JP2002040967A - 電気泳動表示装置及びその駆動方法 - Google Patents

電気泳動表示装置及びその駆動方法

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JP2002040967A
JP2002040967A JP2000222070A JP2000222070A JP2002040967A JP 2002040967 A JP2002040967 A JP 2002040967A JP 2000222070 A JP2000222070 A JP 2000222070A JP 2000222070 A JP2000222070 A JP 2000222070A JP 2002040967 A JP2002040967 A JP 2002040967A
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electrophoretic
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Noriyuki Yasuda
徳行 安田
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示内容を長期間にわたって保持することが
できる電気泳動表示装置及びその駆動方法を提供する。 【解決手段】 共通電極5と、画素電極7と、共通電極
5及び画素電極7間に設けられ、色素及び膨潤性層状粘
度鉱物が添加された媒質9とマイナスの電荷を帯びた電
気泳動粒子10とを含む電気泳動層6とを備える電気泳
動表示装置において、クーロン力を用いて電気泳動粒子
10を移動させるに際し、共通電極5及び画素電極7間
に交流電圧を印加することにより電気泳動粒子10を振
動させ、これによって媒質9の粘性を低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気泳動表示装置及び
その駆動方法に関し、さらに詳細には、表示内容を長期
間にわたって保持することができる電気泳動表示装置及
びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気泳動現象を利用した電気
泳動表示パネルが知られている。電気泳動表示パネル
は、内部に媒質とプラス又はマイナスの電荷を帯びた電
気泳動粒子とが封入されており、かかる電気泳動粒子に
対し電界を与えることによって、これを電気泳動表示パ
ネルの表示面側に集め、若しくは電気泳動表示パネルの
表示面側から遠ざけることによって、所望の図形等を表
示させることができる。
【0003】ここで、電気泳動表示パネルの表示面側に
集められた電気泳動粒子及び電気泳動表示パネルの表示
面側から遠ざけられた電気泳動粒子は、電界が印加され
なくなった後も、ファンデルワールス力によりその位置
を維持するため、直ちにその表示内容が消失することは
ない。
【0004】しかしながら、一般に、電気泳動表示パネ
ルに用いられている電気泳動粒子と媒質とは比重が大き
く異なり、またその表面の極性も異なるため、時間の経
過とともに電気泳動粒子の沈降や凝集が生じ、その結
果、徐々に表示内容が変質し、やがては消失してしま
う。このため、従来の電気泳動表示パネルにおいては、
電界が印加されなくなった後、表示内容を保持できる時
間は、約30秒程度にとどまっていた。
【0005】これを解決し、表示内容をより長時間保持
させるべく、従来より、媒質中に分散剤や表面改質剤等
を添加することによって、電気泳動粒子の沈降や凝集を
抑える試みがなされている。しかしながら、この方法で
は、分散剤や表面改質剤自身が経時変化するとともに、
電界の印加により変質してしまうため、表示内容の保持
を安定的に実現することは困難である。
【0006】一方、別の解決方法として、周期的な電界
の印加によってリフレッシュを行い、これによって表示
内容を長期間にわたって保持する技術も提案されている
(特開平3−213827号公報参照)。しかしなが
ら、この方法では、表示内容を保持するために周期的に
電界を印加するために、消費電力が増大するほか、電気
泳動表示パネルを駆動する駆動回路が複雑になるといっ
た問題を生じてしまう。
【0007】そこで、さらに別の解決方法として、媒質
中に膨潤性層状粘度鉱物を添加し、媒質の粘性を高める
方法が提案されている。このように、媒質中に膨潤性層
状粘度鉱物を添加すると、媒質にチクソトロピックな性
質が付与される。チクソトロピックな性質とは、系に力
が加えられていないか、ある一定以下の力しか加えられ
ていない状態においては粘性が高いゼリー状の状態を維
持し、一方、その系にある一定以上の力が加えられた状
態においてはその粘性が急激に低下し、液体のような挙
動を示すものをいう。このため、媒質中に膨潤性層状粘
度鉱物が添加され、媒質にチクソトロピックな性質が付
与された電気泳動表示パネルにおいては、電界を印加し
ていない状態では、媒質の高い粘性のため電気泳動粒子
の位置を長期間にわたって維持することができ、一方、
電界を印加し、電気泳動粒子にある一定以上のクーロン
力を与えた状態では、媒質の粘性が低下するため電気泳
動粒子を移動させることができる。このように、媒質中
に膨潤性層状粘度鉱物を添加することにより、電気泳動
表示パネルに表示された表示内容を長期間にわたって保
持することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、媒質中に膨潤
性層状粘度鉱物を添加し、媒質にチクソトロピックな性
質を与えた場合、ある一定以上の力を与えて系の粘性を
低下させるためには、比較的強い電界を電気泳動粒子に
印加しなければならない。このため、電気泳動表示パネ
ルを駆動する駆動回路の消費電力が増大するだけでな
く、駆動回路が複雑化し、電気泳動表示装置全体のコス
トが増大するという問題が生じていた。
【0009】また、媒質がチクソトロピックな性質を有
している場合、電界を印加した後、電気泳動粒子が移動
可能となる程度に系の粘性が低下するまでには所定の時
間を要するため、電気泳動粒子の移動が完了するのに比
較的長い時間がかかってしまう。このため、表示速度が
遅くなるという問題も生じていた。
【0010】このような問題は、媒質中に膨潤性層状粘
度鉱物を添加することによって、媒質に故意にチクソト
ロピックな性質を与えた場合に限らず、このような膨潤
