JPWO2007119578A1 - 神経系細胞機能改善剤 - Google Patents

神経系細胞機能改善剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007119578A1
JPWO2007119578A1 JP2008510882A JP2008510882A JPWO2007119578A1 JP WO2007119578 A1 JPWO2007119578 A1 JP WO2007119578A1 JP 2008510882 A JP2008510882 A JP 2008510882A JP 2008510882 A JP2008510882 A JP 2008510882A JP WO2007119578 A1 JPWO2007119578 A1 JP WO2007119578A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coenzyme
agent
nervous system
reduced coenzyme
improving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008510882A
Other languages
English (en)
Inventor
義之 品川
義之 品川
岸田 秀之
秀之 岸田
泰三 川辺
泰三 川辺
浩和 阪本
浩和 阪本
博司 久保
博司 久保
和典 細江
和典 細江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Publication of JPWO2007119578A1 publication Critical patent/JPWO2007119578A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/075Ethers or acetals
    • A61K31/085Ethers or acetals having an ether linkage to aromatic ring nuclear carbon
    • A61K31/09Ethers or acetals having an ether linkage to aromatic ring nuclear carbon having two or more such linkages
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/12Ketones
    • A61K31/122Ketones having the oxygen directly attached to a ring, e.g. quinones, vitamin K1, anthralin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/02Drugs for disorders of the nervous system for peripheral neuropathies
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/08Antiepileptics; Anticonvulsants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/14Drugs for disorders of the nervous system for treating abnormal movements, e.g. chorea, dyskinesia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/26Psychostimulants, e.g. nicotine, cocaine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/16Otologicals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Psychology (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Fodder In General (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Feed For Specific Animals (AREA)

Abstract

本発明は、脳内の神経系細胞を賦活させ、さらに外的または内的ストレスから脳内の神経系細胞を保護する作用を有する有用な組成物を提供することを目的とする。
還元型補酵素Qを有効成分とする神経系細胞機能改善剤、より具体的には神経系細胞賦活剤または神経系細胞保護剤として有用であり、中枢神経疾患または神経変性疾患に由来または付随する神経障害症状の改善または予防、認知機能の促進および学習・記憶障害の改善のために用いることができる。

