JP6810569B2 - 光走査装置 - Google Patents

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本発明は、光走査装置に関する。
従来の光走査装置では、偏向器によって偏向された光束を被走査面に導光する結像光学系において、光束の一部が結像レンズの出射面と入射面との間で内面反射した後出射面から出射することで、ゴースト光束となってしまうことが知られている。このようなゴースト光束が被走査面に入射してしまうと、形成された画像にスジや濃度ムラなどが生じてしまう。
特許文献1には、被走査面に最も近い結像レンズを、そのレンズ面の曲率中心が光軸に対して偏芯するように配置することで、ゴースト光束が被走査面に到達することを抑制することができる光走査装置が開示されている。
特開2000−180760号公報
しかしながら、結像レンズを光軸に対して偏芯させると、収差の悪化によるスポット径の肥大や回転が発生し、良好な結像性能が得られない問題が発生する。
また、そのような光走査装置をタンデム型のカラー画像形成装置に用いた場合、ある被走査面に対応するゴースト光束が他の被走査面に入射してしまう可能性が生じる。
そこで、本発明は、良好な結像性能を実現しつつ、ゴースト光束による画像形成への影響を低減できる光走査装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光走査装置は、第1及び第2の光束を偏向して第1及び第2の被走査面のそれぞれを主走査方向に走査する偏向器と、偏向器によって偏向された第1及び第2の光束を第1及び第2の被走査面のそれぞれに導光する共通の結像光学素子と、偏向器と第1及び第2の被走査面のそれぞれとの間の光路上に配置される第1及び第2の反射光学系とを備え、第1及び第2の反射光学は、それぞれの光路上で結像光学素子に最も近い位置に配置される第1及び第2の反射光学素子を有し、第1及び第2の反射光学素子のそれぞれにおける第1及び第2の光束の第1及び第2の反射点は、偏向器を含み偏向器の回転軸に垂直な面に対して互いに反対側に位置しており、結像光学素子の光軸を含む副走査断面内において、第1の光束のうち、結像光学素子の出射面及び入射面で順に反射されて出射面から出射した直後のゴースト光束の主光線の延長線は、光軸方向における第1及び第2の反射点の間で前記平面と交差することを特徴とする。
本発明によれば、良好な結像性能を実現しつつ、ゴースト光束による画像形成への影響を低減できる光走査装置を提供することができる。
第一実施形態に係る光走査装置の主走査断面図。 第一実施形態に係る光走査装置の一部拡大副走査断面図。 第一実施形態に係る光走査装置における各光束の光路を示した図。 比較例1に係る光走査装置における各光束の光路を示した図。 比較例2に係る光走査装置における各光束の光路を示した図。 第二実施形態に係る光走査装置における各光束の光路を示した図。 第三実施形態に係る光走査装置における各光束の光路を示した図。 第一乃至第三実施形態のいずれかに係る光走査装置が搭載されたカラー画像形成装置の要部副走査断面図。
以下、本実施形態に係る光走査装置について図面に基づいて説明する。なお、以下に示す図面は、本実施形態を容易に理解できるようにするために、実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。
なお、以下の説明において、主走査方向(Y方向)は、偏向器の回転軸及び光学系の光軸(X方向)に垂直な方向に対応し、副走査方向(Z方向)は、偏向器の回転軸に平行な方向に対応する。また、主走査断面は、副走査方向に垂直な断面に対応し、副走査断面は、主走査方向に垂直な断面に対応する。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る光走査装置100の主走査断面図を示している。また、図2は、第一実施形態に係る光走査装置100の一部拡大副走査断面図を示している。
ただし、図1においては、反射ミラーM1、M2、M3、M’1、M’2、M’3による光路の折り返しを展開しており、各反射ミラーを省略していることに注意されたい。
第一実施形態に係る光走査装置100は、光源1A、1B、1C及び1D、カップリングレンズ2A、2B、2C及び2D、シリンドリカルレンズ3A、3B、3C及び3D、副走査絞り41、主走査絞り42を備えている。また、光走査装置100は、偏向器5、第1の結像レンズ(共通の結像光学素子)61及び62、第2の結像レンズ7A、7B、7C及び7D、反射ミラーM1、M2、M3、M’1、M’2及びM’3を備えている。さらに、光走査装置100は、防塵ガラス9A、9B、9C及び9D、及び不図示のハウジングを備えている。
カップリングレンズ2A、2B、2C及び2D、シリンドリカルレンズ3A、3B、3C及び3D、副走査絞り41、及び主走査絞り42によって、本実施形態に係る光走査装置100の入射光学系75が構成される。
また、第1の結像レンズ61及び62、及び第2の結像レンズ7A、7B、7C及び7Dによって、本実施形態に係る光走査装置100の結像光学系85が構成される。
また、反射ミラーM1、M2、M3、M’1、M’2及びM’3によって、本実施形態に係る光走査装置100の反射光学系95が構成される。
より具体的には、反射ミラーM1によって、第1の反射光学系が構成され、反射ミラーM2及びM3によって、第2の反射光学系が構成される。また、反射ミラーM’2及びM’3によって、第3の反射光学系が構成され、反射ミラーM’1によって、第4の反射光学系が構成される。そして、偏向器5と被走査面8A、8B、8C及び8Dのそれぞれとの間の光路上に、第1、第2、第3及び第4の反射光学系が配置される。
光源1A、1B、1C及び1Dとしては、発光点を有する半導体レーザーなどが用いられる。
カップリングレンズ2A、2B、2C及び2Dはそれぞれ、光源1A、1B、1C及び1Dより出射した光束RA、RB、RC及びRDを略平行光束に変換する。なおここで、略平行光束とは、弱発散光束、弱収束光束及び平行光束を含むものとする。
