JP3392107B2 - 走査光学装置およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

走査光学装置およびそれを用いた画像形成装置

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JP3392107B2 JP2000181486A JP2000181486A JP3392107B2 JP 3392107 B2 JP3392107 B2 JP 3392107B2 JP 2000181486 A JP2000181486 A JP 2000181486A JP 2000181486 A JP2000181486 A JP 2000181486A JP 3392107 B2 JP3392107 B2 JP 3392107B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査光学装置およ
びそれを用いた画像形成装置に関する。本発明の走査光
学装置は、例えばレーザービームプリンターやデジタル
複写機等の画像形成装置に好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザービームプリンターや
デジタル複写機等の画像形成装置に用いられる走査光学
装置においては、画像信号に応じて光源手段から光変調
され出射した光束を例えば回転多面鏡(ポリゴンミラ
ー)より成る光偏向器により周期的に偏向させている。
そして、偏向された光束を、fθ特性を有する結像光学
系によって感光性の記録媒体(感光ドラム)面上にスポ
ット状に集束させ、その面上を光走査して画像記録を行
っている。
【0003】この種の走査光学装置において、特に結像
光学系に要求される光学特性は感光ドラム上で良好なる
結像特性を有すること、また主走査平面内にあってはf
θ特性を有することである。このような目的を達成する
ための走査光学装置が、例えば特開平9-230274
号公報にて提案されている。図5は同公報で提案されて
いる走査光学装置を、例えばレーザービームプリンター
やディジタル複写機等の画像形成装置に用いたときの要
部概略斜視図である。
【0004】図5において、半導体レーザー21から出
射した光束はコリメーターレンズ22により略平行光束
に変換され、負のパワーを有する球面レンズ46により
発散光束に変換される。そして、この発散光束は、第1
の折り返しミラー18を介してシリンドリカルレンズ2
4に入射している。シリンドリカルレンズ24に入射し
た略平行光束のうち副走査断面内における光束は収束し
て第2の折り返しミラー25を介して球面レンズ27a
とトーリックレンズ27bとを有するfθレンズ系27
を透過し、光偏向器26の偏向面(反射面)26Aに入
射し、該偏向面26A近傍にほぼ線像(主走査方向に長
手の線像)として結像している。このとき偏向面26A
に入射する光束は光偏向器26の回転軸とfθレンズ系
27の光軸を含む副走査断面内から該光偏向器26の回
転軸と垂直な平面(光偏向器の回転平面)に対して所定
の角度で入射している。
【0005】また主走査断面内における光束はそのまま
の状態で第2の折り返しミラー25を介してfθレンズ
系27を透過し、光偏向器26の偏向角の略中央から偏
向面26Aに入射(正面入射)している。このときの略
平行光束の光束幅はコリメーターレンズ22と球面レン
ズ46により主走査方向において光偏向器26の偏向面
26Aのファセット幅に対し十分広くなるように設定さ
れている。このような光学系は、オーバーフィルド光学
系と呼ばれている。
【0006】そして光偏向器26の偏向面26Aで偏向
反射された光束は、fθレンズ系27により平面ミラー
28、そして副走査方向にのみ所定のパワーを有するシ
リンドリカルミラー34を介して感光ドラム面31上に
導光される。そして、該光偏向器26を矢印A方向に回
転させることによって、該感光ドラム面31上を矢印B
方向(主走査方向)に光走査している。これにより記録
媒体としての感光ドラム面31上に画像記録を行なって
いる。
【0007】また、図5においては、シリンドリカルミ
ラー34と感光ドラム31面との間に防塵ガラス30が
配置され、感光ドラム面31近傍にあるトナー微細粉末
や紙粉が光学素子側(回転多面鏡側)へ飛散し付着する
ことを防止している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにオーバーフ
ィルド光学系を用いた走査光学装置は、光偏向器による
偏向効率が良く高速走査が可能である。しかしながら他
方で一主走査線の中において軸上と軸外とで被走査面
(感光ドラム面)ヘ到達する光量が変化し、均一なる主
走査方向の光量分布が得られないという問題点がある。
この理由は、オーバーフィールド光学系においては、主
走査方向において、光束中をこの光束より幅の狭い偏向
面が角度を変えながら移動していくことになるからであ
る。つまり、軸上近傍を走査するときには、偏向面は光
束に対して正対した状態となり、軸外においては、偏向
面は光束に対して傾斜した配置になる。したがって、偏
