JPWO2007148718A1 - 光学部材、それを備えた光学系、光学ユニット、及び光学装置 - Google Patents

光学部材、それを備えた光学系、光学ユニット、及び光学装置 Download PDF

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Abstract

光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材、それを備えた光学系、光学ユニット、及び光学装置に関する。反射光及び回折光の発生が十分に抑制されており、且つ作製が容易な光学部材を提供する。レンズ鏡筒(1)の内周面(1a)には線条凸部(16)が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造(15)が形成されている。反射防止凹凸構造(15)は、反射防止凹凸構造(15)へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、入射面において、隣接する線条凸部(16)の各頂点を結んでなるベクトルとのなす角の大きさが60度以下となるように構成されていることを特徴とする。

Description

本発明は、光学部材、それを備えた光学系、光学ユニット、及び光学装置に関する。詳細には、光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材、それを備えた光学系、光学ユニット、及び光学装置に関する。
近年、光の反射を抑制する反射防止処理が表面に施された種々の光学素子が提案されている。反射防止処理としては、例えば、屈折率の比較的低い膜(低屈折率膜)や、低屈折率膜と屈折率の比較的高い膜(高屈折率膜)とを交互に積層してなる多層膜等からなる反射防止多層膜を表面に形成する処理が挙げられる(例えば、特許文献1等)。
しかしながら、低屈折率膜や反射防止多層膜は、形成に際して蒸着法やスパッタリング法等の煩雑な工程を要する。このため、生産性が低く、生産コストが高いという問題がある。また、低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、その反射防止特性に波長依存性及び入射角依存性が大きいという問題もある。
このような問題に鑑み、反射防止特性の入射角依存性及び波長依存性の比較的小さな反射防止処理として、例えば、光学素子表面に入射光の波長以下ピッチで微細構造(例えば、規則的に配列された線条凹部又は線条凸部からなる微細構造や、規則的に配列された錐体状凹部又は凸部からなる微細構造等。以下、このような微細構造が複数配列されてなる構造を「反射防止凹凸構造:SWS(Subwavelength Structured Surface)」とすることがある。)を規則的に形成する処理が提案されている(例えば、非特許文献1、2等)。SWSを素子表面に形成することによって、素子界面における急激な屈折率変化が抑制され、素子界面に緩やかな屈折率分布を形成することが可能となる。このため、光学素子表面における反射が低減され、光学素子内への高い光入射率を実現することができる。
尚、非特許文献2には、微細構造の周期を反射を抑制しようとする光の波長の0.4倍以上1倍以下に設定することが好ましいことが記載されている。
特開2001−127852号公報 ダニエル H.ラグイン(Daniel H. Raguin) G. マイケル モリス(G. Michael Morris)著、「アナリシス オブ アンチリフレクション ストラクチャード サーフェイス ウィズ コンティニュアス ワン ディメンジョナル サーフェイス プロフィールズ (Analysis of antireflection−structured surfaces with continuous one−dimensional surface profiles)」 アプライド・オプティクス(Applied Optics)、第32巻 第14号(Vol. 32, No.14)、 P.2582−2598、1993年
通常、入射光の波長が反射防止凹凸構造のピッチ以上である場合は入射光の反射が抑制される。しかしながら、反射防止凹凸構造のピッチや光学素子の屈折率、入射角等の種々のファクターによっては、入射光の波長が反射防止凹凸構造のピッチよりも長い場合であっても、回折光(反射回折光)が発生する場合がある。
回折光が生じると、その回折光がノイズ光となり、光学素子やそれを備えた光学系、光学装置の光学性能が低下してしまう虞がある。例えば、ピックアップ光学系(光ディスク光学系)を構成する光学素子において回折光が生じた場合、その回折光が検出器へ入射し、サーボ信号、再生信号に多大な影響を与える虞がある。このため、回折光を生じさせないような、より短いピッチの反射防止凹凸構造を素子表面に形成することが好ましい。
非特許文献1には、回折光の発生を抑制するためには、反射防止凹凸構造の周期を入射光の1/2未満にしなければならないとされている。これによると、例えば、可視光(400nm以上700nm以下の波長域の光)が入射する場合、回折光(反射回折光)の発生を十分に抑制するためには、反射防止凹凸構造の周期を200nm未満と非常に細かくしなければならない。従って、反射光の発生を抑制する共に、回折光の発生も抑制可能な反射防止凹凸構造を形成することは非常に困難である。入射光の波長が比較的短い場合は、特に困難であり、場合によっては形成不能である場合もある。言い換えれば、反射光及び回折光の発生が十分に抑制された光学部材は作製が困難である。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、反射光及び回折光の発生が十分に抑制されており、且つ作製が容易な光学部材を提供することにある。
本発明者等は、反射防止凹凸構造に対する入射面の角度によっては、反射防止凹凸構造のピッチが入射光の1/2以上であっても回折光が生じない場合があること、及びその具体的な条件を見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明に係る第1の光学部材は、線条凸部又は線条凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、反射防止凹凸構造は、反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、入射面において、隣接する構造単位の各頂点を結んでなるベクトルとのなす角の大きさが60度以下となるように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る第2の光学部材は、線条凸部又は線条凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、複数の構造単位は、反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、入射面において、隣接する構造単位の各頂点を結んでなるベクトルとのなす角の大きさが60度以下となるように配置されて使用されるものであることを特徴とする。
本発明に係る第3の光学部材は、錐体状凸部又は錐体状凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、反射防止凹凸構造は、反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、最も近接して位置する構造単位の各頂点を結んでなる2本のベクトルのうち一方とのなす角と、法線ベクトルと2本のベクトルのうちの他方とのなす角との角度差が30度以下となるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る第4の光学部材は、錐体状凸部又は錐体状凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、複数の構造単位は、反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、最も近接して位置する構造単位の各頂点を結んでなる2本のベクトルのうち一方とのなす角と、法線ベクトルと2本のベクトルのうちの他方とのなす角との角度差が30度以下となるように配置されて使用されるものであることを特徴とする。
本発明に係る光学系は、本発明に係る光学部材を備えていることを特徴とする。
本発明に係る光学ユニットは、本発明に係る光学系を備えていることを特徴とする。
本発明に係る光学装置は、本発明に係る光学ユニットを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、反射光及び回折光の発生が十分に抑制されており、且つ作製が容易な光学部材が得られる。
図1は、実施形態1に係る撮像装置10の主要部の構成を表す図である。 図2は、レンズ鏡筒1の斜視図である。 図3は、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチと角度ψとの相関を表すグラフである。 図4は、横断面三角形状の反射防止凹凸構造15に光が入射するところを表す模式図である。 図5は、角度ψが90度である場合の図4に示すモデルをさらに模式化した模式図である。 図6は、角度ψが任意の場合の回折光が生じる条件を説明するための概念図である。 図7は、境界面201を法線ベクトル107方向から見た状態を表す概念図である。 図8は、角度ψが0度の場合の反射防止凹凸構造15と入射光との関係を表す模式図である。 図9は、角度ψが0度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフである。 図10は、角度ψが90度の場合の反射防止凹凸構造15と入射光との関係を表す模式図である。 図11は、角度ψが90度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフである。 図12は、実施形態2に係る光ピックアップ装置20の主要部の構成を表す図である。 図13は、対物レンズ2の断面図である。 図14は、対物レンズ2のレンズ面2a側から視た概略平面図である。 図15は、図14中のXV部分を拡大した概略平面図である。 図16は、図14中のXVI部分を拡大した概略平面図である。 図17は、図14中のXVII部分を拡大した概略平面図である。 図18は、格子ベクトル1と格子ベクトル2とのなす角が90度である場合の、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の最大ピッチと角度ψ(1)及びψ(2)との相関を示すグラフである。 図19は、格子ベクトル1と格子ベクトル2とのなす角が120度である場合の、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の最大ピッチと角度ψ(1)及びψ(2)との相関を示す。 20図は、格子ベクトル1、2と入射面の法線ベクトルとの角度関係を示す概念図である。 図21は、ψ(1)とψ(2)との差が90度の場合の反射防止凹凸構造26と入射面との関係を表す模式図である。 図22は、ψ(1)とψ(2)との差が90度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフである。 図23は、ψ(1)とψ(2)との差が0度の場合の反射防止凹凸構造26と入射面との関係を表す模式図である。 図24は、ψ(1)とψ(2)との差が0度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフである。 図25は、本実施形態3に係る複写機30の主要構成を表す図である。 図26は、原稿台ガラス41の表面41aの概略平面図である。 図27は、光走査装置(LSU)57の主要部の構成を表す図である。 図28は、図27中の切り出し線XXVIII−XXVIIIで切り出した部分の断面図である。
符号の説明
1 レンズ鏡筒
2 対物レンズ
10 撮像装置
11 レンズ鏡筒ユニット
13 結像光学系
15、26、70、85 反射防止凹凸構造
16、86 線条凸部
20 光ピックアップ装置
25 検出器
27、71 錐体状凸部
30 複写機
40 画像読み取りユニット
41 原稿台ガラス
57 光走査装置
84 fθレンズ
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態1に係る撮像装置10の主要部の構成を表す図である。
図1に示すように、本実施形態1に係る撮像装置10は、装置本体14と、レンズ鏡筒ユニット11と、撮像素子12とを備えている。レンズ鏡筒ユニット11は、筒状(詳細には円筒状)のレンズ鏡筒1と、レンズ鏡筒1の内部に収納された結像光学系13とを備えている。結像光学系13は、像側(図1において左側)からレンズ鏡筒1内に入射する光を結像するためのものである。本実施形態1では、結像光学系13は、具体的に、第1のレンズ13a、第2のレンズ13b、及び第3のレンズ13cにより構成されている。尚、結像光学系13を構成するレンズ13a〜13cは、それぞれ光軸上に変位不能に配置されていてもよい。また、レンズ13a〜13cのうち少なくともひとつが光軸上を変位可能に構成されており、フォーカシングや変倍が可能な構成としてもよい。
レンズ鏡筒ユニット11は、装置本体14に取り付けられている。レンズ鏡筒ユニット11は装置本体14に対して着脱可能であってもよく、また、装置本体14に脱離不能に取り付けられていてもよい。
装置本体14には、撮像素子12が設けられている。撮像素子12は結像光学系13の光軸上に配置されている。詳細には、撮像素子12は撮像面を有し、その撮像面に結像光学系13によって光学像が結像されるように配置されている。撮像素子12は光検出器としての機能を有するものである。詳細には、撮像素子12は光学像に結像された光学像を検出して、光学像に対応した電気信号を出力する機能を有するものである。撮像素子12は、例えば、CCD(charge coupled device)、COMS(complementary metal−oxide semiconductor)等により構成することができる。
本実施形態1では、撮像素子12から出力された電気信号は、装置本体14に収納された図示しない記録装置(例えば、ハードディスク等)に入力されて記録されるように構成されている。尚、撮像装置10は外光をレンズ鏡筒ユニット11から取り込んで得られた光学像を電気信号に変換するものであるため、光源存在下(光源は、例えば太陽であってもよい)において使用されるものである。
図2はレンズ鏡筒1の斜視図である。詳細には、図2(a)はレンズ鏡筒1の斜視図である。図2(b)はレンズ鏡筒1の内周面1aの一部分の斜視図である。
原則的に、結像光学系13は、結像光学系13に入射した光は撮像素子12に結像されるように設計されている。しかしながら、結像光学系13の最大画角以上の光など、結像光学系13に入射する光の一部は直接撮像素子12に結像されずに、レンズ鏡筒1の内周面1aに入射することとなる。このため、レンズ鏡筒1の内周面1aの光反射率が高い場合は、内周面1aにおいて反射光(迷光)が生じ、それに起因してゴーストやフレア等が生じる虞がある。
このところ、本実施形態1において、レンズ鏡筒1は、筒状に構成されており、その内周面1aには全面にわたって反射防止凹凸構造(所謂SWS)15が形成されている。反射防止凹凸構造15は、各々レンズ鏡筒1の延びる方向に相互に並行に延びる複数の微細な線条凸部16が周面に沿って規則的に配列されてなるものである。詳細には、複数の線条凸部16は、結像光学系13からの光の波長以下のピッチ(ピッチ:隣接する線条凸部16相互間の頂部間の距離)で配列されている。具体的に、例えば、結像光学系13に可視光(波長が400nm以上700nm以下の光)が入射する場合、その入射光のうちで反射を抑制しようとする光(例えば、撮像素子12が450nm以下の光を検出しないようなものである場合は、450nm以上の光とすることができる)のうち最も短波長な光の波長以下のピッチで配列されている。且つ、レンズ鏡筒1は結像光学系13からの光を吸収するように構成されている。具体的には、レンズ鏡筒1は光吸収性材料(例えば、黒色染料や黒色顔料等)を含む構成とされている。このため、入射光の内周面1aにおける反射が効果的に抑制され、レンズ鏡筒1への入射光がレンズ鏡筒1によって高い吸収率で吸収される。従って、内周面1aにおける反射光等に起因する迷光の発生を抑制することができる。その結果、ゴーストやフレア等の発生を効果的に抑制することができ、高い光学性能を有する撮像装置10を実現することができる。
