JPWO2007132721A1 - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特に、電極層と抵抗体層間の密着性を向上させることができ、しかも電極層及び抵抗体層の膜強度を向上させることが可能な電子部品およびその製造方法を提供することを目的としている。【解決手段】 電極層22は主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン又は、酸化ビスマス及びカーボンと、を有してなる複合粉を含む。前記複合粉は、銀粉に比べて、バインダー樹脂を硬化させるための焼成温度で溶融しにくい。したがって従来に比べて前記溶融による発熱を適切に抑制でき、この結果、前記バインダー樹脂等の分解を抑制できる。よって前記抵抗体層及び電極層間の密着性を適切に向上させることが出来るとともに、前記抵抗体層及び電極層の膜強度を向上させることが可能であり、転写板30を剥離するときに、抵抗体層も一緒に剥がれることなく安定して転写型基板を形成できる。【選択図】 図6
Description
本発明は、積層された電極層及び抵抗体層と、前記電極層及び前記抵抗体層を支持する基板とを有して構成される電子部品に関する。
下記特許文献1,2には、エポキシ樹脂等の基板に抵抗体層を転写して形成した転写型基板が開示されている。前記転写型基板は、成形基板の表面に抵抗体層が所定のパターンで設けられ、この抵抗体層の両端部の下に電極層が重ねられて形成された構成である。そして、それぞれの電極層に導通する端子が設けられ、また電極層と電極層との間に位置する前記抵抗体層の表面を摺動する摺動子が設けられ、この摺動子と前記端子との間で、摺動子の摺動位置に対応する電圧の変化を検出できるようになっている。
前記転写型基板は、まず転写板上に、例えば溶媒中にカーボンブラック及び熱硬化性のバインダー樹脂が混合されて成るペースト状の抵抗体層をスクリーン印刷する。
次に、溶媒中に、熱硬化性のバインダー樹脂と銀粒子とを混合したペースト状の電極層を前記抵抗体層の上にスクリーン印刷する。
そして、400℃前後の温度で加熱して、前記抵抗体層に用いられているバインダー樹脂と、前記電極層に設けられているバインダー樹脂を熱硬化させる。
そして前記抵抗体層の上に電極層が重ねられた転写板を金型内に装着し、前記金型のキャビティ内にエポキシ樹脂などを射出して基板をインジェクション成形し、冷却した後に、前記転写板を剥離する。
これにより、基板の表面に抵抗体層が現れ、この抵抗体層の内側に電極層が重ねられた状態で、この抵抗体層と電極層とが基板内に埋設されたものとなる。
特許第3372636号の特許公報
特開2004−55900号公報
しかし、上記した転写型基板には次のような問題点があった。
すなわち、前記バインダー樹脂を硬化させるための焼成時、特に、バインダー樹脂の架橋を促進させるために焼成温度を上昇させたり、焼成時間を長くすると、前記電極層内に含まれる銀粒子が溶融および発熱するため、バインダー樹脂やカーボン粉がこの熱により分解される。このような樹脂等の分解により、十分な膜強度を有する電極層や抵抗体層を得ることが出来なかった。しかも、前記電極層と前記抵抗体層の間に前記樹脂等の分解による隙間が発生すること、および前記電極層が前記抵抗体層を侵食するため前記抵抗体層が十分に熱硬化収縮できず、前記抵抗体層と電極層間の密着性が低下した。したがって、上記した前記転写板を剥離するときに、前記転写板と一緒に抵抗体層が基板側から剥がれてしまうといった不具合が発生した。
すなわち、前記バインダー樹脂を硬化させるための焼成時、特に、バインダー樹脂の架橋を促進させるために焼成温度を上昇させたり、焼成時間を長くすると、前記電極層内に含まれる銀粒子が溶融および発熱するため、バインダー樹脂やカーボン粉がこの熱により分解される。このような樹脂等の分解により、十分な膜強度を有する電極層や抵抗体層を得ることが出来なかった。しかも、前記電極層と前記抵抗体層の間に前記樹脂等の分解による隙間が発生すること、および前記電極層が前記抵抗体層を侵食するため前記抵抗体層が十分に熱硬化収縮できず、前記抵抗体層と電極層間の密着性が低下した。したがって、上記した前記転写板を剥離するときに、前記転写板と一緒に抵抗体層が基板側から剥がれてしまうといった不具合が発生した。
また仮に、前記抵抗体層が前記基板側から転写板と一緒に剥がれなかったとしても、膜強度が低いことから摺動子の摺動により磨耗しやすく、また繰り返しの使用により前記抵抗体層が基板から剥離する可能性もあった。このように摺動特性を向上できず高寿命の抵抗基板を得ることが出来なかった。
また前記電極層の前記抵抗体層内への侵食は前記抵抗体層の厚みが薄くなり、前記電極層の銀粒子全体が抵抗層表面に近づくため耐マイグレーション性の低下にも繋がった。
特許文献1,2に記載された発明では、上記した問題点の認識がなく、当然、上記問題を解決するための手段も提示されていない。
特許文献2は銀粉が抵抗体層の表面に浸出する点を課題とするが、銀粉の溶融を発端とする膜強度の低下や、抵抗体層と電極層間の密着性の低下等の課題認識が無い。また特許文献2は、前記電極層内に含まれるバインダー樹脂と、前記抵抗体層に含まれるバインダー樹脂との熱硬化温度に差を持たせるといった発明であるが、焼成による銀粒子の溶融を適切に抑制できず、上記した本課題を根本的に解決できないこと、また電極層と抵抗体層とに違うバインダー樹脂を用いる必要があり、さらに基本的には電極層に対する焼成工程と、抵抗体層に対する焼成工程とを別々の工程で行うことから、製造工程が煩雑化しやすい等といった問題があった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、電極層と抵抗体層間の密着性を向上させることができ、しかも電極層及び抵抗体層の膜強度を向上させることが可能な電子部品およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明における電子部品は、
積層された電極層及び抵抗体層と、前記電極層及び前記抵抗体層を支持する基板と、を有して構成され、