性層状粘度鉱物の添加を行わない場合においても、ファ
ンデルワールス力や水素結合によって媒質自体が多少の
チクソトロピックな性質を有していることから同様に生
じる。
【0011】したがって、本発明の目的は、表示内容を
長期間にわたって保持することができるとともに、消費
電力が低減された電気泳動表示装置及びその駆動方法を
提供することである。
【0012】また、本発明の他の目的は、表示内容を長
期間にわたって保持することができるとともに、コスト
が低減された電気泳動表示装置及びその駆動方法を提供
することである。
【0013】また、本発明のさらに他の目的は、表示内
容を長期間にわたって保持することができるとともに、
表示速度の速い電気泳動表示装置及びその駆動方法を提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
所定の電荷を帯びた第1の表示体及び前記第1の表示体
とは異なる色を有する第2の表示体とが少なくとも封入
された電気泳動層を備える電気泳動表示装置であって、
クーロン力を用いて前記第1の表示体を移動させるに際
して前記第1の表示体を振動させ、これによって前記第
2の表示体が有する粘性を低下させることを特徴とする
電気泳動表示装置によって達成される。
【0015】本発明によれば、第1の表示体を移動させ
るに際し、第1の表示体を振動させ、これによって第2
の表示体が有する粘性を低下させているので、第1の表
示体の移動が容易に行われる。このため、第1の表示体
に与えるべきクーロン力は比較的弱くても足り、その結
果、消費電力が低減される。また、駆動回路が取り扱う
電圧を低くすることができるのでコストを低減すること
ができる。さらに、第1の表示体の移動が容易に行われ
ることから、表示速度を高速化することが可能となる。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第2の表示体には、チクソトロピックな性質を付与す
る物質が添加されている。
【0017】本発明の好ましい実施態様によれば、第2
の表示体には、チクソトロピックな性質を付与する物質
が添加されていることから、静止状態においては高い粘
性を示し、このため、表示内容を長期間にわたって維持
することが可能となる。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記物質が、膨潤性層状粘度鉱物である。
【0019】本発明の前記目的はまた、第1及び第2の
電極と、前記第1及び第2の電極間に設けられた電気泳
動層と、前記第1及び第2の電極間に直流電圧を印加す
る直流電圧印加手段と、前記第1及び第2の電極間に交
流電圧を印加する交流電圧印加手段とを備える電気泳動
表示装置によって達成される。
【0020】本発明によれば、第1及び第2の電極間に
交流電圧を印加する交流電圧印加手段を備えていること
から、交流電圧印加手段により第1及び第2の電極間に
交流電圧を印加することで電気泳動層の粘性を低下させ
ることができる。
【0021】本発明の好ましい実施態様においては、前
記交流電圧印加手段により前記第1及び第2の電極間に
前記交流電圧が印加される期間が、少なくとも前記直流
電圧印加手段により前記第1及び第2の電極間に前記直
流電圧が印加される初期段階である。
【0022】本発明の好ましい実施態様によれば、第1
及び第2の電極間に交流電圧が印加される期間が、少な
くとも第1及び第2の電極間に直流電圧が印加される初
期段階であることから、電気泳動層による表示内容の変
化の開始段階において、電気泳動層の粘性を低下させる
ことができる。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記交流電圧印加手段により前記第1及び第2の電
極間に印加される前記交流電圧の周波数が、10Hz〜
100Hzである。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第1及び第2の電極間に印加される交流電圧の周波
数が10Hz〜100Hzであることから、電気泳動層
の粘性を十分に低下させることができるとともに、交流
電圧の印加に必要な電力を最小限に抑えることが可能と
なる。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記電気泳動層には、媒質及び電気泳動粒子が含ま
れており、前記媒質にはチクソトロピックな性質を付与
する物質が添加されていることを特徴とする。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、媒質にチクソトロピックな性質を付与する物質が添
加されていることから、静止状態においては高い粘性を
示し、このため、表示内容を長期間にわたって維持する
ことが可能となる。
【0027】本発明の前記目的はまた、第1及び第2の
電極と、前記第1及び第2の電極間に設けられた電気泳
動層とを備える電気泳動表示装置の駆動方法であって、
前記第1及び第2の電極間に直流電圧を印加するととも
に、前記直流電圧に交流電圧を重畳することを特徴とす
る電気泳動表示装置の駆動方法によって達成される。
【0028】本発明によれば、第1及び第2の電極間に
印加される直流電圧に交流電圧が重畳されるので、直流
電圧の印加による表示内容の変化に際し、電気泳動層の
粘性を低下させることができる。
【0029】
【発明の好ましい実施の形態】以下、添付図面に基づい
て、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加
える。
【0030】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る電気泳動表示装置1を示す断面図である。
【0031】図1に示されるように、本実施態様にかか
る電気泳動表示装置1は、電気泳動表示パネル2と、駆
動回路3とを備えている。
【0032】電気泳動表示パネル2は、基板4と、共通
電極5と、電気泳動層6と、画素電極7と、保護フィル
ム8とを有し、保護フィルム8の設けられた側が表示面
である。
【0033】基板4は、例えばポリエステルからなり、
その厚みは約100μm程度が好ましい。共通電極5
は、基板4上に形成された例えばITOやSnO等か
らなる透明電極であり、その厚みは1〜10μm程度が
好ましい。電気泳動層6は、共通電極5と画素電極7と
の間に挟持されており、電気的に中性である媒質9と、
