JPWO2008007651A1 - ヒドラジン供給装置、それを用いた燃料電池システムおよびその燃料電池システムを搭載した車両、ならびにヒドラジン供給方法 - Google Patents

ヒドラジン供給装置、それを用いた燃料電池システムおよびその燃料電池システムを搭載した車両、ならびにヒドラジン供給方法 Download PDF

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Abstract

ヒドラジン供給装置1は、ヒドラジンを脱離可能に固定化しうるヒドラジン固定化槽2と、ヒドラジン固定化槽2に固定化されたヒドラジンを脱離させるために、水またはアルカリ水溶液を供給するための水/アルカリタンク3とを備えることにより、ヒドラジンを、安定して貯蔵し、供給することができる。そのため、ヒドラジンの供給が必要な各種産業分野において、広く用いることができる。また、燃料電池システム10および車両14は、ヒドラジン供給装置1と、燃料電池13を備えることにより、燃料として、ヒドラジンを安全に利用することができ、環境への負荷を低減することができる。

Description

本発明は、ヒドラジン供給装置、それを用いた燃料電池システムおよびその燃料電池システムを搭載した車両、ならびにヒドラジン供給方法、詳しくは、ヒドラジンが必要な各種産業分野で用いられる、ヒドラジン供給装置、それを用いた燃料電池システムおよびその燃料電池システムを搭載した車両、ならびにヒドラジン供給方法に関する。
現在まで、ヒドラジンは、プラスチック発泡剤製造原料、清缶剤、還元剤、重合触媒および各種誘導体、試薬、農薬、水処理剤、ロケット燃料など、広範な産業分野で用いられており、現在も各種産業分野での利用が検討されている。
例えば、燃料電池の燃料としてヒドラジンを利用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載される燃料電池では、発電反応に伴って二酸化炭素(CO)が発生せず、環境への負荷を低減することができるため、その実用化が望まれている。
しかし、ヒドラジンは、加熱するか、火えんと接触させるか、あるいは、酸化剤と反応させると、爆発するおそれがある。また、金属、金属酸化物または多孔性物質と激しく反応して、火災や爆発のおそれもある。さらに、強アルカリ性であり、皮膚・粘膜に対する刺激性がある。そのため、ヒドラジンの取り扱いには、常に慎重が要求される。
例えば、ヒドラジン標準液を、紫外線を透過させにくいアンプル容器内に密閉状態で収容することにより、保存することが提案されている(例えば、特許文献2参照)
国際公開パンフレットWO2003/056649 特開平9−21731号公報
しかし、特許文献2に記載されるヒドラジン標準液の保存方法は、試験分析に用いられるヒドラジン標準液を保存する方法であって、アンプル容器内に密閉状態で収容するものであり、その他の産業分野において、工業原料などとして保存し、使用する場合には、全く不向きである。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その主たる目的は、ヒドラジンを、安定して貯蔵し、供給することができるヒドラジン供給装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、燃料として、ヒドラジンを安全に利用することができる燃料電池システムを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、燃料としてヒドラジンを安全に利用することができ、環境への負荷を低減することができる車両を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、ヒドラジンを、安定して貯蔵し、供給することのできるヒドラジン供給方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のヒドラジン供給装置は、ヒドラジンを固定化するための固定化槽と、前記固定化槽に固定化されたヒドラジンを脱離させるための脱離ユニットとを備えることを特徴としている。
また、本発明のヒドラジン供給装置では、前記固定化槽にヒドラジンを供給するための原料供給ユニットを備えることが好適である。
また、本発明のヒドラジン供給装置では、前記固定化槽は、ヒドラジンを脱離可能に固定化するヒドラジン固定基を有する高分子を含むことが好適である。
また、本発明のヒドラジン供給装置では、前記固定化槽は、ヒドラジンを脱離可能なヒドラジン脱離基を有する高分子を含むことが好適である。
また、本発明の燃料電池システムは、前記ヒドラジン供給装置と、前記ヒドラジン供給装置から供給されるヒドラジンを燃料とする燃料電池とを備えることを特徴としている。
また、本発明の燃料電池システムでは、車載可能であることが好適である。
また、本発明の車両は、前記燃料電池システムを搭載していることを特徴としている。
また、本発明のヒドラジン供給方法は、ヒドラジンを固定化するための固定化工程と、前記固定化工程において固定化されたヒドラジンを脱離させて供給するための供給工程とを備えることを特徴としている。
さらに、本発明のヒドラジン供給方法では、ヒドラジンを固定化するために供給する原料供給工程を備えることが好適である。
本発明のヒドラジン供給装置およびヒドラジン供給方法によれば、ヒドラジンを、安定して貯蔵し、供給することができる。そのため、ヒドラジンの供給が必要な各種産業分野において、広く用いることができる。また、本発明の燃料電池システムおよびそれを搭載した車両によれば、燃料として、ヒドラジンを安全に利用することができる。そのため、ヒドラジンを燃料とする燃料電池システムが必要な各種産業分野において、広く用いることができる。また、燃料がヒドラジンであれば、発電に伴い二酸化炭素(CO)が発生しないため、環境への負荷を低減することもできる。
本発明のヒドラジン供給装置の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明の燃料電池システムの一実施形態である車載用燃料電池システムの概略構成図であって、図2(a)はヒドラジンの固定化工程、図2(b)はヒドラジンの供給工程を示している。 燃料電池システム10の変形例を示す図である。 燃料側電極の活性測定の結果を示すグラフである。
発明の実施形態
図1は、本発明のヒドラジン供給装置の一実施形態を示す概略構成図である。以下の説明において、特記しない限り、ヒドラジンという場合には、水加ヒドラジン(ヒドラジンヒドラート)および無水ヒドラジンのいずれをも指すものとする。
図1において、このヒドラジン供給装置1は、ヒドラジンを貯蔵し、供給することができる装置であって、固定化槽としてのヒドラジン固定化槽2、脱離ユニットとしての水/アルカリタンク3、水/アルカリ供給ライン4、原料供給ユニットとしての原料供給ライン5、およびヒドラジン供給ライン6を備えている。
ヒドラジン固定化槽2は、ケーシング7と、ケーシング7の中に収容されるヒドラジン固定部材8とを備えている。
ケーシング7は、ヒドラジンを貯蔵するための容器であって、例えば、ステンレス鋼板、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など、ヒドラジンに対して化学的に安定な公知の材料から構成される。
ケーシング7には、上流側がヒドラジン供給源に接続されている原料供給ライン5の下流側端部が接続されている。
原料供給ライン5には、図示しない開閉弁が設けられており、この開閉弁を開くことにより、ヒドラジンは、ヒドラジン供給源から原料供給ライン5を通って、ケーシング7内に供給される。
また、ケーシング7には、上流側が水/アルカリタンク3に接続されている水/アルカリ供給ライン4の下流側端部が接続されている。
水/アルカリタンク3は、水またはアルカリ水溶液(例えば、KOH水溶液、NaOH水溶液など)を貯蔵するための容器であって、例えば、ステンレス鋼板、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など、水やアルカリ水溶液に対して化学的に安定な公知の材料から構成される。
また、水/アルカリ供給ライン4には、図示しない開閉弁が設けられており、この開閉弁を開くことにより、水/アルカリタンク3に貯蔵される水やアルカリ水溶液を、水/アルカリ供給ライン4を介してケーシング7内に供給することができる。
また、ケーシング7には、図示しない攪拌機が備えられており、ケーシング7内に供給された水やアルカリ水溶液を適宜攪拌することができる。
さらに、ケーシング7には、ヒドラジン供給ライン6が接続されている。
ヒドラジン供給ライン6には、図示しない開閉弁が設けられており、この開閉弁を開くことにより、後述するように、ケーシング7においてヒドラジン固定部材8から脱離されたヒドラジンを、ヒドラジン供給ライン6を介してヒドラジンを必要とする供給先、例えば、ヒドラジンを燃料とする燃料電池などに供給することができる。
また、ケーシング7とヒドラジン供給ライン6との接続部分には、フィルタ(膜)25が設けられている。
フィルタ25は、ヒドラジンとヒドラジン固定部材8とを、それらの分子の大きさにより分離することができる膜(例えば、限外濾過膜などの公知の分子篩膜など)や、ケーシング7内の不純物もしくは劣化して浮遊している樹脂などを捕獲することができるフィルタであれば、特に制限されない。ヒドラジン固定部材8として、水溶性またはアルカリ溶解性物質が用いられていても、フィルタ25が設けられていれば、供給先に特に必要のないヒドラジン固定部材8は、フィルタ25で分離されるため、ヒドラジン固定部材8がヒドラジン供給ライン6側に流れ出ることを防止することができる。また、ケーシング7内の不純物などが流れ出ることも防止できる。
なお、必要により、ケーシング7を温めることができるヒータ9が、ケーシング7の下部を被覆するように設けられる。
ヒドラジン固定部材8は、ケーシング7に収容され、ヒドラジンを固定化および脱離することができる合成樹脂(合成高分子)または天然物質であって、例えば、ヒドラジンを脱離可能なヒドラジン脱離基を有している。
ヒドラジン脱離基は、ヒドラジンを脱離可能に含んでいれば、特に制限されず、例えば、ヒドラゾン基(C=N−NH)、ヒドラジッド基(−CONH−NH)、ヒドラジノ基(C−NH−NH)、アジン基(−C=N−N=C−)などが挙げられる。
このようなヒドラジン脱離基は、特に制限されないが、例えば、ヒドラジンを脱離可能に固定化するヒドラジン固定基に、ヒドラジンが固定化されることにより、形成されている。
ヒドラジン固定基は、ヒドラジンを固定化できれば、特に制限されないが、例えば、ケトン基、ホルミル基、アセタール基、ハロゲノメチル基、ハロゲノアルキル基、アミド基、エステル基、スルフォニルクロライド基、アミジノ基、第4級アンモニウム基などが挙げられる。
そして、ヒドラジン脱離基は、このようなヒドラジン固定基に、例えば、ヒドラジンヒドラードを添加して溶剤分散下または溶剤に溶解させた状態で、攪拌することにより、形成することができる。つまり、ヒドラジン脱離基を有するヒドラジン固定部材8(ヒドラジン貯蔵樹脂)は、ヒドラジン固定基を有する合成樹脂(ヒドラジン固定化樹脂)に、ヒドラジンを添加して、攪拌することにより、得ることができる。
ヒドラジン貯蔵樹脂を構成するヒドラジン固定化樹脂は、上記したヒドラジン固定基が導入されていれば、特に制限されず、例えば、ヒドラジン固定基を含有するモノマー(ヒドラジン固定基含有モノマー)のホモポリマーまたはコポリマーを合成することにより、合成樹脂に当初からヒドラジン固定基が導入されているものや、あるいは、既存の合成樹脂を後処理することにより、合成樹脂に後からヒドラジン固定基が導入されているものなどが挙げられる。このようなヒドラジン貯蔵樹脂は、主鎖または主鎖から枝分れする側鎖に、ヒドラジン脱離基が導入されている。
前者の例として、例えば、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン、および主鎖の構成構造が環状アルキル、芳香族、複素環である場合それらの構造中にカルボニル基、ホルミル基、クロルメチル基、ハロゲノメチル基、アミド基、エステル基を有する構造などが挙げられる。
また、前者の例としては、例えば、ヒドラジン固定基含有ビニルモノマー(例えば、アクロレイン、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、p−アセチルアルキレンオキシスチレン、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、p−スルフォン化スチレン、p−クロルメチル化スチレン、p−アルキルオキシカルボニルスチレンなど)のラジカル単独重合またはラジカル共重合により得られる、主鎖が炭化水素(炭素−炭素結合)系のポリマー(ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ABS樹脂、アイオノマー)などが挙げられる。