向面の角度によって、入射光学系からの光束の全光量に
対して、偏向面に入射する光量の割合が変化し、被走査
面に到達する光量が変化する。
【0009】また通常、半導体レーザーからの光束の強
度分布はガウス分布であり、光束の中心部が周辺部より
も強度が高い。よって被走査面(感光ドラム面)上へ到
達する光量は主走査方向において軸上部の光量が軸外部
の光量よりも相対的に大きくなり、結果として不均一な
光量分布に成る。
【0010】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、被走査面上で略均一な光量分布が得られる走査
光学装置及びそれを用いた画像形成装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1の発明は、光源と、前記光源から出射した光束を、
主走査方向に偏向する偏向面を有する光偏向器と、前記
光源から出射した光束を光偏向器に導く第1の光学系
と、前記光偏向器で偏向された光束を被走査面上に結像
させる第2の光学系とから成り、前記第1の光学系は、
光束の主走査方向の幅が、前記偏向面の主走査方向の幅
よりも広くなるように偏向面に光束を入射させる走査光
学装置において、前記光源から出射した光束は、主走査
方向において、前記光偏向器による偏向角のほぼ中央の
位置から偏向面に入射しており、前記第2の光学系は、
少なくとも1つの光学面に該光学面上で均一な膜厚であ
反射防止膜が形成された光学素子を有し、該反射防止
膜の膜厚は、光偏向器で偏向される光束の内、最軸外光
束が前記光学面に入射する角度において、透過率が最大
となるように設定されていることを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項2の発明は、請求項1に記載の走査
光学装置において、前記第2の光学系が更に、光偏向器
と被走査面との間の光路中に配された少なくとも1つの
反射ミラーを有し、該反射ミラーが、光偏向器で偏向さ
れる光束の内、軸上光束に対する反射率よりも最軸外光
束に対する反射率の方が高くなるように形成されている
ことを特徴とするものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項1に記載の走査
光学装置において、前記第2の光学系が、光偏向器で偏
向された光束を被走査面上に結像させるfθレンズ系及
び該fθレンズ系と被走査面との間の光路中に配置され
た平板ガラスから成り、前記反射防止膜が前記平板ガラ
スの表面に形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0014】請求項4の発明は、請求項3に記載の走査
光学装置において、前記第2の光学系が、更に、前記f
θレンズ系と平板ガラスとの間の光路中に配置された少
なくとも1つの反射ミラーから成り、該反射ミラーが、
光偏向器で偏向される光束の内、軸上光束に対する反射
率よりも最軸外光束に対する反射率の方が高くなるよう
に形成されていることを特徴とするものである。
【0015】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れか一項に記載の走査光学装置において、前記第1の光
学系が、前記光源から出射した光束を主走査方向に長い
線像として光偏向器の偏向面に入射させることを特徴と
するものである。
【0016】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れか一項に記載の走査光学装置において、前記光源から
出射した光束が、副走査断面内において、前記光偏向器
の偏向面に垂直でない所定の角度をなして入射すること
を特徴とするものである。
【0017】
【0018】請求項の発明の画像形成装置は、請求項
1乃至のいずれか一項に記載の走査光学装置と、前記
被走査面に配置された感光体と、前記走査光学装置で走
査された光束によって前記感光体上に形成された静電潜
像をトナー像として現像する現像器と、前記現像された
トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたト
ナー像を被転写材に定着させる定着器とから成ることを
特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】[実施形態1]図1は、本発明の
実施形態1の走査光学装置を、例えば前述したレーザー
ビームプリンターやディジタル複写機等の画像形成装置
に適用したときの要部概略斜視図である。
【0020】図1において、符号1は光源を示す。光源
1は、例えば半導体レーザーより成っている。符号2は
コリメーターレンズを示し、光源1から出射された発散
光束を略平行光束に変換している。符号3は負のパワー
を有する球面レンズを示し、コリメーターレンズ2で略
平行光束とされた光束を発散光束に変換している。符号
4は反射部材としての第1の折り返しミラー(平面ミラ
ー)を示す。
【0021】符号5はシリンドリカルレンズを示す。シ
リンドリカルレンズ5は、副走査方向にのみ所定の屈折
力を有しており、第1の折り返しミラー4で反射された