マイナスの電荷を帯びた電気泳動粒子10とを含む。後
述するように、媒質9には色素が添加されており、これ
によって電気泳動粒子10とは異なる明度・色彩等が与
えられている。電気泳動層6の厚みは、100〜150
0μm程度が好ましい。画素電極7は、透明電極である
ITO又はSnOからなり、後述するように、マトリ
クス状に配列されている。その厚みは1〜10μm程度
が好ましい。保護フィルム8は、PET樹脂、ポリカー
ボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、フッ素樹脂等
からなる透明のフィルムであり、その厚みとしては20
〜100μm程度が好ましい。
【0034】電気泳動層6に含まれる媒質9には、色素
及び膨潤性層状粘度鉱物が添加されている。媒質9の材
料としては、電気泳動粒子10に対する溶解能が小さ
く、色素及び膨潤性層状粘度鉱物に対する溶解度が大き
く、色素、膨潤性層状粘度鉱物、電気泳動粒子を安定に
溶解または分散でき、イオンを含まずかつ電圧印加によ
りイオンを生じない絶縁性のものが望ましい。具体的に
は、ヘキサン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン等の飽
和炭化水素、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン
等の芳香族炭化水素、トリクロロトリフルオロエタン、
ジブロモテトラフルオロエタン、テトラクロロエチレン
等のハロゲン化フッ素系炭化水素、フッ素系溶剤などを
挙げることができる。なお、これらの液体は混合して用
いることもできる。
【0035】媒質9に添加される色素としては、例えば
シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、
アントラキノン系、アゾ系、トリフェニルメタン系、ピ
リリウムないしチアピリリウム塩系、スクワリリウム
系、クロコニウム系、金属錯体色素系等から1種ないし
2種以上を目的に応じて適宜選択したものを使用するこ
とができる。色素の含有量は、特に限定されるものでは
なく、その種類や所望の色彩、明度等により適宜調整す
ればよいが、好ましくは媒質9全体に対して0.1〜1
0質量%程度である。尚、以下の説明においては、媒質
9は、添加された色素によって黒色を呈するものとす
る。
【0036】媒質9に添加される膨潤性層状粘度鉱物と
しては、スメクタイトが好ましい。
【0037】図2は、スメクタイトの単位構造を示す図
である。
【0038】図2に示されるように、スメクタイトは、
層状珪酸塩の一種で、基本的にはSi−O4 4面体が酸
素頂点を共有して六角網目状に広がった四面体シートが
2枚、残りの頂点酸素を向かい合わせて陽イオンを挟み
酸素の八面体シートを形成した2:1構造を単位層とし
て、これが重なった構造をもつものである。そして、媒
質9中で膨潤し、層状構造がくずれ、コロイド性を示
す。このため、ゲスト物質の吸着能が高く、さらに、存
在する陽イオンにより、例えば表示粒子のもつアニオン
を吸着しやすく、保持特性が格段にすぐれたものとな
る。
【0039】スメクタイトは、天然のものや工業的に合
成されたものがある。本実施態様においては、天然品お
よび合成品のいずれを用いてもよいが、媒質9中での特
性あるいは不純物を含まない等の点で、工業的に合成さ
れたものが好ましい。
【0040】工業的に合成されたものとしては、合成ス
メクタイトが市販されている。市販されている合成スメ
クタイトとしては、水中で膨潤し、層状構造を崩してコ
ロイド状となり、粘性を示す親水性のタイプと、有機溶
媒中でコロイド状となり、粘性を示す親油性のタイプと
がある。親水性のタイプとしては、SWN(コープケミ
カル(株)製)として市販されている親水性スメクタイ
トがあるが、本実施態様では親油性のものが好ましい。
【0041】親油性スメクタイトは、親水性スメクタイ
トの層状構造中にあるNaイオン等を、低極性溶媒や高
極性溶媒等と溶媒和が可能な有機イオンで置換したもの
である。このような有機イオンとしては、特に限定され
ないが、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアン
モニウム等、例えば炭素原子数が1〜10程度のアルキ
ル基を有する第4級アンモニウム等が挙げられる。
【0042】親油性スメクタイトは、置換する有機イオ
ンを選択することで、種々の有機溶媒中に良好に分散し
てコロイド性や粘性を示し、さらにインクやその溶媒の
ようなゲスト物質をインターカレートするすぐれた特性
をもつ。このような親油性スメクタイトとしては、SA
N、STN、SENおよびSPN(いずれもコープケミ
カル社製)として市販されているものがある。これらの
なかでも多くの有機溶媒と親和性を有するSAN,ST
Nが好ましい。
【0043】このようなスメクタイトは、前述したよう
に親水性、親油性ともに媒質9中で膨潤してコロイド性
を示し、媒質9の粘度を増加させる特性をもつ。静置時
にはこのコロイドが水素結合により嵩高い網目構造を形
成し、弾性挙動を示す。ところが、これに外力を加える
と、この結合は弱いため、網目構造は簡単に壊れ流動性
を示す。このため、スメクタイトを含めることで、媒質
9にチクソトロピックな性質を付与することができ、電
気泳動粒子10の保持能力が向上し、表示が安定する。
【0044】スメクタイトの含有量は、好ましくは媒質
9全体に対して0.01〜20質量%、より好ましくは
0.1〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%で
ある。
【0045】用いるスメクタイトの比表面積は、好まし
くは200〜1000m2/g、より好ましくは500〜1
000m2/g、特に好ましくは710〜800m2/g、であ
る。
【0046】光学顕微鏡を用いて観察したとき、不定形
の形状で観察されるスメクタイトの平均長径は、好まし
くは0.1〜100μm 、より好ましくは0.5〜50
μm、特に好ましくは1〜45μm である。
【0047】尚、媒質9には、さらに分散剤を添加する
ことが好ましい。分散剤としては、マリアリムを用いる
ことができる。
【0048】一方、電気泳動粒子10は、媒質9に安定
に分散され、単一の極性を有するとともに、その粒径分
布が小さいことが、表示装置の寿命、コントラスト、解
像度などの観点から望ましい。また、その粒径は、0.
