳動表示装置の第1実施形態を示す模式的縦断面図である。 電圧を印加する通電時間と電気泳動粒子の泳動速度との関係を示すグラフである。 図1に示す電気泳動表示装置の駆動波形の一例を示す図である。 図1に示す電気泳動表示装置の駆動波形の一例を示す図である。 図1に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図1に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図1に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図1に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図1に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図1に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図1に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図1に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 本発明の電気泳動表示装置の第2実施形態を示す模式的縦断面図である。 図13に示す電気泳動表示装置が備える配向膜を示す模式的縦断面図である。 図13に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図13に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図13に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図13に示す電気泳動表示装置の作動を示す模式的縦断面図である。 図13に示す電気泳動表示装置の製造工程を説明するための図(模式的縦断面図)である。 図13に示す電気泳動表示装置の製造工程を説明するための図(模式的縦断面図)である。 図13に示す電気泳動表示装置の製造工程を説明するための図(模式的縦断面図)である。 図13に示す電気泳動表示装置が備える配向膜を成膜する成膜装置を示す模式図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
符号の説明
1、1’……電気泳動表示装置 2……電気泳動表示シート 3……基体 31……凹部 311……底面 32……第1基体 32a……第1基体用フィルム 33……第2基体 331……上面 4……蓋部(視認部) 41……下面 5……液相分散媒 5a……接着剤 6……充填部 7……透明電極 8……対向電極 9……回路基板 91……基部 10、11……配向膜 10a、11a……無機酸化物膜 100、110……細孔 600‥‥電子ペーパー 601‥‥本体 602‥‥表示ユニット 800‥‥ディスプレイ 801‥‥本体部 802a、802b‥‥搬送ローラ対 803‥‥孔部 804‥‥透明ガラス板 805‥‥挿入口 806‥‥端子部 807‥‥ソケット 808‥‥コントローラー 809……操作部 900……無機酸化物(原料) 910……蒸着源 920……スリット板 921……スリット 930……駆動装置 A……第1粒子 B……第2粒子 C……第3粒子 D……第4粒子 L……液晶分子

Claims (17)

  1. 互いに色の異なる少なくとも2種の粒子を分散させた液相分散媒が充填された充填部と、
    前記充填部の一方側に設けられ、前記充填部内を視認可能な第1電極と、
    前記充填部の他方側に設けられた第2電極とを有し、
    前記少なくとも2種の粒子は、それぞれ同極に帯電する第1粒子および第2粒子を含んでおり、
    前記第1粒子は、前記第2粒子より帯電量の絶対値が大きく、かつ、前記第2粒子より比誘電率が高くなっており、
    前記第1電極が、前記第1粒子および第2粒子の極性に対して逆電圧となるように、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加することにより、前記第1粒子および前記第2粒子を、前記第1電極側に偏在させるに際し、
    前記第1電極と前記第2電極との間に直流電圧を印加することにより、前記第1粒子と第2粒子との帯電量の絶対値の差を利用して、前記第1粒子を前記第2粒子よりも前記第1電極側に位置する第1状態と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に交番電圧を印加することにより、前記第1粒子と前記第2粒子との比誘電率の差を利用して、前記第2粒子を前記第1粒子よりも前記第1電極側に位置する第2状態とを取り得ることができ、
    前記第1状態または前記第2状態のいずれかの状態を選択することにより、前記第1電極を介して視認される前記充填部内の色を変更させるよう構成されていることを特徴とする電気泳動表示シート。
  2. 前記第1粒子の質量をaとし、前記第2粒子の質量をbとしたとき、b/aは0.5〜2.0である請求項1に記載の電気泳動表示シート。
  3. 前記第1粒子の帯電量の絶対値をcとし、前記第2粒子の帯電量の絶対値をdとしたとき、c/dは2〜20である請求項2に記載の電気泳動表示シート。
  4. 前記第1粒子の比誘電率をfとし、前記第2粒子の比誘電率をgとしたとき、f/gは5〜100である請求項3に記載の電気泳動表示シート。
  5. 前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加し、前記第1粒子の移動距離と前記第2粒子の移動距離とが等しくなるまでの時間をtsとしたとき、
    前記第1状態とするための前記直流電圧を前記第1電極と前記第2電極との間に印加する通電時間tは、前記時間tsよりも長く設定される請求項1または4に記載の電気泳動表示シート。
  6. 前記時間tsと前記通電時間tとは、1.5ts<t≦10tsなる関係を満足する請求項5に記載の電気泳動表示シート。
  7. 前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加し、前記第1粒子の移動距離と前記第2粒子の移動距離とが等しくなるまでの時間をtsとしたとき、
    前記第2状態とするための前記交番電圧を前記第1電極と前記第2電極との間に印加する通電時間tは、前記時間tsよりも短く設定される請求項1ないし6のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  8. 前記時間tsと前記通電時間tとは、0.05ts≦t<0.5tsなる関係を満足する請求項7に記載の電気泳動表示シート。
  9. 前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加し、前記第1粒子の移動距離と前記第2粒子の移動距離とが等しくなるまでの時間をtsとしたとき、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する通電時間tを、前記時間tsと等しく、またはその近辺に設定することにより、前記第1状態および前記第2状態で視認される前記色の中間色が視認される第3状態を取り得るよう構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  10. 前記時間tsと前記通電時間tとは、0.5ts≦t≦1.5tsなる関係を満足する請求項9に記載の電気泳動表示シート。
  11. 前記液相分散媒は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加した際に、形成される電界の方向に配向する液晶分子を含有する請求項1ないし10のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  12. 前記液晶分子は、ポジ型ネマチック液晶分子である請求項11に記載の電気泳動表示シート。
  13. 前記液相分散媒は、カイラル剤を含有する請求項12に記載の電気泳動表示シート。
  14. 前記充填部は、前記第1電極と前記第2電極との間に、前記液相分散媒と接触するように設けられた配向膜を有し、
    前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加していないときに、該配向膜により、前記液晶分子を、前記配向膜の面方向に配向するよう構成されている請求項11ないし13のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  15. 前記第1粒子は、無彩色の粒子であり、前記第2粒子は、有彩色の粒子である請求項1ないし14のいずれかに記載の電気泳動表示シート。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載の電気泳動表示シートと、
    前記充填部の他方の側に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加するためのスイッチング素子を有する基板とを備えることを特徴とする電気泳動表示装置。
  17. 請求項16に記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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