さらに、前者の例としては、例えば、官能基を有するヒドラジン固定基含有化合物(例えば、アセチルエチルエチレングリコールなどのヒドラジン固定基含有多価アルコール、アセチルエチルエチレンジアミン、アセチルエチルエチレンジカルボン酸、アセチルエチルエチレンジクロライドなど)と、その官能基と反応可能な反応性官能基を有する反応性官能基含有化合物との、縮合重合、重縮合、重付加、付加縮合により得られる、主鎖が、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリアミドイミド系、ポリイミド系のポリマーなどが挙げられる。
また、後者の例としては、例えば、芳香環を有するポリマー(例えば、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルスルフォン、液晶ポリマーなど)において、その芳香環、縮合芳香環、複素環、複素環と縮合する芳香環に、ケトン基、ハロゲノメチル基、ハロアルキル基、ホルミル基またはエステル基などのヒドラジン固定基を導入することにより得られるポリマーが挙げられる。
また、ヒドラジン貯蔵樹脂は、ヒドラジンが親水性であることから、親水性樹脂であることが好適である。ヒドラジン貯蔵樹脂を親水性樹脂とするには、例えば、ポリオキシエチレンなどの親水性ユニットを主鎖に導入するか、あるいは、主鎖から枝分れする側鎖に、親水性基を導入する。ポリマー設計の自由度を考慮すると、後者が好適である。親水性基としては、水酸基、カルボキシル基、スルフォン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、リン酸基、アミド基、第4級アンモニウム基などが挙げられる。
主鎖から枝分れする側鎖に親水性基を導入するには、例えば、上記したラジカル共重合において、親水性ビニルモノマー(後述)を共重合させる、また、例えば、ポリ酢酸ビニルをケン化する、などの方法が挙げられる。また、上記した縮合重合などにおいて、反応性官能基と親水性基とを併有する化合物(例えば、ジメチロールプロピオン酸など)を、同時に反応させる方法などが挙げられる。
次に、ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化方法(固定化工程)、および、固定化工程において、ヒドラジンが固定化されたヒドラジン固定化樹脂(ヒドラジン貯蔵樹脂)からヒドラジンを脱離させて供給する方法(供給工程)について、上記した主鎖の種類に対応して、より具体的に説明する。
(1)炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂
炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂は、まず、ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーを単独重合させるか、あるいは、ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーと、そのヒドラジン固定基含有ビニルモノマーと共重合可能な共重合ビニルモノマーとを共重合させることにより、炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂を合成し、次いで、その炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂に、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、得ることができる。なお、ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーと共重合する共重合ビニルモノマーとしては、架橋剤として、炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂の親水性を制御するとともに、炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂に機械強度を付与すべく、後述する架橋性ビニルモノマーを使用することができる。
(1−1)炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂の合成
ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーは、ヒドラジン固定基とビニル基とを併有するモノマーであって、例えば、アクロレイン、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、p−アセチルメチルスチレン、p−アセチルスチレン、アクリル酸メチル、p−クロルメチルスチレン、o−アセチルメチルビニルアルコール、o−アセチルメチルアリルアルコール、N−アセチルメチルビニルピリジンなどが挙げられる。これらヒドラジン固定基含有ビニルモノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
共重合ビニルモノマーとしては、ビニル基を有し、ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーと共重合可能であれば、特に制限されず、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンおよびその誘導体、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸エステル誘導体、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン系ビニル類、例えば、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類、例えば、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、例えば、ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル類、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸およびその誘導体などが挙げられる。これら共重合ビニルモノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
また、上記したように、炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂(炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂)に、親水性を付与すべく、共重合ビニルモノマーとして、親水性ビニルモノマーを共重合させることが好適である。
親水性ビニルモノマーは、例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、リン酸基などのイオン性解離基とビニル基とを併有するモノマーであって、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。これら親水性ビニルモノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
さらに、炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂(炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂)に、機械強度を付与すべく、共重合ビニルモノマーとして、架橋性ビニルモノマーを共重合させることもできる。
架橋性ビニルモノマーは、複数のビニル基を有するモノマーであって、例えば、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジまたはトリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)メタクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルなどが挙げられる。これら架橋性ビニルモノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
そして、炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂は、必須成分として、ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーを配合し、また、必要により、任意成分として、共重合ビニルモノマー、好ましくは、親水性ビニルモノマーおよび/または架橋性ビニルモノマーを配合して、ラジカル重合することにより、得ることができる。
ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーに対する共重合ビニルモノマー(親水性ビニルモノマーや架橋性ビニルモノマー)の配合割合は、ヒドラジンの供給量や要求物性などにより、適宜選択されるが、例えば、ヒドラジン固定基含有ビニルモノマー中の固定基に対して、共重合ビニルモノマーが、当量比で、例えば、1:0.01〜100、好ましくは、1:0.1〜10、さらに好ましくは、1:0.5〜2である。より具体的には、ビニルポリマー中の固定基に対して、親水性ビニルモノマーが、当量比で、例えば、1:0.01〜100、好ましくは、1:0.1〜10、さらに好ましくは、1:0.5〜2である。また、ヒドラジン固定基含有ビニルポリマーと親水性ビニルモノマーの合計100重量部に対して、架橋性ビニルモノマーが、例えば、0.1〜100重量部、好ましくは、1〜10重量部である。
ラジカル重合は、特に制限されず、例えば、ラジカル重合開始剤を添加して、水溶液重合法、逆相懸濁重合法など公知の方法により実施することができる。
ラジカル重合開始剤は、特に制限されず、例えば、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)などのアゾ系重合開始剤、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどのパーオキサイド系重合開始剤、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、例えば、過酸化水素と還元剤(アスコルビン酸など)とを組合せるレドックス系開始剤などが挙げられる。
また、ラジカル重合では、その反応温度は、上記したラジカル重合開始剤のラジカル生成温度以上であれば特に制限されないが、例えば、−10〜200℃、好ましくは、10〜100℃の範囲とされる。但し、レドックス系開始剤を用いれば、室温程度で重合することもできる。
なお、炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂については、ケーシング7の外部で合成することができる。この場合は、炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂を合成した後に、得られた炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂をケーシング7内に収容し、ケーシング7内で、後述するように、ヒドラジンを固定化すればよい。
(1−2)炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
上記により得られた炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂に、ヒドラジンを固定化するには、炭化水素系ヒドラジン固定化樹脂中の固定化基(ケトン基)に対して、適当量(好ましくは当量以上)のヒドラジンを原料供給ライン5から添加し、ヒータ9で、例えば、室温〜100℃に温め、攪拌機(図示せず)で、例えば、10分〜48時間攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、固定化基(ケトン基)にヒドラジンが固定化された炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
(1−3)炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離およびヒドラジンの供給
上記により得られた、炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂からヒドラジンを脱離させるには、例えば、ケーシング7内に、水/アルカリタンク3に貯蔵されている水またはアルカリ水溶液(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を供給し、炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂が、供給した液に分散される。すると、炭化水素系ヒドラジン貯蔵樹脂に固定化されているヒドラジンが脱離する。