光束を反射部材としての第2の折り返しミラー(平面ミ
ラー)6を介して副走査断面内で後述する光偏向器7の
偏向面(反射面)7aにほぼ線像として結像させてい
る。
【0022】尚、コリメーターレンズ2、球面レンズ
3、第1の折り返しミラー4、シリンドリカルレンズ
5、そして第2の折り返しミラー6等の各要素は、第1
の光学系としての入射光学系31を構成している。
【0023】7は偏向素子としての、例えばポリゴンミ
ラー(回転多面鏡)より成る光偏向器であり、モーター
等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速
度で回転している。
【0024】符号32、は集光機能とfθ特性を有する
第2の光学系としての結像光学系を示す。結像光学系3
2は、球面レンズ8aとトーリックレンズ8bとを有す
るfθレンズ系8、反射部材としての第3の折り返しミ
ラー(平面ミラー)9、そして副走査方向にのみ所定の
パワーを有する反射部材としてのシリンドリカルミラー
10とを有している。そして、結像光学系32は、光偏
向器7の偏向面7aによって偏向、反射された画像情報
に基づく光束を、被走査面としての感光ドラム面12上
にスポット状に結像させている。ここで、副走査断面内
において、光偏向器7の偏向面7aと感光ドラム面(被
走査面)12とは、結像光学系32によって光学的に共
役な関係とされている。このような構成は、光偏向器7
の回転軸への取り付け誤差、あるいは偏向面7aの加工
誤差などによる、偏向面7aの面倒れを補正するための
もので、面倒れ補正系と呼ばれている。
【0025】符号11は防塵ガラスを示す。この防塵ガ
ラス11は、シリンドリカルミラー10と感光ドラム面
12との間に配置され、該感光ドラム面12近傍にある
トナー微細粉末や紙粉が光学素子側(回転多面鏡側)へ
飛散し、付着することを防止している。
【0026】本実施形態では、この防塵ガラス11の表
面(平面)に本発明に関わる反射防止膜を蒸着してい
る。この反射防止膜の膜厚は、光偏向器で偏向される光
束の内、最軸外光束が防塵ガラス11の表面に入射する
角度において、透過率が最大となるように設定されてい
る。
【0027】本実施形態において、光源(半導体レーザ
ー)1から出射した光束は、コリメーターレンズ2によ
り略平行光束に変換される。その後、球面レンズ3によ
り発散光束に変換されて第1の折り返しミラー4を介し
てシリンドリカルレンズ5に入射している。ここで、副
走査断面内において、シリンドリカルレンズ5に入射し
た略平行光束は収束して、第2の折り返しミラー6を介
してfθレンズ系8を透過し、光偏向器7の偏向面(反
射面)7aに入射して、該偏向面7a近傍にほぼ線像
(主走査方向に長手の線像)として結像される。このと
き偏向面7aに入射する光束は、副走査断面内において
は、光偏向器7の回転軸と垂直な平面(光偏向器の回転
平面)に対して所定の角度で入射している。即ち、入射
光学系21から出射した光束は、副走査断面内において
光偏向器7の偏向面7aに対し斜め方向から入射してい
る。言い換えると、入射光学系21から出射した光束
は、副走査断面内において、前記光偏向器の偏向面に垂
直でない所定の角度をなして入射する。ここで、副走査
断面とは、光偏向器7の回転軸とfθレンズ系8の光軸
を含む面を示す。
【0028】他方、主走査断面内において、シリンドリ
カルレンズ5を透過した光束は、そのままの状態(発散
光束の状態)で第2の折り返しミラー6を介してfθレ
ンズ系8を透過し、光偏向器7の偏向角の略中央から偏
向面7aに入射(正面入射)している。このときの発散
光束の光束幅は、コリメーターレンズ2と球面レンズ3
により主走査方向において光偏向器7の偏向面7aのフ
ァセット幅に対し十分広くなるように設定されている。
つまり、偏向面に入射する光束の主走査方向の幅は、偏
向面の主走査方向の幅よりも広い。つまり、本実施形態
は、所謂オーバーフィルド光学系を用いている。
【0029】その後、光偏向器7の偏向面7aで偏向反
射された光束は、fθレンズ系8、第3の折り返しミラ
ー9、そしてシリンドリカルミラー10を介して感光ド
ラム面(被走査面)12上に導光され、スポット状に結
像される。そして、光偏向器7を矢印A方向に回転させ
ることによって、前記結像スポットによって感光ドラム
面(被走査面)12上を矢印B方向(主走査方向)に走
査している。これにより、記録媒体としての感光ドラム
面(被走査面)12上に画像記録を行なっている。
【0030】本実施形態においては、透過型の各光学素
子に対して軸上光束はほぼ垂直に入射する。ここで、厳
密には軸上光束の入射角はφ≒0°である。φが0°で
ないのは、軸上光束の入射方向が上述の如く副走査方向
において結像光学系の光軸に対して所定の角度を有する
ことに起因する。一方、軸外光束はφ≠0°の角度を持
って入射する。この角度は透過型の各光学素子の持つ透
過面の曲率半径によってそれぞれに異なるが、説明の便
宜上、最軸外光束の入射角をφ=20°として表示す
る。
【0031】本実施形態では、上述の如く防塵ガラス1
1の表面に反射防止膜を蒸著している。図2は、この反
