JP4946754B2 - 圧力書き込み型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ペンなどを用いて文字等を容易に追記できる圧力書き込み型表示装置に関し、特に電子ペーパーへの応用に好適なコレステリック液晶を用いた圧力書き込み型表示装置に関する。
今後、電力を供給しなくても表示の保持が可能で、表示内容を電気的に書き換え可能な電子ペーパーが急速に普及するものと予想されている。電子ペーパーには、電源を切断してもメモリー表示可能な超低消費電力と目に優しく疲れない表示とが要求され、紙のようにフレキシブルで薄型の表示装置の実現を目指して研究が進められている。電子ペーパーの応用としては、電子ブック、電子新聞及び電子ポスター等が考えられている。
電子ペーパーは、表示方式の違いにより、電気泳動方式、ツイストボール方式、電気化学方式、液晶表示装置及び有機EL表示装置などに分類される。電気泳動方式の電子ペーパーは、帯電粒子を空気中や液体中で移動させて画像(文字及び記号等を含む。以下、同じ)を表示する。ツイストボール方式の電子ペーパーは、二色に色分けされた帯電粒子を回転させて画像を表示する。電気化学方式の電子ペーパーは、エレクトロクロミックやエレクトロデポジションで知られるように、電界を印加した際に電気化学反応により着色及び消色、又は変色するような材料を電極間に挟んだ構造の表示装置である。有機EL表示装置(有機エレクトロ・ルミネッセンス表示ディスプレイ)は、有機材料からなる複数の薄膜を陰極と陽極で挟み込んだ構造の自発光型のディスプレイである。液晶表示装置は、画素電極と対向電極との間に液晶層を挟み込んだ構造を有する非自発光型のディスプレイである。
カラー表示において圧倒的に有利なのが液晶表示装置である。その中でも、電子ペーパーへの応用に関してはコレステリック液晶を用いた液晶表示装置が有利である。コレステリック液晶は、電圧により液晶状態を干渉反射モード(プレナー状態)と透過モード(フォーカルコニック状態)とに切り換えることができ、電場を除去してもその前の状態(プレナー状態又はフォーカルコニック状態)が長時間保持されるため、無電源でも画像の表示が可能である。また、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3色の表示パネルを重ね合わせ、背面に黒色の光吸収層を設けたコレステリック液晶方式のカラー表示装置が開発されている。この表示装置では、全ての表示パネルを透過モードとすれば全面に黒が表示され、必要な色の表示パネルを干渉反射モードとすれば、カラー表示が可能になる。
ところで、電子ペーパーでは、電源を切断しても表示が保持されるというメモリー性を有することに加え、ペンなどを用いて文字等を追記する機能が求められることが多い。この種の要求に応えるべく、前面にタッチパネルを配置した表示装置が開発されている。しかし、この種の表示装置では、ペンが接触した位置を検出する手段が必要となるだけでなく、書き込み操作中に表示を書き換える必要があり、ハードウェア及びソフトウェアが複雑になって製品コストが上昇する。また、パッシブマトリクス駆動の表示装置のように1画面の表示に比較的長い時間が必要な表示装置では、ペンの動きに表示が追従することができず、操作性が極めて悪いものになってしまう。
特許文献1には、全面を書き換えるのではなく、ペンでなぞった部分の位置を検出し、その部分の画素のみに電圧を印加してペンの軌跡を表示することが提案されている。しかしながら、この場合も、ハードウェア及びソフトウェアが複雑になり、製品コストを低減することは困難である。
その他、本発明に関係すると思われる従来技術として、特許文献2〜4及び非特許文献1に記載されたものがある。特許文献2には、コレステリック液晶表示装置において外部からの衝撃により表示むらや色むらが発生することを防止することを目的とし、リソグラフィ法により形成した隔壁によって各画素領域を分離した構造が記載されている。特許文献3には、第1の基板上に樹脂前駆体を塗布した後、液晶(コレステリック液晶)を滴下し、樹脂前駆体及び液晶の上に第2の基板を設け、その後樹脂前駆体を硬化させて樹脂隔壁を形成することが記載されている。特許文献4には、第1の基板上に隔壁を格子状に形成した後、隔壁で囲まれた部分にインクジェット方式により液晶(コレステリック液晶)を注入し、その後第2の基板を貼合わせて形成した液晶表示装置が記載されている。非特許文献1には、コレステリック液晶を用いたカラー電子ペーパーが記載されている。
特開2004−29399号公報 特開2001−305551号公報 特開平11−38393号公報 特開2000−267142号公報 吉原他、"カラー電子ペーパー", FUJITSU.57,3,p.302-306(05,2006)
前述したように、文字等を追記する機能を備えた従来の表示装置では、ペン等の位置を検出して書き込み操作中に表示を書き換える必要があるため、ハードウェアやソフトウェアが複雑になり、製品コストの上昇を招くという問題がある。
以上から、本発明の目的は、ペンなどを用いて容易に追記することが可能であり、複雑なハードウェアやソフトウェアを必要としない圧力書き込み型表示装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置された弾力性を有する光透過性の第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入されたコレステリック液晶と、前記第1の基板の前記液晶側の面に形成された第1の電極と、前記第2の基板の前記液晶側の面に形成された光透過性の第2の電極と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されて画素領域を画定する複数の隔壁構造体とを有し、前記画素領域は、前記隔壁構造体の隙間を介して隣接する画素領域につながっている圧力書き込み型表示装置が提供される。
コレステリック液晶は、液晶に印加する電界強度を調整することにより、特定の波長の光を反射するプレナー状態、光を透過するフォーカルコニック状態、又はそれらの中間的な状態をとる。また、フォーカルコニック状態のときに液晶に圧力を印加すると、液晶がプレナー状態に変化する。本発明は、このようなコレステリック液晶の性質を利用して、圧力書き込み型表示装置を実現する。