シリンドリカルレンズ3A、3B、3C及び3Dはそれぞれ、副走査断面内に有限のパワー(屈折力)を有している。シリンドリカルレンズ3A及び3Bはそれぞれ、カップリングレンズ2A及び2Bを通過した光束RA及びRBを偏向器5の偏向面51の近傍で副走査方向に集光する。また、シリンドリカルレンズ3C及び3Dはそれぞれ、カップリングレンズ2C及び2Dを通過した光束RC及びRDを偏向器5の偏向面52の近傍で副走査方向に集光する。
副走査絞り41には、4つの開口が設けられており、光源1A、1B、1C及び1Dそれぞれより射出された光束RA、RB、RC及びRDがそれぞれを通過することによって、各光束の副走査方向の光束幅が制限される。
主走査絞り42には、2つの開口が設けられており、光源1A及び1Bそれぞれより射出された光束RA及びRBは一方の開口を通過し、また、光源1C及び1Dそれぞれより射出された光束RC及びRDは他方の開口を通過する。それによって、各光束の主走査方向の光束幅が制限される。
副走査絞り41及び主走査絞り42は、不図示のハウジングと一体成形されている。もちろん、副走査絞り41及び主走査絞り42は、ハウジングとは別体に2つ以上設けられていても構わない。
このようにして、光源1A及び1Bから出射した光束RA及びRBは、偏向器5の偏向面51の近傍において副走査方向にのみ集光され、主走査方向に長い線像として導光される。また、光源1C及び1Dから出射した光束RC及びRDは、偏向器5の偏向面52の近傍において副走査方向にのみ集光され、主走査方向に長い線像として導光される。
なお、本実施形態に係る光走査装置100では、光源1A及び1Dから出射した光束RA及びRDはそれぞれ、副走査断面内において、主走査断面に対して−2.7°の角度を有して偏向器5の偏向面51及び52に斜入射している。また、光源1B及び1Cから出射した光束RB及びRCはそれぞれ、副走査断面内において、主走査断面に対して+2.7°の角度を有して偏向器5の偏向面51及び52に斜入射している。
また、光源1A及び1Bから出射した光束RA及びRBが偏向器5の偏向面51に入射する主走査断面内の角度は同一であり、また、光源1C及び1Dから出射した光束RC及びRDが偏向器5の偏向面52に入射する主走査断面内の角度は同一である。
すなわち、本実施形態に係る光走査装置100の入射光学系75は、副走査斜入射光学系である。
なお、偏向器5の偏向面51及び52への光束RA乃至RDの副走査斜入射角度βは、適宜変更することができる。
また、カップリングレンズ2A乃至2D及びシリンドリカルレンズ3A乃至3Dの代わりに、主走査断面内及び副走査断面内で異なるパワーを有するアナモフィックレンズを設けても構わない。
偏向器5は、不図示のモーター等の駆動手段により図中矢印A方向に回転することにより、光源1A、1B、1C及び1Dから出射した光束RA、RB、RC及びRDをそれぞれ、偏向面51及び52によって、被走査面8A、8B、8C及び8Dに向けて偏向する。例えば、偏向器5は、ポリゴンミラーなどで構成される。
第1の結像レンズ61及び62、第2の結像レンズ7A、7B、7C、7Dは、主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有するアナモフィックレンズであり、偏向器5によって偏向された各光束を被走査面8A、8B、8C及び8D上に集光(導光)する。
反射ミラーM1、M2、M3、M’1、M’2及びM’3は、光束を偏向する手段であり、蒸着ミラーなどが用いられる。
防塵ガラス9A、9B、9C及び9Dは、光走査装置100の内部へのゴミ等の侵入を防ぐために設けられた平行平板などで構成される。
光源1A及び1Bから出射した光束RA(第1の光束)及びRB(第2の光束)はそれぞれ、カップリングレンズ2A及び2Bによって略平行光束に変換される。変換された光束RA及びRBはそれぞれ、シリンドリカルレンズ3A及び3Bによって偏向器5の偏向面51近傍で副走査方向に集光される。そして、光束RA及びRBはそれぞれ、副走査絞り41の対応する開口を通過し、主走査絞り42の対応する開口を通過し、偏向器5の偏向面51に入射する。
また、光源1C及び1Dから出射した光束RC及びRDはそれぞれ、カップリングレンズ2C及び2Dによって略平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ3C及び3Dによって偏向器5の偏向面52の近傍で副走査方向に集光される。そして、光束RC及びRDはそれぞれ、副走査絞り41の対応する開口を通過し、主走査絞り42の対応する開口を通過し、偏向器5の偏向面52に入射する。
光源1Aから出射し、偏向器5に入射した光束RAは、偏向器5の偏向面51により偏向走査された後、第1の結像レンズ61、第2の結像レンズ7A、反射ミラーM1(第1の反射光学素子)によって被走査面(第1の被走査面)8A上に導光される。光束RAは、被走査面8Aを矢印7a方向に等速度で走査する。
また、光源1Bから出射し、偏向器5に入射した光束RBは、偏向器5の偏向面51により偏向走査された後、第1の結像レンズ61、第2の結像レンズ7B、反射ミラーM2(第2の反射光学素子)及びM3によって被走査面(第2の被走査面)8B上に導光される。光束RBは、被走査面8Bを矢印7a方向に等速度で走査する。
また、光源1Cから出射し、偏向器5に入射した光束RCは、偏向器5の偏向面52により偏向走査された後、第1の結像レンズ62、第2の結像レンズ7C、反射ミラーM’2及びM’3によって被走査面8C上に導光される。光束RCは、被走査面8Cを矢印7b方向に等速度で走査する。
また、光源1Dから出射し、偏向器5に入射した光束RDは、偏向器5の偏向面52により偏向走査された後、第1の結像レンズ61、第2の結像レンズ7D、反射ミラーM’1によって被走査面8D上に導光される。光束RDは、被走査面8Dを矢印7b方向に等速度で走査する。