射防止膜の透過率の入射角度依存性を示したグラフであ
る。
【0032】図2において、横軸は入射角度φであり、
縦軸は透過率Tである。図2において実線a1は、本実
施形態における透過率の入射角依存性を示す。本実施形
態では、最軸外光束の入射角度を20°とするとき、そ
の入射角度で透過率が最大になるように反射防止膜の膜
厚を設定している。破線b1は、従来技術における透過
率の入射角依存性を示す。従来技術においては、軸上光
束(すなわち入射角が0°)に対して透過率が最大にな
るように、反射防止膜の膜厚が設定されている。
【0033】図3から理解できるように、実線a1で示
される本実施形態に係る膜厚の特性は、破線b1で示す
従来技術と比較して透過率の入射角度依存性が小さい。
このため、オーバーフィルド型の走査光学装置に固有の
問題点である、主走査方向の光束の光量の不均一性、す
なわち軸上光束の光量が軸外光束の光量よりも高いとい
う不具合に対して、従来技術の反射防止膜を採用する
と、反射防止膜の入射角度依存性に起因する不均一性が
増長していた。ところが、本実施形態のように反射防止
膜の膜厚を設定することによって、上記のような光量の
不均一性の増長を防止することできる。
【0034】この効果を効率よく利用するためには、画
像の端部を形成する、すなわち最軸外を走査するときの
入射光束に対して、その入射角度での反射防止効果が最
大に成るように反射防止膜の膜厚を設定することが良
い。
【0035】また上記の効果は、光学素子の曲率半径に
も依存するものである。そのため、軸上光束と最軸外光
束の入射角度の差が大きい透過面に対して、本発明に係
る反射防止膜を施すことが好ましい。例えば、fθレン
ズ系8の最も光偏向器7側に位置する凹面よりも、防塵
ガラス11の表面(平面)の方が軸上光束と最軸外光束
の入射角度の差は大きい。したがって本発明の目的を達
成する上では本実施形態の如く透過で使用する光学素子
(防塵ガラス)の平面上に本発明に係る反射防止膜を蒸
著することが好適である。
【0036】さらに、本発明に係る反射防止膜は、防塵
ガラスのみではなく走査光学系中に用いられる透過型の
光学素子の複数の透過面、ないしはすべての透過面に設
けても良い。その理由は、結像スポットを微小化して高
精細画像を得る目的のオーバーフィールド光学系を用い
た走査光学装置においては、極力光量の不均一さを抑え
ることが画質の向上に寄与するからである。
【0037】また、主走査方向の光量分布の不均一性を
解消するために、例えば反射部材としての平面ミラーや
シリンドリカルミラーに蒸着される反射膜の反射特性の
角度依存性を利用することも可能である。この場合、反
射部材の反射面は軸上光束の反射率よりも軸外光束の反
射率の方が相対的に高くなるように設定している。
【0038】しかしながら、反射膜の特性は反射防止膜
の特性と比較して光束の偏光状態への依存性が高い。つ
まりP偏光とS偏光に対する反射率の入射角依存性の差
異が大きく取り扱いにくいのが実状である。さらに言え
ば、反射膜の反射率の波長依存性は反射防止膜の波長依
存性よりも往々にして大きい。半導体レーザーはその構
造に起因して必ずしも発光波長が同一ではなく、また発
光強度の変化や環境温度の変化に依存して波長が変化す
る。しかるに膜の特性の波長依存度が過敏であると本発
明の目的を達成することが困難に成る場合がある。これ
らの理由で本発明は反射防止膜を利用しての光量の均一
化がより好適と考えるものであり、光量の均一化を反射
膜で行う場合においても、透過面においては反射防止膜
を本発明に係る特性を持たせることで本発明の目的を達
成することが可能である。
【0039】また、本実施形態では前述の如く入射光学
系から出射した光束を光偏向器の偏向角の略中央から入
射する、所謂正面入射の走査光学系であり、このような
走査光学系は光偏向器の回転による偏向光量の変化は結
像光学系の光軸に対して対称に現れる。したがって本発
明に係る反射防止膜は光学素子の上で均一な膜厚で形成
しても結像光学系の光軸に対して対称な効果を得ること
が可能である。つまり膜の形成が簡単でありながら、か
つ光量の不均一さの緩和の効果を大きく得ることが可能
である。
【0040】尚、本実施形態における走査光学装置(オ
ーバーフィルド光学系)を用いた画像形成装置は図2に
示した構成に限らず、いかなる画像形成装置においても
適用できる。この例を以下に示す。
【0041】[実施形態2]図3は、本発明の実施形態
2の走査光学系を、例えば前述したレーザービームプリ
ンターやディジタル複写機等の画像形成装置に適用した
ときの要部概略斜視図である。
【0042】図3において光源51から出射された光束
L0はコリメーターレンズ52により略平行光束に変換
され、絞り53によって該光束(光量)を制限してシリ
ンドリカルレンズ54a,54bを有するシリンドリカ
ルレンズ系54に入射している。シリンドリカルレンズ
系54は、入射した略平行光束のうち主走査断面内にお
いては、そのまま略平行光束の状態で射出する。また副
走査断面内においては、収束して光偏向器(回転多面
鏡)55の偏向面(反射面)55aにほぼ線像(主走査