例えば、内周面1aに低屈折率膜及び高屈折率膜の積層からなる多層膜(反射防止多層膜)を形成することによっても内周面1aにおける反射を抑制することができる。しかしながら、反射防止多層膜は波長依存性を有する。すなわち、反射防止多層膜によれば、ある波長(設計波長)の光の反射を好適に抑制することはできるものの、設計波長以外の波長の光の反射を十分に抑制することができない。それに対して、SWSは反射防止多層膜と較べて波長依存性が低く、SWSwのピッチよりも長い波長の入射光の反射を,入射光の波長にかかわらず好適に抑制する効果を有する。従って、本実施形態1の構成によれば、結像光学系13からの種々の波長の光の反射を波長にかかわらず効果的に抑制することができる。
このように、波長依存性の比較的小さいSWSは、特定のある波長域の光が入射するような光学機器、例えば、本実施形態において説明する撮像装置や、相互に波長が異なる複数種類の光を使用する光学機器(例えば、所謂互換性光ピックアップ装置等)などに特に有効である。
また、反射防止多層膜は入射角依存性を有する。具体的には、比較的小さな入射角の光の反射は効果的に抑制することができるものの、比較的大きな入射角の光の反射は十分には抑制することができない。このため、内周面1aに反射防止多層膜を形成した場合、入射角の大きな入射光の反射を十分には抑制することができない。それに対して、SWSは反射防止多層膜と比較して入射角依存性が低いものである。すなわち、SWSによれば、比較的小さな入射角の光のみならず比較的入射角の大きな光の反射も効果的に抑制する機能を有する。従って、本実施形態1の構成によれば、内周面1aに比較的大きな入射角で入射する光の反射も効果的に抑制することができる。比較的大きな入射角で入射する光の反射をより効果的に抑制する観点から、内周面1aの反射防止凹凸構造15を形成するベースとなる面を粗面に形成しておいてもよい。
また、内周面1aの反射防止凹凸構造15を形成するベースとなる面を粗面に形成した場合、入射光に対する正反射成分を効果的に抑制できるという利点もある。
尚、反射防止凹凸構造15のピッチが内周面1aの全面にわたって入射光の波長以下である限りにおいて、反射防止凹凸構造15のピッチが内周面1aの全面にわたって略一定であってもよい(すなわち周期的であってもよい)。また、反射防止凹凸構造15のピッチが内周面1aの各所によって相互に異なっていてもよい。すなわち、反射防止凹凸構造15は非周期的であってもよい。反射防止凹凸構造15を非周期的にすることによって回折光の発生を効果的に抑制することができる。
また、線条凸部16の断面形状は、内周面1aにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるような形状である限りにおいて特に限定されるものではない。例えば、線条凸部16は、その横断面形状が三角形状(頂部が面取り又はR面取りされていてもよい。また、両辺の少なくとも一方が曲線により構成されていてもよい。)やドーム状、半円状、半楕円状等であってもよい。
また、線条凸部16の高さ(高さ:内周面1aのベースとなる面から線条凸部16の頂部までの距離)は、入射光の波長域の長波長側の波長の0.4倍以上に設定することが好ましい。そうすることによって、より効果的に内周面1aにおける反射光の発生を抑制することができる。
本実施形態1において、反射防止凹凸構造15は、反射防止凹凸構造15へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、入射面において隣接する線条凸部16の各頂点を結んでなるベクトル(以下、本実施形態1において、このベクトルを「格子ベクトル」と称することがある。)とのなす角の大きさが60度以下となるように構成されている。言い換えれば、レンズ鏡筒1は、反射防止凹凸構造15へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、格子ベクトルとのなす角の大きさψが60度以下となるように配置されている。
ここで、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは角度ψと相関している。
図3に実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチと格子ベクトルと入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψとの相関を表す。図3に示す曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチを表す。すなわち、図3において、曲線よりも下の領域となる場合は回折光が実質的に生じない。
図3に示すように、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは角度ψが小さくなるほど大きくなる傾向にある。言い換えれば、角度ψが小さくなるにつれて比較的長い波長の入射光からも回折光が実質的に生じなくなる傾向にある。
例えば、角度ψが90度である場合は、従来云われているように、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは入射光の波長の0.5倍(1/2)未満となる。すなわち、回折光を生じさせないようにするためには、反射防止凹凸構造15のピッチを入射光の波長の0.5倍未満にしなければならない。例えば、可視光が内周面1aに入射する本実施形態1においては約200nm未満のピッチに設定しなければならない。このため、反射防止凹凸構造15の形成が非常に困難となる。
角度ψが90度より小さくなるにつれて実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは大きくなる。より詳細には、角度ψが90度から60度までの領域においては角度ψの減少に対して実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチはさほど大きくは増大しない。角度ψが60度以下となったあたりから角度ψの減少に対する実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチの増大率が急激に大きくなる。特に、角度ψが60度以下15度以上の範囲で角度ψの減少に対する実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチの増大量が大きくなる。
具体的に、角度ψが75度である場合は、角度ψが90度である場合よりは若干実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチが大きくなるものの、さほど大きくは変化しない。角度ψが75度からさらに減少すると、角度ψの減少に対する徐々に実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチの増大量が増えていく。そして、角度ψが60度の場合、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは入射光の波長の約0.5547倍となる。すなわち、反射防止凹凸構造15のピッチを入射光の波長の約0.5547倍未満に設定することで回折光の発生を抑制することができるようになる。つまり、角度ψを60度とすることで、角度ψが90度の場合よりも反射防止凹凸構造15のピッチを約1割まで大きくすることができる(約1.1倍にできる)。具体的に、入射光が可視光である場合、角度ψが90度であれば反射防止凹凸構造15のピッチを200nm未満と非常に細かくしなければならないところ、角度ψが60度であれば反射防止凹凸構造15のピッチを222nm未満と比較的大きくすることができる。このため、反射防止凹凸構造15の形成が容易となる。
そして、角度ψが60度を切ったあたりから角度ψの減少に対する実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチの増大率が急激に増大し、角度ψが45度の場合には、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは入射光の波長の約0.6325倍となる。すなわち、反射防止凹凸構造15のピッチを入射光の波長の約0.6325倍未満に設定することで回折光の発生を抑制することができるようになる。つまり、角度ψを45度とすることで、角度ψが90度の場合よりも反射防止凹凸構造15のピッチを約2割まで大きくすることができる(1.2倍にまで大きくすることができる)。具体的に、入射光が可視光である場合、反射防止凹凸構造15のピッチを253nm未満とさらに大きくすることができる。このため、反射防止凹凸構造15の形成が容易となる。
さらに角度ψを45度から小さくすることによって実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチをさらに増大させることができる。角度ψが15度の場合には、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは入射光の波長の約0.9125倍となる。すなわち、反射防止凹凸構造15のピッチを入射光の波長の約0.9125倍未満に設定することで回折光の発生を抑制することができるようになる。つまり、角度ψを15度とすることで、角度ψが90度の場合よりも反射防止凹凸構造15のピッチを約8割まで大きくすることができる(1.8倍まで大きくすることができる)。具体的に、入射光が可視光である場合、反射防止凹凸構造15のピッチを365nm未満と比較的大きくすることができる。このため、反射防止凹凸構造15の形成が容易となる。
角度ψが15度よりもさらに小さくなると、やはりこれまでと同様に角度ψが小さくなるにつれて実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは増大するものの、その増大率は角度ψが60度以下15度未満の場合と比較して小さくなる。その結果、角度ψを0度まで小さくしても、反射防止凹凸構造15のピッチは角度ψが15の場合の約1.1倍にまでしか大きくすることができない。つまり、角度ψを15度未満とすることで反射防止凹凸構造15のピッチを十分に大きくすることができる。
以上より、本実施形態1のように角度ψを60度以下とすることによって、回折光が生じず、且つ作製が容易なレンズ鏡筒1を実現することができる。より好ましい角度ψの範囲は45度以下である。さらに好ましくは15度以下である。特に、角度ψが実質的に0であることが好ましい。
また、上記説明した効果は下記効果に換言することができる。すなわち、現時点の作成限界ピッチが200nmである場合、従来であれば、波長が400nm未満の光の反射を効果的に抑制できななったが、本実施形態のように、反射防止凹凸構造15へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、格子ベクトルとのなす角の大きさを適正に保つことによって波長が400nm未満のより短波長の光の反射を抑制することも可能となる。作成限界ピッチを200nmとすると、角度ψを60度にすることによって、約360nm以上の光の反射の抑制が可能となる。角度ψを45度にすることによって、約316nm以上の光の反射の抑制が可能となる。また、角度ψを15度にすることによって、約219nm以上の光の反射の抑制が可能となる。さらに、角度ψを実質的に0度にすることによって、約200nm以上の光の反射の抑制が可能となる。
次に、図3に示すデータの導出について図4〜図7を参照しながら詳細に説明する。
図4は横断面三角形状の反射防止凹凸構造15に光が入射するところを表す模式図である。
図4において、入射面105は、入射光103と、その反射光104とにより定義される。この図4に示すモデルを用いて、法線ベクトル107と格子ベクトル102とのなす角の大きさψが90度の場合の入射光103の入射角と回折光106の回折角との関係について説明する。
図5は角度ψが90度である場合の図4に示すモデルをさらに模式化した模式図である。
図5において反射防止凹凸構造15を構成する線条凸部16のうちの隣接する2つを、周期Λで列ぶ格子点202及び203で表している。また、反射防止凹凸構造15が形成された内周面1aを模式的に境界面201で表している。そして、境界面201の入射側の屈折率をnとし、回折側の屈折率をnとする。各格子点202及び203に向けて平行光線204及び205が入射角θで入射するものとする。
図5に示すように、入射光線204の光路差はΛnsinθである。入射光線205の光路差はΛnsinθである。この入射光線204のΛnsinθ光路差と入射光線205の光路差Λnsinθとが入射光線204、205の波長λの整数倍となるとき、回折光線209、210が生じる。すなわち、下記数式(1)を満たす場合に回折光が生じる。
Figure 2007148718
但し、m:回折次数(整数)である。
ここで、入射光の最大の入射角θmaxにおいて、回折光が発生しない条件は、θがいかなる値をとっても数式(1)の左辺の絶対値が波長未満であるときである。すなわち、下記数式(2)を満たす場合である。
Figure 2007148718
次に、図6を参照しながら角度ψが任意の場合について説明する。
図6は角度ψが任意の場合の回折光が生じる条件を説明するための概念図である。図6において、
y軸:入射面105の法線ベクトル107、
φ:回折光線209、210と、法線ベクトル107とのなす角、
である。
図7は境界面201を法線ベクトル107方向から視た状態を表す概念図である。
ここで、周期Λは入射面105を含むx方向成分と入射面105に対して垂直なy方向成分とに分解することができる。周期Λのx方向成分とy方向成分とは下記数式(3)で表される。
Figure 2007148718
一方、入射光はxz面内にある。このため、入射光に関してはxz平面上の光路差のみを考慮すればよい(すなわち、入射光に関してyz面内における入射光の光路差は0となる)。入射光のxz平面上の光路差は下記数式(4)で表される。
Figure 2007148718
それに対して、回折光はxz面内にあるとは限らない。このため、回折光の光路差はxz面内の成分とyz面内の成分とに分解して考慮する必要がある。回折光のxz面内における光路差は下記数式(5)で与えられる。
Figure 2007148718
従って、xz面内における入射光と回折光との光路差の差分は下記数式(6)で表される。
Figure 2007148718
yz面内の入射光と回折光との光路差の差分は、yz面内における入射光の光路差が0であるため、下記数式(7)で与えられる。
Figure 2007148718
回折光が発生する条件は、数式(6)及び数式(7)の光路差の2乗和の平方根が波長の整数倍の時である。すなわち、回折光が発生する条件は下記数式(8)で表される。
Figure 2007148718
最大の入射角θmaxにおいて、回折光が発生しない条件は、θ、φがいかなる値をとっても数式(6)の左辺が波長未満であるときである。すなわち、最大の入射角θmaxにおいて、回折光が発生しない条件は下記数式(9)で表される。
Figure 2007148718
空気中から任意の入射角度(入射角0度から90度)で光が入射するとき、n=n=1、θmax=90度であるので、上記数式(9)は下記数式(10)のように解くことができる。
Figure 2007148718
このようにして得られた数式(10)をグラフ化したものが図3に示す曲線である。
尚、図8は角度ψが0度の場合の反射防止凹凸構造15と入射光との関係を表す模式図である。図9は角度ψが0度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフ(シミュレーション結果)である。また、図10は角度ψが90度の場合の反射防止凹凸構造15と入射光との関係を表す模式図である。図11は角度ψが90度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフ(シミュレーション結果)である。尚、図9及び図11の結果は、反射防止凹凸構造15を周期300nm、高さ300nmの断面三角形状の微細な線条凸部16が複数,周期的に配列されてなるものであるとして算出したものである。また、光は屈折率1の媒質から屈折率1.46の反射防止凹凸構造15へ入射するものとした。波長については、400nm〜700nmの範囲で、50nmごとにプロットしている。偏光は無偏光である。
図11に示すように、角度ψが90度の場合は、特定の入射角において回折光が発生し、その特定の入射角において反射率が急激に増加する。例えば、波長400nmでは入射角20度において、反射回折光が発生し、反射回折光が生じない場合と比較して反射率が5倍以上になる。一方、ψ=0°の場合は、図9に示すように、入射角0〜90度において回折光は実質的に発生しない。このため、ある特定の入射角で、反射率が急激に増加することはない。