なお、本実施形態では、被走査面8A乃至8Dとして、感光ドラムを用いている。
感光ドラム8A乃至8D上における副走査方向の露光分布の作成は、感光ドラム8A乃至8Dを副走査方向に回転させることによって達成している。
なお、第1の結像レンズ61と62とは、互いに偏向器5を挟んで対称に配置されている。また、第1の結像レンズ61と62とは同一形状であり、且つ、互いに対して主走査方向に沿った軸に関して回転された関係で配置されている。
また、第2の結像レンズ7Aと第2の結像レンズ7Bとは同一形状であり、且つ、互いに対して主走査方向に沿った軸に関して回転された関係で配置されている。
同様に、第2の結像レンズ7Cと第2の結像レンズ7Dとは同一形状であり、且つ、互いに対して主走査方向に沿った軸に関して回転された関係で配置されている。
また、本実施形態に係る光走査装置100では、第1の結像レンズ61及び62、第2の結像レンズ7A乃至7Dは、全てプラスチックモールドレンズである。
次に、本実施形態に係る光走査装置100が備える各光学系の諸特性を、以下の表1に示す。
Figure 0006810569
なお、表1において、「E±x」は、「10±x」を意味している。また、特に表記していない係数については、全て0である。
第1の結像レンズ61及び62、第2の結像レンズ7A乃至7Dの各光学面において、母線形状(主走査断面内の形状)は、以下の式(1)で表される。
Figure 0006810569
なお、式(1)では、各光学面と光軸との交点を原点とし、光軸方向をX軸、主走査断面内において光軸と直交する軸をY軸、副走査断面内において光軸と直交する軸をZ軸としている。
また、Rは曲率半径、Kは離心率、B乃至B16は非球面係数である。
また、第1の結像レンズ61及び62、第2の結像レンズ7A乃至7Dの各光学面において、子線形状(副走査断面内の形状)は、以下の式(2)で表される。
Figure 0006810569
ここで、子線曲率半径r´は、光軸上(Y=0)における子線の曲率半径rに対して主走査方向の位置Yに応じて変化しており、D乃至D16は子線曲率半径r´の変化係数である。
式(2)において、ΣGmnは、子線のn次の非球面係数である。従って、子線の非球面係数は、m≠0の項を含む場合は、主走査方向の位置Yに応じて変化することとなる。
本実施形態においては、第2の結像レンズ7A乃至7Dの入射面及び出射面は、Zの1次の非球面項を有している。すなわち、第2の結像レンズ7A乃至7Dの入射面及び出射面は、副走査斜入射光学系であるために生じる波面収差及び走査線の曲がりを補正するために、主走査方向の位置Yに応じて副走査方向のチルト量が変化するチルト変化面となっている。
また、本実施形態においては、第2の結像レンズ7A乃至7Dは、入射光束が形状定義の原点近傍を通過するように副走査方向に4.64mm偏芯して配置されている。
図3は、第一実施形態に係る光走査装置100における、偏向器5によって偏向された光束RA及びRB、及び第1の結像レンズ61によって生成されたゴースト光束RGの光路を示している。
なお、図3で示されているゴースト光束RGの光路は、第1の結像レンズ61より被走査面側に配置されている各光学部材によって遮光、反射や屈折されたものを除いた光路である。
本実施形態では、ゴースト光束RGとしては、光束RAのうち第1の結像レンズ61の出射面及び入射面でそれぞれ1回ずつ(すなわち、順に)反射し、第1の結像レンズ61の出射面から出射する内面反射ゴースト光束を検討する。
光束RAのうち第1の結像レンズ61の出射面及び入射面でそれぞれ複数回反射して生成されたゴースト光束も存在する。しかしながら、反射防止膜がコートされていないプラスチックモールドレンズのレンズ面での反射率は4%程度であり、そのような複数回反射した内面反射ゴースト光束は光量が十分小さくなるため、問題とはならない。
従って、以降においては、ゴースト光束とは、光束RAのうち第1の結像レンズ61の出射面及び入射面でそれぞれ1回ずつ反射し、第1の結像レンズ61の出射面から出射する内面反射ゴースト光束を指すこととする。
本実施形態に係る光走査装置100では、ゴースト光束RGは、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1と反射ミラーM2との間で、副走査方向に集光されるように構成されている。より具体的には、ゴースト光束RGは、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1の光束RAの反射点(第1の反射点)と反射ミラーM2の光束RBの反射点(第2の反射点)との間で、副走査方向に集光される。そして、第1の結像レンズ61の出射面から出射直後のゴースト光束RGの主光線の延長線RGpは、その集光位置又はその近傍において、第1の結像レンズ61の光軸(基準軸)を含む主走査断面である基準面(偏向器を含み偏向器の回転軸に垂直な平面)101と交差する。
これは、上記のように、光源1A及び1Bから出射した光束RA及びRBが、偏向器5の偏向面51の近傍において、基準面101と交差し、且つ、副走査方向に集光されるように構成されているためである。
また、光束RC及びRDについても、反射ミラーM’1と反射ミラーM’2に対して、上記と同様に構成する。
なお、ここで、「集光位置の近傍」及び「偏向面の近傍」とは、その位置から1mm程度の範囲のことを指す。
本実施形態に係る光走査装置100は、上記のように構成することで、ゴースト光束RGが被走査面8A乃至8Dへ入射することを抑制し、画像の形成への影響を低減することができる。
次に、比較例として、ゴースト光束RGが上記のように構成されていない場合を考える。
図4は、比較例1に係る光走査装置における、偏向器5によって偏向された光束RA及びRB、及び第1の結像レンズ61によって生成されたゴースト光束RGの光路を示している。
図4に示されているように、比較例1では、第1の結像レンズ61の出射面から出射直後のゴースト光束RGの主光線の延長線RGpは、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1より偏向器5の反対側で、基準面101と交差する。