前記電極層は、熱硬化性のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した導電性粒子とを有し、
前記導電性粒子は、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンを有してなる複合粉を含むことを特徴とするものである。
積層された電極層及び抵抗体層と、前記電極層及び前記抵抗体層を支持する基板と、を有して構成され、
前記電極層は、熱硬化性のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した導電性粒子とを有し、
前記導電性粒子は、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンを有してなる複合粉を含むことを特徴とするものである。
「複合粉」とは、複数種類の粒子を単に混ぜた「混合粉」や「合金」と異なり、粒子1個を取り出したときに、その粒に、銀と酸化ビスマス、あるいは、銀とカーボン、又は、銀と酸化ビスマス及びカーボンとを含んだものである。
上記銀を主成分とした複合粉は、銀粉に比べて、バインダー樹脂を硬化させるための焼成温度で溶融しにくい(あるいは不溶である)。したがって従来に比べて前記溶融による発熱を適切に抑制でき、この結果、前記バインダー樹脂等の分解を抑制できる。よって、従来に比べて前記電極層と前記抵抗体層の間に分解による隙間が生じず、また前記電極層が前記抵抗体層を侵食しないため、前記抵抗体層及び電極層間の密着性を適切に向上させることが出来るとともに、前記抵抗体層及び電極層の膜強度を向上させることが可能である。
本発明では、前記電極層および前記抵抗体層は、前記基板内に埋設され、前記抵抗体層の表面が前記基板の表面と同一面にて現れている形態であることが好ましい。これは転写型基板として形成されたものであり、前記抵抗体層の表面を鏡面形成でき、摺動特性の向上を図ることができて好ましい。さらに前記抵抗体層の厚みを維持できるため、耐マイグレーション性を向上できる。
また本発明では、前記バインダー樹脂は、アセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーを有して構成されることが好ましい。これにより、ガラス転移温度を高くでき耐熱性を向上させることが出来る。
前記抵抗体層は熱硬化性のバインダー樹脂とカーボン粉とを有し、前記抵抗体層のバインダー樹脂は、前記電極層に含まれるバインダー樹脂と同種であることが好ましい。前記抵抗体層と前記電極層間の密着性をより適切に向上させることが可能である。
本発明における電子部品の製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(a) 転写板上に抵抗体層を形成する工程、
(b) 溶媒内に、少なくとも熱硬化性のバインダー樹脂と、主成分の銀と酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンを有する複合粉とを混合して成るペースト状の電極層を前記抵抗体層上に形成する工程、
(c) 前記電極層を熱処理して、前記溶媒を除去するとともに前記バインダー樹脂を熱硬化させる工程、
(d) 前記電極層及び抵抗体層を支持する基板を形成した後、前記転写板を剥離する工程。
(b) 溶媒内に、少なくとも熱硬化性のバインダー樹脂と、主成分の銀と酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンを有する複合粉とを混合して成るペースト状の電極層を前記抵抗体層上に形成する工程、
(c) 前記電極層を熱処理して、前記溶媒を除去するとともに前記バインダー樹脂を熱硬化させる工程、
(d) 前記電極層及び抵抗体層を支持する基板を形成した後、前記転写板を剥離する工程。
本発明では、前記(c)工程で、ペースト状の前記電極層のバインダー樹脂を熱硬化させるための熱処理を行ったとき、前記複合粉は、銀粉に比べて溶融しにくく、前記バインダー樹脂の分解を適切に抑制できる。したがって、前記電極層と前記抵抗体層の間に分解による隙間を生じたり、前記電極層が前記抵抗体層を侵食する現象を適切に抑制できる。
よって前記(d)工程で、前記転写板を剥離するとき、前記転写板を抵抗体層から適切に剥離でき、従来のように前記抵抗体層が前記転写板と一緒に剥がれるといった不具合を抑制できる。このように、本発明では、簡単な製造方法で、転写型基板を安定して製造することが可能である。
本発明では、前記(a)工程で、溶媒内に、少なくとも熱硬化性のバインダー樹脂と、カーボン粉とを混合して成るペースト状の抵抗体層を前記転写板上に形成し、前記ペースト状の抵抗体層を乾燥させ、
前記(c)工程での熱処理により、前記抵抗体層のバインダー樹脂を、前記電極層のバインダー樹脂とともに熱硬化させることが好ましい。本発明では、前記抵抗体層のバインダー樹脂と前記電極層のバインダー樹脂とを同じ焼成工程で熱硬化させても、前記複合粉の溶融を適切に抑制でき、そして、このように前記抵抗体層のバインダー樹脂と前記電極層のバインダー樹脂とを同じ焼成工程で熱硬化させることで、製造工程をより容易化できる。
前記(c)工程での熱処理により、前記抵抗体層のバインダー樹脂を、前記電極層のバインダー樹脂とともに熱硬化させることが好ましい。本発明では、前記抵抗体層のバインダー樹脂と前記電極層のバインダー樹脂とを同じ焼成工程で熱硬化させても、前記複合粉の溶融を適切に抑制でき、そして、このように前記抵抗体層のバインダー樹脂と前記電極層のバインダー樹脂とを同じ焼成工程で熱硬化させることで、製造工程をより容易化できる。
また本発明では、前記電極層に混合されるバインダー樹脂と同種の樹脂を前記抵抗体層のバインダー樹脂として使用することが、前記電極層と抵抗体層間の密着性を向上させることが出来るとともに、製造工程をより容易化でき好ましい。
