JP5056508B2 - 液晶表示媒体及びその製造方法 - Google Patents
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また、近年ではフレキシブルデバイスの必要性も唱えられており、曲げた状態での画像保持も必要となってきている。
図10は真空注入法による電子ペーパーの製造工程の一例を示す図である。真空注入法では、それぞれ電極膜104,204と配向膜106,206が形成された2つのフィルム基板102,202の間にスペーサやリブ108を設けて、液晶が充填されるセル110を予め形成するとともに、外周の1箇所に開口部(液晶注入口)を設けてセル110内を真空にしておく(図10(A))。その後、セル110内を真空にしたまま液晶注入口を液晶と接触させ、大気圧にすることで減圧状態のセル110内に液晶112を注入する(図10(B))。
このような問題から、図11に示すように、一方の基板102上に予め形成したセル110内に液晶112を滴下した後(図11(A))、他方の基板202を貼り合わせる(図11(B))、滴下注入法が主流となりつつある。
<1> 片面に第1電極膜が形成されている第1フィルム基板と、
片面に第2電極膜が形成されており、前記第1電極膜と前記第2電極膜とが対向するように前記第1フィルム基板に対向配置された第2フィルム基板と、
前記対向配置された2つの基板間の面内方向にセルが配列するように区画するリブと、
前記基板間に配列したセルにそれぞれ充填された液晶組成物と、
を有し、
前記基板間に配列したセルが互いに通じるように前記リブに開口部が形成されているとともに、前記基板間の液晶組成物を全て囲むように外周に位置する前記リブに少なくとも2方向に開口部が形成されていることを特徴とする液晶表示媒体。
前記第1フィルム基板の前記第1電極膜が形成されている面にセルが配列するように区画するリブとして、前記セルが互いに通じるように形成された開口部を有するリブと、前記基板間に配置される液晶組成物を全て囲むように外周に位置し、少なくとも2方向に形成された開口部を有するリブを形成する工程と、
前記第1フィルム基板に配列された前記セルに液晶組成物を滴下して充填する工程と、
前記第1電極膜と前記第2電極膜とが前記セルに充填された前記液晶組成物を介して対向するように、前記第2フィルム基板を前記第1フィルム基板に貼り合わせる工程と、
前記第2フィルム基板を前記第1フィルム基板に貼り合せた後、前記外周に位置するリブの開口部を封止する工程と、
を含むことを特徴とする液晶表示媒体の製造方法。
本実施形態の液晶表示媒体10は、片面に第1電極膜13が形成されている第1フィルム基板12と、片面に第2電極膜23が形成された第2フィルム基板22が、第1電極膜13と第2電極膜23とが対向するように対向配置されている。対向配置された2つの基板12,22間には、リブ(隔壁)14によって面内方向に区画されたセルが配列しており、各セルには液晶組成物が充填されている。
以下、各構成部材について具体的に説明する。
第1及び第2フィルム基板12,22としては、例えば樹脂フィルムにそれぞれ電極膜13,23を形成したものを用いる。各フィルム12,22は、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを用いて構成されたものが用いられる。
フィルム12,22の厚みは特に限定されないが、例えば、電子ペーパーを製造する場合には、可撓性、軽量性等の観点から、通常、0.01mm〜0.5mmの範囲とする。
ガスバリア層を形成する場合、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、あるいはCVD等の化学蒸着法等により、例えば酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜層を形成する。例えば真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiO2とAlの混合物、あるいはSiO2とAl2O3の混合物等が用いられる。また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。
ガスバリア層の層厚は、通常10〜5000Åの範囲、好ましくは50〜2000Åの範囲とする。
電極膜13,23は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いて形成される。ITO以外にも、Auなどの金属薄膜、SnO2、ZnOなどの酸化物、ポリピロールなどの導電性高分子の薄膜など、透光性の導電膜を形成してもよい。各電極膜13,23は、例えばスパッタリングによってフィルム基板12,22の片面に形成し、必要に応じてフォトリソグラフィー等によってパターニングを行う。印刷、CVD、蒸着などにより各電極膜13,23を形成してもよい。
液晶組成物20には、例えばコレステリック液晶をゼラチンバインダー中に分散させたPDLC(Polymer Network Liquid Crystal)を好適に採用できるが、これに限定されず、スメクチックA液晶、ネマチック液晶、ディスコティック液晶なども利用できる。また、カイラルネマチック液晶、表面安定化カイラルスメクチックC液晶、双安定ねじれネマチック液晶、微粒子分散液晶などのメモリー性液晶を用いてもよい。
液晶層20の厚みは、例えば1〜50μmの範囲とする。
リブ14(14a,14b)は、セル16を区画して液晶組成物20の流動を抑制するとともに、電極13,23間の距離を規定する。リブ14を構成する材料としては、電気絶縁性、可撓性、形成容易性などの観点から樹脂が好適であり、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が使用される。
図4は、本実施形態の表示媒体を製造する方法の一例を示している。
まず、片面に第1電極膜13が形成されている第1フィルム基板12と、片面に第2電極膜23が形成されている第2フィルム基板22を用意し、第1フィルム基板12の第1電極膜13が形成されている面にリブ14を形成する(図4(A))。リブ14は、第1フィルム基板12上にセル16が配列するように区画するとともに、セル16が互いに通じるように形成された開口部18bと、外周の開口部18aを有するように形成する。
なお、リブ14の高さは、電極13,23間の距離を規定することになるが、表示媒体の可撓性、液晶組成物による表示特性等の観点から、通常は、1〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは1〜10μmの範囲である。
