JP4266490B2 - 走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、特に光源手段から出射した光束を光偏向器としてのポリゴンミラーにより反射偏向させ、少なくとも一面に回折部(回折格子)を有する走査光学手段を介して被走査面上を光走査して画像情報を記録するようにした、例えば電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタやデジタル複写機等の装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりレーザービームプリンタ等の走査光学装置においては光源手段から画像信号に応じて光変調され出射した光束を、例えば回転多面鏡(ポリゴンミラー)より成る光偏向器により周期的に偏向させ、fθ特性を有するfθレンズ系によって感光性の記録媒体(感光ドラム)面上にスポット状に収束させ、該記録媒体面上を光走査して画像記録を行なっている。
【0003】
図9は従来の走査光学手段の要部概略図である。同図において光源手段91から出射した発散光束はコリメーターレンズ92によって略平行光束もしくは収束光束とされ、開口絞り93によって該光束(光量)を整形して副走査方向のみに屈折力を有するシリンドリカルレンズ94に入射している。シリンドリカルレンズ94に入射した光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で出射し、副走査断面内においては収束して回転多面鏡(ポリゴンミラー)から成る光偏向器95の偏向面95a近傍にほぼ線像として結像している。
【0004】
そして光偏向器95の偏向面95aで反射偏向された光束をfθ特性を有するfθレンズ系(走査光学手段)96を介して被走査面97としての感光ドラム面上へ導光し、該光偏向器95を矢印A方向に回転させることによって該感光ドラム面97上を矢印B方向(主走査方向)に光走査して画像情報の記録を行っている。
【0005】
更に走査光学手段に回折部と屈折部とを設けた走査光学装置が、例えば特開平10−68903号公報で提案されている。同公報においては走査光学手段に屈折部と回折部とを有する光学素子を設け、この光学素子の屈折部と回折部とのパワーを所望の条件を満たすように設定することにより、装置の温度変動に伴う主走査方向の倍率変化及びピント変化が、該屈折部と回折部とのパワー変化と、光源手段である半導体レーザーの波長変動により補正されるようにしている。これにより装置内の温度が変動した場合でも、高精細な画像が得られるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例において走査光学手段に回折部(回折格子)を設けて回折によるパワーを発生させるためには図10に示すように回折格子のピッチPを変化させて形成する必要がある。例えば光軸(軸上)から軸外に離れるに従い回折格子のピッチPを変化させることにより、凸のパワーや凹のパワーを持たせることが可能になる。上記特開平10−68903号公報で提案されている回折部は主走査方向において光軸から軸外へ離れるに従い次第にピッチが小さくなるように変化させることにより、凸のパワーを発生させ、所望の結像性能を得ている。
【0007】
しかしながら回折格子のピッチが小さくなればなるほど、使用次数の回折光に対して、他の不要次数の回折光の強度が増大する。そのため不要次数の回折光の光量が増えることにより、使用次数の回折光の光量が減少する。これは当然回折部に入射する入射光に対して回折部を通過後の使用次数の回折光の光量が減少することを意味するものであり、ピッチを小さくすることに伴い、使用次数の回折光の回折効率が低下する。したがって、上記特開平10−68903号公報のように走査光学手段に回折によるパワーを持たせる場合、その回折効率は軸上から軸外に向かい低下するため回折部に起因する照度分布も低下する傾向にある。
【0008】
また照度分布に起因する他の要因として回折格子の形状に起因するものがある。回折格子は図10に示すように傾斜部36aとそれを結ぶ壁面部36bとが交互に連続して構成されるため、画角をもって入射する光束に対しては壁面部36bにより光束のケラレが生じ、光量損失が生じる。この壁面部の光量損失を補正した走査光学装置が、例えば特開平11−337853号公報で提案されている。同公報では回折格子のピッチPと深さ(高さ)Hによって算出される角度にて壁面部を構成することでケラレる光束を低減し、損失光量を抑えている。
【0009】
しかしながら原理的にケラレる光束をゼロにすることは難しい。すなわち壁面部の傾斜角度を大きくとれば回折部から射出した光束のケラレを無くすことは可能であるが、あまり壁面部の傾斜角度を大きくしてしまうとLDE内部で別の光束が蹴られてしまうので良くない。
【0010】
更に他の要因として各光学面での表面反射(フレネル反射)がある。図2はS偏光で光束を屈折率1.525の光学部材に入射させた場合の反射率及び透過率の角度依存性を示した説明図である。各光学面における表面反射は入射角が増大するほど大きなものとなる。したがって走査光学手段においては一般に軸上から軸外に向かうほど入射角は増大するため、各光学面での表面反射も大きくなり、逆に透過率が下がっていくことになる。このことにより、もし回折部を有する走査光学手段にS偏光で光束を入射させた場合、透過率及び回折効率が軸上から軸外に向かって低下するため、被走査面上における照度分布も軸上から軸外に向かって低下するという問題点があった。
