JP7134783B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、光走査装置を小型化させようとすると、光走査装置内部の空間が狭くなり、光学素子同士を干渉しないように配置することが難しくなる。
特許文献1は、複数の結像光学系の間で結像光学素子の配置を互いに異ならせることによって、光学素子同士の干渉を回避した光走査装置を開示している。
そのため、各結像光学系において導光される光束の取り込み効率(光利用効率)が互いに異なり、その結果、対応する各被走査面に照射される照射光の間で光量差が発生してしまう。
そこで本発明は、各被走査面の間で発生する光量差を低減しつつ小型化を達成した光走査装置を提供することを目的とする。
|R 21 |<|R 22 |
なる条件を満たすことを特徴とする。
従って、以下の説明において、主走査方向及び副走査断面は、入射光学系と結像光学系とで異なることに注意されたい。
図1(a)及び(b)はそれぞれ、第一実施形態に係る光走査装置10の一部主走査断面内展開図を示している。図1(c)は、第一実施形態に係る光走査装置10が備える結像光学系(走査光学系)の副走査断面内展開図を示している。
また、本実施形態に係る光走査装置10は、第1及び第2の偏向器1及び2、第1のfθレンズ106及び206(第5及び第6の結像素子)、第2のfθレンズ107及び207(第1及び第2の結像素子)を備えている。
なお、光路上において、第1のfθレンズ106は、第1の偏向器1と第2のfθレンズ107との間に配置されており、第1のfθレンズ206は、第2の偏向器2と第2のfθレンズ207との間に配置されている。
第1及び第2のコリメータレンズ102及び202は、第1及び第2の光源101及び201から出射した光束LA及びLB(第1及び第2の光束)を平行光束に変換する。なおここで、平行光束とは、厳密な平行光束だけでなく、弱発散光束や弱収束光束等の略平行光束を含むものとする。
第1及び第2のシリンドリカルレンズ103及び203は、副走査断面内において有限のパワー(屈折力)を有しており、第1及び第2のコリメータレンズ102及び202を通過した光束LA及びLBを副走査方向に集光する。
第1及び第2の開口絞り104及び204は、第1及び第2のシリンドリカルレンズ103及び203を通過した光束LA及びLBの光束径を制限する。
このようにして、第1及び第2の光源101及び201から出射した光束LA及びLBはそれぞれ、第1の偏向器1の偏向面105及び第2の偏向器2の偏向面205の近傍において副走査方向にのみ集光され、主走査方向に長い線像として結像される。
第1のfθレンズ106及び第2のfθレンズ107は、主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有するアナモフィック結像レンズであり、第1の偏向器1の偏向面105によって偏向された光束LAを第1の被走査面108上に集光(導光)する。
第1のfθレンズ206及び第2のfθレンズ207は、主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有するアナモフィック結像レンズであり、第2の偏向器2の偏向面205によって偏向された光束LBを第2の被走査面208上に集光(導光)する。
また、本実施形態に係る光走査装置10では、第1のfθレンズ106及び第2のfθレンズ107によって第1の結像光学系85aが構成される。そして、第1のfθレンズ206及び第2のfθレンズ207によって第2の結像光学系85bが構成される。
そして、変換された光束LAは、第1のシリンドリカルレンズ103によって副走査方向に集光され、第1の開口絞り104を通過し、第1の偏向器1の偏向面105に入射する。
第1の光源101から出射し、第1の偏向器1の偏向面105に入射した光束LAは、第1の偏向器1により偏向走査された後、第1の結像光学系85aによって第1の被走査面108上に集光され、第1の被走査面108を等速度で走査する。
そして、変換された光束LBは、第2のシリンドリカルレンズ203によって副走査方向に集光され、第2の開口絞り204を通過し、第2の偏向器2の偏向面205に入射する。
第2の光源201から出射し、第2の偏向器2の偏向面205に入射した光束LBは、第2の偏向器2により偏向走査された後、第2の結像光学系85bによって第2の被走査面208上に集光され、第2の被走査面208を等速度で走査する。
また、C0及びD0はそれぞれ、軸上光束の主光線に対する第1及び第2の偏向器1及び2の偏向面105及び205上の偏向点(軸上偏向点)である。また、偏向点C0及びD0は、第1及び第2の結像光学系85a及び85bの基準点となっている。
また、第1及び第2の感光ドラム108及び208上における副走査方向の露光分布の作成は、主走査露光毎に、第1及び第2の感光ドラム108及び208を副走査方向に回転させることによって達成している。