Description

本発明は、還元型補酵素Qを有効成分または有効成分の一つとする神経系細胞機能改善剤、より具体的には、神経系細胞賦活剤および神経系細胞保護剤に関するものである。該剤は、例えば認知機能の促進、神経障害症状の改善またはその症状発生の予防、中枢神経疾患および学習・記憶障害を改善することができる。
脳神経回路は、突起を伸ばして連結し合う神経細胞のシグナルの送受信により機能するが、脳には神経細胞だけでなく、神経細胞より数〜十数倍の数のグリア細胞が存在する。グリア細胞は、神経細胞の周囲をグリア突起で被い、脳組織構築の支持体となり、神経細胞への栄養供給、神経細胞間のシグナル伝達の補助などを行い、神経細胞の機能と生存を支えている。両細胞は発生中も密接に関係し、共通の幹細胞から誕生して互いの分化と成長を制御し合い、緻密な神経のネットワークを形成する。神経細胞、グリア細胞のいずれが障害を受けても正常な脳機能は維持できない。
神経変性疾患としては、パーキンソン病、アルツハイマー病および認知症などが知られており、これらの発症の共通するメカニズムとして、虚血などによる低酸素および低栄養環境または過剰なグルタミン酸等による神経系細胞(グリア細胞または神経細胞)内のカルシウム濃度の上昇、それに伴う活性酸素種の増加による細胞構成成分の障害によることが知られている(非特許文献1、2)。
上記神経変性疾患は、患者やその家族に精神的な苦痛および経済的な損失をもたらし、ヒトのQuality of Life(QOL)を著しく損なうことから、社会的な問題として認識されている。しかし、現在、神経変性疾患や、それに由来または付随する神経障害症状に対する対応状況は十分と言えず、改善効果の向上、より確実な予防効果、より低用量でより高い安全性を有した、経済的で効果の高い、神経変性疾患やそれに由来または付随する神経障害症状の改善用または予防用組成物が求められている。また、実質的に、神経変性疾患や、それに由来または付随する神経障害症状に対する改善効果、予防効果は高いほど望ましく、効果の最大化や副作用の最小化を目指した合剤化や併用が研究されている。
補酵素Qは、ミトコンドリア、リソゾーム、ゴルジ体、ミクロソーム、ペルオキシソーム、或いは細胞膜などに局在し、ミトコンドリアでは電子伝達系の構成成分としてATP産生賦活、生体内での抗酸化作用、膜安定化に関与している事が知られている生体の機能維持に必要不可欠な物質である。また生体内の補酵素Qはそのほとんどが還元型として存在しており、生体内に吸収された酸化型補酵素Qは細胞内において還元酵素により還元型に変換される。
補酵素Qの生体内含量の低下は、ATP産生力の減退、心機能の減退、酸化ストレスに対する抵抗性の減退、生体膜の不安定化をもたらし、健康上好ましくない。不足している補酵素Qを補給することは、ミトコンドリアでのエネルギー産生促進及び生体の抗酸化能を向上し恒常性を維持するために有益である。
補酵素Qについては食事によって補給される一方、生体内でも生合成されている事より、正常な状態では補酵素Qの必要量は充足されているかに見えるが、これらの生体内での含量は加齢や生体が受ける種々のストレスにより顕著に減少することが知られている。
酸化型補酵素Q10はうっ血性心不全薬として、あるいは健康食品として長く用いられてきており、副作用の報告の非常に少ない組成物である。また、動物を用いた安全性試験でも、ラットを用いて1.2g/kg/dayという高い投与量で52週間連投した場合でも、全く毒性所見は認められず、高い安全性が証明されている組成物である(非特許文献3)。
代表的な神経変性疾患であるパーキンソン病のモデルマウスにおいて酸化型補酵素Qがその症状の改善効果を示すことが報告されている(非特許文献4)。さらにin vitroの系において神経細胞に過酸化水素を曝露し細胞死を誘発する系においても同様に酸化型補酵素Qの併用により抑制されることが報告されている(非特許文献5、6)。
また、例えば、ビタミンEと酸化型補酵素Qの併用によりマウスの学習、記憶障害が改善することが報告されている(非特許文献3、7)。
また、例えば、酸化型補酵素Q、ビタミンB6、および鉄剤からなる組成物またはそれら化合物の併用が認知症の治療に有効であることが記載されている(特許文献1)。
また、例えば酸化型補酵素Qとリポ酸を含む組成物が認知症治療剤として記載されている(特許文献2)。
また、例えば、酸化型補酵素Qの他剤併用による記憶障害の治療方法が記載されている(特許文献3)。
また、例えば酸化型補酵素Qの水溶性組成物がラットの脳虚血、再還流障害で有用性を示すことが記載されている(特許文献4)。
一方、還元型補酵素Q10については、正常ラットまたは糖尿病自然発症ラットにおける尿中の酸化マーカーである8-ハイドロキシデオキシグアノシン量を低下させ、さらに糖尿病ラットの膵臓の酸化ストレスによる組織変性を抑制することが報告されている(特許文献5)が、還元型補酵素Q10の中枢神経疾患に対する有効性はこれまであまり調べられてこなかった。唯一、酸化型補酵素Qと還元型補酵素Qの含有比が2:1の補酵素Qを用いた報告があり、in vitroの系においてグルタミン酸曝露と低酸素環境により、誘発されたグリア細胞の一種であるアストロサイトの細胞死が、補酵素Qの併用により抑制されることが報告されている(非特許文献8)。
特許第3064360号公報 特表2003−535134号公報 特表2003−513039号公報 特表2002−541216号公報 WO2003/032968号公報 Cell Calcium 2003. Vol. 34 385-397 Progress in Neurobiology 2004. Vol. 72 111-127 J. Agric. Food Chem. 1999. Vol. 47 3756-3763 Free Radical Research. 2002. Vol.36 455-460 Archives of Biochemistry and Biophysics 2004. Vol.421 54-60 Neurobiology of Disease 2005. Vol. 18 618-627 Free Radical Biology & Medicine, Vol. 38, pp. 729-736 (2005) Journal of Neuroscience Research 2003. Vol. 72 691-703
本発明は神経系細胞機能改善剤を提供することを目的とする。
具体的には、本発明は、神経系細胞賦活剤(特に脳内の神経系細胞賦活剤)、外的または内的ストレス等から脳内の神経系細胞を保護する等の神経系細胞保護剤を提供することを目的とする。
より具体的には、本発明は認知機能の促進剤、神経障害症状の改善・予防剤、特に神経変性疾患に由来または付随する神経障害症状の改善・予防剤、中枢神経疾患の改善・予防剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的の達成のため鋭意研究を行った結果、還元型補酵素Qが、神経系細胞機能改善作用を有すること、特に、神経系細胞賦活作用、神経系細胞保護作用を有すること、また、脳内の神経系細胞(グリア細胞または神経細胞)を賦活させ、さらに外的または内的ストレスから神経系細胞(グリア細胞または神経細胞)を保護し、さらには中枢神経疾患を改善することを見出した。また還元型補酵素Qが神経障害症状の低減またはその発生を予防する効果、認知機能を促進する効果、学習・記憶障害を改善する効果を有することを見出した。
即ち本発明は、下記の通りである。
[1]下記式(1):
Figure 2007119578
(式中nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Qを有効成分とする、神経系細胞機能改善剤。
[2]神経系細胞賦活剤である[1]記載の剤。
[3]認知機能の促進に用いられるものである[2]記載の剤。
[4]学習または記憶障害の改善に用いられるものである[2]記載の剤。
[5]神経系細胞保護剤である[1]記載の剤。
[6]神経が中枢神経である[2]または[5]記載の剤。
[7]神経障害症状の改善または予防に用いられるものである[5]記載の剤。
[8]神経障害症状が、運動失調、認知機能不全、意識障害、感覚障害、難聴、一過性失明、同名性半盲、失語、交代性片麻痺、反対側片麻痺、両側性四肢麻痺、めまい、耳鳴、聴覚障害、眼振、複視、振戦、手足のしびれ、および昏睡からなる群より選ばれる少なくとも一症状である[7]記載の剤。
[9]中枢神経疾患の改善または予防に用いられるものである[5]記載の剤。
[10]還元型補酵素Qが還元型補酵素Q10(式中nが10である)である[1]〜[9]いずれか1項に記載の剤。
[11]剤中の還元型補酵素Qの含有量が0.001〜99重量%である[1]〜[10]いずれか1項に記載の剤。
[12]さらに、下記式(2):
Figure 2007119578
(式中nは1〜12の整数を表す)で表される酸化型補酵素Qを含有する[1]〜[11]いずれか1項に記載の剤。
[13]酸化型補酵素Qが酸化型補酵素Q10(式中nが10である)である[12]記載の剤。
[14]アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、神経成長因子、ドーパミン、エダラボン、および組織プラスミノーゲン活性化因子からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の化合物を付加的に含有する[1]〜[13]いずれか1項に記載の剤。
[15]アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、神経成長因子、ドーパミン、エダラボン、および組織プラスミノーゲン活性化因子からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の化合物を用いた治療、ワクチン治療、または遺伝子治療を実施している患者を対象とした、[1]〜[13]いずれか1項に記載の剤。
[16][1]〜[15]いずれか1項に記載の剤を有効成分として含有する医薬品。
[17][1]〜[15]いずれか1項に記載の剤を有効成分として含有する医薬部外品。
[18][1]〜[15]いずれか1項に記載の剤を含有する食品または機能性食品。
[19][1]〜[15]いずれか1項に記載の剤を含有する栄養サプリメント。
[20][1]〜[15]いずれか1項に記載の剤を有効成分として含有する動物医薬品。
[21][1]〜[15]いずれか1項に記載の剤を含有するペットフード、飼料または餌料。
[22]上記式(1)(式中nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Qの有効量を投与対象に投与する工程を含む、神経系細胞機能改善方法。
[23]神経系細胞賦活方法である[22]記載の方法。
[24]認知機能の促進方法である[23]記載の方法。
[25]学習または記憶障害の改善方法である[23]記載の方法。
[26]神経系細胞保護方法である[22]記載の方法。
[27]神経が中枢神経である[23]または[26]記載の方法。
[28]神経障害症状の改善または予防方法である[26]記載の方法。
[29]神経障害症状が、運動失調、認知機能不全、意識障害、感覚障害、難聴、一過性失明、同名性半盲、失語、交代性片麻痺、反対側片麻痺、両側性四肢麻痺、めまい、耳鳴、聴覚障害、眼振、複視、振戦、手足のしびれ、および昏睡からなる群より選ばれる少なくとも一症状である[28]記載の方法。
[30]中枢神経疾患の改善または予防方法である[26]記載の方法。
[31]さらに、上記式(2)(式中nは1〜12の整数を表す)で表される酸化型補酵素Qの有効量を投与対象に投与する工程を含む、[22]〜[30]いずれか1項に記載の方法。
[32]神経組織中の補酵素Q濃度を増加させる方法である[22]記載の方法。
[33][1]〜[11]いずれか1項に記載の剤の製造のための上記式(1)(式中nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Qの使用。
[34][12]または[13]記載の剤の製造のための上記式(1)(式中nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Qおよび上記式(2)(式中nは1〜12の整数を表す)で表される酸化型補酵素Qの使用。
[35]神経組織中の補酵素Q濃度を増加させるための[1]〜[13]いずれか1項に記載の剤。
[36]還元型補酵素Qが神経系細胞機能改善作用を有することを表示した、包装用容器および/または販売促進用ツールを用いて販売することを特徴とする、還元型補酵素Qを含む神経系細胞機能改善用組成物の販売方法。
[37]神経系細胞機能改善作用が神経系細胞賦活作用である[36]記載の販売方法。
[38]神経系細胞賦活作用が認知機能の促進作用である[37]記載の販売方法。
[39]神経系細胞賦活作用が学習または記憶障害の改善作用である[37]記載の販売方法。
[40]神経系細胞機能改善作用が神経系細胞保護作用である[36]記載の販売方法。
[41]神経系細胞保護作用が、神経障害症状の改善・予防作用である[40]記載の販売方法。
[42]神経が中枢神経である[37]または[40]記載の販売方法。
[43]還元型補酵素Qを有効成分とする組成物、および該組成物を神経系細胞機能を改善するために使用することができる、または使用すべきであることを記載した、該組成物に関する記載物を含む商業的パッケージ。
本発明の神経系細胞機能改善剤は脳内の神経系細胞を賦活させ、さらに外的または内的ストレス等から神経系細胞を保護する作用を有するため、中枢神経疾患を改善および予防できる。
本発明の神経系細胞機能剤の活性成分である還元型補酵素Qは、酸化型補酵素Qと比較して、よりすぐれた神経系細胞または神経組織の変性を改善または予防する作用を有する。したがって、本発明の神経系細胞機能改善剤によって神経障害症状の改善もしくはその発生を予防する組成物を提供することができる。また、特に認知機能の促進および学習・記憶障害の改善効果が高く、効果の出現が早く、より使用量の少ない、より安全な神経系細胞機能改善剤を提供することができる。さらに本発明により、神経障害症状改善もしくはその発生の予防方法、認知機能の促進方法、学習・障害改善方法を提供することができる。また本発明の神経系細胞機能改善剤は、医薬品、医薬部外品、食品、機能性食品、栄養サプリメント、動物医薬品、ペットフード、飼料または餌料として有用である。
以下に、本発明を詳しく説明する。
本発明の神経系細胞機能改善剤は、下記一般式(1):
Figure 2007119578
(式中nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Qを有効成分とする組成物である。
本明細書において、本発明の神経系細胞機能改善剤を、本発明の還元型補酵素Qを含有する組成物または本発明の組成物ということもある。
上述したように、補酵素Qには下記一般式(2):
Figure 2007119578
(式中nは1〜12の整数を表す)で表される酸化型補酵素Qと前記一般式(1)
で表わされる還元型補酵素Qとが存在し、還元型補酵素Qは、広く生物界に分布するベンゾキノン誘導体である酸化型補酵素Qの2電子還元体である。
本発明の組成物やそれを用いた方法および販売方法においては、上記補酵素Qの内、還元型補酵素Qをその有効成分の対象とするものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化型補酵素Qが混在していてもよい。補酵素Qとして、還元型補酵素Qと酸化型補酵素Qの混合物を使用する場合の還元型補酵素Qと酸化型補酵素Qの割合は、本発明の効果を最大化させるという観点から、補酵素Q全体に対して還元型補酵素Qの割合が80重量%以上であるのが好ましく、90重量%以上であるのがさらに好ましく、95重量%以上であるのが最も好ましい。上限は特に限定されず、還元型補酵素Qの含有量が高いほど好ましいが、混合物としては例えば99.5重量%以下である。
本発明の神経系細胞機能改善剤の有効成分である還元型補酵素Q、または還元型補酵素Qと酸化型補酵素Qの混合物を得る方法としては特に限定されず、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出などの従来公知の方法により酸化型を主成分とする補酵素Qを得た後、必要に応じてクロマトグラフィーにより流出液中の還元型補酵素Q区分を濃縮する方法などを採用することが出来る。また、還元型補酵素Qを得る場合には、必要に応じて上記補酵素Qに対し、水素化ほう素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム(ハイドロサルファイトナトリウム)などの一般的な還元剤を添加し、常法により上記補酵素Q中の酸化型補酵素Qを還元して還元型補酵素Qとした後にクロマトグラフィーによる濃縮を行っても良い。また、既存の高純度酸化型補酵素Qに上記還元剤を作用させる方法によっても還元型補酵素Qを得ることが出来る。
本発明の神経系細胞機能改善剤の有効成分である還元型補酵素Qやその混合成分として用いられる酸化型補酵素Qには、前記式(1)や(2)で表されるように、側鎖の繰り返し単位(式中n)が1〜12のものがあるが、なかでも側鎖の繰り返し単位が10のもの、すなわち補酵素Q10が、ヒトを始め、イヌなどの多くの愛玩動物における生体中の補酵素Qの成分であることから、安全性と効果の観点において、補酵素Q10が特に好ましい。
本発明の神経系細胞機能改善剤における神経系細胞とは、脳・脊髄などのような中枢神経を構成する細胞、または脳神経・脊髄神経などの末梢神経を構成する細胞を指し、具体的には、神経細胞、グリア細胞(オリゴデンドロサイト、アストロサイト、シュワン細胞、ミクログリア)などが挙げられる。また神経系細胞機能改善とは、神経系細胞が保持する数多くの細胞機能を発現する際に細胞中のエネルギー源であるATPの産生を活性化し、常態よりも効率よく機能を果たす作用、または疾患や老化等が原因となり細胞の機能が異常を呈している状態から正常の機能を呈する状態に改善する作用をいう。本発明の神経系細胞機能改善剤は、例えば神経系細胞賦活剤および神経系細胞保護剤等として用いることができる。なお本明細書においては神経系細胞賦活剤および神経系細胞保護剤は、還元型補酵素Qを有効成分とする、脳内神経系細胞賦活組成物および脳内神経系細胞保護組成物と同じ概念である。