【0011】
本発明は回折部の格子高さを軸上と軸外とで異ならせて形成することにより、走査光学手段に回折部を用いた場合でも、設計の自由度を保ちながら、被走査面上の照度分布を均一に保ち、良好なる出力画像を得ることができる走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
【0012】
更に本発明によれば軸上と軸外との回折部の回折効率が略同等と成るように該回折部の格子高さを設定することにより、走査光学手段に回折部を用いた場合でも、被走査面上の照度分布ムラを低減することができる走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の走査光学装置は、
光源手段と、前記光源手段から射出された光束を偏向手段に入射させる入射光学手段と、前記偏向手段の偏向面で反射偏向された光束を被走査面上に結像させる屈折部及び回折部を有する走査光学手段と、を有する走査光学装置において、
前記偏向手段の偏向面で反射偏向された光束は、S偏光で前記屈折部及び前記回折部に入射しており、
前記回折部の軸上の格子高さをh0、走査角θ(θ≠0)の軸外の格子高さをhθとしたとき、
前記軸上の格子高さh 0 は、前記軸外の格子高さh θ より大きく、かつ、
主走査方向において、軸上での回折効率が軸外での回折効率に対して低くなるように、前記走査角θが大きくなるに従い、前記格子部の格子高さは次第に小さくなるように設定されているか、又は、
前記軸上の格子高さh 0 は、前記軸外の格子高さh θ より小さく、かつ、
主走査方向において、軸上での回折効率が軸外での回折効率に対して低くなるように、前記走査角θが大きくなるに従い、前記格子部の格子高さは次第に大きくなるように設定されていることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明の画像形成装置は、請求項1に記載の走査光学装置と、前記走査光学装置の被走査面に配置された感光体と、前記感光体上を光束が走査することによって形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記現像されたトナー像を用紙に転写する転写手段と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着手段とを備えたことを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
図1は本発明の走査光学装置の実施形態1の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。
【0022】
尚、本明細書において偏向手段によって光束が反射偏向(偏向走査)される方向を主走査方向、主走査方向と直交する方向を副走査方向と定義する。
【0023】
同図において1は光源手段であり、例えば半導体レーザー等より成っている。2はコリメーターレンズであり、光源手段1から放射された光束を略平行光束に変換している。3は開口絞りであり、通過光束を制限してビーム形状を整形している。4はシリンドリカルレンズであり、副走査方向にのみ所定のパワーを有しており、開口絞り3を通過した光束を副走査断面内で後述する光偏向器5の偏向面(反射面)5aにほぼ線像として結像させている。尚、コリメーターレンズ2、開口絞り3、そしてシリンドリカルレンズ4等の各要素は入射光学手段11の一要素を構成している。
【0024】
5は偏向手段としての光偏向器であり、例えば5面構成のポリゴンミラー(回転多面鏡)より成っており、モーター等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。
【0025】
6は集光機能とfθ特性とを有する走査光学手段としてのfθレンズ系であり、プラスチック材料より成る第1、第2の2枚のfθレンズ6a,6bより成り、該第2のfθレンズ6bの射出面(第2面)6b2に回折部(回折格子)8を形成しており、光偏向器5によって反射偏向された画像情報に基づく光束を被走査面としての感光ドラム面7上に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面5aと感光ドラム面7との間を共役関係にすることにより、倒れ補正機能を有している。本実施形態における回折部8は、その回折部8の格子高さを軸上と軸外とで異ならせて形成している。
【0026】
尚、本実施形態ではfθレンズ系6の屈折部と回折部とのパワーを所望の条件を満たすように設定することにより、装置内の温度変動に伴う主走査方向の倍率変化及びピント変化や、副走査方向のピント変化などの光学特性が、該屈折部と回折部とのパワー変化と、光源手段である半導体レーザー1の波長変動により補正されるようにしている。これにより装置内の温度が変動した場合でも、高精細な画像が得られるようにしている。
【0027】
7は被走査面としての感光ドラム面(像担持体面)である。L0は軸上光束、Lθは軸外光束である。尚、ここで軸上とは走査光学手段6の光軸であり、該軸上における画角(走査角)θは0度である。