図2は、本実施形態に係る光走査装置10が備える第2のfθレンズ107及び207の主平面位置を示している。
そして、第2のfθレンズ107及び207の出射面上の軸上光線の通過位置から像側主平面150及び250まではそれぞれ、距離ok1及びok2だけ離れている。
また、像側主平面150から像側主平面250までは、距離Hだけ離れている。
それにより、偏向点C0から第2のfθレンズ107の入射面までの光路上の距離と偏向点D0から第2のfθレンズ207の入射面までの光路上の距離とが互いに異なっていても、像側主平面150及び250を互いに近づける(すなわち、距離Hを小さくする、若しくは偏向点C0から像側主平面150までの光路上の距離と偏向点D0から像側主平面250までの光路上の距離との間の差を小さくする)ことが可能となる。
そのため、本実施形態に係る光走査装置10は、以下の式(6)を満たすことがより好ましい。
そして、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれの副走査倍率の間の差を低減することで、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれのFnoの間の差を低減することができる。
それにより、第1及び第2の被走査面108及び208それぞれに照射する照射光の間の光量差を低減することができる。
また、第2のfθレンズ207の入射面及び出射面の光軸を含む副走査断面内における曲率半径をそれぞれR21及びR22としたとき、本実施形態に係る光走査装置10では、|R21|及び|R22|はそれぞれ25及び152.47となっている。
図3は、第二実施形態に係る光走査装置が備える第1及び第2の結像光学系85a及び85bの副走査断面内における展開図を示している。
なお、本実施形態に係る光走査装置は、第1のfθレンズ106及び206と第2のfθレンズ107及び207との代わりに、第1のfθレンズ306及び406と第2のfθレンズ307及び407とを用いている以外は、第一実施形態に係る光走査装置10と同一の構成である。そのため、同一の部材には同一の符番を付して説明を省略する。
また、第1のfθレンズ306及び406、第2のfθレンズ307及び407の各レンズ面の副走査断面内における非球面形状(子線形状)は、上記の式(2)で表される。
また、副走査断面内における曲率半径r’は、レンズ面のy座標に従って、上記の式(3)のように連続的に変化する。
本実施形態に係る光走査装置では、ok1及びok2はそれぞれ、上記の式(4)及び(5)から0.498mm及び-2.767mmと求められる。
それにより、偏向点C0から第2のfθレンズ307の入射面までの距離と偏向点D0から第2のfθレンズ407の入射面までの距離とが互いに異なっていても、像側主平面150及び250を互いに近づける(すなわち、偏向点C0から像側主平面150までの光路上の距離と偏向点D0から像側主平面250までの光路上の距離との間の差を小さくする)ことが可能となる。
そして、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれの副走査倍率の間の差を低減することで、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれのFnoの間の差を低減することができる。
それにより、第1及び第2の被走査面108及び208それぞれに照射する照射光の間の光量差を低減することができる。
また、第2のfθレンズ407の入射面及び出射面の光軸を含む副走査断面内における曲率半径の絶対値|R21|及び|R22|はそれぞれ、18及び98.83となっている。
図4は、第三実施形態に係る光走査装置が備える第1及び第2の結像光学系85a及び85bの副走査断面内における展開図を示している。
なお、本実施形態に係る光走査装置は、第1のfθレンズ106及び206と第2のfθレンズ107及び207との代わりに、第1のfθレンズ506及び606と第2のfθレンズ507及び607とを用いている以外は、第一実施形態に係る光走査装置10と同一の構成である。そのため、同一の部材には同一の符番を付して説明を省略する。
また、第1のfθレンズ506及び606、第2のfθレンズ507及び607の各レンズ面の副走査断面内における非球面形状(子線形状)は、上記の式(2)で表される。
また、副走査断面内における曲率半径r’は、レンズ面のy座標に従って、上記の式(3)のように連続的に変化する。
本実施形態に係る光走査装置では、ok1及びok2はそれぞれ、上記の式(4)及び(5)から1.430mm及び0.498mmと求められる。
それにより、偏向点C0から第2のfθレンズ507の入射面までの距離と偏向点D0から第2のfθレンズ607の入射面までの距離とが互いに異なっていても、像側主平面150及び250を互いに近づける(すなわち、偏向点C0から像側主平面150までの光路上の距離と偏向点D0から像側主平面250までの光路上の距離との間の差を小さくする)ことが可能となる。