方向に長手の線像)として結像している。ここで、コリ
メーターレンズ52、絞り53、及びシリンドリカルレ
ンズ系54の各要素は、第1の光学系としての入射光学
系61を構成している。この第1の光学系は、光束の主
走査方向の幅が、偏向面55aの主走査方向の幅よりも
広くなるように、偏向面55aに光束を入射させる。
【0043】また、光偏向器55の偏向面55aで偏向
反射された光束は、球面レンズ56aとトーリックレン
ズ56bとを有するfθレンズ系56により、折り返し
ミラー57、防塵ガラス58を介して被走査面としての
感光ドラム面59上に導光され、スポット状に結像され
る。そして、光偏向器55を矢印A方向に回転させるこ
とによって、感光ドラム面(被走査面)59上を結像ス
ポットにより主走査方向に走査している。これにより記
録媒体としての感光ドラム面(被走査面)59上に画像
記録を行なっている。ここで、fθレンズ系56、折り
返しミラー57及び防塵ガラス58は、第2の光学系と
して結像光学系62を構成している。本実施形態におい
ては、前述の実施形態1と同様に、防塵ガラス58の表
面に反射防止膜を蒸着している。この反射防止膜の膜厚
は、光偏向器で偏向される光束の内、最軸外光束L1が
前記光学面に入射する角度において、透過率が最大とな
るように設定されている。そして、このような構成によ
って、感光ドラム面(被走査面)59上における光量分
布を略均一としている。
【0044】図4は、本発明の走査光学装置を用いた画
像形成装置の構成例を示す副走査方向の要部断面図であ
る。図4において、符号104は画像形成装置を示す。
また、符号100は先に説明した本発明の実施形態1又
は2の走査光学装置を示す。101は静電潜像担持体た
る感光ドラムであり、該感光ドラム101の上方には該
感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ロー
ラ102が該表面に当接している。該帯電ローラ102
の当接位置よりも下方の上記感光ドラム101の回転方
向下流側の帯電された表面には、走査光学装置100に
よって走査される光ビーム103が照射されるようにな
っている。
【0045】光ビーム103は、画像データに基づいて
変調されており、この光ビーム103を照射することに
よって上記感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せ
しめる。該静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置
よりもさらに上記感光ドラム101の回転方向下流側で
該感光ドラム101に当接するように配設された現像装
置107によってトナー像として現像される。該トナー
像は、上記感光ドラム101の下方で該感光ドラム10
1に対向するように配設された転写ローラ108によっ
て被転写材たる用紙112上に転写される。該用紙11
2は上記感光ドラム101の前方(図4において右側)
の用紙カセット109内に収納されているが、手差しで
も給紙が可能である。該用紙カセット109端部には、
給紙ローラ110が配設されており、該用紙カセット1
09内の用紙112を搬送路へ送り込む。
【0046】以上のようにして、未定着トナー像を転写
された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図4
において左側)の定着器へと搬送される。該定着器は内
部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113
と該定着ローラ113に圧接するように配設された加圧
ローラ114とで構成されており、転写部から搬送され
てきた用紙112を上記定着ローラ113と加圧ローラ
114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用
紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着
ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されて
おり、定着された用紙112をプリンタの外に排出せし
める。
【0047】本発明は、以上説明した実施形態の他にも
種々の応用が可能である。本発明は特許請求の範囲を逸
脱しない限りにおいて、このような応用を全て包含する
ものである。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、オーバーフィルド光学
系を用いた走査光学装置において、光偏向器で偏向され
た光束を被走査面に結像させる結像光学系を構成する光
学素子の少なくとも1つの光学面に反射防止膜を設け、
この反射防止膜の膜厚を、光偏向器で偏向される光束の
内、最軸外光束が光学面に入射する角度において、透過
率が最大となるように設定することによって、被走査面
上で略均一な光量分布が得られる走査光学装置及びそれ
を用いた画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置に用いられた本発明の実施形態1