そして、ヒドラジン貯蔵樹脂から脱離したヒドラジンを、供給先に供給するには、開閉弁(図示せず)を開くことにより、ヒドラジン供給ライン6を介して当該供給先に供給する。
(2)ポリアクリルアミド系およびポリアクリル酸エステル系ヒドラジン貯蔵樹脂
ポリアクリルアミド系およびポリアクリル酸エステル系ヒドラジン貯蔵樹脂は、まず、アクリルアミドをラジカル重合して、ポリアクリルアミドを合成し、次いで、そのポリアクリルアミドに、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、得ることができる。
またポリアクリル酸エステル系(ポリメタクリル酸エステル系)ヒドラジン貯蔵樹脂は、まず、アクリル酸エステル(メタクリル酸エステル)をラジカル重合して、ポリアクリル酸エステル(ポリメタクリル酸エステル)を合成し、次いでヒドラジンを反応させることによって、ポリアクリル酸ヒドラジッドとしてヒドラジンを固定化することにより、得ることができる。
(2−1)ポリアクリルアミド系およびポリアクリル酸エステル系ヒドラジン固定化樹脂の合成
ポリアクリルアミド系ヒドラジン固定化樹脂は、アクリルアミドを水に配合して、アクリルアミド水溶液を調製した後、そのアクリルアミド水溶液にラジカル重合開始剤を添加して、アクリルアミドをラジカル重合させると、ポリアクリルアミドを得る。
ラジカル重合は、特に制限されず、上記と同様の方法により実施することができる。また、例えば、ラジカル重合開始剤として、過酸化ベンゾイルや過酸化水素などのパーオキサイド系重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルなどのアゾ系重合開始剤などが用いられる。
その後、例えば、アルコール類を加えて沈殿させ、これを濾過により分離して、ポリアクリルアミド系ヒドラジン固定化樹脂を得る。
ポリアクリル酸エステル系ヒドラジン固定化樹脂は、アクリル酸エステルにAIBNなどのラジカル重合開始剤を添加して重合させることによって得る。
なお、ポリアクリルアミド系ヒドラジン固定化樹脂についても、上記と同様に、ケーシング7の外部で合成することができる。
(2−2)ポリアクリルアミド系およびポリアクリル酸エステル系ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
上記により得られたポリアクリルアミド系ヒドラジン固定化樹脂に、ヒドラジンを固定化するには、ポリアクリルアミド系ヒドラジン固定化樹脂中の固定化基(アミド基)に対して、適当量(好ましくは当量以上)のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、固定化基(アミド基)にヒドラジンが固定化されたヒドラジン貯蔵樹脂(ポリアクリル酸ヒドラジッド)を得る。
また上記で得られたポリアクリル酸エステル系ヒドラジン固定化樹脂にヒドラジンを固定化するには、ポリアクリル酸エステル系ヒドラジン固定化樹脂を微粉砕するか、溶剤に溶解して、ポリアクリル酸エステル系ヒドラジン固定化樹脂中の固定化基(エステル基)に対して、当量以上のヒドラジンを添加し、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、溶剤を留去するか大量の貧溶剤に投入して、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、固定化基(エステル基)にヒドラジンが固定化されたポリアクリルエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂(ポリアクリル酸ヒドラジッド)を得る。
(2−3)ポリアクリルアミド系およびポリアクリル酸エステル系ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離およびヒドラジンの供給
上記により得られた、ポリアクリル酸ヒドラジッド系ヒドラジン貯蔵樹脂からヒドラジンを脱離させるには、例えば、ケーシング7内に、水/アルカリタンク3に貯蔵されている水またはアルカリ水溶液(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を供給し、ポリアクリルアミド系およびポリアクリル酸エステル系ヒドラジン貯蔵樹脂(ポリアクリル酸ヒドラジッド系ヒドラジン貯蔵樹脂)が、供給した液に分散される。すると、ポリアクリルアミド系およびポリアクリル酸エステル系ヒドラジン貯蔵樹脂に固定化されているヒドラジンが脱離する。
そして、ヒドラジン貯蔵樹脂から脱離したヒドラジンを、供給先に供給するには、上記と同様に供給する。
(3)ポリビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂
ポリビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂は、まず、ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーと、酢酸ビニルとを共重合させることにより、ヒドラジン固定基含有ポリ酢酸ビニル共重合体を合成し、次いで、これをケン化することにより、ポリビニルアルコール系ヒドラジン固定化樹脂共重合体を生成させる。その後、そのポリビニルアルコール系ヒドラジン固定化樹脂に、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、得ることができる。
(3−1)ポリビニルアルコール系ヒドラジン固定化樹脂の合成
ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーは、ヒドラジン固定基とビニル基とを併有するモノマーであって、例えば、メチルビニルケトン、エチルビニルケトンなどのアルキルまたはアリールビニルケトン、p−アセチルメチレンオキシスチレン、p−アセチルエチレンオキシスチレンなどのp−アセチルアルキレンオキシスチレン、p−クロルメチルスチレンなどが挙げられる。これらヒドラジン固定基含有ビニルモノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
ヒドラジン固定基含有ビニルモノマーと酢酸ビニルとの共重合は、これらを適宜の溶媒(例えば、アルコール類)に配合した後、ラジカル重合開始剤を添加して、ラジカル重合させる。
ラジカル重合は、特に制限されず、上記と同様の方法により実施することができる。また、例えば、ラジカル重合開始剤として、アゾ系重合開始剤やパーオキサイド系重合開始剤が用いられる。
その後、例えば、重合停止剤(例えば、ニトロベンゼンなど)を添加して、重合を停止した後、アルコール類を加えながら未反応モノマーを留去し、水中に沈殿させ、これを濾過により分離して、ヒドラジン固定基含有ポリ酢酸ビニルを得る。
その後、ヒドラジン固定基含有ポリ酢酸ビニルを、溶媒(例えば、アルコール類)に配合した後、アルカリ(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を添加して、ケン化し、再度、水中に沈殿させ、これを単離および乾燥して、ポリビニルアルコール系ヒドラジン固定化樹脂を得る。
なお、ポリビニルアルコール系ヒドラジン固定化樹脂についても、上記と同様に、ケーシング7の外部で合成することができる。
(3−2)ポリビニルアルコール系ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
上記により得られたポリビニルアルコール系ヒドラジン固定化樹脂に、ヒドラジンを固定化するには、ポリビニルアルコール系ヒドラジン固定化樹脂中の固定化基(ケトン基、ハロゲノ基、ホルミル基、アミド基、エステル基など)に対して、適当量(好ましくは当量以上)のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、固定化基(ケトン基、ハロゲノ基、ホルミル基、アミド基、エステル基など)にヒドラジンが固定化されたポリビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
(3−3)ポリビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離およびヒドラジンの供給
上記により得られた、ポリビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂からヒドラジンを脱離させるには、例えば、ケーシング7内に、水/アルカリタンク3に貯蔵されている水またはアルカリ水溶液(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を供給し、ポリビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂が、供給した液に分散される。すると、ポリビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂に固定化されているヒドラジンが脱離する。
そして、ヒドラジン貯蔵樹脂から脱離したヒドラジンを、供給先に供給するには、上記と同様に供給する。
(4)ポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂
ポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂は、まず、ヒドラジン固定基含有多価アルコールと多塩基酸とを縮合重合させることにより、ポリエステル系ヒドラジン固定化樹脂を合成し、次いで、そのポリエステル系ヒドラジン固定化樹脂に、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、得ることができる。
また、ヒドラジン固定基含有多塩基酸と多価アルコールと、多価アルコールおよび多塩基酸の両方にヒドラジン固定基を含有していてもよい。
(4−1)ポリエステル系ヒドラジン固定化樹脂の合成
ヒドラジン固定基含有多価アルコールは、ヒドラジン固定基と少なくとも2つの水酸基とを併有する多価アルコールであって、例えば、アセチルエチルエチレングリコールなどが挙げられる。また、必要により、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの、通常の多価アルコールを併用することもできる。
多塩基酸は、少なくとも2つのカルボン酸を有し、例えば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族多塩基酸、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの脂肪族多塩基酸などが挙げられる。
そして、ポリエステル系ヒドラジン固定化樹脂は、必須成分として、ヒドラジン固定基含有多価アルコールと多塩基酸とを配合し、また、必要により、任意成分として、通常の多価アルコールを配合して、縮合重合することにより、得ることができる。
またヒドラジン固定基が多塩基酸に含有される場合、多価アルコールおよび多塩基酸の両方にヒドラジン固定基が含有される場合も、上記と同様にポリエステル系ヒドラジン固定化樹脂が得られる。
なお、多価アルコールと多塩基酸との配合割合は、ほぼ当量でよく、また、縮合重合には、公知の有機金属触媒が添加される。また、反応は、例えば、30〜300℃、好ましくは、50〜250℃の範囲で行なうことができ、原料の安定性が悪い場合には、減圧下、例えば、0.1〜10mmHg程度で行なうことが好ましい。また、ポリエステル系ヒドラジン固定化樹脂についても、上記と同様に、ケーシング7の外部で合成することができる。
(4−2)ポリエステル系ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
上記により得られたポリエステル系ヒドラジン固定化樹脂に、ヒドラジンを固定化するには、ポリエステル系ヒドラジン固定化樹脂中の固定化基(ケトン基、ハロゲノ基、ホルミル基、アミド基、エステル基など)に対して、適当量(好ましくは当量以上)のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、固定化基(ケトン基、ハロゲノ基、ホルミル基、アミド基、エステル基など)にヒドラジンが固定化されたポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
(4−3)ポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離およびヒドラジンの供給
上記により得られた、ポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂からヒドラジンを脱離させるには、例えば、ケーシング7内に、水/アルカリタンク3に貯蔵されている水またはアルカリ水溶液(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を供給し、ポリエステル系ヒドラジンヒドラジン貯蔵樹脂が、供給した液に分散される。すると、ポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂に固定化されているヒドラジンが脱離する。