この場合、ゴースト光束RGは、反射ミラーM1の位置において、基準面101よりも副走査方向上側を通過することになる。
従って、上記第一実施形態と比較して、比較例1では、ゴースト光束RGは、反射ミラーM1の位置において、光束RAにより近接した位置を通過することになる。
そのため、比較例1では、上記第一実施形態と比較して、ゴースト光束RGが、被走査面8Aに入射する可能性が高くなり、好ましくないことがわかる。
図5は、比較例2に係る光走査装置における、偏向器5によって偏向された光束RA及びRB、及び第1の結像レンズ61によって生成されたゴースト光束RGの光路を示している。
図5に示されているように、比較例2では、第1の結像レンズ61の出射面から出射直後のゴースト光束RGの主光線の延長線RGpは、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM2より偏向器5側で、基準面101と交差している。
この場合、ゴースト光束RGは、反射ミラーM2の位置において、基準面101よりも副走査方向下側を通過することになる。
従って、上記第一実施形態と比較して、比較例2では、ゴースト光束RGは、反射ミラーM2の位置において、光束RBにより近接した位置を通過することになる。
そのため、比較例2では、上記第一実施形態と比較して、ゴースト光束RGが、被走査面8Bに入射する可能性が高くなり、好ましくないことがわかる。
以上のことから、本実施形態に係る光走査装置100では、第1の結像レンズ61の出射面から出射直後のゴースト光束RGの主光線の延長線RGpを、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1と反射ミラーM2との間で、基準面101と交差させている。
それにより、ゴースト光束RGが被走査面8A又は8Bへ入射することを抑制し、画像の形成への影響を低減することができる。
また、光源1A及び1Bから出射した光束RA及びRBが、偏向器5の偏向面51の近傍において、基準面101と交差し、且つ、副走査方向に集光されるように構成されている場合、延長線RGpは、ゴースト光束RGの集光位置又はその近傍において、基準面101と交差する。
そのため、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1と反射ミラーM2との間で、ゴースト光束RGが副走査方向に集光される(第1の結像レンズ61の出射面から出射直後のゴースト光束RGのマージナル光線の延長線が延長線RGpと交差する)ように構成すれば良い。
第1の結像レンズ61の出射面からゴースト光束RGの集光位置までの光軸に沿った(光軸方向での)距離Xは、偏向面51から第1の結像レンズ61までの光軸に沿った距離をL、第1の結像レンズ61の光軸に沿った肉厚をd、第1の結像レンズ61の屈折率をn、光軸上における第1の結像レンズ61の入射面及び出射面それぞれの副走査断面内パワーをφ1及びφとしたとき、以下の式(3)で表すことができる。
Figure 0006810569
従って、本実施形態に係る光走査装置100では、上記のことを満たすように、第1の結像レンズ61の出射面から反射ミラーM1(光束RAの反射点)までの光軸に沿った距離X及び第1の結像レンズ61の出射面から反射ミラーM2(光束RBの反射点)までの光軸に沿った距離Xに対して、以下の式(4)を満たしていればよい。
Figure 0006810569
本実施形態に係る光走査装置100では、X=104.271mm、X=43.456mm、X=71.824mmであるため、式(4)は満足されている。
本実施形態に係る光走査装置100では、距離Xが距離Xの2倍以上になるように、第1の結像レンズ61、反射ミラーM1及び反射ミラーM2を配置している。
このようにすることで、反射ミラーM1と反射ミラーM2との間隔を十分に広げることができるため、ゴースト光束RGが被走査面8A又は8Bへ入射することをさらに抑制しやすくすることが可能となる。
以上のことから、本実施形態に係る光走査装置100では、反射ミラーM1及びM2はそれぞれ、反射光学系95において第1の結像レンズ61に最も近い位置に配置されており、反射ミラーM1及びM2のそれぞれにおける光束RA及びRBの反射点は、第1の結像レンズ61の光軸を含み偏向器5の回転軸に垂直な第1の面101に対して、互いに反対側に位置しており、光束LAのうち、第1の結像レンズ61の出射面及び入射面で反射されて該出射面から出射した直後のゴースト光束RGの主光線の延長線RGpは、光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1及びM2の光束RA及びRBの反射点の間で、第1の面101と交差する。
なお、ここで、「第1の結像レンズ61に最も近い位置」とは、光学的に最も近い、すなわち、光束RA及びRBの第1の結像レンズ61から第1及び第2の被走査面8A及び8Bのそれぞれまでの光路において最も近い位置のことを意味する。
また、換言すると、本実施形態に係る光走査装置100では、光束RA及びRBはそれぞれ、反射ミラーM1及びM2へ入射する際に、副走査方向において、第1の結像レンズ61の光軸を含む主走査断面である第1の面101を挟んで、互いに反対側を進行している。
また、ここで、「光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1及びM2の光束RA及びRBの反射点の間」とは、光軸方向及び副走査方向の両方における反射ミラーM1及びM2の光束RA及びRBの反射点の間のことを意味する。
なお、上記においては、光束RAのうち第1の結像レンズ61の出射面及び入射面でそれぞれ1回ずつ反射し、第1の結像レンズ61の出射面から出射する内面反射ゴースト光束RGを考慮していた。