一方、リブ14に形成する開口部18は、加圧されたときにセル内の液晶組成物20の一部が移動することができるが、ほとんど抵抗無く流動することは抑制されるような大きさとする。具体的には、開口部18の高さと幅が、それぞれ形成されているリブの高さと幅に対して50%以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは30%以下の範囲である。
また、リブ14に囲まれた個々のセル16のサイズは特に限定されないが、電子ペーパーであれば、通常は、一辺が80〜500μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは80〜260μmの範囲である。
また、液晶組成物20の滴下量は、各セル16に充填される量より多少多くなっても、第2フィルム基板22を貼り合わせる際、外周に位置するリブ14aの開口部18aから余分な液晶組成物が排出され易くなっているので、液晶組成物の滴下量を精密に制御せずに供給してもよい。
貼り合わせの際、液晶組成物20に圧力がかかり、液晶組成物20の一部20aはリブ14の開口部18を通じて移動することができるため、各セル16内に液晶組成物20が密に充填されるとともに、余分な液晶組成物20aは外周の開口部18aを通じて排除される(図4(D))。従って、気泡が入り難く、貼り合わせ作業も容易となる。
開口部18が形成されている部分は、リブ14の一部を欠いている分、強度が弱いため、両基板12,22を、互いに向き合う方向に均一に加圧(圧縮)することで、リブ14の開口部18が形成されている部分が潰れて開口部18が塞がれる。
なお、両基板12,22間を加圧する際、セル16内の液晶組成物20は、開口部18を通じて移動する。従って、基板同士を貼り合わせた後、セル16内にエアが入っていても、両基板12,22間を加圧することでセル16内に液晶組成物20がより密に充填されるとともに、余分な液晶組成物20aは外周のリブ14aの開口部18aを通じて外に排出されることになる。
図6は、第2実施形態の液晶表示媒体30を概略的に示している。この液晶表示媒体30では、第1実施形態の表示媒体10に比べて、リブ14の開口部18は少ないが、各セル16はリブ14bの開口部18bを介して互いに通じており、外側に位置するリブ14aには2方向(2辺)に開口部18aが形成されている。
この液晶表示媒体30でも、液晶組成物20の一部が開口部18を介して移動可能であるため、滴下注入法により各セル16に対して液晶組成物20を充填するときに滴下量を精密に制御する必要はなく、液晶組成物20の供給が容易となる。また、各セル16に液晶組成物20を充填した後、第2のフィルム基板22を第1フィルム基板12に貼り合わせる場合には、隣接するセル間の開口部18bを通じて液晶組成物20の一部が移動でき、余分な液晶組成物は外側の開口部18aを通じて排出し易くなるため、気泡が入り難く、貼り合わせも容易となる。
また、この表示媒体30を曲げたときに局所的に圧力が加わっても、各セル16に充填された液晶組成物20は、一体的に形成されている周囲のリブ14によって流動が抑制され、画像が良好に保持される。
また、図8に示すように、基板12上に、開口部となる溝38aを有する樹脂層36aを形成し(図8(A))、次いで、同じ材質からなる樹脂フィルム36bを貼り合わせる(図8(B))。その後、液晶組成物が充填されるセルとなる部分を露光及び現像によって除去すれば、セルとともに、開口部38を有するリブ36a,36bが形成される。
また、図9に示すように、基板12上にリブを構成する感光性樹脂層46を形成した後(図9(A))、一部を削って溝48を形成するとともに、露光及び現像によって余分な樹脂を除去することでセルを形成してもよい(図9(B))。
12 第1フィルム基板
13 第1電極膜
14,14a,14b リブ
16 セル
18,18a,18b 開口部
20 液晶組成物
22 第2フィルム基板
23 第2電極膜
24 金属膜
30 液晶表示媒体
Claims (7)
- 片面に第1電極膜が形成されている第1フィルム基板と、
片面に第2電極膜が形成されており、前記第1電極膜と前記第2電極膜とが対向するように前記第1フィルム基板に対向配置された第2フィルム基板と、
前記対向配置された2つの基板間の面内方向にセルが配列するように区画するリブと、
前記基板間に配列したセルにそれぞれ充填された液晶組成物と、
を有し、
前記基板間に配列したセルが互いに通じるように前記リブに開口部が形成されているとともに、前記基板間の液晶組成物を全て囲むように外周に位置する前記リブに少なくとも2方向に開口部が形成されていることを特徴とする液晶表示媒体。 - 前記セルが、マトリクス状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示媒体。
- 前記セルが縦横で隣接するセル同士で互いに通じるように前記リブに開口部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶表示媒体。
- 前記リブに形成されている開口部の高さと幅が、それぞれ形成されているリブの高さと幅に対して50%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液晶表示媒体。
- 電子ペーパーであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液晶表示媒体。
- 片面に第1電極膜が形成されている第1フィルム基板と、片面に第2電極膜が形成されている第2フィルム基板を用意する工程と、
前記第1フィルム基板の前記第1電極膜が形成されている面にセルが配列するように区画するリブとして、前記セルが互いに通じるように形成された開口部を有するリブと、前記基板間に配置される液晶組成物を全て囲むように外周に位置し、少なくとも2方向に形成された開口部を有するリブを形成する工程と、
前記第1フィルム基板に配列された前記セルに液晶組成物を滴下して充填する工程と、
前記第1電極膜と前記第2電極膜とが前記セルに充填された前記液晶組成物を介して対向するように、前記第2フィルム基板を前記第1フィルム基板に貼り合わせる工程と、
前記第2フィルム基板を前記第1フィルム基板に貼り合せた後、前記外周に位置するリブの開口部を封止する工程と、
を含むことを特徴とする液晶表示媒体の製造方法。 - 前記第2フィルム基板を前記第1フィルム基板に貼り合せた後、該2つの基板間を加圧して前記リブの開口部を潰すことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示媒体の製造方法。
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