そして、ヒドラジン貯蔵樹脂から脱離したヒドラジンを、供給先に供給するには、上記と同様に供給する。
(5)ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂
ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂は、まず、脂肪族多価アミンと脂肪族多塩基酸との縮重合による脂肪族ポリアミドの合成(この場合、多価アミンまたは多塩基酸の片方か両方にヒドラジン固定基を有することが必要である)、芳香族多価アミンと脂肪族多塩基酸とを縮合重合させることにより芳香環含有ポリアミドを合成、脂肪族多価アミンと芳香族多塩基酸とを縮重合させることによる芳香環含有ポリアミド、芳香族多価アミンと芳香族多塩基酸とを縮重合させて芳香環含有ポリアミドを合成する方法がある。次いで、芳香環含有ポリアミドの芳香環をハロゲノメチル化する方法やヒドラジン固定基を後から導入することにより、ポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂を得る。
その後、1)ハロゲノメチル基に直接ヒドラジンを導入する方法やハロゲノメチル基をアセチルエチル化した後、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂を得るか、または、メチルアルキルケトン、メチルアリルケトン、メチルアラルキルケトンなど、活性水素を有するケトン化合物を反応させて、側鎖にケトン基を導入することができる。また、ハロゲノアセトンやハロゲノメチルアルキルケトン、ハロゲノアリルケトン、ハロゲノアラルキルケトンなどを直接芳香環に反応させ、側鎖にケトン基を導入することもできる。
2)ヒドラジン固定基を有するポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂に、そのまま、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂を得ることができる。
(5−1)ポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂の合成
脂肪族多価アミンとしては、少なくとも2個のアミノ基を有し、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミンなどが挙げられる。
芳香族多価アミンは、芳香環に少なくとも2つのアミノ基を有し、例えば、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。
多塩基酸は、少なくとも2つのカルボン酸を有し、例えば、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族ジカルボン酸、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
芳香族多価アミンと多塩基酸との縮合重合は、これらをほぼ当量で配合して、必要により、不活性ガス雰囲気下減圧して、反応させる。反応温度は、例えば、30〜400℃、好ましくは、70〜300℃の範囲とされる。これにより、芳香環含有ポリアミドが得られる。
次いで、芳香環含有ポリアミドを適宜の溶媒(例えば、N−メチルピロリドン)に溶解した後、ホルムアルデヒドおよび塩酸、臭化水素酸または沃化水素酸を添加して、芳香環含有ポリアミドの芳香環にハロゲノメチル基を導入する。その後、適宜の溶媒(例えば、アルコール類)中に沈殿させて、ポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂を得る。
なお、ポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂についても、上記と同様に、ケーシング7の外部で合成することができる。
(5−2)ポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
1)上記により得られたポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂を適宜の溶媒(例えば、N−メチルピロリドン)に溶解した後、ハロゲノメチル基に対して当量以上のアセトンを添加し、さらにアルカリ(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を添加して攪拌する。これにより、ハロゲノメチル基をアセチルエチル基に変換する。次いで、そのポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂中の固定化基(ケトン基)に対して、当量以上のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、固定化基(ケトン基)にヒドラジンが固定化されたポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
また、モノハロゲノアセトン、モノハロゲノメチルアルキルケトン、モノハロゲノメチルアリルケトン、モノハロゲノメチルアラルキルケトンなどを反応させる場合も同様の反応を行なう。また、アセトン以外にメチルアルキルケトン、メチルアリルケトン、メチルアラルキルケトンなどのケトン基および活性水素基を有する化合物も、この目的に使用することができる。
2)または、上記により得られたポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂に、そのまま、ポリアミド系ヒドラジン固定化樹脂中のハロゲノメチル基などに対して、適当量(好ましくは当量以上)のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、ヒドラジン脱離基がヒドラジノメチル基となる、ヒドラジンが固定化されたポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
3)脂肪族ポリアミドの場合、脂肪族ポリアミドを生成させた後、有機溶剤に溶解させて、例えば、モノハロゲノアセトンやモノハロゲノメチルエチルケトンなどのモノハロゲノメチルアルキルケトン、モノハロゲノアリルケトン、モノハロゲノアラルキルケトンと反応させれば、側鎖にアセチルメチル基などのケトン基が導入される。ヒドラジン固定基を含む側鎖(ケトン基)の反応位置は規定できないが導入される。ヒドラジン固定基(ケトン基)の当量以上のヒドラジンを反応させ、反応後、適宜の溶剤(例えば、アルコール類)に投入し、洗浄後、濾過、乾燥することにより、ヒドラジンがヒドラゾンとして固定化された脂肪族ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
(5−3)ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離およびヒドラジンの供給
上記により得られた、ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂からヒドラジンを脱離させるには、例えば、ケーシング7内に、水/アルカリタンク3に貯蔵されている水またはアルカリ水溶液(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を供給し、ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂が、供給した液に分散される。すると、ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂に固定化されているヒドラジンが脱離する。
そして、ヒドラジン貯蔵樹脂から脱離したヒドラジンを、供給先に供給するには、上記と同様に供給する。
(6)ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂
ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂は、まず、フェノール誘導体を、銅触媒および塩基の存在下で重合させることにより芳香環含有ポリエーテルを合成し、次いで、芳香環含有ポリエーテルの芳香環をハロゲノメチル化することにより、ポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂を得る。
その後、1)ハロゲノメチル基を、アセトン、メチルアルキルケトン、メチルアリルケトン、メチルアラルキルケトンなどと反応させ、例えば、アセチルエチル化した後、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得るか、または、
2)ポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂に、そのまま、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得ることができる。
(6−1)ポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂の合成
フェノール誘導体は、フェノールの誘導体であって、例えば、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノールなどが挙げられる。
フェノール誘導体の重合は、フェノール誘導体に、必要により、ニトロベンゼンなどの溶媒に溶解して、例えば、塩化銅(I)や塩化銅(II)などの銅触媒と、例えば、ピリジンなどの塩基とを添加し、攪拌しつつ酸素を吹き込みながら反応させる。反応温度は、例えば、50〜400℃、好ましくは、60〜200℃の範囲とされる。その後、適宜の溶媒(クロロホルムやメタノール)にて洗浄し、減圧乾燥することにより、芳香環含有ポリエーテルが得られる。
次いで、芳香環含有ポリエーテルを適宜の溶媒(例えば、クロロホルム)に溶解した後、ホルムアルデヒドおよび塩酸、臭化水素酸または沃化水素酸を添加して、芳香環含有ポリエーテルの芳香環にハロゲノメチル基を導入する。その後、濾過により、ポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂を得る。
なお、ポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂についても、上記と同様に、ケーシング7の外部で合成することができる。
(6−2)ポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
1)上記により得られたポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂を適宜の溶媒(例えば、クロロホルム)に溶解した後、ハロゲノメチル基に対して当量以上のアセトンを添加し、さらにアルカリ(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を添加して攪拌する。ハロゲノメチル基を、例えば、アセチルエチル基に変換する。また、モノクロルアセトン、モノクロルメチルアルキルケトン、モノクロルメチルアリルケトン、モノクロルメチルアラルキルケトンなどを反応させ、アセチルメチル基などのケトン基含有側鎖を導入することもできる。次いで、そのポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂中の固定化基(ケトン基)に対して、適当量(好ましくは当量以上)のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、固定化基(ケトン基)にヒドラジンが固定化されたポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
2)または、上記により得られたポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂に、そのまま、ポリエーテル系ヒドラジン固定化樹脂中のハロゲノメチル基に対して、当量以上のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、ヒドラジン脱離基がヒドラジノメチル基となる、ヒドラジンが固定化されたポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
(6−3)ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離およびヒドラジンの供給