そして、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれの副走査倍率の間の差を低減することで、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれのFnoの間の差を低減することができる。
それにより、第1及び第2の被走査面108及び208それぞれに照射する照射光の間の光量差を低減することができる。
図5は、第四実施形態に係る光走査装置が備える第1及び第2の結像光学系85a及び85bの副走査断面内における展開図を示している。
なお、本実施形態に係る光走査装置は、第1のfθレンズ106及び206と第2のfθレンズ107及び207との代わりに、第1のfθレンズ706及び806と第2のfθレンズ707及び807とを用いている以外は、第一実施形態に係る光走査装置10と同一の構成である。そのため、同一の部材には同一の符番を付して説明を省略する。
また、第1のfθレンズ706及び806、第2のfθレンズ707及び807の各レンズ面の副走査断面内における非球面形状(子線形状)は、上記の式(2)で表される。
また、副走査断面内における曲率半径r’は、レンズ面のy座標に従って、上記の式(3)のように連続的に変化する。
本実施形態に係る光走査装置では、ok1及びok2はそれぞれ、上記の式(4)及び(5)から-2.767mm及び-3.824mmと求められる。
それにより、偏向点C0から第2のfθレンズ707の入射面までの距離と偏向点D0から第2のfθレンズ807の入射面までの距離とが互いに異なっていても、像側主平面150及び250を互いに近づける(すなわち、偏向点C0から像側主平面150までの光路上の距離と偏向点D0から像側主平面250までの光路上の距離との間の差を小さくする)ことが可能となる。
そして、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれの副走査倍率の間の差を低減することで、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれのFnoの間の差を低減することができる。
それにより、第1及び第2の被走査面108及び208それぞれに照射する照射光の間の光量差を低減することができる。
図6(a)及び(b)はそれぞれ、第五実施形態に係る光走査装置50の一部主走査断面内展開図を示している。図6(c)は、第五実施形態に係る光走査装置50が備える結像光学系の副走査断面内展開図を示している。
また、本実施形態に係る光走査装置50は、偏向器11、第1のfθレンズ906及び1006(第5及び第6の結像素子)、第2のfθレンズ907及び1007(第1及び第2の結像素子)を備えている。
第1及び第2のコリメータレンズ902及び1002は、第1及び第2の光源901及び1001から出射した光束LA及びLB(第1及び第2の光束)を平行光束に変換する。なおここで、平行光束とは、厳密な平行光束だけでなく、弱発散光束や弱収束光束等の略平行光束を含むものとする。
第1及び第2のシリンドリカルレンズ903及び1003は、副走査断面内において有限のパワー(屈折力)を有しており、第1及び第2のコリメータレンズ902及び1002を通過した光束LA及びLBを副走査方向に集光する。
第1及び第2の開口絞り904及び1004は、第1及び第2のシリンドリカルレンズ903及び1003を通過した光束LA及びLBの光束径を制限する。
第1のfθレンズ906及び第2のfθレンズ907は、主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有するアナモフィック結像レンズであり、偏向器11の偏向面905によって偏向された光束LAを第1の被走査面908上に集光(導光)する。
第1のfθレンズ1006及び第2のfθレンズ1007は、主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有するアナモフィック結像レンズであり、偏向器11の偏向面905によって偏向された光束LBを第2の被走査面1008上に集光(導光)する。
なお、第1のfθレンズ906及び1006それぞれの出射面は、子線チルト量が主走査方向に応じて変化する子線チルト変化面である。
また、本実施形態に係る光走査装置50では、第1のfθレンズ906及び第2のfθレンズ907によって第1の結像光学系85aが構成される。そして、第1のfθレンズ1006及び第2のfθレンズ1007によって第2の結像光学系85bが構成される。
なお、本実施形態に係る光走査装置50では、第1及び第2の入射光学系75a及び75bの光軸はそれぞれ、副走査断面内において主走査断面に対して+3.0度及び-3.0度の角度をなしている。
そして、変換された光束LAは、第1のシリンドリカルレンズ903によって副走査方向に集光され、第1の開口絞り904を通過し、副走査方向上側から偏向器11の偏向面905に斜入射する。