本発明の神経系細胞賦活剤における神経系細胞賦活とは、神経細胞、特に中枢神経細胞、具体的には脳内神経系細胞(グリア細胞または神経細胞)が保持する数多くの細胞機能を発現する際に細胞中のエネルギー源であるATPの産生を活性化し、常態よりも効率よく機能を果たす状態または、疾患や老化等が原因となり細胞の機能が異常を呈している状態から正常の機能を呈する状態に改善することを指している。よって本発明の神経系細胞賦活剤は、認知機能の促進(認知機能の促進用組成物として)および学習・記憶障害の改善等に用いることができる。
また本発明の神経系細胞保護剤における神経系細胞保護とは、様々なストレスから神経細胞、特に中枢神経細胞、具体的には脳内神経系細胞(グリア細胞または神経細胞)を保護することを指している。さらに細胞が賦活されることにより、様々な化学的、生物学的または物理学的ストレスに対する抵抗性も向上し、結果として細胞が様々なストレスから保護される。よって本発明の神経系細胞保護剤は、神経障害症状の改善または予防(神経障害症状の改善用または予防用組成物として)および中枢神経疾患の改善または予防等に用いることができる。
すなわち本発明の還元型補酵素Q10を含む組成物は、神経系細胞(グリア細胞または神経細胞)の様々な化学的、生物学的または物理学的ストレスからの保護のみではなく、神経系細胞(グリア細胞または神経細胞)の賦活作用も有するため、様々なストレスからの障害を未然に防ぎ、中枢神経疾患を予防することができる。本発明における中枢神経疾患とは、神経変性疾患のうち、脳の各部分の病変や脊髄に異常がある障害や病気である。具体的な疾患としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、認知症および脳卒中等が挙げられるが、その他、神経細胞の賦活作用や保護作用によって、その症状の改善が期待できる疾患にも適用される。
本発明における神経障害症状とは、神経変性疾患に由来または付随する症状である。神経変性疾患とは、神経組織の変性を伴う正常な神経伝達機能が脱落した疾患をすべて包含する。神経変性疾患の病因には、例えば、肝性脳症性、感染性、毒物性、自己免疫性、または虚血性などが考えられ、例えばアルコール中毒、アミロイドーシス、HIV、梅毒、ウイルス、自己免疫疾患、癌、ポルフィリン症、くも膜炎、糖尿病、毒素、鉛、ビタミン不足、パクリタキセル化学療法やHAART療法などの化学物質、神経組織に対する外傷、圧迫、狭窄などの物理的損傷などが挙げられるが、これらに限定されない。
神経変性疾患には、上述したものの他、例えば、脊髄小脳失調症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、皮質基底核変性症、びまん性レビー小体病、線条体−黒質変性症、舞踏病−無定位運動症、ジストニア、メージ症候群、晩発性小脳皮質萎縮症、家族性痙性対麻痺、運動神経病、マッカードジョセフ病、ピック病、脳卒中、脳梗塞、一過性虚血発作、クモ膜下出血、脳脊髄外傷後の神経機能障害、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、急性小脳炎、横断性脊髄炎、脳腫瘍、髄膜炎、脳膿瘍、クロイツフェルド−ヤコブ病、コルサコフ病、ダウン症、パーキンソン病、進行性核上麻痺、筋萎縮性側索硬化症、脊髄筋萎縮症、緑内障、てんかんおよびメニエール病などが挙げられる。
前記の神経組織とは、神経系を構成する種々の細胞および構成構造成分を指し、具体的には、神経細胞、神経支持細胞、グリア細胞、シュワン細胞、およびそれら細胞群を取り巻く血管系細胞、リンパ系細胞、および脳脊髄液、血液、リンパ液を指す。神経組織は、生体内の如何なる神経組織であってもよく、例えば、脳、脳幹、脊髄などの中枢神経でもよく、例えば、交感神経、副交感神経などの自律神経系を含む末梢神経であってもよい。
本発明における神経障害とは、上記神経変性疾患に伴う機能不全およびそれに付随して発生する各種症状であれば特に限定されないが、例えば、末梢神経障害、糖尿病性神経障害、自律神経障害および単神経障害が挙げられる。神経障害症状としては、具体的には、運動失調、認知機能不全、意識障害、感覚障害、難聴、一過性失明、同名性半盲、失語、交代性片麻痺、反対側片麻痺、両側性四肢麻痺、めまい、耳鳴、聴覚障害、眼振、複視、振戦、手足のしびれ、および昏睡などが挙げられる。
本発明における神経障害症状に対する有用性とは、神経変性疾患などに付随して発生する神経障害症状の予防および改善および/または神経細胞やその他神経組織の再生を伴う組織学的および機能的な回復を意味する。
本発明における認知機能とは、聴覚刺激、視覚刺激、嗅覚刺激、味覚刺激および痛覚刺激からなる群から選ばれる事象に対する刺激受容感度、処理速度、応答速度、集中力、意識レベル、または弁別能力を指す。具体的には、外界の情報(音、言葉、空間、色、人、物、匂い、甘い、辛い、酸っぱい、苦い、痛い、熱い、冷たいなど)を知覚し、外界の情報が何であるのかを過去の経験などに基づき判断したり解釈したり、記憶したりする複合的な過程を指し、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、発話および判断力を含む。認知機能の促進とは、上記認知機能の各過程における感度、処理速度、応答性、正確性、詳細性および認知機能により得られた情報の短期間および長期間における情報保持の正確性、詳細性などの向上を指し、例えば、短時間から長時間記憶する能力、共通性および差異を認識する能力、新規情報の習得(短時間に新しい事を覚えるおよび/または多くの新しい事を覚える)、物や人や空間を認識する能力、計算能力、筆記能力、注意力、集中力、聴力などの学習および記憶に関連する能力の亢進・向上が挙げられる。
本発明の神経系細胞機能改善剤を経口投与する場合の投与(摂取)量は、還元型補酵素Qの量として、ヒト(成人)1日当り1〜1200mgであるのが好ましく、有用性および経済性の観点から10〜800mgがより好ましく、常用的な摂取の観点から30〜300mgが特に好ましい。対象が子供や動物の場合は、上記好ましい投与量を体重あたり適宜換算して投与できる。
上記投与(摂取)量は、製剤の剤型によって異なることも知られており、高吸収性製剤であれば、更に低い摂取量で、所定の目的を達することもできる。
上記1日あたりの量は1回もしくは数回(例えば、3回)に分けて摂取することができる。
本発明においては、上記の1回投与(摂取)量を1単位包装にすることができる。例えば、食品がいわゆる健康食品、医薬であるような場合には、上記の量を1回投与(摂取)あたりの投与(摂取)単位量の形態で包装された形態などが挙げられる。例えば、食品が健康ドリンク剤であるような場合には、上記の量を懸濁あるいは溶解したドリンクが1食あたり飲み切りの形態でビン等に入れられている形態などが挙げられる。
本発明の組成物中の還元型補酵素Qの含有量は、目的とする効果を発揮する範囲であれば特に限定されないが、組成物全体重量に対し、0.001〜99重量%が好ましく、製剤的な制約から、0.001〜60重量%が好ましく、十分な効果と投与(摂取)量を考慮して、1〜60重量%がさらに好ましく、製剤的制約、効果と投与量、および他剤付加や製剤的な工夫など商品の実用上のパッケージ(合剤)の観点から5〜50重量%が最も好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、還元型補酵素Qを含む組成物の有用な効果を増加させるために、他の有用な化合物または抽出物と組み合わせることができる(組み合わせることができる化合物等を併用剤ということもある)。例えば、神経変性疾患に有用であるとされる化合物または抽出物と還元型補酵素Qとの2種以上の組み合わせは、有用な作用機序の複合化に伴う有用な作用の相加、相乗効果を得られるという観点から、還元型補酵素Q単独と比較して極めて優れた有用性を示すと考えられる。例えば、神経障害症状を減少させるだけでなく、神経細胞および/または神経組織保護を始めとした神経組織の変性抑制および/または神経組織の再生を促進し得ると考えられる。以下の併用剤は、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
還元型補酵素Qと共に上記の様な有用な効果を相加、相乗的に示すものとしては、神経細胞の能力を改善する作用、神経細胞および/または神経組織障害を抑制し神経組織を保護する作用、および神経組織の再生を促進する作用などの効果を有する化合物または抽出物が挙げられる。詳しくは後述するが、好ましくはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、神経成長因子、ドーパミン、エダラボン、および組織プラスミノーゲン活性化因子からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の化合物が挙げられる。
例えば、脳機能賦活・脳循環代謝改善剤、抗てんかん剤、抗パーキンソン剤、抗血小板剤、抗凝血剤、血栓溶解剤、中枢神経作用剤(認知症改善剤など)、および抗酸化剤に代表される活性酸素消去剤などが挙げられ、具体的には、ニセルゴリン、塩酸メクロフェノキサート、酒石酸イフェンプロジル、アデノシン三リン酸二ナトリウム、イブジラス卜、メシル酸ジヒドロエルゴトキシン、アセチルフェネトライド、プリミドン、エトトイン、スルチアム、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、エトスクシミド、ゾニサミド、クロバザム、トリメタジオン、クロナゼパム、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、塩酸タリペキソール、カベルゴリン、塩酸プラミペキソール水和物、塩酸セレギリン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸ビペリデン、塩酸プロフェナミン、塩酸メチキセン、塩酸アマンタジン、ドロキシドパ、ピロヘプチン、塩酸マザチコール、非ステロイド系抗炎症剤であるアスピリン、イブプロフェンおよびジクロフェナク、塩酸チクロピジン、シロスタゾール、トロンボキサン合成酵素阻害剤であるオザグレルナトリウム、アルプロスタジル、リマプロストアルファデクスワルファリン、チアプリド、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、タクリンおよびドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、マジンドール、タルチレリン、テルグリド、ホパテン酸カルシウム、ピラセタムなどが挙げられる。
特に、還元型補酵素Qとアルツハイマー病などの認知症の改善に使用されているアセチルコリンエステラーゼ阻害剤との併用は、上記有用な作用機序の複合化に伴う有用な作用の相加、相乗効果を得られるという観点から特に好ましい。
また、神経栄養因子活性の増強作用、神経変性の抑制作用、βアミロイド毒性の抑制作用、および/または神経伝達機能の増加作用を有する化合物として、例えば、神経成長因子(NGF)、ドーパミンまたはその類似物質、セロトニン、アドレナリン、ノルアドレナリン、グルタミン酸、アセチルコリン、コリン、およびγ−アミノ酪酸などの神経伝達物質が挙げられ、これら化合物と還元型補酵素Qを組み合わせた組成物は、神経障害症状の改善用または予防用、および認知機能の促進用組成物として有用であり、特に、NGFおよび/またはドーパミンと還元型補酵素Qとの組み合わせが好ましい。また、例えば、トリプトファン、フェニルアラニン、またはチロシンなどの神経伝達の前駆体または神経伝達物質や、カルシウム拮抗剤、NMDA拮抗剤、NO合成阻害剤と還元型補酵素Qとの組み合わせも同様に神経障害症状の改善用または予防用、および認知機能の促進用組成物として有用である。
また、その他還元型補酵素Qと組み合わせることのできる化合物または抽出物としては、活性酸素消去作用、脳機能賦活・脳循環代謝改善作用、認知機能障害の抑制作用、アミロイド低下作用などを示す化合物または抽出物が挙げられ、具体的には、例えば、エダラボン、Disodium−[(tert−butylamino)methyl]benzene−1,3−disulfonate N−oxide、R−fluribiprofen、プロブコール、ビタミンA、ビタミンB類およびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、カロテノイド類、不飽和脂肪酸類、ポリフェノール類、グルタチオン、ピロロキノリンキノンおよびピロロキノリンキノン誘導体、スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、グルタチオン還元酵素、カタラーゼ、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ、ナットウキナーゼ、メラトニン、クルクミン、アスタキサンチン、ヒューバジンA、N−アセチルシステインおよびその誘導体、タウリン、オリーブ油、フォスファチジルセリン、セントジョーンズ・ワート、テルペン類、ニンニク抽出物、当帰芍薬散、L−カルニチンおよびその誘導体、α−リポ酸およびその誘導体、イチョウ葉エキス、鉄剤、亜鉛、マグネシウム、セレン、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記ビタミンB類としては、例えば、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸、ピリドキシン、シアノコバラミン、葉酸、イノシトール、パラアミノ安息香酸、ビオチンなどが挙げられる。
上記カロテノイド類としては、例えば、リコピン、β−カロチン、ルテイン、ゼアキサンチンなどが挙げられる。
不飽和脂肪酸類としては、例えば、DHA、EPA、アラキドン酸およびその誘導体、γ−リノレン酸およびその誘導体などが挙げられる。
上記ポリフェノール類としては、例えば、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニン、ピクノジェノール(プラバンジェノール)、フラボノイドなどが挙げられる。
特に、脳梗塞などの虚血性神経変性疾患に由来または付随する神経障害症状の改善を目的とした場合、還元型補酵素Qと、フマル酸ニゾフェノン、塩酸トリメタジジン、エダラボン、Disodium−[(tert−butylamino)methyl]benzene−1,3−disulfonate N−oxideおよび組織プラスミノーゲン活性化因子から選択した1つ以上の化合物とを併用することが好ましい。
上記還元型補酵素Qと組み合わすことの好ましい化合物や抽出物は、本発明の組成物中に還元型補酵素Qと共に含有させる(本発明の組成物と併用薬剤とを含む単一の製剤として投与)こともできるが、対象者に別々に投与すること(本発明の組成物と併用薬剤とを別々の製剤として投与)も出来る。これらの投与時期は限定されず、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。例えば、上記化合物または抽出物を用いた治療(好ましくは、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、神経成長因子、ドーパミン、エダラボン、および組織プラスミノーゲン活性化因子からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の化合物を用いた治療)を実施している患者を対象として、本発明の還元型補酵素Qを含む組成物を利用することも出来る。さらに、ワクチン治療、または遺伝子治療を実施している患者を対象として、本発明の還元型補酵素Qを含む組成物を利用することも出来る。
ここでいう、ワクチン治療とは、例えば、アミロイド・ベータ(Aβ)に対する抗体産生を介する神経変性疾患の改善を目的とした治療が挙げられ、Aβなどの物質を抗原として投与、または体内で発現させるDNAワクチンを投与するなどの方法を指す。
遺伝子治療とは、例えば、ネプリライシンやドーパミンなどの神経変性疾患の原因および/または抑制する物質に関連したDNAやRNAなどを投与し、神経変性疾患の原因または関連物質の発現、産生、分泌、代謝を調節し、神経変性疾患を改善する治療方法である。また、遺伝子治療には、例えば、神経変性疾患の原因または関連物質の発現、産生、分泌、代謝を調節した細胞を移入する細胞療法なども含まれる。
本発明の組成物には、更に、還元型補酵素Qや還元型補酵素Qと酸化型補酵素Qの混合物の他に薬剤学的および食品衛生学的に許容される他の素材を常法により適宜添加混合してもよい。このようなものとしては特に限定されず、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、コーティング剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤、健康食品素材、栄養補助食品素材、ビタミン、香料、甘味剤、防腐剤、保存剤、抗酸化剤などが挙げられる。また、各種疾患の対策として用いられる場合には、それら疾患に対する公知の薬剤と併用することもできる。
上記賦形剤としては特に限定されず、例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、コーンスターチ、マンニトール、結晶セルロース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。
上記崩壊剤としては特に限定されず、例えば、澱粉、寒天、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、デキストリン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、トラガントなどが挙げられる。
上記滑沢剤としては特に限定されず、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸、オレイン酸カリウム、カプリル酸、フマル酸ステアリルナトリウム、パルミチン酸マグネシウムまたはそのような潤滑剤の配合物等が挙げられる。