それに加えて、光束RBのうち第1の結像レンズ61の出射面及び入射面でそれぞれ1回ずつ反射し、第1の結像レンズ61の出射面から出射する内面反射ゴースト光束も存在する。
光束RBの内面反射ゴースト光束の光路は、光束RAの内面反射ゴースト光束RGの光路と基準面101に関して対称になる。
従って、光束RBのゴースト光束は、ゴースト光束RGと同じ位置で副走査方向に集光し、且つ、基準面101と交差する。
そのため、光束RBのゴースト光束は、反射ミラーM2に入射し、被走査面8Bに到達することにより、画像形成に悪影響を及ぼしてしまう。
しかしながら、第1の結像レンズ61の出射面から出射した後の光束RBは、基準面101から離れる方向に進行するのに対して、光束RBのゴースト光束は、基準面101へ近づく方向に進行するため、反射ミラーM2の位置において、両者は離間することになる。
そこで、本実施形態に係る光走査装置100では、反射ミラーM2を、反射ミラーM2の反射面と平行、且つ基準面101から離れる方向に、光束RBに対して1.3mm偏芯するように、配置させている。
なお、この反射ミラーM2の偏芯量は、偏芯させる前後において、光束RBの光路が反射ミラーM2の反射面からはみ出さないように設定されている。
上記のように反射ミラーM2を偏芯させることで、光束RBのゴースト光束が被走査面8Bへ入射することを抑制し、画像の形成への影響を低減することができる。
また同様に、反射ミラーM1も、反射ミラーM1の反射面と平行、且つ基準面101から離れる方向に、光束RAに対して偏芯するように、配置させてもよい。これにより、ゴースト光束RGが反射ミラーM1に入射し、被走査面8Aに到達することにより、画像の形成へ悪影響を及ぼすことをより低減することができる。
以上、第一実施形態について説明したが、これに限らず、種々の変更が可能である。
[第二実施形態]
第二実施形態に係る光走査装置200は、第一実施形態に係る光走査装置100と同一の構成を有しており、同一の構成要素には、同一の符番を付して、説明を省略する。
図6は、第二実施形態に係る光走査装置200における、偏向器5によって偏向された光束RA及びRB、及び第1の結像レンズ61によって生成されたゴースト光束RGの光路を示している。
なお、図6で示されているゴースト光束RGの光路は、第1の結像レンズ61より被走査面側に配置されている各光学部材によって遮光、反射や屈折されたものを除いた光路である。
第二実施形態に係る光走査装置200では、第一実施形態に係る光走査装置100とは異なり、光源1A乃至1Dそれぞれから出射した光束RA乃至RDは、副走査断面内において、主走査断面に対して平行に偏向器5の偏向面51及び52に入射している。すなわち、第二実施形態に係る光走査装置200は、副走査斜入射光学系を採用していない。
そのため、図6に示されているように、偏向器5は副走査方向において十分に厚肉化されている。それにより、光源1A及び1Bそれぞれから出射した光束RA及びRBの、被走査面8A及び8B上のそれぞれの互いに同一の走査位置への偏向器5の偏向面51上の偏向点は、全ての走査位置に対して、互いに副走査方向に離間している。
同様に、光源1C及び1Dそれぞれから出射した光束RC及びRDの、被走査面8C及び8D上のそれぞれの互いに同一の走査位置への偏向器5の偏向面52上の偏向点も、全ての走査位置に対して、互いに副走査方向に離間している。
具体的には、被走査面8A及び8Bそれぞれの軸上像高への偏向器5の偏向面51上の光束RA及びRBそれぞれの偏向点は、基準面101に対して副走査方向に+3.5mm及び−3.5mmだけ離間している。
同様に、被走査面8C及び8Dそれぞれの軸上像高への偏向器5の偏向面52上の光束RC及びRDそれぞれの偏向点は、基準面101に対して副走査方向に−3.5mm及び+3.5mmだけ離間している。
また、それに対応するように、第2の結像レンズ7A及び7Bはそれぞれ、光路の折り返しを展開したときに、基準面101に対して副走査方向に+3.5mm及び−3.5mmの位置にくるように、配置されている。
同様に、第2の結像レンズ7C及び7Dはそれぞれ、光路の折り返しを展開したときに、基準面101に対して副走査方向に−3.5mm及び+3.5mmの位置にくるように、配置されている。
次に、本実施形態に係る光走査装置200が備える各光学系の諸特性を、以下の表2に示す。
Figure 0006810569
なお、表2において、「E±x」は、「10±x」を意味している。また、特に表記していない係数については、全て0である。
本実施形態に係る光走査装置200では、第一実施形態に係る光走査装置100と同様に、第1の結像レンズ61の出射面から出射直後のゴースト光束RGの主光線の延長線RGpを、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1と反射ミラーM2との間で、基準面101と交差させている。
それにより、ゴースト光束RGが被走査面8A及び8Bへ入射することを抑制し、画像の形成への影響を低減することができる。
しかしながら、本実施形態に係る光走査装置200では、第一実施形態に係る光走査装置100とは異なり、光源1A及び1Bそれぞれから出射した光束RA及びRBは、偏向器5の偏向面51の近傍の副走査方向に集光される位置において基準面101と交差しない。
そのため、ゴースト光束RGの主光線の延長線RGpの基準面101との交差位置及びその近傍では、ゴースト光束RGは、副走査方向に集光されず、該交差位置は、第1の結像レンズ61のゴースト光束RGに対する後側焦点位置と一致する。
従って、本実施形態に係る光走査装置200のように、光束RA及びRBが、偏向器5の偏向面51の近傍の副走査方向に集光される位置において、基準面101と交差しない構成の場合には、第1の結像レンズ61のゴースト光束RGに対する後側焦点位置が、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1と反射ミラーM2との間にあればよい。