第1の光源901から出射し、偏向器11の偏向面905に入射した光束LAは、偏向器11により偏向走査された後、第1の結像光学系85aによって第1の被走査面908上に集光され、第1の被走査面908を等速度で走査する。
そして、変換された光束LBは、第2のシリンドリカルレンズ1003によって副走査方向に集光され、第2の開口絞り1004を通過し、副走査方向下側から偏向器11の偏向面1005に斜入射する。
第2の光源1001から出射し、偏向器11の偏向面1005に入射した光束LBは、偏向器11により偏向走査された後、第2の結像光学系85bによって第2の被走査面1008上に集光され、第2の被走査面1008を等速度で走査する。
また、E0は軸上光束の主光線に対する偏向器11の偏向面905上の偏向点(軸上偏向点)であり、副走査方向においては、第1及び第2の光源901及び1001から出射した光束LA及びLBは偏向点E0において互いに交差する。また、偏向点E0は第1及び第2の結像光学系85a及び85bの基準点となっている。
また、第1及び第2の感光ドラム908及び1008上における副走査方向の露光分布の作成は、主走査露光毎に、第1及び第2の感光ドラム908及び1008を副走査方向に回転させることによって達成している。
なお、本実施形態における子線チルト量とは、M01を指す。従って、子線チルト面とはM01が0ではない面を指し、子線チルト変化面とはMj1(j=1~12)の少なくとも一つが0ではない面を指す。
また、副走査断面内における曲率半径r’は、レンズ面のy座標に従って、上記の式(3)のように連続的に変化する。
そして、第2のfθレンズ907及び1007の出射面上の軸上光線の通過位置から像側主平面950及び1050まではそれぞれ、距離ok1及びok2だけ離れている。
本実施形態に係る光走査装置50では、ok1及びok2はそれぞれ、上記の式(4)及び(5)から-0.797mm及び-2.242mmと求められる。
それにより、偏向点E0から第2のfθレンズ907の入射面までの光路上の距離と偏向点E0から第2のfθレンズ1007の入射面までの光路上の距離とが互いに異なっていても、像側主平面950及び1050を互いに近づける(すなわち、偏向点E0から像側主平面950までの光路上の距離と偏向点E0から像側主平面1050までの光路上の距離との間の差を小さくする)ことが可能となる。
また、本実施形態に係る光走査装置50の第1及び第2の結像光学系85a及び85bはそれぞれ、像側主平面951及び1051を有している。
そして、第1及び第2の結像光学系85a及び85bの間の副走査倍率差を低減するために、本実施形態に係る光走査装置50では、第1のfθレンズ906及び1006も副走査断面内において屈折力を有している。
従って、第1及び第2の結像光学系85a及び85bの像側主平面951及び1051を互いに近づけるためには、第1のfθレンズ906の屈折力を第1のfθレンズ1006の屈折力より小さくすればよい。
すなわち、第1のfθレンズ906の屈折力φ5の方が第1のfθレンズ1006の屈折力φ6よりも小さくなっている。
そして、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれの副走査倍率の間の差を低減することで、第1及び第2の結像光学系85a及び85bそれぞれのFnoの間の差を低減することができる。
それにより、第1及び第2の被走査面908及び1008それぞれに照射する照射光の間の光量差を低減することができる。
また、第2のfθレンズ1007の入射面及び出射面の光軸を含む副走査断面内における曲率半径をそれぞれR21及びR22としたとき、本実施形態に係る光走査装置50では、|R21|及び|R22|はそれぞれ22.60及び1000となっている。
図8(a)は、第六実施形態に係る光走査装置60の主走査断面内における展開図を示している。図8(b)及び(c)はそれぞれ、第六実施形態に係る光走査装置60が備える入射光学系の副走査断面内における展開図を示している。図8(d)は、第六実施形態に係る光走査装置60が備える結像光学系の副走査断面内における展開図を示している。図9は、第六実施形態に係る光走査装置60が備える結像光学系の副走査断面図を示している。
また、本実施形態に係る光走査装置60は、偏向器11、第1のfθレンズ906、1006(第5及び第6の結像素子)、第1のfθレンズ1106、1206を備えている。また、本実施形態に係る光走査装置60は、第2のfθレンズ907、1007、1107、1207(第1、第2、第3及び第4の結像素子)、反射部材909、910、1009、1109、1209、1210を備えている。
第1、第2、第3及び第4のコリメータレンズ902、1002、1102及び1202は、第1乃至第4の光源901乃至1201から出射した光束LA、LB、LC及びLD(第1、第2、第3及び第4の光束)を平行光束に変換する。なおここで、平行光束とは、厳密な平行光束だけでなく、弱発散光束や弱収束光束等の略平行光束を含むものとする。