上記により得られた、ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂からヒドラジンを脱離させるには、例えば、ケーシング7内に、水/アルカリタンク3に貯蔵されている水またはアルカリ水溶液(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を供給し、ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂が、供給した液に分散される。すると、ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂に固定化されているヒドラジンが脱離する。
そして、ヒドラジン貯蔵樹脂から脱離したヒドラジンを、供給先に供給するには、上記と同様に供給する。
(7)ポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂
ポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂は、まず、ジハロゲノベンゾフェノンとジフェノールとをアルカリ存在下に重合させることにより、ポリエーテルケトン系ヒドラジン固定化樹脂を合成し、次いで、そのポリエーテルケトン系ヒドラジン固定化樹脂に、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、得ることができる。
(7−1)ポリエーテルケトン系ヒドラジン固定化樹脂の合成
ジハロゲノベンゾフェノンとしては、例えば、4,4′−ジハロベンゾフェノン、2,4′−ジハロベンゾフェノン、ビス−1,4−(4−ハロベンゾイル)ベンゼン、ビス−1,3−(4−ハロベンゾイル)ベンゼン、ビス−4,4′−(4−ハロベンゾイル)ビフェニル、ビス−4,4′−(4−ハロベンゾイル)ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
ジフェノールとしては、例えば、ハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフォンなどが挙げられる。
そして、ポリエーテルケトン系ヒドラジン固定化樹脂は、ジハロゲノベンゾフェノンとジフェノールとをアルカリ存在下に重合させることにより、得ることができる。
アルカリとしては、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の重炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の水酸化物などが挙げられる。
なお、ジハロゲノベンゾフェノンとジフェノールとの配合割合は、ほぼ当量でよく、また、重合には、公知の触媒および溶媒が添加される。また、反応温度は、例えば、10〜300℃、好ましくは、50〜200℃の範囲とされる。
触媒としては、例えば、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属塩などが挙げられ、金属としては、銅やクロムが挙げられる。また、触媒として、シリカなどの層状ケイ酸塩なども挙げられる。
溶媒としては、例えば、ジメチルスルフォン、ジエチルスルフォン、スルフォランなどの脂肪族スルフォン類、例えば、ジフェニルスルフォン、ジトリルスルフォン、メチルフェニルスルフォン、ジベンゾチオフェンオキサイド、フェノキサチンジオキシド、4ーフェニルスルフォニルビフェニルなどの芳香族スルフォン類、例えば、ベンゾフェノン、イソフタロフェノン、テレフタロフェノン、4ーベンゾイルジフェニルエーテル、フルオレノン、キサントン、チオキサントンなどの芳香族ケトン類などが挙げられる。
(7−2)ポリエーテルケトン系ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
上記により得られたポリエーテルケトン系ヒドラジン固定化樹脂に、ヒドラジンを固定化するには、ポリエーテルケトン系ヒドラジン固定化樹脂を、例えば、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒に分散させた後、そのポリエーテルケトン系ヒドラジン固定化樹脂中の固定化基(ケトン基)に対して、適当量(好ましくは当量以上)のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アセトンなど)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、固定化基(ケトン基)にヒドラジンが固定化されたポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
さらに、側鎖にケトン基を導入するため、ハロゲノメチル化を行い、これにアセトン、メチルアルキルケトン、メチルアリルケトン、メチルアラルキルケトンなどを反応させ、例えば、アセチルエチル基を導入するとか、モノクロルアセトンなどのモノハロゲノメチルアルキルケトン、モノハロゲノメチルアリルケトン、モノハロゲノアラルキルケトンなどを反応させて、例えば、アセチルメチル基を導入して、そのケトン基にもヒドラジンを導入したポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂を得ることができる。
なお、ポリエーテルケトン系ヒドラジン固定化樹脂についても、上記と同様に、ケーシング7の外部で合成することができる。
(7−3)ポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離およびヒドラジンの供給
上記により得られた、ポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂からヒドラジンを脱離させるには、例えば、ケーシング7内に、水/アルカリタンク3に貯蔵されている水またはアルカリ水溶液(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を供給し、ポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂が、供給した液に分散される。すると、ポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂に固定化されているヒドラジンが脱離する。
そして、ヒドラジン貯蔵樹脂から脱離したヒドラジンを、供給先に供給するには、上記と同様に供給する。
(8)ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂
ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂は、まず、ジハロゲノベンゼンと、硫化ナトリウムとを反応させることにより芳香環含有ポリチオエーテルを合成し、次いで、芳香環含有ポリチオエーテルの芳香環をハロゲノメチル化することにより、ポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂を得る。
その後、1)ハロゲノメチル基を、例えば、アセトンと反応させてアセチルエチル化した後、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得るか、または、
2)ポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂に、そのまま、原料供給ライン5からヒドラジンを供給し、固定化することにより、ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得ることができる。
(8−1)ポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂の合成
ジクロロベンゼンは、例えば、p−ジクロロベンゼンなどが挙げられる。
ジハロゲノベンゼンと硫化ナトリウムとの反応は、まず、硫化ナトリウムをN−メチルピロリドンなどの極性溶媒に溶解後、加熱して、硫化ナトリウムを硫化水素に分解し、その後、ジハロゲノベンゼンを加えて反応をさせる。反応温度は、例えば、5〜200℃、好ましくは、25〜150℃の範囲とされる。その後、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)にて洗浄し、乾燥することにより、芳香環含有ポリチオエーテルが得られる。
次いで、芳香環含有ポリチオエーテルを適宜の溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)に溶解した後、ホルムアルデヒドおよび塩酸、臭化水素酸または沃化水素酸を添加して、芳香環含有ポリエーテルの芳香環にハロゲノメチル基を導入する。その後、濾過により、ポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂を得る。
なお、ポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂についても、上記と同様に、ケーシング7の外部で合成することができる。
(8−2)ポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
1)上記により得られたポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂を適宜の溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)に溶解した後、ハロゲノメチル基に対して当量以上のアセトン、メチルアルキルケトン、メチルアリルケトンまたはメチルアラルキルケトンを添加し、さらにアルカリ(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を添加して攪拌する。これにより、ハロゲノメチル基を、例えば、アセチルエチル基に変換する。次いで、そのポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂中の固定化基(ケトン基)に対して、適当量(好ましくは当量以上)のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、固定化基(ケトン基)にヒドラジンが固定化されたポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
2)または、上記により得られたポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂に、そのまま、ポリチオエーテル系ヒドラジン固定化樹脂中のハロゲノメチル基に対して、当量以上のヒドラジンを原料供給ライン5から添加して、上記と同様に攪拌する。その後、必要により、適宜の溶媒(例えば、アルコール類など)で洗浄後、濾過、乾燥することにより、ヒドラジン脱離基がヒドラジノメチル基となる、ヒドラジンが固定化されたポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得る。
(8−3)ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離およびヒドラジンの供給
上記により得られた、ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂からヒドラジンを脱離させるには、例えば、ケーシング7内に、水/アルカリタンク3に貯蔵されている水またはアルカリ水溶液(例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液など)を供給し、ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂が、供給した液に分散される。すると、ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂に固定化されているヒドラジンが脱離する。
そして、ヒドラジン貯蔵樹脂から脱離したヒドラジンを、供給先に供給するには、上記と同様に供給する。
図2は、本発明の燃料電池システムの一実施形態である車載用燃料電池システムの概略構成図であって、図2(a)はヒドラジンの固定化工程、図2(b)はヒドラジンの供給工程を示している。なお、これらの図において、実線矢印はヒドラジンの流れを、破線矢印は水の流れを示している。また、図1に示す構成要素に対応する構成要素については、括弧書きで図1の構成要素を併記している。
図2において、この燃料電池システム10は、ヒドラジンを燃料とする燃料電池システムであって、上記したヒドラジン供給装置1(より具体的には、ヒドラジンを貯蔵するためのヒドラジンタンク11(ヒドラジン固定化槽2)および水/アルカリタンク12(水/アルカリタンク3))および燃料電池13を備えている。
そして、燃料電池システム10は、車載可能な燃料電池システムであって、車両14に搭載されている。
ヒドラジンタンク11は、ケーシング15(ケーシング7)と、ケーシング15の中に収容されるヒドラジン固定部材16(ヒドラジン固定部材8)とを備えている。