以上、本実施形態1では、複数の微細な線条凸部16が配列されてなる反射防止凹凸構造15の例について説明したが、例えば、反射防止凹凸構造15は、複数の微細な線条凹部(例えば、横断面形状が三角形状(頂部が面取り又はR面取りされていてもよい。また、両辺の少なくとも一方が曲線により構成されていてもよい。)やドーム状、半円状、半楕円状等の線条凹部)が規則的に配列されなるものであってもよい。すなわち、反射防止凹凸構造15は、その表面において屈折率が緩やかに変化するような構造であれば特に限定されるものではない。尚、本明細書において、線条凹部の頂部とは、線条凹部の最下点のことをいう。
また、本実施形態1では、内周面1aの全面にSWSが形成されている例について説明したが、例えば、内周面1aのうち光が入射しないような箇所がある場合や、光学設計的に光の反射が起こってもよいような箇所があるような場合には、必ずしも内周面1aの全面にわたってSWSを形成する必要はない。
(実施形態2)
図12は本実施形態2に係る光ピックアップ装置20の主要部の構成を表す図である。詳細には、図12は光ピックアップ装置20のピックアップユニット部分のみを描画したものである。
本実施形態2に係る光ピックアップ装置20は、情報記録媒体(例えば、光ディスク等)24の情報記録面24aにレーザ光を合焦させて、情報記録面24aにおける反射光を検出することにより情報記録面24aに記録された情報を読み出し可能に構成されたものである。
光ピックアップ装置20は、レーザ光源21と、コリメータ22と、ビームスプリッタ23と、対物光学系を構成する対物レンズ2と、検出器25とを備えている。コリメータ22はレーザ光源21から射出されたレーザ光を平行光にする機能を有するものである。コリメータ22により平行光に変換されたレーザ光はビームスプリッタ23を透過して対物レンズ2に入射する。対物レンズ2はレーザ光を設置された情報記録媒体24の情報記録面24aに合焦させるためのものである。対物レンズ2により合焦されたレーザ光は情報記録面24aにより反射される。その反射光は対物レンズ2を透過してビームスプリッタ23に入射する。このビームスプリッタ23に設けられた反射面で反射され、反射光は検出器25に導かれる。検出器25において反射光が検出され、検出された反射光に基づいてデータの読み出しが行われる。
尚、本実施形態2では、1種類の情報記録媒体24に対してレーザ光の合焦を行うタイプの光ピックアップ装置20を例に挙げて本発明例を説明するが、例えば、複数種類の情報記録媒体24のそれぞれに対してレーザ光を合焦可能な所謂互換タイプのものであってもよい。
図13は対物レンズ2の断面図である。
図14は対物レンズ2のレンズ面2a側から視た概略平面図である。
図15は図14中のXV部分を拡大した概略平面図である。
図16は図14中のXVI部分を拡大した概略平面図である。
図17は図14中のXVII部分を拡大した概略平面図である。
上述のように、対物レンズ2に入射するレーザ光は対物レンズ2を透過する。しかしながら、対物レンズ2のレンズ面2aやレンズ面2bに反射防止処理が施されてなければ、レンズ面2a、2bにおいてレーザ光の一部が反射されることとなる。レンズ面2a、2bにおいてレーザ光の一部が反射されると、検出器25において検出されるレーザ光の光量が低下するため、検出精度が低下する傾向にある。その結果、ノイズ等が生じる虞がある。
このところ、本実施形態2では、対物レンズ2のレーザ光源21側のレンズ面2aの少なくとも光学有効径内には複数の微細な錐体状凸部27が規則的に配列されてなる反射防止凹凸構造26が形成されている。詳細には、複数の錐体状凸部27は、レーザ光源21から射出されるレーザ光の波長以下のピッチ(最も近接して位置する錐体状凸部27相互間における頂点間距離)で配列(例えば、正方配列又は三角格子状に配列)されている。
また、レンズ面2bの少なくとも光学有効径内にも複数の微細な錐体状凸部27が規則的に配列されてなる反射防止凹凸構造26が形成されている。詳細には、複数の錐体状凸部27は、レーザ光源21から射出されるレーザ光の波長以下のピッチ(最も近接して位置する錐体状凸部27相互間における頂点間距離)で配列(例えば、正方配列又は三角格子状に配列)されている。
このため、対物レンズ2のレンズ面2a、2bにおけるレーザ光の反射を抑制することができる。その結果、検出器25において検出されるレーザ光の光量を比較的多くすることができ、ノイズの発生を効果的に抑制することができる。従って、高い光学性能を有する光ピックアップ装置20を実現することができる。
尚、本実施形態2における反射防止凹凸構造26は、上記実施形態1における反射防止凹凸構造15と同様に、波長依存性及び入射角依存性が少ないものであるため、反射防止多層膜等をレンズ面2a、2bに設ける場合と比較してより高い反射防止効果を実現することができる。
本実施形態2においても、上記実施形態1と同様に、反射防止凹凸構造26のピッチがレンズ面2a、2bの少なくとも光学有効径内においてレーザ光の波長以下である限りにおいて、反射防止凹凸構造26のピッチがレンズ面2a、2bの光学有効径内の全域にわたって略一定であってもよい(すなわち周期的であってもよい)。また、反射防止凹凸構造26のピッチが光学有効径内の各所によって相互に異なっていてもよい。すなわち、反射防止凹凸構造26は非周期的であってもよい。反射防止凹凸構造26を非周期的なものにすることによってレンズ面2a、2bにおける回折光の発生を効果的に抑制することができる。
尚、錐体状凸部27は、レンズ面2a、2bにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるような形状のものであれば特にその形状は限定されるものではない。例えば、錐体状凸部27は、円錐体状、角錐体状、頂部が面取り又はR面取りされた円錐体状又は角錐体状、斜錐体状(斜円錐体状、斜角錐体状)、若しくは頂部が面取り又はR面取りされた斜錐体状等であってもよい。また、レンズ面2a、2bにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるように、反射防止凹凸構造26を錐体状凹部により構成するようにしてもよい。尚、本明細書において「錐体状凹部の頂点」とは、錐体状凹部の最下点をいう。
また、錐体状凸部27の高さ(高さ:レンズ面2a、2bのベース面から錐体状凸部27の頂点までの距離)は、レーザ光源21から射出されるレーザ光の波長の0.4倍以上に設定することが好ましい。そうすることによって、より効果的にレンズ面2a、2bにおける反射光の発生を抑制することができる。
本実施形態2において、反射防止凹凸構造26は、格子ベクトル1とレーザ光の入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψ(1)と、格子ベクトル2と同法線ベクトルとのなす角の大きさψ(2)との差が30度以下となるように構成されている。言い換えれば、対物レンズ2は、格子ベクトル1とレーザ光の入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψ(1)と、格子ベクトル2と同法線ベクトルとのなす角の大きさψ(2)との差が30度以下となるように配置されている。
尚、「格子ベクトル1」とは、最も近接して位置する錐体状凸部27の各頂点を結んでなる2本のベクトルの一方をいい、「格子ベクトル2」とは、最も近接して位置する錐体状凸部27の各頂点を結んでなる2本のベクトルの他方をいう。
ここで、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチは角度ψ(1)と相関している。また、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチは角度ψ(2)と相関している。
図18に実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の最大ピッチと角度ψ(1)及びψ(2)との相関を示す。尚、図18に示すデータは格子ベクトル1と格子ベクトル2とのなす角が90度である場合のデータである。すなわち、錐体状凸部27を正方配列した場合のデータである。図18に示す実線曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチを表す。図18に示す点線曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチを表す。すなわち、図18において実線曲線以下、且つ点線曲線以下の領域においては回折光が生じないこととなる。
図18に示すように、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチは角度ψ(1)が小さくなるほど大きくなる傾向にある。このため、角度ψ(1)が小さくなるにつれて反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向のピッチを広げることができる傾向にある。詳細には、上記実施形態1において説明した図3に示す曲線とほぼ同様の挙動を示す。
一方、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチは角度ψ(2)が小さくなるほど小さくなる傾向にある。このため、角度ψi(2)が大きいほど反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向のピッチを大きくすることができる傾向にある。詳細には、上記実施形態1において説明した図3に示す曲線とほぼ逆の挙動を示す。
その結果、角度ψ(1)が75度より大きい場合及び/又は角度ψ(2)が15度未満の場合は、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1及び2方向の最大ピッチのうち小さい方のピッチを少なくともレーザ光の波長の約半分にまで小さくしなければ回折光の発生を十分に抑制することができない。このため、反射防止凹凸構造26の形成が困難となる。角度ψ(1)を75度以下、且つ角度ψ(2)を15度以上とすることで、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1及び2方向の最大ピッチのそれぞれを比較的大きくすることができる。このため、反射防止凹凸構造26の形成が比較的容易である。つまり、正方配列の場合は、角度ψ(1)と角度ψ(2)との差を60度以下とすることで比較的形成が容易で実質的に回折光を生じさせない反射防止凹凸構造26を実現することができる。より好ましい条件は、角度ψ(1):60度以下且つ角度ψ(2)を30度以上、つまり角度ψ(1)と角度ψ(2)との差:30度以下である。さらには角度ψ(1):55度以下且つ角度ψ(2)を35度以上、つまり角度ψ(1)と角度ψ(2)との差:20度以下であり、角度ψ(1):50度以下且つ角度ψ(2)を40度以上、つまり角度ψ(1)と角度ψ(2)との差:10度以下であることがなお好ましい。特に、角度ψ(1)及びψ(2)のそれぞれが実質的に45度であることが最も好ましい。この場合、反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向のピッチと格子ベクトル2方向のピッチとのそれぞれをレーザ光の波長の約0.6325倍にまで大きくしても回折光は実質的に生じなくなる。
図19に、格子ベクトル1と格子ベクトル2とのなす角が120度である場合の(すなわち、錐体状凸部27を三角格子状に配列(斜方配列)した場合の)、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の最大ピッチと角度ψ(1)及び角度ψ(2)との相関を示す。図19に示す実線曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチを表す。図19に示す点線曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチを表す。すなわち、図19において実線曲線以下、且つ点線曲線以下の領域においては回折光が生じないこととなる。
図19に示す場合も、図18に示す場合と同様に、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチは角度ψ(1)が小さくなるほど大きくなる傾向にある。一方、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチは角度ψ(2)が小さくなるほど小さくなる傾向にある。
斜方配列の場合、図19より、角度ψ(1)と角度ψ(2)との差を30度以下に設定することによって比較的形成が容易で実質的に回折光を生じさせない反射防止凹凸構造26を実現することができる。より好ましい角度ψ(1)と角度ψ(2)との差は20度以下であり、10度以下であることがさらに好ましい。この場合は、角度ψ(1)及びψ(2)のそれぞれがほぼ60度である場合に、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1及び2方向の最大ピッチのうち小さい方を最も大きくことができるため、最も好ましい。この場合、反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向のピッチと格子ベクトル2方向のピッチとのそれぞれをレーザ光の波長の約0.5547倍にまで大きくしても回折光は実質的に生じなくなる。
以上より、比較的形成が容易で実質的に回折光を生じさせない反射防止凹凸構造26を実現する観点から、角度ψ(1)と角度ψ(2)との差を30度以下に設定することが好ましい。より好ましい角度ψ(1)と角度ψ(2)との差は20度以下であり、10度以下であることがさらに好ましい。そして、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチと、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチとが略同一となり、且つ角度ψ(1)と角度ψ(2)とが略同一となるように角度ψ(1)と角度ψ(2)とを設定するのが最も好ましい。
尚、上述のような回折光が実質的に生じない範囲を満たす限りにおいて反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向のピッチと格子ベクトル2方向のピッチとは略同一であってもよく、また異なっていてもよい。
次に、図18及び図19に示すデータの導出について図20を参照して説明する。
図20に格子ベクトル1、2と入射面の法線ベクトルとの角度関係を示す。
ここで、格子ベクトル1と格子ベクトル2のなす角(入射面の法線ベクトルが存在する側の角)をφとする。格子ベクトル1、2の周期をそれぞれ、Λ、Λとする。
2次元周期構造で回折が起こらない条件は下記数式(11)で表される。
Figure 2007148718
ここで、反射防止凹凸構造26へ空気中から光が入射し、その入射角が0度から90度の場合、n=n=1、θmax=90度であるので、上記数式(8)より、回折光(反射回折光)が生じない条件は下記数式(12)となる。
Figure 2007148718
ここで、φ=90°と仮定すると、数式(9)は下記数式(13)に変形できる。
Figure 2007148718
上記数式(13)より図18及び図19に示すデータが得られる。
尚、図21はψ(1)とψ(2)との差が90度の場合の反射防止凹凸構造26と入射面との関係を表す模式図である。図22はψ(1)とψ(2)との差が90度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフ(シミュレーション結果)である。また、図23はψ(1)=ψ(2)=45度の場合、すなわちψ(1)とψ(2)との差が0度の場合の反射防止凹凸構造26と入射面との関係を表す模式図である。図24はψ(1)=ψ(2)=45度の場合、すなわちψ(1)とψ(2)との差が0度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフ(シミュレーション結果)である。尚、図22及び図24の結果は、反射防止凹凸構造26を周期300nm、高さ300nmの円錐体である凸部が周期的に配列されてなるものとした場合のものである。光は屈折率1の媒質から屈折率1.46の反射防止凹凸構造26に入射するものとした。波長については、400nm〜700nmの範囲で、50nmごとにプロットしている。偏光は無偏光である。
