JPWO2008001769A1 - 腸管免疫賦活物質及び剤、並びにこれらを含有する飲食物及び飼料 - Google Patents
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Abstract
本発明の腸管免疫賦活物質又は剤は、β−1,4−マンノビオースを含有する。
Description
本発明は、β−1,4−マンノビオースを含む植物性マンナン分解物を主成分とすることを特徴として、腸管免疫に関して重要な抗体である免疫グロブリンA(IgA)産生量を上昇させることができる腸管免疫賦活作用を有し、病原性細菌、ウイルスによる疾病防止機能をもつ組成物、またはそれらを含む飲食物または飼料に関するものである。
近年、腸管は、動物の体の中でもっとも重要な免疫器官であることがわかってきた。食品は口から運ばれて体内にはいるのだが、食品と一緒に病原性細菌、ウイルスも同時に侵入し、これらが腸管まで到達すれば食物成分と一緒に体内に入り込んでしまう。この侵入を許してしまうと、ともすれば生命の危機を招くかもしれない。この危機を回避すべく、腸管はさまざまな免疫機能をもつと考えられている。腸管免疫系は、安全なものとそうでないものを区別している。安全なものは食品とか有用微生物であり、自分の健康に役立てようとして吸収する。しかし、安全なものに対しても多少の免疫反応を示し、極端な場合がアレルギーを引き起こすことになる。これを経口免疫寛容といわれているが、免疫賦活といわれているものが氾濫している傾向のある中で、下手に免疫を刺激してしまうとこの経口免疫寛容のバランスを崩してしまうので注意が必要である。つまり、免疫賦活剤といわれているのがすべていいわけではなくて、しっかりと何を賦活しているのかを理解したうえで、利用していくことが肝心である。免疫賦活という言葉ひとくくりで、すべて健康的であると判断するのは学術的にも非常に危険なことである。
病原細菌やウイルスが体内に侵入したときは、これを排除しようとして、免疫グロブリンA(IgA)といわれるものが作り出される。このIgAは、腸管内のパイエル板でIgAを作る細胞が作り出され、腸管腔を覆っている上皮細胞の下層に移り、IgAを作り始める。このIgAが腸管腔にでて、病原性細菌やウイルスの侵入を防ぐのである。したがって、このIgAは、これらの病原性細菌やウイルスに対する疾病予防のためには非常に重要であり、経口免疫寛容を崩さずに、IgAの増強をはかることができる組成物や食品があれば、昨今いわれている食品の安全に大いに寄与することになり、非常に有効なものとなりえる。またこのIgAは、細胞内を輸送されて、その他の粘膜面に分泌され、病原性細菌やウイルスへの抵抗のみならずアレルゲン物質の小腸や鼻などからの侵入をふせぐこともでき、IgAはアレルギー発症の予防にも重要である。
このIgAに注目した食品としては、種々提案されている。例えば、特開2005−75740号公報、特開2005−97133号公報では、最近話題となっているきのこ類抽出物がIgA生産促進機能があることを開示している。さらに、特開2005−330213号公報ではウリジル酸がその機能をもっていることを開示している。これらは一定の機能を有していると考えられるが、更なる安価で利用しやすいものが求められている。
そのような需要に対して、特開2002−27922号公報では、安全性、経済性に優れた免疫賦活剤としてコプラミールもしくはパーム核ミールを単純に加水分解したものを提案している。しかしながらこの特許文献は、免疫実験で、インターロイキン−1(IL-1)の産出量からみて対照として通常使われるリポポリサッカライド(LPS)と同等のマクロファージ刺激性を示していることのみを提案しており、この提案品は、体の免疫系に対して、それ自身が刺激しているものであり、IL-1の増大によって、マクロファージの炎症という問題が懸念される。これらは体に余計な負担をかけることも懸念される。
また特開2005−35896号公報では、酵母の細胞壁から比較的容易にとることのできるα型のマンノビオースがインターロイキン−12(IL-12)の生産増強作用があることを提案しているが、このIL−12は細胞性免疫機能であるNK細胞等の活性化を行うものであって、IgAの産出促進を提案しているものではない。さらに、特開2004−51582号公報では好ましくはコーヒーから抽出された植物性のβ型のマンノースオリゴ糖が免疫賦活剤として有用であり、Tリンパ球を刺激してその細胞増殖を促進させていることが例示されている。これは、提案品そのものは免疫系に刺激せず、模擬的試験ではあるが、PHAもしくはConA刺激による試験において、細菌感染状況になったときにはじめて免疫賦活することを提案されており、体に負加のかからない免疫賦活剤といえる。PHAの刺激性がより強いことから、この開示品がTリンパ球を刺激し増殖させていることが開示されている。確かに、Tリンパ球を増殖させることは免疫賦活ではあるが、この発明はIgAの生産促進という提案ではない。以上の状況から、体に負荷をかけずに、病原性細菌、ウイルス、さらにアレルギーの原因となるアレルゲンの侵入を直接防止するIgAの産出促進することができる、安価な腸管免疫賦活物質は発明されていないというのが現状である。