そして、ゴースト光束RGは、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1より偏向器5の反対側(反射ミラーM1に対して(反射ミラーM1を基準として)偏向器5とは反対の側)で、副走査方向に集光されていてもよい。また、第1の結像レンズ61の配置とパワーの関係によっては、ゴースト光束RGが副走査方向に集光されない場合もある。
もし、ゴースト光束RGが副走査方向に集光される場合には、第一実施形態と同様に、被走査面8Bへ到達することによる画像への影響を低減するために、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM2より偏向器5の反対側(反射ミラーM2に対して(反射ミラーM2を基準として)偏向器5とは反対の側)で、集光させることが好ましい。
第1の結像レンズ61の出射面から第1の結像レンズ61のゴースト光束RGに対する後側焦点位置までの光軸に沿った(光軸方向での)距離Xは、第1の結像レンズ61の光軸に沿った肉厚をd、第1の結像レンズ61の屈折率をn、光軸上における第1の結像レンズ61の入射面及び出射面それぞれの副走査断面内パワーをφ1及びφとしたとき、以下の式(5)で表すことができる。
Figure 0006810569
従って、本実施形態に係る光走査装置200では、上記のことを満たすように、第1の結像レンズ61の出射面から反射ミラーM1(光束RAの反射点)までの光軸に沿った距離X及び第1の結像レンズ61の出射面から反射ミラーM2(光束RBの反射点)までの光軸に沿った距離Xに対して、以下の式(6)を満たしていればよい。
Figure 0006810569
本実施形態に係る光走査装置200では、X=104.271mm、X=43.2mm、X=53.258mmであるため、式(6)は満足されている。
第一実施形態に係る光走査装置100と同様に、本実施形態に係る光走査装置200でも、距離Xが距離Xの2倍以上になるように、第1の結像レンズ61、反射ミラーM1及び反射ミラーM2を配置している。
このようにすることで、反射ミラーM1と反射ミラーM2との間隔を十分に広げることができるため、ゴースト光束RGが被走査面8A又は8Bへ入射することをさらに抑制しやすくすることが可能となる。
以上、第二実施形態について説明したが、これに限らず、種々の変更が可能である。
例えば、第二実施形態に係る光走査装置200のように、偏向器が副走査方向において十分に厚肉化した場合、偏向器の重量が大きく増えることで、偏向器の回転を安定させるまでに多くの時間が必要となり、すなわち、光走査装置の立ち上がりが遅くなるといった弊害がある。
そこで、偏向器の不要な部分をくり貫く等により軽量化させることが考えられる。
[第三実施形態]
第三実施形態に係る光走査装置300は、第一実施形態に係る光走査装置100と同一の構成を有しており、同一の構成要素には、同一の符番を付して、説明を省略する。
図7は、第三実施形態に係る光走査装置300における、偏向器5によって偏向された光束RA及びRB、及び第1の結像レンズ61によって生成されたゴースト光束RGの光路を示している。
なお、図7で示されているゴースト光束RGの光路は、第1の結像レンズ61より被走査面側に配置されている各光学部材によって遮光、反射や屈折されたものを除いた光路である。
第三実施形態に係る光走査装置300では、第二実施形態に係る光走査装置200とは異なり、偏向器5を副走査方向において厚肉化させる代わりに、2つの偏向部5A及び5Bを同一の偏向軸で副走査方向に離間させて配置した、多段偏向器5を採用している。
そして、光源1A及び1Dから出射した光束RA及びRDはそれぞれ、副走査断面内において、主走査断面に対して−1°の角度を有して偏向器5の偏向部(第1の偏向部)5Aの偏向面51A及び52Aに斜入射している。
また、光源1B及び1Cから出射した光束RB及びRCはそれぞれ、副走査断面内において、主走査断面に対して+1°の角度を有して偏向器5の偏向部(第2の偏向部)5Bの偏向面51B及び52Bに斜入射している。
なお、偏向器5の偏向面51A、51B、52A及び52Bへの光束RA乃至RDの副走査斜入射角度βは、適宜変更することができる。
これにより、光束RA乃至RDの偏向面への斜入射角を低減すると共に、偏向器の厚肉化も抑えることができる。
また、被走査面8A及び8Bそれぞれの軸上像高への偏向器5の偏向部5Aの偏向面51A上の光束RA及び偏向部5Bの偏向面51B上の光束RBそれぞれの偏向点は、基準面101に対して副走査方向に+2.5mm及び−2.5mmだけ離間している。
同様に、被走査面8C及び8Dそれぞれの軸上像高への偏向器5の偏向部5Bの偏向面52B上の光束RC及び偏向部5Aの偏向面52A上の光束RDそれぞれの偏向点は、基準面101に対して副走査方向に−2.5mm及び+2.5mmだけ離間している。
次に、本実施形態に係る光走査装置300が備える各光学系の諸特性を、以下の表3に示す。
Figure 0006810569
なお、表3において、「E±x」は、「10±x」を意味している。また、特に表記していない係数については、全て0である。
本実施形態に係る光走査装置300では、第一及び第二実施形態と同様に、第1の結像レンズ61の出射面から出射直後のゴースト光束RGの主光線の延長線RGpを、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1と反射ミラーM2との間で、基準面101と交差させている。
それにより、ゴースト光束RGが被走査面8A及び8Bへ入射することを抑制し、画像の形成への影響を低減することができる。
本実施形態に係る光走査装置300では、第二実施形態に係る光走査装置200と同様に、光源1A及び1Bそれぞれから出射した光束RA及びRBは、偏向器5の偏向面51の近傍の副走査方向に集光される位置において、基準面101と交差しない。
そのため、ゴースト光束RGの主光線の延長線RGpの基準面101との交差位置及びその近傍では、ゴースト光束RGは、副走査方向に集光されない。