図22に示すように、ψ(1)とψ(2)との差が90度の場合、特定の入射角において回折光が発生し、その特定の入射角において反射率が急激に増加する。例えば、波長400nmでは入射角20度において、反射回折光が発生し、反射回折光が生じない場合と比較して反射率が3倍以上になる。
一方、ψ(1)=ψ(2)=45度の場合、すなわちψ(1)とψ(2)との差が0度の場合は、入射角0〜90度において回折光は発生せず、ある特定の入射角で、反射率が急激に増加することはない。
尚、本実施形態2のように、錐体状凸部27を二次元的に配列してなる反射防止凹凸構造26を採用することによって、線条凸部16を一方向に配列してなる反射防止凹凸構造15を採用する場合よりも偏向依存性を低減することができる。
(変形例1)
上記実施形態1では、レンズ鏡筒1の内周面1aに線条凸部16が複数配列されてなる反射防止凹凸構造15が形成されている例について説明したが、内周面1aに上記実施形態2において説明したような条件を満たす錐体状凸部が複数配列されてなる反射防止凹凸構造を形成してもよい。
また、上記実施形態1において結像光学系13を構成するレンズ13a〜13cのそれぞれのレンズ面に上記実施形態1や2で説明した線条又は錐体状の構造単位が複数配列されてなる反射防止凹凸構造を形成してもよい。そうすることによってレンズ13a〜13cのレンズ面における反射光の発生を効果的に抑制することができる。
(実施形態3)
図25は本実施形態3に係る複写機30の主要構成を表す図である。
図26は原稿台ガラス41の表面41aの概略平面図である。
本実施形態3に係る複写機30は、画像読み取りユニット40と、本体ユニット50とを備えている。画像読み取りユニット40は、設置された原稿を読み取るためのものである。本体ユニット50は、画像読み取りユニット40によって読み取られた原稿を複写するためのものである。
画像読み取りユニット40は、原稿台ガラス41と、等速ユニット44と、半速ユニット49と、レンズ47と、イメージセンサ48とを備えている。
等速ユニット44は走査方向(図25において横方向)に走査可能に構成されている。等速ユニット44は、露光ランプ42と、第1ミラー43とを備えている。露光ランプ42は原稿台ガラス41の上に置かれた原稿を露光するためのものである。第1ミラー43は原稿からの反射光を半速ユニット49方向に反射するためのものである。
この等速ユニット44によって原稿台ガラス41の上に置かれた原稿が走査される。具体的に、露光ランプ42によって原稿を露光しながら等速ユニット44によって原稿が走査される。そして、原稿の一端から他端までの反射光が半速ユニット49方向に順次反射される。
半速ユニット49は、等速ユニット44の移動する方向と同じ方向に、等速ユニット44の移動速度の半分の速度で移動しながら、第1ミラー43からの光をイメージセンサ48方向に導光するためのものである。詳細に、半速ユニット49は、第2ミラー45と、第3ミラー46とを備えている。第2ミラー45は第1ミラー43からの光を第3ミラー46方向に反射させるものである。第3ミラー46は、第2ミラー45からの光をイメージセンサ48方向に反射させるものである。
半速ユニット49とイメージセンサ48との間にはレンズ47が配置されている。このレンズ47により半速ユニット49からの光がイメージセンサ48上に集束される。このように原稿の光学像がイメージセンサ48に入力され、イメージセンサ48によって光学像が電気信号に変換される。変換された電気信号は本体ユニット50に入力されるように構成されている。
本体ユニット50には、用紙束がセットされる給紙カセット51が設けられている。給紙カセット51にはピックアップローラ(図示せず)が設けられている。ピックアップローラは給紙カセット51にセットされた用紙束の最も上に位置する用紙を取り出すためのものである。給紙カセット51の用紙取り出し方向前方にはローラ52〜54が設けられている。そのローラ52〜54により、不図示のピックアップローラにより取り出された用紙が搬送される。
用紙の搬送先には、用紙表面に対向位置するように、表面55aに感光体が塗布された感光体ドラム55が配置されている。感光体ドラム55は、搬送された用紙幅方向に軸支されており、用紙の搬送方向に対応して回転可能に構成されている。
感光体ドラム55の近傍には、感光体ドラム55の回転方向に沿って、帯電器56と、光走査装置57と、現像器58と、転写器59と、クリーニングユニット60とがこの順で配置されている。帯電器56は感光体ドラム55の表面55aを一様に帯電させるためのものである。光走査装置57は、帯電した表面55aを露光走査することにより、上記画像読み取りユニット40から入力された電気信号に対応した静電潜像を表面55a上に形成するためのものである。現像器58は、形成された静電潜像にトナーを付着させて表面55a上にトナー像を形成させるためのものである。転写器59は、表面55a上に形成されたトナー像を搬送されてきた用紙の上に転写させるものである。
トナー像が転写された用紙の搬送先には搬送ベルト61及び定着ユニット62が配置されている。搬送ベルト61はトナー像が転写された用紙を搬送して定着ユニット62に供給するためのものである。定着ユニット62は、相互に対向し、それぞれ用紙の幅方向に回転可能に軸支された,定着ローラ63と、押圧ローラ64とを備えている。押圧ローラ64は搬送された用紙を定着ローラ63に対して押圧するためのものである。定着ローラ63は供給された用紙に熱を加えることによりトナー像を用紙に定着させるためのものである。
定着ユニット62の前方には、トナー像が定着した用紙を排出トレイ66まで搬送するローラ65が設けられている。
上述のように、画像読み取りユニット40における原稿の読み取りは、露光ランプ42により原稿台ガラス41を介して原稿を露光して、その反射光を検出することにより行われる。このところ、例えば、原稿台ガラス41の第1ミラー43側表面41aにおいて露光ランプ42の光が反射されると、迷光が生じ、また、検出される光の光量が低下するため、画像検出精度が低下する虞がある。
しかしながら、本実施形態3では、図26に示すように、原稿台ガラス41の表面41a(詳細には、少なくとも表面41aのうち露光ランプ42からの光が入射する部分)に複数の微細な錐体状凸部71が規則的に配列されてなる反射防止凹凸構造70が形成されている。詳細には、複数の錐体状凸部71は、露光ランプ42からの光の波長以下のピッチで配列(例えば、正方配列、又は三角格子状に配列)されている。このため、原稿台ガラス41の表面41aにおける露光ランプ42からの光の反射を効果的に抑制することができる。従って、画像読み取りユニット40の高い画像検出精度、ひいては複写機30の高い複写精度を実現することができる。
尚、本実施形態3においても上記実施形態2の場合と同様に、表面41aにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるような形状である限りにおいて反射防止凹凸構造70の形状は特に限定されるものではない。例えば、反射防止凹凸構造70を複数の錐体状凹部により構成してもよい。また、複数の線条凸部又は線条凹部により構成してもよい。
また、反射防止凹凸構造70は、周期的であってもよく、また非周期的であってもよい。
錐体状凸部71の高さは露光ランプ42から射出される光の波長の0.4倍以上に設定することが好ましい。そうすることによって、より効果的に表面41aにおける露光ランプ42からの光の反射を抑制することができる。
本実施形態3において、反射防止凹凸構造70は、図26に示すように、格子ベクトル1と露光ランプ42からの光の入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψ(1)と、格子ベクトル2と同法線ベクトルとのなす角の大きさψ(2)との差が30度以下となるように構成されている。言い換えれば、原稿台ガラス41は、格子ベクトル1とレーザ光の入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψ(1)と、格子ベクトル2と同法線ベクトルとのなす角の大きさψ(2)との差が30度以下となるように配置されている。このため、上記実施形態2で説明したように、反射防止凹凸構造70は、実質的に回折光を発生させず、且つ形成が容易なものである。このため、高い光学性能を有し、且つ製造容易な複写機30を実現することができる。
より好ましい角度ψ(1)と角度ψ(2)との差は20度以下であり、10度以下であることがさらに好ましい。そして、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造70の格子ベクトル1方向の最大ピッチと、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造70の格子ベクトル2方向の最大ピッチとが略同一となり、且つ角度ψ(1)と角度ψ(2)とが略同一となるように角度ψ(1)と角度ψ(2)とを設定するのが最も好ましい。
尚、上述のような回折光が実質的に生じない範囲を満たす限りにおいて反射防止凹凸構造70の格子ベクトル1方向のピッチと格子ベクトル2方向のピッチとは略同一であってもよく、また異なっていてもよい。
次に、本実施形態3における光走査装置57の構成について図27及び図28を参照しながら詳細に説明する。
図27は光走査装置(LSU)57の主要部の構成を表す図である。
図28は図27中の切り出し線XXVIII−XXVIIIで切り出した部分の断面図である。
光走査装置57は、画像読み取りユニット40から出力された電気信号に応じて感光体ドラム55の表面55a(被走査面)を光走査して静電潜像を形成するためのものである。
光走査装置57は、半導体レーザ等により構成される光源80と、走査光学系を備えている。走査光学系は、第1結像光学系と、偏向器83と、第2結像光学系とを備えている。
第1結像光学系は偏向器83の偏光面上に光源80からの光束を主走査方向に延びる線像として結像させるためのものである。具体的に、本実施形態3では、第1結像光学系はコリメータレンズ81とシリンドリカルレンズ82とにより構成されている。コリメータレンズ81は光源80からの光束を平行光束に変換するためのものである。シリンドリカルレンズ82は、主走査方向には光学的パワーを有さず、副走査方向にのみ(正の)光学的パワーを有するものであり、コリメータレンズ81からの光を副走査方向に集光し、線像を偏向器83の偏光面上に結像するためのものである。
偏向器83は、第1結像光学系からの光を反射させて主走査方向に偏向するためのものである。偏向器83は、例えば、複数の偏向面を有し、回転可能に軸支されたポリゴンミラー等により構成することができる。
偏向器83により偏向された光束は第2結像光学系により被走査面たる感光体ドラム55の表面55aに結像される。第2結像光学系は、例えば、fθレンズ84で構成することができる。fθレンズ84は、例えば、主走査方向と副走査方向とで光学的パワーが相互に異なるアナモフィックレンズであることが好ましい。
ここで、図28に示すように、fθレンズ84の光源80側表面84a及び感光体ドラム55側表面84bのそれぞれには、反射防止凹凸構造85が形成されている。反射防止凹凸構造85は、一方向に相互に並行に延びる複数の微細な線条凸部86が規則的に配列されてなるものである。詳細には、複数の線条凸部86は光源80からの光束の波長以下のピッチで配列されている。このため、光源80からの光束のfθレンズ84のレンズ面84a及び84bにおける反射が効果的に抑制される。従って、迷光の発生や光量ロスが抑制され、より高い光学性能を実現することができる。
尚、反射防止凹凸構造85のピッチが光源80からの光の波長以下である限りにおいて、反射防止凹凸構造85のピッチがレンズ面84a及び84bのそれぞれの全面にわたって略一定であってもよい(すなわち周期的であってもよい)。また、反射防止凹凸構造85のピッチがレンズ面84a及び84bのそれぞれの各所によって相互に異なっていてもよい。すなわち、反射防止凹凸構造85は非周期的であってもよい。反射防止凹凸構造85を非周期的にすることによって回折光の発生を効果的に抑制することができる。
また、線条凸部86の断面形状は、レンズ面84a及び84bのそれぞれにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるような形状である限りにおいて特に限定されるものではない。
また、線条凸部86の高さは、光源80からの光の波長域の長波長側の波長の0.4倍以上に設定することが好ましい。そうすることによって、より効果的にレンズ面84a及び84bのそれぞれにおける反射光の発生を抑制することができる。
本実施形態3において、反射防止凹凸構造85は、反射防止凹凸構造85へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、入射面において隣接する線条凸部86の各頂点を結んでなるベクトル(格子ベクトル)とのなす角の大きさψが60度以下となるように構成されている。言い換えれば、fθレンズ84は、反射防止凹凸構造85へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、格子ベクトルとのなす角の大きさψが60度以下となるように配置されている。このため、上記実施形態1で説明したように、反射防止凹凸構造85は、実質的に回折光を発生させず、且つ形成が容易なものである。このため、高い光学性能を有し、且つ製造容易な複写機30を実現することができる。尚、より好ましい角度ψの範囲は45度以下である。さらに好ましくは15度以下である。特に、角度ψが実質的に0であることが好ましい。
以上、本実施形態3では、本発明を実施した,光源を有する光学装置について複写機を例に挙げて説明した。しかし、本発明を実施した,光源を有する光学装置は複写機に限定されるものではない。例えば、照明装置(面状照明装置)やディスプレイ、プロジェクタ等であってもよい。また、本発明に係る光学部材は、光を吸収する所謂黒体部材、レンズ、プリズム、偏光板、位相補正素子等であってもよい。
本発明に係る光学部材は、反射光及び回折光の発生が抑制されたものであり、反射防止板レンズ鏡筒等やレンズ等に代表される光学素子等として有用である。また、本発明に係る光学部材は、結像光学系、対物光学系、走査光学系等の各種光学系、レンズ鏡筒ユニット、光ピックアップユニット等の光学ユニット、及び撮像装置、光ピックアップ装置、光走査装置等に有用である。
本発明は、光学部材、それを備えた光学系、光学ユニット、及び光学装置に関する。詳細には、光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材、それを備えた光学系、光学ユニット、及び光学装置に関する。
近年、光の反射を抑制する反射防止処理が表面に施された種々の光学素子が提案されている。反射防止処理としては、例えば、屈折率の比較的低い膜(低屈折率膜)や、低屈折率膜と屈折率の比較的高い膜(高屈折率膜)とを交互に積層してなる多層膜等からなる反射防止多層膜を表面に形成する処理が挙げられる(例えば、特許文献1等)。
しかしながら、低屈折率膜や反射防止多層膜は、形成に際して蒸着法やスパッタリング法等の煩雑な工程を要する。このため、生産性が低く、生産コストが高いという問題がある。また、低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、その反射防止特性に波長依存性及び入射角依存性が大きいという問題もある。
このような問題に鑑み、反射防止特性の入射角依存性及び波長依存性の比較的小さな反射防止処理として、例えば、光学素子表面に入射光の波長以下ピッチで微細構造(例えば、規則的に配列された線条凹部又は線条凸部からなる微細構造や、規則的に配列された錐体状凹部又は凸部からなる微細構造等。以下、このような微細構造が複数配列されてなる構造を「反射防止凹凸構造:SWS(Subwavelength Structured Surface)」とすることがある。)を規則的に形成する処理が提案されている(例えば、非特許文献1等)。SWSを素子表面に形成することによって、素子界面における急激な屈折率変化が抑制され、素子界面に緩やかな屈折率分布を形成することが可能となる。このため、光学素子表面における反射が低減され、光学素子内への高い光入射率を実現することができる。
尚、非特許文献には、微細構造の周期を反射を抑制しようとする光の波長の0.4倍以上1倍以下に設定することが好ましいことが記載されている。