1μmから5μmが好ましい。この範囲内であると、光
散乱効率が低下せず、電圧印加時において十分な応答速
度が得られる。
【0049】電気泳動粒子10の材料としては、例えば
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸
化アルミニウム、セレン化カドミウム、カーボンブラッ
ク、硫酸バリウム、クロム酸鉛、硫化亜鉛、硫化カドミ
ウム、炭酸カルシウムなどの無機顔料、あるいはフタロ
シアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエ
ロー、ウオッチングレッド、ダイアリーライドイエロー
などの有機顔料を用いることができる。これらのなかで
も高いコントラスト比を得るためには酸化チタンが好ま
しく、酸化チタンでは特にルチルタイプが好ましい。
尚、以下の説明においては、電気泳動粒子10は白色を
呈するものとする。
【0050】また、電気泳動粒子10の媒質9に対する
混合率は、電気泳動粒子10の電気泳動性が阻害され
ず、かつ媒質9の反射制御が十分に行える限り特に限定
されるものではないが、例えば1質量%から30質量%
が好ましい。
【0051】図3は、画素電極7の回路図である。
【0052】図3に示されるように、画素電極7はマト
リクス状に配列されており、行方向における各画素電極
7間にはそれぞれ行線11が敷設され、列方向における
各画素電極7間にはそれぞれ列線12が敷設されてい
る。図3に示されるように、これら行線11及び列線1
2は、配線13を構成する。
【0053】また、各画素電極7には、それぞれトラン
ジスタ14が付加されており、これらトランジスタ14
のゲート電極は対応する行線11に接続され、ソース領
域及びドレイン領域の一方は対応する列線12に、他方
は対応する画素電極7に接続されている。これにより、
各トランジスタ14は、対応する行線11にプラスの電
圧が供給されると導通状態となって、対応する列線12
と対応する画素電極7とを電気的に接続し、対応する行
線11に電圧が供給されないと非導通状態となって、対
応する列線12と対応する画素電極7とを電気的に絶縁
する。
【0054】さらに、これら行線11は行線制御回路1
5に接続され、列線12は列線制御回路16に接続され
ている。また、これら行線制御回路15及び列線制御回
路16は、いずれも駆動回路3内に含まれる回路であ
る。これにより、各画素電極7は、配線13を介して駆
動回路3によって駆動されることになる。
【0055】図1に戻って、駆動回路3は、外部から供
給される画像信号に基づいて、電気泳動表示パネル2の
共通電極5及び画素電極7を駆動し、当該画像信号に対
応する画像(文字・図形等を含む)を電気泳動表示パネ
ル2に表示させる。画像信号は入力端子17を介して外
部から供給され、駆動信号は配線18を介して共通電極
5に供給されるとともに、配線13を介して画素電極7
に供給される。
【0056】次に、本実施態様にかかる電気泳動表示装
置1の動作について説明する。
【0057】まず、駆動回路3の入力端子17に画像信
号が供給されていない状態においては、共通電極5及び
各画素電極7間には電圧は印加されず、したがって、電
気泳動層6に含まれる電気泳動粒子10を共通電極5又
は画素電極7に移動させるクーロン力は働かない。この
ため、膨潤性層状粘度鉱物が添加された媒質9は静止状
態となって高い粘性を示し、したがって、電気泳動粒子
10は実質的に移動しない。
【0058】次に、駆動回路3の入力端子17に画像信
号が供給されると、駆動回路3は当該画像信号に基づく
画像を電気泳動表示パネル2に表示させるべく、配線1
3及び18を介して共通電極5及び所定の画素電極7を
駆動する。例えば、駆動回路3の入力端子17に供給さ
れた画像信号が、電気泳動表示パネル2の全面に「黒」
を表示させるべき画像信号であれば、駆動回路3は、共
通電極5と全ての画素電極7との間に、共通電極5側を
正とする約10Vの直流電圧を印加するとともに、かか
る直流電圧に10Hz〜100Hzの周波数を有する約
20Vの正弦波交流電圧を重畳する。
【0059】図4は、共通電極5及び画素電極7間に印
加される直流電圧及び交流電圧のタイミングを示すタイ
ミングチャートである。
【0060】図4に示されるように、駆動回路3の入力
端子17に画像信号が供給されると、駆動回路3は、時
刻t0〜t2において、表示を行うべき画素に対応する
画素電極7(ここでは全ての画素電極7)と共通電極5
との間に共通電極5側を正とする約10Vの直流電圧を
印加するとともに、時刻t0〜t1において、共通電極
5と画素電極7との間に10Hz〜100Hzの周波数
を有する約20Vの交流電圧を印加する。特に限定され
ないが、時刻t0〜t2は約0.2秒〜1秒、好ましく
は0.3秒〜0.5秒であり、時刻t0〜t1は約0.