本発明における電子部品は、積層された電極層及び抵抗体層と、前記電極層及び前記抵抗体層を支持する基板と、を有して構成され、前記電極層は、熱硬化性のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した導電性粒子とを有し、前記導電性粒子は、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンを有してなる複合粉を含むことを特徴とするものである。
上記複合粉は、銀粉に比べて、バインダー樹脂を硬化させるための焼成温度で溶融しにくい(あるいは不溶である)。したがって従来に比べて前記溶融による発熱を適切に抑制でき、この結果、前記バインダー樹脂等の分解を抑制できる。よって、従来に比べて前記電極層と前記抵抗体層の間に分解による隙間を生じさせず、また前記電極層が前記抵抗層を侵食しないため、前記抵抗体層及び電極層間の密着性を適切に向上させることが出来るとともに、前記抵抗体層及び電極層の膜強度を向上させることが可能である。
したがって本発明における電子部品は、摺動子が抵抗体層上を摺動する基板であるとき、摺動特性に優れた高寿命の基板となる。また本発明の電子部品を転写型基板として製造するとき、転写板を剥離する際に、前記抵抗体層が前記転写板と一緒に剥がれるといったことがなく安定して転写型基板を製造できる。
図1は本実施の形態として可変抵抗器に用いられる抵抗基板(電子部品)を示す斜視図、図2は前記抵抗基板の平面図、図3は図2のIII−III線の断面図である。
この抵抗基板1は、エポキシ樹脂などで形成された絶縁性の成形基板2を有している。この成形基板2の中央には回転子が取り付けられる円形の開口部2aが形成されている。また成形基板2の表面2bには、コモン電極パターン3、抵抗検出パターン4、電極補助パターン5が形成されており、これらの主な部分は、前記開口部2aの中心と同心円のリング状パターンとして形成されている。コモン電極パターン3には引き出しパターン3aが連続してこれが成形基板2の側縁部2cまで延び、抵抗検出パターン4と連続する引き出しパターン4aと、電極補助パターン5に連続する引き出しパターン5aも前記側縁部2cまで延びている。
成形基板2の前記側縁部2cからは導電性金属材料で形成された端子6a,6b,6cが突出しており、端子6aは前記引き出しパターン3aに重ねられて導通され、端子6bと端子6cは、引き出しパターン4aと5aに重ねられてそれぞれ導通されている。
また、前記抵抗検出パターン4と電極補助パターン5は、接続パターン5bにおいて互いに直列に接続されている。なお、前記電極補助パターン5は、抵抗検出パターン4の一端と端子6cとを接続する引き回しパターンである。
図3は、図2のIII−III線で切断した断面を示しており、これには抵抗検出パターン4の一部およびその引き出しパターン4aと、前記電極補助パターン5の一部が現れている。図3に示すように、各パターンは、抵抗体層21のみで形成されている領域と、前記抵抗体層21の基板内方側に電極層22が積層された領域とを有している。
図2では、抵抗体層21のみで形成されている領域にドットを付して示しており、抵抗体層21と電極層22とが積層されている領域にハッチングを付して示している。前記コモン電極パターン3およびその引き出しパターン3aは、その全域で抵抗体層21と電極層22とが積層されている。前記抵抗検出パターン4では、角度θの範囲が抵抗体層21のみで形成されており、その両端部および引き出しパターン4aは、抵抗体層21と電極層22とが積層されている。また、電極補助パターン5は、引き出しパターン5aおよび接続パターン5bを含むその全域で、抵抗体層21と電極層22とが積層されている。
すなわち、前記抵抗検出パターン4の角度θの範囲は、摺動子の摺動位置に応じた抵抗値の変化を検出するために抵抗体層21のみで形成されているが、それ以外のパターンは電極層22で形成されているとともに、この電極層22が表面2bに露出しないように抵抗体層21で覆われた構造である。
前記端子6a,6b,6cは、成形基板2内に埋設されており、前記引き出しパターン3a,4a,5aにて基板内側に形成されている前記電極層22に、前記端子6a,6b,6cのそれぞれが、例えば銀の接着層(図示せず)を介して接合されている。
前記開口部2aには回転子(図示せず)が取り付けられ、この回転子に取り付けられた導電性の摺動子(図示せず)が、前記コモン電極パターン3の表面と抵抗検出パターン4の表面とを導通させた状態で摺動する。その結果、端子6aと端子6bとの間、および端子6aと端子6cとの間で、摺動子の摺動位置に対応した抵抗変化を検出できるようになっている。
本実施形態では、前記電極層22は、熱硬化性のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した導電性粒子とを有し、前記導電性粒子には、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンと、を有してなる複合粉が用いられている。ここで「複合粉」とは、単に銀粉と酸化ビスマス粉を混ぜたような「混合粉」や複数の金属が溶け合った「合金」と異なり、粒子1個を取り出したときに、その粒に、銀と酸化ビスマス、あるいは、銀とカーボン、又は銀と酸化ビスマス及びカーボンを含んだものである。
銀と酸化ビスマスからなる複合粉、銀とカーボンからなる複合粉であってもよいが、より好ましいのは、銀、酸化ビスマス及びカーボンを全て含んだ複合粉である。例えば主成分としてのAgは79at%(原子%)程度、酸化ビスマス(Bi2O3)は16at%程度、カーボンは5at%程度含有されている。
なお前記電極層22には前記複合粉とともに、前記複合粉以外の導電性粒子が含まれていてもよい。前記導電性粒子は、前記電極層22中に5〜50体積%含まれていることが好ましい。前記導電性粒子が5体積%より小さいと、前記電極層22の比抵抗が大きくなり、抵抗体層21に比べて十分に比抵抗を下げることが出来なくなる。また前記導電性粒子が50体積%より大きいと、前記バインダー樹脂の体積比率が小さくなりすぎ、膜強度が低下し好ましくない。したがって、前記導電性粒子は、5〜50体積%含まれていることが好ましい。