特開2001−127852号公報 ダニエル H.ラグイン(Daniel H. Raguin) G. マイケル モリス(G. Michael Morris)著、「アナリシス オブ アンチリフレクション ストラクチャード サーフェイス ウィズ コンティニュアス ワン ディメンジョナル サーフェイス プロフィールズ (Analysis of antireflection−structured surfaces with continuous one−dimensional surface profiles)」、アプライド・オプティクス(Applied Optics)、第32巻 第14号(Vol. 32, No.14)、 P.2582−2598、1993年
通常、入射光の波長が反射防止凹凸構造のピッチ以上である場合は入射光の反射が抑制される。しかしながら、反射防止凹凸構造のピッチや光学素子の屈折率、入射角等の種々のファクターによっては、入射光の波長が反射防止凹凸構造のピッチよりも長い場合であっても、回折光(反射回折光)が発生する場合がある。
回折光が生じると、その回折光がノイズ光となり、光学素子やそれを備えた光学系、光学装置の光学性能が低下してしまう虞がある。例えば、ピックアップ光学系(光ディスク光学系)を構成する光学素子において回折光が生じた場合、その回折光が検出器へ入射し、サーボ信号、再生信号に多大な影響を与える虞がある。このため、回折光を生じさせないような、より短いピッチの反射防止凹凸構造を素子表面に形成することが好ましい。
非特許文献1には、回折光の発生を抑制するためには、反射防止凹凸構造の周期を入射光の1/2未満にしなければならないとされている。これによると、例えば、可視光(400nm以上700nm以下の波長域の光)が入射する場合、回折光(反射回折光)の発生を十分に抑制するためには、反射防止凹凸構造の周期を200nm未満と非常に細かくしなければならない。従って、反射光の発生を抑制する共に、回折光の発生も抑制可能な反射防止凹凸構造を形成することは非常に困難である。入射光の波長が比較的短い場合は、特に困難であり、場合によっては形成不能である場合もある。言い換えれば、反射光及び回折光の発生が十分に抑制された光学部材は作製が困難である。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、反射光及び回折光の発生が十分に抑制されており、且つ作製が容易な光学部材を提供することにある。
本発明者等は、反射防止凹凸構造に対する入射面の角度によっては、反射防止凹凸構造のピッチが入射光の1/2以上であっても回折光が生じない場合があること、及びその具体的な条件を見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明に係る第1の光学部材は、線条凸部又は線条凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、反射防止凹凸構造は、反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、入射面において、隣接する構造単位の各頂点を結んでなるベクトルとのなす角の大きさが60度以下となるように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る第2の光学部材は、線条凸部又は線条凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、複数の構造単位は、反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、入射面において、隣接する構造単位の各頂点を結んでなるベクトルとのなす角の大きさが60度以下となるように配置されて使用されるものであることを特徴とする。
本発明に係る第3の光学部材は、錐体状凸部又は錐体状凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、反射防止凹凸構造は、反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、最も近接して位置する構造単位の各頂点を結んでなる2本のベクトルのうち一方とのなす角と、法線ベクトルと2本のベクトルのうちの他方とのなす角との角度差が30度以下となるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る第4の光学部材は、錐体状凸部又は錐体状凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、複数の構造単位は、反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、最も近接して位置する構造単位の各頂点を結んでなる2本のベクトルのうち一方とのなす角と、法線ベクトルと2本のベクトルのうちの他方とのなす角との角度差が30度以下となるように配置されて使用されるものであることを特徴とする。
本発明に係る光学系は、本発明に係る光学部材を備えていることを特徴とする。
本発明に係る光学ユニットは、本発明に係る光学系を備えていることを特徴とする。
本発明に係る光学装置は、本発明に係る光学ユニットを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、反射光及び回折光の発生が十分に抑制されており、且つ作製が容易な光学部材が得られる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態1に係る撮像装置10の主要部の構成を表す図である。
図1に示すように、本実施形態1に係る撮像装置10は、装置本体14と、レンズ鏡筒ユニット11と、撮像素子12とを備えている。レンズ鏡筒ユニット11は、筒状(詳細には円筒状)のレンズ鏡筒1と、レンズ鏡筒1の内部に収納された結像光学系13とを備えている。結像光学系13は、像側(図1において左側)からレンズ鏡筒1内に入射する光を結像するためのものである。本実施形態1では、結像光学系13は、具体的に、第1のレンズ13a、第2のレンズ13b、及び第3のレンズ13cにより構成されている。尚、結像光学系13を構成するレンズ13a〜13cは、それぞれ光軸上に変位不能に配置されていてもよい。また、レンズ13a〜13cのうち少なくともひとつが光軸上を変位可能に構成されており、フォーカシングや変倍が可能な構成としてもよい。
レンズ鏡筒ユニット11は、装置本体14に取り付けられている。レンズ鏡筒ユニット11は装置本体14に対して着脱可能であってもよく、また、装置本体14に脱離不能に取り付けられていてもよい。
装置本体14には、撮像素子12が設けられている。撮像素子12は結像光学系13の光軸上に配置されている。詳細には、撮像素子12は撮像面を有し、その撮像面に結像光学系13によって光学像が結像されるように配置されている。撮像素子12は光検出器としての機能を有するものである。詳細には、撮像素子12は光学像に結像された光学像を検出して、光学像に対応した電気信号を出力する機能を有するものである。撮像素子12は、例えば、CCD(charge coupled device)、COMS(complementary metal−oxide semiconductor)等により構成することができる。
本実施形態1では、撮像素子12から出力された電気信号は、装置本体14に収納された図示しない記録装置(例えば、ハードディスク等)に入力されて記録されるように構成されている。尚、撮像装置10は外光をレンズ鏡筒ユニット11から取り込んで得られた光学像を電気信号に変換するものであるため、光源存在下(光源は、例えば太陽であってもよい)において使用されるものである。
図2はレンズ鏡筒1の斜視図である。詳細には、図2(a)はレンズ鏡筒1の斜視図である。図2(b)はレンズ鏡筒1の内周面1aの一部分の斜視図である。
原則的に、結像光学系13は、結像光学系13に入射した光は撮像素子12に結像されるように設計されている。しかしながら、結像光学系13の最大画角以上の光など、結像光学系13に入射する光の一部は直接撮像素子12に結像されずに、レンズ鏡筒1の内周面1aに入射することとなる。このため、レンズ鏡筒1の内周面1aの光反射率が高い場合は、内周面1aにおいて反射光(迷光)が生じ、それに起因してゴーストやフレア等が生じる虞がある。
このところ、本実施形態1において、レンズ鏡筒1は、筒状に構成されており、その内周面1aには全面にわたって反射防止凹凸構造(所謂SWS)15が形成されている。反射防止凹凸構造15は、各々レンズ鏡筒1の延びる方向に相互に並行に延びる複数の微細な線条凸部16が周面に沿って規則的に配列されてなるものである。詳細には、複数の線条凸部16は、結像光学系13からの光の波長以下のピッチ(ピッチ:隣接する線条凸部16相互間の頂部間の距離)で配列されている。具体的に、例えば、結像光学系13に可視光(波長が400nm以上700nm以下の光)が入射する場合、その入射光のうちで反射を抑制しようとする光(例えば、撮像素子12が450nm以下の光を検出しないようなものである場合は、450nm以上の光とすることができる)のうち最も短波長な光の波長以下のピッチで配列されている。且つ、レンズ鏡筒1は結像光学系13からの光を吸収するように構成されている。具体的には、レンズ鏡筒1は光吸収性材料(例えば、黒色染料や黒色顔料等)を含む構成とされている。このため、入射光の内周面1aにおける反射が効果的に抑制され、レンズ鏡筒1への入射光がレンズ鏡筒1によって高い吸収率で吸収される。従って、内周面1aにおける反射光等に起因する迷光の発生を抑制することができる。その結果、ゴーストやフレア等の発生を効果的に抑制することができ、高い光学性能を有する撮像装置10を実現することができる。
例えば、内周面1aに低屈折率膜及び高屈折率膜の積層からなる多層膜(反射防止多層膜)を形成することによっても内周面1aにおける反射を抑制することができる。しかしながら、反射防止多層膜は波長依存性を有する。すなわち、反射防止多層膜によれば、ある波長(設計波長)の光の反射を好適に抑制することはできるものの、設計波長以外の波長の光の反射を十分に抑制することができない。それに対して、SWSは反射防止多層膜と較べて波長依存性が低く、SWSwのピッチよりも長い波長の入射光の反射を,入射光の波長にかかわらず好適に抑制する効果を有する。従って、本実施形態1の構成によれば、結像光学系13からの種々の波長の光の反射を波長にかかわらず効果的に抑制することができる。
このように、波長依存性の比較的小さいSWSは、特定のある波長域の光が入射するような光学機器、例えば、本実施形態において説明する撮像装置や、相互に波長が異なる複数種類の光を使用する光学機器(例えば、所謂互換性光ピックアップ装置等)などに特に有効である。
また、反射防止多層膜は入射角依存性を有する。具体的には、比較的小さな入射角の光の反射は効果的に抑制することができるものの、比較的大きな入射角の光の反射は十分には抑制することができない。このため、内周面1aに反射防止多層膜を形成した場合、入射角の大きな入射光の反射を十分には抑制することができない。それに対して、SWSは反射防止多層膜と比較して入射角依存性が低いものである。すなわち、SWSによれば、比較的小さな入射角の光のみならず比較的入射角の大きな光の反射も効果的に抑制する機能を有する。従って、本実施形態1の構成によれば、内周面1aに比較的大きな入射角で入射する光の反射も効果的に抑制することができる。比較的大きな入射角で入射する光の反射をより効果的に抑制する観点から、内周面1aの反射防止凹凸構造15を形成するベースとなる面を粗面に形成しておいてもよい。
また、内周面1aの反射防止凹凸構造15を形成するベースとなる面を粗面に形成した場合、入射光に対する正反射成分を効果的に抑制できるという利点もある。
尚、反射防止凹凸構造15のピッチが内周面1aの全面にわたって入射光の波長以下である限りにおいて、反射防止凹凸構造15のピッチが内周面1aの全面にわたって略一定であってもよい(すなわち周期的であってもよい)。また、反射防止凹凸構造15のピッチが内周面1aの各所によって相互に異なっていてもよい。すなわち、反射防止凹凸構造15は非周期的であってもよい。反射防止凹凸構造15を非周期的にすることによって回折光の発生を効果的に抑制することができる。
また、線条凸部16の断面形状は、内周面1aにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるような形状である限りにおいて特に限定されるものではない。例えば、線条凸部16は、その横断面形状が三角形状(頂部が面取り又はR面取りされていてもよい。また、両辺の少なくとも一方が曲線により構成されていてもよい。)やドーム状、半円状、半楕円状等であってもよい。
また、線条凸部16の高さ(高さ:内周面1aのベースとなる面から線条凸部16の頂部までの距離)は、入射光の波長域の長波長側の波長の0.4倍以上に設定することが好ましい。そうすることによって、より効果的に内周面1aにおける反射光の発生を抑制することができる。
本実施形態1において、反射防止凹凸構造15は、反射防止凹凸構造15へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、入射面において隣接する線条凸部16の各頂点を結んでなるベクトル(以下、本実施形態1において、このベクトルを「格子ベクトル」と称することがある。)とのなす角の大きさが60度以下となるように構成されている。言い換えれば、レンズ鏡筒1は、反射防止凹凸構造15へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、格子ベクトルとのなす角の大きさψが60度以下となるように配置されている。
ここで、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは角度ψと相関している。
図3に実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチと格子ベクトルと入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψとの相関を表す。図3に示す曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチを表す。すなわち、図3において、曲線よりも下の領域となる場合は回折光が実質的に生じない。
図3に示すように、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは角度ψが小さくなるほど大きくなる傾向にある。言い換えれば、角度ψが小さくなるにつれて比較的長い波長の入射光からも回折光が実質的に生じなくなる傾向にある。
例えば、角度ψが90度である場合は、従来云われているように、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは入射光の波長の0.5倍(1/2)未満となる。すなわち、回折光を生じさせないようにするためには、反射防止凹凸構造15のピッチを入射光の波長の0.5倍未満にしなければならない。例えば、可視光が内周面1aに入射する本実施形態1においては約200nm未満のピッチに設定しなければならない。このため、反射防止凹凸構造15の形成が非常に困難となる。
角度ψが90度より小さくなるにつれて実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは大きくなる。より詳細には、角度ψが90度から60度までの領域においては角度ψの減少に対して実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチはさほど大きくは増大しない。角度ψが60度以下となったあたりから角度ψの減少に対する実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチの増大率が急激に大きくなる。特に、角度ψが60度以下15度以上の範囲で角度ψの減少に対する実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチの増大量が大きくなる。