本発明においては、第1の基板と第2の基板との間に画素領域を画定する複数の隔壁構造体を設けている。そして、1つの画素領域は、隔壁構造体の隙間を介して隣接する画素領域につながっている。仮に、隔壁構造体がないとすると、圧力を印加した部分の液晶が広範囲に流動して、書き込んだ文字等が激しくにじみ、判読が困難になる。従って、液晶の流動を制限する隔壁構造体が必要である。この場合、隔壁構造体に隙間がなく、液晶が画素領域内に密封されているとすると、液晶に十分な圧力を印加することが困難になり、液晶をフォーカルコニック状態からプレナー状態に変化させることができなくなる。このため、隔壁構造体間には液晶がある程度流動できる隙間が必要である。
上記のように一対の基板間にコレステリック液晶を封入したパネルを書き込み用パネルとし、この書き込み用パネルとは別に表示用パネルを用意して、これらの書き込み用パネルと表示用パネルとを重ね合わせて圧力書き込み型表示装置としてもよい。表示用パネルとしては、一般的なTN型液晶表示装置や有機EL表示装置、又は電気泳動方式、ツイストボール方式、電気化学方式、又はコレステリック液晶方式の表示装置を使用することができる。
上記した圧力書き込み型表示装置は、例えば、第1の基板上に第1の導電膜を形成する工程と、弾力性を有しかつ光透過性の第2の基板の上に光透過性の第2の導電膜を形成する工程と、前記第1の基板の前記第1の導電膜形成側の面上にレジスト膜を形成し、該レジスト膜をパターニングしてマトリクス状に配列した隔壁構造体を形成する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の導電膜形成側の面と前記第2の導電膜形成側の面とを内側にして接合する工程と、熱処理を施して前記隔壁構造体を前記第2の基板に接合する工程と、前記第1の基板と前記第1の基板との間にコレステリック液晶を封入する工程とを経て製造することができる。
また、上記した圧力書き込み型表示装置は、第1の基板上に第1の導電膜を形成する工程と、弾力性を有しかつ光透過性の第2の基板の上に光透過性の第2の導電膜を形成する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板とを前記第1の導電膜形成側の面と前記第2の導電膜形成側の面とを対向させて配置し、前記第1の基板と前記第2の基板との間に光硬化性樹脂の前駆体であるモノマー又はオリゴマーと、重合開始剤とを含有するコレステリック液晶を封入する工程と、所定のパターンが設けられたマスクを介して前記第1の基板及び前記第2の基板間に封入された前記液晶に光を照射して前記モノマー又はオリゴマーを硬化させ、前記第1の基板及び前記第2の基板間に前記所定のパターンの構造体を形成する工程とを経て製造することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
(A)第1の実施形態
図1は本発明の第1の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置を示す平面図、図2は図1のI−I線の位置における断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る圧力書き込み型表示装置10は、相互に対向して配置された下基板(第1の基板)11と上基板(第2の基板)13との間にコレステリック液晶15を封入した構造を有している。下基板11はガラス又は樹脂フィルム等により形成されている。表示装置にフレキシブルであることが要求される場合、下基板11はフレキシブルな樹脂フィルムにより形成されていることが必要となる。一方、上基板13は、ペン等により圧力が加えられたときに変形する程度の弾力性と、ペン等で圧力を加えられたときに破損しない耐久性とを有する樹脂フィルムにより形成されている。
これらの下基板11及び上基板13は、図1に示すように基板11,13の縁部に沿って塗布されたシール材17により接合されている。なお、17aは基板11,13間に液晶15を注入するときの液晶注入口である。この液晶注入口17aは、液晶注入後に封止樹脂により封止される。
下基板11の液晶15側の面には透明電極12が形成されており、上基板13の液晶15側の面には透明電極14が形成されている。これらの透明電極12,14は、ITO(Indium-Tin Oxide)等の透明導電材料により形成され、図示しない電子回路を介して電源20から所定の電圧を印加することができるようになっている。
下基板11及び上基板13の間の空間は、図1に示すようにマトリクス状に配列した十字状の隔壁構造体16により、複数の画素領域に分割されている。これらの隔壁構造体16の上部及び下部は、下基板11及び上基板13に接合されている。1つの画素領域はほぼ正方形であり、4つの隔壁構造体16に囲まれている。また、画素領域内の空間は、各隔壁構造体16の間の隙間(開口部)16aを介して隣接する画素領域内の空間とつながっている。本実施形態においては、図1に示すように1つの画素領域内の空間は、開口部16aを介して上下左右に隣接する4つの画素領域内の空間とつながっている。
下基板11の液晶15と反対側の面(図2では下側の面)には、黒色の光吸収層18が設けられている。この光吸収層18は、例えば黒色顔料を含む樹脂を塗布して形成される。光吸収層18として、黒色の樹脂フィルムを下基板11に貼り付けてもよい。
以下、コレステリック液晶について説明する。コレステリック液晶は、ネマティック液晶にカイラル材を比較的大量(数十重量%)に添加したものである。ネマティック液晶にカイラル材を大量に添加すると、ネマティック液晶分子を強く螺旋状にねじったコレステリック相を形成することができる。
コレステリック液晶は双安定性(メモリー性)を備えており、液晶に印加する電界強度の調整により、特定の波長の光を反射するプレナー状態、光を透過するフォーカルコニック状態、及びそれらの中間的な状態のいずれかの状態をとることができる。一旦プレナー状態、フォーカルコニック状態、又はそれらの中間的な状態になると、その後は電圧無印加状態においても安定してその状態を維持できる。図3(a)にプレナー状態のおける液晶分子の配向状態を模式的に示し、図3(b)にフォーカルコニック状態における液晶分子の配向状態を模式的に示す。