1〜0.5秒、好ましくは0.2秒〜0.4秒である。
尚、電圧の印加は、表示を行うべき画素に対応する行線
11にプラスの電圧を供給して対応するトランジスタ1
4を導通させ、かかる状態において、表示を行うべき画
素に対応する列線12に当該直流電圧及び交流電圧を供
給することにより行う。したがって、電気泳動表示パネ
ル2の全面に「黒」を表示させるためには、全ての行線
11にプラスの電圧を供給して全てのトランジスタ14
を導通させ、かかる状態において、全ての列線12に当
該直流電圧及び交流電圧を供給すればよい。
【0061】このとき、電気泳動層6に含まれる電気泳
動粒子10は、共通電極5側を正とする直流電圧により
生じるクーロン力によって共通電極5側に引き寄せられ
るとともに、共通電極5と各画素電極7との間に印加さ
れた交流電圧により生じるクーロン力によって振動す
る。かかる電気泳動粒子10の振動により、媒質9に添
加されている膨潤性層状粘度鉱物の結合が切断され、そ
の結果、媒質9全体の粘性は急速に低下する。
【0062】図5は、共通電極5及び画素電極7間に印
加される交流電圧の周波数と媒質9の粘性との関係を示
すグラフである。尚、測定条件としては、媒質9として
10gのトリメチルベンゼンを用い、媒質9に添加する
色素として0.5gのアントラキノン系染料(Solv
ent Blue)を用い、媒質9に添加する膨潤性層
状粘度鉱物として2gのスメクタイトを用い、媒質9に
添加する分散剤として0.2gのマリアリムを用い、電
気泳動粒子10として酸化チタンを用いた。
【0063】図5に示されるように、膨潤性層状粘度鉱
物が添加された媒質9は、共通電極5及び画素電極7間
に交流電圧が印加されていない状態では十分に高い粘性
を示している一方、交流電圧が印加されることによって
その粘性が大きく低下する。印加される交流電圧の周波
数と媒質9の粘性との関係は、図5に示されるとおり、
20Hz程度の交流電圧によって媒質9の粘性は十分に
低下し、それ以上の周波数を印加しても、媒質9の粘性
はさほど低下しない。
【0064】このように、共通電極5と所定の画素電極
7との間に印加すべき直流電圧に交流電圧を重畳する
と、媒質9の粘性が大きく低下するために、電気泳動粒
子10は、直流電圧により生じるクーロン力によって素
早く共通電極5側又は画素電極7側に移動することが可
能となる。尚、電気泳動粒子10の移動が始まると、媒
質9に添加されている膨潤性層状粘度鉱物の結合の切断
はさらに促進され、媒質9の粘性は一層低下するので、
図5に示すように、交流電圧を印加する期間は、直流電
圧を印加する期間の初期段階のみで足りる。
【0065】図6は、実質的に全ての電気泳動粒子10
が共通電極5側に移動した状態における電気泳動表示装
置1の断面を示す断面図である。
【0066】図6に示されるように、実質的に全ての電
気泳動粒子10が共通電極5側に移動すると、表示面で
ある保護フィルム8側から見て実質的に全ての電気泳動
粒子10が、黒色を呈する媒質9によって遮蔽され、こ
のため表示面側からは電気泳動表示装置10が視認でき
なくなってしまう。これにより、電気泳動表示パネル2
の全面に「黒色」が表示される。
【0067】このようにして電気泳動粒子10の移動が
完了し、電気泳動表示パネル2の全面に「黒色」が表示
されると、共通電極5及び各画素電極7間は、再び電圧
が印加されない状態となる。このため、膨潤性層状粘度
鉱物が添加された媒質9は再び静止状態となって高い粘
性を示し、電気泳動粒子10は実質的に移動できなくな
る。すなわち、電気泳動表示パネル2の表示内容は、き
わめて長期間にわたって維持される。
【0068】次に、駆動回路3の入力端子17に別の画
像信号が供給されると、駆動回路3は当該画像信号に基
づく画像を電気泳動表示パネル2に表示させるべく、再
び、配線13及び18を介して共通電極5及び所定の画
素電極7を駆動する。すなわち、駆動回路3の入力端子
17に供給された画像信号が、電気泳動表示パネル2の
所定の部分、例えば画素電極7全体のうち、画素電極7
−1及び画素電極7−2が設けられた部分のみに「白」
を表示させ、その他の部分に「黒」を表示させるべき画
像信号であれば、駆動回路3は、配線13及び18を介
して共通電極5と画素電極7−1及び7−2との間に、
画素電極7−1及び7−2側を正とする約10Vの直流
電圧を印加するとともに、かかる直流電圧に10Hz〜
100Hzの周波数を有する約20Vの正弦波交流電圧
を重畳する。具体的には、画素電極7−1及び7−2に
対応する行線11にプラスの電圧を供給して対応するト
ランジスタ14を導通させ、かかる状態において、画素
電極7−1及び7−2に対応する列線12に当該直流電
圧及び交流電圧を供給すればよい。共通電極5と画素電
極7−1及び7−2との間に印加される直流電圧及び交
流電圧のタイミングは、図4に示したとおりである。
【0069】これにより、電気泳動層6に含まれる電気
泳動粒子10のうち、共通電極5と画素電極7−1及び
7−2との間に位置する電気泳動粒子10は、画素電極
7−1及び7−2側を正とする直流電圧により生じるク
ーロン力によって画素電極7−1及び7−2側に引き寄
せられるとともに、共通電極5と画素電極7−1及び7
−2との間に印加された交流電圧により生じるクーロン
力によって振動する。かかる電気泳動粒子10の振動に