第1、第2、第3及び第4のシリンドリカルレンズ903、1003、1103及び1203は、副走査断面内において有限のパワー(屈折力)を有しており、第1乃至第4のコリメータレンズ902乃至1202を通過した光束LA乃至LDを副走査方向に集光する。
第1、第2、第3及び第4の開口絞り904、1004、1104及び1204は、第1乃至第4のシリンドリカルレンズ903乃至1203を通過した光束LA乃至LDの光束径を制限する。
また、第2及び第4の光源1001及び1201から出射した光束LB及びLDは、偏向器11の第2の偏向面1005の近傍において副走査方向にのみ集光され、主走査方向に長い線像として結像される。
第1のfθレンズ906及び第2のfθレンズ907は、主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有するアナモフィック結像レンズである。そして、第1のfθレンズ906及び第2のfθレンズ907は、偏向器11の第1の偏向面905によって偏向された光束LAを第1の被走査面908に集光(導光)する。
また、第1のfθレンズ1106及び第2のfθレンズ1107は、主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有するアナモフィック結像レンズである。そして、第1のfθレンズ1106及び第2のfθレンズ1107は、偏向器11の第1の偏向面905によって偏向された光束LCを第3の被走査面1108に集光(導光)する。
反射部材909、910、1009、1109、1209及び1210は、光束を反射する手段であり、蒸着ミラー等が用いられる。
また、第3のコリメータレンズ1102、第3のシリンドリカルレンズ1103及び第3の開口絞り1104によって第3の入射光学系75cが構成される。そして、第4のコリメータレンズ1202、第4のシリンドリカルレンズ1203及び第4の開口絞り1204によって第4の入射光学系75dが構成される。
また、第1のfθレンズ1106及び第2のfθレンズ1107によって第3の結像光学系85cが構成され、第1のfθレンズ1206及び第2のfθレンズ1207によって第4の結像光学系85dが構成される。
また、反射部材1109によって第3の反射光学系95cが構成され、反射部材1209及び1210によって第4の反射光学系95dが構成される。
また、第3及び第4の入射光学系75c及び75dの光軸はそれぞれ、副走査断面内において主走査断面に対して-3.0度の角度をなしている。
そして、変換された光束LAは、第1のシリンドリカルレンズ903によって副走査方向に集光され、第1の開口絞り904を通過し、副走査方向上側から偏向器11の第1の偏向面905に斜入射する。
そして、第1の光源901から出射し、偏向器11の第1の偏向面905に入射した光束LAは、偏向器11により偏向走査された後、第1の結像光学系85aによって第1の被走査面908上に集光され、第1の被走査面908を等速度で走査する。
そして、変換された光束LBは、第2のシリンドリカルレンズ1003によって副走査方向に集光され、第2の開口絞り1004を通過し、副走査方向上側から偏向器11の第2の偏向面1005に斜入射する。
そして、第2の光源1001から出射し、偏向器11の第2の偏向面1005に入射した光束LBは、偏向器11により偏向走査された後、第2の結像光学系85bによって第2の被走査面1008上に集光され、第2の被走査面1008を等速度で走査する。
そして、変換された光束LCは、第3のシリンドリカルレンズ1103によって副走査方向に集光され、第3の開口絞り1104を通過し、副走査方向下側から偏向器11の第1の偏向面905に斜入射する。
そして、第3の光源1101から出射し、偏向器11の第1の偏向面905に入射した光束LCは、偏向器11により偏向走査された後、第3の結像光学系85cによって第3の被走査面1108上に集光され、第3の被走査面1108を等速度で走査する。
そして、変換された光束LDは、第4のシリンドリカルレンズ1203によって副走査方向に集光され、第4の開口絞り1204を通過し、副走査方向下側から偏向器11の第2の偏向面1005に斜入射する。
第4の光源1201から出射し、偏向器11の第2の偏向面1005に入射した光束LDは、偏向器11により偏向走査された後、第4の結像光学系85dによって第4の被走査面1208上に集光され、第4の被走査面1208を等速度で走査する。
また、F0は軸上光束の主光線に対する偏向器11の第1の偏向面905上の偏向点(軸上偏向点)であり、副走査方向においては、第1及び第3の光源901及び1101から出射した光束LA及びLCは偏向点F0において互いに交差する。そして、偏向点F0は第1及び第3の結像光学系85a及び85cの基準点となっている。