図3(a)のようにプレナー状態のときは、液晶分子は基板厚方向に順次回転して螺旋構造を形成し、螺旋構造の軸は基板面にほぼ垂直になる。このとき、液晶分子の螺旋ピッチに応じた特定の波長の光が液晶層で選択的に反射される。液晶層の平均屈折率をnとし、螺旋ピッチをpとすると、反射が最大となる波長λは、λ=n・pである。平均屈折率nは液晶材料及びカイラル材を選択することで調整可能であり、螺旋ピッチはカイラル材の含有率で調整可能である。
図3(b)のようにフォーカルコニック状態のときは、液晶分子は基板面内方向に順次回転して螺旋構造を形成し、螺旋構造の軸は基板面にほぼ平行になる。フォーカルコニック状態では、入射光のほとんどが液晶層を透過する。プレナー状態とフォーカルコニック状態との中間の状態では、その状態に応じて反射光と透過光との割合が決まるので、反射光の強度を可変できる。
図4は、本実施形態の圧力書き込み型表示装置に文字等を書き込むときの状態を示す模式図である。初めに、電源20(図2参照)から電極11,13間に所定の電圧を印加して、図4(a)に示すように全ての画素領域の液晶をフォーカルコニック状態にする。この状態では、光は液晶15を透過して光吸収層18に到達し、光吸収層18に吸収される。従って、黒表示となる。
次に、図4(b)に示すようにペン又は指等で上基板13を押すと、上基板13が変形してその下の画素領域内の液晶15に圧力が印加される。これにより、画素領域内の液晶15がフォーカルコニック状態からプレナー状態に変化し、光を反射するようになる。従って、ペン又は指等で押した部分に色が付いて視認される。液晶15への圧力の印加がなくなっても、図4(c)に示すようにプレーナ状態が残り、光を反射する。表示装置に書き込まれた文字等は電極11,13間に所定の電圧を印加することにより消去され、表示装置に再度文字等を書き込むことができる。
ところで、隔壁構造体16がないとすると、ペン又は指等で押圧した部分の液晶15が広範囲に流動し、書き込んだ文字等が激しくにじんで判読が困難になる。例えば図5に示すように、十字状の隔壁構造体に替えて円柱状の構造体(スペーサ)21が設けられているとすると、ペンの軌跡が大きくにじんでしまう。
これに対し、図6に示すように十字状の隔壁構造体16で各画素領域を区切った場合は、隔壁構造体間16の隙間(開口部16a)から液晶が隣接する画素領域に流動して若干のにじみは発生するものの、にじみの程度は極めて小さく、細い線を描画することができる。
但し、開口部16aの幅が広すぎると液晶の流動を抑制する効果がなくなってしまう。また、開口部16aの幅が狭すぎると、液晶をプレナー状態にするのに必要な圧力が高くなり、書き込みが困難になる。従って、開口部16aの幅は適切に設定することが重要である。本願発明者らの実験では、1つの画素領域において、開口部16aの幅の合計を画素領域の周囲の長さの2〜20%とすることにより、大きなにじみがなく文字等を書き込むことができることが判明している。例えば画素領域が1辺の長さが50μmの正方形であり、4つの辺にそれぞれ開口部16aが設けられている場合、4個の開口部16aの幅の合計長さを4〜40μmとすることが好ましい。
なお、開口部がない場合、又は1つの画素領域につき1つの開口部しかない場合は、上基板13を介して液晶16に十分な圧力を加えることが困難になり、書き込みができなくなる。このため、1つの画素領域につき開口部は2以上設けることが必要である。1つの画素領域につき開口部を2以上設ける場合は、それらの開口部の幅はすべて同じとしてもよく、相互に異なる幅としてもよい。但し、部分的に開口部が1つしかない画素領域を混在させてもよく、その場合は開口部が1つしかない画素領域の空間を開口部が2つ以上ある画素領域の空間に接続させる必要がある。
また、画素領域のサイズが小さすぎる場合も、上基板13を介して液晶16に十分な圧力を加えることが困難になる。本願発明者らの実験では、画素領域の1辺の長さは50μm以上とすればよいことが判明している。
(第1の製造方法)
図7(a)〜(e)は、上述した第1の実施形態の圧力書き込み型表示装置の第1の製造方法を工程順に示す断面図である。
まず、図7(a)に示すように、下基板11及び上基板13を用意し、これらの下基板11及び上基板13の上にスパッタ法により例えばITOを被着して、透明電極12,14を形成する。
上基板13には、ペン等で押圧したときに変形する必要があるため、ヤング率が100GPa以下の樹脂フィルム等を用いる。例えば、上基板13として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルファン(PES)、ポリサルフォン(PSF)、又はゼオノア(日本ゼオン製)、ゼオネックス(日本ゼオン製)及びアートン(JSR製)等のシクロオレフィン系樹脂からなるフィルムを使用することができる。
上基板13の厚さが厚すぎると、ペン等で押圧したときの圧力が液晶に伝達されなくなってしまう。また、上基板13の厚さが薄すぎると、ペン等で押圧したときに容易に破損してしまう。このため、上基板13の厚さは、0.1mm以上、0.5mm以下とすることが好ましい。
下基板11には、上基板13と同様の樹脂フィルムを使用することができる。フレキシブルであることが要求されない場合は、下基板11として石英ガラス、ソーダガラス及びホウケイ酸ガラス等のガラス板、金属又はセラミック等のヤング率が高い材料からなる板材を使用してもよい。
なお、図7(a)では図示していないが、下基板11及び上基板13の上(透明電極12,14の上)に、機能膜として絶縁膜又は配向膜を設けてもよい。絶縁膜はペン等で押圧したときに電極12,14間の短絡を防止するために設けるものである。下基板11及び上基板13の上に絶縁膜を設けることにより、この絶縁膜が基板11,13側から液晶15へのガスの侵入を阻止するガスバリア層として機能して液晶の劣化が防止され、信頼性が向上するという効果もある。一方、配向膜は、液晶分子の配向を制御するために設けるものである。配向膜は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリビニルブチラール及びアクリル等の有機材料や、酸化シリコン又は酸化アルミニウム等の無機材料により形成することができる。