上記結合剤としては特に限定されず、でんぷん及びその誘導体(アルファー化デンプン、デキストリン等)、セルロース及びその誘導体(エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、糖類(ブドウ糖、白糖等)、エタノール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
上記コーティング剤としては特に限定されず、セルロース誘導体(ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)、セラック、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン類(ポリ−2−ビニルピリジン、ポリ−2−ビニル−5−エチルピリジン等)、ポリビニルアセチルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコールフタレート、メタアクリレート・メタアクリル酸共重合体等が挙げられる。
上記着色剤としては特に限定されず、医薬品あるいは食品に添加することが許可されているものなどを使用することができ、例えば、青色1号、黄色4号、緑色3号、赤色5号、レーキ色素、二酸化チタン、赤キャベツ色素、紅麹色素、ムラサキイモ色素、クチナシ色素、コチニール色素などが挙げられる。
上記凝集防止剤としては特に限定されず、医薬品あるいは食品に添加することが許可されているものを使用することができ、例えば、ステアリン酸、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ酸等などが挙げられる。
上記吸収促進剤としては特に限定されず、例えば高級アルコール類、高級脂肪酸類、グリセリン脂肪酸エステルなどの界面活性剤などが挙げられる。
上記溶解補助剤としては特に限定されず、例えばアジピン酸、L−アルギニン、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、エステル化トウモロコシ油、エタノール、塩化マグネシウム、塩酸、オリーブ油、カルメロースナトリウム、乾燥炭酸ナトリウム、希塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリシン、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ゲラニオール、ゴマ油、酢酸フタル酸セルロース、サリチル酸ナトリウム、酸化マグネシウム、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ジブチルヒドロキシトルエン、酒石酸、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化ナトリウム、セスキオレイン酸ソルビタン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、ダイズ油、大豆レシチン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、トリオレイン酸ソルビタン、ニコチン酸アミド、乳酸、濃グリセリン、白銅、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒマシ油、氷酢酸、ブドウ糖、プロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポビドン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリソルベート、ポリビニルアルコール、マクロゴール、D−マンニトール、ミリスチン酸イソプロピル、無水エタノール、無水クエン酸、モノオレイン酸ソルビタン、ラウリルマクロゴール、リドカイン、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなどが挙げられる。
上記安定化剤としては特に限定されず、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチルなどが挙げられる。
上記健康食品素材としては特に限定されず、漢方薬(例えば、胃苓湯、温経湯、温清飲、黄耆建中湯、黄連解毒湯、黄連湯、葛根湯、加味帰脾湯、加味逍遙散、甘麦大棗湯、桔梗湯、帰脾湯、九味檳榔湯、荊芥連翹湯、桂枝加芍薬大黄湯、桂皮加芍薬湯、桂皮加竜骨牡蛎湯、桂枝湯、桂枝人参湯、桂枝茯苓丸、啓脾湯、香蘇散、五虎湯、五積散、牛車腎気丸、五淋散、柴陥湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡桂枝湯、柴胡清肝湯、柴朴湯、柴苓湯、酸棗仁湯、滋陰降火湯、四逆散、四君子湯、四物湯、炙甘草湯、芍薬甘草湯、十全大補湯、十味敗毒湯、小建中湯、小柴胡湯、小青竜湯、消風散、辛夷清肺湯、神秘湯、真武湯、清上防風湯、清暑益気湯、清心蓮子飲、清肺湯、疎経活血湯、大黄甘草湯、大黄牡丹皮湯、大建中湯、大柴胡湯、大柴胡湯去大黄、大承気湯、大防風湯、治打撲一方、調胃承気湯、釣藤散、腸癰湯、猪苓湯、猪苓湯合四物湯、通導散、桃核承気湯、当帰飲子、当帰建中湯、当帰芍薬散、当帰湯、二陳湯、女神散、人参湯、人参養栄湯、排膿散及湯、麦門冬湯、八味地黄丸、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、白虎加人参湯、茯苓飲、茯苓飲合半夏厚朴湯、平胃散、防已黄耆湯、防風通聖散、補中益気湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、麻杏甘石湯、麻子仁丸、木防已湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、六君子湯、立効散、竜胆瀉肝湯、苓甘姜味辛夏仁湯、六味丸など)、茶葉(例えば、緑茶、玄米茶、抹茶、煎茶、ほうじ茶、焙茶、ジャスミン茶、ウーロン茶、紅茶、黒茶、花茶、青茶、白茶など)、ハーブ(例えばイタリアンパセリ、エリキャンペーン、オリーブ、オレガノ、カールドン、カモミール、カレープラント、キャットニップ、キャラウェイ、クリスマスローズ、クリムソンクローバ、コーンフラワー、コモンマロウ、サラダバーネット、サントリナ、シナモン、ジャスミン、ステビア、セージ、セイヨウボダイジュ、センテッドゼラニウム、セントジョーンズワート、ソープワート、ソロモンズシール、タイム、タンジー、チャービル、チャイブ、ナスタチウム、ナツメ、バジル、ハニーサックル、ヒソップ、フラックス、フェンネル、フォックスグローブ、ブラックリーホーリーホック、フレンチマリーゴールド、ベトニー、ヘリオトロープ、ベルガモット、ヘンプアグリモニー、ヘンルーダ、ポットマリーゴールド、ボリジ、ホワイトホアハウンド、マートル、マーレイン、マジョラム、ミント、ヤロウ、ラベンダー、レディースベッドストロー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ロケット、ワイルドストロベリー、ワイルドパンジー、わすれな草など)、プロポリス、イチョウ葉、青汁およびこれらの抽出物などが挙げられる。
栄養補助食品素材としては特に限定されず、アミノ酸類、金属イオン類、蛋白質類、糖類、脂肪酸類、酵母抽出物、野菜抽出物、魚肉抽出物、果実、果実抽出物、N‐アセチルグルコサミン、S‐アデノシルメチオニン、テトラヒドロビオプテリンなどが挙げられる。
上記ビタミンとしては特に限定されず、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKおよびこれらの誘導体などが挙げられる。
上記香料としては、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3,1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルエチニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラゾン、エチルラクテート、エチルチオアセテートなどの単品香料、更に、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウインターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミール油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワーなどの天然香料、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバーなどの調合香料などが挙げられる。
甘味剤としてはサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチンなどが挙げられる。
防腐剤としては、アミノエチルスルホン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、エタノール、エデト酸ナトリウム、カンテン、dl−カンフル、クエン酸、クエン酸ナトリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸フェニル、ジブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、窒素、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、2−ナフトール、白糖、ハチミツ、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、l−メントール、ユーカリ油などが挙げられる。
保存剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、エタノール、エデト酸ナトリウム、乾燥亜硫酸ナトリウム、クエン酸、グリセリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、D−ソルビトール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、プロピレングリコール、リン酸などが挙げられる。
抗酸化剤としては、クエン酸、クエン酸誘導体、ビタミンCおよびその誘導体、リコペン、ビタミンA、カロテノイド類、ビタミンBおよびその誘導体、フラボノイド類、ポリフェノール類、グルタチオン、セレン、チオ硫酸ナトリウム、ビタミンEおよびその誘導体、αリポ酸およびその誘導体、ピクノジェノール、フラバンジェノール、スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、グルタチオン還元酵素、カタラーゼ、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ、およびこれらの混合物などが挙げられる。特に抗酸化剤は還元型補酵素Qの酸化に対する安定性を高め、より安定した高い効果を得る観点から特に好ましい添加物として使用される。
本発明の還元型補酵素Qを含有する組成物を作製する際の還元型補酵素Qの含有量、剤型、保存方法および保存形態は、その用途に応じて適宜決定できる。本発明の組成物は、神経変性疾患に由来または付随する神経障害症状の低減用またはその発生の予防用、および認知機能の促進用などの治療・医薬目的でも使用できるが、日常の健康維持や促進などを目的としても使用できる。
本発明の組成物の用法、用量、送達技術、送達経路(投与方法)、および送達用担体もしくは処方などは特に限定されないが、有効性、利便性、経済性、汎用性、安全性などを考慮し、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定され得る。また、併用または合剤化する化合物または抽出物により用法、用量、送達技術、送達経路(投与方法)、および送達用担体もしくは処方などは、有効性、利便性、経済性、汎用性、安全性などを考慮し、本発明の効果を損なわない範囲で適宜変更され得る。さらに、本組成物を投与もしくは摂取する患者または消費者により、用法、用量、送達技術、送達経路(投与方法)、および送達用担体もしくは処方などは、有効性、利便性、経済性、汎用性、安全性などを考慮し、本発明の効果を損なわない範囲で適宜変更され得る。
投与方法としては例えば、経口、静脈内、皮膚、皮下、筋肉内、舌下、経肺、経粘膜、経鼻などが挙げられる。また、投与経路により、同時または連続的に投与することができる。急性の神経障害症状の改善、速やかな効果発現、強力な効果発現、短期間での有用性発現を目的とした場合、静脈内投与などの急速投与が好ましい。また、中〜長期間の神経障害症状の低減またはその発生の予防、および認知機能の促進を目的とした場合は、経口投与(摂取)が好ましい。投与または摂取の対象としては、哺乳類の場合は、例えば、ヒト、霊長類、馬、鳥、ウシ、豚、イヌ、ネコ、ネズミが挙げられ、中でもヒトを対象とするのが好ましい。
本発明の組成物は、医薬品、医薬部外品、食品、機能性食品の他に、栄養サプリメント、健康食品、化粧料、動物用医薬品、動物用サプリメント、ペットフード、動物用飼料、魚などの餌料などに幅広く使用される。
本発明の還元型補酵素Qを含む組成物は、そのままであるいは他の薬学的に許容される成分と混合して医薬品または医薬部外品として使用される。医薬品または医薬部外品として使用される場合の製剤形態としては、注射剤、点滴剤、シロップ剤、外用液剤、ゼリー剤、軟膏剤、塗布剤、吸入剤、エアゾル剤、スプレー剤、坐剤、レクタルカプセル剤、注入剤および膣内投与のためのペッサリーなどの他、経口投与用の各種製剤が挙げられる。注射剤、点滴剤の適用としては、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、腹腔内、病巣などが挙げられる。注入剤の適用としては、直腸内、膣内などが挙げられる。経口投与用の各種製剤としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤などが挙げられる。上記製剤のうち、経口投与剤、吸入剤、注入剤、点滴剤または注射剤が好ましく、主として内服用途の経口投与剤、点滴剤、注射剤がより好ましい。
本発明の組成物を医薬品、医薬部外品として使用する場合、あるいは飲食品として摂取する場合の目的としては、例えば、神経障害症状の改善または神経障害の発生の予防が挙げられる。また、例えば、中枢神経疾患の改善または予防、認知能力の促進、学習・記憶障害の改善が挙げられる。
特に本発明の組成物は、認知能力の正常応答の低下予防、改善または向上作用を有し、意識レベルの正常応答の低下予防、改善または向上作用を有し、事象(聴覚刺激、視覚刺激、嗅覚刺激、味覚刺激、痛覚刺激)の分別能力の正常応答の低下予防、改善または向上作用を有することから、飲食品、医薬品、医薬部外品などとして有効である。また、認知能力の正常応答の低下予防、改善または向上作用は、注意、記憶、知覚、言語、計算などの正常機能の低下予防、改善または向上作用を目的とした飲食品、医薬品、医薬部外品、さらには、集中力の維持・向上、注意力の維持、頭をすっきりさせること、頭が冴えわたること、若返りなどを目的とした飲食品、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、乳幼児用食品、老人用食品などとして有効である。
また、本発明の還元型補酵素Qを含む組成物は、そのままであるいは他の食品や許容される成分と混合して、食品または機能性食品としても使用される。食品または機能性食品としては特に限定されるものではないが、還元型補酵素Qの日常的、効果的、および長期間摂取の観点から、飲料(例えば、清涼飲料、乳飲料、野菜・果汁飲料、酒類、茶)、ドリンク剤、スープなどの液状食品、カレーなどの乳状またはペースト状食品、ゼリー、グミなどの半固形状食品、自然流動食、半消化態栄養食および成分栄養食などに好ましく使用される。
本発明の還元型補酵素Qを含む組成物を、上記医薬品、医薬部外品、食品、機能性食品などに使用する場合、その形態や用途に応じて、水溶液の状態、粉体の状態、液状物の状態など適宜選択して使用できる。
本発明は、還元型補酵素Qが神経系細胞機能改善作用を有することを表示した、包装用容器および/または販売促進用ツールを用いて販売することを特徴とする、還元型補酵素Qを含む神経系細胞機能改善用組成物の販売方法を提供する。すなわち、飲食品、健康食品、特定保健用食品、栄養機能食品、乳幼児用食品、老人用食品などの、本発明の組成物を含む食品または機能性食品は、本発明の組成物を含む食品または機能性食品が神経系細胞機能改善作用(例、神経系細胞賦活作用、神経系細胞保護作用)、神経障害症状の改善もしくはその発生の予防作用、認知能力の改善または向上作用、中枢神経疾患の改善作用を有することを、包装用容器および/またはその販売を促進するためのツール(例えばパンフレットなど)に、記載または表示するなどして販売することもできる。この場合、上記作用の別の表現として、意識レベルの正常応答の低下予防、改善または向上作用;事象(聴覚刺激、視覚刺激、嗅覚刺激、味覚刺激、痛覚刺激)の分別能力の正常応答の低下予防、改善または向上作用;注意、記憶、知覚、言語、計算などの正常機能の低下予防、改善または向上作用;集中力の維持・向上、注意力の維持・向上、頭をすっきりさせること、頭が冴えわたること、若返りなどの作用;を有することなどを、本発明の組成物を含む食品または機能性食品の包装用容器および/またはその販売を促進するためのツール(例えばパンフレットなど)に記載または表示するなどして販売するものも含まれる。
上記の包装用容器および/または販売促進用ツールの記載または表示(インターネットなどの電子媒体を含む)方法として、具体的には、例えば、脳の写真や脳をイメージさせるイラストを使用する;老人、子供、女性の笑顔、家族的な集団が幸せに暮らすなどの写真やイラストを使用する;社会的に信頼が高く、または高いと患者や消費者が判断する社会的な資格所持者や権威者(医師、薬剤師、栄養士など)の意見の記載および/または写真またはイラストの表示を使用する;など、本組成物を使用し、神経障害症状の予防改善効果または認知機能の促進効果を明白に記載する、または対象となる患者または消費者に意識付けまたは暗示する表示方法が挙げられる。