前記バインダー樹脂は、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂から選択されるが、特に、アセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーを含むことがガラス転移温度(Tg)を高くでき耐熱性を向上させる上で好ましい。
前記電極層22は、溶媒中に、前記バインダー樹脂及び導電性粒子等が混合されて成る導電性ペーストを所定のパターン形状にスクリーン印刷し熱処理工程により、前記溶媒を除去するとともに、前記バインダー樹脂を熱硬化したものである。
前記抵抗体層21は、熱硬化性のバインダー樹脂の内部に導電粉としてカーボン粉が分散したものである。前記カーボン粉は、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、カーボンビーズ、カーボンナノチューブ等であり、特に限定されない。
前記抵抗体層21を構成するバインダー樹脂は、前記電極層22を構成するバインダー樹脂と同様に、例えば、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂から選択される。
前記抵抗体層21のバインダー樹脂と前記電極層22のバインダー樹脂とは同種であることが、前記抵抗体層21と前記電極層22間の密着性を向上させる上で好ましい。ここで「同種」とは、同じ樹脂である場合のみならず、前記樹脂の誘導体も含む。また前記電極層22のバインダー樹脂と同様、前記抵抗体層21のバインダー樹脂も、アセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーを含むことがガラス転移温度(Tg)を高くでき耐熱性を向上させる上で好ましい。
また、前記抵抗体層21の比抵抗は、前記電極層22の比抵抗に比べて充分に大きくなっている。
前記抵抗体層21は、溶媒中に、前記バインダー樹脂及びカーボン粉等が混合されて成る抵抗ペーストを所定のパターン形状にスクリーン印刷し熱処理工程により、前記溶媒を除去するとともに、前記バインダー樹脂を熱硬化したものである。
なお前記抵抗体層21に含まれる導電性粒子は、カーボン粉以外であってもよいが、前記カーボン粉であることが、電気的安定性に優れ、しかも腐食しにくい等、耐環境性にも優れた抵抗体層21を形成できる点で好ましい。
図3に示すように前記抵抗体層21及び、前記電極層22は、前記成形基板2内に埋設されているとともに、前記抵抗体層21の表面21aは、前記成形基板2の表面2bと同一面にて現れている。図3に示す抵抗基板1は、後述する製造方法で説明する転写型抵抗基板であり、前記抵抗体層21の表面21aは、鏡面で形成されている。よって前記抵抗基板1は、摺動特性に優れ、高寿命を得ることが出来る。
本実施形態では、前記電極層22に含有される導電性粒子が、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマスおよびカーボンと、を有してなる複合粉である。前記複合粉は、銀粉に比べて、バインダー樹脂を硬化させるための焼成温度で溶融しにくい(あるいは不溶である)。
よって前記溶融による発熱を適切に抑制でき、この結果、前記バインダー樹脂やカーボン粉等の分解を抑制することが可能である。
したがって、従来に比べて、前記電極層22が前記抵抗体層21内へ侵入せず、前記電極層22と前記抵抗体層21間の密着性を適切に向上させることができるとともに、前記電極層22及び抵抗体層21の膜強度を従来に比べて向上できる。
前記密着性の向上により、転写型抵抗基板の製造過程において、転写板を剥離するときに前記抵抗体層21が前記転写板と一緒に剥がれてしまうことを適切に防止できる。
また前記密着性及び膜強度の向上により、摺動子を前記抵抗基板1の抵抗体層21上に繰り返し摺動させても、磨耗しにくく、また前記抵抗体層21が使用時に、抵抗基板1から剥がれるといったことも無く摺動特性に優れた抵抗基板1に出来る。しかも前記電極層22の前記抵抗体層21内への侵入を抑制出来ることで耐マイグレーション性も向上できる。
次に、前記抵抗基板1の製造方法について説明する。なおこの明細書において「ペースト」とはバインダー樹脂が熱硬化されていない状態を言う。
まず、第1の溶媒に、第1のバインダー樹脂を溶解させ、これに、例えばカーボンブラックと、カーボンファイバー(平均粒子径3〜30μmのカーボンファイバーの粉砕粉)を混合させた抵抗ペーストを生成する。前記第1のバインダー樹脂は、30〜95体積%程度、カーボンブラック及びカーボンファイバーは、合わせて5〜70体積%程度である(溶媒を除いた第1のバインダー樹脂、カーボンブラック、カーボンファイバーの合計が100体積%)。
たとえば黄銅板で形成された転写板30(図4参照)を用意する。前記転写板30の表面は鏡面加工されている。
前記転写板30の表面に、抵抗体層21のパターンの形状(図2のドットとハッチングの双方で示す全パターン)を製版するステンレス製のマスクを用い、前記転写板30の表面にペースト状の前記抵抗体層21をスクリーン印刷する。
印刷後に、乾燥炉を用いて、前記スクリーン印刷したペースト状の抵抗体層21を100〜250℃で10〜60分間乾燥させて、前記第1の溶媒を蒸発させて除去する。なおこの乾燥工程の一部(完全乾燥)は、後のペースト状電極層22に対する乾燥と同工程で行ってもよい。
次に、前記抵抗体層21の上に、ペースト状の電極層22をスクリーン印刷でパターン形成する。
電極ペーストは、第2の溶媒中に、第2のバインダー樹脂及び、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンとを有する複合粉等の導電性粒子を混合したものである。前記第2のバインダー樹脂は、50〜95体積%程度、導電性粒子は、5〜50体積%程度である(溶媒を除いた第2のバインダー樹脂、前記導電性粒子の合計が100体積%)。
図2においてハッチングで示す領域のパターンを製版するマスクで、前記転写板30と抵抗体層21を覆い、乾燥した前記抵抗体層21の表面にペースト状の電極層22をパターン形成する。