配向膜が上記の絶縁膜の機能を備えていてもよく、機能膜として絶縁膜及び配向膜を両方形成してもよい。機能膜の厚さ(絶縁膜及び配向膜の両方を形成した場合は合計の膜厚)は、10nm〜200nmとすることが好ましい。機能膜の厚さが10nm未満の場合は、機能膜としての効果が十分に発揮されない。一方、機能膜の厚さが200nmを超えると、電圧降下が生じるため駆動電圧を高くすることが必要となる。
透明電極12,14は、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)、又は酸化錫等の透明導電材料により形成する。なお、透明電極として、アルミニウム又はシリコン等の金属からなる薄膜、又はアモルファスシリコン等の光導電性膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)などの導電性高分子膜を使用することもできる。
次に、下基板11の上にフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜を所定の隔壁構造体パターンが設けられた露光マスクを介して露光する。その後、フォトレジスト膜を現像処理して、図7(b)に示すようにマトリクス状に配列したフォトレジストからなる十字形の隔壁構造体16を形成し、画素領域を画定する。隔壁構造体16の高さは、例えば3〜6μmとする。
本例では隔壁構造体16の高さによりセルギャップ(下基板11と上基板13との間隔)が決まる。セルギャップが3μm未満の場合はプレナー状態における液晶の反射率が低くなる。また、セルギャップが8μmを超えると駆動電圧を高くすることが必要となる。このため、セルギャップが3μm以上、8μm以下となるようにフォトレジスト膜の厚さを設定することが好ましい。
また、隔壁構造体16を構成する壁の線幅を細くするほど、画素領域が大きくなって明度の高い表示が得られるので好ましい。しかし、隔壁構造体16を構成する壁の線幅が極端に細くなると、隔壁構造体16と下基板11又は上基板13との接着力が低下するため、製造時や使用時に隔壁構造体16と下基板11又は上基板13との間が剥がれて、表示不良の原因となる。従って、隔壁構造体16を構成する壁の線幅は、剥がれが発生しない程度とすることが必要であり、例えば5〜20μmとすることが好ましい。
次に、図7(c)に示すように、下基板11の縁部に沿ってシール材17を塗布する。但し、液晶注入口17a(図1参照)となる部分にはシール材を塗布しないでおく。その後、図7(d)に示すように、下基板11と上基板12とを、透明電極12,14が形成された面を向かい合わせて貼合わせる。以後、下基板11及び上基板12を貼合わせた状態の構造物をパネルPという。
次に、パネルPを熱処理装置内に載置し、所定の温度で熱処理してシール材17を硬化させる。この熱処理工程において、フォトレジストからなる隔壁構造体16が一旦軟化した後に硬化し、隔壁構造体16と上基板13とが接合される。
次に、パネルPを真空チャンバ(図示せず)内に入れ、公知の真空注入法により液晶注入口17a(図1参照)からパネルP内に液晶(室温でコレステリック相を示す液晶)を注入する。その後、パネルPを真空チャンバから取り出し、2枚の平板に挟んで余分な液晶を除去した後、液晶注入口17aを樹脂で封止する。
本実施形態に使用する液晶(液晶組成物)は、ネマティック液晶混合物にカイラル材を10〜40wt%添加してなるコレステリック液晶を用いる。但し、カイラル材の添加率は、ネマティック液晶成分とカイラル材との合計を100wt%としたとき値である。ネマティック液晶成分とカイラル材との配合比により、反射する光の色(波長)やその他の物性が決定される。
ネマティック液晶として公知のものを使用することができるが、駆動電圧を比較的低くするためには、誘電率異方性Δεが20〜50の範囲内であることが好ましい。また、コレステリック液晶の屈折率異方性Δnが0.18〜0.24の範囲内であることが好ましい。屈折率異方性Δnが0.18未満であると、プレナー状態における液晶の反射率が低くなる。一方、屈折率異方性Δnが0.24を超えると、フォーカルコニック状態における散乱反射が大きくなるだけでなく、粘度も高くなり、応答速度が低下する。
次いで、図7(e)に示すように、パネルPの裏面側(下基板11の背面)に黒色樹脂を塗布して光吸収層18を形成する。これにより、第1の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置が完成する。
(第2の製造方法)
図8(a)〜(d)は、第1の実施形態の圧力書き込み型表示装置の第2の製造方法を工程順に示す模式断面図である。
第1の製造方法と同様にして、図8(a)に示すように下基板11の上に透明電極12を形成し、上基板13の上に透明電極14を形成する。その後、下基板11の上に所望する電極間ギャップよりも若干大きめの球状スペーサを散布する。このとき、スペーサを所望する電極間ギャップよりも若干大きめとするのは、少なくとも片側の基板が弾力性を有するため、球状のスペーサが基板に食い込んで電極間ギャップがスペーサの直径よりも小さくなるためである。球状のスペーサの代わりに円筒状の樹脂又は無機酸化物からなるスペーサ(図示せず)を設置してもよい。また、下基板11の縁部に沿ってシール材17を塗布する。但し、液晶注入口17a(図1参照)となる部分にはシール材を塗布しないでおく。
次に、図8(b)に示すように、下基板11と上基板13とを透明電極12,14が形成された面を向かい合わせて接合した後、シール材17を硬化させてパネルPを形成する。この場合、下基板11と上基板13との間隔(セルギャップ)はスペーサの直径により決まる。
次に、パネルPを真空チャンバ(図示せず)内に入れ、公知の真空注入法により液晶注入口17a(図1参照)からパネルP内に室温でコレステリック相を示す液晶を注入する。但し、液晶中には、光硬化性の前駆体(例えば紫外線硬化性樹脂の前駆体)であるモノマー又はオリゴマーと、重合開始剤とを所定の比率で混合しておく。その後、パネルPを真空チャンバから取り出し、2枚の平板に挟んで余分な液晶を除去した後、液晶注入口17a(図1参照)を樹脂で封止する。なお、公知の滴下注入法により、下基板11と上基板13との間に液晶を封入してもよい。