また、G0は軸上光束の主光線に対する偏向器11の第2の偏向面1005上の偏向点(軸上偏向点)であり、副走査方向においては、第2及び第4の光源1001及び1201から出射した光束LB及びLDは偏向点G0において互いに交差する。そして、偏向点G0は第2及び第4の結像光学系85b及び85dの基準点となっている。
また、第1乃至第4の感光ドラム908乃至1208上における副走査方向の露光分布の作成は、主走査露光毎に、第1乃至第4の感光ドラム908乃至1208を副走査方向に回転させることによって達成している。
なお、第1及び第2の入射光学系75a及び75bと第1及び第2の結像光学系85a及び85bの諸特性については、表10乃至表12に示されている第五実施形態に係る光走査装置50と同一であるため省略する。
なお、本実施形態における子線チルト量とは、M01を指す。従って、子線チルト面とはM01が0ではない面を指し、子線チルト変化面とはMj1(j=1~12)の少なくとも一つが0ではない面を指す。
また、副走査断面内における曲率半径r’は、レンズ面のy座標に従って、上記の式(3)のように連続的に変化する。
そして、第2のfθレンズ907及び1007の出射面上の軸上光線の通過位置から像側主平面950及び1050まではそれぞれ、距離ok1及びok2だけ離れている。
そして、第2のfθレンズ1107及び1207の出射面上の軸上光線の通過位置から像側主平面1150及び1250まではそれぞれ、距離ok3及びok4だけ離れている。
また、第2のfθレンズ1007の屈折率、中心厚及び屈折力をそれぞれN2、d2及びφ2、第2のfθレンズ1007の入射面の屈折力をφ21としたとき、距離ok2は、上記の式(5)から求められる。
同様に、ok3及びok4はそれぞれ、上記の式(7)及び(8)から-0.797mm及び-2.242mmと求められ、ok1=ok3及びok2=ok4となっている。
それにより、偏向点F0から第2のfθレンズ907の入射面までの光路上の距離と偏向点G0から第2のfθレンズ1007の入射面までの光路上の距離とが互いに異なっていても、偏向点F0から像側主平面950までの光路上の距離と偏向点G0から像側主平面1050までの光路上の距離との間の差を小さくすることが可能となる。
それにより、偏向点F0から第2のfθレンズ1107の入射面までの光路上の距離と偏向点G0から第2のfθレンズ1207の入射面までの光路上の距離とが互いに異なっていても、偏向点F0から像側主平面1150までの光路上の距離と偏向点G0から像側主平面1250までの光路上の距離との間の差を小さくすることが可能となる。
そのため、本実施形態に係る光走査装置60は、以下の式(9)を満たすことがより好ましい。
また、本実施形態に係る光走査装置60では、φ31及びφ3はそれぞれ0.0087及び0.0250、φ41及びφ4はそれぞれ0.0234及び0.0239となっており、式(9)が満たされている。
そして、第1及び第2の結像光学系85a及び85bの間の副走査倍率差を低減するために、本実施形態に係る光走査装置60では、第1のfθレンズ906及び1006も副走査断面内において屈折力を有している。
同様に、本実施形態に係る光走査装置60の第3及び第4の結像光学系85c及び85dはそれぞれ、像側主平面1151及び1251(不図示)を有している。
そして、第3及び第4の結像光学系85c及び85dの間の副走査倍率差を低減するために、本実施形態に係る光走査装置60では、第1のfθレンズ1106及び1206も副走査断面内において屈折力を有している。
従って、偏向点F0から第1の結像光学系85aの像側主平面951までの光路上の距離と偏向点G0から第2の結像光学系85bの像側主平面1051までの光路上の距離との間の差を小さくするためには、第1のfθレンズ906の屈折力を第1のfθレンズ1006の屈折力より小さくすればよい。
従って、偏向点F0から第3の結像光学系85cの像側主平面1151までの光路上の距離と偏向点G0から第4の結像光学系85dの像側主平面1251までの光路上の距離との間の差を小さくするためには、第1のfθレンズ1106の屈折力を第1のfθレンズ1206の屈折力より小さくすればよい。
すなわち、第1のfθレンズ906の屈折力φ5の方が第1のfθレンズ1006の屈折力φ6よりも小さくなっている。
すなわち、第1のfθレンズ1106の屈折力φ7の方が第1のfθレンズ1206の屈折力φ8よりも小さくなっている。
そして、第1乃至第4の結像光学系85a乃至85dそれぞれの副走査倍率の間の差を低減することで、第1乃至第4の結像光学系85a乃至85dそれぞれのFnoの間の差を低減することができる。
それにより、第1乃至第4の被走査面908乃至1208それぞれに照射する照射光の間の光量差を低減することができる。
また、第2のfθレンズ1007の入射面及び出射面の光軸を含む副走査断面内における曲率半径をそれぞれR21及びR22としたとき、本実施形態に係る光走査装置60では、|R21|及び|R22|はそれぞれ22.60及び1000となっている。