印刷後に、乾燥炉を用いて、前記スクリーン印刷したペースト状の電極層22を100〜260℃で10〜60分間乾燥させて、前記第2の溶媒を蒸発させて除去する。
次に、焼成炉において400℃程度の焼成温度で1〜2時間加熱し、前記第1のバインダー樹脂及び第2のバインダー樹脂を同時に熱硬化させる。これにより前記抵抗体層21は熱硬化したバインダー樹脂中にカーボン粉が分散した膜構造になり、前記電極層22は熱硬化したバインダー樹脂中に複合粉が分散した膜構造になる。
ここで第1の溶媒及び第2の溶媒には、酢酸カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、モノグライム、ジグライム、メチルトリグライム等を使用できる。
また第1のバインダー樹脂及び第2のバインダー樹脂は同種であることが、前記第1のバインダー樹脂及び第2のバインダー樹脂の硬化温度を同じかあるいは近い温度にでき、前記第1のバインダー樹脂及び第2のバインダー樹脂を同じ焼成工程で熱硬化でき好ましい。前記第1のバインダー樹脂と第2のバインダー樹脂の硬化温度が大きく離れていると、両方を適切に熱硬化させるには、抵抗体層21に対する焼成温度と、ペースト状の電極層22に対する焼成温度とを別々に制御することが必要であり、製造工程が煩雑化する。したがって第1のバインダー樹脂及び第2のバインダー樹脂を同種にし、前記第1のバインダー樹脂及び第2のバインダー樹脂を同じ焼成工程にて熱硬化させることが好ましい。また第1のバインダー樹脂と第2のバインダー樹脂を同種にすることで、密着性を向上させることが出来る。前記第1のバインダー樹脂及び第2のバインダー樹脂には、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を選択できるが、これらに限定されるものでない。なお前記バインダー樹脂に、アセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーを含むことがガラス転移温度(Tg)を高くでき耐熱性を向上させる上で好ましい。
前記電極層22中に含まれる銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンとを有して成る複合粉の溶融温度は、前記バインダー樹脂の硬化温度より高くなっている。
本実施形態における前記複合粉による電極ペーストは、後述する実施例の実験結果にも示すように、440℃前後に溶融ピークを持つため、400℃前後の熱処理によっても溶融しにくい。あるいは不溶である。ポリイミド樹脂の硬化温度は、300℃〜380℃程度、ビスマレイミド樹脂の硬化温度は350℃程度、アセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーの硬化温度は、300℃〜400℃程度であるから、各熱硬化性樹脂の硬化温度にて熱処理を施しても、前記複合粉の溶融を適切に抑制することが出来る。
なおポリイミド樹脂のガラス転移温度Tgは、300℃程度、ビスマレイミド樹脂のガラス転移温度Tgは、250〜300℃程度、アセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーのガラス転移温度Tgは、300℃〜350℃程度である。
次に図4工程では、各引き出しパターン3a,4a,5aの部分の前記電極層22の表面に図示しない端子接着層(導電性接着層)を形成する。
この工程では、前記電極層22の表面にスクリーン印刷によりペースト状の端子接着層を形成する。例えば、ペースト状の前記端子接着層は、酢酸カルビトールなどからなる溶剤に、20体積%の銀粉と、硬化剤として20体積%のフェノール樹脂とアミン化合物、主剤として60体積%のエポキシ樹脂を混合させたものである(ただし、溶媒を除いた合計が100体積%)。そして、乾燥炉において80℃で10分間乾燥させ、端子接着層内の溶媒を蒸発させて除去する。
次に図5に示すように、前記転写板30上を金型40で覆う。このとき引き出しパターン3a,4a,5aの電極層22の表面にペースト状の前記端子接着層を介して端子6a,6b,6cを設置する。そして、前記金型40のキャビティ41に溶融状態のエポキシ樹脂成形材料を注入する。
金型40の温度は160〜200℃であり、この金型の熱によって前記端子接着層の硬化剤であるフェノール樹脂およびアミン化合物と主剤のエポキシ樹脂とが熱硬化して、端子6a,6b,6cが引き出しパターン3a,4a,5aにおいて前記端子接着層を介して電極層22に接着される。
また、前記エポキシ樹脂成形材料が硬化して成形基板2が形成される。そして、金型40から抜き出して、図6に示すように、転写板30を前記成形基板2から剥離することで、前記抵抗基板1が完成する。
本実施形態の製造方法では、簡単な製造方法で、転写型基板を安定して製造することが可能である。すなわち従来では、焼成工程により、前記電極層22が前記抵抗体層21を侵食してしまい、これにより、前記電極層22と前記抵抗体層21の間に熱分解による隙間が発生し密着性が低下する。これにより図6に示す前記転写板30を抵抗基板1から剥離するときに、前記転写板30と前記抵抗体層21間の密着力のほうが、前記電極層22と前記抵抗体層21間の密着力より強くなるために、前記転写板30と一緒に前記抵抗体層21が剥がれやすかったが、本実施形態では、前記電極層22の前記抵抗体層21内への浸食現象を適切に抑制できるので、従来に比べて前記抵抗体層21と前記電極層22間の密着性が低下しないため、前記電極層22と前記抵抗体層21間の密着力は前記転写板30と前記抵抗体層21間の密着力よりも強くすることが出来る。
したがって前記転写板30を抵抗基板1から剥離するときに、前記転写板30だけを適切に前記抵抗基板1から剥離でき、前記抵抗体層21が前記転写板30と一緒に剥がれることを適切に防止できる。
前記転写板30の表面は鏡面加工されているため前記転写板30の表面に直接形成された前記抵抗体層21の面(摺動面)も鏡面にて形成されており、摺動特性に優れた抵抗基板1を適切且つ容易に製造できる。