より、共通電極5と画素電極7−1及び7−2との間に
おいて、媒質9に添加されている膨潤性層状粘度鉱物の
結合が切断され、その結果、共通電極5と画素電極7−
1及び7−2との間に位置する媒質9の粘性が急速に低
下する。一方、他の部分に位置する電気泳動粒子10
は、このようなクーロン力を実質的に受けないので、共
通電極5側及び画素電極7側のいずれにも実質的に移動
せず、また、実質的に振動もしない。このため、共通電
極5と画素電極7−1及び7−2との間以外の部分にお
いて、媒質9に添加されている膨潤性層状粘度鉱物の結
合が切断されることは実質的になく、そのため、共通電
極5と画素電極7−1及び7−2との間以外の部分に位
置する媒質9の粘性は高く保たれる。
【0070】このように、共通電極5と画素電極7−1
及び7−2との間に位置する媒質9の粘性が大きく低下
するために、共通電極5と画素電極7−1及び7−2と
の間に位置する電気泳動粒子10は、直流電圧により生
じるクーロン力によって素早く画素電極7−1及び7−
2側に移動する。
【0071】図7は、一部の電気泳動粒子10が画素電
極7−1及び7−2側に移動した状態における電気泳動
表示装置1の断面を示す断面図である。
【0072】図7に示されるように、共通電極5と画素
電極7−1及び7−2との間に位置する電気泳動粒子1
0が画素電極7−1及び7−2側に移動し、他の電気泳
動粒子10が共通電極5側にとどまると、表示面である
保護フィルム8側から見て画素電極7−1及び7−2に
対応する部分においては、白色を呈する電気泳動粒子1
0が媒質9によって遮蔽されることなく視認することが
でき、その他の部分においては、電気泳動粒子10が黒
色を呈する媒質9によって遮蔽され、視認できなくなっ
てしまう。これにより、電気泳動表示パネル2の全面の
うち、画素電極7−1及び画素電極7−2が設けられた
部分のみが白く表示され、その他の部分は黒くを表示さ
れる。
【0073】このようにして電気泳動粒子10の移動が
完了し、電気泳動表示パネル2に上記表示がされると、
共通電極5及び画素電極7−1及び7−2間は、再び電
圧が印加されない状態となる。このため、膨潤性層状粘
度鉱物が添加された媒質9は再び静止状態となって高い
粘性を示し、電気泳動粒子10は実質的に移動できなく
なる。すなわち、電気泳動表示パネル2の表示内容がき
わめて長期間にわたって維持される。
【0074】このようにして、電気泳動表示パネル2に
所望の画像(文字・図形)を表示させることができる。
【0075】このように、本実施態様による電気泳動表
示装置1においては、共通電極5とび画素電極7との間
に直流電圧を印加して電気泳動粒子10を共通電極5又
は画素電極7に移動させるに際し、当該直流電圧に交流
電圧を重畳させることによって媒質9の粘性を低下させ
ているので、僅かなクーロン力によって電気泳動粒子1
0を移動させることが可能となる。このため、駆動回路
3が取り扱う電圧を低くすることができるので、消費電
力を低減することができるとともに、駆動回路3のコス
トを低減することが可能となり、さらに、表示速度の高
速化を図ることができる。しかも、媒質9の粘性が低下
されるのは、電気泳動粒子10が共通電極5又は画素電
極7へ移動する場合のみであり、電気泳動粒子10が移
動しない場合には、媒質9の粘性は高く保たれるので、
一旦表示された表示内容は、長期間にわたって保持され
る。すなわち、本実施態様による電気泳動表示装置1に
よれば、表示内容の長期間にわたる保持と、表示速度の
高速化を両立することが可能となる。
【0076】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0077】例えば、上記実施態様にかかる電気泳動表
示装置1においては、色素の添加により黒色を呈する媒
質9と白色を呈する電気泳動粒子10とによって電気泳
動層6が構成されているが、これらの明度は逆、すなわ
ち、色素の添加により白色を呈する媒質9と黒色を呈す
る電気泳動粒子10とによって電気泳動層6を構成して
もよい。さらに、これら色の組み合わせは白と黒に限定
されず、他の組み合わせ、例えば、赤と青であってもよ
い。また、媒質9と電気泳動粒子10とを用いて電気泳
動層6を構成することは必須ではなく、例えば、互いに
異なる色彩を有する2種類の粒子(一方が電気泳動粒子
である)を用いて、電気泳動層6を構成してもよい。さ
らに、所定の色彩、例えば黒色である媒質中に、これと
異なる色彩、例えば白色である導電性粒子が封入された
マイクロカプセルを用い、かかるマイクロカプセルを多
数封入することによって電気泳動層6を構成してもよ
い。
【0078】また、上記実施態様にかかる電気泳動表示
装置1においては、電気泳動層6に含まれる電気泳動粒
子として、マイナスの電荷を帯びた電気泳動粒子10を
用いているが、電気泳動粒子10が帯びる電荷はマイナ
スである必要はなく、プラスであってもよい。電気泳動
粒子10がプラスの電荷を帯びている場合、当該電気泳
動粒子10はマイナスの電圧が供給された電極に引き寄
せられるので、上記実施態様にかかる電気泳動表示装置
1において説明した各電極に、上記説明とは逆の極性の
電圧を与えることにより、上記実施態様にかかる電気泳
動表示装置1と同様の機能を果たすことができる。ま
た、電気泳動粒子10は、導電性であってもよく、絶縁