神経障害症状の改善またはその発生の予防に関する具体的な表現としては、動き易い、軽やか、若返ったような気分、年齢を感じさせない、集中できる、やる気が出るといった表現が挙げられる。認知能力の促進に関する具体的な表現としては、例えば、物忘れの改善、ボケの予防および改善、ぼんやりするといった症状の改善、気持ちをすっきりするといった表現が挙げられる。また、例えば、名前、場所、および言葉を思い出す能力は加齢と共に低下する傾向にあるが、このような低下を抑制し、脳に優しい、何時までも若々しく、達者に、物忘れが少なくなった、ボケ防止、聡明さを保つ、脳をリフレッシュさせる、集中力を高める、記憶力を高める、脳の機能を活性化する、脳に良い、脳内(神経など)の細胞に大切な働きをする、脳の老化を防ぐ、脳のエネルギー生産を高めることができると言った表現などが挙げられる。
神経障害の改善または神経障害の発生の予防および認知能力の促進に関して共通する具体的な表現としては、言葉がすらすら出る、どもらなくなったといった表現が挙げられる。
還元型補酵素Qの摂取による有用性が得られる関与メカニズムとしては、特に限定されるわけではないが、例えば、還元型補酵素Qを含む組成物の摂取(投与)により、フリーラジカルを消去し脂質過酸化を抑制する作用により、脳細胞(血管内皮細胞・神経細胞)の酸化的障害を抑制すると考えられる。そして、この様な還元型補酵素Qの有用な効果が発現するためには、脳組織中の総補酵素Q濃度が増加しているか、酸化型補酵素Qに対する還元型補酵素Qの割合が増加しているか、またはその両方であると考えられる。そして、この様な神経組織中の総補酵素Q濃度増加および/または酸化型補酵素Qに対する還元型補酵素Qの割合の増加による直接的および/または間接的な効果により、認知機能の促進作用が発現していると予想される。すなわち、本発明の組成物は、神経組織中の補酵素Q濃度を増加するための組成物としても有用であり、本発明の組成物を投与することで、対象者の神経組織中の補酵素Q濃度を増加することが出来ると考えられる。
また、このような還元型補酵素Q摂取による有用性が得られる他のメカニズムとしては、必ずしも神経組織中の総補酵素Q濃度の増加および/または酸化型補酵素Qに対する還元型補酵素Qの割合の増加と直接的な相関が必要ではないが、生体中での還元型補酵素Qの直接的および間接的な作用を介して、認知機能の促進および維持に必要とされる神経組織の機能および構造が保護または促進されていると考えられる。特に、還元型補酵素Qの投与または摂取により、脳浮腫、脳梗塞、神経症候、遅発性神経細胞死などに伴う脳や脊髄の中の嗅球、大脳皮質、海馬、線条体、視床、間脳、中脳、小脳、橋、延髄、精髄、網膜領域での神経組織の変性や神経組織機能の低下を抑制していると考えられる。
また一方で、神経組織機能が促進している可能性も考えられ、例えば、脳内のアセチルコリントランスフェラーゼなどの神経伝達物質に関連した酵素や神経伝達物質そのものの量や存在を変化させていると考えられる。後述する実施例の試験結果より、中枢神経の変性を伴い学習・記憶障害を示すSAMP8マウスにおいて、還元型補酵素Qが、受動回避試験によって、その学習、記憶障害の進展を抑制または改善しているという結果が確認された。従って、還元型補酵素Qは認知機能、すなわち、暗室および明室を区別、認識し、暗室が危険であることを認識できる正常な応答反応を促進した。この暗室が危険であること認識するための過程としては、事象(聴覚刺激、視覚刺激、嗅覚刺激、味覚刺激、痛覚刺激)の分別能力の正常応答が促進していると考えられる。また、後述の実施例で認められた還元型補酵素Qの摂取に伴う有用性は、暗室が危険であるという情報の保持を促進していると考えられる。そして、情報の保持には、事象(聴覚刺激、視覚刺激、嗅覚刺激、味覚刺激、痛覚刺激)を統合し、判断する意識レベルの正常応答を促進していると考えられる。
また、本実施例で認められた還元型補酵素Qの摂取に伴う有用性は、保持した事象記憶を呼び出し(思い出し)、暗室へ侵入しないという適切な判断(正常応答)を促進したと考えられる。さらに、還元型補酵素Qは、例えば、脳梗塞急性期に作用し、脳浮腫、脳梗塞、神経症候、遅発性神経細胞死などの虚血性脳血管障害の発現および進展(増悪)を抑制することにより脳保護作用を示す。脳神経保護作用、梗塞周辺領域血流量低下に対する抑制作用、脳保護作用(脳浮腫および脳梗塞抑制作用、神経症候軽減作用)、遅発性神経細胞死抑制作用が得られると考えられる。また、前記の還元型補酵素Qの直接的および間接的なフリーラジカルの消去作用および脂質過酸化抑制作用、血管内皮細胞障害の抑制作用などの組織障害抑制作用も介在していると考えられる。
以上のことから、還元型補酵素Qを含む組成物の、経口投与・摂取での有用性は明らかであり、また、還元型補酵素Qそのものの高い安全性は、中〜長期間にわたる神経障害症状の改善または神経障害発生の予防や、さらには認知機能の促進を目的とした場合、医薬品、医薬部外品、食品、機能性食品として理想的である。
本発明の組成物は、これをそのまま、あるいは慣用の医薬製剤担体とともに医薬用組成物として、動物および人に投与することができる。
医薬用としての投与形態は、経口剤(エキス剤、エリキシル剤、シロップ剤、チンキ剤、リモナーデ剤等の液剤とカプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤等の固形剤)、注射剤、点鼻剤、点眼剤、坐剤、噴霧剤による投与、軟膏や貼付剤による皮膚からの投与などが挙げられる。
さらに食用としては、本発明の還元型補酵素Qを含む組成物をそのまま食するか、これらを含有する食品および飲料を食するなどが挙げられる。
栄養サプリメントとしては、本発明の還元型補酵素Qを含む組成物をそのまま食するか、これらを含有する食品および飲料を食するなどが考えられる。さらに同様の方法で健康食品や栄養補助食品として使用ができる。
動物用医薬としての投与形態は、経口剤(エキス剤、エリキシル剤、シロップ剤、チンキ剤、リモナーデ剤等の液剤とカプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤等の固形剤)、注射剤、点鼻剤、点眼剤、坐剤による投与、軟膏や貼付剤による皮膚からの投与などが挙げられる。
ペットフード、飼料および餌料としては、本発明の還元型補酵素Qを含む組成物をそのまま給餌するか、これらを含有する食品および飲料を給餌するなどが挙げられる。さらに同様の方法で動物用の健康食品や栄養補助食品として使用できる。
本発明は、還元型補酵素Qまたは/および酸化型補酵素Qの有効量を投与対象に投与する工程を含む、神経系細胞機能改善方法、神経系細胞賦活方法、認知機能の促進方法、神経系細胞保護方法、神経障害症状の改善または予防方法、中枢神経疾患の改善または予防方法もしくは神経組織中の補酵素Q濃度を増加させる方法を提供する。
還元型補酵素Qと酸化型補酵素Qとを投与(摂取)する場合、投与時に還元型補酵素Qと酸化型補酵素Qとを組み合わすことができるものであれば、還元型補酵素Qと酸化型補酵素Qとを同時に製剤化して得られる単一の製剤として投与しても、還元型補酵素Qと酸化型補酵素Qとを別々に製剤化して得られる2種の製剤を組み合わせて同時にあるいは時間差をおいて投与してもよい。
還元型補酵素Qを有効成分とする組成物、および該組成物を神経系細胞機能を改善するために使用することができる、または使用すべきであることを記載した、該組成物に関する記載物(例えば、上記方法を実施するためのキットを用いて上記方法を実施するための指示書)を含む商業的パッケージを含む。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(製造例1)還元型補酵素Q10の製造
1000gのエタノール中に、100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)、60gのL−アスコルビン酸を加え、78℃にて攪拌し、還元反応を行った。30時間後、50℃まで冷却し、同温を保持しながらエタノール330gと水70g添加した。このエタノール溶液(還元型補酵素Q10を100gを含む)を攪拌しながら、10℃/時間の冷却速度で2℃まで冷却し、白色のスラリーを得た。得られたスラリーを減圧濾過し、湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノールで順に洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)して、さらに湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶97gを得た。減圧乾燥を除く全ての操作は窒素雰囲気下で実施した。
(調製例1)還元型補酵素Q10を含むリポソームの調製
100ml容量のナス型フラスコにリポソームの脂質成分として、204mgの大豆由来レシチン(フォスファチジルコリン含有、日本精化株式会社)および10.5mgのコレステロール(和光純薬)を加えた。さらに20mlのクロロホルム(和光純薬)を加え脂質を溶解した。さらに還元型補酵素Q10(但し酸化型補酵素Q10を3%含む)を50mg加え、60℃で加温しながら溶解した。完全に溶解させた後、ロータリーエバポレーターによりクロロホルムを蒸発させ溶解成分を濃縮した。脂質のフィルムが形成されたことを確認後、ナス型フラスコをデシケーターに移し、真空ポンプにより吸引しながら2時間クロロホルムを蒸発させた。完全にクロロホルムを蒸発させた後、10mlの蒸留水を加え、超音波装置により脂質のフィルムを分散させリポソーム水溶液を調製した。均一に分散させたリポソーム水溶液を高圧乳化機により微粒子化し、リポソーム粒径のメジアン径が100nm以下になるまで乳化の操作を繰り返した。コントロールに用いるリポソーム水溶液は補酵素Q10を含まないものとした。調製したリポソーム水溶液は4℃で保存した。調製した補酵素Q10を含むリポソーム中の還元型補酵素Q10および酸化型補酵素Q10の存在比を高速液体クロマトグラフィーで測定した。さらに40℃で3日間インキュベーションした後の還元型補酵素Q10の割合を測定し還元型補酵素Q10を含むリポソームの酸化安定性を検討した。その結果を図1に示す。高圧乳化処理前のリポソームの補酵素Q総量に対する還元型補酵素Q10の割合は93.8%であった。また高圧乳化処理後には88.4%、40℃で3日間インキュベーションした後では75.8%であった。
(調製例2)酸化型補酵素Q10を含むリポソームの調製
還元型補酵素Q10の代わりに酸化型補酵素Q10(100%)を使用した他は、調製例1と同様にして、酸化型補酵素Q10を含むリポソームを調製した。
(実施例1)還元型補酵素Q10の細胞賦活効果
ヒトグリア細胞腫由来細胞(以下GI-1と略す、理化学研究所から分与)を200ユニットのペニシリン、0.1μg/mlストレプトマイシン、および10%牛胎児血清を含むダルベッコ変法MEM培地にて37℃、5%CO2条件下で継代培養した。10cmシャーレに5×106個の細胞を播種し、コンフルエントになるまで培養した。細胞がコンフルエントになった後、0.5%牛胎児血清を含む培地に置換し、補酵素Q10の濃度が50μg/mlになるように還元型補酵素Q10リポソームまたは酸化型補酵素Q10リポソームを添加した。コントロールには何も加えないものと、補酵素Q10を含まないリポソームのみを添加した。振盪器を用いて二日間培地を攪拌しながら培養した。培地を除去し、PBSで3回洗浄した後、トリプシンにより細胞を剥離し、遠心分離により細胞を回収した。回収した細胞をダルベッコ変法MEM培地(含10%牛胎児血清)に再懸濁し、96穴マイクロプレートに1×104cells/wellずつ播種し、37℃、5%CO2条件下で培養した。24時間後に培地を除去し、PBSで3回洗浄した後、ATP定量キット(パーキンエルマー)により細胞内ATP量を測定し比較した。比較した結果を図2に示した。還元型補酵素Q10リポソームまたは酸化型補酵素Q10リポソームを添加した場合、いずれも同等に細胞内ATPは増加した。
(実施例2)
<方法>
老化促進モデルマウス(SAMP8、3週齢、雄、各群N=8〜10)に、製造例1で得られた還元型補酵素Q10(但し、約1%の酸化型補酵素Q10を含む)を0.5%含有する飼料(CE−2、日本クレア社製)を与えた群および対照群として基礎飼料(CE−2、日本クレア社製)のみを与えた群を設定した。各群共に飼料は自由摂取させた。飼料の摂取量と動物の体重から得られた還元型補酵素Q10の投与量は、概ね300〜500mg/kg/dayに相当した。
学習・記憶機能に対する還元型補酵素Qの効果を、ステップスル−装置を用いた受動的回避実験により検討した。SAMP8マウスを明暗2室に分かれた装置の明室に入れると、マウスは暗いところを好むことから暗室に入る。暗室に入ると床から電流(0.5mA)を3秒間与えて、暗室が危険なことを教育した(獲得試行)。トレーニングから24時間後にマウスが暗室に入ると危険であることを覚えているかについて想起試行を行った。
即ちマウスを再び同じ装置に入れ、明室に留まっている時間を測定することにより、本発明の還元型補酵素Q摂取の有無におけるマウスの学習、記憶機能を比較した。なお対照食のみを摂取させたマウスを対照群とした。ケージの明室へ入れられたマウスが暗室へ移動するまでの時間(反応潜時(秒))を指標として、還元型補酵素Qの学習、記憶促進作用を検討した結果を図3に示す。マウスは普通暗室へ移動する性質を有しているが、学習、記憶が正常または学習、記憶機能が促進していると、暗室が危険であることが認識、判断でき、暗室への侵入をためらうという正常応答の結果、明室に留まるので、マウスの学習、記憶の能力に応じて反応潜時が長くなる。
<結果>
図3は、試験開始後8週間後(11週齢時)での対照群、還元型補酵素Q10摂取群での受動回避試験結果である。還元型補酵素Q群では、対照群と比較して反応潜時の増大を示した個体が増加した。以上の結果より、還元型補酵素Q10単独の短期投与による学習、記憶障害の改善効果が認められた。
(実施例3)還元型補酵素Q10の過酸化水素誘発性細胞死からの神経細胞保護効果
神経細胞死の原因の一つとして各種原因により生成される活性酸素種が知られている。そこで、PC12細胞に対して過酸化水素を曝露した場合の細胞死に対する還元型補酵素Q10の保護作用を調べた。PC12細胞を200ユニットのペニシリン、0.1μg/mlストレプトマイシン、10%ウマ血清および10%牛胎児血清を含むダルベッコ変法MEM培地にて37℃、5%CO2条件下で培養した。96穴マイクロプレートに1×104cells/wellずつ播種し、37℃、5%CO2条件下で培養した。24時間後に培地を除去し、還元型補酵素Q10および酸化型補酵素Q10(25、50、100μg/ml)を加えた、200ユニットのペニシリン、0.1μg/mlストレプトマイシン、および0.5%牛胎児血清を含むダルベッコ変法MEM培地で置換した。24時間後に同培地で最終濃度が0.06mMになるように過酸化水素を曝露し、その後37℃、5%CO2条件下で15分間培養した。PBSで3回洗浄した後、ATP定量キット(パーキンエルマー)により細胞内ATP量を測定し比較した。比較した結果を図4に示した。過酸化水素により誘発されたPC12細胞の細胞死は、酸化型補酵素Q10よりも還元型補酵素Q10において有意に保護された。
(製剤例1)注射剤
50mgの還元型補酵素Q10粉末、5gのマンニトール、100mgのヒト血清アルブミン、10mgのカプリル酸ナトリウムを加え、約50℃に加温し、還元型補酵素Qを水溶化する。その後、予め約50℃に加温しておいた生理食塩液を直ちに約80mLとなるように加え超音波処理により還元型補酵素Qを含んだ水溶液とし、さらに生理食塩液を加え全量として100mLにメスアップする。この液をメンブランろ過し、20mLずつバイアル充填し、窒素置換し密栓した後、121℃、20分の高圧蒸気滅菌する。これを常法により凍結乾燥し、還元型補酵素および酸化型補酵素Qを含む10mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
(製剤例2)ドリンク剤
5gの還元型補酵素Q10粉末、1gのグリセリン、10gのデガクリセリン脂肪酸エステル、150gの糖類、15gの蜂蜜、1gのアスコルビン酸、0.3gのクエン酸、2gのアスパラテーム、香料適量に水を加えて1000mLとし、これを95℃で20分間殺菌し、100mlずつ無菌的にビンに充填して、ドリンク剤を製造する。
(製剤例3)錠剤
20gの還元型補酵素Q10粉末、170gの乳糖、8gのトウモロコシデンプン、47gのカルボキシメチルセルロース、5gのステアリン酸マグネシウムを配合し、常法に従い錠剤を製造する。
(製剤例4)カプセル剤
100gの還元型補酵素Q10粉末、30gの乳糖、50gのトウモロコシデンプン、10gの微結晶セルロース、3gのステアリン酸マグネシウム、0.3gのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを配合し、常法に従いカプセル剤を製造する。
(製剤例5)親水軟膏剤
100gの還元型補酵素Q10粉末に白色ワセリン1kg、スクワレン100gを配合し、親水軟膏剤を製造する。
還元型補酵素Q10を含むリポソーム中の還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10の含量比を示す。 還元型補酵素Q10の神経系細胞賦活効果を示す。 SAMP8マウスの受動的回避学習、記憶障害に対する還元型補酵素Q投与による改善作用の結果を示すグラフ。図中、△および▲は対照群、○および●は還元型補酵素Q10投与群の各個体の反応潜時を示す。 還元型補酵素Q10の神経系細胞保護効果を示す。
以上、本発明の具体的な態様のいくつかを詳細に説明したが、当業者であれば示された特定の態様には、本発明の教示と利点から実質的に逸脱しない範囲で様々な修正と変更をなすことは可能である。従って、そのような修正及び変更も、すべて後記の請求の範囲で請求される本発明の精神と範囲内に含まれるものである。
本出願は日本で出願された特願2006−091490および特願2006−136232を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (43)