ケーシング15は、ヒドラジンを貯蔵するための容器であって、図1に示したケーシング7と同様の材料から構成される。
ケーシング15の上面には、原料供給管17(原料供給ライン5)の一端が接続され、原料供給管17の他端は、供給口18に接続されている。
供給口18は、車両14の後部側面に形成された開口であり、通常時(例えば、車両走行時など)、例えば、図示しない蓋などで閉塞されている。ヒドラジンを供給口18から注入することにより、原料供給管17を介してヒドラジンをケーシング15内に供給することができる。
また、ケーシング15の後面には、通水管19(水/アルカリ供給ライン4)の一端が接続され、通水管19の他端が、水/アルカリタンク12に接続されているため、ケーシング15と水/アルカリタンク12とは、通水管19を介して連通している。
水/アルカリタンク12は、水またはアルカリ水溶液(例えば、KOH水溶液、NaOH水溶液など)を貯蔵するための容器であって、図1に示した水/アルカリタンク3と同様の材料から構成される。
また、通水管19には、図示しないポンプが設けられており、このポンプを駆動させることにより、ケーシング15内または水/アルカリタンク12内の液体を、通水管19を介して、一方から他方に供給することができる。
水/アルカリタンク12の後面には、排水管20の一端が接続され、排水管20の他端は、車両14の下面に接続されており、その出口が車両14の下面において露出している。
排水管20には、図示しない開閉弁が設けられており、この開閉弁を開くことにより、水/アルカリタンク12に溜められた水を、車外に適宜排出することができる。
また、ケーシング15には、図示しない攪拌機が備えられており、ケーシング15内に供給された水やアルカリ水溶液を適宜攪拌することができる。
また、ケーシング15の前面には、ヒドラジン供給管21(ヒドラジン供給ライン6)の一端が接続され、ヒドラジン供給管21の他端は、燃料電池13に接続されている。
ヒドラジン供給管21には、図示しないポンプが設けられており、このポンプを駆動させることにより、ケーシング15内のヒドラジン水溶液もしくはアルカリ水溶液を、ヒドラジン供給管21を介して燃料電池13に供給することができる。
また、ケーシング15とヒドラジン供給管21との接続部分には、ヒドラジン供給管21の口を覆うようにフィルタ22(フィルタ25)が設けられている。
フィルタ22は、ヒドラジンとヒドラジン固定部材16とを、それらの分子の大きさにより分離することができる膜(例えば、限外濾過膜などの公知の分子篩膜など)や、ケーシング15内の不純物もしくは劣化して浮遊している樹脂などを捕獲することができるフィルタであれば、特に制限されない。ヒドラジン固定部材16として、水溶性またはアルカリ溶解性物質が用いられていても、フィルタ22が設けられていれば、燃料電池13の発電に特に必要のないヒドラジン固定部材16は、フィルタ22で分離されるため、ヒドラジン固定部材16がヒドラジン供給管21を介して燃料電池13に流れ出ることを防止することができる。また、ケーシング15内の不純物などが流れ出ることも防止できる。
なお、必要により、ケーシング15を温めることができるヒータ23(ヒータ9)が、ケーシング15の下部を被覆するように設けられる。
ヒドラジン固定部材16は、ヒドラジンを固定化および脱離することができる合成樹脂(合成高分子)であって、図1に示したヒドラジン固定部材8と同様の樹脂から構成されている。
燃料電池13は、ヒドラジンを燃料として使用できる燃料電池であれば、特に制限されず、例えば、固体高分子型燃料電池などの公知の燃料電池であって、車両14の前部に配置されている。
また、燃料電池13の構造は特に制限されず、例えば、国際公開パンフレットWO2003/056649に記載されている燃料電池のように、燃料電池セルが、複数積層されるスタック構造として形成される。
燃料電池13には、上述したように、ヒドラジン供給管21の他端が接続されており、燃料として使用されるヒドラジンは、ケーシング15からヒドラジン供給管21を通って供給される。
また、燃料電池13は、図示しないモータと電気的に接続されており、燃料電池13で発電された電力は、モータ(図示せず)に送電され、モータ(図示せず)によって、車両14の駆動力に変換される。
さらに、燃料電池13には、送水管24の一端が接続され、送水管24の他端は、水/アルカリタンク12に接続されており、燃料電池13と水/アルカリタンク12とは、送水管24を介して連通している。
送水管24は、ヒドラジン供給管21より燃料として供給され、ヒドラジンが消費された後の水もしくはアルカリ水溶液、および後述する燃料電池13で生成する水を、水/アルカリタンク12に供給することができる。
次に、車両14における燃料電池システム10の利用方法について、具体的に説明する。
燃料電池システム10の燃料として、ヒドラジンを安全に利用するためには、通常時(燃料電池13において発電を行わないとき)にヒドラジンをヒドラジン固定部材16に固定化しておき(固定化工程)、発電時にヒドラジンを脱離させて供給する(供給工程)。
(1)固定化工程(図2(a)参照)
まず、供給口18からヒドラジンを注入し、原料供給管17を介してケーシング15に供給する(矢印31)。そして、上記したように、ケーシング15内を適宜加熱または攪拌することにより、ヒドラジン固定部材16にヒドラジンを固定化する。また、ヒドラジン固定部材16の種類、例えば、ポリアクリル酸ヒドラジッドなどによっては、固定化に伴い水が生成するので、ポンプ(図示せず)駆動して、この水を、通水管19を介して水/アルカリタンク12に送水する(矢印32)。固定化により、ヒドラジンは、後述する発電時まで、ヒドラジン固定部材16に固定化された状態(例えば、ヒドラジン脱離基など)でケーシング15内に貯蔵されるため、ヒドラジンを安全に貯蔵しておくことができる。
(2)供給工程(図2(b)参照)
上記により固定化されたヒドラジンを燃料電池13の燃料として使用するには、ポンプ(図示せず)を駆動して、水/アルカリタンク12に貯蔵されている水またはアルカリ水溶液を、ケーシング15に供給する(矢印33)。すると、ヒドラジン固定部材16に固定化されているヒドラジンが脱離する。そして、脱離したヒドラジンを燃料電池13の燃料として利用するため、ポンプ(図示せず)を駆動して、ヒドラジンを、ヒドラジン供給管21を介して燃料電池13に供給する(矢印34)。
燃料電池13においては、例えば、国際公開パンフレットWO2003/056649に記載されている電気化学的反応(反応式(3)および反応式(4)参照)によって、起電力が発生する。そして、この起電力を、モータ(図示せず)に送電することにより、起電力を、車両14の駆動力に変換する。
また、起電力の発生に伴って水が生成するが、この水は、ヒドラジンの脱離に使用することができるため、送水管24を介して水/アルカリタンク12に貯蔵する(矢印35)。
また、水/アルカリタンク12内が満杯となり、通水管19側に水が逆流することを防止するため、適宜排水管20から水を排水する(矢印36)。なお、ヒドラジンの脱離にアルカリ水溶液を使用している場合には、排水管20の途中に水分離装置(例えば、イオン交換器など)を設け、その水分離装置で排水液中のアルカリ成分を分離してから排水する。
以上説明したように、この燃料電池システム10によれば、ヒドラジンは、ケーシング15内において、ヒドラジン固定部材16に固定化された状態(例えば、ヒドラジン脱離基など)で貯蔵され、燃料電池13の燃料として利用する際に、上記した脱離方法によって脱離される。そのため、ヒドラジンを安全に利用することができ、ヒドラジンを燃料とする燃料電池システムが必要な各種産業分野において、広く用いることができる。
なお、この燃料電池システム10は、ヒドラジン固定部材16からヒドラジンを脱離させた後、再度、供給口18からヒドラジンを補給し、ヒドラジンを固定化させることができる。つまり、燃料としてヒドラジンを補給しておけば、継続して発電することができる。
また、燃料がヒドラジンであれば、発電に伴い二酸化炭素(CO)が発生しないため、燃料電池システム10を搭載した車両14は、例えば、ガソリンを燃料とする車両と比較して、環境への負荷を低減することができる。
図3は、燃料電池システム10の変形例を示す図である。図3において、図1に示す構成要素に対応する構成要素については、括弧書きで図1の構成要素を併記している。
図3における燃料電池システム10は、ケーシング15を交換可能とするカートリッジ方式の燃料電池システムである。
この実施形態にかかる車両14の側面には、ケーシング15を外部に取り出すことができる大きさに開口された開口部26(通常は、図示しない蓋などで閉じられている。)が設けられており、開口部26からケーシング15を交換することができる。すなわち、供給工程(図2(b)参照)において、最初に搭載されているケーシング15内のヒドラジンが全て燃料電池13に供給された後、そのケーシング15と、新しいケーシング15(このケーシング15には、ヒドラジンが固定化されたヒドラジン固定部材16が収容されている。)とを交換すれば、再度、供給口18(図2参照)からヒドラジンを補給する必要もなく、継続して発電することができる。これにより、使用者が直接ヒドラジンを扱う作業を省略できるので、より安全にヒドラジンを燃料として利用することができる。
なお、この実施形態では、開口部26を車両14の側面に設けたが、ケーシング15を交換可能な場所であれば特に制限されず、例えば、車両14の底面に設けることもできる。また、図3におけるヒドラジンの供給工程については、図2と同様の操作であるので、ここでは、説明を省略する。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例に制限されない。
実施例1(炭化水素系アミド架橋ヒドラジン貯蔵樹脂(固定基:ケトン基))
1)炭化水素系アミド架橋ヒドラジン固定化樹脂の合成
メチルビニルケトン20g、p−スチレンスルフォン酸Na59g、架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド2.3g、イオン交換水79gを均一に混合して重合水溶液を作製し、重合槽に投入した。重合水溶液に窒素ガスを導入して、重合水溶液中の溶存酸素量を0.2ppmにし、また、溶液温度を5℃にした。
この重合水溶液に、0.1%過酸化水素10g、0.1%アスコルビン酸水溶液5g、V−50(アゾ系重合開始剤、和光純薬工業社製)2.3gを添加した。約20分後に重合開始を示す温度上昇が確認された。その後、温度を65℃に昇温し、その温度で約8時間重合を継続して含水ゲル状重合体を得た。
得られた含水ゲル状重合体を、ミートチョッパーを用いて小片に粉砕し、得られた小片含水ゲル重合体を、通気熱風乾燥機(井上金属工業社製)を用いて、供給風温120℃、風速1.5m/秒の条件下で70分間通気乾燥して、水分含量が約4%の乾燥物を得た。
乾燥物を、家庭用ミキサーで粉砕し、篩別して22メッシュの金網(径:710μm)を通過し、100メッシュの金網(径:125μm)を通過しない部分を採取して、親水性ヒドラジン固定化樹脂(炭化水素系アミド架橋ヒドラジン固定化樹脂(固定基:ケトン基))を得た。
この親水性ヒドラジン固定化樹脂の吸収倍率は、9倍であった。なお、吸収倍率は、250メッシュのナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に親水性ヒドラジン固定化樹脂1gを入れ、生理食塩水(NaCl濃度0.90%のイオン交換水溶液)中に60分間浸漬した後、15分間吊るして水切りしてから、余剰水を取り除き、遠心脱水後の増加質量を測定することにより求めた。
2)炭化水素系アミド架橋ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
上記1)で得られた親水性ヒドラジン固定化樹脂に、その樹脂2g中に含有するケトン基の2倍のモル数のヒドラジンを含有する100%ヒドラジンヒドラートを添加して、60分間攪拌反応させることにより、親水性ヒドラジン固定化樹脂にヒドラジンを固定化し、これによって、親水性ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。
反応終了後、イソプロピルアルコール40mlを添加し、1時間攪拌後に濾過洗浄し、親水性ヒドラジン貯蔵樹脂を濾過により分離して減圧乾燥した。濾液のイソプロピルアルコール中のヒドラジンを、HPLCで定量した結果、遊離ヒドラジンが45.9%であった。つまり、固定化されたヒドラジンは、54.1%であった。これは、樹脂の最初のケトン基を基準とすると、108.2%のヒドラジン吸着率に相当する。
3)炭化水素系アミド架橋ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離
3−1)アルカリによる脱離
上記2)で得られた親水性ヒドラジン貯蔵樹脂0.8gを、1N−KOH水溶液に室温で分散して、攪拌した。1N−KOH水溶液中のヒドラジンを、HPLCで定量した結果、72.1%であった。