従来における電極層の浸食現象は抵抗体層の厚みを浸食し、電極層が表面へ露出する場合や、少なくとも局部的に膜厚の薄い部分ができるため耐マイグレーション性能を劣化させていたが、実施形態ではこの浸食現象がなく抵抗体層の膜厚が変わらないため耐マイグレーション性が大幅に向上している。
また本実施形態では、抵抗体層21を構成するバインダー樹脂と、電極層22を構成するバインダー樹脂とを同じ焼成工程時に、同時に熱硬化させることが出来るから製造工程を容易化できる。
他の実施形態としては、例えば基板の平坦な表面に、電極層と抵抗体層とをスクリーン印刷・焼成して所定のパターン形状に積層形成した構造を提示できる。かかる場合、電極層及び抵抗体層を基板側へ転写するわけでないため、転写板を剥離するときに前記抵抗体層が前記転写板と一緒に剥がれてしまうといった不具合がそもそも生じ得ないが、前記電極層と抵抗体層の間に熱分解による隙間が生じないため密着性、及び電極層及び抵抗体層の膜強度を適切に向上させることが出来るから、上記した他の実施形態においても、摺動特性に優れ、高寿命、耐マイグレーション性に優れた抵抗基板を形成できる。
また、抵抗体層と電極層とが逆に積層される構造を排除するものでない。
また、抵抗体層と電極層とが逆に積層される構造を排除するものでない。
なお、本発明の抵抗基板1は、図1と図2に示すような回転式可変抵抗器用のほかに、直線的にスライドするスライド式可変抵抗器、その他の抵抗センサーなどに使用することができる。また、導電層としての電極層に、抵抗体層を保護層(オーバーコート層)として積層してなるくし歯形状コードパターンを基板(絶縁基板)に支持させるようにしてもよい。この場合には、本発明をエンコーダ基板に適用したものとなる。
図7に示すように、基板(転写板)上に抵抗体層を形成し、前記抵抗体層上に電極層を形成したものを実施例及び比較例の夫々において形成した。
まず比較例では、前記電極層をバインダー樹脂と銀粉とを有して形成し、実施例では、前記電極層を、バインダー樹脂と、主成分の銀、酸化ビスマス及びカーボンから成る複合粉とで形成した。なお実施例及び比較例における抵抗体層は同じものであり、バインダー樹脂とカーボン粉とで形成されている。
まず比較例の電極層に使用したバインダー樹脂はアセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーであり、前記銀粉は、30体積%程度、バインダー樹脂は70体積%程度入っている。
一方同様に、実施例の電極層に使用したバインダー樹脂もアセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーであり、前記複合粉は、電極層中に30体積%程度、バインダー樹脂は70体積%程度入っている。
前記複合粉は、主成分としてのAgが79at%(原子%)程度、酸化ビスマス(Bi2O3)が16at%程度、カーボンが5at%程度含有されている。なお、本実施例では前記複合粉として、昭栄化学工業(株)社製の貴金属粉末AG−522を使用した。
実施例及び比較例に対し、まず転写板上に抵抗体層をスクリーン印刷にて形成し、260℃30分間の乾燥を行なって溶媒を蒸発させた。次に、前記抵抗体層の上に、ペースト状の電極層を同様なスクリーン印刷にて形成し、実施例及び比較例ともに260℃で30分間の乾燥を行って溶媒を蒸発させた後、390℃で90分間の焼成を行いバインダー樹脂を熱硬化させた。そして実施例及び比較例における前記抵抗体層のみの部分の膜厚と前記電極層と抵抗体層とが重なった部分の膜厚を表面粗さ計にてそれぞれ測定した。その実験結果を図8と図9に示す。横軸は、前記抵抗体層および電極層の幅方向の寸法であり、縦軸が膜厚である。図8は比較例の実験結果、図9は実施例の実験結果である。
図8に示す比較例の実験結果では、抵抗体層のみの部分の膜厚より、電極層と抵抗体層とを積層した部分の膜厚のほうが薄くなっている箇所が存在し、これにより、比較例では、電極層が抵抗体層に侵食していることがわかる。
一方、図9に示す実施例では、前記電極層の前記抵抗体層への侵食が見られなかった。なお実施例に対し、塗膜の付着性を確認するクロスカット法(JIS k5600−5−6に準拠)に従い粘着テープピール試験を行ったところ、前記抵抗体層と電極層間の密着性は良好であることがわかった。この試験は、塗膜の表面に1mm間隔で縦及び横に切り込み(クロスカット)を入れ、その部分にセロハンテープを貼り、そのテープを急激に引き離して、塗膜の密着性を確認するものである。
次に図10は、上記した比較例の抵抗体層と電極層との境目付近(図7に示す矢印付近)を真上から見たSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。
図10の左側に現れている薄黒い箇所は、抵抗体層の表面であり、右側に現れている白い箇所は、電極層の表面である。
図10に示すように、陥没している箇所が多々見られ、特に境目付近では、前記抵抗体層の表面のほうが、電極層の表面よりも手前側に(高い位置に)存在するように見えることがわかる。また右側にある電極層の表面からは所々、抵抗体層の表面が現れており、前記電極層が完全に前記抵抗体層の表面を覆っていないことがわかる。
次に、銀粉(比較例)と、Agが79at%程度、酸化ビスマス(Bi2O3)が16at%程度、カーボンが5at%程度含む複合粉(実施例)とを、それぞれ390℃で2時間焼成し、焼成後の状態のSEM写真が図11及び図12である。図11は比較例のSEM写真、図12は実施例のSEM写真である。図11と図12は同じ倍率で撮ったSEM写真である。
図11に示す比較例では、溶融した銀粉どうしが寄り集まった塊状のものが多数見られ、また多数の空孔も形成されていることがわかった。一方、図12に示す実施例では、複合粉はほとんど溶融しておらず、細かい粒子状を維持していることがわかった。
次に、図8、図9の実験に使用した図7に示す基板(転写板)を図5に示す金型40で覆い、前記金型40のキャビティ41に溶融状態のエポキシ樹脂を注入して、成形基板2を形成し、前記基板(転写板)を除去して転写型抵抗基板を製造した。転写型抵抗基板の形状は図1ないし図3で示すものと同様である。