  1. 下記式(1):
    Figure 2007119578
    (式中nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Qを有効成分とする、神経系細胞機能改善剤。
  2. 神経系細胞賦活剤である請求項1記載の剤。
  3. 認知機能の促進に用いられるものである請求項2記載の剤。
  4. 学習または記憶障害の改善に用いられるものである請求項2記載の剤。
  5. 神経系細胞保護剤である請求項1記載の剤。
  6. 神経が中枢神経である請求項2または5記載の剤。
  7. 神経障害症状の改善または予防に用いられるものである請求項5記載の剤。
  8. 神経障害症状が、運動失調、認知機能不全、意識障害、感覚障害、難聴、一過性失明、同名性半盲、失語、交代性片麻痺、反対側片麻痺、両側性四肢麻痺、めまい、耳鳴、聴覚障害、眼振、複視、振戦、手足のしびれ、および昏睡からなる群より選ばれる少なくとも一症状である請求項7記載の剤。
  9. 中枢神経疾患の改善または予防に用いられるものである請求項5記載の剤。
  10. 還元型補酵素Qが還元型補酵素Q10(式中nが10である)である請求項1〜9いずれか1項に記載の剤。
  11. 剤中の還元型補酵素Qの含有量が0.001〜99重量%である請求項1〜10いずれか1項に記載の剤。
  12. さらに、下記式(2):
    Figure 2007119578