3−2)再固定化
上記3−1)でヒドラジンを脱離した親水性ヒドラジン固定化樹脂に、その樹脂0.6g中に含有するケトン基の2倍のモル数のヒドラジンを含有する100%ヒドラジンヒドラートを添加して、60分間攪拌反応させることにより、親水性ヒドラジン固定化樹脂にヒドラジンを固定化し、これによって、再度、親水性ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。
反応終了後、イソプロピルアルコール40mlを添加し、1時間攪拌後に濾過洗浄し、親水性ヒドラジン貯蔵樹脂を濾過により分離して減圧乾燥した。濾液のイソプロピルアルコール中のヒドラジンを、HPLCで定量した結果、遊離ヒドラジンが64.8%であった。つまり、固定化されたヒドラジンは、ケトン基を基準として、50.8%であった。これは、再固定化前の残存ケトン基に対するヒドラジンの変換率として、70.4%に相当する。
3−3)水による脱離
上記2)で得られた親水性ヒドラジン貯蔵樹脂0.8gを、水に室温で分散して、攪拌した。水中のヒドラジンを、HPLCで定量した結果、固定化されているヒドラジンの72.8%の脱離を確認した。これは、最初のケトン基に対するヒドラジンの変換率として、78.8%に相当する。
実施例2(炭化水素系アミド架橋ヒドラジン貯蔵樹脂(固定基:ケトン基))
1)炭化水素系アミド架橋ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
実施例1の1)で得られた親水性ヒドラジン固定化樹脂に、その樹脂に含有するケトン基と等モル数のヒドラジンを添加し、実施例1の2)と同様の操作を行った。その結果、濾液のイソプロピルアルコール中のヒドラジン量が13.9%であった。つまり、固定化されたヒドラジンは、86.1%であった。これは、樹脂の最初のケトン基を基準とすると、86.1%のヒドラジン吸着率に相当する。
2)炭化水素系アミド架橋ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離
上記1)で得られた親水性ヒドラジン貯蔵樹脂0.8gを、1N−KOH水溶液に室温で分散して、攪拌した。1N−KOH水溶液中のヒドラジンを、HPLCで定量した結果、18.8%であった。これは、最初のケトン基を基準とすると、21.8%のヒドラジンの脱離に相当する。
実施例3(炭化水素系エーテル架橋ヒドラジン貯蔵樹脂)
1)炭化水素系エーテル架橋ヒドラジン固定化樹脂の合成
N,N’−メチレンビスアクリルアミドに代替して、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルを用いた以外は、実施例1の1)と同様の操作により、親水性ヒドラジン固定化樹脂(炭化水素系エーテル架橋ヒドラジン固定化樹脂)を得た。
この親水性ヒドラジン固定化樹脂の吸収倍率は、0.1倍であった。
2)炭化水素系エーテル架橋ヒドラジン固定化樹脂に対するヒドラジンの固定化
上記1)で得られた親水性ヒドラジン固定化樹脂に、その樹脂2g中に含有するケトン基と等モル数のヒドラジンを含有する100%ヒドラジンヒドラートを添加して、60分間攪拌反応させることにより、親水性ヒドラジン固定化樹脂にヒドラジンを固定化し、これによって、親水性ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。
反応終了後、イソプロピルアルコール40mlで洗浄し、親水性ヒドラジン貯蔵樹脂を濾過により分離して減圧乾燥した。濾液のイソプロピルアルコール中のヒドラジンを、HPLCで定量した結果、遊離ヒドラジンが13.0%であった。つまり、固定化されたヒドラジンは、87.0%であった。
3)炭化水素系エーテル架橋ヒドラジン貯蔵樹脂のヒドラジンの脱離
上記2)で得られた親水性ヒドラジン貯蔵樹脂0.8gを、1N−KOH水溶液に室温で60分間、分散して、攪拌した。その後、メタノール40mlを添加して、親水性ヒドラジン貯蔵樹脂をゲル化させた後、濾過分離して、濾液のアルコール溶液中のヒドラジンを、HPLCで定量した結果、固定化されているヒドラジンの19.4%の脱離を確認した。これは、最初のケトン基に対するヒドラジンの変換率として、22.3%に相当する。
実施例4(炭化水素系アミド架橋ヒドラジン貯蔵樹脂(固定基:アルデヒド基))
アクロレイン16g、p−スチレンスルフォン酸Na59g、架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド2.3g、イオン交換水79gを均一に混合して重合水溶液を作製し、重合槽に投入した。重合水溶液に窒素ガスを導入して、重合水溶液中の溶存酸素量を0.2ppmにし、また、溶液温度を5℃にした。
この重合水溶液に、0.1%過酸化水素10g、0.1%アスコルビン酸水溶液5g、V−50(アゾ系重合開始剤、和光純薬工業社製)2.3gを添加した。約20分後に重合開始を示す温度上昇が確認された。その後、温度を65℃に昇温し、その温度で約8時間重合を継続して水溶性重合体からなる親水性ヒドラジン固定化樹脂(炭化水素系アミド架橋ヒドラジン固定化樹脂(固定基:アルデヒド基))を得た。
この親水性ヒドラジン固定化樹脂に含有されているアルデヒド基と等量のモル数の60%ヒドラジンヒドラート水溶液を添加して30分攪拌反応させることにより、親水性ヒドラジン固定化樹脂にヒドラジンを固定化し、これによって、親水性ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。この反応液にメタノール100gを添加し、攪拌して、固化する親水性ヒドラジン貯蔵樹脂を濾過分離して減圧下乾燥した。濾液のメタノール中のヒドラジンを、ヨード滴定法で定量したが、遊離ヒドラジンを検出できなかった。つまり、固定化されたヒドラジンは、100%であった。
次いで、分離乾燥した親水性ヒドラジン貯蔵樹脂に水を添加して攪拌し、分子量1000以下の分子を通過する分子篩膜を用いて親水性ヒドラジン貯蔵樹脂を分離した。濾過液を、HPLCで定量した結果、ヒドラゾンとして固定化されているヒドラジンの97.7%に相当する遊離のヒドラジンを検出した。
実施例5(アクリルアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂)
アクリルアミド10gと水25.9mlとを混合してアクリルアミド水溶液を調製し、そのアクリルアミド水溶液に35%過酸化水素4.1gを加えて、85〜90℃で16時間攪拌した。反応液を10倍量のメタノール中に注入し、析出した白色沈殿物を濾過して分離した。その後、乾燥してポリアクリルアミドを得た(平均分子量:22,000)。
得られたポリアクリルアミド10gと水17mlとを混合してポリアクリルアミド水溶液を調製し、そのポリアクリルアミド水溶液に100%ヒドラジンヒドラート21.12gを加えて80〜85℃で15時間攪拌した。反応液を10倍量のメタノール中に注入し、析出した白色沈殿物を濾別し、乾燥してポリアクリル酸ヒドラジッド(アクリルアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂)を得た。得られたポリアクリル酸ヒドラジッドの平均分子量は23,000であり、ヒドラジッド化率は82%であった。
このポリアクリル酸ヒドラジッドを、ポリアクリル酸ヒドラジッドのモル数以上の1N−KOH水溶液に溶解した。すると、ヒドラジッドが加水分解されてヒドラジンヒドラートが遊離した。その後、HPLC分析した結果、ヒドラジッドとして固定化されているヒドラジンの14.7%に相当する遊離のヒドラジンを検出した。なお、ポリアクリル酸ヒドラジッドは、ポリアクリル酸カリウムに変換された。
実施例6(ビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂)
500mlの三つ口フラスコに、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を装備し、酢酸ビニル86gと、p−アセチルメチレンオキシスチレン152gと、メタノール50mlを仕込み、攪拌しながら湯浴温度を60〜63℃に上昇させた。
フラスコ内で混合液が沸騰して還流するのを確認してから、予めメタノール10gに溶解させておいたAIBN(アゾビスイソブチロニトリル、大塚化学社製)0.10gを加えた。直ちに発泡して重合が開始された。そのまま5時間重合して、微量のジニトロベンゼン(重合停止剤)を加えて重合を停止した。
次いで、メタノールを滴下しながら加熱を継続し、未反応のモノマーを留去した。重合物を含む溶液を、大量の水の中に注入して重合物を沈殿させた。沈殿物を濾過して希釈メタノールおよび水で洗浄し、固形物をメタノールに溶解して、その溶液に1N−KOH溶液を滴下して、十分に攪拌してケン化し、酢酸カリウムとして除去した。ケン化された重合物を含む溶液を、大量の氷水に注入して重合物(固形物)を単離した。
単離した重合物を減圧乾燥し、p−アセチルメチレンオキシスチレンが完全に反応したと仮定して、それと等量のモル数の60%ヒドラジンヒドラートを加えて5時間攪拌した。反応液をメタノールで洗浄し、濾過後、減圧乾燥して、ビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。濾液中のヒドラジンヒドラートをヨード滴定により定量した結果、ビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂中に含まれるケトン基の理論量の43.8%が、ヒドラゾンとして固定化されていることが確認された。
このビニルアルコール系ヒドラジン貯蔵樹脂に、1N−KOHを添加して攪拌した。その後、ヨード滴定した結果、固定化されているヒドラジンの88.1%に相当する遊離のヒドラジンを検出した。
実施例7(ポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂)
精留塔を備えた500mlの三つ口フラスコに、テレフタル酸75.5g、アセチルエチルエチレングリコール101.6g、チタン酸テトラ−n−ブチルエステル0.075g、ブチルヒドロキシスズオキシド0.03gを仕込んだ。
混合物をよく攪拌し、220〜250℃に保ちながら生成した水を留去し、反応混合物が透明になるまでエステル化させた。この生成物とチタン酸テトラ−n−ブチルエステル0.02gをオートクレーブに入れて混合し、減圧下(1mmHg)、250℃で2時間加熱した。得られた縮合物を、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)に溶解し、大量の水の中に強い攪拌下、投入すると縮合物が沈殿した。縮合物を濾別し、メタノールで洗浄して減圧下乾燥した。
この縮合物に、ケトン基(理論量)と等モル数の60%ヒドラジンヒドラートを加えて、1昼夜攪拌した。メタノールを加えて縮合物を濾別し、さらにメタノールで洗浄して、減圧下乾燥することにより、ポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。濾液のメタノール中のヒドラジンヒドラートを、ヨード滴定法で定量した結果、遊離ヒドラジンヒドラートが72.8%であった。つまり、固定化されたヒドラジンヒドラートは、27.2%であった。
ポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂を、1N−KOH水溶液に分散して1時間攪拌した。その後、ポリエステル系ヒドラジン貯蔵樹脂を濾別して、濾液のヒドラジンをヨード滴定した結果、固定化されているヒドラジンの80.5%に相当する遊離のヒドラジンを検出した。
実施例8(ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂−1)
窒素導入管および減圧用コックが装備された試験管中で、4,4‘−ジアミノジフェニルメタン9.91gと、セバチン酸10.62gとを仕込み、その混合物を窒素気流下285℃に加熱して溶融させた。次に、反応系を1.33kPa程度に減圧し、1時間反応させた後、再び窒素気流下常圧で室温まで冷却した。その後、試験管を破壊し、得られたポリアミドを粉砕機で粉砕した。粉砕された粉末をN−メチルピロリドンに溶解させ、水で洗浄した。この溶液を、多量のメタノールに投入すると縮合物の粉末が析出した。この縮合物をN−メチルピロリドンに溶解して、縮合物と2倍等量のモル数のホルマリンと塩酸を添加して、5時間攪拌反応した(これにより、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンに対し2つのクロルメチルが導入された。)この反応物を多量のメタノールに投入して、クロルメチル化された縮合物の粉末を得た。