本発明が解決しようとする課題は、安全性、経済性に優れ、体に大きな負荷をかけることなく、確実にIgA産出促進を行い、外部からの病原性細菌及びウイルス感染予防や、アレルギー予防することのできる腸管免疫賦活組成物および飲食物、飼料を提供することにある。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、マンナン含有天然物特にコプラミールおよびパーム核ミールを原料として、マンナン分解酵素を作用させ、単純に加水分解したものではなくて、分解前のマンナンに対して少なくとも10重量%以上のβ−1,4−マンノビオースを含むものが、インターロイキン−6(IL-6)等のサイトカインの関与なしにIgAの産出促進をすることを見出し、Tリンパ球の増大という経路すら通らないことを見出し、従来になく、まったく新規な免疫系への刺激性があることを発見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、マンナン含有天然物にマンナン分解酵素を作用させ、分解前のマンナンに対して少なくとも10重量%以上のβ−1,4−マンノビオースを含む植物性マンナン分解物を主成分とすることを特徴とする免疫賦活作用を有する組成物であって、IgAを産生促進させる効果のある免疫賦活組成物とそれらを含有する飲食物及び飼料に係るものである。
すなわち、本発明は、マンナン含有天然物にマンナン分解酵素を作用させ、分解前のマンナンに対して少なくとも10重量%以上のβ−1,4−マンノビオースを含む植物性マンナン分解物を主成分とすることを特徴とする免疫賦活作用を有する組成物であって、IgAを産生促進させる効果のある免疫賦活組成物とそれらを含有する飲食物及び飼料に係るものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、β−1,4−マンノビオースは、Dマンノース2分子がβ−1,4−グリコシド結合してなるものである。本発明において、β−1,4−マンノビオースは、例えば、マンノースから合成する方法や、β−1,4−マンナン(以下、単にマンナンともいう)を分解する方法により得ることができる。
β−1,4−マンナンを分解する方法は、原料の資源性及び反応効率の点でより好ましく、より簡便にβ−1,4−マンノビオースを得ることができる。この方法では、例えば、マンナンを豊富に含有するココナツケーキ、パーム核ミール、コプラミール、グアーガム、ローカストビーンガムなどのマンナン含有天然物又はこれら天然物から抽出したマンナンに、マンナン分解酵素を作用させて、β−1,4−マンノビオースを得ることができる。
本発明において、β−1,4−マンノビオースは、Dマンノース2分子がβ−1,4−グリコシド結合してなるものである。本発明において、β−1,4−マンノビオースは、例えば、マンノースから合成する方法や、β−1,4−マンナン(以下、単にマンナンともいう)を分解する方法により得ることができる。
β−1,4−マンナンを分解する方法は、原料の資源性及び反応効率の点でより好ましく、より簡便にβ−1,4−マンノビオースを得ることができる。この方法では、例えば、マンナンを豊富に含有するココナツケーキ、パーム核ミール、コプラミール、グアーガム、ローカストビーンガムなどのマンナン含有天然物又はこれら天然物から抽出したマンナンに、マンナン分解酵素を作用させて、β−1,4−マンノビオースを得ることができる。
ココナツケーキは、ココヤシ果実中の胚乳を潰してスラリー状にしたものを固液分解して得られる固形物をいい、食用としてされるものである。コプラミールは、一般に、ココヤシ果肉内の核肉を天日乾燥もしくは熱風乾燥で乾燥させたコプラからヤシ油を抽出した際の残渣をいうが、本発明においては、天日若しくは熱風乾燥工程を経ずに抽出した搾油残渣をも含む。なお、ヤシ油の抽出方法は、溶剤、エクストルーダーもしくはこれらを併用したものを用いて抽出したもの等、特に限定されない。また、パーム核ミールは、アブラヤシの種子であるパーム核からパーム核油を抽出した残渣であり、これも、溶剤抽出、エクストルーダー抽出もしくはこれらの併用等によって抽出できるが特に限定されるものではない。これらのうち、ココナツケーキは、食用として用いられることから、後述するマンノビオースの抽出、精製を省略してコストを抑えられることができる点で、より好ましく用いられる。