【0028】
本実施形態において半導体レーザー1から出射した光束はコリメーターレンズ2により略平行光束に変換され、開口絞り3によって該光束(光量)が制限され、シリンドリカルレンズ4に入射している。シリンドリカルレンズ4に入射した略平行光束のうち主走査断面においてはそのままの状態で射出する。また副走査断面内においては収束して光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像している。そして光偏向器5の偏向面5aで反射偏向された光束は第1、第2のfθレンズ6a,6bを介して感光ドラム面7上にスポット状に結像され、該光偏向器5を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム面7上を矢印B方向(主走査方向)に等速度で光走査している。これにより記録媒体としての感光ドラム面7上に画像記録を行なっている。
【0029】
本実施形態では走査光学手段(fθレンズ系)6に入射する光束がほぼS偏光で入射するように光源である半導体レーザー1を配置している。つまり、半導体レーザー1の水平横モード方向が走査面に略垂直となるように配置されている。図2はS偏光の光束を屈折率1.525の光学部材に入射させたときの反射率及び透過率の角度依存性を示した説明図である。同図から明らかなように各光学面における表面反射(フレネル反射)は入射角が増大するほど増大する。走査光学手段においては、一般に主走査方向において軸上から軸外に向かうほど入射角は増大するので、各光学面での表面反射は軸上から軸外に向かい大きくなり、逆に透過率は下がっていくことになる。すなわち(軸上の光量)>(軸外の光量)となる。
【0030】
また本実施形態では前述の如く走査光学手段6の第2のレンズ6bの射出面6b2に回折部8を設けている。図3にこの第2のレンズ6bの一部分の拡大図を示す。同図において回折部8は凸のパワーを持つように形成されており、そのため回折格子のピッチPは主走査方向において、軸上ピッチP0から、軸外ピッチPθに向かい次第に小さく成るように設定されている。
【0031】
一方、回折格子の高さは軸上の高さh0から、軸外での高さhθに向かい次第に小さく成るように設定されている。この格子高さの設定理由について図4を用いて説明する。
【0032】
一般に回折格子の格子高さhは、
h=mλ/(n−1) ‥(1)
ただし、m:使用回折次数
λ:使用波長(光源波長)
n:回折格子(回折部)の基板の材質の屈折率
とすることで、回折効率(使用回折次数の出射光量/入射光量)が最大になる。図4ではこの格子高さhを横軸の変数にとって、縦軸に回折効率をプロットしている。尚、回折格子に光束が入射する入射角度は軸上光束L0が0度、軸外光束Lθがθ度としている。図4によれば、h0=hθ=hとしてしまうと軸上の回折効率が軸外の回折効率に比して高いので(軸上の光量)>(軸外の光量)となってしまう。
【0033】
そこで本実施形態では軸上での回折効率が軸外での回折効率に対して相対的に低くなるように回折部の格子高さを、h0>hθ=hとすることにより、該軸外の回折効率を相対的に高くし、これにより(軸上の光量)<(軸外の光量)としている。
【0034】
即ち、本実施形態ではフレネル反射により(軸上の光量)>(軸外の光量)となるのに対し、軸上から軸外に向かい回折部の回折効率を高めることで、光学系全系として相殺させている。
【0035】
図5に本実施形態の走査光学手段の屈折部の透過率、回折部の回折効率、被走査面上における最終的な全系での照度分布を示す。同図に示すように被走査面上の照度分布が略均一に保たれていることが分かる。
【0036】
このように本実施形態においては上述の如く走査光学手段6の画角θよる屈折部の透過率変化と、回折部8の回折効率変化とが相殺するように該屈折部と該回折部8とを構成することにより、走査光学手段6に回折部8を用いた場合でも、被走査面7上の照度分布を均一に保つことができ、これにより良好なる画像を得ている。
【0037】
尚、本実施形態では回折効率が低下したことで不要回折光が増えてしまうが、その量は高々数%であり、しかも不要回折光は被走査面上でピンぼけ状態になるので実質的には問題ない。
【0038】
また本実施形態では回折部の格子高さを軸上から軸外に向けて次第に変化させたが、これに限らず、例えば段階的に変化させても良い。また本実施形態では単一の光束を出射させる光源を用いたが、これに限らず、例えば複数の光束を出射するマルチビーム光源を光源手段として用いても本発明は前述の実施形態1と同様に適用することができる。
【0039】
[実施形態2]
図6は本発明の実施形態2の第2のfθレンズ16bの一部分の要部断面図である。同図において図3に示した要素と同一要素には同符番を付している。
【0040】
本実施形態において前述の実施形態1と異なる点は回折部18の軸上の格子高さh0を画角θの軸外の格子高さhθよりも低くなるように構成したことである。その他の構成及び光学的作用は実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
【0041】
即ち、同図に示すように第2のレンズ16bの射出面(第2面)16b2に設けた回折部18は前述の実施形態1と同様に凸のパワーを持つように形成されており、そのため回折格子のピッチPは主走査方向において、軸上ピッチP0から、軸外ピッチPθに向かい次第に小さく成るように設定されている。