この縮合物をN−メチルピロリドンに溶解して、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンに対し過剰のアセトンを添加し、さらに、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンの2倍等量のモル数の1N−KOH水溶液を攪拌下滴下した。反応終了後、大量のメタノールに反応液を投入して、縮合物の粉末を得た。この縮合物は、芳香環−脂肪酸ポリアミドの芳香環に平均1つのアセチルエチル基が導入された。
この縮合物の粉末に、カルボニル基と等量のモル数の60%ヒドラジンヒドラートを添加して2時間攪拌し、メタノールに投入した。すると、ヒドラゾン基を有する粉末沈殿物を得た。この固形物を濾別して減圧下乾燥して、ヒドラジン脱離基(ヒドラゾン基)を有するポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。
実施例9(ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂−2)
実施例8と同様の操作により、クロルメチル化された縮合物の粉末を得た。その後、この縮合物のクロルメチル基と等モル数の60%ヒドラジンヒドラートを添加して、2時間攪拌し、メタノールに投入して、ヒドラジノメチル基を有する沈殿物(ポリアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂)を得た。この沈殿物を、ヨード滴定法で定量すると、理論計算量の76.8%に相当するヒドラジノ基が確認された。
実施例10(ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂−1)
攪拌機、酸素導入管、温度計を備えた500mlの三つ口フラスコを30℃の水浴中に置き、これに、ニトロベンゼン200ml、ピリジン70ml、塩化第一銅1gを加えた。激しく攪拌しながら酸素を吹き込み、2,6−ジメチルフェノール15gを加えた。温度が33℃に上昇し、反応混合物が粘性を帯びるようになった。さらに、反応を12分間継続した後、クロロホルム100mlで希釈し、濃塩酸3mlを含むメタノール1.1lに投入した。析出した縮合物を濾別し、メタノール250ml、濃塩酸10mlを含むメタノール250ml、メタノール250mlの順で洗浄した。さらに、縮合物をクロロホルム500mlに溶解し、濃塩酸3mlを含むメタノール1.2l中に投入して、再沈殿させた。得られた縮合物をメタノール洗浄後、110℃3時間減圧乾燥した。これにより、ポリフェニレンエーテルを得た。収率は91%であり、平均分子量は28000であった。
このポリフェニレンエーテル10gをクロロホルム100mlに溶解させ、攪拌下、ポリフェニレンエーテル中の芳香環の4倍モル等量のホルマリンを添加し、次いで濃塩酸を滴下した。さらに2時間攪拌した後、大量のメタノールに投入した。すると、ポリフェニレンエーテルの芳香環がクロルメチル化された固体(高分子)が析出した。
この固体を濾別して、メタノールで洗浄した後、減圧下乾燥した。この固形物をクロロホルムに溶解して高分子中の芳香環の4倍モル数のアセトンと苛性ソーダを加えて、2時間攪拌した。反応液に大量のメタノールに投入して、高分子の芳香環にアセチルエチル基が導入された固形物を得た。これを濾別した後、減圧下乾燥した。この固形物に、上記反応の理論量に相当する60%ヒドラジンヒドラートを添加して3時間攪拌し、その後、メタノールで洗浄して濾過し、濾別された固形物を減圧乾燥することにより、ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。濾液のメタノール中のヒドラジンをヨード滴定した結果、固定化されているヒドラジンは、51.5%であることが確認された。
実施例11(ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂−2)
実施例10と同様の操作により、クロルメチル化された固体(高分子)を得た。その後、この高分子の芳香環の4倍モル等量の60%ヒドラジンヒドラートを添加して、3時間攪拌し、メタノールに投入して、ヒドラジノメチル基を有する沈殿物(ポリエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂)を得た。この沈殿物を、ヨード滴定法で定量すると、理論計算量の68.6%に相当するヒドラジノ基が確認された。
実施例12(ポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂)
攪拌機、窒素導入管および排出管を備えた1lのステンレス製反応管に、4,4‘−ジクロロベンゾフェノン125g、微粉末炭酸ナトリウム59.2g、触媒としてシリカ(アエロジル)10g、塩化第二銅0.27gおよび溶媒としてジフェニルスルフォン300gを加えた。
反応系を窒素置換した後、混合物を200℃まで昇温し、再度窒素置換した後、攪拌を開始した。昇温して280℃で2時間、300℃で1時間、320℃でさらに2時間反応させた。縮合中には少量の窒素を流下させた。反応終了後、冷却し固化した縮合物を取り出した。この固形物(縮合物)をミキサーで粉砕した後、アセトン、4%苛性ソーダ、水で数回洗浄し溶媒と触媒を除去した。この固形物を乾燥すると、定量的に芳香族ポリエーテルケトンの粉末が得られた。
この粉末10gを100mlのジメチルスルホキシドに分散して、超高圧衝突粉砕機(ジェットマイザー、スギノマシン社製)で平均粒子径300nmの微粉に粉砕した。この微粉を含む分散液を、計算値から得られる縮合物中のカルボニル基に相当するモル等量の60%ヒドラジンヒドラートを添加して、一昼夜100℃で攪拌し、縮合物を濾別し、アセトン、水で洗浄し乾燥した。これによって、ポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。
次いで、ポリエーテルケトン系ヒドラジン貯蔵樹脂に、1N−KOHを添加して60℃で2時間攪拌した。その後、ヨード滴定した結果、固定化されているヒドラジンの28.9%に相当する遊離のヒドラジンを検出した。
実施例13(ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂−1)
攪拌機を装備する内容積2Lのオートクレーブに、N−メチルピロリドン480g、硫化ナトリウム2.7gを仕込み、攪拌下加熱して、内温が120℃に到達するまで脱水した。79.3gの主として水からなる留出液が留去した。この際、0.069モルの硫化ナトリウムが硫化水素に分解して、消失した。
次いで、p−ジクロルベンゼン2.0モルおよびN−メチルピロリドン150gを添加し、攪拌1時間かけて250℃まで昇温し、さらに250℃で3時間反応させた後、一部スラリーをサンプリングして分析した。転化率は100%であった。引き続きN−メチルピロリドン150gを添加し、250℃で15分間攪拌下保持した後、冷却して反応を停止した。得られたスラリーをメタノール、温水で十分洗浄した後、100℃で一晩乾燥し、固形物(ポリフェニレンスルフィド)を得た。得られた固形物の粒度は、22メッシュ以下であった。
得られたポリフェニレンスルフィドを、ジメチルスルホキシドに溶解し、ポリフェニレンスルフィド中に含有される芳香環の分子数に相当する等量のモル数のホルマリンおよび塩酸を滴下して、クロルメチル化した。反応液を大量のメタノールに投入して、固形物を得た。固形物を濾別、メタノール、水、メタノールで洗浄し一昼夜減圧乾燥した。得られた固体をジメチルスルホキシドに溶解して、クロルメチル基のモル数以上のアセトンを添加し、次いで、等モルの苛性ソーダ水溶液を添加して60℃で5時間攪拌し、反応液を大量のメタノールに投入して固形物を得た。固形物を濾別してメタノール、水、メタノールで十分に洗浄した。固形物を減圧下一昼夜乾燥した。得られた固形物が、アセチルエチル基がポリフェニレンスルフィドの芳香環に導入された高分子であることを、IR,NMRにより確認した。
この高分子を、ジメチルスルホキシドに溶解し、カルボニル基と等モルの60%ヒドラジンヒドラートを添加して10時間攪拌した。分離してきた固形物を濾別し、メタノールで洗浄し、ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂を得た。濾液のメタノール中のヒドラジンをヨード滴定した結果、固定化されているヒドラジンは、60.3%であることが確認された。
次いで、ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂に、1N−KOHを添加して攪拌した。その後、ヨード滴定した結果、固定化されているヒドラジンの42.9%に相当する遊離のヒドラジンを検出した。
実施例14(ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂−2)
実施例13と同様の操作により、クロルメチル化された固形物を得た。その後、この固形物を、ジメチルスルホキシドに溶解し、固形物のクロルメチル基と等モル数の60%ヒドラジンヒドラートを添加して、5時間攪拌し、メタノールに投入して、ヒドラジノメチル基を有する沈殿物(ポリチオエーテル系ヒドラジン貯蔵樹脂)を得た。この沈殿物を、HPLCで定量すると、理論計算量の58.5%に相当するヒドラジノ基が確認された。
実施例15(アクリルアミド系ヒドラジン貯蔵樹脂から脱離されたヒドラジンを燃料とする燃料電池の燃料側電極の活性測定)
1)試験溶液および標準液の調製
実施例5で得られたポリアクリル酸ヒドラジッド2gに1N−KOHを38g添加して、ポリアクリル酸ヒドラジッドの5重量%1N−KOH水溶液を調製し、70℃で30分間加熱溶解した後、室温まで冷却して、試験溶液とした。
2)燃料側電極の活性測定
電気化学アナライザ(BAS株式会社製)を用い、LSV(リニアスイープボルタンメトリー)により、燃料側電極の活性を、以下の測定条件で測定した。結果を図4に示す。
図4に示すように、上記1)で調製した試験溶液から遊離したヒドラジンを燃料として、酸化電流が発生していることがわかる。
活性測定条件:
試験溶液: 5重量%ポリアクリル酸ヒドラジッド/1N−KOH水溶液
燃料側電極 Co(コバルト)電極(BAS株式会社製)
参照電極 Ag/AgCl(銀−塩化銀)電極(BAS株式会社製)
対極 Pt(白金)電極(BAS株式会社製)
溶液温度 30度
走査範囲 走査速度
前処理 −1.6〜0.6V 前処理 0.1V/s
ブランク測定 −1.6〜0V ブランク測定 0.02V/s
活性測定 −1.6〜0V 活性測定 0.02V/s
なお、各測定前にAr(アルゴン)ガスによるバブリングを行なった。
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれるものである。
以上のように、本発明のヒドラジン供給装置およびヒドラジンの供給方法は、ヒドラジンの供給が必要な各種産業分野、例えば、プラスチック発泡剤製造原料、清缶剤、還元剤、重合触媒および各種誘導体、試薬、農薬、水処理剤、ロケット燃料などの各種用途にヒドラジンを用いる産業分野において、好適に用いられる。また、本発明のヒドラジン供給装置を備えた本発明の燃料電池システムおよびその燃料電池システムを搭載した車両は、ヒドラジンを燃料とする燃料電池を備える、燃料電池システムおよび車両に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. ヒドラジンを固定化するための固定化槽と、
    前記固定化槽に固定化されたヒドラジンを脱離させるための脱離ユニットとを備えることを特徴とする、ヒドラジン供給装置。
  2. 前記固定化槽にヒドラジンを供給するための原料供給ユニットを備えることを特徴とする、請求項1に記載のヒドラジン供給装置。
  3. 前記固定化槽は、ヒドラジンを脱離可能に固定化するヒドラジン固定基を有する高分子を含むことを特徴とする、請求項1に記載のヒドラジン供給装置。
  4. 前記固定化槽は、ヒドラジンを脱離可能なヒドラジン脱離基を有する高分子を含むことを特徴とする、請求項1に記載のヒドラジン供給装置。
  5. ヒドラジンを固定化するための固定化槽と、前記固定化槽に固定化されたヒドラジンを脱離させるための脱離ユニットとを備えるヒドラジン供給装置と、
    前記ヒドラジン供給装置から供給されるヒドラジンを燃料とする燃料電池とを備えることを特徴とする、燃料電池システム。
  6. 車載可能であることを特徴とする、請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 請求項6に記載の燃料電池システムを搭載していることを特徴とする、車両。
  8. ヒドラジンを固定化するための固定化工程と、
    前記固定化工程において固定化されたヒドラジンを脱離させて供給するための供給工程とを備えることを特徴とする、ヒドラジン供給方法。
  9. ヒドラジンを固定化するために供給する原料供給工程を備えることを特徴とする、請求項7に記載のヒドラジン供給方法。
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