本発明においてマンナンの分解は、酵素による加水分解でなくてはならない。加水分解の方法の代表例としては、酸分解などがあるが、これらの方法による加水分解では、得られる組成物の酸変性等が起こりやすく、期待される効果が得られにくい。使用される酵素としては、マンナンを分解し、β−1,4−マンノビオースを分解前のマンナンに対して少なくとも10重量%を産出するものであれば特に限定されるものではなく、マンナナーゼ、マンノシダーゼなどのヘミセルラーゼが挙げられ、例えば市販の製剤、菌体培養した培養液もしくは菌体から分離してきたものを使用することが可能である。市販の製剤としては、例えばヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製)、スミチームACH(新日本化学工業株式会社製)、セルロシンGM5(阪急バイオインダストリー株式会社)等を好ましく使用できる。また、これらのほか、キシラナーゼ、セルラーゼとして市販されているものであっても、当該加水分解活性を有するものも使用でき、例えば、セルラーゼY-NC(ヤクルト薬品工業株式会社製)を使用できる。特に、マンノシダーゼ(exo型)活性が低く、マンナナーゼ(endo型)活性が高いヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製)、スミチームACH(新日本化学工業株式会社製)が、マンノースの生成を抑え、多量にマンノビオースを生成させることができる点で好ましい。
さらに、本発明で用いられる酵素は、水に溶解又は分散させた酵素液として、マンナン含有天然物又はこれから抽出したマンナンに作用させる。そして、マンナン含有天然物を用いる場合において効率的な反応を行うためには、マンナン含有天然物、マンナン分解酵素及び水からなる反応系における水分の調整が重要である。水分調整のための水の添加量としては、マンナン100重量部に対して、50〜10000重量部であることが好ましく、50〜1500重量部であることがより好ましい。水の添加量をこのような範囲とすることにより、十分な水分の存在下で、マンナン類の繊維質を十分に膨潤させ、酵素液を接触しやすくすることができる。しかしながら、必要以上の水分量は、酵素濃度を希釈する結果、却って反応効率を低下させるばかりでなく、乾燥させる場合には、乾燥工程における乾燥コストの上昇を招く。したがって、以上を考慮すれば、マンナン類100重量部に対して、好ましくは50〜500重量部の水を添加するのが適当である。
また、酵素量、反応時間としては、生成するマンノビオースが分解前のマンナンに対し、少なくとも10重量%、好ましくは、加水分解により生成するマンノビオースが分解前のマンナンに対し10〜80重量%程度となるものであれば特に限定されず、かかる条件下では湿潤な酵素処理物を得ることができる。しかし、マンナナーゼ(endo型)活性が高い酵素は、通常、マンノシダーゼ(exo型)活性をも有していることから、酵素反応の時間が長すぎると、マンノビオースが分解されてマンノース量が増加してしまうため、反応時間は必要以上に長い時間としないことが好ましい。これら酵素反応条件は、マンノビオースの生成量ができるだけ多くなるように適宜設定される。この場合、β−1,4−マンノビオースがマンノースより多く含まれるよう設定するのが好ましく、例えば、β−1,4−マンノビオースに対するマンノースの割合が、60重量%以下であるのがより好ましく、20重量%以下であるのが特に好ましい。
以上のようにして、例えば、原料としてパームカーネルミール(マンナン含有量は、およそ36%)を用いて3〜36時間反応させた場合、マンノビオース量は、使用する酵素の種類や量、時間にもよるが、原料100重量部に対して、6〜17重量部程度まで生成させることができる。
以上のようにして、例えば、原料としてパームカーネルミール(マンナン含有量は、およそ36%)を用いて3〜36時間反応させた場合、マンノビオース量は、使用する酵素の種類や量、時間にもよるが、原料100重量部に対して、6〜17重量部程度まで生成させることができる。
得られた分解物は、好ましくは乾燥されるが、そのままの水溶液組成物であってもかまわない。乾燥方法は、特に限定されず、凍結乾燥や、デキストリンなどの賦形剤を加えての、スプレードライ、流動層乾燥等があげられる。また、必要に応じ、得られた酵素分解物から、侠雑物を除去するために、エタノールが利用される。他に侠雑物を除去する可能性のある溶剤としては、メタノール、イソプロパノール、ヘキサンなどが考えられるが、安全なものという観点からエタノールが好ましい。エタノールで侠雑物を除去した後は、水抽出を行ってもよい。その場合、主成分として考えられるβ−1,4−マンノビオースが水溶性であることから、濃縮操作を行っても良い。得られた水溶性成分の乾燥方法は特に限定されない。特に乾燥せずに、そのままの水溶液組成物を用いてもかまわない。乾燥方法としては、凍結乾燥や、デキストリンなどの賦形剤を加えての、スプレードライ、流動層乾燥等があげられる。