次に、図8(c)に示すように、所定の隔壁構造体のパターンが設けられたフォトマスク23を介してパネルPに光(紫外線)を照射する。この場合、コレステリック相を示す液晶のクリアリングポイント以上の温度(液晶が等方相となる温度)で光を照射する。これにより、光が照射された部分で樹脂モノマー又はオリゴマーが硬化し、液晶と樹脂とが相分離して所定の形状の隔壁構造体16が形成される。この隔壁構造体16の下部及び上部はそれぞれ下基板11及び上基板13に接合した状態となる。
次いで、図8(d)に示すように、パネルPの裏面側(下基板11の背面)に黒色樹脂を塗布して光吸収層18を形成する。これにより、第1の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置が完成する。
(B)第2の実施形態
図9は、本発明の第2の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置を示す模式断面図である。
本実施形態に係る圧力書き込み型表示装置は、表示用パネル50の上に書き込み用パネル40を重ね合わせた構造を有している。書き込み用パネル40は、第1の実施形態で説明した圧力書き込み型表示装置(図1、図2参照)と同じ構造を有しており、ここではその説明を省略する。
表示用パネル50には、例えばアクティブマトリクス型液晶表示パネルを使用することができる。また、表示用パネル50として、有機EL表示パネル、又は電気泳動方式、ツイストボール方式、電気化学方式若しくはコレステリック液晶方式の電子ペーパーを用いてもよい。表示用パネル50はカラー表示が可能なものであってもよく、モノクロ表示しかできないものであってもよい。モノクロ表示しかできない表示パネルの場合は、その表示色が書き込み用パネル40の表示色と異なるものであることが好ましい。
表示用パネル50と書き込み用パネル40とは接着層(接着剤又は粘着剤)51を介して接合されている。接着層51は、書き込み用パネル40の基板の屈折率及び表示用パネル50の基板の屈折率と同程度の屈折率を有することが好ましい。これにより、書き込み用パネル40と接着層51との界面及び表示用パネル50と接着層51との界面での光の反射による損失を低減することができ、コントラストが高く明るい表示が得られる。
本実施形態の圧力書き込み型表示装置は、上述したように表示用パネル50と書き込み用パネル40とを重ね合わせて構成されているので、表示パネル50に表示された画像と書き込みパネル40に書き込まれた文字等を重ね合わせて表示することができる。すなわち、表示パネル50に表示された画像の上に文字等を追記したり、追記した文字等のみを消去することができる。これにより、表示装置の利便性が著しく向上する。
(C)第3の実施形態
図10は本発明の第3の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置を示す模式平面図、図11は同じくその圧力書き込み型表示装置の一部断面図である。本実施形態では、本発明をパッシブマトリクス駆動の表示装置に適用した例について説明する。
本実施形態に係る圧力書き込み型表示装置は、表示パネル30と、制御回路41と、データ電極駆動回路42と、走査電極駆動回路43とにより構成されている。また、表示パネル30は、下基板31と上基板34との間にコレステリック液晶を封入した構造を有している。
第1の実施形態と同様に、下基板31はガラス又は樹脂フィルム等により形成されており、上基板34はペン等により圧力が加えられたときに変形する程度の弾力性を有する樹脂フィルムにより形成されている。下基板31及び上基板34は、それらの基板31,34の縁部に塗布されたシール材(図示せず)により接合されている。また、下基板31の液晶と反対側の面には、黒色の光吸収層39が設けられている。更に、下基板31と上基板34との間の空間は、マトリクス状に配列した十字状の隔壁構造体38により複数の画素領域に分割されている。なお、図10ではマトリクス状に配列した隔壁構造体38のうちの一部のみを破線で表示している。
下基板31の液晶側の面には、縦方向(図中のX方向)に延びる複数の帯状のデータ電極32が横方向(図中のY方向)に一定の間隔で配列して形成されている。これらのデータ電極32は、それぞれデータ電極駆動回路42に電気的に接続されている。
一方、上基板33の液晶側の面には、横方向(Y方向)に延びる複数の帯状の走査電極34が縦方向(X方向)に一定の間隔で配列して形成されている。これらの走査電極34は、それぞれ走査電極駆動回路43に電気的に接続されている。データ電極32及び走査電極33は、いずれもITO等の透明導電材料により例えば200μmの幅で240μmのピッチで形成されている。
本実施形態では、データ電極32と走査電極34とが交差する部分がそれぞれ画素領域に対応し、図10に示すように隔壁構造体38は画素領域(データ電極33と走査電極36とが交差する部分)を囲むように配置されている。1つの画素領域はほぼ正方形であり、4つの隔壁構造体38に囲まれている。1つの画素領域内の空間は、各隔壁構造体38間の隙間(開口部38a)を介して上下左右に隣接する4つの画素領域内に空間とつながっている。
データ電極駆動回路42は、例えばTCP(テープキャリアパッケージ)構造の汎用の液晶用データ電極ドライバICにより構成され、制御回路41から出力される信号に基づいて所定のデータ電極32にデータ信号を出力する。また、走査電極駆動回路43は、例えばTCP構造の汎用の液晶用走査電極ドライバICにより構成され、制御回路41から出力される信号に基づいて所定の走査電極34に走査信号を出力する。
図12は、コレステリック液晶をプレナー状態にするときにデータ電極33及び走査電極36に供給する信号を示すタイミングチャートである。また、図13は、コレステリック液晶をフォーカルコニック状態にするときにデータ電極33及び走査電極36に供給する信号を示すタイミングチャートである。これらの図12,図13において、Vdはデータ電極に供給されるデータ信号を示し、Vsは走査電極に供給される走査信号を示し、Vlcは液晶に印加される電圧を示している。
また、図14は、横軸にコレステリック液晶に印加される電圧をとり、縦軸にコレステリック液晶の反射率(相対値)をとって、コレステリック液晶の電圧−反射率特性の一例を示す図である。図14中の実線Pは初期状態がプレナー状態におけるコレステリック液晶の電圧−反射率特性を示し、破線FCは初期状態がフォーカルコニック状態におけるコレステリック液晶の電圧−反射率特性を示している。