の走査光学装置の要部概略斜視図である。
【図2】本発明で用いられる反射防止膜の透過率の入射
角度依存性を示したグラフである。
【図3】画像形成装置に用いられた本発明の実施形態2
の走査光学装置の要部概略斜視図である。
【図4】本発明の走査光学装置を用いた画像形成装置の
構成例を示す副走査方向の要部断面図である。
【図5】画像形成装置に用いられた従来の走査光学装置
の一例を示す要部概略斜視図である。
【符号の説明】
1,51 光源 2,52 コリメーターレンズ 3 球面レンズ 4 第1の折り返しミラー 5 シリンドリカルレンズ 6 第2の折り返しミラー 7,55 光偏向器 8 fθレンズ系 9 第3の折り返しミラー 10 シリンドリカルミラー 11,58 防塵ガラス 12,59 被走査面 31,61 入射光学系 32,62 結像光学系 53 絞り 54 第1光学系 56 第2光学系 57 折り返しミラー 100 走査光学装置 101 感光ドラム 102 帯電ローラ 103 光ビーム 104 画像形成装置 107 現像装置 108 転写ローラ 109 用紙カセット 110 給紙ローラ 112 用紙 113 定着ローラ 114 加圧ローラ 116 排紙ローラ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、前記光源から出射した光束を、
    主走査方向に偏向する偏向面を有する光偏向器と、前記
    光源から出射した光束を光偏向器に導く第1の光学系
    と、前記光偏向器で偏向された光束を被走査面上に結像
    させる第2の光学系とから成り、前記第1の光学系は、
    光束の主走査方向の幅が、前記偏向面の主走査方向の幅
    よりも広くなるように偏向面に光束を入射させる走査光
    学装置において、前記光源から出射した光束は、主走査方向において、前
    記光偏向器による偏向角のほぼ中央の位置から偏向面に
    入射しており、 前記第2の光学系は、少なくとも1つの光学面に該光学
    面上で均一な膜厚である反射防止膜が形成された光学素
    子を有し、該反射防止膜の膜厚は、光偏向器で偏向され
    る光束の内、最軸外光束が前記光学面に入射する角度に
    おいて、透過率が最大となるように設定されていること
    を特徴とする走査光学装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の光学系は更に、光偏向器と被
    走査面との間の光路中に配された少なくとも1つの反射
    ミラーを有し、該反射ミラーは、光偏向器で偏向される
    光束の内、軸上光束に対する反射率よりも最軸外光束に
    対する反射率の方が高くなるように形成されている請求
    項1記載の走査光学装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の光学系は、光偏向器で偏向さ
    れた光束を被走査面上に結像させるfθレンズ系及び該
    fθレンズ系と被走査面との間の光路中に配置された平
    板ガラスから成り、前記反射防止膜は前記平板ガラスの
    表面に形成されている請求項1記載の走査光学装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の光学系は、更に、前記fθレ
    ンズ系と平板ガラスとの間の光路中に配置された少なく
    とも1つの反射ミラーから成り、該反射ミラーは、光偏
    向器で偏向される光束の内、軸上光束に対する反射率よ
    りも最軸外光束に対する反射率の方が高くなるように形
    成されている請求項3記載の走査光学装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の光学系は、前記光源から出射
    した光束を主走査方向に長い線像として光偏向器の偏向
    面に入射させる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    走査光学装置。
  6. 【請求項6】 前記光源から出射した光束は、副走査断
    面内において、前記光偏向器の偏向面に垂直でない所定
    の角度をなして入射する請求項1乃至5のいずれか一項
    に記載の走査光学装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至のいずれか一項に記載の
    走査光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、
    前記走査光学装置で走査された光束によって前記感光体
    上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像
    器と、前記現像されたトナー像を被転写材に転写する転
    写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定
    着器とから成る画像形成装置。
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