性であってもよい。
【0079】さらに、上記実施態様にかかる電気泳動表
示装置1における電気泳動層6と各画素電極7との間
に、P型半導体の性質を有する電荷輸送層を介在させて
もよい。このような電荷輸送層を介在させることによ
り、電圧が印加されなくなった後において、より長時間
にわたり表示内容を維持することが可能となる。尚、上
述のように電気泳動粒子10がプラスの電荷を帯びてい
る場合は、介在させる電荷輸送層としては、N型半導体
の性質を有する必要がある。
【0080】また、上記実施態様にかかる電気泳動表示
装置1において、電気泳動層5の内部を仕切るセパレー
タを設け、セル構造としてもよい。また、セル構造とす
る場合においても、セパレータを設けることは必須では
なく、例えば、第1の可撓性フィルムと、第1の可撓性
フィルムによって閉塞された複数の袋状部を有する第2
の可撓性フィルムとを、共通電極5が形成された基板4
と画素電極7が形成された保護フィルム8との間に挟持
し、当該閉塞された袋状部の内部空間に、色素及び膨潤
性層状粘度鉱物が添加された媒質9と、電気泳動粒子1
0とを封入することによってセル構造を実現してもよ
い。この場合、第1及び第2の可撓性フィルムの材料と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、ア
クリル、ポリエステル、フッ素樹脂、ナイロン、ポリ塩
化ビニル等の樹脂フィルムをを用いることができ、第2
の可撓性フィルムに複数の袋状部を形成する方法として
は、金型を用いたプレス加工を適用することができる。
さらに、第2の可撓性フィルムに形成された複数の袋状
部を閉塞する方法としては、当該袋状部の内部空間に、
色素及び膨潤性層状粘度鉱物が添加された媒質9と、電
気泳動粒子10とを導入した後、第2の可撓性フィルム
の上方(袋状部が形成された側と反対側)から第1の可
撓性フィルムを被せ、この状態で第1の可撓性フィルム
及び第2の可撓性フィルムの接触部を加熱し、これらの
接触部分を熱圧着すればよい。さらに、第1の可撓性フ
ィルムと、第1の可撓性フィルムによって閉塞された複
数の袋状部を有する第2の可撓性フィルムとを、共通電
極5が形成された基板4と画素電極7が形成された保護
フィルム8との間に挟持する際、これらの間を例えば1
〜10Pa程度の減圧状態とすることが好まし
い。これにより、袋状部によって仕切られる各セルは押
しつぶされて変形し、隣り合う袋状部同士は実質的に密
着状態となる。つまり、基板4及び共通電極5からなる
下面パネルと画素電極7及び保護フィルム8からなる上
面パネルとの間は、実質的に隙間なくセルによって満た
されることになる。さらに、第1の可撓性フィルムと、
第1の可撓性フィルムによって閉塞された複数の袋状部
を有する第2の可撓性フィルムとを、共通電極5が形成
された基板4と画素電極7が形成された保護フィルム8
との間に挟持する際、第2の可撓性フィルムの袋状部の
外側に、バインダを塗布することが好ましい。このよう
に、第2の可撓性フィルムの袋状部の外側にバインダを
塗布すると、第1の可撓性フィルム及び第2の可撓性フ
ィルムからなる電気泳動層に圧力が印加され、且つ、減
圧状態とされることによって隣り合う袋状部同士が密着
状態となった際に、密着状態となった袋状部同士が接着
され、これにより各セルの強度が高くなる。したがっ
て、電気泳動表示パネル2が完成した後、例えば実使用
状態において電気泳動表示パネル2が大きく曲げられた
り強く押し付けられたりして、セルに対し強い外力が加
わった場合にも、袋状部が破損し、セル内に封入された
媒質9及び電気泳動粒子10がセル外へ流出する危険性
が低くなる。
【0081】さらに、上記実施態様にかかる電気泳動表
示装置1では、上部電極である画素電極7のみをマトリ
クス構造とし、下部電極である共通電極5をマトリクス
構造とはしていないが、下部電極をもマトリクス構造と
してもよい。上部電極及び下部電極の両方をマトリクス
構造とすれば、電気泳動粒子10をより動的に移動させ
ることができるので、例えば、電気泳動表示パネル2に
動画を表示させる場合に好適である。
【0082】また、上記実施態様にかかる電気泳動表示
装置1においては、電気泳動粒子10を移動させる際
に、約10Vの直流電圧を共通電極5と画素電極7との
間に印加しているが、かかる直流電圧は10Vに限定さ
れるものではない。同様に、電気泳動粒子10を移動さ
せる際、上記直流電圧に約20Vの正弦波交流電圧を重
畳しているが、かかる交流電圧は20Vに限定されるも
のではない。
【0083】また、上記実施態様にかかる電気泳動表示
装置1においては、直流電圧に重畳される交流電圧の電
圧波形が正弦波状であるが、これに限定されるものでは
なく、他の形状、例えば、パルス状やのこぎり波状等で
あってもよい。
【0084】さらに、上記実施態様にかかる電気泳動表
示装置1においては、直流電圧に重畳される交流電圧の
周波数を10Hz〜100Hzとしたが、これに限定さ
れるものではなく、他の周波数であってもよい。ただ
し、10Hzに満たないと媒質9の粘性を低下させる効
果に乏しく、逆に、100Hzを越えると媒質9の粘性
を低下させる効果がそれ以上あがらないため、無駄に消
費電力を増大させる結果となる。このため、重畳する交
流電圧の周波数は10Hz〜100Hzが好ましい。
【0085】また、上記実施態様にかかる電気泳動表示