ここでは、図10に示す表示パネル30の縦方向(Y方向)にn個(nは自然数)、横方向(X方向)にm個(mは自然数)の画素領域が配列しているものとする。QVGA表示に対応する表示パネルの場合は、n=320、m=240となる。また、ここでは、第1列第1行目の画素領域を、画素領域(1,1)というように記載する。更に、ここでは、T1の期間に画素領域(1,1)の液晶に電圧を印加して液晶をプレナー状態又はコレステリック状態にするものとする。
第1列目の画素領域の液晶をプレナー状態にするときには、第1列目のデータ電極32に、図12に示すようにデータ信号Vdとして1周期の前半が32V、後半が0Vとなるパルス電圧(データ信号)が供給される。また、第1行目の走査電極34から第n番目の走査電極34まで順番に走査信号Vsが供給される。走査信号Vsは、1周期の前半が0V、後半が32Vとなるパルス電圧(走査信号)である。すなわち、画素領域(1,1)の選択期間T1には、第1列目のデータ電極32に1周期の前半が32V、後半が0Vとなるパルス電圧が供給され、第1行目の走査電極34に1周期の前半が0V、後半が32Vとなるパルス電圧が供給される。その結果、画素領域(1,1)の液晶には、選択期間T1に±32Vの電圧が印加される。
その後、画素領域(1,2)の選択期間T2(第1列目の第2行目以降の画素領域の選択期間も同じ)になると、第1番目の走査電極34には1周期の前半が28V、後半が4Vとなるパルス電圧が供給される。一方、選択期間T2においても、第1列目のデータ電極32には1周期の前半が32V、後半が0Vとなるパルス電圧が供給される。従って、選択期間T2においては、画素領域(1,1)の液晶に±4Vの電圧が印加される。
図14に示すように、コレステリック液晶に高電圧(この例では波高値32Vの交流電圧)が印加されると、液晶分子の螺旋構造は完全にほどけて、当該画素領域内の液晶分子が電界の向きに従うホメオトロピック状態になる。液晶分子がホメオトロピック状態のときに液晶の印加電圧が±32Vから±4Vに急激に変化して電界が減少すると、液晶分子は螺旋軸が電極33,36に対しほぼ垂直な方向に向く螺旋状態になり、螺旋ピッチに応じた波長の光を反射するプレナー状態になる。従って、画素領域(1,1)に入射した光のうち所定の波長の光が反射される。
選択期間T1以外の期間では、画素領域(1,1)の液晶には±4Vの電圧しか印加されないので、液晶はプレーナ状態を維持する。
画素領域(1,1)の液晶をフォーカルコニック状態にするときには、図13に示すように、選択期間T1において、第1列目のデータ電極32に1周期の前半が24V、後半が8Vとなるパルス電圧(データ信号)が供給される。また、第1行目の走査電極34に1周期の前半が0V、後半が32Vとなるパルス電圧(走査信号)が供給される。従って、選択期間T1には、画素領域(1,1)の液晶に±24Vの電圧が印加される。
その後、画素領域(1,2)の選択期間T2(第1列目の第2行目以降の画素領域の選択期間も同じ)になると、第1行目の走査電極34には1周期の前半が28V、後半が4Vのパルス電圧が供給される。一方、選択期間T2においても、第1列目のデータ電極32には1周期の前半が24V、後半が8Vのパルス電圧が供給される。従って、選択期間T2においては、画素領域(1,1)の液晶には±4Vの電圧が印加される。
図14に示すように、コレステリック液晶に波高値が24Vの交流電圧を供給すると、液晶分子の螺旋状態は完全にはほどけない状態になる。液晶分子の螺旋構造が完全にほどけない状態においてコレステリック液晶に対する印加電圧が24Vから4Vに変化すると、液晶分子は螺旋軸が電極33,36に対しほぼ平行な方向に向く螺旋状態になり、入射光を透過するフォーカルコニック状態になる。従って、画素領域(1,1)に入射した光は液晶を透過し、光吸収層39に吸収されて黒表示となる。
このようにして画素領域毎に液晶をプレナー状態、又はフォーカルコニック状態にすることにより、表示パネル30に所望の画像(文字及び記号等を含む)を表示することができる。
なお、画素領域内の液晶をプレナー状態又はフォーカルコニック状態にする方法は上述した方法に限らず、例えば選択期間に±32Vの電圧を印加した後、穏やかに電界を減少させても、コレステリック液晶をフォーカルコニック状態にすることができる。また、室温で電極33,36間に30〜35Vのパルス状電圧を例えば20ms(ミリ秒)間だけ印加するとコレステリック液晶はプレナー状態になり、15〜22Vのパルス状電圧を例えば20ms間だけ印加するとコレステリック液晶は良好なフォーカルコニック状態となる。更に、コレステリック液晶に中間的な強さの電界を印加した後、急激に電界を除去すると、プレナー状態とフォーカルコニック状態とが混在した状態となり、中間階調の表示が可能となる。
このようにして、本実施形態に係る圧力書き込み型表示装置は、制御部41に与えられるデータに応じた画像等を表示することができる。また、表示パネル30の表面をペン等でなぞることにより、表示パネル30に表示された画像に文字等を追記することができる。
(D)第4の実施形態
図15は、本発明の第4の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置を示す模式断面図である。
本実施形態の圧力書き込み型表示装置は、青色の画像を生成するコレステリック液晶表示パネル60Bと、緑色の画像を生成するコレステリック液晶表示パネル60Gと、赤色の画像を生成するコレステリック液晶表示パネル60Rとを、観察者側からこの順に重ね合わせて構成されている。表示パネル60Rの背面には、黒色樹脂からなる光吸収層62が配置されている。
表示パネル60Rには電源61aから制御回路、走査電極駆動回路及びデータ電極駆動回路(いずれも図示せず)を介してデータ信号及び走査信号が供給される。また、表示パネル60Gには電源61bから制御回路、走査電極駆動回路及びデータ電極駆動回路(いずれも図示せず)を介してデータ信号及び走査信号が供給され、表示パネル60Bには電源61cから制御回路、走査電極駆動回路及びデータ電極駆動回路(いずれも図示せず)を介してデータ信号及び走査信号が供給される。なお、表示パネル60R,60G,60Bの走査電極に共通の走査信号を供給するようにしてもよい。これにより、走査電極駆動回路が1つですみ、製品コストを削減することができる。