また、第2のfθレンズ1207の入射面及び出射面の光軸を含む副走査断面内における曲率半径をそれぞれR41及びR42としたとき、本実施形態に係る光走査装置60では、|R41|及び|R42|はそれぞれ22.60及び1000となっている。
このように、本実施形態に係る光走査装置60では、第1のfθレンズ1006及び1206よりも副走査断面内における屈折力が小さい第1のfθレンズ906及び1106の出射面の子線チルト量が第1のfθレンズ1006及び1206の出射面の子線チルト量よりも小さくなっている。
そこで、第1乃至第4の被走査面908乃至1208上における照射位置のずれを良好に補正するためには、第2のfθレンズ1007及び1207の入射面または出射面の子線チルト量を第2のfθレンズ907及び1107の入射面または出射面の子線チルト量よりも大きくすることが好ましい。
さらに、第1乃至第4の被走査面908乃至1208上における照射位置のずれを良好に補正するためには、第2のfθレンズ1007及び1207の入射面の子線チルト量を第2のfθレンズ907及び1107の入射面の子線チルト量よりも大きくすることがより好ましい。
すなわち、第2のfθレンズ907及び1107の出射面の子線チルト量をTs31、第2のfθレンズ1007及び1207の出射面の子線チルト量をTs32としたとき、|Ts31|=0.0855(<|Ts21|)、|Ts32|=0.0274(<|Ts22|)となっている。
また、図10(b)に示されているように、本実施形態に係る光走査装置60では、第1乃至第4の被走査面908乃至1208それぞれにおいて、照射位置の称呼位置からの副走査方向におけるずれに相当する走査線湾曲を±2.5μm以下に抑えることができている。
図11は、第六実施形態に係る光走査装置111が搭載されたカラー画像形成装置90の要部副走査断面図を示している。
画像形成装置90は、第六実施形態に係る光走査装置111、像担持体としての感光ドラム(感光体)23、24、25、26及び現像器15、16、17、18を備えている。また、画像形成装置90は、搬送ベルト91、プリンタコントローラ93及び定着器94を備えている。
入力された色信号は、画像形成装置90内のプリンタコントローラ93によって、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。
変換された各画像データはそれぞれ、光走査装置111に入力される。そして、光走査装置111からはそれぞれ、各画像データに応じて変調された光ビーム19、20、21、22が射出され、これらの光ビームによって感光ドラム23、24、25、26の感光面が露光される。
上で述べたように、光ビーム19、20、21、22は各色の画像データに基づいて変調されており、光ビーム19、20、21、22を照射することによって感光ドラム23、24、25、26の表面に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、感光ドラム23、24、25、26に当接するように配設された現像器15、16、17、18によってトナー像として現像される。
外部機器92としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置90とで、カラーデジタル複写機が構成される。
また、カラー画像形成装置90では、第六実施形態に係る光走査装置111の代わりに、二つの第一乃至第五実施形態のいずれかに係る光走査装置を用いてもよい。
10 光走査装置
85a、85b 第1及び第2の結像光学系
107、207 第2のfθレンズ(第1及び第2の結像素子)
108、208 第1及び第2の被走査面
LA、LB 光束(第1及び第2の光束)
Claims (11)
- 第1及び第2の光束を偏向して第1及び第2の被走査面を主走査方向に走査する第1及び第2の偏向器と、
前記第1及び第2の偏向器によって偏向された前記第1及び第2の光束を前記第1及び第2の被走査面に導光する第1及び第2の結像光学系とを有し、
該第1及び第2の結像光学系は、該第1及び第2の結像光学系の中で光軸を含む副走査断面内における屈折力が最も大きい第1及び第2の結像素子を備え、
前記第1の偏向器の偏向面の軸上偏向点から前記第1の結像素子までの光路上の距離は、前記第2の偏向器の偏向面の軸上偏向点から前記第2の結像素子までの光路上の距離よりも小さく、
前記第1の結像素子の屈折率、光軸上における厚さ、前記副走査断面内における屈折力、及び入射面の前記副走査断面内における屈折力をそれぞれN1、d1、φ1及びφ11、前記第2の結像素子の屈折率、光軸上における厚さ、前記副走査断面内における屈折力、及び入射面の前記副走査断面内における屈折力をそれぞれN2、d2、φ2及びφ21 、前記第1の結像素子の入射面及び出射面それぞれの前記副走査断面内における曲率半径をR 11 及びR 12 、前記第2の結像素子の入射面及び出射面それぞれの前記副走査断面内における曲率半径をR 21 及びR 22 とするとき、