さらに、本実施形態に係る光走査装置300は、副走査斜入射光学系を採用しているため、第二実施形態に係る光走査装置200とは異なり、ゴースト光束RGの主光線の延長線RGpの基準面101との交差位置は、第1の結像レンズ61のゴースト光束RGに対する後側焦点位置と一致しない。
そして、本実施形態に係る光走査装置300では、第二実施形態と同様に、ゴースト光束RGは、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内における反射ミラーM1より偏向器5の反対側で、副走査方向に集光されていてもよい。また、第1の結像レンズ61の配置とパワーの関係によっては、ゴースト光束RGが副走査方向に集光されない場合もある。
もし、ゴースト光束RGが副走査方向に集光される場合には、第一及び第二実施形態と同様に、被走査面8Bへ到達することによる画像への影響を低減するために、第1の結像レンズ61の光軸を含む副走査断面内において、反射ミラーM2より偏向器5の反対側で、集光させることが好ましい。
第1の結像レンズ61の出射面から出射直後のゴースト光束RGの主光線の延長線RGpの基準面101との交差位置までの光軸に沿った距離Xは、式(3)のXをXCn/XCd、式(5)のXをXFn/XFd、被走査面8Aの軸上像高への光束RAの主光線の偏向器5の偏向部5Aの偏向面51A上の偏向点の基準面101に対する副走査方向離間量をD、光束RAの主光線の偏向面51Aへの副走査斜入射角度をβとしたとき、以下の式(7)で表すことができる。
Figure 0006810569
なお、式(7)は、副走査方向離間量D=0のとき、第一実施形態の式(3)に帰着し、一方で、副走査斜入射角度β=0のとき、第二実施形態の式(5)に帰着する。
従って、本実施形態に係る光走査装置300では、上記のことを満たすように、第1の結像レンズ61の出射面から反射ミラーM1(光束RAの反射点)までの光軸に沿った距離X及び第1の結像レンズ61の出射面から反射ミラーM2(光束RBの反射点)までの光軸に沿った距離Xに対して、以下の式(8)を満たしていればよい。
Figure 0006810569
本実施形態に係る光走査装置300では、X=104.271mm、X=43.452mm、X=54.632mmであるため、式(8)は満足されている。
また、第一及び第二実施形態と同様に、本実施形態に係る光走査装置300でも、距離Xが距離Xの2倍以上になるように、第1の結像レンズ61、反射ミラーM1及び反射ミラーM2を配置している。
このようにすることで、反射ミラーM1と反射ミラーM2との間隔を十分に広げることができるため、ゴースト光束RGが被走査面8A又は8Bへ入射することをさらに抑制しやすくすることが可能となる。
これまで、種々の好ましい実施形態について説明したが、これらに限らず、種々の変更が可能である。
例えば、上記の構成は、少なくとも二つの光束が通過する結像レンズを備えており、2つ又は3つの被走査面を走査する光走査装置にも適用することができる。
また、上記の構成は、偏向器の一つの偏向面で4つの被走査面を走査する、いわゆる片側走査系の光走査装置にも適用することができる。その場合は、4つの被走査面それぞれに導光される4つの光束のうち、基準面を挟んで互いに反対側を進行し、且つ、該基準面に最も近い2つの光束について考慮すれば良い。
また、上記の構成は、第1の結像レンズ及び第2の結像レンズの総枚数が6枚未満、すなわち2枚又は4枚である光走査装置にも適用することができる。
また、上記の構成は、第2の結像レンズが副走査方向上下で異なる光学面を有するように、副走査方向に一体的に連結した多段レンズである、光走査装置にも適用することができる。
[画像形成装置]
図8は、第一乃至第三実施形態のいずれかに係る光走査装置11が搭載されたカラー画像形成装置90の要部副走査断面図である。
画像形成装置90は、光走査装置11を用いて、像担持体である各感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。
画像形成装置90は、第一乃至第三実施形態のいずれかに係る光走査装置11、像担持体としての感光ドラム23、24、25、26及び現像器35、36、37、38を備えている。また、画像形成装置90は、搬送ベルト91、プリンタコントローラ93及び定着器94を備えている。
画像形成装置90には、パーソナルコンピュータ等の外部機器92から出力されたR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号(コードデータ)が入力される。入力された色信号は、画像形成装置90内のプリンタコントローラ93によって、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、K(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。変換された各画像データはそれぞれ、光走査装置11に入力される。そして、光走査装置11からは、各画像データに応じて変調された光ビーム69、70、71、72が射出され、これらの光ビームによって感光ドラム23、24、25、26の感光面が露光される。
感光ドラム23、24、25、26の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ(不図示)が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラによって帯電された感光ドラム23、24、25、26の表面に、光走査装置11によって光ビーム69、70、71、72が照射されるようになっている。
上で述べたように、光ビーム69、70、71、72は各色の画像データに基づいて変調されており、光ビーム69、70、71、72を照射することによって感光ドラム23、24、25、26の表面に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、感光ドラム23、24、25、26に当接するように配設された現像器35、36、37、38によってトナー像として現像される。