【0042】
一方、回折格子の高さは軸上の高さh0から、軸外での高さhθに向かい次第に大きく成るように設定されている。この格子高さの設定理由について図4を用いて説明する。
【0043】
回折格子の格子高さhは前述の如く、
h=mλ/(n−1) ‥(1)
とすることで、回折効率(使用回折次数の出射光量/入射光量)が最大になる。図4によれば、h0=hθ=hとしてしまうと前述の如く軸上の回折効率が軸外の回折効率に比して高いので(軸上の光量)>(軸外の光量)となってしまう。
【0044】
そこで本実施形態では軸上での回折効率が軸外での回折効率に対して相対的に低くなるように回折部の格子高さを、h0<hθ=hとすることにより、該軸外の回折効率を相対的に高くし、これにより(軸上の光量)<(軸外の光量)としている。
【0045】
即ち、本実施形態ではフレネル反射により(軸上の光量)>(軸外の光量)となるのに対し、軸上から軸外に向かい回折部の回折効率を高めることで、光学系全系として相殺させている。これにより本実施形態では走査光学手段に回折部を用いた場合でも、被走査面上の照度分布を均一に保つことができ、良好なる画像を得ている。
【0046】
参考例1
図7は本発明の参考例1の第2のfθレンズ26bの一部分の要部断面図である。同図において図3に示した要素と同一要素には同符番を付している。
【0047】
参考例において前述の実施形態1と異なる点は軸上と軸外との回折部の回折効率が略同等と成るように該回折部の格子高さを設定したことである。その他の構成及び光学的作用は実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
【0048】
即ち、同図に示すように第2のレンズ26bの射出面26b2に設けた回折部28は前述の実施形態1と同様に凸のパワーを持つように形成されており、そのため回折格子のピッチPは主走査方向において、軸上ピッチP0から、軸外ピッチPθに向かい次第に小さく成るように設定されている。
【0049】
一方、回折格子の高さは軸上と軸外との回折部の回折効率が略同等と成るように設定されている。この格子高さの設定理由について図4を用いて説明する。
【0050】
回折格子の格子高さhは前述の如く、
h=mλ/(n−1) ‥(1)
とすることで、回折効率(使用回折次数の出射光量/入射光量)が最大になる。図4によれば、h0=hθ=hとしてしまうと前述の如く軸上の回折効率が軸外の回折効率に比して高いので(軸上の光量)>(軸外の光量)となってしまう。
【0051】
そこで本参考例では、以下の条件式(2)を満足するように各要素を設定することにより、軸上から中間像高の格子高さを最適値よりずらすことで回折効率を低下させ、最軸外の回折効率とのバランスをとり、更に最軸外の格子高さまでを最適値よりずらすことで全画角の回折効率をバランスさせ、軸上と軸外との回折効率を相対的に略同じにしている。
【0052】
(m−1)λ<(n−1)hm<mλ ‥(2)
ただし、m:回折次数λ:使用波長(光源波長)
n:回折部の基板の材質の屈折率
m:回折部の格子高さ
参考例ではフレネル反射により(軸上の光量)>(軸外の光量)の分は残るものの、軸上から軸外に向かい回折部の回折効率を略同等にすることができ、これにより光学系全系として被走査面上の照度分布ムラを低減することができる。
【0053】
このように本参考例では上記の条件式(2)を満足するように各要素を設定することにより、被走査面上の照度分布ムラを低減して良好なる出力画像を得ている。
【0054】
尚、各実施形態1、2、参考例1では走査光学手段に入射する光束がほぼS偏光で入射となるように光源である半導体レーザーを配置しているが、これに限定されるものではなく、例えばP偏光入射や偏光方向を任意に設定したときには、走査光学手段の屈折部で生じるフレネル反射の影響を相殺または低減するように回折部の回折格子の深さを設定し、回折効率を任意に設定すれば良い。
【0055】
[画像形成装置]
図8は、本発明の走査光学装置を用いた画像形成装置の一例である、電子写真プリンタの構成例を示す副走査方向の要部断面図である。図中、100は先に説明した本発明の実施形態1、2のいずれかの走査光学装置を示す。101は静電潜像担持体たる感光ドラム(感光体)であり、該感光ドラム101の上方には該感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が該表面に当接している。該帯電ローラ102の当接位置よりも下方の上記感光ドラム101の回転方向A下流側の帯電された表面には、光走査光学系100によって走査される光ビーム(光束)103が照射されるようになっている。
【0056】