|R 21 |<|R 22 |
なる条件を満たすことを特徴とする光走査装置。 - 前記第1及び第2の光束は、前記副走査断面内において前記第1及び第2の偏向器の偏向面に対して垂直に入射することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
- 第1及び第2の光束を偏向して第1及び第2の被走査面を主走査方向に走査する偏向器と、
前記偏向器によって偏向された前記第1及び第2の光束を前記第1及び第2の被走査面に導光する第1及び第2の結像光学系とを有し、
前記第1及び第2の光束は、光軸を含む副走査断面内において主走査断面に対して互いに異なる角度で前記偏向器の第1の偏向面に入射しており、
該第1及び第2の結像光学系は、該第1及び第2の結像光学系の中で前記副走査断面内における屈折力が最も大きい第1及び第2の結像素子を備え、
前記第1の偏向面の軸上偏向点から前記第1の結像素子までの光路上の距離は、該第1の偏向面の軸上偏向点から前記第2の結像素子までの光路上の距離よりも小さく、
前記第1の結像光学系は、光路上において前記偏向器と前記第1の結像素子との間に配置された第5の結像素子を有し、
前記第2の結像光学系は、光路上において前記偏向器と前記第2の結像素子との間に配置された第6の結像素子を有し、
前記第5の結像素子の前記副走査断面内における屈折力は、前記第6の結像素子の前記副走査断面内における屈折力よりも小さく、
前記第1の結像素子の屈折率、光軸上における厚さ、前記副走査断面内における屈折力、及び入射面の前記副走査断面内における屈折力をそれぞれN1、d1、φ1及びφ11、前記第2の結像素子の屈折率、光軸上における厚さ、前記副走査断面内における屈折力、及び入射面の前記副走査断面内における屈折力をそれぞれN2、d2、φ2及びφ21とするとき、
- 前記偏向器によって偏向された第3及び第4の光束を第3及び第4の被走査面に導光する第3及び第4の結像光学系を有し、
前記偏向器は、前記第3及び第4の光束を偏向して前記第3及び第4の被走査面を主走査方向に走査し、
前記第3及び第4の光束は、前記副走査断面内において主走査断面に対して互いに異なる角度で前記偏向器の第2の偏向面に入射しており、
前記第3及び第4の結像光学系は、該第3及び第4の結像光学系の中で前記副走査断面内における屈折力が最も大きい第3及び第4の結像素子を備え、
前記第2の偏向面の軸上偏向点から前記第3の結像素子までの光路上の距離は、該第2の偏向面の軸上偏向点から前記第4の結像素子までの光路上の距離よりも小さく、
前記第3の結像素子の屈折率、光軸上における厚さ、前記副走査断面内における屈折力、及び入射面の前記副走査断面内における屈折力をそれぞれ、N3、d3、φ3及びφ31、前記第4の結像素子の屈折率、光軸上における厚さ、前記副走査断面内における屈折力、及び入射面の前記副走査断面内における屈折力をそれぞれ、N4、d4、φ4及びφ41とするとき、
- 前記第5の結像素子の出射面の子線チルト量は、前記第6の結像素子の出射面の子線チルト量よりも小さいことを特徴とする請求項3または4に記載の光走査装置。
- 前記第2の結像素子の入射面の子線チルト量は、前記第1の結像素子の入射面の子線チルト量よりも大きいことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の光走査装置。
- 前記第1及び第2の結像素子の少なくとも一方において、入射面の子線チルト量が出射面の子線チルト量よりも大きいことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載の光走査装置。
- 前記第1の結像素子の入射面及び出射面それぞれの前記副走査断面内における曲率半径をR11及びR12、前記第2の結像素子の入射面及び出射面それぞれの前記副走査断面内における曲率半径をR21及びR22とするとき、
|R11|>|R12|
|R21|<|R22|
なる条件を満たすことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一項に記載の光走査装置。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光走査装置と、該光走査装置により前記第1及び第2の被走査面に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器とを備えることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光走査装置と、外部機器から出力された信号を画像データに変換して前記光走査装置に入力するプリンタコントローラとを備えることを特徴とする画像形成装置。
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