現像器35乃至38によって現像されたトナー像は、感光ドラム23乃至26に対向するように配設された不図示の転写ローラ(転写器)によって、搬送ベルト91上を搬送される不図示の用紙(被転写材)上に多重転写され、1枚のフルカラー画像が形成される。
以上のようにして、未定着トナー像が転写された用紙は、さらに感光ドラム23、24、25、26後方(図8において左側)の定着器94へと搬送される。定着器94は、内部に定着ヒータ(不図示)を有する定着ローラとこの定着ローラに圧接するように配設された加圧ローラとで構成されている。転写部から搬送されてきた用紙は、定着ローラと加圧ローラの圧接部にて加圧しながら加熱されることにより、用紙上の未定着トナー像が定着される。さらに定着ローラの後方には不図示の排紙ローラが配設されており、排紙ローラは定着された用紙を画像形成装置90の外に排出せしめる。
カラー画像形成装置90は、光走査装置11を用いて、各々がC、M、Y、Kの各色に対応し、各々並行して感光ドラム23、24、25、26の感光面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
外部機器92としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置90とで、カラーデジタル複写機が構成される。
本実施形態に係る画像形成装置90の記録密度は、特に限定されない。しかしながら、記録密度が高くなればなるほど、高画質が求められることを考えると、1200dpi以上の画像形成装置において、本実施形態の効果はより発揮される。
5 偏向器
61 第1の結像レンズ(結像光学素子)
8A、8B 被走査面(第1、第2の被走査面)
95 反射光学系
100 光走査装置
101 基準面(第1の面)
M1、M2 反射ミラー(第1、第2の反射光学素子)
RA、RB 光束(第1、第2の光束)
RG ゴースト光束

Claims (11)

  1. 第1及び第2の光束を偏向して第1及び第2の被走査面のそれぞれを主走査方向に走査する偏向器と、
    前記偏向器によって偏向された前記第1及び第2の光束を前記第1及び第2の被走査面のそれぞれに導光する共通の結像光学素子と、
    前記偏向器と前記第1及び第2の被走査面のそれぞれとの間の光路上に配置される第1及び第2の反射光学系と、
    を備え、
    前記第1及び第2の反射光学系は、それぞれの光路上で前記結像光学素子に最も近い位置に配置される第1及び第2の反射光学素子を有し、
    前記第1及び第2の反射光学素子のそれぞれにおける前記第1及び第2の光束の第1及び第2の反射点は、前記偏向器を含み該偏向器の回転軸に垂直な平面に対して互いに反対側に位置しており、
    前記結像光学素子の光軸を含む副走査断面内において、前記第1の光束のうち、前記結像光学素子の出射面及び入射面で順に反射されて該出射面から出射した直後のゴースト光束の主光線の延長線は、光軸方向における前記第1及び第2の反射点の間で前記平面と交差することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記第1の光束は、前記偏向器の近傍において、前記平面と交差することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記副走査断面内において、前記ゴースト光束のマージナル光線の延長線は、光軸方向における前記第1及び第2の反射点の間で、前記主光線の延長線と交差することを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記第1の光束は、前記偏向器の近傍において、前記平面と交差しないことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  5. 前記副走査断面内において、前記ゴースト光束のマージナル光線の延長線は、前記第1及び第2の反射点に対して前記偏向器とは反対の側で、前記主光線の延長線と交差することを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記副走査断面内において、前記ゴースト光束のマージナル光線の延長線は、前記主光線の延長線と交差しないことを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  7. 前記副走査断面内において、前記第2の反射光学素子は、光軸方向における前記結像光学素子と前記第1の反射光学素子との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光走査装置。
  8. 前記副走査断面内において、前記結像光学素子と前記第1の反射光学素子との光軸方向での距離は、前記結像光学素子と前記第2の反射光学素子との光軸方向での距離の2倍以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光走査装置。
  9. 前記偏向器は、前記第1及び第2の光束それぞれを互いに異なる偏向面で偏向することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光走査装置。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の光走査装置と、該光走査装置によって被走査面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の光走査装置と、外部機器から出力されたコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力するプリンタコントローラとを備えることを特徴とする画像形成装置。
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