β−1,4−マンノビオースの含量は、加水分解前のマンナン重量に対して10重量%以上となるように加水分解したものが好ましい。この含量が10未満であると期待されるようなIgAの産出促進は見られない。本発明に見られるIgAの産出促進が、このβ−1,4−マンノビオースのみによって起こるかどうかは定かではないが、少なくとも主要成分として働いていることが予想される。しかしながら、より期待するIgA産出促進効果を得ようとすると、マンナン含有組成物としてココナツケーキ、コプラミール及びパーム核ミールに限定されることから、これらの原料中に存在する微量な成分とβ−1,4−マンノビオースの相乗作用によって特異な効果を示していると考えられる。したがって、β−1,4−マンノビオースの存在量は100%でも本発明の効果は得られると考えられるが、β−1,4−マンノビオースを高純度に取り出すには経済的にも負担がかかり、なおかつ推測される微量成分との相乗効果も期待できないことから、β−1,4−マンノビオースの含量は10重量%以上、90重量%未満が好ましく、15重量%以上、40重量%未満より好ましい。
本発明のIgA産生促進させる腸管免疫賦活物質は、公地の方法により適宜製剤化して腸管免疫賦活剤の形態で用いられてもよく、これらは、そのまま単体で食することや、パン類、菓子類さらにはビタミン剤やその他健康食品といわれるものに添加して飲食物として摂取食することができ、特に制限されることはない。また同様に水産及び陸上動物用飼料に添加して飼料としても使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試料の調整>
0.25重量部のヘミセルラーゼ(ヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製))を水に溶かした酵素液150重量部を30重量%のマンナンを含むコプラミール、コプラミールA(乾燥工程を経ずに搾油した残渣の乾燥物)、パーム核ミール、もしくはココナツケーキ100重量部と混合し、60℃12時間後、水分含量を10%未満になるまで流動層乾燥を行い乾燥粉末を得た。
この乾燥物100重量部に対して2倍量のエタノールを加えて、攪拌後ろ過を行い、この操作を3回繰り返したのちに、残存エタノールを除去して得られたもの100重量部に対して、500重量部の60℃の温水を加えて、攪拌後ろ過を行い得られたろ液を凍結乾燥して本発明の腸管免疫賦活物質を得た。その糖組成は以下のようであった。
<試料の調整>
0.25重量部のヘミセルラーゼ(ヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製))を水に溶かした酵素液150重量部を30重量%のマンナンを含むコプラミール、コプラミールA(乾燥工程を経ずに搾油した残渣の乾燥物)、パーム核ミール、もしくはココナツケーキ100重量部と混合し、60℃12時間後、水分含量を10%未満になるまで流動層乾燥を行い乾燥粉末を得た。
この乾燥物100重量部に対して2倍量のエタノールを加えて、攪拌後ろ過を行い、この操作を3回繰り返したのちに、残存エタノールを除去して得られたもの100重量部に対して、500重量部の60℃の温水を加えて、攪拌後ろ過を行い得られたろ液を凍結乾燥して本発明の腸管免疫賦活物質を得た。その糖組成は以下のようであった。
次に実施例1及び2にかかるIgA産生促進活性化剤としての能力をマウス脾臓細胞培養上清中のIgAを測定することで評価した。マウス脾臓細胞は6週齢のBALB雌(Charles River社)から採取した。
採取された脾臓細胞を50U/mlペニシリン及び50μg/mlストレプトマイシンを含むRPMI1640(Gibco BRL)の中でほぐし、遠心分離により細胞浮遊液を得た。
この細胞浮遊液(1×106cell/ml)にLPS(5μ/ml)もしくはコンカナバリンA(ConA)(各0.5μ/ml)と、実施例1乃至2で得られたIgA産生促進活性化剤を50μg/mlになるように添加し、37℃で、サイトカイン測定には2日、免疫グロブリン測定には5日 CO2培養器で培養した後、培養液上清中のIgAをサンドイッチELISA法により測定した。また同様にIgGも測定した。
採取された脾臓細胞を50U/mlペニシリン及び50μg/mlストレプトマイシンを含むRPMI1640(Gibco BRL)の中でほぐし、遠心分離により細胞浮遊液を得た。