光ビーム103は、画像データに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって上記感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。該静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置よりもさらに上記感光ドラム101の回転方向下流側で該感光ドラム101に当接するように配設された現像手段としての現像装置107によってトナー像として現像される。該トナー像は、上記感光ドラム101の下方で該感光ドラム101に対向するように配設された転写手段としての転写ローラ108によって転写材たる用紙112上に転写される。該用紙112は上記感光ドラム101の前方(図8において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。該用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、該用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
【0057】
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図8において左側)の定着手段としての定着器へと搬送される。該定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113と該定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されており、転写部から搬送されてきた用紙112を上記定着ローラ113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112をプリンタの外に排出せしめる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば前述の如く回折部の格子高さを軸上と軸外とで異ならせて形成することにより、走査光学手段に回折部を用いた場合でも、設計の自由度を保ちながら、被走査面上の照度分布を略均一に保つことができ、これにより良好なる画像を得ることができる走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
【0059】
更に本発明によれば前述の如く軸上と軸外との回折部の回折効率が略同等と成るように該回折部の格子高さを設定することにより、被走査面上の照度分布ムラを低減することができ、これにより良好なる画像を得ることができる走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の主走査断面図
【図2】S偏光の特性を示す図
【図3】本発明の実施形態1の回折格子形状を示す要部断面図
【図4】本発明の実施形態1の回折格子形状と回折効率特性を示す図
【図5】本発明の実施形態1における照度分布を示す図
【図6】本発明の実施形態2の回折格子形状を示す要部断面図
【図7】本発明の参考例1の回折格子形状を示す要部断面図
【図8】本発明の走査光学装置を用いた電子写真プリンタの構成例を示す副走査方向の要部断面図
【図9】従来の走査光学装置の要部概略図
【図10】従来の回折格子形状を示す要部断面図
【符号の説明】
1 光源手段
2 コリメーターレンズ
3 開口絞り
4 シリンドリカルレンズ
5 偏向手段(ポリゴンミラー)
6 走査光学手段(fθレンズ系)
6a 第1のfθレンズ
6b,16b,26b 第2のfθレンズ
7 被走査面(感光ドラム面)
8 回折部(回折格子)
11 入射光学手段
100 光走査光学系
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 光ビーム
107 現像装置
108 転写ローラ
109 用紙カセット
110 給紙ローラ
112 転写材(用紙)
113 定着ローラ
114 加圧ローラ
116 排紙ローラ

Claims (2)

  1. 光源手段と、前記光源手段から射出された光束を偏向手段に入射させる入射光学手段と、前記偏向手段の偏向面で反射偏向された光束を被走査面上に結像させる屈折部及び回折部を有する走査光学手段と、を有する走査光学装置において、
    前記偏向手段の偏向面で反射偏向された光束は、S偏光で前記屈折部及び前記回折部に入射しており、
    前記回折部の軸上の格子高さをh0、走査角θ(θ≠0)の軸外の格子高さをhθとしたとき、
    前記軸上の格子高さh 0 は、前記軸外の格子高さh θ より大きく、かつ、
    主走査方向において、軸上での回折効率が軸外での回折効率に対して低くなるように、前記走査角θが大きくなるに従い、前記格子部の格子高さは次第に小さくなるように設定されているか、又は、
    前記軸上の格子高さh 0 は、前記軸外の格子高さh θ より小さく、かつ、
    主走査方向において、軸上での回折効率が軸外での回折効率に対して低くなるように、前記走査角θが大きくなるに従い、前記格子部の格子高さは次第に大きくなるように設定されていることを特徴とする走査光学装置。
  2. 請求項1に記載の走査光学装置と、前記走査光学装置の被走査面に配置された感光体と、前記感光体の上を光束が走査することによって形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記現像されたトナー像を用紙に転写する転写手段と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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