具体的に、角度ψが75度である場合は、角度ψが90度である場合よりは若干実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチが大きくなるものの、さほど大きくは変化しない。角度ψが75度からさらに減少すると、角度ψの減少に対する徐々に実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチの増大量が増えていく。そして、角度ψが60度の場合、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは入射光の波長の約0.5547倍となる。すなわち、反射防止凹凸構造15のピッチを入射光の波長の約0.5547倍未満に設定することで回折光の発生を抑制することができるようになる。つまり、角度ψを60度とすることで、角度ψが90度の場合よりも反射防止凹凸構造15のピッチを約1割まで大きくすることができる(約1.1倍にできる)。具体的に、入射光が可視光である場合、角度ψが90度であれば反射防止凹凸構造15のピッチを200nm未満と非常に細かくしなければならないところ、角度ψが60度であれば反射防止凹凸構造15のピッチを222nm未満と比較的大きくすることができる。このため、反射防止凹凸構造15の形成が容易となる。
そして、角度ψが60度を切ったあたりから角度ψの減少に対する実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチの増大率が急激に増大し、角度ψが45度の場合には、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは入射光の波長の約0.6325倍となる。すなわち、反射防止凹凸構造15のピッチを入射光の波長の約0.6325倍未満に設定することで回折光の発生を抑制することができるようになる。つまり、角度ψを45度とすることで、角度ψが90度の場合よりも反射防止凹凸構造15のピッチを約2割まで大きくすることができる(1.2倍にまで大きくすることができる)。具体的に、入射光が可視光である場合、反射防止凹凸構造15のピッチを253nm未満とさらに大きくすることができる。このため、反射防止凹凸構造15の形成が容易となる。
さらに角度ψを45度から小さくすることによって実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチをさらに増大させることができる。角度ψが15度の場合には、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは入射光の波長の約0.9125倍となる。すなわち、反射防止凹凸構造15のピッチを入射光の波長の約0.9125倍未満に設定することで回折光の発生を抑制することができるようになる。つまり、角度ψを15度とすることで、角度ψが90度の場合よりも反射防止凹凸構造15のピッチを約8割まで大きくすることができる(1.8倍まで大きくすることができる)。具体的に、入射光が可視光である場合、反射防止凹凸構造15のピッチを365nm未満と比較的大きくすることができる。このため、反射防止凹凸構造15の形成が容易となる。
角度ψが15度よりもさらに小さくなると、やはりこれまでと同様に角度ψが小さくなるにつれて実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチは増大するものの、その増大率は角度ψが60度以下15度未満の場合と比較して小さくなる。その結果、角度ψを0度まで小さくしても、反射防止凹凸構造15のピッチは角度ψが15の場合の約1.1倍にまでしか大きくすることができない。つまり、角度ψを15度未満とすることで反射防止凹凸構造15のピッチを十分に大きくすることができる。
以上より、本実施形態1のように角度ψを60度以下とすることによって、回折光が生じず、且つ作製が容易なレンズ鏡筒1を実現することができる。より好ましい角度ψの範囲は45度以下である。さらに好ましくは15度以下である。特に、角度ψが実質的に0であることが好ましい。
また、上記説明した効果は下記効果に換言することができる。すなわち、現時点の作成限界ピッチが200nmである場合、従来であれば、波長が400nm未満の光の反射を効果的に抑制できななったが、本実施形態のように、反射防止凹凸構造15へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、格子ベクトルとのなす角の大きさを適正に保つことによって波長が400nm未満のより短波長の光の反射を抑制することも可能となる。作成限界ピッチを200nmとすると、角度ψを60度にすることによって、約360nm以上の光の反射の抑制が可能となる。角度ψを45度にすることによって、約316nm以上の光の反射の抑制が可能となる。また、角度ψを15度にすることによって、約219nm以上の光の反射の抑制が可能となる。さらに、角度ψを実質的に0度にすることによって、約200nm以上の光の反射の抑制が可能となる。
次に、図3に示すデータの導出について図4〜図7を参照しながら詳細に説明する。
図4は横断面三角形状の反射防止凹凸構造15に光が入射するところを表す模式図である。
図4において、入射面105は、入射光103と、その反射光104とにより定義される。この図4に示すモデルを用いて、法線ベクトル107と格子ベクトル102とのなす角の大きさψが90度の場合の入射光103の入射角と回折光106の回折角との関係について説明する。
図5は角度ψが90度である場合の図4に示すモデルをさらに模式化した模式図である。
図5において反射防止凹凸構造15を構成する線条凸部16のうちの隣接する2つを、周期Λで列ぶ格子点202及び203で表している。また、反射防止凹凸構造15が形成された内周面1aを模式的に境界面201で表している。そして、境界面201の入射側の屈折率をnとし、回折側の屈折率をnとする。各格子点202及び203に向けて平行光線204及び205が入射角θで入射するものとする。
図5に示すように、入射光線204の光路差はΛnsinθである。入射光線205の光路差はΛnsinθである。この入射光線204のΛnsinθ光路差と入射光線205の光路差Λnsinθとが入射光線204、205の波長λの整数倍となるとき、回折光線209、210が生じる。すなわち、下記数式(1)を満たす場合に回折光が生じる。
Figure 2007148718
但し、m:回折次数(整数)である。
ここで、入射光の最大の入射角θmaxにおいて、回折光が発生しない条件は、θがいかなる値をとっても数式(1)の左辺の絶対値が波長未満であるときである。すなわち、下記数式(2)を満たす場合である。
Figure 2007148718
次に、図6を参照しながら角度ψが任意の場合について説明する。
図6は角度ψが任意の場合の回折光が生じる条件を説明するための概念図である。図6において、
y軸:入射面105の法線ベクトル107、
φ:回折光線209、210と、法線ベクトル107とのなす角、
である。
図7は境界面201を法線ベクトル107方向から視た状態を表す概念図である。
ここで、周期Λは入射面105を含むx方向成分と入射面105に対して垂直なy方向成分とに分解することができる。周期Λのx方向成分とy方向成分とは下記数式(3)で表される。
Figure 2007148718
一方、入射光はxz面内にある。このため、入射光に関してはxz平面上の光路差のみを考慮すればよい(すなわち、入射光に関してyz面内における入射光の光路差は0となる)。入射光のxz平面上の光路差は下記数式(4)で表される。
Figure 2007148718
それに対して、回折光はxz面内にあるとは限らない。このため、回折光の光路差はxz面内の成分とyz面内の成分とに分解して考慮する必要がある。回折光のxz面内における光路差は下記数式(5)で与えられる。
Figure 2007148718
従って、xz面内における入射光と回折光との光路差の差分は下記数式(6)で表される。
Figure 2007148718
yz面内の入射光と回折光との光路差の差分は、yz面内における入射光の光路差が0であるため、下記数式(7)で与えられる。
Figure 2007148718
回折光が発生する条件は、数式(6)及び数式(7)の光路差の2乗和の平方根が波長の整数倍の時である。すなわち、回折光が発生する条件は下記数式(8)で表される。
Figure 2007148718
最大の入射角θmaxにおいて、回折光が発生しない条件は、θ、φがいかなる値をとっても数式(6)の左辺が波長未満であるときである。すなわち、最大の入射角θmaxにおいて、回折光が発生しない条件は下記数式(9)で表される。
Figure 2007148718
空気中から任意の入射角度(入射角0度から90度)で光が入射するとき、n=n=1、θmax=90度であるので、上記数式(9)は下記数式(10)のように解くことができる。
Figure 2007148718
このようにして得られた数式(10)をグラフ化したものが図3に示す曲線である。
尚、図8は角度ψが0度の場合の反射防止凹凸構造15と入射光との関係を表す模式図である。図9は角度ψが0度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフ(シミュレーション結果)である。また、図10は角度ψが90度の場合の反射防止凹凸構造15と入射光との関係を表す模式図である。図11は角度ψが90度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフ(シミュレーション結果)である。尚、図9及び図11の結果は、反射防止凹凸構造15を周期300nm、高さ300nmの断面三角形状の微細な線条凸部16が複数,周期的に配列されてなるものであるとして算出したものである。また、光は屈折率1の媒質から屈折率1.46の反射防止凹凸構造15へ入射するものとした。波長については、400nm〜700nmの範囲で、50nmごとにプロットしている。偏光は無偏光である。
図11に示すように、角度ψが90度の場合は、特定の入射角において回折光が発生し、その特定の入射角において反射率が急激に増加する。例えば、波長400nmでは入射角20度において、反射回折光が発生し、反射回折光が生じない場合と比較して反射率が5倍以上になる。一方、ψ=0°の場合は、図9に示すように、入射角0〜90度において回折光は実質的に発生しない。このため、ある特定の入射角で、反射率が急激に増加することはない。
以上、本実施形態1では、複数の微細な線条凸部16が配列されてなる反射防止凹凸構造15の例について説明したが、例えば、反射防止凹凸構造15は、複数の微細な線条凹部(例えば、横断面形状が三角形状(頂部が面取り又はR面取りされていてもよい。また、両辺の少なくとも一方が曲線により構成されていてもよい。)やドーム状、半円状、半楕円状等の線条凹部)が規則的に配列されなるものであってもよい。すなわち、反射防止凹凸構造15は、その表面において屈折率が緩やかに変化するような構造であれば特に限定されるものではない。尚、本明細書において、線条凹部の頂部とは、線条凹部の最下点のことをいう。
また、本実施形態1では、内周面1aの全面にSWSが形成されている例について説明したが、例えば、内周面1aのうち光が入射しないような箇所がある場合や、光学設計的に光の反射が起こってもよいような箇所があるような場合には、必ずしも内周面1aの全面にわたってSWSを形成する必要はない。
(実施形態2)
図12は本実施形態2に係る光ピックアップ装置20の主要部の構成を表す図である。詳細には、図12は光ピックアップ装置20のピックアップユニット部分のみを描画したものである。
本実施形態2に係る光ピックアップ装置20は、情報記録媒体(例えば、光ディスク等)24の情報記録面24aにレーザ光を合焦させて、情報記録面24aにおける反射光を検出することにより情報記録面24aに記録された情報を読み出し可能に構成されたものである。
光ピックアップ装置20は、レーザ光源21と、コリメータ22と、ビームスプリッタ23と、対物光学系を構成する対物レンズ2と、検出器25とを備えている。コリメータ22はレーザ光源21から射出されたレーザ光を平行光にする機能を有するものである。コリメータ22により平行光に変換されたレーザ光はビームスプリッタ23を透過して対物レンズ2に入射する。対物レンズ2はレーザ光を設置された情報記録媒体24の情報記録面24aに合焦させるためのものである。対物レンズ2により合焦されたレーザ光は情報記録面24aにより反射される。その反射光は対物レンズ2を透過してビームスプリッタ23に入射する。このビームスプリッタ23に設けられた反射面で反射され、反射光は検出器25に導かれる。検出器25において反射光が検出され、検出された反射光に基づいてデータの読み出しが行われる。
尚、本実施形態2では、1種類の情報記録媒体24に対してレーザ光の合焦を行うタイプの光ピックアップ装置20を例に挙げて本発明例を説明するが、例えば、複数種類の情報記録媒体24のそれぞれに対してレーザ光を合焦可能な所謂互換タイプのものであってもよい。
図13は対物レンズ2の断面図である。
図14は対物レンズ2のレンズ面2a側から視た概略平面図である。
図15は図14中のXV部分を拡大した概略平面図である。
図16は図14中のXVI部分を拡大した概略平面図である。
図17は図14中のXVII部分を拡大した概略平面図である。
上述のように、対物レンズ2に入射するレーザ光は対物レンズ2を透過する。しかしながら、対物レンズ2のレンズ面2aやレンズ面2bに反射防止処理が施されてなければ、レンズ面2a、2bにおいてレーザ光の一部が反射されることとなる。レンズ面2a、2bにおいてレーザ光の一部が反射されると、検出器25において検出されるレーザ光の光量が低下するため、検出精度が低下する傾向にある。その結果、ノイズ等が生じる虞がある。
このところ、本実施形態2では、対物レンズ2のレーザ光源21側のレンズ面2aの少なくとも光学有効径内には複数の微細な錐体状凸部27が規則的に配列されてなる反射防止凹凸構造26が形成されている。詳細には、複数の錐体状凸部27は、レーザ光源21から射出されるレーザ光の波長以下のピッチ(最も近接して位置する錐体状凸部27相互間における頂点間距離)で配列(例えば、正方配列又は三角格子状に配列)されている。
また、レンズ面2bの少なくとも光学有効径内にも複数の微細な錐体状凸部27が規則的に配列されてなる反射防止凹凸構造26が形成されている。詳細には、複数の錐体状凸部27は、レーザ光源21から射出されるレーザ光の波長以下のピッチ(最も近接して位置する錐体状凸部27相互間における頂点間距離)で配列(例えば、正方配列又は三角格子状に配列)されている。
このため、対物レンズ2のレンズ面2a、2bにおけるレーザ光の反射を抑制することができる。その結果、検出器25において検出されるレーザ光の光量を比較的多くすることができ、ノイズの発生を効果的に抑制することができる。従って、高い光学性能を有する光ピックアップ装置20を実現することができる。
尚、本実施形態2における反射防止凹凸構造26は、上記実施形態1における反射防止凹凸構造15と同様に、波長依存性及び入射角依存性が少ないものであるため、反射防止多層膜等をレンズ面2a、2bに設ける場合と比較してより高い反射防止効果を実現することができる。
本実施形態2においても、上記実施形態1と同様に、反射防止凹凸構造26のピッチがレンズ面2a、2bの少なくとも光学有効径内においてレーザ光の波長以下である限りにおいて、反射防止凹凸構造26のピッチがレンズ面2a、2bの光学有効径内の全域にわたって略一定であってもよい(すなわち周期的であってもよい)。また、反射防止凹凸構造26のピッチが光学有効径内の各所によって相互に異なっていてもよい。すなわち、反射防止凹凸構造26は非周期的であってもよい。反射防止凹凸構造26を非周期的なものにすることによってレンズ面2a、2bにおける回折光の発生を効果的に抑制することができる。
尚、錐体状凸部27は、レンズ面2a、2bにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるような形状のものであれば特にその形状は限定されるものではない。例えば、錐体状凸部27は、円錐体状、角錐体状、頂部が面取り又はR面取りされた円錐体状又は角錐体状、斜錐体状(斜円錐体状、斜角錐体状)、若しくは頂部が面取り又はR面取りされた斜錐体状等であってもよい。また、レンズ面2a、2bにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるように、反射防止凹凸構造26を錐体状凹部により構成するようにしてもよい。尚、本明細書において「錐体状凹部の頂点」とは、錐体状凹部の最下点をいう。
また、錐体状凸部27の高さ(高さ:レンズ面2a、2bのベース面から錐体状凸部27の頂点までの距離)は、レーザ光源21から射出されるレーザ光の波長の0.4倍以上に設定することが好ましい。そうすることによって、より効果的にレンズ面2a、2bにおける反射光の発生を抑制することができる。