実施例、及び比較例の各転写型抵抗基板を用い、高圧下で、加熱と加湿を行うプレッシャークッカーテスト(PCT)において電極層に積層された抵抗体層の表面硬度を測定した。条件は、気圧0.2MPaで、温度121℃、湿度100%で、270時間まで行った。
実験では、測定荷重を80gf、120gfとして表面のダイナミック硬度を測定した。ここで、ダイナミック硬度とは、ダイヤモンドの圧子を試料表面に接触させ、極微小な力を加えて圧子を押し込んだとき、押し込み荷重と圧子の押し込み深さとを計測して、両者の関係から硬度を算出して得るものである。測定に使用した装置は、島津製作所社製のDUH−201である。
図13は実施例の経過時間とダイナミック硬度との関係を示すグラフである。一方、図14は比較例の経過時間とダイナミック硬度との関係を示すグラフである。
図13の実施例では、ダイナミック硬度は270時間までさほど変化しなかった。一方、図14の比較例では、100時間で前記ダイナミック硬度が低くなり、特に実施例に比べて小さい硬度しか得られなかった。
次に、実施例、及び比較例の各転写型抵抗基板を用い、低温状態と高温状態とを交互に繰り返すヒートショック試験において電極層に積層された抵抗体層の表面硬度を測定した。条件は、−40℃から148℃への昇温、及び148℃〜−40℃への降温を一サイクルとし、このサイクルを164回行った。
実験では、測定荷重を80gf、120gfとして表面硬度(ダイナミック硬度)を測定した。
図15は実施例のサイクル数とダイナミック硬度との関係を示すグラフである。一方、図16は比較例のサイクル数とダイナミック硬度との関係を示すグラフである。
図15及び図16に示すように、実施例のほうが比較例に比べて高いダイナミック硬度を得られることがわかった。
図13〜図16の実験結果において、実施例のほうが比較例に比べて高い硬度を得られるのは、電極層の抵抗体層内への侵入が、比較例に比して抑制されているためであると考えられる。
次に、前記転写型抵抗基板を用いて、水没式マイグレーション試験を行った。
試験条件は、実施例及び比較例の転写型抵抗基板を夫々、純水(導電率−0.06×10−4S/m)に浸し、端子間(図2における端子6aと端子6cとの間)に5Vの印加電圧をかけ、このときの絶縁抵抗を測定した。その結果を、図17に示す。
試験条件は、実施例及び比較例の転写型抵抗基板を夫々、純水(導電率−0.06×10−4S/m)に浸し、端子間(図2における端子6aと端子6cとの間)に5Vの印加電圧をかけ、このときの絶縁抵抗を測定した。その結果を、図17に示す。
図17に示すように、実施例及び比較例ともに、時間経過とともに絶縁抵抗は低くなるが、比較例は約4時間で大きく絶縁抵抗が低下するのに対し、実施例は約12時間、高い絶縁抵抗を保っており、実施例のほうが比較例に比べて耐マイグレーション性に優れることがわかった。これは、実施例のほうが比較例に比べて電極層の抵抗体層内への侵入が抑制され、抵抗体層の膜厚が厚い膜厚として保たれているためであると考えられる。
図18は、実施例及び比較例の電極ペーストに対するTG−DTA(熱重量−示差熱分析)の実験結果である。TG−DTA測定器には、SIIナノテクノロジー社製のTG/DTA6200を使用した。
また実験で使用した実施例及び比較例の電極ペーストは、図8,図9の実験で使用したものと同じである。
図18に示すように、比較例の銀粉による電極ペーストは、DTA曲線、及びTG曲線から約380℃前後に溶融ピークを持つとともに重量減少が見られた。
また図18に示すように、実施例の複合粉による電極ペーストは、DTA曲線、及びTG曲線から約440℃前後に溶融ピークを持つとともに重量減少が見られた。
実験で示された溶融ピークは、実施例では複合粉の溶融ピーク、比較例では銀粉の溶融ピークに相当する。
よって実施例の複合粉は、400℃前後の熱処理によっても溶融しにくくあるいは不溶であることがわかった。またバインダー樹脂の熱硬化温度は高くても400℃程度(アセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーを使用したとき)であるので、硬化温度にて熱処理を施しても、前記複合粉の溶融を適切に抑制できることがわかった。
1 抵抗基板(電子部品)
2 成形基板
2b 表面
3 コモン電極パターン
4 抵抗検出パターン
5 電極補助パターン
3a,4a,5a 引き出しパターン
5b 接続パターン
6a,6b,6c 端子
21 抵抗体層
21a 表面
22 電極層
30 転写板
2 成形基板
2b 表面
3 コモン電極パターン
4 抵抗検出パターン
5 電極補助パターン
3a,4a,5a 引き出しパターン
5b 接続パターン
6a,6b,6c 端子
21 抵抗体層
21a 表面
22 電極層
30 転写板
本発明における電子部品は、
積層された電極層及び抵抗体層と、前記電極層及び前記抵抗体層を支持する基板と、を有して構成され、
前記電極層は、熱硬化性のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した導電性粒子とを有し、
前記導電性粒子は、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、酸化ビスマス及びカーボンを有してなる複合粉を含むことを特徴とするものである。
積層された電極層及び抵抗体層と、前記電極層及び前記抵抗体層を支持する基板と、を有して構成され、
前記電極層は、熱硬化性のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した導電性粒子とを有し、
前記導電性粒子は、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、酸化ビスマス及びカーボンを有してなる複合粉を含むことを特徴とするものである。
「複合粉」とは、複数種類の粒子を単に混ぜた「混合粉」や「合金」と異なり、粒子1個を取り出したときに、その粒に、銀と酸化ビスマス、あるいは、銀と酸化ビスマス及びカーボンとを含んだものである。