装置1においては、直流電圧の印加と同時に交流電圧の
重畳を開始し、直流電圧の印加の途中で交流電圧の重畳
を終了させているが、交流電圧の重畳のタイミングはこ
れに限定されるものではない。例えば、直流電圧が印加
される直前に、前もって交流電圧を印加してもよく、ま
た、直流電圧が印加されている間ずっと交流電圧を重畳
し続けてもよい。ただし、消費電力を考慮すれば、図4
に示されるように、直流電圧の印加と同時に交流電圧の
重畳を開始し、直流電圧の印加の途中で交流電圧の重畳
を終了させることが効果的である。
【0086】さらに、本発明において、手段とは、必ず
しも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能
がソフトウエアによって実現される場合も包含する。さ
らに、一つの手段の機能が二以上の物理的手段により実
現されても、二以上の手段の機能が一つの物理的手段に
より実現されてもよい。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
表示内容を長期間にわたって保持することができるとと
もに、消費電力が低減されるとともに、コストが低減さ
れ、さらに表示速度の速い電気泳動表示装置及びその駆
動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる電
気泳動表示装置1を示す断面図である。
【図2】図2は、スメクタイトの単位構造を示す図であ
る。
【図3】図3は、画素電極7の回路図である。
【図4】図4は、共通電極5及び画素電極7間に印加さ
れる直流電圧及び交流電圧のタイミングを示すタイミン
グチャートである。
【図5】図5は、共通電極5及び画素電極7間に印加さ
れる交流電圧の周波数と媒質9の粘性との関係を示すグ
ラフである。
【図6】図6は、実質的に全ての電気泳動粒子10が共
通電極5側に移動した状態における電気泳動表示装置1
の断面を示す断面図である。
【図7】図7は、一部の電気泳動粒子10が画素電極7
−1及び7−2側に移動した状態における電気泳動表示
装置1の断面を示す断面図である。
【符号の説明】
1 電気泳動表示装置 2 電気泳動表示パネル 3 駆動回路 4 基板 5 共通電極 6 電気泳動層 7 画素電極 8 保護フィルム 9 媒質 10 電気泳動粒子 11 行線 12 列線 13 配線 14 トランジスタ 15 行線制御回路 16 列線制御回路 17 入力端子 18 配線

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の電荷を帯びた第1の表示体及び前
    記第1の表示体とは異なる色を有する第2の表示体とが
    少なくとも封入された電気泳動層を備える電気泳動表示
    装置であって、クーロン力を用いて前記第1の表示体を
    移動させるに際して前記第1の表示体を振動させ、これ
    によって前記第2の表示体が有する粘性を低下させるこ
    とを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の表示体には、チクソトロピッ
    クな性質を付与する物質が添加されていることを特徴と
    する請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  3. 【請求項3】 前記物質が、膨潤性層状粘度鉱物である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気泳動表示装置。
  4. 【請求項4】 第1及び第2の電極と、前記第1及び第
    2の電極間に設けられた電気泳動層と、前記第1及び第
    2の電極間に直流電圧を印加する直流電圧印加手段と、
    前記第1及び第2の電極間に交流電圧を印加する交流電
    圧印加手段とを備える電気泳動表示装置。
  5. 【請求項5】 前記交流電圧印加手段により前記第1及
    び第2の電極間に前記交流電圧が印加される期間が、少
    なくとも前記直流電圧印加手段により前記第1及び第2
    の電極間に前記直流電圧が印加される初期段階であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の電気泳動表示装置。
  6. 【請求項6】 前記交流電圧印加手段により前記第1及
    び第2の電極間に印加される前記交流電圧の周波数が、
    10Hz〜100Hzであることを特徴とする請求項4
    又は5に記載の電気泳動表示装置。
  7. 【請求項7】 前記電気泳動層には、媒質及び電気泳動
    粒子が含まれており、前記媒質にはチクソトロピックな
    性質を付与する物質が添加されていることを特徴とする
    請求項4乃至6のいずれか1項に記載の電気泳動表示装
    置。
  8. 【請求項8】 第1及び第2の電極と、前記第1及び第
    2の電極間に設けられた電気泳動層とを備える電気泳動
    表示装置の駆動方法であって、前記第1及び第2の電極
    間に直流電圧を印加するとともに、前記直流電圧に交流
    電圧を重畳することを特徴とする電気泳動表示装置の駆
    動方法。
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