本実施形態2において、反射防止凹凸構造26は、格子ベクトル1とレーザ光の入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψ(1)と、格子ベクトル2と同法線ベクトルとのなす角の大きさψ(2)との差が30度以下となるように構成されている。言い換えれば、対物レンズ2は、格子ベクトル1とレーザ光の入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψ(1)と、格子ベクトル2と同法線ベクトルとのなす角の大きさψ(2)との差が30度以下となるように配置されている。
尚、「格子ベクトル1」とは、最も近接して位置する錐体状凸部27の各頂点を結んでなる2本のベクトルの一方をいい、「格子ベクトル2」とは、最も近接して位置する錐体状凸部27の各頂点を結んでなる2本のベクトルの他方をいう。
ここで、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチは角度ψ(1)と相関している。また、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチは角度ψ(2)と相関している。
図18に実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の最大ピッチと角度ψ(1)及びψ(2)との相関を示す。尚、図18に示すデータは格子ベクトル1と格子ベクトル2とのなす角が90度である場合のデータである。すなわち、錐体状凸部27を正方配列した場合のデータである。図18に示す実線曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチを表す。図18に示す点線曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチを表す。すなわち、図18において実線曲線以下、且つ点線曲線以下の領域においては回折光が生じないこととなる。
図18に示すように、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチは角度ψ(1)が小さくなるほど大きくなる傾向にある。このため、角度ψ(1)が小さくなるにつれて反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向のピッチを広げることができる傾向にある。詳細には、上記実施形態1において説明した図3に示す曲線とほぼ同様の挙動を示す。
一方、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチは角度ψ(2)が小さくなるほど小さくなる傾向にある。このため、角度ψi(2)が大きいほど反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向のピッチを大きくすることができる傾向にある。詳細には、上記実施形態1において説明した図3に示す曲線とほぼ逆の挙動を示す。
その結果、角度ψ(1)が75度より大きい場合及び/又は角度ψ(2)が15度未満の場合は、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1及び2方向の最大ピッチのうち小さい方のピッチを少なくともレーザ光の波長の約半分にまで小さくしなければ回折光の発生を十分に抑制することができない。このため、反射防止凹凸構造26の形成が困難となる。角度ψ(1)を75度以下、且つ角度ψ(2)を15度以上とすることで、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1及び2方向の最大ピッチのそれぞれを比較的大きくすることができる。このため、反射防止凹凸構造26の形成が比較的容易である。つまり、正方配列の場合は、角度ψ(1)と角度ψ(2)との差を60度以下とすることで比較的形成が容易で実質的に回折光を生じさせない反射防止凹凸構造26を実現することができる。より好ましい条件は、角度ψ(1):60度以下且つ角度ψ(2)を30度以上、つまり角度ψ(1)と角度ψ(2)との差:30度以下である。さらには角度ψ(1):55度以下且つ角度ψ(2)を35度以上、つまり角度ψ(1)と角度ψ(2)との差:20度以下であり、角度ψ(1):50度以下且つ角度ψ(2)を40度以上、つまり角度ψ(1)と角度ψ(2)との差:10度以下であることがなお好ましい。特に、角度ψ(1)及びψ(2)のそれぞれが実質的に45度であることが最も好ましい。この場合、反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向のピッチと格子ベクトル2方向のピッチとのそれぞれをレーザ光の波長の約0.6325倍にまで大きくしても回折光は実質的に生じなくなる。
図19に、格子ベクトル1と格子ベクトル2とのなす角が120度である場合の(すなわち、錐体状凸部27を三角格子状に配列(斜方配列)した場合の)、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の最大ピッチと角度ψ(1)及び角度ψ(2)との相関を示す。図19に示す実線曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチを表す。図19に示す点線曲線が実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチを表す。すなわち、図19において実線曲線以下、且つ点線曲線以下の領域においては回折光が生じないこととなる。
図19に示す場合も、図18に示す場合と同様に、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチは角度ψ(1)が小さくなるほど大きくなる傾向にある。一方、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチは角度ψ(2)が小さくなるほど小さくなる傾向にある。
斜方配列の場合、図19より、角度ψ(1)と角度ψ(2)との差を30度以下に設定することによって比較的形成が容易で実質的に回折光を生じさせない反射防止凹凸構造26を実現することができる。より好ましい角度ψ(1)と角度ψ(2)との差は20度以下であり、10度以下であることがさらに好ましい。この場合は、角度ψ(1)及びψ(2)のそれぞれがほぼ60度である場合に、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1及び2方向の最大ピッチのうち小さい方を最も大きくことができるため、最も好ましい。この場合、反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向のピッチと格子ベクトル2方向のピッチとのそれぞれをレーザ光の波長の約0.5547倍にまで大きくしても回折光は実質的に生じなくなる。
以上より、比較的形成が容易で実質的に回折光を生じさせない反射防止凹凸構造26を実現する観点から、角度ψ(1)と角度ψ(2)との差を30度以下に設定することが好ましい。より好ましい角度ψ(1)と角度ψ(2)との差は20度以下であり、10度以下であることがさらに好ましい。そして、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向の最大ピッチと、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の格子ベクトル2方向の最大ピッチとが略同一となり、且つ角度ψ(1)と角度ψ(2)とが略同一となるように角度ψ(1)と角度ψ(2)とを設定するのが最も好ましい。
尚、上述のような回折光が実質的に生じない範囲を満たす限りにおいて反射防止凹凸構造26の格子ベクトル1方向のピッチと格子ベクトル2方向のピッチとは略同一であってもよく、また異なっていてもよい。
次に、図18及び図19に示すデータの導出について図20を参照して説明する。
図20に格子ベクトル1、2と入射面の法線ベクトルとの角度関係を示す。
ここで、格子ベクトル1と格子ベクトル2のなす角(入射面の法線ベクトルが存在する側の角)をφとする。格子ベクトル1、2の周期をそれぞれ、Λ、Λとする。
2次元周期構造で回折が起こらない条件は下記数式(11)で表される。
Figure 2007148718
ここで、反射防止凹凸構造26へ空気中から光が入射し、その入射角が0度から90度の場合、n=n=1、θmax=90度であるので、上記数式(8)より、回折光(反射回折光)が生じない条件は下記数式(12)となる。
Figure 2007148718
ここで、φ=90°と仮定すると、数式(9)は下記数式(13)に変形できる。
Figure 2007148718
上記数式(13)より図18及び図19に示すデータが得られる。
尚、図21はψ(1)とψ(2)との差が90度の場合の反射防止凹凸構造26と入射面との関係を表す模式図である。図22はψ(1)とψ(2)との差が90度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフ(シミュレーション結果)である。また、図23はψ(1)=ψ(2)=45度の場合、すなわちψ(1)とψ(2)との差が0度の場合の反射防止凹凸構造26と入射面との関係を表す模式図である。図24はψ(1)=ψ(2)=45度の場合、すなわちψ(1)とψ(2)との差が0度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフ(シミュレーション結果)である。尚、図22及び図24の結果は、反射防止凹凸構造26を周期300nm、高さ300nmの円錐体である凸部が周期的に配列されてなるものとした場合のものである。光は屈折率1の媒質から屈折率1.46の反射防止凹凸構造26に入射するものとした。波長については、400nm〜700nmの範囲で、50nmごとにプロットしている。偏光は無偏光である。
図22に示すように、ψ(1)とψ(2)との差が90度の場合、特定の入射角において回折光が発生し、その特定の入射角において反射率が急激に増加する。例えば、波長400nmでは入射角20度において、反射回折光が発生し、反射回折光が生じない場合と比較して反射率が3倍以上になる。
一方、ψ(1)=ψ(2)=45度の場合、すなわちψ(1)とψ(2)との差が0度の場合は、入射角0〜90度において回折光は発生せず、ある特定の入射角で、反射率が急激に増加することはない。
尚、本実施形態2のように、錐体状凸部27を二次元的に配列してなる反射防止凹凸構造26を採用することによって、線条凸部16を一方向に配列してなる反射防止凹凸構造15を採用する場合よりも偏向依存性を低減することができる。
(変形例1)
上記実施形態1では、レンズ鏡筒1の内周面1aに線条凸部16が複数配列されてなる反射防止凹凸構造15が形成されている例について説明したが、内周面1aに上記実施形態2において説明したような条件を満たす錐体状凸部が複数配列されてなる反射防止凹凸構造を形成してもよい。
また、上記実施形態1において結像光学系13を構成するレンズ13a〜13cのそれぞれのレンズ面に上記実施形態1や2で説明した線条又は錐体状の構造単位が複数配列されてなる反射防止凹凸構造を形成してもよい。そうすることによってレンズ13a〜13cのレンズ面における反射光の発生を効果的に抑制することができる。
(実施形態3)
図25は本実施形態3に係る複写機30の主要構成を表す図である。
図26は原稿台ガラス41の表面41aの概略平面図である。
本実施形態3に係る複写機30は、画像読み取りユニット40と、本体ユニット50とを備えている。画像読み取りユニット40は、設置された原稿を読み取るためのものである。本体ユニット50は、画像読み取りユニット40によって読み取られた原稿を複写するためのものである。
画像読み取りユニット40は、原稿台ガラス41と、等速ユニット44と、半速ユニット49と、レンズ47と、イメージセンサ48とを備えている。
等速ユニット44は走査方向(図25において横方向)に走査可能に構成されている。等速ユニット44は、露光ランプ42と、第1ミラー43とを備えている。露光ランプ42は原稿台ガラス41の上に置かれた原稿を露光するためのものである。第1ミラー43は原稿からの反射光を半速ユニット49方向に反射するためのものである。
この等速ユニット44によって原稿台ガラス41の上に置かれた原稿が走査される。具体的に、露光ランプ42によって原稿を露光しながら等速ユニット44によって原稿が走査される。そして、原稿の一端から他端までの反射光が半速ユニット49方向に順次反射される。
半速ユニット49は、等速ユニット44の移動する方向と同じ方向に、等速ユニット44の移動速度の半分の速度で移動しながら、第1ミラー43からの光をイメージセンサ48方向に導光するためのものである。詳細に、半速ユニット49は、第2ミラー45と、第3ミラー46とを備えている。第2ミラー45は第1ミラー43からの光を第3ミラー46方向に反射させるものである。第3ミラー46は、第2ミラー45からの光をイメージセンサ48方向に反射させるものである。
半速ユニット49とイメージセンサ48との間にはレンズ47が配置されている。このレンズ47により半速ユニット49からの光がイメージセンサ48上に集束される。このように原稿の光学像がイメージセンサ48に入力され、イメージセンサ48によって光学像が電気信号に変換される。変換された電気信号は本体ユニット50に入力されるように構成されている。
本体ユニット50には、用紙束がセットされる給紙カセット51が設けられている。給紙カセット51にはピックアップローラ(図示せず)が設けられている。ピックアップローラは給紙カセット51にセットされた用紙束の最も上に位置する用紙を取り出すためのものである。給紙カセット51の用紙取り出し方向前方にはローラ52〜54が設けられている。そのローラ52〜54により、不図示のピックアップローラにより取り出された用紙が搬送される。
用紙の搬送先には、用紙表面に対向位置するように、表面55aに感光体が塗布された感光体ドラム55が配置されている。感光体ドラム55は、搬送された用紙幅方向に軸支されており、用紙の搬送方向に対応して回転可能に構成されている。
感光体ドラム55の近傍には、感光体ドラム55の回転方向に沿って、帯電器56と、光走査装置57と、現像器58と、転写器59と、クリーニングユニット60とがこの順で配置されている。帯電器56は感光体ドラム55の表面55aを一様に帯電させるためのものである。光走査装置57は、帯電した表面55aを露光走査することにより、上記画像読み取りユニット40から入力された電気信号に対応した静電潜像を表面55a上に形成するためのものである。現像器58は、形成された静電潜像にトナーを付着させて表面55a上にトナー像を形成させるためのものである。転写器59は、表面55a上に形成されたトナー像を搬送されてきた用紙の上に転写させるものである。
トナー像が転写された用紙の搬送先には搬送ベルト61及び定着ユニット62が配置されている。搬送ベルト61はトナー像が転写された用紙を搬送して定着ユニット62に供給するためのものである。定着ユニット62は、相互に対向し、それぞれ用紙の幅方向に回転可能に軸支された,定着ローラ63と、押圧ローラ64とを備えている。押圧ローラ64は搬送された用紙を定着ローラ63に対して押圧するためのものである。定着ローラ63は供給された用紙に熱を加えることによりトナー像を用紙に定着させるためのものである。
定着ユニット62の前方には、トナー像が定着した用紙を排出トレイ66まで搬送するローラ65が設けられている。
上述のように、画像読み取りユニット40における原稿の読み取りは、露光ランプ42により原稿台ガラス41を介して原稿を露光して、その反射光を検出することにより行われる。このところ、例えば、原稿台ガラス41の第1ミラー43側表面41aにおいて露光ランプ42の光が反射されると、迷光が生じ、また、検出される光の光量が低下するため、画像検出精度が低下する虞がある。
しかしながら、本実施形態3では、図26に示すように、原稿台ガラス41の表面41a(詳細には、少なくとも表面41aのうち露光ランプ42からの光が入射する部分)に複数の微細な錐体状凸部71が規則的に配列されてなる反射防止凹凸構造70が形成されている。詳細には、複数の錐体状凸部71は、露光ランプ42からの光の波長以下のピッチで配列(例えば、正方配列、又は三角格子状に配列)されている。このため、原稿台ガラス41の表面41aにおける露光ランプ42からの光の反射を効果的に抑制することができる。従って、画像読み取りユニット40の高い画像検出精度、ひいては複写機30の高い複写精度を実現することができる。