    (式中nは1〜12の整数を表す)で表される酸化型補酵素Qを含有する請求項1〜11いずれか1項に記載の剤。
  13. 酸化型補酵素Qが酸化型補酵素Q10(式中nが10である)である請求項12記載の剤。
  14. アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、神経成長因子、ドーパミン、エダラボン、および組織プラスミノーゲン活性化因子からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の化合物を付加的に含有する請求項1〜13いずれか1項に記載の剤。
  15. アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、神経成長因子、ドーパミン、エダラボン、および組織プラスミノーゲン活性化因子からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の化合物を用いた治療、ワクチン治療、または遺伝子治療を実施している患者を対象とした、請求項1〜13いずれか1項に記載の剤。
  16. 請求項1〜15いずれか1項に記載の剤を有効成分として含有する医薬品。
  17. 請求項1〜15いずれか1項に記載の剤を有効成分として含有する医薬部外品。
  18. 請求項1〜15いずれか1項に記載の剤を含有する食品または機能性食品。
  19. 請求項1〜15いずれか1項に記載の剤を含有する栄養サプリメント。
  20. 請求項1〜15いずれか1項に記載の剤を有効成分として含有する動物医薬品。
  21. 請求項1〜15いずれか1項に記載の剤を含有するペットフード、飼料または餌料。
  22. 下記式(1):
    Figure 2007119578
    (式中nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Qの有効量を投与対象に投与する工程を含む、神経系細胞機能改善方法。
  23. 神経系細胞賦活方法である請求項22記載の方法。
  24. 認知機能の促進方法である請求項23記載の方法。
  25. 学習または記憶障害の改善方法である請求項23記載の方法。
  26. 神経系細胞保護方法である請求項22記載の方法。
  27. 神経が中枢神経である請求項23または26記載の方法。
  28. 神経障害症状の改善または予防方法である請求項26記載の方法。
  29. 神経障害症状が、運動失調、認知機能不全、意識障害、感覚障害、難聴、一過性失明、同名性半盲、失語、交代性片麻痺、反対側片麻痺、両側性四肢麻痺、めまい、耳鳴、聴覚障害、眼振、複視、振戦、手足のしびれ、および昏睡からなる群より選ばれる少なくとも一症状である請求項28記載の方法。
  30. 中枢神経疾患の改善または予防方法である請求項26記載の方法。
  31. さらに、下記式(2):
    Figure 2007119578
    (式中nは1〜12の整数を表す)で表される酸化型補酵素Qの有効量を投与対象に投与する工程を含む、請求項22〜30いずれか1項に記載の方法。
  32. 神経組織中の補酵素Q濃度を増加させる方法である請求項22記載の方法。
  33. 請求項1〜11いずれか1項に記載の剤の製造のための下記式(1):
    Figure 2007119578
    (式中nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Qの使用。
  34. 請求項12または13記載の剤の製造のための下記式(1):
    Figure 2007119578
    (式中nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Qおよび
    式(2):
    Figure 2007119578
    (式中nは1〜12の整数を表す)で表される酸化型補酵素Qの使用。
  35. 神経組織中の補酵素Q濃度を増加させるための請求項1〜13いずれか1項に記載の剤。
  36. 還元型補酵素Qが神経系細胞機能改善作用を有することを表示した、包装用容器および/または販売促進用ツールを用いて販売することを特徴とする、還元型補酵素Qを含む神経系細胞機能改善用組成物の販売方法。
  37. 神経系細胞機能改善作用が神経系細胞賦活作用である請求項36記載の販売方法。
  38. 神経系細胞賦活作用が認知機能の促進作用である請求項37記載の販売方法。
  39. 神経系細胞賦活作用が学習または記憶障害の改善作用である請求項37記載の販売方法。
  40. 神経系細胞機能改善作用が神経系細胞保護作用である請求項36記載の販売方法。
  41. 神経系細胞保護作用が、神経障害症状の改善・予防作用である請求項40記載の販売方法。
  42. 神経が中枢神経である請求項37または40記載の販売方法。
  43. 還元型補酵素Qを有効成分とする組成物、および該組成物を神経系細胞機能を改善するために使用することができる、または使用すべきであることを記載した、該組成物に関する記載物を含む商業的パッケージ。
JP2008510882A 2006-03-29 2007-03-29 神経系細胞機能改善剤 Pending JPWO2007119578A1 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006091490 2006-03-29
JP2006091490 2006-03-29
JP2006136232 2006-05-16
JP2006136232 2006-05-16
PCT/JP2007/056770 WO2007119578A1 (ja) 2006-03-29 2007-03-29 神経系細胞機能改善剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2007119578A1 true JPWO2007119578A1 (ja) 2009-08-27