表示パネル60R,60G,60Bの基本的な構造は、いずれも第3の実施形態と同様である(図10、図11参照)ので、ここではその説明を省略する。但し、少なくとも最上層の表示パネル60Bの上基板は、ペン等で押圧したときにパネル内の液晶に圧力が伝達される程度の弾力性と、ペン等で押圧しても破損しない耐久性とが要求される。表示パネル60R,60Gの基板には、特に弾力性は要求されない。
本実施形態の圧力書き込み型表示装置は、赤色の画像を生成する表示パネル60Rと、緑色の画像を生成する表示パネル60Gと、青色の画像を生成する表示パネル60Bとを重ね合わせて構成されているので、所望の画像をカラーで表示することができる。また、表示パネル60Bの表面をペン等で押圧することにより、押圧した部分の表示パネル60Rの液晶がフォーカルコニック状態からプレナー状態に変化する。これにより、表示された画像に文字等を追記することができる。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)第1の基板と、
前記第1の基板に対向して配置された弾力性を有する光透過性の第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入されたコレステリック液晶と、
前記第1の基板の前記液晶側の面に形成された第1の電極と、
前記第2の基板の前記液晶側の面に形成された光透過性の第2の電極と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されて画素領域を画定する複数の隔壁構造体とを有し、
前記画素領域は、前記隔壁構造体の隙間を介して隣接する画素領域につながっていることを特徴とする圧力書き込み型表示装置。
(付記2)前記第1の基板及び前記第1の電極がいずれも光透過性であり、前記第1の基板の前記液晶と反対側の面に光吸収層が設けられていることを特徴とする付記1に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記3)1つの画素領域につき、前記隔壁構造体間の隙間が2以上設けられていることを特徴とする付記1に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記4)1つの画素領域につき、前記隔壁構造体の隙間の合計の長さが、画素領域の周囲の長さの2%以上、20%以下であることを特徴とする付記3に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記5)前記画素領域が、1辺の長さが50μm以上の矩形であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記6)前記隔壁構造体が、前記第1の基板及び前記第2の基板の両方に接合していることを特徴とする付記1に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記7)前記第1の電極が前記第1の基板の前記液晶側の面全体に形成され、前記第2の電極が前記第2の基板の前記液晶側の面全体に形成されていることを特徴とする付記1に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記8)前記第1の基板の前記液晶側の面に前記第1の電極として第1の方向に延びる複数の帯状の電極が相互に平行に形成され、前記第2の基板の前記液晶側の面に前記第2の電極として前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数の帯状の電極が相互に平行に形成されていることを特徴とする付記1に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記9)前記帯状の第1の電極と前記帯状の第2の電極とが交差する部分が、それぞれ画素領域に対応することを特徴とする付記8に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記10)前記第1の基板のヤング率が10GPa以上であることを特徴とする付記1に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記11)前記第2の基板のヤング率が10GPa以下であることを特徴とする付記1に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記12)前記第2の基板の厚さが0.1mm以上、0.5mm以下であることを特徴とする付記1に記載の圧力書き込み型表示装置。
(付記13)画像表示が可能な第1の表示パネルと、前記第1の表示パネルの前面に配置された第2の表示パネルとを有し、
前記第2の表示パネルが、
第1の基板と、
前記第1の基板に対向して配置された弾力性を有する光透過性の第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入されたコレステリック液晶と、
前記第1の基板の前記液晶側の面に形成された第1の電極と、
前記第2の基板の前記液晶側の面に形成された光透過性の第2の電極と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されて画素領域を画定する隔壁構造体とにより構成され、前記画素領域は、前記隔壁構造体の隙間を介して隣接する画素領域につながっていることを特徴とする圧力書き込み型表示装置。
(付記14)第1の基板上に第1の導電膜を形成する工程と、
弾力性を有しかつ光透過性の第2の基板の上に光透過性の第2の導電膜を形成する工程と、
前記第1の基板の前記第1の導電膜形成側の面上にレジスト膜を形成し、該レジスト膜をパターニングしてマトリクス状に配列した隔壁構造体を形成する工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とを、前記第1の導電膜形成側の面と前記第2の導電膜形成側の面とを内側にして接合する工程と、
熱処理を施して前記隔壁構造体を前記第2の基板に接合する工程と、
前記第1の基板と前記第1の基板との間にコレステリック液晶を封入する工程と
を有することを特徴とする圧力書き込み型表示装置の製造方法。