尚、本実施形態3においても上記実施形態2の場合と同様に、表面41aにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるような形状である限りにおいて反射防止凹凸構造70の形状は特に限定されるものではない。例えば、反射防止凹凸構造70を複数の錐体状凹部により構成してもよい。また、複数の線条凸部又は線条凹部により構成してもよい。
また、反射防止凹凸構造70は、周期的であってもよく、また非周期的であってもよい。
錐体状凸部71の高さは露光ランプ42から射出される光の波長の0.4倍以上に設定することが好ましい。そうすることによって、より効果的に表面41aにおける露光ランプ42からの光の反射を抑制することができる。
本実施形態3において、反射防止凹凸構造70は、図26に示すように、格子ベクトル1と露光ランプ42からの光の入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψ(1)と、格子ベクトル2と同法線ベクトルとのなす角の大きさψ(2)との差が30度以下となるように構成されている。言い換えれば、原稿台ガラス41は、格子ベクトル1とレーザ光の入射面の法線ベクトルとのなす角の大きさψ(1)と、格子ベクトル2と同法線ベクトルとのなす角の大きさψ(2)との差が30度以下となるように配置されている。このため、上記実施形態2で説明したように、反射防止凹凸構造70は、実質的に回折光を発生させず、且つ形成が容易なものである。このため、高い光学性能を有し、且つ製造容易な複写機30を実現することができる。
より好ましい角度ψ(1)と角度ψ(2)との差は20度以下であり、10度以下であることがさらに好ましい。そして、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造70の格子ベクトル1方向の最大ピッチと、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造70の格子ベクトル2方向の最大ピッチとが略同一となり、且つ角度ψ(1)と角度ψ(2)とが略同一となるように角度ψ(1)と角度ψ(2)とを設定するのが最も好ましい。
尚、上述のような回折光が実質的に生じない範囲を満たす限りにおいて反射防止凹凸構造70の格子ベクトル1方向のピッチと格子ベクトル2方向のピッチとは略同一であってもよく、また異なっていてもよい。
次に、本実施形態3における光走査装置57の構成について図27及び図28を参照しながら詳細に説明する。
図27は光走査装置(LSU)57の主要部の構成を表す図である。
図28は図27中の切り出し線XXVIII−XXVIIIで切り出した部分の断面図である。
光走査装置57は、画像読み取りユニット40から出力された電気信号に応じて感光体ドラム55の表面55a(被走査面)を光走査して静電潜像を形成するためのものである。
光走査装置57は、半導体レーザ等により構成される光源80と、走査光学系を備えている。走査光学系は、第1結像光学系と、偏向器83と、第2結像光学系とを備えている。
第1結像光学系は偏向器83の偏光面上に光源80からの光束を主走査方向に延びる線像として結像させるためのものである。具体的に、本実施形態3では、第1結像光学系はコリメータレンズ81とシリンドリカルレンズ82とにより構成されている。コリメータレンズ81は光源80からの光束を平行光束に変換するためのものである。シリンドリカルレンズ82は、主走査方向には光学的パワーを有さず、副走査方向にのみ(正の)光学的パワーを有するものであり、コリメータレンズ81からの光を副走査方向に集光し、線像を偏向器83の偏光面上に結像するためのものである。
偏向器83は、第1結像光学系からの光を反射させて主走査方向に偏向するためのものである。偏向器83は、例えば、複数の偏向面を有し、回転可能に軸支されたポリゴンミラー等により構成することができる。
偏向器83により偏向された光束は第2結像光学系により被走査面たる感光体ドラム55の表面55aに結像される。第2結像光学系は、例えば、fθレンズ84で構成することができる。fθレンズ84は、例えば、主走査方向と副走査方向とで光学的パワーが相互に異なるアナモフィックレンズであることが好ましい。
ここで、図28に示すように、fθレンズ84の光源80側表面84a及び感光体ドラム55側表面84bのそれぞれには、反射防止凹凸構造85が形成されている。反射防止凹凸構造85は、一方向に相互に並行に延びる複数の微細な線条凸部86が規則的に配列されてなるものである。詳細には、複数の線条凸部86は光源80からの光束の波長以下のピッチで配列されている。このため、光源80からの光束のfθレンズ84のレンズ面84a及び84bにおける反射が効果的に抑制される。従って、迷光の発生や光量ロスが抑制され、より高い光学性能を実現することができる。
尚、反射防止凹凸構造85のピッチが光源80からの光の波長以下である限りにおいて、反射防止凹凸構造85のピッチがレンズ面84a及び84bのそれぞれの全面にわたって略一定であってもよい(すなわち周期的であってもよい)。また、反射防止凹凸構造85のピッチがレンズ面84a及び84bのそれぞれの各所によって相互に異なっていてもよい。すなわち、反射防止凹凸構造85は非周期的であってもよい。反射防止凹凸構造85を非周期的にすることによって回折光の発生を効果的に抑制することができる。
また、線条凸部86の断面形状は、レンズ面84a及び84bのそれぞれにおいて緩やかな屈折率分布が形成されるような形状である限りにおいて特に限定されるものではない。
また、線条凸部86の高さは、光源80からの光の波長域の長波長側の波長の0.4倍以上に設定することが好ましい。そうすることによって、より効果的にレンズ面84a及び84bのそれぞれにおける反射光の発生を抑制することができる。
本実施形態3において、反射防止凹凸構造85は、反射防止凹凸構造85へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、入射面において隣接する線条凸部86の各頂点を結んでなるベクトル(格子ベクトル)とのなす角の大きさψが60度以下となるように構成されている。言い換えれば、fθレンズ84は、反射防止凹凸構造85へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、格子ベクトルとのなす角の大きさψが60度以下となるように配置されている。このため、上記実施形態1で説明したように、反射防止凹凸構造85は、実質的に回折光を発生させず、且つ形成が容易なものである。このため、高い光学性能を有し、且つ製造容易な複写機30を実現することができる。尚、より好ましい角度ψの範囲は45度以下である。さらに好ましくは15度以下である。特に、角度ψが実質的に0であることが好ましい。
以上、本実施形態3では、本発明を実施した,光源を有する光学装置について複写機を例に挙げて説明した。しかし、本発明を実施した,光源を有する光学装置は複写機に限定されるものではない。例えば、照明装置(面状照明装置)やディスプレイ、プロジェクタ等であってもよい。また、本発明に係る光学部材は、光を吸収する所謂黒体部材、レンズ、プリズム、偏光板、位相補正素子等であってもよい。
本発明に係る光学部材は、反射光及び回折光の発生が抑制されたものであり、反射防止板レンズ鏡筒等やレンズ等に代表される光学素子等として有用である。また、本発明に係る光学部材は、結像光学系、対物光学系、走査光学系等の各種光学系、レンズ鏡筒ユニット、光ピックアップユニット等の光学ユニット、及び撮像装置、光ピックアップ装置、光走査装置等に有用である。
図1は、実施形態1に係る撮像装置10の主要部の構成を表す図である。 図2は、レンズ鏡筒1の斜視図である。 図3は、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造15の最大ピッチと角度ψとの相関を表すグラフである。 図4は、横断面三角形状の反射防止凹凸構造15に光が入射するところを表す模式図である。 図5は、角度ψが90度である場合の図4に示すモデルをさらに模式化した模式図である。 図6は、角度ψが任意の場合の回折光が生じる条件を説明するための概念図である。 図7は、境界面201を法線ベクトル107方向から見た状態を表す概念図である。 図8は、角度ψが0度の場合の反射防止凹凸構造15と入射光との関係を表す模式図である。 図9は、角度ψが0度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフである。 図10は、角度ψが90度の場合の反射防止凹凸構造15と入射光との関係を表す模式図である。 図11は、角度ψが90度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフである。 図12は、実施形態2に係る光ピックアップ装置20の主要部の構成を表す図である。 図13は、対物レンズ2の断面図である。 図14は、対物レンズ2のレンズ面2a側から視た概略平面図である。 図15は、図14中のXV部分を拡大した概略平面図である。 図16は、図14中のXVI部分を拡大した概略平面図である。 図17は、図14中のXVII部分を拡大した概略平面図である。 図18は、格子ベクトル1と格子ベクトル2とのなす角が90度である場合の、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の最大ピッチと角度ψ(1)及びψ(2)との相関を示すグラフである。 図19は、格子ベクトル1と格子ベクトル2とのなす角が120度である場合の、実質的に回折光が生じない反射防止凹凸構造26の最大ピッチと角度ψ(1)及びψ(2)との相関を示す。 20図は、格子ベクトル1、2と入射面の法線ベクトルとの角度関係を示す概念図である。 図21は、ψ(1)とψ(2)との差が90度の場合の反射防止凹凸構造26と入射面との関係を表す模式図である。 図22は、ψ(1)とψ(2)との差が90度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフである。 図23は、ψ(1)とψ(2)との差が0度の場合の反射防止凹凸構造26と入射面との関係を表す模式図である。 図24は、ψ(1)とψ(2)との差が0度の場合の入射角と反射率との相関を表すグラフである。 図25は、本実施形態3に係る複写機30の主要構成を表す図である。 図26は、原稿台ガラス41の表面41aの概略平面図である。 図27は、光走査装置(LSU)57の主要部の構成を表す図である。 図28は、図27中の切り出し線XXVIII−XXVIIIで切り出した部分の断面図である。
符号の説明
1 レンズ鏡筒
2 対物レンズ
10 撮像装置
11 レンズ鏡筒ユニット
13 結像光学系
15、26、70、85 反射防止凹凸構造
16、86 線条凸部
20 光ピックアップ装置
25 検出器
27、71 錐体状凸部
30 複写機
40 画像読み取りユニット
41 原稿台ガラス
57 光走査装置
84 fθレンズ

Claims (19)

  1. 線条凸部又は線条凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、
    上記反射防止凹凸構造は、上記反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、該入射面において、隣接する上記構造単位の各頂点を結んでなるベクトルとのなす角の大きさが60度以下となるように構成されている光学部材。
  2. 線条凸部又は線条凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、
    上記反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、該入射面において、隣接する上記構造単位の各頂点を結んでなるベクトルとのなす角の大きさが60度以下となるように配置されて使用されるものである光学部材。
  3. 錐体状凸部又は錐体状凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、
    上記反射防止凹凸構造は、上記反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、最も近接して位置する上記構造単位の各頂点を結んでなる2本のベクトルのうち一方とのなす角と、上記法線ベクトルと該2本のベクトルのうちの他方とのなす角との角度差が30度以下となるように構成されている光学部材。
  4. 錐体状凸部又は錐体状凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなり,光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学部材であって、
    上記反射が抑制される光の入射面の法線ベクトルと、最も近接して位置する上記構造単位の各頂点を結んでなる2本のベクトルのうち一方とのなす角と、上記法線ベクトルと該2本のベクトルのうちの他方とのなす角との角度差が30度以下となるように配置されて使用されるものである光学部材。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載された光学部材において、
    光源を有する光学装置に使用されるものであり、上記反射が抑制される光は上記光源から射出されるものである光学部材。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載された光学部材において、
    光源存在下において使用されるものであり、上記反射が抑制される光は上記光源から射出されるものである光学部材。
  7. 請求項3又は4に記載された光学部材において、
    上記構造単位は正方配列で形成されている光学部材。
  8. 請求項3又は4に記載された光学部材において、
    上記構造単位は三角格子状に形成されている光学部材。
  9. 請求項3又は4に記載された光学部材において、
    上記2本のベクトルのうちの一方の延びる方向における上記構造単位のピッチと他方の延びる方向における同ピッチとが相互に異なる光学部材。
  10. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載された光学部材において、
    上記反射が抑制される光を吸収するものである光学部材。
  11. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載された光学部材において、
    光学素子である光学部材。
  12. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載された光学部材において、
    円筒形であり、上記反射防止凹凸構造が内周面に形成されている光学部材。
  13. 請求項11に記載された光学部材を備えた光学系。
  14. 請求項13に記載された光学系を備えた光学ユニット。
  15. 光学系と、線条凸部又は線条凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなる反射防止凹凸構造が表面に形成されており、上記光学系からの光が該表面に入射するように配置された光学部材とを備えた光学ユニットであって、
    上記光学部材は、上記光学系から上記表面へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、該入射面において、隣接する上記構造単位の各頂点を結んでなるベクトルとのなす角の大きさが60度以下となるように配置されている光学ユニット。
  16. 光学系と、錐体状凸部又は錐体状凹部からなる微細な構造単位が規則的に複数配列されてなる反射防止凹凸構造が表面に形成されており、上記光学系からの光が該表面に入射するように配置された光学部材とを備えた光学ユニットであって、
    上記光学部材は、上記光学系から上記表面へ入射する光の入射面の法線ベクトルと、最も近接して位置する上記構造単位の各頂点を結んでなる2本のベクトルのうち一方とのなす角と、上記法線ベクトルと該2本のベクトルのうちの他方とのなす角との角度差が30度以下となるように配置されている光学ユニット。
  17. 請求項14乃至16のいずれか一項に記載された光学ユニットを備えた光学装置。
  18. 請求項17に記載された光学装置であって、
    上記光学系は結像光学系であり、上記入射面上に位置し,該光学系により形成される光学像を検出する検出器をさらに備えた光学装置。
  19. 請求項17に記載された光学装置であって、
    上記光学系に対して光を射出する光源をさらに備えた光学装置。
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