この細胞浮遊液(1×106cell/ml)にLPS(5μ/ml)もしくはコンカナバリンA(ConA)(各0.5μ/ml)と、実施例1乃至2で得られたIgA産生促進活性化剤を50μg/mlになるように添加し、37℃で、サイトカイン測定には2日、免疫グロブリン測定には5日 CO2培養器で培養した後、培養液上清中のIgAをサンドイッチELISA法により測定した。また同様にIgGも測定した。
また、同様にT細胞もしくはB細胞の細胞増殖性を確かめるために、WST−1アッセイキット(Roche Molecular Biochemimcal)を用いて450nmにおける吸光度において評価した。
さらに、IgAの産生にとって重要なるインターロイキン−6(IL−6)及びB細胞やマクロファージ活性化の指標となるインターフェロンγ(IFN−γ)もこの上清を用いてサンドイッチELISA法を用いて測定した。IFN−γについては、アンチマウス IFN−γ モノクロナール抗体でコーティングされたELISAマイクロタイタープレートに上記上清を添加し、上清中のINF−γを結合させ、ビオチン化されたアンチマウス INF-γでサンドイッチにし、アビジンとホースラデッシュのペルオキシダーゼの混合酵素液で反応させて基質TMBによる発色をマイクロプレートリーダー450nmにて測定し、検量線により含量を算出した。IL−6については、ELISAキット(OptEIA セット、BD Bioscience社)によって含量を測定した。
実施例におけるIgA、IgG、INF−γ、IL−6の産生促進効果結果を表2に示した。
さらに、IgAの産生にとって重要なるインターロイキン−6(IL−6)及びB細胞やマクロファージ活性化の指標となるインターフェロンγ(IFN−γ)もこの上清を用いてサンドイッチELISA法を用いて測定した。IFN−γについては、アンチマウス IFN−γ モノクロナール抗体でコーティングされたELISAマイクロタイタープレートに上記上清を添加し、上清中のINF−γを結合させ、ビオチン化されたアンチマウス INF-γでサンドイッチにし、アビジンとホースラデッシュのペルオキシダーゼの混合酵素液で反応させて基質TMBによる発色をマイクロプレートリーダー450nmにて測定し、検量線により含量を算出した。IL−6については、ELISAキット(OptEIA セット、BD Bioscience社)によって含量を測定した。
実施例におけるIgA、IgG、INF−γ、IL−6の産生促進効果結果を表2に示した。
また、表3にT細胞やB細胞の活性化促進効果のあるなしを示した。
以上の結果から、本発明のものは、T細胞やB細胞の増殖促進効果が低いことが伺われた。したがって、本発明品は、従来から言われているTリンパ球やB細胞を刺激して、増殖させて、細菌の侵入を防止するものではなく、直接IgA及びIgGを産生促進して、細菌等に対する防御を行っているまったく新しいものであることがわかる。
本発明によれば、β−1,4−マンノビオースを含む植物性マンナン分解物を主成分とすることを特徴として、腸管免疫に関して重要な抗体であるIgA産生量を上昇させることができる腸管免疫賦活作用を有し、病原性細菌、ウイルスによる疾病防止機能をもつ組成物、またはそれらを含む飲食物または飼料に利用可能である。
Claims (6)
- β−1,4−マンノビオースを含有する、腸管免疫賦活物質又は剤。
- ココナツケーキ、コプラミール又はパーム核ミールに、含有するマンナン重量あたり10重量%以上のβ−1,4−マンノビオースが生成するようにマンナン分解酵素を作用させて得られるβ−1,4−マンノビオース含有組成物の水溶性成分を有効成分とする、請求項1に記載の腸管免疫賦活物質又は剤。
- ココナツケーキ、コプラミール又はパーム核ミールに、含有するマンナン重量あたり10重量%以上のβ−1,4−マンノビオースが生成するようにマンナン分解酵素を作用させて得られるβ−1,4−マンノビオース含有組成物を乾燥させ、エタノールを加えて抽出した残渣成分に水を加えて抽出される成分を有効成分とする、請求項1に記載の腸管免疫賦活物質又は剤。
- 免疫グロブリンA(IgA)の産生量を上昇させる作用を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の腸管免疫賦活物質又は剤。
- 病原性細菌、ウイルスに対して疾病予防効果をもつ請求項1乃至4のいずれかに記載の腸管免疫賦活物質を含有する飲食物または飼料。
- アレルギー症予防効果をもつ請求項1乃至4のいずれか記載の腸管免疫賦活物質を含有する飲食物または飼料。
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