Family

ID=38609350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008510882A Pending JPWO2007119578A1 (ja) 2006-03-29 2007-03-29 神経系細胞機能改善剤

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20090246186A1 (ja)
EP (1) EP2005951A2 (ja)
JP (1) JPWO2007119578A1 (ja)
TW (1) TW200812567A (ja)
WO (1) WO2007119578A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2123266B1 (en) * 2006-12-06 2014-01-15 Kaneka Corporation Cancer therapeutic agent and anti-carcinogenic agent
KR20110083604A (ko) 2008-11-20 2011-07-20 테이코쿠 팔마 유에스에이, 인코포레이티드 피라졸론 유도체 제제
JP5762414B2 (ja) 2009-08-24 2015-08-12 ハフ イヤ インスティテュート 急性音響外傷の治療方法
RU2569743C2 (ru) * 2009-09-11 2015-11-27 Нестек С.А. Композиции и способы усиления когнитивной функции и связанных с ней функций у животных
SG10202010355PA (en) 2010-03-12 2020-11-27 Berg Llc Intravenous formulations of coenzyme q10 (coq10) and methods of use thereof
KR101720054B1 (ko) 2011-03-10 2017-03-27 경희대학교 산학협력단 난청의 예방 또는 치료용 조성물
US10328152B2 (en) 2011-06-16 2019-06-25 Nayan Patel Method for stabilization and delivery of therapeutic molecules
MX351781B (es) 2011-06-17 2017-10-30 Berg Llc Composiciones farmaceuticas inhalables.
CN104840579A (zh) * 2015-05-20 2015-08-19 四川双鑫生物科技有限公司 一种治疗美尼尔氏综合症的汤剂药物及其制备方法
CN104983697A (zh) * 2015-06-24 2015-10-21 山东圣海保健品有限公司 辅酶q10咀嚼片
JP6998057B2 (ja) * 2016-07-15 2022-02-04 国立大学法人東海国立大学機構 歯髄細胞を含む神経損傷治療用移植材
CN108939176A (zh) * 2018-07-26 2018-12-07 南开大学 负载纳豆激酶的小口径人工血管及其制备方法
AU2019380654A1 (en) * 2018-11-14 2021-05-27 Finzelberg Gmbh & Co. Kg Use of extracts of the leaves of lemon verbena (Aloysia citriodora) for increasing the neuronal, cerebral availability of neurotransmitters selected from the group of serotonin, dopamine, noradrenaline
JP7194484B2 (ja) * 2020-10-21 2022-12-22 三井農林株式会社 脳機能改善剤
CN113332271A (zh) * 2021-03-31 2021-09-03 中山大学孙逸仙纪念医院 盐酸甲氯芬酯在制备预防或治疗帕金森病的药物中的应用

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04112823A (ja) * 1990-09-03 1992-04-14 Masaki Imagawa 痴呆治療剤
JPH10109933A (ja) * 1996-08-16 1998-04-28 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 医薬組成物
JP2003113129A (ja) * 2001-07-30 2003-04-18 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 還元型補酵素q10結晶の製造方法
JP2003119127A (ja) * 2001-10-10 2003-04-23 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 安定な還元型補酵素q製剤
WO2003032968A1 (fr) * 2001-10-12 2003-04-24 Kaneka Corporation Compositions destinees a reduire le stress oxydatif
WO2005041945A1 (ja) * 2003-10-31 2005-05-12 Kaneka Corporation 還元型補酵素q含有組成物

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62133313A (ja) 1985-12-06 1987-06-16 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 地球センサ地球スキヤン周期検出装置
US5843641A (en) * 1993-02-26 1998-12-01 Massachusetts Institute Of Technology Methods for the daignosis, of familial amyotrophic lateral sclerosis
US6045826A (en) 1999-04-02 2000-04-04 National Research Council Of Canada Water-soluble compositions of bioactive lipophilic compounds
WO2001032168A1 (en) 1999-11-03 2001-05-10 Juvenon, Inc. Method of treating benign forgetfulness
US6740338B1 (en) * 2000-01-20 2004-05-25 Raj K. Chopra Reduced form of Cenzyme Q in high bioavailability stable oral dosage form
DE10027968A1 (de) 2000-06-08 2001-12-13 Asta Medica Ag Mittel zur Therapie von Demenzen
US6572899B1 (en) * 2002-07-03 2003-06-03 Vitacost.Com, Inc. Memory loss treatment formulation
JP4529616B2 (ja) 2004-09-24 2010-08-25 Jsr株式会社 層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物および層間絶縁膜
JP4670318B2 (ja) 2004-11-11 2011-04-13 株式会社島津製作所 穀物の遺伝子増幅法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04112823A (ja) * 1990-09-03 1992-04-14 Masaki Imagawa 痴呆治療剤
JPH10109933A (ja) * 1996-08-16 1998-04-28 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 医薬組成物
JP2003113129A (ja) * 2001-07-30 2003-04-18 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 還元型補酵素q10結晶の製造方法
JP2003119127A (ja) * 2001-10-10 2003-04-23 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 安定な還元型補酵素q製剤
WO2003032968A1 (fr) * 2001-10-12 2003-04-24 Kaneka Corporation Compositions destinees a reduire le stress oxydatif
WO2005041945A1 (ja) * 2003-10-31 2005-05-12 Kaneka Corporation 還元型補酵素q含有組成物

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN7012002862; Free Radical Research 36(4), 2002, pp.455-460 *

Also Published As

Publication number Publication date
TW200812567A (en) 2008-03-16
EP2005951A9 (en) 2009-07-29
WO2007119578A1 (ja) 2007-10-25
EP2005951A2 (en) 2008-12-24
US20090246186A1 (en) 2009-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2007119578A1 (ja) 神経系細胞機能改善剤
JP5352235B2 (ja) 酸化型補酵素q10含有高吸収性経口用組成物
JP2007126455A (ja) 脳機能障害の改善剤
JP5517124B2 (ja) 炎症性障害および/または関節障害の治療、共治療または予防のための三環式ジテルペンおよびそれらの誘導体の使用
JP5686496B2 (ja) メタボリックシンドローム改善・予防組成物
CN109689039B (zh) 用于预防或改善痴呆症或抑郁状态的组合物
JP2008179632A (ja) 抗酸化剤
WO2001087291A1 (fr) Compositions permettant de regulariser le rythme circadien
EA025256B1 (ru) Композиция, подходящая для лечения нарушений липидного обмена
JPWO2003077895A1 (ja) 糖尿病用組成物
CN105120853A (zh) 类胡萝卜素的脑内神经保护作用
JPWO2008069276A1 (ja) 癌治療剤および発癌抑制剤
TW200913988A (en) Anti-fatigue agent and oral composition each comprising andrographolide as active ingredient
JP2003261456A (ja) 脳の老化予防剤
JP2007517761A (ja) 抗老化用組成物
JP2006347927A (ja) 疲労改善剤
JP2008143819A (ja) 酸化ストレス誘導細胞死の抑制剤
JP5896474B2 (ja) 認知機能改善用併用剤
JPWO2007119367A1 (ja) ビオプテリンを含む組成物及びその使用方法
JP7298593B2 (ja) 認知機能の改善用組成物および不安様症状の改善用組成物、ならびに脳萎縮の抑制用組成物
EP3272351A1 (en) Composition for facilitating production of brain-derived neurotrophic factor
JP5196708B2 (ja) アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮改善剤及び飲食物
KR102439576B1 (ko) 뇌기능 개선용 영양전달체 조성물
JPWO2008093764A1 (ja) 糖尿病予防または治療用組成物
JPWO2007034852A1 (ja) 延命用組成物及び寿命を延長する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121113