(a) 転写板上に抵抗体層を形成する工程、
(b) 溶媒内に、少なくとも熱硬化性のバインダー樹脂と、主成分の銀と酸化ビスマス、あるいは、酸化ビスマス及びカーボンを有する複合粉とを混合して成るペースト状の電極層を前記抵抗体層上に形成する工程、
(c) 前記電極層を熱処理して、前記溶媒を除去するとともに前記バインダー樹脂を熱硬化させる工程、
(d) 前記電極層及び抵抗体層を支持する基板を形成した後、前記転写板を剥離する工程。
(b) 溶媒内に、少なくとも熱硬化性のバインダー樹脂と、主成分の銀と酸化ビスマス、あるいは、酸化ビスマス及びカーボンを有する複合粉とを混合して成るペースト状の電極層を前記抵抗体層上に形成する工程、
(c) 前記電極層を熱処理して、前記溶媒を除去するとともに前記バインダー樹脂を熱硬化させる工程、
(d) 前記電極層及び抵抗体層を支持する基板を形成した後、前記転写板を剥離する工程。
本発明における電子部品は、積層された電極層及び抵抗体層と、前記電極層及び前記抵抗体層を支持する基板と、を有して構成され、前記電極層は、熱硬化性のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した導電性粒子とを有し、前記導電性粒子は、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、酸化ビスマス及びカーボンを有してなる複合粉を含むことを特徴とするものである。
本実施形態では、前記電極層22は、熱硬化性のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した導電性粒子とを有し、前記導電性粒子には、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、酸化ビスマス及びカーボンと、を有してなる複合粉が用いられている。ここで「複合粉」とは、単に銀粉と酸化ビスマス粉を混ぜたような「混合粉」や複数の金属が溶け合った「合金」と異なり、粒子1個を取り出したときに、その粒に、銀と酸化ビスマス、あるいは、銀と酸化ビスマス及びカーボンを含んだものである。
銀と酸化ビスマスからなる複合粉であってもよいが、より好ましいのは、銀、酸化ビスマス及びカーボンを全て含んだ複合粉である。例えば主成分としてのAgは79at%(原子%)程度、酸化ビスマス(Bi2O3)は16at%程度、カーボンは5at%程度含有されている。
本実施形態では、前記電極層22に含有される導電性粒子が、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、酸化ビスマスおよびカーボンと、を有してなる複合粉である。前記複合粉は、銀粉に比べて、バインダー樹脂を硬化させるための焼成温度で溶融しにくい(あるいは不溶である)。
電極ペーストは、第2の溶媒中に、第2のバインダー樹脂及び、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、酸化ビスマス及びカーボンとを有する複合粉等の導電性粒子を混合したものである。前記第2のバインダー樹脂は、50〜95体積%程度、導電性粒子は、5〜50体積%程度である(溶媒を除いた第2のバインダー樹脂、前記導電性粒子の合計が100体積%)。
前記電極層22中に含まれる銀と、酸化ビスマス、あるいは、酸化ビスマス及びカーボンとを有して成る複合粉の溶融温度は、前記バインダー樹脂の硬化温度より高くなっている。
Claims (7)
- 積層された電極層及び抵抗体層と、前記電極層及び前記抵抗体層を支持する基板と、を有して構成され、
前記電極層は、熱硬化性のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した導電性粒子とを有し、
前記導電性粒子は、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいはカーボン、又は、酸化ビスマス及びカーボンを有してなる複合粉を含むことを特徴とする電子部品。 - 前記電極層および前記抵抗体層は、前記基板内に埋設され、前記抵抗体層の表面が前記基板の表面と同一面にて現れている請求項1記載の電子部品。
- 前記バインダー樹脂は、アセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーを有して構成される請求項1又は2に記載の電子部品。
- 前記抵抗体層は熱硬化性のバインダー樹脂とカーボン粉とを有し、前記抵抗体層のバインダー樹脂は、前記電極層に含まれるバインダー樹脂と同種である請求項1ないし3のいずれかに記載の電子部品。
- 以下の工程を有することを特徴とする電子部品の製造方法。
(a) 転写板上に抵抗体層を形成する工程、
(b) 溶媒内に、少なくとも熱硬化性のバインダー樹脂と、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンとを有する複合粉とを混合して成るペースト状の電極層を前記抵抗体層上に形成する工程、
(c) 前記電極層を熱処理して、前記溶媒を除去するとともに前記バインダー樹脂を熱硬化させる工程、
(d) 前記電極層及び抵抗体層を支持する基板を形成した後、前記転写板を剥離する工程。 - 前記(a)工程で、溶媒内に、少なくとも熱硬化性のバインダー樹脂と、カーボン粉とを混合して成るペースト状の抵抗体層を前記転写板上に形成し、前記ペースト状の抵抗体層を乾燥させ、
前記(c)工程での熱処理により、前記抵抗体層のバインダー樹脂を、前記電極層のバインダー樹脂とともに熱硬化させる請求項5記載の電子部品の製造方法。 - 前記電極層に混合されるバインダー樹脂と同種の樹脂を前記抵抗体層のバインダー樹脂として使用する請求項6記載の電子部品の製造方法。
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Legal Events
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110823 |