(付記15)第1の基板上に第1の導電膜を形成する工程と、
弾力性を有しかつ光透過性の第2の基板の上に光透過性の第2の導電膜を形成する工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とを前記第1の導電膜形成側の面と前記第2の導電膜形成側の面とを対向させて配置し、前記第1の基板と前記第2の基板との間に光硬化性樹脂の前駆体であるモノマー又はオリゴマーと、重合開始剤とを含有するコレステリック液晶を封入する工程と、
所定のパターンが設けられたマスクを介して前記第1の基板及び前記第2の基板間に封入された前記液晶に光を照射して前記モノマー又はオリゴマーを硬化させ、前記第1の基板及び前記第2の基板間に前記所定のパターンの構造体を形成する工程と
を有することを特徴とする圧力書き込み型表示装置の製造方法。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置を示す平面図である。 図2は、図1のI−I線の位置における断面図である。 図3(a)はプレナー状態のおける液晶分子の配向状態を模式的に示す図、図3(b)はフォーカルコニック状態における液晶分子の配向状態を模式的に示す図である。 図4(a)〜(c)は、第1の実施形態の圧力書き込み型表示装置に文字等を書き込むときの状態を示す模式図である。 図5は、十字状の隔壁構造体に替えて円柱状の構造体(スペーサ)が設けられている場合の問題点を示す図である。 図6は、十字状の隔壁構造体で各画素領域を区切った場合の効果を示す図である。 図7(a)〜(e)は、第1の実施形態の圧力書き込み型表示装置の第1の製造方法を工程順に示す断面図である。 図8(a)〜(d)は、第1の実施形態の圧力書き込み型表示装置の第2の製造方法を工程順に示す模式断面図である。 図9は、本発明の第2の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置を示す模式断面図である。 図10は、本発明の第3の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置を示す模式平面図である。 図11は、第3の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置の一部断面図である。 図12は、コレステリック液晶をプレナー状態にするときにデータ電極及び走査電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。 図13は、コレステリック液晶をフォーカルコニック状態にするときにデータ電極及び走査電極に供給する信号を示すタイミングチャートである。 図14は、コレステリック液晶の電圧−反射率特性の一例を示す図である。 図15は、本発明の第4の実施形態に係る圧力書き込み型表示装置を示す模式断面図である。
符号の説明
10…圧力書き込み型表示装置、
11,13,31,34…基板、
12,14…透明電極、
15…コレステリック液晶、
16,38…隔壁構造体、
17…シール材、
18,39…光吸収層、
20,61a,61b,61c…電源、
30…表示パネル、
32…データ電極、
40…書き込み用パネル、
50…表示用パネル、
41…制御回路、
42…走査電極駆動回路、
43…データ電極駆動回路、
60R,60G,60B…コレステリック液晶表示パネル。

Claims (5)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板に対向して配置された弾力性を有する光透過性の第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入されたコレステリック液晶と、
    前記第1の基板の前記液晶側の面に形成された第1の電極と、
    前記第2の基板の前記液晶側の面に形成された光透過性の第2の電極と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されて画素領域を画定する複数の隔壁構造体とを有し、
    前記画素領域は、前記隔壁構造体の隙間を介して隣接する画素領域につながっていることを特徴とする圧力書き込み型表示装置。
  2. 前記第1の基板及び前記第1の電極がいずれも光透過性であり、前記第1の基板の前記液晶と反対側の面に光吸収層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧力書き込み型表示装置。
  3. 前記第1の電極が前記第1の基板の前記液晶側の面全体に形成され、前記第2の電極が前記第2の基板の前記液晶側の面全体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力書き込み型表示装置。
  4. 前記第1の基板の前記液晶側の面に前記第1の電極として第1の方向に延びる複数の帯状の電極が相互に平行に形成され、前記第2の基板の前記液晶側の面に前記第2の電極として前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数の帯状の電極が相互に平行に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力書き込み型表示装置。
  5. 画像表示が可能な第1の表示パネルと、前記第1の表示パネルの前面に配置された第2の表示パネルとを有し、
    前記第2の表示パネルが、
    第1の基板と、
    前記第1の基板に対向して配置された弾力性を有する光透過性の第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入されたコレステリック液晶と、
    前記第1の基板の前記液晶側の面に形成された第1の電極と、
    前記第2の基板の前記液晶側の面に形成された光透過性の第2の電極と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されて画素領域を画定する隔壁構造体とにより構成され、前記画素領域は、前記隔壁構造体の隙間を介して隣接する画素領域につながっていることを特徴とする圧力書き込み型表示装置。
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